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特許7157139基体の上に塗布されるべき粘着剤の量の制御のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】基体の上に塗布されるべき粘着剤の量の制御のための方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 3/00 20060101AFI20221012BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20221012BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20221012BHJP
   B65C 3/12 20060101ALI20221012BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B05D3/00 D
B05B12/00 Z
B05D7/24 301P
B65C3/12
C09J201/00
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020508391
(86)(22)【出願日】2018-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2018069706
(87)【国際公開番号】W WO2019037970
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】102017119439.8
(32)【優先日】2017-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598125028
【氏名又は名称】カーハーエス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】シルヒテンブレーデ・クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ブルゾスカ・ヨアヒム
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-057694(JP,A)
【文献】特開平08-266983(JP,A)
【文献】特開平04-140659(JP,A)
【文献】特開2007-186263(JP,A)
【文献】特表2009-531236(JP,A)
【文献】国際公開第2016/093179(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0311404(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
B05B 1/00-17/08
B65C 1/00-11/06
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体の上に塗布されるべき粘着剤の制御及び/または監視のための方法であって、
この粘着剤が、塗布ユニット(40)を用いて、前記基体の上に塗布され、
塗布されるべき前記粘着剤の搬送が、前記塗布ユニット(40)の制御装置(52)を用いて制御される方法において、
前記粘着剤の少なくとも1つの内容物質の分圧またはガス濃度が、少なくとも1つのガスセンサー(50)によって測定され、このセンサー信号が、前記制御装置(52)内において評価されること、および、
前記塗布ユニット(40)が、前記ガスセンサー(50)の前記センサー信号に依存して制御され、及び/または、表示及び/または不良信号が、出力及び/または記憶されること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記粘着剤の内容物質の分圧が、許容された数値範囲内にある場合にのみ、前記塗布ユニット(40)の始動、速度、及び/または、粘着剤容積流量は許容される及び/または、相応して制御されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ガスセンサー(50)として、嗅覚測定的に作動するセンサーが使用されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記塗布ユニット(40)は、噴霧装置(42)を備えていること、および、
噴流の強さが、前記センサー信号に依存して調節されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記塗布ユニット(40)は、溶融粘着剤塗布装置を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記塗布ユニット(40)は、前記粘着剤のための循環システムを備えている、または、この循環システムと接続されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記センサー信号、または、このセンサー信号から導出された信号は、基準値と比較されること、および、
この基準値を上回る、または、下回る場合、システム不良通報が出力されること、
を特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記ガスセンサー(50)は、前記粘着剤の異なる内容物質を測定するように構想されていること、および、
前記内容物質の測定された組成が、目標組成と相違する、即ち少なくとも1つの物質種類及び/または濃度に関して目標組成と相違する場合、不良信号が出力されること、
を特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
前記センサー出力信号、及び/または、このセンサー信号から導出された制御値は、時間の経過とともに検出されること、および、
制御値の時間的な導関数が限界値を上回る場合、不良処置が実施されること、
を特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
前記センサー出力信号、及び/または、このセンサー信号から導出された制御値は、
少なくとも1つの粘着剤容器及び/または少なくとも1つの外部の受け容器の、充填状態値及び/または充填工程との依存状態において、検出および相関されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
前記粘着剤に、前記センサー信号に依存して、結合剤及び/または溶剤が供給されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
