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特許7156723通信装置、通信制御方法、及び通信制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】通信装置、通信制御方法、及び通信制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/04 20090101AFI20221012BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20221012BHJP
   H04W 4/33 20180101ALI20221012BHJP
   H04W 12/06 20210101ALI20221012BHJP
【FI】
H04W48/04
H04W76/10
H04W4/33
H04W12/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020558165
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 JP2019040895
(87)【国際公開番号】W WO2020110499
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】P 2018223367
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山口 智輝
【審査官】長谷川 篤男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208666(JP,A)
【文献】特開2013-198130(JP,A)
【文献】特開2010-118861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信エリアを形成する第1の通信手段と、
制御手段と、を備える通信装置であって、
前記第1の通信手段は、前記第1の通信エリア内にあって、前記第1の通信手段に接続された1つ以上の通信端末の識別情報を取得
前記制御手段は、前記第1の通信手段により取得された1つ以上の通信端末の識別情報のうち、前記通信装置とは異なる他の通信装置に備えられた第2の通信手段であって、前記第1の通信エリアに含まれ、かつ前記第1の通信エリアより狭い第2の通信エリアを形成する第2の通信手段に接続が許可された通信端末の識別情報を取得
前記制御手段は、前記第2の通信手段に接続が許可された通信端末の前記識別情報を有する通信端末のみが前記第1の通信手段に接続可能な状態に遷移し、当該通信端末以外の通信端末の前記第1の通信手段への接続を解除する、通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の通信手段に接続された1つ以上の通信端末の識別情報を前記他の通信装置に送信すると共に、前記第2の通信手段に接続が許可された1つ以上の通信端末の前記識別情報を前記他の通信装置から受信する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2の通信手段に接続が許可された通信端末の識別情報を前記他の通信装置から受信し、前記第2の通信手段に接続が許可された通信端末の識別情報を、前記第1の通信手段に接続された1つ以上の通信端末の識別情報のうちのいずれかと対応付けて登録するように構成される、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
第1の通信エリアを形成する第1の通信手段と、
前記第1の通信エリアに含まれ、かつ前記第1の通信エリアより狭い第2の通信エリアを形成する第2の通信手段と、
制御手段と、を備える通信装置であって
前記第1の通信手段は、前記第1の通信エリア内にあって、前記第1の通信手段に接続された1つ以上の通信端末の識別情報を取得し、
前記第2の通信手段は、前記第2の通信エリア内にあって、前記第2の通信手段に接続が許可された通信端末の識別情報を取得し、
前記制御手段は、前記第1の通信手段により取得された1つ以上の通信端末の識別情報のうち、前記第2の通信手段により取得された識別情報を有する通信端末のみが前記第1の通信手段に接続可能な状態に遷移し、当該通信端末以外の通信端末の前記第1の通信手段への接続を解除する、通信装置。
【請求項5】
前記第1の通信手段により形成される前記第1の通信エリアは、通信エリア内の全ての通信端末を帰属させて、前記通信端末の識別情報を取得可能な通信形式である、請求項1~4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第2の通信エリアは、所定の領域内に形成された通信エリアである、請求項1~のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記所定の領域は、予め定められた、建物の屋内又は移動体の内部の領域である、請求項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記移動体は、自動車及び列車のいずれか一方を含む車両である、請求項に記載の通信装置。
【請求項9】
第1の通信手段により形成される第1の通信エリア内にあって、前記第1の通信手段に接続された1つ以上の通信端末の識別情報を前記第1の通信手段によって取得し、
第2の通信手段により形成される第2の通信エリアであって、前記第1の通信エリアに含まれ、かつ前記第1の通信エリアより狭い第2の通信エリア内にあって、前記第2の通信手段に接続が許可された通信端末の識別情報を、前記第2の通信手段によって取得し、
前記第1の通信手段によって前記取得された1つ以上の通信端末の識別情報のうち、前記第2の通信手段によって前記取得された識別情報を有する通信端末のみが前記第1の通信手段に接続可能な状態に遷移し、当該通信端末以外の通信端末の前記第1の通信手段への接続を解除する
通信制御方法。
【請求項10】
第1の通信手段により形成される第1の通信エリア内にあって、前記第1の通信手段に接続された1つ以上の通信端末の識別情報を前記第1の通信手段によって取得し、
第2の通信手段により形成される第2の通信エリアであって、前記第1の通信エリアに含まれ、かつ前記第1の通信エリアより狭い第2の通信エリア内にあって、前記第2の通信手段に接続が許可された1つ以上の通信端末の識別情報を、前記第2の通信手段によって取得し、
前記第1の通信手段によって前記取得された1つ以上の通信端末の識別情報のうち、前記第2の通信手段によって前記取得された識別情報を有する通信端末のみが前記第1の通信手段に接続可能な状態に遷移し、当該通信端末以外の通信端末の前記第1の通信手段への接続を解除する
こと、をコンピュータに実行させる通信制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信制御方法、通信制御プログラム及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のスマートフォンやタブレット型端末、パーソナルコンピュータ等の通信端末は、無線LAN(Local Area Network)通信機能を搭載している。また、店舗等には、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント(無線LANルータ)等の通信装置が設置されており、無線LAN通信が可能となっている。
【0003】
店舗等に設置された通信装置は、主に、店舗等の顧客に対するサービスの一環として設置されていることから、通信装置の管理者は、店舗等に存在する顧客の通信端末のみに無線LAN通信を提供することを要望する場合がある。これに関連して、通信端末が所定の領域に存在するか否かを判定する技術も検討されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-085594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記要望を満たすために、例えば、通信装置の送信出力を制限することにより、無線LAN通信を提供する範囲(通信可能範囲)を制限することも想定される。しかしながら、このような方法を用いると、上記通信装置と通信を行う通信端末が、通信可能範囲の境界に近づけば近づくほど、当該通信端末における通信品質は低下してしまい、それに伴い通信速度も低下してしまう。
【0006】
ここで、特許文献1に開示された技術は、所定の領域に通信端末が存在するか否かを判定する技術である。特許文献1に開示された技術を用いて上記要望を実現することも想定される。しかしながら、特許文献1は、上記要望を実現するための具体的な構成は開示していない。
【0007】
本開示の目的は、上述した課題を解決するためになされたものであり、通信端末の通信速度を低下させることなく、通信可能範囲を制限することが可能な通信装置、通信制御方法、通信制御プログラム及び通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示にかかる通信装置は、
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で、接続された通信端末の第1の識別情報を取得する第1の通信部と、
前記取得された第1の識別情報のうち、他の通信装置が有し、前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する第2の通信部に接続が許可された通信端末の第2の識別情報に対応付けられた第3の識別情報を取得する制御部と、を備え、
前記第1の通信部は、前記第3の識別情報が取得された場合、前記第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移し、
前記制御部は、前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部と接続しているか否かの情報を前記他の通信装置から受信し、前記受信された情報に基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御する、通信装置である。
【0009】
本開示にかかる通信装置は、
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で、接続された通信端末の第1の識別情報を取得する第1の通信部と、
前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成し、接続が許可された通信端末の第2の識別情報を取得する第2の通信部と、
前記取得された第1の識別情報のいずれかと前記第2の識別情報とを対応付けて登録する制御部と、を備え、
前記第1の通信部は、前記第2の識別情報と対応付けて登録された識別情報を示す第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移し、
前記制御部は、前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部に接続されているか否かに基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御する、通信装置である。
