(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 5/30 20060101AFI20221012BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20221012BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B41J5/30 C
B41J21/00 A
G06T1/00 510
(21)【出願番号】P 2018218260
(22)【出願日】2018-11-21
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】中谷 晋也
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-036929(JP,A)
【文献】特開2008-179120(JP,A)
【文献】特開2008-301379(JP,A)
【文献】特開2014-210384(JP,A)
【文献】特開2009-187271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 5/30
B41J 21/00
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の色
の版を用いて印刷処理毎に共通するフォームデータに対応するフォームデータ用版画像を形成し、前記任意の色
の版以外の色
の版を用いて印刷処理毎に異なるバリアブルデータに対応するバリアブルデータ用版画像を形成する画像形成部と、
前記フォームデータ用版画像と前記バリアブルデータ用版画像とを画像合成する画像合成部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部は、
前記バリアブルデータの色を得ている場合、前記バリアブルデータの色
の版以外の色
の版を用いて前記フォームデータ用版画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記フォームデータに前記バリアブルデータ
の版の色と同じ色の画素数が閾値以上含まれる場合に前記バリアブルデータ
の版の色を前記フォームデータ用版画像に用いるか否かのユーザ設定を受け付ける受付部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの画像を合成するフォーム合成処理を行う印刷装置が存在する(特許文献1)。この印刷装置は、一般に、印刷処理毎に共通するフォームデータについてフォームデータ用版画像を予め形成しておき、印刷処理毎に異なるバリアブルデータに対応するバリアブルデータ用版画像を形成する毎にフォームデータ用版画像と画像合成処理を行い、その画像合成処理に基づく1つの版画像を用いて印刷処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷装置は、フォームデータ用版画像とバリアブルデータ用版画像とを同じ色を用いて形成するため、画像合成処理を行う際に、画素毎に同一色の使用の有無を確認する処理や同一色の使用率を調整する処理を実行しなければならず、画像合成処理に過大な処理負荷がかかる。一般に、フォームデータ用版画像とバリアブルデータ用版画像とはいずれもCMYK版を用いて形成されるので、A4サイズで300pdiの場合、「2480ピクセル×3508ピクセル×CMYKの4色」分の膨大な画素を確認しなければならない。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、フォームデータ用版画像とバリアブルデータ用版画像との画像合成処理に要する処理負荷を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、任意の色を用いて印刷処理毎に共通するフォームデータに対応するフォームデータ用版画像を形成し、前記任意の色以外の色を用いて印刷処理毎に異なるバリアブルデータに対応するバリアブルデータ用版画像を形成する画像形成部と、前記フォームデータ用版画像と前記バリアブルデータ用版画像とを画像合成する画像合成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フォームデータ用版画像とバリアブルデータ用版画像との画像合成処理に要する処理負荷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】印刷装置の機能ブロック構成を示す図である。