粘着剤として、いわゆる二次的な物質、即ち芳香物質または匂い物質が使用され、この芳香物質または匂い物質は、粘着剤自体または本来の粘着工程のための、如何なる機能的な特性も有していないことを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
前記二次的な物質は、前記粘着剤に、この粘着剤の製造の後に添加されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一つによる方法であって、
少なくとも1つの第2のセンサーを用いて、以下のパラメータの内の少なくとも1つのパラメータ:即ち、
- 前記粘着剤の温度、
- 前記粘着剤容器(48)内における、前記粘着剤の充填状態、
- 供給される前記粘着剤の粘性、及び/または、
- 供給される前記粘着剤の流動速度、
が測定されること、および、
前記ガスセンサー(50)の前記センサー信号が、少なくとも1つの前記パラメータ、または、前記パラメータから得られた更に別の少なくとも1つのセンサーの少なくとも1つのデータセットと共に、評価および相関され、且つ、更に、
前記塗布ユニット(40)及び/または少なくとも1つの機能的に接続された機械要素が、これらデータに依存して、制御され、及び/または、表示が行われ、及び/または、少なくとも1つの不良信号が出力及び/または記憶されること、
を特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一つによる方法により、基体の上に、粘着剤を塗布するための装置であって、この装置が、
この基体(24)の上に、前記粘着剤を塗布するための塗布ユニット(40)を備え、
この塗布ユニットが、塗布されるべき粘着剤のための、粘着剤容器(48)及び/または粘着剤供給部(46)と噴霧装置(42)とを有しており、
この塗布ユニット(40)によって塗布されるべき前記粘着剤が、制御装置(52)によって制御可能である様式の上記装置において、
この装置が、ガスセンサー(50)を有しており、
このガスセンサーが、前記粘着剤内に含まれているかまたはこの粘着剤に付着している少なくとも1つの内容物質の分圧を検出するように、構想されていること、
このガスセンサー(50)が、出力側で、制御装置(52)と接続されていること、および、
この制御装置(52)が、前記塗布ユニット(40)を、前記ガスセンサー(50)のセンサー信号に依存して、監視もしくは制御するように及び/または不良信号を出力するように、構想されていること、
を特徴とする装置。
【請求項16】
吸引装置が、塗布領域内において設けられていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ガスセンサー(50)は、前記粘着剤容器(48)及び/または、前記粘着剤供給部(46)内において配設されていることを特徴とする請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記ガスセンサー(50)は、前記粘着剤の異なるガス内容物質、および、このガス内容物質の濃度を検出するように構想されていることを特徴とする請求項15から17のいずれか一つに記載の装置。
【請求項19】
この装置は、供給回路を有しており、この供給回路が、前記粘着剤容器(48)及び/または前記粘着剤供給部(46)を備えていること、および、
前記ガスセンサー(50)が、この供給回路内において配設されていること、
を特徴とする請求項15から18のいずれか一つに記載の装置。
【請求項20】
この装置は、少なくとも1つの第2のセンサーを有しており、
前記第2のセンサーが、以下のパラメータの内の少なくとも1つのパラメータ:即ち、
- 前記粘着剤の温度、
- 前記粘着剤容器(48)内における、前記粘着剤の充填状態、
- 供給される前記粘着剤の粘性、
- 供給される前記粘着剤の流動速度、
を測定し、および、
前記パラメータが、前記制御装置(52)内において、単独に、または、互いに依存して評価可能であることを特徴とする請求項15から19のいずれか一つに記載の装置。
【請求項21】
この装置は、ガス吸引部/負圧生成部を、前記粘着剤容器(48)及び/または前記粘着剤供給部(46)の領域内において有していることを特徴とする請求項15から20のいずれか一つに記載の装置。
【請求項22】
この装置は、ラベル貼付装置(10)、または、束状体へと、容器を片側または両側で粘着的に結合するための機械であり、
これら容器が、グラスボトルまたはプラスチックボトル、缶、またはその種の他の物であることを特徴とする請求項15から21のいずれか一つに記載の装置。
【請求項23】
この装置は、粘着剤の温度および粘性のための粘着剤センサー(54、56)を備えていること、および、
前記制御装置(52)が、前記粘着剤センサー(54、56)の出力信号に依存して、前記粘着剤のための加熱装置(64)、及び/または、制御器具、即ち搬送ポンプ及び/または調節弁(44)を制御するように構想されていること、
を特徴とする請求項15から22のいずれか一つに記載の装置。
【請求項24】
少なくとも1つの前記ガスセンサー(50)は、糊ロール(13)または噴霧装置(42)のような、粘着剤を引き渡す構造ユニットに、または、この構造ユニットの上方に配設されている、及び/または、直接的にこの構造ユニットに支承または固定されていることを特徴とする請求項15から23のいずれか一つに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
包装産業において、繰り返し、粘着剤が、容器、包装体またはラベルの上に塗布されるべきことの状況が結果として生じる。
この塗布されるべき粘着剤の制御および監視の範囲内において、従来、粘着剤の供給圧力、及び/または、供給される粘着剤の容積は検出され、そのために、相応するセンサーが、粘着剤供給部もしくは粘着剤容器内において配設されている。これらセンサーの出力信号に依存して、その場合に、粘着剤の塗布のための塗布ユニット、例えば噴霧ユニットを有する供給ポンプまたはその種の他の物は制御される。
【背景技術】
【0002】
この公知の方法における問題は、粘着剤の組成における、この粘着剤の機能の影響に寄与する可能性のある変化が、検出されないことにある。それに加えて、所定の使用のために、特有の粘着剤が必要とされることは、しかもその上、可能である。
