(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】製造方法及び動作方法を含むアフターバーナ
(51)【国際特許分類】
F23G 7/07 20060101AFI20221012BHJP
F23C 13/04 20060101ALI20221012BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20221012BHJP
H01M 8/04014 20160101ALI20221012BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20221012BHJP
【FI】
F23G7/07 U
F23C13/04
H01M8/04 N
H01M8/04014
H01M8/12 101
(21)【出願番号】P 2017546788
(86)(22)【出願日】2016-03-04
(86)【国際出願番号】 US2016020922
(87)【国際公開番号】W WO2016141304
(87)【国際公開日】2016-09-09
【審査請求日】2019-02-26
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-24
(32)【優先日】2015-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516013321
【氏名又は名称】ワット フュエル セル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】フィナティー,ケイン
(72)【発明者】
【氏名】デワルト,ポール
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】松下 聡
【審判官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-89236(JP,A)
【文献】特表2007-521953(JP,A)
【文献】特開2002-357120(JP,A)
【文献】特開2013-255905(JP,A)
【文献】特公昭47-23609(JP,B1)
【文献】特開平6-154622(JP,A)
【文献】特表2013-525948(JP,A)
【文献】特開2009-129829(JP,A)
【文献】特開昭50-24178(JP,A)
【文献】特表2009-515097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G7/07
F23C13/04
H01M8/04
H01M8/06
H01M8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各層が、シリカの繊維、アルミナの繊維、又はシリカアルミナ混合物を含む、圧縮性の、弾性耐熱材料を備えており、前記層を通り抜ける一つまたは複数の開口を画定する層のスタックであって、前記層のスタックの前記開口が、前記層のスタックの
インレットから前記層のスタックのアウトレットまで前記層のスタックを通り抜ける非線形チャネルを画定し、前記層のスタックは、圧縮性及び弾性を保持したままである、前記層のスタックと、
非線形チャネルの露出表面に結合するように、前記層のスタックのうちの少なくとも一つの層の前記少なくとも一つまたは複数の開口の露出表面に結合する燃焼触媒と、を備えた、アフターバーナ。
【請求項2】
前記非線形チャネルの前記露出表面に存在する前記燃焼触媒の量に、勾配がある、請求項1に記載のアフターバーナ。
【請求項3】
前記勾配により、前記層のスタックの前記
インレットから前記層のスタックの前記アウトレットにかけて存在する燃焼触媒の量が増大する、請求項2に記載のアフターバーナ。
【請求項4】
前記増大する勾配の後に、前記層のスタックの前記アウトレットに向かって存在する燃焼触媒の量が減少する第二の勾配が存在する、請求項3に記載のアフターバーナ。
【請求項5】
前記層のスタックのうちの前記アフターバーナのインレットに最も近い前記層の前記一つまたは複数の開口及び/または前記層のスタックのうちの前記アフターバーナのアウトレットに最も近い前記層の前記一つまたは複数の開口の前記露出表面が、燃焼触媒を包含しない、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のアフターバーナ。
【請求項6】
前記アフターバーナのインレット及びアウトレットから離れた前記層のスタックの一つまたは複数の層のうちの一つまたは複数の開口の前記露出表面が、前記アフターバーナの前記インレット及び前記アウトレットに最も近い層の一つまたは複数の開口の前記露出表面と比較して増大した燃焼触媒及び表面領域を包含する、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のアフターバーナ。
【請求項7】
増大した燃焼触媒及び表面領域を包含する、前記アフターバーナの前記インレット及び前記アウトレットから離れた前記層のスタックの前記一つまたは複数の層のうちの前記層の少なくとも一つが、イグナイタ及び/または熱センサアセンブリを備え付けるように設計された一つまたは複数の開口を包含する、請求項6に記載のアフターバーナ。
【請求項8】
前記層のスタックのうちの少なくとも一つの層が、前記アフターバーナのインレットから前記アフターバーナのアウトレットまで前記層のスタックを通り抜ける排気の流れと垂直の方向に前記層のスタックを横切る長さの約50%よりも長く延在するチャネルを画定する開口を包含する、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のアフターバーナ。
【請求項9】
各層が、前記層のスタックを通り抜けるカソード空気チャネルを作り出すように設計された開口を画定し、これによりカソード空気コンジットを前記カソード空気チャネルが収容でき、前記カソード空気コンジットは、カソード空気を燃料セルスタックのカソードに供給するために用いられる、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のアフターバーナ。
【請求項10】
前記燃焼触媒と動作可能な熱連通をするイグナイタを包含する、請求項1~請求項
9のいずれか一項に記載のアフターバーナ。
【請求項11】
前記イグナイタが、燃焼触媒を包含する、前記層のスタックのうちの前記インレットに最も近い前記層の前記一つまたは複数の開口の前記露出表面と動作可能な熱連通をするように位置付けられた、請求項
10に記載のアフターバーナ。
【請求項12】
燃焼触媒を包含する一つまたは複数の非線形チャネルと熱連通する熱センサアセンブリを包含する、請求項1~請求項
11のいずれか一項に記載のアフターバーナ。
【請求項13】
前記層のスタックの各層は、圧縮性の、弾性耐熱材料であり、前記層を通り抜ける一つまたは複数の開口を画定する、請求項1~請求項
12のいずれか一項に記載のアフターバーナ。
【請求項14】
前記シリカの繊維、前記アルミナの繊維、または前記シリカアルミナ混合物は、紙、フェルト、マット、毛布、またはこれらの組み合わせの形態である、請求項1~請求項
13のいずれか一項に記載のアフターバーナ。
【請求項15】
前記シリカの繊維、前記アルミナの繊維、または前記シリカアルミナ混合物は、連続ストランドマット、チョップマット、織布、またはニット布の形態である、請求項1~請求項
13のいずれか一項に記載のアフターバーナ。
【請求項16】
前記層のスタックのインレット面又はアウトレット面を含まない前記アフターバーナの表面に隣接するハウジングを備え、前記ハウジングは、固体断熱材を含む、請求項1~請求項
15のいずれか一項に記載のアフターバーナ。
【請求項17】
請求項1~請求項
16のいずれか一項に記載の前記アフターバーナと、
前記アフターバーナのインレットと動作可能な流体連通をする燃料セルスタックと、を包含する、燃料セルユニット。
【請求項18】
前記アフターバーナの前記インレットが、前記燃料セルスタックと電気通信する電力調整コンポーネントと熱連通する、請求項
17に記載の燃料セルユニット。
【請求項19】
請求項1~請求項
16のいずれか一項に記載の前記アフターバーナと、
前記アフターバーナのインレットと動作可能な流体連通をする改質可能な燃料源と、を包含する、ヒーターユニット。
【請求項20】
請求項
17または
18に記載の前記燃料セルユニット及び/または請求項
19の前記ヒーターユニットを包含する、熱電併給システム。
【請求項21】
請求項1~請求項
16の何れか1項に記載のアフターバーナの前記非線形チャネルを通して、
汚染物質を包含する流体流を流すことと、及び
前記燃焼触媒を用いて前記
汚染物質を包含する流体流を少なくとも部分的に燃焼して、前記アフターバーナに入る前記流体流と比較して減少させた量の汚染物質を包含するアウトレット流体流を生成する及び/または熱を生成することと、を含む、流体流における汚染物質を減少させる方法。
【請求項22】
前記燃焼による熱を使用して、前記アフターバーナを通って燃料セルスタックのカソードに流れるカソード空気流を加熱することを含む、請求項
21に記載の方法。
【請求項23】
前記流体流が燃料セルスタックからのものであり、前記
層のスタックの前記インレットにおける前記圧縮性の、弾性耐熱材料が、前記燃料セルスタックの隣接する構造に接触する及び/またはそれによって圧縮される、請求項
21または
22に記載の方法。
【請求項24】
前記アフターバーナを通る圧力降下が、約1インチ以下の水である、請求項
21~請求項
23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
圧縮性の、弾性耐熱材料の層に少なくとも一つの開口を切り抜くことと、
それぞれの層を通り抜ける一つまたは複数の開口を各々が画定する複数個の層を作り出す前記切り抜き工程を繰り返すことと、
燃焼触媒を少なくとも一つの層の前記開口の少なくとも一つまたは複数の露出表面に結合させることと、
前記層のスタックを通り抜ける、前記開口により画定される非線形チャネルを形成するように前記複数個の層を積み重ねることと、ここで、前記燃焼触媒が、前記非線形チャネルの少なくとも一つの前記露出表面の少なくとも一部分に結合し、
前記複数個の層を固定して、請求項1~請求項
16の何れか1項に記載のアフターバーナを形成することと、を含む、アフターバーナを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本教示は、排気流などの流体における汚染物質を減少させるためのアフターバーナに関する。特に、本教示は、燃料セルスタックからの汚染物質を減少させるための燃料セルユニットまたは熱を発生させるためのヒーターユニットに組み入れることができる、圧縮性の、弾性耐熱材料を含むアフターバーナに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]アフターバーナは、通常、エンジン排気流及び燃料セル排気流を含む、様々な源からの排気流における汚染物質及び望ましくない成分を減少させるために使用される。
【0003】
[0003]実施例としての燃料セルの使用において、固体酸化物形燃料電池(「SOFC」)システムなどの燃料セルシステムからの排気を処理するための二つの従来の手法が存在する。第一の手法は、単純な燃焼である。そのような燃焼は、より良い熱伝達を提供し、汚染物質の量を減少させることができるが、(例えば、起動中及び停止中の)その燃焼範囲、システム安定性及び排出などで多少の不都合を有することがある。
【0004】
[0004]第二の一般的な手法は、起動及び停止におけるより優れた柔軟性を提供し、排出を減少させる触媒燃焼を使用する。そのような手法では、燃焼触媒は、一般的に、菫青石ハニカムなどの固体セラミック支持体において支持されるが、金属基板が支持体であっても良い。セラミック支持体での触媒は、いくつかの不都合を有する。例えば、燃料セル「アフターバーナ」に使用される固体セラミック支持体は、脆く、熱膨張に対する耐性が低く、比較的高い圧力降下を有し、(流速分布の欠落またはその質の悪さに起因して、一つのハニカムチャネルの燃焼比が別のハニカムチャネルのそれと実質的に異なる)チャネリングと呼ばれる現象を回避するために、使用済み燃料とカソード流との追加の予混合を必要とし、そして比較的高い熱質量を有することがある。
【0005】
[0005]これらの支持体が線形の燃料セルスタック設計に組み込まれるときには、その動作温度への燃料セルスタックの起動中に燃料セルスタックが膨張するにつれて、その脆弱性と組み合わされたセラミック支持体の固体性質が悪影響を及ぼすことがある。燃料セルパッケージの端が、事実上制約されることがあり、燃料セルスタックが耐熱断熱材及びセラミックアフターバーナ支持体よりも高い熱膨張を有する場合に、燃料セルスタックにおけるコンポーネント及びパッケージが、追加の応力を受けて設置され、繰り返しのサイクリング中に損傷を受けることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]故に、排気流、例えば、燃料セルスタックからの排気流における汚染物質を減少させる、アフターバーナの設計及び構成ならびに方法を改善する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]前述を踏まえて、本教示は、前に概説したものを含む、最先端技術のさまざまな欠陥及び/または欠点に対処できるアフターバーナ設計及び構成材料を提供する。本教示は、排気流などの、汚染物質を含有する流体において汚染物質を減少させる方法、ならびにアフターバーナの製造方法も提供する。
