(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 43/08 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
B65D43/08 210
(21)【出願番号】P 2018122391
(22)【出願日】2018-06-27
【審査請求日】2021-05-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.発行者名 シーピー化成株式会社 刊行物名 製品パンフレット「2018 NEW DESIGN COLLECTION」 発行日 平成30年 2月 6日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2.展示会名 デリカテッセン・トレードショー2018 開催場所 幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目1) 展示日 平成30年 2月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 3.展示会名 アイディック株式会社 春夏季新商品商談会 開催場所 富山産業展示館テクノホール(富山県富山市友杉1682) 展示日 平成30年 2月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 4.展示会名 株式会社ハウディ福岡・北九州支店合同 2018春の展示商談会 開催場所 西日本総合展示場新館A展示場(福岡県北九州市小倉北区浅野3丁目8番1号) 展示日 平成30年 2月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 5.展示会名 2018シーピー化成展示会 大阪会場 開催場所 大阪ハービスHALL 大ホール(大阪府大阪市北区梅田2-5-25 ハービスOSAKA B2F) 展示日 平成30年 2月20日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 6.展示会名 ハウディ大分食品株式会社 2018春の展示商談会 開催場所 大分イベントホール(大分県大分市南春日町12番5号) 展示日 平成30年 2月20日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 7.展示会名 コプロ株式会社主催 AJS 2018年 春期商品展示会 開催場所 京都パルスプラザ(京都府総合見本市会館)(京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町5) 展示日 平成30年 2月22日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 8.展示会名 株式会社ハウディ鳥栖支店 2018春の展示商談会 開催場所 地場産くるめ総合展示場(福岡県久留米市東合川町5丁目8番5号) 展示日 平成30年 2月27日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 9.展示会名 2018シーピー化成展示会 福岡会場 開催場所 福岡ファッションビル 8F Aホール(福岡県福岡市博多区博多駅前10-19) 展示日 平成30年 3月 1日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 10.掲載年月日 平成30年 3月 1日 掲載アドレス http://www.tray-net.com/catalog/catalog.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 11.展示会名 株式会社ハウディ熊本 2018春の展示商談会 開催場所 グランメッセ熊本(熊本県上益城郡益城町福富1010) 展示日 平成30年 3月 7日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 12.展示会名 2018CGC合同商談会(株式会社シジシージャパン主催) 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3丁目11-1) 展示日 平成30年 4月17日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 13.発行者名 シーピー化成株式会社 刊行物名 総合カタログ「GENERAL CATALOG 2018」 発行日 平成30年 4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】込山 和馬
