(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】物品の配送方法及び配送情報処理システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20221012BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20221012BHJP
G06Q 10/08 20120101ALI20221012BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G61/00 550
G06Q10/08 300
(21)【出願番号】P 2018236400
(22)【出願日】2018-12-18
【審査請求日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2017243820
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】305062549
【氏名又は名称】ヤマト運輸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 靖
(72)【発明者】
【氏名】川口 翔平
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-225926(JP,A)
【文献】特開2017-165517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 61/00
G06Q 10/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を移動体に積載して受取人へ配送する方法において、
物品の取り扱い拠点に自動倉庫設備を配置し、
取り扱い拠点に移送された前記物品を自動倉庫設備に入庫して保管するとともに、
自動倉庫設備の作動を制御する制御手段に、少なくとも物品の配送先に関する情報と前記移動体の物品配送ルートに関する情報を入力し、
前記自動倉庫設備に保管された複数の物品のうち、同一の物品配送ルートに沿って配送される物品を自動倉庫設備の送り出し口へと移送し、
前記送り出し口に移送された物品を同一の運搬用ユニットに積み入れ、
この物品が積み入れられたユニットを、前記配送ルートを運行する移動体に積み込んで受取人への物品の配送に供することを特徴とする物品の配送方法。
【請求項2】
物品配送ルート内における所定の配送順序に沿って自動倉庫設備の送り出し口に物品が移送され、移送されてきた順に物品をユニットに積み入れる処理がなされることを特徴とする請求項1に記載の物品の配送方法。
【請求項3】
自動倉庫設備の送り出し口に移送されてきた順に、物品をユニットの底板上に段積みし、又は棚板で収容空間が仕切られたユニットでは、物品を下側の収容空間から上側の収容空間に若しくはその逆順で順次積み入れる処理がなされることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品の配送方法。
【請求項4】
依頼人が発送する物品を受け入れるエリア拠点の情報処理端末、物品の集積・集約拠点の情報処理端末、受取人に物品を配達するエリア拠点の情報処理端末及び集配作業者が携行する情報処理端末を、通信回線を介して配送情報処理装置に接続するとともに、前記集積・集約拠点の情報処理端末と当該拠点に設置された自動倉庫設備を、通信回線を介して接続し、これら各端末と前記設備、配送情報処理装置との間で物品の配送に関する情報を処理して、依頼人から出された物品を受け入れエリア拠点から集積・集約拠点を経由して配達エリア拠点に移送し、当該移送された物品を移動体に積み込んで受取人に配達する物品の配送方法において、
依頼人の情報処理端末又は集配作業者が携行する情報処理端末から、物品に付与される管理番号や物品の届け先に関する情報、配達希望日時を含む配送情報が配送情報処理装置に送信されて配送情報処理装置がその記憶装置に登録するステップと、
配達エリア拠点の情報処理端末から、当該エリア拠点が備える移動体の担当地域情報とその移動体に積載される物品運搬用のユニットに関する情報が配送情報処理装置に送信されて配送情報処理装置がその記憶装置に登録するステップと、
集積・集約拠点の自動倉庫設備が、受け入れエリア拠点から移送されてきた物品をその前記管理番号を読み込んで受け入れるとともに、配送情報処理装置から前記管理番号に対応した物品の仕分け情報を受信するステップと、
集積・集約拠点の自動倉庫設備が、前記仕分け情報に基づいて前記受け入れた物品を、配達エリア拠点の移動体に積載される前記ユニット毎で当該ユニットに積み込む物品をその送り出し口に移送するステップと、
を含み、前記送り出し口に移送された物品をユニットに積み込み、これを集積・集約拠点から配達エリア拠点に移送し、当該エリア拠点の移動体に積み込んで受取人への配送に供することを特徴とする物品の配送方法。
【請求項5】
前記配達エリア拠点が物品の集配を管轄する地域内における移動体の担当地域情報を、当該エリア拠点の情報処理端末から配送情報処理装置に送信して配送情報処理装置の記憶装置に登録するステップと、
前記配達エリア拠点に配備されている移動体の識別コードを含む当該移動体に関する情報とその移動体に積載される物品運搬用のユニットに関する情報を紐付けして、当該エリア拠点の情報処理端末から配送情報処理装置に送信して前記記憶装置に登録するステップと、
前記配達エリア拠点の前記担当地域情報に沿って運行する移動体に関する情報をその担当地域情報と紐付けして、当該エリア拠点の情報処理端末から配送情報処理装置に送信して前記記憶装置に登録するステップと、
前記登録された担当地域情報、積載するユニットに関する情報と紐付けした移動体に関する情報及び前記担当地域情報に紐付けした移動体に関する情報を含む物品の仕分け情報を、配送情報処理装置から集積・集約拠点の情報処理端末を経由して自動倉庫設備の記憶部に登録するステップと、
物品の集荷にあたり少なくともその物品に付与された管理番号と届け先に関する情報を含む配送情報を前記依頼人の情報処理端末、集配作業者が携行する情報処理端末又は受け入れエリア拠点の情報処理端末から配送情報処理装置に送信して前記記憶装置に登録するステップと、
前記受け入れエリア拠点から集積・集約拠点に移送された物品を前記自動倉庫設備の受け入れ口に投入するときに、投入された物品の管理番号を自動倉庫設備が取り込み、取り込んだ前記情報を集積・集約拠点の情報処理端末を経由して配送情報処理装置に送信するステップと、
配送情報処理装置が前記受信した物品の管理番号の情報に基づいて、その物品の配送に用いる物品仕分け情報を特定し、集積・集約拠点の情報処理端末を経由して自動倉庫設備に送信して自動倉庫設備の記憶部に登録するステップと、
前記自動倉庫設備が、前記投入された物品の体積及び/又は重量を計測し、計測した体積及び/又は重量の情報とその物品の情報を前記取り込んだ管理番号に紐付けして記憶部に登録するステップと、
前記自動倉庫設備が、前記物品の仕分け情報と物品の届け先情報に基づいて、配達エリア拠点で同一の移動体に載せて配達される物品を割り出し、それら物品の総体積と移動体に積載されるユニット毎に設定された容積を比較し、総体積がユニット毎に設定された容積一杯になったとき、又は同一の移動体に載せて配達される物品が自動倉庫設備に保管されているときに、該当の各物品を予め設定した条件に基づいて、所定の順で自動倉庫設備の送り出し口に移送するステップと、
前記送り出し口まで移送された物品を到着順にユニットに積み入れて収納し、収納完了後、前記ユニットの識別情報を自動倉庫設備が取り込むことで、自動倉庫設備が前記送り出し口に移送した各物品の管理番号や移動体の情報、これらの識別マークを含む物品明細を表示した貼り札を発行するステップと、
前記配達エリア拠点において、集積・集約拠点から移送された物品が積載されたユニットを移動体に積み込む際に、そのユニットに添付された貼り札に表示された識別マークを集配作業者が携行する情報処理端末が読み込み、読み込んだ情報を配送情報処理装置に送信し、前記記憶装置に配送情報として物品の管理番号に紐付けして登録するステップと、
前記物品が積載された移動体を当該移動体の担当地域情報に沿って運行し、受取人に物品を配達するステップと、を少なくとも備えることを特徴とする請求項4に記載の物品の配送方法。
【請求項6】
配送情報処理装置から集配作業者が携行する情報処理端末に、ユニットに積載されて配達エリア拠点の移動体に積み込まれた物品の管理番号とその届け先に関する情報が送信されて、当該情報処理端末に表示出力されることを特徴とする請求項4又は5に記載の物品の配送方法。
【請求項7】
移動体を担当地域情報に沿って運行しながら、ユニット内に積み入れて収納された物品の内、当該ユニット内の物品収容空間の上部側に積まれた物品から順次配達することを特徴とする請求項4から6の何れかに記載の物品の配送方法。
【請求項8】
自動倉庫設備がユニットの識別情報を取り込むことで貼り札を発行するステップと、ユニットに添付された貼り札に表示された識別マークを集配作業者が携行する情報処理端末が読み込むステップに代えて、
集積・集約拠点において自動倉庫設備がユニットの識別情報を取り込むことで自動倉庫設備が送り出し口に移送した各物品の管理番号や移動体の情報を含む物品明細情報をユニットに装着される記憶媒体に登録するステップと、