公知の方法によって、粘着剤容器内に、実際に、正しい粘着剤が導入されたかどうかは、しかしながら認識可能でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の根底をなす課題は、粘着剤の特性を考慮する方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1の特徴を有する方法、および、請求項15の特徴を有する装置によって解決される。本発明の有利な更なる構成は、所属する従属請求項の対象である。本発明の有利な実施形態は、同様に明細書および図内において記載されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、基体の上に塗布されるべき粘着剤の制御および監視のための方法を出発点としており、この粘着剤が、塗布ユニット、例えば噴霧塗布装置を用いて、基体または基体面の上に塗布され、その際、例えば、塗布されるべき粘着剤の量、温度、および、流動速度が、塗布ユニットの制御装置を用いて制御される。
【0006】
この方法は、例えば、容器または包装体のラベル貼付の際に使用可能であり、しかしながら、例えば4、6または8つの容器から成るマルチパックの形成のための、これら容器の相互の粘着の際にも使用可能である。
【0007】
本発明に従い、例えば結合剤、溶剤または添加剤のような、粘着剤の少なくとも1つの内容物質の、存在、特に濃度もしくは分圧は、少なくとも1つのガスセンサーによって測定され、および、塗布ユニットが、前記ガスセンサーのセンサー信号に依存して制御される。分圧と濃度とは、以下で、同義語的に使用されるべきである。
理想的に、粘着剤に供給される二次的な物質、例えば芳香物質または匂い物質としての添加剤は、検出される。この二次的な物質は、理想的に、粘着剤または粘着工程自体のための、如何なる機能的な特性も有していない。
【0008】
以下で、これに伴って、溶剤は、同様に常にそのような二次的な物質とも理解されるべきである。このようにして、例えば、粘着剤の溶剤含有量または結合剤含有量が、使用の経過において過度に強度に取り出され、従って、場合によっては、如何なる満足させる状態の粘着結果も、もはや達成されないかどうかは、検出され得る。この場合に、溶剤及び/または結合剤の分圧は減少し、このことは、ガスセンサーを用いて認識可能である。
低減された溶剤含有量及び/または結合剤含有量に基づいて、如何なる満足させる状態の粘着結果も、もはや期待されない場合、塗布ユニットは、これに伴って、例えば基準値もしくは限界値の到達前に停止される。そうでない場合、センサー信号によって、同様に、結合剤供給部及び/または溶剤供給部も制御され得、これら結合剤供給部及び/または溶剤供給部が、粘着剤に、比較的に容易に揮発性の成分を再び供給し、従って、このことは、この粘着剤の組成において、および、従って、この粘着剤の粘着品質において、時間にわたって一定のままである。
このようにして、比較的に容易に揮発性の構成要素の蒸発または気化に基づいての粘着剤の劣化は、妨害され得る。従って、本発明により、同様に粘着剤自体の特性、即ち組成を、塗布ユニットの制御の際に検出することも可能である。
【0009】
蒸発挙動、即ち、二次的な物質の分圧変化によって、粘着剤が劣化されているかどうか、および、場合によっては交換されねばならないかどうか、が認識可能となることは更に可能である。相応して、その場合に、例えばラベル貼付装置、または、高温粘着個所を有する容器パックステーションのような、設備もしくは装置のディスプレイの上で、粘着剤が交換されるべきことの警告通報は、表示され得る。
選択的に、接着剤の品質低下を補償するために、この設備は、同様に停止され得、他の出力で作動され得、または、より高い接着剤吐出でもって作動され得る。
【0010】
これに伴って、制御の範囲内において、ガスセンサーのセンサー信号により、通知が設備の制御装置に対して出力され得、及び/または、この設備自体が制御され得、例えば始動または停止され得ない。
【0011】
この様式の塗布ユニットは、例えば、粘着剤を容器またはラベルの上に噴霧する塗布ユニットとしての、噴霧ヘッドを有する噴霧塗布ユニットであり、および、その容器を他の容器と結合するための、高温粘着剤の液滴を該容器の上に塗布する塗布ユニットとしての、少なくとも1つの塗布開口部を有する高温粘着ユニットである。
ここで扱われているのが、同様に、ラベルを備えられるべき、周囲包装体、例えばカートンまたはボトルキャリアであることも可能である。粘着剤は、その際、ラベルの上、容器もしくは包装体の上、及び/または、これら容器の間の個所の上に塗布され得る。
【0012】
本発明は、粘着剤の組成の検査だけでなく、所定の目的のために、そもそも正しい粘着剤が使用されるかどうかの検査も可能にする。従って、例えば、異なる目的のために、異なる粘着剤が使用され得る。
所定の目的のために、誤った粘着剤が使用される場合、このことは、役に立たない粘着結果を誘起する。それ故に、粘着剤、特に二次的な物質の少なくとも1つの成分の分圧の検出を介して、即座に、予め与えられた粘着目的のために、正しい粘着剤が粘着剤容器内に導入されたかどうかが認識され得る。
【0013】
センサー信号(即ち、例えば二次的な物質の分圧)に基づいて、誤った粘着剤であることが判明した場合には、塗布ユニットは、例えば最初から全く始動されない。従って、本発明の有利な更なる構成において、粘着剤の少なくとも1つの内容物質の分圧が、許容された数値範囲内にある場合にのみ、塗布ユニットの始動が許容されることは可能である。塗布ユニットの制御に対して付加的または選択的に、不良信号を出力すること、及び/または、相応するデータを適当なやり方で記憶することは常に可能であり、このことを、その場合に、設備制御装置またはこの制御装置を委託された人員が、適当なやり方で、例えば、設備の停止または出力低下のため、および、粘着剤製造の検査のために利用可能である。
【0014】
粘着剤への、前記の機能的でない二次的な物質の供給は、この二次的な物質が、この二次的な物質の利用目的において、および、検出可能性に関して、完全にこの粘着剤自体に依存せずに、開発および使用され得ることの大きな利点を有している。
従って、例えば、二次的な物質が、極めて容易に揮発性であることは可能であり、且つ、例えば使用の目的が、唯一、ただ許容された粘着剤が設備内へと注入されることだけを保障することである場合、既に極めて迅速に、粘着剤の液化の後、もはや検出可能でないことは可能である。充填状態の変化との時間的な関連における、抜け落ちた分圧ピークは、その場合に、例えば、不良通報、設備の出力抑制、または、設備の作動停止を誘起可能である。
【0015】
理想的に、粘着剤に、二次的な物質が、この粘着剤の製造の後および目的の決まった利用の以前に、塗布ユニット内へと、または、この塗布ユニットのために添加される。このことは、特に、公知の混合プロセスによって、及び/または、二次的な物質を有する粘着剤の噴霧によって、行われ得る。
