(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】防災システム
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
G08B17/00 L
(21)【出願番号】P 2018152688
(22)【出願日】2018-08-14
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】奥山 達朗
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-243371(JP,A)
【文献】特開2004-282577(JP,A)
【文献】特開2000-242872(JP,A)
【文献】特開平10-334383(JP,A)
【文献】特開平05-035987(JP,A)
【文献】特開2014-099070(JP,A)
【文献】特開2008-152484(JP,A)
【文献】特開2015-197855(JP,A)
【文献】特開2002-298270(JP,A)
【文献】特開平06-156915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00
23/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防災装置に関する伝達情報であって、伝達対象者に伝達するべき前記伝達情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記伝達情報を、当該伝達情報の前記伝達対象者に出力する出力手段と、を備え
、
前記出力手段は、前記伝達情報を、表示部を有する他の装置を介して表示出力し、
前記他の装置は、少なくとも、防災受信機、表示盤、又は地図盤を含み、
前記他の装置における前記防災受信機以外の装置である対象装置は、前記防災装置に対応する位置に設置されており、
前記出力手段は、前記受付手段が前記伝達情報を受け付けた場合、当該伝達情報に関する前記防災装置に対応する位置に設置されている前記対象装置を特定し、前記伝達情報を、特定した当該対象装置及び前記防災受信機を介して表示出力する、
防災システム。
【請求項2】
防災装置を備える防災システムにおいて、
前記防災装置に関する
作業上の伝達
事項についての情報であって、
前記防災装置に関する作業をする伝達者からその後に前記作業をする伝達対象者に
対して伝達するべ
き伝達情報
の入力を
前記伝達者から受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記伝達情報
に基づく伝達記録情報を記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された前記伝達記録情報に基づき前記伝達情報を前記伝達対象者に
認知可能に出力する出力手段と、
を備え
、
前記伝達記録情報は、前記伝達者が前記受付手段を介して指定し前記伝達情報が前記記録手段に記録されている旨を前記伝達対象者へ報知するタイミングを特定する情報であって、前記防災装置の所定操作と関連付けられたタイミング情報を含み、
前記伝達対象者により前記防災装置に対し前記所定操作が行われたときに、前記出力手段は、当該所定操作に対応する前記伝達情報が記録されている旨を出力し、続いて伝達対象者による確認操作を受け付けた場合に、当該確認操作に対応する前記伝達情報を前記伝達対象者に認識可能に出力する、
防災システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視領域の火災を報知するための防災設備として、防災受信機が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の防災受信機を含む防災装置を施工する場合において、複数の作業員各々が、自己の担当作業を順次行うことがあるが、この場合、作業を確実に進めるために、複数の作業員間で申し送り事項を伝達することがあった。
【0005】
そして、申し送り事項を伝達する場合、一般的には、防災装置にビニールテープを付した上で、当該ビニールテープに申し送り事項を記載することにより伝達していた。
【0006】
しかしながら、ビニールテープに申し送り事項を記載する場合、申し送り事項を伝達される者が、当該ビニールテープの存在に気付かなかったり、あるいは、ビニールテープが剥がれてしまったりする可能性があり、申し送り事項が確実に伝達されなくなる可能性があった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達する防災システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の防災システムは、防災装置に関する伝達情報であって、伝達対象者に伝達するべき前記伝達情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記伝達情報を、当該伝達情報の前記伝達対象者に出力する出力手段と、を備え、
前記出力手段は、前記伝達情報を、表示部を有する他の装置を介して表示出力し、
前記他の装置は、少なくとも、防災受信機、表示盤、又は地図盤を含み、
前記他の装置における前記防災受信機以外の装置である対象装置は、前記防災装置に対応する位置に設置されており、
前記出力手段は、前記受付手段が前記伝達情報を受け付けた場合、当該伝達情報に関する前記防災装置に対応する位置に設置されている前記対象装置を特定し、前記伝達情報を、特定した当該対象装置及び前記防災受信機を介して表示出力する。
【0009】