【0008】
[0008]より具体的には、本教示のアフターバーナは、他の隣接コンポーネント、例えば、燃料セルユニットの燃料セルスタックの熱膨張にアフターバーナが順応できるような、圧縮性の、弾性耐熱材料を含む。すなわち、その基部またはインレット面もしくは表面などの、アフターバーナの少なくとも一部を形成する耐熱材料の圧縮性及び弾性性質により、燃料セルスタックが燃料セルパッケージ内で膨張するときの前述の熱誘発性の応力を減少させることができる。耐熱材料の性質は、燃料セルスタックが燃料セルユニットパッケージ内で収縮するときに、コンポーネント間の効果的な密封も維持することにより、周囲に流れることを回避することができる。結果として、これらの特性は、燃料セルユニットの熱サイクリング中のコンポーネント故障の可能性を減少させることができる。その上、耐熱材料の柔軟な性質は、燃料セルユニット及び/または燃料セルシステム構成プロセスにおいて積み重なる公差の補正に役立ち得る。
【0009】
[0009]さらに、層を成すアフターバーナの構成は、アフターバーナ内部の燃焼プロセスの熱管理を助けるために、層のスタックにカスタマイズされた非線形チャネルを通すことが可能になる。すなわち、アフターバーナは、例えば、入って来るカソード空気を加熱するために及び/またはイグナイタから離れた非線形チャネル内部の触媒燃焼反応を開始させるために、熱を他のコンポーネント及び/または構造に伝達できるアフターバーナの特定の区域に、熱、例えば、燃焼による熱を導くことができる、圧縮性の、弾性耐熱材料を通る非線形または蛇行性のチャネルを含む。
【0010】
[0010]より具体的には、燃料セルシステムでは、アフターバーナを通り抜ける一つまたは複数 のカソード空気コンジットが存在し得、そこでアフターバーナ内部の燃焼による熱をカソード空気コンジットと熱連通する非線形チャネルで導くことによって、燃焼による熱を入って来るカソード空気に伝達することができる。そのような場合では、非線形チャネルは、アフターバーナを横切って(例えば、横方向にまたは水平方向に、またはインレット面または表面からアウトレットへの排気の大まかな流れと垂直に)通行し、カソード空気コンジットと熱連通する一部分を含むことができる。チャネルの少なくとも一部分がアフターバーナを横切って通行する非線形チャネルを有するアフターバーナは、アフターバーナを通る流体の流れを、均等にかつ/またはより均一に分散することもできる。
【0011】
[0011]加えて、非線形または蛇行性のチャネルは、直線または線形チャネルと比較して、触媒が存在する表面領域を増大するように設計及び構成することができる。非線形または蛇行性のチャネルは、アフターバーナ内で混合される及びそこを通り抜ける排気流/反応物質(複数可)も増大するように設計できる。
【0012】
[0012]本教示のアフターバーナの構成は、燃焼触媒などの触媒の制御及び排気流と直接接触するチャネルの露出表面のみへの局所堆積を可能にする。すなわち、本教示のアフターバーナは、通常、アルミナ及び/またはシリカ繊維フェルトまたは紙などの、圧縮性の、弾性耐熱材料のいくつかの層で製造される。例えば、レーザ切断またはダイス切断によって、各層に種々の穴部または開口パターンを作り出すことができる。次に、層を、互いの上部に連続的に積み重ねて、圧縮性の、弾性耐熱材料の積み重ねられた層を通り抜ける非線形または蛇行性のチャネルを作り出すことができる。ただし、積み重ねる前に、触媒を、例えば、塗布またはコーティングして、排気流と直接接触する穴部または開口の露出面または表面に結合させることによって、触媒充填を限定及び費用低減を実現することができ得る。
【0013】
[0013]触媒充填(量)及び/または組成の勾配は、通常、アフターバーナのインレットからアウトレットに、非線形または蛇行性のチャネルを通る流体の流れの垂直方向に沿って存在し得る。すなわち、アフターバーナの層状構造の構成は、層のスタックの内層または中心層では充填触媒が高く、その一方で、外層では触媒をほとんどまたは全く含まないような、アフターバーナのチャネルに効果的な勾配を作り出すことが可能である。アフターバーナの各層が独立して触媒と結合できるので、非線形または蛇行性のチャネルにおける触媒の量及び種類の制御を容易に実現することができる。
【0014】
[0014]例えば、触媒燃焼反応を開始するためのイグナイタ付近において、そのような一つまたは複数の層のチャネルは、より高いパーセンテージの白金などの高反応性の触媒を有する触媒充填を含むことができる。層のスタックの他の層、特に、燃焼反応が開始されたところから下流の層は、ペロブスカイトベースの触媒などのあまり高価でない及び/または反応性が低い触媒を含むことができる。そのような設計では、主要な「ホットスポット(複数可)」の位置及び/または温度を制御し、触媒を劣化及び/または揮発し得る過度の温度を回避することができる。加えて、触媒充填及び/または組成のグレーディングは、動作中の燃料組成の変化に起因するような、排気流の変化を考慮することができる。
【0015】
[0015]本教示の別の利点は、圧縮性の、弾性耐熱材料の断熱特性を含むことができることである。圧縮性の、弾性耐熱材料は、アフターバーナからの熱損失を減少させることができるような、良好な断熱材材料となる傾向がある。燃料セルユニットに関しては、アフターバーナから熱損失を減少させることによって、燃料セルスタックから負荷が引き出されるときなどにおいて、より低い燃料流量ならびに増大した排気流量で連続して燃焼する良好な反応速度をもたらすことができる。
【0016】
[0016]故に、一態様において、本教示は、排気流または他の汚染物質含有流における汚染物質を減少させるためのアフターバーナを提供する。アフターバーナは、通常、圧縮性の、弾性耐熱材料を含む基板を含む。基板は、基板のインレットから基板のアウトレットまでそこを通り抜ける非線形または蛇行性のチャネルを画定する。例えば、いくつかの実施形態において、非線形または蛇行性のチャネルは、アフターバーナのインレットからアフターバーナのアウトレットへの排気流などの流体の流れ(複数可)と垂直の方向に基板を横切る長さの約50%よりも長く延在する。
【0017】
[0017]燃焼触媒などの触媒は、非線形チャネルに沿って基板の露出表面の一部分に結合することができる。特定の実施形態において、非線形チャネルに沿って基板に存在する燃焼触媒の量は、基板のインレットから基板のアウトレットまでの一つまたは複数の勾配を含む。
【0018】
[0018]さまざまな実施形態において、アフターバーナは、圧縮性の、弾性耐熱材料の層のスタックであっても良い。アフターバーナは、アフターバーナの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面に隣接する固体断熱材材料を含むことができる。アフターバーナは、イグナイタ及び/または熱センサアセンブリを含むことができる。
【0019】
[0019]アフターバーナは、燃料セルユニット及び/または燃料セルシステムのコンポーネントであっても良い。そのような場合では、アフターバーナは、燃料セルユニットまたはシステムの燃料セルスタックと動作可能な流体連通をすることができる。例えば、アフターバーナのインレットは、燃料セルスタックのアウトレット及び/または燃料セルスタックからの排気流と(動作可能な)流体連通をすることができる。
【0020】
[0020]アフターバーナは、ヒーターユニットまたは熱電併給システムのコンポーネントであっても良い。ヒーターユニットのアフターバーナは、熱電併給システムと独立しても良いし、その一部であっても良く、改質可能な燃料または別の可燃燃料の源と動作可能な流体連通をすることができる。例えば、改質可能な(または、他の可燃)燃料源は、アフターバーナの層のスタックのインレット及び/またはアフターバーナのインレットと動作可能な流体連通をすることができる。
【0021】
[0021]別の態様において、本教示は、流体流における汚染物質及び/または発生した熱を減少させる方法を含む。方法は、通常、汚染物質を含む流体及び/または改質可能な燃料をアフターバーナの非線形チャネルを通して流すことと、燃焼触媒を用いて、汚染物質及び/または改質可能な燃料を含む流体を少なくとも部分的に燃焼して、アフターバーナに入る流体と比較して、減少させた量の汚染物質を有するアウトレット流体流を生成する及び/または熱を生成することと、を含む。アフターバーナは、本教示の任意のアフターバーナであっても良い。例えば、アフターバーナは、通常、アフターバーナのインレットからアフターバーナのアウトレットまでの非線形チャネルを画定し、積み重ねられた層に存在する、圧縮性の、弾性耐熱材料を含む。アフターバーナは、非線形チャネルの露出表面の少なくとも一部分に結合する燃焼触媒も含む。
【0022】
[0022]本教示の方法は、燃焼による熱を使用して、アフターバーナを通って流れるカソード空気流を加熱することを含むことができる。方法は、非線形チャネルに存在する燃焼触媒の量の勾配を使用して、汚染物質を含む流体の燃焼及び関連する熱の発生を制御することを含むことができる。本教示の方法の実践において、アフターバーナを通る圧力降下は、1インチ以下の水にすることができる。
【0023】
[0023]なおも別の態様において、本教示は、アフターバーナの製造方法を提供する。アフターバーナの製造方法は、通常、圧縮性の、弾性耐熱材料の層に少なくとも一つの開口を切り抜くことと、それぞれの層を通り抜ける一つまたは複数の開口を各々が画定する複数個の層を作り出す切り抜き工程を繰り返すことと、燃焼触媒を少なくとも一つの層の開口の少なくとも一つまたは複数の露出表面に結合させることと、非線形チャネルの少なくとも一つの露出表面の少なくとも一部分に燃焼触媒が結合する、層のスタックを通り抜ける非線形チャネルを形成するように複数個の層を積み重ねることと、及び複数個の層を固定してアフターバーナを形成することと、を含む。
【0024】
[0024]アフターバーナの製造方法は、固体断熱材を用いて、層のスタックの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面の周囲の及び/またはアフターバーナの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面を取り囲む耐熱材料を覆うことを含むことができる。方法は、例えば、任意のバインダ材料及び/または有機材料を焼き払うように炉内で加熱することによって、圧縮性の、弾性耐熱材料の層に存在するそのような材料を除去することも含むことができる。
【0025】
[0025]本教示の前述のならびに他の特徴及び利点は、以下の図面、記載、実施例、及び特許請求の範囲からより完全に理解される。
【0026】
[0026]下記の図面が単に例証目的のものであることを理解すべきである。同様の数字は、通常、同様の部分を指す。図面は、必ずしも原寸に比例してなく、通常、本教示の原理を例証するように強調される。図面は、決して本教示の範囲を限定するようには意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】[0027]本教示のアフターバーナの実施形態の斜視図の概略図である。
【
図1B-1E】[0028]
図1Aに示すようなアフターバーナの実施形態の個々の層の上面図の概略図である。
【
図2A】[0029]
図1Aに示す実施形態に類似する、本教示のアフターバーナの実施形態の斜視図の概略図である。
【
図2B】[0030]線2B-2Bに沿うまたはそこを通り抜ける垂直面である断面の、
図2Aの実施形態の断面図の概略図である。
【
図2C】[0031]線2C-2Cに沿うまたはそこを通り抜ける垂直面である断面の、
図2Aの実施形態の断面図の概略図である。
【
図2D】[0032]線2D-2Dに沿うまたはそこを通り抜ける垂直面である断面の、
図2Aの実施形態の断面図の概略図である。
【
図3A-3B】[0033]各々、本教示のアフターバーナの少なくとも一部分を形成する層のスタックのうちの一つの層であり得る、耐熱材料の層の実施形態の上面図の概略図である。
【
図4】[0034]層のスタックの各層に存在する触媒充填の例示となる量を指し示す、本教示のアフターバーナの実施形態の斜視図の概略図である。
【
図5】[0035]層のスタックの層の縁が、
図1Aの層のスタックと比較して90°の角度に方向付けられた、本教示のアフターバーナの実施形態の斜視図の概略図である。
【
図6】[0036]アフターバーナの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面において固体断熱材のハウジング内に位置付けられた、本教示のアフターバーナの実施形態の斜視図の概略図である。
【
図7A-7B】[0037]本教示のアフターバーナを含有する燃料セルユニットを含む燃料セルシステムの実施形態の側面断面図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0038]そこを通り抜ける非線形または蛇行性の触媒含有チャネルを画定する圧縮性の、弾性耐熱材料が、燃料セルスタックからの排気流などの流体流における汚染物質を減少させるためのアフターバーナとして使用できることがここで見出された。
