(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて無線信号送受信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04L 1/16 20060101AFI20221012BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221012BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20221012BHJP
【FI】
H04L1/16
H04W72/04 132
H04W56/00 130
(21)【出願番号】P 2021114169
(22)【出願日】2021-07-09
(62)【分割の表示】P 2019542447の分割
【原出願日】2018-02-05
【審査請求日】2021-08-06
(32)【優先日】2017-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ソクチェル
(72)【発明者】
【氏名】キム ピョンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム キチュン
(72)【発明者】
【氏名】アン チュンキ
(72)【発明者】
【氏名】パク チャンファン
(72)【発明者】
【氏名】キム ソンウク
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/014074(WO,A1)
【文献】特表2015-506633(JP,A)
【文献】国際公開第2016/060599(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0161084(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102752090(CN,A)
【文献】岩渕 匡史 Masashi IWABUCHI,5G無線アクセスにおける高信頼・低遅延通信に関する屋外伝送実験 Field Experimental Trial on Ultra-Reliability and Low-Latency Communications(URLLC) for 5G,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.116 No.396 IEICE Technical Report,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2017年01月12日,第116巻,第396号,pp. 75-80
【文献】LG Electronics,Discussion on TTI shortening for TDD[online], 3GPP TSG-RAN WG1#84b R1-162510,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84b/Docs/R1-162510.zip>,2016年04月02日,pp. 1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/16
H04W 72/04
H04W 56/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
IEEE 802.11
15
16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて、通信機器が
上りリンク信号を送信する方法であって、
第1の副搬送波間隔(SubCarrier Spacing;SCS)に基づいて、物理下りリンク
制御チャネル(Physical Downlink
Control Channel;
PDCCH)を受信する段階と、
第2のSCSに基づいて、前記
PDCCHの受信終了時間から
上りリンク処理時間後に前記
PDCCHに
基づいて物理上りリンク共有チャネル(
Physical Uplink Shared CHannel;
PUSCH)を送信する段階と、を有し、
前記第1のSCSは、前記第2のSCSと異なり、
前記
上りリンク処理時間は、第1の処理時間及び第2の処理時間のうちのより大きい処理時間に決定され、
前記第1の処理時間は、前記第1のSCSを
PDCCHと
PUSCHとに使用したときの前記第1のSCSに基づいて決定され、
前記第2の処理時間は、前記第2のSCSを
PDCCHと
PUSCHとに使用したときの前記第2のSCSに基づいて決定される、方法。
【請求項2】
前記第1の処理時間及び前記第2の処理時間のうちの前記より大きい処理時間は、絶対時間の観点で決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記
上りリンク処理時間は、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;OFDM)ベースのシンボル数によって定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
タイミングアドバンス(Timing Advance;TA)値は、前記
PUSCHの送信に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記
PDCCHの前記受信終了時間から前記
上りリンク処理時間の前に、前記
PUSCHは、送信されない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
無線通信システムにおいて使用される通信機器であって、
メモリと、
プロセッサと、を有し、前記プロセッサは、
第1の副搬送波間隔(SubCarrier Spacing;SCS)に基づいて、物理下りリンク
制御チャネル(Physical Downlink
Control Channel;
PDCCH)を受信し、
第2のSCSに基づいて、前記
PDCCHの受信終了時間から
上りリンク処理時間後に前記
PDCCHに
基づいて物理上りリンク共有チャネル(
Physical Uplink Shared CHannel;
PUSCH)を送信する、ように構成され、
前記第1のSCSは、前記第2のSCSと異なり、
前記
上りリンク処理時間は、第1の処理時間及び第2の処理時間のうちのより大きい処理時間に決定され、
前記第1の処理時間は、前記第1のSCSを
PDCCHと
PUSCHとに使用したときの前記第1のSCSに基づいて決定され、
前記第2の処理時間は、前記第2のSCSを
PDCCHと
PUSCHとに使用したときの前記第2のSCSに基づいて決定される、通信機器。
【請求項7】
前記第1の処理時間及び前記第2の処理時間のうちの前記より大きい処理時間は、絶対時間の観点で決定される、請求項6に記載の通信機器。
【請求項8】
前記
上りリンク処理時間は、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;OFDM)ベースのシンボル数によって定義される、請求項6に記載の通信機器。
【請求項9】
タイミングアドバンス(Timing Advance;TA)値は、前記
PUSCHの送信に適用される、請求項6に記載の通信機器。
【請求項10】
前記
PDCCHの前記受信終了時間から前記
上りリンク処理時間の前に、前記
PUSCHは、送信されない、請求項6に記載の通信機器。
【請求項11】
無線周波数(Radio Frequency;RF)ユニットをさらに有する、請求項6に記載の通信機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、より詳しくは、無線信号送受信方法及び装置に関する。無線通信システムは、CA(Carrier Aggregation)ベースの(基盤の)(CA-based)無線通信システムを含む。
【背景技術】
【0002】
無線通信(接続)システム(wireless communication systems)は、音声やデータなどの種々の通信サービスを提供するために広範囲に展開されている。一般に、無線通信システムは、使用可能なシステムリソース(帯域幅、送信電力など)を共有して、複数のユーザとの通信をサポート(支援)(support)できる多元(多重)接続(multiple access)システムである。多元接続システムの例には、CDMA(Code Division Multiple Access)システム、FDMA(Frequency Division Multiple Access)システム、TDMA(Time Division Multiple Access)システム、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)システム、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)システムなどがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、無線信号送受信の過程(operations)を効率的に行う方法及びそのための装置を提供することにある。
【0004】
本発明で遂げようとする技術的目的は、以上で言及した事項に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下に説明する本発明の実施例から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって考慮されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様では、無線通信システムにおいて、通信装置が無線信号を送信する方法であって、送信時間間隔(Transmission Time Interval;TTI)の長さに基づいて、ハイブリッド自動再送要求(Hybrid ARQ;HARQ)バッファにおけるデータごとの最小記憶(貯蔵)空間(storage space)を確認する段階と、データごとの最小記憶空間に基づいて、HARQバッファに無線信号の送信のためのデータを記憶する段階と、HARQバッファ内のデータを、第1TTIの間に送信する段階と、を有し、データが再送信データである場合、データごとの最小記憶空間は、データの初期送信に使用された第2TTIの長さに基づき、第2TTIの長さは、第1TTIの長さとは異なる、方法が提供される。
【0006】
本発明の他の態様では、無線通信システムにおいて使用される通信装置であって、無線周波数(Radio Frequency;RF)モジュールと、プロセッサと、を有し、該プロセッサは、送信時間間隔(Transmission Time Interval;TTI)の長さに基づいて、ハイブリッド自動再送要求(Hybrid ARQ;HARQ)バッファにおけるデータごとの最小記憶空間を確認し、データごとの最小記憶空間に基づいて、HARQバッファに無線信号の送信のためのデータを記憶し、HARQバッファ内のデータを、第1TTIの間に送信するように構成され、データが再送信データである場合、データごとの最小記憶空間は、データの初期送信に使用された第2TTIの長さに基づき、第2TTIの長さは、第1TTIの長さとは異なる、通信装置が提供される。
【0007】
好ましくは、データごとの最小記憶空間は、HARQバッファの全空間をTTIの長さ(TTI長)に対応するHARQプロセス数に分割することにより確認できる。
【0008】
好ましくは、データごとの最小記憶空間は、HARQバッファの全空間をTTIの長さの数に合わせて複数のサブHARQバッファに分割した後、各々のサブHARQバッファを該当TTIの長さに対応するHARQプロセス数に分割することにより確認できる。
【0009】
好ましくは、第1TTIの長さが第2TTIの長さより長い場合、第1TTIの長さに基づくデータごとの最小記憶空間は、HARQバッファの全空間を第1TTIの長さに対応するHARQプロセス数に分割することにより確認され、第2TTIの長さに基づくデータごとの最小記憶空間は、HARQバッファの部分空間を第2TTIの長さに対応するHARQプロセス数に分割することにより確認されることができる。
【0010】
好ましくは、通信装置は、互いに異なる無線アクセス技術(Radio Access Technology;RAT)で動作する複数のコンポーネントキャリア(Component Carrier;CC)を統合(併合)し(aggregated)、HARQバッファのサイズは、無線信号の送信に使用されるRATによって、以下の式により決定される。
【0011】
-RAT1のバッファサイズ:S*A*(N1/N)
【0012】
-RAT2のバッファサイズ:S*B*(N2/N)
【0013】
Sは、通信装置内の全HARQバッファサイズを示し、A及びBは、RAT1及びRAT2のバッファサイズ比率を示す係数であり、N1は、RAT1用に設定されたCCの数を示し、N2は、RAT2用に設定されたCCの数を示し、Nは、N1とN2との和を示す。
【0014】
好ましくは、TTIの長さは、サービスタイプによって、超高信頼低遅延通信(Ultra-Reliable and Low Latency Communications;URLLC)<拡張モバイルブロードバンド(超高速大容量)(enhanced Mobile BroadBand;eMBB)<大規模マシンタイプ通信(多数同時接続)(massive Machine Type Communications;mMTC)の順にサイズが決められる。
【0015】
好ましくは、無線通信システムは、第3世代パートナシッププロジェクトロングタームエボリューション(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution;3GPP LTE)ベースの無線通信システムを有し、TTIの長さは、サブフレーム又はスロットの倍数である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、無線通信システムにおいて、無線信号の送受信を効率的に行うことができる。
【0017】
本発明から得られる効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及していない他の効果は、以下の本発明の実施例に関する記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって明確に導出され理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】無線通信システムの一例である3GPP LTE(-A)システムに用いられる、物理チャネル及びそれらを用いた一般的な信号送信方法を例示する図である。
【
図3】下りリンクスロットに対するリソースグリッド(resource grid)を例示する図である。
【
図4】下りリンクサブフレームの構造の一例を示す図である。
【
図5】EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control CHannel)を例示する図である。
【
図6】LTE(-A)で使用される上りリンクサブフレームの構造を例示する図である。
【
図7】UL HARQ(UpLink Hybrid Automatic Repeat reQuest)の動作を例示する図である。
【
図8】単一セルの状況におけるTDD UL ACK/NACK(UpLink ACKnowledgement/Negative ACKnowledgement)伝送(送信)(transmission)タイミングを示す図である。
【
図9】単一セルの状況におけるTDD UL ACK/NACK(UpLink ACKnowledgement/Negative ACKnowledgement)伝送タイミングを示す図である。
【
図10】単一セルの状況におけるTDD PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)伝送タイミングを示す図である。
【
図11】単一セルの状況におけるTDD PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)伝送タイミングを示す図である。
【
図12】単一セルの状況におけるTDD DL ACK/NACK伝送タイミングを示す図である。
【
図13】単一セルの状況におけるTDD DL ACK/NACK伝送タイミングを示す図である。
【
図14】単一セルの状況におけるTDD HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)プロセスを示す図である。
【
図15】キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation、CA)通信システムを例示する図である。
【
図16】クロスキャリアスケジューリング(cross-carrier scheduling)を例示する図である。
【
図17】セルフコンテインド(自己完結)(self-contained)サブフレームの構造を例示する図である。
【
図18】本発明による信号送信過程(procedure)を例示する図である。
【
図19】本発明による信号送信過程を例示する図である。
【
図20】本発明による信号送信過程を例示する図である。
【
図21】本発明による信号送信過程を例示する図である。
【
図22】本発明による信号送信過程を例示する図である。
【
図23】本発明に適用可能な基地局及び端末を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付する図面は、本発明に関する理解を助けるためのものであり、詳細な説明と共に本発明に関する実施例を提供する。
【0020】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などの様々な無線アクセス(接続)(access)システムに適用することができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000などの無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)などの無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802-20、E-UTRA(Evolved UTRA)などの無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP LTE(Long Term Evolution)は、E-UTRAを用いるE-UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、LTE-A(Advanced)は、3GPP LTEを改良したシステムである。説明を明確にするために3GPP LTE/LTE-Aを中心に述べるが、本発明の技術思想はこれに限られない。
【0021】
無線通信システムにおいて、端末は、下りリンク(DL:Downlink)で基地局から情報を受信し、上りリンク(UL:Uplink)で基地局に情報を送信する。基地局と端末とが送受信する情報データは、データ及び種々の制御情報を含み、これらが送受信する情報の種類/用途によって様々な物理チャネルが存在する。
【0022】
図1は、3GPP LTE(-A)システムに用いられる物理チャネル及びこれらを用いた一般的な信号送信方法を説明する図である。
【0023】
