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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20221012BHJP
【FI】
H02M7/48 M
H02M7/48 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019165891
(22)【出願日】2019-09-12
(65)【公開番号】P2021044956
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-08-20
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高貫 晃洋
(72)【発明者】
【氏名】田島 清巳
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-206003(JP,A)
【文献】特開2018-011404(JP,A)
【文献】特開2014-082904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリッジ状に接続される複数のダイオードを含み、入力された複数相の交流電源を直流電源に変換する整流器と、
前記整流器からの前記直流電源を平滑化する平滑コンデンサと、
前記平滑コンデンサの充放電電圧を検出する直流電圧検出器と、
前記充放電電圧に基づいて前記複数相の交流電源における各相間の電源不平衡の有無を検出する不平衡検出部と、
前記直流電源が供給され、内部に含まれるスイッチング素子のスイッチングを行うことで負荷に電力を供給するスイッチング回路と、
を有する電力変換装置であって、
前記不平衡検出部は、
前記充放電電圧に含まれるリプル成分のリプル周波数を検出する周波数検出部と、
前記リプル周波数と、前記複数相の交流電源の電源周波数および相数に基づいて定まる基準周波数とを比較し、前記リプル周波数が前記基準周波数でない場合に電源不平衡有りと判定する不平衡判定部と、
前記充放電電圧に含まれる前記リプル成分の振幅を検出する振幅検出部と、
前記振幅と予め設定される振幅閾値とを比較し、前記振幅が前記振幅閾値よりも大きい期間を対象に前記不平衡判定部に判定を行わせる判定期間設定部と、
を有する、
電力変換装置。
【請求項2】
請求項1記載の電力変換装置において、
前記不平衡検出部は、さらに、前記不平衡判定部によって電源不平衡有りと判定されている状態の継続時間を監視し、前記継続時間が予め設定される運転可能時間を超えた場合に、前記負荷への電力供給を遮断する遮断部を有する、
電力変換装置。
【請求項3】
請求項1記載の電力変換装置において、
前記不平衡検出部は、さらに、前記不平衡判定部によって電源不平衡有りと判定されている状態の継続時間を監視し、前記継続時間が予め設定される運転可能時間を超えた場合に、前記負荷へ供給する電力を予め定めた上限値に制限する保護部を有する、
電力変換装置。
【請求項4】
請求項のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記平滑コンデンサは、アルミ電解コンデンサである、
電力変換装置。
【請求項5】
ブリッジ状に接続される複数のダイオードを含み、入力された複数相の交流電源を直流電源に変換する整流器と、
前記整流器からの前記直流電源を平滑化する平滑コンデンサと、
前記平滑コンデンサの充放電電圧を検出する直流電圧検出器と、
基準電圧と、前記複数相の交流電源における各相の電圧値との差分をそれぞれ積分することで、各相の積分値をそれぞれ出力する相電圧積分器と、
前記相電圧積分器で検出された前記各相の積分値に基づいて前記複数相の交流電源における各相間の電源不平衡の有無を検出する不平衡検出部と、
前記直流電源が供給され、内部に含まれるスイッチング素子のスイッチングを行うことで負荷に電力を供給するスイッチング回路と、
を有する電力変換装置であって、
前記不平衡検出部は、前記各相の積分値を比較し、前記各相の積分値が同等でない場合に電源不平衡有りと判定する不平衡判定部を有する、
電力変換装置。
【請求項6】
請求項記載の電力変換装置において、
前記不平衡検出部は、さらに、
前記充放電電圧に含まれるリプル成分の振幅を検出する振幅検出部と、
前記振幅と予め設定される振幅閾値とを比較し、前記振幅が前記振幅閾値よりも大きい期間を対象に前記不平衡判定部に判定を行わせる判定期間設定部と、
を有する、
電力変換装置。
【請求項7】