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-218213(JP,A)
【文献】特開2001-287725(JP,A)
【文献】特開2002-037334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と蓋体とを備え、シート成形によって形成される包装用容器であって、
前記容器本体及び前記蓋体が平面視矩形状に形成され、
前記容器本体は、底面部と、前記底面部から上方に延びる本体周壁部と、前記本体周壁部から外側に延びる本体フランジ部と、前記本体フランジ部よりも周縁側に設けられた本体逆テーパー部と、
前記本体逆テーパー部よりも周縁側に設けられているとともに平面視で前記本体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなる本体摘み部と、を有し、
前記蓋体は、天面部と、前記天面部から下方に延びる蓋体周壁部と、前記蓋体周壁部から外側に延びる蓋体フランジ部と、前記蓋体フランジ部よりも周縁側に設けられて前記本体逆テーパー部に係合する蓋体逆テーパー部と、
前記蓋体逆テーパー部よりも周縁側に設けられているとともに平面視で前記蓋体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなり前記本体摘み部に重ね合わされる蓋体摘み部と、を有し、
矩形状の前記容器本体及び前記蓋体の四隅のうちの一部
が開蓋領域とされ、
前記開蓋領域において、前記本体摘み部と前記蓋体摘み部とが重ね合わさ
れ、
前記本体逆テーパー部と前記蓋体逆テーパー部とが係合してなる逆テーパー係合部が、全ての前記開蓋領域において、それぞれ略全域に亘って設けられ、かつ、
矩形状の前記容器本体及び前記蓋体の四隅以外の領域において、矩形状の前記容器本体及び前記蓋体の少なくとも1辺の両端部と中間部とに独立して設けられ、
前記蓋体摘み部に、下方に向かって突出する下方突起部が設けられている包装用容器。
【請求項2】
前記本体逆テーパー部が前記容器本体の全周に亘って形成されているとともに、前記蓋体逆テーパー部が前記蓋体の外周において断続的に形成されている請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記容器本体及び前記蓋体が、一対の長辺と一対の短辺とを有する平面視長方形状に形成され、
前記逆テーパー係合部が、長方形状の前記容器本体及び前記蓋体の一対の前記長辺の両端部と中間部とに独立して設けられている請求項1又は2に記載の包装用容器。
【請求項4】
長方形状の前記容器本体及び前記蓋体の一対の前記短辺には、前記逆テーパー係合部が両端部だけに設けられている請求項3に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記蓋体周壁部における、前記開蓋領域に設けられた前記逆テーパー係合部の直上の位置に、内向きに凹む周壁凹部が設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体と蓋体とを備えた包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記の特許文献1(特開2001-139045号公報)には、容器本体〔11〕と、当該容器本体〔11〕に嵌合する蓋体〔12〕とを備えた包装用容器〔10〕が開示されている。容器本体〔11〕の周縁には本体側内嵌合部〔15〕が形成されており、蓋体〔12〕の周縁には蓋体側内嵌合部〔16〕が形成されている。本体側内嵌合部〔15〕と蓋体側内嵌合部〔16〕とは、共に、上方に向かうに従って容器〔10〕の内側に傾斜するテーパー状となっている。そして、このようなテーパー状の蓋体側内嵌合部〔16〕と本体側内嵌合部〔15〕とが当接し合うことで、蓋体〔12〕と容器本体〔11〕とが嵌合するように構成されている。このように、テーパー状の嵌合部を有する包装用容器では、蓋体と容器本体との強固な嵌合を実現でき、例えば、包装用容器の搬送時や陳列時などにおいて蓋体が不用意に開くことを抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、テーパー状の嵌合部を有する包装用容器では、蓋体と容器本体とを強固に嵌合できる一方で、必要な時に開蓋しにくいという課題があった。
【0005】
上記実状に鑑みて、不用意に開蓋されることを抑制でき、かつ、必要な時には開蓋し易い包装用容器の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る包装用容器は、