請求項2に記載の防災システムは、防災装置を備える防災システムにおいて、前記防災装置に関する作業上の伝達事項についての情報であって、前記防災装置に関する作業をする伝達者からその後に前記作業をする伝達対象者に対して伝達するべき伝達情報の入力を前記伝達者から受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記伝達情報に基づく伝達記録情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録された前記伝達記録情報に基づき前記伝達情報を前記伝達対象者に認知可能に出力する出力手段と、を備え、前記伝達記録情報は、前記伝達者が前記受付手段を介して指定し前記伝達情報が前記記録手段に記録されている旨を前記伝達対象者へ報知するタイミングを特定する情報であって、前記防災装置の所定操作と関連付けられたタイミング情報を含み、前記伝達対象者により前記防災装置に対し前記所定操作が行われたときに、前記出力手段は、当該所定操作に対応する前記伝達情報が記録されている旨を出力し、続いて伝達対象者による確認操作を受け付けた場合に、当該確認操作に対応する前記伝達情報を前記伝達対象者に認識可能に出力する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の防災システムによれば、受付手段が受け付けた伝達情報を、伝達情報の伝達対象者に出力することにより、例えば、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。
また、伝達情報を他の装置を介して表示出力することにより、例えば、防災装置から離れた場所にて伝達情報を伝達することができるので、利便性を向上させることが可能となる。特に、例えば、防災装置の施工中等の騒然としている場合においても、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。
また、伝達情報に関する防災装置に対応する位置に設置されている対象装置を特定し、伝達情報を、特定した当該対象装置及び防災受信機を介して表示出力することにより、例えば、防災受信機側に加えて、伝達情報に関連する防災装置の設置位置に対応する位置に設置されている対象装置側でも、伝達情報を確認させることができるので、利便性を更に向上させることが可能となる。
【0018】
請求項2に記載の防災システムによれば、例えば、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明に係る防災システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0028】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、防災システムに関するものである。
【0029】
ここで、「防災システム」とは、伝達情報を出力するシステムであり、例えば、伝達情報を出力する専用システム、汎用装置(例えば、汎用的に用いられるコンピュータ等)に対して伝達情報を出力する機能を実装することにより実現されるシステム、あるいは、防災装置に対して伝達情報を出力する機能を実装することにより実現されるシステム等を含む概念である。また、「防災システム」とは、例えば、受付手段、及び出力手段を備える。
【0030】
また、「防災装置」とは、防災のために用いられる装置であり、例えば、感知器、防災受信機(つまり、火災受信機)、防災表示装置、表示盤(アナンシエータ)、及び地図盤等を含む概念である。「感知器」とは、監視領域の異常(火災やガス漏れ等)を判定する機器であり、具体的には、監視領域の検出対象を検出することにより、異常を判定する機器であり、煙感知器、火災感知器、及びガス感知器等を含む概念である。「防災受信機」とは、監視領域の異常を監視する装置であり、例えば、感知器と電気的に接続されている装置である。「防災表示装置」とは、監視領域の異常に関する情報を表示する装置であり、例えば、感知器又は防災受信機と電気的に接続されている装置である。「監視領域」とは、監視の対象となっている領域であり、例えば、建物の部屋、階段、及び廊下等を含む概念である。
【0031】
また、「伝達情報」とは、防災装置に関する情報であり、具体的には、伝達対象者に伝達するべき情報であり、例えば、防災装置の施工、点検、及び動作状態に関する申し送り事項等を含む概念である。「申し送り事項」とは、伝達者から伝達対象者に対して伝える事項である。「伝達者」とは、伝達情報を伝達する者であり、また、「伝達対象者」とは、伝達情報を伝達される者である。また、これらの「伝達者」及び「伝達対象者」については、相互に同一の者であってもよく、あるいは、相互に異なる者であってもよいが、以下に示す実施の形態では、相互に異なる者である場合について説明する。
【0032】
また、「受付手段」とは、防災装置に関する伝達情報であって、伝達対象者に伝達するべき伝達情報を受け付ける手段であり、例えば、伝達情報を、防災装置の情報入力部を介して受け付ける手段等を含む概念である。「防災装置の情報入力部」とは、防災装置に設けられている情報入力装置又は情報入力機能であり、例えば、タッチパッド、操作ボタン、マウス、及びキーボード等を含む概念である。
【0033】
また、「出力手段」とは、受付手段が受け付けた伝達情報を、当該伝達情報の伝達対象者に出力する手段であり、例えば、伝達対象者を示す情報を出力する手段、伝達情報を、音にて出力する手段、伝達情報を印字して出力する手段、伝達情報を他の装置を介して出力する手段、伝達情報を防災装置の情報出力部を介して出力する手段、出力タイミング特定情報に基づいて伝達情報を出力するタイミングを特定し、特定したタイミングに伝達情報を出力するための処理を行う手段等を含む概念である。また、「出力手段」とは、例えば、伝達情報を他の装置を介して表示出力する手段等を含む概念であり、また、受付手段が伝達情報を受け付けた場合、当該伝達情報に関する防災装置に対応する位置に設置されている対象装置を特定し、伝達情報を、特定した当該対象装置及び防災受信機を介して表示出力する等を含む概念である。
【0034】
