(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
B62D 1/12 20060101AFI20221012BHJP
B62D 6/00 20060101ALI20221012BHJP
B62D 5/06 20060101ALI20221012BHJP
B62D 5/28 20060101ALI20221012BHJP
B62D 101/00 20060101ALN20221012BHJP
B62D 113/00 20060101ALN20221012BHJP
B62D 115/00 20060101ALN20221012BHJP
【FI】
B62D1/12
B62D6/00
B62D5/06 B
B62D5/28
B62D101:00
B62D113:00
B62D115:00
(21)【出願番号】P 2018108991
(22)【出願日】2018-06-06
【審査請求日】2021-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】寺西 雄一
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/073614(WO,A1)
【文献】特開2009-227045(JP,A)
【文献】特開2017-035959(JP,A)
【文献】特開2009-101937(JP,A)
【文献】特開2012-040948(JP,A)
【文献】特表2009-517746(JP,A)
【文献】特開2006-168515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/12
B62D 6/00
B62D 5/06
B62D 5/28
B62D 101/00-137/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実ステアリング角度を変更する油圧アクチュエータと、
前記実ステアリング角度を検出する実ステアリング角度検出部と、
オペレータによって回動操作される操作部と、前記操作部を回動可能に支持する支持部と、前記支持部に回動可能に支持された回動部と、前記回動部に対して前記操作部を所定位置に付勢する付勢部と、前記支持部に対する前記回動部の回動角度を調整する位置調整部と、を有し、ステアリング操作を行う操作ユニットと、
前記操作部の前記回動部に対する相対回動角度を検出する相対角度検出部と、
前記操作部の回動操作に基づいて、前記油圧アクチュエータを制御するステアリング制御部と、
前記相対回動角度に基づいてトルクを設定し、前記トルクを用いて前記実ステアリング角度に基づいて前記位置調整部を制御する位置調整制御部と、を備
え、
前記位置調整制御部は、前記実ステアリング角度に基づいて設定される第1のパラメータと、前記支持部に対する前記回動部の回動角度の差分に基づいて、前記位置調整部のPID制御を行う、
作業車両。
【請求項2】
前記相対角度検出部は、
前記操作部の前記支持部に対する回動角度を検出する第1回動角度検出部と、
前記回動部の前記支持部に対する回動角度を検出する第2回動角度検出部と、
前記第1回動角度検出部によって検出された回動角度と、前記第2回動角度検出部によって検出された回動角度から、前記相対回動角度を演算する演算部と、を有する、
請求項
1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記相対角度検出部は、前記回動部に対する前記操作部の相対回動角度を検出するセンサである、
請求項
1に記載の作業車両。
【請求項4】
前記位置調整部は、
アクチュエータと、
セルフロック機能を有し、前記アクチュエータの駆動力を前記回動部に伝達する伝達部と、を有する、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の作業車両。
【請求項5】
前記位置調整部によって調整される前記回動部の前記支持部に対する回動角度は、前記実ステアリング角度と対応する、
請求項1~
4のいずれか1項に記載の作業車両。
【請求項6】
前記付勢部は、
バネ部材と、
ダンパおよびフリクションブレーキの少なくとも一方と、を含む、
請求項1に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリング入力装置の回転量などをセンサで検知し、それらのセンサ情報を基に算出した制御信号を、ワイヤーハーネスを介して、タイヤの切れ角をアクチュエータに伝送するステアリングシステムが存在する(いわゆるステアバイワイヤ)。このような車両のステアリングシステムの入力装置として、ステアリングホイールの代わりに、ジョイスティックレバーが用いられる場合がある。
【0003】
入力装置にジョイスティックレバーを用いるステアバイワイヤシステムにおいて、回動操作が行われるジョイスティックレバーと、ジョイスティックレバーの回動操作に操作感を生じさせるために操作に対する反力などを付与するモータ等が設けられる場合がある。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の車両において、ジョイスティックレバーに十分な反力トルクを生じさせるためには、モータとジョイスティックレバーの間に増力装置(減速機)を設けて、モータトルクを増加させることが必要となる。
しかしながら、減速比を高くした場合、ジョイスティックレバーを操作する際の操作反力が大きくなりすぎる場合がある。例えば、反力を発生させたくない場合、モータへの供給電流を0とすることが考えられるが、その場合であっても、モータの摩擦トルクやコギングトルクなどが減速機により増力され、ジョイスティックレバー上に反力を発生させてしまう。
【0006】
このため、減速機の減速比を低くしてトルクの大きいモータを使用する必要があり、大型のモータを使用する必要があった。このように、大型のモータを使うことで、操作ユニットが大型化すると、ユーザの体格等に合わせた位置に操作ユニットの位置を調整するのが難しくなるという別の問題が生じることとなる。
本発明は、操作ユニットの小型化を図ることが可能な作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明にかかる作業車両は、油圧アクチュエータと、実ステアリング角度検出部と、操作ユニットと、相対角度検出部と、ステアリング制御部と、位置調整制御部とを、備える。油圧アクチュエータは、実ステアリング角度を変更する。実ステアリング角度検出部は、実ステアリング角度を検出する。操作ユニットは、操作部と、回動部と、付勢部と、位置調整部と、を有し、ステアリング操作を行う。操作部は、オペレータによって回動操作される。支持部は、操作部を回動可能に支持する。回動部は、支持部に回動可能に支持されている。付勢部は、回動部に対して操作部を所定位置に付勢する。付勢部は、回動部に対して操作部を所定位置に付勢する。位置調整部は、支持部に対する回動部の回動角度を調整する。相対角度検出部は、操作部の回動部に対する相対回動角度を検出する。ステアリング制御部は、操作部の回動操作に基づいて、油圧アクチュエータを制御する。位置調整制御部は、相対回動角度に基づいてトルクを設定し、トルクを用いて実ステアリング角度に基づいて位置調整部を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作ユニットの小型化を図ることが可能な作業車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明にかかる実施の形態1のホイールローダを示す側面図。
【
図5】レバー角度とベースプレート角度の差分に対するバネ部材の反力を示す図。
【
図6】ベースプレート角度およびレバー角度の角度スケールとステアリング角度の角度スケールとの関係を示す図。
【
図7A】
図4Aの操作ユニットの伝達ギヤ部とウォームギヤを前方向側から視た図。
【
図7B】レバー角度とベースプレート角度の差分とP制御ゲインの関係のグラフを示す図。
【
図8】
図1のホイールローダの制御動作を説明するためのブロック図。
【
図9】
図1のホイールローダの制御動作を示すフロー図。
【
図10A】
図1のホイールローダの制御動作を説明するための図。
【
図10B】
図1のホイールローダの制御動作を説明するための図。
【
図10C】
図1のホイールローダの制御動作を説明するための図。
【
図11】本発明にかかる実施の形態2のホイールローダのステアリング操作装置を示す構成図。
【
図12】本発明にかかる実施の形態2のホイールローダの制御動作を説明するためのブロック図。
【
図13A】本発明にかかる実施の形態3のホイールローダの操作ユニットを示す斜視図。
【
図14】(a)、(b)レバー角度とベースプレート角度の差分とP制御ゲインの関係の変形例のグラフを示す図。
【
図15】(a)本発明にかかる実施の形態の変形例における操作ユニットの構成を示す模式図、(b)
図15(a)のGG´間の矢示断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明にかかる作業車両の一例としてのホイールローダについて図面を参照しながら以下に説明する。
(実施の形態1)
以下に、本発明にかかる実施の形態1のホイールローダ1について説明する。
<1.構成>
(1-1.ホイールローダの構成の概要)
図1は、本実施の形態のホイールローダ1の構成を示す模式図である。本実施の形態のホイールローダ1は、車体フレーム2と、作業機3と、一対のフロントタイヤ4、キャブ5、エンジンルーム6、一対のリアタイヤ7、およびステアリング操作装置8と、を備えている。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「右」、「左」、「上」、及び「下」とは運転席から前方を見た状態を基準とする方向を示す。また、「車幅方向」と「左右方向」は同義である。
図1では、前後方向をXで示し、前方向を示すときはXf、後方向を示すときはXbで示す。また、後述する図面において、左右方向をYで示し、右方向を示すときはYr、左方向を示すときはYlで示す。
【0011】
ホイールローダ1は、作業機3を用いて土砂積み込み作業などを行う。
