IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本キャリア工業の特許一覧

<>
  • 特許-スライス肉のトレー盛付装置 図1
  • 特許-スライス肉のトレー盛付装置 図2
  • 特許-スライス肉のトレー盛付装置 図3
  • 特許-スライス肉のトレー盛付装置 図4
  • 特許-スライス肉のトレー盛付装置 図5
  • 特許-スライス肉のトレー盛付装置 図6
  • 特許-スライス肉のトレー盛付装置 図7
  • 特許-スライス肉のトレー盛付装置 図8
  • 特許-スライス肉のトレー盛付装置 図9
  • 特許-スライス肉のトレー盛付装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】スライス肉のトレー盛付装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20221012BHJP
   A22C 17/00 20060101ALI20221012BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20221012BHJP
   B65G 15/26 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B65B5/06
A22C17/00
B65G47/52 B
B65G15/26
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018172016
(22)【出願日】2018-09-14
(65)【公開番号】P2020040726
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000152815
【氏名又は名称】株式会社日本キャリア工業
(72)【発明者】
【氏名】越智 一志
(72)【発明者】
【氏名】牧野 伸司
(72)【発明者】
【氏名】大西 秀明
(72)【発明者】
【氏名】浅井 裕司
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-100885(JP,U)
【文献】特開昭60-184346(JP,A)
【文献】特開平02-291315(JP,A)
【文献】特開2011-173232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/06
A22C 17/00
B65G 47/52
B65G 15/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のトレーに盛り付けられる分量ごとに仕分けされたスライス肉群を、直線的に進退自在な移載ベルト上に載置して搬送し、この移載ベルトの搬送終端部を後退させてトレー内に移載して盛り付ける構成としたスライス肉盛付装置において、前記スライス肉群を搬送して前記移載ベルト上に載置する搬送コンベヤを設け、トレーの内底が前記移載ベルトの搬送終端部に近接するように、このトレーを傾けられるように構成し、トーを、スライス肉群が載置された前記移載ベルトの搬送終端部とトレーの内底とが近接するように傾けた状態で、前記移載ベルトの搬送終端部を後退させて、この移載ベルト上のスライス肉群をトレー内に盛り付ける構成としたことを特徴とするスライス肉盛付装置。
【請求項2】
前記搬送コンベヤの終端部水平方向に所定距離だけ進退するシャトルコンベヤと、このシャトルコンベヤから、進出状態にある前記移載ベルト上にスライス肉群が移載される構成とした請求項に記載のスライス肉盛付装置。
【請求項3】
前記移載ベルトの搬送終端部の後退に追従して、この移載ベルトの搬送終端部とトレーの内底とが近接した状態を維持させる追従手段設け請求項1または請求項に記載のスライス肉盛付装置。
【請求項4】
前記追従手段が、前記移載ベルトの搬送終端部の後退に連動して、この移載ベルトの搬送終端部をトレーの内底に近接するように下降させる昇降手段からなる請求項に記載のスライス肉盛付装置。
【請求項5】
前記追従手段に、前記移載ベルトの搬送終端部とトレーの内底とを近接させる方向に付勢する弾機を備えた請求項に記載のスライス肉盛付装置。
【請求項6】
前記移載ベルトの横幅をトレーの内底の幅よりも狭く形成した請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスライス肉盛付装置。
【請求項7】
