(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】害虫防除用定量噴射装置
(51)【国際特許分類】
A01M 7/00 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
A01M7/00 S
(21)【出願番号】P 2019559668
(86)(22)【出願日】2018-12-11
(86)【国際出願番号】 JP2018045546
(87)【国際公開番号】W WO2019117160
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】P 2017238159
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿南 鋭三郎
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-250799(JP,A)
【文献】特開2006-325489(JP,A)
【文献】特開2000-325384(JP,A)
【文献】特開2004-215662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
害虫防除成分を含む害虫防除剤と、前記害虫防除剤を収容する容器と、前記容器から前記害虫防除剤を一定量噴射する噴射機構と、を備えた害虫防除用定量噴射装置であって、
前記噴射機構は、
前記害虫防除剤が噴射される
3以上の噴射口が設けられた噴射部を有し、前記
3以上の噴射口から噴射される前記害虫防除剤の1回の
合計噴射量が0.5~2.0mlの範囲内の一定量である定量噴射が可能であるように構成され、
前記噴射部の中心軸を含む直線を中心とした空間を、前記
3以上の噴射口と同じ数の分割数で360°を均等に分けた値が前記直線周りの中心角の大きさとなるように
3以上の分割空間に分け、前記
3以上の分割空間の各々に対して前記
3以上の噴射口の各々から噴射された前記害虫防除剤のクラスタを少なくとも一つ存在させるように構成されている、
害虫防除用定量噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の害虫防除用定量噴射装置において、
前記
3以上の噴射口のうちの少なくとも1つの開口が、前記直線に直交する面に対して傾斜があるように構成されている、
害虫防除用定量噴射装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の害虫防除用定量噴射装置において、
前記
3以上の噴射口のうちの少なくとも1つに対応した噴口が、前記直線に直交する面に対して傾斜があるように構成されている、
害虫防除用定量噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫防除成分を含む害虫防除剤と、害虫防除剤を収容する容器と、容器から害虫防除剤を一定量噴射する噴射機構と、を備えた害虫防除用定量噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、室内の害虫防除などを目的として、エアゾール噴射装置(いわゆるエアゾール)が用いられている。この種の噴射装置は、一般に、害虫防除成分を含む原液と噴射剤とを含むエアゾール組成物を容器内に収容し、使用者による噴射操作に伴って容器に設けられた噴射ノズルからエアゾール組成物を噴き出すように構成されている。例えば、従来のエアゾール噴射装置の一つは、噴射ノズルに設けた単一の噴射口から、噴射ノズルの正面側の空間に向けてエアゾール組成物を噴射するように構成されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の噴射装置は、防除対象の害虫に対して直接的にエアゾール組成物を噴き付けるようになっている。一方、近年、害虫防除を図りたい空間内にエアゾール組成物を噴射し、その空間内に害虫防除成分を含んだ微粒子等を滞留させる又はその空間の壁面・床などに付着したエアゾール組成物を徐々に空間内に放出させることにより、持続的にその空間内の害虫防除を図る噴射装置が提案されている。前者の噴射装置においても後者の噴射装置においても、防除対象の害虫に対する害虫防除効果の更なる向上が望まれている。
【0005】
本発明の目的の一つは、防除対象の害虫に対する害虫防除効果に優れた害虫防除用定量噴射装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明の第1の側面において、害虫防除用定量噴射装置は、
害虫防除成分を含む害虫防除剤と、前記害虫防除剤を収容する容器と、前記容器から前記害虫防除剤を一定量噴射する噴射機構と、を備え、
前記噴射機構は、
前記害虫防除剤が噴射される複数の噴射口が設けられた噴射部を有し、前記複数の噴射口から噴射される前記害虫防除剤の1回の噴射量が0.5~2.0mlの範囲内の一定量である定量噴射が可能であるように構成され、