車体フレーム2は、いわゆるアーティキュレート式であり、フロントフレーム11とリアフレーム12と、連結軸部13と、を有している。フロントフレーム11は、リアフレーム12の前方に配置されている。連結軸部13は、車幅方向の中央に設けられており、フロントフレーム11とリアフレーム12を互いに揺動可能に連結する。一対のフロントタイヤ4は、フロントフレーム11の左右に取り付けられている。また、一対のリアタイヤ7は、リアフレーム12の左右に取り付けられている。
【0012】
作業機3は、図示しない作業機ポンプからの作動油によって駆動される。作業機3は、ブーム14と、バケット15と、リフトシリンダ16と、バケットシリンダ17と、を有する。ブーム14は、フロントフレーム11に装着されている。バケット15は、ブーム14の先端に取り付けられている。
リフトシリンダ16およびバケットシリンダ17は、油圧シリンダである。リフトシリンダ16の一端はフロントフレーム11に取り付けられており、リフトシリンダ16の他端はブーム14に取り付けられている。リフトシリンダ16の伸縮により、ブーム14が上下に揺動する。バケットシリンダ17の一端はフロントフレーム11に取り付けられており、バケットシリンダ17の他端はベルクランク18を介してバケット15に取り付けられている。バケットシリンダ17が伸縮することによって、バケット15が上下に揺動する。
【0013】
キャブ5は、リアフレーム12上に載置されており、内部には、ステアリング操作のためのハンドルやジョイスティックレバー51(後述する
図2参照)、作業機3を操作するためのレバー、各種の表示装置等が配置されている。エンジンルーム6は、キャブ5の後側であってリアフレーム12上に配置されており、エンジンが収納されている。
ステアリング操作装置8は、詳しくは後述するが、ステアリングシリンダ21、22を有しており、ステアリングシリンダ21、22に供給する油の流量を変更することによって、フロントフレーム11のリアフレーム12に対する車体フレーム角度を変更し、ホイールローダ1の進行方向を変更する。ステアリングシリンダ21、22は、油圧アクチュエータの一例に対応する。
【0014】
図2は、キャブ5の部分側面図である。キャブ5には、運転席19が設けられており、運転席の側方にコンソールボックス20が配置されている。コンソールボックス20の上側にはアームレスト20aが配置されている。コンソールボックス20の前先端部にレバーユニット41が配置され、そこから上方に向かってジョイスティックレバー51が配置されている。
【0015】
(1-2.ステアリング操作装置)
図3は、ステアリング操作装置8を示す構成図である。本実施の形態のステアリング操作装置8は、一対のステアリングシリンダ21,22と、ステアリング油圧回路23と、車体フレーム角度センサ24と、操作ユニット25と、レバー絶対角度センサ26と、ベースプレート角度センサ101が設けられたベースプレート角度検出ユニット27(
図4A参照)と、制御部28と、車速センサ29と、を有する。なお、
図3では、電気に基づいた信号の伝達について点線で示し、油圧に基づいた伝達について実線で示す。また、センサによる検出については一点鎖線で示す。
図3では、操作ユニット25は模式的に示している。車体フレーム角度センサ24は、実ステアリング角度検出部の一例に対応する。レバー絶対角度センサ26は、第1回動角度検出部の一例に対応する。
【0016】
(1-2-1.ステアリングシリンダ)
一対のステアリングシリンダ21、22は、油圧によって駆動される。一対のステアリングシリンダ21、22は、連結軸部13を挟んで車幅方向の左右側に並んで配置されている。ステアリングシリンダ21は、連結軸部13の左側に配置されている。ステアリングシリンダ22は、連結軸部13の右側に配置されている。ステアリングシリンダ21、22は、それぞれの一端がフロントフレーム11に取り付けられており、それぞれの他端が、リアフレーム12に取り付けられている。
【0017】
後述するステアリング油圧回路23からの油圧によりステアリングシリンダ21が伸長し、ステアリングシリンダ22が収縮すると、実際の車体フレーム角度θs_realが変化し車両は右に曲がる。また、ステアリング油圧回路23からの油圧によりステアリングシリンダ21が収縮し、ステアリングシリンダ22が伸長すると、実際の車体フレーム角度θs_realが変化し車両は左に曲がる。なお、本実施の形態では、フロントフレーム11とリアフレーム12が前後方向に沿って配置されている場合の実際の車体フレーム角度θs_realをゼロとし、右側を正の値、左側を負の値とする。実際の車体フレーム角度θs_realは、実ステアリング角度の一例に対応する。
【0018】
(1-2-2.ステアリング油圧回路)
ステアリング油圧回路23は、ステアリングシリンダ21、22に供給する油の流量を調整するための油圧回路である。ステアリング油圧回路23は、油圧バルブ31と、メインポンプ32と、電磁パイロットバルブ33と、パイロットポンプ34と、を有する。
油圧バルブ31は、入力されるパイロット圧に応じてステアリングシリンダ21、22に供給される油の流量を調整する流量調整弁である。油圧バルブ31には、例えばスプール弁が用いられる。メインポンプ32は、ステアリングシリンダ21、22を作動する作動油を油圧バルブ31に供給する。油圧バルブ31は、左ステアリング位置、中立位置、および右ステアリング位置に移動可能な弁体(図示せず)を有する。油圧バルブ31において弁体が左ステアリング位置に配置されている場合、ステアリングシリンダ21が収縮し、ステアリングシリンダ22が伸長して、実際の車体フレーム角度θs_realが小さくなり車体は左に曲がる。油圧バルブ31において弁体が右ステアリング位置に配置されている場合、ステアリングシリンダ22が収縮し、ステアリングシリンダ21が伸長して、実際の車体フレーム角度θs_realが大きくなり車体は右に曲がる。油圧バルブ31において弁体が中立位置に配置されている場合は、実際の車体フレーム角度θs_realは変化しない。
【0019】
電磁パイロットバルブ33は、制御部28からの指令に応じて油圧バルブ31に供給するパイロット油圧の流量を調整する流量調整弁である。電磁パイロットバルブ33には、例えばスプール弁が用いられる。パイロットポンプ34は、油圧バルブ31を作動する作動油を電磁パイロットバルブ33に供給する。電磁パイロットバルブ33は、例えばスプールバルブ等であって、制御部28からの指令に従って制御される。電磁パイロットバルブ33は、左パイロット位置、中立位置、および右パイロット位置に移動可能な弁体(図示せず)を有する。電磁パイロットバルブ33において弁体が左パイロット位置に配置されている場合、油圧バルブ31は左ステアリング位置の状態をとる。電磁パイロットバルブ33において弁体が右パイロット位置に配置されている場合、油圧バルブ31は右ステアリング位置の状態をとる。電磁パイロットバルブ33において弁体が中立位置に配置されている場合、油圧バルブ31は中立位置の状態をとる。
以上のように、制御部28からの指令に応じて電磁パイロットバルブ33からのパイロット圧が制御されることにより、油圧バルブ31が制御されてステアリングシリンダ21、22が制御される。
【0020】
(1-2-3.車体フレーム角度センサ24)
車体フレーム角度センサ24は、実際の車体フレーム角度θs_realを車体フレーム角度の検出値θs_detectとして検出する。車体フレーム角度センサ24は、ステアリングシリンダ21、22の間に配置されている連結軸部13の近傍に配置されている。車体フレーム角度センサ24は、例えばポテンショメータによって構成されており、検出された車体フレーム角度の検出値θs_detectは検出信号として制御部28に送られる。
なお、ステアリングシリンダ21、22の各々に、シリンダのストロークを検出するシリンダストロークセンサを設け、これらシリンダストロークセンサの検出値が制御部28に送られ、車体フレーム角度の検出値θs_detectが検出されてもよい。
【0021】
(1-2-4.操作ユニット25)
図4Aは、操作ユニット25の斜視図である。
図4Bは、操作ユニット25の側面図である。
図4Cは、
図4Bの幅方向における断面図である。
図4Dは、
図4BのAA´間の矢示断面図である。
【0022】
操作ユニット25は、
図4Aに示すように、レバーユニット41と、支持部42と、ベース部43と、付勢部44と、位置調整部45とを備える。
レバーユニット41は、オペレータによって操作される。支持部42は、コンソールボックス20に固定され、ジョイスティックレバー51を回動可能に支持する。ベース部43は、支持部42に回動可能に支持されている。付勢部44は、ベース部43に対してレバーユニット41を所定位置に付勢する。位置調整部45は、車体フレーム角度の検出値θs_detectに基づいて、ベース部43の回動位置を調整する。
【0023】
(a.レバーユニット41)
レバーユニット41は、
図2に示すように、コンソールボックス20の前端部に配置されている。
レバーユニット41は、
図4Bに示すように、ジョイスティックレバー51と、一対の連結プレート52、53と、接続部54と、キー55(
図4C参照)とを有する。
【0024】
ジョイスティックレバー51は、棒状の部材であって、オペレータによって操作される。一対の連結プレート52、53は、ジョイスティックレバー51と支持部42の回動軸64(後述する)を連結し、ジョイスティックレバー51の回動を回動軸64に伝達する。
一対の連結プレート52、53の各々は、板状の主面が前後方向Xに対して略垂直になるように配置されている。一対の連結プレート52、53は、前後方向Xに沿って所定間隔を空けて対向して配置されている。
【0025】
接続部54は、一対の連結プレート52、53の上端部同士を繋ぐように、一対の連結プレート52、53の間に配置されている。接続部54の上面には、ジョイスティックレバー51の下端が固定されている。一対の連結プレート52、53の各々には、貫通孔が形成されており、回動軸64は、連結プレート52、53の貫通孔に挿入されている。キー55は、
図4Cに示すように、連結プレート52の貫通孔の縁に形成された凹部と回動軸64に形成された溝に嵌り、連結プレート52の回動を回動軸64に伝達する部材である。回動軸64は、支持部42に回動可能に支持されている。
【0026】
また、
図4Aおよび
図4Dに示すように、連結プレート52、53を繋ぐ棒状の接続部材56、57が設けられている。接続部材56と接続部材57は、回動軸64の中心P3よりも下側であって、回動軸64よりも車幅方向の外側に配置されている。接続部材56は、車幅方向Yにおいて回動軸64よりも右方向Yr側に配置されており、接続部材57は、車幅方向Yにおいて回動軸64よりも左方向Yl側に配置されている。