スライス肉群を、後続するスライス肉の一部を前のスライス肉に重ねて列状に形成したものとしこのスライス肉群を列状に保持したまま、前記移載ベルトの搬送終端部側に載置されたスライス肉からトレー内に順次移載する構成とした請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスライス肉盛付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、牛や豚など食肉が薄切りされたスライス肉を販売用のトレーに盛り付ける盛付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する従来のスライス肉のトレー盛付装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。
この文献には、鱗列状にされたスライス肉群を搬送する搬送ベルト(本発明の「搬送コンベヤ」に相当)の搬送側のローラーが後退してスライス肉群を受皿(トレー)に落下させて盛り付ける構成が開示されている。
しかしながら、この構成では、搬送ベルトにおけるスライス肉群の剥離される位置から受皿の内底(内側の底面)までの落差があり、剥離されるスライス肉群は受皿に沿うことなく落下されるので、搬送されたままの姿勢を保って整然と盛り付けることは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-69196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述のような問題点に鑑み、搬送コンベヤで搬送される、鱗列状にされたスライス肉群を、姿勢を乱れさせないで整然とトレーに盛り付けるスライス肉盛付装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、単一のトレーに盛り付けられる分量ごとに仕分けされたスライス肉群を、直線的に進退自在な移載ベルト上に載置して搬送し、この移載ベルトの搬送終端部を後退させてトレー内に移載して盛り付ける構成としたスライス肉盛付装置において、前記スライス肉群を搬送して前記移載ベルト上に載置する搬送コンベヤを設け、トレーの内底が前記移載ベルトの搬送終端部に近接するように、このトレーを傾けられるように構成し、トーを、スライス肉群が載置された前記移載ベルトの搬送終端部とトレーの内底とが近接するように傾けた状態で、前記移載ベルトの搬送終端部を後退させて、この移載ベルト上のスライス肉群をトレー内に盛り付ける構成としたことを特徴とするスライス肉盛付装置とし
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記搬送コンベヤの終端部水平方向に所定距離だけ進退するシャトルコンベヤと、このシャトルコンベヤから、進出状態にある前記移載ベルト上にスライス肉群が移載される構成とした請求項に記載のスライス肉盛付装置とし
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記移載ベルトの搬送終端部の後退に追従して、この移載ベルトの搬送終端部とトレーの内底とが近接した状態を維持させる追従手段設け請求項1または請求項に記載のスライス肉盛付装置とし
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記追従手段が、前記移載ベルトの搬送終端部の後退に連動して、この移載ベルトの搬送終端部をトレーの内底に近接するように下降させる昇降手段からなる請求項に記載のスライス肉盛付装置とし
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記追従手段に、前記移載ベルトの搬送終端部とトレーの内底とを近接させる方向に付勢する弾機を備えた請求項に記載のスライス肉盛付装置とし
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記移載ベルトの横幅をトレーの内底の幅よりも狭く形成した請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスライス肉盛付装置とし
【0011】
請求項7に記載の発明は、スライス肉群を、後続するスライス肉の一部を前のスライス肉に重ねて列状に形成したものとしこのスライス肉群を列状に保持したまま、前記移載ベルトの搬送終端部側に載置されたスライス肉からトレー内に順次移載する構成とした請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスライス肉盛付装置とし