【
図2】フォームデータ用版画像の形成処理フロー(処理例1)を示す図である。
【
図3】フォームデータ用版画像の形成処理フロー(処理例2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る印刷装置1の機能ブロック構成を示す図である。印刷装置1は、
図1に示すように、主として、受信部11と、画像形成部12と、受付部13と、画像合成部14と、印刷部15と、記憶部16と、を備えて構成される。
【0011】
受信部11は、印刷対象データの印刷ジョブを受信する機能を備える。具体的には、受信部11は、印刷処理毎に共通するフォームデータを印刷するためのフォームデータジョブと、印刷処理毎に異なるバリアブルデータを印刷するためのバリアブルデータジョブと、を受信する。印刷対象データとは、例えば、はがき表面の画像データである。この場合、フォームデータとは、郵便番号枠等であり、バリアブルデータとは、郵便番号、住所、名前等である。
【0012】
画像形成部12は、印刷装置1で使用可能なカラーインクの複数の色のうち、任意の色を用いてフォームデータに対応するフォームデータ用版画像を形成する機能を備える。特に、画像形成部12は、バリアブルデータの色を得ている場合、そのバリアブルデータの色以外の色を用いてフォームデータ用版画像を形成する。また、画像形成部12は、印刷装置1で使用可能なカラーインクの複数の色のうち、上記任意の色以外の色を用いてバリアブルデータに対応するバリアブルデータ用版画像を形成する機能を備える。
【0013】
受付部13は、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色の画素数が閾値以上含まれる場合に当該バリアブルデータの色をフォームデータ用版画像に用いるか否かのユーザ設定を受け付ける機能を備える。
【0014】
画像合成部14は、フォームデータ用版画像とバリアブルデータ用版画像とを組み合わせて画像合成処理を行う機能を備える。
【0015】
印刷部15と、画像合成処理に基づき形成された1つの版画像を用いて印刷処理を行う機能を備える。
【0016】
記憶部16は、印刷装置1が画像合成処理や印刷処理等を行う際に扱う種々のデータを読み出し可能に記憶する機能を備える。例えば、記憶部16は、画像形成部12が形成したフォームデータ用版画像、受付部13が受け付けたユーザ設定等を記憶する。
【0017】
次に、
図2~
図5を参照しながら、印刷装置1の動作について説明する。
図2は、フォームデータ用版画像の形成処理フロー(処理例1)を示す図である。
図3は、フォームデータ用版画像の形成処理フロー(処理例2)を示す図である。
図4は、画像合成処理の処理フローを示す図である。
図5は、各版画像のイメージを示す図である。なお、印刷装置1で使用するカラーインクは、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色モデルであるとする。
【0018】
まず、
図2を用いて、フォームデータ用版画像の形成処理(処理例1)について説明する。
【0019】
ステップS101;
まず、受信部11は、クライアント端末から、印刷対象データに含まれるフォームデータを印刷するためのフォームデータジョブを受信する。
【0020】
ステップS102;
次に、画像形成部12は、フォームデータを印刷可能にするため、フォームデータをラスタデータに変換するRIP(Raster Image Processor)処理を行い、フォームデータの色を再現するために画素毎の各色インクの使用率をそれぞれ決定する色変換処理を行う。
【0021】
具体的には、画像形成部12は、クライアント端末から別途受信するバリアブルデータの色を予め取得している場合、そのバリアブルデータの色以外の色を用いて色変換処理を行う。バリアブルデータの色を予め取得していない場合、バリアブルデータジョブを受信していない場合でも、クライアント端末でユーザがバリアブルデータの色を指定している場合には、画像形成部12は、指定されたバリアブルデータの色以外の色を用いて色変換処理を行う。
【0022】
一般に、バリアブルデータは文字であり黒の色が使用されていることから、画像形成部12は、フォームデータについては、K版を除外してCMY版のみを用いて色変換処理を行う。その後、画像形成部12は、RIP処理及び色変換処理により形成されたCMY版の画像をフォームデータ用版画像PF1(
図5参照)として記憶部16に格納しておく。
【0023】
ステップS103;