【0029】
[0039]より具体的には、本教示は、有利にも、その中の燃焼反応(複数可)によって発生した熱を制御する及び導いて、燃焼触媒の劣化を回避し、コンポーネントである、アフターバーナ及び/またはシステムの熱管理を助けるさまざまな形態及び特徴をもつアフターバーナを提供する。圧縮性の、弾性耐熱材料は、アフターバーナ及びその関連システムの熱管理をさらに助けるような、アフターバーナからの熱損失を減少させることも助けることができる。
【0030】
[0040]本教示のアフターバーナの設計及び構成は、さまざまな組み合わせにおいて、本明細書に記載した特徴の多くの利用を可能にし、燃料セルユニット及びシステム全体のフットプリントまたはパッケージを縮小できる。例えば、非線形または蛇行性のアフターバーナのチャネルに沿って、燃焼触媒充填用に増大させた表面領域は、アフターバーナに、所望の容積貫流または出力用の容積をより小さくすることを可能にする。より小さい容積とは、特に、そのようなユニット及び/またはシステムが、モジュラー互換性のあるシステムにおいてそのようなユニットを容易に拡張する及び/または置き換えるためのモジュラーユニットとして設計された場合に、燃料セルユニット、燃料セルシステムまたは熱電併給(「CHP」)システムなどのその関連システムのためのより小さいフットプリントであると解釈することができる。
【0031】
[0041]その上、本教示のアフターバーナの圧縮性及び弾性特性は、アフターバーナを、燃料セルスタックなどの隣接する排気発生コンポーネントの熱サイクリングならびに関連する膨張及び収縮に順応させることを可能にする。換言すれば、そのような特性は、熱サイクリングによって多くの場合に作り出される通常の熱応力の発生及び周囲への流れを緩和または回避することができる。
【0032】
[0042]本教示のアフターバーナと方法は、適合しており、それぞれ、汚染物質を減少させるための任意の触媒及び/または燃焼関連プロセスを用いて実践できることを理解すべきである。しかしながら、記載は、燃料セルユニット、燃料セルシステム及びCHPシステム、ならびにそのようなユニット及びシステムに適切なアフターバーナに焦点を当てている。
【0033】
[0043]本願全体を通して、組成が特定の成分を有する、含むまたは包含するものとして記載される場合、またはプロセスが特定のプロセス工程を有する、含むまたは包含するものとして記載される場合には、本教示の組成が、本質的に列挙したコンポーネントからなる、または列挙したコンポーネントからなる、そして本教示のプロセスが、本質的に列挙したプロセス工程からなる、または列挙したプロセス工程からなることが企図される。
【0034】
[0044]本願において、構成要素またはコンポーネントが列挙した構成要素またはコンポーネントのリストに含まれる及び/またはそれから選択されたと言われる場合には、構成要素またはコンポーネントが、列挙した構成要素またはコンポーネントの任意の一つであっても良いし、または構成要素またはコンポーネントを、列挙した構成要素またはコンポーネントの二つ以上からなる群から選択しても良いことを理解すべきである。
【0035】
[0045]さらに、本明細書に明示または暗示されているかに関わらず、本教示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載した組成、装置または方法の構成要素及び/または特徴を様々な様式において組み合わせることができることを理解すべきである。例えば、特定の構造が参照される場合には、文脈から他の様に理解されない限り、本教示の装置のさまざまな実施形態において及び/または本教示の方法においてその構造を使用できる。換言すれば、本願内において、実施形態は、書く及び描くことができる明快かつ簡潔な適用を可能にする様式において記載及び描写されているが、本教示及び本発明(複数可)から離れることなく、実施形態をさまざまに組み合わせるまたは分離することができることが意図及び認識される。例えば、本明細書に記載及び描写されたすべての特徴が、本明細書に記載及び描写された本発明(複数可)のすべての態様に適用可能であることが認識される。
【0036】
[0046]文脈及び使用から他の様に理解されない限り、「の少なくとも一つ」との表現が、個々に、表現後の列挙した対象の各々、及び列挙した対象の二つ以上のさまざまな組み合わせを含むことを理解すべきである。三つ以上の列挙した対象に関する「及び/または」との表現は、文脈から他の様に理解されない限り、同じ意味を有するものと理解すべきである。
【0037】
[0047]その文法的均等物を含む、「を含む」、「を含む(三人称単数)」、「を含んでいる」、「を有する」、「を有する(三人称単数)」、「を有している」、「を含有する」、「を含有する(三人称単数)」、または「を含有している」との用語の使用は、文脈から他の様に具体的に記載または理解されない限り、通常、例えば、追加の列挙しない構成要素または工程を排除しない、オープンエンドの、非限定的なものとして理解すべきである。
【0038】
[0048]本明細書の単数形の使用、例えば、「a」、「an」及び「the」は、他の様に具体的に記載されない限り、複数形を含む(逆もまた同様)。
【0039】
[0049]「約」という用語を量的な値の前に使用する場合には、他の様に具体的に記載されない限り、本教示は、特定の量的な値それ自体も含む。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、他の様に示されないまたは暗示されない限り、公称値から±10%の変動値を指す。
【0040】
[0050]パーセンテージが構造または組成における成分または材料の量に関して提供される場合には、文脈から他の様に記載または理解されない限り、パーセンテージは、重量に基づくパーセンテージであると理解すべきである。
【0041】
[0051]分子量が提供され、例えば、ポリマーの絶対値ではない場合には、文脈から他の様に記載または理解されない限り、分子量は、平均分子重量であると理解すべきである。
【0042】
[0052]工程の順序または特定のアクションを実行するための順序は、本教示が動作可能である限り、重要でないことを理解すべきである。その上、二つ以上の工程またはアクションを同時に実施することができる。
【0043】
[0053]本明細書におけるさまざまな箇所において、値は、群または範囲において開示される。具体的には、記載は、そのような群及び範囲の要素のあらゆる個々のサブコンビネーション及びそのような群または範囲のさまざまな端点の任意の組み合わせを含むことが意図される。例えば、0~40の範囲における整数値は、具体的に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39及び40を一つ一つ開示することが意図され、そして1~20の範囲における整数値は、具体的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19及び20を一つ一つ開示することが意図される。
【0044】
[0054]本明細書における任意の及びすべての実施例、または例示となる言葉、例えば、「など」または「を含んでいる」の使用は、主張されない限り、単により良い本教示を例証することが意図され、本発明の範囲における限定は提示しない。本明細書におけるいかなる言葉も、本教示の実践に不可欠なものとして任意の主張されない構成要素を示すものとは解釈すべきではない。
【0045】
[0055]「上位」、「下位」、「上部」、「下部」、「水平」、「垂直」及び同類のものなどの、空間的方向または高度を指し示す用語及び表現は、それらの文脈上の用法が他の様に示さない限り、構造上の、機能上のまたは動作上の意義を全く有さず、単に、添付の図面の特定のものにおいて例証できる本教示の装置、デバイス、コンポーネント及び/または特徴のさまざまな見方の適宜選ばれた方向付けを反映するものとして本明細書において理解される。
【0046】
[0056]本明細書で使用される場合、「燃料セルスタック」は、水素または電気化学的に酸化できる種を電気に変換する電気化学反応が起こる、燃料セルユニットまたは燃料セルシステムのコンポーネントを指す。燃料セルスタックは、多くの場合に層に形成されるアノード、カソード及び電解質を含む。動作中、例えば、本教示の改質器及び/または流体混合デバイスから燃料セルスタックに入る改質油の水素及び任意の他の電気化学的に酸化できる成分(複数可)は、燃料セルスタックのアノード層内の酸素陰イオンと結合して、水及び/または二酸化炭素ならびに電子を生成する。アノード層内で発生した電子は、外部負荷を通して移動し、酸素が電子と結合するカソード層に戻り、電解質層及びアノード層を選択的に通り抜ける酸素陰イオンを提供する。
【0047】
[0057]本明細書で使用される場合、「燃料セルユニット」は、通常、燃料セルスタックと動作可能な流体連通をする改質器、燃料セルスタック、及び燃料セルスタックからの排気と動作可能な流体連通をするアフターバーナを指す。燃料セルユニットは、改質器及び/または燃料セルスタックのインレットと気化器のアウトレットが動作可能な流体連通をする気化器を含むことができる。燃料セルユニットは、さまざまな弁アセンブリ、センサアセンブリ、コンジット、及びそのようなユニットに関連する他のコンポーネントを含むことができる。「燃料セルシステム」は、通常、燃料セルユニット及びバランスオブプラントを指す。燃料セルシステムは、多くの場合、複数個の燃料セルユニットを含む。複数個の燃料セルユニットは、バランスオブプラントを共用することができる。しかしながら、文脈が他の様に記載しない限り、「燃料セルユニット」と「燃料セルシステム」とを、本明細書において置き換え可能に使用できることを理解すべきである。その上、公知の及び従来の燃料セルは、リン酸形燃料電池(PAFC)、アルカリ形燃料電池(AFC)、ポリマー電解質膜(または、プロトン交換膜)燃料電池(PEMFC)、及び固体酸化物形燃料電池(SOFC)を含む様々な種類及び形態として供給される。
【0048】
[0058]本明細書で使用される場合、「熱電併給システム」または「CHPシステム」は、通常、電気及び使用可能な熱を発生させるシステムを指す。CHPシステムは、電気を発生させ、その際に、廃熱として捨てるのではなく、様々な様式において獲得及び使用できる熱を生成することができる。特定の種類の燃料セルシステムは、改質、電気化学及び他の化学反応が熱を発生させるか、すなわち、発熱に応じて、CHPシステムであっても良い。そのようなシステムでは、熱出力は、一般的に、燃料セルユニット(複数可)の電気出力に依存する。CHPシステムは、一つまたは複数の燃料セルユニットを含むことができる。CHPシステムは、一つまたは複数のヒーターユニットが組み込まれた一つまたは複数の燃料セルユニット、及びバランスオブプラントを含むことができる。一つまたは複数のヒーターユニットが存在するそのようなシステムでは、熱出力は、電気出力から独立することができる。従って、そのようなCHPシステムは、所望のレベルにおける、熱出力のみ、電気出力のみ、または熱出力と電気出力との両方、を提供することができる。
【0049】
[0059]そのようなものとして、本明細書に記載したような本教示のアフターバーナを含む燃料セルシステムは、燃料セルユニット及びヒーターユニットが含まれるCHPシステムとしても動作することができる。ヒーターユニットは、一貫した熱出力の維持を助ける触媒燃焼装置として想定され、従って、本教示のアフターバーナを含むことができる。すなわち、燃料セルユニットと同様に、ヒーターユニットは、例えば、本教示のアフターバーナを使用して、(例えば、層のスタックのインレット及び/またはアフターバーナのインレットと流体連通する、(改質可能なまたは他の可燃)燃料源からの)ガス状の改質可能な燃料を、電気を生成せずに熱に変換することができる。燃料セルと併せたヒーターの使用によって、熱出力をCHPシステムの電気出力から分離することができる。燃料セルユニットとヒーターユニットとは、ユーザインターフェースを通して独立して動作させることができ、所望の出力レベルのみの熱出力、追加の熱出力を用いずに電力、または追加の熱出力を用いて所望の出力レベルにおける電気出力を生成することができる。故に、必要に応じて所望のバランスを維持するようにシステムのさまざまなコンポーネントを動作及び調節できるので、CHPシステムを用いてより一貫した熱及び電力出力を実現することができる。
【0050】
[0060]本明細書で使用される場合、「と動作可能な流体連通をする」は、コンポーネント及び/または構造が動作または活動状態または位置にあるときの、さまざまなコンポーネント及び/または構造間の流体連通を指す。しかしながら、流体連通は、コンポーネント及び/または構造が動作不能または不活動状態または位置にあるときには、遮断することができる。動作可能な流体連通は、コンポーネント及び/または構造間に位置付けられた弁アセンブリによって制御することができる。例えば、Aが弁アセンブリを通じてBと動作可能な流体連通をする場合には、流体は、弁アセンブリが「開いている」ときにAからBに流れるまたは供給することができ、それによってAとBとの間の流体連通が可能になる。しかしながら、AとBとの間の流体連通は、弁アセンブリが「閉じている」ときに遮断または停止することができる。換言すれば、弁アセンブリは、AとBとの間の流体連通を提供するように操作可能である。流体連通が、さまざまな程度及び流体の流量ならびに関連特性を含むことができることを理解すべきである。例えば、完全に開いた弁アセンブリは、部分的に閉じたときにも、コンポーネント及び/または構造間の流体連通を提供することができる。しかしながら、流量などの流体の流れ特性は、弁アセンブリの種々の位置によって影響を受けることがある。本明細書で使用される場合、「と動作可能な流体連通をする」と「と流体連通する」とは、文脈が他の様に記載しない限り、置き換え可能に使用することができる。
