(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】配管の異常検出装置、異常検出システム、異常検出方法、プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
G02B 23/24 20060101AFI20221012BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
G02B23/24 Z
G02B23/24 A
H04N5/225 500
(21)【出願番号】P 2018123581
(22)【出願日】2018-06-28
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505376639
【氏名又は名称】株式会社穴吹ハウジングサービス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】成田 清威
(72)【発明者】
【氏名】新冨 啓明
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】海津 美和
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康輔
(72)【発明者】
【氏名】藤原 剛志
(72)【発明者】
【氏名】濱▲崎▼ 竜治
(72)【発明者】
【氏名】木須 拓己
(72)【発明者】
【氏名】北村 順平
(72)【発明者】
【氏名】河野 通明
(72)【発明者】
【氏名】谷口 守
(72)【発明者】
【氏名】山田 信慶
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-002512(JP,A)
【文献】特開平09-127434(JP,A)
【文献】特開昭63-101746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 23/24 - 23/26
G01M 3/00 - 3/40
H04N 5/222- 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部情報取得手段、異常情報選択手段、位置決定手段、
配置決定手段、および出力手段を含み、
前記内部情報取得手段は、
配管の内部を走査する外部デバイスにより取得された、前記配管の内部における異常検出用の内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得し、
前記移動情報は、規定の基準方位に対する前記外部デバイスの走査角度情報および前記外部デバイスの走査速度情報を含み、
前記異常情報選択手段は、
複数の前記内部情報のうち、異常を示す前記内部情報を
単位時間ごとに選択し、
前記選択に基づき、前記内部情報における異常を、前記経過時間を時間軸として、前記単位時間ごとに判定した結果を示す、イベントマップを作成し、
前記位置決定手段は、
前記異常を示す内部情報に紐づけられた前記経過時間と、その経過時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記外部デバイスの走査開始位置を基準位置として、前記異常を示す内部情報を取得した異常位置を決定し、
前記配置決定手段は、
紐づけられた前記経過時間と前記移動情報とに基づいて、前記外部デバイスの移動履歴を推定し、前記移動履歴を前記配管の配置情報として決定し、
前記単位時間と、前記単位時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記経過時間を時間軸とする、前記単位時間ごとのコードマップを作成し、
前記出力手段は、
前記基準位置に対する前記異常を示す内部情報の取得位置を、異常検出位置情報として出力
し、
前記配管の配置情報に、前記異常検出位置情報を紐づけて出力し、
前記コードマップに紐づけて、前記イベントマップを出力する
ことを特徴とする配管の異常検出装置。
【請求項2】
前記異常情報選択手段は、前記複数の前記内部情報から、異常判定情報に基づいて、異常を示す前記内部情報を抽出する、請求項1記載の異常検出装置。
【請求項3】
前記異常判定情報が、配管の異常を判定する配管異常判定モデルであり、
前記配管異常判定モデルは、配管の内部情報と、配管の異常の有無情報または異常の程度情報とから、機械学習により生成されるモデルであり、
前記異常情報選択手段は、前記配管異常判定モデルにより、前記各内部情報が取得された位置における異常の有無または程度を判定する、請求
項2記載の異常検出装置。
【請求項4】
前記イベントマップは、前記内部情報における前記異常の程度情報を、前記単位時間ごとに判定した結果を含み、
前記コードマップは、前記単位時間を時間軸とする前記外部デバイスの移動ベクトルを含む、請求項3記載の異常検出装置。
【請求項5】
前記内部情報が、前記配管の内壁の画像、前記配管の内壁からの反射超音波、前記配管内部における発生音、および前記配管の内壁からの振動からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1から
4のいずれか一項に記載の異常検出装置。
【請求項6】
前記配管の配置情報が、前記配管の配管図である、請求項
1から5
のいずれか一項に記載の異常検出装置。
【請求項7】
外部デバイスと、請求項1から6のいずれか一項に記載の異常検出装置とを含み、
前記外部デバイスが、走査角度情報取得手段、および走査速度情報取得手段を含み、
前記外部デバイスが、前記配管の内部における異常検出用の前記内部情報と、前記外部デバイスの前記移動情報とを、前記外部デバイスの前記経過時間に紐づけて取得する
ことを特徴とする配管の異常検出システム。
【請求項8】
内部情報取得工程、異常情報選択工程、位置決定工程、
配置決定工程、および出力工程を含み、
前記内部情報取得工程は、
配管の内部を走査する外部デバイスにより取得された、前記配管の内部における異常検出用の内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得し、
前記移動情報は、規定の基準方位に対する前記外部デバイスの走査角度情報および前記外部デバイスの走査速度情報を含み、
前記異常情報選択工程は、
複数の前記内部情報のうち、異常を示す前記内部情報を
単位時間ごとに選択し、
前記選択に基づき、前記内部情報における異常を、前記経過時間を時間軸として、前記単位時間ごとに判定した結果を示す、イベントマップを作成し、
前記位置決定工程は、
前記異常を示す内部情報に紐づけられた前記経過時間と、その経過時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記外部デバイスの走査開始位置を基準位置として、前記異常を示す内部情報を取得した異常位置を決定し、
前記配置決定工程は、
紐づけられた前記経過時間と前記移動情報とに基づいて、前記外部デバイスの移動履歴を推定し、前記移動履歴を前記配管の配置情報として決定し、
前記単位時間と、前記単位時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記経過時間を時間軸とする、前記単位時間ごとのコードマップを作成し、
前記出力工程は、
前記基準位置に対する前記異常を示す内部情報の取得位置を、異常検出位置情報として出力
し、
前記配管の配置情報に、前記異常検出位置情報を紐づけて出力し、
前記コードマップに紐づけて、前記イベントマップを出力する
ことを特徴とする配管の異常検出方法。
【請求項9】