次に、画像形成部12は、従来と同様に、CMYK版を用いてフォームデータのRIP処理及び色変換処理を行い、それらの処理により形成されたCMYK版の画像をフォームデータ用版画像PF2(
図5参照)として記憶部16に格納しておく。
【0024】
以上の処理により、CMYK版のフォームデータ用版画像PF2に加え、CMY版のみのフォームデータ用版画像PF1も記憶部16に格納される。なお、ステップS102は、ステップS103と同時又はステップS103の後に実行してもよい。
【0025】
次に、
図3を用いて、フォームデータ用版画像の形成処理(処理例2)について説明する。
【0026】
処理例1の場合、バリアブルデータの色以外の色を用いてフォームデータ用版画像を形成するので、フォームデータの一部にバリアブルデータの色と同じ色が含まれる場合、当該同じ色はフォームデータ用版画像から欠落してしまう。
【0027】
この点、フォームデータにおいてバリアブルデータの色と同じ色の画素数が比較的高い場合、当該同じ色の再現性を確実に高めるためには、当該同じ色をフォームデータ用版画像に残す方が好ましいと考えられる。ただし、当該同じ色を残したフォームデータ用版画像で後述する画像合成処理を行う場合、上記課題で説明したように画素毎に同じ色の使用の有無を確認する処理等を必要とするので、画像合成処理に要する処理負荷の低減に制限がかかる。
【0028】
そこで、処理例2では、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色の画素数が閾値以上含まれる場合に当該バリアブルデータの色をフォームデータ用版画像に残すか否かの判断をユーザに委ねてユーザ設定可能にし、ユーザが許容する場合(つまり、印刷処理速度よりも色品質を優先する場合)にバリアブルデータの色と同じ色をフォームデータ用版画像に残すようにする。以下、処理例2について説明する。
【0029】
ステップS201;
まず、受付部13は、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色の画素数が閾値以上含まれる場合にバリアブルデータの色をフォームデータ用版画像に残すか否かのユーザ設定を受け付けて記憶部16に格納しておく。
【0030】
例えば、印刷装置1は、クライアント端末に表示される印刷用のプロパティ画面内に、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色の画素数が閾値以上含まれる場合にバリアブルデータの色をフォームデータに残すか否かの各ラジオボタンを表示してユーザに選択させる。ユーザがいずれかのラジオボタンを選択して画面内のOKボタンを押し下げると、当該選択結果を含むユーザ設定が印刷装置1に送信され、受付部13は、クライアント端末からの当該ユーザ設定を受け付けて記憶部16に格納する。
【0031】
ステップS202;
次に、受信部11は、クライアント端末から、フォームデータジョブとバリアブルデータジョブを受信する。
【0032】
ステップS203;
次に、画像形成部12は、フォームデータとバリアブルデータでそれぞれ使用されている色を確認し、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色が含まれる場合、ステップS204へ進む。一方、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色が含まれていない場合、処理例1で説明したステップS102,S103の処理を行う。処理例2では、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色が含まれる場合について着目するので、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色が含まれていない場合の具体的な説明は省略する。
【0033】
ステップS204;
次に、画像形成部12は、記憶部16からユーザ設定を取得して、当該ユーザ設定の内容より、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色の画素数が閾値以上含まれる場合にバリアブルデータの色をフォームデータ用版画像に残すユーザ設定Aであるか、当該同じ色の画素数が閾値以上含まれる場合であってもバリアブルデータの色をフォームデータ用版画像に残さないユーザ設定Bであるか、を判定する。ユーザ設定Aの場合、ステップS205へ進み、ユーザ設定Bの場合、ステップS208へ進む。なお、閾値は、任意に変更可能に設定可能であり、色毎に設定可能である。