【発明の効果】
【0012】
搬送コンベヤで搬送される、鱗列状にされたスライス肉群を、移載ベルト上に載置して搬送し、移載ベルトの搬送終端部とトレーの内底とを近接させた状態で移載ベルトの搬送終端部を後退させて盛り付けるようにしたので、先頭のスライス肉からトレーの内底に付着した状態となってずれにくいため、移載ベルトの後退に伴う引かれによる姿勢の乱れもなく、スライス肉群は整然と盛り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るスライス肉盛付装置の参考例における要部を示す側面図である。
図2図1において、移載ベルトが傾けられて、移載ベルトの先端部がトレーの内底に近接された状態を示す。
図3図2において、移載ベルトが後退するにつれ、移載ベルトの支持枠を支持する昇降手段が下降して、移載ベルトが仮想線表示の状態から実線表示の状態まで引き下げられ、移載ベルトの先端部とトレーの内底との近接した状態が維持された状態を示す。
図4図1の平面図である。
図5】実施例におけるスライス肉盛付装置の要部を示す側面図である。
図6図5において、トレーが傾けられて、トレーの内底と移載ベルトの先端部とが近接された状態を示す。
図7図6において、移載ベルトが後退するにつれ、移載ベルトの支持枠を支持する昇降手段が下降して、移載ベルトが仮想線表示の状態から実線表示の状態まで引き下げられ、移載ベルトの先端部とトレーの内底との近接した状態が維持された状態を示す。
図8図7におけるスライス肉群のトレー内への移載始めの状態を拡大して示す説明図である。
図9参考例における追従手段の一例を示す側面図である。
図10】追従手段の他の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るスライス肉盛付装置の参考例について、図1から4に基づき説明する。
【0015】
搬送コンベヤ1は、図示しない食肉スライサーで食肉がスライスされ、これも図示しない折り畳み装置で略中心部から2つに折り畳まれ、折り畳み線を前(搬送コンベヤ1の下流側)にして後続のスライス肉mの一部を鱗状に重ねた鱗列状にされ、1パック分量(1個のトレー3に盛り付けられる分量)ごとに仕分けされたスライス肉群Mを終端部まで搬送する。
尚、スライス肉群Mは、折り畳まれずに鱗列状にされたものであっても、単一のスライス肉であってもよい。
【0016】
搬送コンベヤ1は、図4に示されるように、平行な2条列のスライス肉群M、Mを搬送する構成とされているが、条列数は限定されない。
【0017】
搬送コンベヤ1の終端部には、搬送コンベヤ1を走行させるローラーと同方向に回転する剥離ローラー2が、搬送コンベヤ1の表面に近接して設けられており、スライス肉mの持回りを防止している。
【0018】
また、搬送コンベヤ1の終端部は、搬送コンベヤ1の下流側へ向けて下降するよう緩やかに傾斜されるとともに、詳細な表示は省略するが、図1に仮想線表示したように、水平方向に所定距離だけ進退するシャトルコンベヤとされる。
【0019】
詳細な表示は省略するが、この搬送コンベヤ1の終端部の下方に、搬送コンベヤ1に直交してトレー3を供給するトレー供給装置4が設けられている。
【0020】
搬送コンベヤ1の終端部における下面とトレー3との間には、それぞれのスライス肉群Mの条列に対向して個別に移載ベルト5が設けられ、図1で示されるように、搬送コンベヤ1の終端部が後退することで、スライス肉群Mが移載ベルト5に移載される。
【0021】
この移載ベルト5は、少なくとも1パック分量のスライス肉群Mが載置可能な、スライス肉群Mの搬送方向における長さと横幅Bを有する。横幅Bは、スライス肉mの横幅に対応されているとともに、スライス肉群Mが盛り付けられるトレー3の内底の幅より狭く形成されている。そのため、スライス肉群Mの条列数の単複に係らず、移載ベルト5を、搬送コンベヤ1の両側板を支障とすることなく、搬送コンベヤ1の下面に近接させ、且つ、それぞれのスライス肉群Mの条列に対向させて設置できる。
【0022】
参考例における移載ベルト5は、支持枠7に進退自在に支持された移動板6の前後方向に掛け回されるとともに、スライス肉mとの接触面(移動板6の上面)側の一部が支持枠7に固着されていて、進退手段8によって移動板6が支持枠7に対して直線的に進退することに伴い進退するよう構成された公知のものである。参考例では図1に示されるように、支持枠7が搬送コンベヤ1の下流側に配設されており、移載ベルト5が進出した状態で搬送コンベヤ1からスライス肉群Mが移載されるように構成される。