その際、上記されているように、粘着剤が、完全に機能を果たす能力のある粘着剤と理解され、この粘着剤のために、二次的な物質は、如何なる、または、ほぼ如何なる本来の粘着機能に関係する意義も有していない。
【0016】
通常、塗布ユニットは、塗布されるべき粘着剤が注入される粘着剤容器と、この粘着剤容器から塗布ユニットへの粘着剤供給部と、塗布ユニット自体、例えば、スクレーパ、噴霧ノズルを有する噴霧ヘッド、または、液滴塗布ユニットとを備えている。ガスセンサーは、これら構成要素の領域内において配設されている。
粘着剤が、より大きな外部の受け容器またはタンクを介して供給される、または、そこで集積されることは可能である。この場合、塗布ユニットは、如何なる固有の粘着剤容器も備えてなく、むしろ、ただ粘着剤供給部だけを備えており、それによって、ガスセンサーが、粘着剤供給部、または、塗布ユニット、または、場合によってはそこに設けられた適当なガスセンサー室の領域内において配設されている。
【0017】
特に、ガスセンサーが、直接的に、粘着剤のための塗布ヘッドに、及び/または、この塗布ヘッドの上方に配設されていることは可能である。そのような配設の場合に、場合によっては強度に交番するガス流動状態および混合状態に基づいて、しばしば、ただ探求されるガス内容物質に関する、イエス/ノー情報出力だけが可能である。
【0018】
有利には、ガスセンサーとして、ガスクロマトグラフィ的または嗅覚測定的に作動するセンサーが使用され、このセンサーは、特に、粘着剤内における、溶剤含有量及び/または結合剤含有量の判定を許容する。
その際、しかしながら同様に、例えば陽子交換反応質量分析法(Protonentauschreaktions-Massenspektrometie)の原理によるセンサーのような、全ての他の考慮可能なガスセンサーも使用可能である。分析ユニットおよび評価ユニットとの関連におけるガスセンサーは、特に、ガス内容物質を、少なくとも1つの物質の存在または欠如、及び/または、少なくとも1つの物質種類の濃度の観点で検出する。
【0019】
本発明の有利な更なる構成において、塗布ユニットは、噴霧装置を備えており、且つ、噴流の強さが、センサー信号に依存して調節される。
このようにして、粘着剤は、この粘着剤の内容物質のガス分圧の考慮のもとで最適な作動値へと調節され得、この作動値が、最適な粘着性能を、この粘着剤の特性、および、場合によっては結合剤含有量及び/または溶剤含有量の考慮のもとで許容する。
【0020】
有利には、塗布ユニットは、他の実施形態において、溶融粘着剤塗布ユニットとして形成されており、この溶融粘着剤塗布ユニットが、例えば、粘着個所の塗布のために使用される。
例えば、ペットボトルの外側周囲における粘着個所は、これらペットボトルを、囲繞する収縮包装用フィルムまたはプラスチックストリップ無しに、互いに結合することを許容する。粘着剤の特性、例えば溶剤含有量及び/または結合剤含有量の、ガスセンサー的な監視によって、粘着剤の粘着特性が常に最適化されていることは、保障され得る。
【0021】
本発明の有利な更なる構成において、センサー信号、または、このセンサー信号から導出された信号は、基準値と比較され、および、この基準値に到達する、または、この基準値を上回る、または、下回る場合、不良通報が出力される。
例えば、粘着剤の溶剤含有量が、ガスセンサーによって検査される場合、この溶剤のより高いガス圧力に基づいて、この溶剤は、次第にこの粘着剤から蒸発し、従って、この溶剤の含有量が継続的に減少する。溶剤に関する分圧は、これに伴って、ガスセンサーを介して恒常的に監視され得、且つ、溶剤含有量のための下側の限界値を下回った場合、システム不良通報が出力されるか、または、補正通報が出力され、この補正通報は、粘着剤の品質を再び維持するために、粘着剤に再び溶剤及び/または結合剤を供給する溶剤供給部及び/または結合剤供給部が作動開始されることを誘起する。
センサー信号に依存して、もちろん、同様に攪拌装置または混合装置も操作され得、この攪拌装置または混合装置は、付加された溶剤及び/または結合剤が、粘着剤容器内において存在する粘着剤と共に、良好に攪拌しながら混ぜ合わせられることを誘起する。
【0022】
このケースにおいて、粘着剤容器内において存在する粘着剤の量のための、量センサーが設けられている場合に有利であり、従って、塗布ユニットのための制御装置は、未だに粘着剤容器内において存在する粘着剤の量から、供給されるべき溶剤及び/または結合剤の量を、粘着剤容器内において存在する粘着剤のガス分圧および量に基づいて計算可能である。
この設備は、これに伴って自動的に作動し、且つ、例えば溶剤及び/または結合剤のような、粘着剤の容易に揮発性の成分が常にある程度の目標レベルに留まることのために寄与する。
【0023】
有利には、ガスセンサーは、粘着剤の異なる内容物質を測定するように構想されている。
選択的に、同様に複数の異なるガスセンサー、例えば粘着剤基礎物質の分圧のためのガスセンサー、結合剤の分圧のためのガスセンサー、および、粘着剤溶剤の分圧のための第3のガスセンサーが、異なる内容物質の測定のために設けられていることも可能である。この場合に、有利には、内容物質の測定された組成が目標組成と相違する場合、不良信号は出力される。
この不良信号と共に、例えば、どの成分が目標組成と相違しているかがディスプレイに表示され得、従って、サービス技術者は、粘着剤容器内において相応して不足的な成分を補充することが可能な状態にある。
このことは、異なるガスセンサーによって、または、異なる内容物質のための測定値によって、異なる内容物質のための相応する供給装置が制御される場合、同様に自動的にも行われ、この内容物質が、次いで自動的に、測定された信号に相応して、不足的と見なして測定された成分を、正しい量において供給する。同様に、この目的のために、粘着剤容器のための1つの量センサーが設けられている場合に有利であり、この量センサーは、この粘着剤容器内において存在する粘着剤の量を測定する。このことが、重量センサー、容積センサー、または、光学的なセンサーであることは可能である。
本発明により、これに伴って、粘着剤の異なる内容物質の組成が監視され得、且つ、場合によっては、しかもその上、修正され得る。原理的に、異なる成分のためのこの/これらガスセンサーによって、粘着剤をこの粘着剤の化学的な組成に至るまで、即ち、この粘着剤の溶剤含有量及び/または結合剤含有量だけでなく、この粘着剤の例えば粘着技術的に有効な化学的な物質も検査することは可能である。
【0024】
