IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フジクラの特許一覧

特許7157026光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ
<>
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図1
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図2
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図3
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図4
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図5
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図6
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図7
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図8
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図9
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図10
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図11
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図12
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図13
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図14
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図15
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図16
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図17
  • 特許-光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/44 20060101AFI20221012BHJP
   G02B 6/245 20060101ALI20221012BHJP
   G02B 6/25 20060101ALI20221012BHJP
   G02B 6/255 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
G02B6/44 371
G02B6/245
G02B6/25
G02B6/255
G02B6/44 386
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019165999
(22)【出願日】2019-09-12
(65)【公開番号】P2021043363
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2020-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金子 総一郎
(72)【発明者】
【氏名】富川 浩二
(72)【発明者】
【氏名】大里 健
(72)【発明者】
【氏名】山下 典明
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-215493(JP,A)
【文献】特開2014-202795(JP,A)
【文献】国際公開第2016/163190(WO,A1)
【文献】特開2012-252245(JP,A)
【文献】特開2003-241042(JP,A)
【文献】特開2015-052704(JP,A)
【文献】特開2018-045231(JP,A)
【文献】特開2017-032938(JP,A)
【文献】特開2017-194561(JP,A)
【文献】特開2012-118358(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0233899(US,A1)
【文献】特開2020-181048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/44
G02B 6/46
G02B 6/24 - 6/255
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバ径よりも広い第1ピッチで並列する複数の光ファイバを備えた間欠連結型の光ファイバテープを準備すること、
前記光ファイバテープの非連結領域をホルダで保持することによって、前記ホルダの内部において前記光ファイバテープの幅を狭めること、及び、
複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバを連結する連結部を除去することによって、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバの間隔を前記第1ピッチから前記第1ピッチよりも狭い第2ピッチに狭めて整列させること
を行う光ファイバ整列方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光ファイバ整列方法であって、
複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバの被覆を除去することによって、前記連結部を除去することを特徴とする光ファイバ整列方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光ファイバ整列方法であって、
前記非連結領域にマークが形成されており、
前記マークの位置に基づいて前記光ファイバテープと前記ホルダとを位置合わせして、前記光ファイバテープの非連結領域をホルダで保持することを特徴とする光ファイバ整列方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の光ファイバ整列方法であって、
前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した連結区間が長手方向に間欠的に複数配置することによって、連結領域が構成されており、
前記非連結領域に隣接する前記連結区間に配置されている前記連結部の数は、前記非連結領域に隣接しない前記連結区間に配置されている前記連結部の数よりも少ないことを特徴とする光ファイバ整列方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の光ファイバ整列方法であって、
前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した連結区間が長手方向に間欠的に複数配置することによって、連結領域が構成されており、
前記非連結領域に隣接する前記連結区間に配置されている前記連結部よりも前記幅方向の外側に、非連結部が配置されていることを特徴とする光ファイバ整列方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の光ファイバ整列方法であって、
前記ホルダの挟持部が前記光ファイバテープを挟持する領域は、前記非連結領域であることを特徴とする光ファイバ整列方法。
【請求項7】
請求項6に記載の光ファイバ整列方法であって、
前記挟持部が前記非連結領域を挟持したときに、前記挟持部の基端側から延び出る前記光ファイバの曲げ半径は、許容曲げ半径以上であることを特徴とする光ファイバ整列方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の光ファイバ整列方法であって、
前記挟持部が前記非連結領域を挟持したときに、前記挟持部の基端側から延び出る前記非連結領域の長さは、9.42mm以上であることを特徴とする光ファイバ整列方法。
【請求項9】
請求項6~8のいずれかに記載の光ファイバ整列方法であって、
前記非連結領域の長さは、前記ホルダの挟持部が前記光ファイバテープを挟持する長さに11.42mmを加算した長さよりも長いことを特徴とする光ファイバ整列方法。
【請求項10】
請求項1~5のいずれかに記載の光ファイバ整列方法であって、
前記ホルダの挟持部が前記光ファイバテープを挟持する領域に、前記連結部が設けられている連結領域の一部が含まれていることを特徴とする光ファイバ整列方法。
【請求項11】
請求項10に記載の光ファイバ整列方法であって、
前記連結領域は、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した複数の第1連結区間と、前記非連結領域に隣接して配置した第2連結区間とを長手方向に間欠的に配置することによって、構成されており、
前記第1連結区間と前記第2連結区間との前記長手方向の間隔は、前記第1連結区間と前記第1連結区間との前記長手方向の間隔よりも長くなっており、
前記ホルダの前記挟持部が前記光ファイバテープを挟持する領域に、前記第2連結区間が含まれていることを特徴とする光ファイバ整列方法。
【請求項12】
請求項11に記載の光ファイバ整列方法であって、
W1<Wt<W2の関係式を満たすことを特徴とする光ファイバ整列方法。
ここで、上記関係式において、
Wt=D×(N-1)+C×n
W1=Pf2×(N-1)-(Wv/2)
W2=Pf2×(N-1)+(Wv/2)
であり、
Dは、前記光ファイバの直径であり、
Nは、前記光ファイバテープを構成する光ファイバの数であり、前記ホルダのV溝の数であり、
Cは、前記連結部の幅であり、
nは、前記第2連結区間の前記連結部の数であり、
前記ホルダにはN個の前記V溝が前記第2ピッチで配置されており、Pf2は、前記第2ピッチであり、
Wvは、1つの前記V溝の幅である。
【請求項13】