後述する
図10Aに示すように、オペレータによってジョイスティックレバー51が回動されると、接続部54とともに一対の連結プレート52、53も回動し、キー55を介して回動軸64が回動する。
【0027】
(b.支持部42)
支持部42は、レバーユニット41を回動可能に支持する。支持部42は、
図2に示すコンソールボックス20の例えば内部に固定されている。支持部42は、
図4Aに示すように、支持枠60と、回動軸64とを有する。
【0028】
支持枠60は、
図4Bおよび
図4Cに示すように、側面視においてU字形状に形成された部材である。支持枠60は、前後方向Xに対向した一対の軸支持部61、62と、軸支持部61と軸支持部62の下端を繋ぐ連結部63と、を有する。軸支持部61と軸支持部62の各々には、前後方向Xに沿って貫通孔が形成されている。
回動軸64は、軸支持部61、62に形成された貫通孔に回動可能に挿入されている。回動軸64は、略水平方向であって前後方向Xに沿って配置されている。
【0029】
(c.ベース部43)
ベース部43は、支持部42に回動可能に支持されている。ベース部43は、
図4Aに示すように、ベースプレート71と、一対の支持プレート72、73と、伝達ギヤ部74と、検出ギヤ部75を有する。
ベースプレート71は、一対の連結プレート52、53を下方から覆うように配置された板状の部材である。ベースプレート71は、前後方向Xに沿って視た場合に下方に凸に湾曲している(
図4E参照)。
【0030】
一対の支持プレート72、73は、
図4Bに示すように、ベースプレート71を回動可能に回動軸64に支持する。一対の支持プレート72、73は、前後方向Xにおいて連結プレート52、53を外側から挟むように配置されている。支持プレート72は、連結プレート52の前方向Xf側に配置され、支持プレート73は、連結プレート53の後方向Xb側に配置されている。
【0031】
支持プレート72、73には、前後方向Yに沿って貫通孔が形成されており、これらの貫通孔に回動軸64が挿入されている。このように、支持プレート72、73は、回動軸64に対して回動可能に配置されている。
支持プレート72、73の下端は
図4Aおよび
図4Dに示すように、下に凸に湾曲しており、支持プレート72の下端と支持プレート73の下端を繋ぐようにベースプレート71が配置されている。ベースプレート71の上面71aには、
図4Dに示すように、幅方向Yに溝76が形成されている。溝76の幅方向Yにおける右方向Yr側の端が76Rで示され、左方向Yl側の端が76Lで示されている。
【0032】
伝達ギヤ部74は、位置調整部45の駆動力をベースプレート71に伝達する。伝達ギヤ部74は、
図4Cに示すように、支持プレート72の前側に配置されており、支持プレート72と連結されている。伝達ギヤ部74には、前後方向Xに沿って貫通孔が形成されており、貫通孔に回動軸64が挿入されている。これにより、伝達ギヤ部74は回動軸64に対して回動可能に構成されている。伝達ギヤ部74は、
図4Aに示すように、下端面74aが下方に凸に湾曲して形成されており、下端面74aには、ギヤ形状が形成されている。下端面74aは、
図4Dに示すように、後述する位置調整部45のウォームギヤ94と噛み合っている。
【0033】
検出ギヤ部75は、ベースプレート71の位置を検出するために用いられる。検出ギヤ部75は、
図4Cに示すように、伝達ギヤ部74の前方向Xf側に配置されており、伝達ギヤ部74と連結されている。検出ギヤ部75には、前後方向Xに沿って貫通孔が形成されており、貫通孔に回動軸64が挿入されている。これにより、検出ギヤ部75は回動軸64に対して回動可能に構成されている。検出ギヤ部75は、下端面75aが下方に凸に湾曲して形成されており、下端面75aには、ギヤ形状が形成されている。
図4Cに示すように、下端面75aは、後述するベースプレート角度センサ101と連結されたギヤ103と噛み合っている。
【0034】
ベース部43は、位置調整部45の駆動力により、回動軸64に対して回動可能である(
図3および後述する
図10B参照)。位置調整部45の駆動力により伝達ギヤ部74が支持部42に対して回動すると、伝達ギヤ部74と連結されている支持プレート72、73およびベースプレート71も回動する。この際、伝達ギヤ部74と連結している検出ギヤ部75も回動し、ベースプレート71の回動位置は、検出ギヤ部75を介してベースプレート角度センサ101によって検出される。
【0035】
(d.付勢部44)
付勢部44は、レバーユニット41をベースプレート71に対して所定位置に付勢する。具体的には、
図4Dに示すように、ジョイスティックレバー51が車幅方向Yにおいてベースプレート71の中央に位置するように、付勢部44はレバーユニット41を付勢する。
【0036】
詳しくは、所定位置とは、
図4Dに示すように、ジョイスティックレバー51の中心を通る直線L1が、ベースプレート71における溝76の右端76Rと左端76Lの中心位置P1を通る位置である。直線L1とは、レバーユニット41の接続部材56と接続部材57の中心位置P2と回動軸64の中心P3を通る直線ともいえる。
付勢部44は、バネ部材80と、ダンパ84とを有する。バネ部材80はコイルバネであり、
図4Aに示すように、回動軸64の周囲に配置されている。
【0037】
これによって、オペレータがジョイスティックレバー51をベースプレート71に対して所定位置から左右に向けて操作するときに反力を生じさせることが出来、オペレータに操作感を付与することができる。
バネ部材80には、回動軸64が挿入されている。バネ部材80は、一対の連結プレート52と連結プレート53の間に配置されている。
【0038】
バネ部材80は、
図4Dに示すように、コイル部81と、第1端部82と、第2端部83と、を有する。コイル部81は、回動軸64に挿通されている。第1端部82および第2端部83は、コイル部81から下方に延びており、接続部材56と接続部材57の間に配置されている。
ジョイスティックレバー51が上記所定位置に配置されている状態では、第1端部82は、接続部材56の左方向Yl側に接続部材56と接触した状態で配置されている。また、第1端部82の下端は、溝76の右端76Rに接触している。第2端部83は、接続部材57の右方向Yr側に接続部材57と接触した状態で配置されている。また、第2端部83の下端は、溝76の左端76Lに接触している。
【0039】
バネ部材80は、接続部材56と右端76Rを右方向Yr側に押し、接続部材57と左端76Lを左方向Yl側に押すように弾性力を働かせている。
バネ部材80によってジョイスティックレバー51に生じる反力について説明する。ベースプレート71に対するジョイスティックレバー51の回動角度に応じてバネ部材80によって反力が生じる。
【0040】
支持部42に対するジョイスティックレバー51の中央位置からの回動角度を実際のレバー角度θi_realとし、支持部42に対するベースプレート71の中央位置からの回動角度を実際のベースプレート角度θb_realとする。支持部42に対するジョイスティックレバー51の中央位置とは、
図4Dに示すようにジョイスティックレバー51の長手方向に沿った直線L1が、回動軸64を通り鉛直方向に配置された直線L0と一致している位置である。ジョイスティックレバー51を中央位置から右方向に回動させた場合の角度を正の値、中央位置から左方向に回動させた場合の角度を負の値とする。
【0041】
また、支持部42に対するベースプレート71の中央位置とは、ベースプレート71の溝76の右端76Rと左端76Lの中心位置P1が直線L0上に配置されている位置である。ベースプレート71を中央位置から右方向に回動させた場合の角度を正の値、中央位置から左方向に回動させた場合の角度を負の値とする。
図4Dにおいて、向かって時計回りが左方向(矢印Rl)への回動、反時計周りが右方向(矢印Rr)への回動となる。
【0042】
例えば、ジョイスティックレバー51を後述する
図10Aに示すように、右方向に回動すると、バネ部材80の第2端部83は、接続部材57によって反時計方向(左方向Yl側)に押されて移動し、第2端部83の先端は、溝76の左端76Lから左方向Yl側に離間している。また、第1端部82の先端が溝76の右端76Rに接触しているため、第1端部82は反時計方向(左方向Yl側)に移動できず、接続部材56は第1端部82から左方向Yl側に離間している。これにより、バネ部材80の第2端部83は接続部材57を時計回り方向に押すように付勢するため、バネ部材80は、ジョイスティックレバー51を、回動軸64の中心P3を通る鉛直線L0上に戻るように付勢している。
【0043】
図5は、実際のレバー角度θi_realから実際のベースプレート角度θb_realを引いた差分である実際のレバー相対角度θd_realとバネ部材80によって生じる反力の関係を示す図である。バネ部材80は、
図5に示すような反力特性を有する。
図5では、正の値のθd_realは、ベースプレート71に対してジョイスティックレバー51を右方向に回動させた場合を示し、負の値のθd_realは、ベースプレート71に対してジョイスティックレバー51を左方向に回動させた場合を示す。また、正の値の反力は、左方向に向かって生じる反力を示し、負の値の反力は、右方向に向かって生じる反力を示す。
【0044】
θd_realが正の値では、θd_realと反力は比例関係を有し、初期反力がF1であり、θd_realの値が大きくなるに従って反力の値が大きくなる。θd_realが負の値では、初期反力が-F1であり、θd_realの値が小さくなるに従って反力の値が小さくなる。すなわち、バネ部材80のバネ特性は線形に形成されており、θd_realの絶対値が大きくなるに従って、ジョイスティックレバー51の回動操作に対する反力も大きくなる。
【0045】
このように、ジョイスティックレバー51に初期反力F1以上の力を加えることにより、ジョイスティックレバー51はベースプレート71に対して回動し、θd_realの絶対値が大きくなるに従って反力も大きくなる。
ダンパ84は、回動軸64と軸支持部62の間に設けられている。ダンパ84によって、ジョイスティックレバー51の角速度に応じた抵抗を生じさせている。
【0046】
(e.位置調整部45)
