(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】電子タバコ用使い捨てカートリッジの生産のための製造機
(51)【国際特許分類】
B65B 1/38 20060101AFI20221012BHJP
B65B 1/32 20060101ALI20221012BHJP
B65B 19/00 20060101ALI20221012BHJP
B65B 37/20 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B65B1/38
B65B1/32
B65B19/00
B65B37/20
(21)【出願番号】P 2020512800
(86)(22)【出願日】2018-09-04
(86)【国際出願番号】 IB2018056722
(87)【国際公開番号】W WO2019043662
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】102017000098791
(32)【優先日】2017-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ ミランドリ
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ ロベルシ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ カルボーニ
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ ロンツァーニ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ フェデリーチ
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/051349(WO,A1)
【文献】特表2018-535149(JP,A)
【文献】特開2007-308145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/00- 3/36
B65B 7/00- 7/28
B65B 19/00-23/22
B65B 37/00-39/14
A24C 1/00- 5/60
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子タバコ用使い捨てカートリッジ(1)の生産のための製造機(8)において:
第1の垂直回転軸(10;14)を中心として段階的に回転する形で組付けられ、第1の座部(12;16)の少なくとも1つの群(11;15)を支持する製造ドラム(9;13)であって、各々の第1の座部が前記使い捨てカートリッジ(1)の対応する構成要素(2;7)を収容するように適応されている、製造ドラムと;
補給ユニット(17;21)自体において静止している第1の座部(12;16)の群(11;15)のうちの前記第1の座部(12;16)に対して前記使い捨てカートリッジ(1)の対応する構成要素(2;7)を補給する、補給ユニット(17;21)と;
を含む製造機(8)であって、
前記補給ユニット(17;21)が、
前記第1の垂直回転軸(10;14)に対して平行な第2の回転軸(29;86)を中心として回転する状態で組付けられ、かつ前記使い捨てカートリッジ(1)の対応する構成要素(2;7)を収容するように適応されている各々少なくとも1つの第2の座部(32;89)を有する互いに対面したフィンガ(31;88)の少なくとも1つの群(30;87)を支持している補給ドラム(28;85)を含んでいること;
前記フィンガ(31;88)の群(30;87)が、挿入ステーション(S8;S9)において前記使い捨てカートリッジ(1)の対応する構成要素(2;7)を収容するように適応され、補給ステーション(S1;S5)において前記製造ドラム(9;13)の前記第1の座部(12;16)の群(11;15)に対して前記使い捨てカートリッジ(1)の前記構成要素(2;7)を解放するように適応されていること;
各フィンガ(31;88)が、
前記フィンガ(31;88)から離れるようにまたはこれらのフィンガに近づくように移動する目的で、前記補給ドラム(28;85)との関係において移動するべく前記補給ドラム(28;85)上に組付けられていること;
前記挿入ステーション(S8;S9)では第1の相互距離、そして前記補給ステーション(S1;S5)では前記第1の相互距離とは異なる第2の相互距離を置いて、前記フィンガ(31;88)を配設するようにフィンガ(31;88)を移動させる第1のアクチュエータ装置(33;90)が具備されていること;
を特徴とする製造機(8)。
【請求項2】
前記第2の相互距離が前記第1の相互距離より大きい、請求項1に記載の製造機(8)。
【請求項3】
前記第1の座部(12;16)の群(11;16)の前記第1の座部(12;16)が、互いに平行である少なくとも2本のラインに沿って配設されており;
各フィンガ(31;88)が、互いから所与の相互距離を置いて配設された少なくとも2つの座部(32;89)を有する、
請求項1または2に記載の製造機(8)。
【請求項4】
前記補給ユニット(17;21)が:
前記挿入ステーション(S8;S9)に向かって一列の構成要素(2;7)を補給する搬送チャネル(34;91)と;
前記挿入ステーション(S8;S9)の内部の構成要素(2;7)の漸進的下降に随伴するために前記搬送チャネル(34;91)に対し平行で前記搬送チャネル(34;91)の内部で可動である、随伴要素(37;94)と;
前記搬送チャネル(34;91)に結合され、前記挿入ステーション(S8;S9)の直ぐ上流側に配設され、構成要素(2;7)が前記挿入ステーション(S8;S9)に進入するのを可能にする開放位置と前記構成要素(2;7)が前記挿入ステーション(S8;S9)に進入するのを防止する閉鎖位置との間で可動であるゲート(38;95)と;
を含む、請求項1、2または3に記載の製造機(8)。
【請求項5】
前記補給ユニット(17;21)が、前記搬送チャネル(34;91)の内部の前記構成要素(2;7)の
正確な位置を検出するために、前記ゲート(38;95)において前記搬送チャネル(34;91)をフレーミングするビデオカメラ(T)を含んでおり;
前記随伴要素(37;94)および/または前記ゲート(38;95)の運動が、前記ビデオカメラ(T)によって検出された前記搬送チャネル(34;91)内部の前記構成要素(2;7)の前記正確な位置にしたがって制御される、請求項4に記載の製造機。
【請求項6】
前記挿入ステーション(S8)において、前記フィンガ(31)の前記第2の座部(32)が、前記搬送チャネル(34)と整列させられ、前記搬送チャネル(34)の下方に配設されており;
前記補給ユニット(17)が、前記搬送チャネル(34)の下方で前記挿入ステーション(S8)に配設され、前記構成要素(2)のための下部支持体を提供し、前記構成要素(2)の通過を可能にするように適応されている少なくとも1つの貫通孔(39)を有する可動支持平面(36)を含み;
前記補給ユニット(17)が、前記貫通孔(39)内の前記構成要素(2)の通過を防止する目的で前記貫通孔(39)が前記搬送チャネル(34)と整列させられていない充填位置、および前記貫通孔(39)内の前記構成要素(2)の通過を可能にする目的で前記貫通孔(39)が前記搬送チャネル(34)と整列させられている移送位置まで、
前記可動支持平面(36)を移動させる第2のアクチュエータ装置(40)を含んでいる;
請求項4又は5に記載の製造機。
【請求項7】
前記補給ユニット(17)が:
前記挿入ステーション(S8)内に配設され、前記使い捨てカートリッジ(1)の前記構成要素(2)を前記搬送チャネル(34)から前記フィンガ(31)の前記第2の座部(32)まで押すように垂直に可動である、第1のプッシャ(41)の群と;
前記第1のプッシャ(41)とは反対側にあり、前記フィンガ(31)の前記第2の座部(32)内に挿入され前記搬送チャネル(34)から前記フィンガ(31)の前記第2の座部(32)まで前記使い捨てカートリッジ(1)の前記構成要素(2)の前記下降に随伴するように垂直に可動である、第1の随伴要素(42)の群と;
を含む、請求項6に記載の製造機(8)。
【請求項8】
前記補給ステーション(S1;S5)において、前記フィンガ(31;88)の前記第2の座部(32;89)が、前記製造ドラム(9;13)の前記対応する第1の座部(12;16)に対し整列させられこの第1の座部を覆っている、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の製造機(8)。
【請求項9】
前記補給ユニット(17;21)が、前記補給ステーション(S1;S5)内に配設され、前記フィンガ(31;88)の前記第2の座部(32;89)から前記製造ドラム(9;13)の前記第1の座部(12;16)まで前記使い捨てカートリッジ(1)の前記構成要素(2;7)を押す目的で、前記フィンガ(31;88)の前記第2の座部(32;89)内に挿入されるために垂直に可動である第2のプッシャ(44;99)の群を含む、請求項8に記載の製造機(8)。
【請求項10】
前記補給ユニット(17;21)が、前記第2のプッシャ(44)とは反対側にあり、
前記製造ドラム(9)の前記第1の座部(12)内に挿入され前記フィンガ(31)の前記第2の座部(32)から前記製造ドラム(9)の前記第1の座部(12)まで前記使い捨てカートリッジ(1)の前記構成要素(2)の前記運動に随伴するように垂直に可動である、第2の随伴要素(45)の群を含んでいる、
請求項5に記載の製造機(8)。
【請求項11】
各々の第1の座部(12;16)が:
製造ドラム(9;13)を一方の側から他方の側に貫通し、構成要素(2;7)を格納するように適応された貫通収納チャネル(24;26)と;
前記貫通収納チャネル(24;26)内に嵌合され、
前記貫通収納チャネル(24;26)内に配設された構成要素(2;7)と係合する保持位置と
前記貫通収納チャネル(24;26)内に配設された構成要素(2;7)と係合しない移送位置との間で可動である、相対するジョー(25;27)の対と;
を含む、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の製造機(8)。
【請求項12】
ジョー(27)の各対において、少なくとも1つのジョー(27)が、このジョー(27)の頂部上に配設されこのジョー(27)から前記座部(16)の中心に向かって突出する歯(128)を含み、こうして
前記ジョー(27)が前記保持位置に配設されている場合に前記歯(128)が前記座部(16)の内側で前記頂部から前記構成要素(7)を保持するようになっている、請求項11に記載の製造機(8)。
【請求項13】
各々の使い捨てカートリッジ(1)が、濾材パッド(6)により覆われた一定量のタバコ(5)を格納する管状ケーシング(2)および前記管状ケーシング(2)に適用され溶接された封止リング(7)を含み;
前記補給ユニット(17)により補給される前記構成要素(2)が前記管状ケーシングである、
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の製造機(8)。
【請求項14】
各々の第2の座部(32)が、対応する管状ケーシング(2)を載置させる底部壁を有する盲穴によって形成されている、請求項13に記載の製造機(8)。
【請求項15】
各々の使い捨てカートリッジ(1)が、濾材パッド(6)により覆われた一定量のタバコ(5)を格納する管状ケーシング(2)および前記管状ケーシング(2)に適用され溶接された封止リング(7)を含み;
前記補給ユニット(21)により補給される前記構成要素(7)が、前記第1の座部(16)によって担持された管状ケーシングの周りに嵌合されることによって製造ドラム(13)の第1の座部(16)に補給される前記封止リング(7)である、
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の製造機(8)。
【請求項16】
各々の第2の座部(89)が、内側でかつ干渉を伴って、前記封止リング(7)を格納するように適応されている貫通孔によって形成されている、請求項15に記載の製造機(8)。
【請求項17】
各フィンガ(31;88)が、
前記フィンガ(31;88)から離れるようにまたはこれらのフィンガに近づくように移動する目的で、前記第2の回転軸(29;86)に直交する分離方向(D1)に沿って前記補給ドラム(28;85)との関係において並進運動するべく前記補給ドラム(28;85)上に組付けられており;
前記第1のアクチュエータ装置(33;90)が、前記挿入ステーション(S8;S9)では第1の相互距離、そして前記補給ステーション(S1;S5)では前記第1の相互距離とは異なる第2の相互距離を置いて、前記フィンガ(31;88)を配設するように前記分離方向(D1)に沿ってフィンガ(31;88)を並進運動させる、
請求項1ないし16のいずれか1項に記載の製造機(8)。
【請求項18】
前記補給ユニット(17;21)が、前記挿入ステーション(S8;S9)内に配設され前記使い捨てカートリッジ(1)の前記構成要素(2;7)を既定の所望の位置に配設するように適応されている心出し装置(119;126)を含む、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の製造機(8)。
【請求項19】
前記心出し装置(119;126)が、互いに並んで配設された複数の座部を有し、前記使い捨てカートリッジ(1)の前記構成要素(2;7)から離れた休止位置と前記使い捨てカートリッジ(1)の前記構成要素(2;7)と接触状態にある作業位置との間で線形的に可動である、心出し要素(120;127)を含む、請求項18に記載の製造機(8)。
【請求項20】
前記補給ユニット(17;21)が:
前記挿入ステーション(S8;S9)に対して一列の構成要素(2;7)を補給する搬送チャネル(34;91)と;
前記心出し要素(120;127)内に統合され、前記搬送チャネル(34;91)に結合され、前記挿入ステーション(S8;S9)の直ぐ上流側に配設され、構成要素(2;7)が前記挿入ステーション(S8;S9)内に進入できるようにする開放位置と前記構成要素(2;7)が前記挿入ステーション(S8;S9)内に進入するのを防止する閉鎖位置との間で可動であるゲート(38;95)と;
