(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】入力検知ユニットを備える表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20221012BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221012BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221012BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20221012BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20221012BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20221012BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20221012BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221012BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
G06F3/041 490
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
H05B33/04
H05B33/02
G09F9/00 366A
G09F9/00 313
G09F9/30 349Z
G09F9/30 348A
(21)【出願番号】P 2018045353
(22)【出願日】2018-03-13
【審査請求日】2021-02-19
(31)【優先権主張番号】10-2017-0100369
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 現 範
(72)【発明者】
【氏名】金 貞 元
(72)【発明者】
【氏名】金 亨 基
(72)【発明者】
【氏名】禹 俊 赫
(72)【発明者】
【氏名】李 東 基
(72)【発明者】
【氏名】李 彦 周
(72)【発明者】
【氏名】周 振 豪
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0049030(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0027725(US,A1)
【文献】特開2010-034074(JP,A)
【文献】国際公開第2011/121662(WO,A1)
【文献】特開2016-042358(JP,A)
【文献】特開2015-069351(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0035795(US,A1)
【文献】国際公開第2013/014883(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041-3/047
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/00-33/28
G09F 9/00
G09F 9/30-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光領域及び非発光領域に区画された表示パネルと、
前記表示パネルに設けられた入力検知ユニットと、
を備える表示装置であって、
前記表示パネルは、
ベース層と、
前記ベース層上に設けられた発光素子と、
前記発光素子の位置を定義する画素定義膜と、
前記発光素子及び前記画素定義膜をカバーする封止層と、を含み、
前記発光領域は、前記画素定義膜により露出された前記発光素子上の領域で定義され、
前記非発光領域は、前記画素定義膜上の領域で定義され、
前記封止層は、1つ又は2以上の層からなり、
前記入力検知ユニットは、
前記非発光領域上に対応するように設けられて入射する光を吸収
し、前記発光領域を露出させる開口部を有する吸光パターンと、
前記吸光パターンに重畳する検知電極と、
前記開口部に対応して入射する光の経路を変更する光経路変更部を有する絶縁層と、を備え、
前記吸光パターンは、前記開口部の境界と前記発光領域の外側境界とが互いに離隔するように設けられ
、
前記絶縁層は、
前記検知電極を覆う第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に設けられて前記第1絶縁層よりも屈折率が大きい第2絶縁層と、を含み、
前記光経路変更部は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に設けられ、
前記光経路変更部の直径又は面積は、前記開口部の幅又は面積よりも小さいか又は同一であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記開口部の境界と前記発光領域の外側境界との間の距離dは、次の数学式1によって決定され、
【数1】
であり、
ここで、kは自然数であり、tiは前記封止層のi番目の層の厚さであり、niは前記封止層のi番目の層の屈折率であり、Dは前記表示装置の平面に対
して垂直な場合の0°を基準値にした傾斜角であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記傾斜角Dは、前記表示装置の視野角別の輝度比の測定時の
前記表示装置の平面に対して垂直な場合の0°を基準値にした視野角であり、
所定の視野角に対して前記表示装置の視野角別の輝度比を確保するために、前記開口部の境界と前記発光領域の外側境界との間の距離dを前記数学式1に基づいて決定することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記開口部の幅又は面積は、前記発光領域の幅又は面積よりも大きく形成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記開口部の境界は、前記発光領域の外側境界を侵さないことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記吸光パターンは、前記非発光領域上に重畳することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記光経路変更部は、前記発光
素子に向かって突出することを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記光経路変更部は、前記発光
素子に対向
する前記表示装置の外部に向かって突出することを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記光経路変更部は、前記発光領域に重畳することを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記検知電極は、前記発光領域に重畳しないメッシュパターンを有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記メッシュパターンは、前記吸光パターンに重畳するように設けられることを特徴とする請求項
10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記メッシュパターンは、少なくとも1つのメッシュホールを形成する金属ラインを含み、
前記金属ラインの幅は、前記吸光パターンの幅よりも小さいことを特徴とする請求項
10に記載の表示装置。
【請求項13】
前記メッシュホールは、前記開口部よりも大きく形成されることを特徴とする請求項
12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記検知電極は、第1メッシュパターン及び第2メッシュパターンを含み、
前記第2メッシュパターンは、前記第1メッシュパターン上に離隔して位置し、少なくとも1つのコンタクト部により電気的に接続されることを特徴とする請求項
10に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとの間には、前記吸光パターンが介在し、
前記コンタクト部は、前記吸光パターンに形成された接続コンタクトホールを介して前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとを電気的に接続することを特徴とする請求項
14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記入力検知ユニットは、多層からなる絶縁層を含み、
前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとの間には、前記多層からなる絶縁層のうちの少なくとも何れか1つの絶縁層が介在し、
前記コンタクト部は、前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとの間に介在する絶縁層を貫通する接続コンタクトホールを介して前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとを電気的に接続することを特徴とする請求項
14に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1メッシュパターンは、前記吸光パターン上に位置することを特徴とする請求項
16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記吸光パターンは、前記第2メッシュパターン上に位置することを特徴とする請求項
16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記検知電極は、
第1方向に延長形成された第1検知電極と、
前記第1方向と交差する第2方向に延長形成された第2検知電極と、を含み、
前記第1検知電極は、
前記第1方向に沿って配列された複数の第1センシング部と、
前記第1センシング部を互いに接続する第1接続部と、を含み、
前記第2検知電極は、
前記第2方向に沿って配列された複数の第2センシング部と、
前記第2センシング部を互いに接続する第2接続部と、を含み、
前記第1センシング部及び前記第2センシング部は、同一又は異なる層上に配置され、
前記第1接続部及び前記第2接続部の何れか1つは、前記第1センシング部と同じ層上に配置されることを特徴とする請求項
10に記載の表示装置。
【請求項20】
前記表示装置に入射する外部光が前記表示装置内で反射されて再び外部に出ることを阻止する反射防止パネルを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項21】
前記反射防止パネルは、前記入力検知ユニット上に設けられ、
前記吸光パターンは、前記表示装置内で反射された外部光のうちの前記吸光パターンに入射する光を吸収することを特徴とする請求項20に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力検知ユニットを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の表示装置は、映像表示機能と共に情報入力機能を備える方向で開発されている。表示装置の情報入力機能は、一般的にユーザのタッチ入力を受けるための入力検知ユニットで具現される。
【0003】
入力検知ユニットは、映像表示機能を具現する表示パネルの一面に付着されるか、又は表示パネルと一体に形成されて用いられる。ユーザは表示パネルで具現される画像を見ながら入力検知ユニットを押したりタッチしたりして情報を入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第2015-0057019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、反射色味を改善し、視野角/輝度比を向上させた入力検知ユニットを備える表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による表示装置は、複数の発光領域及び非発光領域に区画された表示パネルと、前記表示パネルに設けられた入力検知ユニットと、を備え、前記表示パネルは、ベース層と、前記ベース層上に設けられた発光素子と、前記発光素子の位置を定義する画素定義膜と、前記発光素子及び前記画素定義膜をカバーする封止層と、を含み、前記発光領域は、前記画素定義膜により露出された前記発光素子上の領域で定義され、前記非発光領域は、前記画素定義膜上の領域で定義され、前記封止層は、1つ又は2以上の層からなり、前記入力検知ユニットは、前記非発光領域上に対応するように設けられて入射する光を吸収する吸光パターンと、前記吸光パターンに重畳する検知電極と、を備え、前記吸光パターンは、前記発光領域を露出させる開口部を有し、前記吸光パターンは、前記開口部の境界と前記発光領域の外側境界とが互いに離隔するように設けられる。
【0007】
前記開口部の境界と前記発光領域の外側境界との間の距離dは、次の数学式1によって決定され、
【数1】
ここで、kは自然数であり、tiは前記封止層のi番目の層の厚さであり、niは前記封止層のi番目の層の屈折率であり、Dは前記表示装置の平面に対する傾斜角であり得る。
前記傾斜角Dは、前記表示装置の視野角別の輝度比の測定時の視野角であり、所定の視野角に対して前記表示装置の視野角別の輝度比を確保するために、前記開口部の境界と前記発光領域の外側境界との間の距離dを前記数学式1に基づいて決定し得る。
前記開口部の幅又は面積は、前記発光領域の幅又は面積よりも大きく形成され得る。
前記開口部の境界は、前記発光領域の外側境界を侵さないようにし得る。
前記吸光パターンは、前記非発光領域上に重畳し得る。
前記入力検知ユニットは、光経路変更部を有する絶縁層を備え、前記光経路変更部は、前記開口部に対応して前記絶縁層に入射する光の経路を変更し得る。
