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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】仕分けコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/38 20060101AFI20221012BHJP
   B65G 17/48 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B65G47/38
B65G17/48 E
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022009996
(22)【出願日】2022-01-26
【審査請求日】2022-01-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000240938
【氏名又は名称】片山チエン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】片山 惠嗣
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-046262(JP,A)
【文献】特開平10-101220(JP,A)
【文献】特開昭64-022388(JP,A)
【文献】特開平9-85186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/33-47/51
B65G 17/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状走行部材(12)と、前記無端状走行部材(12)の走行方向に沿って配列される複数の搬送アーム(13)と、前記無端状走行部材(12)に固定され、前記搬送アーム(13)を搬送姿勢と傾倒姿勢との間で回動可能に保持するホルダ(14)と、前記ホルダ(14)に対して揺動可能に取り付けられ、搬送姿勢の前記搬送アーム(13)に係合可能な係合フック(20)と、前記搬送アーム(13)を搬送姿勢から傾倒姿勢へ回動させる傾倒機構(15)とを備え、
前記傾倒機構(15)は、上下方向に揺動可能な作動レバー(26)を備え、
前記作動レバー(26)は、前記走行方向に交差する方向へ他端部から一端部に向かって延びる横向きの板状部材からなる基板部(26a)と、前記基板部(26a)の一端部寄りに設けられ、前記走行方向上流側へ突出する突出部(26b)と、前記基板部(26a)、又は、前記基板部(26a)及び前記突出部(26b)の一端部の縁下方に向かって突出して形成され、前記係合フック(20)に当たる板状部材からなる当接片部(26c)とを有し、
前記係合フック(20)は、下方に揺動する前記作動レバー(26)の当接片部(26c)に当たる状態で、前記搬送アーム(13)との係合が解除されるものであり、前記搬送アーム(13)は、前記係合フック(20)との係合が解除される状態で、搬送姿勢から傾倒姿勢へ回動するものであり、
前記当接片部(26c)は、前記無端状走行部材(12)の走行方向上流側に向かって上向きに傾斜する傾斜部(26d)を有し、前記突出部(26b)における前記走行方向上流側の縁部が、前記走行方向に直交する方向に沿って形成される仕分けコンベヤ。
【請求項2】
記突出部(26b)は、前記走行方向上流側の縁部に板状部材からなる下向きの先端片部(26f)を有し、前記先端片部(26f)は、前記走行方向に交差する方向に沿って形成され、前記突出部(26b)における前記走行方向上流側の縁部が、前記先端片部(26f)の前記走行方向上流側を向く板面で構成される請求項1に記載の仕分けコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無端状部材であるコンベヤチェーンに対してその走行方向に複数並んで固定されたホルダに、物品を搬送する搬送姿勢と傾倒姿勢との間で揺動する搬送アームが取り付けられ、物品を載せた搬送アームが傾倒機構により傾倒され、その物品を大きさ、重さ等の規格別に仕分ける仕分けコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を搬送するコンベヤとして、搬送する物品を大きさ、重さ等の規格に選別し、送り出すことができるようにした仕分けコンベヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この仕分けコンベヤは、図8図9に示すように、フレーム50に固定されるガイドレール51に沿って走行するコンベヤチェーン52と、コンベヤチェーン52に対して、その一側方に固定されるホルダ53と、ホルダ53に対して上下方向に揺動可能に取り付けられる複数の搬送アーム54と、フレーム50に対して、コンベヤチェーン52の他側方に固定され、搬送アーム54を下方に傾倒させる傾倒機構55とを備える。