容器本体と蓋体とを備え、シート成形によって形成される包装用容器であって、
前記容器本体及び前記蓋体が平面視矩形状に形成され、
前記容器本体は、底面部と、前記底面部から上方に延びる本体周壁部と、前記本体周壁部から外側に延びる本体フランジ部と、前記本体フランジ部よりも周縁側に設けられた本体逆テーパー部と、前記本体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなる本体摘み部と、を有し、
前記蓋体は、天面部と、前記天面部から下方に延びる蓋体周壁部と、前記蓋体周壁部から外側に延びる蓋体フランジ部と、前記蓋体フランジ部よりも周縁側に設けられて前記本体逆テーパー部に係合する蓋体逆テーパー部と、前記蓋体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなり前記本体摘み部に重ね合わされる蓋体摘み部と、を有し、
前記本体摘み部と前記蓋体摘み部とが重ね合わされる開蓋領域が、容器外周に設けられ、
矩形状の前記容器本体及び前記蓋体の四隅のうちの一部が前記開蓋領域とされ、
前記本体逆テーパー部と前記蓋体逆テーパー部とが係合してなる逆テーパー係合部が、全ての前記開蓋領域において、それぞれ略全域に亘って設けられ、かつ、容器外周における前記開蓋領域以外の領域において、矩形状の前記容器本体及び前記蓋体の少なくとも1辺の両端部と中間部とに独立して設けられ、
前記蓋体摘み部に、下方に向かって突出する下方突起部が設けられている。
【0007】
本構成によれば、本体逆テーパー部と蓋体逆テーパー部との係合によって容器本体と蓋体とを強固に嵌合することができ、例えば包装用容器の搬送時や陳列時等に不用意に開蓋することを抑制できる。また、蓋体摘み部が蓋体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなっているため、開蓋時には蓋体摘み部を摘まみながら開蓋し易い。蓋体摘み部には下方突起部が設けられて本体摘み部との間に隙間が生じるため、蓋体摘み部を摘まみやすく、開蓋操作をさらに容易に行うことができる。また、蓋体摘み部は本体摘み部に重ね合わせられるため、蓋体摘み部が他物に接触して開蓋することも抑制できる。
また、本構成によれば、逆テーパー係合部が開蓋領域の全てに設けられているため、当該開蓋領域では、容器本体と蓋体との強嵌合を実現しつつ必要な時には開蓋し易い。また、逆テーパー係合部は、開蓋領域以外の領域において少なくとも1辺の両端部と中間部とに独立して断続的に設けられるため、逆テーパー係合部が全周に亘って設けられる構成とは異なり、容器本体と蓋体とが必要以上に強固に嵌合するのを抑制することができる。よって、この点からも、必要な時に開蓋し易く、円滑に開蓋することができる。
【0008】
1つの態様として、
前記本体逆テーパー部が前記容器本体の全周に亘って形成されているとともに、前記蓋体逆テーパー部が前記蓋体の外周において断続的に形成されていると好適である。
【0009】
本構成によれば、逆テーパー係合部を全ての開蓋領域(四隅のうちの一部)の略全域と少なくとも1辺の両端部と中間部とに独立して断続的に設けるのに、蓋体逆テーパー部を、蓋体の外周において逆テーパー係合部を設ける位置に応じて断続的に形成し、その一方で、本体逆テーパー部を容器本体の全周に亘って形成する。本体逆テーパー部を容器本体の全周に亘って形成しておくことで、例えば蓋体の形状変更等によって蓋体逆テーパー部ひいては逆テーパー係合部の具体的位置が微調整されるような場合にも、柔軟に対応することができる。すなわち、容器本体側の構成はそのままに、蓋体側の構成を様々に微調整することで、基本的構成態様(逆テーパー係合部が全ての開蓋領域(四隅のうちの一部)の略全域と少なくとも1辺の両端部と中間部とに独立して断続的に設けられる態様)を共通としつつ逆テーパー係合部の具体的位置が若干異なる複数バリエーションの包装用容器を、容易に提供することができる。
【0010】
1つの態様として、
前記容器本体及び前記蓋体が、一対の長辺と一対の短辺とを有する平面視長方形状に形成され、
前記逆テーパー係合部が、長方形状の前記容器本体及び前記蓋体の一対の前記長辺の両端部と中間部とに独立して設けられていると好適である。
【0011】
本構成によれば、逆テーパー係合部が両端部と中間部とに独立して設けられる辺を、両端部どうしが比較的離れた位置関係となる一対の長辺とすることで、長辺部分における嵌合力を適度に高めることができる。よって、必要時における開蓋のしやすさを損なうことなく不用意な開蓋を効果的に抑制することができる。
【0012】
1つの態様として、