また、「他の装置」とは、伝達情報を受け付けた防災装置とは異なる他の装置であり、具体的には、ディスプレイ又は表示灯の如き表示部を有する装置であり、例えば、伝達情報を受け付けた防災装置と同じ種類又は異なる種類の防災装置、あるいは、防災装置以外の任意の装置である端末装置等を特定する概念である。つまり、例えば、伝達情報を受け付けたのが防災受信機である場合、例えば、感知器、防災表示装置、表示盤(アナンシエータ)、地図盤が「他の装置」に該当し、また、当該伝達情報を受け付けた防災受信機とは異なる別の防災受信機も「他の装置」に該当し、更に、防災装置以外の装置である端末装置も「他の装置」に該当することになる。
【0035】
また、「対象装置」とは、他の装置における防災受信機以外の装置であり、例えば、表示盤、及び地図盤等を含む概念である。「防災装置の情報出力部」とは、防災装置に設けられている情報出力装置又は情報出力機能であり、例えば、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタ等を含む概念である。なお、ここでの「防災装置の情報出力部」については、例えば、伝達情報を受け付けた防災装置の情報出力部であるものと解釈してもよいし、あるいは、伝達情報を受け付けた防災装置とは異なる別の防災装置の情報出力部であるものと解釈してもよい。
【0036】
また、「伝達情報を、当該伝達情報の伝達対象者に出力する」とは、例えば、少なくとも伝達情報が伝達対象者用の情報であることが特定できる形式にて当該伝達情報を出力することを含む概念である。「出力タイミング特定情報」とは、伝達情報を出力するタイミングを特定する情報であり、例えば、ユーザによって設定される情報等を含む概念である。「伝達情報を出力するための処理」とは、伝達情報を出力することに関連する処理であり、例えば、伝達情報を実際に出力すること、及び伝達情報を出力するための任意の情報(例えば、伝達情報が存在することを報知する情報等)を出力すること等を含む概念である。
【0037】
そして、以下の実施形態では、「防災システム」が防災装置にて実現されており、また、「防災装置」が防災受信機(以下、単に「受信機」と称する)であり、また、「防災装置の情報入力部」がタッチパッドであり、「防災装置の情報出力部」がディスプレイである場合を例示して説明する。
【0038】
[実施の形態の具体的内容]
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0039】
(構成)
まず、本実施の形態に係る受信機の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る受信機の正面図であり、
図2は、受信機のブロック図である。
【0040】
図2の受信機100は、防災システムであって、防災装置であり、例えば、通信部11、操作部12、表示部13、音響部14、印刷部15、記録部16、及び制御部17を備える。
【0041】
(構成-通信部)
通信部11は、ネットワークを介して外部装置(例えば、不図示の感知器等)との間で通信するための通信手段である。この通信部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
【0042】
(構成-操作部)
操作部12は、ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、
図1のタッチパッド121を備えて構成される。タッチパッド121は、情報入力部であり、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付けるように構成されており、一例としては、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0043】
(構成-表示部)
表示部13は、制御部17の制御に基づいて情報を表示する表示手段である。この表示部13の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、
図1のディスプレイ131を備えて構成される。ディスプレイ131は、情報出力部であり、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ(つまり、平面ディスプレイ)等を用いて構成することができる。なお、上記の操作部12のタッチパッド121と表示部13のディスプレイ131とを相互に重畳してタッチパネルとして一体形成しているものとして、以下説明する。
【0044】
(構成-音響部)
音響部14は、制御部17の制御に基づいて音声情報を出力する音響手段である。この音響部14の具体的な種類は任意であるが、例えば、
図1のスピーカ141を備えて構成される。
【0045】
(構成-印刷部)
印刷部15は、制御部17の制御に基づいて紙面情報を出力する印刷手段である。この印刷部15の具体的な種類は任意であるが、例えば、
図1のプリンタ151を備えて構成される。
【0046】
(構成-記録部)
記録部16は、受信機100の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。この記録部16には、例えば、伝達記録情報が記録されている。
【0047】
(構成-記録部-伝達記録情報)
「伝達記録情報」とは、伝達情報に関する情報である。
図3は、伝達記録情報を例示した図である。この
図3に示すように、伝達記録情報は、例えば、項目「メモID」、項目「内容情報」、項目「伝達者情報」、項目「伝達対象者情報」、項目「記録日時情報」、及び項目「タイミング情報」と、各項目に対応する情報とが関連付けられている情報である。項目「メモID」に対応する情報は、伝達情報を一意に識別するメモ識別情報(以下、識別情報を「ID」と称する)である(
図3では、「IDm001」等)。項目「内容情報」に対応する情報は、伝達情報の内容を特定する内容情報である(
