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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】変更可能な特性を有するロボット
(51)【国際特許分類】
   A63H 11/00 20060101AFI20221012BHJP
   A63H 29/22 20060101ALI20221012BHJP
   A63H 17/26 20060101ALI20221012BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
A63H11/00 Z
A63H29/22 G
A63H17/26 D
B25J5/00 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018535350
(86)(22)【出願日】2017-01-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-18
(86)【国際出願番号】 US2017012115
(87)【国際公開番号】W WO2017120180
(87)【国際公開日】2017-07-13
【審査請求日】2019-12-23
(31)【優先権主張番号】62/275,684
(32)【優先日】2016-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314016982
【氏名又は名称】エヴォルヴ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Evollve,Inc.
【住所又は居所原語表記】129 Torrance Blvd.Redondo Beach CA 90277(US)
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】クロヤン,アルメン
(72)【発明者】
【氏名】ハムダ,ナデル
(72)【発明者】
【氏名】スタネック,オンドレイ
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-191275(JP,A)
【文献】特開2003-190662(JP,A)
【文献】特開2005-013391(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0360366(US,A1)
【文献】特開2013-153910(JP,A)
【文献】特開2007-160473(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2012-0004769(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 - 37/00
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型の玩具ロボットであって、
筐体を有する自走式のロボット本体であって、該筐体の中では、電力デバイス、センサ、プログラム含む主電子装置、プロセッサ、スピーカを含むオーディオ再生サブシステム、及び推進サブシステムが、統合されると共に一緒に動作し、その結果として、前記プログラムは、前記プロセッサ、前記センサを使用して外部刺激を検出し、且つ、それに呼応して、i)前記ロボット本体を移動させるように力を発生させるための前記推進サブシステム又は、ii)音を作り出すための前記オーディオ再生サブシステムの1つに対して、そうするための外部的な実時間のユーザコマンドを待つことなく、自動的に信号を送る機能を実行させる、自走式のロボット本体、
を備え、
前記ロボット本体の前記筐体の外側表面は、外側カバーの内側表面に一致するような形状をしており、前記外側カバーは、前記外側表面を覆うべく、前記筐体上に取り付けられ、且つ、その後、前記筐体から除去されることが可能であり、且つ、
前記主電子装置は、前記筐体上に外側カバーが取り付けられることに呼応して、識別情報を検出することになっており、且つ、
前記識別情報が検出されることに呼応して、前記プログラムは、前記プロセッサ記識別情報が割り当てられたロボット特性ソフトウェアプログラムを実行させ、それによって、前記ロボットの行動を変更するための処理を実行させ
前記主電子装置は、前記外側カバーの中に統合されたバッテリまたはエネルギー収穫ユニットから電力を供給される、自律型の玩具ロボット。
【請求項2】
前記外側カバーと組み合わせられる請求項1に記載の玩具ロボットであって、
前記外側カバー及び、前記ロボット本体の前記筐体は、前記外側カバーが前記筐体に取り付けられ、且つ、いかなる道具を使用することなく、ユーザによって前記筐体から除去されるように、設計される、玩具ロボット。
【請求項3】
請求項2に記載の玩具ロボットであって、
前記外側カバーは、オーディオビジュアルアート作品に描かれた特性の外観と同様な外観を有する、玩具ロボット。
【請求項4】
請求項1に記載の玩具ロボットであって、
前記ロボット本体は、前記筐体の中に統合された直列通信バスインターフェース及び電源バスインターフェースを備え、これらのバスインターフェースは、有線の通信接続路及び有線の電源接続路を形成するべく、前記外側カバーの中の相手方バスインターフェースにつながることになっており、
前記ロボット本体の中の前記ロセッサは、前記プログラムによって、前記通信接続路を介して、前記外側カバーの中にある前記二次的な電子装置へコマンドを伝達する機能を実行する、玩具ロボット。
【請求項5】
請求項1に記載の玩具ロボットであって、
前記主電子装置は、前記外側カバーとの無線データ通信を介して、前記識別情報を検出することになっている、玩具ロボット。
【請求項6】
請求項1に記載の玩具ロボットであって、
前記主電子装置は、前記外側カバーとの有線の電流経路を介して、前記識別情報を検出することになっている、玩具ロボット。
【請求項7】
請求項1に記載の玩具ロボットであって、
前記主電子装置は、複数のロボット特性ソフトウェアプログラム又はプロフィールが格納されるメモリを備え、該メモリ前記複数のロボット特性ソフトウェアプログラムに関連付けられたオーディオデータ及びプログラムコードを含み、前記複数のロボット特性ソフトウェアプログラムには、それぞれ、複数の識別情報が割り当てられ、
前記複数のロボット特性ソフトウェアプログラムによって、前記プロセッサは、複数の異なるロボット特性の行動に首尾一貫しているように、それぞれ、前記ロボットの行動を制御する処理を実行し、且つ、
前記主電子装置は、外側カバーが前記筐体上に取り付けられることに呼応して、識別情報を検出し、前記検出された識別情報を見つけるために前記メモリにおいて検索を実施し、且つ、前記プログラムは、前記プロセッサに、前記検出された識別情報に割り当てられる前記ロボット特性ソフトウェアプログラムを実行させ、それによって、前記ロボットの行動を変更するための1つ以上の処理を実行させ、玩具ロボット。
【請求項8】
請求項7に記載の玩具ロボットであって、
前記複数のロボット特性ソフトウウェアプログラムの1つは、部分的には前記玩具ロボットのエンドユーザによって作られており、且つ、前記メモリは、i)前記エンドユーザの声の録音、又は前記エンドユーザからの命令に応じて合成された音声のいずれかを含むオーディオデータ、ii)複数のコマンドの群を定義る移動制御データを含み、コマンドの各群は、前記ロボット本体を移動させるように、推進サブシステムに力を発生させるであろう、玩具ロボット。
【請求項9】
請求項8に記載の玩具ロボットであって、
前記オーディオデータは、別のユーザによって作られた記録された音声を含む、玩具ロボット。
【請求項10】
請求項7に記載の玩具ロボットであって、
第1の外側カバーが取り付けられる第1の玩具ロボットとの近接度が高いことに呼応して、前記主電子装置が第1のロボット特性を検出する場合、前記プログラムによって、前記プロセッサは、前記第1のロボット特性との対話のための第1の複数のルールに従って、前記ロボットの行動を変更する処理を実行する、玩具ロボット。
【請求項11】
玩具ロボットのための特性スキンであって、
