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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】靴
(51)【国際特許分類】
   A43B 17/00 20060101AFI20221012BHJP
   A43B 3/00 20220101ALI20221012BHJP
   A41B 11/00 20060101ALI20221012BHJP
   A41B 11/14 20060101ALI20221012BHJP
   A41B 11/10 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
A43B17/00 Z
A43B3/00
A41B11/00 Z
A41B11/14 Z
A41B11/10 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021123063
(22)【出願日】2021-07-28
【審査請求日】2021-07-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521332361
【氏名又は名称】室伏 祐希
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(74)【代理人】
【識別番号】100191961
【弁理士】
【氏名又は名称】藤澤 厚太郎
(72)【発明者】
【氏名】室伏 祐希
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-130211(JP,A)
【文献】実開昭56-087406(JP,U)
【文献】国際公開第2017/217176(WO,A1)
【文献】特開2009-011796(JP,A)
【文献】特開2010-285732(JP,A)
【文献】特開2017-218709(JP,A)
【文献】実開平05-091402(JP,U)
【文献】特開平11-192103(JP,A)
【文献】実開昭52-107745(JP,U)
【文献】特開2021-59801(JP,A)
【文献】特開2019-199675(JP,A)
【文献】特開2008-167988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 17/00
A43B 3/00
A41B 11/00-11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中敷きと、レッグウェアとを備えた靴であって、
前記中敷きは、
靴の中底の上に配置される中敷き本体と、
前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間、のうちのいずれかに対応する位置に設けられ、一端部が前記中敷き本体に固定され、他端部が前記靴の外側で該靴に固定される中敷き紐と、
を備え、
前記中敷き紐は、前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間の4ヶ所に対応する位置に設けられ、
前記レッグウェアは、
足の親指を覆う親指部と、
足の人指し指を覆う人指し指部と、
足の中指を覆う中指部と、
足の薬指を覆う薬指部と、
足の小指を覆う小指部と、を備え、
前記親指部の先端側と前記人指し指部の先端側との間、前記人指し指部の先端側と前記中指部の先端側との間、前記中指部の先端側と前記薬指部の先端側との間、及び、前記薬指部の先端側と前記小指部の先端側との間、の4ヶ所を接続する接続部が設けられている靴。
【請求項2】
中敷きと、レッグウェアとを備えた靴であって、
前記中敷きは、
靴の中底の上に配置される中敷き本体と、
前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間、のうちのいずれかに対応する位置に設けられ、一端部が前記中敷き本体に固定され、他端部が前記靴の外側で該靴に固定される中敷き紐と、
を備えている中敷きと、
前記中敷き紐は、前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間、のうちの2ヶ所のみに対応する位置に設けられ、
前記レッグウェアは、
足の親指を覆う親指部と、
足の人指し指を覆う人指し指部と、
足の中指を覆う中指部と、
足の薬指を覆う薬指部と、