【0004】
ホルダ53は、上下方向に揺動可能に取り付けられた係合フック56を有し、搬送アーム54は、物品Mを搬送する搬送姿勢と、傾倒姿勢との間で上下方向に揺動可能である。また、搬送アーム54は、係合フック56が係合することにより搬送姿勢が保持され、係合フック56が外れることにより傾倒姿勢となる。
【0005】
傾倒機構55は、フレーム50に取り付けられるスタンド57と、スタンド57に保持され、プッシャ58を下方に移動させる電磁アクチュエータ59と、スタンド57に他端部が支持され、プッシャ58により一端部が押し下げられる作動レバー60とを備える。
【0006】
傾倒機構55の作動レバー60は、図9に示すように、ダブルトーション形状のねじりコイルばね61により上向きに付勢され、その一端部にホルダ53の係合フック56の上方に位置する下向きの当接片部60aを有する。
【0007】
プッシャ58が押し下げられると、作動レバー60と一体に当接片部60aが押し下げられ、当接片部60aが係合フック56に突き当たる。この突き当てにより、係合フック56を下向きに揺動させ、搬送アーム54に対する係合を解除させ、搬送アーム54を傾倒させる。
【0008】
また、電磁アクチュエータ59の負荷を軽減するため、作動レバー60は、一端部から当接片部60aに至る孔状の盗み部60bが形成され、軽量化が図られている。
【0009】
当接片部60aにおいても、コンベヤチェーン52の走行方向上流(以下、単に上流という)に向かってその上流側の端部60cを突出させ、かつ、その端部60cの下縁60dが上流に向かって上方に傾斜するように尖って形成することで軽量化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2012-046262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、多数の物品Mを載せると、搬送姿勢の搬送アーム54に載せられた物品Mが、搬送中の他の物品と接触する等により、コンベヤチェーン52の走行方向下流(以下、単に下流という)に配置される傾倒姿勢の搬送アーム54を乗り越えてホルダ53の上方に落ち込むことがある(図8中の二点鎖線参照)。
【0012】
このとき、ホルダ53の上方に落ち込んだ物品Mに尖って形成された当接片部60aが接触し、物品Mの表面に傷が付く可能性がある。また、物品Mとの接触により当接片部60aの端部60cが搬送アーム54に向かって折れ曲がり、その端部60cが搬送姿勢の搬送アーム54に接触して、物品の搬送不能となる可能性もある。
【0013】
そこで、この発明の課題は、搬送される物品の損傷を防止し、物品の搬送を円滑に行い得る仕分けコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の課題を解決するために、この発明は、無端状走行部材と、前記無端状走行部材の走行方向に沿って配列される複数の搬送アームと、前記無端状走行部材に固定され、前記搬送アームを搬送姿勢と傾倒姿勢との間で回動可能に保持するホルダと、前記ホルダに対して揺動可能に取り付けられ、搬送姿勢の前記搬送アームに係合可能な係合フックと、前記搬送アームを搬送姿勢から傾倒姿勢へ回動させる傾倒機構とを備え、前記傾倒機構は、上下方向に揺動可能な作動レバーを備え、前記作動レバーは、前記走行方向に交差する方向へ他端部から一端部に向かって延びる横向きの板状部材からなる基板部と、前記基板部の一端部に形成され、前記係合フックに当たる板状部材からなる当接片部とを有し、前記係合フックは、下方に揺動する前記作動レバーの当接片部に当たる状態で、前記搬送アームとの係合が解除されるものであり、前記搬送アームは、前記係合フックとの係合が解除される状態で、搬送姿勢から傾倒姿勢へ回動するものであり、前記当接片部は、前記無端状走行部材の走行方向上流側に向かって上向きに傾斜する傾斜部を有し、前記作動レバーの一端部における前記走行方向上流側の縁部が、前記走行方向に交差する方向に沿って形成される構成を採用することができる。
【0015】
この構成によると、作動レバーの一端部における前記走行方向上流側の縁部が、作動レバーを構成する基板部によって、走行方向に交差する方向に沿って形成される。基板部の一端部に当接片部が形成されるので、当接片部は、走行方向上流側に尖って形成されず、搬送アームに向かって折れ曲がることがない。