請求項記載の電力変換装置において、
前記不平衡検出部は、さらに、前記不平衡判定部によって電源不平衡有りと判定されている状態の継続時間を監視し、前記継続時間が予め設定される運転可能時間を超えた場合に、前記負荷への電力供給を遮断する遮断部を有する、
電力変換装置。
【請求項8】
請求項記載の電力変換装置において、
前記不平衡検出部は、さらに、前記不平衡判定部によって電源不平衡有りと判定されている状態の継続時間を監視し、前記継続時間が予め設定される運転可能時間を超えた場合に、前記負荷へ供給する電力を予め定めた上限値に制限する保護部を有する、
電力変換装置。
【請求項9】
請求項のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記直流電圧検出器は、前記充放電電圧を平滑化することで前記相電圧積分器で用いる前記基準電圧を生成するロウパスフィルタを備える、
電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関し、複数相の交流電源を直流電源に変換する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、交流電源をリアクトル、およびスイッチング素子を含むコンバータ回路を介して直流電源に変換し、平滑コンデンサで平滑化する電力変換装置が示される。当該装置では、コンバータ回路の出力直流電圧および直流母線電流が検出され、その各検出値の変動分に基づいて、交流電源電圧の一時低下、一時上昇といった電源異常が検出される。
【0003】
特許文献2には、交流電源を整流器、およびスイッチング素子を含む昇圧コンバータ回路を介して直流電源に変換し、平滑コンデンサで平滑化する電力変換装置が示される。当該装置では、昇圧コンバータ回路内のスイッチング素子に対するデューティ比指令値の変動に基づいて、交流電源の電圧不平衡および電圧変動の少なくとも一方が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-171651号公報
【文献】特開2013-219985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、3相(R相、S相、T相)の交流電源を直流電源に変換する電力変換装置では、一般的に、電源欠相、不足電圧、過電圧といった交流電源の異常が検出され、適切な保護が行われる。一方、電力インフラの環境等によっては、交流電源の異常として、各相の電圧値が不平衡となる電源不平衡が生じる場合がある。このような電源不平衡が生じた場合、平滑コンデンサとして広く用いられるアルミ電解コンデンサに、単相電源供給時と同じような充電リプル電流が流れる。その結果、交流電源の正常時と比べて平滑コンデンサの温度が上昇し、コンデンサ寿命が低下する恐れがある。
【0006】
このような電源不平衡を検出し、適切な保護を行うため、特許文献2に示されるような方式や、場合によっては特許文献1に示されるような方式を用いることが考えられる。これらの方式は、スイッチング素子を含むコンバータ回路(すなわちアクティブコンバータ)の情報(電流情報、電圧情報、PWMデューティ比等)に基づいて、各種電源異常を検出している。しかし、このようにアクティブコンバータを用いることを前提とすると、コストの増大を招く恐れがある。
【0007】
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、アクティブコンバータを用いずに交流電源の電源不平衡を検出可能な電力変換装置を提供することにある。
【0008】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0010】
本発明の代表的な実施の形態による電力変換装置は、整流器と、平滑コンデンサと、直流電圧検出器と、不平衡検出部と、スイッチング回路とを有する。整流器は、ブリッジ状に接続される複数のダイオードを含み、入力された複数相の交流電源を直流電源に変換する。平滑コンデンサは、整流器からの直流電源を平滑化する。直流電圧検出器は、平滑コンデンサの充放電電圧を検出し、不平衡検出部は、当該充放電電圧に基づいて複数相の交流電源における各相間の電源不平衡の有無を検出する。スイッチング回路は、直流電源が供給され、内部に含まれるスイッチング素子のスイッチングを行うことで負荷に電力を供給する。ここで、不平衡検出部は、周波数検出部と、不平衡判定部とを有する。周波数検出部は、充放電電圧に含まれるリプル成分のリプル周波数を検出する。不平衡判定部は、検出されたリプル周波数と複数相の交流電源の電源周波数および相数に基づいて定まる基準周波数とを比較し、リプル周波数が基準周波数でない場合に電源不平衡有りと判定する。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、アクティブコンバータを用いずに交流電源の電源不平衡を検出可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1による電力変換装置を含んだ産業システムの主要部の構成例を示す概略図である。
