(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】電動式建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
E02F9/00 C
E02F9/00 N
(21)【出願番号】P 2018176016
(22)【出願日】2018-09-20
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富澤 美帆
(72)【発明者】
【氏名】高野 善之
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-001889(JP,A)
【文献】特開2012-001933(JP,A)
【文献】特開2018-034568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に延びるベースプレートと、
該ベースプレート上に設けられて、内側に収容空間が形成されたバッテリボックス、前記収容空間に収容された複数のバッテリ、及び、前記バッテリボックスを貫通するように前記収容空間内に空気を流通させるバッテリ用ファンを有するバッテリユニットと、
前記バッテリユニットにおける前記空気の排出側空間に設けられて、前記バッテリに対して外部から充電可能な充電口と、
前記ベースプレート上で前記バッテリユニット及び前記充電口を覆う外装カバーと、を備え、
前記外装カバーは、
前記充電口を外部と遮断する閉塞位置と、前記充電口を外部に露出させる開放位置と、の間で開閉可能な開閉部を有する電動式建設機械。
【請求項2】
前記バッテリ用ファンは、前記バッテリボックスを下方から上方に貫通するように前記収容空間内に空気を流通させ、
前記充電口は、前記バッテリユニットの上方に設けられている請求項1に記載の電動式建設機械。
【請求項3】
複数の前記バッテリは、水平方向及び上下方向に配列されており、
前記バッテリ同士の間に、前記収容空間の上端及び下端にわたって延びる空気流通路が形成されている請求項2に記載の電動式建設機械。
【請求項4】
前記バッテリユニットの底部と前記ベースプレートの上面との間に下部空間を形成するスペーサをさらに備え、
前記ベースプレートは、該ベースプレートを上下に貫通して前記下部空間に連通する空気導入孔を有し、
前記バッテリボックスは、前記収容空間を外周側から覆う枠状をなしており、
前記収容空間の下端が前記下部空間に連通している請求項2又は3に記載の電動式建設機械。
【請求項5】
前記バッテリユニットは、前記収容空間を上方から閉塞する蓋部をさらに有し、
前記バッテリ用ファンは前記蓋部に固定されている請求項2から4のいずれか一項に記載の電動式建設機械。
【請求項6】
前記バッテリ用ファンは、前記蓋部の上面に沿う方向に向かって、前記収容空間内の空気を排出する請求項5に記載の電動式建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動式建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動式建設機械の一例として電動式油圧ショベルが開示されている。電動式油圧ショベルは、従来の油圧ショベルのエンジンに代えて、バッテリによって駆動される電動モータを備えている。
電動式油圧ショベルの上部旋回体における後部には多数のバッテリを有するバッテリユニットが設けられている。バッテリユニットは、外装カバーによって覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バッテリユニットへの充電時には、バッテリに電流が流れることにより該バッテリが発熱する。そのため、バッテリの冷却を行う必要がある。一方で、バッテリユニットは高電圧機器となるため、該バッテリユニットに不用意にアクセスできることは好ましくない。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、充電時のバッテリの冷却を適切に行うことができるとともに安全性を向上させることができる電動式建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様に係る電動式建設機械は、水平方向に延びるベースプレートと、該ベースプレート上に設けられて、内側に収容空間が形成されたバッテリボックス、前記収容空間に収容された複数のバッテリ、及び、前記バッテリボックスを貫通するように前記収容空間内に空気を流通させるバッテリ用ファン有するバッテリユニットと、前記バッテリユニットにおける前記空気の排出側空間に設けられて、前記バッテリに対して外部から充電可能な充電口と、前記ベースプレート上で前記バッテリユニット及び前記充電口を覆う外装カバーと、を備え、前記外装カバーは、前記充電口を外部と遮断する閉塞位置と、前記充電口を外部に露出させる開放位置と、の間で開閉可能な開閉部を有する。
【発明の効果】
【0007】