を含む、請求項19に記載の製造機(8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示が参照により本明細書に組込まれている2017年9月4日出願の伊国特許出願第102017000098791号からの優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、電子タバコ用の使い捨てカートリッジの生産のための製造機に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、微細孔付き底部壁および内部に格納された濾材製パッドにより覆われた一定量のタバコ粉末を伴う管状形状を有するプラスチック材料製のケーシングを含み、このケーシングがケーシング自体に溶接された封止リングを用いて上端部(すなわち微細孔付き底部壁と反対側)で閉鎖されている、電子タバコ用の使い捨て(単回使用)のカートリッジが提案されてきている。
【0004】
前記カートリッジの生産は、較正された量のタバコ粉末を各ケーシングに充填するステップ、所望の密度を得るためにケーシングの内部の一定量のタバコ粉末をわずかに圧縮するステップ、次に開放した上端部に対して濾過用パッドおよび封止リングの両方を適用することにより、ケーシングをキャッピングするステップを提供する。カートリッジはその後、内部に不充分なまたは過度の量の粉末タバコを保持する不適合カートリッジを廃棄できるようにするため、個別に計量される。
【0005】
カートリッジの生産がひとたび終了すると、封止されたパッケージ、典型的にはブリスタパッケージの中にこのカートリッジを挿入する。
【0006】
特許文献1、特許文献2、および特許文献3は、上述のタイプの電子タバコ用使い捨てカートリッジの生産のための製造機の一例を提供している。この製造機は、効率良く(すなわち時間単位内で生産されるカートリッジ数の観点から見た高い時間生産率で)かつ効果的に(すなわち少ない廃棄部片数量および高い最終品質で)動作することができる。しかしながら上述のカートリッジを使用する電子タバコには膨大な市場が認められ、したがって、上述のカートリッジのメーカは、特許文献1、特許文献2、および特許文献3といった特許出願中に記載の公知の製造機に比べて、さらに性能の高い、すなわちより高い時間生産率を有する製造機を必要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2017/051348号
【文献】国際公開第2017/051349号
【文献】国際公開第2017/051350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、充填ユニットが、高い品質基準を確保すると同時に生産が容易かつ廉価でありながら高い生産性を達成できるようにしている、電子タバコ用使い捨てカートリッジの生産のための製造機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、添付クレーム内で請求されている電子タバコ用使い捨てカートリッジの生産のための製造機が提供されている。
【0010】
クレームには、本開示の一部を成す本発明の好ましい実施形態が記載されている。
【0011】
本発明について以下で、そのいくつかの非限定的実施形態を例示する添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】電子タバコ用カートリッジの縦断面図である。
【
図2】
図1の電子タバコ用カートリッジを生産する製造機の斜視図である。
【
図3】明確さのため、いくつかの部分を除去した状態の、
図2の製造機の斜視図である。
【
図5】
図2の製造機の第1の製造ドラムの一部分の概略的縦断面図である。
【
図6】
図2の製造機の第2の製造ドラムの一部分の概略的縦断面図である。
【
図7】
図2の製造機の補給ユニットの概略的平面図である。
【
図8】拡張構成での
図7の管状ケーシングの補給ユニットのいくつかのフィンガの拡大図である。
【
図9】圧縮構成での
図7の管状ケーシングの補給ユニットのいくつかのフィンガの拡大図である。
【
図10】挿入ステーションにおける
図7の補給ユニットの一部分の概略的縦断面図である。
【
図11】挿入ステーションにおける
図7の補給ユニットの一部分の概略的縦断面図である。
【
図12】挿入ステーションにおける
図7の補給ユニットの一部分の概略的縦断面図である。
【
図13】
図2の製造機の充填ユニットの概略的平面図である。
【
図14】
図13の充填ユニットの一部分の概略的縦断面図である。
【
図15】
図2の製造機の濾材パッドの補給ユニットの、明確さのため部分的に除去した状態の斜視図である。
【
図18】
図15の補給ユニットのホッパおよび切断装置の概略的正面図である。
【
図19】
図15の補給ユニットのトレイの概略的および部分的縦断面図。
【
図20】
図15の補給ユニットのプッシャおよび対応する供給チャネルの概略的平面図である。
【
図21】
図2の製造機の移送ユニットの概略的縦断面図である。
【
図22】
図2の製造機の封止リングの補給ユニットの概略的平面図である。
【
図23】挿入ステーションにおける
図22の補給ユニットの一部分の概略的縦断面図である。
【
図24】補給ステーションにおける
図22の補給ユニットの一部分の概略的縦断面図である。
【
図25】
図2の製造機の溶接ユニットの概略的縦断面図である。
【
図26】
図2の製造機の出力ユニットの概略的縦断面図である。
【
図27】
図2の製造機の制御ステーションの概略的平面図である。
【
図28】挿入ステーションにおける、
図7の補給ユニットの一変形形態の概略的縦断面図である。
【
図29】挿入ステーションにおける、
図7の補給ユニットの一変形形態の概略的縦断面図である。
【
図30】
図28および29の補給ユニットの心出し装置の概略的平面図である。
【
図31】挿入ステーションにおける
図22の補給ユニットの一変形形態の概略的縦断面図である。
【
図32】挿入ステーションにおける
図22の補給ユニットの一変形形態の概略的縦断面図である。
【
図33】挿入ステーションにおける
図22の補給ユニットのさらなる一変形形態の概略的縦断面図である。
【
図34】
図2の製造機の一変形形態における第2の製造ドラムの一部分の概略的縦断面図である。
【
図35】ジョー対が把持位置に配設された状態の、
図34の第2の製造ドラムの座部の概略的上面図である。
【
図36】ジョー対が移送位置に配設された状態の、
図34の第2の製造ドラムの座部の概略的上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1において、番号1は、全体として電子タバコ用使い捨てカートリッジを表わす。使い捨てカートリッジ1は、微細孔付き底部壁3および実質的に円筒形の形状を有する側壁4を有するプラスチック材料製の管状ケーシング2を含み;濾材パッド6によって覆われて(底部壁3と接触した状態で)管状ケーシング2の内部に、一定量の粉末タバコ5が格納されている。最後に、使い捨てカートリッジ1は、濾材パッド6が脱出するのを防止するため、管状ケーシング2の(そうでなければ完全に開放している)上端部の周りに挿入されている封止リング7(すなわち封止座金7)を含み;好ましくは、封止リング7は管状ケーシング2に溶接されている。付属図に例示されている好ましいものの拘束力の無い実施形態によると、管状ケーシング2は、上端部(すなわち底部壁3の反対側で封止リング7に近い端部)の近くに膨らみ(すなわち横断方向に広がった部分)を有し;この膨らみは、上端部近くのアンダカットの存在を決定する。
【0014】
図2および3において、番号8は、全体として、上述の使い捨てカートリッジ1の生産用の製造機を表わす。製造機8は間欠的運動を行なう。すなわち、そのコンベヤは、モーションステップとストップステップを周期的に交番して行なう。
【0015】
図4に例示されているように、製造機8は、水平方向に配設され垂直回転軸10を中心として段階的に回転するように組付けられた製造ドラム9を含む。換言すると、製造ドラム9は、間欠的なモーションすなわち、製造ドラム9が動いているモーションステップと製造ドラム9が停止している静止ステップの周期的交番を提供する非連続的モーションで、回転させられる。製造ドラム9は、各々対応する管状ケーシング2を収容し格納するように適応された座部12の12組の群11を支持している。詳細には、各群11は、互いに平行である3本の直線(この3本の直線の各々が14個の座部12を有する)に沿って整列した42個の座部12を含み、12組の群11は、平面内で製造ドラム9の表面上で正多角形(すなわち十二面体)を画定するように配設されている。
【0016】
製造機8は、製造ドラム9の傍らで水平方向に配設され回転軸10に平行な垂直回転軸14を中心として段階的に回転するように組付けられたさらなる製造ドラム13を含む。換言すると、製造ドラム13は、間欠的なモーションすなわち、製造ドラム13が動いているモーションステップと製造ドラム13が停止している静止ステップの周期的交番を提供する非連続的モーションで回転させられる。製造ドラム13は、各々対応する管状ケーシング2を収容し格納するように適応された座部16の12組の群15を支持している。詳細には、各群15は、互いに平行である3本の直線(この3本の直線の各々が14個の座部16を有する)に沿って整列した42個の座部16を含み、12組の群15は、平面内で製造ドラム9の表面上で正多角形(すなわち十二面体)を画定するように配設されている。
【0017】
製造機8は補給ステーションS1を含み、この補給ステーションの中で、補給ユニット17が静止している群11の各座部12の中に対応する空の管状ケーシング2を挿入する。詳細には、補給ユニット17は、補給ステーションS1内で静止している群11の同数の座部12内に42個の空の管状ケーシング2を同時に挿入する。製造ドラム9の回転方向との関係における補給ステーションS1の下流側に、3つの充填ステーションS2が連続して配設されており、その各々のステーションに充填ユニット18が配設されており、これが、静止している群11の座部12により担持された各管状ケーシング2内へと、対応する一定量のタバコ5を補給する。詳細には、各々の充填ユニット18は、補給ステーションS2内で静止している群11の同数の座部12内に14組の一定量のタバコ5を同時に補給する。第1の補給ステーションS2の充填ユニット18は、第1の補給ステーションS2内で静止している群11の最も内側の列の同数の座部12の中に14組の一定量のタバコ5を補給し、第2の補給ステーションS2の充填ユニット18は、第2の補給ステーションS2内で静止している群11の中間列の同数の座部12内に14組の一定量のタバコ5を補給し、第3の補給ステーションS2の充填ユニット18は、第3の補給ステーションS2内で静止している群11の最も外側の列の同数の座部12内に14組の一定量のタバコ5を補給する。
【0018】
製造ドラム9の回転方向との関係において充填ステーションS2の下流側(すなわち最後の充填ステーションS2の下流側)には、補給ステーションS3が配設されており、この補給ステーションの中で、補給ユニット19は、静止している群11の座部12により担持されている各々の管状ケーシング2の中に、対応する濾材パッド6を補給する。詳細には、充填ユニット19は、補給ステーションS3内の静止している群11の同数の座部12の中に42個の濾材パッド6を同時に補給する。
【0019】
製造ドラム9の回転方向との関係において補給ステーションS3の下流側には、移送ステーションS4が配設されており、この移送ステーションの中で、移送ユニット20が製造ドラム9の群11の座部12から製造ドラム13の群15の座部16まで(各々一定量のタバコ5および濾材パッド6を格納する)管状ケーシング2を移送する。詳細には、移送ユニット20は、移送ステーションS4内で静止している群11の同数の座部12から移送ステーションS4内で静止している群15の同数の座部16まで、42個の管状ケーシング2を同時に移送する。移送ステーションS4内において、2つの製造ドラム9および13は部分的に重複していて、製造ドラム9の群11の座部12が製造ドラム13の群15の座部16と垂直方向で整列するようになっている。その結果として、移送ステーションS4内では、管状ケーシング2の移送は、線形の垂直運動(すなわち、製造ドラム9が製造ドラム13の下方に配設されている場合にはケーシング2の上昇、または製造ドラム9が製造ドラム13の上方に配設されている場合にはケーシング2の降下)によって行なわれる。
【0020】
製造ドラム13の回転方向との関係において挿入ステーションS4の下流側には、補給ステーションS5が配設されており、この中で補給ユニット21が、静止している群15の座部16によって担持されている各々の管状ケーシング2の中に対応する封止リング7を補給する。詳細には、充填ユニット21は、補給ステーションS5内で静止している群15の同数の座部16の中に42個の封止リング7を同時に補給する。製造ドラム13の回転方向との関係において補給ステーションS5の下流側には、3つの溶接ステーションS6が連続して配設されており、その各々の中で、溶接ユニット22が、(好ましくは超音波溶接によって)、静止している群15の座部16により担持されている対応する管状ケーシング2に対する各々の封止リング7の溶接を行なう。詳細には、各溶接ユニット22は、溶接ステーションS6内で静止している群15の座部16によって担持されている同数の管状ケーシング2に対し14個の封止リング7を同時に溶接する。第1の溶接ステーションS6の溶接ユニット22は、第1の溶接ステーションS6内で静止している群15の中間列の同数の座部16内に14個の封止リング7を溶接し、第2の溶接ステーションS6の溶接ユニット22は、第2の溶接ステーションS6内で静止している群15の最も外側の列の同数の座部16内に14個の封止リング7を溶接し、第3の溶接ステーションS6の溶接ユニット22は、第3の溶接ステーションS6内で静止している群15の最も内側の列の同数の座部16内に14個の封止リング7を溶接する。
【0021】
溶接ステーションS6において、使い捨てカートリッジ1の製造は完了する、すなわち溶接ステーションS6の下流側では、使い捨てカートリッジ1は完成しいつでも使用可能な状態になっている。製造ドラム13の回転方向との関係における溶接ステーションS6の下流側(すなわち最後の溶接ステーションS6の下流側)に、出力ステーションS7が配設されており、この中で、抜取りユニット23が、静止している群15の各座部16から外へ、対応する使い捨てカートリッジ1を引出す。詳細には、抜取りユニット23は、出力ステーションS7内で静止している群15の同数の座部16から42個の使い捨てカートリッジ1を同時に抜取る。
【0022】