図2図1における直流電圧検出器の構成例を示す回路図である。
図3図1において、交流電源に電源不平衡が無く、かつモータが定格出力を行っている場合で、直流電圧検出器によって検出される充放電電圧の時系列変化の一例を示す波形図である。
図4図1において、交流電源に電源不平衡が有り、かつモータが定格出力を行っている場合で、直流電圧検出器によって検出される充放電電圧の時系列変化の一例を示す波形図である。
図5図3と比較して、モータが低出力の場合における充放電電圧の時系列変化の一例を示す波形図である。
図6図4と比較して、モータが低出力の場合における充放電電圧の時系列変化の一例を示す波形図である。
図7図1における不平衡検出部の処理内容の一例を示すフロー図である。
図8】本発明の実施の形態2による電力変換装置を含んだ産業システムの主要部の構成例を示す概略図である。
図9図8における不平衡検出部の処理内容の一例を示すフロー図である。
図10】本発明の実施の形態3による電力変換装置を含んだ産業システムの主要部の構成例を示す概略図である。
図11図10における相電圧積分器および直流電圧検出器の構成例を示す回路図である。
図12】(a)~(d)は、図10および図11の相電圧積分器において、電源不平衡が無い場合の模式的な動作例を示す図である。
図13】(a)~(d)は、図10および図11の相電圧積分器において、1相に電源不平衡が有る場合の模式的な動作例を示す図である。
図14】(a)~(d)は、図10および図11の相電圧積分器において、2相に電源不平衡が有る場合の模式的な動作例を示す図である。
図15図10における不平衡検出部の処理内容の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
(実施の形態1)
《電力変換装置の構成》
図1は、本発明の実施の形態1による電力変換装置を含んだ産業システムの主要部の構成例を示す概略図である。図1に示す産業システムは、複数相(例えば3相)の交流電源5と、電力変換装置1と、電力変換装置1の負荷となる回転機(モータ)MTと、モータMTによって駆動されるモータ負荷LDと、上位装置6とを備える。モータ負荷LDは、例えば、液体ポンプまたは空気圧縮機等である。上位装置6は、モータ負荷LDの各種状態(例えば、流量、圧力等)を各種センサを介して監視し、監視結果に応じた指令値を電力変換装置1へ出力する。
【0016】
電力変換装置1は、例えば、1個の筐体によって構成され、筐体内に、整流器2、平滑コンデンサ3、スイッチング回路4、直流電圧検出器12、ユーザインタフェースUIFおよび制御装置MCU等を備える。制御装置MCUは、代表的には、マイクロコントローラ等である。ただし、制御装置MCUは、これに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の各種ハードウェア処理や、CPU(Central Processing Unit)を用いたソフトウェア処理や、あるいは、これらの組み合わせを用いて適宜構成されればよい。
【0017】
整流器2は、ブリッジ状に接続される複数のダイオードを含み、入力された複数相(3相)の交流電源5を直流電源に変換する。平滑コンデンサ3は、整流器2からの直流電源を平滑化する。直流電圧検出器12は、平滑コンデンサ3の充放電電圧Vcdを検出する。スイッチング回路4は、例えば、3相インバータ等であり、整流器2からの直流電源が供給され、内部に含まれるスイッチング素子のスイッチングを行うことで負荷(すなわちモータMT)に電力を供給する。
【0018】
制御装置MCUは、不平衡検出部8aと、PWM(Pulse Width Modulation)制御器7と、速度制御器10と、演算器14と、記憶部15とを備える。演算器14は、上位装置6からの指令値(例えば圧力値等)に基づいて、モータMTの目標速度を算出する。速度制御器10は、モータMTの実際の速度を検出し、当該検出速度と演算器14からの目標速度との誤差に基づいてPWMデューティ比を算出する。PWM制御器7は、速度制御器10からのPWMデューティ比に基づいて、スイッチング回路4内の各スイッチング素子をPWM信号で制御する。