請求項8記載の異常検出方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管の異常検出装置、異常検出システム、異常検出方法、プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内に設置された配管の劣化等の異常は、例えば、漏水の発生により明らかになる場合が多い。しかし、漏水の発生は、住生活に多大な影響を与える。このような理由から、建物内配管の異常の検査を行うことが求められている。
【0003】
配管の異常を検査する方法として、例えば、管内検査用のカメラ装置を配管に挿入して、配管内の状況を観察する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の検査方法では、前記カメラ装置により配管内を観察することはできても、異常等を検出した場合に、その異常が建物内のどの位置で生じているのかを特定することが困難であった。このため、例えば、前記異常箇所の目視による検査や修繕等を行うには、配管付近の壁や床を大きく壊し、前記異常の発生位置を探す必要があった。また、例えば、設計図における配管の配置と実際の配管の配置とが異なる場合、前記異常の発生位置を決定することは、より困難となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、配管の異常、および前記異常の位置を検出可能なシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の配管の異常検出装置は、
内部情報取得手段、異常情報選択手段、位置決定手段、および出力手段を含み、
前記内部情報取得手段は、
配管の内部を走査する外部デバイスにより取得された、前記配管の内部における異常検出用の内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得し、
前記移動情報は、規定の基準方位に対する前記外部デバイスの走査角度情報および前記外部デバイスの走査速度情報を含み、
前記異常情報選択手段は、
複数の前記内部情報のうち、異常を示す前記内部情報を選択し、
前記位置決定手段は、
前記異常を示す内部情報に紐づけられた前記経過時間と、その経過時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記外部デバイスの走査開始位置を基準位置として、前記異常を示す内部情報を取得した異常位置を決定し、
前記出力手段は、
前記基準位置に対する前記異常を示す内部情報の取得位置を、異常検出位置情報として出力する
ことを特徴とする。
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の配管の異常検出システムは、
外部デバイスと、前記本発明の異常検出装置とを含み、
前記外部デバイスが、走査角度情報取得手段、および走査速度情報取得手段を含み、
前記外部デバイスが、前記配管の内部における異常検出用の前記内部情報と、前記外部デバイスの前記移動情報とを、前記外部デバイスの前記経過時間に紐づけて取得する
ことを特徴とする。
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の配管の異常検出方法は、
内部情報取得工程、異常情報選択工程、位置決定工程、および出力工程を含み、
前記内部情報取得工程は、
配管の内部を走査する外部デバイスにより取得された、前記配管の内部における異常検出用の内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得し、
前記移動情報は、規定の基準方位に対する前記外部デバイスの走査角度情報および前記外部デバイスの走査速度情報を含み、
前記異常情報選択工程は、
複数の前記内部情報のうち、異常を示す前記内部情報を選択し、
前記位置決定工程は、
前記異常を示す内部情報に紐づけられた前記経過時間と、その経過時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記外部デバイスの走査開始位置を基準位置として、前記異常を示す内部情報を取得した異常位置を決定し、
前記出力工程は、
前記基準位置に対する前記異常を示す内部情報の取得位置を、異常検出位置情報として出力する
ことを特徴とする。
【0010】
本発明のプログラムは、前記本発明の配管の異常検出方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
本発明の記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、配管の内部情報に基づき、前記配管の異常を検出するため、例えば、漏水の発生前に、配管の異常に関する情報を得ることができる。また、本発明によれば、配管の内部における異常検出用の内部情報を外部デバイスにより取得し、前記内部情報と前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得することで、前記経過時間に基づき、異常を示す内部情報の取得位置を決定するため、より正確に、異常検出位置を出力できる。これにより、例えば、前記異常箇所の検査および修繕等において、建物の壁や床を必要以上に破壊することも抑制できる。また、例えば、設計図における配管の配置と実際の配管の配置とが異なる場合であっても、実際の配管における、異常検出位置を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態1の異常検出装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の異常検出装置の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態1における、配管の配置図に異常検出位置情報が紐づけて出力される場合の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の異常検出方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態2における、(A)イベントマップ、および(B)コードマップの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態2における、(A)前記外部デバイスの移動を示す図、(B)ジャイロセンサにより取得された角度値を示すグラフ、(C)角度値を変換する一例を示す図、および(D)三次元の角度値を変換する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。なお、以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0015】
本発明において、配管の配置箇所は、特に制限されず、例えば、建物内の配管、地中の配管等である。「建物」は、特に制限されず、例えば、マンション、アパート、一軒家等の住居、オフィスビル、ホテル、工場、および店舗等があげられる。
【0016】
本発明において、「配管」は、特に制限されず、例えば、排水管、給水管、ガス管、ダクト、および、空調用の配管等があげられる。前記空調用の配管は、例えば、建物内の配管に冷水や温水を流して空調を調整するための配管である。前記配管は、例えば、金属製の配管である。従来、例えば、前記配管が金属製の配管の場合、配管の内部情報を取得するカメラ装置等から、通信により位置情報等を取得しようとしても、金属により前記通信が遮られるため、配管の内部に異常があることが検出された場合でも、その検出位置を取得することが困難であった。本発明によれば、後述するように、前記内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけておくことにより、異常位置を決定するため、前記配管が、金属製の配管の場合も、好適に適用できる。