【0051】
[0061]本明細書で使用される場合、「と熱連通する」は、コンポーネント及び/または構造間で熱伝達が起こることができる、さまざまなコンポーネント及び/または構造間の熱連通を指す。一般的に熱連通するコンポーネント及び構造は、熱連通を保持するが、例えば、コンポーネント及び/または構造への加熱された流体の流れを停止して、またはコンポーネント及び/または構造間に断熱障壁または構造を設置して熱連通を遮断できる場合には、「と動作可能な流体連通をする」の表現及び意味と同様に、「と動作可能な熱連通をする」が、より適切な表現であり得る。しかしながら、本明細書で使用される場合、「と熱連通する」と「と動作可能な熱連通をする」とは、文脈が他の様に記載しない限り、置き換え可能に使用することができる。
【0052】
[0062]文法的均等物ならびに同等の表現及び言葉を含み、本明細書で使用される場合、流体の「流れを制御する」、「供給を制御する」、「流れを調節する」及び「供給を調節する」は、流体の流れまたは供給を増大する、流体の流れまたは供給を減らす、実質的に一定の流体の流れまたは供給を維持する、及び/または流体の流れまたは供給を遮断または停止することができることである。
【0053】
[0063]同様に、文法的均等物ならびに同等の表現及び言葉を含み、「圧力を制御する」及び「圧力を調節する」は、圧力を増大する、圧力を減らす、実質的に一定の圧力を維持する、及び/または圧力を遮断または停止することができることである。多くの状況において、「流れを制御する」及び「流れを調節する」ことによって、「圧力を制御する」及び「圧力を調節する」ことができる、そして逆もまた同様であることを理解すべきである。加えて、(文法的均等物ならびに同等の表現及び言葉を含み)、燃料セルユニット、ヒーターユニット、燃料セルシステム、またはCHPシステムのコンポーネント、例えば、弁アセンブリまたは正のガス圧力源を「制御している」、「調節している」及び「操作している」は、前述のような同じ変化及び/または定常動作をもたらすことができる。
【0054】
[0064]本明細書で使用される場合、「弁アセンブリ」は、コンポーネント及び/または構造間の流体連通及び流体の流れ特性、例えば、液熱交換プレートまたはジャケットを通り抜ける、改質器または熱交換液体の流れへの改質可能な燃料の供給を共に監視及び/または制御できる一つまたは複数の構造を指す。弁アセンブリは、単一弁であっても良いし、複数個の弁及び関連構造を含んでも良い。この特定の構造は、直列であっても良い。弁アセンブリは、圧力計測アセンブリであっても良いし、それを含んでも良い。例えば、弁アセンブリは、計測弁であっても良いし、それを含んでも良く、それによって、流体の流れ及び供給のデジタル制御が可能になる。弁アセンブリは、ピッコロ配置における、例えば、各々が比例弁に関連するひと続きのオリフィスであっても良いし、それを含んでも良い。弁アセンブリは、比例電磁弁などの比例弁、またはひと続きの比例電磁弁などのひと続きの比例弁を含むことができる。弁アセンブリは、電磁弁などのオン・オフ弁、またはひと続きのオン・オフ弁、例えば、ひと続きのオン・オフ電磁弁を含むことができる。弁アセンブリは、三方弁、ひと続きの三方弁、逆止弁、ひと続きの逆止弁、オリフィス、ひと続きのオリフィス、及びそれらの組み合わせ、ならびに本明細書に記載した他の弁及び弁アセンブリを含むことができる。この特定の弁及び弁アセンブリは、直列であっても良い。構造またはコンポーネントが直列に示される場合には、コンポーネントは、並直列であっても良いし、順次連続(例えば、同一線上)であっても良い。
【0055】
[0065]本明細書で使用される場合、「センサアセンブリ」は、任意の適切なセンサもしくは検知デバイス、または監視、測定及び/または決定される動作パラメータ(複数可)に関するセンサもしくは検知デバイスの組み合わせを指す。例えば、燃料流量は、任意の適切な流量計を用いて監視でき、圧力は、任意の適切な圧力検知または圧力調整デバイスを用いて監視でき、そして温度は、任意の適切な温度センサを用いて監視できる。従って、センサデバイスの実施例は、流量計、圧力計、サーモカップル、サーミスタ、及び抵抗温度検出器を含む。センサまたは検知デバイスは、バランス、バネスケールなどの計量スケール、または対象の重量を監視、測定及び/または決定するための他のデバイスを含むことができる。センサアセンブリは、選択的に、制御装置と通信する変換器を含むことができる。
【0056】
[0066]図面に描写した例示となる燃料セルシステムは、さまざまなコンジット、例えば、カソード空気供給コンジット、アノード反応物質供給コンジット、アフターバーナ排気コンジット、及び同類のものを含む。本教示の燃料セルシステムまたはCHPシステムは、燃料セルまたはCHPシステムのコンポーネント間またはそれらの中の動作可能な流体連通を提供するように位置付けられた複数個のコンジット、例えば、二つ以上のコンジットを含むことができる。複数個のコンジットは、燃料セルユニットもしくは燃料セルまたはCHPシステムと、例えば、気化器及び/または改質可能な燃料源などの、燃料セルまたはCHPシステムに共通のコンポーネントとをも連結することができる。すなわち、燃料セルまたはCHPシステムのコンポーネントならびに周辺コンポーネント及びデバイスを含む本教示の方法は、コンポーネント、例えば、気化器、(炭化水素燃料)改質器、ならびに弁アセンブリ、ポンプ及びセンサアセンブリなどの関連機器に接続またはリンクするコンジットを含むことができる。これらのコンポーネント及び他のものの各々は、コンポーネント間に確立される流体連通、例えば、動作可能な流体連通を可能にするインレット、アウトレット及びポートの一つまたは複数を含むことができる。コンジットが、それに関連する他のコンポーネント及びデバイス、例えば、弁アセンブリ、ポンプ、正のガス圧力源及びセンサアセンブリを含むことができることも理解すべきである。
【0057】
[0067]コンジットまたはコンジットシステムは、多くの要因、例えば、特定の用途、改質可能な燃料、及び燃料セルまたはCHPシステム全体のフットプリントサイズに応じて、多くの特定の設計、形態、配置及び接続を有することができる。故に、本明細書に記載する及び/または示すコンジットシステムは、単に例証目的のものであり、決して本教示を限定することは意味しない。その上、二つ以上のコンジットが、一つまたは複数のコンポーネント、例えば、弁アセンブリ及び改質可能な燃料源と接続、連結または他の様に接合するものとして記載できる場合には、単一コンジットも、弁アセンブリなどのコンポーネントが、単一コンジットと「一直線にある」、「内部に据えられる」または「関連する」として記載できる場合に、同じ設計及び/または目的を達成すると想定できる。加えて、二つ以上のコンポーネントまたは構造を「連結する」、「接続する」または他の様に接合することは、一つのコンポーネントまたは構造が、別のコンポーネントまたは構造と直接的にまたは間接的に連結、接続または接合されることを意味することができる。
【0058】
[0068]コンジットは、流体を搬送するためのダクト、例えば、チャネル、チューブまたは通路であっても良い。例えば、排気コンジットを使用して、排気流体を燃料セルユニットから離すように、例えば、アフターバーナから、熱的に遮蔽された区域もしくは熱的に調整された区域内またはそのような区域の外側もしくは外部であり得る燃料セルユニットの外部に運ぶまたは供給することができる。コンジットは、流体を収集及び/または分散するのに使用される多数のインレット及び/またはアウトレットをもつマニホールド、例えば、チャンバ、パイプまたはダクトであっても良い。本明細書で使用される場合、「共有コンジット」は、通常、特定の位置への及び/またはそこからの流体供給のための複数ポートをもつコンジットを指す。
【0059】
[0069]本教示の燃料セルユニット、燃料セルシステム、ヒーターユニット及びCHPシステムは、個々のユニット、そのコンポーネント及び/またはシステム全体の動作を自動化するための制御システムを含むことができる。制御システムは、個々の燃料セルユニットまたはヒーターユニット、気化器、改質器、燃料セルスタック及びアフターバーナなどのその一つまたは複数のコンポーネント、燃料セルシステムまたはCHPシステム、ならびにバランスオブプラント、例えば、正のガス圧力源及び/または酸素含有ガス源などのその一つまたは複数のコンポーネント、の動作を監視、制御及び/または調節するための、制御コンポーネント、例えば、制御電子機器、アクチュエータ、弁アセンブリ、センサアセンブリ、ならびに他の構造及びデバイスを含むことができる。
【0060】
[0070]制御システムは、さまざまな制御コンポーネントならびに各燃料セルユニット及び/またはヒーターユニットのコンポーネントと通信できる制御装置を含むことができる。制御システム及び/または制御装置は、燃料セルユニットまたはヒーターユニットの個々のコンポーネントを通る、個々の燃料セルユニットまたはヒーターユニットを通る、及び燃料セルシステムまたはCHPシステムを通る流体(例えば、改質可能な燃料、酸素含有ガス及び蒸気などの液体及び気体反応物質、温度調整空気、放射された加熱空気及びカソード空気などの空気、排気流、及び熱交換液体)の流路を監視及び論理的に制御することができる。換言すれば、制御システムを使用する燃料セルシステムまたはCHPシステムでは、カスタム流体回路を得ることができる。
【0061】
[0071]本教示の特定の方法では、一つまたは複数の動作しているアフターバーナから発生した加熱された流体流を、燃料セルまたはCHPシステムに新たに連結された燃料セルユニットなどの「低温」燃料セルユニットに転用することで、「低温」燃料セルユニットの起動を促進することができる。すなわち、動作しているアフターバーナからの加熱された流体流を、起動モードの間に、「低温パッケージ」に導いてまたは部分的に転用して、燃料セルユニットのさまざまなコンポーネント、例えば、改質器、燃料セルスタック及びアフターバーナの一つまたは複数の加熱を助けることができる。動作しているアフターバーナからの熱の使用によって、例えば、燃料セルユニットの一つまたは複数のコンポーネント内の触媒活性の開始を助けて、低温燃料セルユニットの起動時間を短縮することができる。
【0062】
[0072]前述から推定できるように、燃料セルユニットは、燃料セルユニット内の動作を通信及び制御するように構成または適応できる燃料セルユニット制御コンポーネントを含むことができる。燃料セルまたはCHPシステムは、それぞれ、存在する場合に、個々の燃料セルユニット及びヒーターユニット間で通信する、及び燃料セルまたはCHPシステムの動作を制御するように構成または適応できる燃料セルシステム制御コンポーネントまたはCHPシステム制御コンポーネントを含むことができる。燃料セルシステム制御コンポーネント及びCHPシステム制御コンポーネントは、存在する場合に、個々の燃料セルユニット及びヒーターユニットと通信できる。
【0063】
[0073]制御システムは、制御装置と通信する一つまたは複数のセンサまたはセンサアセンブリを含むことができる。センサアセンブリからの入力信号、ユーザ入力デバイスからのユーザコマンドならびに/またはプログラムされたサブルーチン及びコマンドシーケンスに応答して、制御装置は、一つまたは複数の燃料セルユニット及び/もしくはヒーターユニットの動作、または燃料セル全体もしくはCHPシステム全体の動作を独立して管理することができる。制御装置は、プロセッサで動作するソフトウェアであっても良い。しかしながら、一つまたは複数のデジタル回路もしくはアナログ回路、またはそれらの組み合わせに実装される制御装置を利用することも本教示の範囲内にある。
【0064】
[0074]センサアセンブリは、必須ではないが、制御装置と通信する変換器を含むことができる。通信経路は、普通は、有線電気信号であるが、任意の他の適切な形態の通信経路も利用することができる。すなわち、本明細書のセンサアセンブリ、制御信号受信デバイス及び通信経路は、任意の適切な構成であっても良い。ブルートゥース接続などの無線通信経路を使用することができる。無線通信経路(複数可)は、ネットワークノードを接続するための無線データ接続を使用する無線ネットワークの一部であっても良い。有線通信経路と無線通信経路との組み合わせを使用できる。
【0065】
