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  • 特許-搭載型の通行案内用看板 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】搭載型の通行案内用看板
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/681 20160101AFI20221012BHJP
   G09F 7/18 20060101ALI20221012BHJP
   G09F 7/10 20060101ALI20221012BHJP
   E01F 15/04 20060101ALI20221012BHJP
   E01F 15/08 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
E01F9/681
G09F7/18 M
G09F7/10
E01F15/04 A
E01F15/08
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018235571
(22)【出願日】2018-12-17
(65)【公開番号】P2020097828
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】391050824
【氏名又は名称】株式会社リストラ
(73)【特許権者】
【識別番号】316016519
【氏名又は名称】株式会社オリエンテック
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】田口 和弘
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3070752(JP,U)
【文献】特開2010-133119(JP,A)
【文献】実開平04-065815(JP,U)
【文献】特開平05-224616(JP,A)
【文献】実開昭63-089009(JP,U)
【文献】登録実用新案第3128649(JP,U)
【文献】特開平08-193310(JP,A)
【文献】特開平11-241316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/681
G09F 7/18
G09F 7/10
E01F 15/04
E01F 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠内に通行案内用の表示板(8)を収納した長方形の看板枠(4)に道路又は通路近傍に配置された他の配置物に着脱可能に且つ固定的に取付ける取付機構(3)を設け、該取付機構(3)は、上記看板枠(4)の下辺外周に左右方向に沿って取付けられ、配置物としてのガードレール(2)の上端に沿って傾斜した前壁と垂直方向の後壁とを備えた下部開放型の山形断面で上記看板枠(4)の下辺と同一長さの脚部材(18)と、上記後壁に内向きにねじ込まれる複数本の押しボルト(19)とからなり、前壁の内面に沿って挿入されたガードレール(2)の上端を、上記押しボルト(19)により前壁内面に押接固定することにより、看板枠(4)を直立状態で取り付ける搭載型の通行案内用看板。
【請求項2】
配置物が、通行案内又は通行規制用の配置物であり、看板枠(4)の下部に設けた取付機構(3)を介して配置物の上部に取付ける請求項1に記載の搭載型の通行案内用看板。
【請求項3】
取付機構(3)内に配置物の上方に被せた状態で取付機構を固定する締付機構を備えてなる請求項1又は2に記載の搭載型の通行案内用看板。
【請求項4】
配置物がガードレール(2),フェンス,パイプバリケード,スタンド付の立看板(36)のいずれかであり、取付機構(3)を上記配置物に適合させた機構とした請求項3に記載の搭載型の通行案内用看板。
【請求項5】
看板枠(4),(6)を構成する枠材の一部を開放端とすべく着脱可能に取付け、上記開放端側より表示板(8)を差込挿入する請求項1~4のいずれかに記載の搭載型の通行案内用看板。
【請求項6】
看板枠(4),(6)が配置物に取付けられる外枠(4)と外枠(4)内に収容され表示板(8)を収容保持する内枠(6)とからなる請求項1~5のいずれかに記載の搭載型の通行案内用看板。
【請求項7】
内枠(6)を外枠(4)に対して回動調節することにより、表示板(8)の取付角度を調節可能に取付けてなる請求項6に記載の搭載型の通行案内用看板。
【請求項8】
内枠(6)とともに角度調節された表示板(8)の角度を、外枠(4)に対してロックするロック装置(17)を設けてなる請求項7に記載の搭載型の通行案内用看板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はガードレールその他の通行規制用又はスライド式立看板等の通行案内用に道路や通路の近傍の配置物の主として上部に取付けられ、より高い位置で表示される搭載型の通行案内用看板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例えば特許文献1に示される矢印看板(表示板)又は特許文献2に示すような交通案内用看板が広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3191514号公報