自走式の玩具ロボットのロボット本体筐体の外側表面に一致するような形状をしている内側表面を有する外側カバーであって、前記外側カバーは、前記ロボット本体筐体の外側表面を覆うべく、前記ロボット本体筐体上に取り付けられ、且つ、その後、前記筐体から除去されることが可能である、外側カバー、
を備え、
前記外側カバーは、ロボット特性ソフトウェアプログラムの識別情報を提供する識別手段を備え、前記識別情報は、前記玩具ロボットによって検出され、前記検出されたことに応答して、前記ロボット特性ソフトウェアプログラムが前記玩具ロボットのプロセッサによって実行され前記外側カバーが前記ロボット本体筐体上に取り付けられる場合はいつでも、前記ロボット特性ソフトウェアプログラムは、前記プロセッサに、前記玩具ロボットの行動を変更させる機能を実行させ
前記外側カバーは、前記ロボットに取り付けられた状態で前記玩具ロボットの主電子装置に電力を供給するための、前記外側カバーの中に統合されたバッテリまたはエネルギー収穫ユニットを備える、特性スキン。
【請求項12】
請求項11に記載の特性スキンであって、
前記外側カバーは、オーディオビジュアルアート作品における特性の外観と同様な外観を有する、特性スキン。
【請求項13】
請求項11に記載の特性スキンであって、
前記外側カバーは、前記外側カバーが、前記ロボット本体筐体上に取り付けられ、且つ、いかなる道具を使用することなく、ユーザによって前記ロボット本体筐体から除去されるように設計される、特性スキン。
【請求項14】
玩具ロボットであって、
筐体を有する自走式のロボット本体であって、該筐体の中には、電力デバイス、センサ、プログラム含む主電子装置、プロセッサ、スピーカを含むオーディオ再生サブシステム、及び推進サブシステムが、統合されると共に一緒に動作し、その結果として、前記プログラムは、前記プロセッサ、前記センサを使用して外部的な実時間のユーザコマンドを検出し、且つ、それに呼応して、i)前記ロボット本体を移動させるように力を発生させるための前記推進サブシステム、又は、ii)音を作り出すための前記オーディオ再生サブシステムの1つに対して、自動的に信号を送る機能を実行させる、自走式のロボット本体、
を備え、
前記ロボット本体の前記筐体の外側表面は、外側カバーの内側表面に一致するような形状をしており、前記外側カバーは、前記外側表面を覆い、且つ、その後、前記筐体から除去されるべく、前記筐体上に取り付けられることが可能であり、且つ、
前記主電子装置は、外側カバーが前記筐体上に取り付けられることに呼応して、識別情報を検出することになっており、且つ、
前記識別情報が検出されることに呼応して、前記プログラムは、前記プロセッサに、前記識別情報が割り当てられるロボット特性ソフトウェアプログラムを実行させ、それによって、前記ロボットの行動を変更するための処理を実行させ、
前記主電子装置は、前記外側カバーの中に統合されたバッテリまたはエネルギー収穫ユニットから電力を供給される、玩具ロボット。
【請求項15】
請求項14に記載の玩具ロボットであって、
前記ロセッサは、前記プログラムによって、ロボット特性ソフトウェアプログラムの識別情報が、前記外側カバーの検出された識別情報と一致するようなロボット特性ソフトウェアプログラムを求めて、該プロセッサのメモリを検索する機能を実行する、玩具ロボット。
【請求項16】
請求項14に記載の玩具ロボットであって、
前記ロボット特性ソフトウェアプログラムによって、前記プロセッサは、異なる声、異なる移動パターン、又は異なる指示光パターンの1つを選択す処理を実行する、玩具ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この非仮特許出願は、2016年1月6日に出願された米国仮特許出願第62/275,684号の利益を主張する。
【0002】
本発明の実施形態は、一般に、玩具ロボットの特性スキンに関し、且つ、より具体的には、自走自律型の玩具ロボットに関し、該玩具ロボットは、自身が静止する基部表面上に現れる線に対応する方向に、自分で移動することが可能である。他の実施形態はまた、自律型ではないが、かなり完全に遠隔制御される玩具ロボットのための特性スキンを含めて、説明される。
【背景技術】
【0003】
小さな玩具ロボット(携帯型)は、今の時代、利用可能なものとなっているが、そのような玩具ロボットは、娯楽価値を提供するだけでなく、子供用の教育ツールとして使用することも可能である。OZOBOTという玩具ロボットは、自走自律型の玩具ロボットであり、該玩具ロボットは、電子表示画面の表面を含む基部表面上に現れる線分を自動的に検出し、且つ該線分に追従することが可能である。線分はロボットによって自動的に検出され、且つ、それに呼応して、推進サブシステムには、線分に沿って移動するように信号が送られるが、その際、そうするための、外部デバイスとのいかなる通信も必要としない。玩具ロボットは、自身が検出する特定の色パターンに対して、特定の方法で応答するように指示され得るという点において、プログラム可能である。ラップトップコンピュータ又はタブレットコンピュータのようなコンピューティングデバイス上で走るソフトウェア・プログラム・エディタによって、ユーザは、ブロックベースのプログラムを創り出すことが可能であるが、ここで該ブロックベースのプログラムは、その時、玩具ロボット内のメモリの中にロードすることが可能である。例えば、もしロボットが線の中で青い線分を検出する場合、該ロボットは、例えば、速い速度で五歩前進することによって、青い線分に応答することが可能である。これに対して、もしロボットが黄色を検出する場合、該ロボットは、五歩前進するが、しかし遅い速度で前進するであろう。単純な移動に加えて、点灯効果を制御してもよく、その場合、玩具ロボットの筐体の中に組み込まれた光源を制御することが可能である。この制御は、ある一定のイベントが検出されるまで、ロボットがある一定のパターンの移動又は他の行動を所定の回数繰り返すことを可能にするループはもちろんのこと、より複雑な移動のタイミングを調整することによって行われる。上で説明された教育的な側面に加えて、玩具ロボットによって提供される娯楽価値は、特性アクセサリを提供することによって高めてもよく、ここで特性アクセサリは、ロボット本体と物理的に連動するものであってもよい。ユーザのお気に入りの映画若しくは漫画のヒーロー又は他の特色が、カバーの上に描かれてもよいが、これは、ロボット本体の筐体の上で適合し、且つ、ロボット本体が移動する間、筐体に結合されたままである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、自律型の玩具ロボットであり、その行動は、ロボット本体筐体に取り付けられる特定の特性スキンに従って変化する。一実施形態において、ロボットは、それが無作為な意思決定の要素を備えたある一定の行動を有するようにプログラムされている、という点において自律的である。別の実施形態において、ロボットは単に線を追従するものである。更に別の実施形態において、ロボットは、人間ユーザによって、完全に遠隔制御可能である。なお更なる実施形態において、ロボットは群れをなすロボットである。
【0005】
ロボットの行動は、ロボットが外部刺激を検出することに呼応して取る行動を含み、ここで外部刺激とは、1つ以上の内蔵センサを使用して、ロボットが検出するあるものである。あるものとは、例えば、線、パターン、又は線センサによって検出されるコントラスト、色センサによって検出される色、IRベースの近接センサを使用して検出される近接物体、及びRFアンテナを介して検出される外部伝達である(例えば、ロボットのユーザである人間によって操作される遠隔制御ユニットから、又は別の近くのロボットから、無線によって受信される実時間のユーザコマンド)。これらの外部刺激は、ある意味では、基本的で自律的な行動の上に重ねてもよい。例えば、基本的な行動は、一様な色をした線に追従することであってもよい。外部刺激は、線の中にある、又は線の付近にある、線又は色のパターンにおける不連続性であってもよい。
【0006】