上記態様の電動式建設機械によれば、充電時のバッテリの冷却を適切に行うことができるとともに安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る電動式油圧ショベルの側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電動式油圧ショベルの上部旋回体の内部構造を示す模式的な平面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る電動式油圧ショベルの上部旋回体の内部構造を示す模式的な左側面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る電動式油圧ショベルの上部旋回体の内部構造を示す模式的な右側面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る電動式油圧ショベルの後部における縦断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る電動式油圧ショベルバッテリユニットの横断面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る電動式油圧ショベルバッテリユニットの水平断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る電動式油圧ショベルバッテリユニットにおけるバッテリケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について
図1~
図8を参照して詳細に説明する。
<電動式油圧ショベル(電動式建設機械)>
図1に示すように、電動式建設機械の一例としての電動式油圧ショベル200は、下部走行体210及び上部旋回体220を備えている。以下では、電動式油圧ショベル200が水平面に設置された状態における重力が作用する方向を上下方向と称する。
【0010】
<下部走行体>
下部走行体210は、一対の履帯211を有している。これら履帯211が走行用油圧モータ(図示省略)によって駆動されることで下部走行体210が走行する。下部走行体210の走行方向を前後方向、走行方向前方側(通常の前進方向、下記ブレード212が設けられている側)を前方、当該前方の反対側である走行方向後方を後方と称する。また、前進方向を見て右方を「右」、左方を「左」と称する。上記履帯211は、左右に一対が設けられている。
下部走行体210の前部には、下部走行体210の車幅方向(以下、単に幅方向と称する。)に延びる排土板としてのブレード212が設けられている。該ブレード212は、油圧シリンダによって駆動されることで高さ位置が調整可能とされている。
【0011】
<上部旋回体>
上部旋回体220は、下部走行体210上に設けられている。上部旋回体220は、スイングサークル215を介して下部走行体210に接続されている。スイングサークル215は、上下方向に延びる旋回軸線を中心とした円環状をなしている。上部旋回体220は、スイングサークル215によって、下部走行体210に対して旋回軸線回りに旋回可能とされている。
【0012】
上部旋回体220は、作業機221、運転空間80、旋回フレーム10、門型フレーム20、バッテリユニット40、前後仕切り壁48、インバータ36、パワーデリバリユニット37、充電口38、電動モータ39、油圧ポンプ51、油圧バルブ52、操作パターン切替部53、旋回モータ70、クーリングユニット61、補機バッテリ64、プロテクタ95、外装カバー100を備えている。
【0013】
<作業機>
作業機221は、
図1に示すように、ブーム222、アーム223及びバケット224を有する。作業機221は、ブーム222、アーム223及びバケット224がそれぞれ各油圧シリンダにより駆動されることで掘削等の各種作業を行う。以下では、作業機221が電動式油圧ショベル200の前方を向いている状態における上部旋回体220の幅方向を単に「幅方向」と称する。また、幅方向の中央に向かう方向を「幅方向内側」と称し、幅方向の中央から左側(幅方向一方側)又は右側(幅方向他方側)に向かう方向を「幅方向外側」と称する。
<運転空間>
運転空間80は、オペレータが搭乗し、該オペレータによる電動式油圧ショベル200の操縦が行われる部分である。運転空間80は、
図1に示すように、上部旋回体220の前部かつ上部における左寄りの部分に設けられている
運転空間80は、床面を形成するとなるフロアパネル81と、該フロアパネル81の後方かつ上方に設けられた運転席84を有している。その他、運転空間80には、コントローラ等が収容されたコンソールボックス、各種レバー、ペダルが設けられている。運転空間80の上方は、キャノピー90によって覆われている。キャノピー90の後部は、門型フレーム20の上端に固定されている。
【0014】
<旋回フレーム>
旋回フレーム10は、
図2~
図4に示すように、ベースプレート11、横仕切りプレート12、前部縦仕切りプレート13、前部補強プレート14、ブラケット15及びスペーサとしての後部縦仕切りプレート16を有している。