図3では、申し送り事項であって、テキスト情報であり、「感知器Aを取り外したので、障害がでています」等)。項目「伝達者情報」に対応する情報は、伝達者を特定する伝達者情報である(
図3では、氏名であり、「AA AA」等)。なお、この伝達者情報としては、
図3では、氏名を例示しているが、氏名と共に又は氏名の代わりに、伝達者が所属する会社名、又は部署名等を用いてもよい(伝達対象者情報も同様とする)。項目「伝達対象者情報」に対応する情報は、伝達対象者を特定する伝達対象者情報である(
図3では、氏名であり、「BB BB」等)。項目「記録日時情報」に対応する情報は、伝達情報を記録した日時を特定する記録日時情報である(
図3では、日付及び時分であり、06月01日18時00分を特定する「06011800」等)。項目「タイミング情報」に対応する情報は、出力タイミング特定情報であり、具体的には、伝達情報が存在することを報知する情報を出力するタイミングを特定するタイミング情報である(
図3では、受信機100の電源を入れた直後のタイミングである「電源オン」、あるいは、受信機100の詳細設定等を行うモードである作業モードに当該受信機100を切り替えたタイミングである「作業モード切替」等)。そして、このような伝達記録情報の具体的な記録手法は任意であるが、例えば、後述する情報記録処理で記録されることとする。
【0048】
(構成-制御部)
制御部17は、受信機100を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る制御プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して受信機100にインストールされることで、制御部17の各部を実質的に構成する。
【0049】
この制御部17は、機能概念的に、受付部171、及び出力部172を備える。受付部171は、防災装置である受信機100に関する伝達情報であって、伝達対象者に伝達するべき伝達情報を受け付ける受付手段である。出力部172は、受付部171が受け付けた伝達情報を、伝達情報の伝達対象者に出力する出力手段である。なお、この制御部17の各部により行われる処理については、後述する。
【0050】
(処理)
次に、このように構成され受信機100によって実行される情報記録処理、及び情報出力処理について説明する。ここでは、例えば、各処理について、オフィスビルを新築する場合において、受信機100の施工時に、06月01日に作業を行った
図3の「AA AA」の作業員が、「BB BB」の作業員に対して、感知器Aに障害がでている旨を伝達する場合を例示して説明する。なお、これらの作業員については、適宜「ユーザ」と称して説明する。
【0051】
(処理-情報記録処理)
まず、情報記録処理について説明する。
図4は、情報記録処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「情報記録処理」とは、概略的には、受信機100によって実行される処理であり、具体的には、伝達情報を受け付けて記録する処理である。この情報記録処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、受信機100の電源をオンした場合に、繰り返し起動して実行を開始するものとし、実行が開始されたところから説明する(後述の情報出力処理も同様とする)。
【0052】
図4のSA1において受付部171は、伝達情報が入力されたか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、タッチパッド121を介するユーザによる操作入力を監視して、伝達情報が入力されたか否かを判定する。詳細には、ユーザが、タッチパッド121を操作することにより、ディスプレイ131に不図示の伝達情報入力画面を表示し、当該画面を伝達情報の入力を行うこととして、以下説明する。なお、「伝達情報入力画面」とは、伝達情報を入力するための
画面であり、例えば、
図3の内容情報、伝達者情報、伝達対象者情報、及びタイミング情報を入力する入力欄が設けられている画面である。そして、ユーザが不図示の伝達情報入力画面を表示した上で、内容情報、伝達者情報、伝達対象者情報、及びタイミング情報を入力する操作(以下、情報入力操作)を行っていない場合、伝達情報が入力されていないものと判定し(SA1のNO)、伝達情報が入力されたものと判定するまで、繰り返しSA1を実行する。また、ユーザが「情報入力操作」を行った場合、伝達情報が入力されたものと判定し(SA1のYES)、SA2に移行する。
【0053】
ここでは、例えば、「AA AA」の作業員が、「情報入力操作」を行って、
図3の最上段の情報(つまり、内容情報である「感知器Aを取り外したので、障害がでています」、伝達者情報である「AA AA」、伝達対象者情報である「BB BB」、及びタイミング情報である「電源オン」)を入力した場合、伝達情報が入力されたものと判定する。
【0054】
図4のSA2において受付部171は、伝達情報を受け付ける。具体的には任意であるが、例えば、SA1で入力された伝達情報を受け付ける。ここでは、例えば、SA1で例示した
図3の最上段の情報を受け付ける。
【0055】
図4のSA3において受付部171は、伝達情報を記録する。具体的には任意であるが、例えば、SA2で受け付けた伝達情報を記録する。詳細には、不図示の伝達情報入力画面の各欄に入力された情報を、
図3における対応する情報として記録する。より詳細には、まず、一意となるメモIDを生成した上で、当該メモIDを記録し、また、SA2で受け付けた内容情報、伝達者情報、伝達対象者情報、及びタイミング情報を記録し、また、受信機100の不図示の計時手段(タイマー等)から現在の日時を取得し、取得した日時に対応する情報を記録日時情報として記録する。ここでは、例えば、
図3の最上段の情報を記録する。これにて、情報記録処理を終了する。
【0056】
(処理-情報出力処理)