【0019】
不平衡検出部8aは、リプル周波数検出部31と、不平衡判定部32と、遮断部33と、リプル振幅検出部34と、判定期間設定部35とを備え、詳細は後述するが、直流電圧検出器12からの充放電電圧Vcdに基づいて交流電源5における各相間の電源不平衡の有無を検出する。記憶部15は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリであり、不平衡検出部8aで使用する各種設定情報11aを保持する。当該設定情報11aは、例えば、操作パネル、キーボード、または外部通信インタフェース等のユーザインタフェースUIFを介してユーザによって定められ、記憶部15に格納される。
【0020】
図2は、図1における直流電圧検出器の構成例を示す回路図である。図2の直流電圧検出器12は、抵抗分圧回路20aと、コンデンサ21とを備える。抵抗分圧回路20aは、平滑コンデンサ3に印加される直流電源の出力電圧Voを所定の抵抗比で分圧することで平滑コンデンサ3の充放電電圧Vcdを検出する。コンデンサ21は、例えば、当該充放電電圧Vcdに含まれる高周波ノイズ等を除去する。コンデンサ21は、検出した充放電電圧Vcdが平滑化されないように、小さい容量値を備えることが望ましい。また、場合によっては、コンデンサ21を削除し、例えば、制御装置MCU内にソフトウェア処理によるノイズフィルタ等を設けることも可能である。
【0021】
《不平衡検出部の詳細》
図3は、図1において、交流電源に電源不平衡が無く、かつモータが定格出力を行っている場合で、直流電圧検出器によって検出される充放電電圧の時系列変化の一例を示す波形図である。図4は、図1において、交流電源に電源不平衡が有り、かつモータが定格出力を行っている場合で、直流電圧検出器によって検出される充放電電圧の時系列変化の一例を示す波形図である。
【0022】
図3および図4では、3相(R相、S相、T相)の交流電源5の電源周波数が50Hzまたは60Hzである場合を想定する。直流電圧検出器12によって検出される充放電電圧Vcd(すなわち、整流器2の出力電圧Vo)は、整流器2と平滑コンデンサ3の動作に伴い、図3および図4に示されるようなリプル成分を有する。当該リプル成分は、最大電圧Vmaxと最小電圧Vminとの間のリプル振幅ΔVで周期的に変化する。
【0023】
ここで、電源不平衡が無い場合、リプル成分のリプル周波数frは、図3に示されるように、電源周波数の6倍の周波数である300Hzまたは360Hzになる。一方、電源不平衡が有る場合、リプル成分のリプル周波数frは、図4に示されるように、電源周波数の6倍の周波数とは異なる値になる。図4の例では、S相に電源不平衡が生じており、これに伴い、リプル周波数frは、電源周波数の2倍の周波数である100Hzまたは120Hzになる。
【0024】
これにより、図3の場合には、平滑コンデンサ3に対して、300Hzまたは360Hzの周波数で瞬時的な充電電流が流れるのに対して、図4の場合には、平滑コンデンサ3に対して、100Hzまたは120Hzの周波数で瞬時的な充電電流が流れる。その結果、図4の場合には、図3の場合と比較して充電電流のピーク値が増大するため、平滑コンデンサ3の内部温度はより上昇する。例えば、平滑コンデンサ3として一般的に使用されるアルミ電解コンデンサは、内部に電解液が入っており、温度上昇が生じると電解液が気化することで容量が低下し、寿命が短くなる。
【0025】
そこで、図1の不平衡検出部8aにおいて、リプル周波数検出部31は、直流電圧検出器12で検出された充放電電圧Vcdに含まれるリプル成分のリプル周波数frを検出する。具体的には、リプル周波数検出部31は、例えば、充放電電圧Vcdを所定のサンプリング周期でディジタル値に変換し、その中から最大電圧Vmaxを検出すると共に、最大電圧Vmaxの発生周期を検出すること等でリプル周波数frを検出する。または、リプル周波数検出部31は、例えば、充放電電圧Vcdを所定のサンプリング周期でディジタル値に変換し、当該ディジタル値に対して、FFT(Fast Fourier Transform)等の周波数解析を行うことでリプル周波数frを検出してもよい。
【0026】
不平衡判定部32は、リプル周波数検出部31で検出されたリプル周波数frと、予め定められる基準周波数とを比較し、リプル周波数frが基準周波数でない場合に電源不平衡有りと判定し、不平衡検出信号UBDを出力する。基準周波数は、複数相の交流電源5の電源周波数および相数に基づいて定まる値であり、図3および図4の例では300Hzまたは360Hzである。この際に、電源周波数および相数の情報は、図1の記憶部15内の設定情報11aによって得られる。
