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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】配線器具
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/12 20060101AFI20221012BHJP
   H02G 3/02 20060101ALI20221012BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
H02G3/12
H02G3/02
H05K7/14 E
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020569671
(86)(22)【出願日】2020-01-29
(86)【国際出願番号】 JP2020003109
(87)【国際公開番号】W WO2020158781
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】108103239
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 尚儒
(72)【発明者】
【氏名】劉 文彩
(72)【発明者】
【氏名】三宅 智裕
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-174684(JP,A)
【文献】特開2018-113840(JP,A)
【文献】特開2014-155396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/12
H02G 3/02
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(1)と、第1の電子モジュール(2)と、第2の電子モジュール(3)と、を備えている配線器具(100)であって、
前記ハウジング(1)は、開口を有するボディ(11)と、前記ボディ(11)の前記開口を、該開口に向かう所定の方向(D)から覆って前記ボディ(11)と共に収容空間(10)を形成しているカバー(12)と、を備えており、
前記ボディ(11)は、ベース(13)と、第1のラグ(14)と、第2のラグ(15)と、を有しており、
前記ベース(13)は、前記所定の方向(D)において前記カバー(12)と当接している第1の接合縁(135)を有しており、
前記第1のラグ(14)は、前記ベース(13)から前記所定の方向(D)において前記カバー(12)の方へ延伸して前記第1の接合縁(135)を超えるように突出しており、且つ、側縁に前記所定の方向(D)に沿って延伸しているガイド部(141)を有しており、
前記第2のラグ(15)は、前記ベース(13)から前記所定の方向(D)において前記カバー(12)の方へ延伸して前記第1の接合縁(135)を超えるように突出しており、且つ、前記第1のラグ(14)と間隔をあけており、
前記カバー(12)は、外部と前記収容空間(10)とを連通している挿通孔(121a)が開口されているカバー本体(121)を有しており、
前記第1の電子モジュール(2)は、前記収容空間(10)内に配置されており、且つ、法線方向が前記所定の方向(D)と平行するように、前記第1のラグ(14)及び前記第2のラグ(15)により支持されている第1の回路基板(21)と、前記第1の回路基板(21)の上に前記挿通孔(121a)に対応するように設けられていて外部機器の端子が前記挿通孔(121a)を通して接続することができるコネクタ(22)と、を備えており、
前記第2の電子モジュール(3)は、前記収容空間(10)内に配置されて前記第1の電子モジュール(2)と電気的に接続されており、且つ、前記第1の回路基板(21)と直交するように配置されていると共に前記ガイド部(141)により前記ベース(13)内に案内されて且つ位置決めされている第2の回路基板(31)を備えている、
ことを特徴とする配線器具(100)。
【請求項2】
前記ベース(13)には、前記第2の回路基板(31)を位置決めするよう、前記第1のラグ(14)の前記ガイド部(141)に対応すると共に、前記所定の方向(D)に沿って延伸して前記第2の回路基板(31)の縁側と係合している第1の位置決め溝(139)が凹設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線器具(100)。
【請求項3】
前記ボディ(11)は、前記第1のラグ(14)及び前記ベース(13)と連接している第1の補強リブ(16)を更に備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線器具(100)。
【請求項4】
