(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】配線構造及びその製造方法、OLEDアレイ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/02 20060101AFI20221012BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221012BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221012BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
H05B33/02
H05B33/14 A
H01L27/32
G09F9/30 365
G09F9/30 330
(21)【出願番号】P 2018561612
(86)(22)【出願日】2018-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2018086460
(87)【国際公開番号】W WO2019024565
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】201710650543.1
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】肖 ▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】玄 明花
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 盛▲際▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小川
(72)【発明者】
【氏名】王 磊
(72)【発明者】
【氏名】付 杰
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲鵬▼程
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 冬▲ニ▼
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-105148(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106653819(CN,A)
【文献】国際公開第2010/041611(WO,A1)
【文献】特開2011-134546(JP,A)
【文献】特開2005-332773(JP,A)
【文献】特開2015-038962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50-51/56
H05B 33/00-33/28
H01L 27/32
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板であって、
互いに対向する第1表面と第2表面とを含むベース基板と、
前記ベース基板の前記第1表面に設置された第1導電性パターンと、
前記ベース基板の前記第2表面に設置された第2導電性パターンと、を含み、
前記第1導電性パターンと前記第2導電性パターンとは、前記ベース基板を貫通した貫通孔パターンを介して接続され、
前記第1導電性パターンと前記第2導電性パターンとは、前記OLEDアレイ基板の電源トレースとして配置され
、
前記第2導電性パターンは互いに間隔を空けた複数の第2サブ導電性パターンを含み、前記第2サブ導電性パターンはグリッド状構造を有し、前記貫通孔パターンは複数の貫通孔を含み、前記第1導電性パターンと各々の前記第2サブ導電性パターンとはそれぞれ前記貫通孔を介して接続されており、前記複数の第2サブ導電性パターンは、前記ベース基板の前記第2表面において電気的に導通されていない、有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板。
【請求項2】
前記OLEDアレイ基板はアレイ状に設置された画素構造を含み、各々の前記画素構造は前記第1導電性パターンに接続される請求項1に記載の有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板。
【請求項3】
隣接する前記貫通孔は等間隔で配列される請求項
2に記載の有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板を含む表示装置。
【請求項5】
さらに駆動回路を含み、前記第1導電性パターンは前記駆動回路に接続され、前記複数の第2サブ導電性パターンはそれぞれ前記駆動回路に接続される請求項
4に記載の表示装置。
【請求項6】
配線構造であって、
互いに対向する第1表面と第2表面とを含むベース基板と、
前記ベース基板の前記第1表面に設置された第1導電性パターンと、
前記ベース基板の前記第2表面に設置された第2導電性パターンと、を含み、
前記第1導電性パターンと前記第2導電性パターンとは、前記ベース基板を貫通した貫通孔パターンを介して接続され
ており、
前記第2導電性パターンは互いに間隔を空けた複数の第2サブ導電性パターンを含み、前記第2サブ導電性パターンはグリッド状構造を有し、前記貫通孔パターンは複数の貫通孔を含み、前記第1導電性パターンと各々の前記第2サブ導電性パターンとはそれぞれ前記貫通孔を介して接続されており、前記複数の第2サブ導電性パターンは、前記ベース基板の前記第2表面において電気的に導通されていない、配線構造。
【請求項7】
隣接する前記貫通孔は等間隔で配列される請求項
6に記載の配線構造。
【請求項8】
配線構造の製造方法であって、
ベース基板を提供するステップと、
前記ベース基板を貫通した貫通孔パターンを形成するステップと、
前記ベース基板の第1表面に第1導電性パターンを形成するステップと、
前記ベース基板の第2表面に第2導電性パターンを形成するステップと、を含み、
前記第1導電性パターンと前記第2導電性パターンとは前記貫通孔パターンを介して接続され