位置調整部45は、車体フレーム角度センサ24の検出値に基づいて、ベースプレート71の位置を調整する。位置調整部45は、
図4Aおよび
図4Bに示すように、連結部63の上面に配置されており、電気モータ91と、出力ギヤ92と、減速ギヤ93と、ウォームギヤ94とを有する。減速ギヤ93とウォームギヤ94は、伝達部の一例に対応する。
【0047】
電気モータ91は、アクチュエータの一例に対応し、制御部28からの指令により駆動する。電気モータ91は、その出力軸が車幅方向Yに沿うように配置されている。出力ギヤ92は、電気モータ91の出力軸に固定されている。減速ギヤ93は、出力ギヤ92の上側に配置され、出力ギヤ92と噛み合っている。減速ギヤ93は、出力ギヤ92よりも径が大きく、電気モータ91の回転を減速する。ウォームギヤ94は、減速ギヤ93が固定されている回転軸95上に車幅方向Yに沿って配置されている。ウォームギヤ94は、
図4Cに示すように、伝達ギヤ部74の下端面74aと噛み合っている。
このような構成により、電気モータ91の駆動によって、出力ギヤ92が回転し、減速ギヤ93も回転する。この減速ギヤ93の回転によって回転軸95を介してウォームギヤ94が回転し、伝達ギヤ部74が回動軸64を中心にして回動し、ベースプレート71が回動する。
【0048】
(1-2-5.レバー絶対角度センサ26)
レバー絶対角度センサ26は、例えばポテンショメータによって構成されており、支持部42(詳細には支持枠60ともいえる)に対する回動軸64の回転角度である実際のレバー角度θi_realをレバー角度の検出値θi_detectとして検出する。レバー絶対角度センサ26は、
図4Cに示すように、支持部42の軸支持部62の外側(後方向Xb側)に配置されている。
レバー絶対角度センサ26によって検出されたレバー角度の検出値θi_detectは、検出信号として制御部28に送られる。
【0049】
(1-2-6.ベースプレート角度検出ユニット27)
ベースプレート角度検出ユニット27は、
図4Cに示すように、ベースプレート角度センサ101と、検出軸102と、ギヤ103と、を有する。
【0050】
ベースプレート角度センサ101は、例えばポテンショメータによって構成されており、支持部42(詳細には支持枠60ともいえる)に対するベースプレート71の回転角度である実際のベースプレート角度θb_realをベースプレート角度の検出値θb_detectとして検出する。ベースプレート角度センサ101は、軸支持部61の外側に固定されている。
【0051】
検出軸102は、ベースプレート角度センサ101によって回転角度が検出される軸である。検出軸102は、ベースプレート角度センサ101から軸支持部61を貫通して軸支持部61の内側に延びている。
ギヤ103は、検出軸102に固定されている。ギヤ103は、ベース部43の検出ギヤ部75の下端面75aと噛み合っている。
【0052】
位置調整部45によってベース部43が回動すると、検出ギヤ部75も同様に回動し、その回動によってギヤ103を介して検出軸102も回動する。検出軸102の回動がベースプレート角度センサ101によって検出され、ベースプレート71の支持部42に対する回動角度が検出される。
なお、ベースプレート角度センサ101によって検出されたベースプレート角度の検出値θb_detectは、検出信号として制御部28に送られる。
【0053】
(1-2-7.制御部28、車速センサ29)
制御部28は、CPU、メモリなどを有し、以下に説明する各機能を実行する。制御部28は、
図3に示すように、モータ駆動制御部110と、ステアリング制御部120と、を有する。車速センサ29は、車速Vを検出して検出信号として制御部28に送信する。
モータ駆動制御部110は、位置調整制御部の一例であり、車体フレーム角度センサ24によって検出された車体フレーム角度の検出値θs_detectに基づいて、ベースプレート71の回動角度を調整する。ステアリング制御部120は、レバー絶対角度センサ26によって検出されたレバー角度の検出値θi_detectと、車体フレーム角度センサ24によって検出された車体フレーム角度の検出値θs_detectと、車速Vとに基づいて電磁パイロットバルブ33を制御し、実際の車体フレーム角度θs_realを変更する。
【0054】
(a.モータ駆動制御部110)
モータ駆動制御部110は、車体フレーム角度センサ24によって検出された車体フレーム角度の検出値θs_detectに基づいて位置調整部45の電気モータ91を制御する。
図6は、車体フレーム角度の検出値θs_detectの角度スケールと、ベースプレート角度の検出値θb_detect(レバー角度の検出値θi_detectも同様)の角度スケールの関係を示す図である。
図6に示すように、車体フレーム角度の検出値θs_detectとベースプレート角度の検出値θb_detectは比例関係を有する。
【0055】
実際の車体フレーム角度θs_realは、例えば±40度の幅をとることができ、ベースプレート角度θbは、例えば、±20度の幅をとるように設定されている。すなわち、車体フレーム角度θs=40度が、ベースプレート角度θb=20度に対応しているため、θb_real=0.5×θs_realの関係を有する。
これにより、
図6に示すように、θb_detect=0.5×θs_detectの関係を有する。
【0056】
このため、モータ駆動制御部110は、車体フレーム角度の検出値θs_detectをベースプレート71の角度スケールに変換した角度に、実際のベースプレート角度θb_realを一致させるようにベースプレート71の位置を調整する。例えば、車体フレーム角度の検出値θs_detectsが10°の場合、車体フレーム角度の検出値θs_detectをベースプレート71の角度スケールに変換すると5°となるため、ベースプレート71の回動角度が5°になるように電気モータ91はモータ駆動制御部110によって制御される。なお、ベースプレート71の角度スケールに変換された車体フレーム角度の検出値θs_detectを変換車体フレーム角度の検出値θsc_detectと記載する。
【0057】
モータ駆動制御部110は、
図3に示すように、第1演算部111と、PID制御部112と、ドライバ113と、第2演算部114と、記憶部115と、を有する。第1演算部111は、車体フレーム角度センサ24によって検出された車体フレーム角度の検出値θs_detectを、ベースプレート71の角度スケールに変換する。第1演算部111は、変換された変換車体フレーム角度の検出値θsc_detectと、ベースプレート角度センサ101によって検出されたベースプレート角度の検出値θb_detectの差分を演算する。第1演算部111は、演算結果をPID制御部112に送信する。
【0058】
第2演算部114は、レバー絶対角度センサ26によって検出されたレバー角度の検出値θi_detectと、ベースプレート角度センサ101によって検出されたベースプレート角度の検出値θb_detectのレバー相対角度の検出値θd_detect(θi_detect-θb_detect)を演算する。第2演算部114とレバー絶対角度センサ26とベースプレート角度センサ101が、ジョイスティックレバー51のベースプレート71に対する相対角度を検出する相対角度検出部の一例に相当する。
【0059】
PID制御部112は、演算された差分に基づいて、検出されたベースプレート角度の検出値θb_detectを変換した回転角度にあわせるように制御パラメータを決定し、ドライバ113へ送信する。また、PID制御部112は、レバー相対角度の検出値θd_detectから、記憶部115に記憶されているレバー相対角度の検出値θd_detectに対するP制御ゲインのグラフに基づいてP制御のゲインを設定する。
【0060】
記憶部115は、レバー相対角度の検出値θd_detectとP制御のゲインの関係を示すグラフを記憶している(後述する
図7B参照)。P制御のゲインは、バネ部材80の反力に対応して設定されている。P制御のゲイン設定については後述する。
ドライバ113は、受信した制御パラメータに基づいて、電気モータ91を制御する。
これによって、ベースプレート71の回動角度を、車体フレーム角度θsに対応した角度にあわせることができる。
【0061】
(b.ステアリング制御部120)
ステアリング制御部120は、レバー絶対角度センサ26によって検出されたレバー角度の検出値θi_detectと、車体フレーム角度センサ24によって検出された車体フレーム角度の検出値θs_detectと、車速センサ29によって検出された車速Vに基づいて、電磁パイロットバルブ33を制御する。
【0062】
図6には、車体フレーム角度の検出値θs_detectの角度スケールと、レバー角度の検出値θi_detectの角度スケールの関係が示されている。
図6に示すように、車体フレーム角度の検出値θs_detectとレバー角度の検出値θi_detectは比例関係を有する。
実際の車体フレーム角度θs_realは、例えば±40度の幅をとることができ、実際のレバー角度θi_realは、例えば、±20度の幅をとるように設定されている。すなわち、実際の車体フレーム角度θs_real=40度が、実際のレバー角度θi_real=20度に対応しているため、θi_real=0.5×θs_realの関係を有する。
【0063】
これにより、
図6に示すように、θi_detect=0.5×θs_detectの関係を有する。
このため、ステアリング制御部120は、実際の車体フレーム角度θs_realを、レバー角度の検出値θi_detectを車体フレーム角度θsの角度スケールに変換した角度に一致させるように電磁パイロットバルブ33を制御する。例えば、レバー角度の検出値θi_detectが5°の場合、レバー角度の検出値θi_detectを車体フレーム角度の検出値θs_detectの角度スケールに変換すると10°となるため、実際の車体フレーム角度θs_realが10°になるようにステアリング制御部120は、電磁パイロットバルブ33を制御する。なお、車体フレーム角度の検出値θs_detectの角度スケールに変換されたレバー角度の検出値θi_detectを変換レバー角度の検出値θic_detectと記載する。
【0064】