以上のことから、同じ群11/15の座部12/16内に格納された使い捨てカートリッジ1の生産プロセスの全てのステップ(例えば、一定量のタバコ5の充填ステップ、濾材パッド6の補給ステップ、封止リング7の補給ステップ、封止リング7の溶接ステップ)が並行して実施される、すなわち、これらのステップが同じ群11/15の座部12/16内に格納された複数(14個または42個)の使い捨てカートリッジ1について同時に実施されることは明確である。
【0023】
図5に例示されているように、製造ドラム13の各々の座部12は、製造ドラム9を一方の側から他方の側に貫通し、管状ケーシング2を格納するように適応された貫通収納チャネル24を含む。詳細には各々の収納チャネル24は横断方向に管状ケーシング2より幅が広く、こうして管状ケーシング2が収納チャネル24の内部を通過できるようになっている(以下で説明する通り、各々の管状ケーシング2は、底部から補給ステーションS1内の対応する収納チャネル24内に進入し、移送ステーションS4内の対応する収納チャネル24の頂部から退出する)。製造ドラム13の各々の座部12はさらに、収納チャネル24内に嵌合され、収納チャネル24内に配設された管状ケーシング2と係合している(こうして収納チャネル24を通る管状ケーシング2の下降を防止している)保持位置(
図5の右側の2つの座部12内に例示)と収納チャネル24内に配設された管状ケーシング2と係合していない(こうして収納チャネル24に沿った管状ケーシング2の自由な摺動を可能にする)移送位置(
図5の左側の座部12内に例示)との間で可動である一対の相対するジョー25を含む。好ましい実施形態によると、相対するジョー25は、管状ケーシング2の上部部分の横断方向の膨らみによって形成されたアンダカットの直ぐ下方に配設されており、ジョー25が保持位置に配設されている場合(
図5中の右側の2つの座部12内に例示)前記アンダカットがジョー25に載置されるようになっている。付属図に例示されている実施形態において、各々の収納チャネル24の軸方向長さは、管状ケーシング2の軸方向長さよりも(わずかに)長く、したがって、管状ケーシング2は収納チャネル24内に(いかなる突出もなく)完全に格納される。例示されていない他の完全に等価の実施形態によると、各々の収納チャネル24の軸方向長さは、管状ケーシング2の軸方向長さよりも長く、あるいは、各収納チャネル24の軸方向長さは管状ケーシング2の軸方向長さよりも短かい(この最後の場合、管状ケーシング2は収納チャネル24内に完全に格納されておらず、したがって収納チャネル24の頂部および/または底部から突出している)。
【0024】
付属図に例示されている実施形態において、各座部12の2つのジョー25は、限定的な軸方向延在を有しており、すなわち、これらのジョーは、収納チャネル24よりも(はるかに)短かい。換言すると、付属図に例示された実施形態において、各座部12の2つのジョー25は、ジョー25の上方および下方に固定壁を有する収納チャネル24の限定された部分と係合する。例示されていない完全に等価の変形実施形態によると、各座部12の2つのジョー25は、同様に収納チャネル24の内部の軸方向の延在と一致し得るより大きな軸方向の延在を有する。換言すると、収納チャネル24は、2つのジョー25の上方のみに固定壁を有し得るか、2つのジョー25の下側のみに固定壁を有し得るか、または、収納チャネル24は、2つのジョー25の上方にも下方にも固定壁を有していなくてもよい(すなわち、収納チャネル24は、固定壁を有さず、2つのジョー25のみを有していてよい)。
【0025】
図6に例示されているように、製造ドラム13の各々の座部16は、製造ドラム13を一方の側から他方の側に貫通し、管状ケーシング2を格納するように適応された貫通収納チャネル26を含む。詳細には各々の収納チャネル26は横断方向に管状ケーシング2より幅が広く、こうして管状ケーシング2が収納チャネル26の内部を通過できるようになっている(以下で説明する通り、各々の管状ケーシング2は、底部から補給ステーションS1内の対応する収納チャネル26内に進入し、つねに移送ステーションS4内の対応する収納チャネル26の底部から退出する)。製造ドラム13の各々の座部16はさらに、収納チャネル26内に嵌合され、収納チャネル26内に配設された管状ケーシング2と係合している(こうして収納チャネル26を通る管状ケーシング2の下降を防止している)保持位置(
図6の右側の2つの座部16内に例示)と収納チャネル26内に配設された管状ケーシング2と係合していない(こうして収納チャネル26に沿った管状ケーシング2の自由な摺動を可能にする)移送位置(
図6の左側の座部16内に例示)との間で可動である一対の相対するジョー27を含む。好ましい実施形態によると、相対するジョー27は、管状ケーシング2の上部部分の横断方向の膨らみによって形成されたアンダカットの直ぐ下方に配設されており、ジョー27が保持位置にある場合(
図6中の右側の2つの座部16内に例示)前記アンダカットがジョー27に載置されるようになっている。付属図に例示されている好ましい実施形態において、各々の収納チャネル26の軸方向長さは、管状ケーシング2の軸方向長さよりも(わずかに)短く、したがって、管状ケーシング2は収納チャネル26の上方および下方の両方から(わずかに)突出する。例示されていない他の完全に等価の実施形態によると、各々の収納チャネル24の軸方向長さは、管状ケーシング2の軸方向長さよりも(はるかに、またはわずかに)長く、あるいは、各収納チャネル26の軸方向長さは管状ケーシング2の軸方向長さよりも大幅に短かい(この後者の場合、管状ケーシング2は収納チャネル26の上方および下方の両方から大幅に延在する)。
【0026】
付属図に例示されている実施形態において、各座部16の2つのジョー27は、限定的な軸方向延在を有しており、すなわち、これらのジョーは、収納チャネル26よりも(はるかに)短かい。換言すると、添付図に例示された実施形態において、各座部16の2つのジョー27は、ジョー27の上方および下方に固定壁を有する収納チャネル26の限定された部分と係合する。例示されていない完全に等価の変形実施形態によると、各座部16の2つのジョー27は、同様に収納チャネル26の内部の軸方向の延在と一致し得るより大きな軸方向の延在を有する。換言すると、収納チャネル26は、2つのジョー27の上方のみに固定壁を有し得るか、2つのジョー27の下側のみに固定壁を有し得るか、または収納チャネル26は、2つのジョー27の上方にも下方にも固定壁を有していなくてもよい(すなわち、収納チャネル26は、固定壁を有さず、2つのジョー27のみを有していてよい)。
【0027】
補給ユニット17は、補給ユニット17において静止している(すなわち補給ステーションS1内で静止している)座部12の群11の座部12に対し管状ケーシング2を補給する。
図7に例示されているように、補給ユニット17は、製造ドラム9の回転軸10に平行な垂直回転軸29を中心として段階的に回転するように組付けられた(平行六面体の形状を有する)補給ドラム28を含む。補給ドラム28は、相対するフィンガ31の2つの群30を支持する(すなわち、2つの群30は回転軸28の相対する側に配設されている)。各群30は、互いに平行で並んだ14個のフィンガ31を含み、各フィンガ31は、(
図8および9により良く例示されているように)対応する管状ケーシング2を収容するように各々適応されている3個の座部32を有する。各フィンガ31の座部32の数が製造ドラム9の座部12の各群11のライン数に等しいことを指摘しておくことが重要である。
図10、11および12中で例示されているように、各々の第2の座部32は、上に対応する管状ケーシング2が載っている底部壁を有する(対応するフィンガ31の内部で得られる)盲穴によって形成される。
【0028】
図7に例示されているように、フィンガ31の各群30は、挿入ステーションS8において対応する管状ケーシング2(詳細には42個の管状ケーシング2)を収容するように適応されており、かつ補給ステーションS1内で静止している製造ドラム9の座部12の群11に対して管状ケーシング2(詳細には42個の管状ケーシング2)を解放するように適応されている。さらに、各フィンガ31は、隣接するフィンガ31から離れるかまたはこれに近づくように移動する目的で回転軸29に直交する分離方向D1に沿って補給ドラム28との関係において並進運動するべく補給ドラム28上に組付けられている。補給ドラム28にはアクチュエータ装置33が具備され、この装置が分離方向D1に沿ってフィンガ31を並進運動させて、フィンガ31を挿入ステーションS8内で第1の相互距離を置いてそして補給ステーションS1では第1の相互距離とは異なる第2の相互距離を置いて配設することになる。付属図で例示された実施形態において、第2の相互距離は第1の相互距離より大きい。
【0029】
付属図で例示された実施形態において、各群30のフィンガ31は、分離方向D1に沿った並進運動によって、他のフィンガとの関係において移動する。例示されていない異なるが完全に等価の実施形態によると、各群30のフィンガ31は、回転-並進運動によってかまたは分離方向D1に沿った成分を有する回転によって、互いとの関係において移動する。
【0030】
アクチュエータ装置33の機能は、付属図で例示された実施形態において挿入ステーションS8では9.5mmのピッチを有し、補給ステーションS1においては12mmのピッチを有する管状ケーシング2間のピッチ(すなわち相互距離)を修正することにある。管状ケーシング2間のピッチ(すなわち相互距離)の増大は、補給ステーションS1(
図9、12mmに等しいピッチ)内および挿入ステーションS8(
図8、9.5mmに等しいピッチ)内の(座部32を担持する)フィンガ31を示す
図8および9において明確に見ることができる。好ましい実施形態によると、アクチュエータ装置33は受動的な(すなわち自律的に運動を生成する供給源を全く有していない)ものであり、回転軸29を中心とする補給ドラム28の回転運動を使用することによってフィンガ31を移動させるカムを使用している。好ましいものの拘束力をもたない実施形態によると、カムアクチュエータ装置33は、弾性要素が備わっていないデスモドロミックタイプのものである、すなわち、フィンガ31の並進運動はつねに、弾性推力を用いることなく両方向にフィンガ31を移動させるカムによって付与される。
【0031】
互いに等価の異なる実施形態によると、アクチュエータ装置33は、各群30のフィンガ31を、補給ステーションS1内(補給ドラム28が静止しているとき)、挿入ステーションS8内(補給ドラム28が静止しているとき)、または補給ステーションS1と挿入ステーションS8の間の経路内(補給ドラム28が動いているとき)に並進運動させることができる。明らかに、アクチュエータ装置33がモータ(典型的には電気モータ)を含む場合には、アクチュエータ装置33は、補給ドラム28が静止しているときでさえ、各群30のフィンガ31を並進運動させることができる。一方、アクチュエータ装置33が、補給ドラム28の回転運動を活用するカムを含む場合には、アクチュエータ装置33は、補給ドラム28が動いている場合にのみ各群30のフィンガ31を並進運動させることができる。
【0032】
図7に例示されているように、補給ユニット17は、下向きに傾斜され(ただし水平でもあり得る)挿入ステーションS8に向かって3つのそれぞれの管状ケーシング列2を補給する3つの搬送チャネル34を含む。
図7で明白であるように、補給ステーションS8において、各々の搬送チャネル34は各フィンガ31内の対応する座部32に結合(整列)されている。
図10および11により良く例示されているように、各々の搬送チャネル34は、(添付図に例示されている通り2重か、または単一または3重であり得る)対応する側面35によって側方で境界画定され、底部においては支持平面36によって境界画定されている。搬送チャネル34は、単に重力のみによって(下向きの傾斜を活用することによって)か、または圧縮空気ブロワ(ブロワエアコンベヤ)または振動(振動型コンベヤ)を追加することによって、それぞれの管状ケーシング列2を補給することができる。代替的には、搬送チャネル34がそれぞれの管状ケーシング列2を挿入ステーションS8に向かって補給するということを唯一の制約条件として、搬送チャネル34の他の構成も同様に可能である。
【0033】
図7に例示されているように、補給ユニット17は同様に、各々対応する搬送チャネル34に結合された3つの平行なプロングを有する随伴要素37も含んでいる。詳細には、随伴要素37は、挿入ステーションS8の内部の管状ケーシング2の漸進的下降に随伴するべく搬送チャネル34に対し平行で搬送チャネル34内を可動である。その上、補給ユニット17は、搬送チャネル34に結合され、挿入ステーションS8の直ぐ上流側に配設され、すなわち、挿入ステーションS8の始まりを境界画定する管状ケーシング2が、挿入ステーションS8に進入できるようにする開放位置と管状ケーシング2が挿入ステーションS8に進入するのを防止する閉鎖位置との間で可動であるゲート38を含む。
【0034】
使用中、挿入ステーションS8が満杯である場合(すなわち、
図7に例示されている通り、挿入ステーションS8内で、3本の搬送チャネル34内に14個の管状ケーシング2からなる3つの列の形で42個の管状ケーシング2が配設されている場合)、ゲート38は閉鎖され(すなわち閉鎖位置で配設され)て、挿入ステーションS8内に含まれている搬送チャネル34の区分を、搬送チャネル34の残りの区分から「隔離」し、次に挿入ステーションS8内の42個の管状ケーシング2は(以下で説明する方法を用いて)搬送チャネル34から、挿入ステーションS8内で静止している群30のフィンガ31の座部32まで移送される。挿入ステーションS8内に存在する42個の管状ケーシングが搬送チャネル34から挿入ステーションS8内で静止している群30のフィンガ31の座部32まで移送された時点で、挿入ステーションS8は空である(すなわち管状ケーシング2を全く備えていない)。この時点で、随伴装置37のプロングは、ゲート38に達するまで搬送チャネル34に沿って補給され、したがってゲート38は開放され(すなわち開放位置に配設され)て、管状ケーシング2が、重力によって3つの搬送チャネル34に沿って摺動して再び挿入ステーションS8に進入できるようにする。3つの搬送チャネル34に沿ったそして挿入ステーションS8内での管状ケーシング2の下降は自由(すなわち無制御)ではなく、3つの搬送チャネル34に沿った(他の管状ケーシング2が追従する)最初の3つの管状ケーシング2の下降を制御された既定の速度で随伴するために対応する最初の3つの管状ケーシング2に載置された随伴要素37の3つのプロングにより制御されている。随伴要素37の作用に起因して、管状ケーシング2は決して「放棄される」ことがなく、したがって、搬送チャネル34内部で「傾動する」可能性は全く無い。
【0035】