配達エリア拠点において移動体にユニットを積み込む際にそのユニットに装着された記憶媒体に登録された情報が、集配作業者が携行する情報処理端末又は当該エリア拠点の情報処理端末に取り込まれて配送情報処理装置に送信され、配送情報として物品の管理番号に紐付けして前記記憶装置に登録されるステップと、を備えることを特徴とする請求項4から7の何れかに記載の物品の配送方法。
【請求項9】
依頼人が発送する物品を受け入れるエリア拠点の情報処理端末、物品の集積・集約拠点の情報処理端末、受取人に物品を配達するエリア拠点の情報処理端末及び集配作業者が携行する情報処理端末を、通信回線を介して配送情報処理装置に接続するとともに、前記集積・集約拠点の情報処理端末と当該拠点に設置された自動倉庫設備を、通信回線を介して接続し、これら各端末と前記設備、配送情報処理装置との間で物品の配送に関する情報を処理して、依頼人から出された物品を受け入れエリア拠点から集積・集約拠点を経由して配達エリア拠点に移送し、移動体に積み込んで受取人に配達するための配送情報処理システムにおいて、
前記配達エリア拠点が物品の集配を管轄する地域内におけるユニットの担当地域情報の入力を配送情報処理装置が受け付けてその記憶装置に登録する手段と、
前記配達エリア拠点に配備されている移動体の識別コードを含む移動体に関する情報とこれに紐付けされたその移動体に積載される物品運搬用のユニットに関する情報の入力を配送情報処理装置が受け付けて前記記憶装置に登録する手段と、
前記配達エリア拠点の前記担当地域情報に沿って運行する移動体に関する情報の入力を配送情報処理装置が受け付けて前記担当地域情報と紐付けして前記記憶装置に登録する手段と、
前記登録された担当地域情報、積載するユニットに関する情報と紐付けした移動体に関する情報及び前記担当地域情報に紐付けした移動体に関する情報を含む物品の仕分け情報を、配送情報処理装置が集積・集約拠点の情報処理端末に送信し、当該情報処理端末を経由して自動倉庫設備の記憶部に登録する手段と、
物品の集荷にあたり少なくともその物品に付与される管理番号と届け先に関する情報を含む配送情報の入力を配送情報処理装置が受け付けて前記記憶装置に登録する手段と、
前記受け入れエリア拠点から集積・集約拠点に移送された物品を前記自動倉庫設備の受け入れ口に投入するとき、自動倉庫設備が投入された物品の管理番号を取り込み、取り込んだ前記情報を集積・集約拠点の情報処理端末を経由して配送情報処理装置に送信する手段と、
配送情報処理装置が前記受信した物品の管理番号の情報に基づいて、その物品の配送に用いる物品仕分け情報を特定し、集積・集約拠点の情報処理端末を経由して自動倉庫設備に送信して自動倉庫設備の記憶部に登録する手段と、
前記自動倉庫設備が、前記投入された物品の体積及び/又は重量を計測し、計測した体積及び/又は重量の情報とその物品の情報を前記取り込んだ管理番号に紐付けして記憶部に登録する手段と、
配達エリア拠点で同一の移動体に載せて配達される物品を割り出し、それら物品の総体積と移動体に積載されるユニット毎に設定された容積を比較し、総体積がユニット毎に設定された容積一杯になったとき、又は同一の移動体に載せて配達される物品がすべて自動倉庫設備に保管されているときに、該当の各物品を所定の順で自動倉庫設備の送り出し口に移送する手段と、
前記送り出し口まで移送された物品を到着順にユニットに積み入れて収納し、収納完了後、前記ユニットの識別情報を自動倉庫設備が取り込むことで、自動倉庫設備が前記送り出し口に移送した各物品の管理番号や移動体の情報、これらの識別マークを含む物品明細を表示した貼り札を発行する手段と、
前記配達エリア拠点において、集積・集約拠点から移送された物品が積載されたユニットを移動体に積み込む際に、そのユニットに添付された貼り札に表示された識別マークを集配作業者が携行する情報処理端末が読み込み、読み込んだ情報を配送情報処理装置に送信し、前記記憶装置に配送情報として物品の管理番号に紐付けして登録する手段と、
を少なくとも備えることを特徴とする物品の配送情報処理システム。
【請求項10】
配送情報処理装置から集配作業者が携行する情報処理端末に、ユニットに積載されて配達エリア拠点の移動体に積み込まれた物品の管理番号とその届け先に関する情報を送信する手段と、当該情報処理端末が受信した前記情報を表示出力する手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の物品の配送情報処理システム。
【請求項11】
自動倉庫設備がユニットの識別情報を取り込むことで貼り札を発行するステップと、ユニットに添付された貼り札に表示された識別マークを集配作業者が携行する情報処理端末が読み込む手段に代えて、
集積・集約拠点において自動倉庫設備がユニットの識別情報を取り込むことで自動倉庫設備が送り出し口に移送した各物品の管理番号や移動体の情報を含む物品明細情報をユニットに装着される記憶媒体に登録する手段と、
配達エリア拠点において移動体にユニットを積み込む際にそのユニットに装着された記憶媒体に登録された情報を、集配作業者が携行する情報処理端末又は当該エリア拠点の情報処理端末に取り込んで配送情報処理装置に送信し、配送情報として物品の管理番号に紐付けして前記記憶装置に登録する手段と、を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の物品の配送情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を依頼人から受取人まで配送するにあたり、ベース店やターミナル、ハブセンターなどと呼ばれる物品の集積・集約拠点に自動倉庫設備を導入することで、主として配達を担当するエリア拠点における物品の仕分け作業や配達に利用する移動体への積載作業などの、物品の配送に関わる作業の効率化を図った配送方法とその情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に宅配業者における荷物の配送は、依頼人から預かった荷物を集荷店である営業所に集め、これをその営業所が属する地域の荷物の集積・集約拠点に送り、荷物の配達先が遠方の場合はその配達先の地域の集積・集約拠点へと送り、集積・集約拠点において管轄地域内の配達を担当する営業所毎に荷物を仕分けた後、仕分けされた荷物を前記配達担当の営業所に送り、さらにその営業所において管轄地域内を区分けした配送ルート別に荷物を仕分け、仕分けた荷物を配送車両に積載して受取人宅へと配達する処理を経て行われる。
【0003】
前記集積・集約拠点における荷物の仕分けは、地域内の集荷営業所や別の集積・集約拠点から送られてきた荷物を自動仕分け機に供給して行き先別に設定されたシュートコンベアへと移送し、移送されてきた物品を仕分けるために付与された数字や記号、マークなどの仕分けコード(以下、単に「仕分けコード」という。)や、物品に貼られた配送伝票の届け先の記載を仕分け作業者が目視により確認して、シュートコンベアの脇に配置された任意のグループ別のロールボックスパレット(以下、単に「パレット」ともいう。)のうち、その荷物の配達を受け持つ営業所のパレットに荷物を積み込んで行っている。この場合に、シュートコンベアに荷物が移送されてきた順にパレットに積み込むようにしているため、例えば複数の比較的小さな荷物を積み込んだ後に嵩張った荷物や重い荷物をパレットに積み込むとき、或いはパレットへの積み付けが悪いときなどには、積み込み済みの荷物を一旦パレットの外に取り出し、後から移送されてきた荷物をパレットに積み込んでから再び積み込むなどの積み直し操作が必要となることがあり、パレットへの荷物の積み込みに手間取ることがあった。また、繁忙期などの配送する荷物が多量にあるときには、仕分け作業者がシュートコンベアに移送されてきた荷物を取り違えて、配達を受け持つ営業所のパレットとは別の営業所のパレットに荷物を積み込んでしまうこともあった。
【0004】
また、営業所では、集積・集約拠点でパレットに積載され、配送車両に積まれて送られてきた荷物を、パレットから取り出して所内の仕分け台上に並べた状態で配送ルート別に仕分け、さらに仕分けた荷物を配達に用いる配送車両の荷室の床面上や床面に敷いたすのこの上に載せるようにしている。そのため、これら荷物の再仕分けと配送車両への積み替えを行うための人手を必要とし、配送車両で荷物を配達する前の、配達準備のための作業に多くの工数を費やさざるを得ないのが実状であった。
【0005】
従来の技術として、前記営業所における配送車両への荷物の積載作業を効率良く行って配送完了までの時間を短縮することを目的として、集荷した荷物の届け先に関する情報を取得して営業所の配送車両の運行計画を作成するとともに、配送車両の配送ルートや配達順位に従って配達すべき荷物の積載順位リストを生成し、配達担当者が生成されたリストに従って荷物を配送車両に積み込み、順次荷物届け先に出向いて荷物を配達する物流支援方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記物流支援方法によって営業所で荷物の積載順位リストを生成し、このリストに沿って配送車両に荷物を積み込めば、荷物届け先で積載した荷物の中から配達する荷物を特定して持ち出す軒先作業に要する時間はある程度短縮することは可能である。
【0008】