[0075]燃料セルユニットは、一般的に、燃料セルスタックの電気出力を、燃料セルユニットの調整された電気出力に変換するように構成または適応できる電力調整コンポーネントを含む。電力処理コンポーネントまたは電力管理コンポーネントと呼ばれることもある電力調整コンポーネントは、電流を燃料セルスタックから離すように運び、燃料セルユニット外部に供給できる電流収集プレート及び/またはバスバーを含むことができる。電力調整コンポーネントは、一般的に、電気が発生する燃料セルスタックの近接に位置する。そのようなものとして、電力調整コンポーネントは、燃料セルスタック及び燃料セルユニットの高い動作温度に曝されることがある。それでもなお、燃料セルユニットに隣接するまたはその周囲にある、及び/または少なくとも電力調整コンポーネントに隣接する液体熱交換プレートまたはジャケットなどを使用した、そのようなコンポーネントからの熱伝達により、電気抵抗損失を減少させることができる。
【0066】
[0076]文法的均等物及び同等の表現または言葉を含み、本明細書で使用される場合、流体、排気流などの流体流または多成分混合物もしくは流内のまたはその「汚染物質を減少させる」、「汚染物質の量を減少させる」、「汚染物質のレベルを減少させる」、または「汚染物質の含有量を減少させる」は、流体、流体流または多成分混合物における汚染物質または望ましくない化合物もしくは成分が、元々の流体、元々の排気流などの元々の流体流または元々の多成分混合物におけるその濃度または存在量から減った、希薄になったまたは他の様に乏しくなった、(生成物)流体、(生成物)流体流または(生成物)多成分混合物を提供するまたは製造するプロセスを包含することが意図される。
【0067】
[0077]同様に、文法的均等物及び同等の表現または言葉を含み、汚染物質または望ましくない化合物もしくは成分の「減少した量」、「減少したレベル」または「減少した含有量」を有する流体、排気流などの流体流または多成分混合物は、流体、流体流または多成分混合物における汚染物質または望ましくない化合物もしくは成分が、元々の流体、元々の排気流などの元々の流体流または元々の多成分混合物におけるその濃度または存在量から減った、希薄になったまたは他の様に乏しくなった、(生成物)流体、(生成物)排気流などの(生成物)流体流または(生成物)多成分混合物を包含することが意図される。
【0068】
[0078]流体、排気流などの流体流または多成分混合物内のまたはその汚染物質の減少、量の減少、レベルの減少、及び含有量の減少、及び汚染物質または望ましくない化合物もしくは成分の減少した量、減少したレベル及び減少した含有量は、一つまたは複数の汚染物質または望ましくない化合物もしくは成分の存在が、元々の流体、元々の排気流などの元々の流体流または元々の多成分混合物におけるそのまたはそれらの濃度または存在量に対して、約90%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下またはそれ以下の濃度または存在量である、(生成物)流体または留分、(生成物)排気流または留分などの(生成物)流体流または留分、または(生成物)多成分混合物または留分になり得る。すなわち、一つまたは複数の汚染物質または望ましくない化合物もしくは成分が約10%、20%、25%、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%以上またはそれ以上は、それぞれ、元々の流体、元々の流体流または元々の多成分混合物と比較して、(生成物)流体または留分、(生成物)排気流または留分などの(生成物)流体流または留分、または(生成物)多成分混合物または留分において減少した、減った、希薄になったまたは他の様に乏しくなったことを指す。
【0069】
[0079]本教示は、燃料セルスタックからの排気流などの流体流における汚染物質を減少できるアフターバーナを提供する。本教示のアフターバーナは、基板のインレットから基板のアウトレットまでそこを通り抜ける非線形チャネルを画定する圧縮性の、弾性耐熱材料を含む基板として記載できる。燃焼触媒などの触媒が、非線形チャネルに沿って基板の露出表面の一部分に結合する。一つまたは複数の非線形チャネルに沿って基板に存在する燃焼触媒の量は、基板のインレットから基板のアウトレットまでの一つまたは複数の勾配を含むことができる。基板のインレットは、基板の(第一の)面または表面(層のスタックのインレット面またはインレット表面)を通るように開かれている複数個のインレットを含むことができる。基板のアウトレットは、基板の別の(第二の)面または表面、例えば、基板の反対側の面(層のスタックのアウトレット面またはアウトレット表面)を通るように開かれている複数個のアウトレットを含むことができる。さまざまな実施形態において、圧縮性の、弾性耐熱基板は、圧縮性の、弾性耐熱材料の複数個の層を含む。
【0070】
[0080]さまざまな実施形態において、アフターバーナは、各層が、圧縮性の、弾性耐熱材料を含み、層を通り抜ける一つまたは複数の開口を画定する層のスタックを含むことができる。この層のスタックは、層のスタックのインレット(例えば、側面または正面)から層のスタックのアウトレット(例えば、正面または側面)に層のスタックを通り抜ける非線形チャネルを画定する。非線形チャネルの露出表面に結合するように、燃焼触媒が、層のスタックのうちの少なくとも一つの層の少なくとも一つまたは複数の開口の露出表面に結合する。非線形チャネルは、蛇行性のチャネルであっても良い。
【0071】
[0081]圧縮性の、弾性耐熱材料は、シリカの繊維、アルミナの繊維、またはシリカアルミナ混合物などのシリカ及び/またはアルミナを含むことができる。圧縮性の、弾性耐熱材料の層は、紙、フェルト、マットまたは毛布の形態であっても良い。圧縮性の、弾性耐熱材料の層は、連続ストランドマット、チョップマット、または織布もしくはニット布の形態であっても良い。圧縮性の、弾性耐熱材料の層の実施例は、Saffril Ltd.から入手できるSaffril(登録商標)アルミナ繊維フェルト及びアルミナ繊維紙、Saffrilアルミナ繊維から生成された紙であり、Morgan Thermal Ceramicsから入手できるKaowool(登録商標)3000、及びUnifraxから入手できるFiberfrax(登録商標)セラミック繊維フェルトを含む。
【0072】
[0082]層を成すアフターバーナの設計及び構成は、非線形チャネルのサイズ及び相互関連性またはネットワーク、非線形チャネルの露出表面の表面領域、ならびに非線形チャネルの露出表面に沿う、処理される流体または流体流に接触する触媒の含有量及び設置の一つまたは複数のより優れた制御を可能にする。例えば、非線形チャネルは、アフターバーナ内部の燃焼反応による熱を、加熱された燃焼流体または流体流と熱連通する他のコンポーネント及び構造(例えば、カソード空気コンジット)に供給するように設計できる。
【0073】
[0083]本教示に有用な触媒の実施例は、白金、パラジウム、ロジウム、セリウム、鉄、マンガン、ニッケル、銅、ペロブスカイト、及びそれらの組み合わせを含む。触媒は、汚染物質を含有する流体流に曝すように非線形チャネルに沿って選択的に設置され得るので、高反応性であるが高価な触媒は、例えば、アフターバーナの起動時に、燃焼反応の効果的な開始を促進するために、例えば、イグナイタにごく近接させて、それと熱連通する非線形チャネルの露出表面に慎重に使用され得る。動作中の温度が比較的高くなり得る非線形チャネルでは、ペロブスカイトなどのより費用効果的な触媒を使用することができる。
【0074】
[0084]ペロブスカイト触媒は、「A」及び「B」が非常に異なるサイズの陽イオンであり、「X」が、通常、両方の陽イオンに結合する酸素である陰イオンである構造ABX3によって特徴づけることができる。適切なペロブスカイト触媒の実施例は、LaNiO3、LaCoO3、LaCrO3、LaFeO3及びLaMnO3を含む。ペロブスカイトは、x及びyが、0.01~0.5の範囲の数、例えば、ドーパントの溶解限度及び費用に応じて、0.05~0.2である、それらの組み合わせを含む、La1-xCexFe2O3、LaCr1-yRuyO3、La1-xSrxAl1-yRuyO3及びLa1-xSrxFe2O3であっても良い。加えて、本教示の実践において、他の適切に遷移金属ドープされたペロブスカイトを使用することができる。
【0075】
[0085]触媒は、蒸着などの他のより高価なプロセスに加えて、溶解処理技術を使用して、耐熱材料の層の開口の露出表面に結合させることができる。一般的な溶解処理技術は、例えば、スピンコーティング、ドロップキャスティング、ゾーンキャスティング、ディップコーティング、ブレードコーティング、または溶射を含む。ウォッシュコートが触媒(複数可)を分散するためのキャリアであり、そのために使用されるウォッシュコート技術も使用することができる。ベア基板の平滑な表面と比較して表面領域を増大できる、粗い、一様でない表面を形成するために、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、またはアルミナとシリカとの混合物などのウォッシュコート材料を選択できる。増大した表面領域は、転じて、アフターバーナを通り抜ける排気流と反応するように利用できる触媒活性表面も最大化することができる。
【0076】
[0086]溶解処理技術の別の実施例に、印刷がある。本明細書で使用される場合、「印刷」は、インクジェット印刷、微粒分散及び同類のものなどの非接触プロセス、ならびにスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、リソグラフ印刷、パッド印刷、ミクロ接触印刷、及び同類のものなどの接触プロセスを含む。
【0077】
[0087]非線形チャネルの露出表面に存在する燃焼触媒の量及び/または種類には、勾配が含まれ得る。勾配には、層のスタックのインレットから層のスタックのアウトレットまでに存在する燃焼触媒の量の増大が含まれ得る。勾配には、層のスタックを通り抜けるチャネルの露出表面に結合する触媒の種類の変化が含まれ得る。第二の及びより高位の勾配も存在し得る。第二の勾配には、例えば、増大する勾配の後に、層のスタックのアウトレットに向かって存在する燃焼触媒の量の減少が含まれ得る。第二の勾配には、層のスタックを通り抜けるチャネルの露出表面に結合する触媒の種類の別の変化が含まれ得る。
【0078】
[0088]さまざまな実施形態において、層は、層のスタックのうちのアフターバーナのインレットに最も近い層及び/または層のスタックのうちのアフターバーナのアウトレットに最も近い層の一つまたは複数の開口の露出表面が燃焼触媒を含まないように配置することができる。いくつかの実施形態において、層のスタックのうちのアフターバーナのインレット及びアウトレットから離れた一つまたは複数の層の一つまたは複数の開口の露出表面は、層のスタックのうちのアフターバーナのインレット及びアウトレットに最も近い層の一つまたは複数の開口の露出表面と比較して燃焼触媒及び増大した表面領域を含む。層の特定の配置において、燃焼触媒及び増大した表面領域を含む、層のスタックのうちのアフターバーナのインレット及びアウトレットから離れた一つまたは複数の層のうちの少なくとも一つの層は、イグナイタ及び/またはサーモカップルを備え付けるように設計された一つまたは複数の開口を含む。
【0079】
[0089]本教示の一つの特徴において、層のスタックのうちの少なくとも一つの層は、アフターバーナのインレットからアフターバーナのアウトレットまで層のスタックを通り抜ける排気の流れと垂直の方向に層のスタックを横切る長さの約50%よりも長く延在するチャネルを画定する開口を含む。特定のアフターバーナにおいて、各層は、カソード空気コンジットをカソード空気チャネルが収容できるような、層のスタックを通り抜けるカソード空気チャネルを作り出すように設計された開口を画定することができる。そのような実施形態では、層のスタックを通り抜ける排気の流れと垂直の方向に層のスタックを横切る長さの約50%よりも長く延在するチャネルを画定する開口は、カソード空気チャネルを含むことができる。アフターバーナを横切って延在する非線形チャネルの一部分は、効果的な熱伝達をもたらすことに加えて、アフターバーナを通る流体の流れの均等化及び/または均一な分散を助けることができる。
【0080】
[0090]本教示のアフターバーナは、イグナイタを含むことができる。イグナイタは、燃焼触媒などの触媒と動作可能な熱連通をすることができる。イグナイタは、燃焼反応を開始させるために、触媒を含有するチャネルの一部分を局所的に加熱することができる。その後、燃焼反応による熱は、アフターバーナの全体における燃焼反応を開始させるために、アフターバーナの非線形チャネルを通して伝達させることができる。
【0081】
[0091]イグナイタは、層のスタックのうちの、燃焼触媒を含む、インレットに最も近い層の一つまたは複数の開口の露出表面と動作可能な熱連通をするように位置付けることができる。アフターバーナは、二つ以上のイグナイタを含むことができる。例えば、インレットまたはさらなる上流付近の一つまたは複数の層(または、チャネル)に関連する、イグナイタの位置は、特定の用途、使用される触媒、触媒充填及びアフターバーナの点火に影響を及ぼすさまざまな他の要因に依存する。
【0082】
[0092]例えば、非線形または蛇行性のチャネルの露出表面に結合する触媒の量及び/または触媒の種類の勾配の使用は、アフターバーナに関するイグナイタの設置に関して有用であり得る。例えば、層のスタックによって作り出され、イグナイタと熱連通する非線形チャネルは、アフターバーナ内部の燃焼反応(複数可)の効果的な点火を促進するための高反応性の触媒を含むことができる。しかしながら、非線形チャネルを通してイグナイタから離れるように移動するにつれて、高反応性の触媒の量を減少させるまたは除去し、動作中に燃焼プロセスを維持できる反応性が低い触媒の量を増大させてより費用効果的な触媒と置き換えることができる。