請求項1に記載の光ファイバ整列方法によって、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバを前記第1ピッチよりも狭い前記第2ピッチで整列させた後、
複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダから延び出ており被覆の除去された複数の前記光ファイバの端部を所定長さにカットすること、及び、
複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダを融着接続装置にセットして、前記第2ピッチで整列された複数の前記光ファイバを前記融着接続装置を用いて融着すること
を行う光ファイバ融着方法。
【請求項14】
請求項1に記載の光ファイバ整列方法によって、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバを前記第1ピッチよりも狭い前記第2ピッチで整列させた後、
複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダから延び出ており被覆の除去された複数の前記光ファイバの端部を所定長さにカットすること、及び、
複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記第2ピッチで整列された複数の前記光ファイバをフェルールのファイバ穴に挿入して、複数の前記光ファイバの端部を前記フェルールに取り付けること
を行うコネクタ付き光ファイバテープの製造方法。
【請求項15】
ファイバ径よりも広いピッチで並列する複数の光ファイバと、
隣接する2本の光ファイバを連結する複数の連結部と
を備え、複数の前記連結部を間欠的に配置した間欠連結型の光ファイバテープであって、
複数の前記連結部を間欠的に配置させて、前記複数の光ファイバを間欠的に連結させた連結領域と、
前記連結領域と前記連結領域との間に前記連結部の形成されていない非連結領域と
を有し、
前記連結領域は、全ての前記光ファイバを連結するように複数の前記連結部が形成された領域であり、
前記連結領域には、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した複数の連結区間が設けられており、前記非連結領域の長手方向の長さは、前記連結領域における前記連結区間の前記長手方向の間隔よりも長く設定されているとともに、前記連結領域の前記長手方向の長さよりも長いことを特徴とする間欠連結型の光ファイバテープ。
【請求項16】
ファイバ径よりも広いピッチで並列する複数の光ファイバと、
隣接する2本の光ファイバを連結する複数の連結部と
を備え、複数の前記連結部を間欠的に配置した間欠連結型の光ファイバテープであって、
複数の前記連結部を間欠的に配置させて、前記複数の光ファイバを間欠的に連結させた連結領域と、
前記連結領域と前記連結領域との間に前記連結部の形成されていない非連結領域と
を有し、
前記連結領域には、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した複数の連結区間が設けられており、
前記連結領域は、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した複数の第1連結区間と、前記非連結領域に隣接して配置された第2連結区間とを長手方向に間欠的に配置することによって、構成されており、
前記第1連結区間と前記第2連結区間との前記長手方向の間隔は、前記第1連結区間と前記第1連結区間との前記長手方向の間隔よりも長くなっており、
前記非連結領域の長手方向の長さは、前記第1連結区間と前記第2連結区間との長手方向の間隔よりも長く設定されていることを特徴とする間欠連結型の光ファイバテープ。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の間欠連結型の光ファイバテープであって、
前記非連結領域に、前記光ファイバテープと、当該光ファイバテープを保持するホルダとの位置合わせに用いられるマークが形成されていることを特徴とする間欠連結型の光ファイバテープ。
【請求項18】
請求項15~17のいずれかに記載の間欠連結型の光ファイバテープであって、
前記連結領域は、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した連結区間が長手方向に間欠的に複数配置されることによって、構成されており、
前記非連結領域に隣接する前記連結区間に配置されている前記連結部の数は、前記非連結領域に隣接しない前記連結区間に配置されている前記連結部の数よりも少ないことを特徴とする間欠連結型の光ファイバテープ。
【請求項19】
請求項15~18のいずれかに記載の間欠連結型の光ファイバテープであって、
前記連結領域は、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した連結区間が長手方向に間欠的に複数配置されることによって、構成されており、
前記非連結領域に隣接する前記連結区間に配置されている前記連結部よりも前記幅方向の外側に、非連結部が配置されていることを特徴とする間欠連結型の光ファイバテープ。
【請求項20】
請求項15に記載の間欠連結型の光ファイバテープであって、
前記連結領域は、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した複数の第1連結区間と、前記非連結領域に隣接して配置された第2連結区間とを長手方向に間欠的に配置することによって、構成されており、
前記第1連結区間と前記第2連結区間との前記長手方向の間隔は、前記第1連結区間と前記第1連結区間との前記長手方向の間隔よりも長くなっていることを特徴とする間欠連結型の光ファイバテープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ整列方法、光ファイバ融着方法、コネクタ付き光ファイバテープの製造方法及び間欠連結型の光ファイバテープに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光ファイバの外径を250μmから200μmに細径化するとともに、外径200μmの光ファイバを250μmピッチで並列させて光ファイバテープを構成することが記載されている。また、特許文献1には、並列する複数本の光ファイバを間欠的に連結した間欠連結型の光ファイバテープが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5564026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
250μmピッチの光ファイバテープを200μmピッチ用の融着接続機で一括融着させる場合、250μmピッチで並列する光ファイバを200μmピッチに整列させる必要がある。このような光ファイバの整列作業の際に、これまで、250μmピッチの光ファイバテープの端部を単心分離し、バラバラに単心分離された複数の光ファイバを200μmピッチ用のホルダに保持することによって光ファイバを200μmピッチに整列させていた。
しかし、バラバラに単心分離された複数の光ファイバをホルダに保持させる作業は、光ファイバの取り扱いが不便であり、作業性が悪い。なお、このような作業性の問題は、250μmピッチの光ファイバテープの複数の光ファイバを200μmピッチに整列させる場合に限られるものではなく、また、一括融着接続する場合に限られるものでもなく、或るピッチ(第1ピッチ)で並列する光ファイバテープの複数の光ファイバを別のピッチ(第2ピッチ)に整列する際に生じ得る問題である。
【0005】
本発明は、光ファイバの整列作業を簡易にさせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、ファイバ径よりも広い第1ピッチで並列する複数の光ファイバを備えた間欠連結型の光ファイバテープを準備すること、前記光ファイバテープの非連結領域をホルダで保持することによって、前記ホルダの内部において前記光ファイバテープの幅を狭めること、及び、複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバを連結する連結部を除去することによって、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバの間隔を前記第1ピッチから前記第1ピッチよりも狭い第2ピッチに狭めて整列させることを行う光ファイバ整列方法である。
【0007】
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光ファイバの整列作業が簡易になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1A及び図1Bは、第1実施形態の光ファイバテープ1の説明図である。
図2図2Aは、連結部11によって連結された2本の光ファイバ2の断面図であり、連結部11の形成された部位における断面図である。図2Bは、第1変形例の連結部11の説明図である。図2Cは、第2変形例の連結部11の説明図である。
図3図3は、光ファイバテープ1の非連結領域30の長さとホルダ50との関係の説明図である。
図4図4は、250μmピッチの光ファイバテープ1を200μmピッチ用の融着接続装置40で一括融着させる場合の処理のフロー図である。
図5図5A及び図5Bは、非連結領域30をホルダ50で挟持した様子の説明図である。図5Bは、図5AのB-B断面の拡大図である。図5Cは、変形例のホルダ50の説明図である。
図6図6Aは、被覆除去装置60によって光ファイバ2の被覆を除去する様子の説明図である。図6Bは、ホルダ50に保持された被覆除去後の光ファイバテープ1の説明図である。
図7図7は、融着接続時の様子の説明図である。
図8図8は、N番ファイバの湾曲のモデル図である。
図9図9Aは、第1実施形態の光ファイバテープ1の変形例の説明図である。図9Bは、マーク8の利用方法の説明図である。
図10図10A及び図10Bは、第2実施形態の光ファイバテープ1の説明図である。
図11図11A及び図11Bは、第3実施形態の光ファイバテープ1の説明図である。
図12図12は、第3実施形態の光ファイバテープ1をホルダ50に載置した様子の説明図である。