【0010】
本開示にかかる通信制御方法は、
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で動作する第1の通信部に接続された通信端末の第1の識別情報を取得することと、
前記取得された第1の識別情報のうち、他の通信装置が有し、前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する第2の通信部に接続が許可された通信端末の第2の識別情報に対応付けられた第3の識別情報を取得することと、
前記第3の識別情報が取得された場合、前記第1の通信部を、前記第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移させることと、
前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部と接続しているか否かの情報を前記他の通信装置から受信し、前記受信された情報に基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御することと、を含む通信制御方法である。
【0011】
本開示にかかる通信制御プログラムは、
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で動作する第1の通信部に接続された通信端末の第1の識別情報を取得することと、
前記取得された第1の識別情報のうち、他の通信装置が有し、前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する第2の通信部に接続が許可された通信端末の第2の識別情報に対応付けられた第3の識別情報を取得することと、
前記第3の識別情報が取得された場合、前記第1の通信部を、前記第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移させることと、
前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部と接続しているか否かの情報を前記他の通信装置から受信し、前記受信された情報に基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御することと、をコンピュータに実行させる通信制御プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、通信端末の通信速度を低下させることなく、通信可能範囲を制限することが可能な無線通信装置、通信制御方法、通信制御プログラム及び通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1にかかる通信システムの構成例を示す図である。
図2】実施の形態2にかかる通信装置の構成例を示す図である。
図3】実施の形態3にかかる通信システムの構成例を示す図である。
図4】SNRについて説明する概念図である。
図5】車載装置における通信エリアの調整方法を説明する概念図である。
図6】実施の形態3にかかるルータの構成例を示す図である。
図7】実施の形態3にかかる車載装置の構成例を示す図である。
図8】実施の形態3にかかる通信システムの動作例を示す図である。
図9】実施の形態3にかかる通信システムの動作例を示す図である。
図10】実施の形態3にかかる通信システムの動作例を示す図である。
図11】実施の形態4にかかるルータの構成例を示す図である。
図12】本開示の各実施の形態にかかる通信装置等のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0015】
(実施の形態1)
図1を用いて実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1にかかる通信システムの構成例を示す図である。通信システム1は、通信装置10と、通信装置20とを備える。通信装置10及び通信装置20は、例えば、ルータ、モバイルルータ、ディスプレイシステム、車載装置等の通信装置であってもよい。
【0016】
通信装置10は、通信装置20と接続し、通信を行う。通信装置10は、通信装置20と有線により接続及び通信を行ってもよいし、無線により接続及び通信を行ってもよい。通信装置10は、第1の通信部11を有しており、第1の通信部11を介して、図示しない通信端末と接続及び通信を行うことが可能である。
【0017】
第1の通信部11は、Wi-Fi等の無線LAN通信に対応する通信部であってもよいし、Bluetooth(登録商標)又はBLE(Bluetooth Low Energy)通信に対応する通信部であってもよい。通信端末は、例えば、無線LAN及びBluetoothの2つの通信方式に少なくとも対応する。
【0018】
通信装置20は、送信出力が予め調整され、所定の領域を通信可能範囲とする第2の通信部21を有する通信装置である。通信装置20は、第2の通信部21を介して、通信端末と接続及び通信を行うことが可能である。
【0019】
第2の通信部21は、例えば、Wi-Fi等の無線LANに対応する通信部であってもよいし、Bluetooth又はBLEに対応する通信部であってもよい。なお、第2の通信部21が対応する通信方式は、第1の通信部11が対応する通信方式と異なっていてもよい。
【0020】
通信装置10は、第1の通信部11と制御部12とを備える。
第1の通信部11は、第1の通信エリアを形成し、第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で、接続された通信端末の第1の識別情報を取得する。第1の通信エリアは、所定の領域を含む通信エリアである。所定の領域は、予め定められた、建物の屋内又は移動体の内部の領域であってもよい。移動体は、自動車及び列車のいずれか一方を含む車両であってもよい。
【0021】
例えば、第1の通信部11がWi-Fiに対応する通信部である場合、パスワード等の認証情報を設定していない状態であって、第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態である、いわゆるFree Wi-Fiの状態で動作する。そして、第1の通信部11は、接続された通信端末の第1の識別情報を取得する。通信端末の識別情報は、接続されて初めて取得することができるため、第1の通信部11は、上記のように、第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で動作する。
【0022】
第1の識別情報は、通信端末が備える通信部であって、第1の通信部11が対応する通信方式による通信を行う通信部の識別情報である。第1の識別情報は、例えば、MAC(Media Access Control)アドレスであってもよいし、当該通信部を識別する、機器名、ID(Identifier)又は識別コードであってもよい。
【0023】
制御部12は、取得された第1の識別情報のうち、通信装置20が有し、第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する第2の通信部21に接続が許可された通信端末の第2の識別情報に対応付けられた第3の識別情報を取得する。
【0024】
第2の識別情報は、通信端末が備える通信部であって、第2の通信部21が対応する通信方式による通信を行う通信部の識別情報である。第2の識別情報は、例えば、MACアドレスであってもよいし、当該通信部を識別する、機器名、ID又は識別コードであってもよい。
【0025】
通信装置20が、取得された第1の識別情報のいずれかと、第2の通信部21に接続が許可された通信端末の第2の識別情報とを対応付ける登録する機能を有している場合、制御部12は、取得された第1の識別情報を通信装置20に送信する。そして、通信装置20において、上記第2の識別情報に対応付けて登録された識別情報を示す第3の識別情報を受信して、第2の通信部21に接続が許可された通信端末の第2の識別情報に対応付けられた第3の識別情報を取得してもよい。
【0026】
もしくは、通信装置10が、第1の通信部11において取得された第1の識別情報のいずれかと、第2の通信部21に接続が許可された通信端末の第2の識別情報とを対応付けて登録する機能を有している場合、通信装置20から第2の識別情報を取得する。そして、通信装置10は、取得された第1の識別情報のいずれかと、第2の識別情報とが対応付けて登録し、第2の識別情報に対応付けて登録された識別情報を第3の識別情報として取得してもよい。
【0027】
第1の通信部11は、第3の識別情報が取得された場合、第3の識別情報を有する通信端末のみを接続可能な状態に遷移する。第1の通信部11は、第2の識別情報に対応付けられる識別情報の候補を得るために、第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で起動する。第3の識別情報を取得すると、第1の通信部11は、第3の識別情報を有する通信端末以外の通信端末に接続をさせないように、接続を切断すると共に、以降の接続を拒否する状態に遷移する。
【0028】
制御部12は、第2の識別情報を有する通信端末が第2の通信部21と接続しているか否かの情報を通信装置20から受信する。制御部12は、受信された情報に基づいて、第3の識別情報を有する通信端末を第1の通信部11と通信させるか否かを制御する。
【0029】
以上説明したように、第1の通信部11は、第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で動作し、第2の識別情報に対応付けられる第1の識別情報の候補を取得する。制御部12は、取得された第1の識別情報のうち、第2の通信部21に接続が許可された通信端末の第2の識別情報に対応付けられた第3の識別情報を取得する。これにより、通信を制御する対象の通信端末を特定する。
【0030】
制御部12は、通信を制御する対象の通信端末が第2の通信部21に接続されているか否かに基づいて、当該通信端末を第1の通信部11と通信させるか否かを制御する。換言すると、制御部12は、通信端末が第2の通信エリアに存在するか否かに基づいて、通信端末が第1の通信部11と通信させるか否かを制御する。つまり、制御部12は、通信端末が第1の通信部11と通信可能な範囲を第2の通信エリアに制限する。また、通信装置10は、第1の通信部11の送信出力は制限していないので、通信端末の通信速度を低下させることがない。したがって、実施の形態1にかかる通信装置10によれば、通信端末の通信速度を低下させることなく、通信可能範囲を制限することが可能となる。
【0031】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。図2を用いて、実施の形態2にかかる通信装置30について説明する。図2は、実施の形態2にかかる通信装置の構成例を示す図である。本実施の形態にかかる通信装置30は、実施の形態1にかかる通信装置10が、通信装置20が有する第2の通信部21を有する構成である。
【0032】
通信装置30は、第1の通信部31と、第2の通信部32と、制御部33とを備える。第1の通信部31及び第2の通信部32の構成は、実施の形態1と基本的に同様であるため、説明を適宜割愛する。