【文献】実用新案登録第3213921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献のものはいずれも自立型の山形断面又は折畳みスタンド付の看板であるが、人や車両が通行する通路や道路内に配置すると、通路や道路のスペースを取ることが多く通行の妨げになるほか、突風やあおり風等で看板が転倒して通行の妨げ又は危険要因になる。またドライバー(特にトラックの)にとっては自立型の看板は目線より低位置になるため視認し辛い等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の看板は、第1に枠内に通行案内用の表示板8を収納した長方形の看板枠4に道路又は通路近傍に配置された他の配置物に着脱可能に且つ固定的に取付ける取付機構3を設け、該取付機構3は、上記看板枠4の下辺外周に左右方向に沿って取付けられ、配置物としてのガードレール2の上端に沿って傾斜した前壁と垂直方向の後壁とを備えた下部開放型の山形断面で上記看板枠4の下辺と同一長さの脚部材18と、上記後壁に内向きにねじ込まれる複数本の押しボルト19とからなり、前壁の内面に沿って挿入されたガードレール2の上端を、上記押しボルト19により前壁内面に押接固定することにより、看板枠4を直立状態で取り付けることを特徴としている。
【0006】
第2に、配置物が、通行案内又は通行規制用の配置物であり、看板枠4の下部に設けた取付機構3を介して配置物の上部に取付けることを特徴としている。
【0007】
第3に、取付機構3内に配置物の上方に被せた状態で取付機構を固定する締付機構を備えてなることを特徴としている。
【0008】
第4に、配置物がガードレール2,フェンス,パイプバリケード,スタンド付の立看板36のいずれかであり、取付機構3を上記配置物に適合させた機構としたことを特徴としている。
【0009】
第5に、看板枠4,6を構成する枠材の一部を開放端とすべく着脱可能に取付け、上記開放端側より表示板8を差込挿入することを特徴としている。
【0010】
第6に、看板枠4,6が配置物に取付けられる外枠4と外枠4内に収容され表示板8を収容保持する内枠6とからなることを特徴としている。
【0011】
第7に、内枠6を外枠4に対して回動調節することにより、表示板8の取付角度を調節可能に取付けてなることを特徴としている。
【0012】
第8に、内枠6とともに角度調節された表示板8の角度を、外枠4に対してロックするロック装置17を設けてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
以上のように構成される本発明の通行案内用看板によれば、次のような効果を奏する。
(1)看板が取付機構により、例えばガードレール,フェンス,パイプバリケード,擁壁スタンド式の看板等のように比較的固定性の高い通路近傍の配置物に取付けられるので、看板独自の面積スペースの必要がなく、固定性も良いので突風や大型自動車等の風圧で転倒したり移動したりすることを抑制できる。またこれらの配置物の上部に取付けることにより、ドライバーの目線近く又はそれ以上の高さになり視認が容易になる。
【0014】
(2)看板枠の外周の一部が開放端となるように枠材の一部を着脱可能に取付けることにより、例えば発光式看板のバッテリーや充電器等が表示板の裏面に取付けられていても自由に挿脱できる利点がある。
【0015】
(3)固定的に取付けられた外枠に対して、表示板を収容した内枠の取付角度を調節可能にしたことにより、表示板を通行人やドライバーが最も見易い角度に調節し、この角度をロック装置によりロックすることによって常に最も視認性の高い状態を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明看板の取付状態を示す正面斜視図である。
図2】看板の背面斜視図である。
図3】(A),(B)は外枠に対する内枠の角度調節状態と非調節状態及びそれらのロック装置を示す平面と背面図である。
図4】(A)は内枠における表示板の差込及び開放端側の枠材の取付方法を示す正面図、(B)は取付枠材の側面図、(C)は内枠と取付枠材の取付状態を示す背面図である。
図5】内枠の表示板差込側の一部断面拡大側面図である。
図6】内枠の取付枠材の取付構造を示す一部断面拡大正面図である。
図7】外枠をガードレールに取付けた状態の取付機構を示す側面図である。
図8】外枠に定置用の脚を取付けた状態の拡大側面図である。
図9外枠に万力型の取付機構を装備し、コンクリート擁壁に取付けた状態を示す拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1,2は本発明の案内用看板1で、主にガードレール2に取付けるのに適した取付機構3を備えた形態の正面と背面の斜視図であり、図3図7は同一の実施形態を示す。案内用看板1は、長方形の外枠(看板枠)4と該外枠4内に納まる内枠(看板枠)6とを備え、枠材はいずれも四角形断面のアルミ押出成形パイプにより組付構成されており、また両枠4,6は互に重ね合わされた状態で上下枠材の幅方向の中心位置で上下方向の回動支点10において外枠4に対し内枠6が水平方向に回動調節可能に軸支されている。
【0018】
