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特許7156721手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルターおよびこれを含む喫煙物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルターおよびこれを含む喫煙物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20221012BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D1/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020501530
(86)(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 KR2019012535
(87)【国際公開番号】W WO2020256223
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2020-01-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0072822
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0081257
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジェヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ナム、サンジン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒョンソク
(72)【発明者】
【氏名】イム、チャングン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨンハク
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ヨンジン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-517701(JP,A)
【文献】特表2017-536850(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021863(WO,A1)
【文献】特開平08-182492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流末端が喫煙物品の喫煙物質部に結合される第1フィルター;
前記第1フィルターを包む、耐油処理されていない第1ラッパー;
前記第1フィルターの下流末端に結合される第2フィルター;
前記第2フィルターを包む、耐油処理された第2ラッパー
前記第1フィルターおよび前記第2フィルターが結合されるように包む、耐油処理されていない結合ラッパー;および
前記喫煙物質部の少なくとも一部の領域と前記第1フィルターおよび第2フィルターを結合するように包む、耐油処理されていないチッピングラッパーを含み、
前記第1フィルターは、第1香料を含む第1カプセルを含み、前記第2フィルターは、第2香料を含む第2カプセルを含み、
前記チッピングラッパーは、前記第1フィルターとオーバーラップされる領域内に位置する第1穿孔領域および前記第2フィルターとオーバーラップされる領域内に位置する第2穿孔領域を含み、
前記第1穿孔領域の少なくとも一部は、前記第1カプセルとオーバーラップされ、
前記第2穿孔領域は、前記第2カプセルより上流に位置し、
前記第1穿孔領域は、前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第1ホール(hole)および前記第1ホールより下流で前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第2ホールを含み、
前記第2穿孔領域は、前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第3ホールおよび前記第3ホールより下流で前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第4ホールを含み、
前記第1ホールおよび前記第2ホールは、前記チッピングラッパーのみに形成されており、
前記第3ホールおよび第4ホールは、前記チッピングラッパー、前記結合ラッパーおよび前記第2ラッパーの全てを貫通して形成されている、手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルター。
【請求項2】
前記第1香料および前記第2香料は、互いに異なる物質である、請求項1に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルター。
【請求項3】
前記第2香料は、アップルミント香、オレンジ香、イチゴ香、ワイン香およびマンゴー香の中から選択されるいずれか一つである、請求項1に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルター。
【請求項4】
前記第1香料は、マンゴー香であり、前記第2香料は、アップルミント香、ワイン香およびマンゴー香の中から選択されるいずれか一つである、請求項3に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルター。
【請求項5】
前記第1ラッパーおよび前記結合ラッパーのうち少なくとも一つは、6500CU以上の多孔度を有する多孔性巻紙である、請求項1に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルター。
【請求項6】
前記第1ラッパーおよび前記結合ラッパーのうち少なくとも一つは、24000CU以上の多孔度を有する多孔性巻紙である、請求項5に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルター。
【請求項7】
前記第1カプセルおよび前記第2カプセルは、互いに10mm~14mm離隔した位置に形成される、請求項1に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルター。
【請求項8】
前記第2フィルターは、前記第1香料または前記第2香料と同じか異なる第3香料が加香処理されたフィルターである、請求項1に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルター。
【請求項9】
前記第1香料は、マンゴー香であり、前記第2香料は、アップルミント香、ワイン香およびマンゴー香の中から選択されるいずれか一つであり、前記第3香料は、グリーンアップルハーブ香である、請求項8に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルター。
【請求項10】
喫煙物質ラッパーで包まれた喫煙物質部;
上流末端が前記喫煙物質部に結合され、耐油処理されていない第1ラッパーで包まれた第1フィルター;
前記第1フィルターの下流末端に結合され、耐油処理された第2ラッパーで包まれた第2フィルター;
前記第1フィルターおよび前記第2フィルターを結合するように包む、耐油処理されていない結合ラッパー;および
前記喫煙物質部の少なくとも一部の領域と前記第1フィルターおよび第2フィルターを結合するように包む、耐油処理されていないチッピングラッパーを含み、
前記第1フィルターは、第1香料を含む第1カプセルを含み、前記第2フィルターは、第2香料を含む第2カプセルを含み、
前記チッピングラッパーは、前記第1フィルターとオーバーラップされる領域内に位置する第1穿孔領域および前記第2フィルターとオーバーラップされる領域内に位置する第2穿孔領域を含み、
前記第1穿孔領域の少なくとも一部は、前記第1カプセルとオーバーラップされ、
前記第2穿孔領域は、前記第2カプセルより上流に位置し、
前記第1穿孔領域は、前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第1ホール(hole)および前記第1ホールより下流で前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第2ホールを含み、
前記第2穿孔領域は、前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第3ホールおよび前記第3ホールより下流で前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第4ホールを含み、
前記第1ホールおよび前記第2ホールは、前記チッピングラッパーのみに形成されており、
前記第3ホールおよび第4ホールは、前記チッピングラッパー、前記結合ラッパーおよび前記第2ラッパーの全てを貫通して形成されている、手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品。
【請求項11】
前記チッピングラッパーは、前記第1ホールおよび前記第2ホールが形成された前記第1穿孔領域で190CU~210CUの多孔度を有する、請求項10に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品。
【請求項12】
前記第2ホールは、前記第1ホールから下流方向に1.5mm~2.5mm離隔するように位置し、
前記第4ホールは、前記第3ホールから下流方向に0.5mm~1.5mm離隔するように位置する、請求項10に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品。
【請求項13】
前記第3ホールは、前記第2ホールから下流方向に9mm~11mm離隔するように位置する、請求項10に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品。
【請求項14】