特性スキンは、プログラム可能なプロセッサという形で、特性スキンの中に知能を統合させていてもよく、ここで該プロセッサは、一旦スキンが筐体上に取り付けられた場合、ロボット本体筐体の中のプロセッサと通信するであろう。代わりに、特性スキン自体は、ロボットに対していかなるデータ処理能力を付加しなくてもよいが、しかし、ロボット本体筐体の中のプロセッサによって電子的に制御可能である品目を含んでもよい。ここで該品目とは、例えば、付加的な光源、スピーカ、センサ(例えば、マイクロフォン又はカメラを含む)、アクチュエータ、及びモータである。異なる特性スキンの範囲は、簡単な又は軽量のバージョンから、十分に詰め込まれたバージョンまで作り出されてもよい。簡単な又は軽量のバージョンは、既知の又は他のオリジナルなオーディオビジュアルアート作品に由来する特性の外観を有するだけでもよい。十分に詰め込まれたバージョンは、多くの「付属品」を有してもよく、且つ、恐らく、玩具ロボットをより洗練されたマシンへと効果的に変態させるための、上で述べたような、知能さえも有してもよい。
【0007】
上記の概要は、本発明の全ての態様の徹底的なリストを含んではいない。意図しているのは、本発明が、全てのシステム及び方法を含むということである。ここで全てのシステム及び方法とは、以下の「発明を実施するための形態」において開示される内容、及び出願と共に申請された「特許請求の範囲」において特に指摘される組み合わせはもちろんのこと、上で要約された様々な態様の全ての適切な組み合せから、実践することが可能なものである。そのような組み合わせは、上の概要において具体的に列挙されない特定の利点を有する。
【0008】
本発明の実施形態は、添付図面の図において、制限としてではなく、例として例証される。なお添付図面では、同様な参照符号は、類似の要素を指し示す。注意するべきことであるが、この開示における本発明の「1つの」実施形態又は「一」実施形態に対する参照は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、且つそれらは、少なくとも1つの実施形態を意味する。また、簡潔さのために、及び図の合計数を減らすために、ある与えられた図は、本発明の1つ以上の実施形態の特徴を例証するために使用してもよく、且つ図における全ての要素が、ある与えられた実施形態に対して、要求されなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】玩具ロボットの実施形態の上方斜視図である。
図2図1の玩具ロボットの側面図である。
図3図1の玩具ロボットの底面図である。
図4】タブレットコンピュータのようなコンピューティングデバイスのデジタル表示画面の表面上に置かれた、図1の玩具ロボットの上方斜視図である。
図5】玩具ロボットの中に統合してもよい、又は外側カバーの一部であってもよい、幾つかの電子部品のブロック図である。
図6】外側カバーが取り付けられた、図1の玩具ロボットの側面図である。
図7】外側カバーの別の実施形態に関する、玩具ロボットを示したものである。
図8】外側カバーの更に別の実施形態を示したものである。
図9】外側カバーのなお更に別の実施形態を示したものである。
図10】変更可能な特性を有することができる玩具ロボットの電子部品、及びその外側カバーのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照しながら、本発明の幾つかの実施形態が、今から説明される。形状、相対的位置、及び実施形態で説明される部分の他の態様が、厳密に定義されない場合はいつでも、本発明の範囲は、示される部分だけに限定されるものではない。このことは、単に例証を目的としていることを意味する。また、数多くの詳細が明らかにされる一方で、本発明の幾つかが、これらの詳細無しに、実践されるかもしれない、ということは理解される。他の実例において、既知の回路、構造、及び技術は、この説明の理解を不明瞭にしないように、詳細に示されてはいない。
【0011】
図1から図3は、一般に、自走式の玩具ロボット10の実施形態を描いている。この例では、ロボット10は、基部表面14上に現れる線分12(図4を参照)を自動的に追従できるという点において、自律的である。以下で更に説明されるように、そのような玩具ロボット10のプロフィール又は特性は、対応する特性スキンが該玩具ロボットに取り付けられる場合、自動的に変化する。しかしながら、ここで説明される線追従タイプのロボット10は、単に例であることに留意されたい。即ち、ロボットに取り付けることができる数多くの特性スキンの、任意の1つに従って変更可能である特性を有するロボットの概念は、概要の節において上で述べたように、他のタイプのロボットに対しても適用可能である。ここで他のタイプのロボットは、例えば、人間のユーザによって完全に遠隔制御可能なロボット、及び群れをなすロボットである。
【0012】
図1から図3に戻ると、基部表面14は、タブレットコンピュータ又はスマートフォンのようなコンピューティングデバイス16の電子表示画面の表面であってもよい。しかしながら、代わりに、基部表面14は、テーブル若しくは机、又は、テーブル若しくは机の上にあるシートの最上部の表面であってもよい。玩具ロボット10は、基部表面と共に使用してもよい。ここで該基部表面とは、光を発しないが、しかし、テーブル、机の上面、カウンター、又はそれらの上にあるシートの表面のような、光を反射する基部表面はもちろんのこと、(タブレットコンピュータの表面のような)光を発するものであってもよい。基部表面14は、光を発する自己発光デバイスの一部であり得るか、又は非発光物体の一部であってもよい、のいずれかである。一実施形態おいて、玩具ロボット10は、両方のタイプの基部表面14上の線分に追従することが可能であり、且つ、線に追従している間、1つのタイプの表面から別のタイプの表面へ移動する際に、継ぎ目なく遷移できるという点において、両方の能力を有する。
【0013】
玩具ロボット10はシャーシ20を有する。シャーシ20は、第1の表面22(外側表面)、及び反対側の第2の表面(内側表面)を含んでもよい。ロボット10が基部表面14上に配置される、又は置かれる場合、シャーシ20の第1の表面22は、基部表面14に対して間隔をおいた位置にあり(例えば、図6から図9を参照)、且つ第1の表面22が、基部表面14に面しているように向きが定められる。別の言い方をすれば、基部表面14は、シャーシ20のすぐ下にある。以下で詳細に説明されるように、「自走式」であるロボット10はまた、推進サブシステムを含み、この推進サブシステムは、移動機構32及び操縦モジュール37を含んでもよい(図5参照)。たいていの実例において、2つ以上の車輪が含まれるが、これらの車輪は、基部表面14上に直接置くことが可能である。このことは、その時、第1の表面22が、基部表面14の上方で一定の間隔をおいて位置することを引き起こす(再び、図6から図9に示されるように)。
【0014】
ロボット10は、シャーシ20に結合される筐体25(これもまた、ロボット本体筐体と呼ばれる)を付加的に含む。一実施形態において、筐体20は、他の形状も可能ではあるが、一般に丸い形状を有する。筐体25及びシャーシ20は、共に、図5に関連して以下で説明される電子制御部品及び電力部品の幾つかを収容する内部仕切りを定義する。ここで該電子制御部品及び電力部品は、電力デバイス34、プログラムされたプロセッサを有する制御ユニット28、スピーカ46を含むオーディオ再生サブシステム、推進サブシステムを含む。筐体25及びシャーシ20は、プラスチック、ゴム、又は玩具に対して一般的に使用される他の材料から製作してもよい。
【0015】
玩具ロボット10は、光メータ24を付加的に含んでもよい。ここで光メータ24は、シャーシ20に結合され、且つ下方に向けられ(又は、光センサが下方を「見る」ことを可能にするミラー機構を含み)、それによって、例えば、検出される光の輝度レベルを決定するために、シャーシ20の第1の表面22に向けて(即ち、上方に)入射する光を検出する。第1の表面22に向けて入射する光は、自己発光の基部表面から発せられた光であってもよく、又は、それは、(基部表面14を構成する)非発光物体から反射された光であってもよい。
【0016】