次に、情報出力処理について説明する。
図5は、情報出力処理のフローチャートである。「情報出力処理」とは、概略的には、受信機100によって実行される処理であり、具体的には、伝達情報を出力する処理であり、例えば、報知画面及び伝達画面を表示する処理である。
【0057】
「報知画面」とは、伝達情報が存在することを報知するための画面である。
図6は、報知画面の表示例である。この
図6に示すように、報知画面には、伝達者表示情報G11、伝達対象者表示情報G12、報知表示情報G13、「表示」ボタン、及び「スキップ」ボタンが含まれている。「伝達者表示情報」G11とは、伝達者を表示する情報であり、また、「伝達対象者表示情報」G12とは、伝達対象者を表示する情報であり、また、「報知表示情報」G13とは、伝達情報に関する案内を表示する情報である。また、「表示」ボタン及び「スキップ」ボタンは、操作入力を行うための操作ボタンである。
【0058】
「伝達画面」とは、伝達情報を表示出力するための画面である。
図7は、伝達画面の表示例である。この
図7に示すように、伝達画面には、伝達者表示情報G11、伝達対象者表示情報G12、内容表示情報G14、記録日時表示情報G15、及び「確認」ボタンが含まれている。「内容表示情報」G14とは、伝達情報の内容を表示する情報であり、また、「記録日時表示情報」G15とは、伝達情報を記録した日時を表示する情報であり、また、「確認」ボタンは、操作入力を行うための操作ボタンである。
【0059】
図5のSB1において出力部172は、報知画面を表示するか否かを判定する。具体的には任意であるが、
図3のタイミング情報を全て取得し、取得した各タイミング情報に対応する各タイミングを特定し、また、現在の自己の状態を任意の手法(例えば、電源をオンした日時及び現在設定されているモードを示す情報が、記録部16に記録されていることとし、これらの記録されている情報を参照する手法等)で把握し、特定した各タイミングにおいて、把握した自己の状態に合致するものがあるか否かに基づいて判定する。そして、合致するものがない場合、報知画面を表示しないものと判定し(SB1のNO)、報知画面を表示するものと判定するまで、繰り返しSB1を実行する。また、合致するものがある場合、報知画面を表示するものと判定し(SB1のYES)、SB2に移行する。
【0060】
ここでは、例えば、電源をオンした日時として、受信機100の不図示の計時手段が計時した現在の日時の直近の日時(例えば、現在の日時の5分以内前等の日時)が記録されている場合を例示して説明する。まず、
図3のタイミング情報として「電源オン」、及び「作業モード切替」等を取得し、取得した各情報に対応するタイミングを特定し、また、前述の任意の手法にて、現在の自己の状態が受信機100の電源を入れた直後のタイミングであることを把握した上で、特定した「電源オン」に対応するタイミングが、自己の状態に合致するものと判定し、報知画面を表示するものと判定する。
【0061】
図5のSB2において出力部172は、報知画面を表示する。具体的には任意であるが、まず、
図3の伝達記録情報を参照して、SB1で合致するものと判定されたタイミングに対応するタイミング情報に対応付けられている伝達者情報、及び伝達対象者情報を取得し、取得した各情報に対応する情報を、伝達者表示情報G11、及び伝達対象者表示情報G12として含み、また、予め設定されている案内のための所定の文言を報知表示情報G13として含む報知画面を生成して、生成した報知画面をディスプレイ131に表示する。
【0062】
ここでは、例えば、
図3の伝達記録情報を参照して、SB1で合致するものと判定されたタイミングに対応するタイミング情報である「電源オン」に対応付けられている伝達者情報である「AA AA」、及び伝達対象者情報である「BB BB」を取得し、取得した各情報に対応する情報を、
図6に図示されている伝達者表示情報G11、及び伝達対象者表示情報G12として含み、また、予め設定されている案内のための所定の文言である「伝達事項があります。関係者は確認して下さい。」を報知表示情報G13として含む報知画面を生成して、生成した報知画面をディスプレイ131に表示する。なお、実際には、SB1で合致するものと判定されたタイミングに対応するタイミング情報が複数存在することも考えられるが、この場合、複数の報知画面をディスプレイ131に並べて表示してもよい(後述のSB4の処理も同様とする)。
【0063】
図5のSB3において出力部172は、伝達画面を表示するか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、タッチパッド121を介する報知画面に対する操作入力に基づいて判定し(SB3のNO)、処理を終了する。そして、報知画面にて「スキップ」ボタンを押下する操作入力を受け付けた場合、伝達画面を表示しないものと判定し、処理を終了する。また、報知画面にて「表示」ボタンを押下する操作入力を受け付けた場合、伝達画面を表示するものと判定し(SB3のYES)、SB4に移行する。
【0064】
ここでは、例えば、「BB BB」の作業員が、伝達画面を視認することにより、伝達対象者として自己が設定されている伝達事項が存在することを認識し、
図6の「表示」ボタンを押下した場合、伝達画面を表示するものと判定する。
【0065】
図5のSB4において出力部172は、伝達画面を表示する。具体的には任意であるが、例えば、まず、
図3の伝達記録情報を参照して、SB1で合致するものと判定されたタイミングに対応するタイミング情報に対応付けられている内容情報、伝達者情報、伝達対象者情報、及び記録日時情報を取得し、取得した各情報に対応する情報を、伝達者表示情報G11、伝達対象者表示情報G12、内容表示情報G14、及び記録日時表示情報G15として含む伝達画面を生成して、生成した
伝達画面をディスプレイ131に表示する。
【0066】
ここでは、例えば、