【0083】
[0093]本教示のアフターバーナは、サーモカップルなどの熱センサアセンブリを含むことができる。熱センサアセンブリは、燃焼触媒などの触媒を含む一つまたは複数の非線形チャネルと熱連通することができる。熱センサアセンブリは、層のスタックによって形成されたチャネル内に部分的にまたは完全に位置付けることができる、またはアフターバーナの排気と熱連通するように位置付けることができる。例えば、アフターバーナの一つまたは複数の層(または、チャネル)に関連する熱センサアセンブリの位置は、特定の用途及びアフターバーナの温度の所望の監視に依存する。熱センサアセンブリは、アフターバーナのイグナイタから物理的に分離した位置に位置付けることができる(ただし、非線形チャネルのネットワークを通じて、イグナイタと熱連通することができる。
【0084】
[0094]例えば、サーモカップルは、アフターバーナの層のスタックのアウトレット面または表面の上方数ミリメートルなどの、アフターバーナのアウトレットの上方に位置付けることができる。サーモカップルは、サーモカップルの端が排気流に露出するときに、サーモカップルの大部分を高温の排気流から遮蔽することができるシースまたはアルミナチューブなどのチューブ内に設置することができる。サーモカップルまたはその露出端は、開口またはチャネルアウトレットよりはむしろ、排気の直接熱からサーモカップルをさらに遮蔽できる、圧縮性の、弾性耐熱材料にわたって位置付けることができる。
【0085】
[0095]熱センサアセンブリがアフターバーナ内部の燃焼反応の「ホットスポット」またはコアから離れて位置付けられるときには、熱センサアセンブリの温度測定は、実際の燃焼コア温度から低くシフト及びオフセットされる。すなわち、熱センサアセンブリは、燃焼コアにおけるよりも低い温度における参照温度を提供し、設置及び参照温度は、熱センサアセンブリが性能のその使用可能な限界を超えることを阻止する。例えば、サーモカップルなどの熱センサアセンブリがアフターバーナの上方に位置付けられるときには、約700℃~約1050℃の測定値は、約900℃~約1250℃のアフターバーナの燃焼コアにおける温度と解釈することができる。
【0086】
[0096]本教示の特徴の一つは、非線形または蛇行性のチャネルを通って排気流(複数可)がアフターバーナを通り抜けて流れる、非線形または蛇行性のチャネルの露出表面に結合する燃焼触媒などの触媒の量及び/または種類に勾配を有するアフターバーナである。例えば、層のスタックのインレット面もしくは表面及び/またはアウトレット(面もしくは表面)付近の温度を低減するために、インレット層(複数可)及びアウトレット層(複数可)の開口の露出表面には、減少した量の触媒に結合させることができるまたは触媒を全く含有しなくても良い。そのような設計は、アフターバーナと熱連通して存在できるまたは熱センサアセンブリ(例えば、サーモカップル)などのアフターバーナ内部に存在できる他の温度検知コンポーネントを熱的に遮蔽することによって、そのような温度検知コンポーネントの損傷及び/または劣化を減少または回避するために使用できる。
【0087】
[0097]本教示のアフターバーナは、非線形チャネルを画定する層のスタックが位置付くまたは位置することができるハウジングを含むことができる。ハウジングは、層のスタックの非インレット面及び非アウトレット面を取り囲む及び/または包囲するなどのように、アフターバーナの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面に隣接することができる。ハウジングは、アフターバーナの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面に隣接する、それを取り囲む及び/または包囲する固体断熱材であっても良い。ハウジングは、層のスタックのインレット面または表面に隣接することができる。ハウジングは、層のスタックのアウトレット面または表面に隣接することができる。結果として、さまざまな形態において、層のスタックとの流体連通が、アフターバーナのインレット及びアウトレット、ことによるとハウジングを通る流体連通を提供する他のポートにおいて達成される、層のスタックの面または表面の四つ、五つまたはすべて(または実質的にすべて)をハウジングが包囲することができる。
【0088】
[0098]アフターバーナの層のスタックのインレットは、燃料セルユニットの排気アウトレット(複数可)と流体連通するように設計できる。結果として、本教示は、本明細書に記載したアフターバーナ、ならびに層のスタックのインレット(面または表面)及び/またはアフターバーナのインレットと動作可能な流体連通をする燃料セルスタックを含む燃料セルシステムを含む。
【0089】
[0099]アフターバーナのインレット面または表面は、燃料セルスタックと電気通信する電力調整コンポーネントと熱連通することができる。電力調整コンポーネントは、電流収集プレート及び/または一つまたは複数のバスバーを含むことができる。
【0090】
[0100]本明細書で述べたように、本教示の特徴の一つは、非線形または蛇行性のチャネルを通って排気流(複数可)がアフターバーナを通り抜けて流れる、非線形または蛇行性のチャネルの露出表面に結合する触媒の量及び/または触媒の種類に勾配を有するアフターバーナである。例えば、層のスタックのインレット面または表面付近の温度を低減するために、インレット層(複数可)の開口の露出表面は、減少した量の触媒に結合させることができるまたは触媒を全く含有しなくても良い。そのような設計は、電力調整コンポーネントなどのアフターバーナと熱連通して存在できる他の温度検知コンポーネントを熱的に遮蔽することによって、そのような温度検知コンポーネントの損傷及び/または劣化を減少または回避するために使用できる。電力調整コンポーネントに隣接するアフターバーナのインレット付近の温度を(例えば、約900℃以下に)低減するまたは低くすることによって、銀及び銅などの種々の金属を使用して、発生した電気を収集及び分散させることができる。
【0091】
[0101]本教示の燃料セルシステムは、層のスタックを通り抜けるカソード空気チャネルに位置付けられた一つまたは複数のカソード空気コンジットを含むことができる。
【0092】
[0102]本教示の別の態様は、流体流または混合物、例えば、燃料セルスタックからの排気流からの汚染物質または望ましくない化合物を減少させる方法に関する。本教示の方法は、アフターバーナのインレットからアフターバーナのアウトレットまでの非線形チャネルを画定する圧縮性の、弾性耐熱材料、及び非線形チャネルの露出表面の少なくとも一部分に結合する燃焼触媒を含むアフターバーナの非線形チャネルを通して汚染物質を含有する流体を流すことと、燃焼触媒を用いて汚染物質を包含する流体を少なくとも部分的に燃焼して、アフターバーナに入る流体と比較して減少させた量の汚染物質を包含するアウトレット流体流を生成することと、を含むことができる。
【0093】
[0103]さまざまな方法において、アフターバーナは、層を通り抜ける一つまたは複数の開口を各層が画定する、圧縮性の、弾性耐熱材料を含む層のスタックを含むことができる。層の一つまたは複数の開口は、共に積み重ねられたときに、層のスタックを通り抜ける非線形チャネルを画定する。
【0094】
[0104]燃料セルユニットまたはシステムの動作中、アフターバーナのインレットにおける圧縮性の、弾性耐熱材料は、燃料セルスタックの隣接する構造に接触する及び/またはそれによって圧縮されることができる。本教示の方法は、燃焼による熱を使用して、アフターバーナを通って流れるカソード空気流を加熱することを含むことができる。
【0095】
[0105]いくつかの方法において、燃焼及び関連する熱の発生は、非線形チャネルに存在する燃焼触媒の量及び/または種類の勾配を使用することによって制御することができる。勾配を使用するか否かにかかわらず、本教示のアフターバーナは、アフターバーナの動作温度、例えば、アフターバーナのコアのまたはアフターバーナ内部の触媒表面における温度を制限して、触媒の気化を低減することができる。例えば、アフターバーナの動作温度は、約1250℃以下、約1150℃以下、約1050℃以下、約1000℃以下、約950℃以下、または約900℃以下であっても良い。
【0096】
[0106]本教示の方法の一つの特徴は、従来方式で設計されたアフターバーナと比較してアフターバーナを通る圧力降下を減少できることである。例えば、本教示のアフターバーナは、約1インチ以下の水、約0.75以下インチの水、約0.5インチ以下の水、または約0.25インチ以下の水のアフターバーナを通る圧力降下を提供することができる。
【0097】
[0107]本教示は、本明細書に記載したアフターバーナの製造方法も提供する。そのような方法は、圧縮性の、弾性耐熱材料の層に少なくとも一つの開口を切り抜くことと、それぞれの層を通り抜ける一つまたは複数の開口を各々が画定する複数個の層を作り出す切り抜き工程を繰り返すことと、燃焼触媒を少なくとも一つの層の開口の少なくとも一つまたは複数の露出表面に結合させることと、層のスタックを通り抜ける非線形チャネルを形成するように複数個の層を積み重ねることと、及び複数個の層を固定してアフターバーナを形成することと、を含むことができる。本教示の方法において、燃焼触媒は、層のスタックを通り抜ける非線形チャネルの少なくとも一つの露出表面の少なくとも一部分に結合する。
【0098】
[0108]各層の開口の設計及び設置は、アフターバーナの特定の用途及び所望の特性に応じて、カスタマイズされた非線形(及び線形)チャネルを通り抜けるアフターバーナの構成を可能にする。例えば、開口の形状は、円形、正方形、長方形、V字形、C字形、E字形などであっても良い。隣接する層の開口の設置及び開口とのそれらの関係は、積み重ねられたときに、例えば、アフターバーナを形成する適切な非線形(及び線形)チャネルを作り出すように変えることができる。例えば、隣接する層のC字形開口は、一つの層のC字形開口のごく一部のみが隣接する層のC字形開口に重なり合うような、ただし、各層において逆の向きの、「Cの」列の端を有することができる。燃焼触媒などの触媒は、溶射、印刷及びディッププロセスを含む、本明細書に論じるような一つまたは複数の技術によって、開口の露出表面に結合することができる。
【0099】
[0109]本教示のアフターバーナの製造方法は、層のスタックの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面の周囲に耐熱材料を塗布する、例えば、それで覆うことを含むことができる。(例えば、約1mm以下の)紙の形態の耐熱材料が、層のスタックを覆うのに適切であり得る。特定の実施形態において、アフターバーナの製造方法は、接着剤を、層のスタックの外部表面または層のスタックの周囲を覆う耐熱材料の外部表面に塗布することを含むことができる。
【0100】
[0110]アフターバーナの製造方法は、例えば、アフターバーナの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面の周囲を覆う耐熱材料を使用せずに、またはそのような覆われた耐熱材料に隣接するように、固体断熱材を用いて、アフターバーナの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面を取り囲むことを含むことができる。アフターバーナの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面、またはそのような面または表面に適用される耐熱材料は、固体断熱材に隣接及び/または接触できる接着剤を含むことができる。そのような接着剤の実施例に、ポリ酢酸ビニル(PVA)接着剤がある。固体断熱材材料は、固体の熱伝導率の低い材料、例えば、Excelfrax(登録商標)微細多孔構造断熱材などの微細多孔構造のまたは圧縮された粉末断熱材、またはUnifraxから入手できるFiberfrax(登録商標)Duraboard(登録商標)製品であっても良い。
【0101】
[0111]アフターバーナの製造方法は、存在する場合に、複数個の層からバインダ材料及び/または有機材料を除去することを含むことができる。方法は、層を個々にまたは層のスタックとして加熱して、例えば、炉内で加熱または燃焼して、層に存在または結合する任意のバインダ材料及び/または有機材料を焼き払うことを含むことができる。例えば、層のスタックの形成において接着剤を使用する場合には、層のスタックを加熱して、使用前に接着剤を焼き払うまたは除去する。任意のバインダ材料及び他の有機材料を除去することによって、システム、例えば、燃料セルユニットに連結されたまたは組み込まれたときに、層の多孔性、結果として、層のスタックの多孔性を、多孔性が変化しないように定着させることができる。存在する任意の有機物を焼き尽くすための加熱工程後、層のスタックまたは個々の層は、通常、それぞれ、開口の露出表面におけるまたは非線形チャネル内の触媒を活性化するために、窒素と水素との混合物などの還元性雰囲気に曝される。
【0102】
[0112]
図1Aは、本教示のアフターバーナの実施形態の斜視図の概略図である。