足の小指を覆う小指部と、を備え、
前記親指部の先端側と前記人指し指部の先端側との間、前記人指し指部の先端側と前記中指部の先端側との間、前記中指部の先端側と前記薬指部の先端側との間、及び、前記薬指部の先端側と前記小指部の先端側との間、のうちの2ヶ所のみを接続する接続部が設けられ
前記接続部が設けられた前記2ヶ所は、前記中敷き紐が設けられた前記2ヶ所のみに対応する位置に対応している靴。
【請求項3】
中敷きと、レッグウェアとを備えた靴であって、
前記中敷きは、
靴の中底の上に配置される中敷き本体と、
前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間、のうちのいずれかに対応する位置に設けられ、一端部が前記中敷き本体に固定され、他端部が前記靴の外側で該靴に固定される中敷き紐と、
を備えている中敷きと、
前記中敷き紐は、前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間、のうちの2ヶ所のみに対応する位置に設けられ、
前記レッグウェアは、
足の親指を覆う親指部と、
足の人指し指を覆う人指し指部と、
足の中指を覆う中指部と、
足の薬指を覆う薬指部と、
足の小指を覆う小指部と、を備え、
前記親指部の先端側と前記人指し指部の先端側との間、前記人指し指部の先端側と前記中指部の先端側との間、前記中指部の先端側と前記薬指部の先端側との間、及び、前記薬指部の先端側と前記小指部の先端側との間、のうち2ヶ所のみを接続する接続部が設けられ、前記中敷き紐に対応する位置には前記接続部が設けられていない靴。
【請求項4】
中敷きと、レッグウェアとを備えた靴であって、
前記中敷きは、
靴の中底の上に配置される中敷き本体と、
前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間、のうちのいずれかに対応する位置に設けられ、一端部が前記中敷き本体に固定され、他端部が前記靴の外側で該靴に固定される中敷き紐と、
を備えている中敷きと、
前記中敷き紐は、前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間、のうちの3ヶ所のみに対応する位置に設けられ、
前記レッグウェアは、
足の親指を覆う親指部と、
足の人指し指を覆う人指し指部と、
足の中指を覆う中指部と、
足の薬指を覆う薬指部と、
足の小指を覆う小指部と、を備え、
前記親指部の先端側と前記人指し指部の先端側との間、前記人指し指部の先端側と前記中指部の先端側との間、前記中指部の先端側と前記薬指部の先端側との間、及び、前記薬指部の先端側と前記小指部の先端側との間、のうちの3ヶ所のみを接続する接続部が設けられ
前記接続部が設けられた前記3ヶ所は、前記中敷き紐が設けられた前記3ヶ所のみに対応する位置に対応している靴。
【請求項5】
前記中敷き本体には、前記中敷き紐を通す貫通孔が形成されている請求項1から4のいずれかに記載の靴。
【請求項6】
前記中敷き紐は、前記中敷き本体の裏側に位置するとともに前記貫通孔よりも大きい固定部を備えている請求項5に記載の靴。
【請求項7】
前記中敷き紐は、足の指に対応する部分に、他の部分よりも太い大径部を備えている請求項1から6のいずれかに記載の靴。
【請求項8】
前記親指部と前記人指し指部との間の付け根部、前記人指し指部と前記中指部との間の付け根部、前記中指部と前記薬指部との間の付け根部、及び、前記薬指部と前記小指部との間の付け根部、のうちのいずれかが、他の部分よりも前記レッグウェアの厚さが厚い請求項1から7のいずれかに記載の靴。
【請求項9】
前記中敷き紐を通す穴が形成されている請求項1から8のいずれかに記載の靴。
【請求項10】
靴底の先端が該靴底の他の部分よりも硬い請求項1から9のいずれかに記載の靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、足に装着する中敷きが開示されている。この中敷きは、中敷き本体に固定した紐状の鼻緒部材によって足を中敷き本体に固定し、足のつま先と靴の内側先端部との間に空間を確保することで、靴擦れや炎症等を防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-221433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された中敷きでは、紐状の鼻緒部材を前方固定部と後方固定部とに固定したうえで鼻緒部材を足に巻き付けて中敷きと足とを固定するようになっている。