ており、
前記第2導電性パターンは互いに間隔を空けた複数の第2サブ導電性パターンを含み、前記第2サブ導電性パターンはグリッド状構造を有し、前記貫通孔パターンは複数の貫通孔を含み、前記第1導電性パターンと各々の前記第2サブ導電性パターンとはそれぞれ前記貫通孔を介して接続されており、前記複数の第2サブ導電性パターンは、前記ベース基板の前記第2表面において電気的に導通されていない、配線構造の製造方法。
【請求項9】
レーザ照射方法で前記貫通孔パターンを形成する請求項
8に記載の製造方法。
【請求項10】
最初に前記ベース基板を貫通した前記貫通孔パターンを形成し、次に前記ベース基板の第1表面に前記第1導電性パターンを形成するステップを含む請求項
8又は
9に記載の製造方法。
【請求項11】
最初に前記ベース基板の第1表面に前記第1導電性パターンを形成し、次に前記ベース基板を貫通した前記貫通孔パターンを形成するステップを含む請求項
8又は
9に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、配線構造及びその製造方法、有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)は、エレクトロルミネッセンス蛍光体又はリン光体有機化合物を用いて発光を実現するデバイスである。有機発光ダイオード(OLED)は、自己発光、全固体、広視野、高応答速度などの利点を有するため、表示分野において高い利用可能性を有すると考えられる。有機発光ダイオードは、すでに携帯電話、デジタルビデオカメラ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)及びノートパソコンに幅広く適用されている。
有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板は、複数の画素ユニットを含み、各々の画素ユニットは、スイッチトランジスタ、駆動トランジスタ及びOLED表示装置を含んでもよい。OLEDは、電流型発光デバイスであり、主に陽極、陰極及び有機材料機能層を含む。OLEDの主な作動原理は以下のとおりである。有機材料機能層は、陽極と陰極が形成した電場により駆動されて、キャリア注入と複合により発光する。OLEDの陽極又は陰極が電気的に接続した駆動トランジスタは、電流制限の役割を果たし、駆動トランジスタの電極材料の抵抗率が過大であり又は電源トレースの抵抗が過大になると、大きな電圧降下又は電圧上昇が発生し、且つ異なる位置にある画素ユニットへの影響が異なり、それにより、表示の均一性に悪影響を与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の少なくとも一実施例は配線構造を提供し、該配線構造は、互いに対向する第1表面と第2表面とを含むベース基板と、前記ベース基板の前記第1表面に設置された第1導電性パターンと、前記ベース基板の前記第2表面に設置された第2導電性パターンとを含み、前記第1導電性パターンと前記第2導電性パターンとは、前記ベース基板を貫通した貫通孔パターンを介して接続される。
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る配線構造において、前記第2導電性パターンは、互いに間隔を空けた複数の第2サブ導電性パターンを含み、前記貫通孔パターンは複数の貫通孔を含み、前記第1導電性パターンと各々の前記第2サブ導電性パターンとはそれぞれ前記貫通孔を介して接続される。
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る配線構造において、隣接する前記貫通孔は等間隔で配列される。
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る配線構造において、前記第2サブ導電性パターンはグリッド状構造を有する。
本開示の少なくとも一実施例はさらに、上記いずれかに記載の配線構造を含む有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板を提供する。
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係るOLEDアレイ基板において、前記第1導電性パターンと前記第2導電性パターンとは、前記OLEDアレイ基板の電源トレースとして配置される。
【0004】
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係るOLEDアレイ基板において、前記アレイ基板は、アレイ状に設置された画素構造を含み、各々の前記画素構造は前記第1導電性パターンに接続される。
本開示の少なくとも一実施例はさらに、上記いずれかに記載の有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板を含む表示装置を提供する。
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示装置はさらに、駆動回路を含み、前記第1導電性パターンは前記駆動回路に接続され、前記複数の第2サブ導電性パターンはそれぞれ前記駆動回路に接続される。
本開示の少なくとも一実施例はさらに配線構造の製造方法を提供し、該製造方法は、ベース基板を提供するステップと、前記ベース基板を貫通した貫通孔パターンを形成するステップと、前記ベース基板の第1表面に第1導電性パターンを形成するステップと、前記ベース基板の第2表面に第2導電性パターンを形成するステップとを含み、前記第1導電性パターンと前記第2導電性パターンとは前記貫通孔パターンを介して接続される。
【0005】
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法において、レーザ照射方法で前記貫通孔パターンを形成する。
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法は、最初に前記ベース基板を貫通した前記貫通孔パターンを形成し、次に前記ベース基板の第1表面に前記第1導電性パターンを形成するステップを含む。