前記第1ホールは、前記チッピングラッパーの上流末端から下流方向に10mm~13mm離隔するように位置し、
前記第2ホールは、前記第2フィルターの下流末端から上流方向に20mm~23mm離隔するように位置する、請求項10に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品。
【請求項15】
前記喫煙物品の周りは、14mm~19mmである、請求項10に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品。
【請求項16】
前記喫煙物品の周りは、22.5mm~26.5mmである、請求項10に記載の手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品用フィルターおよびこれを含む喫煙物品に関し、より詳細には、手の臭いおよび口臭低減のために、二つのカプセルとこれによる構造を含む喫煙物品用フィルターおよび喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙過程中に発生する煙は、タバコフィルターを把持する喫煙者の指にしみこむことになり、喫煙後の口臭も誘発し得る。
【0003】
これにより、喫煙時にタバコの臭いが手にしみこむことを最小とすると同時に、喫煙後に口臭も低減させることができるフィルターおよび喫煙物品の開発が必要であるのが現況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、二つのカプセルを含むフィルターおよびこれを含む喫煙物品を提供することにある。
【0005】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野における通常の技術者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために本発明の実施例によれば、上流末端が喫煙物品の喫煙物質部に結合される第1フィルター;前記第1フィルターを包む第1ラッパー;前記第1フィルターの下流末端に結合される第2フィルター;前記第2フィルターを包む第2ラッパー;および前記第1フィルターおよび前記第2フィルターが結合されるように包む結合ラッパーを含み、前記第1フィルターは、第1香料を含む第1カプセルを含み、前記第2フィルターは、第2香料を含む第2カプセルを含む、手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品用フィルターを提供する。
【0007】
前記第1香料および前記第2香料は、互いに異なる物質でありうる。前記第2香料は、アップルミント香、オレンジ香、イチゴ香、ワイン香およびマンゴー香の中から選択されるいずれか一つでありうる。一例として、前記第1香料は、マンゴー香であり、前記第2香料は、アップルミント香、ワイン香およびマンゴー香の中から選択されるいずれか一つでありうる。
【0008】
前記第1ラッパーおよび前記結合ラッパーは、耐油処理されていない巻紙であり、前記第2ラッパーは、耐油処理された耐油巻紙でありうる。
【0009】
前記第1ラッパーおよび前記結合ラッパーのうち少なくとも一つは、6500CU以上の多孔度を有する多孔性巻紙でありうる。
【0010】
前記第1ラッパーおよび前記結合ラッパーのうち少なくとも一つは、24000CU以上の多孔度を有する多孔性巻紙でありうる。
【0011】
前記第1カプセルおよび前記第2カプセルは、互いに10mm~14mm離隔した位置に形成され得る。
【0012】
前記第2フィルターは、前記第1香料または前記第2香料と同じか異なる第3香料が加香処理されたフィルターでありうる。一例として、前記第1香料は、マンゴー香であり、前記第2香料は、アップルミント香、ワイン香およびマンゴー香の中から選択されるいずれか一つであり、前記第3香料は、グリーンアップルハーブ香でありうる。
【0013】
また、本発明の他の実施例によれば、喫煙物質ラッパーで包まれた喫煙物質部;上流末端が前記喫煙物質部に結合され、第1ラッパーで包まれた第1フィルター;前記第1フィルターの下流末端に結合され、第2ラッパーで包まれた第2フィルター;前記第1フィルターおよび前記第2フィルターを結合するように包む結合ラッパー;および前記喫煙物質部の少なくとも一部の領域と前記第1フィルターおよび第2フィルターを結合するように包むチッピングラッパーを含み、前記第1フィルターは、第1香料を含む第1カプセルを含み、前記第2フィルターは、第2香料を含む第2カプセルを含む、手の臭いおよび口臭の低減技術が適用された喫煙物品を提供する。
【0014】
前記チッピングラッパーは、前記第1フィルターとオーバーラップされる領域内に位置する第1穿孔領域および前記第2フィルターとオーバーラップされる領域内に位置する第2穿孔領域を含むことができる。
【0015】
前記第1穿孔領域の少なくとも一部は、前記第1カプセルとオーバーラップされ、前記第2穿孔領域は、前記第2カプセルより上流に位置することができる。
【0016】
前記第1穿孔領域は、前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第1ホール(hole)および前記第1ホールより下流で前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第2ホールを含み、前記第2穿孔領域は、前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第3ホールおよび前記第3ホールより下流で前記チッピングラッパーの外周面に沿って形成された複数の第4ホールを含み、前記第1ホールおよび前記第2ホールは、前記チッピングラッパーに形成されており、前記第3ホールおよび第4ホールは、前記チッピングラッパー、前記結合ラッパーおよび前記第2ラッパーの全てを貫通して形成されていてもよい。
【0017】
前記チッピングラッパーは、前記第1ホールおよび前記第2ホールが形成された前記第1穿孔領域で190CU~210CUの多孔度を有することができる。
【0018】
前記第2ホールは、前記第1ホールから下流方向に1.5mm~2.5mm離隔するように位置し、前記第4ホールは、前記第3ホールから下流方向に0.5mm~1.5mm離隔するように位置することができる。
【0019】
前記第3ホールは、前記第2ホールから下流方向に9mm~11mm離隔するように位置することができる。
【0020】
前記第1ホールは、前記チッピングラッパーの上流末端から下流方向に10mm~13mm離隔するように位置し、前記第2ホールは、前記第2フィルターの下流末端から上流方向に20mm~23mm離隔するように位置することができる。
【0021】
一部の実施例において、前記喫煙物品の周りは、14mm~19mmでありうる。または、前記喫煙物品の周りは、22.5mm~26.5mmでありうる。
【0022】
一部の実施例において、前記第1カプセルおよび前記第2カプセルが破砕されたまま前記喫煙物品を喫煙するとき、前記チッピングラッパーの外部表面であって、前記第1フィルターとオーバーラップされる領域で収集される副流煙の成分は、D-Limonene、1-Hexanol、3-Hexen-1-ol(Z)-、Decanoic acid,methyl ester、Geranyl Alcohol、1,6-Octadien-3-ol,3,7-dimethyl-および2(3H)-Furanone,5-hexyldi hydro-のうち少なくとも一つ以上を含むことができる。前記副流煙の成分において前記2(3H)-Furanone,5-hexyldihydro-の検出量は、前記1,6-Octadien-3-ol,3,7-dimethyl-の検出量より大きくてもよい。前記副流煙の成分において前記1-Hexanolの検出量は、前記Decanoic acid、methyl esterの検出量より大きくてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施例によれば、第1カプセルを含む第1フィルターおよび第2カプセルを含む第2フィルターが採用された喫煙物品構造を通じて喫煙者の喫煙後に発生する手の臭いと口臭を全て低減させることができるという効果がある。
【0024】
また、第1および第2フィルターを包むそれぞれのラッパーとして互いに異なる特性の巻紙を適用し、第1および第2穿孔領域の位置関係を適切に設定することによって、第1カプセルの破砕による手の臭いの低減効果を最大化させると同時に、第2カプセルの破砕により喫煙者の口に第2カプセル内容液が直接的に伝達されて不快感を与えたり、主流煙が漏出されることによって喫煙による満足度が減少するのを防止することができるという効果がある。
【0025】
ひいては、第1カプセルに含まれる香料の含量および種類を適切に設定することによって、香料が、第1カプセルが破砕された後、第1フィルターを包むラッパーを通過して指に転移される速度を最大化するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の一部の実施例による喫煙物品用フィルターの概略的な構成を示す図である。
図2図2は、本発明の一部の実施例による喫煙物品用フィルターが採用された喫煙物品の概略的な構成を示す図である。
図3図3は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の中心軸方向の部分断面図である。
図4図4は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の中心軸方向の部分断面図である。
図5図5は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の第1カプセルの破砕有無による官能特性の評価結果である。
図6図6は、第1フィルターが位置するチッピングラッパーの二重穿孔の適用有無による官能特性の評価結果である。
図7図7図13は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の第1カプセルおよび第2カプセルの香料別官能特性の評価結果である。