図13図13Aは、第3実施形態の光ファイバテープ1をホルダ50で保持した様子の説明図である。図13Bは、図13AのB’-B’断面の拡大図である。図13Cは、ホルダ50に保持された被覆除去後の光ファイバテープ1の説明図である。
図14図14は、第2連結区間21Bにおいて許容可能な連結部11の数の説明図である。
図15図15A及び図15Bは、第4実施形態の光ファイバテープ1の説明図である。
図16図16は、図15BのX-X断面の拡大図である。
図17図17は、コネクタ付き光ファイバテープ1の製造処理のフロー図である。
図18図18は、第5実施形態のS106の処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
ファイバ径よりも広い第1ピッチで並列する複数の光ファイバを備えた間欠連結型の光ファイバテープを準備すること、前記光ファイバテープの非連結領域をホルダで保持することによって、前記ホルダの内部において前記光ファイバテープの幅を狭めること、及び、複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバを連結する連結部を除去することによって、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバを前記第1ピッチよりも狭い第2ピッチで整列させることを行う光ファイバ整列方法が明らかとなる。このような光ファイバ整列方法によれば、光ファイバの整列作業が簡易になる。
【0012】
複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバの被覆を除去することによって、前記連結部を除去することが望ましい。これにより、光ファイバテープの連結部の除去と、複数の光ファイバの被覆の除去とを同時に行うことができるため、光ファイバの整列作業が簡易になる。
【0013】
前記非連結領域にマークが形成されており、前記マークの位置に基づいて前記光ファイバテープと前記ホルダとを位置合わせして、前記光ファイバテープの非連結領域をホルダで保持することが望ましい。これにより、光ファイバテープの非連結領域をホルダに保持させる作業が容易になる。
【0014】
前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した連結区間が長手方向に間欠的に複数配置することによって、連結領域が構成されており、前記非連結領域に隣接する前記連結区間に配置されている前記連結部の数は、前記非連結領域に隣接しない前記連結区間に配置されている前記連結部の数よりも少ないことが望ましい。これにより、光ファイバテープの非連結領域をホルダで挟持するときに、連結部の影響が少なくなるため、光ファイバテープの幅を狭め易くなる。
【0015】
前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した連結区間が長手方向に間欠的に複数配置することによって、連結領域が構成されており、前記非連結領域に隣接する前記連結区間に配置されている前記連結部よりも前記幅方向の外側に、非連結部が配置されていることが望ましい。これにより、光ファイバテープの端部に位置する光ファイバが内側に変位し易くなるため、ホルダの内部において光ファイバの間隔を狭め易くなる。
【0016】
前記ホルダの挟持部が前記光ファイバテープを挟持する領域は、前記非連結領域であることが望ましい。これにより、前記光ファイバテープの非連結領域をホルダで保持することによって、前記ホルダの内部において前記光ファイバテープの幅を狭め易くなる。
【0017】
一方、前記ホルダの挟持部が前記光ファイバテープを挟持する領域に、前記連結部が設けられている連結領域の一部が含まれていても良い。この場合、前記連結領域は、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した複数の第1連結区間と、前記非連結領域に隣接して配置した第2連結区間とを長手方向に間欠的に配置することによって、構成されており、前記第1連結区間と前記第2連結区間との前記長手方向の間隔は、前記第1連結区間と前記第1連結区間との前記長手方向の間隔よりも長くなっており、前記ホルダの前記挟持部が前記光ファイバテープを挟持する領域に、前記第2連結区間が含まれていることが好ましい。これにより、ホルダに挟持される第2連結区間が非連結領域の側に偏るように配置されるため、第2連結区間において連結部に拘束されていない光ファイバ同士の間隔を狭め易くなる。
【0018】
上記の光ファイバ整列方法によって、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバを前記第1ピッチよりも狭い前記第2ピッチで整列させた後、複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダから延び出ており前記被覆の除去された複数の前記光ファイバの端部を所定長さにカットすること、及び、複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダを融着接続装置にセットして、前記第2ピッチで整列された複数の前記光ファイバを前記融着接続装置を用いて融着することを行う光ファイバ融着方法が明らかとなる。このような光ファイバ融着方法によれば、光ファイバの整列作業が簡易になるため、融着作業も簡易になる。
【0019】
また、上記の光ファイバ整列方法によって、前記ホルダから延び出た複数の前記光ファイバを前記第1ピッチよりも狭い前記第2ピッチで整列させた後、複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記ホルダから延び出ており前記被覆の除去された複数の前記光ファイバの端部を所定長さにカットすること、及び、複数の前記光ファイバを前記ホルダに保持させた状態で、前記第2ピッチで整列された複数の前記光ファイバをフェルールのファイバ穴に挿入して、複数の前記光ファイバの端部を前記フェルールに取り付けることを行うコネクタ付き光ファイバテープの製造方法が明らかとなる。このようなコネクタ付き光ファイバテープの製造方法によれば、光ファイバの整列作業が簡易になるため、コネクタ付き光ファイバテープの製造作業も簡易になる。
【0020】
ファイバ径よりも広いピッチで並列する複数の光ファイバと、隣接する2本の光ファイバを連結する複数の連結部とを備え、複数の前記連結部を間欠的に配置した間欠連結型の光ファイバテープであって、複数の前記連結部を間欠的に配置させて、前記複数の光ファイバを間欠的に連結させた連結領域と、前記連結領域と前記連結領域との間に前記連結部の形成されていない非連結領域とを有することを特徴とする間欠連結型の光ファイバテープが明らかとなる。このような光ファイバテープによれば、ファイバ径よりも広いピッチで並列する複数の光ファイバを狭いピッチに整列させる作業が簡易になる。
【0021】
前記非連結領域に、前記光ファイバテープと、当該光ファイバテープを保持するホルダとの位置合わせに用いられるマークが形成されていることが望ましい。これにより、前記マークの位置に基づいて前記光ファイバテープと前記ホルダとを位置合わせして、前記光ファイバテープの非連結領域をホルダで保持することが可能になる。
【0022】
前記連結領域は、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した連結区間が長手方向に間欠的に複数配置されることによって、構成されており、前記非連結領域に隣接する前記連結区間に配置されている前記連結部の数は、前記非連結領域に隣接しない前記連結区間に配置されている前記連結部の数よりも少ないことが望ましい。これにより、光ファイバテープの非連結領域をホルダで挟持するときに、連結部の影響が少なくなるため、光ファイバテープの幅を狭め易くなる。
【0023】
前記連結領域は、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した連結区間が長手方向に間欠的に複数配置されることによって、構成されており、前記非連結領域に隣接する前記連結区間に配置されている前記連結部よりも前記幅方向の外側に、非連結部が配置されていることが望ましい。これにより、光ファイバテープの端部に位置する光ファイバが内側に変位し易くなるため、ホルダの内部において光ファイバテープの幅を狭め易くなる。
【0024】
前記連結領域は、前記光ファイバテープの幅方向に間欠的に前記連結部を配置した複数の第1連結区間と、前記非連結領域に隣接して配置された第2連結区間とを長手方向に間欠的に配置することによって、構成されており、前記第1連結区間と前記第2連結区間との前記長手方向の間隔は、前記第1連結区間と前記第1連結区間との前記長手方向の間隔よりも長くなっていることが望ましい。これにより、ホルダに挟持される第2連結区間が非連結領域の側に偏るように配置されるため、第2連結区間において連結部に拘束されていない光ファイバ同士の間隔を狭め易くなる。
【0025】
===第1実施形態===
<光ファイバテープ1の構造>
図1A及び図1Bは、第1実施形態の光ファイバテープ1の説明図である。図1Aは、連結領域20と非連結領域30の説明図である。図1Bは、連結領域20の説明図である。図1Bには、連結領域20に形成されている複数の連結部11の配置が示されている。
【0026】
以下の説明では、次のように各方向を定義する。図示するように、光ファイバテープ1の長手方向のことを単に「長手方向」と呼ぶ。なお、光ファイバテープ1を構成する複数本の光ファイバ2が略平行になるように平面上に並べて配置した状態(図示の状態)での光ファイバ2に平行な方向を「長手方向」と呼ぶこともある。また、光ファイバテープ1を構成する光ファイバ2の光軸方向を「長手方向」と呼ぶこともある。また、図示の状態での複数の光ファイバ2の並ぶ方向を「幅方向」と呼ぶ。また、図示の状態での光ファイバテープ1のテープ面に垂直な方向(図中の紙面垂直方向)を「テープ厚方向」と呼ぶ。
【0027】
