(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】表示方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20221012BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20221012BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20221012BHJP
G06F 3/0485 20220101ALI20221012BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20221012BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20221012BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20221012BHJP
G09G 5/34 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/041 590
G06F3/041 600
G06F3/0484
G06F3/0485
H04M1/00 R
G09G5/00 550C
G09G5/36 530Y
G09G5/34 A
G09G5/00 550B
(21)【出願番号】P 2020109266
(22)【出願日】2020-06-25
(62)【分割の表示】P 2016083539の分割
【原出願日】2016-04-19
【審査請求日】2020-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 基之
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康宣
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 和彦
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-213989(JP,A)
【文献】特開2007-310888(JP,A)
【文献】国際公開第2013/035724(WO,A1)
【文献】特開2009-151505(JP,A)
【文献】特開2003-296026(JP,A)
【文献】特開2011-227854(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0085357(US,A1)
【文献】特開2012-230573(JP,A)
【文献】特開2012-247861(JP,A)
【文献】中井 優理子 YURIKO NAKAI,弾性素材のせん断変形を用いたタッチパネルへの水平方向力入力:入力モードの判別 Tangential Force Input of Touch Panel Using Shear Force Deformation of Elastic Material: Discrimination of Force and Swipe Input,情報処理学会 シンポジウム エンタテインメントコンピューティングシンポジウム 2015 [online] ,日本,情報処理学会,2015年10月27日,116-121ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06F 3/041
H04M 1/00
G09G 5/00
G09G 5/36
G09G 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置の表示方法であって、
前記情報処理装置の押圧センサに対する押圧を検出する押圧検出ステップと、
前記情報処理装置が表示出力する情報の表示範囲を変更する制御を行う表示制御ステップと
を備え、
前記押圧検出ステップにおいて、
前記押圧センサに対するタッチを検出し、前記押圧センサに対する任意の一箇所の押圧の第1操作と、任意の複数箇所同時の押圧の第2操作との二種類の操作を区別して検出し、
前記表示制御ステップにおいて、
所定の大きさ以上の押圧が検出された際に、前記押圧が保持されている場合、前記情報の表示範囲を変更し、
前記二種類の操作の区別に応じて、前記情報の表示範囲
の変更における二種類の動作として、前記情報の表示範囲を第1方向で変更する第1動作と、第2方向で変更する第2動作と、を行って表示制御する、
表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置の技術に関する。また、本発明は、表示画面に対するユーザインタフェース技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルの表示画面に対するユーザの指等の接触により入力操作を可能とする、スマートフォン等の携帯端末装置が普及している。携帯端末装置は、タッチ入力操作に応じて、表示画面内のコンテンツ等の表示を制御する。携帯端末装置は、入力操作に応じて例えばインターネットからコンテンツ情報を取得して表示画面に表示する。その際、携帯端末装置は、そのコンテンツの全体が表示画面内に表示しきれない場合には、そのコンテンツの表示情報の一部を表示する。携帯端末装置は、表示画面内でのタッチ入力操作として、タップ、スワイプ、フリック、ピンチ等の各種の操作を受け付ける。例えば、スワイプ操作の場合、ユーザは表示画面を指でタッチし、タッチした状態のまま移動させてから指を離す。フリック操作の場合、ユーザは表示画面を指でタッチした後に素早く指を移動させてから指を離す。携帯端末装置は、タッチ入力操作に応じて、表示画面内のコンテンツの表示範囲をスクロール等させる。これにより、ユーザは、表示画面でコンテンツの他の一部や全体を閲覧等できる。
【0003】
また、携帯端末装置は、基本操作画面あるいはホーム画面等と呼ばれる画面を設けている。例えば、ホーム画面では、メールやブラウザ等の複数のアプリケーションのアイコンが配置されている。また、複数のホーム画面が設けられる場合もある。ホーム画面で入力操作によりアイコンが選択されると、そのアイコンに対応付けられているアプリケーションが実行され、アプリケーション画面が表示される。複数のアプリケーションが実行されている場合、複数のアプリケーション画面が設けられる。アプリケーション画面では、コンテンツ等の全体または一部が表示される。ユーザは、表示画面内に表示されるホーム画面等の表示範囲を、タッチ入力操作により切り替えることができる。
【0004】
上記のような携帯端末装置のユーザインタフェースに関する先行技術例として、特開2011-76349号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、携帯情報端末等として、以下の旨が記載されている。その携帯情報端末は、自装置の傾きを検知し、傾きの方向と大きさを示す傾き情報を生成し、画面に対するタッチ操作による接触が維持された状態で検知された傾きについての傾き情報に基づいて、表示画像を変化させる。
【0005】
また、近年では、タッチパネル及び携帯端末装置として、タッチセンサだけでなく、押圧状態を検出できる押圧センサを備えるものも実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、携帯端末装置の表示画面の大きさは限られており、コンテンツ表示情報のサイズが大きい場合や多数のホーム画面等がある場合には、表示画面内において、コンテンツの一部や複数の画面の一部のみが表示範囲となる。ユーザが所望のコンテンツや画面の一部や全体を閲覧等したい場合、表示範囲のスクロール等のために、スワイプ等のタッチ入力操作を何回も繰り返す必要がある。タッチ入力操作を何回も繰り返すことは、手間がかかり、身体にも負担をかける。また、表示画面内に多数のアイコン等が配置されている場合、ユーザが所望のアイコン等を探してその箇所をタッチする操作の際に、指が届かない場合もある。その場合、目的の操作のために、端末の持ち手の状態を変える、両手で操作する等の対応が必要になり、手間がかかる。
【0008】
特許文献1のような技術を用いる場合、ユーザが、概略平板形状の端末の表示画面を、水平の状態でタッチして角度を持つ状態に傾けた場合に、表示画像をスクロール等させることができる。しかし、個々のユーザや状況や目的の操作等に応じて、端末の傾きの状態や、持ち手や指の状態は、様々である。通常、ユーザが端末を手に持った状態で表示画面を見る場合、ユーザの視線及び持ち手の状態に合わせて、水平の地面に対して表示画面内の上下方向が斜めに傾いた状態をとる場合が多い。そのため、特許文献1のような技術では、様々な状態に好適に対応することはできず、表示画面の内容が視認しにくい場合や、意図しないタッチによってスクロールしてしまう等の可能性があり、使い勝手の点で改善余地がある。
【0009】
本発明の目的は、携帯端末装置及び表示画面に対するユーザインタフェースの技術に関して、ユーザの様々な状態に対応して少ない手間でコンテンツ等の表示範囲の変更が実現でき、より好適な使い勝手を実現できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のうち代表的な実施の形態は、携帯端末装置であって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
【0011】
一実施の形態の携帯端末装置は、表示画面に情報を表示する表示部と、前記表示画面に対する押圧を検出する押圧検出部と、前記表示画面に表示される前記情報の表示範囲を変更する制御を行う表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記押圧検出部により所定の大きさ以上の押圧が検出された場合に、前記押圧が保持されている状態において、前記表示画面に表示する前記情報の前記表示範囲を変更する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、携帯端末装置及び表示画面に対するユーザインタフェースの技術に関して、ユーザの様々な状態に対応して少ない手間でコンテンツ等の表示範囲の変更が実現でき、より好適な使い勝手を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態1の携帯端末装置の構成概要を示す図である。
【
図2】実施の形態1の携帯端末装置の機能ブロック構成を示す図である。
【
図3】実施の形態1の携帯端末装置のソフトウェア等の構成を示す図である。
【
図4】実施の形態1の携帯端末装置で、アプリケーション画面でのコンテンツ表示を示す図である。
【
図5】実施の形態1の携帯端末装置で、タッチ押圧センサの検出について示す図である。
【
図6】実施の形態1の携帯端末装置で、ユーザによる使用状態、傾き角度、傾ける操作等について、横から見た状態で示す図である。
【
図7】実施の形態1の携帯端末装置で、傾ける操作等を、表示画面の正面を見た状態で示す図である。
【
図8】実施の形態1の携帯端末装置で、表示範囲変更制御として、コンテンツのスクロール表示を示す図である。
