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▶ ブキャナン,ナイジェルの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】ラインレンチヘッドおよびラインレンチ
(51)【国際特許分類】
   B25B 13/46 20060101AFI20221012BHJP
   B25B 13/50 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B25B13/46 Z
B25B13/50 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019571811
(86)(22)【出願日】2018-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-09
(86)【国際出願番号】 GB2018050702
(87)【国際公開番号】W WO2018167520
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-15
(31)【優先権主張番号】1704196.3
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519336573
【氏名又は名称】ブキャナン,ナイジェル
【氏名又は名称原語表記】BUCHANAN,Nigel
【住所又は居所原語表記】Beechtree Cottage New Gilston By Leven Fife KY8 5TF Great Britain
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(72)【発明者】
【氏名】ブキャナン,ナイジェル
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3205597(JP,U)
【文献】特開平11-045746(JP,A)
【文献】特開平11-339916(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0180365(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 13/46 - 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のファスナ係合面を含む第1内側を含む固定ヘッド部分と、
少なくとも1つのファスナ係合面を含む第2内側を含む旋回ヘッド部分と、
前記旋回ヘッド部分が前記固定ヘッド部分に旋回可能に接続される旋回部材と、を含み、
前記旋回ヘッド部分は、前記第1および第2内側が、円周方向に閉じられたファスナ受容空間を画定する閉じた状態と、前記旋回ヘッド部分の自由端が、前記固定ヘッド部分から前記ファスナ受容空間への側面開口部まで間隔が空けられている開いた状態との間で旋回可能であり、
前記自由端は先端を有し、前記自由端は、前記自由端の外面が前記ファスナ受容空間に対して外側にある傾斜面を画定するようなくさびの形であり、
前記旋回ヘッド部分が前記閉じた位置にある場合、前記第1内側は、前記傾斜面によって係合されるカム面を含み、前記カム面は、使用中に前記固定ヘッドに加えられるトルクにより、前記傾斜面および前記カム面の係合が増加し、前記ファスナ受容空間に受容されたファスナのグリップが向上するように構成されている、ラインレンチヘッド。
【請求項2】
前記旋回ヘッド部分は、前記旋回部材が受容されるボアと、前記ボアから離れて延びるレバーアームとを備え、前記レバーアームは、前記固定ヘッド部分に向かって移動すると、前記旋回ヘッド部分が前記閉じた状態から前記開いた状態に移動するように、前記固定ヘッド部分のそばに配置される、請求項1に記載のラインレンチヘッド
【請求項3】
前記旋回ヘッド部分を前記閉じた位置に付勢する付勢部材をさらに含む、請求項2に記載のラインレンチヘッド。
【請求項4】
前記固定ヘッド部分およびレバーアームは、前記付勢部材の両端がそれぞれ収容される凹部を含む、請求項3に記載のラインレンチヘッド。
【請求項5】
前記付勢部材は長さを有し、前記固定ヘッド部分の前記凹部は、前記付勢部材の前記長さの少なくとも60%である長さを有する、請求項4に記載のラインレンチヘッド
【請求項6】