これでは、靴を履いた後に鼻緒部材を調整しようとしても、靴を脱ぐ必要があり面倒である。また、紐状の鼻緒部材が足に巻き付けられるので、紐で足を圧迫して履き心地が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、中敷き紐の調整が容易で装着感が向上した靴を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る靴の中敷きは、靴の中底の上に配置される中敷き本体と、前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間、のうちのいずれかに対応する位置に設けられ、一端部が前記中敷き本体に固定され、他端部が前記靴の外側で該靴に固定される中敷き紐と、を備えている。
【0007】
中敷き紐の一端部が中敷き本体に固定され、他端部が靴の外側で靴に固定されるので、中敷きと靴との間で中敷き紐が固定される。この中敷き紐に対して足の指の間が引っかかるので、足が中敷き及び靴に対して位置決めされる。
中敷き紐の他端部を靴の外側で固定することとしたので、靴を履いた後に中敷き紐の他端部を固定することができ、中敷き紐の調整が容易である。また、中敷き紐を中敷き本体と靴との間で固定することとして中敷き紐が足に巻き付くことがないので、履き心地が良い。
なお、中敷き紐は、ヶ所以上に設けられていれば良く、その本数は本以上であれば良い。具体的には、中敷き紐は、2本のみ、3本のみ、または4本とされる。
【0008】
本発明の一態様に係る靴の中敷きでは、前記中敷き紐は、前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間の4ヶ所に対応する位置に設けられている。
【0009】
中敷き紐を4ヶ所設けることによって、足を靴に対して確実に位置決めすることができる。
【0010】
本発明の一態様に係る靴の中敷きでは、前記中敷き紐は、前記中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間、のうちの2ヶ所のみに対応する位置に設けられている。
【0011】
中敷き紐を2ヶ所のみに設けることによって、必要最小限の中敷き紐で足を靴に対して位置決めすることができる。また、中敷き紐が2ヶ所のみに設けられているので、足に対して簡便に装着することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る靴の中敷きでは、前記中敷き本体には、前記中敷き紐を通す貫通孔が形成されている。
【0013】
中敷き本体に貫通孔を形成し、中敷き紐を通すこととした。これにより、中敷き紐を中敷き本体に対して簡便に固定することができる。
【0014】
本発明の一態様に係る靴の中敷きでは、前記中敷き紐は、前記中敷き本体の裏側に位置するとともに前記貫通孔よりも大きい固定部を備えている。
【0015】
中敷き紐の固定部を中敷き本体の裏側(靴の中底側)に位置させるとともに、貫通孔よりも大きい形状としたので、中敷き紐を中敷き本体の表側に引っ張っても固定部が貫通孔から容易に抜けないようにすることができる。
固定部としては、例えば結び目を採用することができる。あるいは、円板状等の紐部の直径よりも大きい拡大形状部を取り付けたり、紐部と一体的に拡大形状部を形成したりして固定部を形成しても良い。
【0016】
本発明の一態様に係る靴の中敷きでは、前記中敷き紐は、足の指に対応する部分に、他の部分よりも太い大径部を備えている。
【0017】
中敷き紐の足の指に対応する部分に、他の部分よりも太い大径部が設けられているので、足の指に対する負担を低減することができる。大径部は、紐自身の太さを変えて形成しても良いし、筒形状のシリコーンゴムなどを紐に通して形成しても良い。
なお、中敷き紐ごとに太さを変えても良い。例えば、負荷が大きくかかる足の指(例えば親指と人指し指の間)に対しては太い径を用いることが好ましい。
また、中敷き紐ごとに印を付したり色を異ならせたりすることによって、中敷き紐の中敷き本体に対する固定位置を容易に見分けることができるようにしても良い。
【0018】
本発明の一態様に係る靴の中敷き紐は、中敷き本体の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間、のうちのいずれかに対応する位置に設けられ、一端部が前記中敷き本体に固定され、他端部が前記靴の外側で該靴に固定される。