好ましい実施形態によると、ゲート38は、各搬送チャネル34について、搬送チャネル34に沿って上流側に配設された管状ケーシング2のさらなる前進を防止するために2つの連続する管状ケーシング2間に(閉鎖位置で)挿入される対応するくさび形状の停止要素を含んでいる。
【0036】
図10および11に例示されているように、挿入ステーションS8において、フィンガ31の座部32は、対応する搬送チャネル34と整列させられており、搬送チャネル34によって担持された各管状ケーシング2がフィンガ31の対応する座部32と垂直方向に整列させられるような形で対応する搬送チャネル34の下方に配設されている。前述の通り、搬送チャネル34は、管状ケーシング2が載置されている支持平面36を含む。挿入ステーションS8において、支持平面36は、各々管状ケーシング2の通過を可能にするように適応された複数の貫通孔39を有する。その上、支持平面36は、少なくとも挿入ステーションS8内で、貫通孔39内の管状ケーシング2の通過を防止するために(すなわち、搬送チャネル34内に格納された管状ケーシング2との関係において貫通孔39を不整列状態にするために)貫通孔39が対応する搬送チャネル34との関係において整列していない充填位置(
図10に例示)と、貫通孔39内の管状ケーシング2の通過を可能にするために(すなわち、搬送チャネル34内に格納された管状ケーシング2との関係において貫通孔39を整列させるために)貫通孔39が対応する搬送チャネル34と整列させられている移送位置(
図11に例示)との間で、(アクチュエータ装置40の推力下で)可動である。詳細には、アクチュエータ装置40は、分離方向D1に直交し、回転軸29に直交しかつ搬送チャネル34に直交する制御方向D2に沿って支持平面36を並進運動させることにより、充填位置(
図10に例示)と移送位置(
図11に例示)の間で支持平面36を移動させる。考えられる実施形態によると、貫通孔39は互いに分離されておらず、共に単一のスロット(すなわち細長い形状をもつ単一の大きな貫通孔39)を形成する。
【0037】
図10および11に例示されているように、補給ユニット17は、挿入ステーションS8内に配設され、管状ケーシング2を搬送チャネル34から挿入ステーションS8内で静止している群30のフィンガ31の座部32まで押すために垂直に可動である一群(42本)のプッシャ41を含む。さらに補給ユニット17は、プッシャ41とは反対側にあり、挿入ステーションS8内で静止している群30のフィンガ31の座部32内に挿入され搬送チャネル34からフィンガ31の座部32まで管状ケーシング2の下降に随伴するように垂直に可動である、一群(42本)の随伴要素42を含む。フィンガ31の各座部32は、貫通孔43(管状ケーシング2の進入を防止するのに充分なほど小さいもの)を有し、これを通って、随伴要素42が底部から座部32まで進入できる。
【0038】
換言すると、挿入ステーションS8において、各管状ケーシング2は、(支持平面36の貫通孔39を通過する)搬送チャネル34により、挿入ステーションS8内で静止している群30のフィンガ31の下にある座部32まで移送され、こうして、垂直方向下向きの運動を行ない、この運動中、管状ケーシング2は、頂部ではプッシャ41によりそして底部ではアクチュエータ装置42により係合される(すなわち、頂部に配設されたプッシャ41と底部に配設された随伴要素42との間に「挟まれ」ている)。この点に関して、垂直方向下向きの運動がいずれの場合でも重力により管状ケーシング2上に付与されることから、プッシャ41および随伴要素42は厳密に必要ではないと考えられるということを指摘しておくことが重要である。しかしながら、プッシャ41および随伴要素42が存在することによって、管状ケーシング2に対し制御された運動を付与することが可能となり、これにより管状ケーシング2の位置付け不正または跳ね返りはことごとく防止される。
【0039】
図12に例示されているように、補給ステーションS1内で静止している群30のフィンガ31の座部32は、補給ステーションS1内で静止している群11の対応する座部12と整列しており、こうして、フィンガ31の座部32により担持されている各管状ケーシング2は、製造ドラム9の対応する座部12と垂直に整列させられるようになっている。
図12で例示されている通り、補給ユニット17は、補給ステーションS1内に配設されかつ補給ステーションS1内で静止している群30のフィンガ31の座部32の内部に(貫通孔43を通して)挿入されるべく垂直に可動であり、こうして管状ケーシング2をフィンガ31の座部32から補給ステーションS1内で静止している群11の座部12まで押す一群(42本)のプッシャ44を含む。その上、補給ユニット17は、プッシャ44とは反対側にありかつフィンガ31の座部32から製造ドラム9の座部12までの管状ケーシング2の上昇に随伴するように垂直に可動である一群(42本)の随伴要素45を含む。上述のように、フィンガ31の各座部32は、下部部分内の(管状ケーシング2の進入を防止するのに充分なほど小さい)貫通孔43を有し、この貫通孔を通って、プッシャ44は底部から座部32内に進入することができる。
【0040】
換言すると、補給ステーションS1において、各管状ケーシング2は、補給ステーションS1内で静止している群30のフィンガ31の座部32から、補給ステーションS1内で静止している群11の上にある座部12まで、垂直方向上向き運動を行なうことによって移送され、この運動中、管状ケーシング2は底部ではプッシャ44により、そして頂部では随伴要素45により係合されている(すなわち、底部に配設されたプッシャ44と頂部に配設された随伴要素45の間に「挟まれ」ている)。この点に関して、随伴要素45は厳密に必要ではないと考えられるということを指摘しておくことが重要である。しかしながら、随伴要素45が存在することによって、管状ケーシング2に対し制御された運動を付与することが可能となり、これにより管状ケーシング2の位置付け不正または跳ね返りはことごとく防止される。
【0041】
前述のように、製造ドラム9の各々の座部12は、製造ドラム9を一方の側から他方の側に貫通し管状ケーシング2を格納するように適応されている貫通収納チャネル24、および収納チャネル24内に嵌合されかつ収納チャネル24内に配設された管状ケーシング2と係合している保持位置と収納チャネル24内に配設された管状ケーシング2と係合していない移送位置との間で可動である一対の相対するジョー25を含む。製造ドラム9の対応する座部12内への管状ケーシング2の進入中、2つのジョー25は移送位置に保たれ、次に座部12内への管状ケーシング2の進入が完了した時点で初めて、次に2つのジョー25は保持位置に入る。
【0042】
各々の充填ユニット18は、その全体的構造において、充填ユニット18のより詳細な説明のために参照すべき特許文献1、特許文献2および特許文献3という特許出願中に記載され例示されている充填ユニットと類似のものである。
【0043】
図13に例示されているように、各々の充填ユニット18は、水平方向に配設され回転軸10に平行な垂直回転軸47を中心と段階的に回転する状態で組付けられている円筒形状のタンク46を含む。換言すると、タンク46は、間欠的モーション、すなわち、タンク46が動いているモーションステップとタンク46が停止している静止ステップの周期的交番を提供する非連続的モーションで回転させられる。各タンク46は、製造ドラム9の傍らに配設されており、充填ステーションS2において製造ドラム9と部分的に重複している。詳細には、タンク46は、(
図14で例示されているように)充填ステーションS2で製造ドラム9の頂部上に来るように製造ドラム9より高く配設される。各タンク46は、各々対応する一定量のタバコ5を収容し格納するように適応された座部49の6つの群48を支持する。詳細には、各群48は直線に沿って整列した14個の座部49を含み、6組の群48は、平面内で環状タンク46の表面上に正多角形(すなわち六角形)を画定するように配設されている。
【0044】
各タンク46は、底部で、円形形状のベースディスク50により境界画定され、側面ではベースディスク50に直交して突出する円筒形の側壁51によって境界画定されている。座部49は、ベースディスク50内に得られる、すなわち、座部49はベースディスク50を貫通して設けられた円形貫通孔により(部分的に)形成されている。中央で、ベースディスク50から、円筒形中央要素52は上昇し、これにより、タンク46の内部体積に環状形状(すなわち「ドーナツ」形状)が与えられる。
【0045】
各タンク46は、(少なくともその端部部分内で)垂直に配向されタンク46の内部に配設された出口開口部を有する円筒形の補給ダクト53に結合されている。補給ダクト53は、タンク46のベースディスク50に載置された床を形成するタバコ流を、タンク46の内部で連続的に補給する。
【0046】
各々の充填ユニット18は、充填ステーションS2において固定位置で(すなわちタンク46と共に回転することなく)配設され、充填ステーションS2内で静止している群48の座部49内に格納された一定量のタバコ5を、製造ドラム9の充填ステーションS2内で静止している群11の対応する座部12内へと移送する移送装置54を含む。
図14に例示されているように、各充填ステーションS2において、タンク46(すなわちタンク46のベースディスク50)は、タンク46の群48の座部49が垂直方向に整列させられ製造ドラム9の群11の座部12の上方に配設されるような形で製造ドラム9と部分的に重複している。その結果、各々の充填ステーションS2において、一定量のタバコ5の移送は、線形かつ垂直方向下向きの運動(すなわち一定量のタバコ5の下降)を用いて行なわれる。各々の転送装置54は、充填ステーションS2内で静止している群48の対応する座部49に各々結合され、対応する座部49内に格納された一定量のタバコ5を下向き、すなわち、静止している対応する管状ケーシング2に向かって押すための交番する垂直モーションが備わった複数のプッシャ55を含む。
【0047】
図14に例示されているように、ベースディスク50の下方には、ベースディスク50と製造ドラム9の間(すなわち一定量のタバコ5を格納する座部49と管状ケーシング2を格納する座部12の間)に間置されているさらなる中間ディスク56が配設されている。中間ディスク56を通して、貫通孔の群が形成され、これらの貫通孔は、中間ディスク56自体の外部に向かって下向きに突出するそれぞれの補給ダクト51を用いて内部がライニングされている。使用中、製造ドラム9の座部12内に収納され対応する充填ステーションS2内で静止している各々の管状ケーシング2は、プッシャ58により上向きに(すなわち中間ディスク56に向かって)押されて、その上部開放端部をそれぞれの補給ダクト57の口と接触させる。考えられる一実施形態によると、各々の補給ダクト57の吐出口は、漏斗状(すなわち円錐台形)であり得る。考えられる一実施形態によると、各々の補給ダクト57の吐出口は、対応するプッシャ58により管状ケーシング2自体が上向きに(すなわち中間ディスク56に向かって)押された時点で、対応する管状ケーシング2の開放した上部端部の内部に部分的に挿入され得る。
【0048】
図14に例示されている好ましい実施形態によると、各座部49は、入れ子式メカニズムに起因して可変的な軸方向サイズ(したがって可変的体積)を有する。すなわち、各座部49は、管状ライナ59を用いてかつ管状ライナ59の周りに部分的に配設され管状ライナ59自体との関係において摺動し得るさらなる管状ライナ60によってライニングされたベースディスク50を通って設けられた貫通孔によって形成されている。使用中、管状ライナ60は(下にある中間ディスク56と共に)、軸方向に摺動して、座部49の全体的体積を変動させることができる。
【0049】
座部49の各群48の直ぐ下方には、空気を透過できる(ただしタバコは通すことができない)プラグ62およびプラグ62の傍らに配設された貫通孔63が具備されているシャッタ要素61が配設されている。各々のシャッタ要素61は、対応するプラグ62が座部49自体の底部を閉じタバコの下降を防止するために各座部49の下に配設されている閉鎖位置(
図14に例示)と、タバコの下降を可能にするべく対応する貫通孔63が各座部49の下方に配設されている開放位置との間で、アクチュエータ装置64の推力の下で半径方向に移動するように可動な形で組付けられている。使用中、アクチュエータ装置64は各々のシャッタ要素61を充填ステーションS2の外部で閉鎖位置(
図14に例示)に保ち、シャッタ要素61を充填ステーションS2内部の開放位置まで移動させて、座部49から製造ドラム9の座部12により担持された対応する管状ケーシング2に向かっての一定量のタバコ5の下降を可能にする。
【0050】
例示された実施形態において、各プラグ62は、通気性を有し(ただしタバコは通さない)、座部49内へのタバコの進入に有利に作用する傾向をもつ座部49に対する底部吸引の適用を可能にする。詳細には、各プラグ62は、空気が貫通孔を通過できるもののタバコは通過できないような形でタバコ繊維のサイズよりも小さいサイズの複数の貫通孔が存在することに起因して、通気性を有する。使用中、一定量のタバコ5を形成する間(すなわち充填ステーションS2の外部で)、吸引源が補給ダクト57に連結されて補給ダクト57内部に減圧を生成し、この減圧は通気性を有するプラグ62を通して同じく座部49の内部にも付加され、こうして座部49内へのタバコの進入に有利に作用する。
【0051】
例示されていない異なる実施形態によると、各プラグ62は完全に封止されている(すなわち、通気性またはタバコ透過性をもたない)。
【0052】
好ましい実施形態によると、アクチュエータ装置64は、回転軸47を中心とするタンク46の回転とは独立してシャッタ要素の摺動を制御する(座部49の各群48についてシャッタ要素61が存在する)。このようにして、対応する充填ステーションS2内で管状ケーシング2に向かって一定量のタバコ5を下降させずに、回転軸47を中心としてタンクを回転させることが可能である。この可能性(すなわち、一定量のタバコ5を下降させない回転軸47を中心としたタンク46の回転)は、停止の後に製造機8が始動されたとき、一定量のタバコ5を下降させる前にタンク46の内部に適切な厚みで均一のタバコ床を形成すること可能にする目的で使用され、製造機8の作動時にそして充填ステーションS2内の何らかの機能不良および/または廃棄の場合に、管状ケーシング2(全て)は存在しない。
【0053】
考えられる実施形態によると、アクチュエータ装置64は、一定量のタバコ5が座部49から下降したとき各シャッタ要素61が、閉鎖位置と開放位置の間で一連のストロークを(素早く)実施(すなわち座部49を数回開閉する)して、座部49を「振動させ」、ひいては座部49内部に存在する全てのタバコの下降に有利に作用するような形で、シャッタ要素61の摺動を制御する。