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法は、最初に前記ベース基板の第1表面に前記第1導電性パターンを形成し、次に前記ベース基板を貫通した前記貫通孔パターンを形成するステップを含む。
【0006】
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法において、前記貫通孔パターンを形成するステップは、複数の貫通孔を形成することを含む。
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法において、前記第2導電性パターンは、互いに間隔を空けた複数の第2サブ導電性パターンを含み、前記第1導電性パターンと各々の前記第2サブ導電性パターンとはそれぞれ前記貫通孔を介して接続される。
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法において、隣接する前記貫通孔は等間隔で配列される。
たとえば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法において、前記第2サブ導電性パターンはグリッド状構造を有する。
【0007】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明するが、勿論、以下に説明する図面は本開示の一部の実施例に関するものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本開示の一実施例に係る配線構造を示す断面構造模式図である。
【
図1B】本開示の一実施例に係る配線構造を示す断面構造模式図である。
【
図2】本開示の一実施例に係る配線構造の第1表面を含む部分を示す構造模式図である。
【
図3】本開示の別の実施例に係る配線構造の第1表面を含む部分を示す構造模式図である。
【
図4】本開示の一実施例に係る配線構造の第2表面を含む部分を示す構造模式図である。
【
図5】本開示の別の実施例に係る配線構造の第2表面を含む部分を示す構造模式図である。
【
図6】本開示の一実施例に係る有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板を示す平面構造模式図である。
【
図7A】本開示の一実施例に係る2T1C画素回路を示す模式図である。
【
図7B】本開示の一実施例に係る2T1C画素回路を示す模式図である。
【
図8】本開示の一実施例に係る配線構造の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明瞭且つ完全に説明する。勿論、説明される実施例は、本開示の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに想到し得るすべての他の実施例は、本開示の保護範囲に属する。
特に定義しない限り、本開示に使用されている技術用語又は科学用語は当業者が理解できる通常の意味を有する。本開示に使用されている「第1」、「第2」及び類似する用語は、順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものにすぎない。「含む」又は「備える」等の類似する用語は、「含む」又は「備える」の前に記載された素子又は部材が、「含む」又は「備える」の後に挙げられる素子又は部材及びその同等物を含むが、ほかの素子又は部材を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」等の類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接接続されるか間接的に接続されるかに関わらず、電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対位置関係を示すだけであり、説明対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0010】
本開示の実施例に係る配線構造及びOLEDアレイ基板において、各パターンの寸法は、実際の製品では、通常、ミクロン又はミクロンよりも小さい寸法であるため、明瞭さのため、本開示の実施例の図面において、各構造の寸法がすべて拡大されており、特に記載のない限り、実際のサイズと割合を表していない。
発明者が研究した結果、従来のOLEDアレイ基板の構造において、VDDトレース又はVSSトレース自体が抵抗を有し、電流がVDDトレース又はVSSトレースを通過するとき、VDDトレースでの電圧降下又はVSSトレースでの電圧上昇が発光電流に影響を与え、このようにVDD信号又はVSS信号の振幅が差異を持つことをもたらす。薄膜トランジスタ(TFT)の特性が理想的ではない(飽和領域電流がVgsに関連するだけでなく、Vdsにも関連する)ことを考慮に入れると、VDDトレースでの電圧降下又はVSSトレースでの電圧上昇がVdsに影響を与えるため、異なる位置にあるOLEDサブ画素が出力した電流はVDD電圧又はVSS電圧の変化により変化し、それにより表示の不均一性を引き起こし、そのため、VDDトレース及びVSSトレースの抵抗をできるだけ減少させ、更にVDDトレースでの電圧降下及びVSSトレースでの電圧上昇を減少させる。
本開示の少なくとも一実施例は配線構造を提供し、該配線構造は、互いに対向する第1表面と第2表面とを含むベース基板と、ベース基板の第1表面に設置された第1導電性パターンと、ベース基板の第2表面に設置された第2導電性パターンとを含み、該第1導電性パターンと第2導電性パターンは、ベース基板を貫通した貫通孔パターンを介して接続される。
【0011】
該配線構造がOLEDアレイ基板に適用されると、第1導電性パターンはVDDトレース又はVSSトレースのパターンであり、第1導電性パターンと第2導電性パターンは、ベース基板を貫通した貫通孔パターンを介して接続されるため、VDDトレース又はVSSトレースの抵抗を減少させ、それにより、VDDトレースでの電圧降下及びVSSトレースでの電圧上昇を減少させ、更に表示の均一性を改善することができる。