しかし、かかる物流支援方法を利用したとしても、集積・集約拠点から営業所に送られた荷物を配送車両から降ろし、配送ルート別に仕分けて当該ルートを回る配送車両に積み替える必要があることには変わりはなく、営業所における荷物の仕分け作業や配送車両への積載作業の効率化を図ることはできない。営業所では、荷物の仕分け作業や積載作業を行うための人手を必要とし、配送車両で荷物を配達する前の仕分けや車両への積み込みといった配達準備のための作業に多くの工数を費やさざるを得ないのが実状である。
【0009】
また、営業所での配送ルート別の荷物の仕分けは、作業者が荷物に貼られた配送伝票の届け先に関する情報を目視で確認して行っているため、仕分け処理に時間がかかり、また、仕分ける荷物が多量にあるときなどに誤った配送ルート先に仕分けてしまうことも起こりやすかった。
さらに、配送ルート別に仕分けた荷物は、配送車両の荷室の床面やすのこの上に多段に重ねたり荷室の棚板に載せたりして積載することが多いが、荷物を配送車両に積み込む作業者と、実際に配送車両を運転して荷物を配達する作業者が異なる場合、荷物の積載の仕方に例えば配達が後になる荷物は荷室の奥に載せるなどの、ある程度の決まり事があったとしても、前者によって荷室内に段積みされた或いは棚板に載せられた大きさが異なる多数の荷物の中から、後者が軒先作業で受取人に届ける荷物を見つけ出すことは容易ではなく、荷物を探す作業に時間がかかって届け先への配送が遅れてしまうこともあった。
【0010】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑み、宅配荷物を含む物品の配送にあたり、配送する物品を取り扱う拠点に自動倉庫設備を導入し、配送車両などの移動体に積載する物品を配送ルート別に仕分ける作業や移動体への積載作業の効率化を図ることを課題とする。
また、集荷した物品の一次仕分け地である集積・集約拠点への自動倉庫設備の導入を通じて、当該集積・集約拠点と配達を担当するエリア拠点における仕分け作業などの効率化を図り、集積・集約拠点から前記配達エリア拠点送られた物品をそのまま配送処理に供することができるようにするとともに、届け先の軒先において簡易な荷探し作業で物品を特定して配達できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため本発明は、物品を移動体に積載して受取人へ配送する方法において、物品の取り扱い拠点に自動倉庫設備を配置し、取り扱い拠点に移送された前記物品を自動倉庫設備に入庫して保管するとともに、自動倉庫設備の作動を制御する制御手段に、少なくとも物品の配送先に関する情報と前記移動体の物品配送ルートに関する情報を入力し、前記自動倉庫設備に保管された複数の物品のうち、同一の物品配送ルートに沿って配送される物品を自動倉庫設備の送り出し口へと移送し、前記送り出し口に移送された物品を同一の運搬用ユニットに積み入れ、この物品が積み入れられたユニットを、前記配送ルートを運行する移動体に積み込んで受取人への物品の配送に供することを特徴とする。
【0012】
これによれば、取り扱い拠点に集められた物品は、自動倉庫設備で移動体に積み込む運搬用のユニット別に仕分けされ、仕分けされた物品をユニットに積み込み、これを移動体に積み込んで配達作業に出向くことが可能である。前記物品の取り扱い拠点において物品を仕分ける作業は不要であり、仕分け作業や積載作業を行うための人手が不要となり、配達準備のための作業工数が削減される。また、配達する物品の仕分け作業で発生していた仕分けミスをなくすことができる。
【0013】
この場合、物品配送ルート内における所定の配送順序に沿って自動倉庫設備の送り出し口に物品が移送され、移送されてきた順に物品をユニットに積み入れる処理がなされることが好ましい。
ここでいう所定の配送順序とは、物品配送ルート上の各受取人に対して効率よくそれぞれに物品を配達することが可能となる順番のことをいう。例えば、受取人に関する情報から、標準の配送ルートに沿って移動体を運行したときの受取人への到達順を割り出し、さらに、受取人への配達日時の指定がされている物品がある場合はその配達時間を参照するなどして、物品の配送ルートを決定する。そして、この決定した配送ルートに基づいて、配送ルート内で受取人への配達が遅くなる物品から先に、或いは配達が早くなる物品から先に自動倉庫の送り出し口に物品が移送されるように設けることができる。
また、自動倉庫設備の送り出し口に移送されてきた順に、物品をユニットの底板上に段積みし、又は棚板で収容空間が仕切られたユニットでは、物品を下側の収容空間から上側の収容空間に若しくはその逆順で順次積み入れる処理がなされることが好ましい。
【0014】
物品の取り扱い拠点として、配送する物品の集積・集約拠点に自動倉庫設備を配備して配送を行う場合、本発明は以下の態様となる。
すなわち、依頼人が発送する物品を受け入れるエリア拠点の情報処理端末、物品の集積・集約拠点の情報処理端末、受取人に物品を配達するエリア拠点の情報処理端末及び集配作業者が携行する情報処理端末を、通信回線を介して配送情報処理装置に接続するとともに、前記集積・集約拠点の情報処理端末と当該拠点に設置された自動倉庫設備を、通信回線を介して接続し、これら各端末と前記設備、配送情報処理装置との間で物品の配送に関する情報を処理して、依頼人から出された物品を受け入れエリア拠点から集積・集約拠点を経由して配達エリア拠点に移送し、当該移送された物品を移動体に積み込んで受取人に配達する物品の配送方法において、
依頼人の情報処理端末又は集配作業者が携行する情報処理端末から、物品に付与される管理番号や物品の届け先に関する情報、配達希望日時を含む配送情報が配送情報処理装置に送信されて配送情報処理装置がその記憶装置に登録するステップと、
配達エリア拠点の情報処理端末から、当該エリア拠点が備える移動体の担当地域情報とその移動体に積載される物品運搬用のユニットに関する情報が配送情報処理装置に送信されて配送情報処理装置がその記憶装置に登録するステップと、
集積・集約拠点の自動倉庫設備が、受け入れエリア拠点から移送されてきた物品をその前記管理番号を読み込んで受け入れるとともに、配送情報処理装置から前記管理番号に対応した物品の仕分け情報を受信するステップと、
集積・集約拠点の自動倉庫設備が、前記仕分け情報に基づいて前記受け入れた物品を、配達エリア拠点の移動体に積載される前記ユニット毎で当該ユニットに積み込む物品をその送り出し口に移送するステップと、
を含み、前記送り出し口に移送された物品をユニットに積み込み、これを集積・集約拠点から配達エリア拠点に移送し、当該エリア拠点の移動体に積み込んで受取人への配送に供することを特徴とする。
【0015】
これによれば、集積・集約拠点に集められた物品は、自動倉庫設備で配達エリア拠点の移動体に積み込む運搬用のユニット別に仕分けされるので、仕分けされた物品をユニットに積み込み、これを配達エリア拠点でそのまま移動体に積み込んで配達作業に出向くことができる。
集積・集約拠点から、移動体別に仕分けされた物品がユニットに積まれた状態で配達エリア拠点に移送されるので、配達エリア拠点において物品を仕分ける作業は不要であり、仕分け作業や積載作業を行うための人手が不要となるとともに配達準備のための作業工数が削減され、配達エリア拠点における移動体への物品積載作業の効率化を図ることができる。また、配達する物品の仕分け作業で発生していた仕分けミスをなくすことができる。
また、集積・集約拠点では、自動倉庫設備により物品が移動体のユニット毎に仕分けされて送り出し口に移送されるので、移送されてくる物品を積み込むユニットを送り出し口に準備した状態で、送り出し口に移送されてきた物品を順次ユニットに積み込むことでユニットへの積載が完了する。従来の如く、送り出し口に移送されてきた物品を配達エリア拠点別に仕分けてユニットに積み込む作業は不要であり、物品の仕分け作業に熟練していない者でも、仕分けの仕損じをすることなく、物品を目的のユニットに正確に積み込むことが可能である。
この場合に、配送情報処理装置から自動倉庫設備に通知される物品の仕分け情報が、移動体の配送ルートに関する情報を含む担当地域情報や物品の配達時間帯についての情報などに基づいて作成されることで、ユニットに積み込まれる各物品を、届け先に配達する優先順に、つまり移動体で各物品の届け先に配達する順番に沿って、具体的には届け先に配達するのが遅くなる物品から順次、自動倉庫設備の送り出し口に移送し、移送されてきた順にユニット内に物品を段積みするなどして積み込むことができる。これにより、このユニットを移動体に積んで配達作業を行うにあたり、各届け先の軒先でユニットの上段側に積まれた物品から順次取り出して受取人に配達することができ、軒先で配達する物品を移動体に積まれた物品から探し出す作業を短い時間で効率的に行うことが可能である。なお、上記とは逆に、届け先に配達するのが早い物品から順次、自動倉庫設備の送り出し口に移送し、移送されてきた順にユニット内に設置された棚板に物品を並べて積み込むようにしても、軒先で配達する物品を探し出す作業を効率的に行うことが可能である。
【0016】
前記本発明の物品の配送方法は、より詳しくは以下の処理ステップを経て行うことができる。
すなわち、前記配送方法において、前記配達エリア拠点が物品の集配を管轄する地域内における移動体の担当地域情報を、当該エリア拠点の情報処理端末から配送情報処理装置に送信して配送情報処理装置の記憶装置に登録するステップと、