【0054】
図13および14に例示された考えられる実施形態によると、各々の充填ユニット18は、通気性プラグ62の清浄を行なうため、すなわち座部49に新たな一定量のタバコ5が充填される前にプラグ62の貫通孔内に「固着した」あらゆるタバコ残留物を通気性プラグ62から除去するため、充填ステーションS2において固定位置に配設された(すなわちタンク26と共に回転しない)清浄装置110を含む。換言すると、対応する一定量のタバコ5をタンク46の座部49から充填ステーションS2内で静止している群11の座部12まで移送することによってタンク46の座部49を空にした後、一定量のタバコ5を再形成するために他のタバコをタンク46の座部49に充填するステップを再度開始する前に、通気性プラグ62は、通気性プラグ62の貫通孔内に「固着した」あらゆるタバコ残留物を除去する清浄装置110を用いて清浄される。清浄装置110は、各サイクルにおいて、サイクルの群毎に(例えば3~5サイクル毎)、または随時、通気性プラグ62を清浄することができるという点を指摘しておくことが重要である。
【0055】
好ましい実施形態によると、清浄装置110は、通気性プラグ62の貫通孔からあらゆる異物を取り除くため、強力な圧縮空気噴流を通気性プラグ62に向かわせる。そのため、清浄装置110は、各通気性プラグ62について、このプラグ62に圧縮空気噴流を向かわせる(少なくとも)1つの対応するノズルを含む。考えられる一実施形態によると、清浄装置110は、プラグ62がシャッタ要素61の運動により座部49から離れるように移動させられたときに通気性プラグ62に作用するように、座部49の傍らに配設されている。この実施形態において、通気性プラグ62は、座部49から(比較的)遠いところにある場合に、すなわち、対応する一定量のタバコ5を解放するために底部で座部49が開放されたときに清浄装置110により清浄される。一変形実施形態によると、清浄装置110は、プラグ62が座部49に結合されたとき通気性プラグ62に作用するために、座部49に配設される。明らかに、この清浄ステップは、一定量のタバコ5を座部49から抜取った後で、新たなタバコを座部49に進入させるステップを開始する前に行なわれる。
【0056】
図16および17に例示されているように、濾材パッド6は、濾材の対応する部片65の横断方向切断を用いて得られる。すなわち、濾材の部片65は、濾材パッド6を得るために「スライス」される。この点に関して、濾材の各部片65の軸方向長さが濾材パッド6の軸方向長さの内部倍数に等しいという点を指摘しておくことが重要である。例えば、濾材の各部片65は、114mmの軸方向長さを有することができると考えられ、各々の濾材パッド6は4.75mmの軸方向長さを有する(したがって、濾材の各部片65から24個の濾材パッド6が得られる)。
【0057】
補給ユニット19(
図15に全体として例示)は、一群の濾材部片65を供給する供給装置66を含む。付属図で例示された実施形態において、前記群は、14個の濾材部片65を含むか、または群11のライン内の座部12の数と等しい数の濾材部片65を含む。さらに、補給ユニット19は、濾材パッド6のそれぞれの群を濾材部片65の群から分離する目的で濾材部片65の群の横断方向切断を周期的に実施する切断装置67を含む。最後に、補給ユニット19は、横断方向切断の直後に濾材パッド6の群をピックアップし、補給ステーション33内で静止している群11の対応する座部12内に濾材パッド6を挿入する移送装置68を含む。
【0058】
供給装置66は、複数の濾材部片65を収容する一群の垂直チャネル70が具備されたホッパ69(
図18により良く例示)を含む。垂直チャネル70に沿って、濾材部片65は、濾材部片65がホッパ69から軸方向に抜取りされる(すなわち、ホッパ69から軸方向に押し出される)下部部分に達するまで、重力により下降する。供給装置66は、濾材部片65を漸進的に垂直チャネル70から外へそして切断装置67に向かって押すように対応する垂直チャネル70の下部部分と各々係合している一群の水平プッシャ71(
図16および17には、そのうち1つのみが見える)を含む。
【0059】
好ましい実施形態によると、濾材部片65は、上部ホッパ内に装填され次に深部到達ドラムに供給される個別のトレイに由来し、この深部到達ドラムは、同じ軸上に組付けられた一対のブレードを用いて、初期のものよりも高い長さ精度で所望の長さの濾材部片65を得ることおよび貯蔵および輸送に起因するへこみまたはしわを有する可能性のある端部を除去することの両方を目的として各々のフィルタの端部部分を除去する。トリミングされた濾材部片65の流れは、高所まで持って行かれ、ホッパ69への補給を行なう垂直チムニの内部で従来のダウンドロップを用いて搬送され、このホッパ69内で、濾材部片65は、段によって分離され離隔されて、次に、水平プッシャ71が濾材部片65を抜取るホッパ69のベースにおいて一度に一列ずつ落下する。
【0060】
好ましい実施形態によると、各々の水平プッシャ71は、対応する濾材部片65(すなわち切断装置67とは反対側の濾材部片65のベース壁)と接触し、吸引が備わっている(すなわち吸引を用いて濾材部片65を保持するように適応されている)自由端部を有する。
【0061】
図16および17に例示されているように、供給装置66は、垂直チャネル70の下部部分から切断装置67まで濾材部片65を持っていく第1の順方向ストローク、各々濾材パッド6の軸方向サイズに等しい範囲を有する後続する複数の第2の順方向ストローク、そして最後に、水平プッシャ71を切断装置67から離れるように移動させ、水平プッシャ71を垂直チャネル70の外に戻す1つの単一逆方向ストロークを含む作業サイクルを水平プッシャ71の群に付与するアクチュエータ装置72を含む。換言すると、当初、各々の水平プッシャ71は、濾材部片65の完全な下降を可能にし、その後この濾材部片がホッパ69の下部部分に到達するようにするため、対応する垂直チャネルの完全に外部に配設されている。この時点で、各々の水平プッシャ71は第1の順方向ストロークを実施し、このストローク中に、水平プッシャ71はホッパ69の下部部分に進入し、切断装置67に到達するまで濾材部片65をホッパ69の下部部分の外に押し出す。ひとたび切断装置67に到達した時点で、各水平プッシャ71は、第2の順方向ストロークを連続的に実施して、切断装置67が一度に少しずつ濾材部片65を「スライス」して濾材パッド6を得ることができるようにする。ひとたび濾材部片65が完全に「スライス」されたならば、各水平プッシャ71は、対応する垂直チャネル70から再び退出するために逆方向ストロークを実施し、こうして、新しい濾材部片65の完全な下降を可能にし、再度作業サイクルを開始する。
【0062】
好ましくは、アクチュエータ装置72は、水平プッシャ71を線形的に移動させ全ての単一の第2の順方向ストロークを個別にそして独立して実施する独自の電気モータを含む。このようにして、アクチュエータ装置72は、第2の外向きストロークにおいて長さについての同じエラーを必ず発生させる可能性が無く、したがって第2の外向きストロークの長さの何らかのエラーが「合算される」ことがなく、こうして最後の濾材パッド6は、全ての第2の順方向ストローク中に連続して達成される第2の順方向ストロークの長さの全てのエラーが合算されることにより過度に薄くなるかまたは過度に厚くなることが防止される。
【0063】
図18に例示されているように、切断装置67は、濾材部片65に直交して配向されコンベヤベルト74により順方向および逆方向に移動させられる回転ブレード73を含む。回転ブレード73の各ストロークにおいて(すなわちホッパ69の一方の端部からホッパ69の反対側の端部まで回転するブレード73の各並進運動において)、回転ブレード73は、全ての濾材部片65の横断方向切断を実施する。回転ブレード73は、横断方向切断中濾材部片65を静止かつ係止状態に保つ相対する要素75の内部で動作する。詳細には、相対する要素75は、(濾材部片65が切断チャネルの内部で「振動」できないような形で)濾材部片65が最小限の隙間を伴って中を通過する複数の切断チャネル、および横断方向切断を実施する場合に回転ブレード73が(つねに最小限の隙間を伴って)中を通過する底部が開放したスリットを含む。
【0064】
好ましい実施形態によると、(非常に鋭利で、したがって非常に切れるエッジを伴う)回転ブレード73が全て一方の側(すなわちホッパ69によって影響される部域の外側)に配設されている場合にのみ(典型的には濾材部片65の目詰まりを除去するために)ホッパ69の前方扉の開放を可能にする(許容する)機械的安全ロックが具備されている。その上、ホッパ69の前方扉が開放している場合に回転ブレード73の変位を防止(係止)するさらなる機械的安全装置が提供されている。このようにして、オペレータは、ホッパ69の前方扉を開放しているとき、回転ブレードと(偶発的でさえも)接触し得ないため、つねに安全な状態に置かれている。
【0065】
図16および17に例示されているように、移送装置68は、可動な形で組付けられ対応する濾材パッド6と係合するように適応された一群の吸引用保持ヘッド76(
図16および17ではそのうち1つのみが見られる)を含む。明らかに、保持ヘッド76の数は、前述の通り群11のライン内の座部12の数に等しいものである濾材部片65の数に等しい。
【0066】
さらに、移送装置68は、濾材パッド6を対応する濾材部片65から分離する横断方向切断の実行時点で保持ヘッド76が濾材パッド6と係合する保持位置(
図16に例示)と、保持ヘッド76が対応する濾材パッド6を解放する解放位置(
図17に例示)との間で各保持ヘッド76を周期的に移動させるように適応されたアクチュエータ装置77を含む。各々の保持ヘッド76は、濾材パッド6を対応する濾材部片65から分離する横断方向切断の実行の直前または直後に濾材パッド6と係合することができる。詳細には、各々の保持ヘッド76が、横断方向切断を行った直後に濾材パッド6と係合する場合、保持ヘッド76は、横断方向切断を行う前には濾材部片65の端部で接触無く非常に近く(例えば数分の1ミリメートル)に配設され、その後横断方向切断の直後に吸引を用いて濾材パッド6を吸引「捕捉」する。アクチュエータ装置77は、保持位置(
図16に例示)と解放位置(
図17)の間で移動する目的で回転-並進運動を行なうべく製造機8のフレーム上で可動な状態で組付けられたアームを含む。
【0067】
転送装置68はさらにトレイ78を含み、このトレイは、製造ドラム9の上方に配設され、各々トレイ78を一方の側から他方の側に横断し濾材パッド6を格納するように適応された一群の貫通送出チャネル79が具備されている。貫通送出チャネル79の数および配設は、製造ドラム9の座部12と同じであり、したがって、互いに平行である3本の直線に沿って整列した42本の送出チャネルが具備される(3本の直線の各々が14本の送出チャネル79を有する)。
【0068】
図19により良く例示されているように、各々の送出チャネル79は、対応する濾材パッド6が送出チャネル79に進入するのに通る入口開口部(上部の、すなわちトレイ78の上部壁を貫通して得られたもの)、および対応する濾材パッド6が送出チャネル79から退出するのに通る、入口開口部とは反対側の出口開口部(下部の、すなわちトレイ78の下部壁を貫通して得られるもの)を有する。
【0069】
図19に例示されている好ましい実施形態によると、各々の送出チャネル79は、漏斗状である、すなわち送出チャネルは、送出チャネル79に沿った濾材パッド6の通過中に対応する濾材パッド6を横断方向に圧縮するために、漸進的に減少する横断面を有する。したがって、濾材パッド6が対応する送出チャネル79を退出するとき、濾材パッド6自体は弾性的に圧縮されて減少した直径を有し、したがって対応する管状ケーシング2内に容易に進入することができる。送出チャネル79の漏斗形状は同様に、送出チャネル79内部で濾材パッド6を阻止するためにも使用される。すなわち各々の保持ヘッド76は、送出チャネル79の内部に対応する濾材パッド6を挿入し、こうして濾材パッド6自体の所与の圧縮(弾性)を決定し、それによって送出チャネル79の内部に濾材パッド6を「締まり嵌め」する。そのため濾材パッド6は、いかなる保留要素も必要とせずに、送出チャネル79の内部になおも留まる。
【0070】
図16および17に例示されているように、トレイ78は、送出チャネル79が(相対的に)補給ステーションS3内で静止している群11の座部12から遠いところにあり、保持ヘッド76が濾材パッド6を対応する送出チャネル79内に挿入する収容位置(
図17に例示)と、送出チャネル79が補給ステーションS3内で静止している群11の対応する座部12と整列して座部12により担持された管状ケーシング2内に濾材パッド6を挿入している挿入位置(
図16に例示)との間で並進運動するために、可動な形で組付けられている。詳細には、移送装置68は、収容位置(
図17に例示)と挿入位置(
図16に例示)との間でトレイ78を周期的に移動させるためのアクチュエータ装置を含む。
【0071】
使用中、空のトレイ78(すなわち濾材パッド6が全く備わっていないトレイ)は、収容位置(
図17に例示)に置かれ、したがって、保持ヘッド76の群は、保持ヘッド76が対応する濾材部片65から分離された新しい濾材パッド6をピックアップする保持位置(
図16に例示)と、保持ヘッド76がトレイ78の挿入チャネル79内で対応する濾材パッド6を解放する解放位置(
図17に例示)との間で周期的に移動させられる。詳細には、各挿入サイクルにおいて、14個の保持ヘッド76は14個の濾材パッド6を、送出チャネル79の群の1本のライン(3本のラインのうちの)を形成する14本の送出チャネル79の中に挿入する。結果として、トレイ78の完全な充填には、連続する3回の挿入サイクルが必要である。好ましい実施形態によると、挿入サイクルの終りで、トレイ78はアクチュエータ装置80によりわずかに並進運動させられて、保持ヘッド76の解放位置(
図17に例示)に14本の空の送出チャネル79のラインを配設するようになっている。換言すると、保持ヘッド76は、変更できない単一の解放位置(
図17に例示)を有し、したがって14本の空の送出チャネル79のラインを保持ヘッド76の解放位置(
図17に例示)に配設するために、トレイ78を毎回並進運動させなければならない。簡単に言うと、(転送装置68の一部である)アクチュエータ装置80は、それぞれ3本の全く異なる送出チャネル79のうちの該当する送出チャネル79の中に濾材パッド6を挿入する目的で、3つの全く異なる収容位置の間でトレイ78を周期的に移動させる。
【0072】
補給ステーションS3において、移送装置68は、トレイ78が挿入位置(