【0015】
<ベースプレート>
図2~
図4に示すように、ベースプレート11は、水平方向に延びる板状をなす部材である。即ち、ベースプレート11は、前後方向及び幅方向に延びている。ベースプレート11の下面はスイングサークル215上に固定されている。これによって、旋回フレーム10はスイングサークル215によって下方から支持されている。
【0016】
<横仕切りプレート>
横仕切りプレート12は、ベースプレート11の上面から上方に向かって突出するとともに幅方向にわたって延びる板状の部材である。横仕切りプレート12は、幅方向を長手方向として延びている。横仕切りプレート12は、ベースプレート11における前後方向の中央よりも前方側の部分に配置されている。横仕切りプレート12は、ベースプレート11の幅方向両側の端部、即ち、左右両側の端部にわたって延びている。
【0017】
<前部縦仕切りプレート>
前部縦仕切りプレート13は、ベースプレート11の上面から突出するとともに前後方向に延びる板状の部材である。前部縦仕切りプレート13は、ベースプレート11の上面における横仕切りプレート12の前方側で、幅方向に互いに離間して一対が設けられている。即ち、前部縦仕切りプレート13は、左右に間隔をあけて一対が設けられている。一対の前部縦仕切りプレート13は、それぞれベースプレート11の幅方向両側の端部よりも幅方向内側に配置されている。
【0018】
前部縦仕切りプレート13は、後方側の端部が横仕切りプレート12の前方側を向く面に接続されている。即ち、前部縦仕切りプレート13は、横仕切りプレート12から前方に延びるように設けられている。
図2に示すように、一対の前部縦仕切りプレート13は、横仕切りプレート12との接続箇所である後方側の端部から前方側に向かうに従って、互いに近接するように設けられている。
【0019】
<前部補強プレート>
前部補強プレート14は、一対の前部縦仕切りプレート13の前部で、これら一対の前部縦仕切りプレート13に一体に固定されている。
<ブラケット>
ブラケット15は、一対の前部縦仕切りプレート13及び前部補強プレート14の前端に固定されている。ブラケット15を介して作業機221がベースプレート11に支持されている。
【0020】
<後部縦仕切りプレート>
後部縦仕切りプレート16は、ベースプレート11の上面から突出するとともに前後方向に延びる板状の部材である。後部縦仕切りプレート16は、ベースプレート11の上面における横仕切りプレート12の後方側で、幅方向に互いに離間して一対が設けられている。即ち、後部縦仕切りプレート16は、左右に一対が設けられている。一対の後部縦仕切りプレート16の幅方向の間隔は、一対の前部縦仕切りプレート13の後端におけるこれら前部縦仕切りプレート13の幅方向の間隔よりも大きい。
【0021】
<門型フレーム>
門型フレーム20は、
図2~
図4に示すように、ベースプレート11上に固定されている。門型フレーム20は、一対の柱部21及び梁部22を有している。
【0022】
一対の柱部21は、ベースプレート11上における横仕切りプレート12よりも後方で、幅方向に離間して一対が設けられている。柱部21は上下方向に延びており、下端がベースプレート11に固定されている。
梁部22は、一対の柱部21の上端にわたって幅方向に延びている。梁部22は、ベースプレート11の上面の上方に該上面と間隔をあけて設けられている。一対の柱部21と梁部22とは一体に固定されている。門型フレーム20は、前後方向から見て逆U字状をなしている。
【0023】
<バッテリユニット>
バッテリユニット40は、電動式油圧ショベル200の電源である。
図2~
図7に示すように、バッテリユニット40は、ベースプレート11上における後部の中央付近に設けられている。本実施形態のバッテリユニット40は、バッテリボックス41、バッテリ43、センサボックス44、第一蓋部45a、第二蓋部45b及びバッテリ用ファン46を備えている。
【0024】
<バッテリボックス>
バッテリボックス41は、
図5に示すように、複数のバッテリ43を収容している。バッテリボックス41は、複数のバッテリケース42を上下方向に積層されることで構成されている。各バッテリケース42は、
図6~
図8に示すように、枠体42a、縦仕切り壁42b及び支持プレート42cを有している。
【0025】
枠体42aは、平面視で枠状をなす部材であって、前後方向及び幅方向に辺を一致させた矩形状をなしている。枠体42aは、矩形状の各辺に沿って延びるとともに上下方向に延びる4つのプレートを接続することで構成されている。
縦仕切り壁42bは、枠体42aの内側で前後方向に延びるように一対が設けられている。一対の縦仕切り壁42bは、幅方向に間隔をあけて配置されている。一対の縦仕切り壁42bの前端及び後端は、枠体42aに一体に固定されている。これら一対の縦仕切り壁42bによって、枠体42aの内側の空間は、左側空間S1及び右側空間S2の2つに幅方向に区画されている。
【0026】