【0017】
[実施形態1]
本実施形態について、以下、建物内の配管として給水管を一例にあげて説明するが、本発明は、これには制限されない。
【0018】
図1は、本実施形態の異常検出装置10の一例の構成を示すブロック図である。異常検出装置10は、内部情報取得手段11、異常情報選択手段12、位置決定手段13、および出力手段14を有する。
【0019】
本実施形態において、異常検出装置10は、外部デバイスから、配管の内部における異常検出用の内部情報と、前記内部情報を取得した取得位置の移動情報と、前記内部情報の取得時間とを、紐づけて取得する。異常検出装置10は、例えば、前記外部デバイスから取得した情報を処理する処理装置ということもできる。また、異常検出装置10および前記外部デバイスは、例えば、異常検出システムということもできる。
【0020】
異常検出装置10は、例えば、前記各部を含む1つの異常検出装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な異常検出装置であってもよい。異常検出装置10は、例えば、システムとしてサーバーに組み込まれ、前記外部デバイスと接続可能であってもよい。接続可能な前記外部デバイスは、例えば、内視鏡デバイスである。また、異常検出装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピューター(PC)であってもよい。
【0021】
さらに、
図2に、異常検出装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。異常検出装置10は、例えば、CPU(中央処理装置)101、メモリ102、バス103、入力装置104、ディスプレイ105、通信デバイス106、記憶装置107等を有する。異常検出装置10の各部は、それぞれのインターフェース(I/F)により、バス103を介して、相互に接続されている。
【0022】
CPU101は、異常検出装置10の全体の制御を担う。異常検出装置10において、CPU101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的に、異常検出装置10は、例えば、CPU101が、内部情報取得手段11、異常情報選択手段12、および位置決定手段13として機能する。
【0023】
バス103は、例えば、外部機器とも接続できる。前記外部機器は、例えば、前記外部デバイス、および端末等があげられる。前記端末には、例えば、後述する、異常検出位置情報が出力される。異常検出装置10は、バス103に接続された通信デバイス106により、通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、前記外部機器と接続することもできる。前記通信回線網は、特に制限されず、公知の通信回線網を使用でき、具体的には、例えば、インターネット回線、電話回線、LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)等があげられる。
【0024】
メモリ102は、例えば、メインメモリを含み、前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU101が処理を行う際には、例えば、後述する補助記憶装置に記憶されている、本発明のプログラム等の種々の動作プログラム108を、メモリ102が読み込み、CPU101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラム108を実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ102は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0025】
記憶装置107は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。記憶装置107は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶装置107は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)も例示できる。記憶装置107には、例えば、前述のように、動作プログラム108が格納される。また、記憶装置107は、例えば、後述する、異常判定情報、および建物の見取り図情報等が格納されてもよい。
【0026】
異常検出装置10は、例えば、さらに、入力装置104、ディスプレイ105を有する。入力装置104は、例えば、タッチパネル等である。ディスプレイ105は、例えば、出力手段14となる。ディスプレイ105は、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。
【0027】
異常検出装置10は、前述のように、配管の内部を走査する前記外部デバイスによって取得された情報から、前記配管の内部における異常を検出する装置である。前記外部デバイスは、配管の内部を走査することで、異常検出用の内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とを、経過時間と紐づけて取得する。そして、異常検出装置10は、前述のように、前記外部デバイスによる情報を取得し、配管内部において異常を示す位置を出力する。異常検出装置10の各部について、具体的に、以下に説明する。前記外部デバイスについては、後述する。
【0028】
内部情報取得手段11は、配管の内部を走査する前記外部デバイスにより取得された、前記配管の内部における異常検出用の内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得する。
【0029】
前記内部情報は、前記配管の内部における前記異常を検出できる情報であればよく、特に制限されず、例えば、前記配管の内壁の画像、前記配管の内壁からの反射超音波、前記配管内部における発生音、および前記配管の内壁からの振動等があげられる。前記反射超音波とは、例えば、配管の内壁に当てた結果、前記内壁から跳ね返ってきた超音波である。前記配管内部における発生音とは、例えば、水等の液体が流れる音、およびガス等の気体が流れる音である。前記振動は、例えば、加振装置からの振動を配管の内壁に当てた結果、前記内壁から跳ね返ってきた振動である。前記画像は、例えば、映像でもよいし、連続的に取得された静止画でもよい。
【0030】
前記移動情報は、規定の基準方位に対する前記外部デバイスの走査角度情報および前記外部デバイスの走査速度情報を含む。前記基準方位は、任意に設定できる。前記基準方位は、例えば、前記外部デバイスによる各種情報の取得開始時における前記外部デバイスの方位(これから走査する方向)を、方位角0°の絶対的な基準方位としてもよい。この場合、走査を行っている間、前記外部デバイスの走査角度情報は、例えば、それぞれ、開始時の方位角0°に対する角度が走査角度情報となる。また、前記外部デバイスの走査に伴って、前記外部デバイスの走査方向の角度が変化する度、変化前の方位を、方位角0°の基準方位としてもよい。この場合、走査を行っている間、前記外部デバイスの走査角度情報は、例えば、それぞれ、変化前の方位に対して変化した角度(角度変化量)が、走査角度情報となる。前記角度変化量は、例えば、角速度ということもできる。前記走査角度情報は、例えば、三次元的な角度情報でもよいし、二次元的な角度情報でもよい。前記配管は、三次元的に配置されていることが多いことから、前記走査角度情報は、例えば、三次元的な角度情報であることが好ましい。前記走査角度情報は、例えば、前記外部デバイスにおける、後述する、走査角度情報取得手段により取得でき、異常検出装置10は、前記外部デバイスから前記走査角度情報を取得できる。