【0027】
遮断部33は、不平衡判定部32によって電源不平衡有りと判定されている状態(不平衡検出信号UBDが定期的に出力されている状態)の継続時間を監視し、当該継続時間が予め設定される運転可能時間を超えた場合に、負荷(すなわちモータMT)への電力供給を遮断する。図1の例では、遮断部33は、PWM制御器7へ遮断信号SDを出力することで、PWM制御器7を介してスイッチング回路4のスイッチング動作を停止する。
【0028】
このように、遮断部33は、電源不平衡有りと判定された場合に、負荷への電力供給を即座に遮断するのではなく、電源不平衡有りの状態が平滑コンデンサ3の寿命に影響を及ぼす時間(すなわち運転可能時間)継続した場合に、負荷への電力供給を遮断する。これにより、例えば、瞬時的な電源不平衡の発生によって産業システムが停止するような事態を防止でき、稼働率の低下を抑制すること等が可能になる。なお、図1に示されるように、運転可能時間Eは、記憶部15内の設定情報11aによって得られる。運転可能時間Eは、平滑コンデンサ3の仕様、交流電源5の仕様、定格出力の大きさ等に応じて適宜定められる。
【0029】
図5は、図3と比較して、モータが低出力の場合における充放電電圧の時系列変化の一例を示す波形図である。図6は、図4と比較して、モータが低出力の場合における充放電電圧の時系列変化の一例を示す波形図である。図5および図6では、それぞれ、図3および図4の場合と比較して、モータMTの出力(すなわち、モータ負荷LDの消費電力)が小さくなっており、これに伴い、平滑コンデンサ3の充放電電流が小さくなることからリプル振幅ΔVも小さくなっている。
【0030】
図5および図6のような場合、平滑コンデンサ3の充放電電流が小さいことから、平滑コンデンサ3の寿命に影響が生じない。さらに、図5および図6のような場合には、リプル振幅ΔVが小さいため、リプル周波数検出部31および不平衡判定部32で誤判定が生じる可能性がある。そこで、図1の不平衡検出部8aにおいて、リプル振幅検出部34は、直流電圧検出器12で検出された充放電電圧Vcdに含まれるリプル成分のリプル振幅ΔVを検出する。
【0031】
判定期間設定部35は、リプル振幅検出部34で検出されたリプル振幅ΔVと予め設定されるリプル振幅閾値ΔVRTとを比較し、リプル振幅ΔVがリプル振幅閾値ΔVRTよりも大きい期間を対象に不平衡判定部32に判定を行わせる。言い換えれば、判定期間設定部35は、図5および図6の場合のように、リプル振幅ΔVがリプル振幅閾値ΔVRTよりも小さくなる期間を電源不平衡の判定期間から除外する。
【0032】
これにより、平滑コンデンサ3の寿命に影響が生じないにも関わらず、電源不平衡の検出に応じて産業システムの稼働停止が生じるような事態を防止でき、また、リプル周波数検出部31および不平衡判定部32での誤判定も防止できる。なお、図1に示されるように、リプル振幅閾値ΔVRTは、記憶部15内の設定情報11aによって得られる。リプル振幅閾値ΔVRTは、平滑コンデンサ3の仕様、交流電源5の仕様等に応じて適宜定められる。
【0033】
図7は、図1における不平衡検出部の処理内容の一例を示すフロー図である。図7において、不平衡検出部8aは、記憶部15から設定情報11aを読み込み(ステップS101)、PWM制御器7等を介して電力変換装置1の運転を開始する(ステップS102)。この状態で、不平衡検出部8a(具体的には、判定期間設定部35)は、直流電圧検出器12で検出された充放電電圧Vcdの中から最大電圧Vmaxを検出し(ステップS103)、当該最大電圧Vmaxに基づいてリプル振幅閾値ΔVRTを補正する(ステップS104)。
【0034】
すなわち、リプル振幅閾値ΔVRTは、図5および図6で述べたように、平滑コンデンサ3にどの程度の充放電電流が流れると(それに伴い発熱が生じると)平滑コンデンサ3の寿命に影響が生じるかを考慮して定められる。ただし、モータ出力が一定の条件で、電源電圧が高い場合は、リプル振幅ΔVが小さくなり、電源電圧が低い場合はリプル振幅ΔVが大きくなる。そこで、判定期間設定部35は、最大電圧Vmaxの大きさ毎に変動する充放電電圧Vcdを誤検出なく正確に検出できるように、図1の設定情報11aで定められるリプル振幅閾値ΔVRTを電源電圧が高い場合は、小さい値へ補正し、電源電圧が低い場合は、大きい値へと補正する。