本実施形態の光ファイバテープ1は、いわゆる間欠連結型(間欠固定型)の光ファイバテープである。間欠連結型の光ファイバテープ1は、複数の光ファイバ2を並列させて間欠的に連結した光ファイバテープである。隣接する2心(2本)の光ファイバ2は、連結部11によって連結されている。隣接する2心の光ファイバ2を連結する複数の連結部11は、長手方向に間欠的に配置されている。また、光ファイバテープ1の複数の連結部11は、長手方向及び幅方向に2次元的に間欠的に配置されている。連結部11は、接着剤(テープ化材)となる紫外線硬化樹脂を塗布した後に紫外線を照射して固化することによって、形成されている。なお、連結部11を熱可塑性樹脂で構成することも可能である。隣接する2心の光ファイバ2間の連結部11以外の領域は、非連結部13(分離部)になっている。非連結部13では、隣接する2心の光ファイバ2同士は拘束されていない。連結部11の幅方向には非連結部13が配置されている。光ファイバテープ1は丸めて筒状(束状)にしたり、折りたたんだりすることが可能であり、多数の光ファイバ2を高密度に収容することが可能になる。
【0028】
なお、間欠連結型の光ファイバテープ1は、図1Aに示す構成に限られるものではない。例えば、光ファイバテープ1の心数(光ファイバ2の本数)を変更しても良い。また、連結部11の配置を本願の趣旨を逸脱しない範囲で変更しても良い。
【0029】
本実施形態では、光ファイバ2の外径よりも広い間隔で複数本の光ファイバ2が並列されている。ここでは、光ファイバ2の外径(ファイバ径D)は200μmであり、光ファイバ2の幅方向の間隔(第1ファイバピッチPf1)は250μmである。以下の説明では、光ファイバ2の外径のことを「ファイバ径D」と呼ぶことがある。また、以下の説明では、光ファイバテープ1における光ファイバ2の幅方向の間隔のことを「第1ファイバピッチPf1」と呼ぶことがある。なお、ファイバ径Dは、200μmに限られるものではなく、220μm以下であれば良い。また、第1ファイバピッチPf1は、250μmに限られるものではなく、250±30μm(220μm~280μmの範囲内)であり、隣接する2心の光ファイバ2の間に隙間が形成される間隔であれば良い。
【0030】
図1Aに示すように、間欠連結型の光ファイバテープ1には、連結領域20と、非連結領域30とが設けられている。連結領域20は、全ての光ファイバ2(ここでは12本の光ファイバ2)を連結するように複数の連結部11が形成された領域である。非連結領域30は、連結領域20と連結領域20との間における連結部11の無い領域である。連結領域20と非連結領域30は、長手方向に交互に形成されている。言い換えると、連結領域20と連結領域20との間に非連結領域30が形成されており、非連結領域30と非連結領域30との間に連結領域20が形成されている。図1Aに示すように、連結領域20は、長手方向に所定の間隔P1で繰り返し配置されている。以下の説明では、連結領域20の長手方向の間隔のことを「領域ピッチP1」と呼ぶことがある。
【0031】
図1Bに示すように、連結領域20には、複数の連結区間21が設けられている。ここでは、1つの連結領域20に2つの連結区間21が設けられている。それぞれの連結区間21には、幅方向に間欠的に5~6個の連結部11が形成されている。それぞれの連結区間21には、幅方向に連結部11と非連結部13とが交互に形成されている。それぞれの連結区間21における連結部11の位置は、互いに異なっている。言い換えると、それぞれの連結区間21における複数の連結部11は、幅方向に互い違いに配置されている。これにより、隣接する2心の光ファイバ2が連結領域20の少なくとも1つの連結部11によって連結されており、1つの連結領域20に属する複数の連結部11によって、全ての光ファイバ2が間欠的に連結されている。なお、1つの連結領域20における連結区間21の数をiとしたとき、iは2に限られるものではなく、iは3以上でも良い(後述)。また、1つの連結区間21における連結部11の数をjとしたとき、jは5~6に限られるものではなく、他の数でもよい(後述)。
【0032】
連結区間21と連結区間21との間には、幅方向に連結部11が存在しない非連結区間23が設けられている。図1Bに示すように、連結領域20における複数(ここでは2つ)の連結区間21は、長手方向に所定の間隔P2で配置されている。以下の説明では、連結領域20内における連結区間21の長手方向の間隔のことを「区間ピッチP2」と呼ぶことがある。区間ピッチP2は、連結部11の長手方向の寸法よりも長いため、連結区間21と連結区間21との間に非連結区間23が形成されることになる。なお、非連結領域30の長手方向の長さは、区間ピッチP2よりも長く設定されている。
【0033】
図2Aは、連結部11によって連結された2本の光ファイバ2の断面図であり、連結部11の形成された部位における断面図である。
【0034】
光ファイバ2は、光ファイバ裸線4と、被覆層5と、着色層6とを有する。光ファイバ裸線4は、コア及びクラッドから構成されている。被覆層5は、光ファイバ裸線4を被覆する層である。被覆層5は、例えば一次被覆層(プライマリー・コート)及び二次被覆層(セカンダリー・コート)から構成されている。着色層6は、被覆層5の表面に形成された層である。着色層6は、被覆層5の表面に着色剤を塗布することによって形成される。
【0035】
隣接する2本の光ファイバ2は、連結部11を構成するテープ化材(紫外線硬化樹脂;連結剤)によって連結されている。着色層6の全周にはテープ化材によるテープ化材層15が形成されている。また、光ファイバ2の長手方向の全域にわたって、着色層6の表面にテープ化材によるテープ化材層15が形成されている。連結部11は、2本の光ファイバ2の中間の部位において凹んだ形状をしている。
【0036】
図2Bは、第1変形例の連結部11の説明図である。第1変形例に示すように、連結部11は、2本の光ファイバ2の中間の部位において凹んでいなくても良い。
図2Cは、第2変形例の連結部11の説明図である。第2変形例に示すように、着色層6の全周にテープ化材によるテープ化材層15が形成されていなくても良い。第2変形例によれば、更に光ファイバ2の細径化を図ることができる。
なお、隣接する2本の光ファイバ2の中心を結ぶ線の上側及び下側の両側に連結部11(又はテープ化材層15)が形成されていなくても良く、隣接する2本の光ファイバ2の中心を結ぶ線の上側又は下側の片側だけに連結部11(又はテープ化材層15)が形成されても良い。また、隣接する2本の光ファイバ2の中心を結ぶ線に対して上下均等に連結部11(又はテープ化材層15)が形成されていなくても良い。
【0037】
図3は、光ファイバテープ1の非連結領域30の長さとホルダ50との関係の説明図である。
【0038】
ホルダ50は、光ファイバテープ1を保持する部材である。ホルダ50は、ベース部51と、蓋部52とを有する。
【0039】
ベース部51は、光ファイバテープ1を載置する部材であり、光ファイバテープ1を載置するための載置面51Aを有する。載置面51Aには、光ファイバ2を所定のピッチで整列させるためのV溝(図5B参照)が形成されている。
【0040】
蓋部52は、ベース部51に対して開閉可能な部材である。蓋部52が閉じられると、ベース部51の載置面51Aと蓋部52との間で光ファイバテープ1が挟持(保持)されることになる。このため、ベース部51の載置面51Aと蓋部52とによって、光ファイバテープ1を挟持する挟持部が構成されている。ここでは、挟持部の長手方向の長さLhは、蓋部52の幅(長手方向の寸法)によって規定される。但し、光ファイバテープ1に接触させるパッドが蓋部52の内面に設けられるような場合には、挟持部の長手方向の長さLhは、蓋部52の幅(長手方向の寸法)ではなく、パッドの幅(長手方向の寸法)で規定されることになる。
【0041】
なお、蓋部52を閉じて光ファイバテープ1をホルダ50に保持すると、ホルダ50(又は挟持部)の両側から光ファイバ2が延び出ることになる。以下の説明では、ホルダ50から延び出た光ファイバ2のうち、後に加工する側(被覆を除去したりカットしたりする側:光ファイバ2の先端側)の光ファイバ2が延び出る側のことを「加工側」と呼び、逆側を「基端側」と呼ぶことがある。
【0042】
本実施形態では、光ファイバテープ1の非連結領域30の長さは、挟持部の幅Lh(長手方向の寸法)よりも長く設定されている。このため、本実施形態では、挟持部が光ファイバテープ1の非連結領域30を挟持することが可能な構成である(連結部11の形成された領域を挟持部に挟持させずに、ホルダ50に光ファイバテープ1を保持させることが可能な構成である)。これにより、後述するように、ホルダ50に光ファイバテープ1を保持させたときに、ホルダ50の内部(挟持部)において複数の光ファイバ2の隙間を第1ファイバピッチPf1よりも狭め易くなり、光ファイバテープ1の幅を狭め易くなる(図5B参照)。
【0043】
また、本実施形態では、挟持部が光ファイバテープ1の非連結領域30を挟持したとき、挟持部の両側から光ファイバテープ1の非連結領域30が延び出ることになる(図5Aも参照)。ここでは、挟持部が光ファイバテープ1の非連結領域30を挟持したときに、挟持部の基端側(図3(又は図5A)の左側)から延び出る非連結領域30の長手方向の長さをL1とし、ホルダ50の加工側(図中の右側)から延び出る非連結領域30の長手方向の長さをL2とする。後述するように、長さL1は、ホルダ50が光ファイバ2を保持したときに光ファイバ2の曲げ半径が許容曲げ半径Rよりも長くなるように設定されることが望ましい。具体的には、長さL1は、9.42mm以上であることが望ましい。また、長さL2は、被覆除去装置60の一対の刃61Aが非連結領域30の部位を挟み込める程度の長さであることが望ましい。具体的には、長さL2は、2mm以上であることが望ましい。このため、光ファイバテープ1の非連結領域30の長さは、挟持部の幅Lhに長さL1及び長さL2を加算した長さ(Lh+L1+L2)よりも長いことが望ましく、具体的には長さLhに11.42mmを加算した長さ(Lh+11.42mm)よりも長いことが望ましい。
【0044】
<光ファイバ2の融着接続方法>
図4は、ファイバ径200μmの光ファイバ2を250μmピッチで並列して間欠的に連結した光ファイバテープ1を200μmピッチ用の融着接続装置40で一括融着させる場合の処理のフロー図である。なお、図中には、200μmのファイバ径の光ファイバ2を250μmピッチで並列して間欠的に連結した光ファイバテープ1を構成する光ファイバ2を200μmピッチに整列させる処理フロー(S001~S004)も含まれている。以下の説明では、融着接続装置40で一括融着させるための光ファイバ2の幅方向の間隔のことを「第2ファイバピッチPf2」と呼ぶことがある。なお、第2ファイバピッチPf2は、第1ファイバピッチPf1よりも狭ければ良く、200μmに限られるものではない。