前記第1のラグ(14)及び前記第2のラグ(15)は、前記第1の接合縁(135)の内側に位置しており、
前記第1の補強リブ(16)は、前記第1の接合縁(135)から延伸していると共に、前記第1のラグ(14)の外表面と連接しており、
前記ボディ(11)は、前記第1の接合縁(135)から延伸していると共に、前記第2のラグ(15)の外表面と連接している第2の補強リブ(17)を更に備えており、
前記カバー本体(121)は、前記第1の接合縁(135)と当接していると共に、それぞれ前記第1の補強リブ(16)及び前記第2の補強リブ(17)と係合するように凹設されている2つの差込溝(121c)を有する第2の接合縁(121b)を更に備えている、
ことを特徴とする請求項3に記載の配線器具(100)。
【請求項5】
前記ボディ(11)は、それぞれ前記第1のラグ(14)及び前記第2のラグ(15)の頂面に凹設されている2つの係合溝(18)を更に有しており、
前記第1の回路基板(21)は、メイン基板(211)と、それぞれ前記メイン基板(211)の両サイドから前記2つの係合溝(18)と係合するように突出している2つの係合ブロック(212)と、有している、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線器具(100)。
【請求項6】
前記カバー(12)は、前記カバー本体(121)から前記所定の方向(D)に沿って前記ボディ(11)の方に向かって突出している少なくとも1つの静電防止リブ(124)を備えており、
前記ボディ(11)には、前記少なくとも1つの静電防止リブ(124)に対応して前記少なくとも1つの静電防止リブ(124)の先端部を収容している少なくとも1つの収容溝(131a)が更に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線器具(100)。
【請求項7】
前記カバー本体(121)は、内表面に前記少なくとも1つの静電防止リブ(124)が形成されている第1のカバー側壁(126)と、前記第1のカバー側壁(126)と間隔をあけて配置されている第2のカバー側壁(127)と、それぞれ前記第1のカバー側壁(126)及び前記第2のカバー側壁(127)と共に包囲壁になるように前記第1のカバー側壁(126)及び前記第2のカバー側壁(127)と隣接している2つのカバー接続壁(128)と、前記第1のカバー側壁(126)と前記第2のカバー側壁(127)と前記2つのカバー接続壁(128)とのそれぞれの一側に隣接していると共に、前記挿通孔(121a)が開口されている頂壁(129)と、を備えており、
前記ベース(13)は、前記第1のカバー側壁(126)に対応していると共に、前記少なくとも1つの収容溝(131a)が凹設されている第1のボディ側壁(131)と、前記第2のカバー側壁(127)に対応している第2のボディ側壁(132)と、前記2つのカバー接続壁(128)に対応している第1のボディ接続壁(133)及び第2のボディ接続壁(134)と、を有しており、
前記第2の回路基板(31)は、前記収容空間(10)内に前記第1のボディ側壁(131)に近接するように配置されており、
前記第1のラグ(14)は、前記第1のボディ接続壁(133)と連接している一方、前記第2のラグ(15)は、前記第2のボディ接続壁(134)と連接している、
ことを特徴とする請求項6に記載の配線器具(100)。
【請求項8】
前記ベース(13)の前記第1のボディ接続壁(133)には、前記第2の回路基板(31)を位置決めするよう、前記第1のラグ(14)の前記ガイド部(141)に対応していると共に、前記所定の方向(D)に沿って延伸して前記第2の回路基板(31)の縁側と係合している第1の位置決め溝(139)が凹設されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の配線器具(100)。
【請求項9】
前記ベース(13)は、前記第1のボディ接続壁(133)及び前記第2のボディ接続壁(134)の間で、両端がそれぞれ前記第1のボディ側壁(131)及び前記第2のボディ側壁(132)に連接している仕切り壁(136)を更に備え、前記仕切り壁(136)により、前記第1のボディ接続壁(133)に隣接している上、前記第2の電子モジュール(3)を収容している第1の収納部(137)と、前記第2のボディ接続壁(134)に隣接している第2の収納部(138)と、が形成されており、
前記仕切り壁(136)の前記第1のボディ接続壁(133)に面する表面には、前記第1の位置決め溝(139)に対向している第2の位置決め溝(139´)が凹設されており、
前記第1の位置決め溝(139)及び前記第2の位置決め溝(139´)は、それぞれ前記第2の回路基板(31)の両側の縁側と係合して前記第2の回路基板(31)を位置決めしている、
