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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】監査器具及び監査方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
A61J3/00 311G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019180301
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021053218
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000151472
【氏名又は名称】株式会社トーショー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100204456
【弁理士】
【氏名又は名称】調 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】大村 義人
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-024012(JP,A)
【文献】特開2013-180067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器を並べて載置するとともに前記容器に充填された流動性物質の量を確認するための監査器具であって、
底面と前記底面から立ち上がった複数の側壁面を備え、複数の前記容器を配置可能な収納部と、
前記収納部の開口の少なくとも一部を開閉可能に取り付けられた透明な蓋部と、
前記蓋部側または蓋部と対向する底面側に形成された、前記流動性物質の量を確認するための側壁面と平行な目盛り部と、
を有する監査器具。
【請求項2】
請求項1に記載の監査器具であって、
前記蓋部は、当該蓋部から前記底面側に向かって突出した凸部を有することを特徴とする監査器具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の監査器具であって、
前記底面から立ち上がる等間隔で配置された仕切り部を有することを特徴とする監査器具。
【請求項4】
請求項3に記載の監査器具であって、
前記仕切り部は、前記蓋部が閉状態において当該蓋部と最も接近する位置である頂部と前記底面とを結ぶ稜線部とを有し、前記稜線部は曲率を有することを特徴とする監査器具。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1つに記載の監査器具であって、
前記蓋部を開状態としたとき、前記収納部と当接して所定の角度で係止する係合部を有することを特徴とする監査器具。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1つに記載の監査器具であって、
前記収納部は、前記複数の容器を並列した状態に配置可能であり、前記側壁面の何れかが前記容器の長手方向の一方の端部を突き当て可能な基準壁を形成し、
前記目盛り部は、前記基準壁に平行に形成され、
前記容器を載置した状態において前記基準壁が下方となるように当該監査器具を配置することで前記容器に充填された前記流動性物質の量を目視確認することを特徴とする監査器具。
【請求項7】
請求項6に記載の監査器具であって、
前記蓋部は凸部を有し、
前記基準壁が下方となるように配置されたとき、前記容器の少なくとも一部に当該凸部が当接することで前記容器を一定位置に保持することを特徴とする監査器具。
【請求項8】
請求項7に記載の監査器具を用いて、
前記凸部をさらに押圧することで前記容器の密閉漏れの有無を検査することを特徴とする監査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性物質容器に充填された薬液等の監査を行うための監査器具及び当該監査器具を用いた監査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬液等の流動性物質の分注装置として例えば特許文献1、2等に開示されたものが知られている。特許文献1に開示された分注装置は、自動的に薬瓶から薬液を吸引し患者用容器に排出するものであり、特許文献2に開示された分注装置は、所定の薬液を1回分の用量を分注するものである。
このように1回分の用量を容器に充填する場合には、一般に容器に充填された薬液の量を目視で簡単に計量することが求められている。特許文献3には、液体を密に充填した軟質プラスチック製輸液用バッグ等の液体排出量または残液量を計量するための目盛を付した容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-16569号公報
【文献】特開2017-60647号公報
【文献】特開昭57-59553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献3に開示された目盛付き容器は、検査者が複数の容器にそれぞれ充填された液体の容量を検査する場合に、容器を1つずつ手に取って目視で検査しなければならず、手間が掛かってしまうという問題がある。