本開示の少なくとも一実施例は、配線構造を提供し、たとえば、
図1Aと1Bは、本開示の一実施例に係る配線構造を示す断面構造模式図であり、
図1Aと1Bに示されるように、該配線構造100は、互いに対向する第1表面102と第2表面103を含むベース基板101と、該ベース基板101の第1表面102に設置された第1導電性パターン104と、該ベース基板101の第2表面103に設置された第2導電性パターン105とを含み、該第1導電性パターン104と該第2導電性パターン105は、ベース基板101を貫通した貫通孔パターン106を介して接続される。
【0012】
たとえば、該ベース基板101は、ガラス、石英、所定の硬度を有する樹脂材料又はほかの適切な材料を材料とする絶縁基板である。
たとえば、該第1導電性パターン104と第2導電性パターン105の材料は、たとえば、銅(Cu)、銅モリブデン合金(Cu/Mo)、銅チタン合金(Cu/Ti)、銅モリブデンチタン合金(Cu/Mo/Ti)、銅モリブデンタングステン合金(Cu/Mo/W)、銅モリブデンニオブ合金(Cu/Mo/Nb)などの銅系金属であってもよく、たとえば、クロムモリブデン合金(Cr/Mo)、クロムチタン合金(Cr /Ti)、クロムモリブデンチタン合金(Cr/Mo/Ti)などのクロム系金属、又はほかの適切な導電性金属材料であってもよい。
たとえば、単層構造の第1導電性パターン104に比べて、第1導電性パターン104と第2導電性パターン105が接続されて二層構造になると、第1導電性パターン104の抵抗は大幅に減少する。
たとえば、第1導電性パターン104は、互いに交差している金属線(バー)で形成されるグリッド状構造であり、それにより複数のメッシュが形成され、該グリッド状構造はさらに抵抗を減少させることができる。
たとえば、該第1導電性パターン104は、金属グリッドで形成される面状構造(単一のストリップ状又は線状ではない)であり、該面状の第1導電性パターンがディスプレイパネルに適用されると、第1導電性パターンの電圧降下(IR drop)又は電圧上昇(IR rising)を減少させ、それによりディスプレイパネルのエネルギー消費量を低減させることができる。なお、面状構造の導電性パターンとは、導電性パターンの短手方向と長手方向の両方ともに所定の寸法と延びる範囲があることを意味する。
【0013】
たとえば、
図1Aと
図1Bに示されるように、第2導電性パターン105は、互いに間隔を空けた複数の第2サブ導電性パターン1051を含み、貫通孔パターン106は、複数の貫通孔1061を含み、第1導電性パターン104と各々の第2サブ導電性パターン1051はそれぞれ貫通孔1061を介して接続される。
たとえば、レーザ照射などの穿孔技術により貫通孔パターン106を形成できる。たとえば、レーザ照射のエネルギーは700~900mJ、時間は6~10秒であり、一例では、レーザ照射のエネルギーは800mJ、時間は10秒である。別の一例では、レーザ照射のエネルギーは850mJ、時間は9秒である。
たとえば、
図1Bに示される配線構造は、表示装置の表示基板、たとえば、OLED表示装置の表示基板に用いられ、第2導電性パターン105の一側にOLED画素アレイを駆動するための駆動回路層110が形成される。このとき、第1導電性パターン104と第2導電性パターン105は、画素アレイの陰極(たとえば共通陰極)、陽極(たとえば共通陽極)、電源線のうちの何れかひとつとして配置される。
【0014】
たとえば、
図2は、本開示の実施例に係る配線構造の第1表面を含む部分を示す構造模式図である。
図2に示されるように、該第1導電性パターン104は、長方形のグリッド状構造であり、該長方形グリッド状構造の両側にそれぞれ1つの入力端子を有し、該入力端子はそれぞれIC又はFPCに接続される。ベース基板における貫通孔パターン106は、メッシュではなく、長方形のグリッド状構造の金属材料に対応する。
図2に示されるように、該貫通孔パターン106は、4つの貫通孔1061を含み、該4つの貫通孔1061はそれぞれ配線構造の第1表面において横縦に交差する金属線(バー)の交差部に対応し、このように第1導電性パターン104と後に形成された第2導電性パターンが電気的に導通することを確保できる。たとえば、
図2に示されるように、隣接する2つの貫通孔1061は、横方向と縦方向において間隔が同じであり、等間隔で設置された貫通孔は、ラインの長さのばらつきによる入力電気信号の差異が大きいという問題を解決し、各々の第2サブ導電性パターン1051に入力される電気信号をより正確に制御することができる。
たとえば、
図3は、本開示の実施例に係る別の配線構造の第1表面を含む構造模式図である。
図3に示されるように、該貫通孔パターンに含まれる貫通孔1061の個数は8つであり、なお、該貫通孔1061の個数は
図2中の4つと
図3中の8つに制限されず、2つ、3つ又は5つなどであってもよい。勿論、貫通孔1061の個数が1つである場合も、第1導電性パターンの抵抗を減少させる効果を果たせるが、表示の均一性を向上させる効果が低い。
【0015】
たとえば、
図3に示される構造において、8つの貫通孔1061が形成されて8つの接続チャンネルが形成され、このように、第1導電性パターンの抵抗をさらに減少させることができる。たとえば、
図3に示されるように、貫通孔1061は、非等間隔で分布してもよく、貫通孔は横方向における金属線(バー)に対応した位置のみに設置され、又は縦方向における金属線(バー)に対応した位置に設置されてもよい。
なお、該網状構造は、長方形に制限されず、円形、正多角形、台形又は非規則的な多角形等であってもよい。
たとえば、一例では、各列の画素構造(サブ画素)に対応して1つのグリッド状の第1導電性パターンが設置され、このように、複数のグリッド状の第1導電性パターンを接続して一体構造に形成し、それにより第1導電性パターンの面積を増大させ、更に第1導電性パターンの電圧降下(IR drop)又は電圧上昇(IR rising)をさらに低下させ、該配線構造をディスプレイパネルに用いると、表示の均一性を向上させるとともに、ディスプレイパネルの消費電力を減少させることができる。