ことを特徴とする請求項8に記載の配線器具(100)。
【請求項10】
前記第2の収納部(138)内に収容されていると共に、前記第2の電子モジュール(3)と電気的に接続されており、且つ、前記仕切り壁(136)により支持されていて前記第1の回路基板(21)と略平行するように配置されている第3の回路基板(41)を有する第3の電子モジュール(4)を更に備えており、
前記カバー本体(121)は、前記第1の接合縁(135)と当接している第2の接合縁(121b)を更に備えており、
前記カバー(12)は、それぞれ前記第1のカバー側壁(126)及び前記第2のカバー側壁(127)に形成され、且つ、前記第1の回路基板(21)に当接している複数の第1の押さえリブ(122)と、前記所定の方向(D)に沿って延伸していて、先端が前記第2の接合縁(121b)を超えるように突出して前記第3の回路基板(41)に当接している複数の第2の押さえリブ(123)と、を更に備えている、
ことを特徴とする請求項9に記載の配線器具(100)。
【請求項11】
前記第1の回路基板(21)には、それぞれ前記複数の第2の押さえリブ(123)と係合している複数の切り込み(213)が形成されている、
ことを特徴とする請求項10に記載の配線器具(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線器具に関し、具体的には、電源端子を接続するための配線器具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、数多くのモバイル電子装置は、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、以下、USBと略称)を用いてデータの転送、電力の供給、バッテリーの充電などを行なう。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、USBプラグを接続するUSBソケットを備えた配線器具が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された従来の配線器具は、回路基板を支持するための支持部材を別に設けることで、ハウジングに関する高い寸法精度を必要としないという利点があるが、支持部材が存在することで、軽量化及び小型化が困難である。そのため、従来の配線器具の構成には改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-113239号公報
【文献】特開2018-113240号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて、上記欠点を解決できる配線器具を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は以下の配線器具を提供する。
【0008】
即ち、ハウジングと、第1の電子モジュールと、第2の電子モジュールと、を備えている配線器具であって、前記ハウジングは、開口を有するボディと、前記ボディの前記開口を、該開口に向かう所定の方向から覆って前記ボディと共に収容空間を形成しているカバーと、を備えており、前記ボディは、ベースと、第1のラグと、第2のラグと、を有しており、前記ベースは、前記所定の方向において前記カバーと当接している第1の接合縁を有しており、前記第1のラグは、前記ベースから前記所定の方向において前記カバーの方へ延伸して前記第1の接合縁を超えるように突出しており、且つ、側縁に前記所定の方向に沿って延伸しているガイド部を有しており、前記第2のラグは、前記ベースから前記所定の方向において前記カバーの方へ延伸して前記第1の接合縁を超えるように突出しており、且つ、前記第1のラグと間隔をあけており、前記カバーは、外部と前記収容空間とを連通している挿通孔が開口されているカバー本体を有しており、前記第1の電子モジュールは、前記収容空間内に配置されており、且つ、法線方向が前記所定の方向と平行するように、前記第1のラグ及び前記第2のラグにより支持されている第1の回路基板と、前記第1の回路基板の上に前記挿通孔に対応するように設けられていて外部機器の端子が前記挿通孔を通して接続することができるコネクタと、を備えており、前記第2の電子モジュールは、前記収容空間内に配置されている上、前記第1の電子モジュールと電気的に接続されており、且つ、前記第1の回路基板と直交するように配置されていると共に前記ガイド部により前記ベース内に案内されて且つ位置決めされている第2の回路基板を備えている配線器具を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る配線器具の斜視図である。
図2図2は、同上の配線器具の分解斜視図である。
図3図3は、同上の配線器具の分解斜視図である。