【発明の効果】
【0016】
この発明の仕分けコンベヤは、作動レバーの当接片部が基板部の一端部に形成されるので、前記走行方向上流側へ尖ることなく、搬送アームに向かって折れ曲がることがない。このため、搬送される物品を損傷することなく、円滑に物品の搬送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明に係る第一の実施形態の仕分けコンベヤを示す斜視図
図2】同上の仕分けコンベヤの縦断面図
図3】仕分けコンベヤのホルダを示す斜視図
図4】仕分けコンベヤの傾倒機構を示す斜視図
図5】仕分けコンベヤの動作を示す縦断面図
図6】仕分けコンベヤの傾倒機構の作動レバーの他の形態を示す斜視図
図7】(a)この発明の第二の実施形態の仕分けコンベヤを示す斜視図、(b)この発明の第三の実施形態の仕分けコンベヤを示す斜視図、(c)この発明の第四の実施形態の仕分けコンベヤを示す斜視図
図8】従来の仕分けコンベヤの動作を示す縦断面図
図9】従来の仕分けコンベヤの傾倒機構を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の第一の実施形態に係る仕分けコンベヤを図1図5に基づいて説明する。この仕分けコンベヤは、図1、2に示すように、フレーム10に固定されるガイドレール11に沿って走行する無端状走行部材であるコンベヤチェーン12と、コンベヤチェーン12の走行方向に沿って複数配列される搬送アーム13と、コンベヤチェーン12に固定され、物品を載せる搬送姿勢と傾倒姿勢との間で搬送アーム13が上下方向に揺動可能に取り付けられたホルダ14と、フレーム10に対して取り付けられ、搬送アーム13を搬送姿勢から傾倒姿勢に回動させる傾倒機構15とを備えている。
【0019】
フレーム10は、両側部に設置された駆動スプロケット及び従動スプロケット(図示省略)と、上部と下部のそれぞれに固定された一対のガイドレール11とを備える。一対のガイドレール11、11は、長尺の樹脂成型品であり、相互に対向する状態でフレーム10の上部と下部のそれぞれに一対づつ、計二対固定されている。
【0020】
コンベヤチェーン12は、無端状のチェーンであり、駆動スプロケットと従動スプロケットとの間に巻き掛けられ、フレーム10の上部と下部のそれぞれ固定される一対のガイドレール11の間で走行可能に保持される。
【0021】
ホルダ14は、コンベヤチェーン12のピンから一側方に突出する軸体16に対して、コンベヤチェーン12の走行方向(以下、単に走行方向という)に複数並んで取り付けられている。
【0022】
また、ホルダ14は、図3に示すように、コンベヤチェーン12のうち外プレートから延び出る二本の軸体16が挿通され、それぞれの軸体16の先端に係合する止め具16aにより軸体16に固定されている。
【0023】
ホルダ14は、コンベヤチェーン12と反対側の端部上にブラケット17が走行方向三箇所に並んで一体に形成される。ブラケット17は、ホルダ14に対してコンベヤチェーン12から離れる向きにかつ上向きに突出し、その突出端部に連結ピン18を介して、搬送アーム13が上下方向に揺動可能に取り付けられている。
【0024】
また、ブラケット17は、ホルダ14側の基部に連結ピン19を介して係合フック20が上下方向に揺動可能に取り付けられる。係合フック20は、一端部に形成される二股部20aと、他端部に形成されるレバー部20bと、レバー部20bの上部に形成されるフック部20cとを有する。
【0025】
係合フック20の二股部20aは、ブラケット17の基部を挟み、かつレバー部20bがコンベヤチェーン12に向かって突き出す状態で、ブラケット17の基部と共に連結ピン19が貫通している。
【0026】
フック部20cは、後述する搬送状態の搬送アーム13の係止ピン13cに係合する。レバー部20bは、コンベヤチェーン12に向かって上方に突き出して配置され、上部が湾曲する断面馬蹄形をなしている。また、レバー部20bは、後述する傾倒機構15の作動レバー26の当接片部26cが下方に移動した際、その当接片部26cが当たる位置に配置されている。
【0027】
係合フック20は、連結ピン19に装着されるつる巻きばね21により、レバー部20bが上方へ付勢され、二股部20aの先端部分がホルダ14の上部を押し付ける状態で、連結ピン19を中心に上下方向に揺動する(図5中の矢印A参照)。
【0028】
また、係合フック20は、レバー部20bに後述する作動レバー26の当接片部26cが当たる状態で、搬送アーム13との係合が解除される。
【0029】