【0035】
続いて、判定期間設定部35は、リプル振幅検出部34で検出されたリプル振幅ΔVがリプル振幅閾値ΔVRTよりも大きいか否かを判定する(ステップS105)。“ΔV>ΔVRT”の場合、不平衡判定部32は、リプル周波数検出部31で検出されたリプル周波数frが基準周波数(例えば、300Hzまたは360Hz)であるか否かを判定する(ステップS106)。この際には、リプル周波数検出部31では検出誤差が生じ得るため、不平衡判定部32は、例えば、リプル周波数frが基準周波数±10%等の範囲である場合には、リプル周波数frが基準周波数であるとみなす。
【0036】
ステップS106でリプル周波数frが基準周波数でない場合、不平衡判定部32は、不平衡検出信号UBDを出力し、これを受けて、遮断部33は、積算時間に所定値を加算する(ステップS107)。一方、ステップS106でリプル周波数frが基準周波数である場合、または、ステップS105で“ΔV≦ΔVRT”の場合、遮断部33は、積算時間から所定値を減算し、ステップS103に戻る(ステップS109)。すなわち、遮断部33は、平滑コンデンサ3の発熱時(ステップS107)および冷却時(ステップS109)を含めた熱特性を管理する。
【0037】
ステップS107の後、遮断部33は、積算時間が運転可能時間Eを超えたか否かを判定する(ステップS108)。そして、遮断部33は、積算時間が運転可能時間Eを超えた場合には、遮断信号SDを出力することで負荷(すなわちモータMT)に対する電力供給を遮断する(ステップS110)。一方、遮断部33は、積算時間が運転可能時間Eを超えていない場合には、ステップS103に戻る。
【0038】
《実施の形態1の主要な効果》
以上、実施の形態1の電力変換装置を用いることで、代表的には、特許文献1,2のようなアクティブコンバータを用いずに電源不平衡を検出可能になる。その結果、例えば、低コスト化等が図れる。そして、電源不平衡が有る場合には、負荷への電力供給を遮断し、平滑コンデンサ3の充放電動作を実質的に停止することで、平滑コンデンサ3の寿命を低下させずに済むため、電力変換装置の信頼性を高めることが可能になる。また、この際には、平滑コンデンサ3の寿命を低下させない範囲で定格出力運転を継続することで、瞬時的な電源不均衡によって産業システムが停止するような事態を防止でき、稼働率の低下を抑制できる。
【0039】
なお、図1に示されるように、不平衡判定部32からの不平衡検出信号UBDは、ユーザインタフェースUIFへ出力され、その都度、ユーザに通知されるか、または、ログとして記録される。これによって、ユーザに、電源不均衡の発生頻度等を認識させることが可能になる。これに基づき、ユーザは、例えば、電源不均衡の発生頻度が高い場合には、電力変換装置内に充放電電流のピーク値を抑制するためのACリアクトルを組み込む等の対策を講じてもよい。
【0040】
(実施の形態2)
《不平衡検出部の詳細(変形例)》
図8は、本発明の実施の形態2による電力変換装置を含んだ産業システムの主要部の構成例を示す概略図である。図8に示す産業システムは、図1の構成例と比較して、制御装置MCU内の不平衡検出部8bの内部構成と、記憶部15が保持する設定情報11bの内容とが異なっている。設定情報11bには、図1の設定情報11aの各種項目に加えて、更に、不平衡検出時の制限速度Fが含まれる。
【0041】
不平衡検出部8bは、図1の不平衡検出部8a内の遮断部33の代わりに保護部37を備える。保護部37は、不平衡判定部32によって電源不平衡有りと判定されている状態(すなわち不平衡検出信号UBDが定期的に出力されている状態)の継続時間を監視し、当該継続時間が設定情報11bで設定される運転可能時間Eを超えた場合に、遮断部33と異なり、負荷(すなわちモータMT)へ供給する電力を予め定めた上限値に制限する。図8の例では、保護部37は、例えば、設定情報11bで設定される制限速度Fを速度制御器10へ通知する。これに応じて、速度制御器10は、目標速度を当該制限速度Fに制限することで、モータMTの回転速度を制限し、ひいては、モータMTへ供給する電力を制限する。
【0042】
図9は、図8における不平衡検出部の処理内容の一例を示すフロー図である。図9に示すフローは、図7に示したフローと比較して、図7のステップS110の処理が図9のステップS201の処理に置き換わっている。ステップS201において、保護部37は、ステップS108にて積算時間が運転可能時間Eを超えた場合、速度制御器10へ制限速度Fを通知し、当該制限速度Fを上限として産業システムの運転を継続する。なお、制御速度Fは、平滑コンデンサ3の充放電電流が寿命に影響しない大きさとなるようにモータMTの出力電力を制限する上で、この出力電力に対応する速度に決定される。
