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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】情報処理装置および自動ドアセンサ
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/74 20150101AFI20221012BHJP
【FI】
E05F15/74
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018138835
(22)【出願日】2018-07-24
(65)【公開番号】P2020016054
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】清政 良有
(72)【発明者】
【氏名】松永 絢一
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-90985(JP,A)
【文献】特開2002-131450(JP,A)
【文献】特開2007-231650(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0136270(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第10228930(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人または物体を検知する複数の検知領域のうち、所定のタイミングを基準として最初に非検知状態から検知状態になった前記検知領域の位置情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得した前記位置情報を記憶する記憶処理部と、
を備え
前記情報取得部は、人または物体が所定場所で検知されたか否かを示す検知情報を取得し、
前記記憶処理部は、前記情報取得部により取得した前記検知情報が人または物体が所定場所で検知されていないことを示している場合に、前記情報取得部により取得した位置情報を記憶することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、更に、2番目に非検知状態から検知状態になった前記検知領域の位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、更に、前記所定のタイミングから前記複数の検知領域全ての検知状況が非検知状態になるまでに検知状態になった全ての前記検知領域の位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記複数の検知領域全ての検知状況が非検知状態から、前記複数の検知領域の何れか一つの検知領域が検知状態となったときに、前記一つの検知領域の位置情報を取得することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
自動ドア近傍に設けられ人または物体を検知する複数の検知領域を有するセンサ部と、
前記センサ部の複数の検知領域のうち、所定のタイミングを基準として最初に非検知状態から検知状態になった前記検知領域の位置情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得した前記位置情報を記憶する記憶処理部と、
を備え
前記情報取得部は、人または物体が所定場所で検知されたか否かを示す検知情報を取得し、
前記記憶処理部は、前記情報取得部により取得した前記検知情報が人または物体が所定場所で検知されていないことを示している場合に、前記情報取得部により取得した位置情報を記憶することを特徴とする自動ドアセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア装置に用いる情報処理装置および自動ドアセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
自動ドア装置は、建物の出入り口などの近傍を通行する人または物体を赤外線方式または電波方式等の自動ドアセンサで検知し、ドアを自動で開閉する。
【0003】