前記噴射部の中心軸を含む直線を中心とした空間を、前記複数の噴射口と同じ数の分割数で360°を均等に分けた値が前記直線周りの中心角の大きさとなるように複数の分割空間に分け、前記複数の分割空間の各々に対して前記複数の噴射口の各々から噴射された前記害虫防除剤のクラスタを少なくとも一つ存在させるように構成される。
【0007】
[2]本発明の第2の側面では、第1の側面に係る害虫防除用定量噴射装置において、
前記複数の噴射口のうちの少なくとも1つの開口が、前記直線に直交する面に対して傾斜があるように構成されている。
【0008】
[3]本発明の第3の側面では、第1の側面または第2の側面に係る害虫防除用定量噴射装置において、
前記複数の噴射口のうちの少なくとも1つに対応した噴口が、前記直線に直交する面に対して傾斜があるように構成されている。
【0009】
上記第1の側面に係る害虫防除用定量噴射装置について発明者が鋭意検討した結果、このような定量噴射装置に関し、複数の噴射口から噴射される害虫防除剤の1回の噴射量を0.5~2.0mlの範囲内の一定量(例えば、1.0ml)に定め、且つ、噴射部(噴射ボタン・噴射ノズル等)の中心軸を含む直線を中心とした空間を、複数の噴射口と同じ数の分割数で360°を均等に分けた値がその直線周りの中心角の大きさとなるように複数の分割空間に分け、複数の分割空間の各々に対して害虫防除剤のクラスタを少なくとも一つ存在させれば(
図3(a)及び
図3(b)を参照)、極めて優れた害虫防除効果を得られることが明らかになった。更に、本構成の害虫防除用定量噴射装置によれば、使用者が噴射操作を行うたびに予め定められた一定量の害虫防除剤が噴射されるため、使用者の操作方法に起因する害虫防除効果のバラツキが生じ難く、優れた害虫防除効果を安定的に発揮し得る。
【0010】
したがって、本構成の害虫防除用定量噴射装置は、防除対象の害虫に対する害虫防除効果に優れている。
【0011】
上記第2の側面に係る害虫防除用定量噴射装置によれば、複数の噴射口のうちの少なくとも1つの開口が、噴射部の中心軸を含む直線に直交する面に対して傾斜していることにより、その噴射口に対応する分割空間に対し、より確実に害虫防除剤のクラスタを存在させられる。なお、開口が上述したように傾斜している噴射口の数が多いほど好ましく、全ての噴射口の開口が上述したように傾斜していることが更に好ましい。
【0012】
上記第3の側面に係る害虫防除用定量噴射装置によれば、複数の噴射口のうちの少なくとも1つに対応した噴口が、噴射部の中心軸を含む直線に直交する面に対して傾斜していることにより、その噴射口に対応する分割空間に対し、より確実に害虫防除剤のクラスタを存在させられる。なお、噴口が上述したように傾斜している噴射口の数が多いほど好ましく、全ての噴射口の噴口が上述したように傾斜していることが更に好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、防除対象の害虫に対する害虫防除効果に優れた害虫防除用定量噴射装置を提供できる。
【0014】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る害虫防除用定量噴射装置の主要部分を示す外観図である。
【
図2】
図2(a)~
図2(d)は、噴射口の数が4つの場合における
図1に示す噴射ノズルを示し、
図2(a)はその斜視図であり、
図2(b)はその正面図であり、
図2(c)はその側面図であり、
図2(d)は
図2(b)のA-A断面図である。
【
図3】
図3(a)は、噴射されたエアゾール組成物のクラスタの拡散状態を示す
図2(d)に相当する断面図であり、
図3(b)は、噴射されたエアゾール組成物のクラスタの拡散状態を示す正面図である。
【
図4】
図4は、噴射口の数と、噴射されたエアゾール組成物のクラスタの拡散状態と、の関係を説明するための図である。
【
図5】
図5(a)~
図5(d)は、噴射口の数が3つの場合における噴射ノズルの
図2(a)~
図2(d)に相当する図である。
【
図6】
図6(a)~
図6(d)は、噴射口の数が4つの場合における噴射ノズルの変形例を示し、
図6(a)はその斜視図であり、
図6(b)はその正面図であり、
図6(c)は
図6(b)のC-C断面図であり、
図6(d)は
図6(b)のD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る害虫防除用定量噴射装置10(以下、単に「定量噴射装置10」という。)について説明する。
【0017】
(害虫防除用定量噴射装置の構造)