【0031】
前記走査速度情報は、例えば、前記外部デバイスの加速度情報を含む。前記外部デバイスが、取得開始時において停止状態である場合、前記加速度情報から、例えば、前記外部デバイスの経過時間に紐づけられた前記外部デバイスの走査距離を算出できる。そして、前記走査距離、および前記走査角度情報から、前記外部デバイスの経過時間に紐づけられた前記外部デバイスの位置を算出できる。具体的な位置の算出については、後述する。また、前記外部デバイスが、取得開始時において走査状態である場合、前記走査速度情報は、例えば、さらに、初速度情報等の速度情報を含んでもよい。また、前記走査速度情報は、例えば、外部デバイスの走査速度として、一定の速度情報でもよい。これは、例えば、予め、外部デバイスの走査速度を一定に制御して、前記配管の内部を走査させる場合があげられる。この場合も、さらに加速度情報を含むことで、前記配管の内部における前記外部デバイスの走査開始、停止等が判定できる。前記走査速度情報は、例えば、前記外部デバイスにより取得された情報でもよいし、前記外部デバイスにより取得された情報でなくてもよい。前者の場合、例えば、前記外部デバイスが、後述する走査速度情報取得手段を有していれば、異常検出装置10は、前記外部デバイスから情報を取得できる。後者の場合、例えば、異常検出装置10および前記外部デバイス以外の速度検出装置等により、前記外部デバイスの走査速度を取得し、それを、異常検出装置10がさらに取得してもよい。また、前述のように、前記外部デバイスの走査速度を一定に制御する場合、異常検出装置10の記憶装置107等に、一定速度を前記走査速度情報として記憶してもよい。
【0032】
前記経過時間は、例えば、経過する時間の長さで表してもよいし、時刻によって表してもよい。前記経過する時間は、例えば、秒、分、時間等により表すことができる。また、前記経過する時間は、例えば、取得開始時を基準(0)とする時間として表してもよいし、単位時間として表してもよい。前者の場合は、例えば、0秒、5秒、10秒、15秒等で順次表され、後者の場合は、2秒ごと、5秒ごと等で表される。ここで、前述のように、前記経過時間は、前記内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とに、それぞれ、紐づけて取得される。前記内部情報に紐づけられた前記経過時間と、前記移動情報に紐づけられた前記経過時間とは、例えば、取得開始時が一致していればよく、異なった時刻系により表されてもよい。すなわち、例えば、前記内部情報に紐づけられた前記経過時間が、時刻であり、前記移動情報に紐づけられた前記経過時間が、時間の長さでもよい。
【0033】
内部情報取得手段11は、例えば、入力手段ということもできる。異常検出装置10は、例えば、前記外部デバイスにより取得された各種情報が、内部情報取得手段11を介して入力される。異常検出装置10は、内部情報取得手段11による前記入力において、例えば、前記外部デバイスと、有線または無線により電気的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていなくてもよい。前者の場合、異常検出装置10と前記外部デバイスとは、それぞれ、例えば、前述のように、通信回線網を介して接続される。後者の場合、例えば、前記外部デバイスにより取得された各種情報が、外部記憶媒体等に記憶され、前記外部記憶媒体等から、前記各種情報が、内部情報取得手段11により、異常検出装置10に入力されてもよい。このように、本発明は、前記各種情報が、異常検出装置10に入力されればよいため、例えば、前記外部デバイスによる各種情報の取得と、異常検出装置10における前記外部デバイスからの各種情報の取得と、異常検出装置10による異常検出および出力の処理とを、同一エリアにおいて行う必要がなく、また、同時に行う必要がない。したがって、例えば、前記外部デバイスにより各種情報を取得した後、別途、前記各種情報に基づく異常検出および出力の処理を異常検出装置10により行うこともできる。
【0034】
異常情報選択手段12は、複数の前記内部情報のうち、異常を示す前記内部情報を選択する。異常情報選択手段12は、例えば、前記複数の内部情報から、異常判定情報に基づいて、異常を示す前記内部情報を抽出してもよいし、外部から入力された前記複数の内部情報に対する異常の有無の判定結果に基づいて、前記複数の内部情報から、異常を示す前記内部情報を抽出してもよい。後者の場合、例えば、検査員等により、前記複数の内部情報について異常を示すか否かが判定され、その結果が、異常検出装置10に入力されてもよい。
【0035】
前者の場合、前記異常判定情報は、例えば、配管の異常に特徴的な内部情報についての情報、および、配管の異常を判定する配管異常判定モデルである。前記配管の異常に特徴的な内部情報は、例えば、前記内部情報が、前記配管内部における発生音である場合、水等の液体の漏えい音、およびガス等の気体の漏えい音があげられる。この場合、異常情報選択手段12は、例えば、取得された前記内部情報に、前記配管の異常に特徴的な内部情報が含まれるか否かを判定することにより、異常を示す前記内部情報を選択できる。前記配管異常判定モデルは、例えば、配管の内部情報と、配管の異常の有無情報または異常の程度情報とから、機械学習により生成されるモデルである。異常情報選択手段12は、例えば、前記配管異常判定モデルにより、前記各内部情報が取得された位置における異常の有無または程度を判定する。前記モデルの作成、および前記判定は、例えば、NEC Advanced Analytics-RAPID機械学習(日本電気株式会社製)等のソフトウェアにより行うことができる。
図3に、配管の内壁を撮像した写真を示す。
図3の写真に示すように、丸で囲んだ領域内に、配管の内壁に穴が発生していることがわかる。
図3の写真は、異常として穴が発生した内壁の写真として、学習モデルの生成に使用できる。この際、異常の程度を示す程度情報を設定しておき、写真における異常の程度を判定し(例えば、
図3の場合、レベル4)、前記程度情報を写真に紐づけし、学習データとして使用し、モデルを生成することで、例えば、異常の有無だけでなく、異常の程度についても判定できる。前記配管異常判定モデルは、例えば、前述のように、記憶装置107に記憶されてもよい。異常情報選択手段12において、このように、前記異常判定情報に基づいて解析を行うことにより、例えば、熟練した専門家による判断を要することなく、異常位置を検出できる。
【0036】
前記異常は、特に制限されず、例えば、錆、穴、および亀裂等の劣化、ならびに、汚れ、堆積物、着色、腐食、肉厚の減少、錆こぶ、および、配管内樹脂材皮膜の膨れであるブリスター等があげられる。前記穴は、例えば、貫通したものでもよいし、貫通したものでなくてもよい。
【0037】
前記異常の程度情報は、具体的には、例えば、前記異常が、劣化の場合、レベル1(異常なし)、レベル2(やや劣化)、レベル3(劣化)、レベル4(漏水の発生)、等である。前記程度情報は、例えば、修理の要否でもよく、例えば、レベル1であれば、「OK」、すなわち、「修理が不要」であり、レベル2~4であれば、「NG」、すなわち、「修理が必要」である等でもよい。
【0038】
位置決定手段13は、前記異常を示す内部情報に紐づけられた前記経過時間と、その経過時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記外部デバイスの走査開始位置を基準位置として、前記異常を示す内部情報を取得した異常位置を決定する。後述するように、前記外部デバイスにおいて、前記内部情報を取得するための手段と、前記移動情報を取得するための手段とは、近接して設けられている。このため、前記異常を示す内部情報に紐づけられた前記経過時間における、前記外部デバイスの位置を求めることにより、この位置を、前記異常を示す内部情報が取得された位置、すなわち、前記異常が存在する位置として、決定できる。