前記光経路変更部は、前記発光領域に向かって突出し得る。
前記光経路変更部は、前記発光領域に対向して突出し得る。
前記絶縁層は、前記検知電極を覆う第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に設けられた第2絶縁層と、を含み、前記光経路変更部は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に設けられ得る。
前記第2絶縁層は、前記第1絶縁層よりも屈折率が大きくあり得る。
前記光経路変更部は、前記発光領域に重畳し得る。
前記光経路変更部の直径又は面積は、前記開口部の幅又は面積よりも小さいか、又は同一であり得る。
前記検知電極は、前記発光領域に重畳しないメッシュパターンを有し得る。
前記メッシュパターンは、前記吸光パターンに重畳するように設けられ得る。
前記メッシュパターンは、少なくとも1つのメッシュホールを形成する金属ラインを含み、前記金属ラインの幅は、前記吸光パターンの幅よりも小さくあり得る。
前記メッシュホールは、前記開口部よりも大きく形成され得る。
前記検知電極は、第1メッシュパターン及び第2メッシュパターンを含み、前記第2メッシュパターンは、前記第1メッシュパターン上に離隔して位置し、少なくとも1つのコンタクト部により電気的に接続され得る。
前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとの間には、前記吸光パターンが介在し、前記コンタクト部は、前記吸光パターンに形成された接続コンタクトホールを介して前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとを電気的に接続し得る。
前記入力検知ユニットは、多層からなる絶縁層を含み、前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとの間には、前記多層からなる絶縁層のうちの少なくとも何れか1つの絶縁層が介在し、前記コンタクト部は、前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとの間に介在する絶縁層を貫通する接続コンタクトホールを介して前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとを電気的に接続し得る。
前記第1メッシュパターンは、前記吸光パターン上に位置し得る。
前記吸光パターンは、前記第2メッシュパターン上に位置し得る。
前記検知電極は、第1方向に延長形成された第1検知電極と、前記第1方向と交差する第2方向に延長形成された第2検知電極と、を含み、前記第1検知電極は、前記第1方向に沿って配列された複数の第1センシング部と、前記第1センシング部を互いに接続する第1接続部と、を含み、前記第2検知電極は、前記第2方向に沿って配列された複数の第2センシング部と、前記第2センシング部を互いに接続する第2接続部と、を含み、前記第1センシング部及び前記第2センシング部は、同一又は異なる層上に配置され、前記第1接続部及び前記第2接続部の何れか1つは、前記第1センシング部と同じ層上に配置され得る。
前記表示装置は、前記表示装置に入射する外部光が前記表示装置内で反射されて再び外部に出ることを阻止する反射防止ユニットを更に備え得る。
前記反射防止ユニットは、前記入力検知ユニット上に設けられ、前記吸光パターンは、前記表示装置内で反射された外部光のうちの前記吸光パターンに入射する光を吸収し得る。
【0008】
一実施形態による表示装置は、複数の発光領域及び非発光領域に区画された表示パネルと、前記表示パネルに設けられた入力検知ユニットと、を備え、前記表示パネルは、ベース層と、前記ベース層上に設けられた発光素子と、前記発光素子の位置を定義する画素定義膜と、前記発光素子及び前記画素定義膜をカバーする封止層と、を含み、前記発光領域は、前記画素定義膜により露出された前記発光素子上の領域で定義され、前記非発光領域は、前記画素定義膜上の領域で定義され、前記入力検知ユニットは、前記非発光領域上に対応するように設けられて入射する光を吸収する吸光パターンと、前記吸光パターンに重畳する検知電極と、を備え、前記吸光パターンは、前記発光領域を露出させる開口部を有し、前記吸光パターンは、前記開口部の境界と前記発光領域の外側境界とを離隔させ、前記表示装置の視野角による輝度比は、所定の値以上である。
【0009】
前記開口部の境界と前記発光領域の外側境界との間に距離を置くことにより、前記表示装置の45°視野角による輝度比は、50%以上であり得る。
前記開口部の境界と前記発光領域の外側境界との間の距離dは、次の数学式1によって決定され、
【数1】
ここで、kは自然数であり、tiは前記封止層のi番目の層の厚さであり、niは前記封止層のi番目の層の屈折率であり、Dは前記表示装置の平面に対する傾斜角であり得る。
前記傾斜角Dは、前記表示装置の視野角別の輝度比の測定時の視野角であり、所定の視野角に対して前記表示装置の視野角別の輝度比を確保するために、前記開口部の境界と前記発光領域の外側境界との間の距離dを前記数学式1に基づいて決定し得る。
【0010】
一実施例による入力検知ユニットは、表示装置に設けられて複数の透光領域及び互いに隣接する透光領域間の非透光領域を含むベースと、前記非透光領域上に対応するように設けられて入射する光を吸収する吸光パターンと、前記吸光パターンに重畳する検出電極と、を備え、前記吸光パターンは、前記透光領域を露出させる開口部を有し、前記開口部の境界と前記透光領域の外側境界とが互いに離隔し、前記入力検出ユニットは、前記表示装置上に設けられ、前記表示装置の視野角による輝度比は、所定の値以上を有する。
【0011】
前記開口部の境界と前記透光領域の外側境界との間を離隔させることにより、前記表示装置の45°視野角による輝度比は、50%以上であり得る。
前記表示装置は、発光素子と前記発光素子を覆う封止層とを有する表示パネルを備え、前記開口部の境界と前記透光領域の外側境界との間の距離dは、次の数学式1によって決定され、
【数1】
ここで、kは自然数であり、tiは前記封止層のi番目の層の厚さであり、niは前記封止層のi番目の層の屈折率であり、Dは前記表示装置の平面に対する傾斜角であり得る。
前記開口部の幅又は面積は、前記透光領域の幅又は面積よりも大きく形成され得る。
前記開口部の境界は、前記透光領域の外側境界を侵さないようにし得る。
前記吸光パターンは、前記非透光領域上に重畳し得る。
前記入力検知ユニットは、光経路変更部を有する絶縁層を備え、前記光経路変更部は、前記開口部に対応して前記絶縁層に入射する光の経路を変更し得る。
前記光経路変更部は、前記透光領域に向かって突出し得る。
前記光経路変更部は、前記透光領域に対向して突出し得る。
前記絶縁層は、前記検知電極を覆う第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に設けられた第2絶縁層と、を含み、前記光経路変更部は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に設けられ得る。
前記第2絶縁層は、前記第1絶縁層よりも屈折率が大きくあり得る。
前記光経路変更部は、前記透光領域に重畳し得る。
前記光経路変更部の直径又は面積は、前記開口部の幅又は面積よりも小さいか、又は同一であり得る。
前記検知電極は、前記透光領域に重畳しないメッシュパターンを有し得る。
前記メッシュパターンは、前記吸光パターンに重畳するように設けられ得る。
前記メッシュパターンは、少なくとも1つのメッシュホールを形成する金属ラインを含み、前記金属ラインの幅は、前記吸光パターンの幅よりも小さくあり得る。
前記メッシュホールは、前記開口部よりも大きく形成され得る。
前記検知電極は、第1メッシュパターン及び第2メッシュパターンを含み、前記第2メッシュパターンは、前記第1メッシュパターン上に離隔して位置し、少なくとも1つのコンタクト部により電気的に接続され得る。
前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとの間には、前記吸光パターンが介在し、前記コンタクト部は、前記吸光パターンに形成された接続コンタクトホールを介して前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとを電気的に接続し得る。
前記入力検知ユニットは、多層からなる絶縁層を含み、前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとの間には、前記多層からなる絶縁層のうちの少なくとも何れか1つの絶縁層が介在し、前記コンタクト部は、前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとの間に介在する絶縁層を貫通する接続コンタクトホールを介して前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンとを電気的に接続し得る。
前記第1メッシュパターンは、前記吸光パターン上に位置し得る。
前記吸光パターンは、前記第2メッシュパターン上に位置し得る。
前記検知電極は、第1方向に延長形成された第1検知電極と、前記第1方向と交差する第2方向に延長形成された第2検知電極と、を含み、前記第1検知電極は、前記第1方向に沿って配列された複数の第1センシング部と、前記第1センシング部を互いに接続する第1接続部と、を含み、前記第2検知電極は、前記第2方向に沿って配列された複数の第2センシング部と、前記第2センシング部を互いに接続する第2接続部と、を含み、前記第1センシング部及び前記第2センシング部は、同一又は異なる層上に配置され、前記第1接続部及び前記第2接続部の何れか1つは、前記第1センシング部と同じ層上に配置され得る。
前記表示装置は、前記表示装置に入射する外部光が前記表示装置内で反射されて再び外部に出ることを阻止する反射防止パネルを更に備え得る。
前記反射防止パネルは、前記入力検知ユニット上に設けられ、前記吸光パターンは、前記表示装置内で反射された外部光のうちの前記吸光パターンに入射する光を吸収し得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、表示装置の反射色味が改善し、また視野角/輝度比を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による表示装置の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施例による表示パネルの断面図である。
【
図4】本発明の一実施例による表示パネルの平面図である。
【
図5】本発明の一実施例による表示パネルを拡大した断面図である。
【
図6a】本発明の一実施例による薄膜封止層の第1例の断面図である。
【
図6b】本発明の一実施例による薄膜封止層の第2例の断面図である。
【
図6c】本発明の一実施例による薄膜封止層の第3例の断面図である。
【
図6d】本発明の一実施例による薄膜封止層の第4例の断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による表示装置の断面図である。
【
図8】本発明の一実施例による入力検知ユニットの平面図である。
【
図9】
図8に示す入力検知ユニットのFF領域を拡大した図である。
【
図10】
図9のVIII-VIII’による表示装置の第1例の断面図である。
【
図11a】従来の表示装置におけるSCEで測定された傾斜角別、方位角別のa
*b
*分布を表した色座標である。
【
図11b】本発明の一実施形態による表示装置におけるSCEで測定された傾斜角別、方位角別のa
*b
*分布を表した色座標である。
【
図11c】3層からなる薄膜封止層を示す断面図である。
【
図12】従来の表示装置と本発明の一実施形態による表示装置との視野角別の輝度比を示すグラフである。
【
図13a】本発明の一実施形態による表示装置の第2例を示す断面図である。
【
図13b】本発明の一実施形態による表示装置の第3例を示す断面図である。
【
図13c】本発明の一実施形態による表示装置の第4例を示す断面図である。
【
図14】本発明の第2実施形態による表示装置を示す断面図である。
【
図15】本発明の第3実施形態による表示装置の第1例を示す断面図である。
【
図16a】サイズの異なる光経路変更部を有する表示装置を示す断面図である。
【
図16b】サイズの異なる光経路変更部を有する表示装置を示す断面図である。
【
図16c】サイズの異なる光経路変更部を有する表示装置を示す断面図である。
【
図17a】本発明の第3実施形態による表示装置の第2例を示す断面図である。
【
図17b】本発明の第3実施形態による表示装置の第3例を示す断面図である。
【
図18a】本発明の第4実施形態による表示装置の第1例を示す断面図である。
【
図18b】本発明の第4実施形態による表示装置の第2例を示す断面図である。
【
図18c】本発明の第4実施形態による表示装置の第3例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、多様に変更され、また様々な形態を有するため、特定の実施形態を図面に例示して以下で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物を含むものと理解すべきである。
【0015】
各図面を説明するにあたり、類似する構成要素には類似する参照符号を使用する。図面における構造物の寸法は、本発明を明確にするために拡大して示す。第1、第2などの用語は様々な構成要素を説明するために用いられるが、構成要素は用語により限定されてはならない。用語は一構成要素を他の構成要素と区別するためのみに用いられる。例えば、本発明の権利範囲から外れない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素に命名され、これと同様に第2構成要素も第1構成要素に命名される。単数の表現は文脈上明らかに違う意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0016】