搬送アーム13は、図2に示すように、コンベヤチェーン12から離れる方向に延び出す帯状の上板部13aと、上板部13aの両側縁からそれぞれ下向きに突き出す一対の側板部13bと、側板部13b間に掛け渡される係止ピン13cとを有する。
【0030】
上板部13aは、その長さ方向中央部分から両端に向かって上方へ緩やかに傾斜する谷形をなしている。一対の側板部13bは、コンベヤチェーン12寄りの部分において上下方向の幅が最も広く形成され、上板部13aの長さ方向両端部に向かって上下方向の幅が小さく形成されている。
【0031】
それぞれの側板部13bは、コンベヤチェーン12寄りの下部でブラケット17の突出端部を挟む状態で連結ピン18が貫通し、ブラケット17に搬送アーム13が上下方向に揺動可能に取り付けられる(図5の矢印B参照)。
【0032】
搬送アーム13は、連結ピン18に装着されるつる巻きばね22により、上板部13aの先端部が下方に移動した姿勢(傾倒姿勢)となるように付勢される。
【0033】
係止ピン13cは、連結ピン18よりもコンベヤチェーン12寄りに配置される。搬送アーム13の上板部13aが上方を向く姿勢(搬送姿勢)で係止ピン13cに係合フック20のフック部20cが係合する。一方、係止ピン13cと係合フック20のフック部20cとの係合が解除される状態では、つる巻きばね22により、搬送アーム13は搬送姿勢から傾倒姿勢へ回動する。
【0034】
すなわち、搬送アーム13は、ホルダ14のブラケット17に対し、係止ピン13cに係合フック20のフック部20cが係合する搬送姿勢と、フック部20cの係止が解除される傾倒姿勢との間で上下方向に揺動可能に保持される。
【0035】
傾倒機構15は、図1に示すように、フレーム10に取り付けられる固定スタンド23と、固定スタンド23に保持され、プッシャ24を下方に移動させる電磁アクチュエータ25と、固定スタンド23に他端部が支持され、プッシャ24により一端部が押し下げられる作動レバー26とを有する。
【0036】
固定スタンド23は、コンベヤチェーン12の他側方に位置する矩形の背板部23aと、背板部23aの両側縁からコンベヤチェーン12に向かって突出する一対の側板部23b、23bと、背板部23aに固定され、電磁アクチュエータ25が載る台座27とを有する。
【0037】
一対の側板部23bは、相互に対向して背板部23aと一体に形成される。それぞれの側板部23bの下部は、走行方向に沿って反対方向外向きに屈曲し、その屈曲部分がフレーム10に固定される。
【0038】
台座27は、図4に示すように、固定スタンド23の背板部23aに固定される固定板部27aと、固定板部27aに対して直角に形成される座板部27bと、座板部27bの走行方向の両側縁からそれぞれ下方に延びる一対の軸受片部27cとを有する。
【0039】
台座27は、その固定板部27a、座板部27b及び軸受片部27cが金属板の折り曲げ加工により一体に形成されている。
【0040】
固定板部27aは、固定スタンド23の背板部23aに対して、側板部23b側の内面に対向して固定される。座板部27bは、固定板部27aに対して、その下端縁からコンベヤチェーン12に向かって直角に形成され、プッシャ24の貫通孔27dを有する。
【0041】
また、座板部27bは、貫通孔27dにプッシャ24が貫通する状態で、電磁アクチュエータ25が固定される。それぞれの軸受片部27cは、固定板部27a側の端部において、シャフト28が掛け渡され、シャフト28に作動レバー26とコイルばね29とが装着されている。
【0042】
コイルばね29は、その両端がシャフト28に巻き掛けられたダブルトーション形状のねじりコイルばねであり、作動レバー26を上向きに付勢している。
【0043】
作動レバー26は、金属板から形成され、シャフト28に他端部が回転可能に取り付けられる板状部材からなる基板部26aと、基板部26aの一端部から走行方向上流側へ突出する突出部26bと、基板部26a及び突出部26bの一端部の縁から係合フック20のレバー部20bに向かって延びる板状部材からなる当接片部26cとを有する。
【0044】
基板部26aは、他端縁に筒部を有する走行方向を交差する方向に沿って延びる矩形の板状部材からなる。基板部26aの筒部に台座27のシャフト28が挿通され、シャフト28を中心に上下方向に揺動可能となっている。突出部26bは板状部材からなり、基板部26aの一端部に対して、その表面が同一平面状態となるように連続して一体に形成される。
【0045】
また、突出部26bは、走行方向上流側の縁部が走行方向に直交する方向に沿って直線状に形成される。このため、作動レバー26の一端部における走行方向上流側の縁部が、突出部26bの走行方向上流側の縁部で構成されることとなる。
【0046】