ステアリング制御部120は、演算部121と、記憶部122と、EPC指令部123とを有する。演算部121は、レバー絶対角度センサ26によって検出されたレバー角度の検出値θi_detectを、ステアリング角度の角度スケールに変換する。演算部121は、変換レバー角度の検出値θic_detectと、車体フレーム角度の検出値θs_detectの差分(偏差角度θe1ともいう)を演算する。演算部121は、演算した差分をEPC指令部123に送信する。変換レバー角度の検出値θic_detectは、目標車体フレーム角度といえる。
【0065】
EPC指令部123は、受信した差分と、車速センサ29によって検出された車速Vに基づいて、記憶部122に記憶されているグラフよりEPC指令電流を決定する。
EPC指令部123は、決定したEPC指令電流を電磁パイロットバルブ33へ送信する。
なお、制御部28は、メインポンプ32およびパイロットポンプ34等の制御を行ってもよい。
なお、制御部28と、車体フレーム角度センサ24、レバー絶対角度センサ26、ベースプレート角度センサ101、車速センサ29、電気モータ91および電磁パイロットバルブ33との間の信号の送受信については、各々が無線で行われてもよいし有線で行われてもよい。
【0066】
(c.P制御ゲイン設定)
次に、バネ部材80の反力に対応してP制御のゲインを設定する理由について説明する。
図7Aは、位置調整部45のウォームギヤ94と伝達ギヤ部74の構成を示す図である。
図7Aは、前方向Xf側から視た図である。
【0067】
上述したように、ベースプレート71の位置が実際の車体フレーム角度θs_realに対応する位置になるよう、ウォームギヤ94の回転によって、伝達ギヤ部74を回動させてベースプレート71を回動させている。例えば、後述する
図10Aのように、ジョイスティックレバー51を右方向に回動させた場合、実際の車体フレーム角度θs_realが追従して右方向に回動する。そして、実際の車体フレーム角度θs_realの右方向への回動にあわせるようにベースプレート71がウォームギヤ94の回転によって回動する。
【0068】
しかしながら、ジョイスティックレバー51の右方向への回動によってバネ部材80を介してベースプレート71に右回転方向への反作用トルクが生じる。このため、
図7Aに示すように、伝達ギヤ部74にも右回転方向(矢印J参照)への反作用トルクが生じる。この反作用トルクによって、伝達ギヤ部74の下端面74aの歯面とウォームギヤ94の歯面の間に摩擦力が生じるため、電気モータ91を駆動したとしてもウォームギヤ94がスムーズに回転しない場合がある。また、レバー反力Fはレバー相対角度の検出値θd_detectが大きくなるに従って大きくなるため、レバー相対角度の検出値θd_detectが大きくなるほど、摩擦力も大きくなり、電気モータ91のトルクを増加させるほうが、ウォームギヤ94をスムーズに回転させることができる。
【0069】
そのため、本実施の形態では、レバー相対角度の検出値θd_detectに基づいてP制御ゲインを設定している。
図7Bは、レバー相対角度の検出値θd_detectとP制御ゲインの関係を示す図である。
図7Bでは、正の値のθd_detectは、ベースプレート71に対してジョイスティックレバー51を右方向に回動させた場合を示し、負の値のθd_detectは、ベースプレート71に対してジョイスティックレバー51を左方向に回動させた場合を示す。また、正の値のPゲインは、右方向に向かって生じるトルクを増加し、負の値のPゲインは左方向に向かって生じるトルクを増加する。
【0070】
図7Bに示すように、P制御ゲインの特性は、
図5のバネ部材80の反力特性に合わせて線形に形成されている。θd_detectが正の値では、初期ゲインがP1であり、θd_detectの値が大きくなるに従ってP制御ゲインの値が大きくなる。θd_detectが負の値では、初期ゲインが-P1であり、θd_detectの値が小さくなるに従ってP制御ゲインが小さくなる。
すなわち、θd_detectの絶対値が大きくなり反力が大きくなるにつれて、
図7Bに示すように、Pゲインの絶対値も大きくなるように設定され、電気モータ91のトルクを大きくでき、ウォームギヤ94および伝達ギヤ部74をスムーズに回転することができる。
【0071】
<2.動作>
以下に、本実施の形態のホイールローダ1の制御動作について説明する。
図8は、ホイールローダ1の制御動作を説明するためのブロック図である。
図8では、電気的な動作については実線で示し、機械的な動作については点線で示し、油圧を用いた動作について一点鎖線で示す。また、
図9は、本実施の形態のホイールローダ1の制御動作を示すフロー図である。
図10A~
図10Cは、本実施の形態のホイールローダ1の制御動作を説明するための断面図である。
【0072】
図4Dに示すように、ジョイスティックレバー51が鉛直方向に沿って配置されている場合、ジョイスティックレバー51による実際のレバー角度θi_realはゼロである。また、実際の車体フレーム角度θs_realもゼロであるため、ベースプレート71も所定の初期位置に位置している。所定の初期位置とは、たとえば、
図4Dに示すような、ジョイスティックレバー51の中心を通る直線L1上に、ベースプレート71における位置P1(溝76の右端76Rと左端76Lの中心位置)が配置されている状態をいう。
【0073】
なお、本実施の形態では、実際の車体フレーム角度θs_realは、
図3に示すように、リアフレーム12に対して前後方向に沿った状態をゼロとして、その状態からの角度を示す。また、実際のレバー角度θi_realは、
図3に示すように、ジョイスティックレバー51の中央位置からの回転角を示す。また、差分(偏差角度)を求める際には、例えば、右方向への回転をプラスの角度、左方向への回転をマイナスの角度として演算しても良い。
【0074】
このとき、電磁パイロットバルブ33は中立位置の状態となっている。この場合、油圧バルブ31も中立位置となっている。このため、左右のステアリングシリンダ21、22への油の供給または排出が行われておらず、実際の車体フレーム角度θs_realはゼロに維持される。
そして、オペレータがジョイスティックレバー51を
図3に示すように中央位置から右側に回転させるために操作力Finを加える。操作力Finがバネ部材80の初期付勢力を越えると、
図10Aに示すように、ジョイスティックレバー51が右方向に回転して実際のレバー角度θi_realが増大する。なお、右方向に移動させるに従って、バネ部材80によって付与される反力は大きくなる。
【0075】
レバー絶対角度センサ26は、ステップS10において、
図10Aに示すようにオペレータによって操作されたジョイスティックレバー51の実際のレバー角度θi_realをレバー角度の検出値θi_detectとしてを検出する。
次に、ステップS20において、車体フレーム角度センサ24は、実際の車体フレーム角度θs_realを車体フレーム角度の検出値θs_detectとして検出する。
【0076】
このとき、左右のステアリングシリンダ21、22の反応の遅れのために、実際の車体フレーム角度θs_realはゼロの状態である。このため、車体フレーム角度センサ24による検出値である車体フレーム角度の検出値θs_detectはゼロとなっている。実際の車体フレーム角度θs_realがほぼゼロであるため、ベースプレート71も回動していない。そのため、
図8Aに示すように、ジョイスティックレバー51を右方向に回転した状態では、ジョイスティックレバー51の中心を通る直線L1(ジョイスティックレバー51に沿った直線ともいえる)は、ベースプレート71の位置P3から回転した状態となっている。また、バネ部材80の第2端部83は、接続部材57によって反時計方向(左方向Yl側)に押されて移動し、第2端部83の先端は、溝76の左端76Lから左方向Yl側に離間している。また、第1端部82の先端が溝76の右端76Rに接触しているため、第1端部82は反時計方向(左方向Yl側)に移動できず、接続部材56は第1端部82から左方向Yl側に離間している。これにより、バネ部材80の第2端部83は接続部材57を時計回り方向に押すために、バネ部材80は、ジョイスティックレバー51を、回動軸64の中心P3を通る鉛直線L0上に戻るように付勢している。
【0077】
次に、ステップS30において、演算部121が、検出されたレバー角度の検出値θi_detectを
図6に示すグラフを用いて車体フレーム角度の検出値θs_detectの角度スケールに変換し、変換レバー角度の検出値θic_detectを算出する。そして、演算部121は、変換レバー角度の検出値θic_detectと車体フレーム角度の検出値θs_detectとの差分(偏差角度θe
1)を演算する。演算部121は演算した偏差角度θe
1をEPC指令部123に送信する。
【0078】
次に、ステップS40において、EPC指令部123は、演算部121から受信した差分と、車速センサ29から受信した速度Vとを用いて、記憶部122に記憶されている
図7に示すデータからEPC電流iを決定し、電磁パイロットバルブ33に指令を行う。
ジョイスティックレバー51を右回転させたため、電磁パイロットバルブ33は右パイロット位置をとり、電磁パイロットバルブ33によって制御されたパイロット圧が油圧バルブ31に供給される(
図8参照)。パイロット圧の供給により、油圧バルブ31は右ステアリング位置をとり、ステアリングシリンダ21を伸長させ、ステアリングシリンダ22を収縮させるようにステアリングシリンダ21、22にメイン油圧が供給される。
【0079】
これにより実際の車体フレーム角度θs_realが除々に増大し、フロントフレーム11がリアフレーム12に対して右方向に向けられる。
この実際の車体フレーム角度θs_realの変化は、ベースプレート71の角度に反映される。
上記ステップS30、S40と並行して、ステップS50において、ベースプレート角度センサ101によって実際のベースプレート角度θb_realがベースプレート角度の検出値θb_detectとして検出される。
【0080】
次に、ステップS60において、モータ駆動制御部110の第1演算部111は、車体フレーム角度の検出値θs_detectを、
図6に示すグラフを用いてベースプレート71の角度スケールである変換車体フレーム角度の検出値θsc_detectに変換する。そして、第1演算部111は、変換車体フレーム角度の検出値θsc_detectとベースプレート角度センサ101によって検出されたベースプレート角度の検出値θb_detectとの偏差角度θe
2(差分ともいえる)を演算する。
【0081】