また、特許文献1、2で用いるような1回分の用量を分注するような構成に、特許文献3のような容器をただ用いただけでは、確認回数が増大してしまうという問題がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、容器に充填された流動性物質を容易に計量できる監査器具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の容器を並べて載置するとともに前記容器に充填された流動性物質の量を確認するための監査器具であって、底面と前記底面から立ち上がった複数の側壁面を備え、複数の前記容器を配置可能な収納部と、前記収納部の開口の少なくとも一部を開閉可能に取り付けられた透明な蓋部と、前記蓋部側または蓋部と対向する底面側に形成された、前記流動性物質の量を確認するための側壁面と平行な目盛り部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、容器に充填された流動性物質を容易に計量することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】自動分注システムの構成の一例を示す図である。
図2】自動分注装置における封止部の構成の一例を示す図である。
図3】容器の構成を示す図である。
図4】監査器具の構成の一例を示す斜視図である。
図5】監査器具の構成の一例を示す正面図である。
図6】監査器具の構成の一例を示す斜視図である。
図7】監査器具の構成の一例を示す左側面図である。
図8】監査器具の回動部の動作の一例を示す図である。
図9】監査器具の使用状態の一例を示す斜視図である。
図10】監査器具の構成の一例を示す背面図である。
図11】監査器具の構成の一例を示す上面図である。
図12】監査器具の構成の一例を示す底面図である。
図13】監査器具を用いた監査方法の動作の一例を示す図である。
図14】監査器具の閉状態の使用状態の一例を示す正面図である。
図15】監査器具の使用状態の一例を表す左側面図である。
図16】監査器具の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に用いられる容器50に流動性物質たる薬液60を充填するための自動分注システムの構成を示す図である。自動分注システム10は、自動分注装置20、パソコン30、プリンタ40を含んで構成されている。自動分注装置20は、パソコン30と通信可能に接続されている。プリンタ40は、パソコン30に接続されている。
【0009】
自動分注装置20は、パソコン30から受信した、1回の服用分の用量の情報および容器50の本数の情報に基づいて、自動的に1つの容器ごとに1回の服用分の薬液を分注し、容器ごとに封止する。
【0010】
パソコン30は、例えばノート型パソコンを用いることができる。薬剤師等のユーザPは、患者(服用者)の処方箋に記載された1回の服用分の用量および服用回数に基づいて、パソコン30に1回の服用分の薬液の用量の情報および本数の情報等を入力する。
パソコン30は、入力された情報を自動分注装置20に送信する。また、パソコン30は、ユーザPが入力した容器50のサイズおよび薬液の増減量等の情報も自動分注装置20に送信する。
プリンタ40は、ジャーナルプリンタまたはラベルプリンタを用いることができる。プリンタ40は、自動分注装置20が分注した薬液60の容量および本数等を紙媒体に印刷する。
【0011】
自動分注装置20の具体的な構成について図1を参照して説明する。
自動分注装置20は、空の容器50を複数保持する容器供給部120と、容器50を保持して移動させるターンテーブル状の移送部110と、移送部110に保持された容器50に薬液60を充填するための薬液充填部140と、薬液60が充填された容器50を封止する容器封止部160と、容器排出部170と、洗浄部180と、を有している。
本実施形態においては、容器供給部120と薬液充填部140と容器封止部160と、容器排出部170と、はそれぞれ移送部110における角度90度の間隔に配置されている。
【0012】
容器供給部120は、空の状態でかつ未封止の複数の容器50を箱状の容器保管部121に保管するとともに、保管されている容器50を任意の間隔で1つ1つ移送部110へと移動可能に設置されている。
例えば本実施形態では、容器保管部121には容器50が倒伏した状態で保管されており、容器保管部121の底面の供給孔から容器50が落下すると、落下経路に沿って容器50の所定の方向に正立した状態で移送部110へと供給する供給手段として機能する。なお、容器50が充填口51を上方とした状態を正立した状態としている。
【0013】
移送部110は、所定の回転軸を中心として回動可能なターンテーブル状の移送部であって、正立した容器50を開口111によって保持するとともに回動する。
【0014】
移送部110の回動により、正立した容器50が薬液充填部140に到達すると、パソコン30によって入力された1回の服用分の薬液60の用量の情報および本数の情報に基づいて、薬液充填部140が容器50の充填口51からノズルなどによって薬液60を充填する。