図3の伝達記録情報を参照して、SB1で合致するものと判定されたタイミングに対応するタイミング情報である「電源オン」に対応付けられている内容情報である「感知器Aを取り外したので、障害がでています」、伝達者情報である「AA AA」、伝達対象者情報である「BB BB」、及び記録日時情報である「06011800」を取得し、取得した各情報に対応する情報を、
図7に図示されている伝達者表示情報G11、伝達対象者表示情報G12、内容表示情報G14、及び記録日時表示情報G15として含む伝達画面を生成して、生成した伝達画面をディスプレイ131に表示する。これにて、情報出力処理を終了する。
【0067】
なお、伝達画面を表示した後の処理は任意であるが、例えば、
図7の「確認」ボタンを押下する操作入力を出力部172が受け付けた場合に、制御部17が、伝達画面を消去した上で、
図3の伝達記録情報において、当該消去した伝達画面に表示されていた各情報を消去してもよい。又は、セキュリティ確保の観点から、伝達画面を表示した後に所定時間(例えば、2分~3分)経過した場合に、伝達画面及び当該伝達画面に関連する伝達記録情報を消去してもよい。あるいは、
図3の伝達記録情報については消去せずに、
図3において表示済である情報に「既読」等を記録した上で、ユーザが確認したにも関わらず、繰り返し表示されることを防止してもよい。また、ユーザがタッチパッド121を介する所定操作を受け付け場合に、当該既読となっている伝達情報を再表示してもよい。
【0068】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、受付部171が受け付けた伝達情報を、伝達情報の伝達対象者に出力することにより、例えば、防災装置である受信機100に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。
【0069】
また、伝達対象者を示す情報を出力することにより、例えば、防災システムである受信機100のユーザに対して、自己に伝達されるべき情報であるか否かを判断させることができるので、ユーザに無関係な情報を読ませることにより時間を浪費させたり、あるいは、ユーザによる伝達情報の見落としを防止したりすることが可能となる。
【0070】
また、伝達情報を防災装置の情報出力部であるディスプレイ131を介して出力することが可能となるので、例えば、伝達情報に関連する受信機100の側で伝達情報を確認することができるので、受信機100に関する作業時等に伝達情報を確認することができ、利便性を向上させることが可能となる。
【0071】
また、特定したタイミングに伝達情報を出力するための処理を行うことが可能となるので、例えば、伝達情報を確認するべき適切なタイミングに当該伝達情報を確認させることが可能となる。
【0072】
また、伝達情報を受信機100の情報入力部を介して受け付けることにより、例えば、伝達情報に関連する受信機100の側で伝達情報を入力することができるので、受信機100に関する作業時等に伝達情報を入力することができ、利便性を向上させることが可能となる。
【0073】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0074】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0075】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
【0076】
(伝達記録情報について)
また、上記実施の形態では、伝達記録情報として、
図3に図示されている各項目の情報が記録される場合を例示して説明したが、これに限らない。例えば、伝達者情報及び記録日時情報を省略してもよい。
【0077】
(伝達画面について(その1))
また、上記実施の形態の
図5のSA4にて伝達画面を表示する前にユーザの認証を行ってもよい。具体的には、伝達画面(つまり、伝達情報)は、基本的には、伝達対象者宛ての情報であることに着目して、伝達画面を表示する前に伝達画面を表示する操作を行った(例えば、
図6の報知画面の「表示」ボタンを押下する操作を行った)人が伝達対象者であるか否かを判定し、伝達対象者であるものと判定した場合にのみ、
図7の伝達画面を表示するように構成してもよい。具体的な実装手段は任意であるが、例えば、各ユーザに対してパスワードを配布して、配布したパスワードを記録部16に記録し、出力部172が、当該記録したパスワードのうちの伝達対象者に対応するものと、ユーザが入力したパスワードとが相互に合致するか否かに基づいて判定してもよい。
【0078】
(伝達画面について(その2))
また、上記実施の形態の
図6の報知画面を表示する処理を省略して、
図3のタイミング情報が特定するタイミングに、
図7の伝達画面を表示するように構成してもよい。また、例えば、
図3のタイミング情報を省略することにより、伝達情報が常時ディスプレイ131に表示されるように構成してもよい。
【0079】
(タイミング情報について)
また、上記実施の形態の
図3では、タイミング情報として「電源オン」及び「作業モード切替」を図示して説明したが、他のタイミングを特定する情報を設定して格納してもよい。具体的には、例えば、所定の時刻(確認されるまで毎日)や、所定の曜日の所定の時刻、又は所定の日付(例えば月末や月初(1日))の所定の時刻等を、タイミング情報として設定して格納してもよい。
【0080】
(音にて出力する場合について)
また、上記実施の形態の伝達情報を音にて出力してもよい。具体的には任意であるが、例えば、出力部172が、スピーカ141を介して伝達情報を音にて出力してもよい。詳細には、例えば、画面操作、確認を促す目的で、音を鳴らしてもよく、あるいは、例えば、音で報知する場合は、火災発報時または障害発生時の報知音と異ならせてもよく、あるいは、伝達情報を機械が読み上げる音声を出力してもよい。このように構成した場合、伝達対象者に対して伝達情報の存在を気付かせることができるので、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。また、例えば、防災装置の施工中等の比較的煩雑で見通しが良くない場合においても、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。