【0019】
本発明の一態様に係る靴のレッグウェアは、足の親指を覆う親指部と、足の人指し指を覆う人指し指部と、足の中指を覆う中指部と、足の薬指を覆う薬指部と、足の小指を覆う小指部と、を備え、前記親指部の先端側と前記人指し指部の先端側との間、前記人指し指部の先端側と前記中指部の先端側との間、前記中指部の先端側と前記薬指部の先端側との間、及び、前記薬指部の先端側と前記小指部の先端側との間、のうちのいずれかを接続する接続部が設けられている。
【0020】
例えば親指部と人指し指部のように隣り合う指部の先端側同士を接続することで、これら指部の間に閉じた穴が形成される。この穴に紐を通すことで中敷きに対してレッグウェアが固定される。さらに、いずれかの指部間に穴を形成してそれぞれに紐を通すことで、より安定的に中敷きとレッグウェアとを固定することができる。
接続部は、例えば先端側のみに設けられている。この場合、接続部は1ヶ所から4ヶ所である。
他の接続部として、足指の付け根部分から先端にかけて連続する接続部としても良い。この場合、隣り合う指部が一体的にまとめられた構成となる。ただし、少なくとも1ヶ所は隣り合う指部間が分離している。
レッグウェアとしては、例えば、靴下やストッキングなどが挙げられる。
【0021】
本発明の一態様に係る靴のレッグウェアでは、前記接続部は、前記親指部の先端側と前記人指し指部の先端側との間、前記人指し指部の先端側と前記中指部の先端側との間、前記中指部の先端側と前記薬指部の先端側との間、及び、前記薬指部の先端側と前記小指部の先端側との間、の4ヶ所に設けられている。
【0022】
接続部を4ヶ所に設け、接続部によって形成された4つの穴のそれぞれに紐を通すことで、中敷きに対してレッグウェアを安定的に固定することができる。
【0023】
本発明の一態様に係る靴のレッグウェアでは、前記接続部は、前記親指部の先端側と前記人指し指部の先端側との間、前記人指し指部の先端側と前記中指部の先端側との間、前記中指部の先端側と前記薬指部の先端側との間、及び、前記薬指部の先端側と前記小指部の先端側との間、のうちの2ヶ所のみに設けられている。
【0024】
接続部を2ヶ所のみに設け、接続部によって形成された2つの穴のそれぞれに紐を通すことで、中敷きに対してレッグウェアを安定的に固定することができる。
別の使用方法としては、予め中敷きが靴に配置された場合にレッグウェアを装着した足を靴内に挿入するときは、接続部が障害となって中敷き紐が接続部が形成された足指間には入らず、接続部が設けられていない足指間に中敷き紐が挿入される。これにより、所望の足指間に中敷き紐を確実に位置されることができる。
【0025】
本発明の一態様に係る靴のレッグウェアでは、前記親指部と前記人指し指部との間の付け根部、前記人指し指部と前記中指部との間の付け根部、前記中指部と前記薬指部との間の付け根部、及び、前記薬指部と前記小指部との間の付け根部、のうちのいずれかが、他の部分よりも前記レッグウェアの厚さが厚い。
【0026】
付け根部が他の部分よりも厚いレッグウェアとすることで、中敷きに固定された中敷き紐と接する部分を補強することができる。これにより、レッグウェアを長寿命とすることができる。
【0027】
本発明の参考例に係るレッグウェア付き中敷きセットは、上記のいずれかに記載の中敷きと、上記のいずれかに記載のレッグウェアと、を備えている。
【0028】
上記の中敷きと上記のレッグウェアとを備えたレッグウェア中敷きセットとすることで、既存の靴に対して容易に適用することができる。
【0029】
本発明の一態様に係る靴は、上記のいずれかに記載の中敷きを備え、前記中敷き紐を通す穴が形成されている。
【0030】
中敷き紐を通す穴が形成されているので、この穴に中敷き紐を通し、靴の外側で中敷き紐を結ぶことができる。中敷き紐を通す穴は、専用の穴を形成しても良いし、既存の靴紐用の穴を利用しても良い。
靴としては、あらゆる靴に適用できるが、例えばスニーカーやパンプス等の婦人靴に適用できる。
【0031】
本発明の一態様に係る靴は、上記のいずれかに記載のレッグウェアを備えている。
【0032】
中敷き紐付き中敷き鋳と組み合わせて用いられるレッグウェアをさらに備えた靴として販売しても良い。
靴としては、例えばスニーカーやパンプス、長靴などを例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、他の形式の靴であっても本発明を適用することができる。