前記配達エリア拠点に配備されている移動体の識別コードを含む当該移動体に関する情報とその移動体に積載される物品運搬用のユニットに関する情報を紐付けして、当該エリア拠点の情報処理端末から配送情報処理装置に送信して前記記憶装置に登録するステップと、
前記配達エリア拠点の前記担当地域情報に沿って運行する移動体に関する情報をその担当地域情報と紐付けして、当該エリア拠点の情報処理端末から配送情報処理装置に送信して前記記憶装置に登録するステップと、
前記登録された担当地域情報、積載するユニットに関する情報と紐付けした移動体に関する情報及び前記担当地域情報に紐付けした移動体に関する情報を含む物品の仕分け情報を、配送情報処理装置から集積・集約拠点の情報処理端末を経由して自動倉庫設備の記憶部に登録するステップと、
物品の集荷にあたり少なくともその物品に付与された管理番号と届け先に関する情報を含む配送情報を前記依頼人の情報処理端末、集配作業者が携行する情報処理端末又は受け入れエリア拠点の情報処理端末から配送情報処理装置に送信して前記記憶装置に登録するステップと、
前記受け入れエリア拠点から集積・集約拠点に移送された物品を前記自動倉庫設備の受け入れ口に投入するときに、投入された物品の管理番号を自動倉庫設備が取り込み、取り込んだ前記情報を集積・集約拠点の情報処理端末を経由して配送情報処理装置に送信するステップと、
配送情報処理装置が前記受信した物品の管理番号の情報に基づいて、その物品の配送に用いる物品仕分け情報を特定し、集積・集約拠点の情報処理端末を経由して自動倉庫設備に送信して自動倉庫設備の記憶部に登録するステップと、
前記自動倉庫設備が、前記投入された物品の体積及び/又は重量を計測し、計測した体積及び/又は重量の情報とその物品の情報を前記取り込んだ管理番号に紐付けして記憶部に登録するステップと、
前記自動倉庫設備が、前記物品の仕分け情報と物品の届け先情報に基づいて、配達エリア拠点で同一の移動体に載せて配達される物品を割り出し、それら物品の総体積と移動体に積載されるユニット毎に設定された容積を比較し、総体積がユニット毎に設定された容積一杯になったとき、又は同一の移動体に載せて配達される物品が自動倉庫設備に保管されているときに、該当の各物品を予め設定した条件に基づいて、所定の順で自動倉庫設備の送り出し口に移送するステップと、
前記送り出し口まで移送された物品を到着順にユニットに積み入れて収納し、収納完了後、前記ユニットの識別情報を自動倉庫設備が取り込むことで、自動倉庫設備が前記送り出し口に移送した各物品の管理番号や移動体の情報、これらの識別マークを含む物品明細を表示した貼り札を発行するステップと、
前記配達エリア拠点において、集積・集約拠点から移送された物品が積載されたユニットを移動体に積み込む際に、そのユニットに添付された貼り札に表示された識別マークを集配作業者が携行する情報処理端末が読み込み、読み込んだ情報を配送情報処理装置に送信し、前記記憶装置に配送情報として物品の管理番号に紐付けして登録するステップと、
前記物品が積載された移動体を当該移動体の担当地域情報に沿って運行し、受取人に物品を配達するステップと、を少なくとも備えることを特徴とする。
【0017】
また、前記処理ステップによる本発明の物品の配送方法は、配送情報処理装置から集配作業者が携行する情報処理端末に、ユニットに積載されて配達エリア拠点の移動体に積み込まれた物品の管理番号とその届け先に関する情報が送信されて、当該情報処理端末に表示出力されることを特徴とする。
さらに、移動体を担当地域情報に沿って運行しながら、ユニット内に積み入れて収納された物品の内、当該ユニット内の物品収容空間の上部側に積まれた物品から順次配達することを特徴とする。
また、本発明の物品の配送方法は、自動倉庫設備がユニットの識別情報を取り込むことで貼り札を発行するステップと、ユニットに添付された貼り札に表示された識別マークを集配作業者が携行する情報処理端末が読み込むステップに代えて、
集積・集約拠点において自動倉庫設備がユニットの識別情報を取り込むことで自動倉庫設備が送り出し口に移送した各物品の管理番号や移動体の情報を含む物品明細情報をユニットに装着される記憶媒体に登録するステップと、
配達エリア拠点において移動体にユニットを積み込む際にそのユニットに装着された記憶媒体に登録された情報が、集配作業者が携行する情報処理端末又は当該エリア拠点の情報処理端末に取り込まれて配送情報処理装置に送信され、配送情報として物品の管理番号に紐付けして前記記憶装置に登録されるステップと、を備えたものとしてもよい。
【0018】
本発明の物品の配送情報処理システムは、前記ステップを実行する処理手段の組み合わせにより構成するができる。
すなわち、本発明の配送情報処理システムは、依頼人が発送する物品を受け入れるエリア拠点の情報処理端末、物品の集積・集約拠点の情報処理端末、受取人に物品を配達するエリア拠点の情報処理端末及び集配作業者が携行する情報処理端末を、通信回線を介して配送情報処理装置に接続するとともに、前記集積・集約拠点の情報処理端末と当該拠点に設置された自動倉庫設備を、通信回線を介して接続し、これら各端末と前記設備、配送情報処理装置との間で物品の配送に関する情報を処理して、依頼人から出された物品を受け入れエリア拠点から集積・集約拠点を経由して配達エリア拠点に移送し、移動体に積み込んで受取人に配達するための配送情報処理システムであって、
前記配達エリア拠点が物品の集配を管轄する地域内におけるユニットの担当地域情報の入力を配送情報処理装置が受け付けてその記憶装置に登録する手段と、
前記配達エリア拠点に配備されている移動体の識別コードを含む移動体に関する情報とこれに紐付けされたその移動体に積載される物品運搬用のユニットに関する情報の入力を配送情報処理装置が受け付けて前記記憶装置に登録する手段と、
前記配達エリア拠点の前記担当地域情報に沿って運行する移動体に関する情報の入力を配送情報処理装置が受け付けて前記担当地域情報と紐付けして前記記憶装置に登録する手段と、
前記登録された担当地域情報、積載するユニットに関する情報と紐付けした移動体に関する情報及び前記担当地域情報に紐付けした移動体に関する情報を含む物品の仕分け情報を、配送情報処理装置が集積・集約拠点の情報処理端末に送信し、当該情報処理端末を経由して自動倉庫設備の記憶部に登録する手段と、
物品の集荷にあたり少なくともその物品に付与される管理番号と届け先に関する情報を含む配送情報の入力を配送情報処理装置が受け付けて前記記憶装置に登録する手段と、
前記受け入れエリア拠点から集積・集約拠点に移送された物品を前記自動倉庫設備の受け入れ口に投入するとき、自動倉庫設備が投入された物品の管理番号を取り込み、取り込んだ前記情報を集積・集約拠点の情報処理端末を経由して配送情報処理装置に送信する手段と、
配送情報処理装置が前記受信した物品の管理番号の情報に基づいて、その物品の配送に用いる物品仕分け情報を特定し、集積・集約拠点の情報処理端末を経由して自動倉庫設備に送信して自動倉庫設備の記憶部に登録する手段と、
前記自動倉庫設備が、前記投入された物品の体積及び/又は重量を計測し、計測した体積及び/又は重量の情報とその物品の情報を前記取り込んだ管理番号に紐付けして記憶部に登録する手段と、
配達エリア拠点で同一の移動体に載せて配達される物品を割り出し、それら物品の総体積と移動体に積載されるユニット毎に設定された容積を比較し、総体積がユニット毎に設定された容積一杯になったとき、又は同一の移動体に載せて配達される物品がすべて自動倉庫設備に保管されているときに、該当の各物品を所定の順で自動倉庫設備の送り出し口に移送する手段と、
前記送り出し口まで移送された物品を到着順にユニットに積み入れて収納し、収納完了後、前記ユニットの識別情報を自動倉庫設備が取り込むことで、自動倉庫設備が前記送り出し口に移送した各物品の管理番号や移動体の情報、これらの識別マークを含む物品明細を表示した貼り札を発行する手段と、
前記配達エリア拠点において、集積・集約拠点から移送された物品が積載されたユニットを移動体に積み込む際に、そのユニットに添付された貼り札に表示された識別マークを集配作業者が携行する情報処理端末が読み込み、読み込んだ情報を配送情報処理装置に送信し、前記記憶装置に配送情報として物品の管理番号に紐付けして登録する手段と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【0019】
また、前記構成の物品の配送情報処理システムにおいて、配送情報処理装置から集配作業者が携行する情報処理端末に、ユニットに積載されて配達エリア拠点の移動体に積み込まれた物品の管理番号とその届け先に関する情報を送信する手段と、当該情報処理端末が受信した前記情報を表示出力する手段を備えることを特徴とする。
さらに、前記自動倉庫設備がユニットの識別情報を取り込むことで貼り札を発行するステップと、ユニットに添付された貼り札に表示された識別マークを集配作業者が携行する情報処理端末が読み込む手段に代えて、
集積・集約拠点において自動倉庫設備がユニットの識別情報を取り込むことで自動倉庫設備が送り出し口に移送した各物品の管理番号や移動体の情報を含む物品明細情報をユニットに装着される記憶媒体に登録する手段と、