【0045】
まず、作業者は、融着接続の対象となる250μmピッチの光ファイバテープ1と、200μmピッチ用のホルダ50とを準備する(S001)。言い換えると、作業者は、第1ファイバピッチPf1の光ファイバテープ1と、第2ファイバピッチPf2用のホルダ50とを準備する。ここでは、作業者は、250μmピッチの光ファイバテープ1として、図1Aに示す光ファイバテープ1を準備することになる。200μmピッチ用のホルダ50は、200μmピッチ用の融着接続装置40に光ファイバテープ1をセットするためのホルダである。本実施形態のホルダ50のベース部51の載置面51Aには、複数のV溝(後述:図5B参照)が200μmピッチ(第2ファイバピッチPf2)で形成されている。
【0046】
次に、作業者は、光ファイバテープ1の非連結領域30をホルダ50の載置面51Aに載置する(S002)。本実施形態では、図3に示すように、光ファイバテープ1の非連結領域30の長さは、蓋部52の幅Lhよりも長く設定されており、作業者は、光ファイバテープ1の非連結領域30が蓋部52と対向するように、光ファイバテープ1の非連結領域30をホルダ50の載置面51Aに載置する。
【0047】
光ファイバテープ1の非連結領域30をホルダ50の載置面51Aに載置すると、光ファイバ2の端部(図中の右側の部位)がホルダ50よりも外側(図中の右側)に延び出た状態になる。そして、本実施形態では、光ファイバテープ1の非連結領域30をホルダ50の載置面51Aに載置すると、非連結領域30の一部(図中の右側の部位)がホルダ50よりも外側(図中の右側)に延び出た状態になる。
【0048】
次に、作業者は、蓋部52を閉じて、ホルダ50に光ファイバテープ1を保持させる(S003)。なお、S002において光ファイバテープ1の非連結領域30が蓋部52と対向するようにホルダ50の載置面51Aに載置されているため、S003において蓋部52を閉じると、光ファイバテープ1の非連結領域30がベース部51の載置面51Aと蓋部52とによって挟持されることになる。必要に応じて、作業者は、光ファイバテープ1の非連結領域30を幅方向に指で狭めながら(非連結領域30の複数の光ファイバ2の間隔を狭めながら)、光ファイバテープ1をホルダ50に保持させても良い。
【0049】
図5A及び図5Bは、非連結領域30をホルダ50で挟持した様子の説明図である。図5Bは、図5AのB-B断面の拡大図である。
【0050】
光ファイバテープ1の非連結領域30には連結部11が形成されていないため、それぞれの光ファイバ2の間は非連結部13(分離部)になっており、非連結領域30では光ファイバ2同士が拘束されていない。このため、非連結領域30がホルダ50に挟持されると、非連結領域30の複数の光ファイバ2の間隔は、載置面51AのV溝のピッチ(第2ファイバピッチPf2)に従って狭まることになる。これにより、光ファイバテープ1の非連結領域30をホルダ50に保持することによって、ホルダ50の内部(詳しくは、ホルダ50の挟持部の内部)において複数の光ファイバ2を第1ファイバピッチPf1(=250μm)よりも狭いピッチで整列させることができ、光ファイバテープ1の幅を狭めることができる。
【0051】
図5Cは、変形例のホルダ50の説明図である。変形例のホルダ50の載置面51Aには、一対の段差部が形成されており、一対の段差部によって幅方向の両端の光ファイバ2の間隔が規定されており、これにより、複数の光ファイバ2が200μmピッチに整列されている。このように、200μmピッチ用のホルダ50の載置面51Aは、200μmピッチのV溝を有するものに限られるものではなく、他の形状でも良い。言い換えると、光ファイバテープ1の非連結領域30をホルダ50に保持したときに、ホルダ50の内部において複数の光ファイバ2の隙間を狭めて光ファイバテープ1の幅を狭めることができれば良い。
【0052】
なお、図5Aに示すように、光ファイバテープ1の非連結領域30がホルダ50に挟持されたとき、挟持部の両側から光ファイバ2が延び出た状態になる。また、本実施形態では、光ファイバテープ1の非連結領域30がホルダ50に挟持されたとき、非連結領域30の一部が挟持部よりも外側に延び出た状態になる。ここでは、挟持部の基端側から非連結領域30が長さL1だけ延び出ており、ホルダ50の加工側から非連結領域30が長さL2だけ延び出ている。
【0053】
S003の段階では、図5Aに示すように、ホルダ50の蓋部52よりも外側(挟持部の外側)では光ファイバ2の間に連結部11が存在しており、連結部11では光ファイバ2同士の間隔が250μmに拘束されている。このため、S003の段階では、ホルダ50の蓋部52よりも外側(挟持部の外側)の複数の光ファイバ2は、連結部11の影響を受けるため、ほぼ第1ファイバピッチPf1で配列されている。
【0054】
次に、作業者は、光ファイバ2の被覆を除去する(S004)。
【0055】
図6Aは、被覆除去装置60によって光ファイバ2の被覆を除去する様子の説明図である。
【0056】
被覆除去装置60は、光ファイバテープ1を構成する複数の光ファイバ2の被覆を除去する装置である。被覆除去装置60は、いわゆるホットジャケットストリッパである。被覆除去装置60は、一対の刃61Aを有する本体部61と、ホルダ50を把持する把持部62とを有する。作業者は、光ファイバテープ1を保持したホルダ50を被覆除去装置60の把持部62にセットし、本体部61の一対の刃61Aで光ファイバ2(光ファイバテープ1)を挟み込んで光ファイバ2の被覆に切り込みを入れた後、本体部61と把持部62とを離間させることによって、一対の刃61Aで光ファイバ2の被覆を引き抜き、これにより、光ファイバ2の被覆を除去する。本実施形態では、非連結領域30の一部(図中の右側の部位)がホルダ50よりも外側(図中の右側:加工側)に延び出た状態になっており、一対の刃61Aは非連結領域30の部位において光ファイバ2(光ファイバテープ1)を挟み込み、挟み込まれた部位よりも端部の側の光ファイバ2の被覆が除去されることになる。
【0057】
ところで、被覆除去装置60の把持部62にホルダ50をセットするとき、ホルダ50から延び出ている複数の光ファイバ2の間には連結部11が存在している(図5A参照)。連結部11は光ファイバ2の被覆層5よりも外側に配置されているため(図2A参照)、被覆除去装置60によって光ファイバ2の被覆を除去すると、光ファイバ2の被覆とともに、光ファイバテープ1の連結部11(テープ化材層15)も除去されることになる。つまり、被覆除去装置60によって光ファイバ2の被覆を除去すると、複数の光ファイバ2(光ファイバ裸線4)が単心分離される。
【0058】
図6Bは、ホルダ50に保持された被覆除去後の光ファイバテープ1の説明図である。
【0059】
ホルダ50の加工側(図中の右側)から複数の光ファイバ2(光ファイバ裸線4)が延び出ている。ホルダ50の加工側(図中の右側)では、連結部11が除去されたことによって、連結部11による光ファイバ2の拘束が無くなることになる。この結果、ホルダ50の加工側(図中の右側)では連結部11の影響が無くなるため、複数の光ファイバ2(光ファイバ裸線4)の間隔は、載置面51AのV溝のピッチに従って、第2ファイバピッチPf2(=200μm)になる。つまり、ホルダ50の加工側(図中の右側)では、S004において光ファイバ2の被覆が除去されることによって、第2ファイバピッチPf2で光ファイバ2(光ファイバ裸線4)が整列する(なお、ホルダ50の基端側(図中の左側)では、連結部11の影響を受けるため、第1ファイバピッチPf1で光ファイバ2が整列している)。
【0060】
本実施形態では、ホルダ50の加工側(図中の右側)から延び出た複数の光ファイバ2の被覆を除去することによって、光ファイバテープの連結部11を除去し、これにより、ホルダ50の加工側(図中の右側)の複数の光ファイバを第2ファイバピッチPf2で整列させている。但し、光ファイバ2の被覆を除去しなくても、ホルダ50の加工側(図中の右側)から延び出た光ファイバテープ1の連結部11を除去すれば、ホルダ50の加工側(図中の右側)から延び出ている複数の光ファイバ2が単心分離されて、複数の光ファイバを第2ファイバピッチPf2で整列させることが可能である。一方、本実施形態のように、被覆除去装置60を用いれば、光ファイバテープ1の連結部11の除去と、複数の光ファイバ2の被覆の除去とを同時に行うことができるため、光ファイバの整列作業が簡易になる。
【0061】
図6Bにおいて、ホルダ50の加工側の端部から被覆の剥き際までの間の長さは2mmである。被覆の剥き際は、被覆除去装置60の一対の刃61Aが非連結領域30の部位を挟み込んで被覆に切り込みを入れた部位に相当する。図6Bに示すように、前述の長さL2(図5A参照:ホルダ50の加工側から延び出る非連結領域30の長手方向の長さ)は、ホルダ50の加工側の端部から被覆の剥き際(被覆除去装置60の一対の刃61Aが被覆に切り込みを入れる部位)までの長さよりも長いことが望ましい。つまり、長さL2は、2mm以上であることが望ましい。
【0062】
光ファイバ2の被覆除去後、作業者は、光ファイバ裸線4が所定長さになるように、光ファイバ2の端部を切断する(S005)。通常、光ファイバテープ1を保持したホルダ50をファイバカッタにセットして、ファイバカッタを用いて光ファイバ2の端部を切断することになる。
【0063】
次に、作業者は、融着接続装置40を用いて複数の光ファイバ2の融着接続を行う(S006)。作業者は、光ファイバテープ1を保持したホルダ50を融着接続装置40にセットして、融着接続装置40を用いて光ファイバテープ1の光ファイバ2同士を融着接続することになる。
【0064】
図7は、融着接続時の様子の説明図である。
【0065】
融着接続装置40は、電極部41と、一対のホルダセット部42とを有する。電極部41は、光ファイバ2を融着接続するための一対の電極を有する。電極部41においてアーク放電を生じさせて光ファイバ2の先端部が加熱され、光ファイバ2の先端部が溶融することによって、光ファイバ2同士が融着接続することになる。ホルダセット部42は、ホルダ50をセットする部位(ホルダ載置部)である。融着接続時に光ファイバ2同士を調心するため、ホルダセット部42は、移動可能に構成されている。