このように、容器50には1回分の所定の量の薬液60が充填される。
【0015】
容器封止部160は、薬液60が充填された容器50を封止するための封止部としての機能を有している。
容器封止部160は、超音波振動装置である封止機161を有している。
封止機161は、例えば図2に示すような超音波振動子161aとホーン161bと加圧受台162とを有する超音波振動装置である。
容器封止部160は、容器50の充填口51を超音波振動子161aと加圧受台162によって挟み込み、ホーン161bによって超音波振動子161aを振動させ、超音波振動と加圧とによって摩擦熱を生じさせることで充填口51を溶融して接着させて容器50を封止する。
なお、容器封止部160は、ヒーター等を用いた熱によって充填口51を溶着させる構成であっても良いし、その他容器50を封止可能な構成であればかかる構成に限定されるものではない。
【0016】
容器排出部170は、封止された容器50を自動分注装置20から排出する。
【0017】
ここで、本実施形態に用いる容器について図3を参照して説明する。図3(a)は薬液60が充填される前の空の容器50の斜視図である。図3(b)は薬液が充填された後の容器50の斜視図である。図3(c)は摘み部56を破断したときの容器50の斜視図である。
容器50は、略透明であって、軟質な合成樹脂、例えば軟質ポリエチレンで一体的に形成され、容器本体52と、容器本体52の一方側、図3(a)における上方側に形成された充填口51と被充填部59と、容器本体52を挟んで充填口51の反対側、図3(a)における下方側に形成された摘み部56と、を有している。
容器本体52は、略筒状に形成され、内部に薬液60を収容する収容空間が形成される。容器本体52は、指で押圧することで変形し、押圧を解除することで元の形状に戻る程度の柔軟性を有している。
また、容器本体52の下側には、収容空間と連通する注出部53が形成されている。注出部53は円錐部53aと、咥え部54とを有する。
円錐部53aは、容器本体52の径よりも小径であって、下方に向かうにしたがって徐々に縮径する。咥え部54は、円錐部53aの縮径した先端に取り付けられた略球形状の中空部であって、摘み部56を容器本体52から破断して離脱させることで、咥え部54の下端に、容器本体52内に収容された薬液60を外部に注出できる注出口55が形成される。咥え部54は、略球状であり、患者が口に咥えるのに適した球径である。なお、容器本体52、円錐部53a、咥え部54をそれぞれ水平方向に切断した場合、各円の直径は容器本体52、咥え部54、円錐部53aの順に小さくなる。
【0018】
摘み部56は、容器本体52、具体的には注出部53の咥え部54に連接されている。摘み部56は、患者が摘み易い厚みの略板状であって、注出部53を取り囲むように形成されている。また、摘み部56には、咥え部54の下端であって、容器本体52と摘み部56とが破断されていない状態において咥え部54と連通する球状部57を有している。摘み部56を容器本体52から離脱させるまでは、容器本体52の下方は、球状部57によって密閉される。また、咥え部54と球状部57とは、互いの球形状が縮径した位置に境界があることから、摘み部56を容器本体52から離脱するときに、咥え部54と球状部57との間で破断し易い構造になっている。すなわち、咥え部54と球状部57との間で破断させることで、摘み部56を離脱させたときに、確実に注出口55を形成させることができる。また、摘み部56は、注出部53の周囲に連接する接続部58を有している。接続部58は他の部位よりも薄肉に形成されていることから、摘み部56を容器本体52から離脱するときに、接続部58自体が破断する。
かかる接続部58を有することで、患者が摘み部56を持って容器本体52と切り離す際には、接続部58から容易に分離されるため、開封が容易となる。
【0019】
被充填部59は、容器本体52に連接され、容器本体52の長手方向と同方向に沿った略筒状に形成され、内部が薬液60を容器本体52内に導入するための通路となる。
また、被充填部59は、その上方に薬液を容器本体52内に充填するための充填口51を有している。充填口51から薬液が充填された後、充填口51は既に述べたように容器封止部160によって封止される。したがって、本実施形態の容器50では、任意の薬液60を任意の量だけ充填させることができる。
【0020】
容器50は、いわゆる中空成形(ブロー成形)によって製造される。中空成形は、製
品の外形が形成されている一対の金型でパリソンを挟み込み、中に空気を吹き込むことによって製品を成形する成形方法である。したがって、成形された容器50の両側には長手方向に沿って、一対の金型の合わせ面によって形成されたパーティングライン(分割ライン)が形成される。
なお、容器50は、複数のサイズを有している。本実施形態の容器50は、小、中、大の3つのサイズがある。容器50は、小から大になるにしたがって容器本体52の全長が長く形成され、その他の部分は何れのサイズも同一形状である。なお、各図に示す容器50は、小サイズの容器を示している。