【
図9】実施の形態1の携帯端末装置で、制御処理のフローを示す図である。
【
図10】実施の形態1の携帯端末装置で、押圧とスクロール速度との関係を示す図である。
【
図11】本発明の実施の形態2の携帯端末装置における、表示画面、及び複数のホーム画面の切り替え表示について示す図である。
【
図12】実施の形態2の携帯端末装置で、表示制御として、ホーム画面に対する操作、及び画面切り替えについて示す図である。
【
図13】実施の形態2の携帯端末装置で、制御処理のフローを示す図である。
【
図14】実施の形態2の携帯端末装置で、第1方向画面切り替えの処理のフローを示す図である。
【
図15】実施の形態2の携帯端末装置で、第2方向画面切り替えの処理のフローを示す図である。
【
図16】実施の形態2の変形例の携帯端末装置で、表示画面の表示状態を示す図である。
【
図17】実施の形態2の変形例の携帯端末装置で、コンテンツの履歴情報を示す図である。
【
図18】実施の形態2の携帯端末装置で、コンテンツの複数のページ情報を示す図である。
【
図19】本発明の実施の形態3の携帯端末装置における、表示制御を示す図である。
【
図20】実施の形態3の携帯端末装置で、制御処理のフローを示す図である。
【
図21】実施の形態3の携帯端末装置で、押圧と時間間隔との関係を示す図である。
【
図22】実施の形態3の携帯端末装置で、左右の手に応じた操作を示す図である。
【
図23】本発明の実施の形態4の携帯端末装置における、表示制御を示す図である。
【
図24】実施の形態4の携帯端末装置で、制御処理のフローを示す図である。
【
図25】実施の形態4の携帯端末装置で、アイコン配置変更処理のフローを示す図である。
【
図26】本発明の実施の形態5の携帯端末装置における、外観や操作を示す図である。
【
図27】実施の形態5の携帯端末装置で、制御処理のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
(実施の形態1)
図1~
図10を用いて、本発明の実施の形態1の携帯端末装置について説明する。
【0016】
[構成概要]
図1は、実施の形態1の携帯端末装置の構成概要を示す。
図1では、ユーザが左手で携帯端末装置の筐体1を持ち、表示画面2内の箇所を親指でタッチ及び押圧する際の状態を示す。携帯端末装置は、水平面、水平方向に対する絶対的な傾きの角度θを持って傾いた状態である。表示画面2には、コンテンツ等の表示情報3の全体のうち一部が表示範囲4として表示されている。なお、説明上、X方向、Y方向、Z方向を示す。X方向及びY方向は、筐体1、表示画面2、及びコンテンツの表示情報3等の平面を構成する方向である。X方向は、画面内水平方向、横方向、左右方向である。Y方向は、画面内垂直方向、縦方向、上下方向である。Z方向は、X方向及びY方向に対する垂直方向であり、筐体1等の厚さ方向である。
【0017】
携帯端末装置は、表示部、タッチ検出部、押圧検出部、傾き角度検出部、表示制御部等を備える。表示部は、表示画面2にコンテンツ等の表示情報3を表示する。タッチ検出部は、表示画面2に対するタッチの有無及び位置座標等を検出する。押圧検出部は、表示画面2に対する押圧の強さ等を検出する。傾き角度検出部は、携帯端末装置の傾きの角度として角度θ及び角度θn等を検出する。表示制御部は、押圧や傾き角度の状態に基づいて、表示情報3の表示範囲4を変更する制御として、スクロール5,6等を制御する。
【0018】
ユーザは、表示画面2に表示されているコンテンツのうちの他の一部を閲覧等したい場合、自分に適した手持ちの状態で、表示画面2内の箇所を例えば親指でタッチ及び押圧する。押圧検出部は、その際に所定の大きさ以上の押圧を検出する。傾き角度検出部は、その際の筐体1の傾きの角度を検出する。表示制御部は、所定の押圧が検出された場合、その時点で検出された傾きの角度θを、基準角度θ0として設定する。
【0019】
ユーザは、表示画面2をタッチ及び押圧したままの状態で、筐体1を傾ける操作を行う。言い換えると、筐体1は、所定の回転軸及び方向で回転させられる。傾き角度検出部は、その傾ける操作及び回転に伴う傾きの角度θnを同様に検出する。表示制御部は、タッチ及び押圧が保持されている状態で検出された傾きの角度θnと基準角度θ0との差分の大きさに応じて、表示画面2での表示範囲4を変更する制御を行う。表示制御部は、その変更制御として、スクロール5,6や画面切り替え等の表示動作を制御する。スクロール5,6は、表示画面2に表示される表示範囲4をY方向の上下等で連続的に移動させる動作である。画面切り替えは、表示範囲4をコンテンツの一部の領域や後述の画面等の単位で切り替えるように移動させる動作である。
【0020】
ユーザは、スクロール5,6等の動作によって所望のコンテンツや画面の箇所が表示された状態で、表示画面2から指を離す。押圧検出部は、その際の所定の大きさ以上の押圧が無い状態を検出する。表示制御部は、その押圧が無い状態の検出に基づいて、スクロール5,6等を停止する。
【0021】
図1の下側には、上記制御を時間軸で示す。携帯端末装置は、最初、通常モードの状態から、表示画面2で所定の大きさ以上の押圧が有るタッチ押圧操作がされると、特有の制御モードに入る。その制御モードでは、上記基準角度θ0が設定され、押圧が維持されたままで傾ける操作に応じて、表示範囲4の変更制御が行われる。ユーザが指を離すと、所定の大きさ以上の押圧が無い状態となり、その制御モードが解除され、通常モードに戻る。このように、ユーザは、簡単な操作によってコンテンツ等の表示範囲4を変えて素早く所望の箇所を閲覧等することができる。
【0022】
[携帯端末装置(1)]
図2は、実施の形態1の携帯端末装置の機能ブロック構成を示す。実施の形態1の携帯端末装置は、スマートフォンである。携帯端末装置としては、携帯電話機、タブレット型PC、PDA、その他の各種の携帯用デジタル機器が適用可能である。
【0023】
実施の形態1の携帯端末装置は、主制御部101、システムバス102、ROM103、RAM104、ストレージ部105、操作部106、振動発生部107、拡張インタフェース部108、センサ部110、映像処理部120、音声処理部130、通信処理部140、等を有する。
【0024】
主制御部101は、マイクロプロセッサユニット等により構成され、プログラム処理に従って携帯端末装置の全体を制御する。システムバス102は、主制御部101と各部との間でデータ送受信を行うためのデータ通信路である。ROM103は、OS等の基本動作プログラムやアプリケーションプログラム等が格納されているメモリである。ROM103は、例えばEEPROMやフラッシュROM等、書き換え可能なROMが用いられる。ROM103に格納されているプログラムの更新により、基本動作プログラム等のバージョンアップや機能拡張が可能である。RAM104は、基本動作プログラムやアプリケーションプログラム等の実行時のワークエリアとなる。ストレージ部105には、アプリケーションプログラム等が格納されている。
【0025】
操作部106は、ユーザによる入力操作を可能とする入力デバイスを含む部分であり、操作キーを含む。操作キーは、携帯端末装置の電源オン/オフやスタンバイを可能とする操作キーや、基本操作画面を表示するための操作キー等を含む。
【0026】
振動発生部107は、偏心モータ等により、携帯端末装置を振動させる。これにより、ユーザに状態を伝えることができる。拡張インタフェース部108は、携帯端末装置の機能を拡張するためのインタフェース群である。拡張インタフェース部108は、例えばUSBインタフェース、メモリインタフェース等で構成される。USBインタフェースは、キーボードやその他のUSB機器の接続を行う。メモリインタフェースは、メモリカードやその他のメモリ媒体の接続、及びデータ送受信を行う。
【0027】
センサ部110は、携帯端末装置に関する状態を検出するためのセンサ群である。センサ部110は、GPS受信部111、加速度センサ112、ジャイロセンサ113、地磁気センサ114、照度センサ115、近接センサ116、タッチ押圧センサ117を含む。センサ部110は、その他のセンサを備えてもよい。
【0028】
GPS受信部111を用いて、携帯端末装置の位置が例えば緯度及び経度として検出可能である。加速度センサ112及びジャイロセンサ113を用いて、携帯端末装置の動き及び傾きが検出可能である。傾きとしては、少なくとも絶対的な傾きとして水平面に対する傾きの角度が検出可能である。地磁気センサ114を用いて、携帯端末装置の方角が検出可能である。照度センサ115を用いて、携帯端末装置の周囲の明るさが検出可能である。近接センサ116を用いて、携帯端末装置の周囲物との近接状況が検出可能である。
【0029】
タッチ押圧センサ117を用いて、表示部121の表示画面2に対する指のタッチ及び押圧の状態を検出可能である。例えば、タッチ状態として、タッチ有無及びタッチ位置座標が検出可能である。例えば、押圧状態として押圧有無及び押圧の強さが検出可能である。なお、タッチ押圧センサ117は、タッチセンサと押圧センサとの一体型に限らず、タッチセンサと押圧センサとが別々の装置として設けられてもよい。
【0030】
映像処理部120は、表示部121、映像信号処理部122、第1映像入力部123、第2映像入力部124を含む。表示部121は、表示画面2を構成し、例えば液晶パネル等の表示装置を含む。表示部121は、映像信号処理部122で処理された映像データを表示画面2に表示する。表示部121は、タッチ押圧センサ117の機能と対応しており、タッチ押圧センサ117を内蔵した型のタッチパネルを含んでもよい。映像信号処理部122は、ビデオRAM等を備え、ビデオRAMに入力された映像データに基づいて、表示部121を駆動する。映像信号処理部122は、必要に応じて、映像データのフォーマット変換、メニューやその他のOSD信号の重畳処理等を行う。第1映像入力部123及び第2映像入力部124は、例えばカメラユニットにより構成される。カメラユニットは、レンズから入力した光を、CCDやCMOSセンサ等の素子を用いて電気信号に変換することにより、周囲や対象物の映像データを得る。
【0031】
音声処理部130は、音声出力部131、音声信号処理部132、音声入力部133を含む。音声出力部131は、スピーカを含み、音声信号処理部132で処理された音声信号を音声出力する。音声入力部133は、マイクを含み、周囲の音声を音声データに変換して入力する。
【0032】
通信処理部140は、LAN通信部141、電話網通信部142、近距離通信部143を含む。LAN通信部141は、無線通信用アクセスポイントとの無線通信接続及びデータ送受信を行う。電話網通信部142は、移動体電話通信網の基地局との無線通信接続、電話通信、及びデータ送受信を行う。近距離通信部143は、例えばBlueTooth(登録商標)等の通信インタフェースに対応し、対応する機器との間で近距離無線通信を行う。通信処理部140の各部は、それぞれ、符号回路や復号回路、アンテナ等を備える。通信処理部140は、赤外線通信部等を備えてもよい。
【0033】
[携帯端末装置(2)]