本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載する特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらの組み合わせが存在することを示すものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらの組み合わせの存在若しくは付加可能性を事前に排除するものではないと理解すべきである。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるという場合は、他の部分の「真上に」ある場合のみならず、その中間に他の部分が介在する場合も含む。また、本明細書において、ある層、膜、領域、板などの部分が他の部分上(on)に形成されたという場合は、形成された方向が上部方向のみに限らず、側面や下部方向に形成されたことを含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あるという場合は、他の部分の「真下に」ある場合のみならず、その中間に他の部分が介在する場合も含む。
【0017】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置DDを示す斜視図である。
図1を参照すると、本実施形態による表示装置DDは、表示面DD-ISを介して画像IMを表示する。表示面DD-ISは、第1方向軸DR1及び第2方向軸DR2で定義される面に平行である。表示面DD-ISの法線方向、即ち表示装置DDの厚さ方向は第3方向軸DR3で示される。
【0019】
以下で説明する各部材又はユニットの前面(又は上面)及び背面(又は下面)は、第3方向軸DR3によって区分される。しかし、本実施形態に示した第1~第3方向軸(DR1、DR2、DR3)は例示に過ぎず、第1~第3方向軸(DR1、DR2、DR3)が示す方向は、相対的な概念であって、他の方向に変わってもよい。以下、第1~第3方向は、第1~第3方向軸(DR1、DR2、DR3)のそれぞれが示す方向であり、同じ図面符号を付する。
【0020】
図1に示す表示装置DDは平面状表示面を備えるが、本発明はこれに限定されず、一実施形態による表示装置DDは、曲面状表示面又は立体状表示面などの画像を表示する様々な形態の表示面を備える。一実施形態による表示装置DDが立体状表示面を有する場合、立体状表示面は、例えば異なる方向を向く複数の表示領域を含む。立体状表示面は、多角柱状表示面で具現される。
【0021】
本実施形態による表示装置DDはフレキシブル表示装置であるが、本発明はこれに限定されず、リジッド(rigid)表示装置であってもよい。
【0022】
図1には、携帯電話端末に適用される表示装置DDを例示した。
図1の表示装置DDは、図示していないが、メインボードに実装された電子モジュール、カメラモジュール、電源モジュールなどが表示装置DDと共にブラケット/ケースなどに配置されることにより、携帯電話端末を構成する。一実施形態による表示装置DDは、テレビ、モニター、電光掲示板などの大型電子装置をはじめ、タブレット、カーナビゲーション、ゲーム機、スマートウォッチなどの中小型電子装置などに適用される。
【0023】
図1に示すように、表示装置DDの表示面DD-ISは、画像IMが表示される表示領域DD-DAと、表示領域DD-DAに隣接する非表示領域DD-NDAと、を含む。非表示領域DD-NDAは画像が表示されない領域である。非表示領域DD-NDAは表示領域DD-DAの外側に配置される。
【0024】
表示装置DDの表示面DD-ISは長方形である。この場合、非表示領域DD-NDAは、長方形の表示領域DD-DAの四辺を取り囲むが、本発明はこれに限定されるものではなく、一実施形態による表示装置DDの表示面DD-ISは、三角形、五角形などの多角形又は円形など、画像IMを表示する形状からなり、表示領域DD-DAの形状と非表示領域DD-NDAの形状は、相対的にデザインされる。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態による表示装置DDを概略的に示す断面図である。
図2は、第2方向軸DR2及び第3方向軸DR3で定義される断面による表示装置DDの断面図である。
図2は、表示装置DDを構成する機能性パネル及び/又は機能性ユニットの積層関係を説明するために簡単に示した。
【0026】
図2を参照すると、本実施形態による表示装置DDは、表示パネル、入力検知ユニット、反射防止ユニット、及びウィンドウユニットを含む。表示パネル、入力検知ユニット、反射防止ユニット、及びウィンドウユニットの少なくとも一部の構成は、連続工程により形成されるか、又は接着部材で互いに結合される。接着部材は、通常の接着剤又は粘着剤を含む。
図2に示す接着部材は、例えば光学透明接着部材OCAである。
【0027】
本実施形態における入力検知ユニットは、表示装置DDの表示面DD-ISへの手やペンなどの外部媒体による接触又は入力を検知する。
【0028】
一実施形態で、入力検知ユニット、反射防止ユニット、及びウィンドウユニットは、他の構成に代替されるか、又は省略される。
【0029】
図2において、入力検知ユニット、反射防止ユニット、及びウィンドウユニットのうちの他の構成と連続工程を通じて形成された構成は、「層」と表現する。入力検知ユニット、反射防止ユニット、及びウィンドウユニットのうちの他の構成と接着部材を介して結合された構成は、「パネル」と表現する。パネルは、ベース面を提供するベース層、例えば合成樹脂フィルム、複合材料フィルム、ガラス基板などを含むが、「層」はベース層が省略される。即ち、「層」と表現されるユニットは、他のユニットが提供するベース面上に配置される。
【0030】
入力検知ユニット、反射防止ユニット、ウィンドウユニットは、ベース層の有無によって入力検知パネルISP、反射防止パネルRPP、ウィンドウパネルWP、又は入力検知層ISL、反射防止層RPL、ウィンド層WLと称される。
【0031】
図2に示すように、本実施形態による表示装置DDは、表示パネルDP、入力検知層ISL、反射防止パネルRPP、及びウィンドウパネルWPを含む。
【0032】
入力検知層ISLは、入力検知ユニットであって、表示パネルDPに直接配置される。本明細書において「Bの構成がAの構成上に直接配置される」とは、Aの構成とBの構成の間に別途の接着層/接着部材が配置されないことを意味する。Bの構成は、Aの構成が形成された後、Aの構成が提供するベース面上に連続工程を通じて形成される。従って、
図2に示す入力検知層ISLは表示パネルDPに直接配置されるため、入力検知層ISLは別途の接着層/接着部材なしに表示パネルDPの一面をベース面にして連続工程により形成される。
【0033】
表示パネルDP及び表示パネルDP上に直接配置された入力検知層ISLを含んで表示モジュールDMと定義する。表示モジュールDMと反射防止パネルRPPとの間、反射防止パネルRPPとウィンドウパネルWPとの間に、それぞれ光学透明接着部材OCAが配置される。即ち、光学透明接着部材OCAは、表示モジュールDMと反射防止パネルRPPとの間に配置されて反射防止パネルRPPを表示モジュールDMに付着させ、反射防止パネルRPPとウィンドウパネルWPとの間に配置されてこれらを付着させる。
【0034】
光学透明接着部材OCAは、光を97%以上透過してガラスのような機能をし、従来の両面テープに比べて表示面DD-ISの鮮明度を上げることができる。
【0035】
入力検知層ISLは、表示装置DDの表示面DD-ISに対する外部入力(例えば、タッチイベント)の座標情報を獲得する。入力検知層ISLは、表示パネルDP内又は表示パネルDP上に配置される。
【0036】
図示していないが、一実施例による表示モジュールDMは、表示パネルDPの下面に配置された保護部材を更に含む。保護部材と表示パネルDPとは、接着部材により結合される。
【0037】
本実施例による表示パネルDPは、発光型表示パネルであるが、特に制限されない。例えば、表示パネルDPは、有機発光表示パネル又は量子ドット発光表示パネルである。有機発光表示パネルの発光層は有機発光物質を含む。量子ドット発光表示パネルの発光層は量子ドット及び量子ロッドなどを含む。以下では、表示パネルDPを有機発光表示パネルで説明する。
【0038】
反射防止パネルRPPは、ウィンドウパネルWPの上側から入射する外部光の反射率を減少させる。外部光は、表示装置DD内に入射すると、表示装置DDの内部、特に表示パネルDP内のTFTや電極で反射されて、再び表示装置DDの外部に出射する。このような外部光の反射により、屋外視認性が弱化し、反射色味の特性が低下することがある。反射防止パネルRPPは、表示装置DD内に入射した外部光が表示装置DD内で反射されて外部に出射することを阻止する機能を行う。
【0039】
外部光の反射は、有機発光表示パネルがLCD表示パネルに比べて脆弱である。LCD表示パネルは、液晶層によって、反射される外部光が遮断されるが、有機発光表示パネルは、自発光であって別の液晶層がないため、構造的に外部光の反射に脆弱である。従って、外部光の反射率を低減するため、有機発光表示パネルには反射防止パネルRPPが設けられるが、反射防止パネルRPPのみではLCD表示パネルに比べて相対的に外部光の反射抑制が弱く、反射色味特性の低下によりリアルブラック(real black)の具現に困難がある。これに対しては後述する。
【0040】
反射防止パネルRPPは、位相遅延子(retarder)及び偏光子(polarizer)を含む。位相遅延子は、フィルムタイプ又は液晶コーティングタイプであり、λ/2位相遅延子及び/又はλ/4位相遅延子を含む。偏光子もフィルムタイプ又は液晶コーティングタイプである。フィルムタイプは延伸型合成樹脂フィルムを含み、液晶コーティングタイプは所定の配列に配列された液晶を含む。位相遅延子及び偏光子は、保護フィルムを更に含む。位相遅延子(retarder)及び偏光子(polarizer)そのもの又は保護フィルムが反射防止パネルRPPのベース層として定義される。
【0041】
反射防止パネルRPPはカラーフィルタを含む。カラーフィルタは所定の配列を有する。表示パネルDPに含まれる画素の発光カラーを考慮して、カラーフィルタの配列が決定される。反射防止パネルRPPは、カラーフィルタに隣接するブラックマトリックスを更に含む。
【0042】
反射防止パネルRPPは相殺干渉構造物を含む。例えば、相殺干渉構造物は、異なる層上に配置された第1反射層及び第2反射層を含む。第1反射層及び第2反射層でそれぞれ反射された第1反射光及び第2反射光は相殺干渉され、これによって外部光の反射率が減少する。
【0043】
ウィンドウパネルWPは、ベースフィルムWP-BS及び遮光パターンWP-BZを含む。ベースフィルムWP-BSは、ガラス基板及び/又は合成樹脂フィルムなどを含む。ベースフィルムWP-BSは単層に限定されない。ベースフィルムWP-BSは、接着部材で結合された2以上のフィルムを含む。
【0044】
遮光パターンWP-BZは、ベースフィルムWP-BSに部分的に重畳する。遮光パターンWP-BZは、ベースフィルムWP-BSの背面に配置されて表示装置DDのベゼル領域、即ち非表示領域DD-NDA(
図1を参照)を定義する。
【0045】
遮光パターンWP-BZは有色の有機膜である。遮光パターンWP-BZは、例えばコーティング方式で形成される。
【0046】
図示していないが、ウィンドウパネルWPは、ベースフィルムWP-BSの前面に配置された機能性コーティング層を更に含む。機能性コーティング層は、指紋防止層、反射防止層、及びハードコート層などを含む。
【0047】
図2を参照すると、入力検知ユニットは、表示パネルに全体的に重畳する。但し、変形例として、入力検知ユニットは、表示領域DD-DAの一部分のみに重畳するか、又は非表示領域DD-NDAのみに重畳する。
【0048】
入力検知ユニットは、ユーザのタッチを検知するタッチ検知パネル又はユーザの指の指紋情報を検知する指紋検知パネルである。以下で説明する検知電極のピッチ、検知電極の幅は、入力検知ユニットの用途に応じて変更される。タッチ検知パネルの検知電極は、数mmから数十mmの幅を有し、指紋検知パネルの検知電極は、数十μmから数百μmの幅を有する。
【0049】
図3は、本発明の一実施例による表示パネルDPの断面図であり、
図4は、本発明の一実施例による表示パネルDPの平面図であり、
図5は、本発明の一実施例による表示パネルDPを拡大した断面図である。以下で説明する表示パネルDPは、
図2を参照して説明した表示装置DDの全てに適用される。
【0050】
図3に示すように、表示パネルDPは、ベース層BLと、ベース層BL上に配置された回路素子層DP-CLと、表示素子層DP-OLEDと、薄膜封止層TFEと、を含む。図示していないが、表示パネルDPは、反射防止層、屈折率調節層などの機能性層を更に含む。
【0051】
ベース層BLは合成樹脂フィルムを含む。表示パネルDPの製造時に用いられる作業基板上に合成樹脂層が形成される。その後、合成樹脂層上に導電層や絶縁層などを形成する。作業基板が取り除かれると、合成樹脂層はベース層BLになる。合成樹脂層は、ポリイミド系樹脂層であるが、その材料は特に制限されない。その他に、ベース層BLは、ガラス基板、金属基板、又は有/無機複合材料基板などを含む。
【0052】
回路素子層DP-CLは、少なくとも1つの絶縁層及び回路素子を含む。以下、回路素子層DP-CLに含まれる絶縁層を中間絶縁層と称する。中間絶縁層は、少なくとも1つの中間無機膜及び少なくとも1つの中間有機膜を含む。回路素子は、信号ライン、画素の駆動回路などを含む。コーティング、蒸着などによる絶縁層、半導体層、及び導電層の形成工程と、フォトリソグラフィ工程による絶縁層、半導体層、及び導電層のパターニング工程によって回路素子層DP-CLが形成される。
【0053】
表示素子層DP-OLEDは発光素子を含む。表示素子層DP-OLEDは有機発光ダイオードを含む。表示素子層DP-OLEDは画素定義膜のような有機膜を更に含む。