配達エリア拠点において移動体にユニットを積み込む際にそのユニットに装着された記憶媒体に登録された情報を、集配作業者が携行する情報処理端末又は当該エリア拠点の情報処理端末に取り込んで配送情報処理装置に送信し、配送情報として物品の管理番号に紐付けして前記記憶装置に登録する手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
前記物品の配送方法及び配送情報処理システムにおいて、物品とは、任意の生産物や製品、加工品、荷物などが含まれ、依頼人から受取人まで配送される対象となる物の全般をいう。
移動体とは、物品の配送に利用される移動手段をいい、物品を積み込むスペースを備えた配送用の車両や、列車、飛行機などを含む。リヤカーや手押し車、台車などの荷車も含む。
また、エリア拠点とは、物品を集配する拠点をいい、エリア拠点のうち、出発エリア拠点は受取人宛てに配送される物品を依頼人から受け取るエリア拠点、到着エリア拠点は受取人への物品の配達を担当するエリア拠点をいう。出発エリア拠点には、配送業者の店舗の他に業務提携して宅配物品の受け付けを行うコンビニエンスストアなどの代理店、宅配ロッカー、一時的な取次施設(例えば、イベント会場)なども含まれる。エリア拠点は、集荷営業所や配達営業所、或いは発・着センター店などとも呼ばれる。
集積・集約拠点は、各出発エリア拠点で集荷した物品を集めて配達を担当するエリア拠点別に仕分け、或いは受取人の居住地が遠方な場合はその地方の集積・集約拠点宛てに物品を仕分けて送る拠点をいう。配達を担当するエリア拠点別に仕分ける物品には、他の集積・集約拠点から移送されてきた物品が含まれる。集積・集約拠点は、ベース店やターミナル、ハブセンターなどと呼ばれる。
なお、物品の取り扱い拠点には、前記出発エリア拠点や配達エリア拠点、集積・集約拠点が含まれる。
【0021】
前記集積・集約拠点、或いは物品の取り扱い拠点に設置される自動倉庫設備は、同拠点に集められた物品を保管する領域を備えていて、この領域に物品を入庫して保管する機能や保管した物品を出庫する機能、物品を各々受取人に配達するエリア拠点別に仕分けて入庫又は出庫する機能、保管した物品を所定の条件で保管領域から取り出す機能などを設備が好適に用いられる。
ユニットは、複数個の物品を収納して移動体に積み降ろすことができる容器をいい、ロールボックスパレットやワゴン、台車、キャスター付きパレット、運搬用台車などが含まれる。
また、配送伝票や貼り札、ユニットには、バーコードや二次元コード、QRコード(登録商標)のような光学式マーク認識に用いられる識別子が含まれ、また、ユニットが装備する記憶媒体は、RFIDタグ、ICタグのような非接触で情報を書き込んだり読み取ったりすることのできる媒体が含まれるが、これに限られない(以下、これらを総称して「識別媒体」ともいう。)。
なお、例えばユニットに装備される識別媒体への情報の書き込みと読み込みは、集積・集約拠点内や仕分け設備、受け入れ・配達を担当する各エリア拠点などの、ユニットを取り扱う各拠点に設けられたリーダ/ライタ設備により行われる。
【0022】
本発明の物品の配送方法と配送情報処理システムによれば、配達エリア拠点の移動体に積み込む物品の仕分けが集積・集約拠点で行われ、当該拠点でユニットに積まれた物品を、配達エリア拠点でそのユニットをそのまま移動体に積み込んで物品配送に供することができるので、集積・集約拠点と配達エリア拠点間の仕分け作業や移動体への積載作業の効率化を図ることが可能である。
物品の取り扱い拠点として配達エリア拠点に自動倉庫設備を設置し、当該配達エリア拠点に送られてきた物品を自動倉庫設備で移動体毎に仕分けして出庫し、出庫された物品をユニットに積み入れ、このユニットをそのまま移動体に積み込んで物品を配送してもよい。このようにしても、配達エリア拠点における配達先別の物品の仕分け作業と移動体への積載作業の効率化を図ることが可能である。
また、ユニットには移動体が物品配送で運行する担当地域情報に沿って、例えばユニットの上段又は下段から物品を届ける順に積み入れることで、物品届け先の軒先で簡単な荷探し作業で物品を特定して配達することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態の配送情報処理システムの概略構成図である。
【
図2】ベース店に設置される自動倉庫設備の概略構成図である。
【
図3】着センター店の集配配送ルートを説明するための図である。
【
図4】車両情報ファイルの構成を例示した図である。
【
図5】配送ルート別車両情報ファイルの構成を例示した図である。
【
図7】自動倉庫設備における荷物の積載容量の監視状態を例示した図である。
【
図8】自動倉庫設備の荷物送り出し口に荷物が搬送される順番を示した図である。
【
図9】搬送された荷物をパレットに積み込んだ状態を示した図である。
【
図11】
図9のパレットにコンテナ明細票を貼り付ける様子を示した図である。
【
図12】配送車両に積まれるパレットの他の形態を示した図である。
【
図13】着ベース店において
図12の棚付きパレットに荷物を積み込む順番を説明するための図である。
【
図14】
図13の荷物を積み込んだパレットのボックス明細書の一例を示した図である。
【
図15】着センター店でパレットに積まれた荷物の持ち出す報告をする際に携帯情報処理端末の表示ディスプレイに表示出力される画面の一例を示した図である。
【
図16】配送車両に積まれたパレットから荷物を取り出して配達する順番を示した図である。
【
図17】
図16のパレットに積まれた荷物を配達する際に携帯情報情報処理端末の表示ディスプレイに表示出力される画面の一例を示した図である。
【
図18】携帯情報処理端末の表示ディスプレイに表示出力される、配達された荷物の情報の表示画面の一例を示した図である。
【
図19】携帯情報処理端末の表示ディスプレイに表示出力される、配達された荷物の情報の表示画面の他の例を示した図である。
【
図20】携帯情報処理端末の表示ディスプレイに表示出力される、配達された冷蔵荷物の情報の表示画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好適な一実施形態を、図面を参照して説明する。
図示した形態は、依頼人が受取人に対して宅配荷物を送る態様であり、以下では、配送業者が依頼人から配送依頼を受けた荷物を運搬用台車と配送車両を用いて受取人へと配送する処理について説明する。
図1は、本形態の配送情報処理システムの一例の概略構成を示しており、図中、符番1は配送情報処理装置、2,3,4,5は荷物の取り扱い拠点である発センター店、発ベース店、着ベース店、着センター店に各々設置される情報処理端末、6は前記各店に設置されていて荷物の集配や仕分け作業をする作業者が携行する携帯情報処理端末、7は着ベース店に設置される自動倉庫設備、8は荷物の配送依頼主である依頼人が所持する情報処理端末を各々示している。
【0025】
ここで、発センター店は出発エリア拠点であり、依頼人が出した荷物の集荷を管轄する受け入れ営業所、着センター店は到着エリア拠点であり、荷物を受け取る受取人が居住する地域の荷物の配送を管轄し、受取人への荷物の配達を担当する配達営業所である。また、発ベース店と着ベース店は、発ベース店は出発集積・集約拠点であり、発センター店が属する地域、着ベース店は到着集積・集約拠点であり、着センター店が属する地域の、ともに配送荷物の集積・集約拠点である。
これら各店を介して、荷物の配送は次のように行われる。すなわち、発センター店で依頼人から集荷した荷物は発ベース店へと移送され、発ベース店は発センター店から運び込まれた荷物を配送方面別に振り分け、各着ベース店毎の貨物自動車に積載して着ベース店に輸送する。着ベース店では移送されてきた荷物を、地域毎で集配を管轄する着センター店毎に仕分け、仕分けた荷物を各着センター店へと移送し、着センター店で送られてきた荷物を配送車両9に積載して持ち出し、受取人宅まで運んで配達する(
図1参照)。なお、本形態では、荷物が収納される運搬用台車としてロールボックスパレットを用いている。
【0026】
前記配送情報処理装置1と前記各情報処理端末は、専用回線やインターネット、携帯電話網などの有線通信又は無線通信による通信回線Nを介して接続し、相互に各種データや情報の送受信が可能な通信ネットワークを構成している。
集配作業者が所持する携帯情報処理端末6は、通信回線Nを介して配送情報処理装置1にデータを送受信できるように構成されていても、発センター店、発ベース店、着ベース店及び着センター店の各情報処理端末2,3,4,5とBLUETOOTH(登録商標)などの他の通信手段を介して接続し、携帯情報処理端末6のデータが前記各情報処理端末2,3,4,5を経由して配送情報処理装置1に送信されるように構成されていてもよい。また、着ベース店に設置された自動倉庫設備7は通信手段を具備し、着ベース店の情報処理端末4との間で相互に各種データや情報の送受信が可能なように構成してある。
なお、図示した形態は、荷物の配送を依頼する依頼人が、自身の情報処理端末8を利用して、荷物の配送依頼とともに荷物の届け先情報などを配送情報処理装置1に直接入力し、併せて荷物に貼り付ける配送伝票を発行する構成を示している。依頼人が、自身の所在地に近い発センター店に配送荷物の集荷を依頼し、発センター店の集配作業者の携帯情報処理端末6や発センター店の情報処理端末2から通信回線Nを介して配送情報処理装置1に荷物の配送に関する情報が入力されるように構成されていてもよい。