電源が消えた状態で電源がついたり、新しくセルに進入したりした端末は、段階S101で、基地局と同期を取るなどの初期セルサーチ(探索)(Initial cell search)作業を行う。そのために、端末は、基地局からプライマリ(主)同期チャネル(P-SCH:Primary Synchronization CHannel)及びセカンダリ(副)同期チャネル(S-SCH:Secondary Synchronization CHannel)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得する。その後、端末は、基地局から物理ブロードキャスト(放送)チャネル(PBCH:Physical Broadcast CHannel)信号を受信してセル内ブロードキャスト(放送)情報を取得する。一方、端末は、初期セルサーチ段階で下りリンク参照信号(DL RS:DownLink Reference Signal)を受信して下りリンクチャネル状態を確認することができる。
【0024】
初期セルサーチを終えた端末は、S102段階で、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)、及び物理下りリンク制御チャネル情報に対応する物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Control CHannel)を受信して、より具体的なシステム情報を得る。
【0025】
その後、端末は、基地局への接続を完了するために、段階S103~段階S106のようなランダムアクセス過程(Random Access Procedure)を行う。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access CHannel)を介してプリアンブル(preamble)を送信し(S103)、物理下りリンク制御チャネル及びそれに対応する物理下りリンク共有チャネルでプリアンブルに対する応答メッセージを受信する(S104)。コンテンション(競合)ベースの(contention-based)ランダムアクセスの場合、更なる物理ランダムアクセスチャネルの送信(S105)、並びに物理下りリンク制御チャネル及びそれに対応する物理下りリンク共有チャネルの受信(S106)のような衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)を行う。
【0026】
上述したような手順を行った端末は、その後、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、物理下りリンク制御チャネル/物理下りリンク共有チャネルの受信(S107)、及び物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)/物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control CHannel)の送信(S108)を行うことができる。端末が基地局に送信する制御情報を総称して上りリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)という。UCIは、HARQ-ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat and reQuest ACKnowledgement/Negative-ACK)、SR(Scheduling Request)、CSI(Channel State Information)などを含む。UCIは、一般的にPUCCHを介して送信されるが、制御情報とトラフィックデータとが同時に送信されるべき場合には、PUSCHを介して送信されてもよい。また、ネットワークの要求/指示によって、PUSCHでUCIを非周期的に送信することもできる。
【0027】
図2は、無線フレームの構造を例示する。上りリンク/下りリンクデータパケットの送信は、サブフレーム単位で行われ、一つのサブフレームは、多数のOFDMシンボルを含む一定時間区間として定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1の無線フレーム構造とTDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造とをサポートする。
【0028】
図2(a)は、タイプ1の無線フレームの構造を示す図である。下りリンク無線フレームは、10個のサブフレームで構成され、一つのサブフレームは、時間領域において2個のスロットで構成される。一つのサブフレームが送信されるのにかかる時間をTTI(Transmission Time Interval)という。例えば、一つのサブフレームの長さは1msであり、一つのスロットの長さは0.5msである。一つのスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で多数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを使用するので、OFDMシンボルが一つのシンボル区間を表す。OFDMシンボルは、また、SC-FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶことができる。リソースブロック(Resource Block;RB)は、リソース割当単位であり、一つのスロットにおいて複数の連続する副搬送波(subcarrier)を含む。
【0029】
一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって変わることができる。CPには、拡張CP(extended CP)とノーマル(一般)CP(normal CP)とがある。例えば、OFDMシンボルがノーマルCPにより構成された場合、一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個である。OFDMシンボルが拡張CPにより構成された場合、1つのOFDMシンボルの長さが長くなるので、一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、ノーマルCPの場合よりも少ない。拡張CPの場合、例えば、一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個である。端末が速い速度で移動するなど、チャネル状態が不安定な場合には、シンボル間の干渉をより減少させるために、拡張CPを用いることができる。
【0030】
ノーマルCPを用いる場合、一つのスロットは、7個のOFDMシンボルを含むので、一つのサブフレームは、14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームの最初の3個のOFDMシンボルは、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)に割り当てられ、残りのOFDMシンボルは、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)に割り当てられることができる。
【0031】
図2(b)は、タイプ2の無線フレームの構造を示す図である。タイプ2の無線フレームは、2つのハーフフレーム(half frame)で構成される。ハーフフレームは、4(5)個のノーマルサブフレームと1(0)個のスペシャルサブフレームとを含む。ノーマルサブフレームは、UL-DL構成(UpLink-DownLink Configuration)によって、上りリンク又は下りリンクに使用される。サブフレームは、2つのスロットで構成される。
【0032】
表1は、UL-DL構成による無線フレーム内のサブフレーム構成を例示する。
【0033】
【0034】
表において、Dは下りリンクサブフレームを、Uは上りリンクサブフレームを、Sはスペシャル(special)サブフレームを示す。スペシャルサブフレームは、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、GP(Guard Period)、UpPTS(Uplink Pilot Time Slot)を含む。DwPTSは、端末における初期セルサーチ、同期又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局におけるチャネル推定及び端末との上り伝送同期に用いられる。ガード(保護)区間(guard period)は、上りリンクと下りリンクとの間に下りリンク信号のマルチパス(多重経路)(multi-path)遅延による上りリンクにおける干渉を除去するための区間である。
【0035】
無線フレームの構造は、例に過ぎず、無線フレームにおけるサブフレームの数、スロットの数、シンボルの数は、様々に変更可能である。
【0036】
図3は、下りリンクスロットのリソースグリッドを例示する。
【0037】
図3を参照すると、下りリンクスロットは、時間領域(ドメイン)(domain)において複数のOFDMシンボルを含む。ここで、1つの下りリンクスロットは7個のOFDMシンボルを含み、1つのリソースブロックは周波数領域において12個の副搬送波を含むとしているが、これに限定されるものではない。リソースグリッド上における各要素をリソース要素(Resource Element、RE)といい、1つのRBは、12×7個のREを含む。下りリンクスロットに含まれるRBの数N
DLは、下りリンク送信帯域幅(bandwidth)に依存する。上りリンクスロットの構造は、下りリンクスロットの構造と同一でもよい。
【0038】
【0039】
図4を参照すると、サブフレームの1番目のスロットにおいて前側に位置する最大3(4)個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に対応する。その他のOFDMシンボルは、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)が割り当てられるデータ領域に該当し、データ領域の基本リソース単位は、RBである。LTEにおいて使用される下りリンク制御チャネルの例は、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)、PHICH(Physical Hybrid ARQ Indicator CHannel)などを含む。PCFICHは、サブフレームの1番目のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内で制御チャネルの伝送に使われるOFDMシンボルの数についての情報を運ぶ。PHICHは、上りリンク伝送に対する応答であり、HARQ ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgment/Negative-ACKnowledgment)信号を運ぶ。PDCCHを介して伝送される制御情報は、DCI(Downlink Control Information)と称される。DCIは、上りリンク若しくは下りリンクのスケジューリング情報又は任意の端末グループのための上りリンク伝送電力制御命令(Transmit Power Control Command)を含む。
【0040】
PDCCHを介して送信される制御情報を、DCI(Downlink Control Information)と言う。DCIフォーマットは、上りリンク用にフォーマット0、3、3A、4、下りリンク用にフォーマット1、1A、1B、1C、1D、2、2A、2B、2Cなどのフォーマットが定義されている。DCIフォーマットによって、情報フィールドの種類、情報フィールドの数、各々の情報フィールドのビットの数などが変わる。例えば、DCIフォーマットは、用途によって、ホッピングフラグ(hopping flag)、RB割当て、MCS(Modulation Coding Scheme)、RV(Redundancy Version)、NDI(New Data Indicator)、TPC(Transmit Power Control)、HARQプロセス番号、PMI(Precoding Matrix Indicator)確認などの情報を選択的に含む。したがって、DCIフォーマットによって、DCIフォーマットに整合される(適合する)制御情報のサイズが変わる。なお、任意のDCIフォーマットは、2種類以上の制御情報伝送に使用される。例えば、DCIフォーマット0/1Aは、DCIフォーマット0又はDCIフォーマット1を運ぶために使用され、これらは、フラグフィールド(flag field)により判別(区分)(discriminated)される。
【0041】
PDCCHは、DL-SCH(DownLink Shared CHannel)の伝送フォーマット及びリソース割り当て、UL-SCH(UpLink Shared CHannel)に対するリソース割り当て情報、PCH(Paging CHannel)に対するページング情報、DL-SCH上のシステム情報(system information)、PDSCH上で伝送されるランダムアクセス(接続)(access)応答などの上位層制御メッセージのリソース割り当て情報、任意の端末グループにおける個別の端末に対する伝送電力制御命令、VoIP(Voice over IP)の活性化(activation)などを運ぶ。複数のPDCCHが、制御領域内で送信されることができる。端末は、複数のPDCCHをモニタリングすることができる。PDCCHは、一つ又は複数の連続した制御チャネル要素(Control Channel Element、CCE)の集合(aggregation)上で送信される。CCEは、無線チャネル状態に基づいて、所定の符号化率のPDCCHを提供するために使われる論理的割当てユニットである。CCEは、複数のリソース要素グループ(Resource Element Group、REG)に対応する。PDCCHのフォーマット及びPDCCHのビット数は、CCEの数とCCEにより提供される符号化率との間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報にCRC(Cyclic Redundancy Check)を付け加える。CRCは、PDCCHの所有者又は使用目的による識別子(例えば、RNTI(Radio Network Temporary Identifier))でマスクされる。例えば、PDCCHが特定の端末のためのものである場合、該当端末の識別子(例えば、Cell-RNTI(C-RNTI))が、CRCにマスクされることができる。PDCCHがページングメッセージのためのものである場合は、ページング識別子(例えば、Paging-RNTI(P-RNTI))がCRCにマスクされる。PDCCHがシステム情報(より具体的には、システム情報ブロック(System Information Block、SIB))のためのものである場合、SI-RNTI(System Information RNTI)がCRCにマスクされる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答である、ランダムアクセス応答を指示するために、RA-RNTI(Random Access-RNTI)がCRCにマスクされる。
【0042】
PDCCHは、DCI(Downlink Control Information)として知られるメッセージを運び、DCIは、1つの端末又は端末グループのためのリソース割り当て及び他の制御情報を含む。一般的に、複数のPDCCHが1つのサブフレーム内で伝送される。各々のPDCCHは、1つ又は複数のCCE(Control Channel Element)を用いて伝送され、各々のCCEは、9セットの4つのリソース要素に対応する。4つのリソース要素は、REG(Resource Element Group)と称される。4つのQPSKシンボルが1つのREGにマッピングされる。参照信号に割り当てられたリソース要素はREGに含まれず、これによって、与えられたOFDMシンボルにおけるREGの総数は、セル固有(特定)(cell-specific)の参照信号の存在の有無によって変わる。REGの概念(即ち、グループ単位のマッピング、各々のグループは、4つのリソース要素を含む)は、他の下りリンク制御チャネル(PCFICH及びPHICH)にも使用される。即ち、REGは、制御領域の基本リソース単位として使用される。4つのPDCCHフォーマットが表2のようにサポートされる。
【0043】
【0044】
CCEは、連続して番号付けされて使用され、デコーディングプロセスを単純化するために、nCCEs(n個のCCE)で構成されたフォーマットを有するPDCCHは、nの倍数と同じ数を有するCCEでのみ始まる。所定のPDCCHの伝送のために使用されるCCEの数は、チャネル条件に従って基地局により決定される。例えば、PDCCHが良好な下りリンクチャネル(例えば、基地局に近い)を有する端末のためのものである場合、1つのCCEでも十分である。しかしながら、悪い(劣悪な)チャネル(例えば、セル境界に近い)を有する端末の場合は、十分なロバスト性(堅牢さ)(robustness)を得るために、8つのCCEが使用される。また、PDCCHのパーワレベルをチャネル条件に合わせて調節できる。
【0045】
LTEに導入された方式は、各々の端末のためにPDCCHが位置可能な制限されたセットにおけるCCE位置を定義することである。端末が自体のPDCCHを探索できる制限されたセットにおけるCCEの位置は、サーチスペース(検索空間)(Search Space、SS)と称される。LTEにおいて、サーチスペースは、各々のPDCCHフォーマットによって異なるサイズを有する。また、UE固有(UE-specific)及び共通(common)サーチスペースは、別々に定義される。UE固有のサーチスペース(UE-Specific Search Space、USS)は、各々の端末のために個々に設定され、共通サーチスペース(Common Search Space、CSS)の範囲は、全端末に通知される。UE固有及び共通サーチスペースは、与えられた端末に対して重なり合うことができる。非常に小さいサーチスペースを有するとき、所定の端末のためのサーチスペースにおいて一部のCCE位置が割り当てられた場合は残ったCCEがないため、与えられたサブフレーム内で、基地局は、できる限り全ての端末(available UEs)にPDCCHを伝送するCCEリソースを見つけることができない。このようにブロッキングが次のサブフレームに続く可能性を最小にするために、UE固有サーチスペースの開始位置に端末固有ホッピングシーケンスが適用される。
【0046】
表3は、共通及びUE固有サーチスペースのサイズを表す。
【0047】
【0048】
ブラインドデコード(Blind Decoding;BD)の総回数による計算負荷を統制下におくために、端末は、定義された全てのDCIフォーマットを同時に検索することは要求されない。一般的に、UE固有サーチスペース内で、端末は、常にフォーマット0及び1Aを検索する。フォーマット0及び1Aは、同じサイズを有し、メッセージ内のフラグによって判別される。また、端末は、追加フォーマットを受信するように要求されることができる(例えば、基地局により設定されたPDSCH伝送モードによって1,1B又は2)。共通サーチスペースにおいて、端末は、フォーマット1A及び1Cをサーチする。また、端末は、フォーマット3又は3Aをサーチするように設定されることができる。フォーマット3及び3Aは、フォーマット0及び1Aと同じサイズを有し、端末固有識別子よりむしろ、互いに異なる(共通)識別子でCRCをスクランブルすることにより判別される。以下、伝送モードによるPDSCHの伝送技法、及びDCIフォーマットの情報コンテンツを記載する。
【0049】
伝送モード(Transmission Mode、TM)
【0050】
● 伝送モード1:単一の基地局アンテナポートからの伝送
【0051】
● 伝送モード2:伝送ダイバーシチ
【0052】