【0033】
本発明の一態様に係る靴では、靴底の先端が該靴底の他の部分よりも硬い。
【0034】
上記の中敷きを適用すると、この中敷きを用いない通常の場合よりも足の先端側に大きな空間が形成される。そこで、靴底の先端を靴底の他の部分よりも硬くすることによって、靴の形状が崩れないようにして装着時の一体感を得るようにした。
【発明の効果】
【0035】
中敷き紐の調整が容易となり、また装着感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の第1実施形態に係る中敷きを備えたスニーカーを示した斜視図である。
図2図1の中敷きの表側を示した平面図である。
図3図1の中敷きの裏側を部分拡大して示した底面図である。
図4図1の中敷きに用いられる靴下を示した平面図である。
図5図4の靴下の指部周りを拡大して示した平面図である。
図6】中敷きと靴下を装着した状態を示した斜視図である。
図7】中敷き紐の結び目の変形例を示した部分拡大縦断面図である。
図8】中敷き紐に大径部を設けた構成を示した部分拡大縦断面図である。
図9】第2実施形態に係る中敷きを示した平面図である。
図10図9に適用される靴下の指部周りを拡大して示した平面図である。
図11】中敷き紐が3本の場合の変形例を示した平面図である。
図12】第3実施形態に係るパンプスを示した平面図である。
図13図12のパンプスに適用されるストッキングの指部周りを拡大して示した平面図である。
図14図12のパンプスに飾りを付けた状態を示した平面図である。
図15】ソール部の変形例を示した靴の側面図である。
図16】長靴への適用例を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1には、本実施形態に係る中敷き3を備えたスニーカー(靴)1が示されている。
スニーカー1は、ソール部(靴底)5とアッパー部7とを備えている。ソール部5は中底を備えており、中底の上方に中敷き3が設けられている。中底と中敷き3とは接着などで固定されておらず、中敷き3が中底の上に載置されているだけである。
【0038】
アッパー部7には、アッパー部7の内側に対して舌部9が縫合等によって固定されている。アッパー部7には、舌部9の周囲に位置するように複数の靴紐穴11が形成されている。各靴紐穴11に対して、1本の靴紐13が順次挿通されている。靴紐13を締め上げることによって、スニーカー1内部に挿入された足が確実に固定される。
【0039】
中敷き3は、図2に示すように、板状の中敷き本体15と、4本の中敷き紐17とを備えている。
【0040】
中敷き本体15は、スニーカー1の内側の中底の形状に対応した外形状とされている。中敷き本体15の材質は、例えばポリウレタンが使用されるが、クッション性を有するものであればこれに限定されるものではない。
【0041】
中敷き紐17は、中敷き3の裏側を示した図3に示すように、それぞれの一端部17aが中敷き本体15に固定されている。具体的には、中敷き本体15の裏側で一端部17aに結び目(固定部)17cを形成することによって、中敷き紐17の一端部17aを中敷き本体15に対して固定する。結び目17cの径は、中敷き本体15に形成された貫通孔15a(図2参照)の径よりも大きい。これにより、中敷き紐17の他端部17b(図2参照)を引っ張っても、中敷き紐17が中敷き本体15から外れることがない。
【0042】
図1及び図2に示すように、中敷き紐17の他端部17bは、自由端とされており、スニーカー1の外側で他端部17bを結ぶことによって中敷き紐17がスニーカー1に対して固定される。
【0043】
図2に示すように、4本の中敷き紐17は、中敷き本体15の上に配置される足の親指と人指し指の間に対応する位置Aと、人指し指と中指の間に対応する位置Bと、中指と薬指の間に対応する位置Cと、薬指と小指の間に対応する位置Dとに固定されている。つまり、各貫通孔15aの位置は、位置A~Dに対応した位置に設けられている。これら位置A~Dは、足の各指の付け根の辺りに設けられていることが好ましい。ただし、位置A~Dは、足の各指の付け根に限定されるものではなく、足の各指の付け根よりも踵側にずらした位置でも良い。
【0044】
図4及び図5には、中敷き3と組み合わせて用いられる靴下(レッグウェア)20が示されている。靴下20は、各指部が分離した形状となっており、足の親指を覆う親指部21aと、足の人指し指を覆う人指し指部21bと、足の中指を覆う中指部21cと、足の薬指を覆う薬指部21dと、足の小指を覆う小指部21eと、を備えている。