図4図4は、同上の配線器具が備えるハウジングの分解斜視図である。
図5図5は、同上の配線器具が備えるボディの斜視図である。
図6図6は、同上の配線器具において、静電防止リブの先端部が収容溝に収容されている状態が示される側面断面図である。
図7図7は、同上の配線器具において、第1の押さえリブが第1の回路基板に当接している状態が示される上面断面図である。
図8図8は、同上の配線器具において、第1の押さえリブが第1の回路基板に当接している状態が示される側面断面図である。
図9図9は、同上の配線器具において、第2の回路基板及び第3の回路基板がボディに取り付けられた状態が示される斜視図である。
図10図10は、同上の配線器具において、第2の回路基板がガイド部に取り付けられた状態が示される側面断面図である。
図11図11は、同上の配線器具において、第2の押さえリブが第3の回路基板に当接している状態が示される上面断面図である。
図12図12は、同上の配線器具において、第2の押さえリブが第3の回路基板に当接している状態が示される側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る配線器具100は、例えば、USBケーブルの先端に設けられたUSBプラグを接続するためのUSBコンセントに適用されるものである。配線器具100は、USBケーブルと電気的に接続されているモバイル電子装置(例えば、スマートフォン、デジタルオーディオプレーヤー、ノートパソコンなど)に対して電力供給又はそれら電子装置のバッテリーの充電を実行することができる。
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る配線器具100(以下、単に「配線器具100」ともいう)について図面を参照して説明する。
【0012】
図1図6を参照して配線器具100を説明する。ここで、図1は配線器具100の斜視図であり、図2及び図3は配線器具100の分解斜視図である。
【0013】
また、図4は配線器具100が備えるハウジング1の分解斜視図であり、図5は配線器具100が備えるボディ11の斜視図であり、図6は配線器具100において静電防止リブ124の先端部が収容溝131aに収容されている状態が示される側面断面図である。
【0014】
配線器具100は、図1図3に示されるように、ハウジング1と、第1の電子モジュール2と、第2の電子モジュール3と、第3の電子モジュール4と、を備えている。
【0015】
ハウジング1は、図4及び図5に示されるように、ボディ11と、カバー12と、を備えている。ボディ11は、一面に開口を有する箱状である。カバー12は、ボディ11の開口を、該開口に向かう(該開口を含む仮想面と交差する)所定の方向Dから覆ってボディ11と共に収容空間10を形成する。
【0016】
ボディ11は、ベース13と、第1の支持部111と、第2の支持部112と、第1の補強リブ16と、第2の補強リブ17と、を備えている。
【0017】
ベース13は、図4及び図5に示されるように、第1のボディ側壁131と、第2のボディ側壁132と、第1のボディ接続壁133と、第2のボディ接続壁134と、を有している。詳しく言うと、ベース13は、直方体状であり、第1のボディ側壁131と第2のボディ側壁132と第1のボディ接続壁133と第2のボディ接続壁134とが包囲壁を構成し、且つ、該包囲壁における所定の方向Dにおいて上記開口を形成していると共に、カバー12と当接する第1の接合縁135を有している。
【0018】
第1の支持部111は、図4及び図5に示されるように、第1のラグ14と、第2のラグ15と、を有している。第1のラグ14及び第2のラグ15は、互いに間隔をあけるように配置されていると共に、ベース13から所定の方向Dにおいてカバー12の方へ延伸して第1の接合縁135を超えるように突出している。
【0019】
より具体的に言うと、第1のラグ14及び第2のラグ15は、所定の方向Dと直交する方向において第1の接合縁135の内側に位置していると共に、第1のラグ14が、第1のボディ接続壁133と連接し、第2のラグ15が、第2のボディ接続壁134と連接している。
【0020】
なお、本実施形態では、第1のラグ14及び第2のラグ15は、図4及び図5に示されるように、第1の接合縁135を越えるように突出している部分の形状が略台形であり、第1の接合縁135に近い側を下底、第1の接合縁135から離れた端縁を上底とすると、下底が上底よりも長いように形成されている。さらに、第1のラグ14及び第2のラグ15には、それぞれの上底の頂面(端面)において形状及び位置が互いに対応している係合溝18が凹設されている。
【0021】