前記付勢部材は、圧縮ばねであり、前記圧縮ばね内に配置されて前記ばねのもつれを少なくとも低減する細長いもつれ防止部材をさらに含み、前記細長いもつれ防止部材は、第1端部、前記第1端部の反対側に配置された第2端部、ならびに前記第1および第2端部に向かって狭くなるテーパ部分をそれぞれ有する、請求項3、4または5に記載のラインレンチヘッド。
【請求項7】
前記細長いもつれ防止部材は、弾性プラスチック材料で作られている、請求項6に記載のラインレンチヘッド。
【請求項8】
前記旋回ヘッド部分の外側に、前記旋回ヘッド部分の撓みを容易にするための凹みが設けられている、請求項1~7のいずれか1項に記載のラインレンチヘッド。
【請求項9】
前記固定ヘッド部分は、前記固定ヘッド部分にトルクが加えられる駆動機構と接続するための構造を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のラインレンチヘッド。
【請求項10】
前記固定ヘッド部分から延びるハンドル部分をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のラインレンチヘッド。
【請求項11】
複数のファスナ係合面を含む第1内側を含む固定ヘッド部分と、
少なくとも1つのファスナ係合面を含む第2内側を含む旋回ヘッド部分と、
前記旋回ヘッド部分が前記固定ヘッド部分に旋回可能に接続される旋回部材と、
中空付勢部材と、
前記中空付勢部材内に配置された細長いもつれ防止部材と、を含み、
前記旋回ヘッド部分は、前記第1および第2内側が、円周方向に閉じられたファスナ受容空間を画定する閉じた状態と、前記旋回ヘッド部分の自由端が、前記固定ヘッド部分から前記ファスナ受容空間への側面開口部まで間隔が空けられている開いた状態との間で旋回可能であり、
前記旋回ヘッド部分は、自由端を有し、前記自由端は、前記自由端の外面が前記ファスナ受容空間に対して外側にある傾斜面を画定するようなくさびの形であり、前記第1内側は、前記旋回ヘッド部分が前記閉じた位置にある場合に前記傾斜面によって係合されるカム面を含み、前記カム面は、使用中に前記固定ヘッドに加えられるトルクにより、前記傾斜面および前記カム面の係合が増加し、前記ファスナ受容空間に受容されたファスナのグリップが向上するように構成され、
前記付勢部材は、前記旋回ヘッド部分を前記閉じた位置に付勢し、
前記もつれ防止部材は、第1端部、前記第1端部の反対側に配置された第2端部、および前記第1および第2端部に向かって狭くなるテーパ部分をそれぞれ有する、ラインレンチヘッド。
【請求項12】
前記もつれ防止部材は、弾性プラスチック材料で作られている、請求項11に記載のラインレンチヘッド。
【請求項13】
前記旋回ヘッド部分は、前記旋回部材が受容されるボアと、前記ボアから離れて延びるレバーアームとを備え、前記レバーアームは、前記固定ヘッド部分に向かって移動すると、前記旋回ヘッド部分が前記閉じた状態から前記開いた状態に移動するように、前記固定ヘッド部のそばに配置される、請求項11または12に記載のラインレンチヘッド
【請求項14】
前記固定ヘッド部分およびレバーアームは、前記付勢部材の両端がそれぞれ収容される凹部を含む、請求項13に記載のラインレンチヘッド。
【請求項15】
前記付勢部材は長さを有し、前記固定ヘッド部分の前記凹部は、前記付勢部材の前記長さの少なくとも60%である長さを有する、請求項14に記載のラインレンチヘッド
【請求項16】
複数のファスナ係合面を含む第1内側を含む固定ヘッド部分と、
少なくとも1つのファスナ係合面を含む第2内側を含む旋回ヘッド部分と、
前記旋回ヘッド部分が前記固定ヘッド部分に旋回可能に接続される旋回部材と、を含み、
前記旋回ヘッド部分は、前記第1および第2内側が、円周方向に閉じられたファスナ受容空間を画定する閉じた状態と前記旋回ヘッド部分の自由端が、前記固定ヘッド部分から前記ファスナ受容空間への側面開口部まで間隔が空けられている開いた状態との間で旋回可能であり、
前記旋回ヘッド部分は、自由端を有し、前記自由端は、前記自由端の外面が前記ファスナ受容空間に対して外側にある傾斜面を画定するようなくさびの形であり、前記第1内側は、前記旋回ヘッド部分が前記閉じた位置にある場合に前記傾斜面によって係合されるカム面を含み、前記カム面は、使用中に前記固定ヘッドに加えられるトルクにより、前記傾斜面および前記カム面の係合が増加し、前記ファスナ受容空間に受容されたファスナのグリップが向上するように構成され、