【0045】
親指部21aの先端側と人指し指部21bの先端側との間には、これら先端側同士を縫い付けて接続する第1接続部23aが設けられている。第1接続部23aを設けることによって、親指部21aと人指し指部21bとの間に閉じた穴となる第1指間穴25aが形成される。
人指し指部21bの先端側と中指部21cの先端側との間には、これら先端側同士を縫い付けて接続する第2接続部23bが設けられている。第2接続部23bを設けることによって、人指し指部21bと中指部21cとの間に閉じた穴となる第2指間穴25bが形成される。
中指部21cの先端側と薬指部21dの先端側との間には、これら先端側同士を縫い付けて接続する第3接続部23cが設けられている。第3接続部23cを設けることによって、中指部21cと薬指部21dとの間に閉じた穴となる第3指間穴25cが形成される。
薬指部21dの先端側と小指部21eの先端側との間には、これら先端側同士を縫い付けて接続する第4接続部23dが設けられている。第4接続部23dを設けることによって、薬指部21dと小指部21eとの間に閉じた穴となる第4指間穴25dが形成される。
【0046】
図6に示すように、上述した中敷き3に対して、靴下20を履いた足が装着される。具体的には、図4及び図5に示した指間穴25a,25b,25c,25dのそれぞれに中敷き紐17を通すようにして装着する。
【0047】
図6に示した状態で、図1に示したスニーカー1の内部に中敷き3及び靴下20を装着した足が挿入される。その後、中敷き紐17のそれぞれを対応する靴紐穴11に通したうえで、スニーカー1の外側で中敷き紐17同士を結んで固定する。なお、中敷き紐17を通す穴は、靴紐穴11の他に、中敷き紐専用の穴をスニーカー1に形成しておいても良い。
【0048】
上述のようにスニーカー1を装着した状態において、足の先に2cm程度の空間が形成される。これにより、運動を行っても中敷き紐17によって足の指先の位置が固定されるので、足の指先が靴内側の先端に接触することが回避され、足の指の損傷を可及的に防止することができる。
なお、足の先に2cm程度の空間が形成されるスニーカー1の場合には上記のような効果を奏することができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、中敷き3や靴下20は足にフィットする靴に対しても適用することができる。
【0049】
以上説明した本実施形態の作用効果は以下の通りである。
中敷き紐17の一端部17aが中敷き本体15に固定され、他端部17bがスニーカー1の外側でスニーカー1に固定されるので、中敷き3とスニーカー1との間で中敷き紐17が固定される。この中敷き紐17に対して足の指の間が引っかかるので、足が中敷き3及びスニーカー1に対して位置決めされる。
中敷き紐17の他端部17bをスニーカー1の外側で固定することとしたので、スニーカー1を履いた後に中敷き紐17の他端部17bを固定することができ、中敷き紐17の調整が容易である。また、中敷き紐17を中敷き本体15とスニーカー1との間で固定することとして中敷き紐17が足に巻き付くことがない構成となっているので、履き心地が良い。
【0050】
中敷き本体15に対して中敷き紐17を4ヶ所設けて足を固定することとしたので、足をスニーカー1に対して確実に位置決めすることができる。
【0051】
中敷き本体15に貫通孔15aを形成し、中敷き紐17を通すこととした。これにより、中敷き紐17を中敷き本体15に対して簡便に固定することができる。
【0052】
中敷き紐17の結び目17cを中敷き本体15の裏側に位置させるとともに、貫通孔15aよりも大きい形状としたので、中敷き紐17を中敷き本体15の表側に引っ張っても結び目17cが貫通孔から容易に抜けないようにすることができる。
【0053】
なお、固定部としての結び目17cに代えて、図7に示すように、中敷き紐17の本体部の直径よりも大きい円板状等の拡大形状部17dを、中敷き紐17の本体部に取り付けたり、中敷き紐17の本体部と一体的に形成したりしても良い。
【0054】
また、図8に示すように、中敷き紐17は、足の指に対応する部分に、他の部分よりも太い大径部17eを備えていても良い。大径部17eは、例えばシリコーンゴムとされた筒状体とされており、中敷き紐17が内部に挿通されている。これにより、足の指に対する負担を低減することができる。筒形状の大径部17eに代えて、紐自身の太さを変えて大径部を設けるようにしても良い。