たとえば、別の一例では、複数の画素構造(サブ画素)に対応して面状の第1導電性パターンが設置されてもよく、すなわち、第1導電性パターンは画素構造の領域全体に対応する。
【0016】
たとえば、
図4は、本開示の実施例に係る配線構造の第2表面を含む部分を示す構造模式図である。
図4における配線構造の第2表面の構造は、
図2における配線構造の第1表面の構造と組み合わせて配線構造を形成することができる。
図4に示されるように、4つの第2サブ導電性パターン1051(1051a、1051b、1051c、1051dを含む)は互いに間隔を空けており、すなわち4つの第2サブ導電性パターン1051は、配線構造の第2表面において電気的に導通されていない。
図4に示されるように、各々の第2サブ導電性パターン1051はいずれも、ベース基板を貫通した少なくとも1つの貫通孔1061に対応し、このように、各々の第2サブ導電性パターン1051はそれぞれ、貫通孔1061を介して第1導電性パターン(図示せず)に電気的に接続される。
たとえば、
図5は、本開示の実施例に係る配線構造の第2表面を含む部分を示す構造模式図である。
図5における配線構造の第2表面の構造は、
図3における配線構造の第1表面の構造と組み合わせて配線構造を形成することができる。各々の第2サブ導電性パターン1051は、異なる位置で複数の貫通孔1061に対応してもよく、
図5に示されるように、各々の第2サブ導電性パターン1051は、2つの貫通孔1061に対応し、各々の第2サブ導電性パターン1051は、2つの異なる位置で第1導電性パターンに電気的に接続され、このように、第1導電性パターン104の抵抗をさらに減少させることができる。
【0017】
たとえば、第2サブ導電性パターン1051はグリッド状構造を有し、各々の第2サブ導電性パターン1051の形状は同じであってもよく、又は異なってもよく、たとえば、該第2サブ導電性パターン1051の形状は、長方形に制限されず、円形、正多角形、台形又は非規則的な多角形などであってもよい。
たとえば、
図3における第1導電性パターン104と、互いに間隔を空けた各々の第2サブ導電性パターン1051とは、それぞれ貫通孔1061を介して接続され、このように、1つの第2サブ導電性パターン1051の入力電圧を個別に制御することで、小領域内での第1導電性パターン104と1つの第2サブ導電性パターン1051との接続部における電圧を調整することができ、このように、小領域内での入力電圧を個別に制御することで、第1導電性パターン104での電圧上昇又は電圧降下の値がほぼゼロに近いことを実現する。このように、該配線構造をディスプレイパネルに用いると、表示の均一性を向上させることができる。
【0018】
使用されるときに、本開示の一実施例に係る配線構造は駆動回路に接続され、たとえば、第1導電性パターンは、入力端子を介して駆動回路に接続され、各々の第2サブ導電性パターンはそれぞれの入力端子を介して駆動回路に接続される。
図2に示される第1表面の第1導電性パターンと
図4に示される第2表面の第2サブ導電性パターンを組み合わせてなる配線構造を例にして説明し、第1導電性パターン104に入力される電圧値をV0とし、検出された第1導電性パターン104と第2サブ導電性パターン1051aとの接続部での電圧をV1’とし、V0とV1’が同じ又はほぼ同じである場合、第2サブ導電性パターン1051aに電圧を印加しない。V0とV1’の差が大きい場合、第2サブ導電性パターン1051aに電圧を印加し、V0とV1’を同じ又はほぼ同じにし、第2サブ導電性パターン1051aに印加される電圧はたとえばV1である。
同様に、第1導電性パターン104に入力される電圧値をV0とし、検出された第1導電性パターンと第2サブ導電性パターン1051b、第2サブ導電性パターン1051c及び第2サブ導電性パターン1051dとの接続部での電圧をそれぞれV2’、V3’及びV4’とし、V0とV2’、V3’又はV4’は同じ又はほぼ同じである場合、第2サブ導電性パターン1051b、第2サブ導電性パターン1051c又は第2サブ導電性パターン1051dに電圧を印加しない。V0とV2’、V3’及び/又はV4’の差が大きい場合、第2サブ導電性パターン1051b、第2サブ導電性パターン1051c及び/又は第2サブ導電性パターン1051dに電圧を印加し、V0とV2’、V3’及び/又はV4’を同じ又はほぼ同じにし、第2サブ導電性パターン1051b、第2サブ導電性パターン1051c及び/又は第2サブ導電性パターン1051dに印加される電圧はたとえば、それぞれV2、V3及びV4である。
【0019】
それ以外、配線構造の周辺に大量の静電気が存在する可能性があり、ベース基板101の第2表面に形成されてグリッド状構造を有する第2導電性パターン105は、静電気遮蔽の役割を果たし、外部の静電気によるベース基板101の第1表面102に設置された第1導電性パターン104の電気信号への干渉を避けられ、同時に静電破壊の発生を防止することができる。
たとえば、該配線構造は、有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板に適用できる。TFT液晶ディスプレイ(TFT-LCD)は、安定的な電圧を用いて表示輝度を制御し、TFT-LCDとは異なり、OLEDアレイ基板は電流駆動のものであり、電源電圧トレース(たとえば、VDD又はVSS)の抵抗が大きいとき、VDDで大きな電圧降下が発生し、又は、VSSで大きな電圧上昇が発生し、このように電流不均一を引き起こして表示不均一を発生させる。本開示では、第1導電性パターンと第2導電性パターンで形成される接続構造は、OLEDアレイ基板における電源トレースとして配置できる。
本開示の少なくとも一実施例はさらに、有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板を提供し、