支持プレート42cは、左側空間S1及び右側空間S2のそれぞれにおける幅方向両側かつ下端に設けられている。支持プレート42cは、枠体42aの前端及び後端にわたって延びている。支持プレート42cには上下に貫通する孔が形成されていてもよい。
左側空間S1の支持プレート42cは、枠体42aの左側を構成するプレートの下端及び左側の縦仕切り壁42bの下端から該左側空間S1の内側に突出するように一対が設けられている。これら一対の支持プレート42cの間を介して、左側空間S1は下方に連通している。
右側空間S2の支持プレート42cは、枠体42aの右側を構成するプレートの下端及び右側の縦仕切り壁42bの下端から該右側空間S2の内側に突出するように一対が設けられている。これら一対の支持プレート42cの間を介して、右側空間S2は下方に連通している。
【0027】
バッテリボックス41は、このようなバッテリケース42を上下に4つ積み重ねることで構成されている。4つのバッテリケース42の一対の側面及び背面は、互いに面一とされていることでバッテリボックス41の一対の側面41a及び背面41bを構成している。
【0028】
図5に示すように、最上部のバッテリケース42を除く3つのバッテリケース42の前面は、互いに面一とされていることでバッテリボックス41の第一前面41cを形成している。複数のバッテリケース42のうちの最上部のバッテリケース42は、前後方向の寸法が他のバッテリケース42よりも短い。そのため、最上部のバッテリケース42の前面は、下の3つのバッテリケース42の前面よりも後退して配置されている。最上部のバッテリケース42の前面は、バッテリボックス41の第二前面41dとされている。上から二番目のバッテリケース42の前部は、最上部のバッテリケース42が積層されていない。
【0029】
図6に示すように、各バッテリケース42の左側空間S1が連通されることで、バッテリボックス41内に左側収容空間R1が形成されている。各バッテリケース42の右側空間S2が連通されることで、バッテリボックス41内に右側収容空間R2が形成されている。左側収容空間R1と右側収容空間R2とによって、バッテリボックス41内の収容空間Rが構成されている。
【0030】
図2に示すように、バッテリボックス41は、左右一対の後部縦仕切りプレート16上に前後方向にわたって配置されている。バッテリボックス41の一対の側面41aは、それぞれ左右の後部縦仕切りプレート16に沿って配置されている。後部縦仕切りプレート16によってバッテリボックス41は、ベースプレート11の上方に該ベースプレート11に対して間隔をあけて配置されている。これにより、バッテリボックス41とベースプレート11との間には、バッテリボックス41の底部全域にわたって広がる下部空間Lが形成されている。収容空間Rの下端は、全域にわたって下部空間Lに連通している。
【0031】
<バッテリ>
バッテリ43は、複数がバッテリボックス41の内側の収容空間Rに収容されている。
図5~
図7に示すように、バッテリ43は、前後方向、上下方向及び幅方向に延びる箱状をなしている。
図7に示すように、バッテリ43は、各バッテリケース42の右側空間S2及び左側空間S1のそれぞれに、前後方向に一列に配列されている。
図6に示すように、各バッテリ43の下面における幅方向両側の部分は、それぞれ支持プレート42cによって下方から支持されている。即ち、各バッテリ43は、一対の支持プレート42c上にわたるように配置されている。
【0032】
図5及び
図7に示すように、互いに前後方向に隣り合うバッテリ43同士は、前後方向に間隔をあけて配置されている。これにより、これらバッテリ43同士の間には、隙間が形成されている。
図5に示すように、上下に積層されるバッテリケース42の各バッテリ43は、同一の前後方向位置に配置されている。そのため、バッテリ43同士の間の隙間によって、収容空間R内には該収容空間Rの上端と下端とにわたって上下方向に延びる複数の空気流通路Fが形成されている。
【0033】
左側収容空間R1に配置されたバッテリ43は、互いに直列に電気的に接続されている。右側収容空間R2に配置されたバッテリ43は、互いに直列に電気的に接続されている。これにより、本実施形態のバッテリユニット40のバッテリ回路は、左右の2並列回路とされている。
【0034】
<センサボックス>
センサボックス44は、各バッテリケース42の背面からさらに後方に突出するように設けられている。センサボックス44は、幅方向に延びる箱状をなしている。センサボックス44の内部には、各種のセンサ及びコンタクタ等が収容されている。最上部のセンサボックス44には、当該センサボックス44から後方に突出するようにサービスプラグ44aが設けられている。サービスプラグ44aを引き抜くことで、バッテリユニット40のバッテリ回路が遮断される。
バッテリケース42、該バッテリケース42に収容されたバッテリ43及び該バッテーケース42に設けられたセンサボックス44によって、バッテリモジュールが構成されている。バッテリユニット40は、バッテリモジュールを複数段積み重ねることで構成されている。
【0035】