【0033】
第1の通信部31は、実施の形態1にかかる第1の通信部11と同様の構成であるので、説明を割愛する。
【0034】
第2の通信部32は、実施の形態1にかかる第2の通信部21に対応する。第2の通信部32は、第1の通信部31が形成する第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する。第2の通信部32は、送信出力が予め調整されており、第2の通信エリアを所定の領域内に形成する。
【0035】
第2の通信部32は、例えば、Wi-Fi等の無線LANに対応する通信部であってもよいし、Bluetooth又はBLEに対応する通信部であってもよい。なお、第2の通信部32が対応する通信方式は、第1の通信部31が対応する通信方式と異なっていてもよい。
【0036】
第2の通信部32は、第2の通信部32に接続が許可された通信端末の第2の識別情報を取得する。
【0037】
制御部33は、第1の通信部31において取得された第1の識別情報のいずれかと、第2の通信部32において取得された第2の識別情報とを対応付けて登録する。また、制御部33は、第2の識別情報を有する通信端末が第2の通信部32に接続されているか否かに基づいて、第2の識別情報と対応付けて登録された識別情報である第3の識別情報を有する通信端末を第1の通信部31と通信させるか否かを制御する。
【0038】
以上説明したように、制御部33は、第1の通信部31において取得された第1の識別情報のいずれかと、第2の通信部32において取得された第2の識別情報とを対応付けて登録し、通信を制御する対象の通信端末を特定する。制御部33は、通信を制御する対象の通信端末が第2の通信部32に接続されているか否かに基づいて、当該通信端末を第1の通信部31と通信させるか否かを制御する。換言すると、制御部33は、通信端末が第2の通信エリアに存在するか否かに基づいて、通信端末が第1の通信部31と通信させるか否かを制御する。つまり、制御部33は、通信端末が第1の通信部31と通信可能な範囲を第2の通信エリアに制限する。また、通信装置30は、第1の通信部31の送信出力は制限していないので、通信端末の通信速度を低下させることがない。したがって、実施の形態2にかかる通信装置30によれば、通信端末の通信速度を低下させることなく、通信可能範囲を制限することが可能となる。
【0039】
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。実施の形態3は、実施の形態1を詳細にした実施の形態である。
<通信システムの構成例>
図3を用いて、実施の形態3にかかる通信システム100について説明する。図3は、実施の形態3にかかる通信システムの構成例を示す図である。また、図3は、通信システム100における通信装置の位置関係を示す図でもある。
【0040】
通信システム100は、所定の領域において用いられる通信システムである。所定の領域は、予め定められた、建物の屋内の領域であってもよいし、移動体の内部の領域であってもよい。また、移動体は、自動車であってもよいし、列車であってもよい。以降の説明は、所定の領域は、自動車の内部の領域であるとして説明を行う。なお、当然ながら、本実施の形態は、これに限定するものではない。
【0041】
通信システム100は、ルータ40と、車載装置50と、通信端末60とを備える。
図3において、実線200は、自動車の外郭(境界線)を示す線であり、実線200の内側は、自動車の内部の領域であり、実線200の外側は、自動車の外部の領域である。ルータ40及び車載装置50は、自動車内に配置される。
【0042】
ルータ40は、実施の形態1にかかる通信装置10に対応する。ルータ40は、車載装置50にUSB(Universal Serial Bus)接続されており、USB接続を介して、車載装置50と通信を行う。
【0043】
ルータ40は、WAN(Wide Area Network)無線通信と、無線LAN通信とが可能な通信装置である。ルータ40は、無線LAN通信を行う無線LAN通信部を有しており、ANT(Antenna)1を介して、通信端末60と接続及び通信可能に構成される。
【0044】
実線201は、ルータ40の無線LAN通信に関する通信エリアの境界線を示している。ルータ40の通信エリアは、ルータ40の送信出力により決定されるが、本実施の形態では、ルータ40の送信出力は調整しないこととし、ルータ40の通信エリアは、実線200により囲まれたエリアよりも大きな範囲であるとする。つまり、ルータ40の通信エリアは、自動車の内部の領域よりも広い範囲であるとする。
【0045】
一般的に、ルータ40と、通信端末60がそれぞれ1つずつの無線LAN通信では、ルータ40の性能上、最大リンクレートの変調方式で通信が確立できる、通信端末60までの距離は決まっている。例えば、車内の位置1に存在する通信端末60がルータ40に接続(帰属)してデータ通信を行っているとする。この状態から、通信端末60が位置2に移動し、さらに、位置3に移動していくとすると、通信端末60は、ルータ40から距離が離れていくにしたがってSNR(Signal Noise Ratio)が減少(低下)していく。そして、通信端末60が、位置3まで移動すると、ルータ40の通信エリア(実線201)を超えることから、変調レートが低くなり、通信速度は低下し始める。
【0046】
なお、通信端末60が位置3よりもさらにルータ40から離れていくと、一般的に、信号を受信する通信端末60では、自装置に届く通信相手であるルータ40の送信出力(受信レベル)とノイズフロアとの比であるSNRが小さくなる。そして、SNRが一定値以下になると信号が読み取れなくなり、通信ができなくなることから、通信端末60と、ルータ40との接続は切断される。
【0047】
ここで、上記内容をSNRの概念図を用いて説明する。図4は、SNRについて説明する概念図である。横軸は、通信をしている周波数[Hz]を示しており、縦軸は、入力された信号及びノイズフロアの電力レベル[dBm]を示している。
【0048】
図4において、実線L1は、ノイズフロアを示しており、信号を送信するルータ40の送信出力によらず一定である。実線L2は、例えば、通信端末60が位置1に存在する場合に、ルータ40の送信信号が受信されたときの通信端末60における受信レベルであるとする。実線L3は、例えば、通信端末60が位置1から位置2又は位置3に移動した場合に、ルータ40の送信信号が受信されたときの通信端末60における受信レベルであるとする。
【0049】
このように、通信端末60がルータ40から徐々に離れていくにつれて受信レベルは低下していく。上述したように、ノイズフロア(実線L1)は一定であり、SNRは、受信レベルとノイズフロアの比率であるため、通信端末60におけるSNRは、ルータ40からの距離と共に減少していく。そして、通信端末60において、SNRが所定の閾値を下回ると、ルータ40との通信が行えないと判定され、ルータ40と通信端末60との通信は切断される。
【0050】
図3に戻り、車載装置50について説明する。車載装置50は、実施の形態1にかかる通信装置20に対応する。車載装置50は、自動車に搭載された通信装置である。換言すると、車載装置50は、自動車の内部に配置された通信装置である。
【0051】
車載装置50は、例えば、ディスプレイシステム、カーナビゲーションシステム、ルータ、モバイルルータ、パーソナルコンピュータ装置、スマートフォン端末、タブレット端末であってもよい。
【0052】
車載装置50は、BLE通信が可能なBluetooth通信部を有しており、ANT2を介して、通信端末60と接続及び通信可能に構成される。車載装置50のBluetooth通信部は、予め送信出力が調整されており、通信エリアの境界線が実線202に調整されている。つまり、車載装置50の通信エリアは、ルータ40の通信エリアに含まれており、自動車内に形成されている。
【0053】
次に、図5を用いて、車載装置50の送信出力を調整する方法について説明する。図5は、車載装置における通信エリアの調整方法を説明する概念図である。なお、図4で説明したSNRの概念は、車載装置50においても同様であるため、このことを前提とする。
【0054】
図5において、横軸は、車載装置50と通信端末60との距離[m]を示しており、縦軸は、通信端末60におけるSNR[dB]を示している。例えば、車載装置50の送信出力をある値にしたときのSNRの特性を実線L4とする。実線L4は、車載装置50と通信端末60との距離が0[m]である場合、SNRは5[dB]である。通信周波数における空間損失が距離0~1[m]の間は10[dB/m]で一定であると仮定すると、距離が0.5[m]離れるとSNRは0[dB]になる。通信確立に必要な条件がSNR>0[dB]であるとすると、通信端末60は、車載装置50から0.5[m]以上離れると、通信が切断される。
【0055】
車載装置50の送信出力を実線L4の特性よりも5[dB]大きくすると、SNRの特性は実線L5のようになる。この場合、通信端末60と、車載装置50の距離が1[m]以上離れると、SNRは0[dB]となるため、通信が切断される。このように、車載装置50の送信出力を調整することにより、通信端末60と通信可能な距離(通信エリア)を車内に限定することが可能になる。なお、車載装置50の送信出力は、自動車のサイズにより適宜設定する必要があるため、車載装置50は、事前に調整した送信出力を記憶しておく。また、車載装置50の通信エリアは、自動車の内部の領域と略同一であることが望ましい。
【0056】
図3に戻り、通信端末60について説明する。通信端末60は、例えば、スマートフォン端末、タブレット端末及びパーソナルコンピュータ装置であってもよい。通信端末60は、無線LAN通信、及びBluetooth通信に対応する通信端末である。なお、通信端末60は、LTE(Long Term Evolution)等の通信事業者が提供するWAN通信に対応していてもよい。通信端末60は、無線LAN通信により、ルータ40と接続及び通信を行う。また、通信端末60は、Bluetooth通信により、車載装置50と接続及び通信を行う。
【0057】
<ルータの構成例>
次に、図6を用いて、ルータ40の構成例について説明する。図6は、実施の形態3にかかるルータの構成例を示す図である。ルータ40は、無線LAN通信部41と、WAN通信部42と、制御部43と、電源回路44と、USB接続ポート45と、メモリ46と、を備える。図6において、機能部間を接続する実線は、データ等の送受信等を行う機能部間の接続線を示しており、機能部間を接続する点線は、電源の供給を示す機能部間の接続線を示している。
【0058】
無線LAN通信部41は、実施の形態1にかかる第1の通信部11に対応する。無線LAN通信部41は、ANT1を介して、無線LAN通信を通信端末60と行う。無線LAN通信部41は、WAN通信部42と接続されており、通信端末60と通信を行う場合、WAN通信部42を介して、通信端末60がWAN回線に接続し、インターネット接続を可能とする。
【0059】