図8図7図13は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の第1カプセルおよび第2カプセルの香料別官能特性の評価結果である。
図9図7図13は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の第1カプセルおよび第2カプセルの香料別官能特性の評価結果である。
図10図7図13は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の第1カプセルおよび第2カプセルの香料別官能特性の評価結果である。
図11図7図13は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の第1カプセルおよび第2カプセルの香料別官能特性の評価結果である。
図12図7図13は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の第1カプセルおよび第2カプセルの香料別官能特性の評価結果である。
図13図7図13は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の第1カプセルおよび第2カプセルの香料別官能特性の評価結果である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している実施例を参照すれば明確になるだろう。しかしながら、本発明は、以下で掲示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され得、単に本実施例は、本発明の掲示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるのみである。明細書全般において同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0028】
別途の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味として使用され得る。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解析されない。
【0029】
また、本明細書において単数型は、文章において特に言及しない限り、複数型も含まれ得る。明細書で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0030】
本明細書で使用される「第1」または「第2」などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は、前記用語により限定されるべきものではない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0031】
明細書全般において、「喫煙物品」は、タバコ(巻きタバコ)、シガレットなどのように、エアロゾルを発生させることができる物を意味する。喫煙物品は、エアロゾル発生物質またはエアロゾル形成基質を含むことができる。また、喫煙物品は、板状葉タバコ、刻みたばこ、再構成タバコなどタバコ原料を基礎とする固体物質を含むことができる。喫煙物質は、揮発性化合物を含むことができる。
【0032】
また、明細書全般において「上流」または「上流方向」は、喫煙物品100を喫煙するユーザの口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」または「下流方向」は、喫煙物品100を喫煙するユーザの口部から近づく方向を意味する。例えば、図2に示された喫煙物品100において、喫煙物質部120は、フィルター112、114の上流または上流方向に位置する。
【0033】
ひいては、本明細書では、喫煙物品100が燃焼型巻きタバコである場合を例にあげて説明したが、これに限定されず、喫煙物品100は、電子タバコ機器などのエアロゾル生成装置(不図示)とともに使用される加熱式巻きタバコなどであってもよいことはもちろんである。
【0034】
図1は、本発明の一部の実施例による喫煙物品用フィルターの概略的な構成を示す図である。
【0035】
図1を参照すると、喫煙物品用フィルター110は、第1フィルター112、第2フィルター114、第1ラッパー112a、第2ラッパー114a、第1カプセル112c、第2カプセル114cおよび結合ラッパー116を含むことができる。
【0036】
喫煙物品用フィルター110は、喫煙物質部の下流に配置されて、喫煙物質部で発生したエアロゾル物質をユーザが吸入する直前に通過する領域でありうる。
【0037】
第1フィルター112および第2フィルター114は、多様な材質から形成され得るが、例えば第1フィルター112および第2フィルター114は、セルロースアセテートフィルターでありうる。第1フィルター112および第2フィルター114は、互いに同じ規格および組成を有することができるが、これに制限されない。例えば、第1フィルター112は、香料物質が加香処理されていないセルロースアセテートフィルターであり、第2フィルター114は、香料物質が加香処理されたフィルター、例えばTJNS(transfer jet nozzle system)フィルターでありうる。
【0038】
一部の実施例において、第1フィルター112および第2フィルター114それぞれの長さは、4mm~30mmの範囲内で適切に採用され得、第1フィルター112および第2フィルター114それぞれの直径は、5m~8mmの範囲内で適切に採用され得るが、これに限定されない。好ましくは、第1フィルター112および第2フィルター114それぞれの長さは、略15mmであり、第1フィルター112および第2フィルター114それぞれの直径は、略5.4mmでありうる。
【0039】
一部の実施例において、第1フィルター112および/または第2フィルター114は、内部に中空を含むチューブ形態の構造物であってもよい。この場合、第1フィルター112および/または第2フィルター114に含まれた中空の直径は、2mm~4.5mmの範囲内で適切な直径が採用され得るが、これに限定されない。また、第1フィルター112および/または第2フィルター114は、内部(例えば、中空)に同一あるいは異形の材質のフィルム、チューブなどの構造物を挿入して製造されることもできる。
【0040】
第1フィルター112および/または第2フィルター114の製造時に可塑剤の含量を調節することによって、第1フィルター112および/または第2フィルター114の硬度が調整され得る。
【0041】
可塑剤としては、トリアセチン(triacetin)が適用され得、トリアセチンは、第1および第2フィルター112、114の総重量対比5~15重量%含まれ得るが、可塑剤の種類および含量は、これに限定されず、必要に応じて適切に調節され得る。
【0042】
第1フィルター112の内部には、第1カプセル112cが、第2フィルター114の内部には、第2カプセル114cが含まれる。第1カプセル112cおよび/または第2カプセル114cは、香料を含む内容液を被膜で包んだ構造であってもよく、例えば、第1カプセル112cおよび/または第2カプセル114cは、球形または円筒形の形状を有することができる。
【0043】
第1カプセル112cおよび/または第2カプセル114cの皮膜を形成する材料は、デンプンおよび/またはゲル化剤でありうる。例えば、ゲル化剤としては、ジェランガムやゼラチンが使用され得る。また、第1カプセル112cおよび/または第2カプセル114cの皮膜を形成する材料としてゲル化助剤がさらに利用されることもできる。ここで、ゲル化助剤としては、例えば、塩化カルシウムが使用され得る。また、第1カプセル112cおよび/または第2カプセル114cの皮膜を形成する材料として可塑剤がさらに利用されることもできる。ここで、可塑剤としては、グリセリンおよび/またはソルビトールが利用され得る。また、第1カプセル112cおよび/または第2カプセル114cの皮膜を形成する材料として着色料がさらに利用されることもできる。
【0044】
第1カプセル112cおよび/または第2カプセル114cの内容液には、メントール、植物の精油などの香料が含まれ得る。
【0045】
一部の実施例において、第1カプセル112cおよび第2カプセル114cそれぞれには、マンゴー香、ワイン香、モヒートライム香、アップルミント香、オレンジ香、イチゴ香、グリーンアップルハーブ香、アップルマンゴー香およびスイートマンゴー香の中から選択されるいずれか一つの香料が含まれ得る。ここで、第1カプセル112cおよび第2カプセル114cには、互いに異なる種類の香料が含まれ得るが、これに制限されない。例えば、第1カプセル112cには、マンゴー香香料が含まれ、第2カプセル114cには、アップルミント香香料が含まれ得る。
【0046】
一方、第1カプセル112cが破砕された後、第1カプセル112c内に含まれた香料がラッパー112a、116、130を通過して指に転移される速度を最大化するために、第1カプセル112cに含まれる香料の含量は、総カプセルの重量対比約20重量%~50重量%であり得、香料は、ラッパー外部への放出が容易に行われ得る揮発性が強い果物系の香りでありうる。
【0047】
一部の実施例において、第1カプセル112cおよび/または第2カプセル114cの内容液に含まれる香料の溶媒としては、例えば、重鎖脂肪酸トリグリセリド(medium chain fatty acid triglyceride;MCTG)が利用され得る。また、内容液は、色素、乳化剤、増粘剤などの他の添加剤を含有することもできる。
【0048】
第1フィルター112および第2フィルター114は、ラッパー112a、114a、116により包装され得る。より具体的に、第1フィルター112は、第1ラッパー112aにより包装され、第2フィルター114は、第2ラッパー114aにより包装され、第1フィルター112および第2フィルター114は、結合ラッパー116により結合包装され得る。換言すれば、第1ラッパー112aにより包装された第1フィルター112および第2ラッパー114aにより包装された第2フィルター114は、結合ラッパー116によりさらに包装され、物理的に結合され得る。