【0043】
《実施の形態2の主要な効果》
以上、実施の形態2の電力変換装置を用いることで、実施の形態1で述べた各種効果に加えて、産業システムの稼働率の低下を更に抑制することが可能になる。具体的には、モータ負荷LDの種類によっては、停止させないことが望まれる場合がある。例えば、モータ負荷LDが液体ポンプ等の場合、流量がゼロになるよりは、少量であっても流量を維持する方が望まれる場合がある。特に、このような場合に有益な効果が得られる。
【0044】
(実施の形態3)
《電力変換装置の構成(変形例)》
図10は、本発明の実施の形態3による電力変換装置を含んだ産業システムの主要部の構成例を示す概略図である。図10に示す電力変換装置1は、図1の構成例と比較して、相電圧積分器13を更に備え、直流電圧検出器26の内部構成が異なっている。直流電圧検出器26は、図1の場合と同様に平滑コンデンサ3の充放電電圧Vcdを検出することに加えて、基準電圧Vrefを生成し、当該基準電圧Vrefを相電圧積分器13へ出力する。
【0045】
また、相電圧積分器13の設置に伴い、図10の電力変換装置1は、図1の構成例と比較して、制御装置MCU内の不平衡検出部8cの内部構成と、記憶部15が保持する設定情報11cの内容とが異なっている。図10の不平衡検出部8cは、図1の不平衡検出部8aと比較して、リプル周波数検出部31を備えず、図1の場合とは異なる不平衡判定部36を備える。設定情報11cは、リプル振幅閾値ΔVRTおよび運転可能時間Eを含むが、電源周波数を含む必要はない。
【0046】
相電圧積分器13は、基準電圧Vrefと、複数相(R相、S相、T相)の交流電源5における各相の電圧値(Vr,Vs,Vt)との差分をそれぞれ積分することで、各相の積分値SGr,SGs,SGtをそれぞれ出力する。不平衡検出部8cは、当該相電圧積分器13で検出された各相の積分値SGr,SGs,SGtに基づいて複数相の交流電源における各相間の電源不平衡の有無を検出する。具体的には、不平衡検出部8c内の不平衡判定部36は、各相の積分値SGr,SGs,SGtを比較し、各相の積分値が同等でない場合に電源不平衡有りと判定し、不平衡検出信号UBDを出力する。
【0047】
《相電圧積分器の詳細》
図11は、図10における相電圧積分器および直流電圧検出器の構成例を示す回路図である。図11の直流電圧検出器26は、図2の場合と同様に、出力電圧Voを所定の抵抗比で分圧することで充放電電圧Vcdを検出する抵抗分圧回路20bと、充放電電圧Vcdからノイズ等を除去するコンデンサ21とを備える。さらに、直流電圧検出器26は、当該充放電電圧Vcdをバッファリングするボルテージフォロワ回路22と、ボルテージフォロワ回路22の出力(ひいては充放電電圧Vcd)を平滑化することで相電圧積分器13で用いる基準電圧Vrefを生成するロウパスフィルタ23とを備える。ロウパスフィルタ23は、例えば、CRフィルタ等である。
【0048】
相電圧積分器13は、複数相(R相、S相、T相)毎に、抵抗分圧回路20(r,s,t)と、コンデンサ21(r,s,t)と、差動増幅回路24(r,s,t)と、積分器25(r,s,t)とを備える。R相を例として、抵抗分圧回路20rは、交流電源5からのR相の電圧Vrを所定の抵抗比で分圧する。コンデンサ21rは、当該抵抗分圧回路20rの出力電圧から高周波ノイズ等を除去する。
【0049】
差動増幅回路24rは、例えば、負帰還抵抗を含むオペアンプ回路等で構成され、(+)入力となる抵抗分圧回路20rからの出力電圧と、(-)入力となる直流電圧検出器26からの基準電圧Vrefとの差分を増幅する。積分器25rは、例えば、CRフィルタ等で構成され、差動増幅回路24rの出力電圧を積分することでR相の積分値SGrを出力する。S相およびT相に関しても同様に、交流電源5からのS相およびT相の電圧Vs,Vtに対してS相の積分値SGsおよびT相の積分値SGtが出力される。制御装置MCU内の不平衡判定部36は、当該各相の積分値SGr,SGs,SGtに基づいて電源不平衡の有無を判定する。
【0050】
図12(a)~図12(d)は、図10および図11の相電圧積分器において、電源不平衡が無い場合の模式的な動作例を示す図である。図13(a)~図13(d)は、図10および図11の相電圧積分器において、1相に電源不平衡が有る場合の模式的な動作例を示す図である。図14(a)~図14(d)は、図10および図11の相電圧積分器において、2相に電源不平衡が有る場合の模式的な動作例を示す図である。