● 伝送モード3:開ループ空間多重化
【0053】
● 伝送モード4:閉ループ空間多重化
【0054】
● 伝送モード5:マルチ(多重)ユーザ(multi-user)MIMO
【0055】
● 伝送モード6:閉ループ ランク1プリコーディング
【0056】
● 伝送モード7:単一アンテナポート(ポート5)の伝送
【0057】
● 伝送モード8:二重レイヤ(double layer)伝送(ポート7及び8)又は単一アンテナポート(ポート7又は8)の伝送
【0058】
● 伝送モード9:最大8つのレイヤ伝送(ポート7乃至14)又は単一アンテナポート(ポート7又は8)の伝送
【0059】
DCIフォーマット
【0060】
● フォーマット0:PUSCH伝送(上りリンク)のためのリソースグラント
【0061】
● フォーマット1:単一コードワードPDSCHの伝送(伝送モード1,2及び7)のためのリソース割り当て
【0062】
● フォーマット1A:単一コードワードPDSCH(全てのモード)のためのリソース割り当てのコンパクトシグナリング
【0063】
● フォーマット1B:ランク1閉ループプリコーディングを用いるPDSCH(モード6)のためのコンパクトリソースの割り当て
【0064】
● フォーマット1C:PDSCH(例えば、ページング/ブロードキャストシステム情報)のための非常にコンパクトなリソースの割り当て
【0065】
● フォーマット1D:マルチユーザMIMOを用いるPDSCH(モード5)のためのコンパクトなリソースの割り当て
【0066】
● フォーマット2:閉ループMIMO動作のPDSCH(モード4)のためのリソースの割り当て
【0067】
● フォーマット2A:開ループMIMO動作のPDSCH(モード3)のためのリソースの割り当て
【0068】
● フォーマット3/3A:PUCCH及びPUSCHのために2ビット/1ビットのパワー調整値を有するパワーコントロールコマンド
【0069】
図5は、EPDCCHを例示する。EPDCCHは、LTE-Aでさらに導入されたチャネルである。
【0070】
図5を参照すると、サブフレームの制御領域(
図4を参照)には、既存のLTEによるPDCCH(便宜上、Legacy PDCCH、L-PDCCH)が割り当てられる。同図において、L-PDCCH領域は、L-PDCCHが割り当てられる領域を意味する。また、データ領域(例えば、PDSCHのためのリソース領域)内にPDCCHがさらに割り当てられることができる。データ領域に割り当てられたPDCCHをEPDCCHと称する。図示のように、EPDCCHを介して制御チャネルリソースをさらに確保することにより、L-PDCCH領域の制限された制御チャネルリソースによるスケジューリングの制約を緩和することができる。L-PDCCHと同様に、EPDCCHは、DCIを運ぶ。例えば、EPDCCHは、下りリンクスケジューリング情報、上りリンクスケジューリング情報を運ぶことができる。例えば、端末は、EPDCCHを受信し、EPDCCHに対応するPDSCHを介してデータ/制御情報を受信する。また、端末は、EPDCCHを受信し、EPDCCHに対応するPUSCHを介してデータ/制御情報を送信する。セルタイプによって、EPDCCH/PDSCHは、サブフレームの1番目のOFDMシンボルから割り当てることができる。特に区別しない限り、この明細書では、PDCCHは、L-PDCCH及びEPDCCHを全て含む。
【0071】
図6は、LTE(-A)で使用される上りリンクサブフレームの構造を例示する図である。
【0072】
図6を参照すると、サブフレーム500は、2つの0.5msスロット501で構成される。ノーマル(普通)(Normal)サイクリックプリフィックス(循環前置)(Cyclic Prefix、CP)の長さを仮定すると、各々のスロットは、7つのシンボル502で構成され、1つのシンボルは、1つのSC-FDMAシンボルに対応する。リソースブロック(Resource Block、RB)503は、周波数領域における12個の副搬送波と時間領域における1つのスロットとに該当するリソース割り当て単位である。LTE(-A)の上りリンクサブフレームの構造は、大きくデータ領域504と制御領域505とに区分される。データ領域は、各々の端末に伝送される音声、パケットなどのデータ送信に使用される通信リソースを意味し、PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を含む。制御領域は、上りリンク制御信号、例えば、各々の端末からの下りリンクチャネル品質報告、下りリンク信号に対する受信ACK/NACK、上りリンクスケジューリング要求などの伝送に使用される通信リソースを意味し、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)を含む。サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal、SRS)は、1つのサブフレームにおいて時間軸上で最後に位置するSC-FDMAシンボルを介して伝送される。同じサブフレームの最後のSC-FDMAで伝送される複数の端末のSRSは、周波数位置/シーケンスによって区分できる。SRSは、上りリンクのチャネル状態を基地局に伝送するために使用され、上位層(例えば、RRC層)により設定されたサブフレームの周期/オフセットによって周期的に伝送されるか、或いは基地局の要求によって非周期的に伝送される。
【0073】
次に、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)について説明する。無線通信システムにおいて、上り/下りリンクで伝送するデータを有する端末が多数存在するとき、基地局は、送信時間間隔(Transmission Time Interval、TTI)(例えば、サブフレーム)ごとにデータを伝送する端末を選択する。マルチキャリア(多重搬送波)及びこれと同様に運用されるシステムにおいて、基地局は、TTIごとに上り/下りリンクでデータを伝送する端末を選択し、該当端末がデータ伝送のために使用する周波数帯域も一緒に選択する。
【0074】
上りリンクを基準として説明すると、複数の端末は、上りリンクを介して参照信号(又はパイロット)を伝送し、基地局は、端末から伝送された参照信号を用いて端末のチャネル状態を把握して、TTIごとに各々の単位周波数帯域において上りリンクを介してデータを伝送する端末を選択する。基地局は、その結果を端末に通知する。即ち、基地局は、特定のTTIにおいて、上りリンクスケジューリングされた端末に、特定の周波数帯域を用いてデータを伝送せよという上りリンク割り当てメッセージ(assignment message)を伝送する。上りリンク割り当てメッセージは、ULグラント(grant)とも称される。端末は、上りリンク割り当てメッセージによってデータを上りリンクに伝送する。上りリンク割り当てメッセージは、端末ID(UE IDentity)、RB割り当て情報、MCS(Modulation and Coding Scheme)、RV(Redundancy Version)バージョン、新規データ指示子(New Data indication、NDI)などを含む。
【0075】
同期(Synchronous)HARQ方式の場合、再伝送時間は、システム的に約束されている(例えば、NACK受信時点から4つのサブフレーム後)(同期HARQ)。したがって、基地局が端末に送信するULグラントメッセージは、初期伝送時にのみ送信すればいい。その後の再伝送は、ACK/NACK信号(例えば、PHICH信号)により行われる。非同期HARQ方式の場合、再伝送時間を互いに約束していないため、基地局が端末に再伝送要求メッセージを出さなければならない。また、非適応(non-adaptive)HARQ方式の場合は、再伝送のための周波数リソースやMCSは、以前の伝送と同一であり、適応HARQ方式の場合、再伝送のための周波数リソースやMCSが以前の伝送と異なることができる。一例として、非同期適応HARQ方式の場合、再伝送のための周波数リソースやMCSが伝送時点ごとに異なるので、再伝送要求メッセージは、端末ID、RB割り当て情報、HARQプロセスID/番号、RV、NDI情報を含むことができる。
【0076】
図7は、LTE(-A)システムにおけるUL HARQ動作を例示する図である。LTE(-A)システムにおいて、UL HARQ方式は、同期非適応HARQを使用する。8チャネルHARQを使用する場合、HARQプロセス番号は、0~7である。TTI(例えば、サブフレーム)ごとに1つのHARQプロセスが動作する。
図7を参照すると、基地局110は、PDCCHを介してULグラントを端末120に伝送する(S600)。端末120は、ULグラントを受信した時点(例えば、サブフレーム0)から4つのサブフレーム後(例えば、サブフレーム4)に、ULグラントにより指定されたRB及びMCSを用いて基地局110に上りリンクデータを伝送する(S602)。基地局110は、端末120から受信した上りリンクデータを復号した後、ACK/NACKを生成する。上りリンクデータに対する復号に失敗した場合、基地局110は、端末120にNACKを伝送する(S604)。端末120は、NACKを受信した時点から4つのサブフレーム後に上りリンクデータを再伝送する(S606)。上りリンクデータの初期伝送と再伝送とは、同じHARQプロセッサが担当する(例えば、HARQプロセス4)。ACK/NACK情報は、PHICHを介して伝送される。
【0077】
以下、
図8乃至
図14を参照して、単一キャリア(又はセル)状況におけるTDD信号伝送タイミングについて説明する。
【0078】
図8及び
図9は、PDSCH-UL ACK/NACKタイミングを示す。ここで、UL ACK/NACKは、DLデータ(例えば、PDSCH)に対する応答であって、上りリンクで伝送されるACK/NACKを意味する。
【0079】
図8を参照すると、端末は、M個のDLサブフレーム(SubFrame、SF)上で1つ又は複数のPDSCH信号を受信する(S502_0~S502_M-1)。それぞれのPDSCH信号は、伝送モードに応じて1つ又は複数(例えば、2つ)の伝送ブロック(TB)の伝送に使用される。また、図示していないが、ステップS502_0~S502_M-1でSPS解放(解除)(Semi-Persistent Scheduling release)を指示するPDCCH信号も受信される。M個のDLサブフレームにPDSCH信号及び/又はSPS解放PDCCH信号が存在すると、端末は、ACK/NACKを伝送するための過程(例えば、ACK/NACK(ペイロード)生成、ACK/NACKリソース割当など)を経て、M個のDLサブフレームに対応する1つのULサブフレームでACK/NACKを伝送する(S504)。ACK/NACKは、ステップS502_0~S502_M-1のPDSCH信号及び/又はSPS解放PDCCH信号に関する受信応答情報を含む。ACK/NACKは、基本的にPUCCHを介して伝送されるが、ACK/NACK伝送時点にPUSCH伝送がある場合、ACK/NACKは、PUSCHを介して伝送される。ACK/NACK伝送のために、表3の様々なPUCCHフォーマットを用いることができる。また、PUCCHフォーマットで伝送されるACK/NACKのビット数を減らすために、ACK/NACKバンドリング(bundling)、ACK/NACKチャネル選択(channel selection)などの様々な方法を用いることができる。
【0080】
上述したように、TDDでは、M個のDLサブフレームで受信したデータに対するACK/NACKが1つのULサブフレームで伝送され(即ち、M DL SF(s):1 UL SF)、これらの関係は、DASI(Downlink Association Set Index)によって与えられる。
【0081】
表4は、LTE(-A)で定義されたDASI(K:{k0,k1,...,kM-1})を示す。表4は、ACK/NACKを伝送するULサブフレームの立場で、自体と関連するDLサブフレームとの間隔を示す。具体的には、サブフレームn-k(k∈K)にPDSCH伝送及び/又はSPS解放(Semi-Persistent Scheduling release)を指示するPDCCHがある場合、端末は、サブフレームnでACK/NACKを伝送する。
【0082】
【0083】
図9は、UL-DL構成#1が設定された場合のUL ACK/NACK伝送タイミングを例示する。同図で、SF#0~#9及びSF#10~#19は、それぞれ無線フレームに対応する。同図で、ボックス内の数字は、DLサブフレームの観点で自体と関連するULサブフレームを示す。例えば、SF#5のPDSCHに対するACK/NACKは、SF#5+7(=SF#12)で伝送され、SF#6のPDSCHに対するACK/NACKはSF#6+6(=SF#12)で伝送される。したがって、SF#5/SF#6の下りリンク信号に対するACK/NACKは、いずれもSF#12で伝送される。同様に、SF#14のPDSCHに対するACK/NACKは、SF#14+4(=SF#18)で伝送される。
【0084】
図10及び
図11は、PHICH/ULグラント(UL grant、UG)-PUSCHタイミングを示す。PUSCHは、PDCCH(ULグラント)及び/又はPHICH(NACK)に対応して伝送できる。
【0085】
図10を参照すると、端末は、PDCCH(ULグラント)及び/又はPHICH(NACK)を受信する(S702)。ここで、NACKは、以前のPUSCH伝送に対するACK/NACK応答に該当する。この場合、端末は、PUSCH伝送のための過程(例えば、TB符号化、TB-CWスワップ、PUSCHリソース割当など)を経て、k個のサブフレームの後にPUSCHを介して1つ又は複数の伝送ブロック(TB)を初/再伝送する(S704)。本例は、PUSCHが一回伝送される普通(normal)のHARQ動作を仮定する。この場合、PUSCH伝送に対応するPHICH/ULグラントは、同一のサブフレームに存在する。但し、PUSCHが複数のサブフレームにより複数回伝送されるサブフレームバンドリングの場合、PUSCH伝送に対応するPHICH/ULグラントは、互いに異なるサブフレームに存在することができる。
【0086】
表5は、LTE(-A)におけるPUSCH伝送のためのUAI(Uplink Association Index)(k)を示す。表5は、PHICH/ULグラントが検出されたDLサブフレームの立場で、自体と関連するULサブフレームとの間隔を示す。具体的には、サブフレームnでPHICH/ULグラントが検出されると、端末は、サブフレームn+kでPUSCHを伝送することができる。
【0087】
【0088】
図11は、UL-DL構成#1が設定された場合のPUSCH伝送タイミングを例示する。同図で、SF#0~#9及びSF#10~#19は、それぞれ無線フレームに対応する。同図で、ボックス内の数字は、DLサブフレームの観点で自体と関連するULサブフレームを示す。例えば、SF#6のPHICH/ULグラントに対するPUSCHは、SF#6+6(=SF#12)で伝送され、SF#14のPHICH/ULグラントに対するPUSCHは、SF#14+4(=SF#18)で伝送される。
【0089】
図12及び
図13は、PUSCH-PHICH/ULグラントタイミングを示す。PHICHは、DL ACK/NACKを伝送するときに使用される。ここで、DL ACK/NACKは、ULデータ(例えば、PUSCH)に対する応答であって、下りリンクで伝送されるACK/NACKを意味する。
【0090】
図12を参照すると、端末は、基地局にPUSCH信号を伝送する(S902)。ここで、PUSCH信号は、伝送モードに応じて1つ又は複数(例えば、2つ)の伝送ブロック(TB)の伝送に使用される。PUSCH伝送に対する応答として、基地局は、ACK/NACKを伝送するための過程(例えば、ACK/NACK生成、ACK/NACKリソース割当など)を経て、k個のサブフレームの後にPHICHを介してACK/NACKを端末に伝送する(S904)。ACK/NACKは、ステップS902のPUSCH信号に関する受信応答情報を含む。また、PUSCH伝送に対する応答がNACKである場合、基地局は、k個のサブフレームの後にPUSCHの再伝送のためのULグラントPDCCHを端末に伝送する(S904)。本例は、PUSCHが一回伝送される普通のHARQ動作を仮定する。この場合、PUSCH伝送に対応するPHICH/ULグラントは、同一のサブフレームで伝送されることができる。但し、サブフレームバンドリングの場合、PUSCH伝送に対応するPHICH/ULグラントは、互いに異なるサブフレームで伝送されることができる。
【0091】
表6は、LTE(-A)におけるPHICH/ULグラント伝送のためのUAI(Uplink Association Index)(k)を示す。表6は、PHICH/ULグラントが存在するDLサブフレームの立場で、自体と関連するULサブフレームとの間隔を示す。具体的には、サブフレームiのPHICH/ULグラントは、サブフレームi-kのPUSCH伝送に対応する。
【0092】
【0093】
図13は、UL-DL構成#1が設定された場合のPHICH/ULグラント伝送タイミングを例示する。同図で、SF#0~#9及びSF#10~#19は、それぞれ無線フレームに対応する。同図で、ボックス内の数字は、ULサブフレームの観点で自体と関連するDLサブフレームを示す。例えば、SF#2のPUSCHに対するPHICH/ULグラントは、SF#2+4(=SF#6)で伝送され、SF#8のPUSCHに対するPHICH/ULグラントは、SF#8+6(=SF#14)で伝送される。
【0094】
次に、PHICHリソース割当について説明する。サブフレーム#nでPUSCH伝送があると、端末は、サブフレーム#(n+kPHICH)で対応するPCHIHリソースを決定する。FDDにおいて、kPHICHは、固定された値(例えば、4)を有する。TDDにおいて、kPHICHは、UL-DL構成に応じて異なる値を有する。表7は、TDDのためのkPHICH値を示し、表6と等価である。
【0095】
【0096】
PHICHリソースは、[PHICHグループインデックス、直交シーケンスインデックス]によって与えられる。PHICHグループインデックス及び直交シーケンスインデックスは、(i)PUSCH伝送に用いられる最小PRBインデックスと、(ii)DMRS(DeModulation Reference Signal)サイクリックシフトのための3ビットフィールドの値を用いて決定される。(i)、(ii)は、ULグラントPDCCHにより指示される。
【0097】
次に、HARQプロセスについて説明する。端末には、UL伝送のために複数の並列HARQプロセスが存在する。複数の並列HARQプロセスは、以前のUL伝送に対する成功又は失敗の受信に対するHARQフィードバックを待つ間に、UL伝送が連続して行われるようにする。それぞれのHARQプロセスは、MAC(Medium Access Control)層のHARQバッファと関連する。それぞれのHARQプロセスは、バッファ内のMAC PDU(Physical Data Block)の伝送回数、バッファ内のMAC PDUに対するHARQフィードバック、現在の冗長(リダンダンシ)バージョン(redundancy version)などに関する状態変数を管理する。
【0098】
LTE(-A)FDDの場合、ノンサブフレームバンドリング動作(即ち、普通のHARQ動作)のためのUL HARQプロセスの数は、8個である。一方、LTE(-A) TDDの場合には、UL-DL構成に応じてULサブフレームの個数が異なるので、UL HARQプロセスの数及びHARQ RTT(Round Trip Time)もUL-DL構成ごとに異なる。ここで、HARQ RTTは、ULグラントを受信した時点から(これに対応する)PUSCH伝送を経て、(これに対応する)PHICHが受信される時点までの時間間隔(例えば、SF若しくはms単位)、又はPUSCH伝送時点からこれに対応する再伝送時点までの時間間隔を意味する。