もし検出される輝度レベルがあまりにも低い場合、玩具ロボット10が、基部表面14上の線分12を検出することは、困難かもしれない。図3に見られるように、基部表面14を照明するために、光源26が、シャーシ20上に設けられる(即ち、光源26から発せられる光は、下の方向に向けられるが、それは、シャーシ22の直ちに下の方向である)。輝度レベルがあまりにも低い場合、玩具ロボットのプログラムされたプロセッサは、光源26を点灯する決定をしてもよく、その決定によって、基部表面上の線分をより容易に検出することを目的として、基部表面14をより良く照明する。しかしながら、輝度レベルが十分なレベルよりも上にある場合、プログラムされたプロセッサは、いかなる光も発しないように、光源26を消灯する決定をしてもよい。このことは、自己発光タイプの基部表面14によって表示される線分の色落ちを避けるのに役立つ。
【0017】
この点について、意図していることは、ユーザは、基部上に描かれた線分12に追従するべく、自己発光デバイスの上にロボット10を置いてもよい、ということである。続いて、ユーザは、自己発光デバイスからロボット10を持ち上げ、且つ、基部上に描かれた別の線分12を追従するべく、非発光の物体上にロボット10を置いてもよい。ロボット10が自己発光デバイス上に置かれる場合、輝度レベルは、通常、閾値よりも上にあり、且つ、従って、光源26はオフ状態にある。しかしながら、ユーザがロボット10を非発光の表面上に置く場合、輝度レベルは、通常、閾値未満であり、且つ、従って、光源26はオン状態に遷移する。
【0018】
逆のシナリオにおいて、即ち、ロボット10が非発光物体から持ち上げられ、そして自己発光デバイス上に置かれる場合、光源26は、通常、オン状態からオフ状態へ遷移するが、それは、輝度レベルが、通常、閾値未満から閾値以上まで増加するからである。
【0019】
光源26は、当技術分野で知られた任意の点灯機構を含んでもよく、ここで該点灯機構は、線分12を照明するために、ロボット10の下に十分な光を提供すること可能である。図3に描かれた代表的な実施形態において、光源26は、シャーシ20の周辺部分に隣接して位置決めされた3つの発光デバイス(LED)を含む。しかしながら、LED又はそれと等価な点灯機構の数及び位置は、本発明の趣旨及び範囲から外れることなく、変更されるかもしれない。例えば、幾つかの実施形態は、3つより少ないLEDを含んでもよく、その一方で、他の実施形態は、3つより多くのLEDを含んでもよい。
【0020】
一履行例によれば、閾値輝度は、おおよそ80~120ニット(nit)に等しく、且つ、好ましくは、おおよそ100ニットに等しい。それ故に、閾値輝度が100ニットに等しい実施形態では、もし検出される光の輝度が100ニット未満である場合、第1の表面22から離れたところで光を発生させると共に、その光を基部表面14に向けて直接下に投射するために、光源26は自動的にオン状態とされるであろう。しかしながら、もし検出される光の輝度が、任意の時間において100ニットを超える場合、光源26は、発光を停止するべく、オフ状態に自動的に遷移するであろう。上記では、代表的な閾値輝度の範囲として、80~120ニットを挙げたが、他の実施形態では、80ニットよりも小さな、又は120ニットよりも大きな閾値輝度を定義してもよいことを、当業者であれば、容易に正しく認識するであろう。
【0021】
オン状態とオフ状態との間で光源の動作を制御するプログラムされたプロセッサは、制御ユニット28の一部であってもよく(図5参照)、ここで制御ユニット28は、シャーシに結合され、且つ光メータ24及び光源26と動作的に通信している。
【0022】
玩具ロボット10は、線センサ30を更に含んでもよく(図3及び図5を参照)、ここで線センサ30は、シャーシ20に結合され、且つ基部表面14上の線分12を感知するように構成される。一実施形態において、線センサ30は、十分な分解能を有してもよく、例えば、線センサ30は、画像センサ画素アレイであってもよい。ここで該画像センサ画素アレイは、線分12の縁部を検出するだけでなく、基部表面14上に現れる、他のコントラスト要素を検出することが可能である。線センサ30は、線分12と、やはり基部表面14上に現れる背景色又は背景の特徴との間の境界を決定するべく、プロセッサによって使用される。ここでまた認識するべきことは、線センサ30は、下を「見る」ように構成されていることである。その場合、このことは、例えば、基部表面14から発せられる光を、又は基部表面14から反射される光を、センサ30の画像処理画素アレイ上に反射させるためのミラーを使用することを含んでもよい。
【0023】
玩具ロボットはまた、推進サブシステムを有するが、この推進サブシステムは、移動機構32及び操縦モジュール37として、図5に描かれている。移動機構32は、シャーシ20に結合され、且つ基部表面14上に置くことが可能である。制御ユニット28の中のプログラムされたプロセッサ(図示せず)は、線センサ30及び移動機構32と動作的に通信しており、それによって、移動機構32に信号を送り、結果として、ロボット本体筐体が、検出される線分12に対応するパターンで移動することを引き起こす。移動機構32は、少なくとも1つの車輪、そして、より高い可能性として、2つ以上の車輪を含み、これらの車輪は、駆動機構又はモータによって駆動される。これは、「巻き上げ」タイプの駆動機構であってもよい。その場合、ユーザは、駆動機構を巻くために、シャフトを逆に巻くか、又はデバイスを逆に押す。代わりに、駆動機構は、電動モータを有してもよい。シャーシ22は、ロボットが移動する際に、ロボット10のバランスを取るための補助支持体35を含んでもよい(図2)。そこでは、もしロボット10が基部表面に向かって傾く場合、補助支持体35は、基部表面14と接触した状態で滑ってもよい。
【0024】
操縦モジュール37によって、ロボット10は、(感知される線分に追従するのに必要な場合)回転する又は方向を変えることが可能である。操縦モジュール37は、旋回車軸に接続される車輪を含んでもよいか、又は操縦モジュール37は、一対の車輪を含んでもよい。該一対の車輪によって、回転が達成されるが、この回転は、差動作用を創り出すために、一方の車輪への動力を増加させながら、同時に他方の車輪への動力を減少させることによって達成される。他の向きを変える機構又は操縦機構もまた、使用してもよい。操縦モジュール37はまた、(制御ユニット28の中の)プログラムされたプロセッサに通信で結合され、且つ、方向を変えること又は回転することを達成するべく、コマンド又は信号を受信する。
【0025】
直接的に電動化された車輪を使用することに対する代替案として、他の移動要素を、移動機構32の中に組み込んでもよい。ここで他の移動機構32は、例えば、戦車機構又は関節機構と同様な回転式トラックを含む。更なる実施形態において、推進サブシステムは、ロボットを前進させるために、ホバークラフトと同様な推進器を使用してもよい。
【0026】
玩具ロボット10はまた、図5に描かれた様々な電子部品(幾つかの場合において、推進サブシステムの移動機構32の一部である電気モータを含む)に電力を供給する車載バッテリのような、電力デバイス34を有する。電力デバイス34は、バッテリ及び/又はスーパーキャパシタを含む、再充電可能な電気エネルギー貯蔵素子を含んでもよく、しかし、それはまた、光電池のようなエネルギー収穫機構を含んでもよい。
【0027】
更に図5を参照すると、玩具ロボット10は、電力ポート36を含んでもよく、ここで電力ポート36は、電力デバイス34の一部であるかもしれない再充電可能なバッテリを再充電するための、外部電源(図示せず)にプラグ接続されるべき、又は該外部電源に他の方法で無線接続されるべき、配線及び回路を含んでもよい。電力ポート36は、電源バスインターフェースであってもよく、この電源バスインターフェースは、筺体25の中に統合され、且つ、有線の電源接続路を形成するための、AC壁電力アダプタのような、外部電源の相手方バスインターフェースに接続される。電力ポート36は、例えば、電力デバイス34を充電することを目的としたUSBコネクタ(図示せず)を受け入れることが可能な、マイクロ・ユニバーサル・シリアル・バス(USB)インターフェース回路の一部であってもよい。例えば、マイクロUSBポートとは異なる構成及びサイズを有する他の電力ポートもまた、使用してもよい。
【0028】