前記旋回ヘッド部分は、前記旋回部材が受容されるボアと、前記ボアから離れて延びるレバーアームとを備え、前記レバーアームは、前記固定ヘッド部分に向かって移動すると、前記旋回ヘッド部分が前記閉じた状態から前記開いた状態に移動するように、前記固定ヘッド部のそばに配置される、ラインレンチヘッド。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ラインレンチヘッドおよびラインレンチに関する。
【0002】
パイプまたはチューブは、フレア、パイプまたはチューブナットを使用して、さまざまな油圧または空気圧装置または制御装置に接続され得る。チューブナットは通常、真鍮や他の比較的柔らかい金属でできており、特に腐食などによりチューブナットが予想よりもきつく締められた場合、締め付けや緩め操作中に簡単に損傷する可能性がある。タイトなファスナ(締結具)に使用すると、通常のオープンエンドレンチは、フラットの角を丸くする傾向があり、多くの場合、操作不能になる段階になる。ラインレンチは、ファスナの表面とのより大きな係合を提供し、滑りの可能性を減らすため、フレアナットでの作業に適している。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
米国特許第7073413号明細書は、内側ファスナ係合表面を有する折り畳み式可撓性リング部分を含むレンチを開示している。可撓性リング部分は、ハンドルに加えられるトルクが大きくなるほど、可撓性リング部分によってファスナに加えられるグリップが大きくなるように、ファスナを握るように設計されている。このレンチは通常、ファスナから取り外してから、レンチが操作可能な移動量の限界に達するたびに再取り付けする必要がある。つまり、レンチにはラチェット機能がない。
【0004】
米国特許第6978701号明細書は、リングヘッドの開口部が、自転車チェーンのリンクと同様にリンクによってリングヘッドの固定部に接続されたレンチを開示している。開口部の自由端の幅は、先端に向かって次第に大きくなる。ラインレンチの商用版では、固定部および開口部の間に圧縮ばねが使用されている。2つの部分は、圧縮ばねを受容するためのボア(bore)をそれぞれ備えた細長い延長部分をそれぞれ有する。延長部は、ばねが開口部に効果的な閉鎖作用を与えることができるように、レンチハンドルのほぼ反対側のレンチヘッドの上部に配置される。これにより、ハンドルから測定されるレンチヘッドの高さが効果的に増加する。開口部はカンチレバーのように開く。レンチは、逆方向に操作すると、あるファスナから次のファスナまで60度「ラチェット」が可能である。商業的に非常に成功しているが、これらのレンチはすべての状況で利用できるわけではない。圧縮ばねを含有する延長部分から生じる追加の高さは、ファスナと隣接する機器との間のギャップが比較的小さい場合、レンチの使用を制限し得る。また、圧縮ばねのボアは本質的に浅いため、圧縮ばねはその堅い圧縮点に近いか、その点にあり、もつれ、膨らみ、および早期の破損を引き起こしている。このラインレンチのもう1つの欠点は通常、レンチヘッドを開くには両手が必要になることである。
【0005】
米国特許第4967612号明細書は、既知のオープンレンチとソケットレンチの構造を組み合わせたレンチヘッドを開示している。このレンチには、有用な作業を行う前にファスナに固定する必要があるという固有の問題がある。特に、ワークピースまたはファスナのグリップを維持するために必要な供給トルクの割合は比較的高く、加えられるトルクが不十分な場合、ファスナとレンチヘッドとの間にずれが発生する可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、上述の欠点を少なくとも部分的に軽減すること、または既存の製品の代替物を提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1に記載のラインレンチヘッドを提供する。
【0008】
本発明はまた、請求項11に記載のラインレンチヘッドを含む。
【0009】
本発明はまた、請求項16に記載のラインレンチヘッドを含む。
【0010】
本発明は、低コストのラチェット式ラインレンチ、特に、「フラットからフラット」または代わりにポイントツーポイントラチェット機能を提供するために、レンチヘッドのピボットヘッド部分を弾性バイアスで閉じることができる薄型レンチヘッドを備えたラインレンチを提供し得る。本発明は、片手で簡単に開けることができ、製造が簡単で、堅牢で、安価である複雑でないツールを提供し得る。>
【0011】