本発明の有利な更なる構成において、センサー信号、及び/または、このセンサー信号から導出された制御値は、時間の経過とともに(時間にわたって)検出され、および、制御値の時間的な導関数が限界値を上回る場合、不良処置が実施される。
例えば粘着剤の溶剤分圧は、使用継続時間にわたって減少する可能性がある。何故ならば、溶剤が、この溶剤のより高い分圧の理由で、先ず第一に粘着剤から蒸発するからである。このことは、センサー信号の、時間的に減少する強度経過を誘起する。これに伴って、測定された強度の導関数が、時間にわたって形成され得、且つ、この値が、限界値と比較され得る。
このようにして、何時、その最小分圧以降粘着剤がもはや満足させる状態で作動しない、所定の該最小分圧が達成されるか、を予測することは可能である。他方では、導関数および最小値の知識によって、相応する成分の供給装置は作動開始され得、この供給装置が、相応する成分を、この成分を粘着剤内においてある程度の目標レベルにおいて保持するために、継続的またはバッチ式に付加する。
【0025】
このようにして、例えば過度に大きなまたは過度に長く維持する、熱的または機械的な粘着剤の負荷によって生じる、強度なまたは過度に迅速な劣化が認識され得、従って、粘着剤品質は、もはや目標値に相応しない。これに伴って、この方法で、同様に、正しい粘着剤の利用の際に、理想値または目標値と相違する設備作動が、回避または実証され得ることも可能である。
【0026】
本発明は、同様に、基体の上に、特にラベル、例えばボトル、缶のような容器、ケグ、または、カートンの上に、粘着剤を塗布するための装置に関する。
この装置は、基体の上への、粘着剤を塗布するための塗布ユニット、場合によっては、粘着剤容器、及び/または、塗布されるべき粘着剤のための粘着剤供給部を備えており、その際、この粘着剤の、塗布ユニットによって塗布されるべき量、温度、及び/または、流動速度が、制御装置によって制御可能である。
本発明に従い、この装置は、特に、粘着剤容器及び/または粘着剤供給部内において、ガスセンサーを備えており、このガスセンサーが、粘着剤内に含まれている少なくとも1つの内容物質の分圧を検出するように構想されており、その際、このガスセンサーが、出力側で、制御装置と接続されており、および、この制御装置が、塗布ユニットを、ガスセンサーのセンサー信号に依存して、制御するように構想されている。
【0027】
この装置の利点および特性に関して、上述された方法の説明を参照して頂きたい。
この装置は、粘着剤の少なくとも1つの内容物質のガス分圧の測定と、センサー信号、即ち相応する内容物質のガス分に依存しての、塗布ユニットの制御とを許容する。このようにして、粘着剤の特性が、時間にわたって監視され、且つ、有利には、維持された状態に留まることは保障され得る。
この意味において、粘着剤の少なくとも1つの成分、例えば溶剤の割合分が監視され得、且つ、溶剤のガス分圧、即ち粘着剤内におけるこの溶剤の割合分が、所定の最小値を下回らないことは保障され得る。
【0028】
この場合、粘着剤の、過度に大きな熱的または機械的な負荷による、強度な劣化が存在可能であり、従って、粘着剤品質は、もはや目標値に相応していない。
【0029】
このことが、そのような状況にある場合、塗布ユニットが停止され得るか、または、それより以前に、既にセンサー信号に依存して供給装置が作動開始され得、この供給装置は、粘着剤の容易に揮発性の成分が、時間的に間を置かないで補充されることを保障する。この供給は、連続的またはバッチ式に行われ得る。このようにして、本発明を用いて、粘着剤の品質は、全プロセス継続時間にわたって保障され得る。
【0030】
この装置によって、同様に、所望された粘着方法のために、正しい粘着剤が使用されるかどうか、を監視することは可能である。
【0031】
有利には、このガスセンサーは、粘着剤の異なるガス内容物質、および、これらのガス内容物質の濃度を検出するように構想されている。前記の代わりに、同様に、異なるガス内容物質のための異なるガスセンサーも使用され得る。このようにして、粘着剤の複数の成分の組成は、目標値に対して監視され得る。これに伴って、特に、同様に粘着剤の同定も可能である。
【0032】
有利には、この装置は、供給回路を有しており、この供給回路が、粘着剤容器及び/または粘着剤供給部、および、ガスセンサーを備えており、このガスセンサーが、この供給回路内において配設されている。このようにして、ガスセンサーの測定結果が、外側の環境の影響によって不正にされることはない。
【0033】
有利には、この装置は、少なくとも1つの第2のセンサーを備えており、
前記第2のセンサーが、以下のパラメータの内の少なくとも1つのパラメータ:即ち、
粘着剤の温度、粘着剤容器内における、粘着剤の充填状態、供給される前記粘着剤の粘性、及び/または、流動速度を測定する。
前記パラメータの付加的な測定、および、共通の解明、および、データの評価によって、粘着剤の品質は、プロセス継続時間にわたって、監視および保障され得る。温度の考慮は、しかもその上、異なる温度の際の異なる溶剤含有量の使用を可能にし、従って、相応して支配的である温度のために最適な粘着結果が達成される。
充填状態の検出は、粘着剤の個々の成分の補充の場合に、未だに粘着剤容器内において存在する、粘着剤の量を検出すること、および、相応して、欠如するまたは不足的な成分を、最適に、更に加えて配量することを可能にする。粘性を介して、粘着剤の更に別の重要な特性が検出され得、且つ、例えば溶剤及び/または結合剤の添加によって、この粘性は、継続的に最適化され得る。
【0034】
有利には、この装置は、ガス吸引部及び/または負圧生成部を、粘着剤容器及び/または粘着剤供給部及び/または塗布ユニットの領域内において有している。このようにして、粘着剤の容易に揮発性の成分が、周囲環境内に到達せず、且つ、そこで、健康的な阻害を誘起しないことは保障され得る。
【0035】
有利には、この装置は、例えばボトル、缶またはケグのような容器のラベル貼付のためのラベル貼付装置、または、容器パックへと、複数の容器を結合するための機械である。
【0036】
有利には、粘着剤の温度及び/または粘性のための2つの粘着剤センサーが設けられており、および、制御装置が、粘着剤のための加熱装置、及び/または、例えば粘着剤搬送ポンプのような搬送装置を、この/これら粘着剤センサーの出力信号に依存して制御するように構想されている。
このようにして、例えば、粘着剤の粘性及び/または温度が、常にある程度の目標範囲内において存在することは保障され得る。
【0037】
方法および装置の上記された異なる実施形態が、相互間で、および、共に適宜に組み合わせ可能であることは当業者にとって明白である。
【0038】