【0023】
また、支持枠7には、支持枠7のトレー3近くの両側を回動自在に支持する支持具9が設けられる。この支持具9は、下端部が機体に固着された昇降手段(a)10の上端部に固着されている。
【0024】
更に、支持枠7には、支持具9による支持部とは異なる場所で支持枠7の両側を回動自在に支持する支持具13が設けられる。支持具13は、支持具9による支持枠7の支持部を中心として移載ベルト5を傾動させる昇降手段(b)11の上端部に固着されており、この昇降手段(b)11の下端部は支持具9に支持されている。
【0025】
参考例では図4に示されるように、搬送コンベヤ1によって平行な2条列のスライス肉群M、Mが搬送され、それぞれのスライス肉群Mの条列に対向して個別に移載ベルト5、5が設けられている。
このように構成すれば、前述の通り移載ベルト5の横幅Bはトレー3の内底の幅未満とされていることから、移載ベルト5、5を、搬送コンベヤ1の両側板を支障とせずに搬送コンベヤ1の下面に近接させることができる。ひいては、剥離ローラー2の効果と相俟って、スライス肉群Mを、搬送時の姿勢を乱すことなく良好に、搬送コンベヤ1から移載ベルト5に移載させることができる。
【0026】
このように構成された参考例における盛付装置の作動について、図に基づき説明する。図1に実線で示されているのが、搬送コンベヤ1の終端部が後退して、スライス肉群Mが搬送時の姿勢を保ったまま、進出状態にある移載ベルト5上に移載された状態である。この時、移載ベルト5は水平状態であり、スライス肉群Mは、搬送コンベヤ1の上流側のスライス肉m、即ち、スライス肉群Mの後尾のスライス肉mが移載ベルト5の先端部にくるよう移載されている。
【0027】
次いで、移載ベルト5が、先端部がトレー3の内底に近接するまで傾動される。この傾動は図2に示されるように、支持具9による支持枠7の支持部を中心とした、昇降手段(b)11による傾動である。
ここでいう「近接する」とは、移載ベルト5の先端部とトレー3の内底とが、僅かに接触する程度が最も好ましいが、スライス肉mの厚み程度の僅かな間隙を有する状態から、悪くとも移載ベルト5の先端部がトレー3の上縁以下のトレー3内に保持されることを意味している。
【0028】
続いて、進退手段8による移動板6の後退が始まると、同時に、スライス肉mとの接触面側の一部が支持枠7に固着された移載ベルト5も、スライス肉mから接触面を剥がすように後退する。すると、移載ベルト5の先端部にあるスライス肉群Mの後尾のスライス肉mを先頭として、移載ベルト5上のスライス肉群Mのトレー3への移載が開始される。スライス肉群Mは、先頭(スライス肉群Mの後尾)のスライス肉mから順次、トレー3の内底に付着しながら移載されていくため、スライス肉群Mは搬送時の姿勢を保ったままトレー3に盛り付けられる。
【0029】
このような構成においては、図3に仮想線表示されるように、移載ベルト5の先端部がトレー3の内底に近接された状態から、移載ベルト5が後退する。しかし、移載ベルト5が後退するにつれ、移載ベルト5の先端部とトレー3の内底との間隙が広がってしまうため、このままで進むと後続のスライス肉mが内底から離れて移載されるようになり、姿勢が乱れやすい。
【0030】
そこで、本願における請求項からの発明では、移載ベルト5の後退に追従して移載ベルト5の先端部とトレー3の内底とが近接した状態を維持させる追従手段が設けられている。
【0031】
この追従手段の一例として参考例に実施されているのは、図3の実線表示のように、支持枠7を、移載ベルト5の先端部とトレー3の内底との間隙が広がった分、昇降手段(a)10で移載ベルト5の後退と連動して下降させる構成である。この構成であれば、後続のスライス肉mもトレー3の内底に近接させたまま移載できる。
【0032】
移載ベルト5の後退が進み、移載ベルト5がトレー3の上縁に接当した段階で、支持枠7を下降させる昇降手段(a)10の作動を停止させ、移載ベルト5のみを後退させる。この時、先行してトレー3へ移載されたスライス肉mの下側の一部がトレー3の内底に付着しているため、移載ベルト5の後退による後続のスライス肉mの引かれが防止され、姿勢を乱されずにトレー3へ盛り付けられる。
【0033】
尚、追従手段は適宜変更可能であり、参考例におけるその他の追従手段の例を図9に示している。
図9における支持枠7は、トレー3近くの支持枠7の両側を回動自在に支持する支持具9’が設けられ、支持具9’は機体に固着されている。加えて、昇降手段(b)11と支持具13との間には、移載ベルト5の先端部がトレー3の内底に近づく方向に向けて弾性的に付勢するスプリング12が装着される。