図6は、本開示の実施例に係る有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板の平面構造模式図であり、
図6に示されるように、該有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板は、ベース基板201と、ベース基板201の第1表面及び第2表面に設置された電源トレース202、ゲートライン203及びデータライン204と、ゲートライン203とデータライン204が交差して画定する領域内に設置された画素構造205とを含み、たとえば、該電源トレース202は、実施例1におけるいずれか一つの配線構造の第1導電性パターン104と第2導電性パターン105とにより形成された接続構造である。第1導電性パターンは、有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板において電源端子に接続された電源トレースにより構成されたパターンである。
【0020】
たとえば、第1導電性パターンは、OLEDアレイ基板の電源トレースとして配置され、アレイ基板は、アレイ状に設置された画素構造を含み、各々の画素構造は第1画素構造に接続される。
該画素構造205は、スイッチトランジスタ206、駆動トランジスタ207及びOLEDデバイス208を含み、且つスイッチトランジスタ206はゲートライン203とデータライン204に接続され、駆動トランジスタ207はスイッチトランジスタ206、電源トレース202及びOLEDデバイス208に接続され、電源トレース202の第1導電性パターン104は画素構造205の下方に設置され且つ画素構造205とは少なくとも部分的に重なる。電源トレース202の第1導電性パターン104と画素構造205との間に絶縁層(
図1Aと1Bに示されていない)が設置され、該絶縁層に第1ビアホール構造210が設置され、電源トレース202の第1導電性パターン104は、第1ビアホール構造210を介して駆動トランジスタ207に接続される。スイッチトランジスタ206と駆動トランジスタ207の位置は対応した破線ボックスにより示される。電源トレース202の第2導電性パターンは、ベース基板201を貫通した貫通孔を介して第1導電性パターンに接続される。
たとえば、
図6では、互いに並列された4つの画素構造のみ示され、且つそれぞれ白色光(W)、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)を発光するが、当業者であれば、本開示の実施例のアレイ基板に含まれる画素構造が、4つに制限されず、複数個を含んでもよいことを理解できる。
【0021】
各画素構造はさらに蓄積コンデンサを含み、該蓄積コンデンサは、互いに対向して設置された第1電極と第2電極を含み、且つ両方間に絶縁材料で形成された誘電体層が設置される。たとえば、第1電極は駆動トランジスタ207のゲートに接続され、第2電極は第1導電性パターン104に接続される。
たとえば、該OLEDアレイ基板は、表示領域と表示領域外の外周領域とを含み、表示領域はAA(Active Area)領域とも呼ばれ、一般的に表示に用いられ、外周領域は、駆動回路を設置してディスプレイパネルをパッケージすること等に用いられる。上記画素構造、ゲートライン及びデータラインはいずれも表示領域に位置する。たとえば、該OLEDアレイ基板は、ゲートライン、データラインなどのリード線以外、画素ユニットと検出集積回路とを接続するための検出補償ラインを含んでもよく、該検出補償ラインは表示領域に位置してもよい。
たとえば、ゲートラインが位置する領域が、駆動トランジスタの領域と蓄積コンデンサとの領域に近いため、駆動トランジスタの位置する領域と蓄積コンデンサの位置する領域とがOLEDアレイ基板に垂直な方向に重なるように、電源トレースをより広い領域に設置してもよい。
【0022】
たとえば、一例では、電源線(第1導電性パターンと第2導電性パターンにより形成された接続構造)の、画素構造、ゲートライン及びデータラインに対応した領域には中空構造が設置されてもよい。なお、該中空構造の寸法は画素構造、ゲートライン及びデータラインの寸法に対応し、該中空構造の寸法は上記金属グリッドのメッシュの寸法より大きい。電源線の画素構造に対応した領域を中空構造として設置するのは主に金属材質の電源線による光の透過率への影響を避けるためであり、すなわち、画素構造に対応した領域に中空構造が設置されることにより光の透過率を増大して、入射光を十分に利用することに役立つ。電源線のゲートライン、データラインに対応した領域を中空構造として設置するのは主に、電源線とゲートライン、データラインとの間にコンデンサの形成を防止するためである。中空構造は、複数の非連続なサブ中空構造(すなわち複数のサブ中空構造は互いに間隔を空ける)を含んでもよく、このように、電源線を複数の接続領域に分けることに相当し、同様に、電源線の電圧降下を大幅に減少させることができる。
たとえば、OLEDアレイ基板において、サブ画素限定領域にさらにカラーフィルム層が設置されてもよく、たとえば、赤色サブ画素、青色サブ画素及び緑色サブ画素については、白色光OLEDデバイス及び対応した赤色カラーフィルム層、青色カラーフィルム層及び緑色カラーフィルム層を組み合わせて実現できる。該カラーフィルム層はフィルター又は光変換層(たとえば蛍光層)であってもよい。またたとえば、カラーフィルム層にさらに平坦層が設置されてもよい。
【0023】
たとえば、
図7A-7Bは、本開示の実施例に係る2T1C画素回路を示す模式図である。
図6と