本発明は、付勢ばねおよびばねの保護位置を備えた薄型レンチヘッドを提供し得る。レンチは、チューブまたはパイプに取り付けられたフレアナットなどのワークピースに係合してトルクを加えるように適合されたレンチヘッドと、前記レンチヘッドを回すための回転手段とを含み得、前記レンチヘッドは、一端が固定ヘッド部分に取り付けられ、他端が自由な旋回ヘッド部分を含み、前記旋回ヘッド部分は、フレアナット、ハイドロバック、プレーンファスナ、または駆動面に適合する任意のナットタイプのパイプコネクター(以下、ファスナと呼ぶ)と係合するためのファスナ係合面を有し、前記固定ヘッド部分は、使用中に駆動トルクが加えられたときにロックおよびクランプ動作を行うために、旋回ヘッド部分の自由端のプロファイルと相互作用するための閉鎖部分を含み、閉鎖部分で、またはそれに隣接して、旋回ヘッド部分の自由端は、減少する傾斜路またはくさびの形であり、その結果、レンチヘッドに増加するトルクが加えられると、閉鎖部分の面が前記傾斜を押し上げ、前記旋回ヘッド部分をフレアナット駆動面の周りで閉じさせると、より多くのトルクがレンチヘッドに加えられるので、ファスナのグリップが増加する。
【0012】
レンチヘッドおよび操作されたファスナの間のラチェットのような動作に影響を与えるために、旋回ヘッド部分は、固定ヘッドと旋回ヘッド部分内の対向するボア内に配置されたばねによって弾性的に閉じた状態に付勢され、ばね付勢に対して固定ヘッド部分から離れるように旋回され得る。このばねヒンジのような機構により、前記旋回ヘッド部分が旋回して開き、前記レンチヘッドの内側がフレアナット付き配管の境界に有効にアクセスできるようになるだけでなく、回転手段を次のファスナ駆動面または次の駆動順序の準備ができた駆動コーナーに逆方向に再配置できるように、旋回ヘッド部分が、前記弾性付勢に対して有効に十分に開くことを可能にする。前記旋回ヘッド部分は、前記取り付けられた配管の周囲からアクセスするかまたは引き出すために、便利なサムスイッチ、または旋回ヘッド部分と一体のレバーによって、ばねの力に対してさらに有効に旋回して開き得る。
【0013】
旋回ヘッド部分は、レンチヘッドによって画定されるファスナ受容空間の約50%を包含し得るため、旋回ヘッド部分の開口部は、レンチヘッドによって画定されるファスナ係合面の50%の旋回を伴い得る。
【0014】
スイベルジョイント部分に最も近い湾曲した内側コーナープロファイルでのレンチヘッドの前記内側プロファイルは、さらなるスカラップ(scallop)を有する。これらのスカラップは概して、ピボットリング部分が固定ヘッド部分に対して完全に開いている場合、特にレンチヘッド部分をレンチヘッド内側プロファイル内の操作されたファスナに対して再配置または反転する必要がある場合に完全に整列し、ファスナコーナーがレンチヘッド内側プロファイルの範囲内で回転するとき、ファスナコーナーは、ファスナコーナーポイントの円周直径とほぼ等しい通路を必要とし、必要に応じて、前記ファスナコーナーは、逆の動作中にばねに対して旋回ヘッド部分を開き、特に、前記スカラップを組み込んだスイベルジョイント部分に隣接するファスナコーナーは、回転手段が逆方向に操作されるときに生成される前記スカラップ状凹部内へ有用に弧を描くように前記ファスナコーナーを動かし、これにより、ピボットリング部分が十分に開き、隣接するファスナコーナーの通路を再配置できるようになる。
【0015】
旋回ヘッド部分のスイベルジョイントは、外側ジョイントラミネーションが固定ヘッド部分に組み込まれ、内側スイベルジョイントラミネーションが旋回ヘッド部分に組み込まれるように方向付けられてもよく、これにより、前記外側ラミネーションのプロファイルがファスナをしっかりと動作させるのに十分なファスナ係合面を組み込んでいるので、レンチヘッドが閉じられ、回転手段が駆動方向に動作する場合、使用中に操作されたファスナおよびファスナの係合面の間に最適な接触領域が提供され、内側の前記ラミネーションプロファイルは、この反復におけるスイベルジョイントの隣にあり、操作されたファスナに作用する係合面がほとんどまたはまったくない。前記外側ラミネートスカラップ型プロファイルは、スイベルジョイントの隣のファスナ係合面に直接隣接する点に位置する。
【0016】
旋回ヘッド部分の開口部は、旋回ヘッド部分の自由端の反対側の端部に、前記旋回ヘッド部分の外側レバーリング端内に組み込まれたサムスイッチを組み込むことにより、片手のみの使用により有用かつ便利に達成される。
【0017】