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る定量噴射装置10は、害虫防除成分を含むエアゾール組成物が充填された中空円筒形状の容器11と、容器11の上端部の中心付近に容器11の軸方向に沿って上向きに突出して設けられ且つ下方に押されることによって容器11からエアゾール組成物を噴出するバルブステム12と、容器11の上端部に取り付けられたエアゾールキャップ13と、を備えている。なお、エアゾール組成物は、後述するように、害虫防除成分および溶媒を含む原液と噴射剤とから構成されている。
【0018】
エアゾールキャップ13は、容器11の上端部に装着されるカバー部14と、バルブステム12に連通接続される噴射ノズル15が装着され且つカバー部14に揺動自在に支持されてバルブステム12の上方から係合するアクチュエータ16と、を備えている。噴射ノズル15は、アクチュエータ16に設けられたノズル収容室19内に収容されて固定されている。アクチュエータ16は、噴射ノズル15の先端側の前部から延びるヒンジ17を介して揺動自在になっている。
【0019】
エアゾールキャップ13のカバー部14は、例えば合成樹脂製であって、その下端部は、容器11の上端部に設けられたマウンティングカップ18に係止されている。アクチュエータ16の上部には、アクチュエータ16を覆うバージンシール20が一体的に形成されている。
【0020】
アクチュエータ16は、バルブステム12の突出方向(上下方向。容器11の軸方向)に延びる流路21と、流路21に連通し且つ流路21と直交するように延びる流路22と、を有する。この流路22には噴射ノズル15が収容されたノズル収容室19が連通接続されている。
【0021】
バルブステム12は、マウンティングカップ18に組付けられたハウジング(図示省略)に対して、上下方向に摺動可能に組み付けられており、バルブステム12とハウジングとの間に介装されたスプリング(図示省略)の付勢力によって上向きに常時付勢されている。アクチュエータ16(換言すると、バルブステム12)が押し下げられない状態では、スプリングの付勢力によって、バルブステム12の内部の弁孔(図示省略)がステムラバー(図示省略)で封止されている。その結果、容器11の内部と連通接続するハウジングの貯留室(図示省略)と、アクチュエータ16の流路21に連通接続されたバルブステム12内を上下方向に延びるステム内通路(図示省略)と、が連通されない状態になっている。
【0022】
バルブステム12は、アクチュエータ16(バルブステム12)が押し下げられると(即ち、噴射操作が行われると)、弁孔がステムラバーから離間し、ハウジングの貯留室とステム内通路とが連通される。その結果、ハウジングの貯留室に充填されているエアゾール組成物が、ステム内通路、流路21及び流路22を介して、噴射ノズル15の流路31及び噴射口37(
図2(a)~
図2(d)等参照)に供給され、噴射口37からエアゾール組成物が噴射されるようになっている。エアゾール組成物が噴射されると、噴射剤の作用により微粒子状となったエアゾール組成物がクラスタCL(集合体)となり、噴射口37から噴射ノズル15の正面側に拡散していく(
図3(a)及び
図3(b)を参照)。
【0023】
本実施形態では、1回の噴射操作により、複数の噴射口37から噴射されるエアゾール組成物の合計量が0.5~2.0mlの範囲内の一定量となるように、ハウジングの貯留室の容積(形状)が設計されている。即ち、定量噴射装置10は、いわゆる「定量噴射型」のエアゾール噴射装置である。ここで、バルブステム12、噴射ノズル15及びアクチュエータ16が本発明の「噴射機構」に相当し、噴射ノズル15が本発明の「噴射部」に相当する。
【0024】
1回の噴射操作によって複数の噴射口37から噴射されるエアゾール組成物の合計量は、0.5~2.0mlの範囲内の値であればよく、例えば、0.7~1.5mlの範囲内の値であることが好ましく、0.9~1.3mlの範囲内の値であることがより好ましく、1mlであることが更に好ましい。
【0025】
図2(a)~
図2(d)に示すように、樹脂製の噴射ノズル15は、内部に流路31が形成された段付き円筒状の形状を有している。噴射ノズル15の側面形状は、アクチュエータ16に設けられたノズル収容室19の側面形状に対応しており、本実施形態では、噴射ノズル15の先端側の大径部32と、基端側の小径部33と、を備える。小径部33の外周面における軸方向の所定位置には、噴射ノズル15のノズル収容室19からの抜け(脱落)防止のための環状係止部34が、径方向外側に突出するように設けられている。
【0026】
流路31は、噴射ノズル15の中心軸を含む直線Axに沿って、噴射ノズル15の基端から先端の近傍まで延びている。噴射ノズル15がノズル収容室19に収容された状態にて、流路31の基端側開口は、アクチュエータ16内の流路22に連通接続される。
【0027】
噴射ノズル15の先端側面は、直線Axに直交する円形の直交面35と、直交面35の外周縁から径方向外側かつ基端側に向けて直線Axに対して傾斜して延びる円錐面36と、から構成されている。この円錐面36には、複数(本例では、4つ)の噴射口37が形成されている。複数の噴射口37は、直線Axの周りに周方向に間隔をあけて(本例では、90°ごとに)配置され、直線Axに沿ってそれぞれ延びて、噴口37aにおいて流路31と連通接続されている(