図3は、実施の形態1の携帯端末装置のソフトウェア構成として、特に、ROM103、RAM104、及びストレージ部105におけるプログラムやデータの構成を示す。ROM103には、基本動作プログラム103a、その他のプログラム103bが格納されている。RAM104には、基本動作実行部104a、アプリケーション実行部104b、一時記憶領域104c、等が構成される。基本動作プログラム等の実行時には、必要に応じてデータが一時記憶領域104cに保持される。
【0034】
ストレージ部105には、アプリケーションプログラム105a、各種情報/データ記憶領域105b等を有する。アプリケーションプログラム105aは、メール、ブラウザ、地図、ゲーム、電子書籍リーダ等、各種機能を実現するためのプログラムである。各種情報/データ記憶領域105bには、携帯端末装置の設定情報やアプリケーション毎の設定情報等の各種情報やデータが記憶される。ストレージ部105は、フラッシュROMやSSDやHDD等の不揮発性記憶装置を含み、携帯端末装置に電源が供給されていない状態でも記憶情報を保持する。
【0035】
なお、ROM103及びRAM104は主制御部101と一体の構成でもよい。ROM103の機能の一部または全部は、代替として、ストレージ部105の一部記憶領域により実現されてもよい。
【0036】
主制御部101は、ROM103から基本動作プログラム103aを読み出してRAM104に展開して実行することにより、基本動作実行部104aを実現する。主制御部101は、ストレージ部105からアプリケーションプログラム105aを読み出してRAM104に展開して実行することにより、アプリケーション実行部104bを実現する。
【0037】
基本動作実行部104aには、各実行部として、タッチ検出部201、押圧検出部202、傾き角度検出部203、表示制御部204、及び振動制御部205を含む。各実行部は連携する。
【0038】
タッチ検出部201は、タッチ押圧センサ117を用いてタッチ検出処理を行う。タッチ検出部201は、表示画面2内の複数の箇所のタッチを検出する公知の機能を実現する。タッチ検出部201は、タップ、スワイプ、フリック、ピンチ等の操作を検出する公知の機能を実現する。押圧検出部202は、タッチ押圧センサ117を用いて押圧検出処理を行う。押圧検出部202は、タッチ位置での押圧有無及び押圧の強さを検出する。
【0039】
傾き角度検出部203は、加速度センサ112やジャイロセンサ113を用いて、携帯端末装置の傾きの角度の検出処理を行う。表示制御部204は、表示部121の表示画面2に対する入力操作に応じて、表示画面2の表示内容を制御する処理を行う。この処理は、スクロール表示動作等の制御処理を含む。振動制御部205は、振動発生部107を用いて携帯端末装置に振動を発生させる処理を行う。
【0040】
なお、基本動作プログラム103aにより実現される携帯端末装置のOSは、公知のグラフィカルユーザインタフェース制御部を含む。グラフィカルユーザインタフェース制御部は、表示画面2に対するタッチ入力操作を通じて入力情報を得る機能や、その入力情報に応じた制御処理に基づいて表示画面2への出力を制御する機能を実現する。
【0041】
[外観及びコンテンツ表示]
図4は、携帯端末装置の外観、及びアプリケーション画面でのコンテンツ表示の例を示す。
図4の左側は、表示画面2を持つ筐体1の前面の構成を示し、右側は背面の構成を示す。概略平板形状の筐体1の表面において、概略矩形の表示画面2を有する。表示画面2内には、コンテンツ表示情報401として、本例ではWebブラウザによるアプリケーション画面におけるWebページの一部の領域が表示されている。なお、Webページ内のテキストや画像等を、○,×,△,□等の記号で簡易的に図示している。コンテンツ内には、リンク等のオブジェクトが含まれている場合がある。本例では、×で示す領域と、△で示す領域との間に、URL等のリンク7が含まれている場合を簡易的に図示している。表示画面2内には、時計やアドレス等の情報を表示する領域402も設けられている。
【0042】
筐体1には、第1映像入力部123に対応する前面のカメラユニット423、第2映像入力部124に対応する背面のカメラユニット424、音声出力部131のスピーカ431、音声入力部133のマイク433、等が設けられている。
【0043】
筐体1には、操作キーとして、電源キーk1、ホームキーk2を有する。電源キーk1は、携帯端末装置の電源のオン/オフ、及びスタンバイ状態への移行/復帰の入力操作を可能とする。電源キーk1の所定時間以上の押下により電源のオン/オフが切り替えられる。電源キーk1の所定時間よりも短い時間の押下によりスタンバイ状態への移行または復帰が行われる。ホームキーk2は、後述の基本操作画面であるホーム画面の表示に関する入力操作を可能とする。アプリケーション画面が表示されている状態におけるホームキーk2の押下によりホーム画面の表示に切り替えられる。
【0044】
ユーザは、表示画面2におけるアプリケーション画面内のコンテンツのリンク7等や、ホーム画面内のアイコン等のオブジェクトの箇所をタッチする入力操作を行う。これにより、携帯端末装置は、例えばリンク7に対応付けられているコンテンツの読み込み及び表示を行う。携帯端末装置は、例えばアイコンに対応付けられているアプリケーションの実行及びアプリケーション画面の表示を行う。
【0045】
[タッチ押圧検出]
図5は、タッチ押圧センサ117を用いたタッチ位置座標や押圧の検出について示す。表示画面2及びタッチ押圧センサ117に対応した領域500を有する。領域500は、タッチ及び押圧の状態が検出可能な領域である。領域500において、X方向及びY方向の平面における位置座標(X,Y)を有する。領域500において指によりタッチや押圧される点の位置を位置座標(X1,Y1)として示す。領域500の原点を左上の位置座標(0,0)とし、領域500の横幅をXm、縦幅をYmとする。
【0046】
タッチ検出部201は、タッチ押圧センサ117を用いて、領域500におけるタッチされた点の位置座標(X1,Y1)を検出する。押圧検出部202は、タッチ押圧センサ117を用いて、タッチに伴って押圧された点における押圧の強さを検出する。押圧の強さをPnとする。また、タッチ検出部201は、タッチ押圧センサ117を用いて、領域500において複数の指が同時にタッチされた場合におけるタッチ数及び各タッチ位置座標等を検出可能である。
【0047】
なお、タッチ検出及び押圧検出の方式については特に限定されず、公知の方式を適用可能である。一例としては静電容量型のタッチ押圧検出方式が適用可能である。この方式では、表示画面に対する指の近接や押圧による静電容量変化を電圧値として検出し、その電圧値に基づいて計算によりタッチ位置座標や押圧の強さを得る。
【0048】
[使用状態、傾き角度、操作]
図6は、ユーザが携帯端末装置を手に持って使用する状態、携帯端末装置の傾き角度、傾ける操作等について、ユーザ及び筐体1を横から見た状態で示す。この状態では、筐体1及び表示画面2に対応する平面が、水平面や垂直面に対して傾いている。この傾きの状態では、水平方向、水平面に対して、絶対的な傾きの角度θを有する。実施の形態1の携帯端末装置は、この角度θを検出して基準角度θ0として設定する。ユーザは、この基準角度θ0の状態から、スクロール等のために、筐体1を傾ける操作を行う。
【0049】
図7は、
図6に対応した傾ける操作等を、ユーザの視線で表示画面2の正面を見た状態で示す。
図7の例では、表示画面2のX方向及びY方向の中央付近の点がタッチされている。また、その点が、手持ちによる携帯端末装置の支持の基準点であるとする。傾ける操作の際の回転軸は、X方向の軸であり、線701で示す。
【0050】
図6及び
図7で、基準角度θ0に対して更に傾ける操作をした時における絶対的な傾きの角度をθnとする。角度θnは、本例では表示画面2及びコンテンツのY方向に関する傾きの角度である。相対的な傾きの角度を表す量として、基準角度θ0と角度θnとの差分値(θn-θ0)を有する。また、傾ける操作及び傾きの角度θnに関して、正方向及び負方向を示す。正方向は、支持の基準点を固定とした場合に、表示画面2の上辺をユーザから見て手前へ傾ける場合の方向とし、負方向は、表示画面2の上辺をユーザから見て奥へ傾ける場合の方向とする。
【0051】
[表示範囲変更制御、スクロール表示]
図8は、実施の形態1の携帯端末装置における表示範囲変更制御として、コンテンツのスクロール表示動作を示す。表示画面2内のアプリケーション画面において、コンテンツ800が表示可能な領域801を含む。領域801に、コンテンツ800の表示情報3の一部が表示範囲4として表示されている。コンテンツ800は、Webページの例であり、実際のデータはHTML等により構成される。コンテンツ800の表示情報3では、テキストや画像等の領域の間にリンク7を含んでいる場合を示す。コンテンツ800の表示情報3は、アプリケーションにより、領域801の大きさに合わせて可変される。
【0052】
領域801の大きさに対し、コンテンツ800の表示情報3の全体のサイズ、即ち拡大縮小等が無い場合の標準サイズが大きい。そのため、表示情報3の全体を領域801に表示することができない。よって、領域801には、コンテンツ800の表示情報3の一部が表示範囲4として表示される。表示範囲4は、コンテンツ800の表示情報3が表示画面2の領域801に表示される際の範囲である。表示範囲4は、本例では、Webページの途中の領域である場合を示し、×で示す領域の一部、リンク7、△で示す領域の一部が含まれている。
【0053】
ユーザは、領域801に表示されている表示範囲4の状態から、表示されていないコンテンツ800の他の一部を閲覧等したい場合、従来ではスワイプやフリック等によりスクロールをさせる。本例では、表示情報3をY方向の上または下にスクロール可能である場合を示す。従来では、サイズが大きいコンテンツ800を閲覧等したい場合、スワイプ等の操作を何回も繰り返す必要があり、手間が大きい。
【0054】
一方、実施の形態1では、ユーザにより表示画面2の領域801を押圧して筐体1を傾ける操作により、領域801での表示範囲4をスクロールさせることができる。これにより、コンテンツ800の表示情報3の表示範囲4を変更することができる。スクロール5は、第1方向スクロールであり、コンテンツ800内での先頭や相対的に上方向へのスクロールを示す。スクロール5では、表示範囲4が上方向に移動され、領域801にはコンテンツ800内での相対的に上方向の一部が表示される。スクロール6は、第2方向スクロールであり、コンテンツ800内での末端や相対的に下方向へのスクロールを示す。スクロール6では、表示範囲4が下方向に移動され、領域801にはコンテンツ800内での相対的に下方向の一部が表示される。
【0055】
[表示制御]
実施の形態1の携帯端末装置における表示制御について以下である。携帯端末装置の表示制御部204は、表示画面2のアプリケーション画面でコンテンツを表示する場合に、ユーザによる特定のタッチ押圧操作及び筐体1を傾ける操作を受け付けて、表示範囲4をスクロールさせる、表示範囲変更制御を行う。
【0056】
ユーザは、最初、
図6のような手持ちの状態であり、