ばねは、前記旋回ヘッド部分を前記固定ヘッド部分に向かって内向きに弾性付勢するために、前記レンチヘッドの前記固定ヘッド部分および前記旋回ヘッド部分の両方に作用する圧縮ばね力の形態をとってもよいが、他のタイプのばねも使用され得る。ばねの長さの大部分は、固定ヘッド部分内の細長いばねボア内に有意に保持され得るようになり、前記細長いばねボアの直径は、前記対応するばね直径よりもさらに実質的に大きくすることができ、これにより、ばね動作がその中実高さよりもはるかに小さく、動作中にもつれにくくなることを有意にもたらす。
【0018】
付勢ばねは、その範囲内に配置された丸い端部を備えた柔軟なプラスチック棒片を含み得るもつれ防止装置によってもつれに対して保持され得る。前記ばねが旋回ヘッド部分の開いた順序で圧縮されるとき、前記もつれ防止装置の長さは、その周囲の圧縮ばねの圧縮長さの長さよりもわずかに短くてもよく、前記ばねおよび前記もつれ防止装置は、前記ばねの圧縮中に、旋回ヘッド部分の開いた順序全体にわたって弾性的に湾曲するため、魚雷状の丸い端部をさらに使用して、圧縮ばねのコイルがもつれ防止装置の端部に引っかかるのを防ぐ。前記もつれ防止装置の使用は、このタイプの湾曲した圧縮ばねの使用で破壊的膨張作用を有効に防ぐ。
【0019】
旋回ヘッド部分は、波形外面を有してもよく、前記波形は、薄型レンチヘッドをできるだけ慎重に組み込むために、湾曲した内側コーナープロファイルの反対側に位置する。
【0020】
固定ヘッド部分および旋回ヘッド部分は、これらを損なうことなく弾力的にたわむことができるように、既知のばね鋼から作られ得る。
【0021】
レンチヘッドは、レンチヘッドの外周に内向きおよび外向きの湾曲によって応力緩和構造を形成するように配置された12ポイントのキャスタレーションファスナ駆動を有し得る。湾曲した最も外側のプロファイルに対応する、内側プロファイルU字型の内側コーナープロファイル、結果として生じる波形により、回転手段に駆動方向にトルクが加えられたときに、旋回ヘッド部分が前記ファスナ係合面のコーナーで弾性的に曲がることができ、前記レンチヘッドの内側プロファイルの内側六角形の断面積をさらに有効に減少させ、操作されたファスナ駆動コーナーの前記作業面プロファイルグリップをさらに有用に増加させる。この反復での再配置または逆順は、前の60度ではなく30度の移動のみを必要とする。
【0022】
【表1-1】
【表1-2】
【図面の簡単な説明】
【0023】
例として与えられる本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
図1】本発明によるラインレンチの斜視図である。
図2】本発明によるラインレンチヘッドの斜視図である。
図3】典型的なフレアナットまたはファスナの斜視図である。
図4図1のラインレンチの分解斜視図である。
図5】レンチヘッドが開いた位置にあるラインレンチの斜視図であり、パイプが形成された開口部に移動する様子が示されている。
図6】ラインレンチの斜視図であり、ラインレンチヘッドが障害物に近接しているチューブナットに係合している。
図7】対応するサイズのファスナで逆方向に操作されるラインレンチヘッドの平面図であり、示されている開口部は、弾性部分に対して旋回して開いており、レンチを既存のファスナに再配置できるようにしている。ファスナ駆動コーナーは、直径とスカラップの要件を示す円で強調して示されている。
図8】対応するサイズのファスナ上で駆動方向に作動するラインレンチヘッドの平面図であり、開口部端部カム面は固定ヘッド部分カム面に隣接し、レンチヘッドファスナ駆動面は全てファスナ駆動面に作動するように示されている。
図9】弾性部分およびその内側もつれ防止装置の位置を示す、ラインレンチヘッド旋回および固定ヘッド部分の断面平面図である。前記旋回ヘッド部は全開で図示されている。さらに、ファスナ駆動コーナーの再配置回転を可能にする、全体的に整列されたスカラップを示す。
図10】弾性部分およびその内側もつれ防止装置の位置を示す、ラインレンチヘッド旋回および固定ヘッド部分の断面平面図である。前記旋回ヘッド部分は閉じて図示されており、対応するファスナ駆動面に有効に作用するスイベルジョイント部分に隣接する固定ヘッド部分のファスナ係合面ラミネーションが示されている。
図11】閉じた位置におけるラインレンチヘッドの斜視図であり、特に、六角形の内側プロファイルの一部を有効に形成しているスイベルジョイント部分に隣接する固定ヘッド部分ファスナ係合面を示す。