図16に例示)に配設されているとき対応する送出チャネル79と垂直に(長手方向に)各々整列している42本のプッシャ81の群を含む。この位置において、プッシャ81は、対応する送出チャネル79内に挿入されて濾材パッド6を送出チャネル79から外に押し出し次に補給ステーションS3内で静止している群11の座部12により担持された対応する管状ケーシング2内に押し込むべく、垂直に(すなわち送出チャネル79に平行に)可動である。
【0073】
好ましい実施形態によると、補給ステーションS3において、移送装置68は、各々対応するプッシャ81と反対側の(すなわち、製造機9との関係において対応するプッシャ81の反対側に配設されている)42本のプッシャ82の群を含み、補給ステーションS3内で静止している群11の対応する座部12と垂直に(長手方向に)整列させられている。プッシャ82は、座部12内部に挿入され座部12内に格納されている管状ケーシング2をトレイ78に向かって、ひいては対応する送出チャネル79に向かって押すために、垂直に(すなわち座部12に対して平行に)可動である。
【0074】
使用中、トレイ78が満杯である場合、すなわちトレイ78の全ての送出チャネル79が対応する濾材パッド6を格納している場合、アクチュエータ装置80はトレイ78を挿入位置(
図16に例示)内に移動させて、補給ステーションS3内で静止している群11の座部12に対し送出チャネル79を整列させる。この時点で、プッシャ82は底部から座部12内に進入して、座部12により担持された管状ケーシング2をトレイ78に向かって押し(すなわち実質的にトレイ78と接触させ)、一方それと同時に、プッシャ81は、対応する濾材パッド6を送出チャネル79から外に押し出し次に管状ケーシング2内に押し込むために、送出チャネル79に進入する。濾材パッド6がひとたび対応する管状ケーシング2内に挿入された時点で、プッシャ81は、トレイ78の送出チャネル79を退出することによって引込み、トレイ78およびプッシャ82は、座部12を退出することによって引込む。この時点で製造ドラム9は補給ステップを行なうことができ、サイクルは再度開始する。
【0075】
図20に例示された好ましい実施形態において、各々の送出チャネル79は、凹凸状の(刻みの付いた)横断面を有し、各プッシャ81は、対応する送出チャネル79の凹凸状の(刻みの付いた)横断面をネガの形で再現する凹凸状の(刻みの付いた)横断面を有する押しヘッドを有する。プッシャ81の凹凸状の(刻みの付いた)形状により、プッシャ81は濾材パッド6の中央部分だけではなく、とりわけ濾材パッド6の中央部分を取囲む周囲ペーパーリングを押圧することができ、こうしてプッシャ81が中央部分を取囲む周囲ペーパーリングから濾材パッド6の中央部分を押出す傾向が回避されることになる。換言すると、凹凸状の(刻み目のある)「歯」は、紙上の押し面積を最大化してその損傷を回避することを可能にし、凹凸状の(刻み目のある)2つの「歯」の間のスロットにより、横断方向の圧縮ステップにおいて発生する紙のだぶつきに対応することが可能になる。
【0076】
図21に例示されているように、移送ステーションS4内で静止している群11の対応する座部12は、移送ステーションS4内で静止している群15の対応する座部16と垂直方向に整列させられている。移送ユニット20は、(42本の)プッシャ83の群を含み、これらのプッシャは移送ステーションS4内に配設され、移送ステーションS4内で静止している群11の座部12内に挿入されて移送ステーションS4内で静止している群11の座部12から移送ステーションS4内で静止している群15の座部16まで管状ケーシング2を押すように、垂直に可動である。その上、移送ユニット20は、プッシャ83とは反対側にあり垂直に可動であって製造ドラム9の座部12から製造ドラム13の座部16までの管状ケーシング2の上昇に随伴する(42本の)随伴要素84の群を含む。
【0077】
換言すると、移送ステーションS4において、各々の管状ケーシング2は、移送ステーションS4内で静止している群11の座部12から移送ステーションS4で静止している群15の上にある座部16まで、垂直上昇運動を行なうことによって移送され、この垂直上昇運動中、管状ケーシング2は、底部ではプッシャ83によって、頂部では随伴要素84によって(すなわち、底部に配設されたプッシャ83と頂部に配設された随伴要素84の間に「挟まれる」ことによって)係合されている。この点に関して、随伴要素84が厳密に必要でないと考えられるという点を指摘しておくことが重要である。しかしながら、随伴要素84の存在により、管状ケーシング2に対し制御された運動を付与することが可能になり、これにより、管状ケーシング2の位置付け不正または跳ね返りは防止される。
【0078】
前述の通り、製造ドラム13の各座部16は、製造ドラム13を一方の側から他方の側に貫通し管状ケーシング2を格納するように適応された貫通収納チャネル26および、収納チャネル26内に嵌合されかつ、収納チャネル26内に配設された管状ケーシング2と係合している保持位置と、収納チャネル26内に配設された管状ケーシング2と係合していない移送位置との間で可動である一対の相対するジョー27を含む。製造ドラム13の対応する座部16内への管状ケーシング2の進入中、2つのジョー27は移送位置に保たれ、座部16内への管状ケーシング2の進入が完了した時点で初めて、そのとき2つのジョー27は保持位置に入る。
【0079】
補給ユニット21は、補給ユニット21において静止している(すなわち補給ステーションS5内で静止している)群15の対応する座部16によって担持された管状ケーシング2に対して封止リング7を補給する。封止リング7の封止ユニット7は、上述の管状ケーシング2の補給ユニット17と非常に類似している(ただし完全に同一ではない)。
【0080】
図22に例示されているように、補給ユニット21は、製造ドラム13の回転軸14に対して平行な回転軸86を中心として段階的に回転するように組付けられている補給ドラム85(平行六面体形状を有する)を含む。補給ドラム85は、相対するフィンガ88の2つの群87を支持する(すなわち、2つの群87は、回転軸85の相対する側に配設されている)。各群87は、互いに平行で並置された14個のフィンガ88を含み、各フィンガ88は、各々対応する封止リング7を収容するように適応された3つの座部89を有する。各フィンガ88の座部89の数は製造ドラム13の座部16の各群15のラインの数に等しいという点を指摘しておくことが重要である。
図23および24に例示されているように、各座部89は、対応するフィンガ88の内部に得られ、対応するフィンガ88を一方の側から他方の側に貫通し、対応する封止リング7を格納するように適応された貫通孔によって形成される。
【0081】
フィンガ88の各々の群87は、挿入ステーションS9内の対応する封止リング7(詳細には42個の封止リング7)を収容するように適応され、かつ補給ステーションS5内の製造ドラム13の座部16の群15に対して封止リング7(詳細には41個の封止リング7)を解放するように適応されている。さらに各々のフィンガ88は、隣接するフィンガ88から離れるようにまたは近づくように移動するべく回転軸86に直交する分離方向D3に沿って補給ドラム85との関係において並進運動するように、補給ドラム85上に組付けられている。補給ドラム85には、挿入ステーションS7内で第1の相互距離そして補給ステーションS5内では第1の相互距離とは異なる第2の相互距離を置いてフィンガ88を設置するため、分離方向D3に沿ってフィンガ88を移動させるアクチュエータ装置90が具備されている。付属図で例示された実施形態において、第2の相互距離は第1の相互距離よりも大きい。
【0082】
付属図で例示された実施形態において、各群87のフィンガ88は、分離方向D3に沿った並進運動によって、他のフィンガとの関係において移動する。例示されていない異なるが完全に等価の実施形態によると、各群87のフィンガ88は、回転-並進運動によってかまたは分離方向D3に沿った一成分を有する回転によって他のフィンガとの関係において移動する。
【0083】
アクチュエータ装置90の機能は、添付図に例示されている実施形態において挿入ステーションS9内では9.5mmのピッチを有し補給ステーションS5内では12mmのピッチを有する封止リング7間のピッチ(すなわち相互距離)を修正することにある。封止リング7間のピッチ(すなわち相互距離)の増大は、補給ステーションS5内(12mmに等しいピッチ)および挿入ステーションS9内(9.5mmに等しいピッチ)の(座部89を担持する)フィンガ88を示す
図22において明確に見ることができる。好ましい実施形態によると、アクチュエータ装置90は受動的な(すなわち自律的に運動を生成する供給源を全く有していない)ものであり、回転軸86を中心とする補給ドラム85の回転運動を使用することによってフィンガ88を並進運動させるカムを使用している。好ましいものの拘束力をもたない実施形態によると、カムアクチュエータ装置90は、弾性要素が備わっていないデスモドロミックタイプのものである。すなわちフィンガ88の並進運動はつねに、弾性推力を用いることなく両方向にフィンガ88を移動させるカムによって付与される。
【0084】
互いに等価の異なる実施形態によると、アクチュエータ装置90は、各群87のフィンガ88を、補給ステーションS5内(補給ドラム28が静止しているとき)、挿入ステーションS9内(補給ドラム28が静止しているとき)、または補給ステーションS5と挿入ステーションS9の間の経路内(補給ドラム28が動いているとき)に並進運動させることができる。
【0085】
図22に例示されているように、補給ユニット21は、下向きに傾斜され(水平でもあり得る)挿入ステーションS9に向かって3つのそれぞれの封止リング列7を(下向きの傾斜を用いることによって)重力で補給する3つの搬送チャネル91を含む。
図22で明白であるように、挿入ステーションS9において、各々の搬送チャネル91は各フィンガ88内の対応する座部89と結合(整列)されている。
図23により良く例示されているように、各々の搬送チャネル91は、(添付図に例示されている通り単数、または複数または3重であり得る)対応する側面92によって側方で境界画定され、底部においては支持平面93によって境界画定されている。搬送チャネル91は、単に重力のみによって(下向きの傾斜を活用することによって)、または圧縮空気ブロワ(ブロワエアコンベヤ)または振動(振動型コンベヤ)を追加することによって、それぞれの封止リング列7を補給することができる。代替的には、搬送チャネル91がそれぞれの封止リング列7を挿入ステーションS8に向かって補給するということを唯一の制約条件として、搬送チャネル91の他の構成も同様に可能である。
【0086】
図22に例示されているように、補給ユニット21は同様に、各々対応する搬送チャネル91に結合された3つの平行なプロングを有する随伴要素94も含んでいる。詳細には、随伴要素94は、挿入ステーションS9の内部の封止リング7の漸進的下降に随伴するべく搬送チャネル91に対し平行で搬送チャネル91内を可動である。その上、補給ユニット21は、搬送チャネル91に結合され、挿入ステーションS9の直ぐ上流側に配設され、すなわち挿入ステーションS9の始まりを境界画定する封止リング7が、挿入ステーションS9に進入できるようにする開放位置と封止リング7が挿入ステーションS9に進入するのを防止する閉鎖位置との間で可動であるゲート95を含む。
【0087】
使用中、挿入ステーションS9が満杯である場合(すなわち、
図22に例示されている通り、挿入ステーションS9内で、3つの搬送チャネル91内に14の封止リング7からなる3つの列の形で42個の封止リング7が配設されている場合)、ゲート95は閉鎖され(すなわち閉鎖位置に配設され)て、挿入ステーションS9内に含まれている搬送チャネル91の区分を、搬送チャネル91の残りの区分から「隔離」し、次に挿入ステーションS9内の42個の封止リング7は(以下で説明する方法を用いて)搬送チャネル91から、挿入ステーションS9内で静止している群87のフィンガ88の座部89まで移送される。挿入ステーションS9内の42個の封止リング7が搬送チャネル91から挿入ステーションS9内で静止している群87のフィンガ88の座部89まで移送された時点で、挿入ステーションS9は空である(すなわち封止リング7を全く備えていない)。この時点で、随伴装置94のプロングは、ゲート95に達するまで搬送チャネル91に沿って補給され、したがってゲート95は開放され(すなわち開放位置に配設され)て、封止リング7が、再び挿入ステーションS9に進入し、重力によって3つの搬送チャネル91に沿って摺動できるようにする。3つの搬送チャネル91に沿ったそして挿入ステーションS9内での封止リング7の下降は自由(すなわち無制御)ではなく、3つの搬送チャネル91に沿った(他の封止リング7が追従する)最初の3つの封止リング7の下降を制御された既定の速度で随伴するために対応する最初の3つの封止リング7に載置された随伴要素94の3つのプロングにより制御されている。随伴要素94の作用に起因して、封止リング7は決して「放置される」ことがなく、したがって、搬送チャネル91内部で「転倒する」可能性は全く無い。
【0088】
好ましい実施形態によると、ゲート95は、各搬送チャネル91について、搬送チャネル91に沿って上流側に配設された封止リング7のさらなる前進を防止するために2つの連続する封止リング7間に(閉鎖位置で)挿入される対応するくさび形状の停止要素を含んでいる。
【0089】
図22に例示された考えられる実施形態によると、3つの搬送チャネル91の内部の封止リング7の正確な(実際の)位置を検出するためにゲート95において3つの搬送チャネル91をフレーミングするビデオカメラTが具備されている。このようにして、搬送チャネル91の内部の随伴装置94の運動は、搬送チャネル91の内部の封止リング7の現在の(正確な)位置に基づいて制御され、こうして封止リング7自体に押圧されることなく後ろにある正しい数の封止リング7を包囲することによって開放位置から閉鎖位置へゲート95を移動させることができる。換言すると、3つの搬送チャネル91内の封止リング7の実際の(正確な)位置は、随伴要素94の運動の開ループ制御による「偶然」に放置されず、3つの搬送チャネル91の内部の封止リング7の実際の(正確な)位置は、(ビデオカメラTにより検出された3つの搬送チャネル91の内部の封止リング7の位置をフィードバック変数として使用することにより)随伴要素94の運動の閉ループ制御によって保証される。この点に関して、封止リング7が(管状ケーシング2と異なり)弾性変形可能であり、したがって考えられる弾性変形に起因して、3つの搬送チャネル91の内部の封止リング7の位置は実質的に予測不能な形で(わずかに)変動可能であり得るという点を指摘しておくことが重要である。前記予測不能性は、ビデオカメラTを用いて検出および補償され、このビデオカメラは、3つの搬送チャネル91の内部の封止リング7の実際の位置を正確に決定でき、したがって相応して随伴要素94の運動を制御(適応、補正)することができる。