図1Aを参照すると、アフターバーナ10は、圧縮性の、弾性耐熱材料を各層14、14’、14’’、14’’’が備える層のスタック12を含む。各層14、14’、14’’、14’’’は、層を通り抜ける一つまたは複数の開口16を画定する。積み重ねされたときに、層及びそれらの開口は、層のスタック12のインレット面または側面18(アフターバーナ10の下側側面もしくは面またはインレット)から層のスタック12のアウトレット側面20(アフターバーナ10の上部側面もしくは面またはアウトレット)まで、層のスタックを通り抜ける一つまたは複数の非線形チャネル(図面には見えない)を画定する。
【0103】
[0113]
図1Aは、二つのカソード空気チャネル22、ならびに二つのイグナイタ及び/または熱センサアセンブリ切り欠き24、すなわち、イグナイタ及び/またはサーモカップルをその中に備え付け、アフターバーナの内側、特に、非線形チャネルと熱連通することが可能な、アフターバーナの外部縁に延在する開口も描写する。
【0104】
[0114]
図1B~
図1Eは、
図1Aに示すようなアフターバーナの実施形態の個々の層の上面図の概略図である。
【0105】
[0115]
図1Bは、
図1Aに示す層のスタックのうちの最上層の上面図である。そのようなものとして、
図1Bは、開口16を層のスタック12またはアフターバーナ10の複数個のアウトレットとして考慮することができる、層のスタック12のアウトレット面または側面20を表す。
図1Bは、それ自体が層14における開口16であるカソード空気チャネル22も示す。
【0106】
[0116]
図1Cは、
図1Aに示す層のスタックのうちの最上層に隣接する層の上面図である。この層14’は一つの開口16’を有するが、その開口はカソード空気チャネルを含むまたはそれと重なり合うために、この層を通り抜けるカソード空気チャネルは円形形状にあるようには見えない。
【0107】
[0117]
図1Cに示す開口は、他の層と積み重ねされたときに、層のスタックのインレット面から層のスタックのアウトレット面まで層のスタックを通り抜ける排気流などの流体の流れと垂直の方向に層のスタックを横切る長さの約50%よりも長く延在するチャネル26を画定する層における開口の実施例である。チャネル26は、層の一つの側面から層の中心線を過ぎて層の他の側面まで延在する。この実施形態では、中心線は、カソード空気チャネルの中心を通り通行するものとして画定される(ただし、他の受熱または熱伝達コンポーネントまたは構造が層の中心付近に位置しても良い)。層の最大表面の形状が正方形である場合、または仮に、カソード空気チャネルが長方形形状の層のより短い長さを横切る線を形成する(または層の中央付近に他の受熱または他の構造が存在する)場合には、中心線は、層(及び結果として、層のスタックまたはアフターバーナ)を二つの側面または等分に分割するように、カソード空気チャネル(または他の構造)の中心を通り通行するものとして考慮できる。
【0108】
[0118]
図1Dは、
図1Aに示す層のスタックのうちの中間層の上面図である。層14’’は、開口16’’でもある二つのカソード空気チャネル22’’を示す。層の他の二つの開口16’’の各々は、その層が他の層と積み重ねされたときに、層のスタックの内側と層のスタックの外部とを接続する、イグナイタ及び/または熱センサアセンブリ切り欠き24を含む。すなわち、この層の切り欠きを含む開口は、他の層と積み重ねされたときに、存在するときに、イグナイタ及び/または熱センサアセンブリと熱連通するチャネルを形成する。イグナイタが切り欠きに存在するときには、この層は、通常、他の層と積み重ねされたときに、非線形チャネルの露出表面に結合し、イグナイタと熱連通してチャネルにおける燃焼反応の点火を可能にするような、開口の露出表面と結合する燃焼触媒などの触媒を含有する。
【0109】
[0119]開口の切り欠きは、イグナイタまたはサーモカップルなどの熱センサアセンブリが、触媒及び燃焼反応(複数可)に関連する「ホットスポット」に直接接触せずに、積み重ねられた層に形成されたチャネル内に延在することを可能にする。例えば、
図1Dに示すように、イグナイタ及び/または熱センサアセンブリを遮蔽するように、触媒が、このサブチャネルに全く結合しないような、切り欠き24に間近に隣接して及び層の周囲にギザギザの縁のないサブチャネル(またはチャンバ)28が存在する。イグナイタ及び/または熱センサアセンブリは、様々な構造及び様々な様式において、例えば、固体断熱材の外側、または切り欠きが存在する場合には、層のスタックの正面または側面に隣接するユニットまたはシステムパッケージハウジングを通り抜ける挿入によって、定位置に位置付く及び維持することができる。
【0110】
[0120]切り欠きとともに二つのより大きな開口は、触媒が結合することができる表面領域の量を増大させる、それらの縁に沿う露出表面も含む。示すように、
図1Bの層の開口の露出表面の周囲または長さよりも長い、露出表面の周囲または長さのみならず、この層の露出表面の表面領域をさらに増大させるために、露出表面は、線形設計ではなく、ギザギザのまたはジグザグのパターンも有する。
【0111】
[0121]
図1Eは、
図1Aに示す層のスタックのうちの下部層の上面図である。そのようなものとして、層14’’’の下面は、層のスタック12のインレット面または側面18(アフターバーナ10の下側側面もしくは面またはインレット)を表す。層14’’’は、二つのカソード空気チャネル22’’’を画定する二つの円形開口16’’’を有する。層14’’’は、層のスタック12及びアフターバーナ10へのインレットを画定する二つの長方形開口16’’’も有する。この長方形開口は、燃料セルスタックのアウトレットなどの隣接する構造と相互作用することができる。
【0112】
[0122]隣接する層と積み重ねされたときに、長方形開口16’’’によって形成されたチャネル30は、インレット面からアウトレット面まで層のスタックを通る流体の流れと垂直の方向に層のスタックを横切る長さの約50%よりも長く延在するものと考慮できる。しかしながら、
図1Cのチャネル26とは異なり、
図1Eのチャネル30は、層の一つの側面から層の他の側面に層の中心線を過ぎて延在せず、むしろ、層の一つの側面内のみに延在すると考慮される。
【0113】
[0123]
図2Aは、
図1Aに示す実施形態に類似する、本教示のアフターバーナの実施形態の斜視図の概略図である。特に、
図2Aは、個々の層214、214’、214’’、214’’’を含む層のスタック212を含むアフターバーナ210を示す。
図2A~
図2Dは、層のスタックを通る種々の平面で見られる、層のスタックによって作り出された非線形チャネルを示している。図面の同様のコンポーネントは、同じでも良いし、例えば、構成材料、センサアセンブリ、弁形態、コンジット接続及び配置、ならびに同類のものなどに関連するさまざまな変更を有して異なっていても良い。
【0114】
[0124]より具体的には、
図2Bは、線2B-2Bに沿うまたはそこを通り抜ける垂直面である断面の、
図2Aの実施形態の断面図の概略図である。
図2Bを見てわかるように、層のスタック212は、暗い正方形及び長方形形状が、層のスタック212に存在し、そこを通り抜ける非線形チャネル232である、層214、214’、214’’、214’’’を含む。
【0115】
[0125]上部から二番目の層214’は、(
図1Cのチャネル26と同様の)チャネル226を示す。この側方断面図には見えないが、チャネルは、層のスタックを通る流体の流れと垂直の方向に層のスタックを横切る長さの約50%よりも長く延在し、そしてまた層の一つの側面から層の中心線を過ぎて層の他の側面まで延在する。
【0116】
[0126]下部層214’’’は、層のスタックを通る流体の流れと垂直の方向に層のスタックを横切る長さの約50%よりも長く延在するが、(
図1Eのチャネル30と同様に)層の中心線を過ぎて延在しないチャネル230の長さを示す。
層のスタックのこの断面を見てわかるように、層のスタックのインレット面または側面から層のスタックのアウトレット面または側面まで層のスタックを通り抜ける線形チャネルは存在しないが、むしろ、非線形チャネルのネットワークが、層のスタックのインレット面または側面から層のスタックのアウトレット面または側面まで上に、下に及び横切って通行して存在する。
【0117】
[0127]
図2Cは、線2C-2Cに沿うまたはそこを通り抜ける垂直面である断面の、
図2Aの実施形態の断面図の概略図である。
図2Cを見てわかるように、層のスタック212は、暗い正方形及び長方形形状が、層のスタック212に存在し、そこを通り抜ける非線形チャネル232である、層214、214’、214’’、214’’’を含む。
【0118】
[0128]上部から二番目の層214’は、
図1Cのチャネル26の左側のチャネルと同様の、開口216’によって形成されたチャネルを示す。開口216’によって形成されたチャネルは、層のスタックを通る流体の流れと垂直の方向に層のスタックを横切る長さの約50%よりも長く、層の一つの側面から(参照番号216’からの引き出し線が、カソード空気チャネルを通り抜ける線と一致する、層のほぼ中心線を指し示す層の中心線を過ぎて層の他の側面に延在する。
【0119】
[0129]上部から四番目の層214’’は、
図1Dのサブチャネルチャネル(またはチャンバ)28と同様の、サブチャネル(またはチャンバ)228を示す。
【0120】
[0130]下部層214’’’は、
図1Eのチャネル30と同様であるが、断面において層のスタックを横切るその長さがこの図面では見られないチャネル230を示す。
【0121】
[0131]
図2Cの層のスタックの断面を見てわかるように、層のスタックのインレット面または側面から層のスタックのアウトレット面または側面まで層のスタックを通り抜ける線形チャネルは存在しないが、むしろ、非線形チャネルのネットワークが、層のスタックのインレット面または側面から層のスタックのアウトレット面または側面まで上に、下に及び横切って通行して存在する。
【0122】
[0132]
図2Dは、線2D-2Dに沿うまたはそこを通り抜ける垂直面である断面の、
図2Aの実施形態の断面図の概略図である。
図2Dを見てわかるように、層のスタック212は、暗い正方形及び長方形形状が、層のスタック212に存在し、そこを通り抜ける非線形チャネル232である、層214、214’、214’’、214’’’を含む。
【0123】
[0133]上部層214は、層のスタックのアウトレット面または側面の両側における二つの長方形非線形チャネル232を2度示す。上部層は、層のスタックのインレット面または側面から層のスタックのアウトレット面または側面まで層のスタックを通り抜ける線形チャネルを形成するカソード空気チャネル222のアウトレットも示す。層のスタックを通り抜ける一つまたは複数の線形チャネルの存在にかかわらず、本教示のアフターバーナは、層のスタックを通り抜ける一つまたは複数の非線形チャネルの存在を必要とする。
【0124】
[0134]上部から二番目の層214’は、層のスタックを通る流体の流れと垂直の方向に層のスタックを横切る長さの約50%よりも長く延在し、そしてまた層の一つの側面から層の中心線を過ぎて層の他の側面まで延在する(
図1Cのチャネル26と同様の)チャネル226’を示す。
【0125】
[0135]下部層214’’’は、
図1Eのチャネル30と同様であるが、断面において層のスタックを横切る長さがこの図面では見られないチャネル230、そしてまた非線形チャネル232を示す。
【0126】
[0136]
図3Aは、本教示のアフターバーナの少なくとも一部分を形成する層のスタックのうちの一つの層であり得る、耐熱材料の層の上面図の概略図である。層314’’は、
図1Dの層14’’と同様であり、二つのカソード空気チャネル322’’、そしてまた開口316’’を含む。しかしながら、層314’’は、開口切り欠き324における熱センサアセンブリ334、及び別の開口切り欠き324におけるイグナイタ336も含む。
【0127】
[0137]先に記載したように、開口の切り欠きは、イグナイタ及びサーモカップルなどの熱センサアセンブリが、触媒及びそれによって触媒作用を及ぼされる燃焼反応(複数可)に関連する「ホットスポット」に直接接触せずに、積み重ねられた層に形成されたチャネル内に延在することを可能にする。
【0128】
[0138]例えば、
図3Aに示すように、イグナイタを燃焼の熱から遮蔽するように、(点々またはギザギザの縁に隣接する多孔質の層によって表される)触媒がイグナイタ336に間近に隣接しないサブチャネル(またはチャンバ)328が存在する。熱センサアセンブリ334も、同様に、線III-IIIによって形成された層の中心線で対向する側の、無触媒領域または容積がさらに開口またはチャネル内に延在する、それぞれの無触媒サブチャネル(またはチャンバ)に位置付けられる。
【0129】
[0139]イグナイタ336及び熱センサアセンブリ334を含む二つの大きな開口316’’は、それぞれ、それぞれのパターン化形状の縁における露出表面338を含む。描写した露出表面338は、この層の露出表面の表面領域を増大させる非線形の縁を有し、本明細書に記載したような、それに結合する触媒340を有する。
【0130】
[0140]
図3Bは、本教示のアフターバーナの少なくとも一部分を形成する層のスタックのうちの一つの層であり得る、耐熱材料の層の上面図の概略図である。層314
ivは、
図1Bの層14と同様に見えるが、層の四角形形状の開口316
ivの露出表面338
ivが触媒340