長方形状の前記容器本体及び前記蓋体の一対の前記短辺には、前記逆テーパー係合部が両端部だけに設けられていると好適である。
【0013】
両端部どうしが比較的近接した位置関係となる短辺では、その両端部に設けられた逆テーパー係合部だけでも、十分な嵌合力が得られる場合が多い。むしろ、短辺の中央部にも蓋体逆テーパー部を形成して逆テーパー係合部を設ければ、短辺部分における逆テーパー係合部の占有率が過大となって嵌合力が過度に高まってしまう可能性がある。この点に鑑み、本構成によれば、短辺部分における嵌合力を必要十分な大きさとすることができ、この点からも、必要時における開蓋のしやすさを損なうことなく不用意な開蓋を効果的に抑制することができる。
【0014】
1つの態様として、
前記蓋体周壁部における、前記開蓋領域に設けられた前記逆テーパー係合部の直上の位置に、内向きに凹む周壁凹部が設けられていると好適である。
【0015】
本構成によれば、周壁凹部によって蓋体周壁部の強度を向上させることができ、蓋体が外力によって撓むのを抑制することができる。
【0016】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態に係る包装用容器について図面を参照して説明する。包装用容器1は、シート成形によって形成されており、
図1及び2に示すように、容器本体3と蓋体5とを備えている。
【0019】
包装用容器1は、その内部に食品等(例えば、料理など)の被収容物を収容する。本実施形態に係る包装用容器1は、例えば、にぎり寿司やおはぎ等の小さな塊状の被収容物を収容するのに適している。なお、以下では、包装用容器1の内部側、すなわち、外縁側から中央側に向かう方向を「内方」又は「内側」とする。そして、包装用容器1の外部側、すなわち、中央側から外縁側に向かう方向を「外方」又は「外側」として説明する。
【0020】
図3に示すように、本実施形態では、包装用容器1は、平面視矩形状に形成されている。すなわち、包装用容器1を構成する容器本体3及び蓋体5は平面視矩形状に形成されている。本実施形態では、容器本体3及び蓋体5は、平面視長方形状に形成されており、それぞれ、一対の短辺部3SS,5SSと一対の長辺部3SL,5SLとを有している。但し、このような構成に限定されることなく、容器本体3及び蓋体5は、平面視正方形状に形成されていても良い。
【0021】
図1、2及び4に示すように、容器本体3は、底面部31と、底面部31から上方に延びる本体周壁部32と、本体周壁部32から外側に延びる本体フランジ部33と、本体フランジ部33よりも周縁側(外側)に設けられた本体逆テーパー部35と、本体フランジ部33よりも外側に突出する突出片からなる本体摘み部36と、を有している。
【0022】
容器本体3は、4つの本体辺部3Sを有している。本実施形態では、本体辺部3Sは、平面視長方形状の容器本体3の短辺部を構成する一対の本体短辺部3SSと、長辺部を構成する一対の本体長辺部3SLと、を含んでいる。そして、本体周壁部32は、一対の本体短辺部3SS及び一対の本体長辺部3SLのそれぞれに形成されている。4つの本体周壁部32のそれぞれは、上方に向かうに従って外方に傾斜するように形成されている。また、本体フランジ部33は、本体周壁部32の上端から水平方向に沿って外側に延びている。
【0023】
底面部31は、平面視矩形状(長方形状)に形成されている。
図4に示す例では、底面部31は、その四隅が面取りされた形状となっている。そして、本体周壁部32における底面部31の四隅から上方に延びる部分には、内方に凸となる内周リブ部32Aが設けられている。内周リブ部32Aは、本体周壁部32の傾斜面に沿って上下方向に延びるように形成されており、図示の例では、底面部31の四隅のそれぞれにおいて、複数(3本)の内周リブ部32Aが周方向に並んで配置されている。
【0024】
底面部31の外縁には、下方に凹む底溝部31Aが設けられている。本実施形態では、底溝部31Aは、底面部31の外縁の全周に亘って設けられている。換言すれば、底溝部31Aは、底面部31と本体周壁部32との連結部分に設けられている。但し、このような構成に限定されることなく、底溝部31Aは、底面部31の外縁において断続的に設けられていても良い。容器内の余分な水分を底溝部31Aに流し込むことで、容器内の被収容物を適切な状態に維持することができる。
【0025】
図4及び5~7に示すように、本実施形態では、容器本体3は、本体フランジ部33の外側端部から下方に延びる本体スカート部34を有している。本体スカート部34は、容器本体3の全周に亘って、下方に向かって外方に傾斜するように形成されている。そして、本体スカート部34には、外方に膨らむ本体膨出部34Aが形成されている。本実施形態では、本体逆テーパー部35は、本体膨出部34Aの下側において当該本体膨出部34Aに連続して形成されている。本体逆テーパー部35は、下方に向かうに従って内方に傾斜するように形成されている。