<蓋部>
第一蓋部45a及び第二蓋部45bは、バッテリボックス41内の収容空間Rを上方から閉塞する。第一蓋部45aは、上から二番目のバッテリケース42の前部42d(
図2及び
図3参照)を上方から閉塞している。第二蓋部45bは、最上部のバッテリケース42を上方から閉塞している。第一蓋部45a及び第二蓋部45bには、それぞれ幅方向に間隔をあけて一対の孔部H(
図5参照)が形成されている。
【0036】
<バッテリ用ファン>
バッテリ用ファン46は
図2に示すように、第一蓋部45a及び第二蓋部45bに設けられている。バッテリ用ファン46は、第一蓋部45a及び第二蓋部45bの上面から上方に突出している。バッテリ用ファン46は、バッテリボックス41内の収容空間R内を下方から上方に貫通するように該収容空間R内に空気を流通させる。バッテリ用ファン46は、いわゆるシロッコファンであって、ファン本体46a及びファンカバー46bを有する。
【0037】
ファン本体46aは、
図5及び
図6に示すように、上下方向に延びる軸線回りに回転駆動されるファンであって、第一蓋部45a及び第二蓋部45bの孔部内に設けられている。ファン本体46aは、回転駆動されることで下方から上方に向かって空気を流通させる。
ファンカバー46bは、該ファン本体46aを上方から覆う部材であるとともに、ファン本体46aを通過して上方に向かう空気の流通方向を水平方向に偏向させて排出する。本実施形態では、第一蓋部45aに設けられたバッテリ用ファン46のファンカバー46bは、幅方向外側に向かって空気を排出する。第二蓋部45bに設けられたバッテリ用ファン46のファンカバー46bは、後方に向かって空気を排出する。
【0038】
図5に示すように、ベースプレート11には、該ベースプレート11を上下に貫通するとともに下部空間Lとベースプレート11の下方の空間とを連通させる空気導入孔11aが形成されている。
下部空間Lには、空気導入孔11aの後方側から上部かつ前方側に向かって覆うカバー11bが設けられている。空気導入孔11aは、カバー11bの前部の開口部を介して下部空間Lに連通している。カバー11b内には、下方からの水の浸入を抑制する傾斜板11cが前後方向に間隔をあけて複数設けられている。傾斜板11cは、下方から上方に向かうに従って後方に向かって傾斜して延びている。
【0039】
<前後仕切り壁>
図5に示すように、バッテリユニット40の前方には、該バッテリユニット40が収容された空間と該バッテリユニット40の前方の運転空間80と前後に区画する前後仕切り壁48が設けられている。運転席仕切り壁は、上部壁部48a、水平壁部48b及び下部壁部48cとから構成されている。
【0040】
上部壁部48aは、バッテリボックス41の第二前面41dに対向して上下方向に延びている。
水平壁部48bは、上部壁部48aの下端から第一蓋部45aに対向しながら前方に向かって延びている。水平壁部48bと第一蓋部45aとの間にバッテリ用ファン46が配置されている。
下部壁部48cは、水平壁部48bの前端からバッテリボックス41の第一前面41cに対向しながら下方に向かって延びている。
【0041】
<インバータ>
インバータ36は、
図2から
図4に示すように、バッテリユニット40の第二蓋部45b上に、フレーム状をなすキャリア36aを介して設けられている。インバータ36は、バッテリユニット40から供給される直流電力を交流電力に変換する。
【0042】
<パワーデリバリユニット>
パワーデリバリユニット37は、
図2及び
図4に示すように、バッテリユニット40の右側に設けられている。パワーデリバリユニット37の前面は、門型フレーム20の右側の柱部21の後方側に間隔をあけて配置されている。パワーデリバリユニット37の下端は、ベースプレート11上に固定されている。
【0043】
パワーデリバリユニット37は、バッテリユニット40に充電された直流電力をインバータ36に供給する。即ち、インバータ36には、パワーデリバリユニット37を介してバッテリユニット40からの直流電力が供給される。パワーデリバリユニット37には、コンタクタ、DC-DC変換器及び車載充電器等の各種電気機器が設けられている。
【0044】
<充電口>
充電口38は、
図2から
図5に示すように、バッテリボックス41内の空気の流通方向の下流側(空気の排出側)となるバッテリユニット40の上方に設けられている。充電口38は、インバータ36と同様、バッテリユニット40の第二上面31e上に固定されたキャリア36aに固定されている。充電口38は、センサボックス44の直上に配置されている。充電口38は、普通充電口38a及び急速充電口38bの二つから構成されている。
【0045】
普通充電口38aには、外部から普通充電コネクタが接続される。普通充電コネクタからの電力は、パワーデリバリユニット37の普通充電器及びコンタクタを介してバッテリユニット40に供給される。急速充電口38bには、外部から急速充電コネクタが接続される。急速充電コネクタからの電力は、パワーデリバリユニット37のコンタクタを介してバッテリユニット40に供給される。上記パワーデリバリユニット37によって、バッテリユニット40、インバータ36及び充電口38が電気的に接続されている。