図8のようにコンテンツ800の一部を表示範囲4として閲覧しているとする。ユーザは、その状態から、コンテンツ800の他の一部を閲覧等したい場合、まず、表示画面2の領域801を指によってタッチ及び押圧する。この際、ユーザは、ある程度以上の強さで押圧する。携帯端末装置は、その押圧の強さが所定の大きさ以上である場合、特有の制御モードへ移行させる。携帯端末装置は、その時の状態に対応した
図6の角度θを検出し、基準角度θ0として設定する。基準角度θ0は、制御用に一時的に設定される角度である。
【0057】
ユーザは、そのようにタッチ及び押圧した状態のまま、筐体1を所望の方向に傾ける操作をする。ユーザは、例えば上方向へのスクロール5をさせたい場合には、負方向へ傾ける操作をする。携帯端末装置は、その傾ける操作に応じて角度θnを検出し、相対的な傾きの角度の量である差分値(θn-θ0)を検出する。携帯端末装置は、その角度θnの大きさ、具体的には差分値(θn-θ0)を用いて、スクロールをさせるか否か及びそのスクロールの方向や速度等を決定する。携帯端末装置は、角度θnの方向及び大きさに応じて、異なるスクロールとなるように制御する。このスクロール表示動作により、表示画面2の領域801での表示範囲4が変更される。
【0058】
ユーザは、スクロールにより領域801に所望の表示範囲4が表示される状態になったら、指を離す。これにより、携帯端末装置は、その時点でスクロールを停止させる。即ち、領域801には、その時点の表示範囲4が表示される。ユーザは、その表示範囲4に対応するコンテンツ800の他の一部を閲覧等できる。また、スクロールを停止して指を離した位置が、リンク7等のオブジェクトに該当する場合、携帯端末装置は、そのオブジェクトを実行する処理、例えばリンク7のコンテンツを読み込んで表示する処理を行う。
【0059】
[制御フロー]
図9は、実施の形態1における表示範囲変更制御を実現する制御処理のフローを示す。基本動作実行部104a、特に表示制御部204は、
図9のフローの処理を実行する。なお、このフローを実現するための制御状態であるモードとして、第1モード、第2モード、第3モードを有する。各モードの管理上の値を、0,1,2とする。モード=0(第1モード)は初期状態を示す。モード=1(第2モード)は、タッチ有りの状態であり、基準角度θ0を設定していない状態を示す。モード=2(第3モード)は、所定の押圧有りの状態であり、基準角度θ0を設定した状態を示す。
図9は、ステップS101~S123を有する。以下、ステップの順に説明する。
【0060】
(S101) 表示制御部204は、ユーザにより選択されたコンテンツを読み込む。表示制御部204は、最初、モードをモード=0(第1モード)に設定する。
【0061】
(S102) 表示制御部204は、表示画面2に、最初、コンテンツのうちの先頭、例えば
図8の領域821、を表示する。なお、このような表示位置は、アプリケーションやコンテンツに応じて決まる。
【0062】
(S103) 携帯端末装置は、操作部106やタッチ押圧センサ117を通じて、ユーザによる入力操作を受け付けて、それに対応する入力情報を取得する。表示制御部204は、タッチ検出部201を通じて、タッチ入力情報を取得する。その際、タッチ検出部201は、タッチ有無及びタッチ位置座標(X1,Y1)を検出する。また、押圧検出部202は、押圧の有無及び押圧の強さPnを検出する。
【0063】
(S104) 表示制御部204は、入力情報に基づいて、タッチ有無の判断により、処理を分岐させる。タッチ有りの場合(Y)にはS105へ進み、タッチ無しの場合(N)にはS120へ進む。
【0064】
(S105) 表示制御部204は、タッチ検出部201から、タッチ位置座標(X1,Y1)を取得する。
【0065】
(S106) また、表示制御部204は、押圧検出部202から、タッチ位置における押圧の強さPnを取得する。
【0066】
(S107) 表示制御部204は、S106で取得した押圧の強さPnを、所定の閾値Ptと比較し、強さPnが閾値Pt以上であるか否かを判断し、処理を分岐させる。Pn≧Ptの場合にはS110へ進み、Pn<Ptの場合にはS108へ進む。
【0067】
(S108) 表示制御部204は、S105で取得したタッチ位置座標(X1,Y1)をメモリに記憶して保持する。
【0068】
(S109) 表示制御部204は、モードをモード=1(第2モード)に設定し、S103に戻る。
【0069】
(S110) 表示制御部204は、傾き角度検出部203により携帯端末装置の傾きの角度θnを取得する。
【0070】
(S111) 表示制御部204は、現在のモードがモード=2(第3モード)であるか否かを確認し、分岐を行う。モード=2(第3モード)の場合にはS115へ進み、否の場合にはS112へ進む。
【0071】
(S112) 表示制御部204は、S110で取得した角度θnを、基準角度θ0として設定する。
【0072】
(S113) 表示制御部204は、基準角度θ0をメモリに記憶して保持する。
【0073】
(S114) 表示制御部204は、モードをモード=2(第3モード)に設定し、S103へ戻る。
【0074】
(S115) 一方、モード=2(第3モード)の場合、S115で、表示制御部204は、角度θnと基準角度θ0との差分値の絶対値|θn-θ0|を所定の閾値θtと比較し、閾値θt以上であるか否かを判断し、分岐を行う。|θn-θ0|≧θtの場合にはS116へ進み、否の場合にはS103へ戻る。なお、差分値が0または殆ど0である場合、基準角度θ0の状態から変化していないことを表す。したがって、閾値θtの設定により、ユーザが意図しないで微妙に傾き角度が変化した場合にスクロールするのを防止することができる。
【0075】
(S116) 表示制御部204は、S106で取得した押圧の強さPn等を用いて、スクロール表示動作に使用するためのスクロール速度Snを、下記(1)の式に従って設定する。
Sn=S0×Pn/Pt ・・・(1)
【0076】
所定の基準スクロール速度をS0とする。基準スクロール速度S0は、実装上の固定の設定値としてもよいし、ユーザにより可変に設定可能な設定値としてもよい。(1)の式の場合、スクロール速度Snは、基準スクロール速度S0を、閾値Ptに対する押圧の強さPnの大きさ(Pn/Pt)に応じて乗算で増大させるように決定される。即ち、ユーザによる押圧が強いほど、スクロール速度Snを大きくすることができる。
【0077】
(S117) 次に、表示制御部204は、角度θnと基準角度θ0との差分値(θn-θ0)の符号の正負を判断し、分岐を行う。正の場合((θn-θ0)>0)にはS118へ進み、負の場合((θn-θ0)<0)にはS119へ進む。
【0078】
(S118) 表示制御部204は、正方向の傾きに対応して、S116で設定したスクロール速度Snを用いて、
図8のスクロール6をさせる下方向スクロール処理を行い、その後、S103へ戻る。
【0079】
(S119) 表示制御部204は、負方向の傾きに対応して、S116で設定したスクロール速度Snを用いて、
図8のスクロール5をさせる上方向スクロール処理を行い、その後、S103へ戻る。
【0080】
(S120) 一方、S104でタッチ無しの場合、S120で、表示制御部204は、現在のモードがモード=1(第2モード)である否かを確認し、分岐を行う。モード=1(第2モード)である場合にはS121へ進み、否の場合にはS123へ進む。
【0081】
(S121) 表示制御部204は、表示画面2でのタッチ位置としてS108で記憶されたタッチ位置座標(X1,Y1)と、表示画面2の表示情報3のうちのリンク7等のオブジェクトの位置とを比較する。表示制御部204は、それらの位置が一致するか否かにより、分岐を行う。一致の場合にはS122へ進み、不一致の場合にはS123へ進む。
【0082】
(S122) 表示制御部204は、リンク7に対応付けられた処理を実行する。例えば、表示制御部204は、リンク7のURLで指定されるコンテンツを、インターネット上のサーバから取得して読み込み、表示画面2に表示する処理を行う。この場合、携帯端末装置は、A1で示すように本フローのループを抜けて、新たなコンテンツについて、本フローの最初から同様に処理を行う。
【0083】
(S123) 表示制御部204は、モードをモード=0(第1モード)に設定し、S103に戻る。
【0084】
[スクロール速度の設定]
図10は、
図9のステップS116に対応した、スクロール速度Snの設定に関する、押圧の強さPnとスクロール速度Snとの関係を示す。横軸は押圧の強さPnであり、例えば閾値Pt、2×Pt、3×Ptの値を示す。縦軸はスクロール速度Snであり、例えば基準スクロール速度S0、2×S0、3×S0の値を示す。直線1001は、(1)の式に対応する関数を示し、強さPnに応じてスクロール速度Snが線形に増加する。
【0085】
[効果等]
上記のように、実施の形態1の携帯端末装置によれば、ユーザの様々な状態に対応して少ない手間でコンテンツ等の表示範囲の変更が実現でき、より好適な使い勝手を実現できる。携帯端末装置は、押圧の強さPn及び相対的な傾きの角度θnを用いて、スクロール表示制御により、コンテンツの表示範囲4を変更する。ユーザは、携帯端末装置の筐体1を、自分や状況に適した手持ちの状態、例えば片手で自然に持った状態とする。ユーザは、所望の時点で押圧によってその状態を基準角度θ0として設定できる。そして、ユーザは、そのまま筐体1を所望の方向へ傾ける操作により、コンテンツの表示情報をスクロールさせて表示範囲4を変えることができる。ユーザは、タッチ操作を何回も繰り返す必要無く、簡単な操作で素早く所望の表示範囲4を閲覧等することができる。ユーザは、一回の操作でスクロールにより所望の距離を移動させることができる。
【0086】
所定の押圧をトリガとして制御モードに入り基準角度θ0が設定されるので、ユーザが意図せずにタッチが生じた場合に誤ってスクロールされることも無い。また、ユーザは、押圧の強さ等に応じてスクロール速度等も好みに調整できる。また、ユーザは、スクロール動作に連動させて、別途のタッチ操作を要せずに、素早くリンク等を実行させることもできる。
【0087】
[変形例(1)]
実施の形態1の変形例として以下が可能である。表示範囲変更制御の対象となるコンテンツとして、Webページ等に限らず、写真画像等、各種が適用可能である。例えば、写真画像のサイズが大きい場合や拡大した場合、表示画面2に写真画像の一部が表示される。その際、実施の形態1のスクロールの制御等を同様に適用可能である。また、表示範囲変更制御としては、スクロール表示動作に限らず、拡大縮小動作等も適用可能である。例えば、携帯端末装置は、写真画像を表示し、ユーザが表示画面2を押圧したまま傾ける操作をすると、その傾きの角度に応じて、写真画像の表示サイズを拡大または縮小する。これにより、ユーザは、写真画像の所望の一部または全体を閲覧等できる。
【0088】
[変形例(2)]
実施の形態1では、
