(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】加工処理システム及びヘルプ処理方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/409 20060101AFI20221012BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20221012BHJP
【FI】
G05B19/409 C
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2021169060
(22)【出願日】2021-10-14
【審査請求日】2022-02-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136180
【氏名又は名称】羽立 章二
(72)【発明者】
【氏名】井上 智輝
(72)【発明者】
【氏名】小野 史裕
(72)【発明者】
【氏名】福原 庄吾
(72)【発明者】
【氏名】川勝 翔太
(72)【発明者】
【氏名】永野 弓太朗
(72)【発明者】
【氏名】中川 巧陽
(72)【発明者】
【氏名】津上 聖也
(72)【発明者】
【氏名】篠▲崎▼ 瑛郷
(72)【発明者】
【氏名】井上 大輔
【審査官】木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-040505(JP,A)
【文献】特開2012-058794(JP,A)
【文献】特開平05-324039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/409
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者による複数の設定処理に従って工作物に対して加工処理を行う加工処理装置を備える加工処理システムであって、
前記加工処理装置は、処理部と、前記加工処理を行う加工部と、入出力処理を行う入出力部を備え、
前記処理部は、制御部と、インタフェース処理部と、ヘルプ処理部を備え、
前記インタフェース処理部は、前記制御部の制御に従って動作して、前記入出力部にインタフェース画面を表示して、前記利用者による操作に従って前記制御部に対して指示を行い、
前記ヘルプ処理部は、第1表示領域と、第2表示領域と、第3表示領域を含むヘルプ表示を行い、
前記第1表示領域では、加工処理の設定処理の各ステップを示し、
前記第2表示領域では、各ステップに含まれる項目を示し、
前記第3表示領域では、各項目に応じた説明を表示し、
前記ヘルプ処理部は、前記第3表示領域においてインタフェース画面でのオブジェクトを説明する場合に、前記制御部に対して説明するオブジェクトを含むインタフェース画面を表示するように指示し、
前記ヘルプ処理部は、前記加工部に対して加工処理を行わせる指示をせず、
前記制御部は、前記インタフェース処理部からの指示に従って前記加工処理装置の前記加工部を制御し、
前記制御部は、前記ヘルプ処理部から前記インタフェース画面を変更する指示があったならば、前記インタフェース処理部に対して前記インタフェース画面を変更するように制御する、加工処理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記ヘルプ処理部からの指示がインタフェース画面の表示に関する指示でないならば、指示に応じた処理を行わない、請求項1記載の加工処理システム。
【請求項3】
前記加工処理装置とは異なる端末機を備え、
前記端末機は、前記加工処理装置と通信可能であって、端末処理部と、端末入出力部を備え、
前記端末処理部は、端末ヘルプ処理部を備え、
前記端末ヘルプ処理部は、前記利用者の指示に従って、前記端末入出力部において前記利用者による操作に関する説明を表示するとともに、前記制御部に対して指示を行い、
前記端末ヘルプ処理部は、前記加工部に対して加工処理を行わせる指示をせず、
前記制御部は、
前記端末ヘルプ処理部からの前記インタフェース画面を変更する指示があったならば、前記インタフェース処理部に対して、前記インタフェース画面を変更させるように制御し、
前記端末ヘルプ処理部からの指示がインタフェース画面の表示に関する指示でないならば、指示に応じた処理を行わない、請求項1又は2に記載の加工処理システム。
【請求項4】
利用者による複数の設定処理に従って工作物に対して加工処理を行う加工処理装置を備える加工処理システムにおけるヘルプ処理方法であって、
前記加工処理装置は、処理部と、前記加工処理を行う加工部と、入出力処理を行う入出力部を備え、
前記処理部は、制御部と、インタフェース処理部と、ヘルプ処理部を備え、
前記インタフェース処理部は、前記制御部の制御に従って動作して、前記入出力部にインタフェース画面を表示して、前記利用者による操作に従って前記制御部に対して指示を行い、
前記ヘルプ処理部は、第1表示領域と、第2表示領域と、第3表示領域を含むヘルプ表示を行い、
前記第1表示領域では、加工処理の設定処理の各ステップを示し、
前記第2表示領域では、各ステップに含まれる項目を示し、