【0099】
UL HARQプロセスの数は、変わる。サブフレームバンドリングが適用されると、FDD及びTDDにおいて、4個の連続するULサブフレームで構成された1つのバンドル(一束)の(a bundle of)PUSCH伝送が行われる。したがって、サブフレームバンドリングが適用される場合のHARQ動作/プロセスは、上述した普通のHARQ動作/プロセスとは異なる。
【0100】
表8は、TDDにおける同期式UL HARQプロセスの数及びHARQ RTTを示す。UL HARQ RTTが10[SFs又はms]である場合(UL-DL構成#1、#2、#3、#4、#5)、1つのUL HARQプロセスは、1つの固定したUL SFタイミングを使用する。反面、UL HARQ RTTが10[SFs又はms]ではない場合(UL-DL構成#0、#6)、1つのUL HARQプロセスは、(1つの固定したUL SFタイミングではなく)複数のUL SFタイミングを(ホッピングしながら)使用する。例えば、UL-DL構成#6の場合、1つのUL HARQプロセスにおいて、PUSCH伝送タイミングは、次の通りである。SF#2:PUSCH⇒SF#13:PUSCH(RTT:11SFs)⇒SF#24:PUSCH(RTT:11SFs)⇒SF#37:PUSCH(RTT:13SFs)⇒SF#48:PUSCH(RTT:11SFs)⇒SF#52:PUSCH(RTT:14SFs)。
【0101】
【0102】
TDD UL-DL構成が#1~6であり、普通のHARQ動作時、ULグラントPDCCH及び/又はPHICHがサブフレームnで検出されると、端末は、PDCCH及び/又はPHICH情報によって、サブフレームn+k(表5参照)で対応するPUSCH信号を伝送する。
【0103】
TDD UL-DL構成が#0であり、普通のHARQ動作時、UL DCIグラントPDCCH及び/又はPHICHがサブフレームnで検出される場合、端末のPUSCH伝送タイミングは、条件によって変わる。まず、DCI内のULインデックスのMSB(Most Significant Bit)が1であるか、又はPHICHがサブフレーム#0若しくは#5でIPHICH=0に対応するリソースで受信された場合、端末は、サブフレームn+k(表5参照)で対応するPUSCH信号を伝送する。次に、DCI内のULインデックスのLSB(Least Significant Bit)が1であるか、PHICHがサブフレーム#0若しくは#5でIPHICH=1に対応するリソースで受信されるか、又はPHICHがサブフレーム#1若しくは#6で受信された場合、端末は、サブフレームn+7で対応するPUSCH信号を伝送する。次に、DCI内のMSB及びLSBが全てセットされた場合、端末は、サブフレームn+k(表5参照)及びサブフレームn+7で対応するPUSCH信号を伝送する。
【0104】
図14は、UL-DL構成#1が設定された場合の同期式UL HARQプロセスを例示する。ボックス内の数字は、UL HARQプロセス番号を例示する。本例は、普通(normal)のUL HARQプロセスを示す。
図14を参照すると、HARQプロセス#1は、SF#2、SF#6、SF#12、SF#16に関与する。例えば、初期PUSCH信号(例えば、RV=0)がSF#2で伝送された場合、対応するULグラントPDCCH及び/又はPHICHは、SF#6で受信され、対応する(再伝送)PUSCH信号(例えば、RV=2)がSF#12で伝送されることができる。したがって、UL-DL構成#1の場合、RTT(Round Trip Time)が10SFs(又は10ms)である4個のUL HARQプロセスが存在する。
【0105】
図15は、キャリアアグリゲーション(併合)(Carrier Aggregation、CA)通信システムを例示する。
【0106】
図15を参照すると、複数のUL/DLコンポーネントキャリア(Component Carrier、CC)は、より広いUL/DL帯域幅をサポートすることができる。CCは、周波数領域で互いに連続(隣接)しても(contiguous)しなくてもよい。各CCの帯域幅は、独立して決定できる。UL CCの数とDL CCの数とが異なる非対称キャリアのアグリゲーションも可能である。なお、制御情報は、特定のCCを通じてのみ送受信できるように設定される。この特定のCCをプライマリCCと称し、その他のCCをセカンダリCCと称する。一例として、クロスキャリアスケジューリング(cross-carrier scheduling)(又はクロスCCスケジューリング)が適用される場合、下りリンク割り当てのためのPDCCHは、DL CC#0で伝送され、該当PDSCHは、DL CC#2で伝送される。用語‘コンポーネントキャリア’は、等価の他の用語(例えば、キャリア、セルなど)に代替できる。
【0107】
クロスCCスケジューリングのために、CIF(Carrier Indicator Field)が使用される。PDCCH内にCIFの存在又は不在に関連する設定が、準静的(半-静的)に(semi-statically)端末固有(又は端末グループ固有)に上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)によって可能になる(enable)。以下、PDCCH伝送の基本事項を整理する。
【0108】
■ CIFディセーブルド(disabled):DL CC上のPDCCHは、同じDL CC上のPDSCHリソース及び単一のリンクされたUL CC上のPUSCHリソースを割り当てる。
【0109】
● No CIF
【0110】
■ CIFイネーブルド(enabled):DL CC上のPDCCHは、CIFを用いて複数の統合されたDL/UL CCのうちの特定のDL/UL CC上のPDSCH又はPUSCHリソースを割り当てることができる。
【0111】
● CIFを有するように拡張されたLTE DCIフォーマット
【0112】
- CIF(設定された場合)は、固定されたxビットフィールド(例えば、X=3)
【0113】
- CIF(設定された場合)の位置は、DCIフォーマットサイズに関係なく固定される。
【0114】
CIFが存在するとき、基地局は、端末側のBDの複雑度を低くするために、モニタリングDL CC(セット)を割り当てることができる。PDSCH/PUSCHスケジューリングのために、端末は、該当DL CCでのみPDCCHの検出/復号を行う。また、基地局は、モニタリングDL CC(セット)を通じてのみPDCCHを伝送できる。モニタリングDL CCセットは、端末固有、端末グループ固有又はセル固有の方式でセットされる。
【0115】
図16は、複数のキャリアが統合された場合のスケジューリングを例示する。3個のDL CCが統合され、DL CCAがPDCCHモニタリングDL CCに設定された場合を例示する。DL CCA~Cは、サービングCC、サービングキャリア、サービングセルなどと言える。CIFがディセーブルされた場合、それぞれのDL CCは、LTE PDCCHの規則に従って、CIFなしで自体のPDSCHをスケジューリングするPDCCHのみを送信することができる(非クロスCCスケジューリング)。反面、端末固有(又は端末グループ固有又はセル固有)の上位層シグナリングによってCIFが可能になると、特定のCC(例えば、DL CC A)は、CIFを用いてDL CC AのPDSCHをスケジューリングするPDCCHだけではなく、他のCCのPDSCHをスケジューリングするPDCCHも伝送できる(クロスCCスケジューリング)。反面、DL CC B/Cでは、PDCCHは伝送されない。
【0116】
一方、次世代RAT(Radio Access Technology)においては、データ伝送遅延(latency)を最小にするために、セルフコンテインド(self-contained)サブフレームが考えられている。
図17は、セルフコンテインドサブフレームの構造を例示している。
図17において、斜線領域は、DL制御領域を示し、黒色部分は、UL制御領域を示す。その他の領域は、DLデータ伝送又はULデータ伝送のために使用される。1つのサブフレーム内でDL伝送とUL伝送とが順に行われるので、該サブフレーム内でDLデータを送り出し、UL ACK/NACKを受け取ることができる。結果として、データ伝送エラーの発生時にデータ再伝送までにかかる時間を短縮させることにより、最終データ伝達の遅延を最小にすることができる。
【0117】
構成/設定が可能なセルフコンテインドサブフレームタイプの例として、少なくとも以下の4つのタイプが考えられる。各々の区間は、時間順に並んでいる。
【0118】
-DL制御区間+DLデータ区間+GP(Guard Period)+UL制御区間
【0119】
-DL制御区間+DLデータ区間
【0120】
-DL制御区間+GP+ULデータ区間+UL制御区間
【0121】
-DL制御区間+GP+ULデータ区間
【0122】
DL制御区間では、PDFICH、PHICH、PDCCHが伝送され、DLデータ区間では、PDSCHが伝送される。UL制御区間では、PUCCHが伝送され、ULデータ区間では、PUSCHが伝送される。GPは、基地局及び端末が、送信モードから受信モードに転換される(切り替えられる)過程又は受信モードから送信モードに転換される過程で時間ギャップを提供する。サブフレーム内においてDLからULに転換される時点の一部のOFDMシンボルがGPとして設定される。
【0123】
実施例
【0124】
new RATシステムは、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)、mMTC(massive Machine type Communications)などの様々な使用シナリオ(又はサービスタイプ、トラフィックタイプ)をサポートするように設計できるが、様々な使用シナリオ(以下、使用例)は、特に(ユーザプレーン(平面))遅延の側面で各々異なる要件(requirement)を有することができる。一例として、各使用例で要求される(最大の)遅延は、URLLC(例えば、0.5ms)<eMBB(例えば、4ms)<mMTC(例えば、X ms>4ms)の順に異なるように与えられる。これにより、TTI長も使用例ごとに異なるように設定できる。例えば、TTI長が、URLLC<eMBB<mMTCの順に異なるように与えられることができる。ここで、TTIは、データスケジューリング間の(最小の)時間間隔又は単一データの(最大の)送信時間区間(duration)として定義されることができる。データスケジューリング間の(最小の)時間間隔又は単一データの(最大の)送信時間区間は、サブフレーム(SF)又はスロットの整数/実数倍で表現されるか、又はOFDMシンボルの整数倍で表現される。
【0125】
一方、DL/ULデータのスケジューリング/送信のためのHARQタイミングの設定及びHARQプロセスの運用は、遅延要件/TTI長(これによる使用例)、DL/UL信号処理(例えば、DL制御/データチャネルの復号、符号化を含むUL送信準備など)に関連する端末能力などによって変わる。例えば、(最小の)HARQタイミングの遅延は、URLLCがeMBBより小さく設定される反面、(最大の)HARQプロセス数は、eMBBがURLLCより大きく設定される。ここで、HARQタイミングは、DLデータの受信とHARQ-ACKの送信との間の遅延、ULグラントの受信とULデータの送信との間の遅延などを示し、TTIの整数倍で表現される。
【0126】
以下、異なる遅延が要求される使用例(又はそれに対応する異なるTTI長)を考慮した効果的なDL/UL HARQタイミングの設定及びHARQプロセスの運用方法を提案する。本発明において、(i)TTIとSFとは、時間の長さ又は時間区間の観点で同じ意味で使用される(例えば、SFオフセットは、TTIオフセットと考慮されることができる)か、(ii)TTI長は、各使用例ごとに異なる値に設定され、SFの長さ(SF長)は、全ての使用例について共通した単一値に設定されることができる(例えば、SFは、可能な複数のTTI長のうち、特定の1つの同一の時間区間を有することができる)。(ii)の場合、(ii-1)SFは、最小TTI(例えば、URLLCに設定されるTTI長)と同じ時間区間を有するように設定されるか、(ii-2)SFは、ノーマル(一般)(normal)TTIと同じ時間区間(例えば、eMBBに設定されるTTI長)を有するように設定されることができる。(ii-1)の場合、特定の使用例で設定される1つのTTIは、1つ又は複数のSF(或いはスロット)で構成され、(ii-2)の場合、特定の使用例で設定される1つのTTIは、1つ又は複数のSF(或いはスロット)で構成されるか、又は複数のTTIが、1つのSF(或いはスロット)内に構成されることができる。
【0127】
説明の便宜上、端末及び基地局で要求される各(最小)HARQタイミングの遅延を定義すると、以下の通りである。
【0128】
1)dUE_DL:DLデータの受信とHARQ-ACKの送信との間における遅延(端末において)。端末は、自体のdUE_DL情報(能力)を適切な時点(例えば、初期アクセス或いはRRC接続(連結)(RRC connection)過程)で基地局に報告することができる。同じ端末に対して、dUE_DL情報と以下のdUE_UL情報とが異なるようにサポートされることができる。
【0129】
2)dNB_DL:HARQ-ACK受信とDLデータの再送信との間における遅延(基地局において)。基地局は、dNB_DL情報を適切な時点で端末にシグナリングすることができる。dNB_DL情報は、以下のdNB_UL情報と異なるように設定される。あるいは、基地局が以下のRTT_DL又はHARQ_DL情報を適切な時点で端末にシグナリングし、端末は、該当RTT_DL又はHARQ_DL情報からdNB_DL情報を算出することができる。
【0130】
3)RTT_DL:同じHARQプロセスのDLデータ送信間の(最小の)遅延(例えば、dUE_DL+dNB_DL)
【0131】
4)HARQ_DL:(最大の)DL HARQプロセス数(例えば、RTT_DL内におけるTTIの最大数)。HARQ_DL値によって、DLグラントDCI内でHARQプロセスIDを指定するビット数、並びに/又はDLソフトバッファの観点で各々のDLデータ(例えば、TB)若しくはHARQプロセス当たり記憶する最初のビット数が異なるように決定される。
【0132】
5)dUE_UL:(端末における)ULグラントの受信とULデータの送信との間の遅延。端末は、自体のdUE_UL情報(能力)を適切な時点(例えば、初期アクセス或いはRRC接続過程)で基地局に報告することができる。同じ端末に対して、dUE_UL情報とdUE_DL情報とが異なるようにサポートされることができる。
【0133】
6)dNB_UL:ULデータの受信と再送信ULグラントの送信との間の遅延(基地局において)。基地局は、dNB_UL情報を適切な時点で端末にシグナリングすることができる。dNB_UL情報は、dNB_DL情報と異なるように設定される。あるいは、基地局は、以下のRTT_UL又はHARQ_UL情報を適切な時点で端末にシグナリングし、端末は、該当RTT_UL又はHARQ_UL情報からdNB_UL情報を算出することができる。
【0134】
7)RTT_UL:同じHARQプロセスのULデータ送信間の(最小の)遅延(例えば、dUE_UL+dNB_UL)
【0135】
8)HARQ_UL:(最大の)UL HARQプロセス数(例えば、RTT_UL内におけるTTIの最大数)。HARQ_UL値によってULグラントDCI内にHARQプロセスIDを指定するビット数、並びに/又はULソフトバッファの観点で各々のULデータ(例えば、TB)若しくはHARQプロセス当たりのバッファリングする最初のビット数が異なるように決定される。
【0136】
図18乃至
図21は、HARQタイミング遅延による信号送受信を例示する。同図を参照すると、端末は、DLデータの受信後、dUE_DL以後にHARQ-ACKを送信する。HARQ-ACKがNACKである場合、基地局は、dNB_DL以後にDLデータを再送信する。同様に、端末は、ULグラントの受信後、dUE_UL以後にULデータ(例えば、PUSCH)を送信することができる。ULデータに対して再送信が必要な場合、基地局は、dNB_UL以後にULデータの再送信を指示するULグラントを送信することができる。
【0137】
本発明において、TTI長、使用例及びOFDMの変復調に使用される副搬送波(SC)間隔(即ち、SCS)は、互いに類似する意味で使用されるか又は代替されることができる。例えば、short TTI長は、large SCS又はURLLCのような意味を有し、long TTI長は、small SCS又はmMTCのような意味を有することができる。(short TTI長とlong TTI長との間の)ノーマルTTITTI長は、(small SCSとlarge SCSとの間の)ノーマルSCS又はeMBBのような意味を有することができる。HARQタイミング遅延は、SF/スロット/TTI長の整数倍(又は実数倍)で与えられるか、又はOFDMシンボル区間の整数倍で与えられる。ここで、OFDMシンボルとは、OFDMベースのシンボルを通称し(例えば、OFDMシンボル、SC-FDMAシンボルなど)、簡単にシンボルと表現することもできる。また、TTI長は、単一のTTIを構成するSF/スロット/シンボル数、即ち、TTI当たりのSF/スロット/シンボル数のような意味で使用されるか又は代替されることができる。例えば、long TTI長は、TTI当たりのSF/スロット/シンボル数が多い場合、short TTI長は、TTI当たりのSF/スロット/シンボル数が少ない場合のような意味になる。また、TTI/SF/スロットは、混用できる。また、この明細書において、‘長い/短い/増加する/減少する’は、相対的に長い/短い/増加する/減少することを意味するか、又は特定の基準値を基準として長い/短い/増加する/減少することを意味することができる。例えば、後者の場合、TTI長Xの場合に対してHARQタイミング遅延(又は最小のHARQ RTT)がA個のTTI区間に設定され、TTI長Yの場合に対してHARQタイミング遅延(又は最小のHARQ RTT)がB個のTTI区間に設定されると仮定したとき、(実際のTTI長に関係なく)AとBとの大小関係によって、2つのTTI長X及びYのうちのいずれかは、HARQタイミングの遅延(又は最小のHARQ RTT)がさらに長い/短い/増加する/減少すると記述されることができる。また、この明細書において、eNBとgNBとは入れ替えてもよい。また、以下に説明する方式は、互いに組み合わせることもできる。
【0138】
[方式1]HARQプロセス遅延及びHARQプロセス番号
【0139】
この方式では、HARQ動作のための端末(例えば、UE)及び基地局(例えば、eNB)におけるデータ処理遅延、また、それに関連するHARQプロセス数、並びに受信バッファの運用方法について提案する。以下、HARQ(処理)遅延は、UEの場合、(i)DLデータの受信時点とそれに対応するHARQ-ACKの送信時点との間の時間遅延(dUE_DL)、又は(ii)ULグラントの受信時点とそれに対応するULデータの送信時点との間の時間遅延(dUE_UL)を意味することができる。また、HARQ(処理)遅延は、eNBの場合、(i)HARQ-ACKの受信時点とそれに対応する再送信DLデータのスケジューリング(DLグラントの送信)の時点との間の時間遅延(dNB_DL)、又は(ii)ULデータの受信時点とそれに対応する再送信ULデータのスケジューリング(ULグラントの送信)の時点との間の時間遅延(dNB_UL)を意味することができる。また、(最小の)HARQ RTTは、DL(又はUL)データの送信(スケジューリング)時点とそれに対応する(該当データと同じHARQプロセスIDを有する)DL(又はUL)データの再送信(スケジューリング)の時点との間の(最小の)時間遅延(RTT_DL、RTT_UL)を意味することができる。