図1等のように、表示画面2及びコンテンツのY方向に関する傾きの角度を用いてY方向のスクロール表示動作を制御する場合を示したが、これに限らず可能である。表示画面2及びコンテンツのX方向に関する傾きの角度を用いて、X方向のスクロール表示動作を制御する形態も同様に可能である。また、上記Y方向の制御と上記X方向の制御との両方を一緒に実行することにより、上下左右を含む全方向でのスクロール表示動作を制御する形態も可能である。このような各方向の制御は、実装上の固定の適用としてもよいし、ユーザ設定に応じて選択可能な適用としてもよいし、アプリケーションやコンテンツ等に応じて選択される適用としてもよい。例えば、写真や地図のように、比較的大きいサイズを持ち拡大縮小等が可能であるコンテンツを表示するアプリケーションの場合に、上記全方向の制御を適用する形態としてもよい。
【0089】
実施の形態1では、制御の対応関係として、正方向の傾きの場合に下方向のスクロール6、負方向の傾きの場合に上方向のスクロール5としたが、逆の対応関係としてもよい。
【0090】
実施の形態1のスクロール表示動作は、表示範囲4を連続的に変更する動作、例えば画素単位で滑らかに移動させる動作としたが、これに限らず適用可能である。例えば、一定の領域や距離毎に断続的にスクロールさせる動作も適用可能である。
【0091】
[変形例(3)]
図9のステップS116では、スクロール速度Snを、押圧の強さPnに応じて変えるように決定したが、これに限らず可能である。下記(2)の式を用いて、スクロール速度Snを、角度θnの大きさに応じて決定してもよい。
Sn=S0×|θn-θ0|/θt ・・・(2)
【0092】
(2)の式の場合、閾値θtに対する絶対値|θn-θ0|の大きさに応じて、基準スクロール速度S0を増加させるようにスクロール速度Snを決定している。この変形例の場合、スクロール速度Snの設定の際の関係は、
図10で、押圧の強さPnを、傾きの角度θnに関する差分値の絶対値|θn-θ0|に代えたものとなる。
【0093】
[変形例(4)]
図9のステップS116、
図10では、直線1001のように線形の関数でスクロール速度Snを決定したが、これに限らず可能である。例えば、
図10の関数1002のように、階段状の関数で決定してもよい。この関数1002では、押圧の強さPnの範囲の区分に応じて、スクロール速度Snが一定値に決定される。また、スクロール速度Snの決定の際、予め規定された上限値や下限値を含む関数を適用し、その下限値から上限値までの範囲内で決定してもよい。また、線形の関数に限らず、非線形の関数を適用してもよい。
【0094】
また、スクロール速度Snを、押圧の強さPnや角度θnに依らずに一定値に設定してもよい。また、ユーザ設定によりスクロール速度Snを設定可能としてもよい。ユーザ設定手段としては、例えば表示画面2にユーザ設定画面等を表示してスクロール速度Sn等を設定する項目を設けてもよい。
【0095】
図9のステップS107の押圧の強さPnに関する閾値Pt、あるいはステップS115の角度θnに関する閾値θtについては、実装上の固定の設定値としてもよいし、ユーザ設定により可変に設定可能な設定値としてもよい。ユーザ設定可能とする形態の場合、ユーザは自分が操作しやすい好適な設定にすることができる。
【0096】
[変形例(5)]
所定の大きさ以上の押圧により基準角度θ0が設定されて特有の制御モードに移行した時点で、表示画面2内にその制御モードの状態を表す所定の情報を表示してもよい。これは表示に限らず、所定の音声出力や振動発生でもよい。また、指が離されてその制御モードが解除された時点で、その所定の情報の表示の消去や他の所定の出力をしてもよい。
【0097】
また、所定の大きさ以上の押圧の強さをトリガとして制御モードに移行させる際に、更に、タッチ継続時間を条件として判断してもよい。即ち、所定の大きさ以上の押圧時のタッチ継続時間が所定の閾値以上である場合に、制御モードに移行させてもよい。
【0098】
(実施の形態2)
図11~
図18を用いて、本発明の実施の形態2の携帯端末装置について説明する。実施の形態2等の基本的な構成は実施の形態1と同様であり、以下、実施の形態2における実施の形態1とは異なる構成部分について説明する。
【0099】
[ホーム画面]
図11は、実施の形態2における、表示画面2のホーム画面、及び複数のホーム画面の切り替えについて示す。実施の形態2の携帯端末装置は、特定のタッチ押圧操作に応じて、表示画面2で複数のホーム画面を切り替えて表示する。ホーム画面として、中身が異なる複数のホーム画面を有する。表示画面2内には基本的に1つのホーム画面が表示される。複数のホーム画面のうちの選択された1つのホーム画面が表示範囲4に相当する。1つのホーム画面では、背景上に、アプリケーションに対応付けられているアイコン9等が配置されている。ユーザがアイコン9を選択操作することにより、対応するアプリケーション画面に遷移する。
【0100】
本例では、複数のホーム画面として、ホーム画面H1~H5を有する。ホーム画面H1~H5は、携帯端末装置のOSにより、情報として仮想的にレイヤ状の配置で管理されている。即ち、ホーム画面H1~H5は、レイヤL1~L5として管理されている。例えば、ホーム画面H1は、トップのレイヤL1であり、手前側に配置されている。ホーム画面H5は、ボトムのレイヤL5であり、奥側に配置されている。ホーム画面及びレイヤの数は、必要に応じて増減される。なお、ボトムのレイヤはトップのレイヤにループするようにつながっていてもよい。
【0101】
ホーム画面H1~H5は、例えばジャンルで分けられている場合を示す。例えば、ホーム画面H1では、下部に、メール、SNS、チャット等の通信関係のジャンルのアプリケーションに対応する3個のアイコン9が配置されている。例えば、ホーム画面H2は、ゲーム等のジャンルのアイコンが配置されている。複数のホーム画面は、ユーザによる設定も可能である。また、1つのホーム画面に複数のアイコンが収まらない場合に自動的に複数のホーム画面に分けられる場合もある。
【0102】
[表示制御]
図12は、実施の形態2の表示制御として、ホーム画面に対するタッチ押圧操作、及び画面切り替え表示動作を示す。実施の形態2の携帯端末装置は、ユーザによる特定のタッチ押圧操作を受け付けて、表示範囲変更制御として、表示画面2での複数のホーム画面の画面切り替えを制御する。表示範囲変更制御の対象は、実施の形態1ではコンテンツ表示情報であったが、実施の形態2では複数のホーム画面である。
【0103】
実施の形態1等は、ユーザが片手で携帯端末装置を操作可能である場合を示している。一方、実施の形態2では、ユーザが両手で携帯端末装置を操作する場合を示す。ユーザは、
図7と同様に、図示しない左手で携帯端末装置を持っているとする。そして、ユーザは、
図12のように、右手の指で表示画面2内の箇所をタッチ及び押圧するとする。実施の形態2では、タッチ押圧操作として、一本指、二本指を使い分ける。タッチ検出部201及び押圧検出部202は、タッチ押圧センサ117を用いて、表示画面2での一本指でのタッチ押圧、二本指でのタッチ押圧を、区別して検出する。即ち、表示画面2内の一箇所で所定の大きさ以上の押圧有りの状態と、表示画面2内で二箇所が同時に所定の大きさ以上の押圧有りの状態と、が検出される。
【0104】
上記二種類のタッチ押圧操作の使い分けに応じて、表示制御部204は、二種類の画面切り替え動作を適用する。表示制御部204は、
図12のように、画面切り替えの方向として、第1方向、第2方向を制御する。対応関係として、一本指の押圧の場合には、第1方向、例えばレイヤ下降方向での画面切り替えとし、二本指の押圧の場合には、第2方向、例えばレイヤ上昇方向での画面切り替えとする。
【0105】
図12の上側に示すように、表示制御部204は、一本指での所定の大きさ以上の押圧が検出されている間は、複数のホーム画面を、第1方向であるレイヤ下降方向で、順次に切り替える。即ち、押圧が保持されている状態で、表示画面2に表示範囲4として表示される1つのホーム画面は、手前のトップのレイヤL1から奥のボトムのレイヤL5の方向へ順次に切り替えられる。
【0106】
図12の下側に示すように、表示制御部204は、二本指での所定の大きさ以上の押圧が検出されている間は、複数のホーム画面を、第2方向であるレイヤ上昇方向で、順次に切り替える。即ち、押圧が保持されている状態で、表示画面2に表示範囲4として表示される1つのホーム画面は、奥のボトムのレイヤL5から手前のトップのレイヤL1の方向へ順次に切り替えられる。
【0107】
また、ユーザは、上記画面切り替えにより、所望のホーム画面に切り替えられた状態になった時に、表示画面2から指を離し、押圧無しの状態にする。その時点で、表示制御部204は、画面切り替えを停止させる。
【0108】
[制御フロー(1)]
図13は、実施の形態2の携帯端末装置の表示制御部204による制御処理のフローを示す。
図13はステップS201~S217を有する。以下、ステップの順に説明する。実施の形態2では、モードとして、第1モード、第2モード、第3モード、第4モードを有する。なお、各実施の形態でモードは独立しており意味は異なる。
【0109】
(S201) 表示制御部204は、モードをモード=0(第1モード)に設定する。
【0110】
(S202) 表示画面2に表示する1つのホーム画面のレイヤを、レイヤLnとする。表示制御部204は、最初、レイヤLnを、トップのレイヤL1に設定する。
【0111】
(S203) 表示制御部204は、設定されているレイヤLnに対応するホーム画面を、表示画面2に表示する。最初はレイヤL1に対応するホーム画面H1が表示される。
【0112】
(S204) 表示制御部204は、操作部106やタッチ押圧センサ117を通じて、タッチ押圧操作を受け付ける。
【0113】
(S205) 表示制御部204は、タッチ有無に応じて、分岐を行う。タッチ有りの場合にはS206へ進み、タッチ無しの場合にはS214へ進む。
【0114】
(S206) 表示制御部204は、タッチ検出部201により検出されたタッチ位置座標(X1,Y1)を含むタッチ入力情報を取得する。このタッチ入力情報は、一本指、二本指のタッチの区別の情報を含む。
【0115】
(S207) 表示制御部204は、押圧検出部202により検出された押圧の強さPnを取得する。
【0116】
(S208) 表示制御部204は、押圧の強さPnが閾値Pt以上か否かを判断し、分岐を行う。Pn≧Ptの場合にはS211へ進み、Pn<Ptの場合にはS209へ進む。
【0117】
(S209) 表示制御部204は、タッチ位置座標(X1,Y1)をメモリに記憶して保持する。
【0118】
(S210) 表示制御部204は、モードをモード=1(第2モード)に設定し、S203へ戻る。
【0119】
(S211) 一方、S211では、表示制御部204は、S206で取得したタッチ入力情報に基づいて、タッチ位置が一箇所か二箇所か、タッチ箇所の数を判断し、分岐を行う。一箇所のタッチの場合にはS212へ進み、二箇所のタッチの場合にはS213へ進む。
【0120】
(S212) 表示制御部204は、一箇所のタッチに対応した、第1方向画面切り替えとして、レイヤ下降処理を行う。表示制御部204は、その中で必要に応じてレイヤLnの設定を更新し、S203へ戻る。
【0121】
(S213) 表示制御部204は、二箇所のタッチに対応した、第2方向画面切り替えとして、レイヤ上昇処理を行う。表示制御部204は、その中で必要に応じてレイヤLnの設定を更新し、S203へ戻る。