【0049】
第1ラッパー112aおよび結合ラッパー116は、耐油処理されていない一般的な巻紙で製作され得る。例えば、第1ラッパー112aおよび結合ラッパー116は、多孔性巻紙または非多孔性巻紙でありうる。一例として、第1ラッパー112aおよび結合ラッパー116は、多孔度がCORESTA(Cooperation Center for Scientific Research Relative to Tobacco)単位で略10CU~20CUである非多孔性巻紙であるか、または多孔度が略6500CU以上(例えば、24000CU)の多孔性巻紙でありうる。
【0050】
第1ラッパー112aおよび結合ラッパー116は、互いに同じ巻紙が適用され得るが、これに制限されず、互いに異なる特性を有する巻紙が適用されることもできる。例えば、第1ラッパー112aおよび結合ラッパー116のうちいずれか一つのラッパーは、多孔性巻紙であり、他の一つのラッパーは、非多孔性巻紙であってもよい。
【0051】
第1ラッパー112aおよび結合ラッパー116は、耐油処理されていない巻紙で製作され得る。すなわち、第1ラッパー112aおよび結合ラッパー116は、喫煙者により第1カプセル112cが破砕されることによって、第1カプセル112cの外部に放出されるカプセル内容液が第1ラッパー112aを通過して喫煙者の手に伝達され得るようにするために、耐油処理されていない巻紙で製作され得る。
【0052】
第2ラッパー114aは、耐油性を有する巻紙で製作され得る。すなわち、第2ラッパー114aは、喫煙者により第2カプセル114cが破砕されることによって、第2カプセル114cの外部に放出されるカプセル内容液が第2ラッパー114aを通過しないようにするために、耐油巻紙で製作され得る。一部の実施例において、第2ラッパー114aの内側面には、アルミホイルがさらに含まれることもできる。
【0053】
上述した喫煙物品用フィルター110は、図2に示されたように、喫煙物質部120の下流に配置されて、喫煙物質部120で発生したエアロゾル物質をユーザが吸入する直前に通過するフィルターとしての役割を行うことになり、以下では、喫煙物品用フィルター110を含む喫煙物品100について詳細に説明することとする。
【0054】
図2は、本発明の一部の実施例による喫煙物品用フィルターが採用された喫煙物品の略的な構成を示す図であり、図3は、前記喫煙物品の中心軸方向の部分断面図である。
【0055】
図2および図3において、図1と同じ参照符号は、同一部材を示し、ここでは、説明の簡略化のために、これらに関する重複説明は省略する。
【0056】
図2および図3を相互参照すると、喫煙物品100は、喫煙物質部120、喫煙物質ラッパー120a、喫煙物品用フィルター110およびチッピングラッパー130を含むことができ、喫煙物品用フィルター110は、第1フィルター112、第2フィルター114、第1ラッパー112a、第2ラッパー114a、第1カプセル112c、第2カプセル114cおよび結合ラッパー116を含むことができる。
【0057】
喫煙物質部120は、エアロゾル発生物質を含有することができる。例えば、喫煙物質部120は、タバコストランドを含むことができる。
一部の実施例において、エアロゾル発生物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0058】
喫煙物質部120は、長く延びたロッド形態を有することができ、その長さおよび直径は、多様になり得る。一例として、喫煙物質部120の長さは、略15mm~70mmであり得、直径は、略5mm~9mmでありうる。
【0059】
一部の実施例において、喫煙物質部120は、風味剤、湿潤剤および/またはアセテート化合物のような他の添加物質を含有することができる。例えば、風味剤は、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤(isosweet)、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ、コロハ、カスカリラ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、バラオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、ケイヒ、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、ケイヒ、イランイラン、サルビア、スペアミント、ショウガ、コエンドロまたはコーヒーなどを含むことができる。また、湿潤剤は、グリセリンまたはプロピレングリコールなどを含むことができる。
【0060】
一部の実施例において、喫煙物質部120は、タバコ原料を粉砕した後、溶媒および多様な添加物を混合してスラリー形態に製造した後、乾燥させて、シートを形成した後、このようなシートを加工して棒などのような断片形態に形成された再構成タバコ物質を含むことができる。例えば、喫煙物質部120は、複数個のタバコ物質ストランドを含み、このようなストランド1個は、長さが略10mm~14mm(例えば、12mm)、幅が略0.8mm~1.2mm(例えば、1mm)および厚さが略0.08mm~0.12mm(例えば、0.1mm)でありうるが、これに制限されない。
【0061】
喫煙物質部120が、広いタバコシート形態を加工した複数のストランド物質を含むようにすることによって、喫煙物質部120に充填されたタバコ物質の密度が増加し、これに伴い、エアロゾル発生量が増加することができ、喫煙物質部120の喫煙特性が向上することができる。
【0062】
喫煙物質部120は、喫煙物質ラッパー120aにより包装され得る。喫煙物質ラッパー120aは、図1を参照して説明した第1ラッパー112aまたは結合ラッパー116と同じ巻紙で製作され得るが、これに制限されない。
【0063】
喫煙物質ラッパー120aにより包装された喫煙物質部120および結合ラッパー116により包装されたフィルター112、114は、チッピングラッパー130により結合包装され得る。すなわち、チッピングラッパー130は、喫煙物質ラッパー120aの少なくとも一部分(例えば、下流の一部の領域)および結合ラッパー116の外郭に包まれ得る。換言すれば、喫煙物質部120の少なくとも一部分およびフィルター112、114は、チッピングラッパー130によりさらに包装され、物理的に結合され得る。
【0064】
一部の実施例において、チッピングラッパー130の長さ130L1は、略33mm~37mmでありうる。喫煙物品用フィルター110の長さが30mmである場合を前提とすれば、喫煙物質部120と重なるチッピングラッパー130の長さ130L2は、略3mm~7mmでありうる。
【0065】
チッピングラッパー130は、一般的な巻紙で製作され得る。例えば、チッピングラッパー130は、多孔性巻紙または非多孔性巻紙でありうる。一例として、チッピングラッパー130は、多孔度が略10CU~20CUである非多孔性巻紙であるか、または多孔度が略6500CU以上(例えば、24000CU)の多孔性巻紙でありうる。
【0066】
チッピングラッパー130は、第1ラッパー112aまたは結合ラッパー116と同じ巻紙で製作され得るが、これに制限されない。例えば、チッピングラッパー130は、非多孔性巻紙であり、第1ラッパー112aおよび/または結合ラッパー116は、多孔性巻紙であってもよい。
【0067】
チッピングラッパー130は、耐油処理されていない巻紙で製作され得る。すなわち、チッピングラッパー130は、喫煙者により第1カプセル112aが破砕されることによって、第1カプセル112aの外部に放出されるカプセル内容液が第1ラッパー112a、結合ラッパー116およびチッピングラッパー130を通過して喫煙者の手に伝達され得るようにする、耐油処理されていない巻紙で製作され得る。また、チッピングラッパー130には、スクラロース、クエン酸などの甘味料がコートされていてもよい。
【0068】
一部の実施例において、チッピングラッパー130には、所定の物質が内添され得る。所定の物質の例としては、シリコンが該当し得るが、これに限定されない。例えば、シリコンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、または電気絶縁性などの特性を有する。ただし、シリコンでなくても、上述した特性を有する物質であれば、制限なしにチッピングラッパー130に塗布またはコートされ得る。
【0069】
チッピングラッパー130は、喫煙物品用フィルター110が燃焼する現象を防止することもできる。例えば、喫煙物質部120が喫煙物品用フィルター110に隣接した部分まで燃焼していく場合、喫煙物品用フィルター110まで燃焼する可能性がある。このような場合にも、チッピングラッパー130は、不燃性物質を含むので、喫煙物品用フィルター110が燃焼する現象が防止され得る。
【0070】
喫煙物品100は、長く延びたロッド形態を有することができ、その長さ、直径および周りは、多様になり得る。
【0071】
一部の実施例において、喫煙物品100の長さは、略45mm~100mmであり得、直径は、略4mm~6mm(例えば、約5.4mm)であり得、周りは、略14mm~19mm(例えば、約17mm)でありうる。喫煙物質部120の長さは、略70mm,第1フィルター112の長さ112Lは、略15mm、第2フィルター114の長さ114Lは、略15mmでありうるが、これに限定されない。
【0072】
他の一部の実施例において、喫煙物品100の直径は、略7mm~9mm(例えば、約7.8mm)であり得、周りは、略22.5mm~26.5mm(例えば、約24.5mm)でありうる。
【0073】
第1カプセル112cおよび第2カプセル114cは、球形の形状を有することができ、第1カプセル112cの直径112c_Dおよび第2カプセル114cの直径114c_Dは、略2.6mm~3.0mmでありうる。一部の実施例において第1カプセル112cの直径112c_Dおよび第2カプセル114cの直径114c_Dは、互いに同じであってもよいが、これに制限されない。