また、第2のラグ15は、下底の両端にある2つの底角がそれぞれ第1のボディ側壁131及び第2のボディ側壁132に近づくように対称的且つ斜めに構成されている。一方、第1のラグ14は、第1のボディ側壁131に近い側縁に所定の方向Dに沿って延伸しているガイド部141を有している。また、第1のラグ14は、他側の側縁が第2のラグ15の第2のボディ側壁132に近い側縁と対応していると共に、底角が第2のボディ側壁132に近づくように斜めに構成されている。
【0022】
ボディ11が備える第1の補強リブ16と第2の補強リブ17とは、それぞれ第1のラグ14及び第2のラグ15の構造強度を高めるように構成されているものである。具体的には、第1の補強リブ16は、図5に示されるように、第1のボディ接続壁133における第1の接合縁135から延伸していると共に、第1のラグ14の外表面と連接することにより、第1のラグ14とベース13とを接続している。また、第2の補強リブ17は、図4に示されるように、第2のボディ接続壁134における第1の接合縁135から延伸していると共に、第2のラグ15の外表面と連接することにより、第2のラグ15とベース13とを接続している。
【0023】
第2の支持部112は、図4及び図5に示されるように、仕切り壁136を有している。仕切り壁136は、収容空間10内に配置されており、且つ、第1のボディ接続壁133及び第2のボディ接続壁134の間で、両端がそれぞれ第1のボディ側壁131及び第2のボディ側壁132に連接している。収容空間10には、仕切り壁136に仕切られることで、第1のボディ接続壁133に隣接して第2の電子モジュール3を収容している第1の収納部137と、第2のボディ接続壁134に隣接している第2の収納部138と、が形成されている。
【0024】
なお、ベース13の第1のボディ接続壁133には、図4に示されるように、第1の位置決め溝139が凹設されている。第1の位置決め溝139は、第2の回路基板31を位置決めするよう、第1のラグ14のガイド部141に対応していると共に、所定の方向Dに沿って延伸して第2の回路基板31の縁側と係合している。一方、仕切り壁136の第1のボディ接続壁133に面する表面には、第1の位置決め溝139に対向している第2の位置決め溝139´が凹設されている。
【0025】
カバー12は、図3及び図4に示されるように、カバー本体121と、複数の第1の押さえリブ122と、複数の第2の押さえリブ123と、少なくとも1つの静電防止リブ124と、一対の組立片125と、を備えている。
【0026】
カバー本体121は、図3及び図4に示されるように、第1のカバー側壁126と、第2のカバー側壁127と、2つのカバー接続壁128と、頂壁129と、を備えている。第1のカバー側壁126は、第1のボディ側壁131に対応している。第2のカバー側壁127は、第1のカバー側壁126と間隔をあけて配置されていると共に、第2のボディ側壁132に対応している。2つのカバー接続壁128は、それぞれ第1のボディ接続壁133及び第2のボディ接続壁134に対応していると共に、第1のカバー側壁126及び第2のカバー側壁127と共に包囲壁を構成するように第1のカバー側壁126及び第2のカバー側壁127と隣接している。頂壁129は、第1のカバー側壁126と第2のカバー側壁127と2つのカバー接続壁128とのそれぞれの一側に隣接していると共に、外部と収容空間10とを連通している挿通孔121aが開口されている。
【0027】
なお、カバー本体121は、図3及び図4に示されるように、第2の接合縁121bを更に備えている。第2の接合縁121bは、ベース13の第1の接合縁135と当接していると共に、それぞれ第1の補強リブ16及び第2の補強リブ17と係合するように凹設されている2つの差込溝121cを有する。このような第1の補強リブ16と第2の補強リブ17と2つの差込溝121cとの構成によって、第1のラグ14及び第2のラグ15の構造強度を向上させることができるだけではなく、ハウジング1全体の外観をも向上させることができる。
【0028】
複数の第1の押さえリブ122及び複数の第2の押さえリブ123は、図4に示されるように、それぞれ第1のカバー側壁126及び第2のカバー側壁127の表面に形成されていて、収容空間10内に位置する。また、複数の第2の押さえリブ123は、所定の方向Dに沿って延伸していて、先端が第2の接合縁121bを超えるように突出して後述する第3の電子モジュール4の第3の回路基板41に当接している。
【0029】
より具体的に言うと、第1の押さえリブ122は、一端が頂壁129と連接していて所定の方向Dに沿って延伸するように棒状に形成されている。一方、第2の押さえリブ123は、第1の押さえリブ122と同じく一端が頂壁129と連接していて所定の方向Dに沿って延伸するように棒状に形成されていると共に、他端がカバー本体121の第2の接合縁121bを超えるようにボディ11に向かって突出している。
【0030】