無線LAN通信部41は、図3の実線201で示した通信エリアを形成する。無線LAN通信部41は、通常、例えば、パスワード等の認証情報を用いて、認証された通信端末のみが接続及び通信が可能な状態で動作する。後述する制御部43から再起動の要求を受信すると、無線LAN通信部41は、パスワード等の認証情報を用いた認証を行わず、通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で起動して当該状態で動作する。換言すると、無線LAN通信部41がWi-Fiに対応した通信部である場合、いわゆるFree Wi-Fiの状態で起動して当該状態で動作する。
【0060】
無線LAN通信部41は、接続された通信端末の無線LAN通信を行う通信部の識別情報を取得する。無線LAN通信部41は、通信端末60が接続した場合、通信端末60の無線LAN通信を行う通信部の識別情報を取得する。無線LAN通信部41は、取得した識別情報を制御部43に送信する。
【0061】
識別情報は、例えば、MACアドレスであってもよいし、当該通信部を識別する、機器名、ID又は識別コードであってもよい。以降の説明では、識別情報は、MACアドレス及び機器名であるとして説明を行う。なお、機器名は、通信端末60に一意に設定された名称であってもよい。
【0062】
通信端末のMACアドレス及び機器名は、ルータ40に帰属してデータ通信ができる状態でないと取得できない。そのため、無線LAN通信部41は、一定時間、通信エリア内の通信端末に接続(帰属)可能なように、パスワード等の認証情報による認証を行わない状態である解放状態として起動する。そして、無線LAN通信部41は、接続(帰属)してきた通信端末の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスを取得可能な状態とする。換言すると、無線LAN通信部41は、解放状態で動作し、通信エリア内にいる接続可能な通信端末を接続させて当該通信端末の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスを収集する機能を有する。
【0063】
また、取得したMACアドレスのいずれかが、車載装置50で取得されたMACアドレスと対応付けて登録された場合、後述する制御部43は、車載装置50から、登録されたMACアドレスを受信する。無線LAN通信部41は、制御部43がMACアドレスを受信すると、当該MACアドレスの通信端末に対して、例えば、パスワード等の認証情報を送信する。
【0064】
通信端末60のMACアドレスが、車載装置50において登録された場合、無線LAN通信部41は、通信端末60に対して、パスワード等の認証情報を送信する。以降の説明では、通信端末60のMACアドレスが、車載装置50において取得されたMACアドレスと対応付けて登録されたとして説明する。
【0065】
なお、無線LAN通信部41において取得した機器名と、車載装置50において取得された機器名とを、車載装置50が対応付けて登録するようにしてもよい。この場合、制御部43は、車載装置50から登録された機器名を受信する。無線LAN通信部41は、登録された機器名が設定された通信端末60に対して、パスワード等の認証情報を送信する。
【0066】
無線LAN通信部41は、通信端末60に対して、パスワード等の認証情報を送信した後、通信端末60以外の通信端末の接続を解除し、認証情報を有している通信端末60のみが接続可能な状態に遷移する。換言すると、無線LAN通信部41は、通常の状態に遷移して、認証情報を有する通信端末60以外の通信端末の接続を拒否する。
【0067】
また、無線LAN通信部41は、制御部43からの要求に基づいて、通信端末60との通信の確立又は切断を行う。無線LAN通信部41は、通信端末60との通信を切断した後、制御部43から通信端末60と通信を確立することを要求された場合、認証情報を用いて、通信端末60と自動的に接続する。
【0068】
WAN通信部42は、ANT3及び基地局を介して、WAN回線に接続できる無線通信部である。WAN通信部42は、通信時の送信及び受信に使用するアンテナの数を制御する。WAN通信部42は、無線LAN通信部41が通信端末60と通信を行う場合であって、例えば、通信端末60がインターネットに接続する場合、ANT3及び基地局を介して、通信端末60がWAN回線に接続し、インターネット接続を行う。
【0069】
制御部43は、実施の形態1にかかる制御部12に対応する。制御部43は、ルータ40を制御する制御部であり、無線LAN通信部41及びWAN通信部42の制御を行うと共に、インターネット回線接続に必要なルーティング動作を行う。
【0070】
制御部43は、車載装置50から無線LAN通信部41の再起動の指示を受信した場合、無線LAN通信部41を再起動させる。
【0071】
また、制御部43は、無線LAN通信部41において取得されたMACアドレスのうち、車載装置50において取得されたMACアドレスと対応付けられたMACアドレスを取得する。
【0072】
具体的には、制御部43は、無線LAN通信部41が取得したMACアドレス及び機器名を、後述するUSB接続ポート45に接続されたUSBケーブルを介して車載装置50に送信する。制御部43は、送信したMACアドレスのうちのいずれかが車載装置50において取得されたMACアドレスと対応付けて登録された場合、車載装置50から送信したMACアドレスのうち、登録されたMACアドレスを受信する。制御部43は、受信したMACアドレスを、車載装置50において取得されたMACアドレスと対応付けて登録されたMACアドレスとして取得する。つまり、制御部43は、通信制御対象の通信端末の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスを取得する。以降の説明では、車載装置50において、通信端末60の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスと、通信端末60のBluetooth通信を行う通信部のMACアドレスとが対応付けて登録されたとして説明する。この場合、制御部43は、通信端末60の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスを車載装置50から受信する。
【0073】
なお、本実施の形態では、上記のようにMACアドレスを用いることとするが、MACアドレスではなく、機器名を用いてもよい。つまり、無線LAN通信部41において取得した機器名と、車載装置50において取得された機器名とを、車載装置50が対応付けて登録するようにしてもよい。この場合、制御部43は、車載装置50から登録された機器名を受信する。また、MACアドレスに加えて、機器名の両方を用いるようにしてもよい。
【0074】
制御部43は、車載装置50において登録されたMACアドレスを有する通信端末60が車載装置50の後述するBluetooth通信部51に接続されているか否かの情報を車載装置50から受信する。制御部43は、受信した情報に基づいて、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させるか否かを制御する。制御部43は、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させる場合であって、通信端末60と無線LAN通信部41との通信が切断されている場合、無線LAN通信部41に通信端末60と通信を確立することを要求する。制御部43は、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させない場合であって、通信端末60と無線LAN通信部41との通信が確立されている場合、無線LAN通信部41に通信端末60との接続を解除することを要求する。
【0075】
具体的には、制御部43は、車載装置50から、通信端末60がBluetooth通信部51に接続されている場合、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させる。一方、制御部43は、車載装置50から、通信端末60がBluetooth通信部51に接続されていない場合、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させない。換言すると、制御部43は、通信端末60がBluetooth通信部51に接続されていない場合、通信端末60の通信を切断し、通信端末60からの接続要求を拒否するように制御する。
【0076】
電源回路44は、各機能部に適切な電圧変換をして電源を供給する回路である。電源回路44は、後述するUSB接続ポート45を介して車載装置50から供給された電源を、無線LAN通信部41、WAN通信部42及び制御部43に供給する。
【0077】
USB接続ポート45は、USBケーブルを挿抜可能な接続ポートである。USB接続ポート45は、当該ポートに接続されたUSBケーブルを介して、ルータ40と車載装置50との間のデータの送受信を行うと共に、車載装置50からルータ40に対して電源を供給する。
メモリ46は、ルータ40が動作するために必要な設定等を記憶する。
【0078】
<車載装置の構成例>
次に、図7を用いて、車載装置50の構成例について説明する。図7は、実施の形態3にかかる車載装置の構成例を示す図である。車載装置50は、Bluetooth通信部51と、操作部52と、制御部53と、電源回路54と、車内電源55と、USB接続ポート56と、接続ポート57と、メモリ58とを備える。図7において、機能部間を接続する実線は、データ等の送受信等を行う機能部間の接続線を示しており、機能部間を接続する点線は、電源の供給を示す機能部間の接続線を示している。
【0079】
Bluetooth通信部51は、実施の形態1にかかる第2の通信部21に対応する。Bluetooth通信部51は、図3の実線202で示した通信エリアを形成する。Bluetooth通信部51は、ANT2を介して、BLE通信を通信端末60と行う。なお、以降の説明において、BLE通信を単にLE通信として記載することがある。
【0080】
Bluetooth通信部51は、通信端末60とペアリングを行い、通信端末60のBluetooth通信を行う通信部のMACアドレス及び機器名を取得する。つまり、Bluetooth通信部51は、接続が許可された通信端末60のMACアドレス及び機器名を取得する。Bluetooth通信部51は、取得したMACアドレス及び機器名を、後述する制御部53に送信する。
【0081】
また、Bluetooth通信部51は、通信端末60とLE通信を行っているか否かの情報を制御部53に送信する。Bluetooth通信部51は、制御部53からの要求に応じて、通信端末60が接続されているか否かの情報を取得し、制御部53に送信する。
【0082】
なお、Bluetooth通信部51は、周期的に通信端末60とLE通信を行い、通信端末60が接続されているか否かの情報を取得し、制御部53に送信してもよい。もしくは、Bluetooth通信部51は、通信端末60がLE通信をして接続された場合、又はLE通信が切断され接続が解除した場合に、接続されたこと、又は接続が解除されたことを制御部53に送信してもよい。
【0083】
操作部52は、ディスプレイ上で操作するタッチパネル等であり、後述する制御部53と情報の送受信を行い、車載装置50の操作のためのGUI(Guide User Interface)をディスプレイに表示し、ユーザが入力した情報を取得する。なお、GUIは、Graphical User Interfaceと称されてもよい。