【0066】
作業者は、図7に示すように、複数の光ファイバ2をホルダ50に保持させた状態で、ホルダ50をホルダセット部42にそれぞれセットする。一対のホルダセット部42にそれぞれホルダ50をセットすると、ホルダ50の加工側から延び出た光ファイバ2(光ファイバ裸線4)の端面同士が電極部41において対向配置することになる。
【0067】
本実施形態の融着接続装置40は、200μピッチ用の融着接続装置40であり、200μピッチで整列された複数の光ファイバ2同士を一括融着させるように構成されている。本実施形態では、ホルダ50の加工側(ホルダセット部42にホルダ50をセットしたときの電極部41の側)では第2ファイバピッチPf2で光ファイバ2(光ファイバ裸線4)が整列しているため、250μmピッチの光ファイバテープ1を200μmピッチ用の融着接続装置40で一括融着させることができる。
【0068】
<長さL1について>
図5Aに示すように、ホルダ50が光ファイバテープ1の非連結領域30を挟持したとき、ホルダ50の外側(挟持部の外側)では、複数の光ファイバ2は第1ファイバピッチPf1で配列されているのに対し、ホルダ50の内部(挟持部の内部)では、複数の光ファイバ2は第2ファイバピッチPf2で配列されている。このため、ホルダ50が光ファイバテープ1の非連結領域30を挟持したとき、ホルダ50(挟持部)の両端近傍において、光ファイバ2が湾曲することになる。特に、挟持部の基端側では、光ファイバ2が長時間にわたって湾曲し続けることになるため、光ファイバ2の曲げ半径を許容曲げ半径以上にすることが望ましい。また、光ファイバテープ1を構成する複数の光ファイバ2のうち、最も端に位置する光ファイバ2(N心光ファイバテープ1の場合、1番ファイバ又はN番ファイバ)の湾曲が最も急峻になるので、最も端に位置する光ファイバ2の曲げ半径を許容曲げ半径以上にすることが望ましい。ここでは、光ファイバの曲げ半径が許容されるのに必要な長さL1の最小値L0について説明する。
【0069】
図8は、N番ファイバの湾曲のモデル図である。図中の湾曲した実線は、N番ファイバの中心を示している。
【0070】
光ファイバ2は、最もホルダ50の挟持部に近い連結部11の位置からホルダ50の挟持部の端(基端側の端)までの間で湾曲することになる(図5A参照)。図8の点Aは、最もホルダ50の挟持部に近い連結部11の長手方向の位置におけるN番ファイバの中心位置を示している。点Aよりも基端側(図中の左側)では、複数の光ファイバ2は、第1ファイバピッチPf1で並列している。図8の点Bは、ホルダ50の挟持部の端におけるN番ファイバの中心位置を示している。点Bよりも加工側(図中の右側)では、複数の光ファイバ2は、第2ファイバピッチPf2で並列している。点Aから点Bまでの間において、光ファイバ2はS字状に湾曲している。点Cは、S字状に湾曲した部位の中心である。ここでは、A-C間において、光ファイバ2は、図中上側を凸にして許容曲げ半径Rで湾曲しているものとする。点O1は、A-C間で湾曲した光ファイバ2の曲げ中心である。点O1は、最もホルダ50の挟持部に近い連結部11の長手方向の位置にある。また、C-B間において、光ファイバ2は、図中下側を凸にして許容曲げ半径Rで湾曲している。点O2は、C-B間で湾曲した光ファイバ2の曲げ中心である。点O2は、ホルダ50の挟持部の端に位置する。また、図8に示すように、第2ファイバピッチPf2で並列しているときのN番ファイバの中心線の延長線と、点Aと点O1とを結ぶ線との交点を点Dとする。また、第2ファイバピッチPf2で並列しているときのN番ファイバの中心線の延長線と、点O2と点O1を結ぶ線との交点を点Eとする。ここでは、O1-D間の長さをyとし、O1-E間の長さをxとする。
【0071】
図中に示す湾曲によって、N番ファイバの幅方向の位置は、シフト量Lsだけ変化することになる。シフト量Lsは、点Aの幅方向の座標から点Bの幅方向の座標を引いた値に相当する。このため、Lsは、次式の通りである。
Ls = (Pf1-Pf2)×(N-1)/2
【0072】
上式の第1ファイバピッチPf1、第2ファイバピッチPf2は既知の値である。また、上式のNは、光ファイバテープ1の心数(光ファイバ2の本数)であるため、既知の値である。このため、上式によってシフト量Lsを算出できる。
【0073】
長さyは、シフト量Lsから許容曲げ半径Rを引いた値に相当する(図8参照)。許容曲げ半径Rは、5mmに規定されており、既知の値である。このため、長さyを、y=Ls-Rとして算出できる。
【0074】
図8に示すように、三角形EBO2と三角形EDO1は相似である。このため、長さE-O2と長さE-O1との比は、長さB-O2と長さD-O1との比と同じになる。つまり、2R+x:x=R:yという関係が成立する。この関係に基づいて、xを、Rとyから算出できる。
【0075】
ホルダ50が光ファイバ2を保持したときに光ファイバ2の曲げ半径が許容曲げ半径Rよりも長くするために必要な長さL0は、図中の長さD-Bに相当するため、次式で示すことができ、Rとxから算出できる。
【0076】
【数1】
【0077】
本実施形態では、Pf1=0.25(mm)、Pf2=0.20(mm)、N=12、R=5(mm)である。この場合、L0=9.42(mm)と算出される。つまり、ホルダ50が光ファイバ2を保持したときに光ファイバ2の曲げ半径が許容曲げ半径Rよりも長くするために必要な長さL0は、9.42mmとなる。
【0078】
図5Aに示すように、挟持部が光ファイバテープ1の非連結領域30を挟持したときに、挟持部の基端側(図5Aの左側)から延び出る非連結領域30の長手方向の長さをL1とし、ホルダ50が光ファイバ2を保持したときに光ファイバ2の曲げ半径が許容曲げ半径Rよりも長くなるように長さL1を設定するためには、長さL1が長さL0以上であることが望ましい。このため、本実施形態の場合、L1は9.42mm以上であることが望ましい。
【0079】
<変形例>
図9Aは、第1実施形態の光ファイバテープ1の変形例の説明図である。図9Aに示す変形例の光ファイバテープ1は、図1Aに示す光ファイバテープ1と比べると、マーク8を有する点で異なっている。
【0080】
マーク8は、非連結領域30に形成された目印である。言い換えると、マーク8は、非連結領域30の位置を示す目印である。また、マーク8は、光ファイバテープ1とホルダ50との位置合わせをするための目印となる。マーク8は、複数の光ファイバ2の長手方向の同じ位置にそれぞれ形成されることによって、光ファイバテープ1の幅方向にわたって帯状に形成されている。マーク8は、光ファイバテープ1の識別機能を兼ねていてもよい。例えば、図中の光ファイバテープ1のマーク8は、2番テープであることを示すパターンで形成されており、光ファイバテープ1の識別機能を備えている。
【0081】
なお、本実施形態のマーク8は、光ファイバテープ1を構成する全ての光ファイバ2にそれぞれ形成されることによって、光ファイバテープ1の幅方向の全域にわたって形成されている。但し、マーク8は、光ファイバテープ1を構成する複数の光ファイバ2のうちの一部の光ファイバ2に形成されていれば良い。また、一部の光ファイバ2だけにマーク8が形成される場合には、ホルダ50との位置合わせを容易にするために、少なくとも幅方向の端部の光ファイバ2(1番ファイバ又はN番ファイバ)にマーク8が形成されていることが望ましい。
【0082】
図9Bは、マーク8の利用方法の説明図である。
【0083】
前述の光ファイバ2の融着接続方法(又は光ファイバ2の整列方法)のS002(図4参照)において、作業者は、図9Bに示すように、光ファイバテープ1のマーク8がホルダ50の載置面51Aの中央に位置するように、マーク8に基づいて光ファイバテープ1とホルダ50とを位置合わせして、光ファイバテープ1をホルダ50に載置する。これにより、光ファイバテープ1の非連結領域30をホルダ50の載置面51Aに載置することができる。なお、仮に作業者が連結部11の位置や、連結領域20又は非連結領域30の位置を視認することが難しい場合であっても、マーク8は視認しやすいため、変形例によれば、光ファイバテープ1の非連結領域30をホルダ50の載置面51Aに載置する作業(図4のS002)が容易になる。
【0084】
なお、ホルダ50の載置面51Aに、光ファイバテープ1のマーク8と位置合わせするための位置合わせマーク(不図示)が形成されていても良い。これにより、マーク8に基づいて光ファイバテープ1とホルダ50とを位置合わせする作業が容易になる。
【0085】
また、本実施形態では、図9Bに示すように、マーク8に基づいて光ファイバテープ1とホルダ50とを位置合わせして、光ファイバテープ1をホルダ50に保持させると、挟持部の基端側から所定長さ(前述の長さL1)の非連結領域30が延び出るとともに、ホルダ50の加工側から所定長さ(前述の長さL2)の非連結領域30を延び出る。このように、光ファイバテープ1にマーク8を形成することによって、挟持部の両側から光ファイバテープ1の非連結領域30が所望の長さで延び出るように、光ファイバテープ1をホルダ50に載置させ易くなる。
【0086】
<小括>
上記の本実施形態の光ファイバ整列方法(若しくは融着接続方法)によれば、ファイバ径Dよりも広い第1ファイバピッチPf1で並列する複数の光ファイバ2を備えた間欠連結型の光ファイバテープを準備し(図4のS001)、光ファイバテープ1の非連結領域30をホルダ50で保持することによって、ホルダ50の内部において光ファイバテープ1の幅を狭めている(図4のS003、図5B参照)。そして、本実施形態では、ホルダ50から延び出た光ファイバテープ1の連結部11を除去することによって、単心分離させた複数の光ファイバ2(光ファイバ裸線4)を第2ファイバピッチPf2で整列させることができる(図4のS004、図6B参照)。本実施形態では、光ファイバテープ1をホルダ50に保持させるとき、光ファイバテープ1の端部(加工側の端部)で光ファイバ2をバラバラに単心分離せずに、連結部11を残して複数の光ファイバ2が連結された状態である(図3図5A参照)。このため、バラバラに単心分離された複数の光ファイバをホルダに保持させる作業と比べると、本実施形態では、複数の光ファイバ2の取り扱いが簡易になり、複数の光ファイバ2をホルダ50に保持させる作業性が向上する。この結果、本実施形態では、光ファイバ2の整列作業が簡易になる。また、本実施形態では、光ファイバ2の整列作業が簡易になるため、融着作業も簡易になる。