【0074】
第1カプセル112cは、一般的な喫煙者らが喫煙時に喫煙物品100を把持する位置に配置され得る。好ましくは、第1カプセル112cは、第2フィルター114の下流末端、すなわち喫煙物品100の下流末端から上流方向に略18mm~27mm離隔するように位置することができる。より具体的な例として、第1カプセル112cの中心点は、喫煙物品100の下流末端から上流方向に略21mm~24mm離隔するように位置し、第1カプセル112cの上流末端は、喫煙物品100の下流末端から上流方向に略22.5mm~25.5mm離隔するように位置し、第1カプセル112cの下流末端は、喫煙物品100の下流末端から上流方向に略19.5mm~22.5mm離隔するように位置することができる。
【0075】
第1カプセル112cおよび第2カプセル114cは、略10mm~14mmの離隔距離Cap_Dを有することができる。換言すれば、第1カプセル112cは、第2カプセル114cから上流方向に略10mm~14mm離隔するように位置することができる。
【0076】
第2フィルター114を覆う部分に位置するラッパー114a、116,130には、第2穿孔領域114Pが形成されていてもよい。第2穿孔領域114Pには、図3に示されたように、二重穿孔、すなわちチッピングラッパー130の外周面に沿って形成された複数の第1ホール114P1および第1ホール114P1より下流でチッピングラッパー130の外周面に沿って形成された複数の第2ホール114P2が備えられるが、これに制限されない。例えば、第2穿孔領域114Pには、図3に示されたものとは異なって、複数の第1ホール114P1および複数の第2ホール114P2のうちいずれか一つだけが備えられる(単一穿孔)こともでき、または複数の第1ホール114P1および複数の第2ホール114P2の他に追加されるホールがさらに備えられることもできる。
【0077】
複数の第1ホール114P1および複数の第2ホール114P2それぞれは、例えば4個~10個のホール(hole)を具備することができ、ホールは、チッピングラッパー130の外周面に沿って一定の間隔で離隔して形成され得るが、これに制限されない。ホールそれぞれの直径は、略0.02mm~0.08mm(例えば、0.05mm)でありうるが、これに制限されない。
【0078】
ホールは、オンライン(on-line)穿孔方式、すなわち穿孔されていないチッピングラッパーを使用して巻きタバコを製造した後、フィルター部に穿孔をする方式により形成され得る。オンライン穿孔は、レーザーを利用して行われ得るが、これに制限されるものではない。このようにホールがオンライン穿孔されるに伴い、ホールは、図3に示されたように、チッピングラッパー130だけでなく、結合ラッパー116、第2ラッパー114a、ひいては第2フィルター114の外側の一部の領域まで延びることができ、これに伴い、第2穿孔領域114Pを介して外部空気が外部から第2フィルター114の内部と流動することができる。第2穿孔114Pを介して流入した外部空気が主流煙と混合されて喫煙者に伝達され得る。
【0079】
一部の実施例において、複数の第1ホール114P1および複数の第2ホール114P2は、略0.5mm~1.5mmの離隔距離114Pwを有することができる。換言すれば、複数の第1ホール114P1は、複数の第2ホール114P2から上流方向に略0.5mm~1.5mm離隔するように位置することができる。
【0080】
一部の実施例において、複数の第1ホール114P1は、チッピングラッパー130の上流末端から略22mm~25mm離隔114P_TEdするように位置し、複数の第2ホール114P2は、第2フィルター114の下流末端から略9mm~12mm離隔114P_MEdするように位置することができる。
【0081】
複数の第1ホール114P1および複数の第2ホール114P2は、図3に示されたように、第2カプセル114cとオーバーラップされない領域、すなわち第2カプセル114cより上流に位置することができる。
【0082】
図4は、本発明の一部の実施例による喫煙物品の中心軸方向の部分断面図である。
図4において、図1図3と同じ参照符号は、同一部材を示し、ここでは、説明の簡略化のためにこれらに関する重複説明は省略する。
【0083】
図4を参照すると、喫煙物品200は、喫煙物質部120、喫煙物質ラッパー120a、喫煙物品用フィルター110およびチッピングラッパー230を含むことができ、喫煙物品用フィルター110は、第1フィルター112、第2フィルター114、第1ラッパー112a、第2ラッパー114a、第1カプセル112c、第2カプセル114cおよび結合ラッパー116を含むことができる。
【0084】
喫煙物品200のチッピングラッパー230には、第1穿孔領域212Pが形成されていてもよい。第1穿孔領域212Pには、図4に示されたように、二重穿孔、すなわちチッピングラッパー230の外周面に沿って形成された複数の第1ホール212P1および第1ホール212P1より下流でチッピングラッパー130の外周面に沿って形成された複数の第2ホール212P2が備えられるが、これに制限されない。例えば、第1穿孔領域212Pには、図4に示されたものとは異なって、複数の第1ホール212P1および複数の第2ホール212P2のうちいずれか一つだけが備えられる(単一穿孔)こともでき、または複数の第1ホール212P1および複数の第2ホール212P2の他に追加されるホールがさらに備えられることもできる。
【0085】
複数の第1ホール212P1および複数の第2ホール212P2それぞれは、チッピングラッパー130の外周面に沿って一定の間隔で離隔して形成され得るが、これに制限されない。
【0086】
ホールは、オフライン(off-line)穿孔方式、すなわちあらかじめチッピングラッパー230に穿孔されたチッピングラッパー230を使用して巻きタバコを製造する方式により形成され得る。オフライン穿孔は、レーザーを利用して行われ得るが、これに制限されるものではない。
【0087】
複数の第1ホール212P1および/または複数の第2ホール212P2が形成されることによって、第1穿孔領域212Pにおけるチッピングラッパー230の多孔度は、略190CU~210CUでありうる。言い換えれば、複数の第1ホール212P1および/または複数の第2ホール212P2は、チッピングラッパー230の多孔度が略190CU~210CUになるようにする大きさで穿孔され得る。これは、チッピングラッパー230の多孔度が略190CU未満になるように穿孔すると、カプセル内容液の転移速度の増加効果の側面において実質的な実益が少なくなり、チッピングラッパー230の多孔度が略210CU以上になるように穿孔すると、第1穿孔領域212Pを介して主流煙が漏出され得るためである。
【0088】
このようにホールがオフライン穿孔され、第1穿孔領域212Pにおけるチッピングラッパー230の多孔度が略190CU~210CUになることによって、ホールは、図4に示されたように、チッピングラッパー230にのみ形成され、結合ラッパー116および第1ラッパー112aまで延びないことになる。これに伴い、喫煙者により第1カプセル112cが破砕されることによって、第1カプセル112cの外部に放出されるカプセル内容液が喫煙者の手にさらによく伝達され得るようにすると同時に、ホールが結合ラッパー116および第1ラッパー112aまで延びないことによって、主流煙が喫煙物品200の外部に漏出されるのを防止できることになる。
【0089】
一部の実施例において、複数の第1ホール212P1および複数の第2ホール212P2は、略1mm~3mmの離隔距離212Pwを有することができる。換言すれば、複数の第1ホール212P1は、複数の第2ホール212P2から上流方向に略1mm~3mm離隔するように位置することができる。
【0090】
一部の実施例において、第1穿孔領域212Pの複数の第1ホール212P1および複数の第2ホール212P2の離隔距離212Pwは、第2穿孔領域114Pの複数の第1ホール114P1および複数の第2ホール114P2の離隔距離114Pwの約1.5倍~3倍(例えば、2倍)でありうる。一例として、離隔距離212Pwは、略2mmであり、離隔距離114Pwは、略1mmでありうるが、これに制限されるものではない。
【0091】
一部の実施例において、複数の第1ホール212P1は、チッピングラッパー230の上流末端から略10mm~13mm離隔212P_TEdするように位置し、複数の第2ホール212P2は、第2フィルター114の下流末端から略20mm~23mm離隔212P_MEdするように位置することができる。
【0092】
一部の実施例において、第1穿孔領域212Pの複数の第2ホール212P2と第2穿孔領域114Pの複数の第1ホール114P1の離隔距離Per_Dは、略9mm~10mmでありうる。
【0093】
一方、第2穿孔領域114Pの複数の第1ホール114P1および複数の第2ホール114P2とは異なって、第1穿孔領域212Pの複数の第1ホール212P1および複数の第2ホール212P2は、図4に示されたように、第1カプセル112cとオーバーラップされる領域内に位置することによって、喫煙者により第1カプセル112cが破砕されることによって、第1カプセル112cの外部に放出されるカプセル内容液が喫煙者の手にさらによく伝達され得るようになる。
【0094】
以下、実施例と比較例を通じて本発明の構成およびそれによる効果をより詳細に説明する。しかしながら、本実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0095】
実施例1
実施例のために試験用に製造された巻きタバコのフィルター部を切断分離した。マンゴー香の香料を含む第1カプセルを含み、耐油処理されていない巻紙で囲まれたセルロースアセテート物質の第1フィルターおよびアップルミント香の香料を含む第2カプセルを含み、耐油処理された耐油巻紙で囲まれたセルロースアセテート物質の第2フィルターをチップペーパーを利用してタバコ物質部に結合させた。
【0096】