【0054】
薄膜封止層TFEは表示素子層DP-OLEDを密封する。薄膜封止層TFEは少なくとも1つの絶縁層を含む。一実施例による薄膜封止層TFEは、少なくとも1つの無機膜(以下、封止無機膜)を含む。一実施例による薄膜封止層TFEは、少なくとも1つの有機膜(以下、封止有機膜)及び少なくとも1つの封止無機膜を含む。
【0055】
封止無機膜は水分/酸素から表示素子層DP-OLEDを保護し、封止有機膜はダスト粒子などの異物から表示素子層DP-OLEDを保護する。封止無機膜は、シリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキサイド層、チタンオキサイド層、又はアルミニウムオキサイド層などを含むが、本発明はこれに限定されず、水分/酸素から表示素子層を保護できる無機物からなる。封止有機膜は、アクリル系有機膜を含むが、本発明はこれに限定されず、ダスト粒子などの異物から表示素子層を保護できる有機物からなる。
【0056】
図4に示すように、表示パネルDPは、平面上において、表示領域DP-DA及び非表示領域DP-NDAを含む。本実施例において、非表示領域DP-NDAは、表示領域DP-DAの縁により定義される。表示パネルDPの表示領域DP-DA及び非表示領域DP-NDAは、
図1及び
図2に示した表示装置DDの表示領域DD-DA及び非表示領域DD-NDAにそれぞれ対応する。
【0057】
表示パネルDPは、駆動回路GDCと、複数の信号ラインSGL(以下、信号ライン)と、複数の信号パッドDP-PD(以下、信号パッド)と、複数の画素PX(以下、画素)と、を含む。画素PXは、表示領域DAに配置される。画素PXのそれぞれは、有機発光ダイオードと、それに接続された画素駆動回路と、を含む。駆動回路GDC、信号ラインSGL、信号パッドDP-PD、及び画素駆動回路は、
図3に示した回路素子層DP-CLに含まれる。
【0058】
駆動回路GDCは走査駆動回路を含む。走査駆動回路は、複数の走査信号(以下、走査信号)を生成し、走査信号を後述する複数の走査ラインGL(以下、走査ライン)に順に出力する。走査駆動回路は、画素PXの駆動回路に他の制御信号を更に出力する。
【0059】
走査駆動回路は、画素PXの駆動回路と同じ工程、例えばLTPS(Low Temperature Polycrystaline Silicon)工程又はLTPO(Low Temperature Polycrystalline Oxide)工程により形成された複数の薄膜トランジスタを含む。
【0060】
信号ラインSGLは、走査ラインGL、データラインDL、電源ラインPL、及び制御信号ラインCSLを含む。走査ラインGLは、画素PXのうちの対応する画素PXにそれぞれ接続され、データラインDLは、画素PXのうちの対応する画素PXにそれぞれ接続される。電源ラインPLは画素PXに接続される。制御信号ラインCSLは走査駆動回路に制御信号を供給する。
【0061】
信号ラインSGLは表示領域DP-DA及び非表示領域DP-NDAに重畳する。信号ラインSGLはパッド部及びライン部を含む。ライン部は表示領域DP-DA及び非表示領域DP-NDAに重畳する。パッド部はライン部の末端に接続される。パッド部は、非表示領域DP-NDAに配置され、信号パッドDP-PDのうちの対応する信号パッドに重畳する。これに対する詳細な説明は後述する。非表示領域DP-NDAのうちの信号パッドDP-PDが配置された領域は、パッド領域NDA-PDとして定義される。
【0062】
実質的に画素PXに接続されたライン部が信号ラインSGLの大部分を構成する。ライン部は画素PXのトランジスタ(T1、T2)(
図5を参照)に接続される。ライン部は単層/多層構造であり、一体の形状(single body)であるか、又は2以上の部分を含む。2以上の部分は異なる層上に配置され、2以上の部分の間に配置された絶縁層を貫通するコンタクトホールを介して互いに接続される。
【0063】
表示パネルDPは、パッド領域NDA-PDに配置されたダミーパッドIS-DPDを更に含む。ダミーパッドIS-DPDは、信号ラインSGLと同じ工程により形成されるため、信号ラインSGLと同じ層上に配置される。ダミーパッドIS-DPDは、
図2のように入力検知層ISLを含む表示装置DDで選択的に備えられ、入力検知ユニットISUを含む表示装置DDでは省略される。
【0064】
ダミーパッドIS-DPDは、
図2に示した入力検知層ISLに備えられた信号ラインのパッド部に重畳する。ダミーパッドIS-DPDはフローティング電極である。ダミーパッドIS-DPDは、表示パネルの信号ラインSGLと電気的に絶縁される。これに対する詳細な説明は後述する。
【0065】
図4には、表示パネルDPに電気的に接続される回路基板PCBを更に示す。回路基板PCBは、リジッド回路基板又はフレキシブル回路基板である。回路基板PCBは、表示パネルDPに直接結合されるか、又は別の回路基板を介して表示パネルDPに接続される。
【0066】
回路基板PCBには、表示パネルDPの動作を制御するタイミング制御回路TCが配置される。また、回路基板PCBには、入力検知ユニットISU又は入力検知層ISLを制御する入力検知回路IS-Cが配置される。タイミング制御回路TC及び入力検知回路IS-Cのそれぞれは、集積チップ状に回路基板PCBに実装される。他の例として、タイミング制御回路TC及び入力検知回路IS-Cは、1つの集積チップ状に回路基板PCBに実装される。回路基板PCBは、表示パネルDPに電気的に接続される回路基板パッドPCB-Pを含む。図示していないが、回路基板PCBは、回路基板パッドPCB-Pとタイミング制御回路TC及び/又は入力検知回路IS-Cとを接続する信号ラインを更に含む。
【0067】
図5は、本発明の一実施例による表示パネルDPを拡大した断面図である。
図5を参照すると、本実施例による表示パネルDPは、ベース層BL上に回路素子層DP-CL、表示素子層DP-OLED、及び薄膜封止層TFEが順に配置される。
【0068】
回路素子層DP-CLは、無機膜であるバッファ膜BFL、第1中間無機膜10、及び第2中間無機膜20を含み、有機膜である中間有機膜30を含む。無機膜及び有機膜の材料は特に制限されず、一実施例において、バッファ膜BFLは選択的に配置又は省略される。
【0069】
バッファ膜BFL上に第1トランジスタT1の半導体パターンOSP1(以下、第1半導体パターン)、第2トランジスタT2の半導体パターンOSP2(以下、第2半導体パターン)が配置される。第1半導体パターンOSP1及び第2半導体パターンOSP2はアモルファスシリコン、ポリシリコン、金属酸化物半導体から選択される。
【0070】
第1半導体パターンOSP1及び第2半導体パターンOSP2上に第1中間無機膜10が配置される。第1中間無機膜10上には、第1トランジスタT1の制御電極(以下、第1制御電極GE1)及び第2トランジスタT2の制御電極(以下、第2制御電極GE2)が配置される。第1制御電極GE1及び第2制御電極GE2は、走査ラインGL(
図4を参照)と同じフォトリソグラフィ工程により製造される。
【0071】
第1中間無機膜10上には、第1制御電極GE1及び第2制御電極GE2をカバーする第2中間無機膜20が配置される。第2中間無機膜20上に第1トランジスタT1の入力電極(以下、第1入力電極DE1)及び出力電極(第1出力電極SE1)と、第2トランジスタT2の入力電極(以下、第2入力電極DE2)及び出力電極(第2出力電極SE2)と、が配置される。
【0072】
第1入力電極DE1及び第1出力電極SE1は、第1中間無機膜10及び第2中間無機膜20を貫通する第1貫通ホールCH1及び第2貫通ホールCH2を介して第1半導体パターンOSP1にそれぞれ接続される。第2入力電極DE2及び第2出力電極SE2は、第1中間無機膜10及び第2中間無機膜20を貫通する第3貫通ホールCH3及び第4貫通ホールCH4を介して第2半導体パターンOSP2にそれぞれ接続される。一方、他の実施例で、第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2のうちの一部は、ボトムゲート構造に変形されて実施される。
【0073】
第2中間無機膜20上に第1入力電極DE1、第2入力電極DE2、第1出力電極SE1、及び第2出力電極SE2をカバーする中間有機膜30が配置される。中間有機膜は平坦面を提供する。
【0074】
中間有機膜30上には表示素子層DP-OLEDが配置される。表示素子層DP-OLEDは、画素定義膜PDL及び有機発光ダイオードOLEDを含む。画素定義膜PDLは有機物質を含む。中間有機膜30上に第1電極AEが配置される。第1電極AEは、中間有機膜30を貫通する第5貫通ホールCH5を介して第2出力電極SE2に接続される。画素定義膜PDLには開口部OPが設けられる。画素定義膜PDLの開口部OPは、第1電極AEの少なくとも一部を露出させる。変形例として、画素定義膜PDLは省略される。
【0075】
画素PXは、表示領域DP-DAに配置される。表示領域DP-DAは、発光領域PXAと、発光領域PXAに隣接する非発光領域NPXAと、を含む。非発光領域NPXAは発光領域PXAを取り囲む。発光領域PXAは、開口部OPによって露出された第1電極AEの一部領域に対応するように定義される。非発光領域NPXAは画素定義膜PDLに対応するように定義される。
【0076】
発光領域PXAは、第1及び第2トランジスタ(T1、T2)の少なくとも1つに重畳する。開口部OPがより広くなり、第1電極AE及び後述する発光層EMLもより広くなる。
【0077】
正孔制御層HCLは、発光領域PXA及び非発光領域NPXAに共通して配置される。図示していないが、正孔制御層HCLのような共通層は、画素PX(
図4を参照)に共通して形成される。
【0078】
正孔制御層HCL上に発光層EMLが配置される。発光層EMLは開口部OPに対応する領域に配置される。即ち、発光層EMLは画素PXのそれぞれに分離して形成される。発光層EMLは、有機物質及び/又は無機物質を含む。発光層EMLは所定のカラー光を生成する。
【0079】
本実施例では、パターニングされた発光層EMLを例示したが、発光層EMLは画素PXに共通的に配置されてもよい。この場合、発光層EMLは白色光を生成する。また、発光層EMLは、タンデム(tandem)と称される多層構造であってもよい。
【0080】
発光層EML上に電子制御層ECLが配置される。図示していないが、電子制御層ECLは画素PX(
図4を参照)に共通的に形成される。電子制御層ECL上に第2電極CEが配置される。第2電極CEは画素PXに共通的に配置される。
【0081】
第2電極CE上に薄膜封止層TFEが配置される。薄膜封止層TFEは画素PXに共通的に配置される。本実施例において、薄膜封止層TFEは第2電極CEを直接カバーする。一実施例において、薄膜封止層TFEと第2電極CEとの間に第2電極CEをカバーするキャップ層が更に配置される。この場合、薄膜封止層TFEはキャップ層を直接カバーする。
【0082】
一実施例において、有機発光ダイオードOLEDは、発光層EMLで生成された光の共振距離を制御するための共振構造物を更に含む。共振構造物は、第1電極AEと第2電極CEとの間に配置され、共振構造物の厚さは発光層EMLで生成された光の波長に応じて決まる。
【0083】
図6a~
図6dは、本発明の一実施例による薄膜封止層TFEの第1~第4例の断面図である。
図3を参照して説明した薄膜封止層TFEに関する説明は、以下でも同様に適用される。
【0084】
図6aに示すように、本実施例による薄膜封止層TFEは、第2電極CE(
図5を参照)に接触する最初の封止無機膜IOL1を含んでn個(ここで、nは2以上の自然数)の封止無機膜(IOL1~IOLn)を含む。
【0085】
薄膜封止層TFEはn-1個の封止有機膜OL1を含み、n-1個の封止有機膜OL1はn個の封止無機膜(IOL1~IOLn)と交互に配置される。n-1個の封止有機膜OL1は、平均的にn個の封止無機膜(IOL1~IOLn)よりも大きな厚さを有する。
【0086】
n個の封止無機膜(IOL1~IOLn)のそれぞれは、1つの物質を含む単層又はそれぞれが異なる物質を含む複層である。n-1個の封止有機膜OL1は有機モノマーを蒸着して形成される。例えば、有機モノマーはアクリル系モノマーを含むが、特に制限されない。
【0087】
一実施例で、薄膜封止層TFEは、第2電極CEから順に積層されたシリコンオキシナイトライド層/有機モノマー層/シリコンナイトライド層を含む。シリコンナイトライド層上に他の無機膜が配置され、シリコンナイトライド層は、異なる条件で蒸着された複層(例えば、2層)である。
【0088】
図6bに示すように、薄膜封止層TFEは順に積層された第1封止無機膜lOL1、第1封止有機膜OL1、第2封止無機膜IOL2、第2封止有機膜OL2、及び第3封止無機膜IOL3を含む。
【0089】
第1封止無機膜IOL1は2層構造である。第1サブ層S1はリチウムフルオライド層であり、第2サブ層S2はアルミニウムオキサイド層である。第1封止有機膜OL1は第1有機モノマー層であり、第2封止無機膜IOL2は第1シリコンナイトライド層であり、第2封止有機膜OL2は第2有機モノマー層であり、第3封止無機膜IOL3は第2シリコンナイトライド層である。
【0090】
図6cに示すように、薄膜封止層TFEは、順に積層された第1封止無機膜IOL10、第1封止有機膜OL1、及び第2封止無機膜IOL20を含む。第1封止無機膜IOL10及び第2封止無機膜IOL20は2層構造である。第1サブ層S10はリチウムフルオライド層であり、第2サブ層S20はシリコンオキサイド層である。第2封止無機膜IOL20は、異なる蒸着環境で蒸着された第1サブ層S100及び第2サブ層S200を含む。第1サブ層S100は低電源条件で蒸着され、第2サブ層S200は高電源条件で蒸着される。第1サブ層S100及び第2サブ層S200は、それぞれシリコンナイトライド層である。
【0091】
