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  • 特許-連結管 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】連結管
(51)【国際特許分類】
   F16L 47/00 20060101AFI20221012BHJP
   F16L 41/08 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
F16L47/00
F16L41/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020560038
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(86)【国際出願番号】 JP2019047766
(87)【国際公開番号】W WO2020121955
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2018231853
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227386
【氏名又は名称】日東工器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】海谷 和正
(72)【発明者】
【氏名】西辻 浩志
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-022882(JP,A)
【文献】特開平09-105492(JP,A)
【文献】特開平02-076992(JP,A)
【文献】特開平09-317965(JP,A)
【文献】特開平05-087284(JP,A)
【文献】特表2017-534813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 47/00
F16L 41/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に離れた位置にありそれぞれ配管開口を備える2つの配管端部にそれぞれ嵌合されて連結される連結用開口端部を両端に備える連結管部を有する連結管であって、
該連結管部の該両端間に設けられ該連結管部の長手軸線に対して当該連結管部を屈曲可能とする屈曲可能部と、
該屈曲可能部からそれぞれ該連結用開口端部まで延びる、該屈曲可能部よりも高い剛性を有する剛性部と
を有し、
該屈曲可能部において該連結管部を該長手軸線に対して屈曲させることにより該両端の該連結用開口端部が対応する該配管端部に嵌合可能となり、該連結用開口端部が対応する該配管端部に嵌合された状態では、該屈曲可能部が該状態を維持する弾性復元力を有するようにされている、連結管。
【請求項2】
該連結管部の該両端間に該連結管部から側方に延びる分枝管部を有し、
該屈曲可能部が該分枝管部と該連結管部との接続部分に設けられている請求項1に記載の連結管。
【請求項3】
該屈曲可能部が、該連結管部と該分枝管部とがなす角部を薄肉として形成してなる請求項2に記載の連結管。
【請求項4】
該連結管部の両端面に、該連結管部の外周面から半径方向で延び該連結管部の内部孔まで至る案内凹部を有し、該案内凹部によって該配管端部が該外周面から該内部孔の方向に案内されるようにされた、請求項1乃至3の何れか一項に記載の連結管。
【請求項5】
該内部孔に至る該案内凹部の底面が該外周面から該内部孔に近づくに従って該案内凹部が設けられている該連結管部の端面に近づくように傾斜している請求項4に記載の連結管。
【請求項6】
該連結管部は該連結用開口端部に該内部孔から該外周面までが厚肉とされた厚肉部分を有し、該厚肉部分に該案内凹部が形成されている請求項4又は5に記載の連結管。
【請求項7】
該厚肉部分は、その全体が該連結管部の外周を略円環状になるよう形成されているが、その一部が該連結管部の長手軸線に平行な面で切り落とされた形の平坦面を有するようにされ、該案内凹部は該平坦面の略中央から該内部孔まで延びるように形成されている請求項6に記載の連結管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に離れた位置にありそれぞれ配管開口を備える2つの配管端部にそれぞれ嵌合されて連結される連結用開口端部を両端に備える連結管部を有する連結管に関する。
【背景技術】
【0002】
相互に離れた位置にありそれぞれ配管開口を備える2つの配管端部に、両端にある連結用開口端部を嵌合して連結する場合には、その嵌合を行う部分の長さだけ、当該連結管の連結用開口端部の間の間隔を該2つの配管端部間の間隔よりも大きくすることが必要になる。そのため、当該連結管を2つの配管端部間に装着することが難しくなる。これに対して、連結管をエラストマ樹脂製として弾性をもたせ、該連結管の一端を一方の配管端部に連結し、その後で、同連結管をその他端が他方の配管端部に整合するように変形させてその連結を行うようにしたものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-105492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述のような連結管において、その連結を容易に行えて連結状態をより確実に維持できるようにする連結管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は
相互に離れた位置にありそれぞれ配管開口を備える2つの配管端部にそれぞれ嵌合されて連結される連結用開口端部を両端に備える連結管部を有する連結管であって、
該連結管部の該両端間に設けられ該連結管部の長手軸線に対して当該連結管部を屈曲可能とする屈曲可能部と、
該屈曲可能部からそれぞれ該連結用開口端部まで延びる、該屈曲可能部よりも高い剛性を有する剛性部と
を有し、
該屈曲可能部において該連結管部を屈曲させることにより該両端の該連結用開口端部が対応する該配管端部に嵌合可能となり、該連結用開口端部が対応する該配管端部に嵌合された状態では、該屈曲可能部が該状態を維持する弾性復元力を有するようにされている、連結管を提供する。
【0006】
この連結管では、連結管部を屈曲可能部で屈曲させて配管端部への連結を容易にすると共に、連結後は屈曲からの弾性復元力がその連結状態を維持するようにしている。
【0007】
上記連結管では、該連結管部の該両端間に該連結管部から側方に延びる分枝管部を有し、
該屈曲可能部が該分枝管部と該連結管部との接続部分に設けられているようにすることができる。