玩具ロボット10は、指示光40を付加的に含んでもよく、ここで指示光40は、シャーシ20に結合され、且つ制御ユニット28と動作的に通信する。指示光40は、1つ以上の動作条件を表す光信号を発するように、駆動してもよい、又は構成してもよい。例えば、指示光40は、電力デバイス34の電力レベルに対応する第1の信号を発してもよい。例えば、電力デバイス34の電力レベルが高い場合、第1の信号はより明るく、且つ、電力デバイス34の電力レベルが低い場合、第1の信号は、より暗くてもよい。更に、指示光40は、玩具ロボット10が移動している場合、第2の信号を発してもよく、且つ、玩具ロボット10が静止している場合、第3の信号を発してもよく、その場合、第2の信号は、第3の信号と異なる。第2の信号は、明滅信号を含んでもよく、その場合、信号の周波数は、玩具ロボット10の速度に対応する。即ち、ロボット10がより速く移動するにつれて、周波数は増加する。そして、その逆も成り立つ。第3の信号は、第2の信号と区別するべく、一定の信号であってもよく、絶えずオンであるか、絶えずオフであるかの、いずれかである。他の履行例によれば、指示光40によって発せられる様々な信号は、周波数及び明るさ(上で注意したように)によって変わるだけでなく、色によって変わってもよい。この点で、指示光40は、幾つかの異なる色の光を発生させることが可能な、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでもよい。より一般的には、指示光40によって作り出される光のパターン(ここでは、指示光パターンとも呼ばれる)は、ロボット特性ソフトウェアプログラム(プロフィール)によって支配してもよい、又は、ロボット特性ソフトウェアプログラム(プロフィール)において定義してもよい。その場合、異なる指示光パターンを有する異なるプロフィールを定義することが可能であり、各パターンは、プロフィールが割り当てられる特定の特性と首尾一貫している。
【0029】
玩具ロボット10は、ロボットの行動(いかにロボットが外部刺激に応答するか)を構成するプログラミング命令を受信するための、通信ポート42を更に含んでもよい。これらは、コンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、又は当技術分野で知られた他のプログラミングデバイスのような、プログラミングデバイスから受信してもよい。これらのプログラミング命令を介して修正可能な、玩具ロボット10の幾つかの側面があってもよい。例えば、指示光40によって発せられる信号(例えば、色、強度、及び、例えば点滅パターンを含む、これらの任意の組み合わせ)を、変化させてもよい、又はプログラム命令を介して割り当ててもよい。更に、電力デバイス34が筺体25の中の電子部品を停止させるために供給電力を中止する際の、予め設定された時間期間もまた、変化させてもよい、又はプログラミングを通して修正してもよい。
【0030】
一実施形態において、通信ポート42は、通信バスインターフェースであり、この通信バスインターフェースは、筐体25の中に統合され、且つ電力ポート36と共に、一体化された電力及び通信のバスインターフェースの一部を形成する。その例は、再び、そのコネクタ又はプラグの中に4つのピン又は端子を有するマイクロUSBインターフェースであり、これらの2つは電源のためのものであり、且つこれらの2つは、両方向通信のためのものである。電力ポート36と通信ポート32との組み合わせは、他の電源バスインターフェース及び通信バスインターフェースの技術を使用して、履行してもよい。
【0031】
プログラムされたプロセッサを含む制御ユニット28は、線分を感知する際に、玩具ロボット10が追従するために選択される経路を支配するアルゴリズムを実施するように構成してもよい。例えば、もし線分12が、交差点に達して、又は分岐して、線分12における分かれ道又は「Y形状」を形成する場合、玩具ロボット10は、自動的に(実時間でのユーザ入力無しに)特定の判断をするようにプログラムされてもよく、そのような場合、2つ以上の選択肢があり、その選択肢は、ロボットが追従するかもしれない1つの線分12よりも多い。例として、玩具ロボット10は、線分選択肢の1つに無作為に追従するように、プログラムしてもよい。代わりに、玩具ロボット10は、可能な場合、常に右に曲がる、若しくは、可能な場合、常に左に曲がる、又は、右に曲がるのと左に曲がるのを交互に実施する、ようにプログラムしてもよい。更に、玩具ロボットは、可能ならば、真直ぐ行くようにプログラムしてもよく、しかし、もしそうでない場合、その時は、右に曲がる又は左に曲がるの、いずれかを実施するようにプログラムしてもよい。別の実施形態において、ロボットデバイスは、例えば、線分の最後に達する又は交差点に達するなどの、ある一定の条件の下で方向を反転するようにプログラムしてもよい。外部刺激(例えば、基部表面14上の線分12)を検出することに呼応して、推進サブシステム(移動機構32及び操縦モジュール37)に信号を送るための、そのようなコマンド又はルールは、玩具ロボットの「特性」(これもまた、ロボットの行動と呼ばれる)の一部と見てもよい。
【0032】
ロボットの特性又は行動は、暗号に対するロボットの応答によって支配してもよく、ここで該暗号は、線分12の一部を形成する、又は線分12に隣接して設置される。例えば、もしロボットが、互いに隣接する、又は連続した5つの空箱を検出する場合、その時は、ロボットが停止することがルールであってもよい。しかしながら、もし最も左の箱だけが満たされている場合、ロボットが交差点に達する時は、最も左の箱をひっくり返すことが命令であってもよい。もし、例えば、中央左の箱が満たされている場合、ロボットが分かれ道に近づく時は、ロボットは分かれ道の進路を左に取ってもよい。そのような特有のコマンドは、もちろん単なる例であり、且つ、そのため、暗号は、玩具ロボットによるある一定の移動又は方向転換を引き出すための暗号として使用することができるような、任意の特定の形の箱又は色に限定されない。例えば、線分の黄色い部分は、1つのコマンドを表し、その一方で、線分の赤い部分は、第2の異なるコマンドを表してもよい。
【0033】
プログラムされたプロセッサ(制御ユニット28の一部)は、線センサ30と通信しており、その結果として、制御ユニット28は、基部表面14上に現れるパターンを効果的に感知するか、又は読み取り、且つ、それに呼応して、以前に決定されたルールに基づいて、推進サブシステムに対して自動的に信号を送るであろう。その結果として、推進サブシステムは、ロボット本体を望ましい方法で移動させるのに必要な力を発生させる。線センサ30を使用して、様々な光学的コマンドを認識するためのこのソフトウェアは、必要に応じて、制御ユニット28上で更新してもよく、且つ、玩具ロボットの行動を制御するためにプログラムされたプロセッサを構成する、より広く包含する「ロボット特性プログラム」の一部であってもよい。ロボットの特性は、以下で説明されるロボット特性ソフトウェアプログラムを変更することによって、変更してもよい。このことは、今度は、いかにしてロボットが検出された暗号に反応するかを支配するルールを変更する。ここで該ルールは、例えば、速度、持続期間、及び特有の移動パターンであり、それによって、ロボットは、外部刺激として現れる特定の暗号に反応する。
【0034】
依然として図5を参照すると、玩具ロボットはまた、その筐体25内に統合された形で、オーディオ再生サブシステムを含んでもよい。ここでオーディオ再生サブシステムは、玩具ロボット10の動作中に音を発生させるスピーカ46を含む。明確には示されていないが、オーディオ再生サブシステムは、例えば、制御ユニット28の一部として、音声増幅器及びデジタル音声インターフェースを含むであろう。この場合、該音声増幅器及びデジタル音声インターフェースによって、歌、スピーチ、又は「ビーッという音」のような単なる警報若しくは短音を含む、様々な形のデジタル音声作品は、スピーカ46を通して再生されることが可能となるであろう。そのような可聴情報は、ロボット10の移動に対応するべく、同期化してもよく、例えば、ビーッという音の周波数は、ロボットの速度が増加するにつれて、増加してもよい。音はまた、動作モードの機能として、又は動作モードに同期化して作り出してもよく、その音は、左に曲がる場合、ロボット10は、右に曲がる場合とは異なる音を出す、というような具合である。従って、ある一定の方法で玩具ロボットを移動させるべく、推進サブシステムに信号を送ることに加えて、外部刺激を検出することに呼応して、プログラムされたプロセッサはまた、特定の音を発生させるために、オーディオ再生サブシステムに信号を送ってもよい。一実施形態において、この全ては、自律型の玩具ロボットとして、ロボット10によって自動的に実施してもよい。即ち、(例えば、ユーザによって動作される遠隔制御ユニットからの)外部的な実時間のユーザコマンドを待つことなく、そうするように実行するが、このことは、その場合における玩具ロボット10が自律型のデバイスである、という事実を反映している。