充電口38にいずれかの充電コネクタが接続されることで、バッテリ用ファン46のファン本体46aが駆動するように構成されている。
【0046】
<電動モータ>
電動モータ39は、インバータ36から供給される交流電力によって駆動される。電動モータ39は、
図2及び
図3に示すように、バッテリユニット40の左側に設けられている。電動モータ39は、駆動軸が前後方向に沿うように設けられている。
【0047】
<油圧ポンプ>
油圧ポンプ51は、電動モータ39の駆動軸の回転に伴って駆動されることで、作動油を吐出する。油圧ポンプ51は、
図2に示すように、ベースプレート11上の電動モータ39の前方側であって横仕切りプレート12の前後位置付近に設けられている。油圧ポンプ51は、回転軸が前後方向に沿うように配置されている。
【0048】
図3に示すように、油圧ポンプ51は図示しない支持部に支持されることでベースプレート11の上方に間隔をあけて設けられている。油圧ポンプ51の回転軸の軸線は、電動モータ39の駆動軸の回転軸線と一致するように前後方向に延びている。油圧ポンプ51の回転軸は電動モータ39の駆動軸に接続されている。
【0049】
<油圧バルブ>
油圧バルブ52は、
図2に示すように、ベースプレート11上の前部縦仕切りプレート13の左側かつ横仕切りプレート12の前方側に設けられている。油圧バルブ52は、油圧ポンプ51に接続されている。油圧バルブ52は、油圧ポンプ51から吐出される作動油を各種油圧シリンダ等の油圧機器に分配する。
【0050】
<操作パターン切替部>
操作パターン切替部53は油圧バルブ52に接続されており、メンテナンス作業員によって設定変更されることで、油圧バルブ52による作動油の分配先を変更する。これにより、運転者の各種レバー操作によって可動される油圧シリンダが変更される。その結果、運転者による各種レバー操作の操作パターンを切り替えることができる。
操作パターン切替部53は、
図2に示すように、平面視にて油圧バルブ52の左側(幅方向外側)に配置されている。
【0051】
<旋回モータ>
旋回モータ70は、油圧バルブ52から供給される作動油によって回転駆動される油圧駆動式のモータである。旋回モータ70は、ベースプレート11における一対の前部縦仕切りプレート13の間の位置で、ベースプレート11を貫通するように設けられている。旋回モータ70は回転軸の軸線は上下方向に一致している。旋回モータ70が油圧によって駆動されることで、当該旋回モータ70の駆動力は、図示しないスイングピニオンを介してスイングサークル215に伝達される。これによって、上部旋回体220が下部走行体に対して旋回駆動する。
【0052】
<クーリングユニット>
クーリングユニット61は、
図2に示すように、横仕切りプレート12の前方側、かつ、右側の前部縦仕切りプレートの右側の領域に設けられている。クーリングユニット61は、回転駆動されるクーリングファン62と、ラジエータやオイルクーラを含む熱交換部63と、を有している。
【0053】
<補機バッテリ64>
補機バッテリ64は、
図2に示すように、ベースプレート11上のクーリングユニット61の下方に設けられている。補機バッテリ64は、例えばライトや各種コントローラ等の補機に電力を供給する。補機バッテリ64には、パワーデリバリユニット37のDC-DCコンバータを介して充電が行われる。
オイルタンク65は、
図2に示すように、クーリングユニット61の前方に配置されている。オイルタンク65には、油圧モータに供給される作動油が貯留されている。
【0054】
<プロテクタ>
プロテクタ95は、
図1に示すように、上部旋回体220の後部かつ下部の両角部に幅方向に間隔をあけて一対が設けられている。プロテクタ95は、例えば鋼材等の高強度部材によって形成されている。プロテクタ95は、ベースプレート11の後端の両側の角部に一体に固定されており、上方に向かって延びている。プロテクタ95は、上部旋回体220の旋回時に後部が衝突した場合における衝撃から該上部旋回体220を保護する。
【0055】
<外装カバー>
外装カバー100は、
図1に示すように、上部旋回体220の外形を形成するカバーである。外装カバー100の内側に上部旋回体220の各種機器が収容されている。外装カバー100は、左カバー120、右カバー130及び後部カバー110を有している。
左カバー120は、
図1及び
図2に示すように、外装カバー100の左側部分を形成している。左カバー120は、
図2に示すように、油圧ポンプ51、油圧バルブ52及び操作パターン切替部53を左側から覆っている。
【0056】
右カバー130は、
図1及び
図2に示すように、外装カバー100の右側部分を形成している。右カバー130は、クーリングユニット61、補機バッテリ64及びオイルタンク65を覆っている。右カバー130には、クーリングユニット61に空気を導入するための吸気孔(図示省略)と、クーリングユニット61を通過した空気を排出するための排気孔(図示省略)が形成されている。