【0051】
図12(a)、図12(b)、図12(c)には、それぞれ、整流器2の(-)側電圧(すなわち最小電圧相の電圧)を基準としたR相、S相、T相の相電圧が示される。例えば、図12(a)において、R相の相電圧は、電気角90°~210°の期間ではT相を基準に得られ、電気角210°~330°の期間ではR相自身を基準に得られ、電気角330°~450°(=90°)の期間ではS相を基準に得られる。
【0052】
相電圧積分器13は、交流電源5からの各相(R相、S相、T相)の電圧Vr,Vs,Vtと、直流電圧検出器26からの、整流器2の(-)側電圧を基準とした基準電圧Vrefとの差分値を検出することで、実質的に、図12(a)~図12(c)に示されるような各相の相電圧を検出する。そして、相電圧積分器13は、当該各相の相電圧をそれぞれ時間積分する。図12(a)~図12(c)の場合には、電源不平衡が無いため、図12(d)に示されるように、各相(R相、S相、T相)の相電圧の積分値は、同等となる。
【0053】
一方、図13(a)~図13(c)の例では、R相およびS相に対して、T相に電源不平衡(例えば、振幅の数%低下)が生じている。その結果、図13(d)に示されるように、T相の相電圧の積分値は、R相およびS相の相電圧の積分値に比べて小さくなる。また、図14(a)~図14(c)の例では、R相に対して、S相およびT相に共に電源不平衡(例えば、振幅の数%低下)が生じている。その結果、図14(d)に示されるように、S相およびT相の相電圧の積分値は、共にR相の相電圧の積分値に比べて小さくなる。図10の不平衡判定部36は、図13(d)または図14(d)のように、各相の積分値が同等で無い場合に、電源不平衡有りと判定する。
【0054】
《不平衡検出部の詳細》
図15は、図10における不平衡検出部の処理内容の一例を示すフロー図である。図15に示すフローは、図7に示したフローと比較して、図7のステップS106の処理が図15のステップS301の処理に置き換わっている。ステップS105において、リプル振幅ΔVがリプル振幅閾値ΔVRTよりも大きい場合、ステップS301において、不平衡判定部36は、各相の積分値SGr,SGs,SGtを比較し、各相の積分値が同等か否かを判定する。
【0055】
そして、不平衡判定部36は、ステップS301において各相の積分値SGr,SGs,SGtが同等でない場合には、電源不平衡有りと判定してステップS107の処理へ移行し、各相の積分値が同等である場合には、電源不平衡無しと判定してステップS109の処理へ移行する。ここで、各相の積分値SGr,SGs,SGtをどの程度の範囲で同等とみなすかは、許容される電源不平衡の程度(ひいては平衡コンデンサ3の耐性)に応じて適宜定められる。
【0056】
《実施の形態3の主要な効果》
以上、実施の形態3の電力変換装置を用いることで、実施の形態1で述べた各種効果に加えて、電源不平衡有りと判定する不平衡の程度を適宜定めることが可能になる。また、図1の構成例と比較して、相電圧積分器13の設置に伴い面積オーバヘッドは増大するが、リプル周波数検出部31に伴う処理負荷を軽減できる。なお、相電圧積分器13は、場合によっては、一部または全てを制御装置MCU内のソフトウェア処理で実現することも可能である。
【0057】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0058】
例えば、ここでは、図7のフローの代わりに図15のフローを用いたが、勿論、図9のフローの代わりに図15のフローを用いることで、電源不平衡有り時に負荷へ供給する電力を制限してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 電力変換装置
2 整流器
3 平滑コンデンサ
4 スイッチング回路
8a,8b,8c 不平衡検出部
12 直流電圧検出器
13 相電圧積分器
23 ロウパスフィルタ
24r,24s,24t 差動増幅回路
25r,25s,25t 積分器
31 リプル周波数検出部
32,36 不平衡判定部
33 遮断部
34 リプル振幅検出部
35 判定期間設定部
37 保護部
E 運転可能時間
F 制限速度
fr リプル周波数
MCU 制御装置
MT モータ
SGr,SGs,SGt 積分値
Vcd 充放電電圧
Vref 基準電圧
ΔV リプル振幅
ΔVRT リプル振幅閾値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15