【0035】
玩具ロボット10は、それが具体的な三次元物体を提供するという点において、スマートフォン及びタブレットコンピュータのような従来の画面ベースのデバイスの使用に対して娯楽的特徴を付加する。この場合、該具体的な三次元物体は、スマートフォン又はタブレットコンピュータのディスプレイ表面上を移動するが、この移動は、ユーザが、ロボットが追従するべき特有の線分12(ディスプレイ表面に示される)を創り出すために、スマートフォン又はタブレットコンピュータと対話している時に行われる。ユーザは、従って、スマートフォン又はタブレットコンピュータの二次元ディスプレイ画面に関与しているだけでなく、三次元娯楽ユニットにも関与しており、このことは、ユーザにとって、特に子供にとっては、より興味深く、且つ手ごたえのある組み合わせである。
【0036】
玩具ロボット10によって提供される娯楽価値及び教育価値は、特性スキンを付加することによって、高めてもよい。さて図6から図9を参照すると、これらの図は、外側カバー50が取り付けられた玩具ロボット10の様々な例を示している。この場合、外側カバー50の内部表面は、少なくとも部分的には、筺体25の外側表面の一部に一致するような形状をしており、その結果として、外側カバー50は、ロボット筺体25が移動している際に、滑り落ちずに、ロボット筺体25に付着したままである、又は結合されたままであることが可能である。外側カバー50は、筺体25の外側表面を覆うように、筺体25の上に取り付けることが可能であるが、しかし外側カバー50はまた、筺体25から除去することが可能であり、これによって、例えば図1及び図2に描かれるように、玩具ロボット10を、その「基本」の条件又は状態に戻すことが可能である。
【0037】
好ましい実施形態において、ロボット本体の外側カバー50及び筺体25は、外側カバー50が、筺体25上に取り付けられる共に、いかなる道具を使用することなく、ユーザによって筺体25から除去され得るように、設計される。一実施形態において、外側カバー50は、プラスチック、ゴム、シリコーンTPU又はTPEのような弾力のある材料で作製してもよい。この弾力のある材料は、外側カバーが曲げられるが、しかし、その後、縮んで、筺体25の堅い外側表面にぴったりと合うか、又は該外側表面上にスナップ留めすることさえもできるように、伸びると共に形づくることが可能である。図8の実施形態で見られるように、外側カバー50の1つ以上の部分は、(ここでは蝶番54を使用した)別の部分に対して蝶番で動くようにしてもよく、その結果として、例えば、外側カバーの一方の部分は、ハマグリ貝タイプの動きにおけるように、他方に対して回転させてもよい。外側カバー50はまた、幾つかの部分から構成してもよい。この場合、該幾つかの部分は、例えば、軟らかい部分をスナップ留めするか、又は別の方法で一緒に接続する。ここで該軟らかい部分は、本体筺体25の頂点部分の上に適合し、且つ特性のヘッド及びアームを受け入れるための、幾つかのスナップオン接合を有する。
【0038】
図6から図9は、筺体25を有する自走自律型のロボット本体を描いたものである。筺体25の中では、推進サブシステムと共に、電力デバイス34、(プロセッサ及び、制御ユニット28の一部としてのプログラムメモリを含む)主電子装置、(スピーカ45を含む)オーディオ再生サブシステムが統合され、そこでは、これらは一緒に動作し、その結果として、プログラムされたプロセッサは、センサ(例えば、線センサ30又は、アンテナ及び関連する無線トランシーバを有するRFモジュール31(図5参照))を使用して、外部刺激を検出することが可能である。外部刺激の例としては、基部表面14上の線分12(図4参照)、人間のユーザによって動作される遠隔制御送信機から(RFモジュール31によって)無線で受信される実時間のユーザコマンド、又は、近くの別のロボットから(RFモジュール31によって)無線で受信されるコマンド若しくは制御信号が含まれる。近くのロボットは、利用可能な組み込みセンサ(例えば、赤外近接センサ又はRFモジュール31)の任意の組み合わせを使用して、玩具ロボット10によって、「検出」されていてもよい。
【0039】
外部刺激を検出することに呼応して、玩具ロボット10の筺体25の中のプログラムされたプロセッサは、ロボット本体を移動させるように力を発生させるための推進サブシステムに、及び/又は音を作り出すためのオーディオ再生サブシステムに、自動的に信号を送ることが可能である。玩具ロボットのこの行動(即ち、推進サブシステム若しくはオーディオ再生サブシステムに信号を送ること、又は、上でも説明したように、指示光40に信号を送ること、或いは、より一般的には、検出された外部刺激に反応すること)は、玩具ロボットの特性の一部であり、該行動は、ロボット特性ソフトウェアプログラム(プロフィールとも呼ばれる)によって支配される。プロフィールは、プロセッサに対するプログラミング命令として以前にダウンロードされており、且つ制御ユニット28の一部として(例えば、フラッシュメモリのような不揮発性メモリの中に)格納される。
【0040】
変更可能な特性を有する玩具ロボット10の動作は、以下の通りであってもよい。(制御ユニット28を含む)主電子装置が、外側カバー50が筺体上に取り付けられることに呼応して、識別情報(ID)を検出する場合、玩具ロボット10の行動を制御する、プログラムされたプロセッサは、検出された識別情報に割り当てられているロボット特性ソフトウェアプログラムに従って自動的に再構成され、その結果として、ロボットの行動(特有の外部刺激に対する応答)は、ロボット特性ソフトウェアプログラムに従って変更される。換言すれば、一旦外側カバー50が筺体25に取り付けられると、玩具ロボット10の新しい「特性」は、即座に且つ自動的に生き返り、これによって、ロボットの基本行動が修正されるか、又はその新しい特性の行動と首尾一貫するべく変態される、という結果がもたらされる。
【0041】
図10を参照すると、この図は、ロボット本体筺体25内にあるハードウェア部品のブロック図を例証しており、玩具ロボット10の行動又は特性を変化させるために、外側カバー50を筺体25上に取り付けることが可能な実施形態に対するものである。(制御ユニット28内にある)本体側プロセッサは、上で説明された様々な機能を実施するようにプログラムされることになっている。ここで該様々な機能とは、(メモリに格納された識別(ID)プログラムにおいて提供される命令によって)外側カバー50の識別情報を検出することを含む。IDプログラムは、外側カバー50が取り付けられる場合に、又は外側カバー50が取り付けられることに応答して、呼び起される。結果として検出された識別情報は、幾つかの利用可能なロボット特性ソフトウェアプログラム又はプロフィール(これもまた、メモリに格納される)の中の特定の1つが、選択されることを引き起こし、これに従って、プロセッサは、玩具ロボット10の行動を変更するべく、再構成されるであろう。
【0042】
メモリに格納された各ロボット特性ソフトウェアプログラム又は各プロフィールには、別個のID又は一意的なIDが割り当てられる。プロセッサは、IDプログラムを実行している間、一致を見つけ出すために、格納されたIDを検出されたIDと比較する。換言すれば、IDプログラムは、検出されたIDを、様々な格納されたロボット特性ソフトウェアプログラムのIDと比較するが、これは、その後、利用可能である幾つかの特性(例えば、基本、特性1、特性2、特性3)の中から一致した特性を選択するためであり、その特性によって、プロセッサは構成されるであろう。
【0043】