図2(d)参照)。
【0028】
複数の噴射口37が円錐面36に形成されているため、複数の噴射口37の開口37bは、円錐面36に沿って直線Axから径方向外側かつ基端側に向けて傾斜している(
図2(d)を参照)。換言すると、複数の噴射口37の開口37bは、直線Axに直交する面に対して傾斜があるように構成されている。このため、
図3(a)に示すように、流路31を通過したエアゾール組成物(図中の白矢印を参照)が噴口37aを経て複数の噴射口37を通過した後に開口37bから噴射されると、複数の噴射口37の各々から、エアゾール組成物のクラスタCLが径方向外側に向けて傾斜した状態で拡散していくことになる。
【0029】
なお、噴射口37は、噴射ノズル15の内部の流路31と噴射ノズル15の外部との間を繋ぐ空間部分を表す。また、噴口37aは、噴射口37のうちの最も噴射ノズル15の内部側(即ち、流路31側)にある開口部分を表し、開口37bは、噴射口37のうちの最も噴射ノズル15の外部側にある開口部分を表す。
【0030】
更に、本実施形態では、
図3(b)に示すように、4つの噴射口37の各々から噴射されて拡散していくエアゾール組成物のクラスタCLは、噴射ノズル15の正面側の空間を周方向における隣接する噴射口37の中間点を通過する分割線Lで分割して得られる4つの分割空間の各々に存在する。各分割空間の広さ(中心角θの大きさ)は90°である。別の言い方をすると、直線Axを中心とした空間を、複数の噴射口37と同じ数の分割数(=4)で360°を均等に分けた値が直線周りの中心角θの大きさとなるように複数の分割空間(分割線Lで区切られる空間)に分け、それら複数の分割空間の各々に対して複数の噴射口37の各々から噴射されたエアゾール組成物のクラスタCLを少なくとも一つ存在させるように、噴射ノズル15が構成されている。
【0031】
このように、本実施形態では、噴射口37の数が4つであるため、分割空間の数が4つであり、各分割空間の広さ(中心角)が90°となっている。但し、噴射口37の数は4つに限定されることはなく、複数(2つ以上)の噴射口37の各々から拡散していくエアゾール組成物のクラスタCLが、直線Ax周りに複数の噴射口37と同じ数の分割数で分割した分割空間の各々に存在する限り、特に制限されない。例えば、
図4に示すように、噴射口37の数(2以上)に応じて、分割空間の数、及び、各分割空間の広さ(中心角)を設定できる。
【0032】
例えば、噴射口37の数が3つの場合、
図2(a)~
図2(d)に対応する
図5(a)~
図5(d)に示すように、円錐面36に形成された3つの噴射口37は、直線Axの周りに周方向に間隔をあけて(本例では、120°ごとに)配置される。この場合、
図4に示すように、分割空間の数が3つとなり、各分割空間の広さ(中心角)が120°となる。
【0033】
図2(a)~
図2(d)及び
図5(a)~
図5(d)に示す例では、複数の噴射口37の開口37bが円錐面36に沿って直線Axから径方向外側に向けて傾斜していることに起因し、エアゾール組成物のクラスタCLが径方向外側に向けて傾斜して拡散し易くなっている。なお、
図2(d)及び
図5(d)に示すように、これらの例では、複数の噴射口37の噴口37aは、直線Axに直交する面に対して特に傾斜していない。
【0034】
一方、
図2(a)~
図2(d)及び
図5(a)~
図5(d)に示す例とは異なる例として、
図6(a)~
図6(d)に示すように、径方向外側に延びる溝41,42を利用して複数の噴射口37を構成し、エアゾール組成物のクラスタCLを径方向外側に向けて傾斜して拡散し易くしてもよい。
【0035】
具体的には、
図6(a)~
図6(d)に示すノズル15は、小径部33の先端側に位置する大径部32の更に先端側に小径部38が形成された段付き円筒状の形状を有している。小径部38の先端側面は、直線Axに直交する円形の直交面39のみで構成されている。特に、
図6(c)及び
図6(d)に示すように、ノズル15の流路31は、大径部32から連続して更に小径部38の先端の近傍まで延びている。
【0036】
直交面39には、上下方向に延びる一対の溝41と、左右方向に延びる一対の溝42と、が形成されている。それぞれの溝41,42は、直線Axから等距離の径方向内側端部から直交面39の外周縁まで径方向に沿って延びており、噴射口37を構成している。噴射口37は、溝41,42の径方向内側端部にある噴口37aにおいて流路31と連通されている。即ち、それぞれの溝41,42は、対応する噴口37aから径方向外側に向けて延びて、径方向外側端部において開放されている。
【0037】
なお、
図6(c)に示すように、一対の溝41の底面41aは、噴口37aから直線Axに直交する方向に(即ち、径方向に沿って)延びている。一方、