【0039】
前記経過時間に紐づけられた前記内部情報の取得位置を決定する方法は、特に制限されないが、例えば、以下のようにして決定できる。すなわち、例えば、前記走査角度情報が、外部デバイス20の角速度である場合、角速度を時間積分することにより、移動角度を取得できる。具体的には、前記走査角度情報が、例えば、0.1秒ごとに取得された角速度(度/秒)である場合、1秒分の角速度について、角速度に0.1を積算する工程を10回繰り返し、前記10個の積を足すことにより、1秒間の移動角度を算出できる。また、例えば、前記走査速度情報が、所定時間ごとに取得された前記外部デバイスの加速度情報である場合、計算式[移動距離=(初速×時間)+(1/2×加速度×時間2)]により、前記所定時間における移動距離を取得できる。なお、前述のように、前記外部デバイスが、取得開始時において停止状態である場合、前記計算式において、初速を0として計算できる。そして、所定の経過時間(例えば、1秒間)における、前記外部デバイスの前記移動角度および前記移動距離から、前記経過時間(例えば、1秒間)に紐づけられた前記外部デバイスの走査位置の変化量を求めることができる。このようにして、前記外部デバイスの走査開始位置を基準位置として、前記走査位置の変化量を足し合わせていくことで、前記経過時間に紐づけられた前記内部情報の取得位置を決定できる。
【0040】
異常検出装置10は、例えば、さらに、配置決定手段を含んでもよい。前記配置決定手段は、例えば、紐づけられた前記経過時間と前記移動情報とに基づいて、前記外部デバイスの移動履歴を推定し、前記移動履歴を前記配管の配置情報として決定する。後述する出力手段14が、前記配管の配置情報に、前記異常検出位置情報を紐づけて出力することにより、例えば、修理等において、実際の配管の配置と比較しながら、異常箇所を探すことができる。
【0041】
前記配管の配置情報は、具体的には、例えば、前記配管の配置図でもよいし、後述するように、前記経過時間を時間軸とする、単位時間ごとの移動ベクトルでもよい。前記配置情報は、例えば、三次元的な配置情報でもよいし、二次元的な配置情報でもよい。前記配管は、三次元的に配置されていることが多いことから、前記配管の配置情報が、三次元的な角度情報であることにより、例えば、より正確な前記配置情報を決定できる。一方、建物の見取り図等は、二次元的に記載されていることが多いことから、前記配管の配置情報が、二次元的な配置情報であることにより、例えば、前記見取り図等と比較する場合に、より異常位置を把握しやすい。
【0042】
前記配管の配置情報を決定する方法は、特に制限されないが、例えば、以下のようにして決定できる。すなわち、例えば、前述のように、前記外部デバイスの前記経過時間と前記移動情報とに基づいて、所定時間ごとに、前記経過時間に紐づけられた前記外部デバイスの走査位置の変化量を求めることができる。そして、前記外部デバイスの走査開始位置を基準位置として、前記変化量を足し合わせていくことで、前記外部デバイスの移動履歴を推定し、前記移動履歴を前記配管の配置情報として決定できる。なお、例えば、前記配管のうち、全ての前記配管の配置情報を作成してもよいし、一部の前記配管の配置情報を作成してもよい。前記一部の前記配管の配置情報は、例えば、前記内部情報の取得開始位置から前記異常検出位置までの前記配管の配置情報である。
【0043】
前記配置決定手段は、例えば、前記配置情報の決定において、配置参考情報を参照してもよい。前記配置参考情報は、例えば、配管の設計情報に基づき予め作成された、前記配管の配置情報である。これにより、例えば、前記配置決定手段は、前記配置参考情報と、前記配置決定手段により決定された前記配置情報とを比較し、前記配置情報を修正できる。前記配置参考情報は、例えば、記憶装置107に記憶されてもよい。前記配置参考情報は、例えば、後述する出力手段14により、出力されてもよい。これにより、例えば、修理等において、前記配置参考情報を参照しながら、異常箇所を探すことができる。
【0044】
出力手段14は、前記基準位置に対する前記異常を示す内部情報の取得位置を、異常検出位置情報として出力する。出力手段14による前記出力は、例えば、異常検出装置10がディスプレイ105を有する場合は、ディスプレイに出力してもよいし、異常検出装置10に接続された端末等に出力してもよい。
【0045】
前記異常検出位置情報の出力は、前記異常検出位置がわかればよく、特に制限されず、例えば、前記異常検出位置の座標として出力されてもよいし、前記配管の配置情報に紐づけて出力されてもよい。
図4に、前記配管の配置情報が、前記配管の配置図であり、前記配置図に、前記異常検出位置情報が紐づけて出力される場合の一例を示す。なお、
図4において、後述する、建物の見取り図情報も、あわせて示している。
図4において、二重線により示される線が、異常検出装置10の前記配置決定手段により決定された前記配管(給水管)の配置を示し、×印が、前記異常検出位置を示す。
図4から、前記配管が、キッチンの流し、浴室、およびトイレ等から、メーターボックス(MB)へ通じていることがわかる。そして、前記配管が十字に分岐している箇所の近く(図における下側)において、異常が検出されたことがわかる。
【0046】
出力手段14は、
図4に示すように、例えば、さらに、前記建物の見取り図情報に、前記異常検出位置情報を紐づけて出力してもよい。前記見取り図情報は、例えば、見取り図である。ただし、これには制限されず、前記見取り図情報は、例えば、前記建物内の構造を把握可能な情報であればよい。前記見取り図情報は、例えば、前述のように、記憶装置107に記憶されてもよい。出力手段14が、前記見取り図情報を出力することにより、例えば、修理等において、実際の建物の間取りと比較しながら、異常箇所を探すことができる。
【0047】
出力手段14は、例えば、さらに、前記異常を示す内部情報を出力してもよい。前記異常を示す内部情報は、前述の通りであり、例えば、前記異常を示す前記内部情報の画像等があげられる。出力手段14が、前記異常を示す内部情報を出力することにより、例えば、作業者が、修理等の要否、規模等を判断できる。
【0048】
つぎに、前記外部デバイスについて説明する。前記外部デバイスは、特に制限されず、前記内部情報を取得できればよい。前記外部デバイスは、例えば、その先端に、内部情報を取得する内部情報検出手段を備える。前記外部デバイスは、前述のように、配管の内部を走査して、前記内部情報を取得することから、例えば、その後端に、ケーブルを有することが好ましい。作業者は、例えば、配管内に前記外部デバイスを配置し、前記ケーブルを配管内に送り進めていくことで、前記外部デバイスの前記内部情報検出手段により、前記配管の内部情報を走査的に取得できる。前記外部デバイスは、これには制限されず、例えば、コントローラ等により進行を制御するデバイスでもよいし、自律型デバイスでもよい。前記外部デバイスの制御は、例えば、作業者による手動制御でもよいし、外部との通信によるものでもよいし、自動制御でもよい。前記外部デバイスは、前記内部情報を取得する際、例えば、有線または無線により異常検出装置10と電気的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていなくてもよい。
【0049】
前記外部デバイスの前記内部情報検出手段は、特に制限されず、例えば、前記内部情報の種類、および前記異常の種類等に応じて、適宜選択できる。前記内部情報検出手段は、例えば、カメラ、超音波の発生手段および受信手段、マイクロホン、加振装置を搭載したロボット等があげられる。前記外部デバイスの具体例としては、例えば、内視鏡デバイス、ビデオスコープ等があげられる。