一実施形態において、筐体25内の主電子装置は、外側カバー50との無線データ通信を介して、(制御ユニット28を使用して)外側カバー50の識別情報を検出する。この実施形態は図7に例示されるが、図7では、外側カバー50は、その中にRF識別(RFID)に適したタグ53を埋め込んでいる。その場合、筐体25は、対応するRFIDリーダ(図示せず)を含んでおり、このRFリーダは、タグ53の中に暗号化された識別情報を検出するであろう。代替例として、主電子装置は、外側カバー50との有線の電流経路を介して、識別情報を検出することが可能である。その実施形態は、図6に例示されるが、図6では、暗号化された受動的な抵抗器52が外側カバー50の中に統合されており、且つ、一旦抵抗器52が、直ぐ下にある筐体25の中で露出している一対の端子に接触すると、その抵抗値が測定される。外側カバー50のIDの検出は、利用可能な前述のハードウェア特徴(図10では、集合的に外側カバーインターフェースと呼ばれる)の任意のものを通して、プロセッサによって実施してもよい。上で与えられた例は、有線の電流経路(例えば、外側カバー50内の暗号化された受動的な抵抗器)か、又は外側カバー50との無線データ通信を介するか(例えば、RFID)、のいずれかである。外側カバーインターフェースは、より複雑であってもよいこと、及び、電源バスインターフェースはもちろんのこと、直列通信バスインターフェースを含んでもよいことに注意されたい。この場合、電源バスインターフェースを通して、筐体25内の電力デバイス34は、外側カバー50内にある様々な電子装置(これはまた、ここでは二次的な電子装置と呼ばれる)に対して電力を届けることが可能である。
【0044】
図10のブロック図に描かれるように、ロボット特性ソフトウェアプログラム又はプロフィール(ここの例では、4つのIDである、基本、特性1、特性2、及び特性3によって識別される)は、以前にダウンロードし、且つ、ロボット本体の筐体25内にある不揮発性メモリの中に格納してもよい。これらはまた、遠隔サーバにおいて利用可能である最新のバージョンに、自動的に更新することが可能であり、この更新は、ロボットにインターネット接続が提供される場合はいつでも(通信ポート42を介するか、又は別個の無線デジタル通信インターフェース、例えば、筐体25内の無線ローカルエリアネットワーク・インターフェースを介して)実施される。このようにして、対応する外側カバー50が筐体25に取り付けられた場合はいつでも、プロフィールの最新バージョンを「最前面に持ってくる」ための準備が整う。
【0045】
戻って図6から図8を参照すると、これらの実施形態では、外側カバー50は部分51を有するが、部分51は、筐体25内のセンサ(発光器及び/又は検出器)又は、図6から図8に示されるように、指示光40を覆ってもよい、若しくは指示光40に揃ってもよい。部分51は、十分に透明であるように設計されるか、又は、切り抜き若しくは開口であり、部分51を通して、センサによって使用される光は、又は指示光40によって作り出される光は、筐体25が外側カバー50によって覆われているにもかかわらず、センサが継続して機能するのを可能とするべく、又は指示光40が見えるのを可能とするべく、通過できる。筐体25内で統合され、且つ自身の直接上方にある部分51に揃えられるべき、そのようなセンサの例としては、赤外センサ及び周囲の可視光センサが含まれる。
【0046】
更なる実施形態において、さて戻って図9及び図10を参照すると、外側カバー50は、「スキン側プロセッサ」という形で、自身の中に組み込まれた知能を有してもよい。ここで「スキン側プロセッサ」は、(外側カバー50内に統合されるプリント回路基板アセンブリ上の)プログラムされたプロセッサであってもよい。スキン側プロセッサは、ロボット本体の中にあるプロセッサ(「本体側プロセッサ」)と通信するように設計してもよく、それによって、玩具ロボット10により複雑な行動を与える。これを可能にするために、ロボット本体筐体25は、筐体25の中に統合された、直列通信インターフェース及び電源バスインターフェースを含み、これらは、外側カバー50における、ロボット本体インターフェース64(図10参照)と呼ばれる相手方バスインターフェースとつながることになっており、結果として、有線の通信接続路及び有線の電源接続路を形成する。従って、図9の例に見られるように、外側カバー50は、その中に、直列通信バスインターフェース57及び電源バスインターフェース60を統合しており、これらは、(一旦外側カバー50が、ロボット本体筐体25上に取り付けられた場合)、相手側の有線バージョンの対応するピン(筐体25の中の外側カバーインターフェース63)と導電的な接触することになっている(例えば、マイクロUSB仕様において説明される配置のような、4つのピンを介して)。そのような実施形態において、外側カバー50は、代わりに、あまり適応性のない、又はあまり強力ではないデータ処理能力を有することが可能であろう。このことは、例えば、通信バスインターフェース57及び電源バスインターフェース60にもまた結合される状態マシン又は他の制御論理回路(図示せず)という形において当てはまる。外側カバー50が、一緒に取り付けられる幾つかの要素から構成されるような、上で説明された場合では、(特性のヘッドのような)これらの要素の1つは、(アームのような)他の要素が純粋に装飾的である間は、スキン知能を提供する電子部品を収容することが可能であろう。
【0047】
一旦プロセッサが、選択されたプロフィール(ロボット特性ソフトウェアプログラム)に従って構成された場合、プロセッサは、様々な機構の内の任意の1つを通して自身が検出する外部刺激に応答してもよい。ここで該様々な機構は、線センサ30、近接センサ61(これは、発光器及び検出器、例えば、赤外線発光器及び相補的な赤外線検出器を含む)、RFモジュール31、又は1つ以上のマイクロフォン59を含む。マイクロフォン59、線センサ30、及び近接センサ61は、筺体25の中に統合してもよく(図8参照)、図8では、ロボット本体筺体25は、一対の近接センサ61を含む。外側カバー50が幾つかの「透明な」部分51を有する必要があるという場合に注意されたい。各「透明な」部分51は、各近接センサ61の直上に位置するか、又は各近接センサ61に揃えられるが、これは、近接センサ61によって使用される赤外光が、適切に発せられると共に検出されることを可能とするためである。
【0048】
別の実施形態において、一旦プロセッサが特定のプロフィール(ロボット特性ソフトウェアプログラム)によって構成された場合、そのプロフィールはまた、外側カバー50内で統合される電気的に制御可能な品目に対しての定義を含んでもよく、そして該定義は、外側カバーインターフェース63の通信インターフェース57を通して、本体側プロセッサによって、アクセスすることが可能である。例えば、いま図9を参照すると、外側カバー50は、もちろん駆動回路に結合される制御論理回路に加えて、光源55及び関連する駆動回路(例えば、発光ダイオード及び関連するLED駆動回路)を含んでもよい。その場合、ロボット本体筺体25内のプロセッサは、例えば、光源55の色又は強度を制御するために、外側カバーインターフェース63を通して、且つ、この特別な例においては、直列通信インターフェース57(図9参照)を通して、コマンドを送ることが可能である。より一般的には、光源55は、複数の部分を有してもよく、又は光源55は、複数の要素(例えば、LED要素)を有してもよく、該部分又は該要素の、外側カバー50の中に統合される制御論理回路は、次のような結果となることを認識している。その結果とは、光源55の特定の部分又は特定の要素に対して意図される光制御コマンドは、(それらのコマンドが、ロボット本体筺体25のプロセッサから受信される際に)認識され、且つ、その後、より低いレベルの駆動信号(例えば、外側カバー50の中のLED源の出力強度を制御する、パルス幅変調されたLED駆動信号)に変換され得る、というものである。
【0049】
別の実施形態において、外側カバー50はセンサを含むが、このセンサは、外側カバー50の中に統合され、且つ電源バスインターフェース60によって提供される電源接続路を通して、電力供給される。例として、近接センサ、及び、図面に示されるように、デジタルカメラ58が含まれる。外側カバー50内のデジタルカメラ59の制御論理回路は、ロボット本体筺体25の中のプログラムされたプロセッサから、デジタルカメラ58の動作を制御するためのコマンドを受信し、且つ該制御論理回路はまた、捕捉されたデジタル画像を、通信バスインターフェース57によって提供される通信接続路を通して、ロボット本体筺体25の中のプログラムされたプロセッサへ送信する。より一般的には、外側カバー50の中のセンサの制御論理回路は、本体側プロセッサから、センサの出力データを読み取るためのコマンドを(通信インターフェース57を通して)受信してもよい。