なお、本実施形態では、第1の押さえリブ122及び第2の押さえリブ123は、それぞれ2つずつ設けられている。勿論、ここで第1の押さえリブ122及び第2の押さえリブ123のそれぞれの数量は2つに限定されず、場合によって例えば、それぞれ1つずつ設けてもよい。
【0031】
静電防止リブ124は、図4に示されるように、第1のカバー側壁126の内表面に形成されていると共に、カバー本体121から所定の方向Dに沿ってボディ11の方に向かって突出している。
【0032】
そして、ボディ11の第1のボディ側壁131には、図4図6に示されるように、少なくとも1つの静電防止リブ124に対応して当該少なくとも1つの静電防止リブ124の先端部を収容している少なくとも1つの収容溝131aが更に形成されている。
【0033】
また、本実施形態に係る配線器具100では、静電防止リブ124と収容溝131aとが構成されていることで、第1のボディ側壁131と第1のカバー側壁126との接合箇所において、第1のボディ側壁131の最も高い部分と静電防止リブ124の最も低い部分が面一にならないようにすることによって、第1のボディ側壁131と第1のカバー側壁126との間に静電気が伝わりにくいようにする効果を得ることができる。それによって、配線器具100の内にある電子部品の破損につながる静電を防止することができるのみならず、配線器具100を組み立てる際に、静電防止リブ124の先端部と収容溝131aとを合わせる必要があるので、ポカヨケ効果を得ることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、静電防止リブ124は2つ設けられているが、ここでそれに限定されず、少なくとも1つ設ければ、上記した効果を達することができる。
【0035】
一対の組立片125は、図3及び図4に示されるように、それぞれ第1のカバー側壁126及び第2のカバー側壁127からボディ11に向かって延伸しており、且つ、2つの組立孔125aが開口されている。
【0036】
そして、第1のボディ側壁131及び第2のボディ側壁132には、それぞれ対応する組立片125の2つの組立孔125aと係合するための2つの係合ブロック19が突起している。組立孔125aと係合ブロック19との係合によって、ハウジング1を組み立てた場合に、カバー12とボディ11とが互いに分離することが防がれる。
【0037】
以下、図2及び図3、更に図7及び図8を参照して、配線器具100の第1の電子モジュール2、第2の電子モジュール3、第3の電子モジュール4を説明すると共に、配線器具100の組み立てに関し更に説明する。ここで図7は実施形態に係る第1の押さえリブ122が第1の回路基板21に当接している状態が示される上面断面図であり、図8は実施形態に係る第1の押さえリブ122が第1の回路基板21に当接している状態が示される側面断面図である。
【0038】
第1の電子モジュール2は、図2及び図3に示されるように、第1の回路基板21と、コネクタ22と、を備えている。第1の回路基板21は、収容空間10内に配置されており、且つ、基板面の法線方向が所定の方向Dと平行するように、第1の支持部111(本実施形態では即ち第1のラグ14及び第2のラグ15)により支持されている。コネクタ22は、第1の回路基板21の上にカバー12の挿通孔121aに対応するように設けられている。
【0039】
更に言うと、第1の回路基板21は、図7及び図8に示されるように、メイン基板211と、2つの係合ブロック212と、を有している。2つの係合ブロック212は、それぞれメイン基板211の両サイドから第1のラグ14及び第2のラグ15の2つの係合溝18と係合するように突出している。
【0040】
従って、第1の回路基板21は、2つの係合溝18及び2つのブロック212が互いに係合することによってボディ11に所定の方向Dと垂直する平面に位置決められていることに加え、図7及び図8に示されるように、カバー12に形成された複数の第1の押さえリブ122に当接されていることによって、ハウジング1に対して所定の方向Dに移動しないよう固定されている。
【0041】
更に、第1の回路基板21は、図7に示されるように、それぞれ複数の第2の押さえリブ123と係合する複数の切り込み213が凹設されている。このような構成によって、第1の回路基板21は所定の方向Dと垂直する平面に沿っても移動しないよう固定されている。
【0042】
コネクタ22は、図1図3に示されるように、挿通孔121aに対応していて外部機器の端子が挿通孔121aを通して接続することができる。
【0043】
なお、本実施形態では、コネクタ22は、USBソケットである場合を例として説明したが、ここでそれに限定されず、用途に応じて例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子(登録商標)、VGA(Video Graphics Array)端子(登録商標)、LAN(Local Area Network)端子(登録商標)に変更してもよい。