【0021】
ユーザPは、患者から自動分注装置20によって所定の薬液60が所定の量充填された容器50を取り出し、監査器具70を用いて容器50にたしかに薬液60が所定量充填されているかの監査を行う。
【0022】
以下、本実施形態にかかる監査器具70について図4図12の各図面を参照して説明する。
監査器具70は、複数の容器50を並べて載置するアンプルケースであるとともに、監査を行う監査者たるユーザPが容器50に充填された薬液の容量を目視で計量および確認するための監査用の器具としての機能を有している。以下の図面では、必要に応じて監査器具70の上側をUp、下側をLo、右側をR、左側をL、前側をFr、後側をRrで示すものとする。なお、上側および下側とは、ユーザPが目視で計量するときの監査器具70の状態を基準とする。
【0023】
監査器具70は、図4に示すように、収納部80と、収納部80に回動可能に取り付けられた蓋部たる回動部90と、を有している。
収納部80は、複数の容器50を並列した状態に配置可能である。
収納部80は前方すなわち図4における前面側たるFr側が開口した略直方体であって、上下方向および左右方向に長く前後方向に短い略扁平形状である。収納部80は本実施形態においては、略透明な樹脂材料により形成される。なお、かかる構成に限定されるものではなく、アクリル等の樹脂材料の他、ガラス等を用いるとしても良い。
【0024】
本実施形態の収納部80は、底面たる裏板部81と、裏板部81から立ち上がった複数の側壁面82を構成する下側板部82a、上側板部82b、左側板部82c、右側板部82dを有している。なお、収納部80の裏板部81と対向する面は開口であり、収納部80は略直方体形状のアンプルケースとして機能する。
裏板部81は、図4に示すように、上下方向すなわち図4におけるUp-Lo方向に沿って長い容器50をL-R方向たる左右方向に15個並列して配置できる大きさに形成される。
監査器具70をアンプルケースとして用いる時には、裏板部81が底面となって、接地面に対して平行に載置されることとなる。
裏板部81は、目盛り部83と、仕切部84と、数量表示部85と、を有している。
【0025】
目盛り部83は、裏板部81のFr側の面における上下方向の略中央の位置に、例えば切削加工により施される複数の平行線である。目盛り部83はL-R方向に沿った線の集合であり、容器50が載置されたときには、それぞれ並列して配置された容器50を横切る方向に施されている。
本実施形態の目盛り部83は、実線で示すメイン目盛83aと、破線で示すサブ目盛83bとを有している。メイン目盛83aは3本であり、Lo側からそれぞれ5ml、10ml、15mlであることを示す線である。サブ目盛83bは、メイン目盛83aの間に位置し、一目盛が1mlを示す線である。
かかる目盛り部83に形成されるメイン目盛83aとサブ目盛83bとの間隔は、当然容器50の容器本体52の径によって異なるため、本実施形態においては、容器50は、小から大になるにしたがって容器本体52の全長が長く形成され、その他の部分は何れのサイズも同一形状であるように形成する。
【0026】
仕切部84は、容器を1つずつ独立して配置可能なように、収納部80の空間を仕切り、容器をL-R方向に並列して配置させるためのUp-Lo方向に沿った板状部材である。すなわち、収納部80は、仕切部84によって、隣接する仕切部84同士の間と、左側板部82cと仕切部84との間と、右側板部82dと仕切部84との間にそれぞれ容器50を配置するための配置スペースが確保される。本実施形態の収納部80には、最大で15本の容器50を配置可能である。
仕切部84は、図6に示したように、左右方向から監査器具70を見たときには、円弧状の板部材で形成されている。
即ち本実施形態において仕切部84は、『回動部90が閉状態において回動部90と最も接近する位置である頂部84aと裏板部81とを結ぶ稜線部84bとを有し、稜線部84bは曲率を有する』構成を備えている。
【0027】
数量表示部85は裏板部81の前面すなわちFr側の面における上下方向の上側の位置、すなわち目盛り部83よりも上側の位置に、例えば切削加工により施される。
本実施形態の数量表示部85は、「1」から「15」の数字で構成される数字列である。
数量表示部85は、それぞれ仕切部84によって確保された配置スペースに対応して、左端の配置スペースから順番に「1」を付し、右端の配置スペースに対応して「15」を付している。
【0028】
下側板部82a、上側板部82b、左側板部82c、右側板部82dは、それぞれ裏板部81の上下左右の外縁に接合され、収納部80に配置された容器50が収納部80から飛び出さないように取り囲む。すなわち下側板部82a、上側板部82b、左側板部82c、右側板部82dの前後方向のそれぞれの長さは、収納部80に容器50を配置したときに容器50が収納部80からはみ出ないように形成される。
また、本実施形態においては、特に下側板部82aが容器50の長手方向の一方の端部である摘み部56が突き当てられることで基準壁を形成する構成としている。