図12】開いた位置におけるラインレンチヘッドの斜視図であり、特に、逆転または再配置順序中に対応するファスナ駆動コーナーのための経路を有効に形成するために、旋回リングスカラップと概ね整列したスイベルジョイント部分に隣接する固定ヘッド部分スカラップを示す。
図13】対応するサイズのファスナ上で駆動方向に操作されるラインレンチヘッドの上面図であり、前記レンチヘッド内側プロファイルは、12ポイントのキャスタレーションファスナ駆動をさらに示す。
図14】さらなる正方形の駆動回転手段を備えたラインレンチヘッドの斜視図であり、前記レンチヘッド内側プロファイルはさらに12ポイントのキャスタレーションファスナ駆動を備えて示される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示する。しかしながら、開示された実施形態は、種々の形態で具現化され得る本発明の単なる例であることを理解されたい。一部の特徴は特定の構成成分の詳細を示すために誇張される場合があり、図面は必ずしも縮尺どおりではない。したがって、本明細書に開示された特定の構造および機能の詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に請求項の基礎として、および当業者が本発明を様々に使用するためのものとして解釈されるべきである。
【0026】
本発明による、本明細書に記載される実施形態は、図1~14を参照して説明され、ここでは、ラインインチ1が提供され、ラインインチ1は、チューブまたはパイプ74に取り付けられたフレアナットなどのファスナ70に係合してトルクを加えるように適合されたレンチヘッド200と、レンチヘッド200を回転させるための回転手段40と、を含み、レンチヘッド200は、一端が固定ヘッド部分202に取り付けられ、他端が自由な旋回ヘッド部分300を含み、旋回ヘッド部分300は、操作されたフレアナット、ハイドロバック(hydro-vac)、プレーンファスナ、または任意のナット型パイプコネクタフィッティング70(以下、前記ファスナ70と呼ぶ)駆動面71と係合するためのファスナ係合面301を有する。回転手段40が適切な駆動方向Dに操作されるときに、使用中にロックおよびクランプ作用をもたらすために、固定ヘッド部分202は、旋回ヘッド部分300の自由端305上の端部カム表面306と相互作用するための固定カム面210を含み、固定カム面210における、またはそれに隣接する前記旋回リング部分300の自由端305の外面は、減少する傾斜またはくさび(以下、端部カム面306と呼ぶ)の形態であり、その結果、増大するトルクが回転手段40に加えられると、固定カム面210は、旋回ヘッド部分自由端305上の端部カム表面ランプ306上で駆動し、旋回ヘッド部300をファスナ駆動面71の周りで閉じさせて、レンチヘッド内側プロファイル204およびファスナ駆動面71の間に与えられるグリップを増加させると、より多くのトルクが回転手段40に加えられる。ヘッド部分200および操作されたファスナ70の間のラチェットのような作用に影響を与えるために、旋回ヘッド部分300は、固定ヘッド部分202および旋回ヘッド部分300内の並置ボア215、304内に配置された弾性部分60によって閉じた位置に弾性的に付勢されている。このばねヒンジのような機構により、旋回ヘッド部分300が旋回して開き、レンチヘッドの内側プロファイル204が、生成されたアクセスチャネル211を介してフレアナット付き配管74の周囲に有効にアクセスできるようになるだけでなく、前記旋回ヘッド部分300が弾性付勢60に対して十分に開き、回転手段40を次のファスナ駆動面71または次の駆動D順序の準備ができた駆動コーナー72に逆方向Rに再配置できるようにする。前記取り付けられた前記細長いアタッチメント74の周囲からアクセスするか、またはそこから引き出すために、旋回ヘッド部分300内に組み込まれた便利な前記サムスイッチ307により、旋回ヘッド部分300は、弾性部分60の力に対してさらに有効に旋回して開き得る。
【0027】
図1図2、および図3は、レンチヘッド部分200を回転させるためのファスナ70および回転手段40に係合してトルクを加えることができるレンチヘッド200を有するラインレンチ1を示し、回転手段40は、例えば、ハンドグリップ41またはソケットスクエア駆動42の形状であり得、前記ヘッド部分200は、軸ピン50によって固定ヘッド部分202に取り付けられた旋回ヘッド部分300と、ファスナ70の駆動面71と係合するためのファスナ係合面201、301を有するレンチヘッド内側プロファイル204とを含む。さらに示されているのは、前記ファスナの細長いアタッチメント74およびその付属ワークピース80である。旋回ヘッド部分300を動作させる手段、サムスイッチ307、およびその弾性付勢部分60がさらに示されている。