【0084】
操作部52は、制御部53が有する子機管理アプリケーションのGUIを表示し、ユーザが入力した情報を取得して制御部53に送信する。子機管理アプリケーションは、ルータ40の無線LAN通信部41において取得されたMACアドレスのうちのいずれかと、Bluetooth通信部51において取得されたMACアドレスと、を対応付けて登録するためのアプリケーションである。LE通信を使用して車内外判定をする通信端末(子機)と無線LAN通信を通したWAN側通信と接続又は切断する通信端末とが一致していなければいけない。そのため、子機管理アプリケーションを用いて、通信端末(子機)のMACアドレスを紐づける。
【0085】
子機管理アプリケーションは、Bluetooth通信部51において取得されたMACアドレス及び機器名と、ルータ40の無線LAN通信部41において取得されたMACアドレス及び機器名と、をGUIで表示する。ユーザが、無線LAN通信部41において取得されたMACアドレスのいずれかを選択した場合、操作部52は、選択されたMACアドレスと、Bluetooth通信部51において取得されたMACアドレスと、を対応付けて制御部53に送信する。
【0086】
なお、ユーザが、無線LAN通信部41において取得された機器名のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、操作部52は、選択された機器名と、Bluetooth通信部51において取得された機器名と、を対応付けて制御部53に送信する。
【0087】
また、通信端末60において、無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスと、Bluetooth通信を行う通信部のMACアドレスとが、連続するアドレスであることも想定される。具体的には、例えば、無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスの最後の1オクテットが10であり、Bluetooth通信を行う通信部のMACアドレスの最後の1オクテットが11であるように連続するアドレスであることも想定される。そのため、操作部52は、表示するMACアドレスが連続するアドレスである場合、Bluetooth通信部51において取得されたMACアドレスと、無線LAN通信部41において取得されたMACアドレスとを予め対応付けて表示してもよい。
【0088】
また、Bluetooth通信部51において取得された機器名と、無線LAN通信部41において取得された機器名とが同一であることも想定される。そのため、操作部52は、表示する機器名が同一である場合、Bluetooth通信部51において取得された機器名と、無線LAN通信部41において取得された機器名とを予め対応付けて表示してもよい。
【0089】
制御部53は、車載装置50を制御する制御部であり、車載装置50に接続された機器やメモリ58との通信、操作部52が有するディスプレイの制御等を行う。制御部53には、子機管理アプリケーションがインストールされている。制御部53は、子機管理アプリケーションを用いて、ユーザに選択されたMACアドレスと、Bluetooth通信部51において取得されたMACアドレスと、が対応付けられた情報を操作部52から受信する。制御部53は、受信した情報に基づいて、ユーザに選択されたMACアドレスと、Bluetooth通信部51において取得されたMACアドレスと、を対応付けて登録する。
【0090】
制御部53は、後述するUSB接続ポート56を介してルータ40と情報の送受信を行う。制御部53は、ルータ40の制御部43から、無線LAN通信部41が取得したMACアドレス及び機器名を受信する。また、制御部53は、Bluetooth通信部51において取得されたMACアドレスと対応付けて登録したMACアドレスを、USB接続ポート56を介して、ルータ40の制御部43に送信する。
【0091】
また、制御部53は、Bluetooth通信部51が通信端末60とLE通信を行い接続されているか否かの情報をルータ40の制御部43に送信する。制御部53は、ルータ40の制御部43からの接続確認要求に応じて、Bluetooth通信部51に通信端末60とLE通信を行わせて、上記情報を取得し、取得した情報をルータ40の制御部43に送信する。
【0092】
なお、制御部53は、Bluetooth通信部51が、通信端末60がLE通信をして接続された場合、又はLE通信が切断され接続が解除した場合に、接続されたこと、又は接続が解除されたことを、Bluetooth通信部51から取得する。そして、制御部53は、取得した情報をルータ40の制御部43に送信してもよい。
【0093】
電源回路54は、各機能部に対して電源を供給する回路である。電源回路54は、後述する車内電源55から給電され、適切な電圧変換をし、Bluetooth通信部51、操作部52、制御部53に電源を供給する。また、電源回路54は、後述するUSB接続ポート56に接続されたUSBケーブルを介して、ルータ40に電源を供給する。
【0094】
車内電源55は、自動車の電源である。車内電源55は、電源回路54に給電する。
USB接続ポート56は、USBケーブルを挿抜可能な接続ポートである。USB接続ポート56は、当該ポートに接続されたUSBケーブルを介して、ルータ40と車載装置50との間のデータの送受信を行うと共に、ルータ40に対して電源を供給する。
【0095】
接続ポート57は、自動車内にある機器と接続されるポートである。
メモリ58は、車載装置50が動作するために必要な設定等を記憶する。上記したように、車載装置50のBluetooth通信部51の送信出力は、自動車のサイズにより適宜設定する必要があり、事前に調整されている。メモリ58は、事前に調整したBluetooth通信部51の送信出力を記憶する。
【0096】
<通信システムの動作例>
次に、図8図10を用いて、実施の形態3にかかる通信システム100の動作例について説明する。図8図10は、実施の形態3にかかる通信システムの動作例を示す図である。
【0097】
図8を用いて、通信システム100の全体動作について説明する。前提として、ルータ40及び車載装置50の電源が入っており、通信を制御する対象の通信端末である通信端末60が自動車内に存在しているとする。この状態において、通信システム100は、制御対象の通信端末の登録処理(ステップS1)及び通信制御処理(ステップS2)を実行する。
【0098】
具体的には、制御対象の通信端末の登録処理として、ルータ40において取得されたMACアドレスのいずれかと、車載装置50において取得されたMACアドレスとを対応付けて登録する(ステップS1)。なお、通信システム100の動作例の説明では、制御対象の通信端末の登録処理としてMACアドレスを用いることとするが、MACアドレスに代えて、機器名を用いてもよい。
【0099】
通信端末60の2つのMACアドレスが登録された場合、車載装置50のBluetooth通信部51に通信端末60が接続されているか否かに基づいて、ルータ40は、通信端末60を無線LAN通信部41に接続させるか否かを制御する(ステップS2)。つまり、制御部43は、対応付けて登録された2つのMACアドレスを有する通信端末60がBluetooth通信部51に接続しているか否かに基づいて、通信端末60を無線LAN通信部41に接続させるか否かを制御する。
【0100】
続いて、図9を用いて、図8のステップS1の制御対象の通信端末の登録処理の詳細について説明する。
まず、ユーザが車載装置50の操作部52におけるディスプレイ上のGUIから子機管理アプリケーションを起動し、子機の登録ボタンを押下する(ステップS11)。
【0101】
次に、子機管理アプリケーションは、Bluetooth未登録であるか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、子機管理アプリケーションは、Bluetooth通信部51と既にペアリングを行っている通信端末が存在するか否かを判定する。
【0102】
Bluetooth通信部51と既にペアリングを行っている通信端末が存在しない場合(ステップS12のYES)、ステップS13の動作を実行する。ステップS13において、Bluetooth通信部51は、制御対象の通信端末である通信端末60とペアリングを行い、通信端末60のBluetooth通信を行う通信部のMACアドレスを取得する(ステップS13)。
【0103】
一方、Bluetooth通信部51が、通信端末60と既にペアリングを行っている場合(ステップS12のNO)、ステップS14の動作を行う。
【0104】
次に、ルータ40の無線LAN通信部41が再起動し、接続された通信端末の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスを取得する(ステップS14)。具体的には、車載装置50の制御部53は、ルータ40の制御部43に対して、無線LAN通信部41の再起動、及び無線LAN通信部41に接続された通信端末のMACアドレスの取得を指示する。制御部43は、上記指示を受信すると、無線LAN通信部41の再起動を行う。
【0105】
無線LAN通信部41は、通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な解放状態で起動し、接続された通信端末の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレス及び機器名を取得する。無線LAN通信部41は、取得したMACアドレス及び機器名を制御部43に送信し、制御部43は、USB接続ポート45に接続されたUSBケーブルを介して、取得されたMACアドレス及び機器名を制御部53に送信する。制御部53は、受信したMACアドレス及び機器名を子機管理アプリケーションのGUIに表示する。
【0106】
次に、GUIに表示された子機リスト(通信端末のリスト)において、ユーザに選択された通信端末を、通信制御を行う対象の通信端末として登録する(ステップS15)。具体的には、GUIに表示された子機リストにおいて、ユーザが選択した無線LAN/BluetoothのMACアドレスを選択すると、操作部52は、選択されたMACアドレスを対応付けて制御部53に送信する。制御部53は、選択されたMACアドレスを対応付けて登録する。ユーザが通信端末60のMACアドレスを選択した場合、制御部53は、通信端末60の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスと、Bluetooth通信を行う通信部のMACアドレスとを対応付けて登録する。
【0107】
次に、ルータ40の無線LAN通信部41は、パスワード等の認証情報を、登録されたMACアドレスを有する通信端末60に送信して、無線LAN通信部41に接続している全ての通信端末の接続を切断して、解放状態を終了する(ステップS16)。
【0108】
続いて、図10を用いて、図8のステップS2の通信制御処理の詳細について説明する。なお、図10の通信制御処理は、制御対象の通信端末が、無線LAN通信部41及びBluetooth通信部51に帰属(接続)する毎に実行される。