前記第3表示領域では、各項目に応じた説明を表示し、
前記ヘルプ処理部は、前記第3表示領域においてインタフェース画面でのオブジェクトを説明する場合に、前記制御部に対して説明するオブジェクトを含むインタフェース画面を表示するように指示し、
前記ヘルプ処理部は、前記加工部に対して加工処理を行わせる指示をせず、
前記制御部は、前記インタフェース処理部からの指示に従って前記加工処理装置の前記加工部を制御し、
前記制御部が、前記ヘルプ処理部から前記インタフェース画面を変更する指示があったならば、前記インタフェース処理部に対して、前記インタフェース画面を変更させるように制御するステップを含むヘルプ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工処理システム及びヘルプ処理方法に関し、特に、利用者による複数の設定処理に従って工作物に対して加工処理を行う加工処理装置を備える加工処理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、工作機のプロセスを既述したプログラムであるNCデータを編集するときに、ガイダンスメッセージを表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、利用者は初心者、上級者など様々なレベルの者がいる。初心者であれば、特許文献1に記載されているようにガイダンスに従って個々の事項を順番に編集してもよいであろうが、本来のインタフェース画面を使用した編集とは違った新たな操作が生じてしまう。また、上級者にとっては個々の事項に順に設定することは迂遠であり、必要な情報にダイレクトにアクセスできることが重要である。
【0005】
さらに、ガイダンスに従った編集などを許容すると、本来のインタフェース画面を使用した編集以外にも加工条件などの編集が可能になり、さらには、ヘルプ表示画面を利用して加工処理が意図せず開始できてしまうように、利用者に危険な状態が生じ得る。
【0006】
よって、本発明は、加工処理装置の安全な運用を確保しつつ、利用者のレベルに応じたヘルプ表示を可能にすることに適した加工処理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の側面は、利用者による複数の設定処理に従って工作物に対して加工処理を行う加工処理装置を備える加工処理システムであって、前記加工処理装置は、処理部と、前記加工処理を行う加工部と、入出力処理を行う入出力部を備え、前記処理部は、制御部と、インタフェース処理部と、ヘルプ処理部を備え、前記インタフェース処理部は、前記制御部の制御に従って動作して、前記入出力部にインタフェース画面を表示して、前記利用者による操作に従って前記制御部に対して指示を行い、前記ヘルプ処理部は、前記利用者の操作に従って、前記入出力部において前記利用者によるインタフェース画面の操作に関する説明を表示するとともに、前記制御部に対して指示を行い、前記ヘルプ処理部は、前記加工部に対して加工処理を行わせる指示をせず、前記制御部は、前記インタフェース処理部からの指示に従って前記加工処理装置を制御し、前記制御部は、前記ヘルプ処理部から前記インタフェース画面を変更する指示があったならば、前記インタフェース処理部に対して前記インタフェース画面を変更するように制御する。
【0008】
本願発明の第2の側面は、第1の側面の加工処理システムであって、前記制御部は、前記ヘルプ処理部から前記加工部に対して加工処理を行わせる指示があっても、前記加工部に対して加工処理を行うように指示しない。
【0009】
本願発明の第3の側面は、第1又は第2の側面の加工処理システムであって、前記加工処理装置とは異なる端末機を備え、前記端末機は、前記加工処理装置と通信可能であって、端末処理部と、端末入出力部を備え、前記端末処理部は、端末ヘルプ処理部を備え、前記端末ヘルプ処理部は、前記利用者の指示に従って、前記端末入出力部において前記利用者による操作に関する説明を表示するとともに、前記制御部に対して指示を行い、前記制御部は、前記端末ヘルプ処理部からの前記インタフェース画面を変更する指示があったならば、前記インタフェース処理部に対して、前記インタフェース画面を変更させるように制御し、前記端末ヘルプ処理部からの前記加工部による加工処理を行わせる指示があっても、前記加工部に対しては加工処理を行うように指示しない。
【0010】