以下の用語:即ち、センサー信号と出力信号と;供給部と供給装置と;制御弁と調節弁とは、同義語的に使用される。
【0039】
本発明を、以下で例示的に、概略的な図に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】ラベル貼付装置の極めて概略的な図である。
図2】時間の対しての粘着剤の、測定された溶剤含有量のグラフである。
図3】粘着剤を有する粘着剤容器の、新規充填との関連における、時間に対する、粘着剤の測定された溶剤含有量のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、例示的に、真空ドラム12を有するラベル貼付装置10を示しており、この真空ドラムが、この真空ドラムの周囲において等間隔に分配された状態で、それぞれに1つのラベル24のための、外方へと指向するそれぞれに1つの吸引面28を備える6つの収容スペース14を有している。このラベル貼付装置10は、更に、切断ロール18と移送ドラム20とを有する、ラベル供給装置16を備えている。
真空ドラム12は、収容領域22を有しており、この収容領域内において、ラベル24が移送ドラム20のラベル収容部21から収容スペース14の上に受取られる。この真空ドラム12は、更に、引渡し領域26を有しており、この引渡し領域内において、ラベル24が、収容スペース14から、処理装置の輸送装置32の輸送スペース30に位置する容器34の周囲に塗布される。
それぞれの収容スペース14は、1つの吸引面28を備えており、この吸引面が、所属する真空室36と接続されており、この真空室が、ベースプレートのパーフォレーション38において終端しており、このベースプレートが、真空ドラム12の回転軸線に対して軸垂直、および、同心的に配設されている。これらパーフォレーション38を通って、個々の収容スペース14の真空室36は、真空状態を与えられる。
ラベル貼付装置10は、更に、糊ロール13を備えており、この糊ロールが、収容領域22と引渡し領域26との間の、真空ドラム12の第1の扇形部A内において配設されており、且つ、そこで、収容スペース14の上で保持されたラベル24の裏面側に糊を備える。
この糊ロール13は、真空ドラム12に対して逆方向に回転し、このことによって、ラベル24の裏面側に、転動の際に均等に糊層が塗布され、この糊層が、次いで、容器34の周囲でのラベル24の固定のために利用される。
この図内において、収容スペース14が同様に選択的に半径方向に外方へと移動され得ること、従って、引渡し領域26内において、例えば改善された方法において容器34の外側周囲と接触するになることは、図示されていない。
真空ドラム12は、同様に、収容スペース14がこの収容スペースの吸引面28でもって、同様に半径方向の移動無しにでも、輸送スペース30内において位置する容器34の周囲領域内へと移動するように、形成および配設されていることも可能であり、従って、ラベル24の塗布が、同様に個々の収容スペース14の半径方向の移動無しにでも可能である。
【0042】
糊ロール13の領域内において、塗布ユニット40が設けられており、この塗布ユニットは、噴霧装置42を有しており、この噴霧装置によって、粘着剤がこの糊ロール13の上に均等に吹き付けられ、この糊ロール13が、次いでその後に、ラベル裏面側24の上で転動し、従って、このラベル24が、容器34の上への押圧の後、良好にこの容器の上で付着して離れない。
【0043】
吹き付けられる粘着剤の量は、調節弁44を介して制御され、この調節弁が、噴霧装置42への粘着剤供給部46内において配設されている。
この粘着剤供給部46は、粘着剤容器48と接続されており、比較的に長いプロセス継続時間にわたって噴霧装置42への粘着剤供給を保証するために、この粘着剤容器内において比較に多量の粘着剤が存在している。この粘着剤容器48内において、ガスセンサー50が配設されており、このガスセンサーは、調節弁44を制御する制御装置52と接続されている。
【0044】
更に、粘着剤供給部46内において、温度センサー54と粘性センサー56とが配設されており、これらセンサーによって、供給される粘着剤の更に別の物理的な特性が監視され得る。
【0045】
粘着剤容器48内において、この粘着剤容器48内において存在する粘着剤の量のための充填状態センサー58が配設されている。それに加えて、この粘着剤容器48内において加熱装置64が存在し、この加熱装置は、同様に、制御装置52と接続されている。
上述された全てのセンサー50、54、56、58は、制御装置52と接続されており、且つ、この制御装置に、測定信号もしくは制御信号を引き渡す。
更に、溶剤供給部60および結合剤供給部62が、粘着剤容器48と接続されており、これら供給部60、62は、同様に、制御装置52を介して制御される。粘着剤容器48内において、同様に攪拌装置が設けられていることは可能であり、この攪拌装置が、同様に、制御装置52によって操作される。
【0046】
本発明に従い、ガスセンサー50を介して、粘着剤の少なくとも1つの成分の、少なくとも1つのガス分圧、例えば溶剤分圧が測定され、且つ、ガスセンサー50のこのセンサー信号に依存して、制御装置52が、例えば噴霧装置42の手前に配設されている調節弁44を制御する。これに伴って、塗布されるべき粘着剤の量は、ガスセンサー50のセンサー信号に依存して制御され得る。
【0047】
もちろん、ガスセンサー50によって測定された粘着剤の当該の成分の分圧の、ある程度の限界値を下回った場合、塗布ユニット40を完全に作動停止することも可能であり、このことは、満足させる粘着結果を達成するために、粘着剤の測定された成分がもはや十分な程度に存在しないことを示唆する。
このガスセンサー50と並んで、温度センサー54および粘性センサー56を介して、恒常的に、溶剤の粘性と温度とが、チェックもしくは監視され得、このことは、制御装置にとって、同様に調節弁44を介して供給されるべき粘着剤の量を、粘性および温度に対して最適化された状態で調節することのきっかけとなることは可能である。
更に、粘着剤を、目標温度において保持するために、温度センサー54の信号に依存して、粘着剤容器48内における加熱装置64は制御され得、このことは、他方また、粘着剤の粘性に影響を及ぼす。ガスセンサー50を介して、同様に溶剤とは異なる粘着剤の内容物質も検出され得る。
【0048】
1つの場合において、例えば、ガスセンサーを介して、粘着剤の複数の化学的な成分分圧が検出され得、このことは、溶剤のタイプに関して帰納的推理を許容し、且つ、これに伴って、粘着剤が、所望された目的のために適切であるのかまたは適切ではないのかどうかの判断を許容する。