図6dに示すように、薄膜封止層TFEは順に積層された複数の封止無機膜を含む。薄膜封止層TFEは、第1封止無機膜IOL1、第2封止無機膜IOL2、及び第3封止無機膜IOL3を含む。複数の封止無機膜の少なくとも何れか1つ以上は、シリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキサイド層、チタンオキサイド層、又はアルミニウムオキサイド層などを含む。例えば、第1封止無機膜IOL1及び第3封止無機膜IOL3は、シリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキサイド層、チタンオキサイド層、又はアルミニウムオキサイド層などを含む。
【0092】
複数の封止無機膜の少なくとも何れか1つ以上は、HMDSO膜(Hexamethyldisiloxane layer)である。HMDSO膜は、ストレスを吸収する。一実施例で、第2封止無機膜IOL2は、HMDSO膜である。第2封止無機膜IOL2は、第1封止無機膜IOL1及び第3封止無機膜IOL3のストレスを吸収する。このため、薄膜封止層TFEが一層柔らかくなる。
【0093】
薄膜封止層TFEが封止無機膜のみを含む場合、1つのチャンバーで連続蒸着できるため、工程が簡単になる。それは、薄膜封止層TFEが封止有機膜及び封止無機膜を含む場合、少なくとも1回以上チャンバー間を移動する段階が必要となるからである。封止無機膜の何れか1つがHMDSO膜である場合、薄膜封止層TFEは柔軟性も有する。
【0094】
薄膜封止層TFEの厚さに応じて吸光パターンABSの幅を調節することにより、表示装置DDで求められる視野角/輝度比を一定に保持することができる。これについては後述する。
【0095】
図7は、本発明の一実施形態による表示装置DDの断面図である。
図7は、入力検知ユニットISUの積層関係を説明するために、表示パネルDPを簡単に示す。入力検知ユニットISU上に配置される反射防止ユニット及びウィンドウユニットは示していない。
【0096】
本実施形態では、
図2を参照して説明した「層」状の入力検知ユニットISUを例示的に説明する。「層」状の入力検知ユニットISUは、表示パネルDPが提供するベース面上に直接配置されるため、「パネル」状の入力検知ユニットISUと異なりベース層が省略されて表示モジュールDMの厚さが減少する。本実施形態において、ベース面は薄膜封止層TFEの上面である。
【0097】
「パネル」状でも「層」状でも、入力検知ユニットISUは多層構造を有する。入力検知ユニットISUは、検知電極と、検知電極に接続された信号ラインと、少なくとも1つの絶縁層と、を含む。入力検知ユニットISUは、例えば静電容量方式で外部入力を検知するが、本発明における入力検知ユニットISUの動作方式は特に制限されず、一実施例における入力検知ユニットISUは、電磁誘導方式又は圧力検知方式で外部入力を検知する。
【0098】
図7を参照すると、本実施例による入力検知ユニットISUは、第1導電層IS-CL1、第1絶縁層IS-IL1、第2導電層IS-CL2、及び第2絶縁層IS-IL2を含む。第1導電層IS-CL1及び第2導電層IS-CL2は、それぞれ単層構造又は第3方向軸DR3に沿って積層された多層構造である。単層構造の導電層は金属層又は透明導電層を含む。金属層は、モリブデン、銀、チタン、銅、アルミニウム、及びこれらの合金を含む。透明導電層は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ZnO(zinc oxide)、ITZO(indium tin zinc oxide)などの透明な導電性酸化物を含む。その他に、透明導電層は、PEDOTのような導電性高分子、金属ナノワイヤー、グラフェンなどを含んでもよい。
【0099】
多層構造の導電層は多層の金属層を含む。多層の金属層は、例えばチタン/アルミニウム/チタンの3層構造である。多層構造の導電層は、少なくとも1つの金属層及び少なくとも1つの透明導電層を含む。
【0100】
第1導電層IS-CL1及び第2導電層IS-CL2は、それぞれ複数のパターンを含む。以下、第1導電層IS-CL1は第1導電パターンを含み、第2導電層IS-CL2は第2導電パターンを含むものとして説明する。第1導電パターン及び第2導電パターンは、それぞれ検知電極及び信号ラインを含む。
【0101】
検知電極の積層構造及び材料は、センシング感度を考慮して決まる。RC遅延がセンシング感度に影響を及ぼすことがあるが、金属層を含む検知電極は透明導電層に比べて抵抗が小さいため、RC値が減少する。従って、検知電極の間に定義されるキャパシタの充電時間が減少する。一方、透明導電層を含む検知電極は、金属層に比べてユーザに視認されないが、入力面積が増加してキャパシタンスを増加させる。
【0102】
金属層を含む検知電極は、ユーザに視認されないようにするために、後述するようにメッシュ形状である。
【0103】
一方、薄膜封止層TFEの厚さは、表示素子層DP-OLEDの構成によって発生したノイズが入力検知ユニットISUに影響を及ぼさないように調節される。第1絶縁層IS-IL1及び第2絶縁層IS-IL2は、それぞれ単層又は多層構造である。第1絶縁層IS-IL1及び第2絶縁層IS-IL2は、それぞれ無機物若しくは有機物、又は複合材料を含む。
【0104】
第1絶縁層IS-IL1及び第2絶縁層IS-IL2の少なくとも何れか1つは、無機膜を含む。無機膜は、アルミニウムオキサイド、チタニウムオキサイド、シリコンオキサイド、シリコンオキシナイトライド、ジルコニウムオキサイド、及びハフニウムオキサイドのうちの少なくとも1つを含む。
【0105】
第1絶縁層IS-IL1及び第2絶縁層IS-IL2の少なくとも何れか1つは、有機膜を含む。有機膜は、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリイソプレン、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、シロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びペリレン系樹脂のうちの少なくとも何れか1つを含む。
【0106】
図7には示していないが、入力検知ユニットISUは吸光パターンABS(
図10を参照)を含む。吸光パターンは、発光領域を露出させる開口部を有し、非発光領域上に重畳するように配置される。吸光パターンは表示装置DDに入射する外部光の反射を抑制する。これについては後述する。
【0107】
入力検知ユニットISUは、表示パネルDPに対応するベースを有する。即ち、ベースは表示パネルDPに向かう面である。表示パネルDPの発光領域及び非発光領域は、それぞれ入力検知ユニットISUのベースの透光領域及び非透光領域に対応する。発光領域及び非発光領域は、それぞれ透光領域及び非透光領域と同様に用いられる。
【0108】
第1絶縁層IS-IL1と第2絶縁層IS-IL2との間には、光経路変更部LNS(
図15を参照)が設けられる。光経路変更部LNSは、第1絶縁層IS-IL1と第2絶縁層IS-IL2との境界面上から表示素子層DP-OLEDに向かって突出するか、又は表示素子層DP-OLEDに対向して表示装置DDの外部に向かって突出するように形成される。例えば、光経路変更部LNSは、表示素子層DP-OLEDに向かって凹又は凸レンズ状である。光経路変更部LNSは、光経路変更部LNSに向かう光の経路を変更して光を集光又は散乱させて表示装置DDの正面での輝度を増加させ、またWAD(White angular dependency)を改善させる。これについては後述する。
【0109】
図8は、本発明の一実施例による入力検知ユニットISUの平面図であり、
図9は、
図8に示す入力検知ユニットのFF領域を拡大した図であり、
図10は、
図9のVIII-VIII’による表示装置の断面図である。以下では、
図1~
図7を参照して説明した表示装置DDと同じ構成に対する詳細な説明は省略する。以下、回路素子層DP-CLは簡単に図示した。
【0110】
図8を参照すると、本発明の一実施例による入力検知ユニットISUは、第1検知電極(IE1-1~IE1-5)及び第2検知電極(IE2-1~IE2-4)を含む。
【0111】
1つの第1検知電極内で第1センシング部SP1は第2方向軸DR2に沿って並べられ、1つの第2検知電極内で第2センシング部SP2は第1方向軸DR1に沿って並べられる。第1接続部CP1はそれぞれ隣接する第1センシング部SP1を接続し、第2接続部CP2はそれぞれ隣接する第2センシング部SP2を接続する。
【0112】
第1検知電極(IE1-1~IE1-5)及び第2検知電極(IE2-1~IE2-4)は、メッシュパターンである。メッシュパターンは、少なくとも1つのメッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)を形成する金属ラインであるメッシュラインを含む。
【0113】
第1検知電極(IE1-1~IE1-5)及び第2検知電極(IE2-1~IE2-4)がメッシュパターンを有することにより、表示パネルDP(
図7を参照)の電極との寄生キャパシタンスが減少する。
【0114】
また、後述するように、第1検知電極(IE1-1~IE1-5)及び第2検知電極(IE2-1~IE2-4)は、発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)に重畳しないため、表示装置DDのユーザに視認されない。
【0115】
メッシュパターンを有する第1検知電極(IE1-1~IE1-5)及び第2検知電極(IE2-1~IE2-4)は、低温工程が可能な銀、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、チタンなどを含むが、これに限定されない。連続工程で入力検知ユニットISUを形成しても有機発光ダイオードOLED(
図5を参照)の損傷を防止することができる。
【0116】
第1検知電極(IE1-1~IE1-5)及び第2検知電極(IE2-1~IE2-4)がメッシュパターンで表示パネルDP上に直接配置されると、表示装置DDの可撓性を向上させることができる。
【0117】
図8に示す第1検知電極(IE1-1~IE1-5)及び第2検知電極(IE2-1~IE2-4)は、菱形の第1センシング部SP1及び第2センシング部SP2を含むが、本発明はこれに限定されず、第1センシング部SP1及び第2センシング部SP2は多角形であってもよい。第1検知電極(IE1-1~IE1-5)及び第2検知電極(IE2-1~IE2-4)は、センシング部と接続部の区分がない形状(例えば、バー状)である。
【0118】
第1信号ライン(SL1-1~SL1-5)は、第1検知電極(IE1-1~IE1-5)の一端にそれぞれ接続される。第2信号ライン(SL2-1~SL2-4)は、第2検知電極(IE2-1~IE2-4)の両端に接続される。一実施例で、第1信号ライン(SL1-1~SL1-5)も第1検知電極(IE1-1~IE1-5)の両端に接続される。一実施例で、第2信号ライン(SL2-1~SL2-4)は、第2検知電極(IE2-1~IE2-4)の一端のみにそれぞれ接続される。
【0119】
本実施例によると、第2検知電極(IE2-1~IE2-4)の一端のみにそれぞれ接続された第2信号ライン(SL2-1~SL2-4)を含む入力検知ユニットISUに比べてセンシング感度が向上する。第2検知電極(IE2-1~IE2-4)は、第1検知電極(IE1-1~IE1-5)よりも長さが長いため、検知信号(又は送信信号)の電圧降下が発生し、このためセンシング感度が低下することがある。本実施例によると、第2検知電極(IE2-1~IE2-4)の両端に接続された第2信号ライン(SL2-1~SL2-4)を介して検知信号(又は送信信号)を提供するため、検知信号(又は送信信号)の電圧降下を防止してセンシング感度の低下を防止することができる。
【0120】
第1信号ライン(SL1-1~SL1-5)は左側に配置され、第2信号ライン(SL2-1~SL2-4)は右側に配置される。第1信号ライン(SL1-1~SL1-5)及び第2信号ライン(SL2-1~SL2-4)の位置は、互いに変わってもよい。
図8に示すものとは異なり、第1信号ライン(SL1-1~SL1-5)は右側に配置され、第2信号ライン(SL2-1~SL2-4)は左側に配置されてもよい。
【0121】
第1信号ライン(SL1-1~SL1-5)及び第2信号ライン(SL2-1~SL2-4)は、ライン部SL-L及びパッド部SL-Pを含む。パッド部SL-Pは、パッド領域NDA-PDに整列される。パッド部SL-Pは、
図4に示したダミーパッドIS-DPDに重畳する。
【0122】
入力検知ユニットISUは信号パッドDP-PDを含む。信号パッドDP-PDはパッド領域NDA-PDに整列される。
【0123】
一方、一実施例で、第1信号ライン(SL1-1~SL1-5)及び第2信号ライン(SL2-1~SL2-4)は、別途に製造されて結合される回路基板などに代替される。
【0124】
図9は、
図8に示した入力検知ユニットのFF領域を拡大したものである。
図9を参照すると、第1センシング部SP1は、発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)に重畳せずに吸光パターンABSに重畳し、吸光パターンABSは非発光領域NPXAに重畳する。発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)は、それぞれ
図5に示した発光領域PXAと同様に定義される。
【0125】