【0109】
図9の制御対象の通信端末60が登録され、通信端末60がルータ40の無線LAN通信部41及び車載装置50のBluetooth通信部51に帰属(接続)する(ステップS21)。
【0110】
次に、Bluetooth通信部51が通信端末60とLE通信が可能であるか否かを判定する(ステップS22)。通信端末60が無線LAN通信部41に接続されると、制御部43がUSB接続ポート45に接続されたUSBケーブルを介して、制御部53に対して、LE通信が可能であるか否かの確認要求を行う。
【0111】
制御部53は、確認要求を受信すると、Bluetooth通信部51に通信端末60とLE通信が可能であるかの確認を行う。Bluetooth通信部51は、LE通信により通信端末60と接続されているか否かの情報を制御部53に送信する。制御部53は、Bluetooth通信部51から受信した、通信端末60がBluetooth通信部51と接続しているか否かの情報を制御部43に送信する。制御部43は、制御部53から受信した情報に基づいて、LE通信可能であるか否かを判定する。
【0112】
Bluetooth通信部51が通信端末60とLE通信が可能である場合(ステップS22のYES)、制御部43は、無線LAN通信を通じてWAN通信を登録された通信端末60に提供する(ステップS23)。
【0113】
一方、Bluetooth通信部51が通信端末60とLE通信が可能ではない場合(ステップS22のNO)、制御部43は、通信端末60と無線LAN通信部41との通信を切断し(ステップS28)、処理を終了する。つまり、制御部43は、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させないように制御する。
【0114】
ステップS24において、制御部43は、一定時間経過後に再度、通信端末60がLE通信を可能とするか否かを判定するために、経過時間t[s]の記録を開始する(ステップS24)。つまり、制御部43は、経過時間tを0(ゼロ)に初期化する。
【0115】
制御部43は、経過時間を監視し(ステップS25)、一定時間経過したか否かを判定する(ステップS26)。経過時間tが一定時間T’を超過していない場合(ステップS26のNO)、制御部43は、ステップS25に戻り、経過時間を継続して監視する。
【0116】
経過時間tが一定時間T’を超過した場合(ステップS26のYES)、Bluetooth通信部51が通信端末60とLE通信が可能であるか否かを判定する(ステップS27)。なお、ステップS27において実行される動作は、ステップS22と同様であるため説明を割愛する。
【0117】
ステップS27において、Bluetooth通信部51が通信端末60とLE通信が可能である場合(ステップS27のYES)、ステップS24に戻り、制御部43は、経過時間t[s]を初期化し、記録を開始する。この場合、制御部43は、無線LAN通信を通じてWAN通信を登録された通信端末60に継続して提供する。
【0118】
一方、ステップS27において、Bluetooth通信部51が通信端末60とLE通信が可能ではない場合(ステップS27のNO)、制御部43は、通信端末60と無線LAN通信部41との通信を切断し(ステップS28)、処理を終了する。つまり、制御部43は、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させないように制御する。
【0119】
以上説明したように、ルータ40の無線LAN通信部41は、通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で起動し、接続された通信端末の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスを取得する。車載装置50において、Bluetooth通信部51は、接続が許可された通信端末のBluetooth通信を行う通信部のMACアドレスを取得する。操作部52及び制御部53は、制御対象の通信端末の2つのMACアドレスが対応付けて登録される。
【0120】
ルータ40は、対応付けて登録されたMACアドレスを有する通信端末60がBluetooth通信部51に接続されているか否かに基づいて、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させるか否かの制御を行う。
【0121】
Bluetooth通信部51の通信エリアは、無線LAN通信部41の通信エリアよりも狭い通信エリアであって、自動車内の領域に調整されている。ルータ40は、通信端末60がBluetooth通信部51の通信エリア内であれば、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させる。一方、ルータ40は、通信端末60がBluetooth通信部51の通信エリア外であれば、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させないように制御する。すなわち、ルータ40は、無線LAN通信部41の通信可能範囲を、Bluetooth通信部51の通信エリアに制限する。無線LAN通信部41は、送信出力が制限されていないため、無線LAN通信部41の通信エリア内であれば、通信端末60の通信速度は低下しない。したがって、本実施の形態にかかるルータ40によれば、通信端末60の通信速度を低下させることなく、無線LAN通信部41の通信可能範囲を制限することが可能となる。
【0122】
さらに、本実施の形態にかかる通信システム100によれば、通信端末(子機)のMACアドレスを対応付けて登録する初期登録を行った後は、通信端末(子機)の通信制御を定期的にかつ自動で制御を行うことが可能となる。
【0123】
(変形例)
上述した実施の形態3では、子機管理アプリケーションは、車載装置50が有する構成として説明したが、ルータ40が有する構成であってもよい。この場合、制御部43は、車載装置50から、車載装置50において取得されたMACアドレス及び機器名を受信する。そして、制御部43は、子機管理アプリケーションを用いて、無線LAN通信部41で取得されたMACアドレスのいずれかと、車載装置50から受信したMACアドレスとを対応付けて登録するように構成される。そして、制御部43は、車載装置50から受信したMACアドレスに対応付けて登録されたMACアドレスを取得すればよい。このような構成にしても、上述した実施の形態3と同様の効果を得ることが可能となる。
【0124】
(実施の形態4)
続いて、実施の形態4について説明する。実施の形態4は、実施の形態2を詳細にした実施の形態である。また、実施の形態4は、実施の形態3におけるルータ40及び車載装置50がルータ70に置き換わった構成である。そのため、本実施の形態において、実施の形態3と共通する説明については、実施の形態3において用いた図面を用いて説明する。
【0125】
<ルータの構成例>
次に、図11を用いて、実施の形態4にかかるルータ70について説明する。図11は、実施の形態4にかかるルータの構成例を示す図である。
【0126】
ルータ70は、図3の実線200の内側に配置される通信装置である。つまり、ルータ70は、自動車内に配置される通信装置である。なお、本実施の形態においても所定の領域は自動車の内部の領域として説明するが、これに限定されるものではなく、ルータ70は、予め定められた、建物の屋内の領域又は移動体の内部の領域に配置されてもよい。
【0127】
また、実施の形態4にかかるルータ70は、実施の形態3にかかるルータ40と基本的には同様の構成をしている。そのため、本実施の形態では、実施の形態3にかかるルータ40と同様の構成については、同一の符号を付して、適宜説明を割愛する。
【0128】
ルータ70は、無線LAN通信部41と、WAN通信部42と、Bluetooth通信部71と、操作部72と、制御部73と、電源回路74と、電源75と、メモリ76と、を備える。
【0129】
無線LAN通信部41及びWAN通信部42は、実施の形態3と同様であるので、説明を割愛する。
【0130】
Bluetooth通信部71は、実施の形態3にかかるBluetooth通信部51に対応する。Bluetooth通信部71は、実施の形態3にかかるBluetooth通信部51と同様の構成であるため、適宜説明を割愛する。
【0131】
Bluetooth通信部71は、通信端末60のBluetooth通信を行う通信部のMACアドレス及び機器名を取得して、制御部73に送信する。また、Bluetooth通信部71は、通信端末60とLE通信を行っているか否かの情報を制御部73に送信する。
【0132】
操作部72は、実施の形態3にかかる操作部52に対応する。操作部72は、実施の形態3にかかる操作部52と同様の構成であるので、適宜説明を割愛する。
【0133】
操作部72は、無線LAN通信部41において取得された通信端末のMACアドレスと、Bluetooth通信部71において取得されたMACアドレスとを子機管理アプリケーションのGUIで表示する。ユーザが、無線LAN通信部41において取得されたMACアドレスのいずれかを選択した場合、操作部72は、選択されたMACアドレスと、Bluetooth通信部71において取得されたMACアドレスと、を対応付けて制御部73に送信する。
【0134】
制御部73は、実施の形態3にかかる制御部43及び53の構成を有する制御部である。制御部73は、操作部72から受信した情報に基づいて、選択されたMACアドレスと、Bluetooth通信部71において取得されたMACアドレスと、を対応付けて登録する。制御部73は、通信端末のBluetooth通信を行う通信部のMACアドレスと対応付けて登録されたMACアドレスを、当該通信端末の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスとして取得する。
【0135】
通信端末60の2つのMACアドレスが対応付けて登録された場合、制御部73は、通信端末60がBluetooth通信部71と接続しているか否かに基づいて、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させるか否かを制御する。
【0136】
具体的には、制御部73は、通信端末60がBluetooth通信部71と接続している場合、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させる。一方、制御部73は、通信端末60がBluetooth通信部71と接続していない場合、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させない。
【0137】
電源回路74は、各機能部に対して電源を供給する回路である。電源回路74は、後述する電源75から給電され、適切な電圧変換をし、無線LAN通信部41、WAN通信部42、Bluetooth通信部71、操作部72、制御部73に電源を供給する。なお、ルータ70が電源75を有さずに、実施の形態3と同様に車載装置から電源が供給される構成であってもよい。
【0138】
電源75は、例えば、バッテリであり、電源回路74に給電する。