本願発明の第4の側面は、利用者による複数の設定処理に従って工作物に対して加工処理を行う加工処理装置を備える加工処理システムにおけるヘルプ処理方法であって、前記加工処理装置は、処理部と、前記加工処理を行う加工部と、入出力処理を行う入出力部を備え、前記処理部は、制御部と、インタフェース処理部と、ヘルプ処理部を備え、前記インタフェース処理部は、前記制御部の制御に従って動作して、前記入出力部にインタフェース画面を表示して、前記利用者による操作に従って前記制御部に対して指示を行い、前記ヘルプ処理部は、前記入出力部において前記利用者の指示に従って前記利用者によるインタフェース画面の操作に関する説明を表示するとともに、前記制御部に対して指示を行い、前記ヘルプ処理部は、前記加工部に対して加工処理を行わせる指示をせず、前記制御部は、前記インタフェース処理部からの指示に従って前記加工処理装置を制御し、前記制御部が、前記ヘルプ処理部から前記インタフェース画面を変更する指示があったならば、前記インタフェース処理部に対して、前記インタフェース画面を変更させるように制御するステップを含む。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の各側面によれば、インタフェース画面とヘルプ表示とを連動させて利用者を支援するための情報を適切に提示できるようにして、利用者のレベルに応じたヘルプ表示を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本願発明の実施の形態に係る加工処理システムの(a)構成の一例を示すブロック図と、(b)処理の一例を示すフロー図である。
【
図3】インタフェース処理部13及びヘルプ処理部15による表示処理の一例を示す第1図である。
【
図4】インタフェース処理部13及びヘルプ処理部15による表示処理の一例を示す第2図である。
【
図5】本願発明の他の実施の形態に係る加工処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】本願発明のさらに他の実施の形態に係る加工処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本願発明の実施例について述べる。なお、本願発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0014】
図1は、本願発明の実施の形態に係る加工処理システムの(a)構成の一例を示すブロック図と、(b)処理の一例を示すフロー図である。
図1を参照して加工処理システム1の構成及び処理の一例を説明する。
【0015】
加工処理システム1は、加工処理装置2を備える。
【0016】
加工処理装置2は、処理部3と、加工条件記憶部5と、加工部7と、入出力部9を備える。
【0017】
処理部3は、例えばプロセッサである。処理部3は、制御部11と、インタフェース処理部13と、ヘルプ処理部15を備える。
【0018】
加工条件記憶部5は、例えばメモリであり、加工条件を記憶する。
【0019】
加工部7は、加工条件に従って、工作物に対して加工処理(ワイヤ放電加工など)を行う。
【0020】
入出力部9は、例えばタッチパネル、ディスプレイ、キーボード、マウスなどのように、ユーザに情報を提示したり、ユーザが情報を入力したりするためのものである。
【0021】
制御部11は、ユーザが入出力部9に入力した情報に従い、加工条件記憶部5に記憶された加工条件についての処理(例えば生成、修正、削除など)をしたり、加工部7に対して工作物への加工を指示したりする。
【0022】
インタフェース処理部13は、入出力部9を利用して、インタフェース画面を表示して、ユーザに加工条件などの情報を提示してユーザが入力した修正等の指示を処理したり、ユーザが加工指示を行うためのボタンなどの情報を提示してユーザが入力した加工指示を処理したりする。
【0023】
ヘルプ処理部15は、ユーザの操作に応じて、入出力部9において、ユーザがインタフェース画面に対する操作をサポートするための情報を提示する。
【0024】
図2は、加工処理装置2のマニュアルの一例である。マニュアルには、加工処理を設定するための設定処理の全体における各ステップの位置づけが記載されており、そのステップでインタフェース画面に入力すべき情報が、現実の世界での意味づけとともに記載されている。
【0025】
ヘルプ処理部15には、ユーザに対して、各ステップの位置づけを把握させるとともに、そのステップで入力すべき具体的な情報、さらには、その情報の背景となる説明への理解を促すような表示が求められる。
【0026】
ただし、ユーザの熟練度に応じて、ユーザが必要になる情報は異なる。初心者であれば、どの順番で、どのような数値を設定すればよいか、という全体像の提示が重要になる。そのため、シーケンシャルなアクセスが望ましい。他方、上級者は、個々のステップに直接アクセスして情報を把握できることが望ましく、個々の項目にダイレクトにアクセスできることが望ましい。
【0027】
一見すると、特許文献1のようにヘルプ表示において加工条件などの指示を行うことができれば、ユーザは簡単に利用しやすくなるようにも考えられる。しかしながら、ヘルプ処理は、シーケンシャルなアクセスやダイレクトなアクセスのように、線や点のアクセスをベースにする。他方、インタフェース処理部13によるインタフェース画面を利用した入出力処理は、多様な設定に対応しており、いわば面状の二次元的な広がりのあるアクセスが可能である。そのため、加工処理装置2においてヘルプ処理を充実させることは、このような多様な広がりのあるインタフェース画面の利用を阻害する可能性がある。
【0028】