【0055】
隣り合う指部21a,21b,21c,21d,21eの先端側同士を接続することで、これら指部21a,21b,21c,21d,21eの間に閉じた穴として指間穴25a,25b,25c,25dを形成することとした。この指間穴25a,25b,25c,25dに中敷き紐17を通すことで中敷き3に対して靴下20を安定的に固定することができる。
【0056】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、中敷き3に中敷き紐17を固定して靴の外側で中敷き紐17を固定する点で第1実施形態と同様であるが、中敷き紐17の数が異なる点で相違する。したがって、以下では主として相違点について説明し、共通する事項については説明を省略する。
【0057】
図9に示すように、本実施形態では中敷き紐17が2本のみである。中敷き紐17は、中敷き本体15の上に配置される人指し指と中指の間に対応する位置Bと、薬指と小指の間に対応する位置Dとに設けられている。中敷き紐17が2本であっても、足を安定的に位置決めすることができる。
【0058】
図10には、図9に示した中敷き3に用いられる靴下20’が示されている。靴下20’は、人指し指部21bと中指部21cとの間に第2接続部23bが設けられており、薬指部21dと小指部21eとの間に第4接続部23dが設けられている。一方で、親指部21aと人指し指部21bとの間、及び、中指部21cと薬指部21dとの間には接続部が設けられていない。したがって、閉じた穴となる指間穴は、第2指間穴25bと第4指間穴25dのみである。
【0059】
図6に示したように装着する場合には、2本の中敷き紐17のそれぞれを、第2指間穴25bと第4指間穴25dに挿入する。そして、図1を用いて説明したように、スニーカー1の外側で中敷き紐17同士を結んで固定する。このように、中敷き紐17が2本とされた場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0060】
したがって、図11に示したように、中敷き紐17が3本の場合であっても第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、図示しないが、中敷き紐17が1本の場合であっても第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0061】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態と同様に中敷き紐が2本であるが、その位置と使用方法が異なる。そこで、以下では主として第1実施形態及び第2実施形態との相違点について説明し、共通する事項については説明を省略する。
【0062】
図12には、婦人用のパンプス(靴)1’が示されている。中敷き3には中敷き紐17が2本設けられている。中敷き紐17は、中敷き本体15の上に配置される親指と人指し指の間に対応する位置Aと、中指と薬指の間に対応する位置Cとに設けられている。
中敷き紐17は、パンプス1’の外側で結び目17fを形成して固定されている。
【0063】
図13には、図12に示した中敷き3に用いられるストッキング(レッグウェア)20”の先端が示されている。同図に示されているように、人指し指部21bと中指部21cとがまとめられて1つの指部とされ、かつ、薬指部21dと小指部21eとがまとめられて1つの指部とされている。親指部21aと人指し指部21bとの間は接続されておらず、先端側に開口する第1開口穴Xを形成している。中指部21cと薬指部21dとの間も接続されておらず、先端側に開口する第2開口穴Yを形成している。
【0064】
装着する際には、先ず、図12に示されているように、パンプス1’に中敷き3を挿入し、中敷き紐17をパンプス1’の外側で結び目17fを形成して固定する。
そして、図13に示したストッキング20”を装着した足をパンプス1’に挿入する。中敷き紐17のそれぞれは、位置A及び位置Cに設けられており、ストッキング20”に形成した第1開口穴X及び第2開口穴Yに対応している。これにより、足の挿入と同時に中敷き紐17がストッキング20”の対応する位置に導かれて円滑に装着することができる。特に、既に中敷き3がパンプス1’に装着しており中敷き紐17の位置が目視困難な場合に有効である。
【0065】