【0008】
具体的には、該屈曲可能部は、該連結管部と該分枝管部とがなす角部を薄肉として形成することができる。この場合は、薄肉として形成された該屈曲可能部から延びる該剛性部を該角部の角度が小さくなるように該分枝管部に対して傾けることが容易となる。
【0009】
上述の連結管においては、該連結管部の両端面に、該連結管部の外周面から半径方向で延び該連結管部の内部孔まで至る案内凹部を有し、該案内凹部によって該配管端部が該外周面から該内部孔の方向に案内されるようにすることができる。連結管部を屈曲可能部で屈曲させて両端の連結用開口端部を対応する配管端部に係合させた後に配管端部を案内凹部に沿って案内することにより、連結用開口端部を配管端部により容易に嵌合させることが可能となる。
【0010】
この場合、該内部孔に至る該案内凹部の底面が該外周面から該内部孔に近づくに従って該案内凹部が設けられている該連結管部の端面に近づくように傾斜しているようにすることができる。すなわち、この場合の案内凹部の底面は該外周面において該端面から最も離れており、案内凹部内に該配管端部を導入するのを容易にしている。
【0011】
また、該連結管部は該連結用開口端部に該内部孔から該外周面までが厚肉とされた厚肉部分を有し、該厚肉部分に該案内凹部が形成されるようにすることができる。
【0012】
また、この場合、該厚肉部分は、その全体が該連結管部の外周を略円環状になるよう形成されているが、その一部が該連結管部の長手軸線に平行な面で切り落とされた形の平坦面を有するようにされ、該案内凹部は該平坦面の略中央から該内部孔まで延びるように形成されるようにすることができる。平坦面を設けることで配管端部との連結を行うときに、該配管端部を半径方向案内凹部に導きやすくすることが可能となる。
【0013】
以下、本発明に係る連結管の実施形態を添付図面に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本発明に係る連結管の斜視図である。
図2図2は同連結管の縦断側面図である。
図3図3は同連結管が取り付けられる対象例としてのツインポンプの斜視図である。
図4図4図3のツインポンプに同連結管を連結した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る連結管10は、図3に示すツインポンプ12の2つのポンプ部14、16のそれぞれの配管端部14a、16aの間に取り付けるものである。このツインポンプ12は左右両側に対称的に配置されている2つのポンプ部14、16を備え、両ポンプ部14、16間の中央位置に内蔵されているモータにより駆動されて、それぞれの配管端部14a、16aの配管開口(吐出口)14b、16bから流体を吐出するようになっている。連結管10は、図4に示すように配管端部14a、16aに嵌合して連結されるようになっている。
【0016】
図1に示すように、連結管10は、配管端部14a、16aにそれぞれ嵌合されて連結される連結用開口端部18、20を両端に有する連結管部22と、連結管部22の両端間において連結管部22に対して略90度の角度をなして側方に延びる分枝管部24とを有するT字管として形成されている。連結管10は比較的剛性のある合成樹脂(例えば比較的硬質のシリコーン)等で作られ全体として比較的剛性を有するものとされている。連結管10は、図1及び図2に示すように、連結管部22と分枝管部24との接続部分に形成された屈曲可能部26を有する。屈曲可能部26は、連結管部22と分枝管部24とがなす角部を他の部位よりも薄肉とすることにより形成されており、連結管部22をその長手軸線に対して屈曲可能とする。連結管10はさらに、屈曲可能部26から両端の連結用開口端部18、20まで延びる、屈曲可能部よりも高い剛性を有する剛性部28を有する。分枝管部24は、図1に示すようにその外周面上に軸線方向補強リブ30及び環状補強リブ32、34を有している。
【0017】
連結管部22はその両端の連結用開口端部18、20が厚肉部分40、42を有するようにされており、その端面44、46には下側外周面から連結管部22の内部孔48まで半径方向で延びる案内凹部50、52が設けられている。図示の例では、厚肉部分40、42は連結管部22の外周全体として略円環状に形成されているが、その一部が連結管部の長手軸線に平行な面で切り落とされた平坦面40a,42aを有する略逆U字状にされている。案内凹部50、52は平坦面40a、42aの略中央から内部孔48まで延びるように形成されている。図2に示すように案内凹部50、52の底面50a、52aは、内部孔48に近づくに従って案内凹部50、52が設けられている連結管部22の端面44、46にそれぞれ近づくように傾斜している。厚肉部分40、42に平坦面40a、42aを設け、案内凹部50、52の底面50a、52aを上記のように傾斜させることにより、ツインポンプ12の配管端部14a、16aを連結用開口端部18、20に受け入れやすくすることが可能となる。
【0018】
上述の連結管10をツインポンプ12の配管端部14a、16aに連結するには、まず、連結管部22を分枝管部24の両側にある屈曲可能部26の一方又は両方で屈曲させて、配管端部14a、16aを連結管部22の両端にある案内凹部50,52に係合させる。次に、配管端部14a、16aの配管開口14b、16bを連結管部22の内部孔48に略整合する位置とした後、連結管部22を屈曲状態からもとの直線状態に復元させて連結用開口端部18,20が対応する配管端部14a、16aに嵌合するようにする。
【0019】
連結管部22の屈曲可能部26は、屈曲から復元して連結用開口端部18,20が対応する配管端部14a、16aに嵌合した状態とされたときにその復元状態を維持するのに十分な大きさの弾性復元力を有するようにされている。
【0020】
本発明の一実施形態としての連結管は以上に説明した通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、説明した連結管はT字管として説明したが、分枝管部の無い直線的なものとすることができる。また、連結管部は直線的なものでなく湾曲したものや屈曲したものとすることも可能である。
【符号の説明】
【0021】
連結管10
ツインポンプ12
ポンプ部14、16
配管端部14a、16a
配管開口(吐出口)14b、16b
連結用開口端部18、20
連結管部22
分枝管部24
屈曲可能部26
剛性部28
軸線方向補強リブ30
環状補強リブ32、34
厚肉部分40、42
平坦面40a,42a
端面44、46
内部孔48
案内凹部50、52
底面50a、52a
図1
図2
図3
図4