【0122】
(S214) 一方、S205でタッチ無しの場合、S214で、表示制御部204は、モードがモード=1(第2モード)であるか否かを確認し、分岐を行う。モード=1(第2モード)の場合にはS215へ進み、否の場合にはS217へ進む。
【0123】
(S215) 表示制御部204は、S209で記憶したタッチ位置座標(X1,Y1)と、表示画面2に表示されているホーム画面におけるアイコンの位置とが一致するか否かを判断し、分岐を行う。タッチ位置がアイコン位置に該当する場合にはS216へ進み、該当しない場合にはS217へ進む。
【0124】
(S216) 表示制御部204は、該当するアイコン位置に対応付けられているアプリケーションを実行する処理を行う。そして、A2のように本フローのループを抜け、実行されるアプリケーションのアプリケーション画面の処理へ遷移する。
【0125】
(S217) 表示制御部204は、モードをモード=0(第1モード)に設定し、S203に戻る。
【0126】
[制御フロー(2)]
図14は、
図13のステップS212のレイヤ下降処理の詳細を示す。この処理は、ステップS221~S229を有する。制御上、モード=2(第3モード)を有する。第3モードは、レイヤ下降処理を表す。
【0127】
(S221) 表示制御部204は、現在のモードがモード=2(第3モード)であるか否かを確認し、分岐を行う。モード=2(第3モード)である場合にはS224へ進み、否の場合にはS222へ進む。
【0128】
(S222) 表示制御部204は、モードをモード=2(第3モード)に設定する。
【0129】
(S223) 表示制御部204は、タイマを起動して時間を計測する。タイマの計測時間の値をTnとする。そして、S212のレイヤ下降処理を終了する。この値Tnは、ユーザにより表示画面2のタッチ押圧状態が保持されている時間に相当する。
【0130】
(S224) 表示制御部204は、タイマの値Tnが、所定の時間の閾値T0以上であるか否かを判断し、分岐を行う。値Tnが閾値T0以上である場合にはS225へ進み、否の場合には、S212のレイヤ下降処理を終了する。
【0131】
(S225) 表示制御部204は、表示画面2に表示されているホーム画面のレイヤLnが、ボトムのレイヤ(例えばレイヤL5)であるか否かを判断し、分岐を行う。ボトムのレイヤである場合にはS226へ進み、否の場合にはS227へ進む。
【0132】
(S226) 表示制御部204は、振動制御部205を用いて、所定の第1振動パターンを発生させる。これにより、ユーザに、現在表示中のホーム画面がボトムのレイヤL5に対応するホーム画面H5になったことを伝える。そして、S212のレイヤ下降処理を終了する。
【0133】
(S227) 表示制御部204は、表示画面2に表示するレイヤLnを下降させるように1増加させる。例えば、レイヤLnは、最初のレイヤL1から次のレイヤL2となる。
【0134】
(S228) 表示制御部204は、振動制御部205を用いて、所定の第2振動パターンを発生させる。これにより、ユーザに、現在表示中のホーム画面がボトム以外のレイヤに対応するホーム画面になったことを伝える。表示制御部204は、例えば、ボトムの画面に切り替えた場合、第1振動として第2振動よりも大きい振動を発生させる。
【0135】
(S229) その後、表示制御部204は、タイマを再度起動し、S212のレイヤ下降処理を終了する。
【0136】
[制御フロー(3)]
図15は、
図13のステップS213のレイヤ上昇処理の詳細を示す。ステップS231~239を有する。本処理は、基本的には
図14のレイヤ下降処理と同様の考え方である。制御上、モード=3(第4モード)を有する。第4モードは、レイヤ上昇処理を表す。
【0137】
S231で、表示制御部204は、現在のモードがモード=3(第4モード)であるか否かを確認し、分岐を行う。モード=3(第4モード)である場合にはS234へ進み、否の場合にはS232へ進む。S232で、表示制御部204は、モードをモード=3(第4モード)に設定する。S233で、表示制御部204は、タイマを起動して時間を計測し、S213のレイヤ上昇処理を終了する。S234で、表示制御部204は、値Tnが閾値T0以上であるか否かを判断し、分岐を行う。値Tnが閾値T0以上である場合にはS235へ進み、否の場合には、S213のレイヤ上昇処理を終了する。
【0138】
S235で、表示制御部204は、現在表示画面2に表示されているホーム画面のレイヤLnがトップのレイヤL1であるか否かを判断し、分岐を行う。トップのレイヤL1である場合にはS236へ進み、否の場合にはS237へ進む。S236で、表示制御部204は、振動制御部205を用いて、所定の第1振動パターンを発生させる。これにより、ユーザに、現在表示中のホーム画面がトップのレイヤL1に対応するホーム画面H1になったことを伝える。そして、S213のレイヤ上昇処理を終了する。
【0139】
S237で、表示制御部204は、表示画面2に表示するレイヤLnを上昇させるように1減少させる。S238で、表示制御部204は、振動制御部205を用いて、所定の第2振動パターンを発生させる。これにより、ユーザに、現在表示中のホーム画面がトップ以外のレイヤに対応するホーム画面になったことを伝える。表示制御部204は、例えば、トップの画面に切り替えた場合、第1振動として第2振動よりも大きい振動を発生させる。S239で、表示制御部204は、タイマを再度起動し、S213のレイヤ上昇処理を終了する。
【0140】
[効果等]
上記のように、実施の形態2では、
図12のように、表示画面2を一本指または二本指で押圧する操作により、複数のホーム画面を第1方向または第2方向で切り替えて表示することができる。ユーザは、複数のホーム画面から所望のホーム画面を選択する際に、スワイプ等の操作を何回も行う必要無く、1回の操作のみで容易に切り替え可能である。また、画面切り替え毎に振動が発生するので、ユーザは、画面切り替えの状態を認識しやすい。
【0141】
[変形例(1)]
実施の形態2の変形例として以下が可能である。二本指の二箇所同時のタッチ検出に限らず、複数指による複数箇所同時のタッチ検出を利用してもよい。制御の対応関係としては、一本指の場合にレイヤ上昇、二本指の場合にレイヤ下降としてもよい。また、複数の画面のレイヤ状の配置に限らず、X方向やY方向に並列の配置の場合にも適用可能である。また、
図14及び
図15の振動発生のステップを省略した形態でもよい。第1振動パターンと第2振動パターンに分けずに1つの振動パターンでもよい。また、振動発生に限らず、所定の文字や画像の表示、所定の音声出力、等に代えてもよい。
【0142】
[変形例(2)]
図16は、変形例における表示画面2の表示状態を示す。
図16のように、表示画面2内に複数の画面がレイヤ状や並列で配置されて表示される場合がある。その場合に、変形例として、実施の形態2と同様の制御を適用可能である。例えば、通常のホーム画面の状態から、ホームキーk2の2回押下により、
図16の左側のような複数の画面のレイヤ表示状態へ遷移する。本例では、複数のアプリケーション画面G1~G4等のレイヤ状の配置の場合を示す。左側の状態では、アプリケーション画面G1がレイヤL1として最も手前に来た状態で表示されている。この状態から例えば一本指で押圧されると、レイヤ下降により、
図16の右側のレイヤ表示状態に切り替えられる。この状態では、アプリケーション画面G2がレイヤL1として最も手前に来た状態で表示されている。
【0143】
[変形例(3)]
表示範囲変更制御の対象となる情報としては、複数のホーム画面に限らず、複数のアプリケーション画面等についても同様に適用可能である。
【0144】
図17は、変更制御の対象として、アプリケーション画面内のコンテンツ履歴情報とする場合を示す。時系列でコンテンツ履歴情報を有し、例えばWebページの閲覧履歴情報に対応する履歴画面E1~E3等を示す。例えば、最新の履歴画面E1が表示範囲4となっている。実施の形態1のように押圧して傾きをY方向で変える操作、実施の形態2のように一本指または二本指で押圧する操作等により、履歴画面E1~E3等を、現在から過去または過去から現在の方向へ切り替えて表示させる。
【0145】
図18は、変更制御の対象として、アプリケーション画面内のコンテンツ、例えば電子書籍を構成する、複数のページ情報とする場合を示す。複数のページ情報として、例えば各ページに対応するページ画面p1~p3等を示す。例えば、先頭のページ画面p1が表示範囲4となっている。同様に、押圧して傾きをX方向で変える操作、一本指または二本指で押圧する操作等により、ページ画面p1~p3等を所望の方向へ切り替えて表示できる。
【0146】
(実施の形態3)
図19~
図22を用いて、本発明の実施の形態3の携帯端末装置について説明する。以下、実施の形態3における実施の形態1等とは異なる構成部分について説明する。実施の形態3では、実施の形態2と同様に複数のホーム画面の切り替えを制御する場合を示す。
【0147】
[表示制御]
図19は、実施の形態3の表示制御について示す。ユーザは、二種類のタッチ押圧操作を使い分ける。携帯端末装置は、表示画面2内、即ちホーム画面の領域内に、上側領域R1と下側領域R2との二種類の領域を区分して設ける。二種類のタッチ押圧操作として、上側領域R1内の箇所を押圧する第1操作と、下側領域R2内の箇所を押圧する第2操作とを有する。
図19の上側に示すように、第1操作がされた場合、携帯端末装置は、実施の形態2の
図12の上側の動作と同様に、第1方向で画面切り替えを行う。
図19の下側に示すように、第2操作がされた場合、携帯端末装置は、
図12の下側の動作と同様に、第2方向で画面切り替えを行う。なお、一点鎖線で示す境界線190は、上側領域R1と下側領域R2との境界線であり、表示画面2内には表示されない。
【0148】
[制御フロー(1)]
図20は、実施の形態3における表示制御部204の制御処理のフローを示す。ステップS301~S317を有する。
図20で、実施の形態2の
図13のフローと主に異なる部分は、ステップS311~S313の部分である。S308で、押圧の強さPnが閾値Pt以上である場合にはS311へ進む。制御上、第1モードから第4モードまでを有する。
【0149】
(S311) 表示制御部204は、S306で取得されたタッチ位置座標(X1,Y1)で示すタッチ押圧位置が、上側領域R1内か下側領域R2内かを判断する。例えば、表示制御部204は、値Y1が、縦幅Ymの半分の値(Ym/2)と比べて小さい場合には上側領域R1内、大きい場合には下側領域R2内であると判断する。表示制御部204は、それら二種類の領域の区別に応じて、分岐を行う。上側領域R1の場合にはS312へ進み、下側領域R2の場合にはS313へ進む。
【0150】
(S312) 表示制御部204は、上側領域R1に対応した第1方向画面切り替えとしてレイヤ下降処理を行い、その中で必要に応じてレイヤLnの設定を更新し、S303へ戻る。
【0151】
(S313) 表示制御部204は、下側領域R2に対応した第2方向画面切り替えとしてレイヤ上昇処理を行い、その中で必要に応じてレイヤLnの設定を更新し、S303へ戻る。