図4に示すように、本実施形態では、本体逆テーパー部35は、容器本体3の全周に亘って形成されている。
【0026】
図4に示すように、本体摘み部36は、矩形状の容器本体3の四隅のうちの一部に設けられている。本実施形態では、本体摘み部36は、容器本体3の四隅に配置された隅部のうち、平面視で対角に位置する一対の隅部のそれぞれに設けられている。本体摘み部36は、他の一対の隅部には設けられていない。図示の例では、本体摘み部36は、平面視で概ね三角形状に形成されている。
図5に示す例では、本体摘み部36は、本体スカート部34の下端から水平方向に沿って外側に延びている。本実施形態では、本体摘み部36には、平面状に形成された本体摘み面部36Aと、本体摘み面部36Aから上方に向かって突出する上方突起部36Bと、が設けられている。
【0027】
図4に示すように、本実施形態では、容器本体3は、主となる被収容物を収容する収容部37を有している。本体周壁部32によって囲まれた空間に、収容部37が設けられている。ここで、上述のように、本実施形態に係る包装用容器1は、主ににぎり寿司やおはぎ等の小さな塊状の被収容物を収容するのに適しており、容器本体3の底面部31には、被収容物を位置決めするための位置決めリブ部38が上方に突起して形成されている。但し、このような構成に限定されることなく、底面部31には、上方に突起する位置決めリブ部38の代わりに、下方に凹む凹状部が被収容物の位置決めを行うものとして形成されていても良い。さらには、上記のような被収容物の位置決め機能を有するものの他、底面部31には、容器内において被収容物を盛り付ける際の目安となる表示部が形成されていても良い。例えば、表示部は、上方に突起する態様であっても良いし、下方に凹む態様であっても良く、その突起の高さや凹みの深さが僅かである線状に形成されていると良い。
【0028】
本実施形態では、位置決めリブ部38には、本体短辺部3SSに沿う方向に対する被収容物の位置決めを行う(位置ずれを防止する)主リブ部38Aと、本体長辺部3SLに沿う方向に対する被収容物の位置決めを行う(位置ずれを防止する)副リブ部38Bと、が含まれる。
図4に示す例では、主リブ部38Aは、底面部31における本体短辺部3SSに沿う方向の中央に配置され、本体長辺部3SLに沿って延在している。副リブ部38Bは、底面部31における主リブ部38Aを挟んだ両側において、本体長辺部3SLに沿う方向に間隔を空けて複数配置されている。図示の例では、副リブ部38Bは、平面視で、主リブ部38Aの延在方向に対して傾斜する方向に延在しており、複数の副リブ部38Bの全てが同方向に延在している。そして、主リブ部38Aの両端部は、副リブ部38Bの延在方向と同方向に傾斜している。また、副リブ部38Bは、その一端が上述の底溝部31Aに到る位置まで延びており、主リブ部38Aは、その両端が上述の底溝部31Aに到る位置まで延びている。
【0029】
本実施形態では、隣り合う主リブ部38A及び副リブ部38Bによって、収容部37に収容された被収容物の位置決めがなされる。これにより、小さな塊状の被収容物を整頓して配置することが可能となっている。更に、位置決めリブ部38は、被収容物の位置決めの他、容器本体3の補強も担っている。なお、図示の例では、収容部37は、区画されることなく、1つの空間として構成されている。しかし、収容部37は、主となる被収容物以外の被収容物を収容するために区画壁等により区画されていても良い。例えば、主となる被収容物がにぎり寿司である場合、収容部37を区画することにより、にぎり寿司が食される際に用いられる調味料(醤油等)や薬味(生姜等)等を収容するための領域を形成しても良い。
【0030】
図1~3に示すように、蓋体5は、天面部51と、天面部51から下方に延びる蓋体周壁部52と、蓋体周壁部52から外側に延びる蓋体フランジ部53と、蓋体フランジ部53よりも周縁側に設けられて本体逆テーパー部35に係合する蓋体逆テーパー部55と、蓋体フランジ部53よりも外側に突出する突出片からなり本体摘み部36に重ね合わされる蓋体摘み部56と、を有している。
【0031】
蓋体5は、4つの蓋体辺部5Sを有している。本実施形態では、蓋体辺部5Sは、平面視長方形状の蓋体5の短辺部を構成する一対の蓋体短辺部5SSと、長辺部を構成する一対の蓋体長辺部5SLと、を含んでいる。そして、蓋体周壁部52は、天面部51の外縁に連続して形成されている。蓋体周壁部52は、下方に向かうに従って外方に傾斜するように形成されている。また、蓋体フランジ部53は、蓋体周壁部52の下端から水平方向に沿って外側に延びている。