次に、ステップS70において、第2演算部114は、レバー絶対角度センサ26によって検出されたレバー角度の検出値θi_detectとベースプレート角度センサ101によって検出されたベースプレート角度の検出値θb_detectとのレバー相対角度の検出値θd_detectを演算する。
次に、ステップS80において、PID制御部112は、ベースプレート角度の検出値θb_detectが変換車体フレーム角度の検出値θsc_detectと一致するように制御パラメータを決定し、ドライバ113に送信する。この制御パラメータの決定の際に、PID制御部112は、記憶部115に記憶されているP制御ゲイン特性(
図7B参照)に基づいて、Pゲインを設定する。すなわち、θd_detectの絶対値が大きい場合には、P制御ゲインの絶対値も大きくする。詳細には、
図7Bに示すように、正の値においてθd_detectの値が大きい場合には、P制御ゲインを大きい値に設定し、負の値においてθd_detectの値が小さい場合には、P制御ゲインを小さい値に設定する。
【0082】
次に、ステップS90において、ドライバ113は、ベースプレート角度の検出値θb_detectが変換車体フレーム角度の検出値θsc_detectになるように電気モータ91を駆動する。これによって、ベースプレート71は、回動軸64の中心P3を中心として
図10Aにおいて反時計回り(矢印H方向)に回転する。なお、ベースプレート71がジョイスティックレバー51の回動位置に向かって回動すると、
図10Bに示すように、実際のレバー角度θi_realと実際のベースプレート角度θb_realとの偏差角度が小さくなるため、バネ部材80による付勢力は小さくなる。
【0083】
オペレータがジョイスティックレバー51を所定の実際のレバー角度θi_real=θ1_real)で停止させると、実際の車体フレーム角度θs_realは除々に増大しているため、レバー角度の検出値θ1_detectを車体フレーム角度の検出値θs_detectの角度スケールに変換した変換レバー角度の検出値θ1c_detectと車体フレーム角度の検出値θs_detectとの回転角の差分(偏差角度)は小さくなる。そして、実際の車体フレーム角度θs_realが変換レバー角度の検出値θ1c_detectに追いつくと、差分(偏差角度)がゼロになる。このとき、電磁パイロットバルブ33は中立位置をとり、油圧バルブ31も中立位置となる。このため、左右のステアリングシリンダ21、22への油の供給または排出が行われておらず、実際の車体フレーム角度θs_realは回転角θ1に維持される。また、
図10Bに示すように、ベースプレート71もθ1分、反時計回りに回動し、ベースプレート71の中央が、ジョイスティックレバー51の中心を通る直線L1上に位置する。詳しくは、ベースプレート71は、その溝76の右端76Rと左端76Lの中心位置P1が直線L1上に配置される位置に配置される。ベースプレート71とジョイスティックレバー51の位置関係は、
図4Dの状態と同様の位置関係になっている。
【0084】
次に、オペレータがジョイスティックレバー51を右側位置(θi_real=θ1)から中央位置(θi_real=ゼロ)に向けて戻すと、
図10Cに示すように、直線L1が鉛直方向に位置するようにレバーユニット41が左回転する。
なお、ジョイスティックレバー51を支持部42に対して中央位置に戻す前(
図10Bに示す状態)は、ジョイスティックレバー51とベースプレート71の位置関係は、
図4Dと同様の位置関係となっている。そのため、ジョイスティックレバー51を動かす際には、動き出しの反力は初期位置からの動き出しと同じ反力となっている。すなわち、本実施の形態では、ベースプレート71が実際の車体フレーム角度θs_realに対応した位置に回動するため、ジョイスティックレバー51の位置にかかわらず電磁パイロットバルブ33の状態(中間位置、右パイロット位置、左パイロット位置)に対応して、操作に対して付与される反力が決められる。
【0085】
このとき、左右のステアリングシリンダ21、22の反応の遅れのために、実際の車体フレーム角度θs_realはθ1cの状態である。また、ベースプレート71は、実際の車体フレーム角度θs_realと同様に実際のベースプレート角度θb_realはθ1であるため、
図10Cに示すように、バネ部材80の第1端部82は接続部材56によって押されて、時計回り側(右方向Yr側)に移動するため、溝76の右端76Rから第1端部82は離間する。一方、バネ部材80の第2端部83は溝76の左端76Lを押圧している。これにより、バネ部材80の第1端部82は、接続部材56を反時計回り方向に押しているため、バネ部材80は、
図10Bの状態になるようにベースプレート71に対してレバーユニット41を付勢している。
【0086】
上記のように実際の車体フレーム角度θs_realがθ1cの状態であるため、差分(=θ1c_detect-θs_detect)はゼロから減少してマイナスになる。すると、電磁パイロットバルブ33は、左パイロット位置をとり、油圧バルブ31にパイロット圧が供給され、油圧バルブ31が左ステアリング位置をとる。これにより、ステアリングシリンダ22が伸長し、ステアリングシリンダ21が収縮するように油圧が供給される。
【0087】
これにより実際の車体フレーム角度θs_realが回転角θ1cから除々に減少する。この実際の車体フレーム角度θs_realの変化は、上述したようにベースプレート71に反映され、実際の車体フレーム角度θs_realの変化と同様に、ベースプレート71も回転する。
そして、実際の車体フレーム角度θs_realがゼロになると、実際のレバー角度θi_real(=0)との差分がゼロとなる。このとき、電磁パイロットバルブ33は中立位置をとり、油圧バルブ31も中立位置となっている。このため、左右のステアリングシリンダ21、22への油の供給または排出が行われておらず、実際の車体フレーム角度θs_realもゼロに戻って維持される。これによって、フロントフレーム11はリアフレーム12に対して前後方向に沿った向きに戻される。
【0088】
なお、ベースプレート71は、実際の車体フレーム角度θs_realの減少とともに、実際のベースプレート角度θb_realがゼロになるように電気モータ91の駆動によって回動し、
図4Dに示すような初期位置(θb_real=0)に戻る。
また、ジョイスティックレバー51を左側に回転させた場合は、上記と同様であるため省略する。
【0089】
(実施の形態2)
次に、本発明にかかる実施の形態2におけるホイールローダについて説明する。本実施の形態2のホイールローダは、実施の形態1のホイールローダ1とステアリング操作装置の構成が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明し、他の同様の構成については説明を省略する。
【0090】
図11は、本実施の形態2のステアリング操作装置308の構成を示す図である。
上記実施の形態1のステアリング操作装置8には、支持部42に対するジョイスティックレバー51の回動角を検出するレバー絶対角度センサ26が設けられているが、本実施の形態2のステアリング操作装置308では、ベースプレート71に対するジョイスティックレバー51の角度を算出するレバー相対角度センサ326が設けられている。レバー相対角度センサ326は、第2回動角度検出部の一例に対応する。
【0091】
レバー相対角度センサ326は、例えばポテンショメータによって構成されており、ベースプレート71に対するジョイスティックレバー51の回転角度である実際のレバー相対角度θd_realを、レバー相対角度の検出値θd_detectとして検出する。
レバー相対角度センサ326が検出するレバー相対角度の検出値θd_detectは、支持部42に対するジョイスティックレバー51の実際のレバー相対角度θd_realと、支持部42に対するベースプレート71の実際のベースプレート角度θb_realの差分に相当する。このため、レバー相対角度センサ326が検出するレバー相対角度の検出値θd_detectがモータ駆動制御部210のPID制御部112へと送信される。したがって、レバー相対角度センサ326が、ジョイスティックレバー51のベースプレート71に対する相対角度を検出する相対角度検出部の一例に相当する。
【0092】
図12は、ホイールローダ1の制御動作を説明するための制御ブロック図である。本実施の形態2では、レバー相対角度センサ326が検出するレバー相対角度の検出値θd_detectは、支持部42に対するジョイスティックレバー51の回動角度と、支持部42に対するベースプレート71の回動角度のレバー相対角度θd(偏差角度)に相当する。このため、
図12に示すように、演算部121は、レバー相対角度センサ326から取得したレバー相対角度の検出値θd_detectを車体フレーム角度の角度スケールに変換してθe
1としてEPC指令部123へ送信する。一方、レバー相対角度θdがPID制御部112へと送信され、P制御ゲインが
図7Bに基づいて設定される。
また、本実施の形態2の制御フローは、
図9を用いて説明すると、ステップS10~S30の代わりにレバー相対角度の検出値θd_detectが検出される。その値を用いて制御パラメータを決定するため、ステップS70が設けられていない。
【0093】
(実施の形態3)
次に、本発明にかかる実施の形態3におけるホイールローダ1について説明する。本実施の形態3のホイールローダは、実施の形態1のホイールローダ1とレバーユニットの構成が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明し、他の同様の構成については説明を省略する。
【0094】
上記実施の形態1の操作ユニット25では、バネ部材80によってレバーユニット41はベースプレート71に対して所定位置に付勢されているが、本実施の形態3の操作ユニット425は、カム機構を有する付勢部444によってレバーユニット441がベースプレート471に対して所定位置に付勢されている。ベースプレート471は、回動部の一例に対応する。
図13Aは、本実施の形態の操作ユニット425を示す斜視図である。
図13Bは、
図13Aの側面図である。
図13Cは、
図13Bの幅方向における断面図である。
図13Dは、
図13BのFF´間の矢示断面図である。
【0095】
(1.レバーユニット441)