【0028】
本発明の第1実施形態では、旋回ヘッド部分300の開口部は、レンチヘッド部分200の約50%を含み、前記旋回ヘッド部分300は、レンチヘッド内側プロファイル204の約50%を包含する。
【0029】
図4は、デモ用に分解されたラインレンチ1を示し、レンチヘッド200、固定ヘッド部分202、固定ヘッド軸ピンボア203、六角形の内側プロファイル205、スイベルジョイント部分208、スイベルジョイントスロット209、固定カム面210、湾曲した内側コーナープロファイル212、旋回ヘッド部分300、ファスナ係合面301、可撓性リング部分302、ピンボア303、自由端305、端部カム面306、サムスイッチ307、スイベルジョイント部分308、波形外面309、湾曲した内側コーナープロファイル310、回転手段40、ハンドグリップ41、軸ピン50、弾性部分60、傾斜した端部62を有する弾性部分のもつれ防止装置61を示す。
【0030】
図5は、旋回ヘッド部分300のレバーリング端316内に一体化されているサムスイッチ307を備えた前記ラインレンチ1のさらなる実施形態を示し、示されているサムスイッチ307が作動し、レンチヘッド部分200の固定ヘッド部分202に取り付けられた軸ピン50の周りを旋回する旋回ヘッド部分300を開き、ファスナ70に取り付けられたチューブまたはパイプ74が、今備えられている前記アクセスチャネル211を介して前記六角形の内側プロファイル205の境界にアクセスできるようにする。前記ファスナ70は、既知の手段によって前記ワークピース80に適切に取り付けられる。図示された回転手段40の前記ハンドグリップ41がさらに示される。
【0031】
図6、7、および8は、ラインレンチ1のさらなる実施形態を示すが、前記旋回ヘッド部分300は薄型であり、操作される前記ファスナ70が前記ワークピース近接障害物81に隣接する状況で前記レンチ1を利用することを可能にする。前記旋回ヘッド部分300の前記レンチヘッド壁幅Wは、薄型前記レンチヘッド200をできるだけ慎重に組み込むために、湾曲した内側コーナープロファイル310の反対側の前記波形外面309を含む。
【0032】
図7、8、9、10、11および12は、前記ラインレンチ1のさらに別の実施形態を示すが、旋回ヘッド部分300は、サムスイッチ307の押下により有効に操作されるか、逆方向または再配置R方向に操作される。旋回ヘッド部分300は、軸ピン50の周りを旋回し、弾性部分60を圧縮する。任意選択的に、回転手段40は、逆R方向に操作されると、係合ファスナ70のローブまたは駆動コーナー72を、弾性部分60の付勢に対してファスナ係合面201、301に作用させて、前記レンチヘッド部分200が次のファスナ係合面201、301上に作用済みファスナ70に対して再配置または逆転Rさせるのに十分なほど前記旋回ヘッド部分300をてこで開く。本発明のさらなる実施形態1では、スイベルジョイント部分208、308に最も近い湾曲した内側コーナープロファイル212、310におけるレンチヘッド204の前記内側プロファイルは、さらなるスカラップ213、315を有する。これらの前記スカラップ213、315は概して、旋回ヘッド部分300が固定ヘッド部分202に対して完全に開いている場合、特に、レンチヘッド部分200が、レンチヘッド内側プロファイル204内の操作されたファスナ70に対して、再配置または逆向きRを必要とする場合、完全に整列し、ファスナコーナー72がレンチヘッド内側プロファイル205の範囲内で回転するとき、ファスナコーナー72は、前記ファスナコーナーポイント72の円周直径73にほぼ等しい経路を必要とし、必要に応じて前記ファスナコーナー72は、逆作用R中に弾性部分60に対して旋回ヘッド部分300を開き、特に、前記スカラップ213、315を組み込んだスイベルジョイント部分208、308に隣接するファスナコーナー72は、回転手段40が逆方向Rに操作されるときに生成される前記スカラップ状凹部213、315内へ有用に弧を描くよう前記ファスナコーナー72を動かし、これにより、旋回ヘッド部分300が十分に開き、隣接するファスナコーナー72の経路が再配置されるのを可能にする。
【0033】