【0087】
また、上記の光ファイバテープ1は、ファイバ径Dよりも広い第1ファイバピッチPf1で並列する複数の光ファイバと、複数の連結部11とを備え、複数の連結部11を間欠的に配置した間欠連結型の光ファイバテープである。本実施形態の間欠連結型の光ファイバテープ1は、複数の連結部11を間欠的に配置させて複数の光ファイバ(N本の光ファイバ)を間欠的に連結させた連結領域20と、連結領域20の間において連結部11の形成されていない非連結領域30とを有している。このような間欠連結型の光ファイバテープ1によれば、第2ファイバピッチPf2用のホルダ50に非連結領域30を保持させるとともに(図4のS003、図5B参照)、ホルダ50から延び出た光ファイバテープ1の連結部11を除去することによって、複数の光ファイバ2を第2ファイバピッチPf2で整列させることができる(図4のS004、図6B参照)。このため、本実施形態の間欠連結型の光ファイバテープ1によれば、第1ファイバピッチPf1で並列する複数の光ファイバ2を第2ファイバピッチPf2に整列させる作業(光ファイバの整列作業)が簡易になる。
【0088】
===第2実施形態===
1つの連結領域20における連結区間21の数をiとしたとき、第1実施形態では、iは2であった。但し、iは2に限られるものではなく、他の数でも良い。また、1つの連結区間21における連結部11の数をjとしたとき、第1実施形態では、jは5~6であった。但し、jは5や6に限られるものではなく、他の数でもよい。
【0089】
図10A及び図10Bは、第2実施形態の光ファイバテープ1の説明図である。図10Bには、第2実施形態の光ファイバテープ1の連結領域20に形成されている複数の連結部11の配置が示されている。
【0090】
図10Aに示すように、第2実施形態の光ファイバテープ1も、間欠連結型の光ファイバテープ1である。また、第2実施形態の光ファイバテープ1にも、連結領域20と、非連結領域30とが設けられている。図10Bに示すように、第2実施形態の連結領域20にも、複数の連結区間21が設けられている。第2実施形態では、第1実施形態と比べて1つの連結領域20の連結区間21の数iが増えており、1つの連結領域20に4つの連結区間21が設けられている。一方、第2実施形態では、第1実施形態と比べて1つの連結区間21における連結部11の数が減っており、1つの連結区間21における連結部11の数jが2~3である。それぞれの連結区間21では、連結部11と連結部11との間に3つの非連結部13が配置されている。それぞれの連結区間21における連結部11の位置は、互いに異なっている。言い換えると、それぞれの連結区間21における複数の連結部11は、幅方向に互い違いに配置されている。これにより、隣接する2心の光ファイバ2が連結領域20の少なくとも1つの連結部11によって連結されており、1つの連結領域20に属する複数の連結部11によって、全ての光ファイバ2が間欠的に連結されている。
【0091】
第2実施形態では、非連結領域30に隣接する連結区間21(図10Bの最も右側の連結区間21)に配置されている連結部11の数(ここでは2)は、非連結領域30に隣接しない連結区間21(例えば、図10Bの右から2番目の連結区間21)に配置されている連結部11の数(ここでは3)よりも少ない。これにより、第2実施形態の光ファイバテープ1の非連結領域30を図5Aに示すようにホルダ50で挟持するときに、挟持部の外側の連結部11の影響が少なくなるため、光ファイバ2の間隔を狭め易くなり、ホルダ50の内部(詳しくは、ホルダ50の挟持部の内部)において光ファイバテープ1の幅を狭め易くなる。
【0092】
また、第2実施形態では、非連結領域30に隣接する連結区間21(図10Bの最も右側の連結区間21)に配置されている連結部11よりも幅方向の外側(図10Bにおける上側又は下側)に、非連結部13が配置されている(ここでは3つの非連結部13が配置されている)。これにより、第2実施形態の光ファイバテープ1の非連結領域30を図5Aに示すようにホルダ50で挟持したとき、光ファイバテープ1の端部に位置する光ファイバ2(幅方向外側に位置する光ファイバ2;1番ファイバ及びN番ファイバ)が内側に変位し易くなるため、ホルダ50(挟持部)の内部において光ファイバ2の間隔を狭め易くなり、光ファイバテープ1の幅を狭め易くなる。
【0093】
===第3実施形態===
前述の実施形態では、ホルダ50の挟持部が光ファイバテープ1の非連結領域30を挟持していた(連結部11の形成された領域を挟持部に挟持させずに、ホルダ50に光ファイバテープ1を保持させていた)。但し、ホルダ50の挟持部が光ファイバテープ1の連結領域20の一部を挟持しても良い。
【0094】
図11A及び図11Bは、第3実施形態の光ファイバテープ1の説明図である。図11Bには、第3実施形態の光ファイバテープ1の連結領域20に形成されている複数の連結部11の配置が示されている。
【0095】
第3実施形態では、1つの連結領域20には3つの連結区間21が設けられている(つまり、iは3である)。以下の説明では、図中の3つの連結区間21のうちの左の2つの連結区間21のことを第1連結区間21Aと呼び、図中の右側の連結区間21のことを第2連結区間21Bと呼ぶことがある。第2連結区間21Bは、非連結領域30に隣接して配置されている連結区間21である。また、第2連結区間21Bは、光ファイバテープ1をホルダ50に挟持させたときに第1連結区間21Aと比べて挟持部の側に配置される連結区間21である。
【0096】
第3実施形態においても、連結区間21と連結区間21との間には、幅方向に連結部11が存在しない非連結区間23が設けられている。以下の説明では、2つの第1連結区間21Aの間の非連結区間23のことを第1非連結区間23Aと呼ぶことがある。また、第1連結区間21Aと第2連結区間21Bとの間の非連結区間23のことを第2非連結区間23Bと呼ぶことがある。
【0097】
第3実施形態では、第2非連結区間23Bの長手方向の長さは、第1非連結区間23Aの長手方向の長さよりも長い。言い換えると、第1連結区間21Aと第2連結区間21Bとの長手方向の間隔(図中の区間ピッチP2’)’は、第1連結区間21Aと第1連結区間21Aとの長手方向の間隔(図中の区間ピッチP2)よりも長い。このため、非連結領域30に隣接して配置されている第2連結区間21B(図11Bの最も右側の連結区間21)は、第1連結区間21Aから非連結領域30の側に偏るように配置されている。
【0098】
図12は、第3実施形態の光ファイバテープ1をホルダ50に載置した様子の説明図である。図13Aは、第3実施形態の光ファイバテープ1をホルダ50で保持した様子の説明図である。図13Bは、図13AのB’-B’断面の拡大図である。
【0099】
第3実施形態では、非連結領域30に隣接して配置されている第2連結区間21Bが第1連結区間21Aから非連結領域30の側に偏るように配置されているため、ホルダ50の挟持部(ここではベース部51の載置面51Aと蓋部52)に挟持される領域に、第2連結区間21Bが含まれることがある。言い換えると、第3実施形態では、ホルダ50の挟持部(ここではベース部51の載置面51Aと蓋部52)に挟持される領域に、連結部11が含まれることがある。
【0100】
第3実施形態においても、光ファイバテープ1の非連結領域30が蓋部52と対向するようにホルダ50の載置面51Aに載置されているため(図12参照)、ホルダ50の蓋部52を閉じると、光ファイバテープ1の非連結領域30がベース部51の載置面51Aと蓋部52とによって挟持されることになる。非連結領域30では光ファイバ2同士が拘束されていないため、第3実施形態においても、非連結領域30がホルダ50に挟持されると、非連結領域30の複数の光ファイバ2の間隔は、載置面51AのV溝のピッチ(第2ファイバピッチPf2)に従って狭まることになる。
【0101】
なお、第3実施形態では、第2連結区間21Bの連結部11がホルダ50の挟持部に挟持されており、連結部11によって連結されている2本の光ファイバ2の間隔は、連結部11により拘束されているため、ほぼ第1ファイバピッチPf1(=250μm)となる。但し、第2連結区間21Bに含まれる非連結部13では光ファイバ2同士が拘束されていないため、第2連結区間21Bにおける一部の光ファイバ2同士の間隔は、載置面51AのV溝のピッチに従って第1ファイバピッチPf1よりも狭まることになる(図13B参照)。特に、本実施形態では、ホルダ50に挟持される第2連結区間21Bが非連結領域30の側に偏るように配置されているため、第2連結区間21Bにおいて連結部11に拘束されていない光ファイバ2同士の間隔は、第1ファイバピッチPf1よりも狭まり易くなる。この結果、第2連結区間21Bにおける光ファイバテープ1の幅方向の寸法(図13Bでの光ファイバテープ1の幅方向の寸法)は、ホルダ50によって保持する前と比べると、狭まることになる。
【0102】
図13Cは、ホルダ50に保持された被覆除去後の光ファイバテープ1の説明図である。
【0103】
第3実施形態においても、ホルダ50の加工側(図中の右側)で連結部11が除去されると、連結部11による光ファイバ2の拘束が無くなり、複数の光ファイバ2(光ファイバ裸線4)の間隔は、載置面51AのV溝のピッチに従って、第2ファイバピッチPf2(=200μm)になる。つまり、ホルダ50の加工側(図中の右側)では、光ファイバ2の被覆が除去されることによって、第2ファイバピッチPf2で光ファイバ2(光ファイバ裸線4)が整列する。
【0104】
<連結部11の数について>
図14は、第2連結区間21Bにおいて許容可能な連結部11の数の説明図である。
【0105】
図中の上側には、第2連結区間21Bにおける複数の光ファイバ2が示されている。第3実施形態では、作業者は、光ファイバテープ1の第2連結区間21Bを幅方向に指で狭めながら、光ファイバテープ1をホルダ50に保持させることになる。このため、図中の光ファイバテープ1は、幅方向に狭められている。非連結部13では、隣接する2本の光ファイバ2同士が接触している。連結部11では、隣接する2本の光ファイバ2は連結部11で拘束されているため、連結部11の分(幅C)だけ離れている。