なお、図13に示したストッキング20”は、人指し指部21bと中指部21cとが一体的にまとめられ、薬指部21dと小指部21eとが一体的にまとめられている。すなわち、指部間には縫い目のような目視して判別できる接続部は存在しないが、各指部間において指部の付け根部から先端にかけて連続して設けられている部分が接続部となる。この図13に示したストッキング20”に代えて、図10のように2ヶ所に先端側にのみ接続部を設けたストッキングや靴下を適用することも可能である。
【0066】
また、図14に示すように、パンプス1’の上部に飾り18を設けて結び目17f(図12参照)を隠すようにしても良い。
また、本実施形態ではパンプス1’を一例として示したが、パンプスに限定されるものではなく、他の形式の靴であっても本実施形態を適用することができる。
【0067】
<変形例>
上述した第1乃至第3実施形態のそれぞれは、以下のように変形することができる。
図15に示すように、ソール部5の先端に、ソール部5の他の部分よりも硬い硬底部5aを設けても良い。上述したように、中敷き3を適用すると足の先端側に2cm程度の空間が形成されるので、この部分を硬底部5aとすることによって、靴の形状が崩れないようにして装着時の一体感を得ることができる。
【0068】
図16に示すように、長靴(靴)1”にも適用することができる。この場合には、中敷き紐用穴30を形成することによって、中敷き紐17を長靴1”の外側で固定することができる。
【0069】
上述した各実施形態では、中敷き紐17の太さをそれぞれ同一としたが、中敷き紐17ごとに太さを変えても良い。例えば、負荷が大きくかかる足の指(例えば親指と人指し指の間)に対しては他の中敷き紐17よりも太い径を用いることが好ましい。
【0070】
中敷き紐17ごとに印を付したり色を異ならせたりすることによって、中敷き紐17の中敷き本体15に対する固定位置を容易に見分けることができるようにしても良い。
【0071】
靴下20等のレッグウェアの厚さについては、指部の付け根部が他の部分(より具体的には指部の他の部分)よりも厚いレッグウェアとしてもよい。これにより、中敷き3に固定された中敷き紐17と接する部分を補強することができ、レッグウェアを長寿命とすることができる。
【0072】
中敷き本体15に形成した貫通孔15aは、予め形成されていなくても良い。例えば、ユーザの足の形状に応じて貫通孔15aの位置を決定できるように、貫通孔15aが形成されていない中敷きと、貫通孔15aを形成するための工具(例えばキリ)と、中敷き紐17のセットを販売するようにしても良い。さらに、靴下20,20’やストッキング20”等のレッグウェアの接続部23a,23b,23c,23dを形成するマチ針等の裁縫道具をセットに加えても良い。
【0073】
中敷き3と、靴下20,20’やストッキング20”のレッグウェアと、を備えたレッグウェア付き中敷きセットで販売することとしても良い。レッグウェア中敷きセットとすることで、既存の靴に対して容易に適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 スニーカー(靴)
1’ パンプス(靴)
1” 長靴(靴)
3 中敷き
5 ソール部(靴底)
7 アッパー部
9 舌部
11 靴紐穴
13 靴紐
15 中敷き本体
15a 貫通孔
17 中敷き紐
17a 一端部
17b 他端部
17c 結び目(固定部)
17d 拡大形状部(固定部)
17e 大径部
17f 結び目
18 飾り
20 靴下(レッグウェア)
20” ストッキング(レッグウェア)
21a 親指部
21b 人指し指部
21c 中指部
21d 薬指部
21e 小指部
23a 第1接続部
23b 第2接続部
23c 第3接続部
23d 第4接続部
25a 第1指間穴
25b 第2指間穴
25c 第3指間穴
25d 第4指間穴
30 中敷き紐用穴
【要約】
【課題】中敷き紐の調整が容易で装着感が向上した中敷きを提供する。
【解決手段】中敷き3は、靴の中底の上に配置される中敷き本体15と、中敷き本体15の上に配置される足の親指と人指し指の間、人指し指と中指の間、中指と薬指の間、及び、薬指と小指の間に対応する位置に設けられ、一端部が中敷き本体15に固定され、他端部17bが靴の外側で靴に固定される4本の中敷き紐17と、を備えている。中敷き本体15には、中敷き紐17を通す貫通孔15aが形成されている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16