【0044】
図9及び図10を参照する。図9は実施形態に係る第2の回路基板31及び第3の回路基板41がボディ11に取り付けられた状態が示される斜視図であり、また、図10は実施形態に係る第2の回路基板31がガイド部141に取り付けられた状態が示される側面断面図である。
【0045】
第2の電子モジュール3は、図3及び図9に示されるように、収容空間10内に配置されていると共に、第1の電子モジュール2と電気的に接続されている。具体的には、第2の電子モジュール3は、第2の回路基板31を備えている。第2の回路基板31は、基板面の法線方向が第1の回路基板21と直交しながら第1のボディ側壁131に近接するように配置されていると共に、ガイド部141によりベース13内に案内されて且つ位置決めされている。より詳しく言うと、図9に示されるように、第2の回路基板31は、その大部分が第1の収納部137内に位置し、他の一部が第2の収納部138内に位置している。本明細書でいう「直交」は、厳密に90度で交わる状態だけでなく、ある程度の誤差の範囲内で略直交する状態も含む意味である。つまり、第1の回路基板21と第2の回路基板31との間の角度は、90度に対してある程度の誤差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。本実施形態では、一例として、第1の回路基板21と第2の回路基板31との間の角度は90度である。
【0046】
なお、第2の回路基板31には、第1の回路基板21と溶接されている接続端子(図示せず)が設置されていて、この接続端子によって、第1の回路基板21と第2の回路基板31とが互いに電気的に接続されている。
【0047】
また、図4及び図9に示されるように、第2の回路基板31は、その両側の縁側がそれぞれ、ベース13の第1のボディ接続壁133の仕切り壁136に面する表面に凹設された第1の位置決め溝139、及び、仕切り壁136の第1のボディ接続壁133に面する表面に凹設された第2の位置決め溝139´と係合することで位置決めされている。なお、第1の位置決め溝139及び第2の位置決め溝139´は、第2の回路基板31をベース13に取り付ける際に、第2の回路基板31の両側の縁側が溝内を移動しやくするよう、幅が第2の回路基板31の厚さよりも大きく形成されている。また、静電防止リブ124及び収容溝131aを設置することによって、第2の回路基板31に対するよりよい静電防止効果を期することができる。
【0048】
以下更に、図11及び図12を参照する。図11は実施形態に係る第2の押さえリブ123が第3の回路基板41に当接している状態が示される上面断面図であり、また、図12は実施形態に係る第2の押さえリブ123が第3の回路基板41に当接している状態が示される側面断面図である。
【0049】
第3の電子モジュール4は、図3及び図11に示されるように、第3の回路基板41と、一対の導電端子42と、を有している。第3の回路基板41は、収容空間10における第2の収納部138内に収容されていると共に、第2の電子モジュール3と電気的に接続されており、且つ、仕切り壁136により支持されていて第1の回路基板21と略平行するように配置されている。
【0050】
第3の回路基板41は、図3に示されるように、第2の支持部112により下から支持され、そして図11に示されるように複数の第2の押さえリブ123が上から上面に当接することによって位置決められている。
【0051】
なお、本実施形態では、図9に示されるように、第2の電子モジュール3の第2の回路基板31の一部は、仕切り壁136を越えるように延伸して、第3の回路基板41及び第1の回路基板21の間に配置されている。
【0052】
本実施形態では、一対の導電端子42は、外部電源の導線(図示せず)が接続するためのものである。そして、一対の導電端子42と外部電源の導線との接続方法については、特許文献1及び特許文献2に開示されている内容と同様であるので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0053】
第2の回路基板31と第3の回路基板41とは、互いに導線(図示せず)によって電気的に接続して、外部電源からの交流電力を第3の回路基板41を経由して第2の回路基板31に伝送する。
【0054】
次に、第2の電子モジュール3は、外部電源からの交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を第1の回路基板21に伝送する。
【0055】