特許文献1には、人または物体が通過する床面上に総検知エリアを形成し、人または物体を検知すると、ドア開閉動作を行うための起動信号を駆動装置に送信する自動ドアセンサが開示されている。自動ドアセンサが形成する総検知エリアは、例えばマトリクス状に配列され、それぞれにおいて人または物体を検知する複数のスポット(以下「検知スポット」という)で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-215122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、人または物体がドアを通行していないにも関わらず、ドアが開閉する不要開閉動作が生じる場合がある。不要開閉動作は、例えば人または物体がドアの前を横切ったことや、自動ドアセンサの総検知エリアに外部からの予期せぬ外乱が印加されて自動ドアセンサが誤検知することによって発生する。特許文献1に開示された自動ドアセンサでは、不要開閉動作が生じた場合、その原因を事後的に調査するための情報を提供することができなかった。
【0006】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドアの不要開閉動作の原因調査を支援することができる情報処理装置および自動ドアセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は情報処理装置である。情報処理装置は、人または物体を検知する複数の検知領域のうち、所定のタイミングを基準として最初に非検知状態から検知状態になった前記検知領域の位置情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得した前記位置情報を記憶する記憶処理部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、情報処理装置は、ドアの不要開閉動作の原因調査を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係る情報処理装置を有する自動ドアセンサを含む自動ドアシステムの構成を示す模式図である。
図2】実施形態1に係る情報処理装置を含む自動ドア装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】センサ部の床面における総検知エリアを示す模式図である。
図4】情報取得部による情報取得方法を示す図表である。
図5】情報処理装置による情報取得・記憶処理の手順を示すフローチャートである。
図6】情報処理装置による情報取得・記憶処理の他の手順を示すフローチャートである。
図7】記憶される検知スポットのアドレスの例を説明するための模式図である。
図8】情報処理装置による情報取得・記憶処理の他の手順を示すフローチャートである。
図9】記憶される検知スポットのアドレスの例を説明するための模式図である。
図10】記憶される検知スポットのアドレスの他の例を説明するための模式図である。
図11】取得した情報の保存処理の手順を示すフローチャートである。
図12】記憶装置における保存処理について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施の形態では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略する。
【0012】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る情報処理装置を有する自動ドアセンサ20を含む自動ドア装置100の構成を示す模式図である。自動ドア装置100は、ドア10、自動ドアセンサ20、補助光電センサ30およびコントローラ40等を有する。図1に示す自動ドア装置100は、両引分け戸タイプであり、2枚のドア10が左右に自動的に開閉する。ドア10は、左右一対であり、左右に間隔を開けて固定配置されたフィックス15に沿って往復移動可能としてあり、左右のフィックス15間の開口部11を開閉する。
【0013】
ドア10は、左右それぞれの戸先框10aが突き合わされるように接触して開口部11が閉ざされた全閉状態となる。ドア10は、戸先框10aが離間するように移動し、戸先框10aがフィックス15の方立15a付近まで移動して停止し、開口部11が開いた全開状態となる。尚、自動ドア装置100は、両引分け戸タイプのほか、片引き戸タイプおよび回転ドアタイプ等のものであってもよい。
【0014】
自動ドアセンサ20は、例えば開口部11の上方の無目16に配置されており、無目16における配置位置から斜め下方に向けて赤外光を投受光し、ドア10へ進入してくる人や物体を検知し、起動信号をコントローラ40へ出力する。自動ドアセンサ20の詳細については後述する。
【0015】
補助光電センサ30は、光電方式による検知装置であり、フィックス15の方立15aに配置された投光器30aおよび受光器30bを有している。補助光電センサ30は、投光器30aと受光器30bの間に通った光線が遮られることを検知しており、ドア10の軌道上に人または物体が存在していることを示す検知情報をコントローラ40へ出力する。尚、補助光電センサ30は、光電方式の他、無目16に取り付けられる光線反射方式または超音波方式による検知装置等であってもよい。