【0032】
本実施形態では、蓋体5は、蓋体フランジ部53から全周に亘って下方に延びる蓋体スカート部54をさらに有している。
図7に示すように、蓋体スカート部54は、蓋体フランジ部53の外側端部から下方に向かうに従って外方に傾斜するように延びる拡開部54Bと、拡開部54Bの下端部から垂下する垂下部54Cと、を有している。
【0033】
図3、5及び6に示すように、本実施形態では、蓋体スカート部54(具体的には、垂下部54C)から内向きに突出して蓋体逆テーパー部55となる線状突起が形成されている。また、本実施形態では、蓋体スカート部54における拡開部54Bと垂下部54Cとの境界には、外方に膨らむ蓋体膨出部54Aが形成されており、蓋体逆テーパー部55となる線状突起は、蓋体膨出部54Aの下側(垂下部54C)において当該蓋体膨出部54Aに連続して形成されている(
図5及び6参照)。蓋体逆テーパー部55は、下方に向かうに従って内方に傾斜するように形成されており、蓋体5の外周において断続的に形成されている。
【0034】
図3、5及び6に示すように、蓋体周壁部52における蓋体逆テーパー部55に対応する位置には、内向きに凹む周壁凹部52Aが設けられている。周壁凹部52Aは、上下方向に沿って延びている。本実施形態では、周壁凹部52Aは、蓋体周壁部52における上下方向の全域に亘って形成されている。周壁凹部52Aによって蓋体周壁部52の強度を向上させることができ、蓋体5が外力によって撓むことを抑制することができる。
【0035】
本実施形態では、蓋体摘み部56は、矩形状の蓋体5の四隅のうちの一部に設けられており、上述の容器本体3における本体摘み部36が設けられる位置に対応して配置される。本実施形態では、蓋体摘み部56は、蓋体5の四隅に配置された隅部のうち、平面視で対角に位置する一対の隅部のそれぞれに設けられている。蓋体摘み部56は、他の一対の隅部には設けられていない。図示の例では、蓋体摘み部56は、平面視で概ね三角形状に形成されている。蓋体摘み部56は、蓋体スカート部54の下端から水平方向に沿って外側に延びている。本実施形態では、蓋体摘み部56には、平面状に形成された蓋体摘み面部56Aと、蓋体摘み面部56Aから下方に向かって突出する下方突起部56Bと、が設けられている。
【0036】
図3に示すように、容器本体3から蓋体5を取り外す際の起点となる開蓋領域11(
図5も参照)が、容器外周に設けられている。開蓋領域11は、複数箇所に設けられており、各開蓋領域11において、本体摘み部36と蓋体摘み部56とが重ね合わされている。なお、本体摘み部36と蓋体摘み部56とが重ね合わされた状態では、
図5に示すように、本体摘み部36の上方突起部36Bと蓋体摘み部56の下方突起部56Bとによって、本体摘み面部36Aと蓋体摘み面部56Aとの間に隙間が生じる。これにより、開蓋の際に蓋体摘み部56を摘まみ易くなっている。
【0037】
図3に示すように、上述の蓋体逆テーパー部55は、矩形状の蓋体5の四隅に設けられている。すなわち、蓋体逆テーパー部55は、四隅に配置された隅部のうち、蓋体摘み部56が設けられた一対の隅部(平面視で対角に位置する一対の隅部)に設けられていると共に、蓋体摘み部56が設けられていない他の一対の隅部にも設けられている。また、本実施形態では、蓋体逆テーパー部55は、一対の蓋体短辺部5SS及び一対の蓋体長辺部5SLのそれぞれにおける両端部5Eにも、独立して設けられている。さらに、蓋体逆テーパー部55は、一対の蓋体長辺部5SLのそれぞれにおける中間部5Mにも独立して設けられている。なお、一対の蓋体短辺部5SSのそれぞれにおける中間部5Mには、蓋体逆テーパー部55は設けられていない。換言すれば、蓋体逆テーパー部55は、一対の蓋体長辺部5SLの両端部5Eと中間部5Mとに独立して設けられている。そして、一対の蓋体短辺部5SSには、蓋体逆テーパー部55が両端部5Eだけに設けられている。
【0038】
図3に示すように、本体逆テーパー部35(
図4等参照)と蓋体逆テーパー部55とが係合してなる逆テーパー係合部14が、全ての開蓋領域11において、それぞれ略全域に亘って設けられている。逆テーパー係合部14では、蓋体逆テーパー部55が本体逆テーパー部35に対して外側から当接して係合している。そして、このように当接し合う蓋体逆テーパー部55及び本体逆テーパー部35は、上述のように、下方に向かうに従って内方に傾斜するように形成されている。そのため、逆テーパー係合部14についても下方に向かうに従って内方に傾斜している。