この際、使用されたチップペーパーは、第1カプセルと重なる領域にオフライン穿孔を含み、チップペーパーの結合後にオンライン穿孔を通じて第2カプセルの上流方向に約2mm離隔した位置に二重穿孔を形成して、喫煙物品を製造した。
【0097】
実施例2
第1カプセルと重なる領域にオフライン穿孔が形成されていないチップペーパーを利用したことを除いて、実施例1と同じ喫煙物品を製造した。
【0098】
比較例1
第1フィルターに適用された巻紙として耐油処理された耐油巻紙を適用したことを除いて、実施例2と同じ喫煙物品を製造した。
【0099】
実験例1:第1カプセルの破砕前後の副流煙の成分の分析
本発明の実施例によるフィルターを適用したときの手の臭いの低減効果を測定するために、第1カプセルの破砕前後に発生する第1フィルター領域における副流煙の成分変化を分析した。
【0100】
表1は、第1カプセル112cの破砕前後に第1フィルター112が位置するチッピングラッパー領域における煙(副流煙)成分の変化を測定するための実施例1、実施例2および比較例1による喫煙物品のスペックであり、表2は、実施例1、実施例2および比較例1による喫煙物品を利用して第1カプセル112cの破砕前後に第1フィルター112が位置するチッピングラッパー領域における煙成分の変化を測定した結果である。一般的な喫煙者らは、喫煙時に第1フィルター112が位置するチッピングラッパー領域、具体的には、喫煙物品100の下流末端から上流方向に略15mm~30mm離隔した領域、より具体的には、喫煙物品100の下流末端から上流方向に略18mm~27mm離隔した領域を把持するので、表2の結果を通じて把持された領域で喫煙者の手に伝達される煙成分を確認できることになる。
【0101】
【表1】
【0102】
実施例1、実施例2および比較例1は、いずれも、上下流方向の長さが略100mmであり、周りが略17mmであり、タール含量が略2.0mgである喫煙物品であって、表1に提示されていないスペックは、いずれも同じ条件で行われ、喫煙物品は、いずれも非調和状態で喫煙された。喫煙条件は、パフボリューム55ml、パフ時間2秒、パフ周期20秒およびパフ回数12回に設定し、煙成分の測定は、第1フィルター112が位置するチッピングラッパー130、230にCFP(Cambridge filter pad)を包んで捕集された煙をGC(Gas chromatography)分析した。GC分析を通じてNicotine、3-Ethyl pyridine、3-Ethenyl pyridine、PyridineおよびMenthol成分を測定したが、3-Ethyl pyridineおよび3-Ethenyl pyridine値は、定量限界(limit of quantitation,LOQ)で下記表2では除いた。
【0103】
【表2】
【0104】
表2に示されたように、実施例1、実施例2および比較例1による喫煙物品を利用して第1フィルター112が位置するチッピングラッパー130、230における煙成分を測定した結果、実施例1、実施例2および比較例1の全てにおいて第1カプセル112cを破砕した後、メントール含有量が増加し、実施例1、実施例2および比較例1による喫煙物品の副流煙においてのニコチンが減少し、実施例2および比較例1による喫煙物品の副流煙でピリジンが減少した。表2の結果を基礎とし、かつ、タバコの臭いの原因としてニコチンが占める比重および臭いのマスキング役割を行うメントール伝達量の重要性を考慮するとき、第1ラッパー112aが一般巻紙(すなわち耐油処理されていない巻紙)であり、第1ラッパー112aが位置する領域のチッピングラッパー230に多孔度が略200CUになるようにオフライン方式で二重穿孔された実施例1で喫煙による手の臭いの低減効果が最も優れていることが予想された。また、第1ラッパー112aとして耐油処理されていない一般巻紙を適用した実施例2の場合、第1ラッパー112aとして耐油処理された巻紙を適用した比較例1と比較するとき、メントールの伝達量が増加したことを確認することができ、これに伴い、喫煙による手の臭いの低減効果に優れていることが予想された。
【0105】
実験例2:第1カプセルの適用による手の臭いの低減効果の官能評価
実施例1による喫煙物品のカプセルの破砕前後の手の臭いの低減効果を調べてみるために、喫煙後に手に発生するタバコの臭いおよびタバコの臭い以外の香りが感じられる程度に対する官能評価を実施した。
【0106】
官能特性の評価は、実施例1の喫煙物品を利用して10人の評価パネル員を対象として実施し、総9点満点を基準とした。
【0107】
図5は、本発明の実施例1による喫煙物品の第1カプセルの破砕有無による官能特性の評価結果である。
【0108】
図5に示されたように、第1カプセルが破砕された実施例1の喫煙物品と第1カプセルが破砕されていない実施例1の喫煙物品に対する喫煙後に発現される官能特性を分析した結果、第1カプセルが破砕された実施例1の喫煙物品の喫煙後に指で発生するタバコの臭いの程度が、未破砕の場合に比べて略59%程度に減少し、第1カプセルが破砕された実施例1の喫煙物品の喫煙後に指で発生するタバコの臭い以外の香り程度が、未破砕の場合に比べて略208%増加することが明らかになった。
【0109】
これは、第1フィルターに手の臭いの低減のための第1カプセルが含まれ、第1カプセルを破砕した後に喫煙する場合のほうが、第1カプセルを破砕しない場合(すなわち第1カプセルを含まない場合)より喫煙後に手の臭いの低減効果が格別に増大することを意味する。
【0110】
実験例3:第1フィルターの穿孔適用による手の臭いの低減効果の官能評価
喫煙物品の第1フィルター穿孔適用の有無による手の臭いの低減効果を調べてみるために、実施例1および実施例2による喫煙物品の喫煙後に手に発生するタバコの臭いおよびタバコの臭い以外の香りが感じられる程度に対する官能評価を実施した。
【0111】
官能特性の評価は、実施例1および実施例2の喫煙物品を利用して10人の評価パネル員を対象に実施し、総9点満点を基準とした。
【0112】
図6は、第1フィルターが位置するチッピングラッパーの二重穿孔の適用有無による官能特性の評価結果である。
【0113】
二重穿孔構造が適用された実施例1の喫煙物品と二重穿孔構造が適用されていない実施例2の喫煙物品の喫煙後に発現される官能特性を分析した結果、図6に示されたように、喫煙後に指で発生するタバコの臭いの程度では、有意な差異が現れなかった。これに対し、二重穿孔構造が適用された実施例1の喫煙物品の喫煙後に指で発生するタバコの臭い以外の香り程度が、二重穿孔構造が適用されていない実施例2の喫煙物品に比べて略27%増加することが明らかになった。
【0114】
これは、図4を参照して説明した穿孔構造212Pの採用が、タバコの臭い自体を除去あるいは減少させるとの見方は難しいが、穿孔構造により第1カプセルに含まれた香味物質が喫煙者の指にさらによく伝達されることによって、香りによる指のタバコの臭いのマスキング効果が改善され得ることが分かる。
【0115】
実験例4:カプセルの破砕前後の主流煙の成分分析
本発明の実施例によるフィルターを適用したときの口臭の低減効果を測定するために、カプセルの破砕前後の主流煙の成分変化を分析した。
【0116】
表3は、表1の実施例1による喫煙物品に含まれた第1カプセル112cおよび第2カプセル114cの破砕前後の主流煙成分の変化を分析した結果である。表3の結果を通じて喫煙者の喫煙時に発生する主流煙の煙成分を確認することができ、これを通じて喫煙者の口から出るタバコの臭いの低減程度を類推することができるようになる。
【0117】
【表3】
【0118】
主流煙の煙成分の分析結果、第1カプセル112cおよび第2カプセル114cの破砕後に水分を除いたTPM(total particle materials)値対比ニコチン比率は、カプセルの破砕前に比べてカプセルの破砕後に7.2%から5.4%に減少し、水分を除いたTPM値対比メントール比率は、破砕前0%から17.3%に増加した。一方、第1カプセル112cおよび第2カプセル114cの破砕後TPM(total particle materials)値は、第1カプセル112cおよび第2カプセル114cの破砕前に比べて約75%増加し、タール値は、第1カプセル112cおよび第2カプセル114cの破砕前に比べて約77%増加したが、これは、第1カプセル112cおよび第2カプセル114c内容液に含まれたメントールおよびその他香素類の増加分に該当する。すなわち、第1カプセル112cおよび第2カプセル114cの破砕後TPMに対するニコチン比率の減少およびメントール比率の増加に伴い、喫煙者の口から出るタバコの臭いが減少し、タバコの臭いの他の香りが増加する効果があるので、タバコの臭いのマスキング効果があることが分かった。
【0119】
以下、第1カプセルの香料および第2カプセルの香料組合せとこれらの破砕有無による実施例および比較例を通じて本発明の構成およびそれによる効果をより詳細に説明する。しかしながら、本実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0120】
実施例3
実施例のために試験用に製造された巻きタバコのフィルター部を切断分離した。第1カプセルを含み、耐油処理されていない巻紙で囲まれたセルロースアセテート物質の第1フィルターおよび第2カプセルを含み、耐油処理された耐油巻紙で囲まれたセルロースアセテート物質の第2フィルターをチップペーパーを利用して切断されたタバコ物質部に結合させた。
【0121】
ここで、第1カプセルには、マンゴー香の香料が含まれ、第2カプセルには、アップルミント香の香料が含まれ、第1カプセルおよび第2カプセルが全て破砕された状態で実験が行われた。
【0122】
実施例4
第1カプセルには、マンゴー香の香料が含まれ、第2カプセルには、オレンジ香の香料が含まれ、第1カプセルおよび第2カプセルが全て破砕された状態で実験が行われた。その他の条件は、実施例3と同じ喫煙物品が使用された。
【0123】
実施例5
第1カプセルには、マンゴー香の香料が含まれ、第2カプセルには、イチゴ香の香料が含まれ、第1カプセルおよび第2カプセルが全て破砕された状態で実験が行われた。その他の条件は、実施例3および実施例4と同じ喫煙物品が使用された。
【0124】
実施例6