本実施の形態のレバーユニット441は、ジョイスティックレバー51と、ジョイスティックレバー51を回動軸64に連結する連結部452とを有する。ジョイスティックレバー51は、操作部の一例に対応する。
【0096】
連結部452には、ジョイスティックレバー51が固定されている。連結部452は、前後方向Xに厚みを有し、
図13Dに示すように断面視において上部が半円形状であり、下方が三角形状の部材である。連結部452には、前後方向Xに沿って貫通孔が形成されており、回動軸64が貫通孔に挿入されている。
図13Cに示すように、連結部452と回動軸64の各々に凹部が形成され、これらの凹部にキー453が嵌合している。キー453によってジョイスティックレバー51の回転が連結部452を介して回動軸64に伝達される。
図13Dに示すように、連結部452の三角形状の先端である下端454は、ジョイスティックレバー51の長手方向に沿った線L2上に位置している。連結部452の下端454には、線L2に沿った孔455が形成されている。なお、孔455は、
図13Cに示すように、前後方向Xに3つ並んで形成されている。
【0097】
(2.付勢部444)
付勢部444は、
図13Cに示すように、バネ部材480と、カム481と、カムフォロア482と、ダンパ84と、を有する。バネ部材480は、上記3つの孔455のうち真ん中を除いた前と後の孔455の内側に配置されている。カム481は、3つの棒状部483と、カムフォロア支持部484と、を有する。3つの棒状部483は、下方から3つの孔455に挿入されている。真ん中の孔455は棒状部483と概ね同径に形成されており、ガイドとして機能する。前後方向Xの真ん中を除く2つの棒状部483の下端近傍には当接部485が形成されており、バネ部材480の下端が当接している。カムフォロア支持部484は、3つの棒状部483の下側に設けられており、3つの棒状部483の下端が固定されている。カムフォロア支持部484の前後方向には、貫通孔が形成されており、カムフォロア482の軸部482aが配置されている。
カムフォロア482は、軸部482aと、その両端に配置された回転部482bとを有する。これにより、カムフォロア482は、カムフォロア支持部484に対して回転可能に構成されている。
【0098】
(3.ベース部443)
また、本実施の形態3のベース部443は、実施の形態1のベース部43と比較して、ベースプレート71と形状が異なるベースプレート471を有する。ベースプレート471は、
図13Dに示すように、下方に向かって凸状に湾曲した溝部476を有する。溝部476は、車幅方向Yの中央476Mに向かうように湾曲している。
【0099】
カムフォロア482は、溝部476の底面にバネ部材480の弾性力によって押圧されている。
このような付勢部444の構成により、レバーユニット441は、ベースプレート471に対して、直線L2が溝部476の中央476Mを通る位置になるように付勢される。
例えば、
図13Eに示すように、ジョイスティックレバー51が左方向に回動し、まだベースプレート471が回動していない状態では、バネ部材480の付勢力によって、カムフォロア482は溝部476の底面に押しつけられ、カムフォロア482に中央476Mに向かうように回転する力が働く(矢印J参照)。
このように、カムフォロア482が中央476Mに位置するように、レバーユニット441はベースプレート471に対して付勢されている。これによって、ジョイスティックレバー51を操作するときに反力を生じさせることが出来、オペレータに操作感を付与することができる。
【0100】
<特徴など>
(1)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)は、ステアリングシリンダ21、22(油圧アクチュエータの一例)と、車体フレーム角度センサ24(実ステアリング角度検出部の一例)と、操作ユニット25または操作ユニット425と、レバー絶対角度センサ26、ベースプレート角度センサ101および第2演算部114(相対角度検出部の一例)、またはレバー絶対角度センサ26、ベースプレート角度センサ101および演算部121(相対角度検出部の一例)またはレバー相対角度センサ326(相対角度検出部の一例)と、ステアリング制御部120と、モータ駆動制御部110(位置調整制御部の一例)と、を備える。ステアリングシリンダ21、22は、実際の車体フレーム角度θs_real(実ステアリング角度の一例)を変更する。車体フレーム角度センサ24は、実際の車体フレーム角度θs_realを車体フレーム角度の検出値θs_detectとして検出する。操作ユニット25または操作ユニット425は、ジョイスティックレバー51(操作部の一例)と、支持部42と、ベースプレート71またはベースプレート471(回動部の一例)と、付勢部44または付勢部444と、位置調整部45と、を有し、ステアリング操作を行う。ジョイスティックレバー51は、オペレータによって回動操作される。支持部42は、ジョイスティックレバー51を回動可能に支持する。ベースプレート71またはベースプレート471は、支持部42に回動可能に支持されている。付勢部44または付勢部444は、ベースプレート71またはベースプレート471に対してジョイスティックレバー51を所定位置に付勢する。位置調整部45は、支持部42に対するベースプレート71またはベースプレート471の回動角度を調整する。レバー絶対角度センサ26、ベースプレート角度センサ101および第2演算部114、またはレバー絶対角度センサ26、ベースプレート角度センサ101および演算部121、またはレバー相対角度センサ326は、ジョイスティックレバー51のベースプレート71またはベースプレート471に対するレバー相対角度の検出値θd_detect(相対回動角度の一例)を検出する。ステアリング制御部120は、ジョイスティックレバー51の回動操作に基づいて、ステアリングシリンダ21、22を制御する。モータ駆動制御部110(位置調整制御部の一例)は、レバー相対角度の検出値θd_detect(相対回動角度の一例)に基づいてトルクを設定し、トルクを用いて車体フレーム角度の検出値θs_detectに基づいて位置調整部45を制御する。
【0101】
これにより、オペレータのジョイスティックレバー51の操作に対して付勢部44または付勢部444によって操作感を付与することができるため、操作感の発生のためにモータ等のアクチュエータを用いずに済む。このため、操作ユニット25、425の小型化を図ることが可能となる。
また、オペレータのジョイスティックレバー51の操作によって付勢部44または付勢部444を介してベースプレート71またはベースプレート471に反力が生じ、位置調整部45によってベースプレート71またはベースプレート471が回動し難くなる場合がある。しかしながら、上記のようにレバー相対角度の検出値θd_detect(相対回動角度の一例)に基づいてトルクを設定することによって、生じる反力に対応したトルクを発生することができるため、ベースプレート71またはベースプレート471の回動をスムーズに行うことができる。
【0102】
(2)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)では、モータ駆動制御部110(位置調整制御部の一例)は、レバー相対角度の検出値θd_detect(相対回動角度の一例)に基づいて、P制御のゲインを調整する。
このようにP制御のゲインを調整することにより、位置調整部45のトルクを大きくすることができる。
【0103】
(3)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)では、相対角度検出部の一例は、レバー絶対角度センサ26(第1回動角0度検出部の一例)と、ベースプレート角度センサ101(第2回動角度検出部の一例)と、第2演算部114(演算部の一例)または演算部121(演算部の一例)と、を有する。レバー絶対角度センサ26は、ジョイスティックレバー51の支持部42に対する実際のレバー角度θi_real(回動角度の一例)をレバー角度の検出値θi_detectとして検出する。ベースプレート角度センサ101は、ベースプレート71(回動部の一例)またはベースプレート471(回動部の一例)の支持部42に対する実際のベースプレート角度θb_real(回動角度の一例)をベースプレート角度の検出値θb_detectとして検出する。第2演算部114(演算部の一例)または演算部121(演算部の一例)は、レバー絶対角度センサ26によって検出されたレバー角度の検出値θi_detectと、ベースプレート角度センサ101によって検出されたベースプレート角度の検出値θb_detectから、レバー相対角度θd(相対回動角度の一例)を演算する。
【0104】
このように、ジョイスティックレバー51の支持部42に対するレバー角度の検出値θi_detectと、ベースプレート71またはベースプレート471の支持部42に対するベースプレート角度の検出値θb_detectを検出することによって、ジョイスティックレバー51のベースプレート71またはベースプレート471に対するレバー相対角度の検出値θd_detectを求めることができる。
【0105】
(4)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)では、相対角度検出部の一例は、ベースプレート71(回動部の一例)またはベースプレート471(回動部の一例)に対するジョイスティックレバー51(操作部の一例)のレバー相対角度の検出値θd_detect(相対回動角度の一例)を検出するセンサである。
これにより、ジョイスティックレバー51のベースプレート71またはベースプレート471に対するレバー相対角度の検出値θd_detectを求めることができる。
【0106】
(5)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)では、位置調整部45は、電気モータ91(アクチュエータの一例)と、出力ギヤ92、減速ギヤ93、およびウォームギヤ94(伝達部の一例)と、を有する。出力ギヤ92、減速ギヤ93、およびウォームギヤ94は、セルフロック機能を有し、電気モータの駆動力をベースプレート71またはベースプレート471に伝達する。
電気モータ91が発生するトルクを増加させることにより、ベースプレート71またはベースプレート471をスムーズに回動させることができる。
【0107】