【0152】
[制御フロー(2)]
図20のS312,S313の詳細処理は以下である。この処理は、基本的には
図14及び
図15と同様であり、異なる部分について以下である。
図14のS224及び
図15のS234では、第3モードや第4モードである場合に、タイマの時間の値Tnが閾値T0以上であるかを判断した。実施の形態3では、
図14のS224及び
図15のS234に代えて、以下の処理を行う。
【0153】
表示制御部204は、まず、下記(3)の式に基づいて、画面切り替え表示動作におけるレイヤLnの更新に関する時間間隔Knを決定する。
Kn=K0×Pt/Pn ・・・(3)
【0154】
(3)の式で、求める時間間隔をKnとする。基準となる所定の時間間隔をK0とする。表示制御部204は、押圧の強さPn、押圧の閾値Ptを用いる。なお、Pt等の具体的な値は実施の形態毎に異なる。(3)の式では、時間間隔K0を、押圧の強さPnに対する閾値Ptの大きさ(Pt/Pn)に応じて、減少させるようにして、時間間隔Knを計算している。即ち、押圧の強さPnが大きいほど、時間間隔Knが短くなるように決定される。表示制御部204は、その時間間隔Knを、タイマの時間の値Tnに関する閾値T0として用いる。
【0155】
次に、表示制御部204は、タイマの時間の値Tnを、閾値T0である時間間隔Knと比較して、分岐を行う。値Tnが時間間隔Kn以上である場合にはS225あるいはS235へ進み、否の場合には処理を終了する。
【0156】
上記のように、実施の形態3では、画面切り替えの際のレイヤ更新に関する時間間隔を、押圧の強さPnに応じて可変で設定する。
【0157】
[時間間隔の設定]
図21は、上記時間間隔Knの設定に関する、押圧の強さPnと時間間隔Knとの関係を示す。実施の形態3では、(3)の式に従う曲線2101により時間間隔Knが決定される。曲線2101は、非線形の関数であり、PnをPtよりも大きくしてゆくと、最初は急峻にKnを減少させ、その後次第に緩やかにKnを減少させる。
【0158】
なお、変形例として、関数2102のように階段状の関係を適用してもよいし、線形の関数を適用してもよい。関数2102では、時間間隔Knは、Pnの範囲毎の一定値として決定される。時間間隔Knは、上限値や下限値が規定されてもよい。時間間隔Knは、押圧の強さPnに依らずに一定値としてもよいし、ユーザ設定値としてもよい。
【0159】
[片手操作]
図22は、実施の形態3における左右の手に応じた操作を示す。(a)は、左手で上側領域R1を押圧する第1操作を示す。(b)は、左手で下側領域R2を押圧する第2操作を示す。(c)は、右手で上側領域R1を押圧する第1操作を示す。(d)は、右手で下側領域R2を押圧する第2操作を示す。実施の形態3は、このように左手のみの操作及び右手のみの操作の両方の片手操作に対応可能な機能を有している。ユーザは、いずれの片手操作も選択可能である。なお、実施の形態1等でも同様に、両方の片手操作に対応可能な機能を有する。実施の形態2では、両手及び二本指を用いる。
【0160】
[効果等]
上記のように、実施の形態3では、ユーザは、表示画面2の上側領域R1または下側領域R2の押圧の操作により、複数のホーム画面を切り替えて表示させることができる。これにより、実施の形態2と同様に、何回もタッチ入力操作を行う必要無く、容易に所望のホーム画面へ切り替えることができる。
【0161】
[変形例]
実施の形態3の変形例として以下が可能である。制御の対応関係としては、上側領域R1の場合にレイヤ上昇、下側領域R2の場合にレイヤ下降としてもよい。
【0162】
上側領域R1と下側領域R2との二種類の領域、境界線190の位置は、実装上の固定の設定値としてもよいし、ユーザ設定可能な可変の設定値としてもよい。ユーザ設定の場合、ユーザの手指の大きさ等に応じて、ユーザが操作しやすい好適な領域を設定可能である。ユーザ設定手段としては、例えばユーザ設定画面で上側領域R1と下側領域R2との境界線を表示し、ユーザ入力操作に応じてその境界線を移動させて、ユーザの所望の位置に設定してもよい。あるいは、ユーザ設定画面で、ユーザにより所望の二箇所をタッチ押圧してもらう。携帯端末装置は、それらの位置や押圧等の情報を取得し、それらの位置の中間に、二種類の領域の境界線を設定する。他の実施の形態における操作についても同様にユーザ設定を可能としてもよい。
【0163】
また、上記二種類の領域に限らず、適用可能である。例えば、表示画面2内を、左側領域と右側領域との二種類の領域に区分してもよい。この場合、左側領域を押下する第1操作と、右側領域を押下する第2操作とを有する。第1操作及び第2操作に応じて、画面切り替えの方向等を異ならせる。例えば、複数のアプリケーション画面や複数のアイコン等が、X方向で並列に配置されているとする。第1操作の場合には左方向への画面切り替えやスクロールとし、第2操作の場合には右方向への画面切り替えやスクロールとする。また、表示画面2内の任意の位置に任意の大きさで二種類の領域を設定してもよい。
(実施の形態4)
【0164】
図23~
図25を用いて、本発明の実施の形態4の携帯端末装置について説明する。以下、実施の形態4における実施の形態1等とは異なる構成部分について説明する。実施の形態4では、表示範囲変更制御の対象として、ホーム画面内に表示される複数のアイコンとし、複数のアイコンの配置変更制御を行う。
【0165】
[制御概要及びアイコン配置]
図23は、実施の形態4における表示制御の概要として、ホーム画面における複数のアイコンの配置の表示例を示す。なお、ユーザが筐体1を左手で持った状態で、その親指により操作する場合を示す。
【0166】
図23の(a)は、第1配置状態を示す。表示画面2でホーム画面を表示する領域内に、複数のアイコン9が、X方向及びY方向に並列で行列状に配置されている。本例では、8個のアプリケーションに対応付けられた8個のアイコン9が、下辺付近の領域に配置されている場合を示す。8個のアイコン9を、識別のため、「App1」~「App8」で示す。
【0167】
図23の(b)は、第2配置状態を示す。第2配置状態では、複数のアイコン9が、円形、リング状に配置され、かつ、そのリングにおいて複数のアイコン9が円周上を回転するように移動する。また、アイコン9群の移動については、実施の形態2等と同様に、所定の時間間隔毎に移動される。実施の形態4では、表示画面2内の所定の位置を中心点Q0としてリングが配置される。
【0168】
実施の形態4では、表示画面2内の箇所を所定の大きさ以上で押圧する押圧操作を受け付ける。その押圧の位置は、表示画面2内の任意位置とする。なお、その押圧の位置は、特にアイコン9上の位置としてもよいし、アイコン9以外の領域の位置としてもよい。携帯端末装置は、所定の押圧操作に応じて、ホーム画面の表示状態、即ちアイコン配置を変更する制御を行う。携帯端末装置は、その変更制御として、第1配置状態から第2配置状態へ遷移させる。そして、第2配置状態で、携帯端末装置は、押圧が保持されている状態で、リングの複数のアイコンを所定の方向で回転させるように移動させる。
【0169】
また、携帯端末装置は、所定の操作、即ち指を離して押圧無しにする操作に応じて、アイコンの回転を停止させ、その離した位置に該当するアイコンを自動的に選択して実行させる。ユーザは、最初に押圧した位置から所定の大きさ以上の押圧を維持したまま位置をずらしてもよい。例えば、ユーザは、所望のアイコンの位置へ指をずらし、その位置で指を離す。これにより、携帯端末装置は、その位置のアイコンを選択する。あるいは、ユーザは、アイコンが無い位置へ指をずらし、その位置で指を離す。これにより、携帯端末装置は、アイコンを選択せずに第1配置状態へ戻す。
【0170】
[制御フロー(1)]
図24は、実施の形態4における表示制御部204の制御処理のフローを示す。ステップS401~S415を有する。制御上、第1モードから第3モードまでを有する。主に特徴的な処理の部分としてS410及びS415を有する。
【0171】
(S401) 表示制御部204は、モードをモード=0(第1モード)に設定する。
【0172】
(S402) 表示制御部204は、表示画面2に、ホーム画面を、
図23の(a)のように第1配置状態で表示する。
【0173】
(S403) 表示制御部204は、ユーザ入力操作を受け付ける。
【0174】
(S404) 表示制御部204は、タッチ有無に応じて分岐を行う。タッチ有りの場合にはS405へ進み、タッチ無しの場合にはS411へ進む。
【0175】
(S405) 表示制御部204は、タッチ位置座標(X1,Y1)を取得する。
【0176】
(S406) 表示制御部204は、押圧の強さPnを取得する。
【0177】
(S407) 表示制御部204は、押圧の強さPnが閾値Pt以上であるか否かを判断し、分岐を行う。Pn≧Ptの場合にはS410へ進み、Pn<Ptの場合にはS408へ進む。
【0178】
(S408) 表示制御部204は、タッチ位置座標(X1,Y1)をメモリに記憶して保持する。
【0179】
(S409) 表示制御部204は、モードをモード=1(第2モード)に設定し、S403へ戻る。
【0180】
(S410) 表示制御部204は、アイコン配置変更処理を行う。即ち、表示制御部204は、表示画面2のアイコン配置状態を、第1配置状態から第2配置状態へ遷移させる。この処理の詳細は
図25に示される。この処理の後、S403へ戻る。
【0181】
(S411) 一方、S404でタッチ無しの場合、S411で、表示制御部204は、モードがモード=1(第2モード)であるかを確認し、分岐を行う。モード=1(第2モード)である場合にはS412へ進み、否の場合にはS414へ進む。
【0182】
(S412) 表示制御部204は、S408で記憶されたタッチ位置座標(X1,Y1)と、ホーム画面内のアイコンの位置とを比較して一致するか否かを判断し、分岐を行う。タッチ位置、即ち押圧が保持されている位置が、アイコン位置に該当する場合にはS413へ進み、該当しない場合にはS414へ進む。
【0183】
(S413) 表示制御部204は、該当するアイコンに対応付けられたアプリケーションを実行する処理を行う。その後、A4のように、本フローのループを抜けて、実行先のアプリケーションの処理へ遷移する。
【0184】
(S414) 表示制御部204は、モードをモード=0(第1モード)に設定し、S415へ進む。
【0185】
(S415) 表示制御部204は、アイコン配置復帰処理を行う。即ち、表示制御部204は、アイコン配置状態を、第2配置状態から第1配置状態へ遷移させる。そして、S403へ戻る。
【0186】
[制御フロー(2)]
図25は、ステップS410のアイコン配置変更処理の詳細を示す。ステップS421~S428を有する。特徴的な処理の部分としてS423やS427を含む。
【0187】
(S421) 表示制御部204は、モードがモード=2(第3モード)であるか否かを確認し、分岐を行う。モード=2(第3モード)である場合にはS425へ進み、否の場合にはS422へ進む。
【0188】
(S422) 表示制御部204は、モードをモード=2(第3モード)に設定する。
【0189】