第1カプセルには、マンゴー香の香料が含まれ、第2カプセルには、ワイン香の香料が含まれ、第1カプセルおよび第2カプセルが全て破砕された状態で実験が行われた。その他の条件は、実施例3~実施例5と同じ喫煙物品が使用された。
【0125】
実施例7
第1カプセルおよび第2カプセルそれぞれにマンゴー香の香料が含まれ、第1カプセルおよび第2カプセルが全て破砕された状態で実験が行われた。その他の条件は、実施例3~実施例6と同じ喫煙物品が使用された。
【0126】
比較例3
実施例3と同じ喫煙物品を使用し、かつ、第1カプセルおよび第2カプセルが全て破砕されていない状態で実験が行われた。第1カプセルおよび第2カプセルそれぞれは、香料を含む内容液を皮膜で包む構造を有するので、第1カプセルおよび第2カプセルが全て破砕されていない状態における香素類関連実験は、第1カプセルおよび第2カプセルが全て含まれていない喫煙物品の香素類関連実験を意味することもできる。
【0127】
比較例4
実施例3と同じ喫煙物品を使用し、かつ、第1カプセルだけが破砕され、第2カプセルが破砕されていない状態で実験が行われた。比較例3と類似した理由で、第1カプセルだけが破砕され、第2カプセルが破砕されていない状態における香素類関連実験は、第1カプセルだけが含まれ、第2カプセルが含まれない喫煙物品の香素類関連実験を意味することもできる。
【0128】
比較例5
実施例3と同じ喫煙物品を使用し、かつ、第2カプセルだけが破砕され、第1カプセルが破砕されていない状態で実験が行われた。類似した理由で、第2カプセルだけが破砕され、第1カプセルが破砕されていない状態における香素類関連実験は、第2カプセルだけが含まれ、第1カプセルが含まれていない喫煙物品の香素類関連実験を意味することもできる。
【0129】
一方、後述する実験例5~7では、実施例3~7それぞれの喫煙物品の第2フィルターとして、香料物質が加香処理されていないセルロースアセテートフィルターが使用されたが、第2フィルターとして、香料物質が加香処理されたフィルター、例えばTJNSフィルターを使用する場合、後述する口臭および手の臭いの低減効果がさらに増大することが予想される。TJNSフィルターは、例えばマンゴー香、ワイン香、モヒートライム香、アップルミント香、オレンジ香、イチゴ香、グリーンアップルハーブ香、アップルマンゴー香およびスイートマンゴー香の中から選択されるいずれか一つの香料で加香処理されたフィルターでありうる。
【0130】
一部の実施例において、喫煙物品の第2フィルターは、グリーンアップルハーブ香が加香処理されたTJNSフィルターでありうる。好ましくは、第2フィルターは、フィルター当たり(すなわち巻きタバコ当たり)略2mg~8mgのグリーンアップルハーブ香が加香処理されたTJNSフィルターでありうる。より好ましくは、第2フィルターは、フィルター当たり略2.5mg~3.5mgのグリーンアップルハーブ香が加香処理されたTJNSフィルターでありうる。
【0131】
実験例5:カプセルの破砕有無およびカプセル内香料別副流煙の成分分析
本発明の実施例によるフィルターを適用したときの手の臭いの低減効果を測定するために、香料別に、そして第1および第2カプセルの破砕前後に発生する第1フィルター領域における煙(副流煙)成分を分析した。
【0132】
表4は、実施例3~7および比較例3~5による喫煙物品のカプセル内香料の種類および破砕有無を示す。表5は、実施例3~7および比較例3~5による喫煙物品の第1フィルターが位置するチッピングラッパー領域における副流煙の成分内メントール含量の測定結果であり、表6~表11は、比較例3および実施例3~7による喫煙物品の副流煙の成分のうちメントールを除いた香発現成分の名称および検出量を示す測定結果である。
【0133】
一般的な喫煙者らは、喫煙時に第1フィルターが位置するチッピングラッパー領域、具体的には、喫煙物品の下流末端から上流方向に略15mm~30mm離隔した領域、より具体的には、喫煙物品の下流末端から上流方向に略18mm~27mm離隔した領域を把持するので、表5および表6~表11の結果を通じて把持された領域で喫煙者の手に伝達される煙成分を確認できることになる。
【0134】
【表4】
【0135】
実施例3~7および比較例3~5は、いずれも、上下流方向の長さが略100mmであり、周りが略17mmであり、タール含量が略2.0mgである喫煙物品であって、第1カプセルを含む第1フィルターは、耐油処理されていない巻紙で囲まれ、第2カプセルを含む第2フィルターは、耐油処理された耐油巻紙で囲まれた。使用されたチップペーパーは、第1カプセルと重なる領域にオフライン穿孔を含み、チップペーパーの結合後にオンライン穿孔を通じて第2カプセルの上流方向に約2mm離隔した位置に二重穿孔を形成して、喫煙物品が製造された。その他、表4に提示されていないスペックは、いずれも同じ条件で行われた。喫煙条件は、パフボリューム55ml、パフ時間2秒、パフ周期20秒およびパフ回数12回に設定した。煙成分の測定は、第1フィルターが位置するチッピングラッパーにCFPを包んだまま、1本ずつ、試料別5回繰り返して、喫煙後にCFPをガラス瓶に入れてメタノール(MeOH)で抽出してGC分析した。GC分析を通じて手の臭いの誘発の主要成分であるNicotine、Pyridine、3-Ethyl pyridineおよび3-Ethenyl pyridineを除いて手の臭いの低減関連成分であるMentholおよびFuraneol成分を測定したが、Furaneol成分は、不検出(No Data)と出たため、下記表5では除いた。
【0136】
【表5】
【0137】
表5に示されたように、実施例3~7の全てにおいて略26ug/cig.~33ug/cig.水準のメントール含量を示して、比較例3(すなわち第1および第2カプセルが未破砕)に比べて略13倍~17倍のメントール含量が検出された。タバコの臭いのマスキング役割を行うメントール伝達量の重要性を考慮して表5の結果を参照すると、第1カプセルおよび第2カプセルの両方を破砕した実施例3~7の全てにおいて第1カプセルおよび第2カプセルの両方を破砕しない場合(比較例3)およびいずれか一つだけを破砕した場合(比較例4および5)に比べて喫煙による手の臭いのマスキング効果が増加することが予想された。特に、第1カプセルの香料がマンゴー香であり、第2カプセルの香料がアップルミントである実施例1において前記手の臭いのマスキング効果が最も優れていることが予想された。副流煙の成分のうちメントールを除いた香発現成分を分析した下記表6~表11では、第1カプセルおよび第2カプセルが破砕されていない比較例3で検出されない成分(D-Limonene、1-Hexanol、3-Hexen-1-ol(Z)-、Decanoic acid、methyl ester、Geranyl Alcohol、1,6-Octadien-3-ol,3,7-dimethyl-、2(3H)-Furanone,5-hexyldi hydro-)が、第1カプセルおよび第2カプセルの破砕を通じてチッピングラッパーの外部に伝達されたことを、そして喫煙者の手に伝達されて、タバコの臭いのマスキング効果が発現され得ることを確認した。
【0138】
ひいては、官能評価は、多様な要因によって結果が相異し得るが、表6~表11における香発現成分の分析結果だけを考慮して実験例7における官能評価結果を参照すると、副流煙内に2(3H)-Furanone,5-hexyldihydro-成分が1,6-Octadien-3-ol,3,7-dimethyl-成分より多く含まれた場合、または副流煙内に1-Hexanol成分がDecanoic acid、methyl ester成分より多く含まれた場合に、喫煙中の清涼感、喫煙中の後味のすっきりさ、喫煙後の全般的満足度および喫煙後の指にタバコの臭いの程度に対する数値において優位を示していることを予想することができる。
【0139】
【表6】
【0140】
【表7】
【0141】
【表8】
【0142】
【表9】
【0143】
【表10】
【0144】
【表11】
【0145】
実験例6:カプセルの破砕有無およびカプセル内香料別口臭捕集および分析
本発明の実施例によるフィルターを適用したときの口臭の低減効果を測定するために、香料別に、そして第1および第2カプセルの破砕前後の口臭を捕集して分析し、表12は、実施例3~7および比較例3~5による分析結果である。
【0146】
【表12】
【0147】
口臭の捕集は、総5人の喫煙者を対象に実施例別に5回ずつ行われ、一回当たりの間隔は、30分に設定して行われた。口臭の捕集は、喫煙者それぞれが1本喫煙後に2分間口を閉じた以後に行われ、捕集された煙は、3LテドラーバックにサンプリングされてTD(thermal desorber)/GC(gas chromatography)-PFPD(pulsed flame photometric detector)分析を行った。分析は、口臭を誘発する主要成分であるHS(Hydrogen Sulfide)、MM(Methyl Mercaptan)、DMS(Di-Methyl Sulfide)およびDMDS(Di-Methyl Di-Sulfide)を対象に行われたが、HS、DMSおよびDMDSの場合、閾値以下の水準の濃度で検出されるなど有意味な結果の導出に困難があるので、前記表12では除いた。表12には、実施例別にMM(メタンチオール(methanethiol)とも呼ばれるメチルメルカプタンを指し、以下では、説明の便宜上、メチルメルカプタンと称する)の閾値指数(TI,Threshold Index)を測定した結果が提示されている。前記TIは、実施例別に5回の測定値の中間値(Median)を閾値(0.07ppb)で割って算定された。
【0148】
表12に示されたように、第1および第2カプセルを全て破砕した実施例のうち実施例3、実施例4、実施例6および実施例7におけるメチルメルカプタンのTI数値は、第1および第2カプセルを全て破砕しない比較例3におけるメチルメルカプタンのTI数値より低く検出された。これに伴い、第1および第2カプセルを全て破砕した場合において、第1および第2カプセルをどちらも破砕しないか、いずれか一つだけを破砕した場合より、概してメチルメルカプタンの低減効果性が現れる傾向を示した。