【0016】
コントローラ40は、自動ドアセンサ20からの起動信号を受信するとドアモータ50を作動させてドア10が全開状態となるまで駆動する。コントローラ40は、ドア10が全開状態になった後、一定時間、全開状態を保持し、ドアモータ50を反転方向へ作動させてドア10が全閉状態となるまで駆動する。コントローラ40は、補助光電センサ30からの検知情報をドア10の閉駆動中に受信すると、ドアモータ50によるドア10の駆動方向を反転し、ドア10を全開状態とする。
【0017】
図2は、実施形態1に係る情報処理装置を含む自動ドア装置100の機能構成を示すブロック図である。各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形態で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0018】
自動ドアセンサ20、コントローラ40、記憶装置51および外部接続部52は、CAN(Controller Area Network)によって相互に通信接続している。自動ドアセンサ20、コントローラ40、記憶装置51および外部接続部52の通信接続は、CANに限られず、WiFi(登録商標)等の無線通信を用いてもよい。
【0019】
自動ドアセンサ20は、検知素子としてのセンサ部21、通信部22および情報処理装置23を備える。通信部22は、コントローラ40、記憶装置51、外部接続部52との間でデータを送受信する。センサ部21は、赤外線反射式センサであり、赤外線を後述の総検知エリアに投光する投光器、人または物体等からの反射光を受光する受光器を備える。
【0020】
図3は、センサ部21の床面における総検知エリア60を示す模式図である。総検知エリア60は、床面から自動ドアセンサ20が配置される無目16や天井に至る立体的な範囲を有する。総検知エリア60は、ドア10の移動方向に平行な方向に12列並び、ドア10の移動方向に直交する方向に6列並ぶよう配列された複数の検知スポット61で構成される。各検知スポット61には、配列の位置に対応するアドレス1A、1B、・・・、6K、6Lが割り当てられている。割り当てられた各アドレスは、各検知スポット61の位置情報に相当している。尚、各検知スポット61の形状および総検知エリア60全体の形状は、円形、楕円、長方形、矩形以外の多角形であってもよい。また、センサ部21は、電波式センサや、超音波式センサ、レーザスキャン式センサ、画像式センサであってもよい。尚、検知スポット61は本発明における検知領域に相当する。検知領域は、上述のように様々な形状であってもよく、センサ方式等によっても形状が変わり、総検知エリア60を複数の部分に分割した個々の領域を意味する。逆に、複数の検知領域によって全体として総検知エリア60が形成されると考えても良い。
【0021】
総検知エリア60の各検知スポット61において人または物体を検知しているが、人または物体を検知したときにドア10を開閉するための起動信号を生成する起動スポット、および起動信号を生成しない無効スポットを設定するようにしてもよい。例えば、総検知エリア60の周縁部に位置する検知スポット61(アドレス1A~5A、6A~6L、1L~5L)を無効スポットとして設定し、それ以外の検知スポット61は起動スポットに設定する。総検知エリア60の形状が、円形、楕円、長方形、矩形以外の多角形である場合においても、総検知エリア60の周縁部に位置する検知スポット61を無効スポットとして設定すればよい。検知スポット61の位置は、上述のようなアドレスを用いる例に限られない。検知スポット61の位置は、例えば、無目16におけるセンサ部21の配置位置を原点として定義された実空間における座標系での座標であってもよい。また、検知スポット61の位置は、床面等における任意の位置を原点として定義された実空間における座標系での座標等であってもよく、いずれの定義においても、各検知スポット61の位置を一意的に把握することができればよい。
【0022】
図2に戻り、自動ドアセンサ20の情報処理装置23は、制御部24および記憶部25を有する。記憶部25は、例えばSSD(Solid State Drive)、ハードディスク、CD-ROM、DVD等によって構成される記憶装置である。制御部24は、開閉処理部24a、情報取得部24b、記憶処理部24cを有する。開閉処理部24aは、各検知スポット61の検知結果に応じてドア10を開放させるための起動信号を生成し、通信部22を介して、起動信号をコントローラ40へ出力する。