【0027】
配送情報処理装置1は、通信回線Nを介して接続した前記各情報処理端末にファイルやデータなどを提供する機能を有するコンピュータであり、例えば、キーボードやマウス、或いはスキャナーなどのデータ入力部と、データを表示するモニタなどの表示部と、通信回線Nを介してデータを送受信する通信部と、後述する配送情報を処理するための各種のデータやファイル及び処理プログラムを格納して記憶する記憶装置1aと、記憶装置1aに格納された処理プログラムに従って前記処理部を制御する制御部などの各処理部を備えた構成とすることができる。また、配送情報処理装置1は、通信回線Nの一つであるインターネットを通じてWeb情報を発信するWebサーバとしての機能を備え、インターネット上に開設したウェブサイトを通じ或いは電子メールの送受信を通じて、Web閲覧機能を備えた前記各情報処理端末との間でファイルやデータなどを送受信することができるように構成することができる。
配送情報処理装置1と記憶装置1aは、それぞれ通信回線Nを介して接続された複数のコンピュータ、或いはサーバの集合体、複数の記憶装置の集合体により構成されていていてもよい。
【0028】
発センター店、発ベース店、着ベース店及び着センター店の各店に設置される情報処理端末2,3,4,5は、例えば、キーボードやマウス、バーコードリーダ、スキャナーなどのデータ入力部と、データを表示するモニタや印字するプリンタなどの表示出力部と、通信回線Nを介してデータを送受信する通信部と、各種のデータやファイル及び処理プログラムを記憶して格納する記憶部と、記憶部に格納された処理プログラムに従って前記処理部を制御する制御部などの各処理部を備え、さらにWeb閲覧機能によりインターネットを通じてファイルやデータなどを送受信する機能を備えた構成とすることができる。依頼人の情報処理端末8も上記と同様な構成のものを用いることができる。
【0029】
携帯情報処理端末6は、例えば、データの入力機能や記憶機能、表示出力機能、バーコードや二次元バーコードを読み取るバーコードリーダ機能、画像撮影機能、通話機能、通信回線Nに接続してデータを送受信する機能、データをラベル印字出力する機能などを備えた持ち運び可能なデータの読み取り・収集端末であり、公知のハンディターミナルのような携帯用端末を用いることができる。
依頼人が発センター店に手書きの配送伝票を添付した配送荷物を持ち込んで荷物配送を依頼する態様では、携帯情報処理端末6は、荷物に貼られた配送伝票の伝票番号をバーコードリーダで読み取り、読み取ったデータを数字データに変換して配送情報処理装置1に送信するとともに、配送伝票に表示された届け先情報のうち、例えば受取人の所在地である郵便番号を入力することで、前記読み込んだ伝票番号と届け先情報をコード変換して二次元コードに変換し、このコードと着センター店の仕分けコードを表示したラベルに印字出力するように構成することができる。印字出力されたラベルは、配送伝票とともに荷物に貼り付けられる。
【0030】
これら配送情報処理装置1、発センター店、発ベース店、着ベース店及び着センター店の各店に設置される情報処理端末2,3,4,5及び携帯情報処理端末6は、各々その記憶部に、後述する荷物の配送処理を行うためのアプリケーションプログラムが格納され、これを動作させることで各種データの処理手段を構成し、各装置及び端末間で荷物の配送情報を送受する処理がなされるようになっている。
【0031】
着ベース店に設置された自動倉庫設備7は、
図2に示されるように、荷物10が収納される所定の大きさの収納空間部である多数の荷物収納庫7aと、自動倉庫設備7の荷物受け入れ口に投入された荷物10を前記荷物収納庫7aに移送して収納するとともに収納された荷物10を荷物収納庫7aから取り出して荷物送り出し口に移送する、レールやコンベアなどからなる搬送機構7bと、前述の各情報処理端末と同様なキーボードやマウス、バーコードリーダ、スキャナーなどのデータ入力部、データを表示するモニタや印字するプリンタなどの表示出力部、着ベース店の情報処理端末4との間でデータやファイルを送受信する通信部、各種のデータやファイル及び処理プログラムを記憶して格納する記憶部及び記憶部に格納された処理プログラムに従って前記処理部を制御する制御部などの各処理部を備えた制御装置(図示せず)とを備えた構成とすることができる。
自動倉庫設備7は、後述する情報処理端末4から入力される荷物仕分け情報に基づいて、前記収納庫7aと搬送機構7bの作動を制御するように構成してある。また、自動倉庫設備7は、その荷物受け入れ口に、投入された荷物10の容量(才数)と重量をそれぞれ計測する手段を備えており、後述するように、荷物10の容量と重量の計測値は、荷物10を投入する際にバーコードリーダで読み込んだ伝票番号と届け先の情報及び荷物10を収納した収納庫7aの位置情報とともに記憶部に登録され、荷物10の届け先ルートが同じグループの荷物10について集計され、所定の条件で荷物10を荷物収納庫7aから荷物送り出し口へと移送する処理がなされるように設けてある。
自動倉庫設備7の作動を制御する制御手段は、主として前記配送情報処理装置1と自動倉庫設備7の制御装置により構成されるが、配送情報処理装置1に通信回線Nを介して接続した前記各店の情報処理端末2,3,4,5が含まれていてもよい。
【0032】
前記配送情報処理装置1の記憶装置1aには、荷物の配送処理に必要な各種のマスタデータがデータベース化されて登録してある。本形態では、利用者情報、取扱店情報、荷物配送情報、配送車両の担当地域情報、車両管理情報、担当地域及び車両紐付け情報、荷物の仕分け情報などの各種情報のデータファイルが記憶装置1aのデータベースに登録されている。
【0033】
利用者情報は、自身の情報処理端末8を利用して荷物の配送を依頼する依頼人の名称や住所、電話番号、電子メールアドレスなどを含む、宅配サービスを利用する利用者が登録した情報などからなっている。
【0034】
取扱店情報は、発センター店、発・着ベース店、着センター店の名称や住所や連絡先、各店の仕分けコードからなる各配送拠点を特定するデータ、郵便番号と仕分けコードの対応データなどからなっている。
【0035】
荷物配送情報は、荷物を集荷してから配達する迄の過程で各店の情報処理端末2,3,4,5や集配作業者の携帯情報処理端末6などから入力される荷物の作業情報データ、作業情報の入力先を特定するデータ、作業情報が入力された日時のデータなどからなり、各情報は配送伝票の伝票番号に関連付けて登録されている。
【0036】
配送車両の担当地域情報は、各センター店が荷物の集配を管轄する地域内における集配作業を行うコース(荷物の配送ルート)とその区域の情報からなる。
例えば、
図3に示されるように、ある着センター店が集配を管轄する地域がA、B、C、D、Eの五つのコースに別れており、そのうちのAコースは区域(イ)-区域(ロ)-区域(ハ)-区域(ニ)-区域(ホ)-区域(ヘ)と分けて登録する。区域(イ)から区域(ヘ)は、配送車両が荷物を配送するための運行順に相当する。担当地域情報は、各センター店が集配を管轄する全ての区域について登録される。
【0037】
車両管理情報は、各センター店に配備されている配送車両を特定する情報とその配送車両に積み込まれるパレットに関する情報からなり、例えば
図4に示されるように、センター店を特定する数字や記号、マーク(以下、「店所コード」という。)と、そのセンター店で使用される車両の識別コードである管理番号(W1234等)と当該車両に積み込まれるパレットの種類(60BOX等)、車両に複数のパレットを積み込む場合は枝番(001等)などの情報により構成されている。また、車両を特定する情報には配送車両の管理番号が含まれる。
【0038】
担当地域及び車両紐付け情報は、各センター店で前記区域順に沿って運行する配送車両の情報を、登録されたコースに関連付けた情報からなり、例えば
図5に示されるように、センター店を特定する店所コードとコースナンバーとコース名(〇〇〇コース等)、各コースで使用する配送車両の識別コードである管理番号(W1234000等)などの情報により構成されている。一つの車番に複数のコースを設定した場合に、コース毎の優先順位を設定した情報も含まれる。同図に示されるように、A、B、Cのコースで、順に「1、2、3」の優先順位を設定した場合は、
図3に示された集配の管轄区域内で、同一の配送車両(管理番号1234000)を使用して、イ、ロ、ハの区域の順で車両を運行し、集配作業をすることになる。
【0039】
荷物の仕分け情報は、自動倉庫設備7で荷物の自動仕分け処理をするのに必要な情報であり、配送する荷物に貼られた配送伝票の伝票番号、荷物の配達希望日時、受取人の名称や届け先である住所や郵便番号、連絡先などの情報と、受取人宛ての荷物の配送を管轄する着センター店の前記配送車両の担当地域情報と車両管理情報と担当地域及び車両紐付け情報とを含んで構成されている。
本形態では、依頼人が荷物の配送に関する情報を自身の情報処理端末8を操作して配送情報処理装置1に入力するため、配送伝票を発行することで、その荷物の仕分け情報が作成されて、配送情報処理装置1の記憶装置1aに登録される。依頼人が手書きの配送伝票を用いて荷物を配送する態様では、荷物の集荷の際に、集配作業者の携帯情報処理端末6から伝票番号と受取人の居所である届け先の郵便番号の情報が入力され、不足の情報やデータは着ベース店でその情報処理端末4や携帯情報処理端末6から入力される。着センター店の配送車両の担当地域情報などは、配送伝票に記載された郵便番号と届け先の住所の入力に伴って、予め記憶装置1aに登録されたこれら情報ファイルを参照し、管轄の着センター店と荷物を配達するコース・区域を特定して自動で設定される。