図7Aから分かるように、該2T1C画素回路は、スイッチトランジスタT1、駆動トランジスタT2及び蓄積コンデンサCsを含む。たとえば、該スイッチトランジスタT1は、ゲートがゲートライン(走査ライン)に接続されて走査信号(Scan)を受信し、たとえばソースがデータラインに接続されてデータ信号(Vdata)を受信し、ドレインが駆動トランジスタT2のゲートに接続される。駆動トランジスタT2は、ソースが第1電源端子(Vdd、高圧端子)に接続され、ドレインがOLEDの陽極端子に接続される。蓄積コンデンサCsは、一端がスイッチトランジスタT1のドレイン及び駆動トランジスタT2のゲートに接続され、他端が駆動トランジスタT2のソース及び第1電源端子に接続される。OLEDの陰極は、第2電源端子(Vss、低圧端子)に接続され、たとえば接地する。該2T1C画素回路の駆動方式は、画素の明暗(グレースケール)を2つのTFTと蓄積コンデンサCsにより制御する方式である。ゲートラインを介して走査信号Scanを印加することでスイッチトランジスタT1を起動させると、データ駆動回路は、データラインを介して供給されたデータ電圧(Vdata)を、スイッチトランジスタT1を介して蓄積コンデンサCsに充電し、それによりデータ電圧を蓄積コンデンサCsに蓄積し、且つ蓄積されたこのデータ電圧が駆動トランジスタT2の導通レベルを制御し、さらに駆動トランジスタを流れてOLED発光を駆動する電流の大きさを制御し、すなわち、この電流は該画素発光のグレースケールを決める。
図7Aに示される2T1C画素回路において、スイッチトランジスタT1はN型トランジスタであり、駆動トランジスタT2はP型トランジスタである。
【0024】
図7Bに示されるように、別の2T1C画素回路も、スイッチトランジスタT1、駆動トランジスタT2及び蓄積コンデンサCsを含むが、その接続方式は僅かに変わり、且つ駆動トランジスタT2はN型トランジスタである。より具体的には、
図7Aに比べ、
図7Bの画素回路は以下の点が異なる。OLEDは、陽極端子が第1電源端子(Vdd、高圧端子)に接続され、陰極端子が駆動トランジスタT2のドレインに接続され、駆動トランジスタT2は、ソースが第2電源端子(Vss、低圧端子)に接続され、たとえば接地する。蓄積コンデンサCsは、一端がスイッチトランジスタT1のドレイン及び駆動トランジスタT2のゲートに接続され、他端が駆動トランジスタT2のソース及び第2電源端子に接続される。
また、
図7Aと
図7Bに示される画素回路では、スイッチトランジスタT1は、N型トランジスタに制限されず、P型トランジスタであってもよく、そのオン又はオフを制御する走査信号(Scan)の極性は対応して変化すればよい。
なお、第1導電性パターンは、有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板において第1電源端子に接続された信号線で構成されるパターンであり、又は、第1導電性パターンは、有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板において第2電源端子に接続された信号線で構成されるパターンである。
たとえば、本開示の実施例では、画素回路はさらに、3T1C、4T2Cなどであってもよく、上記スイッチトランジスタと駆動トランジスタ以外、補償トランジスタ、リセットトランジスタなどを含んでもよく、ここでそれについて制限しない。
【0025】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに上記いずれかの有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板を含み、さらにゲート駆動回路、データ駆動回路及び電源などを含み、ゲートラインはゲート駆動回路に接続され、データラインがデータ駆動回路に接続され、電源配線が電源に接続される、表示装置を提供する。該表示装置は、OLEDパネル、携帯電話、タブレットパソコン、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなどの表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよい。
本開示の実施例に係る表示装置に含まれる有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板は、上記いずれかの有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板の構造と同じであり、その技術的効果と実現原理が同じであるため、ここで詳細な説明を省略する。なお、需要に応じて、上記有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板の層構造に限らず、ほかの層構造を含んでもよい。
該表示装置はさらに駆動回路を含んでもよく、第1導電性パターンは駆動回路に接続され、複数の第2サブ導電性パターンはそれぞれ駆動回路に接続される。
また、該表示装置は、ボトムエミッションモード又はトップエミッションモードで利用されてもよく、両面エミッションモードで利用されてもよい。
本開示の少なくとも一実施例はさらに配線構造の製造方法を提供し、
図8は本開示の実施例に係る配線構造の製造方法を示すフローチャートであり、
図8に示されるように、該製造方法はステップ101~ステップ104を含む。
【0026】
ステップ101、ベース基板を提供する。
たとえば、該ベース基板はガラス、石英、所定の硬度を有する樹脂材料又はほかの適切な材料を材料とする絶縁基板である。
ステップ102、該ベース基板を貫通した貫通孔パターンを形成する。
たとえば、レーザ照射方法で前記貫通孔パターンを形成し、該レーザ照射のエネルギーは700~900mJ、時間は6~10秒であり、一例では、レーザ照射のエネルギーは800mJ、時間は7秒であり、別の一例では、レーザ照射のエネルギーは850mJ、時間は9秒である。
ステップ103、該ベース基板の第1表面に第1導電性パターンを形成する。
たとえば、金属薄膜を堆積して、次にフォトレジストのコーティング、露光、現像、エッチングなどのプロセスを経て第1導電性パターンを形成し、なお、第1導電性パターンは、貫通孔の位置する領域に入って貫通孔の側壁に付着できる。
ステップ104、該ベース基板の第2表面に第2導電性パターンを形成し、該第1導電性パターンと第2導電性パターンを該貫通孔パターンを介して接続し、なお、第2導電性パターンは、貫通孔の位置する領域に入って貫通孔の側壁に付着できる。
たとえば、フォトレジストのコーティング、露光、現像、エッチングなどのプロセスで第1導電性パターンを形成する。
【0027】