本願発明は、ユーザによるヘルプ処理部15に関する操作は、インタフェース処理部13における表示処理と連動させ、例えば制御部11による加工条件の指定や加工開始の指示のように実機の設定や状態などを変更する部分には連動させないことにより、ユーザにヘルプ処理に依存した状態からインタフェース画面を利用した状態へのスムーズな移行を促すことに適したものである。
【0029】
図1(b)を参照して、具体的な処理の一例を説明する。
【0030】
制御部11は、加工処理装置2における動作の指示があったか否かを判定する(ステップST1)。制御部11は、指示があるまで待つ。
【0031】
制御部11は、指示があったならば、それがヘルプ処理部15を通じた指示であるか否かを判定する(ステップST2)。ヘルプ処理部15を通じた指示でないならば、制御部11は、インタフェース処理部13による指示として、指示に応じて、例えば加工条件記憶部5における加工条件を修正などしたり、加工部7に対して加工処理を開始させたりするなどの処理を含めた処理を行い(ステップST4)、ステップST5へ進む。
【0032】
ヘルプ処理部15を通じた指示であるならば、制御部11は、インタフェース処理部13に指示して、ヘルプ処理部15におけるヘルプ表示に連動させたインタフェース画面の表示処理を行わせ(ステップST3)、ステップST5へ進む。
【0033】
ステップST5において、制御部11は、処理を終了するか否かを判定する。処理を終了しないならばステップST1に戻る。処理を終了するならば、全体の処理を終了する。
【0034】
図3及び
図4は、インタフェース処理部13及びヘルプ処理部15による表示処理の一例を示す。インタフェース処理部13により表示されたインタフェース画面の上に、ヘルプ処理部15によるヘルプ表示が行われている。
【0035】
図3のヘルプ表示において、表示領域H1は、加工処理の設定処理の各ステップを示す。表示領域H2は、各ステップに含まれる項目を示す。表示領域H3は、各項目に対応した説明を表示する。
図3においてアイテムH4を指定することにより、表示領域H3の表示内容を
図4のものに切り替えることができる。
【0036】
図4において、ヘルプ表示において、表示領域H3では、インタフェース処理部13により表示されたボタンなどのオブジェクトについて、指定すべきオブジェクトH5及びH6を具体的に説明している。
【0037】
ヘルプ処理部15は、
図4にあるようにヘルプ表示においてインタフェースでのオブジェクトを説明する場合に、制御部11に対して説明するオブジェクトを含むインタフェース画面を表示するように指示する。制御部11は、インタフェース処理部13に対して、説明されるオブジェクトを含むインタフェース画面を表示させる。これにより、ヘルプ処理部15とインタフェース処理部13と連動させて、オブジェクトが存在するインタフェース画面を表示させる。それに対し、制御部11は、ヘルプ表示画面に表示されたオブジェクトを利用した加工条件などの変更については、処理を禁止する。これにより、ユーザは、インタフェース画面を利用して加工条件の変更などの設定を行うことが必要になる。
【0038】
図5は、本願発明の実施の形態に係る他の加工処理システムの(a)構成の一例を示すブロック図と、(b)処理の一例を示すフロー図である。
図5を参照して加工処理システム31の構成及び処理の一例を説明する。
【0039】
加工処理システム31は、加工処理装置32を備える。加工処理装置32は、処理部33と、加工条件記憶部35と、加工部37と、入出力部39を備える。処理部33は、制御部41と、インタフェース処理部43と、ヘルプ処理部45を備える。
【0040】
図5の加工条件記憶部35、加工部37、入出力部39、制御部41、インタフェース処理部43、及び、ヘルプ処理部45は、それぞれ、基本的には、
図1の加工条件記憶部5、加工部7、入出力部9、制御部11、インタフェース処理部13、及び、ヘルプ処理部15と同様に動作する。
【0041】
図5(b)を参照して、具体的な処理の一例を説明する。
【0042】
制御部41は、加工処理装置32における動作の指示があったか否かを判定する(ステップSTA1)。制御部41は、指示があるまで待つ。
【0043】
制御部41は、指示があったならば、それがヘルプ処理部45を通じた指示であるか否かを判定する(ステップSTA2)。ヘルプ処理部45を通じた指示でないならば、制御部41は、インタフェース処理部43による指示として、指示に応じて、例えば加工条件記憶部35における加工条件を修正などしたり、加工部37に対して加工処理を開始させたりするなどの処理を含めた処理を行い(ステップSTA6)、ステップSTA7へ進む。
【0044】
ヘルプ処理部45を通じた指示であるならば、制御部41は、インタフェース画面の表示に関する指示であるか否かを判定する(ステップSTA3)。インタフェース画面の表示に関する指示であるならば、制御部41は、インタフェース処理部43に指示して、ヘルプ処理部45におけるヘルプ表示に連動させたインタフェース画面の表示処理を行わせ(ステップSTA4)、ステップSTA7へ進む。インタフェース画面の表示に関する指示でないならば、制御部41は、指示に応じた処理を行わずに、指示があったことをログに記録して(ステップSTA5)、ステップSTA7へ進む。