メモリ76は、ルータ70が動作するために必要な設定等を記憶する。メモリ76は、事前に調整されたBluetooth通信部71の送信出力を記憶する。
【0139】
<ルータの動作例>
次に、ルータ70の動作例について説明する。本実施の形態にかかるルータ70は、図8図10を用いて説明した動作を実行する。そのため、ルータ70の動作例を、図8図10を用いて適宜説明を割愛しながら説明する。
【0140】
まず、図8を用いて、ルータ70の全体動作について説明する。ルータ70は、無線LAN通信部41において取得されたMACアドレスのいずれかと、Bluetooth通信部71において取得されたMACアドレスとを対応付けて登録する(ステップS1)。
【0141】
次に、通信端末60の2つのMACアドレスが登録された場合、Bluetooth通信部71に通信端末60が接続されているか否かに基づいて、制御部73は、通信端末60を無線LAN通信部41に接続させるか否かを制御する(ステップS2)。
【0142】
続いて、図9を用いて、図8のステップS1の制御対象の通信端末の登録処理の詳細について説明する。
まず、ユーザが操作部72におけるディスプレイ上のGUIから子機管理アプリケーションを起動し、子機の登録ボタンを押下する(ステップS11)。
【0143】
次に、子機管理アプリケーションは、Bluetooth未登録であるか否かを判定する(ステップS12)。
Bluetooth通信部71と既にペアリングを行っている通信端末が存在しない場合(ステップS12のYES)、Bluetooth通信部71は、制御対象の通信端末である通信端末60とペアリングを行う。Bluetooth通信部71は、通信端末60のBluetooth通信を行う通信部のMACアドレスを取得する(ステップS13)。一方、Bluetooth通信部71が、通信端末60と既にペアリングを行っている場合(ステップS12のNO)、ステップS14の動作を行う。
【0144】
次に、制御部73からの要求に応じて、無線LAN通信部41が再起動し、接続された通信端末の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスを取得する(ステップS14)。
【0145】
次に、GUIに表示された子機リスト(通信端末のリスト)において、ユーザに選択された通信端末を、通信制御を行う対象の通信端末として登録する(ステップS15)。ユーザが通信端末60のMACアドレスを選択した場合、制御部73は、通信端末60の無線LAN通信を行う通信部のMACアドレスと、Bluetooth通信を行う通信部のMACアドレスとを対応付けて登録する。
【0146】
次に、無線LAN通信部41は、パスワード等の認証情報を、登録されたMACアドレスを有する通信端末60に送信して、無線LAN通信部41に接続している全ての通信端末の接続を切断して、解放状態を終了する(ステップS16)。
【0147】
続いて、図10を用いて、図8のステップS2の通信制御処理の詳細について説明する。
制御対象の通信端末60が登録され、通信端末60が無線LAN通信部41及びBluetooth通信部71に帰属(接続)する(ステップS21)。
【0148】
次に、制御部73は、Bluetooth通信部71が通信端末60とLE通信が可能であるか否かを判定する(ステップS22)。
【0149】
Bluetooth通信部71が通信端末60とLE通信が可能である場合(ステップS22のYES)、制御部73は、無線LAN通信を通じてWAN通信を登録された通信端末60に提供する(ステップS23)。
【0150】
一方、Bluetooth通信部71が通信端末60とLE通信が可能ではない場合(ステップS22のNO)、制御部73は、通信端末60と無線LAN通信部41との通信を切断し(ステップS28)、処理を終了する。
【0151】
ステップS24において、制御部73は、一定時間経過後に再度、通信端末60がLE通信を可能とするか否かを判定するために、経過時間t[s]の記録を開始する(ステップS24)。
【0152】
制御部73は、経過時間を監視し(ステップS25)、経過時間tが一定時間T’を超過していない場合(ステップS26のNO)、制御部73は、ステップS25に戻り、経過時間を継続して監視する。経過時間tが一定時間T’を超過した場合(ステップS26のYES)、制御部73は、Bluetooth通信部71が通信端末60とLE通信が可能であるか否かを判定する(ステップS27)。
【0153】
ステップS27において、Bluetooth通信部71が通信端末60とLE通信が可能である場合(ステップS27のYES)、ステップS24に戻り、制御部73は、経過時間t[s]を初期化し、記録を開始する。この場合、制御部73は、無線LAN通信を通じてWAN通信を登録された通信端末60に継続して提供する。
【0154】
一方、ステップS27において、Bluetooth通信部71が通信端末60とLE通信が可能ではない場合(ステップS27のNO)、制御部73は、通信端末60と無線LAN通信部41との通信を切断し(ステップS28)、処理を終了する。
【0155】
以上説明したように、Bluetooth通信部71の通信エリアは、無線LAN通信部41の通信エリアよりも狭い通信エリアであって、自動車内の領域を通信エリアに調整されている。ルータ70は、通信端末60がBluetooth通信部71の通信エリア内であれば、通信端末60を無線LAN通信部41と通信させる。すなわち、ルータ70も、実施の形態3と同様に、無線LAN通信部41の通信可能範囲を、Bluetooth通信部71の通信エリアに制限する。無線LAN通信部41は、送信出力が制限されていないため、無線LAN通信部41の通信エリア内であれば、通信端末60の通信速度は低下しない。したがって、本実施の形態にかかるルータ70によれば、通信端末60の通信速度を低下させることなく、無線LAN通信部41の通信可能範囲を制限することが可能となる。
【0156】
また、本実施の形態にかかるルータ70を用いることにより、実施の形態3と同様に、通信端末(子機)のMACアドレスを対応付けて登録する初期登録を行った後は、通信端末(子機)の通信制御を定期的にかつ自動で制御を行うことが可能となる。
【0157】
(他の実施の形態)
<1>上述した実施の形態では、無線LAN通信部及びBluetooth通信部において、それぞれ、通信制御対象の通信端末の無線LAN通信を行う通信部及びBluetooth通信を行う通信部のMACアドレスを取得することで説明した。上述した実施の形態において、通信端末が上記2つのMACアドレスを1度に送信するように変形してもよい。このようにすれば、無線LAN通信部又はBluetooth通信部が上記2つのMACアドレスを取得することが可能となる。そうすると、制御部(子機管理アプリケーション)は、通信制御対象の通信端末のMACアドレスの登録処理を自動で実行することが可能となる。
【0158】
<2>上述した実施の形態において、通信制御対象の通信端末に、他の通信端末を対応付けて登録するようにしてもよい。この場合、ルータは、通信制御対象の通信端末が所定の領域に存在するか否かを判定し、無線LAN通信を行わせるか否かを制御する。そして、ルータは、通信制御対象の通信端末がBluetooth通信部に接続している場合、上記他の通信端末もBluetooth通信部に接続が可能であると推定して、当該通信端末に対しても無線LAN通信を行わせるように制御することが可能となる。このようにすれば、ルータは、通信制御対象の通信端末の台数を減らすことが可能となるため、処理能力を向上させることが可能となる。
【0159】
<3>上述した実施の形態において説明した通信装置10、20、30、ルータ40、70及び車載装置50(以下、通信装置10等と称する)は、次のようなハードウェア構成を有していてもよい。図12は、本開示の各実施の形態にかかる通信装置等を実現可能な、コンピュータ(情報処理装置)のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【0160】
図12を参照すると、通信装置10等は、複数のアンテナ1201-1~1201-N、ネットワーク・インターフェース1202、プロセッサ1203及びメモリ1204を含む。複数のアンテナ1201-1~1201-N及びネットワーク・インターフェース1202は、通信端末60を含む他の無線通信装置と通信するために使用される。ネットワーク・インターフェース1202は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.11 series、IEEE 802.3 series等に準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0161】
プロセッサ1203は、メモリ1204からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された通信装置10等の処理を行う。プロセッサ1203は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1203は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0162】
メモリ1204は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1204は、プロセッサ1203から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1203は、図示されていないI/Oインターフェースを介してメモリ1204にアクセスしてもよい。
【0163】
図12の例では、メモリ1204は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1203は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1204から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された通信装置10等の処理を行うことができる。
【0164】
図12を用いて説明したように、通信装置10等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1または複数のプログラムを実行する。
【0165】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0166】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0167】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で、接続された通信端末の第1の識別情報を取得する第1の通信部と、
前記取得された第1の識別情報のうち、他の通信装置が有し、前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する第2の通信部に接続が許可された通信端末の第2の識別情報に対応付けられた第3の識別情報を取得する制御部と、を備え、