たとえば、第1導電性パターンと第2導電性パターンの材料については、上記実施例の関連説明を参照すればよく、ここで詳細な説明を省略する。
たとえば、上記ステップ102とステップ103の順番について制限がなく、2種の方式を含む。第1の方式:まず、ベース基板を貫通した貫通孔パターンを形成し、次にベース基板の第1表面に第1導電性パターンを形成し、このように、第1導電性パターンの完全性及び電気的接続の信頼性を確保できる。第2の方式について、まず、ベース基板の第1表面に第1導電性パターンを形成し、次にベース基板のみを貫通する貫通孔パターンを形成し、このように、形成された貫通孔パターンが第1導電性パターンに位置することを確保し、レーザ穿孔の位置決め精度を確保できる。
たとえば、該貫通孔パターンは複数の貫通孔を含み、複数の貫通孔はそれぞれ、配線構造の第1表面において横縦に交差する金属線(バー)の交差部に対応し、このように、第1導電性パターンと第2導電性パターンが導通することを確保できる。たとえば、隣接する貫通孔は、横方向と縦方向において間隔が同じであり、等間隔で設置された貫通孔は、ラインの長さのばらつきによる入力電気信号の差異が大きいという問題を解決し、各々の第2サブ導電性パターンに入力される電気信号をより正確に制御することができる。
【0028】
たとえば、該貫通孔パターンに含まれる貫通孔の個数は、1つ、2つ、3つ、4つ、8つ又はそれ以上であってもよく、ここでそれについて限定しない。
たとえば、貫通孔の個数が多いほど、形成された接続チャンネルが多くなり、このように、第1導電性パターンの抵抗をさらに減少させることができる。たとえば、貫通孔は非等間隔で分布してもよく、貫通孔は横方向における金属線(バー)に対応した位置のみに設置されてもよく、又は、縦方向における金属線(バー)に対応した位置のみに設置されてもよい。
たとえば、複数の第2サブ導電性パターンは互いに間隔を空けており、すなわち、複数の第2サブ導電性パターンは、配線構造の第2表面において電気的に導通していない。各々の第2サブ導電性パターンはいずれも、ベース基板を貫通した少なくとも1つ貫通孔に対応し、このように、各々の第2サブ導電性パターンはそれぞれ貫通孔を介して第1導電性パターンに電気的に接続される。たとえば、各々の第2サブ導電性パターンは異なる位置で複数の貫通孔に対応し、各々の第2サブ導電性パターンが異なる位置でそれぞれ第1導電性パターンに電気的に接続されることにより、第1導電性パターンの抵抗をさらに減少させることができる。
たとえば、第2サブ導電性パターンはグリッド状構造を有し、各々の第2サブ導電性パターンの形状は同じであってもよく、又は異なってもよく、たとえば、該第2サブ導電性パターンの形状は、長方形に制限されず、円形、正多角形、台形又は非規則的な多角形などであってもよい。
【0029】
本開示の実施例に係る配線構造及びその製造方法、有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板及び表示装置は、以下の少なくとも1つの有益な効果がある。
(1)本開示の少なくとも一実施例に係る配線構造において、第1導電性パターンと第2導電性パターンがベース基板を貫通した貫通孔パターンを介して電気的に接続されることで、第1導電性パターンの抵抗を減少させ、それにより第1導電性パターンでの電圧降下を減少させることができる。
(2)本開示の少なくとも一実施例に係る配線構造において、第1導電性パターンと互いに間隔を空けた各々の第2サブ導電性パターンがそれぞれ貫通孔を介して接続されることで、1つの第2サブ導電性パターンの入力電圧を個別に制御して小領域内での電圧を調整することができる。
(3)本開示の少なくとも一実施例に係る配線構造において、グリッド状構造を有する第2導電性パターンが静電気遮蔽の役割を果たし、このように外部の静電気によるベース基板の第1表面に設置された第1導電性パターンの電気信号への干渉を避けられ、同時に静電破壊の発生を防止することができる。
(4)本開示の少なくとも一実施例に係るOLEDアレイ基板において、小領域での入力電圧を個別に制御することで、第1導電性パターンでの電圧上昇又は電圧降下の値がほぼゼロに近づくことを実現し、それにより表示の均一性を確保できる。
なお、
(1)本開示の実施例の図面に、本開示の実施例に関する構造のみが示され、ほかの構造については通常の設計を参照すればよい。
(2)明瞭さから、本開示の実施例を説明する図面に、層又は領域の厚さが拡大又は縮小されるものであり、すなわち、これらの図面は実際の比例に応じて作成するものではない。なお、層、膜、領域又は基板のような素子については、別の素子の「上方」又は「下方」に位置すると記載された場合、該素子は別の素子の「上方」又は「下方」に「直接」位置してもよく、中間素子が存在してもよい。
(3)矛盾がない場合、本開示の実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせて、新しい実施例を構成することができる。
以上は本開示の好ましい実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を制限するものではなく、本開示の保護範囲は前記特許請求の範囲の保護範囲を基準にする。
本願は、2017年8月2日に出願した中国特許出願第201710650543.1号の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されている全内容が本願の一部として援用される。
【符号の説明】
【0030】
100-配線構造;101、201-ベース基板;102-第1表面;103-第2表面;104-第1導電性パターン;105-第2導電性パターン;1051、1051a、1051b、1051c、1051d-第2サブ導電性パターン;106-貫通孔パターン;1061-貫通孔;110-駆動回路層;202-電源トレース;203-ゲートライン;204-データライン;205-画素構造;206-スイッチトランジスタ;207-駆動トランジスタ;208-OLEDデバイス;210-第1ビアホール構造。