(6)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)では、位置調整部45によって調整されるベースプレート71(回動部の一例)またはベースプレート471(回動部の一例)の支持部42に対する実際のベースプレート角度θb_real(回動角度の一例)は、実際の車体フレーム角度θs_real(実ステアリング角度の一例)と対応する。
これによって、ベースプレート71またはベースプレート471の実際のベースプレート角度θb_realに実際の車体フレーム角度θs_realを反映することができる。
【0108】
(7)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)の制御方法は、ステップS40(駆動ステップの一例)と、ステップS70(相対角度検出ステップの一例)と、ステップS80(トルク設定ステップの一例)と、ステップS90(位置調整ステップの一例)と、を備える。ステップS40は、支持部42に回動可能に支持されたベースプレート71(回動部の一例)またはベースプレート471(回動部の一例)に対して所定位置に付勢され、支持部42に回動可能に支持されているジョイスティックレバー51のレバー角度の検出値θi_detect(回動角度の一例)またはレバー相対角度の検出値θd_detect(回動角度の一例)に基づいてステアリングシリンダ21、22(油圧アクチュエータの一例)を駆動して実際の車体フレーム角度θs_real(実ステアリング角の一例)を変更する。ステップS70は、ジョイスティックレバー51のベースプレート71(回動部の一例)またはベースプレート471(回動部の一例)に対するレバー相対角度の検出値θd_detect(相対回動角度の一例)を検出する。ステップS80は、レバー相対角度の検出値θd_detectに基づいて、ベースプレート71またはベースプレート471を回動させるトルクを設定する。ステップS90は、設定したトルクによって、車体フレーム角度の検出値θs_detectに基づいて、支持部42に回動可能に支持されたベースプレート71またはベースプレート471の回動位置を調整する。
【0109】
これにより、オペレータのジョイスティックレバー51の操作に対して付勢部44または付勢部444によって操作感を付与することができるため、操作感の発生のためにモータ等のアクチュエータを用いずに済む。このため、操作ユニット25、425の小型化を図ることが可能となる。
また、オペレータのジョイスティックレバー51の操作によって付勢部44または付勢部444を介してベースプレート71またはベースプレート471に反力が生じ、位置調整部45によってベースプレート71またはベースプレート471が回動し難くなる場合がある。しかしながら、上記のようにレバー相対角度の検出値θd_detect(相対回動角度の一例)に基づいてトルクを設定することによって、生じる反力に対応したトルクを発生することができるため、ベースプレート71またはベースプレート471の回動をスムーズに行うことができる。
【0110】
[他の実施形態]
以上、本開示の一実施の形態について説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態では、電気モータ91の駆動力を伝達ギヤ部74に伝達する伝達部の一例にウォームギヤ94を含めたが、ウォームギヤに限らなくても良く、ボールねじ、ワンウェイクラッチ等が用いられても良い。伝達部にセルフロックトランスミッションが用いられた場合に、伝達ギヤ部74と伝達部の間に摩擦が発生する場合があるため、上記実施の形態で述べたPゲインの制御は有効である。
【0111】
(B)
上記実施の形態では、線形のバネ部材80を用いたためP制御ゲインの特性も線形であったが、非線形の特性を有するバネ部材を用いる場合には、バネ部材の特性に合わせてP制御ゲインも非線形にする方が好ましい。
非線形のP制御ゲインとしては、例えば、
図14(a)に示すように、折れ線形状であってもよい。この場合、レバー相対角度の検出値θd_detectの絶対値が所定値θ3に達するまでは一定のP制御ゲインになり、θ3以上になるとθdの絶対値に比例してP制御ゲインの値も大きくなる。
【0112】
また、例えば、
図14(b)に示すようにθdに対してP制御ゲインが設定されていもよい。この場合、θdの絶対値が所定値θ4になるまでは一定のP制御ゲインになる、θ4以上θ5までの間は、θdの絶対値が大きくなるにしたがってP制御ゲインの値が指数関数的に大きくなり、θ4以上になると一定のP制御ゲインになる。
このように、θdに対するP制御ゲインの値は適宜設定してもよい。
【0113】
(C)
上記実施の形態では、制御部28は、記憶部115と記憶部122を有しているが、一つの記憶部にまとめられていてもよい。
(D)
上記実施の形態2では、モータ駆動制御部110の第2演算部114が設けられておらず、ステアリング制御部120の演算部121がレバー相対角度の検出値θd_detectを演算してPID制御部112に送信しているが、これに限らなくてもよい。例えば、ステアリング制御部120の演算部121が設けられておらず、
図3に示すモータ駆動制御部110の第2演算部114がレバー相対角度の検出値θd_detectを演算してEPC指令部123に送信してもよい。
【0114】
(E)
上記実施の形態では、ベースプレート71、471を回動させるアクチュエータの一例として電気モータ91を用いているが、電動モータに限らず、油圧モータなどであってもよく、要するに付与する力を発生させることができるアクチュエータ等であればよい。
(F)
上記実施の形態では、ウォームギヤ94を用いて電気モータ91の駆動力を伝達ギヤ部74に伝達しているが、ウォームギヤを用いずに歯車状のギヤを用いて電気モータ91の駆動力を伝達ギヤ部74に伝達しても良い。ただし、セルフロック機能を有するため、ウォームギヤを用いるほうが好ましい。
【0115】
(G)
上記実施の形態では、制御弁の一例である電磁パイロットバルブ33から入力されるパイロット圧に応じて油圧バルブ31からステアリングシリンダ21、22に供給される油の供給量が制御されるように構成されていたが、油圧バルブ31を介さずに電磁パイロットバルブ33からの油が直接ステアリングシリンダ21、22に供給される構成であってもよい。すなわち、電磁パイロットバルブ33に代えて電磁メインバルブが用いられてもよい。
【0116】
(H)
上記実施の形態では、付勢部44、444にダンパ84が設けられていたが、ダンパに限らずフリクションブレーキであってもよいし、ダンパおよびフリクションブレーキであってもよいし、ダンパまたはフリクションブレーキが設けられていなくてもよい。
(I)
上記実施の形態では、ベースプレート角度およびレバー角度の範囲(角度スケール)は、車体フレーム角度の範囲(角度スケール)よりも狭くなっているが、車体フレーム角度の範囲以上であってもよい。ただし、ベースプレート角度およびレバー角度の範囲(角度スケール)は、車体フレーム角度の範囲(角度スケール)よりも狭いほうが、オペレータの操作範囲が狭くなるため操作しやすくなり好ましい。
【0117】
(J)
上記実施の形態では、ジョイスティックレバー51は、支持部42に支持されていたが、ベースプレート71、471に回動可能に支持されていてもよい。さらに、ベースプレート71、471が設けられているベース部43、443にジョイスティックレバー51が回動可能に支持されていてもよい。
【0118】
(K)
上記実施の形態では、作業車両の一例としてホイールローダ1を用いて説明したが、アーティキュレート式のダンプトラック、モータグレーダ等であってもよい。
(L)
上記実施の形態では、操作部の一例としてジョイスティックレバー51を操作してステアリングシリンダ21、22への流量を制御しているが、ジョイスティックレバーに限らなくてもよく、ステアリングホイールであってもよい。
【0119】
図15(a)は、操作ユニット525として、ステアリングホイール551を用いた場合の構成を示す模式図である。
図15(a)に示す操作ユニット525には、ステアリングユニット541と、支持部542と、ベース部543と、付勢部544と、位置調整部545が設けられている。ステアリングユニット541は、ステアリングホイール551と、伝達軸552と、回動部材553とを有する。ステアリングホイール551は、オペレータによって回転操作される。伝達軸552は、ステアリングホイール551と回動部材553の間を連結しステアリングホイール551の回転を回動部材553に伝達する。
【0120】
ベース部543は、回転板571と、筒部572とを有する。支持部542は、回転板571を回転可能に軸支している。回転板571の端面にはギヤ形状が形成されている。筒部572は回転板571に固定されており、筒部572の内側には回動部材553が配置されている。
図15(b)は、
図15(a)のGG´間の矢示断面図である。付勢部544は、例えば板バネであって、回動部材553を貫通して、その両端が筒部572に固定されている。位置調整部545は、電気モータ591と、出力ギヤ592とを有している。出力ギヤ592は電気モータ591の出力軸に固定されている、回転板571と噛み合っている。
【0121】
このような構成により、オペレータがステアリングホイール551を回転させると、付勢部544によって反力が生じる。また、回動部材553の回動角度が、回転角度の検出値θi_detectとして検出され、その回転角度の検出値θi_detectに基づいてステアリング操作が行われる。
そして、車体フレーム角度の検出値θs_detectに基づいて、電気モータ581が駆動され、回転板571が回転され筒部753が車体フレーム角度の検出値θs_detectに対応する実際の回転角度θb_realに変更される。
【0122】
以上のように、ステアリング角が変更される作業車両でありさえすれば、本発明を適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の作業車両は、操作ユニットの小型化を図ることが可能な効果を有し、ホイールローダ等として有用である。
【符号の説明】
【0124】
1 :ホイールローダ
21 :ステアリングシリンダ
22 :ステアリングシリンダ
23 :ステアリング油圧回路
42 :支持部
43 :ベース部
44 :付勢部
45 :位置調整部
51 :ジョイスティックレバー
71 :ベースプレート
110 :モータ駆動制御部
120 :ステアリング制御部