【0090】
考えられる実施形態によると、ゲート95の取扱い上のエラーを回避する目的で、ゲート96の運動(詳細には開放位置から閉鎖位置までの運動)でさえ、またはこの運動のみが、3つの搬送チャネル91の内部の封止リング7の正確な位置と同期化される。換言すると、ゲート95の運動は、ビデオカメラTによって検出される各々の搬送チャネル91の内部の封止リング7の正確な位置の一関数として随伴要素94の運動を制御するために、組合せた形でかまたは代替的に、ビデオカメラTにより検出された各搬送チャネル91内部の封止リング7の正確な位置にしたがって制御される。
【0091】
図23に例示されているように、挿入ステーションS9において、フィンガ88の座部89は、対応する搬送チャネル91と整列させられており、搬送チャネル91によって担持された各封止リング7がフィンガ88の対応する座部39と垂直方向に整列させられるような形で対応する搬送チャネル91の下方に配設されている。前述の通り、搬送チャネル91は、管状ケーシング2が載置されている支持平面93を含む。挿入ステーションS9において、支持平面93は、各々封止リング7よりも小さい複数の貫通孔96を有する。補給ユニット17とは異なり、補給ユニット21において支持平面93は固定されている、すなわち動いている部分が無い。
【0092】
図23に例示されているように、補給ユニット21は、挿入ステーションS9内に配設され、封止リング7を搬送チャネル91から挿入ステーションS9内で静止している群87のフィンガ88の座部89まで押すように垂直に可動である一群(42本)のプッシャ97を含む。その上補給ユニット21は、プッシャ97とは反対側にあり、挿入ステーションS9内で静止している群87のフィンガ88の座部89内に挿入され搬送チャネル91からフィンガ88の座部89まで封止リング7の上昇に随伴するように垂直に可動である、一群(42本)の随伴要素98を含む。換言すると、挿入ステーションS9において、各々の封止リング7は、搬送チャネル91から挿入ステーションS9内で静止している群87のフィンガ88上にある座部89まで移送され、垂直上向き運動を実施し、この垂直上向き運動中、封止リング7は、底部ではプッシャ97によって、頂部では随伴要素98によって係合されている(すなわち、底部に配設されたプッシャ97と頂部に配設された随伴要素98の間に「挟まれ」ている)。この点に関して、随伴要素98が厳密には必要なわけではないと考えられるという点を指摘しておくことが重要である。しかしながら、随伴要素98の存在により、封止リング7に対し制御された運動を付与することが可能になり、これにより、封止リング7の位置付け不正または跳ね返りは防止される。
【0093】
フィンガ88の座部89において、封止リング7は、機械的干渉により保持されている、すなわちプッシャ98は、フィンガ88の座部89の内部に封止リング7を「締まり嵌め」し、こうして封止リング7の(小さな)弾性変形をひき起こす。この点に関して、各座部89の入口開口部(すなわち下部開口部)は、裾広がり形状(すなわち漏斗形状、テーパー円錐形状)を有して、対応する封止リング7の容易な進入および次に、再び座部89内へと上昇するにつれての封止リング自体の後続する漸進的圧縮を可能にすることができる。
【0094】
図24に例示されているように、補給ステーションS5内で静止している群87のフィンガ88の座部89は整列され補給ステーションS5内で静止している群15の対応する座部16に重複し、こうしてフィンガ88の座部89により担持されている各封止リング7は製造ドラム13の対応する座部16と垂直方向に整列するようになっている。補給ユニット21は、補給ステーションS5内に配設されかつ補給ステーションS5内で静止している群87のフィンガ88の座部89内に挿入されるべく垂直に可動であり、こうして封止リング7をフィンガ88の座部89から補給ステーションS5内で静止している群15の座部16まで押す一群(42個)のプッシャ99を含む。その上、補給ユニット21は、各々対応するプッシャ99とは反対側にある(すなわち製造ドラム13との関係において対応するプッシャ99の反対側に配設されている)一群(42本)のプッシャ100を含み、補給ステーションS5内で静止している群15の対応する座部16と垂直に(長手方向に)整列されている。プッシャ100は、座部16の内部に挿入され、フィンガ88に向かってひいては対応する座部89に向かって座部16内に格納された管状ケーシング2を押すように、垂直に(すなわち座部16に平行に)可動である。
【0095】
換言すると、補給ステーションS5において、各々の封止リング7は、補給ステーションS5内で静止している群87のフィンガ88の座部89から、補給ステーションS5内で静止している群15の下にある座部16まで、垂直下向き運動を行なうことによって移送され、この運動中、封止リング7は頂部においてプッシャ99により係合されている。同時に、補給ステーションS5内で静止している群15の対応する座部16によって担持されている各々の管状ケーシング2は、プッシャ100によって上向きに押されて、座部16から退出し、対応するフィンガ88に接近する。封止リング7が対応する管状ケーシング2と接触した時点で、封止リング7は、
図1に例示されているように、封止リング7の上部部分の周りに嵌合させられる。プッシャ100の主要な機能は、封止リング7が対応する管状ケーシング2の周りに嵌合させられた時点で座部16のジョー27から管状ケーシング2を持ち上げ、「支持する(back-up)」(すなわち、適応された下部支持を提供する)ことにある。したがって、このステップにおいて、座部16のジョー27は、対応する管状ケーシング2の周りに封止リング7を嵌合させるのに必要なコントラストがプッシャ100によってのみ提供されることから、機械的応力を全く受けていない。
【0096】
図25に例示されているように、各々の溶接ユニット22は、同じ座部ライン16の座部16の数に等しい数の溶接装置101(すなわち添付図に例示された実施形態においては14個の溶接装置101)によって形成された一群の超音波溶接装置101(そのうちの1つだけが
図25に例示されている)を含む。座部16の群15が溶接ステーション36内で停止する場合、唯一同じ座部ライン16の座部16全てが対応する溶接装置101に結合され、この対応する溶接装置は、各々の管状ケーシング2と補給ステーションS5内で先に嵌合された対応する封止リング7の間の環状溶接を行なう。好ましい実施形態によると、各々の溶接装置101は、封止リング7を担持する対応する管状ケーシング2の上部端部と接触して設置され、封止リング7を担持する管状ケーシング2に超音波音場内の振動を伝達する機能を有するソノトロード102を含む。さらに各々の溶接装置101は、ソノトロード102とは反対側にあり対応する管状ケーシング2の下部端部と(すなわち対応する管状ケーシング2の底部壁3と)接触して配設され、ソノトロード102にコントラストを提供する機能および座部6の対応するジョー27から管状ケーシング2を分離すると同時に底部からソノトロード102に向かって(すなわちソノトロード102と密に接触するように)管状ケーシング2を押す機能の両方を有するアンビル103を含む。好ましい実施形態によると、全ての溶接装置101のアンビル103は、搬送ドラム13の下部面に隣接する固定位置内に組付けられた単一のモノリシック本体を形成する。その上、全ての溶接装置101のアンビル103は、管状ケーシング2の上昇上向き運動(すなわちソノトロード102に向かう運動)および管状ケーシング2の後続する下降下向き運動の両方を漸進的に行なう目的で、最初と最後に傾斜した平面を有する。
【0097】
アンビル103のみが超音波溶接に適したコントラストを提供するのに充分な剛性を有することから、各々の管状ケーシング2は、溶接中対応するジョー27から分離されて、対応するアンビル103の底部のみに載置されるようになければならないという点を強調しておくことが重要である。
【0098】
好ましい実施形態によると、各ソノトロード102は、対応する管状ケーシング2が下にあるアンビル103によりソノトロード102に押しつけられた場合に封止リング7上に恒常な圧力を絶えず加えるように、弾性要素(例えば空気バネ)を間置することでフレームに組付けられる。換言すると、アンビル103は、同じストロークで管状ケーシング2をつねに持ち上げ、構造誤差を補償するための調整がソノトロード102によって行なわれ、ソノトロード102は垂直に並進運動して対応する弾性要素を圧縮する。
【0099】
例えば、各々の溶接装置101は、伊国特許第102016000094855号中に記載の通りに製造され得、さらなる詳細については、この特許出願を参照すべきである。
【0100】
図26に例示されているように、出力ステーションS7において、抜取りユニット23は、使い捨てカートリッジ1(すなわち、対応する量のタバコ5、濾材パッド6および封止リング8を備えた管状ケーシング2)を、出力ステーションS7内で静止している群15の座部16から、下向きに傾斜させられ重力によって(下向きの傾斜を活用することによって)3つそれぞれの使い捨てカートリッジ列1を製造機1の出力端に向かって(光学制御ステーション、重量制御ステーションおよび不適合使い捨てカートリッジを廃棄するためのステーションを通過して)補給する3つの搬送チャネル104まで移送する。
図7で明らかであるように、各々の搬送チャネル104は、出力ステーションS7内で静止している群15の対応する座部ライン16に結合(整列)される。
図26に例示された好ましい実施形態によると、各々の搬送チャネル104は、(添付図に例示されているように2重であるか、単一または3重であり得る)対応する側面105により側方で境界画定され、底部では支持平面106により境界画定されている。
【0101】
抜取りユニット23は、出力ステーションS7内に配設されかつ出力ステーションS7内で静止している群15の座部16から対応する搬送チャネル106まで使い捨てカートリッジ1を押すべく垂直に可動である一群(42本)のプッシャ107を含む。その上、抜取りユニット23は、プッシャ107とは反対側にありかつ出力ステーションS7内で静止している群15の座部16から対応する搬送チャネル106までの下降に随伴するため垂直に可動である一群(42本)の随伴要素108を含む。搬送チャネル104の支持平面106は、複数の貫通孔109(使い捨てカートリッジ1よりも小さいもの)を有し、この貫通孔を通って、随伴要素108は底部から、出力ステーションS7内で静止している群15の座部16に到達することができる。
【0102】
換言すると、出力ステーションS7において、各々の使い捨てカートリッジ1は、出力ステーションS7内で静止している群15の座部16から下にある搬送チャネル106まで移送され、こうして垂直下向き運動を実施し、この運動中、使い捨てカートリッジ1は、頂部ではプッシャ107によって、底部では随伴要素108によって係合される(すなわち頂部に配設されたプッシャ107と底部に配設された随伴要素108の間に「挟まれる」)。この点に関して、垂直下降運動はいずれの場合でも重力によって使い捨てカートリッジ1上に付与されることから、プッシャ107および随伴要素108が厳密に必要ではないと考えられるという点を指摘しておくことが重要である。しかしながらプッシャ107および随伴要素108の存在により、使い捨てカートリッジ1に対し制御された運動を付与することが可能になり、これにより使い捨てカートリッジ1の位置付け不正または跳ね返りは防止される。
【0103】
図27に例示されているように、対応する搬送チャネル104から使い捨てカートリッジ1を除去し廃棄する廃棄装置111が、3つの搬送チャネル104に沿って、出力ステーションS7の下流側(すなわち、抜取りユニット23の下流側で製造ドラム13の外部)に配設されている。例えば、廃棄装置111は、対応する搬送チャネル104から14個の使い捨てカートリッジ1(すなわち各群11および15の各ライン内の座部12および16の数に等しい個数の使い捨てカートリッジ1)の群を廃棄するように制御され得ると考えられる。詳細には、各々の搬送チャネル104について、廃棄装置111は、搬送チャネル104に沿って前進する使い捨てカートリッジ1を廃棄方向に向かって方向転換させるための「転轍機」として作用するそれぞれの電動式偏向器要素を含む。好ましくは、偏向器要素により方向転換された使い捨てカートリッジ1は、下にある収集コンテナに向かって誘導され、この中へ重力によって落下する。
【0104】
廃棄装置111は、使い捨てカートリッジ1の標本を抜取るためオペレータによって起動され得、使い捨てカートリッジ1の製造中にいくつかの問題が検出された場合(例えば、管状ケーシング2、一定量のタバコ5、濾材パッド6または封止リング7の供給上の不具合、または溶接装置101の不具合など)に自動的に起動され得る。代替的には、廃棄装置111は、最初のもの/最後のものとして生産された使い捨てカートリッジ1(したがって潜在的に不完全なもの)を取り除く目的で製造機8の始動/停止時に起動され得る。代替的にまたは追加として、製造機8は何らかの欠陥を検出し、したがって製造ドラム9および13の下流側に配設された廃棄装置111を用いて欠陥のある使い捨てカートリッジ1を廃棄するために、製造ドラム9および13に配設されている制御装置(典型的にはビデオカメラを用いた光学式のもの)を含むことができる。
【0105】
図27に例示されているように、3つのそれぞれの制御ステーションS10が3本の搬送チャネル104に沿って配設されている。この目的で、3本の搬送チャネル104は最初、互いに並んでおり(すなわちこれらは出力ステーションS7および廃棄装置111において互いに傍らにある)、互いに分離して(すなわち互いに離れるように移動して)対応する制御ステーションS10に必要な空間を創出し、最後に、後続する包装機に向かって製造機8の出力端において再び出合う。
【0106】
各制御ステーションS10は、各使い捨てカートリッジ1について外部光学制御(典型的にはビデオカメラを用いる)および重量制御を実施し、したがって適合しない使い捨てカートリッジ1(すなわち可視的な表面欠陥を示すおよび/または所与の許容誤差内の所要重量を有していない使い捨てカートリッジ)を廃棄する制御ユニット112を含む。さらに、各々の制御ステーションS10は、対応する搬送チャネル104に沿って間置されている。すなわち搬送チャネル104を局所的に中断する補給ドラム113を含む。換言すると、各々の搬送チャネル104は、使い捨てカートリッジ1を対応する補給ドラム113まで一時的に移送し、制御および廃棄作業の後この補給ドラムから再び使い捨てカートリッジ1を収容する。