図5及び6に示す例では、逆テーパー係合部14は、垂直線との成す角がθとなるように傾斜している。「θ」は、例えば、30°~90°であると好適である。上記構成により、蓋体5は、外力が加えられない状態で、容器本体3から外れにくいように構成されている。
【0039】
また、蓋体5を容器本体3に嵌合する際には、蓋体逆テーパー部55を本体膨出部34Aに対して上から下に押し込む必要があるため(
図5及び6参照)、蓋体5には、押し込みに耐え得る強度が求められる。上述のように、本実施形態では、蓋体周壁部52における蓋体逆テーパー部55に対応する位置(逆テーパー係合部14に対応する位置)、より詳細には、蓋体周壁部52における、開蓋領域11に設けられた逆テーパー係合部14の直上の位置に周壁凹部52Aが設けられていることにより(
図3、5及び6参照)、蓋体周壁部52、ひいては、蓋体5の強度が向上している。そのため、嵌合時の押し込みによっても蓋体5が撓みにくい構成となっている。
【0040】
本実施形態では、矩形状の容器本体3及び蓋体5(包装用容器1)の四隅のうちの一部(具体的には平面視で対角に位置する一対の隅部)が開蓋領域11とされており、逆テーパー係合部14が開蓋領域11の略全域に設けられている。また、本実施形態では、矩形状の容器本体3及び蓋体5の四隅のうち、開蓋領域11とはなっていない一対の隅部の略全域にも、逆テーパー係合部14が設けられている。こうして、逆テーパー係合部14が、四隅の略全域に設けられている。これにより、容器本体3の全体と蓋体5の全体とをバランスよく嵌合することができる。また、隣り合う2辺が交差する四隅は各辺に比べて撓みにくいので、四隅のうちの一部に開蓋領域11を設けることで、嵌合時の押し込みに対する強度を高めることができる。また、対角に位置する一対の隅部に開蓋領域11を設けることで、バランス良くそのような効果を得ることができる。
【0041】
図3に示す例では、逆テーパー係合部14は、矩形状の容器本体3及び蓋体5(包装用容器1)の四隅以外にも設けられている。逆テーパー係合部14は、容器外周における四隅以外の領域においては、その全域に亘ってではなく、断続的に設けられている。本実施形態では、本体逆テーパー部35が容器本体3の全周に亘って形成されているとともに、蓋体スカート部54から内向きに突出して蓋体逆テーパー部55となる線状突起が蓋体5の四隅の略全域に形成されつつ当該四隅以外の領域に断続的に形成される。これにより、逆テーパー係合部14が、包装用容器1の四隅の略全域に亘って設けられ、当該四隅以外の領域において断続的に設けられている。従って、逆テーパー係合部14は、包装用容器1の四隅のうち、本体摘み部36と蓋体摘み部56とが重ね合される隅部(本例では、対角に位置する一対の隅部)、すなわち、全ての開蓋領域11においてそれぞれ略全域に亘って設けられ、かつ、開蓋領域11以外の領域において断続的に設けられている。
【0042】
逆テーパー係合部14は、矩形状の容器本体3及び蓋体5の少なくとも1辺の両端部1Eと中間部1Mとに独立して設けられる。
図3に示す例では、逆テーパー係合部14は、包装用容器1の外周における開蓋領域11以外の領域においては、四隅のうち開蓋領域11でない隅部と、容器本体3及び蓋体5(包装用容器1)の各長辺部3SL,5SLにおける両端部1Eと、各短辺部3SS,5SSにおける両端部1Eとに、独立して設けられている。そして、逆テーパー係合部14は、長方形状の容器本体3及び蓋体5(包装用容器1)の各長辺部3SL,5SLの中間部1Mにも、独立して設けられている。なお、逆テーパー係合部14は、容器本体3及び蓋体5(包装用容器1)の各短辺部3SS,5SSの中間部1Mには、設けられていない。換言すれば、逆テーパー係合部14は、長方形状の容器本体3及び蓋体5の一対の長辺部3SL,5SLの両端部1Eと中間部1Mとに独立して設けられている。そして、長方形状の容器本体3及び蓋体5の一対の短辺部3SS,5SSには、逆テーパー係合部14が両端部1Eだけに設けられている。
【0043】
以上説明した包装用容器1によれば、各開蓋領域11の略全域に亘って設けられる逆テーパー係合部14により、開蓋領域11において蓋体5と容器本体3とを強固に嵌合できる。一方、開蓋領域11以外の領域には逆テーパー係合部14を断続的に設けることで、包装用容器1の全体として見たときに、蓋体5と容器本体3とが過度に強固に嵌合してしまうことを回避できる。よって、不用意に開蓋されることを抑制でき、かつ、必要な時には開蓋し易い。また、開蓋領域11には逆テーパー係合部14が略全域に亘って設けられて嵌合力が非常に高いが、当該開蓋領域11では蓋体摘み部56に対して開蓋操作力を直接作用させることができるので、容易に嵌合解除し始めることができる。開蓋領域11以外の領域では開蓋操作力が直接的には作用しないものの、当該領域には逆テーパー係合部14が断続的に設けられているだけなので、容易に嵌合解除することができる。よって、この点からも、不用意に開蓋されることを抑制でき、かつ、必要な時には開蓋し易い包装用容器1となっている。