【0040】
次に、このように構成された配送情報処理システムを用いた荷物の配送処理の手順を、情報を処理するステップに分けて説明する。
【0041】
(事前設定)
先ず、予め着センター店が配送を管轄する地域内における配送車両の担当地域情報、着センター店に配備されている配送車両の識別コードとその車両に積載されるロールボックスパレットに関する情報及び前記担当地域情報に沿って運行する配送車両に関する情報を、着センター店の情報処理端末5から配送情報処理装置1に送信して、配送情報処理装置1の記憶装置1aに登録する。
【0042】
着センター店の情報処理端末5から前記各情報の登録がされたならば、配送情報処理装置1は、前記登録された担当地域情報と積載するロールボックスパレットに関する情報と紐付けした車両に関する情報と、前記担当地域情報に紐付けした配送車両に関する情報とを着ベース店の情報処理端末4に送信し、送信された情報は情報処理端末4を経由して自動倉庫設備7の記憶部に荷物の仕分け情報として格納される。
【0043】
(依頼人による配送依頼)
依頼人が受取人宛てに荷物を送るときに、依頼人は自身が所有する情報処理端末8を配送情報処理装置1がインターネット上に開設する荷物配送の依頼受け付けWebサイトに接続し、同サイト上で、出荷する荷物の品名や受取人の氏名や住所などの届け先に関する情報、荷物の発送予定日時、配達希望日と時間帯などの荷物配送に必要な情報を入力し、配送情報処理装置1に送信して荷物配送を依頼する。配送情報処理装置1が受信した情報は配送情報として記憶装置1aに登録される。
【0044】
また、配送情報処理装置1に前記情報が入力されることにより、配送する荷物の伝票番号が設定されて依頼人の情報処理端末8へと送信され、依頼人は自身の情報処理端末8を操作して荷物に貼り付ける配送伝票を発行する。
図6は、依頼人において発行する配送伝票の一例の形態を示し、配送伝票11には、依頼人の名前や住所、郵便番号などを含む依頼人に関する情報、受取人の名前や住所、郵便番号などを含む届け先に関する情報、伝票番号などともに、伝票番号のバーコード、伝票番号と届け先に関する情報を含む二次元コードが表示される。
配送伝票の発行により、配送情報処理装置1において荷物の仕分け情報が作成され、作成された情報は前記配送情報とともに伝票番号に紐付けされて記憶装置1aに登録される。
【0045】
(発センター店における処理)
前記依頼人から荷物配送の依頼があった旨は、配送情報処理装置1から依頼人の居住地域の集配を管轄する発センター店の情報処理端末2又は携帯情報処理端末6に通知され、集配作業者は依頼人宅に出向いて依頼人が出した荷物を受け取る。
この際、集配作業者は荷物に貼り付けられた配送伝票11の伝票番号を携帯情報処理端末6で読み込み、読み込まれた情報を携帯情報処理端末6から配送情報処理装置1に送信する。配送情報処理装置1は、受信した伝票番号の情報を日時データとともに集荷作業情報として伝票番号に紐付けして配送情報の集荷データに登録する。集配作業者が集荷した荷物は、発センター店から発ベース店へと送られる。
【0046】
(発ベース店における処理)
発ベース店に運ばれた荷物は、発ベース店に設置された自動仕分け装置で届け先地域別に仕分けされる。この際、荷物の伝票番号が発ベース店の情報処理端末3に取り込まれて配送情報処理装置1へと送信される。届け先地域別に仕分けられた荷物は、発ベース店から着ベース店へと送られる。
【0047】
(着ベース店における処理)
発ベース店から着ベース店に運ばれた荷物は、自動倉庫設備7の荷物受け入れ口へと順次投入される。
自動倉庫設備7は、投入された荷物の配送伝票に表示された伝票番号のバーコードを読み込み、読み込んだ情報を情報処理端末4を経由して配送情報処理装置1に送信する。配送情報処理装置1は、登録されている着センター店の担当地域情報、車両管理情報、担当地域及び車両紐付け情報、及び荷物の出荷予定(配達日時)データを参照して、その荷物の配送に用いる車両番号やパレット情報が含まれた荷物仕分け情報を特定し、特定した荷物仕分け情報を情報処理端末4を経由して自動倉庫設備7に送信する。自動倉庫設備7は受信した情報をその記憶部に登録する。
前記伝票番号バーコードの読み込みにより自動倉庫設備7に取り込まれた荷物の伝票番号に関する情報は、情報処理端末4を経由して配送情報処理装置1に送信され、前記と同様に記憶装置1aの配送情報に登録される。
【0048】
併せて自動倉庫設備7は、前記投入された荷物の体積及び重量を計測した後に荷物収納庫7aに荷物を搬送し、計測した体積及び重量の情報と荷物収納庫の位置情報を前記読み込んだ伝票番号に紐付けして記憶部に登録するとともに、前記荷物の仕分け情報を参照して、荷物収納庫7aに収納された荷物が、着センター店で同一の配送車両に載せて配達される荷物を割り出し、それら荷物の総体積と配送車両に積載されるパレットの容積を随時比較する。なお、パレット毎の容量値は、パレットの種類を特定する情報と関連付けて、予め自動倉庫設備7に登録される。
そして、本形態では、
図7に示されるように、前記割り出した荷物の総体積が、積載するパレットの容積に満杯になるほどに近くなったならば(図中の管理番号A1234)、前記割り出した荷物の全てを、自動倉庫設備7の荷物送り出し口へと搬送する。
なお、同一のパレットに載せて配達される荷物が幾つか自動倉庫設備に保管されている状態で、予め任意に設定した送り出し口への移送条件、例えばパレットに積載する荷物の総重量、つまり各荷物の重量の合計が所定の値に達したときに該当の荷物を所定の順で送り出し口へと搬送するようにしたり、荷物が所定の個数になったとき、或いは所定の時刻になったときなどを条件として、同一のパレットに載せて配達される該当の荷物を所定の順で送り出し口へと搬送するようにしたりしてもよい。送り出し口に搬送する条件は任意の条件であり、予め自動倉庫設備に設定しておくことができる。搬送条件の設定は、自動倉庫設備7の情報入力手段を操作して直接入力したり、通信手段を介して接続された着ベース店の情報処理端末4、或いは通信回線Nを介して接続した配送情報処理装置1や他店の情報処理端末2,3,5から入力したりして行うことができる。
【0049】
この際、収納された荷物は、コース内で配送荷物の到着が遅くなる順に自動倉庫設備7の送り出し口に搬送される。例えば、前記
図3に示された、配送ルートがAコースで、区域(イ)-区域(ロ)-区域(ハ)-区域(ニ)-区域(ホ)-区域(ヘ)の順で車両を運行して荷物を配送する場合は、到着が遅くなる区域(へ)の届け先に配達する荷物から、区域(ホ)-区域(ニ)と順次コース毎の優先順位を遡った順に各区域で配達される荷物が送り出し口へと搬送されるようになっている。また、依頼人が配達時間帯を指定している荷物が含まれる場合、その荷物が指定時間に優先的に届け先に配達されるように、送り出し口に荷物が搬送される。つまり、配送ルートに加えて届け先への配達時間も踏まえて、配達が遅くなる荷物から順次送り出し口へと搬送される。
なお、同じコース内で重量荷物の配送が含まれるときは、重量荷物が先立って送り出し口へと搬送される。
【0050】
自動倉庫設備7の送り出し口では、
図8に示されるように、搬送されてきた荷物を順次パレット12に収納する。なお、パレット12の側面には、二次元コードに変換された当該パレットの種類などを特定する情報を表示したラベルが添付されている。
前記のとおり、同じコース内で重量荷物が含まれるときは重量荷物が最初に搬送されるため、作業者はパレット12の底板上に重量荷物を積み込み、その上に棚板を設置し、棚板上に順次搬送される荷物10を搬送されてきた順に多段に積んで収納する。このとき、パレット12に荷物10を収納する作業者は、荷物10の届け先情報を、配送伝票を見て確認したりコース内での配達順を考慮したりする必要は一切なく、送り出し口に搬送されてきた荷物を順次パレット12に積み込めばよい。
【0051】
パレット12に収納された荷物10は、
図9に示されるように、配達優先順位が高い荷物10が棚板上の上段、低い荷物10が棚板上の下段に積み込まれるので、集配作業者は配送車両を運行して荷物を配送するにあたり、パレット12の上段に収納された荷物10から順次取り出して届け先に配達すればよく、荷探し作業に要する時間を短縮することが可能である。
【0052】
自動倉庫設備7の荷物送り出し口に該当の荷物の搬送が完了したならば、自動倉庫設備7のバーコードリーダでその側面に添付されたラベルの二次元コードを読み取った後、自動倉庫設備7のプリンタから、
図10に示されるような、パレット12に収納した荷物10の伝票番号やパレット12を特定する情報、これらをコード変換したバーコードなどの、積載荷物の明細を表示した貼り札を発行し、これを
図11に示されるように、パレット12に貼り付ける。
そして、荷物10を収納したパレット12は、着ベース店から着センター店へと送られる。
【0053】
(着センターにおける処理)