ガスセンサー50と粘性センサー56とのセンサー信号によって、例えば、溶剤または結合剤のような、ある種の内容物が欠如していることが確認された場合、これら内容物は、溶剤供給部60および結合剤供給部62を介して補充され得、従って、粘着剤容器48内における粘着剤の組成が、再び目標状態にある。
溶剤供給部60および結合剤供給部62を介しての補充の際に、粘着剤容器48内における現在の充填状態は、充填状態センサー58を介して考慮され得、従って、溶剤と結合剤との最適化された量が、供給もしくは補充され得る。
【0049】
図2は、例えば、ガスセンサー50のセンサー信号を示しており、このセンサー信号が、この場合に、溶剤の分圧を、粘着剤内における強度値Iの様式で測定する。図2内において、これに伴って、強度値I、即ち測定された時間tに対しての溶剤分圧の高さが記されている。
例えば、溶剤の分圧の曲線が減少する経過を有しており、このことによって、評価技術的に、この曲線に対して1つの直線dI/dtが当てがわれ得、従って、溶剤の最小濃度Iminとの関連において、継続的なプロセスの際にこの最小値が達成される1つの時点が探知され得ることは、確認され得る。
その場合に、塗布ユニット40は、それより以前に停止され得、または、溶剤供給部60および結合剤供給部62が、溶剤及び/または結合剤の損失が相応する添加によって再び補償されるように作動状態にされ得る。このようにして、粘着剤の不変の品質は、継続時間にわたって保障され得る。
【0050】
図3は、粘着剤でもっての粘着剤容器または外部の受け容器の新規充填の範囲内において予測され得るような、時間に対する分圧のグラフを示している。
その際、
t1=粘着剤でもっての充填の時間間隔、
t2=予測された分圧ピークに関する時間間隔、
k1=粘着剤でもっての、粘着剤容器の新規充填の後の、予測された分圧ピークの強度領域、
を意味する。
その際、上記されているように、例えば粘着剤内における溶剤または二次的な物質の分圧が測定され得、この溶剤または二次的な物質が、ただ同定目的のためだけに、この粘着剤に添加される。
【0051】
粘着剤が、時間間隔t1にわたって粘着剤容器または外部の受け容器内へと注入される場合、引き続いて、二次的な物質及び/または溶剤の分圧は強度に上昇し、且つ、強度領域k1内において予測される。実際に、ガスセンサーのセンサー信号に基づいて、このピークは、予測された領域内において測定され、従って、設備は接続を解除される。
このピークが、充填の後、引き続いての時間間隔t2の内側で強度領域k1内において維持されない場合、従って、劣化された粘着剤または不正の粘着剤である。その場合に、警告信号が出力され得、及び/または、設備が停止され得、もしくは、起動され得ない。
【0052】
更に、有利な構成は、例えば、図2および3に従う実施形態の変形例において、同様に温度に依存性も顧慮されることにある。
これに伴って、粘着剤のより高い温度の際に、より急勾配の経過dI/dtが生起し、且つ、図3による実施形態の場合に、濃度ピークのための予測範囲k1、t2が、この予測範囲の位置および場合によっては寸法において相違する。
【0053】
ラベル貼付装置は、ただ例示的にだけ、粘着剤塗布装置として示されている。
その際、同様にここで扱われているのは、カートンまたは飲料用キャリアの、ラベル貼付のための装置、または、より大きなパックへの複数の容器の粘着のための粘着装置でもあり、または、カートン包装体のための折畳み兼構築ステーションとの関連における、粘着剤のための塗布装置でもある。
【0054】
噴霧装置42は、例示的に述べられている。その際、ここで扱われているのは、同様に粘着個所の塗布のための装置、または、その他の面塗布装置でもある。
【0055】
粘着剤供給部46内において、通常は、更に搬送ポンプが位置し、この搬送ポンプによって、噴霧装置42における粘着剤の吐出圧力が調節可能である。制御装置52は、その場合に、有利には、調節弁44及び/または搬送ポンプを制御する。調節可能な搬送ポンプは、同様に調節弁の代用もする。
【0056】
本発明は、上記された実施例に限定されてなく、むしろ、以下の特許請求の範囲の保護範囲内で適宜に変形され得る。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1. 基体の上に塗布されるべき粘着剤の制御及び/または監視のための方法であって、
この粘着剤が、塗布ユニット(40)を用いて、前記基体の上に塗布され、
塗布されるべき前記粘着剤の搬送が、前記塗布ユニット(40)の制御装置(52)を用いて制御される方法において、
前記粘着剤の少なくとも1つの内容物質の分圧またはガス濃度が、少なくとも1つのガスセンサー(50)によって測定され、このセンサー信号が、前記制御装置(52)内において評価されること、および、
前記塗布ユニット(40)が、前記ガスセンサー(50)の前記センサー信号に依存して制御され、及び/または、表示及び/または不良信号が、出力及び/または記憶されること、
を特徴とする方法。
2. 前記粘着剤の内容物質の分圧が、許容された数値範囲内にある場合にのみ、前記塗布ユニット(40)の始動、速度、及び/または、粘着剤容積流量は許容される及び/または、相応して制御されることを特徴とする上記1に記載の方法。
3. ガスセンサー(50)として、嗅覚測定的に作動するセンサーが使用されることを特徴とする上記1または2に記載の方法。
4. 前記塗布ユニット(40)は、噴霧装置(42)を備えていること、および、
噴流の強さが、前記センサー信号に依存して調節されることを特徴とする上記1から3のいずれか一つに記載の方法。
5. 前記塗布ユニット(40)は、溶融粘着剤塗布装置を備えていることを特徴とする上記1から3のいずれか一つに記載の方法。
6. 前記塗布ユニット(40)は、前記粘着剤のための循環システムを備えている、または、この循環システムと接続されていることを特徴とする上記1から5のいずれか一つに記載の方法。
7. 前記センサー信号、または、このセンサー信号から導出された信号は、基準値と比較されること、および、
この基準値を上回る、または、下回る場合、システム不良通報が出力されること、
を特徴とする上記1から6のいずれか一つに記載の方法。
8. 前記ガスセンサー(50)は、異なる内容物質を測定するように構想されていること、および、
前記内容物質の測定された組成が、目標組成と相違する、特に少なくとも1つの物質種類及び/または濃度に関して目標組成と異なる場合、不良信号が出力されること、
を特徴とする上記1から7のいずれか一つに記載の方法。
9. 前記センサー出力信号、及び/または、このセンサー信号から導出された制御値は、時間にわたって検出されること、および、