突出部26bの走行方向上流側の縁部が、基板部26aの走行方向上流側の縁部に対して平行となっている。また、突出部26bの他端側の縁部が、基板部26aの走行方向上流側の縁部に対して直交している。
【0047】
図2に示すように、当接片部26cは、その下部が係合フック20のレバー部20bの上方に位置している。当接片部26cの下部に走行方向上流に向かって上向きの傾斜部26dが形成されている(図4参照)。
【0048】
この発明の第一の実施形態に係る仕分けコンベヤは上記のように構成され、コンベヤチェーン12の走行方向に沿う複数箇所に、仕分けされた物品を搬送する搬送コンベヤ(図示省略)が別途設置されている。
【0049】
搬送コンベヤは、搬送アーム13の下方に位置し、物品M1を搬送アーム13の先端部に向かって、コンベヤチェーン12から離れる方向に搬送する。
【0050】
仕分けコンベヤの搬送姿勢の搬送アーム13に載せられる物品M1は、コンベヤチェーン12の走行に従い搬送される。個々の物品M1はその規格に基づいて、複数の搬送コンベヤのうち、予め選定された搬送コンベヤ上に落下される。
【0051】
例えば、ある搬送コンベヤに物品を落下させる場合、対象となる物品M1を載せる搬送アーム13が、当該搬送コンベヤの上方をコンベヤチェーン12の走行方向を横切る。そして、その搬送アーム13上の物品M1が傾倒機構15の正面を通過するタイミングで、電磁アクチュエータ25によりプッシャ24が下方に移動する。
【0052】
下方に移動するプッシャ24により作動レバー26の基板部26aが押し下げられると、突出部26b及び当接片部26cが下方に移動する。当接片部26cに形成される傾斜部26dにより、複数の係合フック20のレバー部20bが走行方向下流側から順次押し下げられる。このため、当接片部26cに係合フック20のレバー部20bが突き当たることなく、円滑に搬送アーム13の傾倒姿勢へ揺動させることができる。
【0053】
係合フック20のレバー部20bが押し下げられると、係合フック20が図5中の矢印Aの向きに連結ピン19を中心に揺動し、フック部20cから搬送アーム13の係止ピン13cが外れる。搬送アーム13は、つる巻きばね22により傾倒姿勢になり、物品M1は搬送アーム13から落下して、搬送コンベヤにより搬送される。
【0054】
その後、傾倒姿勢の搬送アーム13は、コンベヤチェーン12とともに移動する。続いて、フレーム10の上流側端部に取り付けられた公知の復帰部材(図示省略)により、搬送姿勢に復帰する。
【0055】
この仕分けコンベヤは上記のようなものであり、図1図4に示すように、傾倒機構15の作動レバー26は、基板部26a及び突出部26bの一端部から係合フック20に当たる当接片部26cが形成されている。
【0056】
このように形成される当接片部26cは、走行方向上流方向に向かって尖ることがない。そして、ホルダ14の上方に落ち込んだ物品を突出部26bの上流側の縁部で受けるので、物品表面に傷が付きにくい。
【0057】
また、当接片部26cは、上流側の端部が物品との接触により折れ曲がることがなく、その上流側端部が搬送姿勢の搬送アームに接触することが防止される。
【0058】
なお、この仕分けコンベヤの作動レバー26は、その一端部における走行方向上流側の縁部、すなわち、突出部26bにおける走行方向上流側の縁部が、走行方向に直交する方向に沿って形成される必要はなく、走行方向に交差する方向に沿って形成されていればよい。
【0059】
なお、電磁アクチュエータ25の負荷を軽減するため、作動レバー26の軽量化を図ることができる。例えば、図6に示すように、作動レバー26は、基板部26aの一端部から当接片部26cに至る孔状の盗み部26eを形成することができる。
【0060】
次に、この発明の第二の実施形態に係る仕分けコンベヤを図7(a)に示す。この実施形態は、傾倒機構15の作動レバー26において、当接片部26cが基板部26aの一端部にのみ形成され、突出部26bの一端部には形成されていない点で、上述した第一の実施形態と相違する。その他の構成は、第一の実施形態の場合と同様である。
【0061】
すなわち、当接片部26cは、傾斜部26dの走行方向上流側端部が作動レバー26の一端部の走行方向途中に位置する。そして、基板部26aの一端部において、突出部26bが傾斜部26dの走行方向上流側端部から走行方向上流側に突出する。
【0062】
突出部26bの走行方向上流側の縁部が、走行方向に交差する方向に沿って直線状に形成され、作動レバー26の一端部における走行方向上流側の縁部が、突出部26bの走行方向上流側の縁部により構成される。
【0063】
この実施形態での当接片部26cは、第一の実施形態の場合と同様、走行方向上流方向に向かって尖ることがなく、上流側の端部が物品との接触により折れ曲がることがない。