【0057】
<後部カバー>
図1及び
図2に示すように、後部カバー110は、外装カバー100の後部を形成している。後部カバー110は、
図2に示すように、バッテリユニット40、インバータ36、パワーデリバリユニット37、充電口38及び電動モータ39を収容するように覆っている。
【0058】
後部カバー110は、
図5に示すように、開閉部111を有している。開閉部111は、後部カバー110における後端かつ上端に当たる部分であって、幅方向中央に設けられている。開閉部111は、後部カバー110の上端で幅方向に沿う回動軸線O回りに回動可能に設けられている。開閉部111は、後方側から見て充電口38に対応する箇所に設けられている。開閉部111は、閉塞位置と開放位置との間で回動可能に設けられている。閉塞位置は、開閉部111が回動軸線Oから下方かつ後方に向かって延びることで充電口38を後部カバー110の外部から隔離する位置である。開放位置は、開閉部111が閉塞位置から上方に向かって回動軸線O回りに回動することで充電口38を後部カバー110の外部に露出させる位置である。後部カバー110は、後方側から見てバッテリユニット40の上方に位置している。開閉部111が閉じたとき、後部カバー110の外形が一体として後部を形成する。
【0059】
<作用効果>
上記構成の電動式油圧ショベル200では、バッテリユニット40のバッテリ43に充電する際、
図5に示すように、後部カバー110の開閉部111を閉塞状態から開放状態とする。これにより、バッテリユニット40上の充電口38が後部カバー110の後方に露出した状態となり、即ち、開放状態の開閉部111によって充電口38へのアクセス口Mが形成される。
そして、充電口38にアクセス口Mを介して外部から充電コネクタを接続することで、バッテリ43への充電が行われる。バッテリ43への充電時には、バッテリ43が発熱するとともにバッテリ43から水素ガスが発生する。そこで本実施系形態では、充電コネクタが充電口38に接続されることで、バッテリ用ファン46のファン本体46aが駆動される。水素ガスを確実に排出させるため、ファン本体46aは充電終了後に所定の時間駆動された後に停止する。
【0060】
これにより、バッテリボックス41内の収容空間R内には、該収容空間Rを下方から上方に向かって該収容空間Rを貫通するように空気が流通する。即ち、ファン本体46aが駆動されると、ベースプレート11に形成された空気導入孔11aを介して下部空間L内に下方から空気が導入される。そして、下部空間L内の空気は、バッテリ43同士の間に形成された各空気流通路Fに入り込み、そのまま上方へと流通していく。そして、収容空間Rの上端に至った空気は、バッテリファン46のファン本体46aを介してバッテリボックス41外に排出される。この際、ファン本体46aを囲うファンカバー46bによって、第一蓋部45a又は第二蓋部45bに沿う水平方向に向かって空気が排出される。そして、バッテリボックス41から排出された空気は、
図5の矢印で示すように該バッテリボックス41の上方の充電口38へのアクセス口を排出口として後部カバー110の後方に排出される。
【0061】
以上のように本実施形態の電動式油圧ショベル200によれば、外装カバーの開閉部111が開放されることで形成される充電口38へのアクセス口を、バッテリ43を冷却した空気や発生した水素ガスの排出口として利用することができる。これによって、外装カバーの内部に熱が留まってしまうことなく、バッテリ43を適切に冷却することができる。
【0062】
ここで外装カバーの後部カバー110によって覆われる上部旋回体220の後方側の領域は、バッテリユニット40等の高電圧の機器が配置されている領域であるため、不用意にアクセスできないように閉塞されていることが好ましい。
本実施形態では、開閉部111を開放させることで形成される充電口38へのアクセス口を空気の排出口として利用することができる。そのため、後部カバー110に別途空気の排出口を形成する必要がなく、バッテリユニット40を外部から適切に隔離することができる。また、充電口38は、充電できるだけの必要最低限の開口面積が確保されれば良い。
したがって、充電時のバッテリ43の冷却を適切に行いながら、高電圧に対する安全性を向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、バッテリ用ファン46は、バッテリボックス41を下方から上方に貫通するように空気を流通させている。仮にバッテリボックス41を幅方向に貫通するように空気を流通させた場合、以下のような不都合が生じる。即ち、バッテリボックス41の幅方向外側には、電動モータ39やパワーデリバリユニット37等の発熱する電気機器が配置されているため、これらを通過した空気がバッテリボックス41内に入り込むことにより、冷却効率を低下させる。
【0064】