図6(d)に示すように、一対の溝42の底面42aは、噴口37aから径方向外側且つ基端側に向けて直線Axに対して傾斜して延びている。
【0038】
特に、
図6(d)に示すように、噴口37aを直線Axに直交する面に対して傾斜があるように構成することにより、噴口37aを通過したエアゾール組成物が溝42に案内されて噴射口37から噴射されることになり、エアゾール組成物のクラスタCLが径方向外側に向けて傾斜した状態で拡散し易くなる。
【0039】
ところで、上述した
図2(a)~
図2(d)、
図5(a)~
図5(d)及び
図6(a)~
図6(d)の何れに表す噴射ノズル15の態様においても、噴射口37から20cm離れた位置におけるエアゾール組成物の噴射圧は、0.1~20gfであることが好ましく、0.3~10gfであることがより好ましく、0.5~5gfであることが更に好ましい。なお、この噴射圧は、25℃の室温条件下で、定量噴射装置10の噴射口37から20cmの距離をおいたところに横倒しにしたデジタルフォースゲージ(型番:DS2-2N(株)イマダ製)に装着したΦ60mmの円状の平板の中心に向かってエアゾール組成物を噴射した際の最大検出値を噴射荷重とし、その噴射荷重の平均値を算出することによって測定できる。
【0040】
更に、噴射口37の開口37bの合計開口面積は、噴射時間を所望の範囲内の値に設定する観点から、0.05~8mm
2であることが好ましく、0.2~4.0mm
2であることがより好ましく、0.4~3.0mm
2であることが更に好ましい。また、
図2(d)、
図5(d)、
図6(c)及び
図6(d)に示す噴口37a(液噴射部)の合計開口面積は、噴射時間を所望の範囲内の値に設定する観点から、0.05~8mm
2であることが好ましく、0.2~3.0mm
2であることがより好ましく、0.4~2.5mm
2であることが更に好ましい。
【0041】
更に、1回の噴射操作による噴射時間は、0.8秒以内であることが好ましく、0.2~0.7秒であることがより好ましく、0.3~0.7秒であることが更に好ましい。このような噴射時間を採用することにより、害虫防除成分の揮散性を効率良く高められ、害虫防除成分の効力の持続性が高まると考えられる。1回の噴射操作による噴射時間を調整する方法として、例えば、噴射口37の内径を調整する方法、及び、噴射圧を調整する方法などが挙げられる。
【0042】
容器11に充填されるエアゾール組成物は、害虫防除成分と溶媒とを含む原液と、噴射剤とで構成されている。
【0043】
害虫防除成分は、対象害虫を殺虫、忌避およびノックダウン等することができる成分である。害虫防除成分の種類は特に限定されず、公知の化合物を使用できる。
【0044】
例えば、害虫防除成分として、トランスフルトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、ピレトリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、エムペントリン、プラレトリン、イミプロトリン、シフルトリン、サイパーメトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン、メパフルトリン、トラロメトリン、プロフルトリン、及び、メトフルトリン等のピレスロイド系化合物、シラフルオフェン等のケイ素系化合物、フェニトロチオン、ジクロルボス、クロルピリホスメチル、ダイアジノン、及び、フェンチオン等の有機リン系化合物、カルバリル、及び、プロポクスル等のカーバメイト系化合物、メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系化合物、メトプレン、ピリプロキシフェン、フィプロニル、及び、アミドフルメト等の化合物、ハッカ油、オレンジ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、チョウジ油、テレビン油、ユーカリ油、ヒバ油、ジャスミン油、ネロリ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ブチグレン油、レモン油、レモングラス油、シナモン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、シトラール、l-メントール、酢酸シトロネリル、シンナミックアルデヒド、テルピネオール、ノニルアルコール、cis-ジャスモン、リモネン、リナロール、1,8-シネオール、ゲラニオール、α-ピネン、p-メンタン-3,8-ジオール、オイゲノール、酢酸メンチル、チモール、安息香酸ベンジル、及び、サリチル酸ベンジル等の各種精油成分、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、及び、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、並びに、アジピン酸ジブチル等の二塩基酸エステル類等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0045】