第1センシング部SP1のメッシュライン(金属ライン)は、複数のメッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)(以下、メッシュホール)を定義する。メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)は、発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)及び吸光パターンABSの開口部(ABS-OPG)に1対1に対応する。即ち、発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)は、吸光パターンABSの開口部ABS-OPGによって露出され、発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)及び吸光パターンABSの開口部ABS-OPGは、メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)によって露出される。吸光パターンABSの開口部ABS-OPGは、表示装置を平面視したとき、開口部ABS-OPGの外側境界が発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)を侵さずに発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)を覆うように形成され、メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)は、発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)及び吸光パターンABSの開口部ABS-OPGを侵さずに発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)及び吸光パターンABSの開口部ABS-OPGを覆うように形成される。
【0126】
メッシュラインの線幅W1は吸光パターンABSの幅W2よりも小さく、吸光パターンABSの幅W2は非発光領域NPXAに対応する画素定義膜PDLの幅W3よりも小さい。
【0127】
このように吸光パターンABS及びメッシュラインは非発光領域NPXA上に形成され、発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)を侵さないため、発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)から放出される光が吸光パターンABS及びメッシュラインにより遮断されることを最小化し、吸光パターンABS及びメッシュラインがユーザに視認されることを防止する。
【0128】
メッシュラインは、例えばチタン/アルミニウム/チタンの3層構造である。
【0129】
発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)は、有機発光ダイオードOLEDで生成される光の色に応じて複数のグループに分かれる。
図9には、発光色によって3つのグループに分かれる発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)を示した。
【0130】
発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)は、有機発光ダイオードOLEDの発光層EMLで発光する色によって異なる面積を有する。有機発光ダイオードの種類によって発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)の面積が決まる。
【0131】
メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)は、異なる面積を有する複数のグループに分かれる。メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)は、対応する発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)により3つのグループに分かれる。
【0132】
以上では、メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)が発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)に1対1に対応することを示したが、これに限定されない。メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)は、それぞれ2以上の発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)に対応してもよい。この場合も、メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)を形成するメッシュラインは、非発光領域NPXA上に形成される吸光パターンABS上に対応する。
【0133】
発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)の面積が多様であることを例示したが、これに限定されない。発光領域(PXA-R、PXA-G、PXA-B)の大きさは同一であってもよく、また、メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)の大きさもそれぞれ同一であってもよい。メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)の平面上の形状は限定されず、菱形であっても、多角形であってもよい。メッシュホール(IS-OPR、IS-OPG、IS-OPB)の平面上の形状は、コーナー部が丸まった多角形であってもよい。
【0134】
図10は、
図9のVIII-VIII’による表示装置の第1例の断面図である。
図10を参照すると、第1検知電極(IE1-1~IE1-5)の第1センシング部SP1は、第1メッシュパターンSP1-1及び第2メッシュパターンSP1-2を含む2層のメッシュ状の金属層からなる。即ち、第2メッシュパターンSP1-2は、第1メッシュパターンSP1-1上に位置し、第2メッシュパターンSP1-2と第1メッシュパターンSP1-1との間に吸光パターンABSが介在する。吸光パターンABSには少なくとも1つの接続コンタクトホールCNT-Dが形成され、コンタクト部SP1-Dは接続コンタクトホールCNT-Dを介して第2メッシュパターンSP1-2と第1メッシュパターンSP1-1とを電気的に接続する。
【0135】
第1メッシュパターンSP1-1は、非発光領域NPXAである画素定義膜PDLに対応するように薄膜封止層TFE上に形成され、第1メッシュパターンSP1-1を覆うように吸光パターンABSが形成される。吸光パターンABSは、発光領域PXAに重畳する開口部ABS-OPGを有し、第1メッシュパターンSP1-1のように非発光領域NPXAである画素定義膜PDLに対応するように形成される。吸光パターンABS上には第2メッシュパターンSP1-2が形成される。第2メッシュパターンSP1-2の幅は、吸光パターンABSの幅W2より小さいか、又は同一に形成される。
【0136】
吸光パターンABSは、一面からこれに対向する他面に貫通する接続コンタクトホールCNT-Dを有する。接続コンタクトホールCNT-Dは、画素定義膜PDLに向かう方向に吸光パターンABSを貫通する。コンタクト部SP1-Dは、接続コンタクトホールCNT-Dを介して第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2とを電気的に接続する。コンタクト部SP1-Dは導電性物質からなる。例えば、コンタクト部SP1-Dは、工程の便宜のために、第1メッシュパターンSP1-1又は第2メッシュパターンSP1-2と同じ物質で形成される。他の例として、コンタクト部SP1-Dは、第1メッシュパターンSP1-1又は第2メッシュパターンSP1-2よりも電気伝導度が高い物質からなる。
【0137】
第2検知電極(IE2-1~IE2-4)の第2センシング部SP2も、第1検知電極(IE1-1~IE1-5)の第1センシング部SP1と同様に、2層のメッシュパターンからなる。2層のメッシュパターンは、吸光パターンABSを挟んで配置され、吸光パターンABSに形成された接続コンタクトホールCNT-Dを介してコンタクト部により電気的に接続される。
【0138】
このように検知電極が第1メッシュパターン及び第2メッシュパターンを備え、第1メッシュパターンと第2メッシュパターンとが電気的に接続されるため、検知電極の抵抗を下げることができ、これによりRC遅延を改善することができる。
【0139】
吸光パターンABSは、光を遮断する物質を含む。例えば、吸光パターンABSは光吸収率の高い有機物質を含む。吸光パターンABSは黒顔料又は黒染料を含む。吸光パターンABSは、感光性有機物質を含み、例えば顔料又は染料などの着色剤を含む。吸光パターンABSは単層又は多層構造である。
【0140】
吸光パターンABSは、外部光の反射を阻止することで、表示装置DDの反射色味を改善する。
【0141】
より詳細に、外部光は、表示装置DD内に入射すると、表示装置DDの内部、特に表示パネルDP内のTFTや電極で反射されて、再び表示装置DDの外部に出射する。このように、外部光が、表示装置DD内に入射した後、表示装置DDの内部で反射して再び表示装置DDの外部に放出される場合、表示装置DDで表現する色味ではない外部光の反射によって色味が歪曲される現象、反射色味特性の低下が発生する。また、外部光の反射により表示装置DDのリアルブラックの具現が困難になり、表示装置DDの屋外視認性も弱化する。
【0142】
反射防止パネルRPPは、表示装置DD内に入射した外部光が表示装置DD内で反射されて外部に出射することを阻止する機能を行う。但し、有機発光表示装置の場合、その構造的な特性により反射防止パネルRPPのみでは外部光の反射を阻止するのに限界がある。
【0143】
即ち、外部光の反射に対しては、有機発光表示パネルがLCD表示パネルに比べて脆弱である。LCD表示パネルは液晶層により反射される外部光が遮断されるが、有機発光表示パネルは自発光であり、別の液晶層がないため、構造的に外部光の反射に脆弱である。このため、外部光の反射率を低減させるために、有機発光表示パネルには反射防止パネルRPPが設けられるが、反射防止パネルRPPのみではLCD表示パネルに比べて相対的に外部光の反射抑制が弱く、反射色味特性の低下によりリアルブラックの具現に困難がある。
【0144】
本実施形態による表示装置DDは、吸光パターンABSを備えて外部光の反射を阻止して表示装置DDの反射色味特性が改善され、屋外視認性が向上する。即ち、吸光パターンABSは、表示装置DDの非発光領域NPXA上に配置され、表示装置DDに入射する外部光が表示パネルDP内のTFTや電極などに反射されて非発光領域NPXAに向かう光を吸収して反射を阻止し、外部光が再び表示装置DDの外に放出されることを防止し、また発光領域PXAを露出させる開口部ABS-OPGを形成することにより、輝度の減少を最小化しながら反射色味特性を改善する。
【0145】
吸光パターンABSによる反射色味特性の改善は、
図11a及び
図11bにより確認される。
【0146】
図11aは、従来の表示装置におけるSCE(Specular component excluded)で測定された傾斜角別、方位角別のa
*b
*分布を示した色座標であり、
図11bは、本発明の一実施形態による表示装置におけるSCEで測定された傾斜角別、方位角別のa
*b
*分布を示した色座標である。
【0147】
反射光の測定には、正反射光(specular reflectance)を含むSCI(specular component included)及び正反射光を除くSCEがある。即ち、SCEモードでは、正反射光が除去されて拡散反射(diffuse reflectance)のみが測定され、SCIモードでは、拡散反射のみならず、正反射も測定され、表面条件に拘らず全体反射量が測定される。
【0148】
一般的に、人はこのような正反射される光を無視して色を認識するため、人が見ているように色を測定する場合は、正反射を除いた拡散反射のみを測定しなければならない。表示装置の反射色味の測定時には、SCEモードで測定するのが一般的である。
【0149】
図11a及び
図11bはSCEモードで測定された傾斜角別、方位角別のa
*b
*分布を示した色座標であり、
図11cは、3層からなる薄膜封止層を示す断面図である。
図11aは、従来の表示装置、即ち吸光パターンがない表示装置を対象にSCEモードで測定された傾斜角別、方位角別のa
*b
*分布を示した色座標であり、
図11bは、吸光パターンABSを備えた表示装置を対象にSCEモードで測定された傾斜角別、方位角別のa
*b
*分布を示した色座標である。
【0150】
SCEモードによる測定は、測定対象物、即ち表示装置の平面の法線に対して0°、8°、30°、45°、60°の傾斜角で表示装置を360°回転させながら表示装置で反射される光を測定する。
【0151】
測定された値は、CIE(International Commission on Illumination)L*a*b*色空間に表示される。
【0152】
CIE L*a*b*色空間におけるL*値は明るさを表す。L*=0であれば黒、L*=100であれば白を表す。a*は赤及び緑のどちら側に偏っているかを表す。a*が負の数であれば緑に偏った色であり、正の数であれば赤/紫側に偏った色である。b*は黄色及び青を表す。b*が負の数であれば青であり、b*が正の数であれば黄色である。
【0153】
L*値、a*値、及びb*値が0から大きくなるほど、色の歪みが発生するという意味であり、反射色味が脆弱であるとみることができる。
【0154】
図11aは吸光パターンABSがないOLED装置を対象に測定した結果である。
図11aを参照すると、45°や60°の傾斜角は勿論、0°及び8°の傾斜角でもa
*及びb
*値が負の数で測定され、a
*及びb
*の散布が広く分布している。これは表示装置の反射色味特性が低く、これによりリアルブラック(real black)が具現されないことを意味する。特に、b
*値が-4に偏っていることから、青が含まれる黒が具現されるとみることができる。また、a
*及びb
*の散布度が高く、表示装置を見る傾斜角や方位角によって色味が異なるように認識される。
【0155】
これに対し、
図11bは、吸光パターンABSがあるOLED装置を対象に測定した結果である。
図11bを参照すると、