内枠6は図5図6に示すように、右側の枠材6aを取外すことによって右側が開放端となり、枠体の上下枠材6bには、周面と正面を覆う押えカバー7が取付けられ、この押えカバー7は周面カバー部7aが上下の枠材6bの周面側を覆い、正面カバー部7bが上下の枠材6bの正面側を覆うように直角方向に連続した山形断面に形成されたアルミ押出材からなっている(このアルミ押出材自体は実用新案登録第3213921号公報等により公知である。)。そして正面カバー部7bの先端は上下の枠材6bの正面との間に一定の間隙Sを形成して、この間隙Sが、右方向から表示板8を差込む差込スペースSとなっている。
【0019】
表示板8は通行案内用の夜間に反射性の優れた表示部材よりなる表示物(この例では矢印)9が表示されたアルミ裏打材等からなり、内枠6の右枠材6aを取外した状態で図4(A)に示すように上記差込スペースSに右方向から差込挿入する。断面構造は図示しないが、内枠6の左側枠材6cと右側枠材6aも上下の枠材6bと同様の押えカバーを取付けており、表示板8の差込スペースSを備えている。このため、図4(A)のように表示板8を差込んだ後、右枠材6aを上下枠材6bに取付固定すると表示板8は四方を押えカバー7の正面カバー部7bでその周縁を覆われた状態の枠内に収納されることになる。
【0020】
左枠材6aの上下端背面にはフォーク状に切割加工された取付プレート11が内向きに固着され、その取付プレート11は図4(A)の状態から、図4(C)の状態に上下の枠材6bの左端に押接され、上下枠材6bの背面側でねじ12により止められることにより、固定される。13は上下枠材6bの左右両端で、周面カバー部7aの開口部に差込まれ、右枠材6aの上下の開口部を塞ぐプラスチック製のキャップ、16はバーリングナット部である。
【0021】
上記表示板8の差込時において、内枠6の右側は開放端になっているので、図5に示すように仮にLED等の点灯により発光する表示板の場合に、ソーラー充電器やバッテリー等の機器類14が、表示板8の背面に突設されている場合でも、表示板8の挿脱には差支えない。
【0022】
上記内枠6の背面側には図2図3に示すような内枠6の回動に対する規制とロックを行うロック機構17が取付けられており、このロック機構17は内枠6の下枠材6bの背面に突設されたアングル状の可動プレート17a,可動プレート17aの平板プレート下で水平方向に対向して下部の外枠4の下枠材背面に突設した固定プレート17b,該固定プレート17bの中央にねじ込まれる蝶ねじからなるセットボルト17c,可動プレート17a上面に水平方向に載置され、上記セットボルト17cを貫通している長方形のフリープレート17dとで構成されている。
【0023】
そして上記可動プレート17aの中央には一定左右幅の切欠17eが設けられ、内枠6が外枠4に対し水平回動すると、上記切欠17eの左右両端の一方が、セットボルト17cに当接しない範囲で且つフリープレート17dの前側辺が、可動プレート17aの縦プレート面と当接しない範囲で回動可能であり、この例ではフリープレート17dの前側面が可動プレート17aの縦プレートの後面に当接する(図3(A)の隙間αがなくなる)ことにより回動規制が行われ、ストッパーとなる。この回動範囲の規制位置又は任意の位置でセットボルト17cを固定プレート17bにねじ込み締着することにより、内枠6の外枠4に対する回動位置、即ち角度調整位置がセット(ロック)される。
【0024】
上記外枠4の下辺外周には、図7で示すように、取付機構3として下部開放型の山形断面にアルミ押出成形され上辺(壁)が外枠4の下辺外周に取付けられる脚部材18と、該脚部材18内に挿入されたガードレール2の上端を、脚部材18の前壁内面に押接する押しボルト19とを備えており、押しボルト19は脚部材18の後壁内に突設されたバーリングナット20に内向きにねじ込まれて締付機構を形成している。21,22は脚部材18の前後壁に下側から被せられたゴム又はプラスチック製のラバーである。
【0025】
上記のように例えば道路脇のガードレール2に沿ってその上部に看板1を取付固定すると、枠体4,6はガードレール2、即ち車両の走行方向に沿って直立状態で取付けられるが、内枠6を図1のように時計方向に回動調節して、進行方向に対して傾斜させることにより、ドライバーは接近位置の前方からでも看板の表示内容を視認でき、しかもガードレールより高い位置にあるため、ドライバー目線と略同一の高さで見ることができる。
【0026】
図8図1図7で示した看板1を、床面に沿って配置する棒状の接地部材23に取付ける例を示しており、この例では複数本の接地部材23を平行に並べてその上部にアングル状のビーム材22を固定的に架設して設け、アングル状部材の縦壁に前記脚部材18の後壁をボルト19で締着する場合を示している。24は脚部材23の両端に被せたラバー部材である。この機構により看板1は床面上に配置することも可能である。
【0027】
はコンクリート擁壁30に対して、その上部に万力状の締付機構を介して看板1を取付けた例を示し、この例では、図8で用いたアングル状断面のビーム材22を、平行に並べた複数個の万力本体31の背面に固着して、万力本体31のC型の開放端を、擁壁30の上端に被せ、スリーブナット33に内向き挿通された締付ボルト32により看板1を擁壁30上に取付けている。その他の取付機構3は図8に示した例と共通している。
【符号の説明】
【0028】
1 看板
2 ガードレール
3 取付機構
4 外枠(看板枠)
6 内枠(看板枠)
8 表示板
10 回動支点
17 ロック装置
30 擁壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9