【0107】
各々の補給ドラム113は水平方向に配設され、垂直回転軸114を中心として連続モーションでまたは段階的に回転する形で組付けられる。換言すると、各補給ドラム113は、間欠的モーション、すなわち、補給ドラム113が動いているモーションステップと補給ドラム113が停止している静止ステップの周期的交番を提供する非連続モーションで回転させられるか、または一変形実施形態によると、各々の補給ドラム113は、停止を無い連続モーションで回転させられる。各々の補給ドラム113は、入力端(対応する搬送チャネル104が到着するところ)と出力端(対応する搬送チャネル104が再び出発するところ)の間で円形経路に沿って使い捨てカートリッジ1を補給するべく対応する使い捨てカートリッジ1を収容し格納するように各々適応された複数の周辺座部115(すなわち補給ドラム113の外周上に配設され補給ドラム113自体の外部に向かって開放するもの)を有する。
【0108】
各々の制御ユニット112は、光学制御装置116(特定の素子の使用を通して各使い捨てカートリッジ1の完全な、すなわち360°の画像を捕捉するように適応されたもの)および各々の使い捨てカートリッジ1内に格納された一定量のタバコ5の重量を測定する後続するマイクロ波制御装置117を含む。詳細には、マイクロ波制御装置117は、マイクロ波がタバコの水分(湿気)に対する感度が高いことから、各々の使い捨てカートリッジ1の中に格納された一定量のタバコ5の重量を決定するためにマイクロ波を使用する。考えられる実施形態によると、各々の光学制御装置116は、ビデオカメラが各々の使い捨てカートリッジ1の隠れた面も同様にフレーミングできるようにする1つ以上のミラーに結合された少なくとも1つのビデオカメラを含む(ただし、2つまたは3つのビデオカメラを使用してもよい)。換言すると、ビデオカメラは各々の使い捨てカートリッジ1の一部分しか直接見ることができず、一方で各使い捨てカートリッジ1の残りの見えない部分は、1つ以上の好適な形で位置付けされたミラー内の反射画像を通して間接的に検分される。
【0109】
最後に、各々の制御ステーションS10は、制御ユニット112の下流側(すなわち光学制御装置116およびマイクロ波制御装置117の下流側)で対応する補給ドラム113に結合されかつ制御ユニット112により先行して検出された不適合(すなわち欠陥のある)使い捨てカートリッジ1を対応する座部115から抜取るように適応された廃棄装置118を含む。
【0110】
図28、29および30中に例示された変形実施形態によると、挿入ステーションS8は、搬送チャネル34から挿入ステーションS8内で静止している群30の下にあるフィンガ31までの管状ケーシング2の後続する精確かつ円滑な移送を可能にするべく、管状ケーシング2(詳細には3本の列に配設された42個の管状ケーシング2)を正しい位置に(すなわち挿入ステーションS8内で静止している群30の下にあるフィンガ31の対応する座部32と完全に垂直方向に整列した状態に)配設する心出し装置119を含む。
【0111】
心出し装置119は、各々が「のこぎり歯」形状を有し(すなわち管状ケーシング2の外側形状をネガの形で複製した14個の並んだ座部を有する)休止位置(
図28に例示)と作業位置(
図29に例示)の間で線形的に可動である3つの心出し要素120(
図30により良く例示)を含む。休止位置(
図28に例示)において、各々の心出し要素120は、対応する搬送チャネル34によって担持される管状ケーシング2からオフセットされ(すなわち比較的離れている)、したがっていかなる形であれ管状ケーシング2と相互作用しない。作業位置(
図29に例示)では、各々の心出し要素120は対応する搬送チャネル34により担持される管状ケーシング2と接触しており、したがって既定の所望位置(すなわち挿入ステーションS8内で静止している群30の下にあるフィンガ31の対応する座部32と完全に垂直方向に整列する位置)をとるように管状ケーシング2を「拘束」しない。
【0112】
図30に例示されているように、心出し装置119は、3つの心出し要素120を支持し、休止位置(
図28に例示)と作業位置(
図29に例示)の間で線形的に並進運動するように可動な形で組付けられている支持本体121を含む。線形並進運動を支持本体121自体に付与するアクチュエータ装置122(例えば電気モータ)が、支持本体121に結合される。支持本体121は、2つの貫通開口部123を有し、ここに2つの心出し要素120が配設され、一方、第3の心出し要素120は支持本体121の外縁部に配設されている。
【0113】
図30に例示されている好ましいものの拘束力は無い一実施形態によると、心出し装置119は同様に、ゲート38も統合している(または別の観点から見ると、ゲート38は同様に心出し装置119も統合している)。換言すると、心出し装置119とゲート38は共に、両方のタスクを実施する単一の集合体を形成する。詳細には、各々の心出し要素120には、対応する搬送チャネル34に沿って上流側に配設された管状ケーシング2のさらなる前進を防止するために2つの連続する管状ケーシング2の間に(閉鎖位置で)挿入されるくさび状の停止要素124が具備されている。換言すると、各々の心出し要素120の停止要素124は、管状ケーシング2が挿入ステーションS8内に進入することを可能にする開放位置(心出し要素120の休止位置に対応する)と挿入ステーションS8内への管状ケーシング2の進入を防止する閉鎖位置(心出し要素120の作業位置に対応する)との間で、心出し要素120自体と共に可動である。
【0114】
例示されていない異なる実施形態によると、心出し装置119は、ゲート38から完全に分離し独立したものであり得る。
【0115】
心出し装置119は、管状ケーシング2の移送開始の直前に、または移送開始と同時に、挿入ステーションS8内で管状ケーシング2を心出しするように操作され得る。その上、ひとたび心出し装置が形成されたならば(すなわちひとたび心出し装置119が作業位置に置かれたならば)、心出し装置119を、管状ケーシング2の移送が完了するまで作業位置に留めることができ(すなわち、心出し装置119は管状ケーシングの移送中、休止位置に置かれる)、あるいは、直後に心出し装置119を休止位置に配設することができる(すなわち心出し装置119は、管状ケーシング2の移送開始前に、または管状ケーシング2の移送開始と同時に休止位置に置かれる)。
【0116】
図31および32に例示された変形実施形態によると、挿入ステーションS9も同様に心出し装置126を含み、この心出し装置は、搬送チャネル91から挿入ステーションS8内で静止している群87の上にあるフィンガ88までの封止リング7の後続する精確かつ円滑な移送を可能にするため、正しい位置に(すなわち挿入ステーションS9内で静止している群87の上にあるフィンガ88の対応する座部89と完全に垂直方向に整列した状態に)封止リング7(詳細には、3本の列に配設された42個の封止リング7)を配設する。
【0117】
挿入ステーションS9の心出し装置126は、挿入ステーションS8の心出し装置119(装置心出し装置自体の詳細について参照すべきもの)と完全に同一である。その結果として、心出し装置126は同様に、各々が「のこぎり歯」形状を有し(すなわち封止リング7の外側形状をネガの形で複製した14個の並んだ座部を有する)、それは休止位置(
図31に例示)と作業位置(
図32に例示)の間で可動であり、ゲート95を統合し得る。
【0118】
図23、31および32に例示された実施形態では、各々の搬送チャネル91において、支持平面93は単一の貫通孔列96を含み、これらの貫通孔を通って、各々単一の先端を有する対応するプッシャ97が挿入される。その結果として、
図23、31および32に例示された実施形態において、各プッシャ97は、中央で、対応する封止リング7と係合する。
図33に例示された変形形態では、各々の搬送チャネル91において、支持平面93は、貫通孔96の互いに並んだ2本の列を含み、これらの貫通孔を通って、各々2つの互いに対面した2つの2重先端を有する対応するプッシャ97が挿入される。その結果として、
図33に例示された実施形態において、各プッシャ97は対応する封止リング7と側方で係合する(この変形形態は、封止リング7が外側縁部でより大きな剛性を有することから、好ましい)。
【0119】
図34、35および36に例示されている変形形態によると、製造ドラム13に相対して結合されている2つのジョー27は、座部16自体の内部に対応する封止リング7を保持する機能を有する2つのそれぞれの歯128を有する。この目的で、2つの相対する歯128は、対応するジョー27の頂部に配設され、対応するジョー27から内部に向かって(すなわち座部16の中心に向かって)突出し、こうして2つのジョー27が把持位置(
図34の右側の2つの座部16内に例示、かつ
図35に例示)に配設されているとき、2つの歯128が頂部から、座部16の内部に封止リング7を保持する(こうして対応する封止リング7が脱出するのを防ぐ)ようになっている。換言すると、2つのジョー27が保持位置(
図34の右側の2つの座部16内に例示、かつ
図35に例示)に配設されているとき、2つの歯128は頂部で座部16を閉鎖(閉塞)し、こうして封止リング7が座部16から脱出するのを防ぎ、したがって座部16の内部で頂部から封止リング7を保持する。
【0120】
換言すると、回転軸14を中心とする製造ドラム13の回転運動中、(封止リング7が製造ドラム13の座部16内に収納された対応する管状ケーシング2に載置されている)補給ステーションS5と(封止リング7が製造ドラム13の座部16内に収納された対応する管状ケーシング2に対し溶接される)対応する溶接ステーションS6との間で封止リング7が受ける加速/減速は、時としてかつ偶発的にいくつかの封止リング7を対応する座部16から解放する可能性がある、ということが指摘されてきた。補給ステーションS5と対応する溶接ステーションS6の間の封止リング7の偶発的喪失を回避するために、製造ドラム13の座部16に相対して結合されている2つのジョー27には、座部16自体からの封止リング7の脱出を防ぐ2つの歯128が具備されている。
【0121】
添付図に例示されている実施形態において、製造ドラム13の各座部16に相対して結合されているジョー27は両方共、それぞれの歯128を有する。例示されていない異なる実施形態によると、製造ドラム13の各座部16に相対して結合されている2つのジョー27のうちの一方のみがそれぞれの歯128を有し、他方のジョー27には歯128が全く無い。前述の通り、ジョー27の歯128は、ジョー27が保持位置にあるとき(
図34の右側の2つの座部16内に例示、かつ
図35内に例示)、封止リング7と同様管状ケーシング2の通過も防止する。その結果として、補給ステーションS5において、最初に座部16内に格納された管状ケーシング2をフィンガ88に向かって(かつ次に封止リング7を格納する対応する座部89に向かって)上昇させることができるようにしその後、対応する封止リング7に結合された管状ケーシング2を再び座部16内部で下降させることができるようにするために、保持位置(
図34の右側の2つの座部16内に例示、かつ
図35に例示)から移送位置(
図34の左側の座部16内に例示、かつ
図36内に例示)までジョー27を移動させることが必要である。対応する封止リング7に結合された管状ケーシング2がひとたび座部16の内部に戻された時点で、ジョー27は、移送位置(
図34の左側の座部16内に例示、かつ
図36内に例示)から保持位置(
図34の右側の2つの座部16内に例示、かつ
図35内に例示)まで、移動させられる。
【0122】
補給ステーションS5におけるジョー27の一時的開放(すなわち保持位置から移送位置までのジョー27の一時的運動)は、座部16との関係における管状ケーシング2の完全な心出しを喪失させる原因となる。この欠点を克服するため、プッシャ100は、座部16との関係における管状ケーシング2の完全な心出しを付与し保つように整形されている。換言すると、プッシャ100は、ジョー27が再び閉鎖されなくなるまで(すなわち移送位置から保持位置まで移動させられるまで)座部16との関係において管状ケーシング2の心を出し、これを心出しされた状態に保つ。
【0123】
考えられる実施形態によると、溶接ステーションS6において(ここで、封止リング7は製造ドラム13の座部16内に収納された対応する管状ケーシング2に対して溶接される)、製造ドラム13の各座部16に相対して結合された2つのジョー27は、各管状ケーシング2と対応する封止リング7(
図36に例示)との間の完全な環状封止(すなわち360°にわたり中断無し)を溶接装置101のソノトロードが行なえるようにするため、保持位置(
図34の右側に例示、かつ
図35に例示)から移送位置(
図34の左側の座部16内に例示、かつ
図36に例示)まで移動させられる。
【0124】
変形実施形態によると、(封止リング7が、製造ドラム13の座部16内に収納された対応する管状ケーシング2に溶接される)溶接ステーションS6において、製造ドラム13の各座部16に相対して結合された2つのジョー27は、保持位置(
図34の右側の2つの座部16内に例示かつ
図35内に例示)に保たれ、各々の溶接装置101のソノトロード102は、2つの歯128の場所に配設され(
図35に例示されているように)2つの歯128自体の形状をネガの形で複製する2つの陥凹129を有する。このようにして、溶接機装置101のソノトロード102は、各管状ケーシング2と対応する封止リング7との間の不完全な環状封止(すなわち2つの陥凹において2つの小さな相対するゾーンの中で中断されている)を行なう。
【0125】
例示されていない異なる一実施形態によると、製造ドラム13の各座部16に相対して結合されている2つのジョー27は、3つ以上(例えば、3、4または5個)のそれぞれの歯128を有する。
【0126】
本明細書中に記載の実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく組合せ可能である。
【0127】
上述の製造機8は多くの利点を有する。
【0128】
第1に、上述の製造機8は、高品質基準を保証しながら高い時間生産性を達成できるようにする。
【0129】
その上、製造機8は極めてコンパクトであり、製造機8の近傍にいるオペレータが自身の手で、不自然な運動を行なうことなく製造機8のさまざまな部分全てに到達することを可能にする。
【0130】
最後に、製造機8は比較的製造が簡単で廉価である。