図7、8、9、10、11および12は、前記ラインレンチ1のさらに別の実施形態を示すが、スイベルジョイント層またはラミネーション214、314は、外側ジョイントラミネーション214がハンドル部分40内に組み込まれ、内側スイベルジョイントラミネーション314は、旋回ヘッド部分300内に組み込まれるように配向され、これにより、使用中に、操作されたファスナ70とファスナ係合面201との間に最良の接触領域が提供され、レンチヘッド部分200が閉じられ、回転手段40が駆動方向Dに作動すると、前記外側ラミネーション214のプロファイルは、ファスナ70が確実に動作することを可能にするのに十分なファスナ係合面201を依然として組み込んでいるので、内側の前記ラミネーション314スカラップ315、または図10に示すような前記スイベルジョイント部分308内の低減プロファイル317は、この反復で操作されたファスナ駆動面71に作用する係合面201はほとんどまたは全くない。前記外側ラミネート214は、スイベルジョイント208の隣のファスナ係合面201に直接隣接する点に位置するスカラップ状プロファイル213である。
【0034】
図6および8は、前記レンチ1、機器80に取り付けられた前記ファスナ70の駆動面71に係合するファスナ係合面201、301、湾曲した内側作用面コーナー310に関連する波形外面プロファイル309を有する前記ヘッド部分200をさらに示す。前記旋回ヘッド部分300の自由端305および端部カム表面306をさらに示し、固定カム面210を固定された前記固定ヘッド部分202に作用する旋回ヘッド部分ウェッジ306はファスナ駆動面71上のファスナ係合面201、301を閉じ、駆動方向Dに、より多くのトルクが回転手段40に加えられる。
【0035】
図9、10はさらに、図7、8のように平面図で前記レンチヘッド部分200を示すが、断面では前記弾性部分60およびその内側もつれ防止装置61を示す。
【0036】
ラインレンチ1のさらに別の実施形態では、前記弾性部分60は、最良実施では、その範囲内のもつれ防止装置61としての丸い端部を備えた柔軟な一片のプラスチック棒により、非もつれ動作可能位置に保持される。前記もつれ防止装置61の長さは、その周囲の圧縮ばね60の圧縮長さよりもわずかに短い。図9に示すように、前記ばね60が旋回ヘッド部分300の開いた順序で圧縮される場合、サムスイッチ307を操作すると、前記ばね60およびもつれ防止装置61は、前記ばね60が旋回ヘッド部分300の開いた順序全体にわたって圧縮している間、弾性的に曲がるので、魚雷状の丸い端部62をさらに使用して、圧縮ばね60のコイルが前記もつれ防止装置61の端部に引っかかるのを防止する。図10に示すように、前記もつれ防止装置61の使用は、示されたこのタイプの湾曲した圧縮ばね60の使用法で破壊的膨張作用をさらに有効に防止する。
【0037】
図13および図14は、ラインレンチ1のレンチヘッドのさらに別の実施形態を示し、旋回ヘッド部分300は、その外周により大きい波形外面309を有する。レンチヘッドの内側プロファイル204は、U字型コーナープロファイル207、313でさらに形成され、12ポイントのキャスタレーションファスナ駆動206、312を提供し、これは、さらなる12ポイント駆動の外側波形311と正しく対応し、トルクが駆動方向Dに回転手段40に加えられたとき、前記旋回ヘッド部分300が、12ポイントのファスナ駆動装置312の前記プロファイル311、313で弾性が曲がるようにし、使用中に、60度ではなく30度の再配置または逆Rアーク(図示せず)を削減するのに役立つ。図13では、12ポイントのキャスタレーション駆動206、312によって係合されたファスナ70が示されており、描かれている回転手段40は、ハンドグリップ41である。図14は、スクエア(正方形)の駆動開口部42の形態の駆動受容構造40を備えたレンチヘッドをさらに示す。
【0038】
付勢部材をレンチヘッドの固定ヘッド部分に収容し、レバーアームを旋回ヘッド部分に収容することにより、レンチヘッドの高さは、ばねを収容するためにレンチヘッドの上部に延長部を有するレンチヘッドと比較して高くする必要はないことが理解される。したがって、レンチヘッドは、障害物の比較的近くにあるファスナに使用され得る。
【0039】
ラインレンチ1は、フレアナットなどでの使用に適しているが、より一般的にはファスナで使用され得ることが理解されよう。
図1
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【図 】
図12
図13
図14