図11aに比べて、a
*及びb
*の散布度が低く、a
*及びb
*値が0から大きく外れないことが分かる。即ち、a
*及びb
*の散布度が低いということは、表示装置を見る傾斜角や方位角によって認識される色味の違いが大きくないことを意味し、a
*及びb
*が0に近いということは、リアルブラックにより近く具現されたことを意味する。
【0156】
図11a及び
図11bに示すように、本実施形態による表示装置DDは、吸光パターンABSを備えることにより、表示装置DDの反射色味特性が改善され、これによりリアルブラックに近い製品の具現が可能になる。
【0157】
本実施形態による表示装置DDは、吸光パターンABSを備えているため、上述したように外部光の反射を阻止して反射色味を改善する。しかし、吸光パターンABSは、外部光のみならず、発光素子から放出される光も吸収する。このため、反射色味を改善するために適用された吸光パターンABSにより光抽出効率が減少するという問題が発生することがある。
【0158】
一実施例によると、吸光パターンABSの幅を調節することにより、表示装置DDで求められる視野角/輝度比を一定に保持することができる。吸光パターンABSの幅は、表示装置DDを平面視したとき、吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの境界と発光領域PXAの外側境界との間の距離に応じて変わる。吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの境界と発光領域PXAの外側境界との間の距離を薄膜封止層TFEの厚さに応じて調節することで、表示装置DDの視野角/輝度比を一定に保持することができる。
【0159】
即ち、視野角/輝度比、即ち所定の視野角における基準値に対する輝度値の比を一定に保持するためには、下記のような数学式2を満足する。
【0160】
【0161】
ここで、dは吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの境界と発光領域PXAの外側境界との間の距離であり、tは薄膜封止層TFEの厚さであり、θは視野角/輝度比を測定する表示装置の平面に対する傾斜角である。
【0162】
表示装置DDは、特定視野角に対して一定以上の輝度を求める。例えば、有機発光表示装置の場合、有機発光表示装置の平面に対して垂直、即ち傾斜角が0°の場合における輝度値を基準値にして、傾斜角が45°の場合における輝度値は基準値の45%以上であることを求める。傾斜角45°で基準値に対して45%の輝度値を有するためには、吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの境界と発光領域PXAの外側境界との間の距離dは、数学式2に基づいてd=t×tan45°になり、薄膜封止層TFEの厚さtによって決まる。
【0163】
吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの境界と発光領域PXAの外側境界との間の距離dと薄膜封止層TFEの厚さtとは、比例関係にあるため、薄膜封止層TFEの厚さtが大きくなると、距離dが大きくなるように吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの大きさを調節し、薄膜封止層TFEの厚さtが小さくなると、距離dが小さくなるように吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの大きさを調節する。
【0164】
吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの境界と発光領域PXAの外側境界との間の距離dが大きくなるということは、吸光パターンABSの幅W2が小さくなることを意味し、逆に、吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの境界と発光領域PXAの外側境界との間の距離dが小さくなるということは、吸光パターンABSの幅W2が大きくなることを意味する。
【0165】
距離dが大きくなると、吸光パターンABSの幅W2が小さくなって、外部光の吸収が相対的に弱くなるため、反射色味特性が弱化し、また吸光パターンABS上に形成される検知電極のパターンラインの幅も小さくなるため、抵抗が大きくなり、RC遅延(RC delay)が発生する。
【0166】
これに対し、距離dが小さくなると、吸光パターンABSの幅W2が大きくなって、外部光の吸収が相対的に増加するため、反射色味特性は向上するが、発光素子からの光も共に吸光パターンABSが吸収するため、視野角/輝度比を低くする。
【0167】
数学式2によって吸光パターンABSの大きさを決めると、反射色味特性が向上し、一定レベルの視野角/輝度比を保持することができる。
【0168】
他の実施例として、
図11cのように薄膜封止層TFEが3層、即ち薄膜封止層TFEがL1、L2、L3層からなる場合、吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの境界と発光領域PXAの外側境界との間の距離dは、以下の数学式3によって決定される。
【0169】
【0170】
ここで、t1、t2、t3はそれぞれ薄膜封止層TFEのL1層、L2層、L3層の厚さであり、n1、n2、n3はそれぞれL1層、L2層、L3層の屈折率である。また、Dは視野角/輝度比を測定する表示装置の平面に対する傾斜角である。例えば、Dは0°、45°、60°である。
【0171】
より一般的には、薄膜封止層TFEがk層からなる場合、吸光パターンABSの開口部ABS-OPGの境界と発光領域PXAの外側境界との間の距離dは、以下の数学式4によって決定される。
【0172】
【0173】
ここで、tiはk層からなる薄膜封止層TFEのi層の厚さであり、niはi層の屈折率である。
【0174】
図12は、従来の表示装置と本発明の一実施形態による表示装置との視野角別の輝度比を示すグラフである。
【0175】
図12を参照すると、Ref値は通常の偏光板のみが適用された有機発光表示装置の視野角別の輝度比を表す値であり、Narrow BM値は、数学式2により吸光パターンABSの大きさが決まった有機発光表示装置の視野角別の輝度比を表す値である。通常、45°視野角で0°視野角に対して少なくとも45%以上の輝度を求める。通常の偏光板のみが適用された有機発光表示装置は、45°視野角で50%の輝度比を記録し、本発明による吸光パターンABSが適用された有機発光表示装置は、45°視野角で45%の輝度比を記録したことが分かる。吸光パターンABSの適用により45°視野角での輝度比は多少減少するが、45°より小さい視野角では通常の有機発光表示装置と類似するレベルの視野角/輝度比を有する。
【0176】
通常の有機発光表示装置は視野角/輝度比で良好な値を有するが、
図11aから分かるように、反射色味特性が非常に脆弱であり、屋外視認性が悪く、リアルブラックの具現が困難である。これに対し、本実施形態による表示装置は、視野角/輝度比を保持しながら、
図11bから分かるように、反射色味特性が改善されて屋外視認性が向上し、リアルブラックに近い製品の具現が可能になる。
【0177】
図13a~
図13cは、本発明の一実施形態による表示装置の第2~第4例を示す断面図である。以下、
図1~
図7を参照して説明した表示装置DDと同じ構成に対する詳細な説明は省略する。
図8~
図10を参照して説明した実施形態は、以下で説明する入力検知ユニットISUにも同様に適用される。
【0178】
図13a~
図13cに示す表示装置DDのそれぞれは、
図10に示した表示装置DDとは検知電極及び吸光パターンABSが形成される位置に差がある。これらの相違点について以下に説明する。
【0179】
図13aに示す表示装置DDは、第1センシング部SP1が吸光パターンABS上に配置される。即ち、
図10に示した表示装置DDは、第1センシング部SP1をなす第1メッシュパターンSP1-1及び第2メッシュパターンSP1-2が吸光パターンABSを挟んで配置されているが、
図13aに示す表示装置DDは、薄膜封止層TFE上に吸光パターンABSが形成され、吸光パターンABS上に第1メッシュパターンSP1-1が形成された後、第1メッシュパターンSP1-1上に第2メッシュパターンSP1-2が形成される。第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2との間には、第1絶縁層IS-IL1が形成される。第1絶縁層IS-IL1には接続コンタクトホールCNT-Dが形成され、接続コンタクトホールCNT-Dにコンタクト部SP1-Dが形成されて第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2とが電気的に接続される。第2メッシュパターンSP1-2上には第2絶縁層IS-IL2が形成される。第2絶縁層IS-IL2は、第2メッシュパターンSP1-2を全て覆って平坦化層の機能を行う。
【0180】
図13bに示す表示装置DDは、吸光パターンABSが第1センシング部SP1上に配置される。即ち、
図10に示した表示装置DDは、第1センシング部SP1をなす第1メッシュパターンSP1-1及び第2メッシュパターンSP1-2が吸光パターンABSを挟んで配置されているが、
図13bに示す表示装置DDは、薄膜封止層TFE上に第1センシング部SP1が形成され、第1センシング部SP1上に吸光パターンABSが形成される。詳細には、薄膜封止層TFE上に第1メッシュパターンSP1-1が形成された後、第1メッシュパターンSP1-1上に第2メッシュパターンSP1-2が形成される。第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2との間には、第1絶縁層IS-IL1が形成される。第1絶縁層IS-IL1には接続コンタクトホールCNT-Dが形成され、接続コンタクトホールCNT-Dにコンタクト部SP1-Dが形成されて第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2とが電気的に接続される。第2メッシュパターンSP1-2上には吸光パターンABSが形成される。吸光パターンABSに発光領域PXAに対応するように開口部ABS-OPGが形成された後、第2絶縁層IS-IL2が形成される。第2絶縁層IS-IL2は、吸光パターンABSを全て覆って平坦化層の機能を行う。
【0181】
図13cに示す表示装置DDは、第1センシング部SP1が吸光パターンABS上に配置されるという点で、13aに示した表示装置DDと類似するが、第1センシング部SP1と吸光パターンABSとの間に絶縁層が介在するという点に差がある。即ち、
図13cに示す表示装置DDは、薄膜封止層TFE上に吸光パターンABSが形成され、吸光パターンABSに発光領域PXAに対応する開口部ABS-OPGが形成された後、第1絶縁層IS-IL1が形成される。第1絶縁層IS-IL1は、吸光パターンABSを全て覆って平坦化層の機能を行う。第1絶縁層IS-IL1上に第1メッシュパターンSP1-1が形成された後、第1メッシュパターンSP1-1上に第2メッシュパターンSP1-2が形成される。第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2との間には、第2絶縁層IS-IL2が形成される。第2絶縁層IS-IL2には接続コンタクトホールCNT-Dが形成され、接続コンタクトホールCNT-Dにコンタクト部SP1-Dが形成されて第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2とが電気的に接続される。第2メッシュパターンSP1-2上には、また第3絶縁層IS-IL3が形成される。第3絶縁層IS-IL3は、第2メッシュパターンSP1-2を全て覆って平坦化層の機能を行う。
【0182】
図13a~
図13cに示した表示装置DDは、
図10に示した表示装置DDと同様に、検知電極が第1メッシュパターン及び第2メッシュパターンからなり、第1メッシュパターンと第2メッシュパターンとが電気的に接続されるため、検知電極の抵抗を下げることができ、これによりRC遅延を改善することができる。
【0183】
図14は、本発明の第2実施形態による表示装置DDを示す断面図である。以下、
図1~
図7を参照して説明した表示装置DDと同じ構成に対する詳細な説明は省略する。
図8~
図10を参照して説明した実施形態は、以下で説明する入力検知ユニットISUにも同様に適用される。
【0184】
図14に示す表示装置DDは、
図10に示した表示装置DDと検知電極の形態に差がある。即ち、
図14に示す表示装置DDは、検知電極が1層のメッシュパターンSP1-1からなるという点で、検知電極が2層のメッシュパターン(第1メッシュパターンSP1-1及び第2メッシュパターンSP1-2)からなる
図10の表示装置DDと差がある。詳細には、
図14の表示装置DDは、薄膜封止層TFE上に吸光パターンABSが形成され、吸光パターンABS上にメッシュパターンである第1センシング部SP1が形成された後、第1センシング部SP1上に絶縁層IS-ILが形成される。絶縁層IS-IL上に反射防止パネルRPPが設けらる。
【0185】
図15は、本発明の第3実施形態による表示装置の第1例を示す断面図であり、
図16a~
図16cは、サイズの異なる光経路変更部を有する表示装置を示す断面図である。以下、
図1~
図7を参照して説明した表示装置DDと同じ構成に対する詳細な説明は省略する。
図8~
図10を参照して説明した実施形態は、以下で説明する入力検知ユニットISUにも同様に適用される。
【0186】
図15に示す表示装置DDは、
図10に示した表示装置DDに比べて光経路変更部LNSを更に備える点で差がある。即ち、
図10に示した表示装置DDは、検知電極を覆う絶縁層IS-IL上に直に反射防止パネルRPPが設けられるが、
図15に示す表示装置DDは、第1絶縁層IS-IL1と反射防止パネルRPPとの間に光経路変更部LNSが設けられる。