制御値の時間的な導関数が限界値を上回る場合、不良処置が実施されること、
を特徴とする上記1から8のいずれか一つに記載の方法。
10. 前記センサー出力信号、及び/または、このセンサー信号から導出された制御値は、
少なくとも1つの粘着剤容器及び/または少なくとも1つの外部の受け容器の、充填状態値及び/または充填工程との依存状態において、検出および相関されることを特徴とする上記1から9のいずれか一つに記載の方法。
11. 前記粘着剤に、前記センサー信号に依存して、結合剤及び/または溶剤が供給されることを特徴とする上記1から10のいずれか一つに記載の方法。
12. 粘着剤として、いわゆる二次的な物質、即ち芳香物質または匂い物質が使用され、この芳香物質または匂い物質は、粘着剤自体または本来の粘着工程のための、如何なる機能的な特性も有していないことを特徴とする上記1から11のいずれか一つに記載の方法。
13. 前記二次的な物質は、前記粘着剤に、この粘着剤の製造の後に添加されることを特徴とする上記12に記載の方法。
14. 上記1から13のいずれか一つによる方法であって、
少なくとも1つの第2のセンサーを用いて、以下のパラメータの内の少なくとも1つのパラメータ:即ち、
- 前記粘着剤の温度、
- 前記粘着剤容器(48)内における、前記粘着剤の充填状態、
- 供給される前記粘着剤の粘性、及び/または、
- 供給される前記粘着剤の流動速度、
が測定されること、および、
前記ガスセンサー(50)の前記センサー信号が、少なくとも1つの前記パラメータ、または、前記パラメータから得られた更に別の少なくとも1つのセンサーの少なくとも1つのデータセットと共に、評価および相関され、且つ、更に、
前記塗布ユニット(40)及び/または少なくとも1つの機能的に接続された機械要素が、これらデータに依存して、制御され、及び/または、表示が行われ、及び/または、少なくとも1つの(不良)信号が出力及び/または記憶されること、
を特徴とする方法。
15. 特に上記1から14のいずれか一つによる方法により、基体の上に、粘着剤を塗布するための装置であって、この装置が、
この基体(24)の上に、前記粘着剤を塗布するための塗布ユニット(40)を備え、
この塗布ユニットが、塗布されるべき粘着剤のための、粘着剤容器(48)及び/または粘着剤供給部(46)と噴霧装置(42)とを有しており、
この塗布ユニット(40)によって塗布されるべき前記粘着剤が、制御装置(52)によって制御可能である様式の上記装置において、
この装置が、ガスセンサー(50)を有しており、
このガスセンサーが、前記粘着剤内に含まれているかまたはこの粘着剤に付着している少なくとも1つの内容物質の分圧を検出するように、構想されていること、
このガスセンサー(50)が、出力側で、制御装置(52)と接続されていること、および、
この制御装置(52)が、前記塗布ユニット(40)を、前記ガスセンサー(50)のセンサー信号に依存して、監視もしくは制御するように及び/または不良信号を出力するように、構想されていること、
を特徴とする装置。
16. 吸引装置が、塗布領域内において設けられていることを特徴とする上記15に記載の装置。
17. 前記ガスセンサー(50)は、前記粘着剤容器(48)及び/または、前記粘着剤供給部(46)内において配設されていることを特徴とする上記15または16に記載の装置。
18. 前記ガスセンサー(50)は、前記粘着剤の異なるガス内容物質、および、このガス内容物質の濃度を検出するように構想されていることを特徴とする上記15から17のいずれか一つに記載の装置。
19. この装置は、供給回路を有しており、この供給回路が、前記粘着剤容器(48)及び/または前記粘着剤供給部(46)を備えていること、および、
前記ガスセンサー(50)が、この供給回路内において配設されていること、
を特徴とする上記15から18のいずれか一つに記載の装置。
20. この装置は、少なくとも1つの第2のセンサーを有しており、
前記第2のセンサーが、以下のパラメータの内の少なくとも1つのパラメータ:即ち、
- 前記粘着剤の温度、
- 前記粘着剤容器(48)内における、前記粘着剤の充填状態、
- 供給される前記粘着剤の粘性、
- 供給される前記粘着剤の流動速度、
を測定し、および、
前記パラメータが、前記制御装置(52)内において、単独に、または、互いに依存して評価可能であることを特徴とする上記15から19のいずれか一つに記載の装置。
21. この装置は、ガス吸引部/負圧生成部を、前記粘着剤容器(48)及び/または前記粘着剤供給部(46)の領域内において有していることを特徴とする上記15から20のいずれか一つに記載の装置。
22. この装置は、ラベル貼付装置(10)、または、束状体へと、容器を片側または両側で粘着的に結合するための機械であり、
これら容器が、特にグラスボトルまたはプラスチックボトル、缶、またはその種の他の物であることを特徴とする上記15から21のいずれか一つに記載の装置。
23. この装置は、粘着剤の温度および粘性のための粘着剤センサー(54、56)を備えていること、および、
前記制御装置(52)が、前記粘着剤センサー(54、56)の出力信号に依存して、前記粘着剤のための加熱装置(64)、及び/または、制御器具、特に搬送ポンプ及び/または調節弁(44)を制御するように構想されていること、
を特徴とする上記15から22のいずれか一つに記載の装置。
24. 少なくとも1つの前記ガスセンサー(50)は、糊ロール(13)または噴霧装置(42)のような、粘着剤を引き渡す構造ユニットに、または、この構造ユニットの上方に配設されている、及び/または、直接的にこの構造ユニットに支承または固定されていることを特徴とする上記15から23のいずれか一つに記載の装置。
【符号の説明】
【0057】
10 ラベル貼付装置
12 真空ドラム
13 糊ロール
14 収容スペース-真空パッド
16 ラベル供給装置
17 エンドレスラベルテープ
18 切断ロール
20 移送ドラム
21 移送ドラムのラベル収容部
22 収容領域
24 ラベル
26 引渡し領域
28 吸引面
30 輸送装置の輸送スペース
32 容器処理装置の輸送装置
34 容器-瓶
36 収容スペースの真空室
38 ベースプレート内におけるパーフォレーション
40 塗布ユニット
42 噴霧装置
44 調節弁
46 粘着剤供給部
48 粘着剤容器
50 ガスセンサー
52 制御装置
54 温度センサー
56 粘性センサー
58 充填状態センサー
60 溶剤供給部
62 結合剤供給部
64 粘着剤容器または粘着剤供給部内における加熱装置
t 時間
t1、t2 時間間隔
k 強度
k1 強度領域
図1
図2
図3