【0050】
前記外部デバイスは、さらに、前記走査角度情報取得手段、および前記走査速度情報取得手段を含む。前記走査角度情報取得手段としては、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ等があげられる。前記ジャイロセンサとしては、例えば、VSAS-T1G(東京計器株式会社製)があげられる。前記走査速度情報取得手段としては、例えば、加速度センサ、レーザードップラー速度計等があげられる。
【0051】
前記外部デバイスは、例えば、さらに、速度制御部を含み、前記速度制御部が、一定の速度となるように前記デバイスの速度を制御してもよい。これにより、例えば、異常検出処理における計算量を抑えることができる。
【0052】
前記外部デバイスにおける、前記走査角度情報取得手段、および前記走査速度情報取得手段、ならびに前記内部情報検出手段の設置箇所は、前記各情報を取得可能な位置であればよく、特に制限されない。前記走査角度情報取得手段、および前記走査速度情報取得手段、ならびに前記内部情報検出手段は、例えば、前記位置決定手段により、前記異常検出位置情報を、より正確に決定できることから、それぞれ、近接して設けられていることが好ましい。前記近接の範囲は、例えば、0.0001~0.1m、0.0001~0.01m、0.0001~0.001mである。
【0053】
前記外部デバイスは、例えば、さらに、前記外部デバイスの推進手段、および推進補助手段等を含むことが好ましい。ここで、前記外部デバイスが前記配管内部を走査する際、例えば、前記配管の凹凸等により、前記外部デバイスが動きにくくなることがある。前記外部デバイスが、前記推進手段、および前記推進補助手段等を含むことにより、例えば、前記外部デバイスが動きにくくなることを防止できる。前記推進手段としては、例えば、モータ等があげられる。前記推進補助手段としては、例えば、車輪等があげられる。
【0054】
つぎに、本実施形態の異常検出方法について、
図5を用いて説明する。
図5は、前記異常検出方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態の異常検出方法は、例えば、
図1および
図2に示す異常検出装置10を用いて実施できる。なお、本実施形態の異常検出方法は、これらの図面に示す異常検出装置10の使用には限定されない。また、本実施形態の異常検出方法における記載は、前述した異常検出装置10に援用できる。
【0055】
異常検出装置10の内部情報取得手段11は、配管の内部を走査する前記外部デバイスにより取得された、前記配管の内部における異常検出用の内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得する(S101)。
【0056】
異常検出装置10の異常情報選択手段12は、複数の前記内部情報のうち、異常を示す前記内部情報があるかを判定し、前記異常を示す前記内部情報を選択する(S102)。前記工程(S102)において、異常を示す前記内部情報がない場合、工程を終了する(END)。ただし、これには制限されず、前記工程(S102)において、異常を示す前記内部情報がない場合、出力部14において、異常を示す前記内部情報がない旨を出力し、終了してもよい。
【0057】
異常検出装置10の位置決定手段13は、前記工程(S102)において、前記異常を示す前記内部情報を選択した場合、前記異常を示す内部情報に紐づけられた前記経過時間と、その経過時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記外部デバイスの走査開始位置を基準位置として、前記異常を示す内部情報を取得した異常位置を決定する(S103)。
【0058】
出力部14は、前記基準位置に対する前記異常を示す内部情報の取得位置を、異常検出位置情報として出力し(S104)、終了する。
【0059】
このように、本実施形態の異常検出方法によれば、配管の内部情報に基づき、前記配管の異常を検出するため、例えば、漏水の発生前に、配管の異常に関する情報を得ることができる。また、本発明によれば、配管の内部における異常検出用の内部情報を外部デバイスにより取得し、前記内部情報と前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得することで、前記経過時間に基づき、異常を示す内部情報の取得位置を決定するため、より正確に、異常検出位置を出力できる。これにより、例えば、前記異常箇所の検査および修繕等において、建物の壁や床を必要以上に破壊することも抑制できる。また、例えば、設計図における配管の配置と実際の配管の配置とが異なる場合であっても、実際の配管における、異常検出位置を決定できる。
【0060】
[実施形態2]
次に、本実施形態について、前記配管の配置情報が、前記経過時間を時間軸とする、単位時間ごとの移動ベクトルである場合について説明する。なお、本実施形態において、以下、前記外部デバイスが、一定の速度となるように制御される場合を一例にあげて説明するが、本発明は、これには制限されない。
【0061】
本実施形態の異常検出方法において、まず、例えば、異常検出装置10を用いて、実施形態1と同様にして、前記内部情報取得工程を行うことができる。
【0062】
つぎに、前記異常情報選択工程において、複数の前記内部情報のうち、異常を示す前記内部情報を、単位時間ごとに選択する。すなわち、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得された前記複数の前記内部情報について、前記経過時間を時間軸として、単位時間ごとに区切り、前記単位時間ごとに、前記内部情報のそれぞれについて、異常を示す前記内部情報を選択する。そして、前記選択に基づき、前記内部情報における異常を、前記経過時間を時間軸として、前記単位時間ごとに判定した結果を示す、イベントマップを作成する。本実施形態の前記異常情報選択工程は、例えば、前記イベントマップの作成工程ということもできる。
【0063】
前記単位時間は、特に制限されず、例えば、前記配管および前記外部デバイスの種類、センサの精度、得られる情報の正確さ、前記イベントマップ等の読み取りやすさ、誤差の影響の排除しやすさ等により、適宜設定できる。前記単位時間は、例えば、1秒~60秒であり、具体的には、例えば、60秒、30秒、および1秒である。
【0064】
前記イベントマップの作成について、具体的に説明する。
図6(A)は、
図4に示したのと同じ建物内の配管について、前記内部情報における異常の程度情報を、前記単位時間ごとに判定した結果を示すイベントマップの一例を示す図である。前記程度情報は、例えば、前述の通りである。前記イベントマップにおいて、前記取得開始から16単位時間までは、前記異常の程度情報がレベル1であり、17単位時間において、前記異常の程度情報がレベル4であり、18単位時間において、前記異常の程度情報がレベル1であったことを示す。なお、本実施形態において、前記異常の程度情報の判定は必須ではなく、例えば、前記イベントマップにおいて、前記単位時間ごとに、異常の有無を示してもよいし、異常がある場合に、その単位時間を示してもよい。
【0065】
つぎに、前記配置決定工程において、前記単位時間と、その単位時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記経過時間を時間軸とする、前記単位時間ごとの移動ベクトル(コードマップ)を作成する。前記移動ベクトルは、前記単位時間における、前記外部デバイスの移動方向を、前記移動ベクトルの角度で示し、前記外部デバイスの移動距離を、前記移動ベクトルの長さで示したものである。本実施形態の前記配置決定工程は、例えば、前記コードマップの作成工程ということもできる。なお、前記コードマップは、前記移動ベクトルには限定されず、例えば、後述する、整数値(コード)でもよい。