かかる基準壁、あるいは基準面は、容器50を並べる方向(図5における左右方向)に対して平行な面を形成する壁面(下側板部82aまたは上側板部82b)であることが望ましいが、かかる構成に限定されるものではなく、上側板部82b、左側板部82c、右側板部82dの何れかの側壁面がかかる基準壁として機能するとしても良い。
【0029】
次に、回動部90について説明する。
回動部90は、収納部80に対して回動可能であるとともに、収納部80の前方の開口の少なくとも一部を閉じたり、開いたりするように回動する。
回動部90は例えば、略透明な樹脂材料により形成される。なお、かかる構成に限定されるものではなく、アクリル等の樹脂材料の他、ガラス等を用いるとしても良い。
【0030】
本実施形態の回動部90は、板状部91と、収納部80の左側板部82cに取り付けられた左側ヒンジ部92cと、収納部80の右側板部82dに取り付けられた右側ヒンジ部92dと、板状部91から突出して形成された押圧部93と、を有している。
板状部91は、裏板部81の左右方向の長さと略同一であって、裏板部81の上下方向の長さよりも小さい大きさに形成される板状部材である。
板状部91は、回動部90が閉じられた状態すなわち収納部80の開口を閉じるように配置された図4に示す閉状態において、裏板部81と平行に、裏板部81と対向して配置される。
【0031】
一対でヒンジ部を構成する左側ヒンジ部92cと、右側ヒンジ部92dとは、板状部91の左右両端に位置し、それぞれ左側板部82c,右側板部82dの上端に軸支される。回動部90全体は、左側ヒンジ部92cと、右側ヒンジ部92dとによって収納部80の上端側で左右方向に沿った軸線回りに回動する。
図7図8には回動部90が閉じた閉状態の限界を実線で示し、回動部90が開いた開状態の限界を図8に二点鎖線で示している。なお、本実施形態においては、図7に示したものと対称の図面が右側面図として現れるため、右側面図については省略する。
また、図8には回動部90が開状態のときの限界の角度を限界角αとして示している。ここで、限界角αは、収納部80と回動部90との間の内側の角度である。限界角αは、90度よりも大きく135度よりも小さい角度、更には90度よりも大きく110度よりも小さい角度であることが好ましい。
かかる限界角αは、回動部90が開いたときに板状部91の上端側端部が収納部80の上側板部82bに係止する位置によって定まる。すなわち、限界角αは、ヒンジ部の取付位置や板状部91の厚み等の設計によってある程度変更することも可能である。なお、このとき板状部91の上端辺91aが、収納部80と係止する係合部としての機能を有している。
一方、回動部90が閉じたときには板状部91の左右の両端が、左側板部82cおよび右側板部82dのそれぞれ前端に接することで、回動部90が収納部80内まで回動することが防止される。
【0032】
押圧部93は、図9に示すように、回動部90が閉じた場合において、収納部80に並列して配置された容器を押圧する。押圧部93は、回動部90の閉状態における板状部91の内側面に位置し、内側面から突出して形成されている。
押圧部93は、本実施形態においては左右方向に長い略直方体状の凸部であり、左右方向の長さが左側板部82cと右側板部82dとの間の長さと略同一である。ここで、押圧部93は、図5図7において既に示されているように、回動部90が閉状態においては収納部80の内部に収まるように形成される。
押圧部93はまた、回動部90が閉状態のときに、押圧部93は左側板部82cと右側板部82dとの間に位置し、裏板部81や仕切部84に接しない大きさである。すなわちここでいう「左側板部82cと右側板部82dとの間の長さと略同一」とは、左側板部82cと右側板部82dとに閉状態において干渉しない遊び分の長さを差し引いた長さを表している。
なお、本実施形態においては特に、図7からも明らかなように回動部90の閉状態において押圧部93は仕切部84の頂部84aから下方にずれた位置に配置される。
かかる構成により、稜線部84bによって仕切部84のFr方向の長さが短い位置に押圧部93が入り込む形となるので、仕切部84によって容器本体52を保持しながらも、押圧部93と仕切部84とが干渉することを防ぐことができる。
【0033】
さて、以上述べたような監査器具70と、自動分注装置20とを用いて、ユーザPが患者の持ち込んだ処方箋に対して薬品を払い出す場合について説明する。なお、一般に処方箋には薬液60の他、錠剤や粉薬等の種々の薬品が含まれているが、本実施形態においては説明の単純化のために自動分注装置20によって分注される流動性物質の薬品たる薬液60についてのみ説明を行う。
【0034】
薬剤師等のユーザPは、患者(服用者)の処方箋に記載された1回の服用分の用量および服用回数に基づいて、パソコン30に1回の服用分の薬液60の用量の情報および本数の情報等を入力する(処方箋情報入力ステップS101)。
パソコン30は、入力された情報を自動分注装置20に送信する。また、パソコン30は、ユーザPが入力した容器50のサイズおよび薬液60の増減量等の情報も自動分注装置20に送信する。
プリンタ40は、ジャーナルプリンタまたはラベルプリンタを用いることができる。プリンタ40は、自動分注装置20が分注した薬液60の容量および本数等を紙媒体に印刷する(ステップS102)。