【0050】
更に別の実施形態において、外側カバー50は、やはり外側カバー50の中にあるアナログからデジタルへの変換回路(ADC)に結合される1つ以上のマイクロフォン59(例えば、マイクロフォンアレイとして動作する多数のマイクロフォン)を含んでもよく、その結果として、捕捉されたデジタル音声ストリームは、直列通信バスインターフェース57及び、筺体25内のその相手方によって形成される通信接続路を通して、筺体25の中のプログラムされたプロセッサへ送信されることが可能である。
【0051】
更なる実施形態において、図9でも描かれるが、外側カバー50はバッテリ56を有する。この場合、バッテリ56は、外側カバーの中に統合され、且つ、電源バスインターフェース60及び、筺体25の中の相手方電源バスインターフェースによって提供される有線の電源接続路に接続され、その結果として、ロボット本体筺体25内にある主電子装置へ、電力を供給することが可能である。上で示唆したように、バッテリ56に対する代替品は、外側カバー50内に統合されるエネルギー収穫ユニット(図示せず)であってもよく、該エネルギー収穫ユニットは、例えば光電池であり、これは、外側カバー50から、ロボット本体筺体25の中の主電子装置へ電力を供給するための別の方法である。
【0052】
更に別の実施形態において、外側カバー50は、(関連する駆動回路と共に)アクチュエータ又はモータ、駆動回路に結合された制御論理回路を含んでもよく、その場合、駆動回路及び制御論理回路は、外側カバーの電源バスインターフェース60及び、ロボット筺体25内の相手方電源バスインターフェースによって提供される電源接続路を通して、電力供給される。制御論理回路は、筺体25の中のプログラムされたプロセッサから、直列バス通信インターフェース57によって提供される有線の通信接続路を通して、アクチュエータの運動又はモータの制御に影響を与えるためのコマンドを受信する。一実施形態において、外側カバー50は、モータによって駆動される推進器機構を有し、この推進器機構によって、玩具ロボット10は、筺体25内のプログラムされたプロセッサの制御の下で、飛ぶことが可能になってもよい。
【0053】
一実施形態において、外側カバー50の外側表面は、二次元のアート作品、又は三次元のアート作品(彫刻物)を有してもよい。該アート作品は、特性又はプロフィールの外観を与えるが、ここで該特性又はプロフィールは、エンドユーザによって創り出されたか、又は(特性が描かれたオーディオビジュアルアート作品を作った)別の実体によって創り出されたか、のいずれかのものである。特性は、映画、テレビのシリーズもの又は、テレビゲームにおける英雄若しくは悪党であってもよい。特性と同様に外観を提示する二次元又は三次元のアート作品は、従って、そのような実体からライセンスを受けたものでもよい。
【0054】
一実施形態において、玩具ロボット10は、(スピーカ46を通して)声を与えられるが、その声は、現在の特性スキン(外側カバー50)にとって一意的なものである。一実施形態において、異なるロボット特性ソフトウェアプログラムは、それぞれの特性にそれぞれ対応する、電子的に定義された異なる声を有する。声は、玩具ロボット10のエンドユーザによって、又は別のユーザによって作られた合成音声であってもよく、且つそのような合成音声に対するパラメータ又はデータは、以前に生成され、且つ制御ユニット28の不揮発性メモリの中に(それぞれのロボット特性ソフトウェアプログラムに関連付けられて)格納されていてもよい。ロボットの声は、代わりに、(ロボット特性ソフトウェアプログラムの一部として)音声ファイルに記録され且つ格納された、以前に録音された人間の声に密接に基づいていてもよい。従って、特徴的な動きを示すことに加えて、玩具ロボット10は、一旦ある与えられた外側カバー50が取り付けられると、現在の外側カバー50にとって一意的である、スピーカ46によって作り出される特定の声を有してもよい。
【0055】
特性変更可能な玩具ロボット10の更なる態様は、(光源26を含む)点灯サブシステムを有することであり、この点灯サブシステムは、ある与えられた特性に対する、色又はパターンの一意的な組み合わせに従って、ロボットの該与えられた特性を反映する光を作り出すように構成される。その場合、ロボット特性ソフトウェアプログラムは、玩具ロボット10の点灯サブシステムのための色又はパターンの特定の組み合わせを定義するデータ構造を含んでもよい。
【0056】
従って、特性ソフトウェアプログラムは、点灯サブシステムのための色又はパターンの一意的な組み合わせ、ロボットの声に対する特定の合成された音声ファイル又は選択されたオーディオファイル、及び特定の運動パターンの定義を定義してもよく、その結果として、玩具ロボット10は、今では、音、光、及び動きを含む幾つかの異なる次元において(ロボットが検出する任意の外部刺激に応答して)、感情を表現してもよい、又は反応してもよい。
【0057】
本発明の更なる実施形態において、玩具ロボット10の筐体25内の主電子装置は、(例えば、RFIDリーダとタグの組み合わせのような、別のセンサと組み合わせた近接センサ61を使用して)別の玩具ロボット10との近接度が高いことを検出する。もう一方の玩具ロボットにもまた、特定のロボット特性又はプロフィールに関連付けられた外側カバーが取り付けられ、そこでは、このロボット特性もまた、検出されることが可能である(例えば、もう一方のロボットもまた、識別情報が暗号化されたRFIDタグを有することを仮定して、RFID能力を使用する)。この「遭遇」に対応して、玩具ロボット10のプログラムされたプロセッサは、もう一方の玩具ロボットとの対話を定義する数多くのルールに従って、再構成することが可能である。これらのルールは、遭遇するもう一方の玩具ロボットの識別情報(この識別情報は、特性又はプロフィールに分解される)に依存して、異なる。ロボットは、近くのロボットの特性が、現在の特性と同じ「ファミリ」にあることを、又は同じファミリにないことを、任意選択的に自動検出することが可能であり、且つ、その時、もう一方の玩具ロボットと対話するが、その場合、その特性(例えば、声の応答、部分の動きを含む可視的な応答、本体の動き)に依存して、異なったふうに対話する。例として、ロボットの声は、これらのルールによって修正してもよいが、その修正は、ある場合には、より太い声が選択され、他の場合には、より高い調子の声が選択されるという具合に行われる。代わりに又は加えて、点灯サブシステムは、異なったふうに制御してもよく、その結果として、例えば、指示光40は、特定の色の組み合わせを有し、且つ、ある場合には、より大きな強度を有し、そして他の場合には、それらの指示光40は、あまり強くない強度で、且つ/又は異なる色で照明される。一旦玩具ロボット10が、自身がもう一方の玩具ロボットにもはや近接していないと判断すると、プログラムされたプロセッサは、基本セットのルールに逆戻りしてもよい。
【0058】
ある一定の実施形態が、説明されると共に、添付図において示されてきたが、次のことを理解するべきである。即ち、そのような実施形態は、広い発明においては、単に例証的であり、制限的ではないこと、且つ、本発明は、図示され且つ説明された、特有の構造及び配列に限定されず、その理由は、当業者にとっては、様々な他の変更例が生じるかもしれないからである、ということを理解するべきである。例えば、電力ポート36及び通信ポート32は、両方とも、無線を用いる種類のものであってもよく、その場合、例えば、電力は、外部電源から電力デバイス34へ移され、その一方で、デジタル通信信号は、無線接続路(例えば、ブルートゥース(登録商標)通信プロトコル)を使用して、送信されると共に、外部デバイスへ送られる。説明は、従って、制限的である代わりに、例証的であると見なされるべきである。
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