害虫防除成分は、対象害虫の種類に合わせて適宜選択すればよい。対象害虫としては、例えば、蚊、ハエ、ガ、ハチ、カメムシ、ゴキブリ、アリ、クモ、ダンゴムシ、ダニ、シラミ、ムカデ、ケムシ、ヤスデ、クモ、アブ、ブユ、チョウバエ、シロアリ、ユスリカ、ヨコバイ、キクイムシ、ゴミムシ、ハサミムシ、シミ、カミキリムシ、カツオブシムシ、チャタテムシ、イガ、及び、コイガ等が挙げられる。蚊、ハエ、ガ、ハチ、アブ、ブユ、ユスリカ、ヨコバイ、チョウバエ、イガ、及び、コイガ等の飛翔害虫に対しては、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、フタルスリン、プラレトリン、モンフルオロトリン、及び、シフェノトリン等が好適である。また、ゴキブリ、カメムシ、アリ、クモ、ダンゴムシ、ダニ、シラミ、ムカデ、ケムシ、ヤスデ、クモ、シロアリ、キクイムシ、ゴミムシ、ハサミムシ、シミ等の匍匐害虫に対しては、フタルスリン、プラレトリン、イミプロトリン、ペルメトリン、及び、フェノトリン等が好適である。
【0046】
害虫防除成分の含有量は、原液中0.01~70質量/容量%であることが好ましい。害虫防除成分が原液中に0.01質量/容量%以上であることで、十分な害虫防除成分の効果を得ることができ、70質量/容量%以下であると生産適性が良くなる。害虫防除成分の含有量は、0.1質量/容量%以上であることがより好ましく、0.3質量/容量%以上がさらに好ましく、65質量/容量%以下がより好ましく、50質量/容量%以下がさらに好ましい。
【0047】
原液には、原液の粘度を調整する、生産適性を良くする、害虫虫に対する薬剤の浸透性を上げる等の目的のために溶剤を含有することができる。このような溶剤としては、例えば、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族系溶剤、水、及び、エステル系溶剤等が挙げられる。炭化水素系溶剤としては、例えば、パラフィン系炭化水素やナフテン系炭化水素等の脂肪族及び脂環式炭化水素が挙げられるが、JIS 1号灯油等の灯油が好ましい。具体的にはノルマルパラフィン、及び、イソパラフィン等が挙げられる。ノルマルパラフィンとしては、炭素数が8~16のものが代表的で、例えば、中央化成株式会社製のネオチオゾール、JXTGエネルギー株式会社製のノルマルパラフィンMA、及び、AlcaneC14-C17等が挙げられる。イソパラフィンとしては、炭素数が8~16のものが代表的で、例えば、出光興産株式会社製のIPクリーンLX、IPクリーンHX、スーパーゾルFP25、Isoper-M、Isoper-H、Isoper-E、及び、Isoper-L等が挙げられる。アルコール系溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール等の低級アルコール、グリセリン、及び、エチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。芳香族系溶剤としては、例えば、トルエン、及び、キシレン等が挙げられる。エステル系溶剤としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、及び、パルミチン酸イソプロピル等が挙げられる。
【0048】
溶剤の含有量は、原液中30~99.99質量/容量%であることが好ましい。溶剤が原液中に30質量/容量%以上であることで、生産適性をよくすることができ、99.9質量/容量%以下であると、十分な効力を担保できるため好ましい。溶剤の含有量は、35質量/容量%以上であることがより好ましく、50質量/容量%以上がさらに好ましく、99.9質量/容量%以下がより好ましく、99.5質量/容量%以下がさらに好ましい。
【0049】
原液には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有させることができる。その他の成分としては、例えば、防腐剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、消臭剤、香料、殺菌剤、防カビ剤、帯電防止剤、消泡剤、共力剤、無機粉体、界面活性剤、及び、溶解助剤等が挙げられる。
【0050】
原液の含有量は、定量噴射装置10の使用目的や噴射剤との組み合わせに応じて適宜変更可能であり、特に限定されないが、例えば、エアゾール組成物中に1~50容量%とすることができる。エアゾール組成物中に原液が1容量%以上であると、十分な害虫防除成分の効果を得ることができ、50容量%以下であると、原液による汚染を少なくできる。原液の含有量は、エアゾール組成物中、3容量%以上であることがより好ましく、5容量%以上がさらに好ましく、また、40容量%以下であることがより好ましく、30容量%以下がさらに好ましい。