【0187】
詳細には、
図15に示す表示装置DDは、薄膜封止層TFE上に形成された吸光パターンABS及び検知電極を覆う第1絶縁層IS-IL1を形成した後、第1絶縁層IS-IL1上に表示素子層DP-OLEDに向かって突出した溝を形成する。第2絶縁層IS-IL2は、第1絶縁層IS-IL1上に形成されて溝を埋める。即ち、第2絶縁層IS-IL2は、平坦化層の機能を行う。
【0188】
第2絶縁層IS-IL2は、第1絶縁層IS-IL1よりも屈折率が大きい。発光素子から放出された光は、第1絶縁層IS-IL1を経て第2絶縁層IS-IL2に移動するため、インデックスマッチング(index matching)を用いて光が後で透過する第2絶縁層IS-IL2の屈折率を第1絶縁層IS-IL1の屈折率よりも大きくすることで、薄膜封止層TFEと空気との間に存在する界面に閉じ込められた光の抽出を容易にする。
【0189】
光経路変更部LNSは、第1絶縁層IS-IL1上に形成された溝に第2絶縁層IS-IL2が埋められた部分を指す。光経路変更部LNSの幾何学的な形状と屈折率の差によって光経路変更部LNSを透過する光の経路が変更され、
図15に示す光経路変更部LNSは光経路変更部LNSに入射する光を集光させる。
【0190】
詳細には、光経路変更部LNSの溝は発光素子に向かって凸状に形成され、発光素子から放出される光の経路上に順に存在する媒質である第1絶縁層IS-IL1及び第2絶縁層IS-IL2の屈折率において、第2絶縁層IS-IL2の屈折率が第1絶縁層IS-IL1の屈折率よりも大きいため、
図15の光経路変更部LNSは、光を集光する凸レンズの機能を行う。
【0191】
発光素子から放出された光が光経路変更部LNSを透過しながら集光されるため、表示装置DDの正面での輝度が上昇する。即ち、光経路変更部LNSにより表示装置DDの光抽出効率を増加させる。
【0192】
上述した実施形態による表示装置DDは、吸光パターンABSを備えているため、外部光の反射を阻止して反射色味を改善することはできるが、吸光パターンABSは、外部光のみならず、発光素子から放出される光も吸収する。このため、反射色味を改善するために適用された吸光パターンABSによって光抽出効率が減少するという問題が発生することがある。しかし、本実施形態による表示装置DDは、吸光パターンABSのみならず、光経路変更部LNSを備えることにより、反射色味特性が向上する上、輝度が低下することを防ぎ、視野角/輝度比を改善することができる。
【0193】
光経路変更部LNSは、吸光パターンABSの開口部ABS-OPGに重畳するように形成される。より詳細には、
図16a及び
図16bに示すように、光経路変更部LNSは、開口部ABS-OPGの大きさと比べて同一又は小さい。光経路変更部LNSは、上述したように発光素子から放出された光の経路を変更し、光経路変更部LNSの形態に応じて光を集光又は散乱させて、表示装置DDの正面での輝度を増加させ、視野角/輝度比を改善し、WADを改善する。
【0194】
図16a及び
図16bに示すように、光経路変更部LNSが開口部ABS-OPGの大きさと比べて同一又は小さく形成されることが、
図16cのように開口部ABS-OPGよりも大きく形成された光経路変更部LNSよりも相対的に集光効果を高めることができる。
【0195】
詳細には、光経路変更部LNSが形成される第1絶縁層IS-IL1の厚さには制限があり、また、第1絶縁層IS-IL1内には検知電極及び吸光パターンABSが存在するため、光経路変更部LNSの曲率サイズは制限的である。
図16a及び
図16bのように、開口部ABS-OPGの大きさと比べて同一又は小さく形成された光経路変更部LNSは、
図16cのように、開口部ABS-OPGよりも大きく形成された光経路変更部LNSよりも小さい曲率を有するように形成され、曲率が小さい場合、焦点距離を短くすることができる。焦点距離が短いほど、レンズの発散、収束作用が強く、焦点距離が大きいほど、レンズの発散、収束作用は弱い。従って、相対的に曲率を小さくして焦点距離を短くする
図16a及び
図16bに示す光経路変更部LNSが、
図16cに示す光経路変更部LNSよりも焦点距離を短くして集光効果を高めることができる。
【0196】
これに加え、第2絶縁層IS-IL2の屈折率を第1絶縁層IS-IL1の屈折率よりも大きく形成することで、インデックスマッチングによる集光効果をより高めることができる。
【0197】
図17a及び
図17bは、本発明の第3実施形態による表示装置の第2、第3例を示す断面図である。以下、
図1~
図7を参照して説明した表示装置DDと同じ構成に対する詳細な説明は省略する。
図8~
図10を参照して説明した実施形態は、以下で説明する入力検知ユニットISUにも同様に適用される。
【0198】
図17a及び
図17bに示す表示装置DDのそれぞれは、
図15に示した表示装置DDとは検知電極と吸光パターンABSが形成される位置に差がある。これらの相違点については以下に説明する。
【0199】
図17aに示す表示装置DDは、第1センシング部SP1が吸光パターンABS上に配置される。
【0200】
即ち、
図15に示した表示装置DDは、第1センシング部SP1をなす第1メッシュパターンSP1-1及び第2メッシュパターンSP1-2が吸光パターンABSを挟んで配置されているが、
図17aに示す表示装置DDは、薄膜封止層TFE上に吸光パターンABSが形成され、吸光パターンABS上に第1メッシュパターンSP1-1が形成された後、第1メッシュパターンSP1-1上に第2メッシュパターンSP1-2が形成される。
【0201】
第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2との間には、第1絶縁層IS-IL1が形成される。第1絶縁層IS-IL1には接続コンタクトホールCNT-Dが形成され、接続コンタクトホールCNT-Dにコンタクト部SP1-Dが形成されて、第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2とが電気的に接続される。
【0202】
第2メッシュパターンSP1-2上には第2絶縁層IS-IL2が形成される。第2絶縁層IS-IL2上に表示素子層DP-OLEDに向かって突出した溝が形成される。第3絶縁層IS-IL3は、第2絶縁層IS-IL2上に形成されて溝を埋める。即ち、第3絶縁層IS-IL3は、平坦化層の機能をする。
【0203】
図17bに示す表示装置DDは、吸光パターンABSが第1センシング部SP1上に配置される。即ち、
図15に示した表示装置DDは、第1センシング部SP1をなす第1メッシュパターンSP1-1及び第2メッシュパターンSP1-2が吸光パターンABSを挟んで配置されているが、
図17bに示す表示装置DDは、薄膜封止層TFE上に第1センシング部SP1が形成され、第1センシング部SP1上に吸光パターンABSが形成される。詳細には、薄膜封止層TFE上に第1メッシュパターンSP1-1が形成された後、第1メッシュパターンSP1-1上に第2メッシュパターンSP1-2が形成される。第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2との間には、第1絶縁層IS-IL1が形成される。第1絶縁層IS-IL1には接続コンタクトホールCNT-Dが形成され、接続コンタクトホールCNT-Dにコンタクト部SP1-Dが形成されて、第1メッシュパターンSP1-1と第2メッシュパターンSP1-2とが電気的に接続される。
【0204】
第2メッシュパターンSP1-2上には吸光パターンABSが形成される。吸光パターンABSに発光領域PXAに対応するように開口部ABS-OPGが形成された後、第2絶縁層IS-IL2が形成される。第2絶縁層IS-IL2上に表示素子層DP-OLEDに向かって突出した溝を形成する。第3絶縁層IS-IL3は、第2絶縁層IS-IL2上に形成されて溝を埋める。即ち、第3絶縁層IS-IL3は、平坦化層の機能をする。
【0205】
図18a~
図18cは、本発明の第4実施形態による表示装置の第1~第3例を示す断面図である。以下、
図1~
図7を参照して説明した表示装置DDと同じ構成に対する詳細な説明は省略する。
図8~
図10を参照して説明した実施形態は、以下で説明する入力検知ユニットISUにも同様に適用される。
図18a~
図18cに示す表示装置DDのそれぞれは、光経路変更部LNSを形成する前までは
図15、
図17a、及び
図17bに示した第3実施形態による表示装置DDの第1~第3例と同じ方法で形成され、構成要素も同様であるため、これに対する説明は省略する。
【0206】
図18a~
図18cに示す表示装置DDのそれぞれは、
図15、
図17a、及び
図17bに示した表示装置DDに対応し、光経路変更部LNSの形状に差がある。即ち、
図15、
図17a、及び
図17bに示した表示装置DDの光経路変更部LNSは、表示素子層DP-OLEDに向かって突出した形状であって、光を放出する発光素子の観点からは、凸レンズとみることができるが、
図18a~
図18cに示す表示装置DDの光経路変更部LNSは、表示素子層DP-OLEDに対向して、即ち反射防止パネルRPPに向かって突出した形状であって、光を放出する発光素子の観点からは、凹レンズとみることができる。
【0207】
図18a~
図18cに示す光経路変更部LNSは、吸光パターンABSの開口部ABS-OPGに重畳するように形成される。より詳細には、光経路変更部LNSは、開口部ABS-OPGの大きさと比べて同一又は小さい。光経路変更部LNSは、上述したように、発光素子から放出される光の経路を変更し、光経路変更部LNSの形態に応じて光を集光又は散乱させて、表示装置DDの正面での輝度を増加させ、視野角/輝度比を改善し、WADを改善する。
図18a~
図18cに示す光経路変更部LNSは、表示装置DDの外部に向かって凸状に形成されて凹レンズの役割をするため、発光素子から放出された光は、光経路変更部LNSで散乱されて視野角/輝度比を改善し、WADを更に改善させる。
【0208】
図18a~
図18cに示す光経路変更部LNSが開口部ABS-OPGの大きさと比べて同一又は小さく形成されることが、開口部ABS-OPGよりも大きく形成された光経路変更部LNSよりも相対的に散乱効果を高めることができる。
【0209】
詳細には、光経路変更部LNSが形成される第2絶縁層IS-IL2(
図18b及び
図18cの第3絶縁層IS-IL3)の厚さには制限があり、また第2絶縁層IS-IL2上には反射防止パネルRPPが位置するため、光経路変更部LNSの曲率サイズは制限的である。開口部ABS-OPGの大きさと比べて同一又は小さく形成された光経路変更部LNSは、開口部ABS-OPGよりも大きく形成された光経路変更部LNSよりも小さい曲率を有するように形成され、曲率が小さい場合、焦点距離を短くすることができる。焦点距離が小さいほど、レンズの発散、収束作用が強く、焦点距離が大きいほど、レンズの発散、収束作用は弱い。従って、相対的に曲率を小さくして焦点距離を短くするように、例えば光経路変更部LNSを吸光パターンABSの開口部ABS-OPGと比べて同一又は小さくして焦点距離を短くすることで、散乱効果を高めることができる。
【0210】
本実施形態による表示装置DDは、このような散乱効果を有する光経路変更部LNSを備えることにより、反射色味特性を改善させるために吸光パターンABSを備えた場合でも、視野角/輝度比の低下なく、業界で求められる視野角/輝度比を保持することができる。
【0211】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0212】
10 第1中間無機膜
20 第2中間無機膜
30 中間有機膜
ABS 吸光パターン
ABS-OPG 開口部
AE 第1電極
BFL バッファ膜
BL ベース層
CE 第2電極
CH1~CH5 第1~第5貫通ホール
CNT-D 接続コンタクトホール
CP1、CP2 第1、第2接続部
CSL 制御信号ライン
DD 表示装置
DD-DA、DP-DA 表示領域
DD-IS 表示面
DD-NDA、DP-NDA 非表示領域
DE1、DE2 第1、第2入力電極
DL データライン
DM 表示モジュール
DP 表示パネル
DP-CL 回路素子層
DP-PD 信号パッド
DP-OLED 表示素子層
DR1~DR3 第1~第3方向軸
ECL 電子制御層
EML 発光層
GDC 駆動回路
GE1、GE2 第1、第2制御電極
GL 走査ライン
HCL 正孔制御層
IE1-1~IE1-5 第1検知電極
IE2-1~IE2-4 第2検知電極
IM 画像
IOL1~IOLn 封止無機膜
IOL10、IOL20 第1、第2封止無機膜
IS-C 入力検知回路
IS-CL1、IS-CL2 第1、第2導電層
IS-DPD ダミーパッド
IS-IL 絶縁層
IS-IL1、IS-IL3 第1~第3絶縁層
IS-OPB、IS-OPG、IS-OPR メッシュホール
ISL 入力検知層
ISU 入力検知ユニット
LNS 光経路変更部
NDA -PD パッド領域
NPXA 非発光領域
OCA 光学透明接着部材
OL1~OLn 封止有機膜
OLED 有機発光ダイオード
OP 開口部
OSP1、OSP2 第1、第2半導体パターン
PCB 回路基板
PCB-P 回路基板パッド
PDL 画素定義膜
PL 電源ライン
PX 画素
PXA、PXA-B、PXA-G、PXA-R 発光領域
RPP 反射防止パネル
S1、S10、S100 第1サブ層
S2、S20、S200 第2サブ層
SE1、SE2 第1、第2出力電極
SGL 信号ライン
SL-L ライン部
SL-P パッド部
SL1-1~SL1-5 第1信号ライン
SL2-1~SL2-4 第2信号ライン
SP1、SP2 第1、第2センシング部
SP1-1、SP1-2 第1、第2メッシュパターン
SP1-D コンタクト部
T1、T2 第1、第2トランジスタ
TC タイミング制御回路
TFE 薄膜封止層
W1 メッシュラインの線幅
W2 吸光パターンの幅
W3 画素定義膜の幅
WP ウィンドウパネル
WP-BS ベースフィルム
WP-BZ 遮光パターン