着ベース店から着センター店に荷物10が積載されたパレット12が到着したならば、着センター店の携帯情報処理端末6でパレット12に貼られた貼り札のバーコードを読み込み、読み込んだ情報を配送情報処理装置1へと送信する。そして、荷物10が積載されたパレット12をそのまま、該当の配送車両に積み込み、配送車両を運行して受取人宅に荷物を配達する。
この際、携帯情報処理端末6から送信された前記貼り札の記載情報を受信した配送情報処理装置1は、そのパレット12に積載された荷物の伝票番号と届け先の住所などに関する情報を携帯情報処理端末6へと送信し、その記憶部に格納される。そして、集配作業者が、受取人宅の軒先作業で携帯情報処理端末6に荷物配達完了情報を入力すると、次に配達する荷物の届け先に関する情報が当該情報処理端末に表示出力され、その表示を見て次の受取人先を確認し、配送車両を運転して配達に向かうことができるようなっている。
【0054】
図12から
図20は、本発明の他の実施形態を示しており、これは、荷物が収納されるユニットとして、
図12に示される、複数の棚板12aで内部を複数段の収容空間に仕切ったパレット12を用いたものであり、本形態では三つの棚板12aでパレット12の内部を四つの収容空間に仕切ってある。
【0055】
図示した内部を四段に仕切ったパレット12を用いる場合、車両管理情報に含まれるパレットに関する情報には、そのパレット12の種類についての情報とともに、パレット12の収容空間が棚板12aで何段に仕切られているかについての情報が含まれる。車両管理情報は、前記と同様に予め着センター店の情報処理端末5から配送情報処理装置1に送信されて、配送情報処理装置1の記憶装置1aに登録される。
【0056】
かかるパレット12を用い、着ベース店では以下のようにして荷物10の積載処理が行われる。
なお、前記(事前設定)、(依頼人による配送依頼)、(発センター店における処理)、(発ベース店における処理)の欄で説明した処理と、(着ベース店における処理)の欄で説明した、自動倉庫設備7に荷物10を収納し、これを送り出し口へと搬送する処理は同じである。
【0057】
前述のとおり、所定の配送ルートに沿って各受取人へと配達される荷物の総体積が、これらが積載されるパレット12の容積に一杯に達したならば、当該パレット12に積載される荷物10の全てが、自動倉庫設備7の荷物送り出し口へと搬送される。このとき、配達が遅くなる順に荷物10が前記送り出し口へと搬送される。
【0058】
自動倉庫設備7の送り出し口では、先ず、最初に搬送された荷物10の伝票番号のバーコードを自動倉庫設備7のバーコードリーダで読み込んだ後、
図13に示されるように、パレット12の最下段(一段目)の左端に積み込む。続けて、順次搬送されてくる荷物10を収容された荷物10に並べてパレット12の一段目に積み込む。
一段目が荷物10で一杯になったならば、続けて送り出し口に搬送された荷物10の伝票番号のバーコードをバーコードリーダで読み取った後、パレット12の二段目の左端に積み込み、同様に、搬送されてくる荷物10をパレット12の二段目に並べて積み込む。以降、三段目、四段目も同様に、各段の最初に積み込む荷物10の伝票番号をバーコードリーダで読み込み、各段の左端から右端に向けて送り出し口に搬送されてきた順で荷物10を並べて積み込む。
【0059】
パレット12の全ての段に荷物10が積み込まれたならば、そのパレット12の側面に添付されたラベルの二次元コードを自動倉庫設備7のバーコードリーダで読み込み、同設備のプリンタから
図14に示されるような、ボックス明細書を発行する。
同書には、着センター店でそのパレット12が積載される配送車両を特定する情報と、同時に積載される複数パレットの中で配送車両に積載する順序を特定する番号と、そのパレット12に積み込まれた荷物10の伝票番号とそのバーコードが表示される。荷物10の伝票番号とバーコードは、その荷物10が積み込まれたパレット12の積込段の位置と対応させて表示される。このボックス明細書は、パレット12内で荷物10の積込段の位置と対応させた荷物10の伝票番号とバーコードが表示されている以外は、前記
図10に示された貼り札と表示される情報の構成は同じであり、
図14では表示が省略されている着店コードなども表示される。これら表示される全ての情報をコード変換した二次元コードも表示される。
【0060】
発行したボックス明細書はパレット12に貼り付けられ、その後、複数段に荷物10を積み込んだ他のパレット12とともに、着ベース店から着センター店へと送られる。
【0061】
着ベース店から着センター店に荷物10が積み込まれたパレット12が到着したならば、パレット12を配送車両に積み替える前に荷物10の持ち出し報告処理が行われる。
【0062】
持ち出し報告処理は、例えば、携帯情報処理端末6に格納されたアプリケーションを起動して、
図15に示されるような表示画面13を携帯情報処理端末6の表示ディスプレイに表示させた状態で、前記パレット12に貼り付けられたボックス明細書の伝票番号を携帯情報処理端末6に取り込み、その荷物10が積み込まれたパレット12の番号と積込段の位置(同図中、「Box No 01-1段」の表示)とを紐付けてして当該端末の記憶部に登録し、全ての荷物についての伝票番号と積込段の位置との紐付け登録がなされたならば、記憶部に登録されたこれらの情報を配送情報処理装置1に送信することにより行うことができる。配送情報処理装置1は、受信した持ち出し報告の情報を、伝票番号に紐付けされた他の情報とともに荷物配送情報として記憶装置1aに登録する。
前記ボックス明細書に表示された二次元コードを携帯情報処理端末6で読み込んで、コード化された情報を取り込むことで、パレット12に積み込まれた荷物10の伝票番号とその積込段の位置を紐付けした情報が一括して入力されるように構成されていてもよい。
【0063】
持ち出し報告処理がされたならば、荷物10が積み込まれたパレット12をそのまま、該当の配送車両に積み込み、配送車両を運行して受取人宅に荷物を配達する。
前記のとおり、パレット12には、配送車両を運行して受取人である届け先に配達するのが遅くなる荷物10から順次、パレット12の下段から上段に荷物10が積み込まれている。
図16に示されるように、パレット12の最上段の左端に積み込まれた荷物10が、最も早く受取人に配達される荷物であり、配送車両の配送ルートに沿って配達する際に、順次パレット12の各段の左端から右端に沿って荷物10を取り出せば、該当の受取人に配達する荷物10を取り出すことができ、軒先で配達する荷物を探し出す作業を短い時間で効率的に行うことが可能である。
【0064】
また、前記持ち出し報告処理で携帯情報処理端末6から、着センター店から持ち出すパレット12と荷物10の情報が配送情報処理装置1に送信されて記憶装置1aに登録されると、配送情報処理装置1は登録された該当の荷物の配送情報として、パレット12に積み込まれた荷物10の伝票番号と届け先の住所などに関する情報、パレット12内の積込段の位置の情報などを、携帯情報処理端末6へと送信し、携帯情報処理端末6その記憶部に格納する。
携帯情報処理端末6の表示ディスプレイには、
図17に示されるような、パレット12に積み込んだ荷物の配達順で荷物毎に、その積込段の位置と配達先の住所、受取人の名称などを表示出力した画面が表示され、集配作業者は、この画面を確認して、荷物の配達先とパレット12内の荷物の積み込んだ位置を特定し、荷物配送に供することができる。図示した画面は、集配作業者が受取人宅の軒先作業で携帯情報処理端末6に荷物配達完了情報を入力すると、以降の配達する荷物の届け先に関する情報として表示出力されるように設けてもよい。
【0065】
また、携帯情報処理端末6の表示ディスプレイに表示された前記画面中の「詳細」欄を選択操作すると、その荷物の情報を表示する画面が表示出力される。
荷物情報の表示は、例えば
図18に示されるように、その荷物が受取人から料金の徴収が必要である代金引換荷物である場合に、その旨と徴収する料金の額などの情報が、荷物の伝票番号とパレット12の積込段の位置の情報とともに表示出力され、また、その荷物の配送料が発払いである場合には、
図19に示されるように、その旨の情報が前記と同じく荷物の伝票番号とパレット12の積込段の位置の情報とともに表示出力され、集配作業者は表示画面13を確認することで、受取人への荷物の配達完了に必要な処理をとることができる。
また、荷物が冷蔵用のパレットに積み込まれたものである場合には、
図20に示されるように、冷蔵荷物の積込段の位置の情報が、その荷物の伝票番号とともに、携帯情報処理端末6の表示ディスプレイに表示出力されるように設けることもできる。
【0066】
なお、図示した情報処理システムの構成は一例であり、本発明は他の適宜な形態で構成することが可能である。
実施形態として宅配荷物を配送する態様を示したが、その他の物品を依頼人から受取人に配送する態様に本発明を適用してもよい。また、運搬用台車であるロールボックスパレットに荷物を積載し、これを配送車両に積み込んで配送する態様を示したが、パレット以外の物品を収納するユニットや、荷車などの配送車両以外の移動体を用いて物品を配送する態様に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 配送情報処理装置、2,3,4,5,8 情報処理端末、6 携帯情報処理端末、7 自動倉庫設備、9 配送車両、10 荷物、11 配送伝票、12 パレット、13 表示画面、N 通信回線