【0066】
図6(B)は、前記コードマップの一例を示す図である。前記コードマップにおいて、各矢印が、前記単位時間における前記移動ベクトルを示す。なお、本実施形態において、前述のように、前記外部デバイスが、一定の速度となるように制御されるため、前記外部デバイスの単位時間当たりの移動距離は、一定となる。このため、本実施形態において、前記移動ベクトルは、単位時間ごとに同じ長さでもよいし、前記移動距離に対応する、長さの情報を含まなくてもよい。
【0067】
前述のように、前記外部デバイスの単位時間当たりの移動距離は、一定であることから、前記配置決定工程において、前記移動ベクトルを作成するには、各単位時間における前記外部デバイスの移動方向を決定すればよい。前記移動方向は、例えば、以下のようにして決定できる。例えば、
図7(A)に示すように、時間の経過に伴い、前記外部デバイスが、地点A、地点B、地点C、…と移動した場合、前記外部デバイスが有するジャイロセンサから、
図7(B)に示すように、角度値を取得できる。前記角度値について、まず、前記単位時間ごとに区切ることにより、前記単位時間における平均角度値を求める。このように、前記平均角度値を求めることにより、例えば、
図7(B)の区間Bにおいて突発的な角度値が検出された場合でも、ノイズとして除外して処理できる。つぎに、前記平均角度値について、
図7(C)に示すように、前記平均角度値を、単位角度ごとに区切ることにより、整数値(コード)による表現に変換する。前記単位角度は、特に制限されず、例えば、前記配管および前記外部デバイスの種類、センサの精度、得られる情報の正確さ、前記コードマップ等の読み取りやすさ、誤差の影響の排除しやすさ等により、適宜設定できる。前記単位角度は、例えば、45度、30度、15度等である。前記角度値は、前述のように、例えば、二次元の角度値でもよいし、三次元の角度値でもよい。前記角度値が、例えば、三次元の角度値である場合、前記コードは、例えば、
図7(D)に示すように、それぞれ、連続した1つの整数値により表現してもよいし(連続値表現)、整数値の組合せにより表現してもよい(組合せ表現)。前記変換は、例えば、前記角度値のコード化、および量子化ということもできる。このように、前記変換を行うことにより、例えば、前記コードマップにおける前記移動ベクトルが見やすくなる。ただし、これには制限されず、前記変換を行わなくてもよい。そして、前記配置決定工程において、前記コードに対応する前記外部デバイスの前記移動方向から、前記移動ベクトルを決定する。
【0068】
なお、本実施形態において、前述のように、前記外部デバイスが、一定の速度となるように制御されるため、前記移動距離に対応する、前記移動ベクトルの長さは、単位時間ごとに同じ大きさでもよい。一方、前記外部デバイスの速度が変化する場合、前記移動ベクトルの長さは、例えば、それぞれ、異なってもよい。この場合、前記移動ベクトルの長さは、例えば、実施形態1に記載の方法と同様にして、前記外部デバイスの前記単位時間ごとの移動距離から求めることができる。
【0069】
そして、前記出力工程において、前記配管の配置情報として、前記コードマップを出力し、これに紐づけて、前記イベントマップを出力する。これにより、前記イベントマップおよび前記コードマップを、単位時間ごとに対応させることができ、前記コードマップ上における、異常検出位置を示すことができる。つまり、本実施形態において、前記イベントマップおよび前記コードマップを組合せて出力することにより、前記異常位置を決定できる。このため、本実施形態において、例えば、前記出力工程が、前記位置決定工程を兼ねるということもできる。また、前記イベントマップおよび前記コードマップの組合せが、前記異常検出位置情報であるということもできる。
【0070】
なお、本実施形態において、前記異常情報選択工程、前記配置決定工程、および前記出力工程は、1回ずつ実施しているが、これには制限されず、例えば、前記各工程を、前記単位時間ごとに、繰り返し行ってもよい。
【0071】
このように、前記移動ベクトルを出力することにより、例えば、作業者が、前記配管の配置情報を理解しやすいため、例えば、見取り図や実際の建物と比較しながら、前記外部デバイスの移動を確認し、前記異常位置を特定する際に、有用である。
【0072】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、前記各実施形態の異常検出方法を、コンピュータ上で実行可能なプログラムである。または、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
【0073】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明によれば、配管の内部情報に基づき、前記配管の異常を検出するため、例えば、漏水の発生前に、前記配管の異常に関する情報を得ることができる。また、異常を示す内部情報の取得時間と、前記内部情報を取得した取得位置の移動情報に基づき、異常検出位置情報を決定するため、より正確に、異常検出位置情報を決定できる。これにより、前記異常箇所の検査および修繕等に必要な、建物の壁や床を必要以上に破壊することも抑制できる。また、例えば、設計図における配管の配置と実際の配管の配置とが異なる場合であっても、実際の配管における、異常検出位置情報を決定できる。
【0075】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載しうるが、以下には限定されない。
(付記1)
内部情報取得手段、異常情報選択手段、位置決定手段、および出力手段を含み、
前記内部情報取得手段は、
配管の内部を走査する外部デバイスにより取得された、前記配管の内部における異常検出用の内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得し、
前記移動情報は、規定の基準方位に対する前記外部デバイスの走査角度情報および前記外部デバイスの走査速度情報を含み、
前記異常情報選択手段は、
複数の前記内部情報のうち、異常を示す前記内部情報を選択し、
前記位置決定手段は、
前記異常を示す内部情報に紐づけられた前記経過時間と、その経過時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記外部デバイスの走査開始位置を基準位置として、前記異常を示す内部情報を取得した異常位置を決定し、
前記出力手段は、
前記基準位置に対する前記異常を示す内部情報の取得位置を、異常検出位置情報として出力する
ことを特徴とする配管の異常検出装置。
(付記2)
前記異常情報選択手段は、前記複数の前記内部情報から、異常判定情報に基づいて、異常を示す前記内部情報を抽出する、付記1記載の異常検出装置。
(付記3)
前記異常判定情報が、配管の異常を判定する配管異常判定モデルであり、
前記配管異常判定モデルは、配管の内部情報と、配管の異常の有無情報または異常の程度情報とから、機械学習により生成されるモデルであり、
前記異常情報選択手段は、前記配管異常判定モデルにより、前記各内部情報が取得された位置における異常の有無または程度を判定する、付記1または2記載の異常検出装置。
(付記4)
前記走査速度情報が、初速度情報と加速度情報とを含む、付記1から3のいずれかに記載の異常検出装置。
(付記5)
前記走査速度情報が、一定の速度情報である、付記1から4のいずれかに記載の異常検出装置。
(付記6)