【0023】
開閉処理部24aは、センサ部21の各検知スポット61に対応する赤外光の検知レベルをモニタし、検知スポット61に人または物体が存在しない場合の検知レベルより低い第1閾値、および該検知レベルより高い第2閾値と比較することで人または物体が存在するか否かを判定する。開閉処理部24aは、各検知スポット61における検知レベルをセンサ部21から順次取得し、検知レベルが第1閾値以下または第2閾値以上となった場合に、人または物体が存在していると判定して起動信号を生成する。
【0024】
また、開閉処理部24aは、上述のように無効スポットが設定されている場合には、無効スポットとして設定された検知スポット61において検知レベルが第1閾値以下または第2閾値以上となっても起動信号を生成しないようにする。開閉処理部24aは、検知レベルが第1閾値以下または第2閾値以上となった検知スポット61のアドレスを情報取得部24bへ出力する。
【0025】
情報取得部24bは、開閉処理部24aから入力される検知状態となった検知スポット61のアドレスに基づいて、不要開閉動作の原因究明のために記憶しておく情報を選別して取得し、記憶処理部24cへ出力する。図4は、情報取得部24bによる情報取得方法を示す図表である。情報取得部24bは、情報取得方法No.1においては、所定のタイミングを基準として最初に非検知状態から検知状態になった検知スポット61のアドレスを取得する。最初に検知状態になった検知スポット61のアドレスが、総検知エリアの周縁部ではなく中央部であった場合、検知スポット61の誤検知である可能性がある。
【0026】
情報取得部24bは、所定のタイミングを基準とすることに関して、設定次第で任意のタイミングにおいて最初に非検知状態から検知状態となった検知スポット61を認識することができる。情報取得部24bは、例えば、総検知エリア60内の全ての検知スポット61が非検知状態となってから1つの検知スポット61が検知状態となったタイミングにおいて、検知状態となった検知スポット61を最初に検知状態になった検知スポットと認識する。また、情報取得部24bは、一部の検知スポット61が検知状態となっている状態から、次に非検知状態から検知状態となった検知スポット61を最初に検知状態になった検知スポットと認識してもよい。
【0027】
また情報取得部24bは、総検知エリア60内において起動スポットとして設定された検知スポット61が非検知状態である状態から、起動スポットとして設定された検知スポット61が検知状態となったタイミングにおいて、非検知状態から検知状態となった検知スポット61を最初に検知状態になった検知スポットと認識するようにしてもよい。これは、開閉処理部24aにおいて、起動信号を生成する上で、起動スポットとして設定された検知スポット61を対象として総検知エリア60内で人または物体を検知した検知状態と、人または物体を検知していない非検知状態とを認識し、総検知エリア60の検知状況をモニタしていることに対応する。即ち、起動スポットに設定された検知スポット61の全てが非検知状態のときに、総検知エリア60の検知状況が非検知状態であるとし、起動スポットに設定された検知スポット61の少なくとも1つが検知状態のときに、総検知エリア60の検知状況が検知状態であるとする。
【0028】
情報取得部24bは、情報取得方法No.2においては、所定のタイミングを基準として最初および2番目に非検知状態から検知状態になった検知スポット61のアドレスを取得する。最初および2番目に非検知状態から検知状態になった検知スポット61のアドレスが連続していない場合、検知スポット61の誤検知である可能性がある。
【0029】
情報取得部24bは、情報取得方法No.3においては、所定のタイミングを基準として最初に非検知状態から検知状態になった検知スポット61から、総検知エリア60における検知状況が非検知状態になるまでに、非検知状態から検知状態になった検知スポットのアドレスを取得する。取得された複数の検知スポット61のアドレスのうち、連続していないアドレスがある場合、検知スポット61の誤検知である可能性がある。また、取得された複数の検知スポット61のアドレスがドア10の前を通過する動きを示している場合、ドア10の前を人または物体が横切ったために生じた開閉である可能性がある。
【0030】