【0081】
(印字して出力する場合について)
また、上記実施の形態の伝達情報を印字して出力してもよい。具体的には任意であるが、例えば、出力部172が、プリンタ151を介して伝達情報を紙面に印字して出力してもよい。詳細には、例えば、任意のルール(例えば、伝達情報に緊急性の度合いである緊急度を関連付けて格納した上で、伝達情報の緊急度が最高レベルであれば赤色にて印字し、伝達情報の緊急度が最高レベルよりも低い場合は黄色にて印字し、伝達情報の緊急度が黄色のレベルよりも更に低い場合は青色で印字する等のルール)に基づいて印字色を異ならせてもよい。このように構成した場合、伝達情報を残すことができるので、一度見て失念した伝達情報を思い出させることが可能となる。
【0082】
(他の装置を介して出力する場合について(その1))
また、上記実施の形態の伝達情報を他の装置を介して出力してもよい。具体的には任意であるが、例えば、出力部172が、他の装置である表示盤(アナンシエータ)、地図盤等に対して伝達情報を送信した上で、当該他の装置の表示部であるディスプレイに伝達情報を表示して出力してもよい。このように構成した場合、防災装置から離れた場所にて伝達情報を伝達することができるので、利便性を向上させることが可能となる。特に、例えば、防災装置の施工中等の騒然としている場合においても、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。
【0083】
(他の装置を介して出力する場合について(その2))
また、「(他の装置を介して出力する場合について(その1))」で説明した場合において、
図2の出力部172が設けられている受信機100以外にも当該受信機100と通信可能な他の受信機が設けられている場合、出力部172が、他の受信機に対して伝達情報を送信した上で、当該他の受信機の表示部であるディスプレイに伝達情報を表示して出力してもよい。
【0084】
(他の装置を介して出力する場合について(その3))
また、建物の各階に感知器、表示盤、及び地図盤が設置されており、また、受信機1が建物の1か所の所定位置(例えば、1階の管理室等)に設置されている場合において、受信機1の記録部16に対して感知器、表示盤及び地図盤が設置されている位置を特定する情報が記録されていることとして、以下のように伝達情報を出力してもよい。具体的には、受付部171が、特定の感知器についての伝達情報(例えば、感知器を施工中であること、感知器を点検中であること、あるいは、感知器に不具合が発生していること等を特定する情報)を防災装置に関する伝達情報として受け付けた場合、出力部172が、受付部171が受け付けた伝達情報から当該情報に対応する防災装置として前述の特定の感知器を特定し、前述の記録されている情報を参照した上で、当該特定した感知器と同じ階に設置されている表示盤及び地図盤を、対応する位置に設置されている対象装置として特定し、特定した表示盤及び地図盤に前述の受け付けた伝達情報を送信して、当該表示盤及び地図盤のディスプレイに伝達情報を出力し、また、受信機1のディスプレイ131にも前述の受け付けた伝達情報を表示してもよい。なお、ここでの伝達情報の表示態様は任意であるが、例えば、実施の形態又は変形例と同様にして表示してもよい。このように構成した場合、伝達情報に関する防災装置(例えば、感知器)に対応する位置に設置されている対象装置(例えば、表示盤及び地図盤)を特定し、伝達情報を、特定した当該対象装置及び防災受信機(例えば、受信機1)を介して表示出力することにより、例えば、防災受信機側に加えて、伝達情報に関連する防災装置の設置位置に対応する位置に設置されている対象装置側でも、伝達情報を確認させることができるので、利便性を更に向上させることが可能となる。
【0085】
(サムネイル画像について)
図8は、伝達情報のサムネイル画像の表示例である。この
図8に示すように、出力部172が、
図3の伝達記録情報のうちの内容情報を含まない一部のみの情報を含むサムネイル画像であって、例えば、いわゆる付箋をイメージさせる当該サムネイル画像を、ディスプレイ131に表示するように構成してもよい。そして、ユーザが当該サムネイル画像を選択した場合に、出力部172が、
図7の伝達画面のように、
図3の伝達記録情報のうちの内容情報を含む情報を表示するように構成してもよい。また、このサムネイル画像を表示する場合、伝達者単位、あるいは、伝達者の所属(会社又は部署等)単位で、相互に異なる背景色にて表示してもよい。
【0086】
(情報入力の支援機能)
また、上記実施の形態の
図4のSA1にて、ユーザがタッチパッド121を介して情報を入力するが、この情報の入力を支援する機能を実装してもよい。例えば、キーボード画像をディスプレイ131に表示して当該キーボード画像の操作により情報を、入力できるように構成してもよいし、あるいは、入力するべき情報の候補を予め記録しておき、当該記録されている候補から選択により、情報を入力できるように構成してもよい。また、マイク等の集音装置を設けて、情報を音声入力できるように構成してもよい。
【0087】
(通信出力について)
また、上記実施の形態では、伝達情報をディスプレイ131に表示して出力する場合について説明したが、これに限らず、例えば、出力部172が、伝達情報を、当該伝達情報の伝達対象者の端末装置(例えば、スマートフォン等の携帯端末や、デスクトップパソコン等の据え置き型のコンピュータ等)に送信して出力してもよい。また、例えば、当該端末装置を用いて伝達情報を入力して格納可能となるように構成してもよい。