さらに、第2の電子モジュール3は、例えば変圧器、電解コンデンサ、電気抵抗、インダクタなどの複数の電子部品32を更に含んでいる。第1の電子モジュール2は、例えば平滑コンデンサなどの複数の電子部品23を更に含んでおり、複数の電子部品23によって、直流電力を平滑化して第1の電子モジュール2のコネクタ22に伝送する。
【0056】
なお、本実施形態では、図3に示されるように、第2の電子モジュール3の複数の電子部品32は、第2の回路基板31の同じ側に配置されている。一方、第1の電子モジュール2の複数の電子部品23及びコネクタ22は、第1の回路基板21の同じ側に配置されている。
【0057】
本実施形態に係る配線器具100において、第1の支持部111及び複数の第1の押さえリブ122により第1の回路基板21がハウジング1に対して所定の方向Dに沿って移動できないように位置決めされている。一方、図11及び図12に示されるように、第2の支持部112及び複数の第2の押さえリブ123により第3の回路基板41がハウジング1に対して所定の方向Dに沿って移動できないように位置決めされている。
【0058】
このようにして、本実施形態に係る配線器具100は、特許文献1及び特許文献2に開示されている従来の配線器具と比べて、更なる支持部材を別に設置せずに組み立てを実行することができることで、配線器具100のより一層の小型化及び軽量化を実現することができる。
【0059】
以下、本実施形態に係る配線器具100の組み立てについて説明する。
【0060】
まず、第1の電子モジュール2と第2の電子モジュール3とを電気的に接続し且つ第2の電子モジュール3と第3の電子モジュール4とを電気的に接続する。
【0061】
次に、第1の電子モジュール2と第2の電子モジュール3と第3の電子モジュール4とを共にボディ11内(すなわち、収容空間10)に設置する。
【0062】
この際、第1のラグ14に形成されたガイド部141により、第2の電子モジュール3の第2の回路基板31が案内されるので、第2の電子モジュール3を取り付けやすくなり、加えて、第1の電子モジュール2と第3の電子モジュール4とのボディ11への位置決めが行ないやすくなる。
【0063】
そして、各電子モジュール2、3、4を収容したボディ11の開口をカバー12で覆ってから、カバー12とボディ11とを互いに係合させることによって、本実施形態に係る配線器具100の組み立てが完了する。
【0064】
総括すると、上記実施形態に係る配線器具100は、複数の電子モジュール2、3、4の相対位置関係、及び、ハウジング1における構成によって、更なる小型化を実現することができる。また、ボディ11及びカバー12にそれぞれ収容溝131a及び静電防止リブ124を凹設且つ設置することによって、内にある電子部品の破損につながる静電を防止することができるのみならず、配線器具100を組み立てる際に、静電防止リブ124の先端部と収容溝131aとを合わせる必要があるので、ポカヨケ効果を得ることもできる。
【0065】
上記においては、本発明の全体的な理解を促すべく、多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係る配線器具は、第1の電子モジュールの第1の回路基板が、ボディに形成された第1のラグ及び第2のラグにより支持されることで、支持部材を設置しなくても、組み立てることができる。そのため、配線器具の全体のサイズを小型化することができる。捕捉そのため、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0068】
100 配線器具
1 ハウジング
10 収容空間
11 ボディ
111 第1の支持部
112 第2の支持部
12 カバー
121 カバー本体
121a 挿通孔
121b 第2の接合縁
121c 差込溝
122 第1の押さえリブ
123 第2の押さえリブ
124 静電防止リブ
125 組立片
125a 組立孔
126 第1のカバー側壁
127 第2のカバー側壁
128 カバー接続壁
129 頂壁
13 ベース
131 第1のボディ側壁
131a 収容溝
132 第2のボディ側壁
133 第1のボディ接続壁
134 第2のボディ接続壁
135 第1の接合縁
136 仕切り壁
137 第1の収納部
138 第2の収納部
139 第1の位置決め溝
139´ 第2の位置決め溝
14 第1のラグ
141 ガイド部
15 第2のラグ
16 第1の補強リブ
17 第2の補強リブ
18 係合溝
19 係合ブロック
2 第1の電子モジュール
21 第1の回路基板
211 メイン基板
212 係合ブロック
213 切り込み
22 コネクタ
23 電子部品
3 第2の電子モジュール
31 第2の回路基板
32 電子部品
4 第3の電子モジュール
41 第3の回路基板
42 導電端子
D 所定の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12