【0106】
図中の下側には、ホルダ50の載置面51Aに形成されているV溝が示されている。第3実施形態では、作業者は、光ファイバテープ1の一方の端部の光ファイバ2(ここでは1番ファイバ)をV溝に合わせた後、第2連結区間21Bの複数の光ファイバ2の間隔を狭めながら、他の光ファイバ2をそれぞれV溝に合わせることになる。このため、図中左端のV溝(1番ファイバ用のV溝)の中心位置は、図中左端の光ファイバ2(1番ファイバ)の位置と合うように図示されている。
【0107】
仮に連結部11の数nが多すぎる場合、第2連結区間21Bの複数の光ファイバ2の間隔を狭めても、他方の端部の光ファイバ2(図中右端のN番ファイバ)の中心位置がV溝よりも外側になってしまい、光ファイバ2をV溝に配置できないおそれがある。このため、第2連結区間21Bの複数の光ファイバ2の間隔を狭めたときに、光ファイバテープ1の他方の端部の光ファイバ2(ここではN番ファイバ)の中心位置が、N番ファイバ用のV溝に上に位置することが望ましい。
【0108】
ここでは、第2連結区間21Bの複数の光ファイバ2の間隔を狭めたときの両端の光ファイバ2(1番ファイバとN番ファイバ)の中心間距離をWtとする。また、一方の端部のV溝(ここでは1番ファイバ用のV溝)の中心位置から他方の端部のV溝(ここではN番ファイバ用のV溝)を構成する内側の山部までの幅をW1とする。また、一方の端部のV溝(ここでは1番ファイバ用のV溝)の中心位置から他方の端部のV溝(ここではN番ファイバ用のV溝)を構成する外側の山部までの幅をW2とする。このとき、Wt、W1及びW2が次の関係にあることが望ましい。
W1 < Wt <W2
【0109】
言い換えると、第2連結区間21Bの連結部11の数nは、上記の関係(W1<Wt<W2)の関係が成立可能な程度に設定することが望ましい。
【0110】
なお、図中の上側に示すように、光ファイバ2のファイバ径をDとし、光ファイバ2の数をNとし、連結部11の幅をCとし、連結部11の数をnとしたとき、光ファイバテープ1の両端の光ファイバ2(1番ファイバとN番ファイバ)の中心間距離Wtは、次式の通りである。
Wt = D×(N-1)+C×n
【0111】
また、図中の下側に示すように、V溝のピッチは、前述の第2ファイバピッチPf2に相当する。また、V溝の数は、光ファイバテープ1を構成する光ファイバ2の数と同様にNである。1つのV溝の幅をWvとしたとき、1番ファイバ用(又はN番ファイバ用)のV溝の中心位置から、N番ファイバ用のV溝を構成する内側の山部までの幅をW1、N番ファイバ用のV溝を構成する外側の山部までの幅をW2は、それぞれ次式の通りである。
W1 = Pf2×(N-1)-(Wv/2)
W2 = Pf2×(N-1)+(Wv/2)
【0112】
===第4実施形態===
図15A及び図15Bは、第4実施形態の光ファイバテープ1の説明図である。図16は、図15BのX-X断面の拡大図である。
【0113】
第4実施形態においても、光ファイバテープ1は、複数の光ファイバ2を並列させて間欠的に連結した光ファイバテープである。第4実施形態では、光ファイバテープ1のテープ面(長手方向及び幅方向に平行な面)にテープ化材を帯状に塗布し、テープ化材を硬化させることによって、帯状にテープ化材層15が形成されている。2本の光ファイバ2の間でテープ化材が塗布・硬化されることによって、2本の光ファイバ2の間に連結部11が形成されている。第4実施形態においても、隣接する2本の光ファイバ2の間には、複数の連結部11が長手方向に間欠的に配置されている。また、長手方向に間欠的に形成された連結部11と連結部11との間には、非連結部13(分離部)が形成されている。本実施形態では、帯状のテープ化材層15が幅方向に対して斜めに配置されている。これにより、テープ化材層15で構成された連結部11の幅方向に非連結部13が配置されている。
【0114】
また、第4実施形態においても、光ファイバ2の外径よりも広い間隔で複数本の光ファイバ2が並列されている。ここでは、光ファイバ2の外径(ファイバ径D)は200μmであり、光ファイバ2の幅方向の間隔(第1ファイバピッチPf1)は250μmである。このため、第4実施形態においても、隣接する2心の光ファイバ2の間には隙間が形成されている。
【0115】
第4実施形態においても、間欠連結型の光ファイバテープ1には、連結領域20と非連結領域30とが設けられており、連結領域20と非連結領域30は長手方向に交互に形成されている。第4実施形態においても、連結領域20では、全ての光ファイバ2(ここでは12本の光ファイバ2)が複数の連結部11によって連結されている。また、第4実施形態においても、非連結領域30には、連結部11が形成されていない。連結領域20は、長手方向に所定の間隔P1で繰り返し配置されている。
【0116】
図15Bに示すように、連結領域20には、複数の連結区間21が設けられている。ここでは、1つの連結領域20に2つの連結区間21が設けられている。なお、1つの連結領域20における連結区間21の数をiとしたとき、iは2に限られるものではなく、iは1でも良いし、3以上でも良い。
【0117】
上記の第4実施形態においても、第2ファイバピッチPf2用のホルダ50に非連結領域30を保持させるとともに(図4のS003、図5B参照)、ホルダ50から延び出た複数の光ファイバ2の被覆を除去することによって、複数の光ファイバ2を第2ファイバピッチPf2で整列させることができる(図4のS004、図6B参照)。このため、第4実施形態の間欠連結型の光ファイバテープ1においても、第1ファイバピッチPf1で並列する複数の光ファイバ2を第2ファイバピッチPf2に整列させる作業(光ファイバの整列作業)が簡易になる。
【0118】
===第5実施形態===
前述の実施形態では、250μmピッチで並列する光ファイバ2を200μmピッチに整列させる方法は、光ファイバ2の融着接続方法に用いられていた。但し、本件の光ファイバ2の整列方法は、光ファイバ2の融着接続以外のものに用いられても良い。
【0119】
図17は、コネクタ付き光ファイバテープ1の製造処理のフロー図である。なお、図中には、200μmのファイバ径の光ファイバ2を250μmピッチで並列して間欠的に連結した光ファイバテープ1を構成する光ファイバ2を200μmピッチに整列させる処理フロー(S001~S004)も含まれている。以下の説明では、コネクタ(具体的には、図18に示すフェルール70)に形成されている複数のファイバ穴の間隔のことを「第2ファイバピッチPf2」と呼ぶことがある。なお、第2ファイバピッチPf2は、第1ファイバピッチPf1よりも狭ければ良く、200μmに限られるものではない。
【0120】
図中のS001~S005は、前述の図4のS001~S005の処理と同じである。ここでは、S001~S005の説明は省略する。
【0121】
図18は、第5実施形態のS106の処理の説明図である。
【0122】
S106において、作業者は、光ファイバ2の端部にフェルール70を取り付ける。図中のフェルール70は、JIS C 5981(F12形多心光ファイバコネクタ)に規定されている光コネクタ(MTフェルール)である。但し、光ファイバ2の端部に取り付ける光コネクタは、このフェルール70(MTフェルール)に限られるものではなく、他の光コネクタ(例えば、端面にレンズが形成されたレンズフェルール)でも良い。
【0123】
フェルール70には、複数のファイバ穴(不図示)が第2ファイバピッチPf2で形成されている。図18に示すように、作業者は、複数の光ファイバ2をホルダ50に保持させた状態で、ホルダ50の加工側から第2ファイバピッチPf2で整列して延び出た複数の光ファイバ2(光ファイバ裸線4)をフェルール70のファイバ穴にそれぞれ挿入する。作業者は、光ファイバ2の端部をフェルール70のファイバ穴に挿入した後、フェルール70の接着剤充填窓71に接着剤を充填し、フェルール70に光ファイバ2を接着して固定する。これにより、光ファイバ2の端部がフェルール70に取り付けられることになる。
【0124】
第5実施形態においても、ファイバ径Dよりも広い第1ファイバピッチPf1で並列する複数の光ファイバ2を備えた間欠連結型の光ファイバテープを準備し(S001)、光ファイバテープ1の非連結領域30をホルダ50で保持することによって、ホルダ50の内部において光ファイバテープ1の幅を狭めている(S003、図5B参照)。このため、第5実施形態においても、ホルダ50から延び出た光ファイバテープ1の連結部11を除去することによって、単心分離させた複数の光ファイバ2(光ファイバ裸線4)を第2ファイバピッチPf2で整列させることができる(S004、図6B参照)。また、第5実施形態においても、光ファイバテープ1をホルダ50に保持させるとき、光ファイバテープ1の端部(加工側の端部)で光ファイバ2をバラバラに単心分離せずに、連結部11を残して複数の光ファイバ2が連結された状態になる(図3図5A参照)。このため、バラバラに単心分離された複数の光ファイバをホルダに保持させる作業と比べると、第5実施形態においても、複数の光ファイバ2の取り扱いが簡易になり、複数の光ファイバ2をホルダ50に保持させる作業性が向上する。この結果、第5実施形態では、光ファイバ2の整列作業が簡易になる。また、第5実施形態では、光ファイバの整列作業が簡易になるため、コネクタ付き光ファイバテープの製造作業も簡易になる。
【0125】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0126】
1 光ファイバテープ、2 光ファイバ、
4 光ファイバ裸線、5 被覆層、
6 着色層、8 マーク、
11 連結部、13 非連結部、15 テープ化材層、
20 連結領域、21 連結区間、
21A 第1連結区間、21B 第2連結区間、
23 非連結区間、
23A 第1非連結区間、23B 第2非連結区間、
30 非連結領域、
40 融着接続装置、
41 電極部、42 ホルダセット部、
50 ホルダ、51 ベース部、51A 載置面、
52 蓋部、
60 被覆除去装置、61 本体部、61A 刃、
62 把持部、
70 フェルール、71 接着剤充填窓
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18