【0051】
噴射剤は、上記原液を噴射するための媒体であり、原液とともに耐圧容器に加圧充填される。噴射剤としては、例えば、プロパン、プロピレン、n-ブタン、及び、イソブタン等の液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)等の液化ガス、炭酸ガス、窒素ガス、及び、圧縮空気等の圧縮ガス、並びに、HFC-152a、HFC-134a、HFO-1234yf、及び、HFO-1234ze等のハロゲン化炭素ガス等の1種又は2種以上を用いることができる。使用する噴射剤は、原液との相溶性やエアゾールバルブの容器部材に合わせて適宜選択すればよい。
【0052】
噴射剤の含有量は、定量噴射型エアゾールの使用目的や原液との組み合わせに応じて適宜変更可能であり、特に限定されないが、例えば、エアゾール組成物中に50~99容量%とすることができる。エアゾール組成物中に噴射剤が50容量%以上であると、細かい噴霧粒子で噴霧することができるため害虫防除成分がより拡散しやすくなり、害虫防除成分の効力が持続しやすくなる。また、噴射剤が99容量%以下であると、十分な害虫防除成分の効果を得ることができる。噴射剤の含有量は、エアゾール組成物中、60容量%以上であることがより好ましく、70容量%以上がさらに好ましく、また、97容量%以下がより好ましく、95容量%以下がさらに好ましい。
【0053】
なお、エアゾール組成物中の原液と噴射剤の体積比は、1:99~50:50であることが好ましく、3:97~40:60がより好ましい。このような体積比とすることで、十分な害虫防除効果を得ることができる。
【0054】
(定量噴射装置の害虫防除評価)
本発明者は、種々の実験を通して、上述した各種実施形態のように、定量噴射装置10において、噴射ノズル15に複数の噴射口37を設けると共に、直線Axを中心とした空間を直線Ax周りに複数の噴射口37と同じ数の分割数で分割した分割空間の各々に、複数の噴射口37の各々から噴射されたエアゾール組成物のクラスタCLを少なくとも一つ存在させ(
図3(a)及び
図3(b)を参照)、更に、1回の噴射当たりに複数の噴射口37から噴射される害虫防除成分の合計量を0.5~2.0mlの範囲内の一定量(例えば、1.0ml)とすることにより、上述した従来の噴射装置に比べて極めて優れた害虫防除効果を得られる、との知見を得た。以下、試験例にて説明する。
【0055】
以下の表1に示す処方に従って害虫防除成分、溶媒、及び、噴射剤を含有し、エアゾール組成物1~5を調製した。なお、以下、エアゾール組成物を「組成物」と記載する場合もある。なお、それぞれの比重は、トランスフルトリンは1.388(23℃)、エタノールは0.785(25℃)、イソプロピルアルコールは0.786(20℃)、液化石油ガス(LPG)は0.56(20℃)である。
【0056】
【0057】
表1に示す組成物1~6のそれぞれについて、エアゾール用の耐圧缶(組成物1,4,5:容量142mL、組成物2:容量59ml,組成物3:容量287mL,組成物6:容量142mL)に害虫防除成分と溶媒との混合物である原液を充填し、エアゾールバルブ(ステム(ST)孔径1.0mm×0.7mm)で耐圧缶を閉止した。続いて、噴射剤として液化石油ガス(0.34MPa(25℃))を加圧充填した。更に、以下の表2および表3に示すように、その耐圧缶に取り付ける噴射ノズルの構造、1回の噴射当たりに噴射される組成物の量(1回噴射量)、及び、噴射された組成物に含まれる害虫防除成分の吐出量について、様々な組み合わせ(実施例1~5,比較例1~9)における供試虫のノックダウン率を測定した。
【0058】
具体的には、表2~表4の「噴射ノズルの構造」について、噴射ノズルの構造における「X型」は
図2(a)~
図2(d)及び
図6(a)~
図6(d)に示すような4つの噴射口を有する噴射ノズルを表し、「3つ穴型」は
図5(a)~
図5(d)に示すような3つの噴射口を有する噴射ノズルを表しており、「ストレート型」は噴射ノズルの直線に沿った方向に開口した単一の噴射口を有する噴射ノズル(図示省略)を表し、「横型」は噴射ノズルの直線に直交する先端面に左右方向に延びる溝を有し且つその溝の底面に単一の噴射口を有する噴射ノズル(図示省略)を表す。「X型」の噴射ノズルの開口37bの合計開口面積は2.3mm
2であり、「3つ穴型」の噴射ノズルの開口37bの合計開口面積は2.7mm
2であり、「横型」の噴射ノズルの開口37bの合計開口面積は0.5mm
2であり、「ストレート型」の噴射ノズルの開口37bの合計開口面積は2.54mm
2である。
【0059】
以下の表2の「ノックダウン率」について、試験室(縦5.4m×横3.6m×高さ2.4m)の室内中央において、実施例1~3及び比較例1~7の各々の条件にてエアゾール組成物を噴射し、噴射後に3時間が経過した時点で、供試虫としてネッタイイエカ雌成虫(約100頭)を試験室内に放逐した。そして、60分経過後のノックダウン数(KD数)を測定し、ノックダウン率(=KD数/全供試虫数×100)を算出した。