【0035】
なお、ユーザPは、かかるパソコン30への入力あるいは所謂解析システム等を用いて調剤データを生成しても良い。
自動分注装置20は、かかるパソコン30の入力あるいは解析システム経由で得られる調剤データに基づいて、薬液60を容器50に所定の量だけ充填して、容器排出部170から所定の本数排出する(ステップS103)。また、プリンタ40によって印刷された薬液60の種類、容量および本数等が記載された紙媒体としての調剤データも同様に排出される。
【0036】
なお、本実施形態においては自動分注装置20を用いて容器50に薬液60を充填する場合について説明したが、その他の方法によって薬液60を容器50に充填するものであっても構わない。
【0037】
さて、一般的な業務フローにおいては、自動分注装置20から排出された容器50や、調剤データ等を元に、ユーザPがまず各自でチェックを行った後、ユーザPと異なる薬剤師等のユーザQが最終監査を行う。
【0038】
監査器具70は、自動分注装置20から排出された容器50の保管ケースとしての機能を有する他、かかる最終監査や、あるいはユーザPによる自己チェックの際に用いられる監査用の器具としても機能する。
【0039】
監査器具70を用いて、容器50に充填された薬液60の容量を目視で監査する方法について説明する。
ここでは、図4図9に示すように、薬液60が容器50に充填され、服用回数分に相当する複数の容器50を用意して、患者に対して薬液を提供する前に監査者たるユーザQが監査を行う。
まず、ユーザQは、監査器具70を裏板部81がテーブル(調剤台)に接するように寝かせた状態に載置し、回動部90を収納部80に対して開いた開状態にする(ステップS104)。
このとき、回動部90は、開状態における収納部80と板状部91との間の限界角αが90度よりも大きいことから自重で閉じることがなく、また135度よりも小さいことからテーブルを占有してしまうことを防止できる。
【0040】
次に、ユーザQは、薬液60が充填された複数の容器50を、収納部80の仕切部84で仕切られた配置スペースに左側から隙間を空けることなく1つずつ配置する。このとき、ユーザQは、図4図9に示すように、容器50の摘み部56が収納部80の下側板部82aと当接するように上下の向きを揃えて配置する。したがって、複数の容器50が収納部80に左右方向に並列して配置される(ステップS105)。
【0041】
次に、ユーザQは、回動部90を閉じた閉状態にした上で、下側板部82aがテーブルに接するように監査器具70を立たせた状態に載置する(ステップS106)。
なお、回動部90を閉じたときには、押圧部93が容器50の容器本体52に当接することから、回動部90を完全に閉じることはできない。また、押圧部93が容器本体52に当接して保持されることから、容器50は、仕切部84と左側板部82cと右側板部82dとで仕切られたそれぞれの配置スペース内に、下側板部82aを基準壁として正立した状態で保持される。
図9は検査対象の複数の容器50を収納部80に配置した状態を示す斜視図である。
【0042】
ユーザQは、監査器具70を用いて以下の第1~第4の検査を行うことができる。
まず第1に、図14に示す状態において、ユーザQは所定の数量の容器50があるか否かを検査することができる(ステップS107)。すなわち、ここでは処方箋に記載された服用回数分に相当する数量の容器50があるか否かを検査することができる数量検査ステップである。具体的に、検査者は最も右側に位置する容器50に対して数量表示部85に表示された数字を照合することで即座に容器50の数量を確認できる。図14では、最も右側に位置する容器50が数量表示部85の「15」の位置に配置されている例を示している。
なお、本実施形態では、回動部90を閉じた閉状態においても、回動部90の板状部91が略透明であることから、ユーザQは板状部91を通して数量表示部85を視認することができる。
かかる第1の検査は、回動部90側から以外にも同様に裏板部81が略透明であれば裏板部側から見ることでも視認することが可能である。
その場合には数量表示部85は裏側から読むこととなるので、図示した数字表記とは鑑文字になるような関係の数字表記として数量表示部85を記載することが望ましい。
【0043】
第2に、図14に示す状態において、ユーザQは容器50に充填された容量が何れも略同量であるか否かを検査することができる(ステップS108)。すなわち、ここでは全ての容器50に同量の薬液60が充填されているか否かを検査することができる容量検査ステップである。
具体的には、ユーザQは充填された薬液60の表面の高さが全ての容器50で略同一か否かを、ガイド線として機能する目盛り部83を目視することで確認できる。図14では、6つの容器50に充填された薬液の液面高さが略同一である例を示している。なお、本実施形態では、第1の検査と同様に回動部90を閉じたとしても、回動部90の板状部91が略透明であることから、ユーザQは板状部91を通して薬液60の液面高さを視認することができる。