前記第1の通信部は、前記第3の識別情報が取得された場合、前記第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移し、
前記制御部は、前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部と接続しているか否かの情報を前記他の通信装置から受信し、前記受信された情報に基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御する、通信装置。
(付記2)
前記制御部は、前記取得された第1の識別情報を前記他の通信装置に送信すると共に、前記第2の識別情報に対応付けて登録された識別情報を前記他の通信装置から受信し、前記受信された識別情報を前記第3の識別情報として取得する、付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記制御部は、前記第2の識別情報を前記他の通信装置から受信し、前記取得された第1の識別情報のうちのいずれかと、前記第2の識別情報とを対応付けて登録するように構成され、前記第2の識別情報に対応付けて登録された識別情報を前記第3の識別情報として取得する、付記1に記載の通信装置。
(付記4)
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で、接続された通信端末の第1の識別情報を取得する第1の通信部と、
前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成し、接続が許可された通信端末の第2の識別情報を取得する第2の通信部と、
前記取得された第1の識別情報のいずれかと前記第2の識別情報とを対応付けて登録する制御部と、を備え、
前記第1の通信部は、前記第2の識別情報と対応付けて登録された識別情報を示す第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移し、
前記制御部は、前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部に接続されているか否かに基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御する、通信装置。
(付記5)
前記制御部は、前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部に接続されている場合、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させる、付記1~4のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記6)
前記第1の通信部は、前記第3の識別情報を有する通信端末に認証情報を送信し、前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部に接続されている場合、前記認証情報を用いて前記第3の識別情報を有する通信端末と接続する、付記5に記載の通信装置。
(付記7)
前記第2の通信エリアは、所定の領域内に形成された通信エリアである、付記1~6のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記8)
前記所定の領域は、予め定められた、建物の屋内又は移動体の内部の領域である、付記7に記載の通信装置。
(付記9)
前記移動体は、自動車及び列車のいずれか一方を含む車両である、付記8に記載の通信装置。
(付記10)
前記第1の通信部は、無線LAN通信を行う通信部であり、前記第1の識別情報は、通信端末の無線LAN通信を行う通信部に設定された識別情報であり、
前記第2の通信部は、BLE(Bluetooth Low Energy)通信を行う通信部であり、前記第2の識別情報は、通信端末のBluetooth通信を行う通信部に設定された識別情報である、付記1~9のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記11)
前記第1の識別情報及び前記第2の識別情報は、MAC(Media Access Control)アドレス及び機器名の少なくとも1つを含む、付記1~10のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記12)
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で動作する第1の通信部に接続された通信端末の第1の識別情報を取得することと、
前記取得された第1の識別情報のうち、他の通信装置が有し、前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する第2の通信部に接続が許可された通信端末の第2の識別情報に対応付けられた第3の識別情報を取得することと、
前記第3の識別情報が取得された場合、前記第1の通信部を、前記第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移させることと、
前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部と接続しているか否かの情報を前記他の通信装置から受信し、前記受信された情報に基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御することと、を含む通信制御方法。
(付記13)
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で動作する第1の通信部に接続された通信端末の第1の識別情報を取得することと、
前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する第2の通信部に接続が許可された通信端末の第2の識別情報を取得することと、
前記取得された第1の識別情報のいずれかと前記第2の識別情報とを対応付けて登録することと、
前記第1の通信部を、前記第2の識別情報と対応付けて登録された識別情報を示す第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移させることと、
前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部に接続されているか否かに基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御することと、を含む通信制御方法。
(付記14)
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で動作する第1の通信部に接続された通信端末の第1の識別情報を取得することと、
前記取得された第1の識別情報のうち、他の通信装置が有し、前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する第2の通信部に接続が許可された通信端末の第2の識別情報に対応付けられた第3の識別情報を取得することと、
前記第3の識別情報が取得された場合、前記第1の通信部を、前記第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移させることと、
前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部と接続しているか否かの情報を前記他の通信装置から受信し、前記受信された情報に基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御することと、をコンピュータに実行させる通信制御プログラム。
(付記15)
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で動作する第1の通信部に接続された通信端末の第1の識別情報を取得することと、
前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する第2の通信部に接続が許可された通信端末の第2の識別情報を取得することと、
前記取得された第1の識別情報のいずれかと前記第2の識別情報とを対応付けて登録することと、
前記第1の通信部を、前記第2の識別情報と対応付けて登録された識別情報を示す第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移させることと、
前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部に接続されているか否かに基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御することと、をコンピュータに実行させる通信制御プログラム。
(付記16)
第1の通信装置と、前記第1の通信装置に接続された第2の通信装置とを含み、
前記第1の通信装置は、
第1の通信エリアを形成し、前記第1の通信エリア内の全ての通信端末が接続可能な状態で、接続された通信端末の第1の識別情報を取得する第1の通信部と、
前記取得された第1の識別情報のうち、前記第2の通信装置が有し、前記第1の通信エリアに含まれる第2の通信エリアを形成する第2の通信部に接続が許可された通信端末の第2の識別情報に対応付けられた第3の識別情報を取得する制御部と、を備え、
前記第1の通信部は、前記第3の識別情報が取得された場合、前記第3の識別情報を有する通信端末のみが接続可能な状態に遷移し、
前記制御部は、前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部と接続しているか否かの情報を前記第2の通信装置から受信し、前記受信された情報に基づいて、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させるか否かを制御する、通信システム。
(付記17)
前記制御部は、前記取得された第1の識別情報を前記第2の通信装置に送信すると共に、前記第2の通信装置において前記取得された第1の識別情報のうち、前記第2の識別情報と対応付けて登録された識別情報を受信し、前記受信した識別情報を前記第3の識別情報として取得する、付記16に記載の通信システム。
(付記18)
前記制御部は、前記第2の識別情報を有する通信端末が前記第2の通信部に接続されている場合、前記第3の識別情報を有する通信端末を前記第1の通信部と通信させる、付記17に記載の通信システム。
【0168】
この出願は、2018年11月29日に出願された日本出願特願2018-223367を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0169】
1 通信システム
10、20、30 通信装置
11、31 第1の通信部
12、33 制御部
21、32 第2の通信部
40、70 ルータ
41 無線LAN通信部
42 WAN通信部
43、53、73 制御部
44、54、74 電源回路
45、56 USB接続ポート
46、76 メモリ
50 車載装置
51、71 Bluetooth通信部
52、72 操作部
55 車内電源
57 接続ポート
58 メモリ
75 電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12