【0140】
(1)HARQプロセス遅延
【0141】
A.UE遅延
【0142】
i.Capable min UE遅延(min_dUE_cap):UEが自体のカテゴリ及び能力/具現によってサポート可能な最小のHARQ遅延
【0143】
ii.Configured min UE遅延(min_dUE_cfg):eNBがUEに設定した候補HARQ遅延のうちの最小のHARQ遅延
【0144】
iii.Configured max UE遅延(max_dUE_cfg):eNBがUEに設定した候補HARQ遅延のうちの最大のHARQ遅延。max_dUE_cfgの設定可能な最大値は、以下のdUE_デフォルトと同じ値に設定される。
【0145】
iv.デフォルトUE遅延(dUE_デフォルト):eNBからHARQ遅延が設定される前の時点又はランダムアクセス過程でUEが仮定/適用する自体のHARQ遅延
【0146】
B.eNB遅延
【0147】
i.Capable min eNB遅延(min_dNB_cap):eNBが自体の具現及びセル管理(management)によってサポート可能な最小のHARQ遅延
【0148】
ii.Configured min eNB遅延(min_dNB_cfg):eNBがUEに設定するeNBで所要の最小のHARQ遅延
【0149】
1.UEは、特定のDL HARQプロセスIDに対するHARQ-ACKの送信時点から以後のmin_dNB_cfgだけの区間内では、該当DL HARQプロセスIDを有するDLデータ(再送信)に対するスケジューリング(これに対応するDLグラントの受信)はないと仮定した/見なした状態で動作することができる。例えば、UEは、該当DL HARQプロセスIDを有するDLデータ(再送信)に対するスケジューリング情報(例えば、DLグラント)を受信しても、該当DLデータ(再送信)に対する復号動作を省略することができる。
【0150】
2.UEは、特定のUL HARQプロセスIDを有するULデータの送信時点から以後のmin_dNB_cfgだけの区間内では、該当UL HARQプロセスIDを有するULデータ(再送信)に対するスケジューリング(これに対応するULグラントの受信)はないと仮定した/見なした状態で動作することができる。例えば、UEは、該当UL HARQプロセスIDを有するULデータ(再送信)に対するスケジューリング情報(例えば、ULグラント)を受信しても、該当ULデータ(再送信)に対する送信動作を省略することができる。
【0151】
3.min_dNB_cfgは、min UE遅延値(再設定)に関係なく1つの値に設定されることができる。他の例として、min_dNB_cfgは、別の設定なしで、min UE遅延値によって自動設定できる(例えば、min UE遅延と同じ値或いはmin UE遅延に比例する値に設定)。さらに他の例として、min_dNB_cfgは、eNBから設定されたmax HARQnum値によって自動設定できる(例えば、max HARQnumからmin UE遅延を引いた値に設定)。
【0152】
4.min_dNB_cfgの設定可能な最大値は、以下のdNB_デフォルトと同じ値に設定できる。
【0153】
iii.デフォルトeNB遅延(dNB_デフォルト):eNBからHARQ遅延が設定される以前の時点又はランダムアクセス過程でUEが仮定する/適用するeNBのHARQ遅延。技術文書に予め定義されているか、又はeNBから(例えば、特定のブロードキャストシグナリング又はシステム情報などにより)設定されることができる。
【0154】
以下の説明において、min UE遅延は、min_dUE_cap又はmin_dUE_cfgを意味し、max UE遅延は、max_dUE_cfgを意味し、min eNB遅延は、min_dNB_cap又はmin_dNB_cfgを意味する。
【0155】
(2)HARQ RTT及びプロセス番号
【0156】
A.HARQ RTT
【0157】
i.Min HARQ RTT(min_RTT):min UE遅延とmin eNB遅延との組み合わせ、又はmax UE遅延とmin eNB遅延との組み合わせでサポート可能な最小のHARQ再送信の遅延
【0158】
1.UEは、特定のDL HARQプロセスIDを有するDLデータのスケジューリング(それに対応するDLグラントの受信)時点から以後のmin_RTTだけの区間内では、該当HARQプロセスIDを有するDLデータ(再送信)に対するスケジューリング(DLグラントの受信)はないと仮定した/見なした状態で動作することができる。例えば、UEは、該当HARQプロセスIDを有するDLデータ(再送信)に対するスケジューリング情報(例えば、DLグラント)を受信しても、該当DLデータ(再送信)に対する復号動作を省略することができる。
【0159】
2.UEは、特定のUL HARQプロセスIDを有するULデータのスケジューリング(それに対応するULグラントの受信)時点から後のmin_RTTだけの区間内では、該当HARQプロセスIDを有するULデータ(再送信)に対するスケジューリング(ULグラントの受信)はないと仮定した/見なした状態で動作することができる。例えば、UEは、該当HARQプロセスIDを有するULデータ(再送信)に対するスケジューリング情報(例えば、ULグラント)を受信しても、該当ULデータ(再送信)に対する送信動作を省略することができる。
【0160】
3.min_RTTは、min_dUE_cfg値(又はmax_dUE_cfg値)とmin_dNB_cfg値との和により決定されるか、又はeNBから設定されることができる。
【0161】
4.min HARQ RTTの設定可能な最大値は、以下のRTT_デフォルトと同じ値に設定されることができる。
【0162】
ii.デフォルトHARQ RTT(RTT_デフォルト):デフォルトUE遅延とデフォルトeNB遅延との組み合わせによりサポート可能な最小のHARQ再送信遅延
【0163】
1.RTT_デフォルトは、dUE_デフォルトとdNB_デフォルトとの和により決定されることができる。
【0164】
2.RTT_デフォルトは、技術文書に予め定義されているか、又はeNBから(例えば、特定のブロードキャストシグナリング又はシステム情報などにより)設定される。
【0165】
B.HARQプロセス番号
【0166】
i.Actualmax HARQnum(max_N_act):スケジューリングDCIのフィールドにより又はMAC層の処理の観点で(個別のTBで)区分可能な最大のHARQプロセス数
【0167】
1.max_N_actは、min UE遅延(又はmax UE遅延)とmin eNB遅延との組み合わせによって自動的に設定(例えば、min_RTTに相応する値、又はmin HARQ RTT区間内におけるSF(又はTTI)の数に自動設定)されるか、又はeNBから設定される。
【0168】
2.max_N_actの設定可能な最大値(及び最初値)は、制限され、該当最大値(及び最小値)は、min UE遅延(又はmax UE遅延)、min eNB遅延、min HARQ RTT値によって異なるように(比例して)設定される。
【0169】
3.max_N_actの設定可能な最大値は、以下のデフォルトmax HARQnumと同じ値に設定される。
【0170】
ii.参照max HARQnum(max_N_ref):受信ソフトバッファ分割/割り当て時(例えば、TB当たり最小の記憶ビット数の決定時)に基準となる最大のHARQプロセス数
【0171】
1.max_N_refは、特定値に(技術文書に)予め定義されるか、min_RTTに相応する値に(又は、min HARQ RTT区間内におけるSF(若しくはTTI)の数に)設定されるか、又はeNBから設定される。
【0172】
2.一例として、min(max_N_ref、max_N_act)又はmax_N_refに基づいて実際のソフトバッファの分割(例えば、TB当たり最小の記憶ビット数を決定)が行われることができる。
【0173】
iii.デフォルトmax HARQnum(N_デフォルト):eNBからHARQ遅延、in HARQ RTT若しくはmax HARQnumが設定される前の時点、又はランダムアクセス過程でUEが仮定する/適用する最大のHARQプロセス数
【0174】
1.N_デフォルトは、max_N_refと同じ値に設定されるか、又はdUE_デフォルトとdNB_デフォルトとの組み合わせによって(例えば、RTT_デフォルトに相応する値に又はデフォルトHARQ RTT区間内のSF(若しくはTTI)の数に)自動設定されることができる。あるいは、以下で最大のHARQ RTT(Ymaxi ms:ピークレートのデータを連続して受信/記憶できる最大時間)に対応するHARQプロセス数は、N_デフォルト値に設定されることができる。
【0175】
2.N_デフォルトは、技術文書に予め定義されているか、又はeNBから(例えば、特定のブロードキャストシグナリング又はシステム情報などにより)設定される。
【0176】
以下の説明において、max HARQnumは、actualmax HARQnumを意味することができる。また、max HARQnumの決定時に使用するmin HARQ RTTは、DL/UL構成の属性によって以下の意味を有することができる。
【0177】
-(DL/UL設定が動的に変更する)動的TDDの場合:DL/ULに関係なく、RTT内におけるSF(又はTTI)数を意味することができる。
【0178】
-準静的(Semi-static)DL/UL構成ベースのTDD又はFDDの場合:DLの場合、RTT内におけるDL SF(又はTTI)の数を意味し、ULの場合は、RTT内におけるUL SF(又はTTI)数を意味する。
【0179】
(3)HARQパラメータのセット#1
【0180】
A.方法1-1:min UE遅延(又はmax UE遅延)によってのみ決定
【0181】
eNBからmin UE遅延(及びmax UE遅延)のみが設定された状態で、(UEにおいて)min UE遅延(又はmax UE遅延)のみに基づいてmax HARQnum、min HARQ RTT、min gNB遅延が決定されることができる。
【0182】
1.一例として、max HARQnum=min HARQ RTT=L x min UE遅延(又は、L x max UE遅延)に設定され、min gNB遅延=min UE遅延(又はmax UE遅延)に仮定/適用されることができる。
【0183】
2.Lは、特定値(例えば、2)に予め定義されるか、又はeNBから設定される。
【0184】
B.方法1-2:min UE遅延(又はmax UE遅延)とmin eNB遅延との組み合わせにより決定
【0185】
eNBからmin UE遅延(及びmax UE遅延)及びmin eNB遅延が設定された状態で、(UEにおいて)該当パラメータに基づいてmax HARQnum及びmin HARQ RTTが決定されることができる。一例として、max HARQnum=min HARQ RTT=min UE遅延(又はmax UE遅延)+min gNB遅延に設定されることができる。
【0186】
C.方法1-3:min UE遅延(又はmax UE遅延)とmax HARQnumとの組み合わせにより決定
【0187】
eNBからmin UE遅延(及びmax UE遅延)並びにmax HARQnumが設定された状態で、(UEにおいて)該当パラメータに基づいてmin HARQ RTT及びmin gNB遅延が決定されることができる。
【0188】
1.一例として、min HARQ RTT=max HARQnum、min gNB遅延=max HARQnum-min UE遅延(又はmax UE遅延)に設定されることができる。
【0189】
2.特定のUEタイプ(カテゴリ)(以下、UEタイプ1)の場合、max HARQnum≦min UE遅延+Dを満たす値のみに設定し、他の特定のUEタイプ(カテゴリ)(以下、UEタイプ2)の場合には、max HARQnum≧min UE遅延+Dを満たす値のみに設定することができる。
【0190】
3.D≧1であることができ、例えば、D=1(又は、Dはmin eNB遅延と同じ値)に設定されることができる。
【0191】
4.UEタイプ1は、最大TBサイズ、全(総)ソフトバッファサイズ、最大動作周波数帯域幅のうちの少なくとも1つが特定の水準未満であるUEタイプとして考えることができる。
【0192】
D.方法1-4:min HARQ RTTを、max HARQnumと同一に又は比例して設定
【0193】
eNBからmin HARQ RTT及びmax HARQnumのうちの1つのパラメータ値が設定され、(UEにおいて)残りのパラメータ値は、設定された値と同一であるか、又は比例する値に設定されることができる。一例として、eNBからmax HARQnum=Nに設定されると、min HARQ RTT値も同様にNに設定されることができる。
【0194】
E.方法1-5:min HARQ RTTとmax HARQnumとを独立して設定
【0195】
eNBから、min HARQ RTTとmax HARQnumとが各々独立し設定される。これに限られないが、UEタイプ1の場合、max HARQnum≦min HARQ RTTを満たす値のみに設定されることができ、UEタイプ2の場合は、max HARQnum≧min HARQ RTTを満たす値のみに設定されることができる。
【0196】
F.方法1-6:min HARQ RTTと参照max HARQnumとを独立して設定
【0197】
eNBから、min HARQ RTTと参照max HARQnumとを各々独立して設定される。これに限られないが、UEタイプ1の場合、参照max HARQnum≦min HARQ RTTを満たす値のみに設定されることができ、UEタイプ2の場合は、参照max HARQnum≧min HARQ RTTを満たす値のみに設定されることができる。
【0198】
G.方法1-7:max_N_act値とmax_N_ref値とを同一に或いは異なるように設定
【0199】
(UEにおいて)max_N_act値及びmax_N_ref値が、min UE遅延及び/又はmax UE遅延及び/又はmin eNB遅延に基づいて設定されることができる。
【0200】
1.一例として、max_N_act=max UE遅延+min eNB遅延(又は、L x max UE遅延)に設定され、max_N_ref=max UE遅延(又はmin UE遅延)+min eNB遅延に設定されることができる。
【0201】
2.他の例として、max_N_act=min UE遅延+min eNB 遅延(又は、L x min UE遅延)に設定され、max_N_ref=min UE遅延+min eNB遅延に設定されることができる。
【0202】
3.Lは、特定値(例えば、2)に予め定義されるか、又はeNBから設定される。
【0203】
H.方法1-8:min UE遅延(又はmax UE遅延)及びLにより決定
【0204】
eNBから設定されたmin UE遅延(及びmax UE遅延)値及びパラメータL値に基づいて、(UEにおいて)min HARQ RTT(及びmin gNB遅延)が決定される。
【0205】
1.一例として、UEは、min HARQ RTT=L x min UE遅延(又は、L x max UE遅延)、又はmin HARQ RTT=min UE遅延+L(又は、max UE遅延+L)に決定できる。UEは、min HARQ RTTを同じHARQプロセスに対する最小のスケジューリング時間間隔であると仮定した状態で動作できる。
【0206】
2.UEは、min gNB遅延=min HARQ RTT-min UE遅延(又は、min HARQ RTT-max UE遅延)に決定できる。UEは、min gNB遅延を、同じHARQプロセスに対する最小のスケジューリング可能時点であると仮定した状態で動作できる。
【0207】
3.Lは、特定値(例えば、2、4)に予め定義されるか、又はeNBから設定される。
【0208】
I.方法1-9:actualmax HARQnumの設定可能な値の範囲設定
【0209】
actualmax HARQnum(max_N_act)の設定可能な最小値は、min UE遅延により、最大値は、max UE遅延により、(UEで)各々決定される。
【0210】
1.一例として、max_N_actの設定可能な最小値は、(min UE遅延+X)に、最大値は、(max UE遅延+X)に、各々決定できる。ここで、Xは、min gNB遅延、パラメータL、min UE遅延又はmax UE遅延のうちのいずれかに設定される。
【0211】
2.他の例として、(UEタイプに対する別の区別(区分)なしで(without distinguishing between the UE types))任意のUEに対して、(actual)max HARQnum≦min HARQ RTTを満たす値のみに設定されるか、(actual)max HARQnum≧min HARQ RTTを満たす値のみに設定されることができる。
【0212】
3.さらに他の例として、(DL/UL構成が動的に変更する)動的TDDの場合には、(actual)max HARQnum<min HARQ RTTを満たす値に設定され、準静的DL/UL構成ベースのTDD又はFDDの場合には、(actual)max HARQnum>min HARQ RTTを満たす値に設定されることができる。
【0213】
(4)HARQパラメータセット#2
【0214】
A.方法2-1:特定のDLデータ受信に対して固定したバッファサイズを割り当て
【0215】
特定のDLデータ受信に対して、固定した最小のソフトバッファサイズが割り当てられる(即ち、TB当たり最小の記憶ビット数が固定)。
【0216】
1.max HARQnumに対する再設定(それによるソフトバッファの再分割)時にも、特定のDLデータ受信に対しては、最小のソフトバッファサイズは、変更しないことができる。
【0217】
2.特定のDLデータは、特定のHARQプロセスIDを有するか、特定のDCIフォーマットによりスケジューリングされるか、又はデフォルトUE遅延が指示されたDLデータであることができる。
【0218】
3.特定のDLデータに対する最小のソフトバッファサイズは、max_N_ref値に基づいて分割されたソフトバッファサイズに設定されることができる。
【0219】
B.方法2-2:DLとULとの間でHARQパラメータを独立して設定
【0220】
UE遅延、eNB遅延、HARQ RTT、HARQnumなどのパラメータ値が、DL HARQとUL HARQとの間で独立して(例えば、異なる値に)設定されることができる。
【0221】
1.該当パラメータは、min UE遅延、max UE遅延、デフォルトUE遅延、min eNB遅延、デフォルトeNB遅延、min HARQ RTT、デフォルトHARQ RTT、max HARQnum、デフォルトHARQnumなどを含む。
【0222】
C.方法2-3:SCS(Subcarrier Spacing)及びBWによるmin_dUE_cap及びdUE_デフォルト報告/設定
【0223】
UEが接続した(アクセスする)システム/セル上でOFDM変復調に使用されるSCS及び動作BWによって、UEは、min_dUE_cap値を独立して(例えば、異なる値に)報告することができる。ここで、動作BWは、例えば、全システムBW(以下、システムBW)、UEの最大動作BW(以下、max UE BW)又はeNBから設定されたUE動作BW(以下、cfg UE BW)を含む。dUE_デフォルト値もSCS及びBWによって異なるように設定される。
【0224】