記憶処理部24cは、情報取得部24bで取得された検知スポット61のアドレスを記憶部25に記憶する。記憶処理部24cは、情報取得部24bで取得された検知スポット61のアドレスを、記憶部25の代わりに着脱可能な記憶媒体51aに記憶するようにしてもよい。記憶媒体は、記憶装置51に接続される記憶媒体51aに限られず、自動ドアセンサ20やコントローラ40等の他の構成部品に接続されるものであってもよい。情報取得部24bで取得された検知スポット61のアドレスの情報を記憶した記憶媒体を持ち運び可能となり、不要開閉の原因究明作業が容易になる。尚、記憶媒体は、例えばUSB接続されるメモリや、書き込み可能なCDおよびDVD等であればよい。
【0031】
また、記憶処理部24cは、外部接続部52を介して外部装置と通信し、情報取得部24bで取得された検知スポット61のアドレスを、該外部装置に記憶するようにしてもよい。情報取得部24bで取得された検知スポット61のアドレスの情報を外部装置としてのハンディーターミナルやネットワーク接続した運用PC等で表示することで、不要開閉の原因究明作業が容易になる。
【0032】
次に実施形態1に係る自動ドア装置100の動作を、自動ドアセンサ20の情報処理装置23による情報取得・記憶処理に基づいて説明する。図5は、情報処理装置23による情報取得・記憶処理の手順を示すフローチャートである。図5に示す情報取得・記憶処理の手順は、図4に示す情報取得方法No.1に基づく。
【0033】
情報処理装置23の情報取得部24bは、検知スポット61において検知があったか否かを判定する(S1)。情報取得部24bは、開閉処理部24aから検知スポット61のアドレスが入力されると、検知があったと判定し(S1:YES)、記憶処理部24cへ最初の検知スポットのアドレスを出力し、記憶処理部24cは、記憶部25に最初の検知スポットのアドレスを記憶する処理を行う(S2)。情報取得部24bは、開閉処理部24aから検知スポット61のアドレスが入力されない場合、検知がないと判定し(S1:NO)、ステップS1による判定処理を繰り返す。
【0034】
情報取得部24bは、ステップS2の後、開閉処理部24aから入力される検知スポット61のアドレスに変化があったか否かを判定する(S3)。情報取得部24bは、ステップS2の後、開閉処理部24aから入力される検知スポット61のアドレスに変化があった場合(S3:YES)、全ての検知スポット61で検知なしとなったか否かを判定する(S4)。情報取得部24bは、開閉処理部24aからの入力情報に基づき全ての検知スポット61で検知なしとなった場合(S4:YES)、処理を終了する。情報取得部24bは、ステップS3において開閉処理部24aから入力される検知スポット61のアドレスに変化がない場合(S3:NO)、ステップS3の判定処理を繰り返す。また、情報取得部24bは、ステップS4において開閉処理部24aからの入力情報に基づき全ての検知スポット61で検知なしとなっていない場合(S4:NO)、ステップS3に戻って処理を繰り返す。
【0035】
情報取得部24bおよび記憶処理部24cは、図5に示す情報取得・記憶処理によって、最初に非検知状態から検知状態になった検知スポット61のアドレスを記憶し、総検知エリア60における検知状況が非検知状態であることを確認して処理を終了する。情報取得部24bおよび記憶処理部24cは、図5に示す情報取得・記憶処理を繰り返すことで、順次、最初に非検知状態から検知状態になった検知スポット61のアドレスを記憶していく。
【0036】
上述のように、最初に検知状態になった検知スポット61のアドレスが、総検知エリア60の周縁部ではなく中央部であった場合、検知スポット61の誤検知である可能性がある。情報処理装置23は、記憶部25に記憶された検知スポット61のアドレス情報を、外部接続部52を介して携帯端末やPCで読み出すことで、不要開閉動作の原因究明のため、情報を提供し支援することができる。
【0037】
図6は、情報処理装置23による情報取得・記憶処理の他の手順を示すフローチャートである。図6に示す情報取得・記憶処理の手順は、図4に示す情報取得方法No.2に基づく。図6に示すステップS11からS14までの動作は、図5に示すステップS1からS4までの動作と同様であり、簡潔化のため説明を省略する。
【0038】
情報処理装置23の情報取得部24bは、ステップS14において開閉処理部24aからの入力情報に基づき全ての検知スポット61で検知なしとなっていない場合(S14:NO)、2番目に検知状態になった検知スポット61であるか否かを判定し(S15)、2番目に検知状態になった検知スポット61である場合(S15:YES)、記憶処理部24cへ当該検知スポット61のアドレスを出力し、記憶処理部24cは、記憶部25に2番目の検知スポットのアドレスを記憶する処理を行う(S16)。
【0039】