(S423) 表示制御部204は、アイコン配置回転表示処理を行う。表示制御部204は、
図23の(b)のように、複数のアイコンをリング状に配置する。中心点Q0に基づいてリングが配置される。最初の状態では、例えば、アイコン「App1」を、所定の位置、本例では上端(時計の12時)の位置に配置し、そこから右回りにアイコン「App2」以下を順次に等間隔で配置する。等間隔はアイコン数に応じて決まる。
【0190】
あるいは、表示制御部204は、押圧の位置に一番近いアイコン(例えば(a)の「App2」)を、リング上の一番近い位置(例えば(b)の「App8」の位置)に配置してもよい。なお、アイコン数によっては、リングの大きさを変える、アイコンのサイズを変える、リングのうちの一部を表示画面2内に表示する等、調整してもよい。
【0191】
(S424) 表示制御部204は、タイマを起動して時間を値Tnとして計測し、本フローを終了する。
【0192】
(S425) 一方、モード=2(第3モード)である場合、S425で、表示制御部204は、実施の形態3と同様に、時間間隔Knを設定する。即ち、前述の(3)の式に基づいて、Kn=K0×Pt/Pnとして計算する。この時間間隔Knは、アイコンの所定距離の移動の際の時間間隔として用いられる。具体的な値は実施の形態3とは異なる。前述のように、押圧の強さPnに応じて時間間隔Knが減少するので、その分、アイコンの位置がより速く切り替えられることになる。
【0193】
(S426) 表示制御部204は、タイマの値Tnが、閾値T0である時間間隔Kn以上であるか否かを判断し、分岐を行う。Tn≧Knである場合にはS427へ進み、否の場合には本フローを終了する。
【0194】
(S427) 表示制御部204は、第2配置状態におけるアイコン配置移動処理を行う。表示制御部204は、リングの円周に配置されているアイコン群の表示として、アイコン毎に所定の方向(右回り)で所定の等間隔の距離の単位で移動させる。例えば、
図23の(b)で最初に上端の位置にあったアイコン「App1」は、アイコン「App2」の位置へ移動される。同様に、各アイコンは、1つ先のアイコンの位置へ移動される。
【0195】
(S428) 表示制御部204は、タイマを再度起動させて、本フローを終了する。
【0196】
[効果等]
上記のように、実施の形態4では、第1配置状態において、ユーザが選択したい所望のアイコンに指が届かない場合にも、第2配置状態に変えてアイコン群を回転させて、所望のアイコンが指の位置に来た時に指を離すことで、そのアイコンを選択できる。従来では、ユーザは、片手の一本指でアイコンを選択する際、所望のアイコンに指が届かない場合がある。その場合、ユーザは、持ち手の状態を変える、別の手の指で押す、等の手間が必要となる。実施の形態4では、そのような手間が不要となり、片手及び一本指で容易に素早くアイコンを選択可能である。また、押圧の強さに応じてアイコンの回転の時間間隔を変えることにより、指が届く位置に所望のアイコンを素早く移動させることができる。
【0197】
[変形例]
実施の形態4の変形例として以下が可能である。実施の形態4の表示制御は、画面内に配置される複数のアイコンに限らず、他のオブジェクトを対象として、同様に適用可能である。他のオブジェクトの例としては、メールのアプリケーション画面における複数のメール項目等が挙げられる。
【0198】
また、アイコン群の移動については、時間間隔毎の断続的な移動に限らず、実施の形態1のスクロールと同様に連続的な移動としてもよい。アイコン群の移動は、リング状の回転に限らず可能である。例えば、複数のアイコンがX方向やY方向や任意の方向で並列に配置され、先頭のアイコンと末端のアイコンとがループでつながっている。その配置において、アイコン群を時間間隔毎にあるいは連続的なスクロール等で移動させる。
【0199】
また、アイコン配置のリングの中心点Q0の位置は、実装上の固定の設定値に限らず、ユーザ設定による可変の位置としてもよい。例えば、ユーザが使用する手及び指の位置に合わせて好適な位置に設定可能である。また、中心点Q0の位置を、その都度のタッチ押圧の位置に応じて決定してもよい。例えば、タッチ位置座標(X1,Y1)の点を中心点Q0としてもよいし、その点の近くに中心点Q0を設定してもよい。
【0200】
また、実施の形態4のアイコン配置変更制御に、実施の形態2や実施の形態3の二種類の操作を用いた制御を組み合わせた形態としてもよい。その場合、押圧操作の区別に応じて、アイコンの回転方向等を変えることができる。例えば、第1領域の押圧の場合には右回り、第2領域の押圧の場合には左回り、等にできる。
【0201】
(実施の形態5)
図26~
図27を用いて、本発明の実施の形態5の携帯端末装置について説明する。以下、実施の形態5における実施の形態1等とは異なる構成部分について説明する。実施の形態5では、二種類の操作として、筐体1の前面の押圧センサに対する押圧操作と、筐体1の背面の押圧センサに対する押圧操作とを使い分ける。携帯端末装置は、それらの操作に応じて異なる表示範囲変更制御を行う。変更制御の対象及び動作としては、実施の形態2等と同様に、複数のホーム画面の切り替えの場合を示すが、コンテンツ表示情報のスクロール等も同様に適用できる。
【0202】
[外観、操作]
図26は、実施の形態5における携帯端末装置の外観、操作等を示す。
図26の左側は、携帯端末装置の前面を示し、左手で持った状態を示す。表示画面2に対応する領域にはタッチ押圧センサ117が配置されている。
図26の右側は、携帯端末装置の背面を示し、左手で持った状態を示す。背面には、所定の位置、例えばX方向で中央、Y方向で上側領域内の位置に、背面押圧センサ118が配置されている。背面押圧センサ118を左手の一本指で押圧する操作を示す。
【0203】
[装置構成]
実施の形態5の携帯端末装置は、実施の形態1の
図2の構成に対し異なる部分として、センサ部110に、タッチ押圧センサ117に加えて背面押圧センサ118を有する。背面押圧センサ118は、押圧の有無及び強さを検出する。
図3の押圧検出部202は、タッチ押圧センサ117の押圧状態だけでなく、背面押圧センサ118の押圧状態を検出する。
【0204】
[制御フロー]
図27は、実施の形態5における表示制御部204の制御処理のフローを示す。ステップS501~S518を有する。
【0205】
(S501~S510) S501からS510までの処理は、実施の形態2のS201からS210までの処理と同様である。S502では画面切り替えの際のレイヤ更新のためのレイヤLnが設定される。最初は、レイヤL1の画面が表示される。S507では前面のタッチ押圧センサ117を用いて押圧の強さPnが検出される。S508では、押圧の強さPnが閾値Pt以上である場合に、S511へ進む。
【0206】
(S511) 表示制御部204は、第1方向の画面切り替えとして、レイヤ下降処理を行い、必要に応じてレイヤLnを更新し、S503へ戻る。
【0207】
(S512) 一方、S505でタッチ押圧センサ117を通じてタッチ無しの場合には、S512へ進む。S512では、押圧検出部202により背面押圧センサ118を通じて押圧状態を検出する。押圧検出部202は、その押圧状態として押圧の強さPmを取得する。
【0208】
(S513) 表示制御部204は、押圧の強さPmが所定の閾値Ps以上であるか否かを判断し、分岐を行う。Pm≧Psの場合にはS514へ進み、否の場合にはS515へ進む。
【0209】
(S514) 表示制御部204は、第2方向の画面切り替えとして、レイヤ上昇処理を行い、必要に応じてレイヤLnを更新し、S503へ戻る。
【0210】
(S515~S518) S515以降の処理は、
図13のS214以降の処理と同様である。
【0211】
S511のレイヤ下降処理の詳細は以下である。基本的には実施の形態2や実施の形態3のレイヤ下降処理と同様である。S511では、S507で取得した押圧の強さPnについて、
図25のS425と同様に、レイヤ更新に関する時間間隔Knを設定する。そして、表示制御部204は、タイマの時間の値Tnが、閾値T0である時間間隔Kn以上であるかを判断し、分岐を行う。以降の処理は、前述と同様である。
【0212】
S514のレイヤ上昇処理の詳細は以下である。基本的には実施の形態2や実施の形態3のレイヤ上昇処理と同様である。S514ではS512で取得した背面の押圧の強さPmについて、
図25のS425と同様に、レイヤ更新に関する時間間隔Knを設定する。例えば、下記(4)の式に基づいて、時間間隔Knを決定する。
Kn=K0×Ps/Pm ・・・(4)
【0213】
そして、表示制御部204は、タイマの時間の値Tnが、閾値T0である時間間隔Kn以上であるかを判断し、分岐を行う。以降の処理は、前述と同様である。
【0214】
[効果等]
上記のように、実施の形態5では、ユーザが前面の表示画面2のタッチ押圧センサ117を所定の大きさ以上で押圧操作した場合には、複数のホーム画面が第1方向で切り替えられて表示される。また、ユーザが背面の背面押圧センサ118を所定の大きさ以上で押圧操作した場合には、複数のホーム画面が第2方向で切り替えられて表示される。ユーザは、携帯端末装置を片手で持った状態で前面の押圧と背面の押圧とを使い分けながら、容易に画面切り替え等が可能である。
【0215】
[変形例]
実施の形態5の変形例として以下が可能である。実施の形態5では、制御の対応関係として、前面の押圧の場合にはレイヤ下降処理、背面の押圧の場合にはレイヤ上昇処理としたが、逆の対応関係としてもよい。背面押圧センサ118に限らず、筐体1の別の位置、例えば側面の位置に、押圧センサが設けられてもよい。
【0216】
(他の実施の形態)
前述の実施の形態では、表示範囲変更制御の対象として、コンテンツ、ホーム画面、アプリケーション画面、アイコン等の場合を説明した。また、変更制御の表示動作として、スクロール、画面切り替え、アイコン移動等を説明した。これらは、前述の実施の形態での組み合わせに限らず、各種の組み合わせの形態が勿論可能である。
【0217】
例えば、実施の形態1のタッチ押圧及び傾き角度の制御と、実施の形態2の複数画面切り替え制御とを組み合わせた形態が可能である。この形態の場合、ユーザが画面内を押圧して筐体を傾ける操作をすると、携帯端末装置は、押圧の強さや傾き角度を用いて、画面切り替えの方向や速度、時間間隔等を制御する。
【0218】
例えば、実施の形態1のコンテンツのスクロール表示制御と、実施の形態2の複数指の押圧制御、または実施の形態3の2種類の領域の押圧制御とを組み合わせた形態が可能である。この形態の場合、ユーザが画面内を押圧操作すると、携帯端末装置は、押圧の強さや位置や数を用いて、コンテンツのスクロールの方向や速度等を制御する。
【0219】
以上、本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。本発明の機能等は、一部または全部が、集積回路等のハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアプログラム処理で実現されてもよい。
【符号の説明】
【0220】
1…筐体、2…表示画面、3…表示情報、4…表示範囲、5,6…スクロール。