1.一例として、UEは、(自体が接続したシステム/セルのSCS値、並びに)システムBW及び/若しくはmax UE BW及び/若しくは設定されたUE BWを基準として、特定の(例えば、max)TBサイズに対してmin_dUE_cap値を報告するように動作できる。この場合、同じ動作BWについて、SCSのサイズによってmin_dUE_cap値が異なるように決定/報告されるか、又は、同じSCSについて、動作BWのサイズによってmin_dUE_cap値が異なるように決定/報告されることができる。
【0225】
2.他の例として、同じシステムBWについて、SCSのサイズによってdUE_デフォルト値が異なるように設定されるか、又は、同じSCSについて、システムBWのサイズによってdUE_デフォルト値が異なるように設定されることができる。この場合、システムBWを基準として設定されるdUE_デフォルト値は、UEタイプ2のみに適用され、UEタイプ1に適用されるdUE_デフォルト値は、システムBWより小さい特定サイズのmax UE BW(及びSCS値)に基づいて設定される。
【0226】
D.方法2-4:複数のTTI長で動作する状況におけるソフトバッファの運用
【0227】
互いに異なる複数のTTI長に基づいてHARQ動作を行う場合、(eNB/UEにおいて)各TTI長ごとに以下のようなソフトバッファ割り当て方式が考えられる。便宜上、大きいTTI長をL-TTIと定義し、L-TTIに設定された最大のHARQプロセス数をNと定義する。また、小さいTTI長をS-TTIと定義し、S-TTIに設定された最大のHARQプロセス数をMと定義する。
【0228】
1.Opt 1:各TTI長に対して、全バッファサイズを基準として、TB当たり最小のバッファサイズを割り当てることができる。例えば、L-TTIの場合、全バッファサイズをN個に分割して、TB当たり最小のバッファサイズを割り当てることができる。また、S-TTIの場合、全バッファサイズをM個に分割して、TB当たり最小のバッファサイズを割り当てることができる。
【0229】
2.Opt 2:全バッファサイズをTTI長によって分け、TTI長ごとに該当TTI長に割り当てられた部分バッファサイズを基準として、TB当たり最小のバッファサイズを割り当てることができる。例えば、全バッファサイズSをA:Bの比率に分けて(例えば、0<B<A<1、A+B=1)、L-TTIの場合は、部分バッファサイズ(AxS)をN個に分割し、S-TTIの場合は、部分バッファサイズ(BxS)をM個に分割して、TB当たり最小のバッファサイズを割り当てることができる。
【0230】
3.Opt 3:L-TTIの場合、全バッファサイズを基準として、S-TTIの場合、部分バッファサイズを基準として、TB当たり最小のバッファサイズを割り当てることができる。例えば、L-TTIの場合は、全バッファサイズSをN個に分割し、S-TTIの場合は、部分バッファサイズ(BxS)をM個に分割して、TB当たり最小のバッファサイズを割り当てることができる(0<B<1)。
【0231】
4.以上のように、バッファサイズ(寸法)決定(dimensioning)が適用された状態で、同じ1つのデータ(例えば、TB)について異なるTTI長による送信及び再送信が行われることができる。この場合、該当TBの最小バッファサイズは、該当TBの(再送信ではない)最初の送信に使用されたTTI長に設定されたTB当たり最小のバッファサイズに割り当てることができる。
【0232】
5.ここで、TTI長は、実際のTTIが1つに固定/設定された状態でデータ送信に指示された時間区間(例えば、シンボル数)に代替適用できる。例えば、L-TTIは、特定数以上のシンボルで構成されたデータ区間に代替され、S-TTIは、特定数未満のシンボルで構成されたデータ区間に代替されることができる。
【0233】
E.方法2-5:TBS/BW/SCS/TTIの組み合わせによるmin_dUE_cap報告
【0234】
UEが特定の(例えば、周波数帯域ごとに予め定義された)(複数の)TBサイズ(TBS)、BWのサイズ、SCS値及びTTI長の組み合わせを基準として、各組み合わせによる自体のmin_dUE_capをeNBに報告するように動作することができる。さらに、eNBは、min_dUE_capの決定の基準となる特定のTBサイズ、BWサイズ、SCS値及びTTI長の組み合わせをUEにシグナリングし、UEは、シグナリングされた組み合わせによる自体のmin_dUE_capをeNBに報告するように動作することができる。
【0235】
F.方法2-6:DL制御チャネルタイプによるmin_dUE_capの報告及び候補HARQ遅延の設定
【0236】
DL/UL共有(データ)チャネルのスケジューリングに使用されたDL制御チャネルのタイプによって、UEは、min_dUE_cap値をeNBに報告することができる。例えば、DL/UL共有(データ)チャネルのスケジューリングが使用されたDL制御チャネルが、既存のLTEのPDCCHのように、1つのTTI/SF/スロット内で相対的に低い(最大の)シンボルインデックスを有して、少数(小数)(small number)のシンボルを占有しながらDLデータチャネル送信区間とTDMされる形態(このとき、TDM方式は制御チャネルがデータチャネルより先にマッピング/送信される構造)で構成される(以下、制御タイプ1)か、又はLTEのEPDCCHのように、相対的に高い(最大の)シンボルインデックスを有して、多数のシンボルを占有しながらDLデータチャネル送信領域とFDMされる形態で構成される(以下、制御タイプ2)か、によって、UEは、min_dUE_cap値を独立してeNBに報告することができる(例えば、各々の制御タイプについて独立して異なる値を報告、又は制御タイプ1に比べて制御タイプ2の方に大きい値を報告)。
【0237】
DL制御チャネルのタイプは、DLデータチャネル送信区間とのTDM又はFDM形態で区分される以外にも、1つのTTI/SF/スロット内で制御チャネルの最後のシンボルと該当制御チャネルからスケジューリングされるDLデータチャネルの最後のシンボルとの間のギャップによって区分できる(或いは、該当ギャップに対する関数で定義できる)。例えば、制御タイプ1は、制御タイプ2の場合より該当ギャップがより大きい値を有する。かかるギャップに関する関数を特定の数式又は表で定義できる。
【0238】
これにより、eNBがUEに設定する候補HARQ遅延セットも、DL制御チャネルのタイプごとに独立して(例えば、異なるように、或いは制御タイプ1に比べて制御タイプ2の方が大きい値に)設定されることができる。デフォルトUE遅延値もDL制御チャネルタイプによって異なるように設定される。
【0239】
ここで、eNBから再送信されるデータのHARQ遅延は、以下のオプションにより適用できる。
【0240】
1.Opt 1:再送信データの初期送信スケジューリングに使用された制御チャネルタイプによって決定
【0241】
2.Opt 2:再送信データのスケジューリングに使用された制御チャネルタイプによって決定
【0242】
3.Opt 3:再送信データの初期送信スケジューリングに使用された制御チャネルタイプによって決定されたHARQ遅延と、再送信スケジューリングに使用された制御チャネルタイプによって決定されたHARQ遅延と、のうち、大きいHARQ遅延値の方に決定
【0243】
G.方法2-7:DL/ULデータ信号マッピング方式によるmin_dUE_cap報告及び候補HARQ遅延の設定
【0244】
DL/ULデータ信号がどのような方式でマッピングされるか、例えば、既存のLTEのPDSCHのように、DL/ULデータ信号が、周波数ファースト-時間セカンド(周波数を優先して時間を次にする)(frequency first-time second)方式でマッピングされる(以下、マッピングタイプ1)か、又は、LTEのPUSCHのように、DL/ULデータ信号が、時間ファースト-周波数セカンド(時間を優先して周波数を次にする)(time first-frequency second)方式でマッピングされる(以下、マッピングタイプ2)か、によって、UEは、min_dUE_cap値を独立して報告することができる(例えば、異なる値を報告、又はマッピングタイプ1に比べてマッピングタイプ2の方に大きい値を報告)。
【0245】
これにより、eNBがUEに設定する候補HARQ遅延セットも、DL/ULデータ信号マッピング方式ごとに独立して設定されることができる(例えば、異なるように設定、又はマッピングタイプ1に比べてマッピングタイプ2の方に大きい値に設定)。また、デフォルトUE遅延も、DL/ULデータマッピング方式によって異なるように設定できる。
【0246】
H.方法2-8:PRACHリソースごとに該当リソースを使用するUEに適用されるデフォルトUE遅延値を異なるように設定
【0247】
PRACHリソースごとに(例えば、時間、周波数、シーケンス、フォーマットのうちのいずれか1つにより区別される形態の)PRACHリソースの使用/送信により(初期)ランダムアクセス過程を行う/完了するUEに適用されるデフォルトUE遅延値が異なるように設定される。かかる設定は、(PRACHリソース設定情報を含む)システム情報(例えば、SIB)の送信により、UEに(ブロードキャスト)シグナリングされる。
【0248】
これにより、UEは、互いに異なるPRACHリソースに設定されている互いに異なる複数のdUE_デフォルト値のうち、自体のmin_dUE_cap値と同一であるか又はそれより大きい値に該当するdUE_デフォルトが設定されているPRACHリソースのうちの1つを選択して、PRACHを送信することができる。これにより、(初期)ランダムアクセス過程を行うように動作することができる。
【0249】
I.方法2-9:CA状態でセル/キャリア間のタイミングオフセットのセットによるmin_dUE_capの報告及びHARQ遅延の設定
【0250】
1つのUEに複数のセル/キャリア(セルに通称)に対するCAが設定された状況において、DL制御チャネル送信が行われるスケジューリングセルと該当DL制御チャネルからスケジューリングされたDL/ULデータチャネル送信が行われるスケジューリングされた(scheduled)セルとが互いに異なるように設定され(即ち、クロスキャリアスケジューリング)、該当の2つのセル間に特定水準以上に該当するSF/スロット/シンボル単位の(ノンゼロ)タイミングオフセットセットが存在することができる。この場合、UEは、2つのセル間に存在するタイミングオフセットセット情報をeNBに報告するか、又はタイミングオフセットセット情報に基づいてmin_dUE_cap情報をeNBに報告するように動作することができる。これにより、同じスケジューリングセルが設定された複数のスケジューリングされたセルの各々に対して、候補HARQ遅延セットが独立して(例えば、異なる値に)設定されるか、又はスケジューリング(する)セル(scheduling cell)とスケジューリングされるセル(scheduled cell)とが同じ(UL)TA(Timing Advance)を適用する場合(即ち、同じTAグループに属する場合)と、2つのセルが異なるTAを適用する場合(即ち、互いに異なるTAグループに属する場合)と、の間で異なる候補HARQ遅延セットが設定されることができる。
【0251】
j.方法2-10:UEが自体の最大復号能力又はそれに相応する情報をgNBに報告
【0252】
UEは、特定の(例えば、nominal)コードレート(例えば、1/2)の適用を仮定した状態で、自体の最大復号能力、又はそれに相応する特定の(例えば、最小)HARQプロセス数Kに関連する情報を、gNBに報告するように動作することができる。これにより、gNBは、該当UEに対する(特定の(例えば、nominal)コードレート(例えば、1/2)における)最大TBサイズ情報を把握できる。ここで、UEの最大復号能力は、該当UEの(復号)動作/サポート可能な最大の符号化されるビット数を示す。また、全ソフトバッファサイズを特定の(例えば、最小の)HARQプロセス数Kに分けた分に該当するビット数が、該当UEの(復号動作/サポート可能な)最大の符号化されたビット数になり得る。
【0253】
[方式2]SCS(又はTTI長)による最小のHARQ RTT及びソフトバッファ管理
【0254】
この方式では、SCS(それに基づくTTI長)による最小のHARQ RTTとソフトバッファ管理方式とについて提案する。
【0255】
(1)参照HARQパラメータセット
【0256】
まず、UE具現の参照(reference)となる(又は、UEパフォーマンスの目標となる)HARQパラメータセットが以下のように考えられる。
【0257】
1)SCS(SubCarrier Spacing):K[kHz]
【0258】
2)TTI長:L[ms]
【0259】
-SCS=K[kHz]に基づくN個のOFDMシンボル区間
【0260】
3)最大(aggregated)BW:B[MHz](=M[RBs])
【0261】
-SCS=K[kHz]に基づく最大の受信BW又は最大のRB数
【0262】
4)最大TBS(最大のBW以上):A[bits]
【0263】
-TTI長であるL[ms]単位でスケジューリング可能な最大のTBサイズ
【0264】
-最大BWが(同じBWを有する)Nc個のキャリアのCAで構成される場合、実際に各キャリアごとの最大のTBSは、A/NC[bits]になり得る。
【0265】
5)最小HARQ RTT:Y[ms]
【0266】
-UE(及びeNB)における最小のHARQ処理時間(方式1のcapablemin UE遅延に該当)によって決定可能
【0267】
6)参照HARQプロセス番号:Z(=Y/L)
【0268】
-HARQ RTTであるY[ms]の間にスケジューリング可能な最大のHARQプロセス数
【0269】
7)全ソフトバッファサイズ(Total soft Buffer Size):X[bits]
【0270】
-最大TBSであるA[bits]に対する(nominal(又はtarget or Reliable)コードレートに基づく)ソフト(符号化された)ビットをZ個のHARQプロセスに対して記憶できる全ソフトバッファサイズ
【0271】
-互いに異なるUEが、同一の最大TBS A[bits]及び/又は同一の全ソフトバッファサイズX[bits]をサポートしながら、最小HARQ RTT Y[ms]は、UEごとに異なる値をサポートすることができる
【0272】
次に、以上のような参照HARQパラメータセットに基づいてソフトバッファサイズの決定について説明すると、以下の通りである。ソフトバッファサイズの決定は、全ソフトバッファをTB当たりの(最小の)バッファサイズに分割することを意味する。
【0273】
1)TB当たりの最小バッファサイズ:X/Z[bits]
【0274】
-Zは、ソフトバッファサイズの決定に使用される最大値(以下、最大バッファサイズ値)を示す。
【0275】
-Zより大きいHARQプロセス番号が設定された場合にも、TB当たりの最小バッファサイズは、X/Z[bits]に制限される。
【0276】
-Zより小さいZsがHARQプロセス番号に設定された場合、TB当たりの最小バッファサイズは、X/Zs[bits]に設定可能である。
【0277】
-最大BWが(同じBWを有する)Nc個のキャリアで構成される場合、キャリアごとのTB当たりの最小バッファサイズは、X/(Z/Nc)[bits]になり得る。
【0278】
(2)より短いTTI長のためのHARQパラメータ
【0279】
まず、参照SCSに基づくTTI長(例えば、ノーマルTTI)より短いTTI長で使用するために変形されたHARQパラメータを考慮すると、以下の通りである。
【0280】
1)共通パラメータ
【0281】
-SCS:2K[kHz]
【0282】
-TTI長(N OFDMシンボル):L/2[ms]
【0283】
-最大BW:B[MHz]=M/2[RBs]
【0284】
-最大TBS(TTI当たり):A/2[bits]
【0285】
-全ソフトバッファサイズ:X[bits]
【0286】
2)HARQパラメータセット1
【0287】
-最小HARQ RTT:Y[ms]
【0288】
-参照HARQプロセス番号:2Z(=Y/(L/2))
【0289】
-TB当たりの最小バッファサイズ(最大TBS=A/2):X/(2Z)[bits]
【0290】
-Note:このパラメータセットは、データ(復号)性能及び信号プロセス速度の側面において参照パラメータセットの場合と同一又は類似する
【0291】
-この場合、2Zがソフトバッファサイズの決定に使用される最大値である
【0292】
3)HARQパラメータセット2
【0293】
-最小HARQ RTT:Y'[ms](Y/2≦Y'<Y)
【0294】
-参照HARQプロセス番号:Z'(Z≦Z'<2Z)
【0295】
-TB当たりの最小バッファサイズ(最大TBS=A/2):X/Z'[bits](X/Z'>X/(2Z))
【0296】
-Note:このパラメータセットは、参照パラメータセットに比べて向上した性能(coding)利得及び遅延減少を得る反面、より早い信号プロセス速度が要求される(さらに、適用可能な最大TAがより小さい値に制限される)
【0297】
-この場合、2Zがソフトバッファサイズの決定に使用される最大値である
【0298】
ここで、“2”を任意の整数“C”に代替(例えば、SCSをCxK[kHz]に代替)することにより、本発明は、任意の短いTTI長である場合に一般化して適用できる。
【0299】
(3)TTI長のためのHARQパラメータ
【0300】
まず、参照SCSに基づくTTI長(例えば、ノーマルTTI)より長いTTI長で使用するために変形されたHARQパラメータを考慮すると、以下の通りである。
【0301】
1)共通パラメータ
【0302】
-SCS:K/2[kHz]
【0303】
-TTI長(N個のOFDMシンボル):2L[ms]
【0304】
-最大BW:B[MHz]=2M[RBs]
【0305】
-最大TBS(TTI当たり):2A[bits]
【0306】
-全ソフトバッファサイズ:X[bits]
【0307】
2)HARQパラメータセット1
【0308】
-最小HARQ RTT:Y[ms]
【0309】
-参照HARQプロセス番号:Z/2(=Y/(2L))
【0310】
-TB当たりの最小バッファサイズ(最大TBS=2A):X/(Z/2)[bits]
【0311】
-Note:このパラメータセットは、データ(復号)性能及び信号プロセス速度の側面において、参照パラメータセットの場合と同一又は類似する
【0312】
-この場合、Z/2がソフトバッファサイズの決定に使用される最大値である
【0313】
3)HARQパラメータセット2
【0314】
-最小HARQ RTT:Y'[ms](Y<Y'≦2Y)
【0315】
-参照HARQプロセス番号:Z'(Z/2<Z'≦Z)
【0316】
-TB当たりの最小バッファサイズ(最大TBS=2A):X/Z'[bits](X/Z'<X/(Z/2))
【0317】
-Note:このパラメータセットは、参照パラメータセットに比べて遅い信号処理(プロセス)速度で動作可能である(さらに、適用可能な最大TAがより大きい値まで許容される)反面、(復号)性能及び遅延減少の側面において低下する
【0318】
-この場合、Z/2がソフトバッファサイズの決定に使用される最大値である
【0319】
ここで、“2”を任意の整数“C”に代替(例えば、SCSをK/C[kHz]に代替)することにより、本発明は、任意の長いTTI長である場合に一般化して適用できる。
【0320】
(4)HARQパラメータ関連のUE動作
【0321】
上記に基づいて、UEは、特定の複数の異なるSCS又はTTI長(又は周波数バンド)の集合について、各SCS/TTI長(/周波数バンド)ごとにHARQパラメータセットの全体又は特定の一部をeNBに報告することができる。上述したように、HARQパラメータセットは、例えば、最大(aggregated)BW(又はキャリア当たりの最大BW)、最大TBS(最大BW以上又はキャリア当たり)、最小HARQ RTT(with capable min UE遅延)、参照HARQプロセス番号、最大バッファサイズ値などを含む。