上述の構成によれば、支持枠7は、支持具9’による支持部を中心とした傾動が自在となるよう機体に支持され、スプリング12によって、移載ベルト5の先端部とトレー3の内底とが近接した状態を維持できる。
【0034】
次に、参考例と構成の一部が異なる、本発明に係るスライス肉盛付装置の実施例について、図5から8に基づいて説明する。
【0035】
実施例は図5で明らかなように、参考例と異なり、支持枠7が搬送コンベヤ1の下方位置に配設されている。つまり、移載ベルト5の向きが参考例とは反対となり、搬送コンベヤ1側から移載ベルト5が進退する構成である。
そのため、搬送コンベヤ1の終端部が後退してスライス肉群Mが移載ベルト5へ移載される時、スライス肉群Mは、搬送コンベヤ1の下流側のスライス肉m、即ち、スライス肉群Mの先頭のスライス肉mが移載ベルト5の先端部にくるよう移載される。
【0036】
したがって、移載ベルト5からトレー3へスライス肉群Mが移載される時も、スライス肉群Mの先頭のスライス肉mを先頭として移載が開始される。
すると、スライス肉群Mが移載ベルト5からトレー3へ移載されるにあたって、実施例で図8に示されるように、先行して移載されるスライス肉m(スライス肉群Mの先頭のスライス肉m)の下側の全面がトレー3の内底に付着しながら移載される。
【0037】
その結果、移載ベルト5を後退させて後続のスライス肉をトレー3に移載する際、参考例よりもトレー3の内底に付着するスライス肉mの下側の面積が増えるため、移載ベルト5の後退によるスライス肉の引かれがより少なくなってずれにくくなり、スライス肉群Mが姿勢を乱されずに整然と盛り付けられる。
【0038】
移載ベルト5からトレー3にスライス肉群Mを移載させる時には、参考例と同様に、トレー3の内底と移載ベルト5の先端部とを近接させる。
近接させるにあたって、参考例では支持枠7を傾動させる構成であったが、実施例においては図6、7に示されるように、トレー3を、トレー3の内底が搬送コンベヤ1に対向するよう、トレー3の支持具15を上昇させて傾ける構成である。
【0039】
更に、移載ベルト5とトレー3の内底との近接した状態を維持させる追従手段が設けられており、図7は実施例における追従手段の一例である。
図7において支持枠7には、支持枠7を水平に支持する支持具14が設けられ、支持具14は、下端部が機体に固着された昇降手段(a)10’の上端部に固着されている。そして参考例と同様に、支持枠7を、移載ベルト5の先端部とトレー3の内底との間隙が広がった分、昇降手段(a)10’で移載ベルト5の後退と連動して下降させる構成である。
【0040】
また、追従手段は、例えば図10に示すように、支持具15にスプリング(請求項の「弾機」)12’を装着させて、トレー3の内底を移載ベルト5の先端部に向けて近づける方向に弾性的に付勢させるような構成にしてもよい。
【0041】
実施例のような構成とすれば、支持枠7、進退手段8などが搬送コンベヤ1の下側のスペースに収納できるので、参考例よりも機体をコンパクトにすることができる。
【0042】
本発明における実施形態について、搬送コンベヤ1から移載ベルト5へスライス肉群Mを移載する際は、搬送コンベヤ1の終端部をシャトルコンベヤとしないで、移載ベルト5を図示しない進退手段によって、搬送コンベヤ1によるスライス肉群Mの搬送に同期させることで、スライス肉群Mが移載ベルト5に移載されるように構成してもよい。
【0043】
更に、本発明における実施形態は、前述した参考例、実施例のような搬送コンベヤ1の終端部から移載ベルト5にスライス肉群Mを移載する構成に限定されるものではない。例えば、搬送コンベヤ1上からスライス肉群Mを、移載ベルト5を前進させて掬い取ってから、移載ベルト5の先端部を所定の盛付位置にあるトレー3の内底に近接するように移動させ、移載ベルト5を後退させてトレー内に移載し盛り付ける構成であってもよい。
【0044】
また、移載ベルト5は移動板6に掛け回された無端体とし、無端体の一部を必要に応じて移動板6または支持枠7に一時的に固定できる固定部材を備えた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 搬送コンベヤ
3 トレー
5 移載ベルト
8 進退手段
10’ 昇降手段
12’ スプリング(弾機)
14 支持具
15 支持具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10