【0060】
【0061】
以下の表3の「ノックダウン率」について、表2と同様の試験室の室内中央において、実施例4及び比較例8の各々の条件にてエアゾール組成物を噴射し、噴射後に4時間が経過した時点で、供試虫としてイエバエ成虫(雌雄混合。約100頭)を試験室内に放逐した。そして、30分経過後のノックダウン数(KD数)を測定し、ノックダウン率(=KD数/全供試虫数×100)を算出した。
【0062】
【0063】
以下の表4の「ノックダウン率」について、表2と同様の試験室の室内中央において、実施例5及び比較例9の各々の条件にてエアゾール組成物を噴射し、噴射後に6時間が経過した時点で、供試虫としてネッタイイエカ雌成虫(約100頭)を試験室内に放逐した。そして、60分経過後のノックダウン数(KD数)を測定し、ノックダウン率(=KD数/全供試虫数×100)を算出した。
【0064】
【0065】
表2~表4に示した実施例1~5と比較例1~9との比較から理解されるように、害虫防除成分の種類によらず、且つ、1回の噴射あたりのエアゾール組成物の吐出量の大小にもよらず、噴射ノズル15に設けた複数の噴射口37の各々から上述した分割空間の各々に対してクラスタCLを存在させるようにエアゾール組成物を噴射し、更に、1回の噴射当たりに複数の噴射口37から噴射されるエアゾール組成物の合計量を0.5~2.0mlの範囲内の一定量(上記例では1.0ml)とすることにより、極めて優れた害虫防除効果を得られることが明らかになった。
【0066】
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0067】
例えば、上記実施形態では、ノズル15は、段付き円筒状の形状を有しているが、ノズル15が、直線Ax方向の全域に亘って側面に段差がない単純な円筒状の形状を有していてもよい。
【0068】
更に、
図2(a)~
図2(d)及び
図5(a)~
図5(d)に示す実施形態では、複数の噴射口37の開口37bの全てが、直線Axに直交する面に対して傾斜があるように構成されている。しかし、本発明の定量噴射装置は、複数の分割空間の各々に対してエアゾール組成物のクラスタCLを少なくとも一つ存在させることができる限り、これら開口37bのうちの少なくとも一つが直線Axに直交する面に対して傾斜があるように構成されていればよい。
【0069】
ここで、上述した本発明に係る定量噴射装置10の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に記載する。
[1]
害虫防除成分を含む害虫防除剤と、前記害虫防除剤を収容する容器(11)と、前記容器から前記害虫防除剤を一定量噴射する噴射機構(12,15,16)と、を備えた害虫防除用定量噴射装置(10)であって、
前記噴射機構(12,15,16)は、
前記害虫防除剤が噴射される複数の噴射口(37)が設けられた筒状の噴射部(15)を有し、前記複数の噴射口から噴射される前記害虫防除剤の1回の噴射量が0.5~2.0mlの範囲内の一定量である定量噴射が可能であるように構成され、
前記噴射部の中心軸を含む直線(Ax)を中心とした空間を、前記複数の噴射口と同じ数の分割数で360°を均等に分けた値が前記直線周りの中心角の大きさとなるように複数の分割空間に分け、前記複数の分割空間の各々に対して前記複数の噴射口の各々から噴射された前記害虫防除剤のクラスタ(CL)を少なくとも一つ存在させるように構成されている、
害虫防除用定量噴射装置。
[2]
上記[1]に記載の害虫防除用定量噴射装置において、
前記複数の噴射口(37)のうちの少なくとも1つの開口(37b)が、前記直線(Ax)に直交する面に対して傾斜があるように構成されている、
害虫防除用定量噴射装置。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の害虫防除用定量噴射装置において、
前記複数の噴射口(37)のうちの少なくとも1つに対応した噴口(37a)が、前記直線(Ax)に直交する面に対して傾斜があるように構成されている、
害虫防除用定量噴射装置。
【0070】
本出願は、2017年12月12日出願の日本特許出願(特願2017-238159)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の害虫防除用定量噴射装置は、防除対象の害虫に対する害虫防除効果に優れている。この効果を有する本発明は、例えば、害虫防除を図りたい空間内にエアゾール組成物を噴射して持続的にその空間内の害虫防除を図る噴射装置として、利用され得る。
【符号の説明】
【0072】
10 害虫防除用定量噴射装置
11 容器
12 バルブステム(噴射機構)
15 噴射ノズル(噴射機構)
16 アクチュエータ(噴射機構)
37 噴射口
Ax 直線
CL 害虫防除剤のクラスタ