【0064】
この発明の第三の実施形態に係る仕分けコンベヤを図7(b)に示す。この実施形態は、傾倒機構15の作動レバー26において、突出部26bが走行方向に交差する方向に沿って形成される板状部材からなる下向きの先端片部26fを有する点で、上述の第一の実施形態と相違する。その他の構成は、第一の実施形態の場合と同様である。
【0065】
先端片部26fは、上下方向の幅が当接片部26cの走行方向下流側端部の上下方向の幅よりも小さく形成されている。傾斜部26d及び先端片部26fの一端部は、走行方向上流側に向かって上向きに段差なく連続して傾斜する。
【0066】
これにより、作動レバー26の一端部における走行方向上流側の縁部が、先端片部26fの走行方向上流側を向く板面で構成される。そして、当接片部26c及び先端片部26fに係合フック20のレバー部20bが突き当たることなく、円滑に搬送アーム13を傾倒姿勢へ揺動させることができる。
【0067】
この実施形態での当接片部26cは、第一の実施形態の場合と同様、走行方向上流方向に向かって尖ることがなく、上流側の端部が物品との接触により折れ曲がることがない。
【0068】
また、ホルダ14の上方に落ち込んだ物品は、先端片部26fの走行方向上流側を向く板面で受けることができる。このため、第一の実施形態の場合と比較して、より効果的に物品表面への傷が付きにくくなる。
【0069】
この発明の第四の実施形態に係る仕分けコンベヤを図7(c)に示す。この実施形態は、傾倒機構15の作動レバー26において、基板部26aに対して突出部26bが形成されていない点で、上述の第一の実施形態と相違する。その他の構成は、第一の実施形態の場合と同様である。
【0070】
すなわち、基板部26aは、走行方向に交差する方向に沿って延びる板状部材からなる。このため、作動レバー26の一端部における走行方向上流側の縁部が、基板部26aの一端部の走行方向上流側の縁部から構成され、走行方向に交差する方向に沿って形成される。
【0071】
当接片部26cは、走行方向途中位置から、走行方向上流側に向かって上向きに傾斜する傾斜部26dが形成されている。これにより、当接片部26cに係合フック20のレバー部20bが突き当たることなく、円滑に搬送アーム13を傾倒姿勢へ揺動させることができる。
【0072】
この実施形態での当接片部26cは、第一の実施形態の場合と同様、走行方向上流方向に向かって尖ることがなく、上流側の端部が物品との接触により折れ曲がることがない。
【符号の説明】
【0073】
10 フレーム
11 ガイドレール
12 コンベヤチェーン
13 搬送アーム
13a 上板部
13b 側板部
13c 係止ピン
14 ホルダ
15 傾倒機構
16 軸体
16a 止め具
17 ブラケット
18 連結ピン
19 連結ピン
20 係合フック
20a 二股部
20b レバー部
20c フック部
21 つる巻きばね
22 つる巻きばね
23 固定スタンド
23a 背板部
23b 側板部
24 プッシャ
25 電磁アクチュエータ
26 作動レバー
26a 基板部
26b 突出部
26c 当接片部
26d 傾斜部
26e 盗み部
26f 先端片部
27 台座
27a 固定板部
27b 座板部
27c 軸受片部
27d 貫通孔
28 シャフト
29 コイルばね
50 フレーム
51 ガイドレール
52 コンベヤチェーン
53 ホルダ
54 搬送アーム
55 傾倒機構
56 係合フック
57 スタンド
58 プッシャ
59 電磁アクチュエータ
60 作動レバー
60a 当接片部
60b 盗み部
60c 端部
60d 下縁
61 ねじりコイルばね
M、M1 物品
【要約】
【課題】搬送される物品の損傷を防止し、物品の搬送を円滑に行う。
【解決手段】無端状走行部材であるコンベヤチェーン12と、その走行方向に沿って配列される複数の搬送アーム13と、コンベヤチェーンに固定され、搬送アーム13を搬送姿勢と傾倒姿勢との間で回動可能に保持するホルダ14と、ホルダ14に対して揺動可能に取り付けられ、搬送姿勢の搬送アームに係合する係合フック20と、搬送アーム13を搬送姿勢から傾倒姿勢へ回動させる傾倒機構15とを備える。傾倒機構15は、上下方向に揺動可能な作動レバー26を備え、作動レバー26は、走行方向に交差する方向へ延びる横向きの基板部26aと、基板部26aの一端部から上流側端部に形成される突出部26bと、基板部26a及び突出部26bの一端部に形成される係合フック20に当たる当接片部26cとを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9