情報取得部24bは、ステップS16の後、ステップS13へ戻って処理を繰り返す。また、情報取得部24bは、ステップS15において2番目に検知状態になった検知スポット61でない場合(S15:NO)も、ステップS13へ戻って処理を繰り返す。情報取得部24bおよび記憶処理部24cは、図6に示す情報取得・記憶処理によって、最初および2番目に非検知状態から検知状態になった検知スポット61のアドレスを記憶し、総検知エリア60における検知状況が非検知状態であることを確認して処理を終了する。情報取得部24bおよび記憶処理部24cは、図6に示す情報取得・記憶処理を繰り返すことで、順次、最初および2番目に非検知状態から検知状態になった検知スポット61のアドレスを記憶していく。
【0040】
図7は、記憶される検知スポット61のアドレスの例を説明するための模式図である。図7に示すように最初および2番目に非検知状態から検知状態になった検知スポット61のアドレスが連続していない場合、検知スポット61の誤検知である可能性がある。情報処理装置23は、記憶部25に記憶された検知スポット61のアドレス情報を、外部接続部52を介して携帯端末やPCで読み出すことで、不要開閉動作の原因究明のため、情報を提供し支援することができる。
【0041】
図8は、情報処理装置23による情報取得・記憶処理の他の手順を示すフローチャートである。図8に示す情報取得・記憶処理の手順は、図4に示す情報取得方法No.3に基づく。図8に示すステップS21からS24までの動作は、図5に示すステップS1からS4までの動作と同様であり、簡潔化のため説明を省略する。
【0042】
情報処理装置23の情報取得部24bは、ステップS24において開閉処理部24aからの入力情報に基づき全ての検知スポット61で検知なしとなっていない場合(S24:NO)、記憶処理部24cへ当該検知スポットのアドレスを出力し、記憶処理部24cは、記憶部25に2番目の検知スポットのアドレスを記憶する処理を行う(S25)。情報取得部24bは、ステップS25の後、ステップS23へ戻って処理を繰り返す。
【0043】
情報取得部24bおよび記憶処理部24cは、図8に示す情報取得・記憶処理によって、最初に非検知状態から検知状態になった検知スポット61から、総検知エリア60における検知状況が非検知状態になるまでに、非検知状態から検知状態になった検知スポットのアドレスを記憶し、総検知エリア60における検知状況が非検知状態であることを確認して処理を終了する。情報取得部24bおよび記憶処理部24cは、図8に示す情報取得・記憶処理を繰り返すことで、順次、検知スポット61のアドレスを記憶していく。
【0044】
図9は記憶される検知スポット61のアドレスの例を説明するための模式図であり、図10は記憶される検知スポット61のアドレスの他の例を説明するための模式図である。図9に示す例では、連続的な検知スポット61のアドレスと、連続していないアドレスが記憶されており、連続していないアドレスの検知スポット61が誤検知している可能性がある。また図10に示す例では、記憶された複数の検知スポット61のアドレスがドア10の前を通過する動きを示しており、ドア10の前を人または物体が横切ったために生じた開閉である可能性がある。情報処理装置23は、記憶部25に記憶された検知スポット61のアドレス情報を、外部接続部52を介して携帯端末やPCで読み出すことで、不要開閉動作の原因究明のため、情報を提供し支援することができる。
【0045】
(実施形態2)
実施形態2に係る情報処理装置23は、情報取得部24bにより、補助光電センサ30における検知情報を取得し、記憶部25に記憶する。補助光電センサ30は、所定場所としてのドア軌道上において人または物体が存在しているかを検知している。補助光電センサ30における検知情報を取得することにより、人または物体がドア10の軌道上に存在し、ドア10の開口部11を通過したことを知得することができる。情報処理装置23の記憶処理部24cは、検知スポット61のアドレス情報とともに、補助光電センサ30の検知情報を記憶する。補助光電センサ30がオン状態とならず、人または物体がドア10の開口部11を通過していないにも関わらず、検知スポット61のアドレスが記憶されている場合には、誤検知またはドア前の横切りによる不要開閉動作の可能性がある。情報処理装置23は、補助光電センサ30の検知情報を記憶することにより、不要開閉動作の原因究明を容易化することができる。
【0046】