本実施形態では、バッテリボックス41内を下方から上方に向かって空気を流通させることで、他の機器に触れていない空気によってバッテリ43を適切に冷却することができる。また、充電口38はバッテリユニット40の上方に設けられており、これに伴って充電口38へのアクセス口となる開閉部111もバッテリユニット40の上方に設けられている。よって、バッテリボックス41内を下方から上方に向かって流通することでバッテリ43から熱を奪った空気を、そのまま充電口38へのアクセス口を介して外部に排出することができる。
【0065】
また、収容空間R内には複数のバッテリ43の配列によって、各バッテリ43の間には収容空間Rの上端及び下端にわたって延びる空気流通路Fが形成されている。このような空気流通路Fを下方から上方に向かって空気が流通することで、各バッテリ43を均一かつ適切に冷却することができる。空気流通路Fは、直線的に延びているため、空気抵抗が少なく、淀みなく空気を流通させることができる。
【0066】
さらに、ベースプレート11に形成された空気導入孔11aに下方から入り込んだ空気は、バッテリユニット40内の収容空間Rに侵入する前に下部空間Lに入り込む。このような下部空間Lに入り込んだ空気がベースプレート11の上面に従って水平方向に広がることで、収容空間Rの下端全域に空気を満遍なく行き渡らせることができる。これにより、各空気流通路Fに均一に空気が入り込むこととなるため、バッテリユニット40全体として水平方向に熱が偏ることなく、適切な冷却を図ることができる。
【0067】
また、バッテリ用ファン46は、収容空間Rを上方から閉塞する蓋部45に固定されているため、該バッテリ用ファン46に対する給電やメンテナンスを、例えばバッテリ用ファン46を下部に置く場合に比べて容易に行うことができる。
さらに、バッテリ用ファン46は、蓋部45の上面に沿う方向に空気を排出している。これにより、バッテリ用ファン46から排出される空気が構造物に衝突することによって圧損が増加してしまうことを抑制できる。よって、空気を円滑に流通させることができる。また、第二蓋部45bに設けられたバッテリ用ファン46から排出される空気が、この上方に位置するインバータ36に直接的に供給されてしまうことを回避できる。
【0068】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0069】
実施形態では、バッテリボックス41内の収容空間Rを下方から上方に向かって貫通するように空気を流通させる構成としたがこれに限定されることはない。例えば、幅方向に貫通するように空気を流通させてもよいし、前方から後方に向かって貫通するように空気を流通させてもよい。この場合、バッテリボックス41における空気の流通方向下流側に充電口38が設けられ、該充電口38に対応して外装カバーの開閉部111が設けられていればよい。
また、バッテリボックス41内の収容空間Rの空気の貫通方向に応じて、バッテリ43同士の間に当該貫通方向に延びる空気流通路Fが形成されていればよい。
【0070】
実施形態では、電動式建設機械の例として、電動式油圧ショベル200について説明したがこれに限定されることはない。例えば作業機221等の駆動も全て電動で行う電動式ショベル、さらにはケーブルを介して外部から電力が供給される電動式油圧ショベルに本発明を適用してもよい。また、他の電動式建設機械に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0071】
10…旋回フレーム、11…ベースプレート、11a…空気導入孔、11b…カバー、11c…傾斜板、12…横仕切りプレート、13…前部縦仕切りプレート、14…前部補強プレート、15…ブラケット、16…後部縦仕切りプレート、20…門型フレーム、21…柱部、22…梁部、36…インバータ、36a…キャリア、37…パワーデリバリユニット、38…充電口、39…電動モータ、40…バッテリユニット、41…バッテリボックス、41a…側面、41b…背面、41c…第一前面、41d…第二前面、42…バッテリケース、42a…枠体、42b…縦仕切り壁、42c…支持プレート、43…バッテリ、44…センサボックス、44a…サービスプラグ、45a…第一蓋部、45b…第二蓋部、46…バッテリ用ファン、46a…ファン本体、46b…ファンカバー、48…前後仕切り壁、48a…上部壁部、48b…水平壁部、48c…下部壁部、51…油圧ポンプ、52…油圧バルブ、53…操作パターン切替部、61…クーリングユニット、62…クーリングファン、63…熱交換部、64…補機バッテリ64、65…オイルタンク、70…旋回モータ、80…運転空間、81…フロアパネル、84…運転席、90…キャノピー、95…プロテクタ、100…外装カバー、110…後部カバー、111…開閉部、120…左カバー、130…右カバー、200…電動式油圧ショベル、210…下部走行体、211…履帯、212…ブレード、215…スイングサークル、220…上部旋回体、221…作業機、222…ブーム、223…アーム、224…バケット、S1…左側空間、S2…右側空間、R…収容空間、R1…左側収容空間、R2…右側収容空間、F…空気流通路、L…下部空間、O…回動軸線