【0322】
なお、より短いTTI長の場合、UEの(ピーク)データレート/遅延要求又は目標サービスアプリケーションタイプ(例えば、eMBB/URLLC/mMTCのうちのいずれかのタイプ)によって、HARQパラメータセットを異なるように具現するように規定できる。一例として、eMBB(又はmMTC)ターゲットUEは、HARQパラメータセット1を使用し、URLLCターゲットUEは、HARQパラメータセット2(例えば、最小HARQ RTTをY'=Y/C[ms]として具現)を使用するように規定できる。また、より長いTTI長の場合にも、UEの(ピーク)データレート/遅延要求又は目標サービスアプリケーションタイプ(例えば、eMBB/URLLC/mMTCのうちのいずれのタイプであるか)によって、HARQパラメータセットを異なるように具現するように規定できる。一例として、eMBB(又はURLLC)ターゲットUEは、HARQパラメータセット1を使用し、mMTCターゲットUEは、HARQパラメータセット2(例えば、最小HARQ RTTをY'=YxC[ms]として具現)を使用するように規定できる。
【0323】
さらに、より短いTTI長におけるHARQパラメータセット1/2をS-TTIセット1/2と、より長いTTI長におけるHARQパラメータセット1/2をL-TTIセット1/2と、各々称すると、同じUEは、S-TTIセット2とL-TTIセット2との組み合わせを報告(具現/要求)しないように規定/制限できる。なお、TTI長1>TTI長2>TTI長3>TTI長4と与えられたとき、TTI長1からTTI長2への変更がS-TTIセット2で、TTI長2からTTI長3への変更がS-TTIセット1で、各々報告(具現)されると、TTI長3からTTI長4への変更は、S-TTIセット1のみを報告(具現)するように(即ち、S-TTIセット2を報告(具現/要求)しないように)規定/制限できる。また、TTI長1<TTI長2<TTI長3<TTI長4と与えられたとき、TTI長1からTTI長2への変更がL-TTIセット2で、TTI長2からTTI長3への変更がL-TTIセット1で、各々報告(具現)されると、TTI長3からTTI長4への変更は、L-TTIセット1のみを報告(具現)するように(即ち、L-TTIセット2を報告(具現/要求)しないように)規定/制限できる。
【0324】
(5)(ピークデータレート、最小HARQ RTT、ソフトバッファサイズ)によるUEカテゴリ
【0325】
ピークデータレート、最小HARQ RTT、ソフトバッファサイズの組み合わせによって、UEカテゴリを規定する方式について提案する。UEカテゴリは、UEカテゴリの分類に使用される様々な情報を示す代表値/インデックスとして理解できる。したがって、UEは、UEカテゴリによりUEカテゴリの規定に使用される様々な情報をeNBに伝達し、eNBは、UEカテゴリにより得た情報を用いて、UEにHARQ動作に必要な様々な情報(例えば、方式1を参照)を設定することができる。
【0326】
まず、UEカテゴリを規定する3つのパラメータについて定義すると、以下の通りである。
【0327】
1)ピークデータレート(Xi Gbps):単一のスロット又はTTIにより受信可能な最大データ(情報)ビット数
【0328】
2)最小HARQ RTT(Ymini ms):同じデータ(例えば、TB)の(再)送信間の最小間隔(達成可能な最小遅延)
【0329】
3)最大HARQ RTT(Ymaxi ms):ピークレートデータを連続して受信/記憶可能な最長時間
【0330】
4)ソフトバッファサイズ(Zi bits)=Xi[Gbps]xYmaxi[ms]xA
【0331】
5)Aは、特定(例えば、最低)コードレートR及び/又は許容可能な最大送信数T(例えば、4)の関数により決定され、一例としてA=min(1/R、T)である。
【0332】
6)Rは、レートマッチング又はパンクチャを適用しない最小(例えば、mother)のコードレート、又はそれ以上の特定ターゲットのコードレートで決定される。
【0333】
7)Ymaxiは、UEの具現によってYminiより大きいか又は等しい値を有し、以下、Yi(又はY)は、Ymaxi(又はYmini)に設定可能である。また、この明細書において、Yi(又はY)は、Ymaxi(又はYmini)を意味することができる。
【0334】
上記定義に基づいて、UEカテゴリCiは、(Xi、Yi、Zi)の組み合わせにより規定できる。これにより、可能なUEカテゴリを昇順(上昇)カテゴリオーダ(ascending category order)に基づいて規定すると、以下の通りである。
【0335】
1)C1=(X、Y、Z)
【0336】
A.ピークレートX及び最小RTT Y、並びにバッファサイズZの組み合わせにより規定されるUEカテゴリ
【0337】
2)C2=(X、Y'、Z')、ここで、Y'<Y、Z'<Z
【0338】
A.C1との比較
【0339】
-同じピークレートをサポート
【0340】
-より小さい最小RTTをサポートする(より早い)処理(プロセス)能力(processing capability)に基づいて、より小さい最小遅延をサポート
【0341】
-より小さいバッファサイズに基づいて、ピークレートのデータ送信に対してより小さい(最大)HARQプロセス数をサポート
【0342】
-バッファサイズは、最小RTTに比例して決定(減少)される(例えば、Y'/Y=Z'/Z)。互いに異なる(最小RTT、バッファサイズの)組み合わせを有し、かつ、2つのパラメータ間の比率(例えば、Y/Z=Y'/Z')は同一であるUEの場合、UEカテゴリ(オーダ)上で互いに異なるUEに区分/規定できる。
【0343】
B.同じピークレートをサポートする複数のUEについてもサポート可能な最小RTT(又は最小遅延)及びバッファサイズは、UEごとに異なるように具現され、最小RTTとバッファサイズとは、互いに比例関係を有して決定される。
【0344】
3)C3=(X、Y'、Z)、ここで、Y'<Y
【0345】
A.C1との比較
【0346】
-同じピークレートをサポート
【0347】
-より小さい最小RTTをサポートする(より早い)プロセス能力に基づいて、より小さい最小遅延をサポート
【0348】
-同じバッファサイズに基づいて、ピークレートのデータ送信に対して同一の(最大)HARQプロセス数をサポート
【0349】
B.同じピークレート及びバッファサイズをサポートする複数のUEについてもサポート可能な最小RTT(それによる最小遅延)は、UEごとに異なるように具現される。また、同じピークレート及び最小RTTをサポートする複数のUEについても、バッファサイズは、UEごとに異なるように具現される。
【0350】
4)C4=(X'、Y'、Z)、ここで、X'>X、Y'<Y
【0351】
A.C1との比較
【0352】
-より大きいピークレートをサポート
【0353】
-より小さい最小RTTをサポートする(より早い)プロセス能力に基づいて、より小さい遅延をサポート
【0354】
-同じバッファサイズに基づいて、ピークレートのデータ送信に対してより小さい(最大)HARQプロセス数をサポート
【0355】
-ピークレートは、UEのサポート可能な最大BW能力に比例して決定(増加)される
【0356】
-一方、ピークレートと最小RTTとは、互いに反比例しながら積(product)が一定になるように決定される(例えば、X・Y=X'・Y')。互いに異なる(ピークレート、最小RTTの)組み合わせを有しながら、2つのパラメータ間の積が同じであるUEは、UEカテゴリ(オーダ)上で互いに異なるUEに区分/規定されることができる
【0357】
B.同じバッファサイズ(及び/若しくは最小RTT)をサポートする複数のUEについてもサポート可能なピークレート並びに/又は最小RTT(若しくは最小遅延)は、UEごとに異なるように具現される。この場合、ピークレートと最小RTTとは、互いに反比例関係を有して決定される
【0358】
5)C5=(X'、Y'、Z'')、ここで、X'>X、Y'<Y、Z''>Z
【0359】
A.C1との比較
【0360】
-より大きいピークレートをサポート
【0361】
-より小さい最小RTTをサポートする(より早い)プロセス能力に基づいて、より小さい最小遅延をサポート
【0362】
-より大きいバッファサイズに基づいて、ピークレートのデータ送信に対して同じ(最大)HARQプロセス数をサポート
【0363】
-バッファサイズは、ピークレートに比例して決定される(例えば、増加)(例えば、Z''=Z・(X'/X))
【0364】
B.同じピークレート及び最小RTTをサポートする複数のUEについても、バッファサイズは、UEごとに異なるように具現される
【0365】
上記において、ピーク(データ)レートは、スケジューリング単位時間(例えば、TTI又はスロット又はサブフレームであり、便宜上、TTIと通称する)を基準として、該当時間内に達成可能な瞬間的な(instantaneous)ピークレートを意味する。
【0366】
一方、同じピークレートをサポートするUEであるにもかかわらず、最小(HARQ)RTTと(ソフト)バッファサイズとの組み合わせによって、以下のように互いに異なるUEタイプ(例えば、カテゴリ又は能力)が考えられる。便宜上、最小RTTに該当する1つ以上のTTI区間の間に連続/持続する(ピークレート)データ受信をサポート可能なバッファサイズを “nominal バッファサイズ”と定義する。
【0367】
1)同じピークレートをサポートしながら異なる(最小RTT、バッファサイズの)組み合わせをサポートするUEタイプ
【0368】
A.UEタイプA:UEがサポートする最小RTTに対応するnominalバッファサイズより大きいソフトバッファサイズをサポートするUEタイプ
【0369】
B.UEタイプB:UEがサポートする最小RTTに対応するnominalバッファサイズと同じソフトバッファサイズをサポートするUEタイプ
【0370】
C.UEタイプC:UEがサポートする最小RTTに対応するnominalバッファサイズより小さいソフトバッファサイズをサポートするUEタイプ
【0371】
UEタイプA/B/Cは、(同じピークレートをサポートする場合)同じ最小RTTをサポートするように具現できる(即ち、異なるバッファサイズをサポート可能)。あるいは、UEタイプA/B/Cは、(同じピークレートをサポートする場合)同じバッファサイズをサポートするように具現できる(即ち、異なる最小RTTをサポート可能)。
【0372】
さらに、UEタイプA/B/Cの場合、データレート要求、遅延要求、デュプレックス(duplexing)モードなどによって、各々のUEタイプに対する具現の自由度が規定される。一例として、要求データレートが特定の水準(例えば、Xbps)以上である場合、UEタイプA/B(或いは、全てのUEタイプA/B/C)に対する具現が可能である反面、特定の水準未満である場合は、UEタイプC(或いは、UEタイプB/C)に対する具現のみが可能であるように規定できる。他の例として、要求遅延が特定の水準(例えば、Y msec)以下である場合、UEタイプA/B(或いは、UEタイプB)に対する具現が可能である反面、特定の水準を超える場合には、UEタイプC(或いは、UEタイプB/C)に対する具現のみが可能であるように規定できる。さらに他の例として、(要求データレートが特定の水準(例えば、X bps)以上でありながら)TDD動作をサポートするUEの場合、全てのUEタイプA/B/Cに対する具現が可能である反面、FDD動作をサポートするUEの場合には、UEタイプA/Bに対する具現のみが可能であるように規定できる。
【0373】
一方、NRシステムにおいて、(最大)HARQプロセス数は、gNBからUEに特定の値に設定されるか、及び/又は、SCS/TTIなどによって異なる値に決定される。かかる設定が可能な(configurable)又は可変可能な(variable)HARQプロセス数と、UEがサポートする(最小のHARQ RTT、ソフトバッファサイズの)組み合わせに基づいて、以下のような(actual)HARQ RTTの設定及びバッファサイズの決定の動作を考慮できる。説明の便宜のために、最小RTT区間に該当するTTI数を“nominal HARQ番号”と定義する。また、実際の(同じHARQプロセスIDを有する)データ送信と再送信との間で所要の(UE能力である最小RTTと同一であるか又はそれより大きく設定される)最小時間遅延をactual HARQ RTTと定義する。
【0374】
1)HARQプロセス数及び(最小RTT、バッファサイズ)の組み合わせによるactual RTT及びバッファサイズの決定
【0375】
A.Actual HARQ RTT:UEの最小RTTに対応するnominal HARQ番号Xと(例えば、gNBから設定された)HARQプロセス数Yとのうちの最大値に設定
【0376】
-例えば、YがXより大きく設定される場合は、actual RTT=Yに設定される反面、YがXより小さく設定された場合は、actual RTT=Xに設定
【0377】
B.バッファサイズ値:UEの最小RTTに対応するnominal HARQ番号Xと(例えば、gNBから設定された)HARQプロセス数Yとのうちの最小値に設定
【0378】
-例えば、YがXより大きく設定される場合は、サイズ値=Xに設定される反面、YがXより小さく設定された場合は、サイズ値=Yに設定
【0379】
[方式3]UE処理時間及びHARQプロセスの動作
【0380】
この方式では、UE処理時間、それによるHARQタイミング及びHARQプロセス関連の動作方式について提案する。
【0381】
(1)UE処理時間
【0382】
まず、DLデータ受信(終了)時点と(に)対応するHARQ-ACK送信(開始)時点との間の時間間隔に該当するOFDMシンボル数を、DL処理時間N1と定義する。また、ULグラントの受信(終了)時点と対応するULデータ送信(開始)時点との間の時間間隔に該当するOFDMシンボル数を、UL処理時間N2と定義する。便宜上、以下では、N1及びN2を併せて(N1、N2)と表記し、(N1、N2)は、文脈によってN1及びN2を各々独立して示すか、又はN1及びN2の対を意味することができる。即ち、(N1、N2)は、N1、N2又はN1/N2を意味する。
【0383】
(N1、N2)の場合、DL/ULデータ(及び/若しくはHARQ-ACK若しくはULグラント)送信に使用されるSCS、DL/ULデータ信号復調のために設定されたDMRSマッピングパターン(シンボル位置)、DL/ULデータ信号に対するREマッピング方式(例えば、周波数ファースト時間セカンドの方法)、並びに/又はピークデータレート対比スケジューリングされたDL/ULデータTBSの比率(即ち、TBS比率)などによって、異なる値に決定される。
【0384】
便宜上、SCS、DMRSパターン、データマッピング、TBS比率などを(N1、N2)-影響因子(impacting factor)(簡単に、因子)と定義する。1つの影響因子に対する複数の候補(例えば、[SCS]X(例えば、15)kHz及びY(例えば、30)kHz;[DMRSパターン]DMRSを含む最後のシンボルインデックスがXである場合及びYである場合;[データマッピング]周波数ファースト(優先)マッピング及び時間ファーストマッピング;[TBS比率]X%及びY%など)を便宜上、因子候補(簡単に、候補)と定義する。
【0385】
なお、特定の因子Aの候補(A1、A2)については、(N1、N2)が全てのUEに対して同じ値を有する(又は、同じ値を有するように要求される)反面、他の因子Bの候補(B1、B2)については、(N1、N2)がUEごとに異なる値を有する。この場合、因子Aの候補(A1、A2)に対する(N1、N2)は、固定した単一の値に定義され、全てのUEが必ず具現すべき必須(mandatory)項目として規定されることができる。反面、因子Bの候補(B1、B2)に対する(N1、N2)は、UEごとに具現によって異なる値を有する能力項目として規定されることができる。
【0386】
他の例として、同じ因子A内で候補A1については、(N1、N2)が全てのUEについて同じ値を有する(又は、同じ値を有するように要求される)反面、候補A2については、(N1、N2)がUEごとに具現によって異なる値を有することができる。この場合、同じ因子A内で候補A1に対する(N1、N2)は、固定した単一の値に定義され、全てのUEが具現すべき必須項目として規定されることができる。反面、候補A2に対する(N1、N2)は、UEごとに具現によって異なる値を有する能力項目として規定されることができる。
【0387】
一方、(N1、N2)に対応するデータチャネル/信号及び制御チャネル/信号は、同じ1つのCCにより送信されるように設定されるか、(CA状態で)互いに異なるCCにより送信されるように設定される。この場合、2つのチャネル/信号間で互いに異なるSCSが設定されることができる。例えば、N1の場合、DLデータ(例えば、PDSCH)とそれに対応するHARQ-ACK(例えば、PUCCH)との間に異なるSCSが使用され、N2の場合には、ULグラントDCI(例えば、PDCCH)とそれに対応するULデータ(例えば、PUSCH)との間に異なるSCSが使用されることができる。
【0388】
したがって、データチャネル/信号及び制御チャネル/信号に各々SCS S_d及びSCS S_cが使用される場合、該当データ/制御の組み合わせに対するUE処理時間(N1、N2)は、1)データのSCSであるS_dと制御のSCSであるS_cとのうちのより小さい値であるmin(S_d、S_c)を、データと制御とに同様に使用したときの(N1、N2)に決定するか、2)S_dをデータと制御とに同様に使用したときの(N1、N2)と、S_cをデータと制御とに同様に使用したときの(N1、N2)と、のうちの(絶対時間の観点で)より大きい値に決定するか、又は、3)S_dをデータと制御とに同様に使用したときのN値がN_dであり、S_cをデータと制御とに同様に使用したときのN値がN_cである場合、(axN_d+bxN_c)と決定する方法が考えられる(a+b=1、例えば、a=b=0.5である)。
【0389】
一方、UCI(例えば、HARQ-ACK、CSI)は、UL制御チャネル(例えば、PUCCH)ではないULデータチャネル(例えば、PUSCH)を介して(例えば、UL-SCHと多重化されて)、送信されることができる。このために、UE処理時間(N1、N2、N3)を以下のよう定義できる。
【0390】
1)N1:DLデータ(例えば、PDSCH)の受信(終了)時点と(に)対応するHARQ-ACK(例えば、PUCCH)の送信(開始)時点との間の時間間隔に該当するOFDMシンボル数
【0391】
2)N2:ULグラント(例えば、PDCCH)の受信(終了)時点と対応するULデータ(例えば、PUSCH)の送信(開始)時点との間の時間間隔に該当するOFDMシンボル数
【0392】
3)N3:特定のRS(例えば、CSI-RS)の受信(終了)時点と対応するCSIフィードバック(例えば、PUCCH)の送信(開始)時点との間の時間間隔に該当するOFDMシンボル数
【0393】
上記によって、UCIがPUSCHにピギーバックされて送信されるときに要求されるUE処理時間N4は、UCI(on PUCCH)の送信に要求される処理時間(Nu=N1又はN3)とPUSCH(without UCI)の送信に要求される処理時間N2とのうち、特定の1つの値に基づいて決定する(例えば、N4=max(Nu、N2)+z)か、N4=(axNu+bxN2)+zと決定する方法が考えられる。ここで、a+b=1であり、一例として、a=b=0.5であることができる。zは、0又は正の整数(例えば、1)である。さらに、HARQ-ACKとCSIとが同時にPUSCHにピギーバックされて送信されるときに要求される処理時間N4も、同様の方法で決定できる(例えば、N4=max(N1、N2、N3)+z又はN4=(axN1+bxN2+cxN3)+z)。また、HARQ-ACKとCSIとが同じ1つのPUCCHを介して同時送信されるときに求められる処理時間N5も、同様の方法で決定できる(例えば、N5=max(N1、N3)+z又はN5=(axN1+bxN3)+z)。