【0088】
(特徴について)
また、実施の形態の特徴及び変形例の特徴を任意に組み合わせてもよい。
【0089】
(付記)
付記1の防災システムは、防災装置に関する伝達情報であって、伝達対象者に伝達するべき前記伝達情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記伝達情報を、当該伝達情報の前記伝達対象者に出力する出力手段と、を備える。
【0090】
付記2の防災システムは、付記1に記載の防災システムにおいて、前記出力手段は、前記伝達対象者を示す情報を出力する。
【0091】
付記3の防災システムは、付記1又は2に記載の防災システムにおいて、前記出力手段は、前記伝達情報を、前記防災装置の情報出力部を介して出力する。
【0092】
付記4の防災システムは、付記1から3の何れか一項に記載の防災システムにおいて、前記出力手段は、前記伝達情報を、音にて出力する。
【0093】
付記5の防災システムは、付記1から4の何れか一項に記載の防災システムにおいて、前記出力手段は、前記伝達情報を、印字して出力する。
【0094】
付記6の防災システムは、付記1から5の何れか一項に記載の防災システムにおいて、前記出力手段は、前記伝達情報を、表示部を有する他の装置を介して表示出力し、前記他の装置は、少なくとも、防災受信機、表示盤、又は地図盤を含む。
【0095】
付記7の防災システムは、付記6に記載の防災システムにおいて、前記他の装置における前記防災受信機以外の装置である対象装置は、前記防災装置に対応する位置に設置されており、前記出力手段は、前記受付手段が前記伝達情報を受け付けた場合、当該伝達情報に関する前記防災装置に対応する位置に設置されている前記対象装置を特定し、前記伝達情報を、特定した当該対象装置及び前記防災受信機を介して表示出力する。
【0096】
付記8の防災システムは、付記1から7の何れか一項に記載の防災システムにおいて、前記出力手段は、出力タイミング特定情報に基づいて前記伝達情報を出力するタイミングを特定し、特定したタイミングに前記伝達情報を出力するための処理を行う。
【0097】
付記9の防災システムは、付記1から8の何れか一項に記載の防災システムにおいて、前記受付手段は、前記伝達情報を、前記防災装置の情報入力部を介して受け付ける。
【0098】
(付記の効果)
付記1に記載の防災システムによれば、受付手段が受け付けた伝達情報を、伝達情報の伝達対象者に出力することにより、例えば、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。
【0099】
付記2に記載の防災システムによれば、伝達対象者を示す情報を出力することにより、例えば、防災システムのユーザに対して、自己に伝達されるべき情報であるか否かを判断させることができるので、ユーザに無関係な情報を読ませることにより時間を浪費させたり、あるいは、ユーザによる伝達情報の見落としを防止したりすることが可能となる。
【0100】
付記3に記載の防災システムによれば、伝達情報を防災装置の情報出力部を介して出力することが可能となるので、例えば、伝達情報に関連する防災装置の側で伝達情報を確認することができるので、防災装置に関する作業時等に伝達情報を確認することができ、利便性を向上させることが可能となる。
【0101】
付記4に記載の防災システムによれば、伝達情報を音にて出力することにより、例えば、伝達対象者に対して伝達情報の存在を気付かせることができるので、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。また、例えば、防災装置の施工中等の比較的煩雑で見通しが良くない場合においても、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。
【0102】
付記5に記載の防災システムによれば、伝達情報を印字して出力することにより、例えば、伝達情報を残すことができるので、一度見て失念した伝達情報を思い出させることが可能となる。
【0103】
付記6に記載の防災システムによれば、伝達情報を他の装置を介して表示出力することにより、例えば、防災装置から離れた場所にて伝達情報を伝達することができるので、利便性を向上させることが可能となる。特に、例えば、防災装置の施工中等の騒然としている場合においても、防災装置に関する伝達情報を伝達対象者に確実に伝達することが可能となる。
【0104】
付記7に記載の防災システムによれば、伝達情報に関する防災装置に対応する位置に設置されている対象装置を特定し、伝達情報を、特定した当該対象装置及び防災受信機を介して表示出力することにより、例えば、防災受信機側に加えて、伝達情報に関連する防災装置の設置位置に対応する位置に設置されている対象装置側でも、伝達情報を確認させることができるので、利便性を更に向上させることが可能となる。
【0105】
付記8に記載の防災システムによれば、特定したタイミングに伝達情報を出力するための処理を行うことが可能となるので、例えば、伝達情報を確認するべき適切なタイミングに当該伝達情報を確認させることが可能となる。
【0106】
付記9に記載の防災システムによれば、伝達情報を防災装置の情報入力部を介して受け付けることにより、例えば、伝達情報に関連する防災装置の側で伝達情報を入力することができるので、防災装置に関する作業時等に伝達情報を入力することができ、利便性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0107】
11 通信部
12 操作部
13 表示部
14 音響部
15 印刷部
16 記録部
17 制御部
100 受信機
121 タッチパッド
131 ディスプレイ
141 スピーカ
151 プリンタ
171 受付部
172 出力部
G11 伝達者表示情報
G12 伝達対象者表示情報
G13 報知表示情報
G14 内容表示情報
G15 記録日時表示情報