【0034】
ステップS205,S206;
ユーザ設定Aの場合、画像形成部12は、バリアブルデータの色と同じ色の画素数をフォームデータから算出する。例えば、バリアブルデータが黒色の場合、フォームデータにおける黒色の画素数をカウントする。そして、画像形成部12は、算出した画素数が閾値以上であるか否か判定し、閾値以上の場合、ステップS207へ進み、閾値未満の場合、ステップS208へ進む。
【0035】
ステップS207;
ユーザ設定Aであり、かつ、フォームデータにおいてバリアブルデータの色と同じ色の画素数が閾値以上である場合、画像形成部12は、バリアブルデータの色と同じ色を含めてフォームデータ用版画像を形成し、記憶部16に格納する。例えば、バリアブルデータが黒色の場合、K版を含むCMYK版を用いてフォームデータ用版画像PF2(
図5参照)を形成する。
【0036】
ステップS208;
一方、ユーザ設定Bの場合、又は、フォームデータにおけるバリアブルデータの色と同じ色の画素数が閾値未満である場合、バリアブルデータの色と同じ色を除いてフォームデータ用版画像を形成し、記憶部16に格納する。例えば、バリアブルデータが黒色の場合、K版を除外してCMY版のみを用いてフォームデータ用版画像PF1(
図5参照)を形成する。
【0037】
次に、
図4を用いて、画像合成処理について説明する。
【0038】
ステップS301;
まず、受信部11は、クライアント端末から、印刷対象データに含まれるバリアブルデータを印刷するためのバリアブルデータジョブを受信する。
【0039】
ステップS302;
次に、画像形成部12は、バリアブルデータの色が黒であるかカラーであるかを判定する。バリアブルデータの色が黒の場合、ステップS303へ進み、バリアブルデータの色がカラーの場合、ステップS305へ進む。
【0040】
ステップS303;
次に、画像形成部12は、バリアブルデータを印刷可能にするため、RIP処理を行い、バリアブルデータの色を再現するために画素毎の各色インクの使用率をそれぞれ決定する色変換処理を行う。ここでは、バリアブルデータの色は黒と判定されているので、画像形成部12は、K版のみを用いて色変換処理を行うことにより、K版のバリアブルデータ用版画像PV1(
図5参照)を形成する。
【0041】
ステップS304;
ステップS303の後、画像合成部14は、記憶部16からCMY版のフォームデータ用版画像PF1を取得し、K版のバリアブルデータ用版画像PV1と組み合わせる画像合成処理を行う。これにより、印刷対象データに対応する1つの版画像P(
図5参照)が形成される。フォームデータ用版画像PF1とバリアブルデータ用版画像PV1とは、互いに異なる色を用いて形成されているので、画像合成処理を行う際に、画素毎に同一色の使用の有無を確認する処理や同一色の使用率を調整する処理を行う必要はなく、単純な重畳処理を行うことで版画像Pを形成できる。従い、画像合成処理を高速に行うことができる。
【0042】
ステップS305;
一方、ステップS302でバリアブルデータの色がカラーであると判定された場合、画像形成部12は、CMYK版を用いてバリアブルデータのRIP処理及び色変換処理を行うことにより、CMYK版のバリアブルデータ用版画像PV2(
図5参照)を形成する。
【0043】
ステップS306;
ステップS305の後、画像合成部14は、記憶部16からCMYK版のフォームデータ用版画像PF2を取得し、CMYK版のバリアブルデータ用版画像PV2と画像合成処理を行う。フォームデータ用版画像PF2とバリアブルデータ用版画像PV2とは、互いに同じ色を用いて形成されているので、画像合成処理を行う際に、画素毎に同一色の使用の有無を確認する処理や同一色の使用率を調整する処理が行われる。
【0044】
ステップS307;
最後に、印刷部15は、ステップS304又はステップS306で画像合成された版画像を用いて印刷する。
【0045】
本実施の形態によれば、印刷装置1は、CMY版のフォームデータ用版画像PF1を形成し、K版のバリアブルデータ用版画像PV1を形成するので、つまり、フォームデータ用版画像PF1とバリアブルデータ用版画像PV1とを異なる色を用いて形成するので、フォームデータ用版画像PF1とバリアブルデータ用版画像PV1とを組み合わせることで画像合成処理を行うことが可能となる。従い、画像合成処理に要する処理負荷を低減でき、画像合成処理を高速に行うことができる。
【0046】