【0149】
一方、このようなメチルメルカプタンの低減効果は、単に果物系の香料を使用したカプセルの破砕で発現されるというよりは、第1および第2カプセルの適切な組合せによる相互作用によって発現および最大化されることを確認することができた。これは、第1および第2カプセルを全て破砕しても、実施例4および実施例5の場合では、メチルメルカプタンの低減効果が有意味な数値で現れないか、メチルメルカプタンのTI数値がかえって増加したためである。
【0150】
実施例3(第1カプセル=マンゴー、第2カプセル=アップルミント)、実施例6(第1カプセル=マンゴー、第2カプセル=ワイン)および実施例7(第1および第2カプセル=マンゴー)の全てでは、比較例3(第1および第2カプセルが未破砕)に比べて略30%以上のメチルメルカプタン発生量の低減効果が現れ、少ないながらも、実施例3におけるメチルメルカプタン発生量の低減効果が最も優れていることが分かった。メチルメルカプタンは、主にピーナッツやチーズ、ダイコンなどで発見される腐った白菜のような悪臭を出す有機硫黄化合物であって、実施例3(第1カプセル=マンゴー、第2カプセル=アップルミント)、実施例6(第1カプセル=マンゴー、第2カプセル=ワイン)および実施例7(第1および第2カプセル=マンゴー)による喫煙物品の場合、喫煙による口臭の低減効果に優れていることが予想され、少ないながらも、実施例3における口臭の低減効果が最も優れていることが予想された。
【0151】
実験例7:実施例3~7および比較例3~5による喫煙中、喫煙後の官能評価
実施例別に喫煙物品の喫煙中の香り強度、清涼感、香り満足度および後味のすっきりさと、喫煙後の全般的な満足度、指に染み込んだタバコの臭いの程度および指に染み込んだタバコの臭い以外の香り程度に対する官能評価を実施した。
【0152】
官能特性評価は、実施例3~7および比較例3~5の喫煙物品を利用して60人の評価パネル員を対象に実施し、総7点満点を基準とした。
【0153】
表13は、本発明の実施例3~7および比較例3~5による喫煙物品の官能特性の評価結果であり、図7図13は、本発明の実施例3~7および比較例3~5による喫煙物品の官能特性の評価結果を項目別にグラフで示した図である。
【0154】
【表13】
【0155】
表13および図7に示されたように、香料の種類を問わず、第1および第2カプセルを全て破砕した実施例3~7の喫煙物品における喫煙中の香り強度が、第1および第2カプセルをどちらも破砕しないか、いずれか一つだけを破砕した比較例3~5に比べて増加したことが分かった。第1および第2カプセルを全て破砕した実施例3~7の場合、第1および第2カプセルをどちらも破砕しない比較例に比べて略50%以上増加し、第1カプセルだけを破砕した比較例4に比べて略40%以上増加し、第2カプセルだけを破砕した比較例5に比べて同等またはそれ以上の数値が現れた。喫煙中の香り強度に対する第1カプセルの破砕(比較例4)による影響力は、多少微々たる傾向を示すことが確認され、第1カプセルより第2カプセルによる影響力がさらに大きいことを確認することができる。実施例3~7の香料別の結果を比較すると、喫煙中の香り強度は、第2カプセルがワイン香である場合において最も優れていることが明らかになり、次に、第2カプセルがアップルミント香またはマンゴー香である場合において優れていることが明らかになった。
【0156】
表13および図8に示されたように、喫煙中の清涼感は、喫煙中の香り強度とほぼ類似した傾向を示すことが確認された。すなわち、香料の種類を問わず、第1および第2カプセルを全て破砕した実施例3~7の喫煙物品における喫煙中の清涼感が、第1および第2カプセルをどちらも破砕しないか、いずれか一つだけを破砕した比較例3~5に比べて概して増加したことが分かった。同様に、喫煙中の清涼感に対する第1カプセルの破砕(比較例4)による影響力は、多少微々たる傾向を示すことが確認され、第1カプセルより第2カプセルによる影響力がさらに大きいことを確認することができる。
【0157】
実施例3~7の香料別の結果を比較すると、喫煙中の清涼感は、第2カプセルがワイン香またはアップルミント香である場合において優れていることが明らかになった。
【0158】
表13および図9に示されたように、喫煙中の香り満足度の場合、第1および第2カプセルのうちいずれか一つに偏重された依存度を有しないことが明らかになった。
【0159】
第1および第2カプセルを全て破砕した実施例3~実施例7の全般で、第1および第2カプセルをどちらも破砕しないか、いずれか一つだけを破砕した比較例3~5からより高い点数が現れたことが確認された。
【0160】
喫煙中の香り満足度に関しては、香料の種類別の数値差異が多少微小であることが確認された。
【0161】
表13および図10に示されたように、香料の種類を問わず、第1および第2カプセルを全て破砕した実施例3~7の喫煙物品における喫煙中の後味のすっきりさが、第1および第2カプセルをどちらも破砕しないか、第1カプセルだけを破砕した比較例3~4に比べて増加したことが明らかになった。喫煙中の後味のすっきりさについては、第2カプセルによる影響力が第1カプセルよりさらに大きいことを確認することができる。
【0162】
実施例3~7の香料別結果を比較すると、喫煙中の後味のすっきりさは、第2カプセルがアップルミント香である場合において最も優れていることが明らかになり、次に、第2カプセルがワイン香である場合において優れていることが明らかになった。
【0163】
一方、喫煙中の後味のすっきりさについては、第1カプセルだけが破砕された比較例4の場合において、第1および第2カプセルがどちらも破砕されていない比較例3の場合より、かえって微細ながらも低い数値が出、第1および第2カプセルが全て破砕された場合でも、香料の種類によって第2カプセルだけが破砕された場合より、数値がかえって低くなり得る(実施例4、5、7)ことを確認した。これを通じて、喫煙中の後味のすっきりさは、第1および第2カプセルの破砕有無に対する影響力より第1および第2カプセルの香料組合せによる相互作用による影響力がさらに大きいことが予想された。
【0164】
第1および第2カプセルがそれぞれマンゴーおよびアップルミント香である実施例3、第1および第2カプセルがそれぞれマンゴーおよびワイン香である実施例6における香料組合せが、後味のすっきりさにおいて相乗効果を示すことが確認された。
【0165】
表13および図11に示されたように、喫煙後の全般的な満足度は、喫煙中の後味のすっきりさとほぼ類似した傾向を示すことが確認された。香料の種類を問わず、第1および第2カプセルを全て破砕した実施例3~7の喫煙物品における喫煙中の後味のすっきりさが、第1および第2カプセルをどちらも破砕しないか、いずれか一つだけを破砕した比較例3~5に比べて増加したことが明らかになった。
【0166】
実施例3~7の香料別の結果を比較すると、喫煙後の全般的な満足度も、喫煙中の後味のすっきりさと同様に、第2カプセルがアップルミント香である場合において最も優れていることが明らかになり、次に、第2カプセルがワイン香である場合において優れていることが明らかになった。
【0167】
表13および図12に示されたように、香料の種類を問わず、第1および第2カプセルを全て破砕した実施例3~7の喫煙物品における喫煙後の指のタバコの臭い程度が、第1および第2カプセルをどちらも破砕しないか、第2カプセルだけを破砕した比較例3および5に比べて増加したことが分かった。喫煙後の指のタバコの臭い程度については、第1カプセルによる影響力が第2カプセルより顕著に大きいことを確認することができる。これに伴い、第1カプセルの破砕なしに第2カプセルだけを破砕することでは、指にタバコの臭いのマスキング効果が実質的に現れないことが確認された。
【0168】
実施例3~7の香料別の結果を比較すると、喫煙後の指のタバコの臭い程度は、第2カプセルがアップルミント香、イチゴ香、ワイン香またはマンゴー香である場合において、第2カプセルがオレンジ香である場合より、相対的に優れていることが分かった。
【0169】
表13および図13に示されたように、香料の種類を問わず、第1および第2カプセルを全て破砕した実施例3~7の喫煙物品における喫煙後の指にのバコの臭い以外の香り程度が、第1および第2カプセルをどちらも破砕しない比較例3に比べて顕著に増加したことが明らかになった。一方、第1および第2カプセルの両方を破砕した実施例3~7と第1カプセルおよび第2カプセルのうちいずれか一つだけを破砕した比較例4および5では、有意味な差異が現れなかった。
【0170】
図12で記述した、第2カプセルだけを破砕した比較例5において指のタバコの臭いの減少効果が実質的に現れない点を考慮するとき、単に指に香りが出るようにすることだけでは、タバコの臭いのマスキング効果が現れないこともあることを予想することができる。
【0171】
実施例3~7の香料別の結果を比較すると、喫煙後の指のタバコの臭い以外の香り程度は、第2カプセルがワイン香である場合において最も優れていることが明らかになった。図12の結果を共に考慮するとき、第2カプセルがアップルミント香である場合、他の香料に比べて喫煙後の指のタバコの臭い以外の香り程度は少ないが、喫煙後の指のタバコの臭いの低減効果は、最も優れていることが分かる。
【0172】
以上のように、本発明の実施例による喫煙用品用フィルターおよびこれを含む喫煙物品によれば、喫煙者の喫煙後に発生する手の臭いと口臭を全て低減させることができるという効果がある。
【0173】
本実施例と関連した技術分野における通常の知識を有するは、上記した記載の本質的な特性を逸脱しない範囲で変形された形態で具現され得ることを理解することができる。したがって、開示された方法は、限定的な観点でなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述した説明でなく、特許請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異点は、本発明に含まれたものと解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13