【0394】
また、PUSCHとUCI PUCCHとの各々に異なるSCS S_dとS_cとが使用される場合、UCIがPUSCHにピギーバックされて送信されるときの処理時間N4は、1)PUSCHのSCSであるS_dとPUCCHのSCSであるS_cとのうち、最小値であるmin(S_d、S_c)をPUSCHとPUCCHとに同様に使用したときのN4に決定するか、2)S_dをPUSCHとPUCCHとに同様に使用したときのN4と、S_cをPUSCHとPUCCHとに同様に使用したときのN4と、のうち、(絶対時間の観点で)最大値に決定するか、又は3)S_dをPUSCHとPUCCHとに同様に使用したときのN値がN_dであり、S_cをPUSCHとPUCCHとに同様に使用したときのN値がN_cである場合、N4=(axN_d+bxN_c)と決定する方法が考えられる(a+b=1であり、例えば、a=b=0.5である)。さらに、HARQ-ACKとCSIとが同時にPUSCHにピギーバックされて送信されるときに求められる処理時間N4も、同様の方法、例えば、HARQ-ACK PUCCH、CSI PUCCH及びPUSCHに設定された、最小SCS、最大の絶対時間又は処理時間の組み合わせで決定できる。また、HARQ-ACKとCSIとが同じ1つのPUCCHを介して同時送信されるときに求められる処理時間N5も、同様の方法、例えば、HARQ-ACK PUCCHとCSI PUCCHとに設定された最小SCS、最大の絶対時間又は処理時間の組み合わせで決定できる。
【0395】
なお、UE処理時間(N1、N2)に伝播遅延及び/又はTA(Timing Advance)などを加えて、実際のスロット(インデックス)単位の信号送信に適用される(最小)HARQタイミング(K1、K2)が決定されることができる。この場合、(K1、K2)の決定のために、Opt1)各UEごとに設定されたTA値を(UE固有に)適用するか、Opt2)TA値が有し得る最大値を(UE共通に)適用することができる。
【0396】
Opt 1とOpt 2とは、状況及び条件などによって異なるように適用される。一例として、初期アクセス或いは(コンテンションベースの)ランダムアクセス過程におけるDL/ULデータ送信(例えば、Msg3 PUSCH、Msg4 PDSCH)については、Opt2を適用することができる。この場合、処理時間(N1、N2)は、任意のUEがサポート可能な処理時間のうち、最大値に設定される。反面、それ以外の状況(例えば、RRC接続以後の状況)におけるDL/ULデータ送信(例えば、ユニキャストPDSCH/PUSCH)については、Opt1を適用できる。この場合、処理時間(N1、N2)は、特定のUEがサポートするUE固有の処理時間に設定される。
【0397】
なお、特定因子の各候補ごとに対応する(K1、K2)値が異なることができ、該当因子に対応する複数の異なる(K1、K2)値のうち、最大値(又は最小値)に基づいてHARQ RTT、max HARQプロセス番号、ソフトバッファサイズ値が決定されることができる。
【0398】
(2)HARQタイミングの構成
【0399】
(K1、K2)を基準として、これと等しいか又はこれ以上の値を有する複数の候補HARQタイミング(セット)を、上位層信号(例えば、RRCシグナリング)などにより予め設定することができる。かかる状態において、eNBは、DL/ULデータをスケジューリングするDL/ULグラントDCIにより、複数の候補HARQタイミング(セット)のうちの1つのHARQタイミングを実際の信号送信に使用するようにUEに指示することができる。
【0400】
具体的には、HARQタイミングセットは、因子{SCS、DMRSパターン、データマッピング、TBS比率}を含めて他の因子(following factors)の候補ごとに異なるように設定される(即ち、異なるHARQタイミングで構成)。例えば、(N1、N2)又は(K1、K2)が小さい/大きい候補に対して、より小さい/大きい(遅延)値を有するHARQタイミングが設定されることができる。
【0401】
1)PDCCH区間
【0402】
A.例えば、PDCCH(for ULグラント)が送信されるシンボル区間の長さ及び/又は最後のシンボルの位置(インデックス)がXである場合及びYである場合
【0403】
B.PDCCH区間ごとに、(該当PDCCHからスケジューリングされる)PUSCHがマッピング/送信される開始シンボルとして指定可能な複数の候補シンボルインデックス(セット)は、異なるように設定される
【0404】
2)PUCCHフォーマット
【0405】
A.例えば、PUCCH(for HARQ-ACK)が送信される最初のシンボルの位置(インデックス)及び/又はシンボル区間の長さがXである場合及びYである場合
【0406】
B.PUCCHフォーマットごとに、(該当PUCCHを介したHARQ-ACK送信に対応する)PDSCHとHARQ-ACKとの間の遅延値によって指定可能な複数の候補タイミング(セット)は、異なるように設定される
【0407】
他の方法として、特定の因子に対して1つのHARQタイミングセットのみを設定した状態で、該当因子の候補ごとに該当セット内で適用可能なタイミングが異なるように構成される方式を考慮できる。
【0408】
例えば、SF/スロット内において、DMRSがある最後のシンボルのインデックスが各々X及びY(X<Y)に設定されたDMRSパターン1及び2について、(N1又はK1がより小さいDMRSパターン1を基準として)1つのHARQタイミングセット{T1、T2、T3、T4}のみを設定することができる(T1<T2<T3<T4)。かかる状況において、DMRSパターン1については、全てのタイミング{T1、T2、T3、T4}が適用可能な反面、DMRSパターン2については、特定の(例えば、大きい遅延値を有する)一部のタイミング(例えば、T3、T4)のみを適用可能に設定することができる。
【0409】
さらに他の例として、最大データ区間又はDCI検出周期が各々N(個の)シンボル及びL(個の)シンボル(N>L)に設定されたTTI1及びTTI2について、(N1又はK1がより大きいスケジューリングTTI1を基準として)1つのHARQタイミングセット{T1、T2、T3、T4}のみを設定することができる(T1<T2<T3<T4)。かかる状況において、TTI1については、全てのタイミング{T1、T2、T3、T4}が適用可能な反面、TTI2については、特定の(例えば、小さい遅延値を有する)一部のタイミング(例えば、T1、T2)のみを適用可能に設定することができる。
【0410】
さらに他の方法として、特定の因子について1つのHARQタイミングセットのみを設定した状態で、特定の候補については、該当セットを構成するタイミングに特定のオフセット値を加えたタイミングを適用する方式が考えられる。
【0411】
例えば、SF/スロット内において、DMRSがある最後のシンボルのインデックスが各々X及びY(X<Y)に設定されたDMRSパターン1及び2について、(N1又はK1がより小さいDMRSパターン1を基準として)1つのHARQタイミングセット{T1、T2、T3、T4}のみを設定することができる(T1<T2<T3<T4)。かかる状況において、DMRSパターン1については、{T1、T2、T3、T4}を適用する反面、DMRSパターン2については、元来のタイミングセットに特定オフセット(例えば、正数)Toを加えた{T1+To、T2+To、T3+To、T4+To}を適用する方式も可能である。
【0412】
さらに他の例として、最大データ区間又はDCI検出周期が各々Nシンボル及びLシンボル(N>L)に設定されたTTI1及び2について、(N1又はK1がより大きいスケジューリングTTI1を基準として)1つのHARQタイミングセット{T1、T2、T3、T4}のみを設定することができる(T1<T2<T3<T4)。かかる状況において、TTI1については、{T1、T2、T3、T4}を適用する反面、TTI2については、元来のタイミングセットに特定のオフセット(例えば、負数(陰数))Toを加えた{T1+To、T2+To、T3+To、T4+To}を適用する方式も可能である。
【0413】
一方、DLデータの受信に対するHARQ-ACKフィードバック送信の場合、まず、複数の候補PUCCHリソース/フォーマット(セット)を上位層信号(例えば、RRCシグナリング)などにより予め設定することができる。かかる状態において、eNBは、DLデータをスケジューリングするDLグラントDCIにより、PUCCHリソース/フォーマットセットに属する特定の1つのPUCCHリソース/フォーマットを、実際のHARQ-ACK送信に使用するようにUEに指示することができる。ここで、PUCCHリソース/フォーマットセットは、DLデータ送信/スケジューリングに使用される因子{SCS、DMRSパターン、データマッピング、TBS比率、PDCCH区間}の候補ごとに異なるように設定できる。一例として、因子の候補ごとに異なるPUCCHフォーマットが構成されることができる。また、N1又はK1が小さい/大きい候補に対して、より小さい/大きい区間(シンボル数)で構成されるPUCCHフォーマットが設定されることができる。
【0414】
(3)ソフトバッファの管理
【0415】
今後、NRシステムでは、1つのUEに互いに異なるRAT(例えば、NR及びLTE)に基づく複数のCCをCA(Carrier Aggregation)或いはDC(Dual Connectivity)方式で設定して、マルチキャリア動作を可能にする方式が考えられる。
【0416】
かかる状況において、RAT間のバックホール(Backhaul)リンクが非理想的(non-ideal)に展開された場合は、各々のRATを担当するスケジューラ(例えば、eNB)が各実施間でタイトに連動する(tightly interworked)ことは容易ではない。この場合、UEの全ソフトバッファをRAT間で準静的に分離して使用する方式が考えられる。
【0417】
この場合、全ソフトバッファに対して、各RATごとにバッファ部分を分離した状態で、各RATに属するCCによるDLデータ受信性能を保証するために、各バッファ部分内でCCごとに最小バッファサイズに下限を設ける方式が必要である。
【0418】
例えば、UEに設定可能な最大のCCの数がKであり、全ソフトバッファサイズがSである状態において、RAT1とRAT2との間のバッファサイズの比率をRAT1:RAT2=K1:K2に分割した場合(K=K1+K2)、各RATに割り当てられるバッファサイズ及び各RAT内の1つのCCに割り当てられるバッファサイズを以下のように設定できる。
【0419】
1)RAT1のバッファサイズ:S1=Sx(K1/K)
【0420】
A.RAT1内におけるCCごとのバッファサイズ:C1=S1/min{N1、K1}
【0421】
B.N1は、RAT1に(CAで)構成/設定されたCCの数を意味する
【0422】
2)RAT2のバッファサイズ:S2=Sx(K2/K)
【0423】
A.RAT2内におけるCCごとのバッファサイズ:C2=S2/min{N2、K2}
【0424】
B.N2は、RAT2に(CAで)構成/設定されたCCの数を意味する
【0425】
他の方法として、(上記のような準静的方式とは異なり)全ソフトバッファをRAT間で動的に分離又は共有する方式も考えられる。この場合、各RATごとに設定された最大TBS間の差又は比率によって、全バッファ内におけるRATごとのバッファ部分を異なるように割り当てる方式が考えられる。
【0426】
例えば、RAT1とRAT2との最大TBS間の比率がRAT1:RAT2=A:B(例えば、A=1、B=1、又はA+B=2)に設定された状態で、RAT1及びRAT2に各々N1個のCC及びN2個のCCが構成/設定された場合(N=N1+N2)、各RATに割り当てられるバッファサイズは、以下のように設定できる。
【0427】
1)RAT1のバッファサイズ:S1=SxAx(N1/N)
【0428】
2)RAT2のバッファサイズ:S2=SxBx(N2/N)
【0429】
【0430】
図22を参照すると、通信装置のTTI長に基づいて、HARQバッファ(例えば、ソフトバッファ)においてデータごとの最小記憶空間を確認し(S2202)、データごとの最小記憶空間に基づいて、HARQバッファに無線信号の送信のためのデータを記憶することができる(S2204)。その後、通信装置は、HARQバッファ内のデータを第1TTIの間に送信することができる(S2206)。通信装置は、端末又は基地局である。
【0431】
一方、データが再送信データである場合、データごとの最小記憶空間は、データの初期送信に使用された第2TTIの長さに基づき、第2TTIの長さは、第1TTIの長さと異なることができる。
【0432】
ここで、データごとの最小記憶空間は、HARQバッファの全空間をTTI長に対応するHARQプロセス数に分割することにより確認できる。また、データごとの最小記憶空間は、HARQバッファの全空間をTTI長の数に合わせて複数のサブHARQバッファに分割した後、各々のサブHARQバッファを該当TTI長に対応するHARQプロセス数に分割することにより確認できる。
【0433】
また、第1TTIの長さが第2TTIの長さより長い場合、第1TTIの長さに基づくデータごとの最小記憶空間は、HARQバッファの全空間を第1TTIの長さに対応するHARQプロセス数に分割することにより確認し、第2TTIの長さに基づくデータごとの最小記憶空間は、HARQバッファの部分空間を第2TTIの長さに対応するHARQプロセス数に分割することにより確認することができる。
【0434】
また、通信装置は、互いに異なるRATで動作する複数のCCを統合しており、HARQバッファのサイズは、無線信号の送信に使用されるRATによって、以下の式により決定される。
【0435】
-RAT1のバッファサイズ:S*A*(N1/N)
【0436】
-RAT2のバッファサイズ:S*B*(N2/N)
【0437】
ここで、Sは、通信装置内における全HARQバッファサイズを示し、A及びBは、RAT1とRAT2とのバッファサイズの比率を示す係数であり、N1は、RAT1用として設定されたCCの数を示し、N2は、RAT2用として設定されたCCの数を示し、Nは、N1とN2との和を示す。
【0438】
また、TTI長は、サービスタイプによって以下の順にサイズが与えられる。URLLC<eMBB<mMTC。また、無線通信システムは、3GPP LTEベースの無線通信システムを含み、TTI長は、サブフレーム又はスロットの倍数である。
【0439】
図23は、本発明に適用可能な基地局及び端末を例示する。
【0440】
図23を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)110及び端末(UE)120を含む。無線通信システムがリレーを含む場合、基地局又は端末は、リレーに代替されてもよい。
【0441】
基地局110は、プロセッサ112、メモリ114及び無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニット116を含む。プロセッサ112は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成される。メモリ114は、プロセッサ112に接続され、プロセッサ112の動作に関連する様々な情報を記憶する。RFユニット116は、プロセッサ112に接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。端末120は、プロセッサ122、メモリ124及び無線周波数ユニット126を含む。プロセッサ122は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成される。メモリ124は、プロセッサ122に接続され、プロセッサ122の動作に関連する様々な情報を記憶する。RFユニット126は、プロセッサ122に接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。
【0442】
以上で説明された各実施例は、本発明の構成要素と特徴とが所定の形態で結合された(組み合わされた)ものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合されない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の実施例で説明される動作の順序は、変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれることができ、又は、他の実施例に対応する構成若しくは特徴に置き換える(取って代わる)こともできる。特許請求の範囲において明示的な引用関係のない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めることができるということは、自明である。
【0443】
本文書では、本発明の各実施例について、主に端末と基地局との間の信号送受信関係を中心として説明する。かかる送受信関係は、端末とリレーとの間又は基地局とリレーとの間の信号送受信にも同一/同様に拡張できる。本文書で基地局によって行われると説明された特定の動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行われてもよい。即ち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行う多様な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行えることは、自明である。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に代替可能である。また、端末は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)などの用語に代替可能である。
【0444】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウエア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、1つ又は複数のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0445】
ファームウエアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶されて、プロセッサによって駆動可能である。上記メモリユニットは、上記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公示となった多様な手段により上記プロセッサとデータを交換することができる。
【0446】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化できることは、当業者にとって自明である。したがって、上記の詳細な説明は、全ての面において制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定しなければならず、本発明の等価的範囲内における全ての変更は本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0447】
本発明は、無線移動通信システムの端末、基地局、又はその他の機器(装備)(apparatuses)に使用できる。