なお、かかる薬液60は、液体に限定されるものではなく、例えば微小粒子の粉体やゲル状体等の薬剤においても同様の挙動を示し、所謂流体、流動性物質であれば良い。
【0044】
第3に、図14に示す状態において、ユーザQは容器50に充填された容量が所定の容量であるか否かを検査することができる。すなわち、ここでは処方箋に記載された容量通りに充填されているか否かを検査することができる。
具体的には、ユーザQは充填された薬液60の液面の高さを目盛り部83と照合することで即座に容量を計量することができる容量計算ステップである(ステップS109)。
図14では、薬液の表面高さは5mlのメイン目盛83aと10mlのメイン目盛83aとの間であって、5mlのメイン目盛83aから数えて2番目のサブ目盛83bの近傍に位置していることから、7mlである例を示している。なお、本実施形態では、回動部90を閉じたとしても、第1、第2の検査と同様、回動部90の板状部91が略透明であることから、ユーザQは板状部91を通して目盛り部83を視認することができる。
【0045】
第4に、ユーザQは容器50から薬液60が漏れないか否かを押圧部93を容器本体52に向かって押圧することで検査することができる。すなわち、ここでは容器50から薬液が漏れないか否かを検査することができる液漏れ検査ステップである(ステップS110)。
具体的には、ユーザQが回動部90を閉じる方向に押圧することで、並列に配置された全ての容器50の容器本体52の外側面が押圧部93によって一度に押圧される。ここで、例えば、充填口51の閉塞が十分ではない容器50があった場合、容器本体52が押圧されることで充填口51から薬液60あるいは容器本体52が潰れて内部の空気が漏れ出ることが想定される。このように、ユーザQは漏れ出る虞がある容器50を検査することができる。なお、本実施形態では、回動部90を閉じたとしても、回動部90の板状部91が略透明であることから、ユーザQは板状部91を通して薬液60が漏れ出るか否かを視認することができる。
【0046】
このようにして、検査者は第1~第4の検査を連続して行うことができる。ただし、検査する順序は上述した順序に限られず、順序が入れ替えてもよく、1つあるいは複数の検査を省略してもよい。これらの第1~第4の検査によって、ユーザQは容器50に充填された薬液60の容量や本数が正しく備えられているかどうかの監査を行うことができる。
なお、図14には、収納部80の左側から配置された6本の容器50は小サイズである場合を図示しているが、収納部80の右側に中サイズの容器50Mと大サイズの容器50Lとを参考に二点鎖線で示している。このように、本実施形態の監査器具70ではサイズの異なる容器50を同時に配置可能であり、かかる同時配置を行った際にも、同様の手順で同時に薬液60が容器50に正しく充填されているかどうかの確認を行うことができる。
【0047】
このように、ユーザQが監査器具70を用いて容器50の個数および薬液60の量を目視によって確認し、最終監査を行った後、患者が監査を行った薬品を受け取り(ステップS111)、説明を受ける(ステップS112)ことで処方箋薬品の受け渡しが完了する。
【0048】
以上のように、本実施形態の監査器具70は、複数の容器50を並べて載置するとともに容器50に充填された薬液60の量を確認するための監査器具である。
監査器具70は、裏板部81と裏板部81から立ち上がった複数の側壁面たる下側板部82a、上側板部82b、左側板部82c、右側板部82dを備え、複数の容器50を配置可能な収納部80と、収納部80の開口の少なくとも一部を開閉可能に取り付けられた透明な回動部90と、を有している。
かかる構成によれば、簡易な構成で容器50に充填された薬液60の量のチェックが可能となる。
【0049】
また本実施形態においては、回動部90は、回動部90から裏板部81に向かって突出した凸部たる押圧部93を有している。
かかる構成により、下側板部82aを下方になるように監査器具70を直立して配置したときにも押圧部93が容器50が倒れることを防いで、監査を行いやすくするとともに、押圧部93が容器本体52を押圧することで容器50の封止状態を確認することができる。
【0050】
また本実施形態においては、裏板部81から立ち上がり等間隔で配置された仕切部84を有している。
かかる仕切部84により、下側板部82aを下方になるように監査器具70を直立して配置したときにも容器50の倒れ込みを防ぐことができる。
【0051】
また本実施形態においては、仕切部84は、回動部90が閉状態において回動部90と最も接近する位置である頂部84aと裏板部81とを結ぶ稜線部84bとを有し、稜線部84bは曲率を有する。
かかる構成により、閉状態において押圧部93が仕切部84と干渉することがない。
【0052】
また本実施形態においては、回動部90を開状態としたとき、収納部80の上側板部82bと当接して所定の限界角αで係止する係合部を有している。
かかる構成により、開状態において回動部90が限界角αで係止するため、省スペース化を図ることができる。
また、かかる限界角αが90度以上であることとすれば、回動部90の自重によって閉状態になってしまうことなく、開状態を維持する方向に寄与するから、監査器具70の操作性が向上する。