ivを含む。少量の触媒充填の(または全く触媒が存在しない)場合では、層は、その最大表面の一つが(
図1A及び
図1Bの層14のような)層のスタックのアウトレット面または表面を画定するように、層のスタックの外層に位置付くことができる。しかしながら、層314
ivは、特に、アフターバーナのインレットまたはアウトレットに通常存在するものと比較して触媒充填の量が増大し、かつ/または触媒の種類が異なる場合に、層のスタックの内部層として位置付くことができる。層314
ivは、開口316
ivとして考慮できる二つのカソード空気チャネル322
ivも含む。
【0131】
[0141]
図4は、層のスタック412の各層に存在する触媒充填の例示となる量がアフターバーナの右側に指し示される、本教示のアフターバーナの実施形態の斜視図の概略図である。見てわかるように、それぞれの層の触媒充填の範囲(例えば、触媒に関わる測定可能な露出表面の表面領域の範囲)は、その表面が層のスタックのインレット面または側面418である、下部における層414’’’から、層のスタックのうちの中間層及び上位層まで増大する勾配、その後、その表面が層のスタックのアウトレット面または側面420である、上部における層414に向かって減少する勾配を形成する。
【0132】
[0142]特に、下部における層及び隣接する層は、触媒が無くても良い、すなわち、触媒を全く含有しなくても良い。そのような設計では、アフターバーナの動作温度をそのインレットにおいて低減して、隣のコンポーネントにおける熱的な問題を回避することができる。加えて、これらの二つの層は、未使用の改質可能な燃料を含む、入って来る排気流を収集、混合及び/または分散して、アフターバーナの非線形チャネルにおけるさらなる上流の触媒燃焼反応においてより均一な組成を提供するマニホールドとして作用するように設計できる。
【0133】
[0143]層のスタックのアウトレット付近に同様の状況が存在し、そこで層のスタックのアウトレット面または側面に向かって減少する勾配において触媒充填の量が減り、高い動作温度が回避される。実際に、特定の場合において、最後の層は触媒が無くても良い。結果として、アフターバーナからの排気の温度を低減することができる。その後、排気流を、熱回収コンポーネント及び/またはデバイスに供給するまたは廃熱として放出することができる。
【0134】
[0144]例えば、前述の概念を組み合わせて、第一の層を、触媒を無くして、触媒に接触させる前に未反応の燃料、排気及び空気を混合するのに使用できる。この反応混合物が、アフターバーナの非線形チャネルを通り移動し、触媒と接触すると、燃焼反応によって、反応物質を燃焼生成物に変換し始めることができる。混合物は、非線形チャネルを連続して通り抜けるときに、燃焼及び変換の大部分が起こることができる、アフターバーナの中心付近または下流半分において追加の触媒充填及びより高い温度反応区域に直面する。次に、混合物に保持される燃料及び反応物質が少量のみであり、燃焼に多量の酸素が必要であるときには、非線形チャネルのさらなる下流部は、燃焼プロセスを完了するために、より大きな表面領域及び/またはより反応する触媒を含むことができる。最後に、排気流は、触媒が無く、それによって、アフターバーナからの排気流の温度を低減するまたは低くすることができる、層のスタックの最終層(複数可)を通り抜けることができる。
【0135】
[0145]理解されるはずであるように、層のスタックにおける層の数及び各層の厚さに応じて、触媒の勾配の傾斜及び設置を決定することができる。すなわち、一般的に、フェルト及び他の形態のものが、約1mm~約10mm、約2mm~約7mm、約3mm~約5mm、または約3mm~約4mmの範囲の厚さを有することができるので、紙の形態の耐熱材料の層では、層の数は、層がフェルトの形態または紙よりも厚い他の形態である場合よりも多くなる。アフターバーナの層のスタックを形成する層の数がより多い場合には、層のスタックのインレット側面及び/またはアウトレット側面におけるより多くの層に触媒が無くても良く、かつ/または非線形チャネルの露出表面に沿う触媒の量の勾配の傾斜及び/または種類を、より細かく増大するまたは減らすことができる。当然ながら、層の最終スタック及び非線形チャネルの露出表面に結合する触媒をさらに制御するために、紙及びフェルトなどの種々の形態の圧縮性の、弾性耐熱材料から層のスタックを作り出すことができる。
【0136】
[0146]
図5は、層のスタックのうちの層の縁が、
図1Aの層のスタックと比較して90°の角度に方向付けられた、本教示のアフターバーナの実施形態の斜視図の概略図である。より具体的には、アフターバーナ510は、より大きな(平面の)表面領域面または表面ではなく、縁が、層のスタックのインレット面または側面518を画定し、反対側の側面における縁が、層のスタックのアウトレット面または側面520を画定する、個々の層514を含む層のスタック512を含む。
【0137】
[0147]
図6は、アフターバーナの非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面における固体断熱材644のハウジング642内に位置付けられたアフターバーナ610の実施形態の斜視図の概略図である。描写したアフターバーナ610は、層のスタックの固定を助ける耐熱材料646、例えば、耐熱紙で覆われている。この図面に示すように、覆われた層のスタックは、わずかな隙間が存在することで堅く適合しないまたは摩擦適合しないように、ハウジング内に摺動可能に適合する。そのような形態では、覆われた層のスタックは、連結または接続された基礎をなすコンポーネントによって、その下部またはインレット面または側面において支持されることができる。そのようなものとして、特定の実施形態において、層のスタックまたは覆われた層のスタックは、隣接する構造及び/またはコンポーネントによって支持されるものとして考慮できる。例えば、層のスタックまたは覆われた層のスタックは、隣接する構造に「置かれる」ものとして考慮でき、いくつかの場合では、動作中に「定位置に浮かんでいる」ものとして考慮できる。
【0138】
[0148]
図7A及び
図7Bは、本教示のアフターバーナを含有する燃料セルユニットを含む燃料セルシステムの実施形態の側面断面図の概略図である。
【0139】
[0149]
図7Aを参照すると、燃料セルシステム750は、改質器754、燃料セルスタック756及びアフターバーナ710を含む燃料セルユニット752を含む。燃料セルシステム750または燃料セルユニット752は、非線形チャネル(図示せず)を形成する、層のスタック712を通り抜ける点線で示す二つのカソード空気チャネル722を含む。カソード空気チャネル722の各々は、(点線で示すような)燃料セルスタック756内に延在できるカソード空気コンジットを含むことができる。
【0140】
[0150]燃料セルシステム750は、カソード酸素含有ガス(例えば、空気)を、アフターバーナ710を通して燃料セルスタック756のカソード(図示せず)に供給するためのカソード空気供給コンジット758を含む。燃料セルシステム750は、アノード空気、酸化剤及び改質可能な燃料の一つまたは複数を改質器754に供給するためのアノード反応物質供給コンジット760も含む。燃料セルシステム750または燃料セルユニット752は、アフターバーナ710からの加熱されたアフターバーナの燃焼生成物などの加熱された流体を排気するためのアフターバーナ排気コンジット762を含む。燃料セルシステム750は、カソード空気供給コンジット758と動作可能な流体連通をする酸素含有ガス源764を含む。燃料セルシステム750は、アノード反応物質供給コンジット760と動作可能な流体連通をする改質可能な燃料源766も含む。
【0141】
[0151]
図7Aに示すアフターバーナに関して、アフターバーナ710は、層のスタック712の非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面を包囲するまたは実質的に取り囲むハウジング742を含む。ハウジングは、固体断熱材であっても良い。
図7Aに示すように、アフターバーナ排気コンジット762は、その上部付近ではあるが、その上部面または表面ではない層のスタックの正面または側面において、(「E」から生じる層のスタックの対向する面または表面までの矢印付近のインレット面または側面から層のスタックを通り抜ける排気の流れの大まかな方向によって画定されるように)ハウジング742を通り抜けてアフターバーナ710から出る。
【0142】
[0152]
図7Aは、燃料セルスタックが「E」から生じた矢印の方向に膨張または移動できるように、燃料セルスタックならびに/または燃料セルユニット及び/もしくはシステムの他のコンポーネントが、動作中に受けることができる線形膨張も示す。本明細書で述べたように、本教示のアフターバーナの層のスタックの圧縮性性質は、燃料セルスタック、燃料セルユニット及び燃料セルシステムにおける膨張に順応し、構造的応力を最小化することができる。
【0143】
[0153]
図7Bを参照すると、燃料セルシステム750’は、
図7Aの燃料セルシステムと同様であり、改質器754’、燃料セルスタック756’及びアフターバーナ710’を含む燃料セルユニット752’を含む。燃料セルシステム750’または燃料セルユニット752’は、非線形チャネル(図示せず)を形成する層のスタック712’を通り抜ける二つのカソード空気コンジット768を含む。カソード空気コンジット768の各々は、燃料セルスタック756内に延在し、カソード空気供給コンジット758’と動作可能な流体連通をする。燃料セルシステム750’は、カソード空気供給コンジット758’と動作可能な流体連通をする酸素含有ガス源764’を含む。
【0144】
[0154]燃料セルシステム750’は、アノード空気、酸化剤及び改質可能な燃料の一つまたは複数を改質器754’に供給するためのアノード反応物質供給コンジット760’を含む。燃料セルシステム750’は、アノード反応物質供給コンジット760’と動作可能な流体連通をする改質可能な燃料源766’も含む。
【0145】
[0155]
図7Bに示すアフターバーナ710’は、層のスタック712’の非インレット面または表面及び非アウトレット面または表面を包囲するまたは取り囲むハウジング742’を含む。示すような動作中、層のスタック712’からの流体流または排気は、その上部面または表面、すなわち、層のスタック720のアウトレット面または表面から出て、排気チャンバ770内に入る。排気チャンバは、層のスタックのアウトレット面または表面及びカソード空気供給コンジット、ならびに燃料セルユニットパッケージの上部に結合する他の構造によって形成される。そのようなものとして、アフターバーナからの流体流または排気は、排気チャンバ770及び層のスタック720のアウトレット面または表面と流体連通するアフターバーナ排気コンジット762’を通して燃料セルユニットから外に導かれる。排気チャンバは、層のスタックからアフターバーナ排気コンジットを通り抜ける排気流の除去の導きを助けるまたは除去を促進するための構造及び/またはコンポーネントを含むことができる。
【0146】
[0156]
図7Bに示す形態では、層のスタックの上方において、層のスタックのアウトレットと流体連通する排気チャンバ770は、熱センサアセンブリ772を含む。熱センサアセンブリは、サーモカップルであっても良く、層のスタックの上方に位置付けられ、層のスタックからの流体流または排気の温度を監視する。層のスタック上方の温度は、層のスタック内の非線形チャネル内で起こる燃焼反応の温度よりも低くなるが、排気流と燃焼反応の「ホットスポット」との間の温度関係を決定(例えば、測定)し、これにより熱センサアセンブリ772によって、層のスタックのアウトレット面において測定された温度に基づいて、層のスタックの内部温度を推定できる。
【0147】
[0157]
図7Bは、層のスタック712’のインレット面もしくは表面またはアフターバーナ710’に隣接する一つまたは複数の電力調整コンポーネント774も描写する。示すように、電流収集プレート及び/または一つまたは複数のバスバーなどの電力調整コンポーネント(複数可)774は、電気が発生する燃料セルスタック756’の近接に位置する。燃料セルスタック及びアフターバーナの高い動作温度への、電力調整コンポーネント(複数可)の曝しを減少させるために、アフターバーナは、そのインレット面または表面付近の、アフターバーナにおける燃焼温度を維持または減少させるように、アフターバーナの層のスタックのうちの第一の層(複数可)に燃焼触媒をほとんどまたは全く含まないことができる。燃料セルスタックからの排気の温度は、主としてその内側に高い触媒充填をもつ、特に、触媒が無い部分の後に増大する勾配として触媒の量をもつアフターバーナを設計することによって、高い場合があるが、電力調整コンポーネント(複数可)は、燃料セルスタックとアフターバーナとの間に低減温度区域を設けることができる。
【0148】
[0158]本教示は、その精神または本質的特性から逸脱することなく、他の特定の形態の実施形態を包含する。それ故に、前述の実施形態は、本明細書に記載した本教示を限定するものではなく、あらゆる点において、例証として考慮されるべきである。故に、本発明の範囲は、前述の記載ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内に収まるすべての変化が、それに包含されると意図される。