【0045】
ステップSTA7において、制御部41は、処理を終了するか否かを判定する。処理を終了しないならばステップSTA1に戻る。処理を終了するならば、全体の処理を終了する。
【0046】
図6は、本願発明の他の実施の形態に係る加工処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
加工処理システム51は、加工処理装置52と、端末機73を備える。
【0048】
加工処理装置52は、処理部53と、加工条件記憶部55と、加工部57と、本体入出力部59を備える。処理部53は、制御部61と、インタフェース処理部63と、ヘルプ処理部65を備える。
【0049】
図6の加工条件記憶部55、加工部57、本体入出力部59、制御部61、インタフェース処理部63、及び、ヘルプ処理部65は、基本的には、それぞれ、
図1の加工条件記憶部5、加工部7、入出力部9、制御部11、インタフェース処理部13、及び、ヘルプ処理部15と同様に動作する。
【0050】
加工処理装置52は、さらに、本体通信部71を備える。本体通信部71は、端末機73と通信を行う。
【0051】
端末機73は、端末処理部75と、端末通信部77と、端末入出力部79を備える。端末処理部75は、端末ヘルプ処理部81を備える。
【0052】
端末通信部77は、加工処理装置52と通信を行う。
【0053】
端末ヘルプ処理部81は、ヘルプ処理部65と同様に、端末入出力部79において、ユーザによるインタフェース処理部63に対する入力をサポートするための情報を提供するものである。
【0054】
制御部61は、加工処理装置52における動作の指示があったか否かを判定する。制御部61は、指示があるまで待つ。
【0055】
制御部61は、指示があったならば、それがヘルプ処理部65及び/又は端末ヘルプ処理部81を通じた指示であるか否かを判定する。ヘルプ処理部65や端末ヘルプ処理部81を通じた指示でなくインタフェース処理部63による指示ならば、指示に応じた処理を行う。
【0056】
ヘルプ処理部65及び/又は端末ヘルプ処理部81を通じた指示であるならば、制御部61は、インタフェース画面の表示に関する指示であるか否かを判定する。インタフェース画面の表示に関する指示であるならば、制御部61は、インタフェース処理部63に指示して、ヘルプ処理部65及び/又は端末ヘルプ処理部81におけるヘルプ表示に連動させたインタフェース画面の表示処理を行わせる。インタフェース画面の表示に関する指示でないならば、制御部61は、指示に応じた処理を行わずに、指示があったことをログに記録する。
【0057】
図3及び
図4にあるように、加工処理装置52において、インタフェース画面に重ねてヘルプ表示を行ってしまうと、インタフェース画面が見づらくなってしまう。
図6にあるように、加工処理装置52とは異なる端末機73を利用することにより、インタフェース画面にヘルプ表示を重ねて表示しなくてもよい。
【0058】
制御部61には、ユーザからの指示が、インタフェース処理部63によって与えられることに加えて、ヘルプ処理部65及び端末ヘルプ処理部81によっても与えられることとなる。特に端末ヘルプ処理部81は、加工処理装置52において管理することは困難である。本願発明によれば、仮に端末機73において端末ヘルプ処理部81を実現するためのプログラムが改変などされても、端末ヘルプ処理部81は、インタフェース処理部63に対する表示は連動させることができるのに対し、加工条件などの変更は認められない。そのため、加工処理装置52において設定を変更したり動作を開始させたりするためには、インタフェース処理部63により表示されたインタフェース画面を実際に操作する必要がある。端末ヘルプ処理部81による加工処理装置52の設定や加工処理などへの影響を防止することができ、加工処理装置52のセキュリティを高めることができる。
【符号の説明】
【0059】
1,31,51 加工処理システム,2,32,52 加工処理装置,3,33,53 処理部,5,35,55 加工条件記憶部,7,37,57 加工部,9,39,59 入出力部,11,41,61 制御部,13,43,63 インタフェース処理部,15,45,65 ヘルプ処理部,71 本体通信部,73 端末機,75 端末処理部,77 端末通信部,79 端末入出力部,81 端末ヘルプ処理部
【要約】
【課題】 加工処理装置の安全な運用を確保しつつ、利用者のレベルに応じたヘルプ表示を可能にすることに適した加工処理システム等を提供する。
【解決手段】 加工処理システム1の加工処理装置2において、インタフェース処理部13は、インタフェース画面を表示して、利用者による操作に従って制御部11に対して指示を行う。ヘルプ処理部15は、利用者の操作に従って、利用者によるインタフェース画面の操作に関する説明を表示する。制御部11は、ヘルプ処理部15からインタフェース画面を変更する指示があったならば、インタフェース処理部13に対してインタフェース画面を変更するように制御する。ヘルプ処理部15は、例えば加工部7に対して加工処理を行わせるなどの指示を含まない。
【選択図】
図1