さらに、かかる限界角αを135度以下とすることとすれば、回動部90が最大限開いた場合にも板状部91が収納部80の反対側に倒れ込むことがなく、省スペースに作業を行うことができる。
【0053】
また本実施形態においては、回動部90または回動部90と対向する裏板部81に、薬液60の量を確認するための左右方向に平行な目盛り部83を有している。
かかる構成によれば、容易に容器50に充填された薬液60の量を計測することができる。
【0054】
また本実施形態においては、回動部90は押圧部93を有している。
かかる構成により、監査器具70は基準壁として機能する下側板部82aが下方となるように配置されたとき、容器50の少なくとも一部、より好ましくは容器本体52に押圧部93が当接することで容器50を一定位置に保持する。
【0055】
また本実施形態においては、監査器具70は押圧部93が容器本体52に当接した状態からさらに押圧することで、容器50の密閉漏れの有無を検査することができる。
かかる構成により、自動分注装置20による充填口51の封止が不十分であったときには、目視で漏れを発見することができる。
【0056】
また、本実施形態の監査器具70は、収納部80が複数の容器50を並列した状態に配置可能であり、目盛り部83は、並列された複数の容器50を横切るように収納部80に施されている。したがって、ユーザQは、薬液60の表面の位置を目盛り部83と一目で照合することができ、容器50に充填された流動性物質の容量を迅速に検査することができる。
【0057】
また、本実施形態の監査器具70は、収納部80に配置された複数の容器50の数量を目視で確認するための数量表示部85を有する。したがって、ユーザQは所定の数量の容器50があるか否かを容易に検査することができる。
また、本実施形態の監査器具70は、収納部80に配置された複数の容器50を一度に押圧可能な押圧部93を有している。したがって、ユーザQは押圧部93で複数の容器50を一度で押圧することで、流動性物質が漏れ出る虞がある容器50を容易に検査することができる。
【0058】
また、本実施形態の監査器具70は、収納部80の前方の開口の少なくとも一部を閉じたり開いたりするように収納部80に対して回動可能であって略透明な回動部90を有し、押圧部93は回動部90に設けられている。したがって、回動部90を閉じた場合であって、ユーザQが押圧部93で容器50を押圧したときに、透明な回動部90を通して薬液60が漏れ出るか否かを視認することができる。なお、回動部90は、収納部80の前方の開口の一部である場合に限られず、開口の全てを閉じるような構成であってもよい。
【0059】
また、本実施形態の監査器具70は、3の倍数の数量の容器50を配置スペースに配置可能である。
処方箋は、朝、昼、夜の3回を数日分で服用する処方内容であることが多く、3の倍数の数量の薬液用容器を配置可能にすることで、一度で容器50を収納部80に配置することができる。なお、本実施形態では、15本の薬液用容器を配置可能である場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、処方箋によっては、朝、夜の2回を数日分で服用する処方内容もあることから、2と3の公倍数の数量の薬液用容器を配置可能であってもよい。
また、例えばかかる容器50の配置可能な数を14とすることによれば、日に2回、1週間分の14本の容器を配置することができる。
【0060】
さて、本発明の変形例として、例えば押圧部93は板状部91の左右方向に伸びる略直方体形状の他、図16(a)に斜線で示すように、容器50の配置スペースそれぞれに対向する板状部91の位置に設けられた個別の凸部であっても良い。
かかる構成によれば、配置スペースに対応する位置にしか押圧部93がないので、仕切部84と干渉することなく押圧部93の長さを自由に決めることができる。
【0061】
あるいは、押圧部93の形状は、図16(b)に示すように閉状態において容器本体52に当接する側の面が球面を形成するような凸部であっても良い。
かかる構成によれば、容器本体52を押圧するときにも、容器本体52に与える負荷を低減することで、検査によって生じる容器の破損などを防止することができる。
【0062】
以上、本考案を上述した実施形態により説明したが、本考案は上述した実施形態に限定されるものではなく、本考案の範囲内で変更等が可能である。
なお、容器50に薬液60を充填するには、薬剤師や検査者等の人間が行ってもよく、入力された容量に基づいて自動的に充填する分注機等が行ってもよい。
また、本実施形態の容器50は流動性物質を充填できる容器であればよく、どのような容器であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
70:監査器具(アンプルケース) 80:本体部(収納部) 83:目盛り部 84:仕切部 85:数量表示部 90:蓋部(回動部) 92:ヒンジ部 93:押圧部(凸部) 50:容器(アンプル)
図1
図2
図3
図4
図5
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