補助光電センサ30における検知情報がオン状態となっていない場合に、情報処理装置23で取得し、記憶した検知スポットのアドレス情報を保存するようにしてもよい。図11は、取得した情報の保存処理の手順を示すフローチャートである。情報取得部24bは、コントローラ40からの通信信号によってドア10の開動作開始を確認し(S31)、つぎに閉動作開始を確認する(S32)。情報取得部24bは、コントローラ40からの通信信号によってドア10の開閉動作の間に、補助光電センサ30がオン状態となったか否かを判定し(S33)、オン状態とならなかった場合(S33:NO)、情報取得・記憶処理において記憶した検知スポット61のアドレス情報をログとして保存して(S34)、処理を終了する。情報取得部24bは、補助光電センサ30がオン状態となった場合(S33:YES)、情報取得・記憶処理において記憶した検知スポット61のアドレス情報を削除する(S35)。
【0047】
図11に示す保存処理は情報処理装置23で実行してもよいし、記憶装置51等で行っても良い。図12は、記憶装置51における保存処理について説明するための模式図である。記憶装置51は、コントローラ40からの通信信号によって開閉動作情報および補助光電センサ30のON・OFF情報を取得する。記憶装置51は、ドア10の開閉動作の間に補助光電センサ30がON状態とならなかった場合に、自動ドアセンサ20へ記憶している、検知状態になった検知スポット61のアドレス情報を取得し、記憶装置51に接続されている記憶媒体等にログとして保存する。自動ドアセンサ20の情報処理装置23は、検知状態になった検知スポット61のアドレス情報を記憶部25に一旦記憶するが、随時、削除することができる。
【0048】
次に、実施形態1および2に係る情報処理装置23および自動ドアセンサ20の特徴を説明する。
情報処理装置23は、人または物体を検知する複数の検知スポット61のうち、所定のタイミングを基準として最初に非検知状態から検知状態になった検知スポット61の位置情報を取得する情報取得部24bと、情報取得部24bにより取得した位置情報を記憶する記憶処理部24cと、を備える。これにより、情報処理装置23は、記憶した情報を提供することによってドアの不要開閉動作の原因調査を支援することができる。
【0049】
また情報取得部24bは、更に2番目に非検知状態から検知状態になった検知スポット61の位置情報を取得する。これにより、情報処理装置23は、最初および2番目に検知状態になった検知スポット61が連続していない場合に誤検知の可能性があることを情報として提供することができる。
【0050】
また情報取得部24bは、更に、前記所定のタイミングから、複数の検知スポット61全ての検知状況が非検知状態になるまでに検知状態になった全ての検知スポット61の位置情報を取得する。これにより、情報処理装置23は、不連続な検知スポットの位置情報、ドア前を横切った場合について情報を提供することができる。
【0051】
また情報取得部24bは、人または物体が所定場所(ドア10の軌道上)で検知されたか否かを示す検知情報を取得し、記憶処理部24cは、情報取得部24bにより取得した検知情報を記憶する。これにより、情報処理装置23は、検知状態になった検知スポットの位置情報とともに所定場所(ドア10の軌道上)で検知されたか否かを示す検知情報を提供することができる。
【0052】
また情報取得部24bは、人または物体が所定場所で検知されたか否かを示す検知情報を取得し、記憶処理部24cは、情報取得部24bにより取得した検知情報が人または物体が所定場所で検知されていないことを示している場合に、情報取得部24bにより取得した位置情報を記憶する。これにより、情報処理装置23は、所定場所(ドア10の軌道上)で検知されていないにも関わらず、検知状態になった検知スポットの位置情報を提供することができる。
【0053】
また情報取得部24bは、複数の検知スポット61全ての検知状況が非検知状態から、複数の検知スポット61の何れか一つの検知領域が検知状態となったときに、当該一つの検知スポット61の位置情報を取得する。これにより、情報処理装置23は、最初に検知状態になった検知スポットの位置情報を取得するタイミングを、総検知エリア60の検知状況の設定により定めることができる。
【0054】
自動ドアセンサ20は、上述の情報処理装置23と、ドア10の近傍に設けられた複数の検知スポット61を有し、複数の検知スポット61毎に人または物体を検知するセンサ部と、を備える。これにより、自動ドアセンサ20は、記憶した情報を提供することによってドアの不要開閉動作の原因調査を支援することができる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【符号の説明】
【0056】
20 自動ドアセンサ、 23 情報処理装置、 24b 情報取得部、
24c 記憶処理部、 60 総検知エリア、 61 検知スポット(検知領域)。
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