前記内部情報が、前記配管の内壁の画像、前記配管の内壁からの反射超音波、前記配管内部における発生音、および前記配管の内壁からの振動からなる群から選択される少なくとも1つである、付記1から5のいずれかに記載の異常検出装置。
(付記7)
さらに、配置決定手段を含み、
前記配置決定手段は、
紐づけられた前記経過時間と前記移動情報とに基づいて、前記外部デバイスの移動履歴を推定し、前記移動履歴を前記配管の配置情報として決定し、
前記出力手段は、
前記配管の配置情報に、前記異常検出位置情報を紐づけて出力する、付記1から6のいずれかに記載の異常検出装置。
(付記8)
前記配管の配置情報が、前記経過時間を時間軸とする、単位時間ごとの移動ベクトルである、付記7記載の異常検出装置。
(付記9)
前記出力手段は、
前記経過時間を時間軸として、その時点における前記移動ベクトルと前記内部情報の異常の有無情報および異常の程度情報の少なくとも一方とを単位時間ごとに紐づけて出力する、付記7または8記載の異常検出装置。
(付記10)
前記配管の配置情報が、前記配管の配管図である、付記7記載の異常検出装置。
(付記11)
さらに、記憶手段を含み、
前記記憶手段は、建物の見取り図情報を含み、
前記出力手段は、前記見取り図情報に、前記異常検出位置情報を紐づけて出力する、付記1から10のいずれかに記載の異常検出装置。
(付記12)
前記出力手段は、さらに、前記異常の程度情報を出力する、付記1から11のいずれかに記載の異常検出装置。
(付記13)
前記出力手段は、さらに、前記異常を示す内部情報を出力する、付記1から12のいずれかに記載の異常検出装置。
(付記14)
前記配管が、排水管、給水管、ガス管、ダクト、および空調用の配管からなる群から選択される少なくとも1つである、付記1から13のいずれかに記載の異常検出装置。
(付記15)
前記異常が、前記配管の内壁における錆、穴、亀裂、汚れ、堆積物、着色、腐食、肉厚の減少、錆こぶ、およびブリスターからなる群から選択される少なくとも1つの発生である、付記1から14のいずれかに記載の異常検出装置。
(付記16)
外部デバイスと、付記1から15のいずれかに記載の異常検出装置とを含み、
前記外部デバイスが、走査角度情報取得手段、および走査速度情報取得手段を含み、
前記外部デバイスが、前記配管の内部における異常検出用の前記内部情報と、前記外部デバイスの前記移動情報とを、前記外部デバイスの前記経過時間に紐づけて取得する
ことを特徴とする配管の異常検出システム。
(付記17)
前記外部デバイスが、さらに、前記デバイスの推進手段、および推進補助手段の少なくとも一方を含む、付記16記載の異常検出システム。
(付記18)
前記外部デバイスが、さらに、速度制御部を含み、
前記速度制御部が、一定の速度となるように前記デバイスの速度を制御する、付記16または17記載の異常検出システム。
(付記19)
内部情報取得工程、異常情報選択工程、位置決定工程、および出力工程を含み、
前記内部情報取得工程は、
配管の内部を走査する外部デバイスにより取得された、前記配管の内部における異常検出用の内部情報と、前記外部デバイスの移動情報とを、前記外部デバイスの経過時間に紐づけて取得し、
前記移動情報は、規定の基準方位に対する前記外部デバイスの走査角度情報および前記外部デバイスの走査速度情報を含み、
前記異常情報選択工程は、
複数の前記内部情報のうち、異常を示す前記内部情報を選択し、
前記位置決定工程は、
前記異常を示す内部情報に紐づけられた前記経過時間と、その経過時間に紐づけられた前記移動情報とに基づき、前記外部デバイスの走査開始位置を基準位置として、前記異常を示す内部情報を取得した異常位置を決定し、
前記出力工程は、
前記基準位置に対する前記異常を示す内部情報の取得位置を、異常検出位置情報として出力する
ことを特徴とする配管の異常検出方法。
(付記20)
前記異常情報選択工程において、前記複数の前記内部情報から、異常判定情報に基づいて、異常を示す前記内部情報を抽出する、付記19記載の異常検出方法。
(付記21)
前記異常判定情報が、配管の異常を判定する配管異常判定モデルであり、
前記配管異常判定モデルは、配管の内部情報と、配管の異常の有無情報または異常の程度情報とから、機械学習により生成されるモデルであり、
前記異常情報選択工程において、前記配管異常判定モデルにより、前記各内部情報が取得された位置における異常の有無または程度を判定する、付記20記載の異常検出方法。
(付記22)
前記走査速度情報が、初速度情報と加速度情報とを含む、付記19から21のいずれかに記載の異常検出方法。
(付記23)
前記走査速度情報が、一定の速度情報である、付記19から22のいずれかに記載の異常検出方法。
(付記24)
前記内部情報が、前記配管の内壁の画像、前記配管の内壁からの反射超音波、前記配管内部における発生音、および前記配管の内壁からの振動からなる群から選択される少なくとも1つである、付記19から23のいずれかに記載の異常検出方法。
(付記25)
さらに、配置決定工程を含み、
前記配置決定工程において、
紐づけられた前記経過時間と前記移動情報とに基づいて、前記外部デバイスの移動履歴を推定し、前記移動履歴を前記配管の配置情報として決定し、
前記出力工程において、
前記配管の配置情報に、前記異常検出位置情報を紐づけて出力する、付記19から24のいずれかに記載の異常検出方法。
(付記26)
前記配管の配置情報が、前記経過時間を時間軸とする、単位時間ごとの移動ベクトルである、付記25記載の異常検出方法。
(付記27)
前記出力工程において、
前記経過時間を時間軸として、その時点における前記移動ベクトルと前記内部情報の異常の有無情報および異常の程度情報の少なくとも一方とを単位時間ごとに紐づけて出力する、付記25または26記載の異常検出方法。
(付記28)
前記配管の配置情報が、前記配管の配管図である、付記25記載の異常検出方法。
(付記29)
前記出力工程において、さらに、建物の見取り図情報に、前記異常検出位置情報を紐づけて出力する、付記19から28のいずれかに記載の異常検出方法。
(付記30)
前記出力工程において、さらに、前記異常の程度情報を出力する、付記19から29のいずれかに記載の異常検出方法。
(付記31)
前記配管が、排水管、給水管、ガス管、ダクト、および空調用の配管からなる群から選択される少なくとも1つである、付記19から30のいずれかに記載の異常検出方法。
(付記32)
前記異常が、前記配管の内壁における錆、穴、亀裂、汚れ、堆積物、着色、腐食、肉厚の減少、錆こぶ、およびブリスターからなる群から選択される少なくとも1つの発生である、付記19から31のいずれかに記載の異常検出方法。
(付記33)
付記19から32のいずれかに記載の異常検出方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
(付記34)
付記33記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記35)
走査角度情報取得手段、および走査速度情報取得手段を含み、
前記配管の内部における異常検出用の前記内部情報と、前記外部デバイスの前記移動情報とを、前記外部デバイスの前記経過時間に紐づけて取得し、
付記19から32のいずれかに記載の異常検出方法に用いることを特徴とする配管の内部情報検出デバイス。
(付記36)
さらに、前記デバイスの推進手段、および推進補助手段の少なくとも一方を含む、付記35記載の内部情報検出デバイス。
(付記37)
さらに、速度制御部を含み、
前記速度制御部が、一定の速度となるように前記デバイスの速度を制御する、付記35または36記載の内部情報検出デバイス。
【符号の説明】
【0076】
10 異常検出装置
11 内部情報取得手段
12 異常情報選択手段
13 位置決定手段
14 出力手段