【0044】
また、逆テーパー係合部14を全ての開蓋領域11(四隅のうちの一部)の略全域と各辺部3S,5Sの両端部1Eに(※長辺部3SL,5SLにおいては中間部1Mにも)独立して断続的に設けるのに、蓋体逆テーパー部55を、蓋体5の外周において逆テーパー係合部14を設ける位置に応じて断続的に形成し、その一方で、本体逆テーパー部35を容器本体3の全周に亘って形成している。本体逆テーパー部35を容器本体3の全周に亘って形成しておくことで、例えば蓋体5の形状変更等によって蓋体逆テーパー部55ひいては逆テーパー係合部14の具体的位置が微調整されるような場合にも、柔軟に対応することができる。すなわち、容器本体3の側の構成はそのままに、蓋体5の側の構成を様々に微調整することで、基本的構成態様(逆テーパー係合部14が、全ての開蓋領域11(四隅のうちの一部)の略全域と、一対の長辺部3SL,5SLの両端部1E及び中間部1Mと、一対の短辺部3SS,5SSの両端部1Eとに独立して断続的に設けられる態様)を共通としつつ逆テーパー係合部14の具体的位置が若干異なる複数バリエーションの包装用容器を、容易に提供することができる。
【0045】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、本体逆テーパー部35が、容器本体3の全周に亘って形成されている例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。本体逆テーパー部35は、容器本体3の外周において断続的に形成されていても良い。この場合、本体逆テーパー部35は、少なくとも、蓋体逆テーパー部55に対応する位置に形成されると良い。
【0046】
(2)上記の実施形態では、逆テーパー係合部14が、矩形状の容器本体3及び蓋体5(包装用容器1)の長辺部3SL,5SLにおける中間部1Mに1つだけ設けられている例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。矩形状の容器本体3及び蓋体5(包装用容器1)の長辺部3SL,5SLの中間部1Mに、互いに独立した複数の逆テーパー係合部14が設けられても良い。
【0047】
(3)上記の実施形態では、本体摘み部36に、上方に向かって突出する上方突起部36Bが設けられている例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。本体摘み部36に上方突起部36Bが設けられず、本体摘み部36が平面状の本体摘み面部36Aだけで構成されても良い。この場合でも、本体摘み面部36Aに蓋体摘み部56の下方突起部56Bが当接して、本体摘み面部36Aと蓋体摘み面部56Aとの間に隙間が生じるので、開蓋の際に蓋体摘み部56を摘まみ易い。
【0048】
(4)上記の実施形態では、
図1及び2に示すように、矩形状の容器本体3及び蓋体5(包装用容器1)の各辺部3S,5Sが水平方向に沿って形成されている例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。矩形状の容器本体3及び蓋体5(包装用容器1)の各辺部3S,5Sは、それぞれ、両端部1Eが上方に向けて湾曲するように形成されていても良い。この場合、矩形状の容器本体3及び蓋体5(包装用容器1)の四隅は、各辺部3S,5Sの中間部1Mよりも上方に配置される。
【0049】
(5)なお、前述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本開示に係る技術は、容器本体と蓋体とを備えた包装用容器に利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 :包装用容器
1E :両端部
1M :中間部
3 :容器本体
3S :本体辺部
3SS :本体短辺部
3SL :本体長辺部
5 :蓋体
5E :両端部
5M :中間部
5S :蓋体辺部
5SS :蓋体短辺部
5SL :蓋体長辺部
11 :開蓋領域
14 :逆テーパー係合部
31 :底面部
32 :本体周壁部
33 :本体フランジ部
35 :本体逆テーパー部
36 :本体摘み部
37 :収容部
51 :天面部
52 :蓋体周壁部
52A :周壁凹部
53 :蓋体フランジ部
55 :蓋体逆テーパー部
56 :蓋体摘み部