本実施の形態によれば、印刷装置1は、バリアブルデータの色を得ている場合、バリアブルデータの色以外の色を用いてフォームデータ用版画像PF1を形成するので、バリアブルデータの受信前にフォームデータ用版画像PF1を予め形成して格納しておくことが可能となり、画像合成処理時の処理負荷を低減でき、画像合成処理をより高速に行うことができる。
【0047】
本実施の形態によれば、印刷装置1は、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色の画素数が閾値以上含まれる場合にバリアブルデータの色をフォームデータ用版画像に用いるか否かのユーザ設定を受け付けるので、ユーザ設定に応じ、フォームデータにバリアブルデータの色と同じ色の画素数が閾値以上含まれる場合、当該バリアブルデータの色を残してフォームデータ用版画像を形成し、又は、当該バリアブルデータの色を除いてフォームデータ用版画像を形成することができる。特に、バリアブルデータの色を残してフォームデータ用版画像を形成する場合、フォームデータ用版画像から画像が欠落することを防止できる。
【0048】
(変形例1)
フォームデータ用版画像PFとバリアブルデータ用版画像PVとをそれぞれ形成する色の組み合わせは任意である。例えば、印刷装置1は、K版を用いてフォームデータ用版画像PFを形成し、CMY版を用いてバリアブルデータ用版画像PVを形成してもよい。フォームデータ用版画像PFとバリアブルデータ用版画像PVとが互いに異なる色を用いて形成されていれば、同一の効果を得ることができる。
【0049】
(変形例2)
印刷装置1で使用するカラーインクは、4色モデル以外でもよい。例えば、印刷装置1は、CMYK+G(グレー)の5色モデルのカラーインクを用いてもよい。この場合、印刷装置1は、5色のうちCMY+Gを用いてフォームデータ用版画像PFを形成することが好ましい。CMYのみを用いても黒色を表現可能であるが、その黒色の濃度は真黒よりもやや薄い。そこで、Gを用いることにより、フォームデータの黒成分を強化する。このように色の再現性を高めるという更なる効果を得るには、単色又は表現可能色を補助するための補助色を用いることが好ましい。また、5色目にレッド(R)を採用して、K+Rを用いてバリアブルデータ用版画像PV1を形成してもよい。これにより、バリアブルデータの2色化が可能となる。
【0050】
(変形例3)
印刷装置1は、印刷対象データの印刷ジョブを受信し、印刷装置1の内部でフォームデータとバリアブルデータとに分割する処理してもよい。
【0051】
(変形例4)
印刷装置1は、原稿台ガラスに載置された印刷対象データの紙原稿をスキャン装置で読み取り、読み取った画像データを用いてフォームデータ用版画像PFとバリアブルデータ用版画像PVとを形成してもよい。この場合、紙原稿の色はRGBで表現されているので、色変換処理時にRGBをCMYKに変換する処理を行う。
【0052】
最後に、本実施の形態で説明した印刷装置1は、メモリ、CPU、入出力インタフェース、通信インタフェース、イメージスキャナ、記録紙搬送機構、印刷機構等を備えた印刷装置を用いて実現可能である。また、印刷装置1は、画像形成装置の例である。印刷装置1に付随する封入封緘装置等についても対象装置に含めることができる。
【0053】
<付記>
本出願は、以下の発明を開示する。
【0054】
(付記1)
任意の色を用いて印刷処理毎に共通するフォームデータに対応するフォームデータ用版画像を形成し、前記任意の色以外の色を用いて印刷処理毎に異なるバリアブルデータに対応するバリアブルデータ用版画像を形成する画像形成部と、
前記フォームデータ用版画像と前記バリアブルデータ用版画像とを画像合成する画像合成部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【0055】
(付記2)
前記画像形成部は、
前記バリアブルデータの色を得ている場合、前記バリアブルデータの色以外の色を用いて前記フォームデータ用版画像を形成することを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
【0056】
(付記3)
前記フォームデータに前記バリアブルデータの色と同じ色の画素数が閾値以上含まれる場合に前記バリアブルデータの色を前記フォームデータ用版画像に用いるか否かのユーザ設定を受け付ける受付部を更に備えることを特徴とする付記2に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0057】
1…印刷装置
11…受信部
12…画像形成部
13…受付部
14…画像合成部
15…印刷部
16…記憶部