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特許7157263ミクロスフェア及びエマルションを製造するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】ミクロスフェア及びエマルションを製造するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 33/452 20220101AFI20221012BHJP
   B01F 23/41 20220101ALI20221012BHJP
   B01F 23/43 20220101ALI20221012BHJP
   B01F 25/60 20220101ALI20221012BHJP
   B01J 13/00 20060101ALI20221012BHJP
   B01J 13/04 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B01F33/452
B01F23/41
B01F23/43
B01F25/60
B01J13/00 A
B01J13/04
B01J13/00 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021575086
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 US2020040518
(87)【国際公開番号】W WO2021003282
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】62/869,220
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511135835
【氏名又は名称】オークウッド ラボラトリーズ,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リッチー、トレイシー
(72)【発明者】
【氏名】ガラスカ、レイチェル
(72)【発明者】
【氏名】クレイマー、サマンサ
(72)【発明者】
【氏名】ミナガン、フォード
(72)【発明者】
【氏名】マーネン、コリー
(72)【発明者】
【氏名】スミス、マーク
(72)【発明者】
【氏名】モンダーレク、ファディー
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-153001(JP,A)
【文献】特開2007-054817(JP,A)
【文献】特表2004-511902(JP,A)
【文献】特表2004-534374(JP,A)
【文献】特開平05-023565(JP,A)
【文献】特表2018-537169(JP,A)
【文献】米国特許第05945126(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0367003(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0077155(US,A1)
【文献】米国特許第04459245(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0025630(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 23/41
B01F 23/50 - 23/57
B01F 25/60 - 25/64
B01F 33/45 - 33/453
F04D 13/00 - 13/16
A61K 9/107- 9/113
A61K 9/50
A61K 8/04 - 8/06
B01J 13/00 - 13/22
B01J 2/00 - 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロスフェアを形成するためのシステムであって、
分散相針であって、
第1の端部にある分散相入力継手、
第2の端部にある針チューブ、及び
前記分散相入力継手と前記針チューブとの間に配向されている分散相出力継手
を含み、前記分散相針が中空ボアを有する、前記分散相針と、
ティー又はワイであって、
複数のチューブ、
ティー入力継手又はワイ入力継手、
連続相入力継手、及び
連続相出力継手
を含み、前記チューブが各々、中空ボアを含む、前記ティー又はワイと、
ポンプ・チャンバであって、
入力継手及び中空ボアを有する入力チューブ、
ハウジング、
出力継手及び中空ボアを有する出力チューブ、
中空内部、及び
前記中空内部内で配向されている羽根車であって、前記羽根車が、複数の羽根車ブレード及び基部を含み、前記基部が、前記ポンプ・チャンバの外部の回転磁場に磁気的に係合するための磁石を含み、前記羽根車が、回転し、前記出力チューブから前記入力チューブに向かう方向において、前記ポンプ・チャンバを通る流体の自然流の方向を作るようになっている、前記羽根車
を含む、前記ポンプ・チャンバと
を備える、システム。
【請求項2】
前記分散相針出力継手が、前記ティー入力継手に係合してシールを形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記連続相出力継手が、前記ポンプ・チャンバ入力継手に係合してシールを形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
分散相液が、前記自然流の方向と反対の方向において、前記分散相針の前記中空ボアを通じて前記ポンプ・チャンバの前記中空内部へと圧送され、連続相液が、前記自然流の方向と反対の方向において、前記ティー又は前記ワイを通じて前記ポンプ・チャンバの前記中空内部へと圧送され、前記分散相液及び前記連続相液が、前記ポンプ・チャンバの前記中空内部内で前記羽根車の回転によって作られる高せん断環境において均質化される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
ミクロスフェアを形成するためのシステムであって、
ティー又はワイであって、
複数のチューブ、
ティー入力継手又はワイ入力継手、
連続相入力継手、及び
連続相出力継手
を含み、前記チューブが各々、中空ボアを含む、前記ティー又はワイと、
ポンプ・チャンバであって、
入力継手及び中空ボアを有する入力チューブ、
ハウジング、
出力継手及び中空ボアを有する出力チューブ、
中空内部、及び
前記中空内部内で配向されている羽根車であって、前記羽根車が、複数の羽根車ブレード及び基部を含み、前記基部が、前記ポンプ・チャンバの外部の回転磁場に磁気的に係合するための磁石を含み、前記羽根車が、回転し、前記出力チューブから前記入力チューブに向かう方向において、前記ポンプ・チャンバを通る流体の自然流の方向を作る、前記羽根車
を含む、前記ポンプ・チャンバと
を備え、
分散相液が、前記自然流の方向と反対の方向において、前記ティー又は前記ワイの前記複数のチューブのうちの少なくとも1つを通じて前記ポンプ・チャンバの前記中空内部へと圧送され、
連続相液が、前記自然流の方向と反対の方向において、前記ティー又は前記ワイを通じて前記ポンプ・チャンバの前記中空内部へと圧送され、
前記分散相液及び前記連続相液が、前記ポンプ・チャンバの前記中空内部内での前記羽根車の回転によって作られる高せん断環境において均質化される、システム。
【請求項6】
分散相針であって、
第1の端部にある分散相入力継手、
第2の端部にある針チューブ、及び
前記分散相入力継手と前記針チューブとの間に配向されている分散相出力継手
を含み、前記分散相針が中空ボアを有する、前記分散相針をさらに備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記分散相液が、前記分散相針を通じて圧送され、前記分散相針が前記ティー又は前記ワイを通じて配向される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記連続相液が、前記自然流の方向と反対の方向において、前記分散相針を通じて前記ポンプ・チャンバの前記中空内部へと圧送される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記分散相針出力継手が、前記ティー入力継手又は前記ワイ入力継手に係合してシールを形成する、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記連続相出力継手が、前記ポンプ・チャンバ入力継手に係合してシールを形成する、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
ミクロスフェアを製造する方法であって、
分散相源を提供することと、
連続相源を提供することと、
磁気浮上羽根車ポンプを提供することであって、前記磁気浮上羽根車ポンプが、
中空内部を有するポンプ・チャンバ、および
複数の羽根車ブレードを含む羽根車
を含み、
前記羽根車が、中空内部内で配向されており、前記羽根車の回転が、流体の自然流の方向を作る、前記磁気浮上羽根車ポンプを提供することと、
前記自然流の方向と反対の方向において、前記ポンプの意図されている出力を介して、前記分散相を正圧下で前記磁気浮上羽根車ポンプの前記ポンプ・チャンバへと圧送することと、
前記自然流の方向と反対の方向において、前記ポンプの意図されている出力を介して、前記連続相を正圧下でティー又はワイを通じて前記ポンプ・チャンバへと圧送することと、
前記ポンプ・チャンバ内で前記分散相及び前記連続相を均質化することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記分散相が、分散相針を通じて前記ポンプ・チャンバへと圧送される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記羽根車が回転し、前記回転する羽根車が、前記ポンプ・チャンバの前記中空内部内に高せん断環境を作る、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記羽根車が基部を含み、前記基部が、前記ポンプ・チャンバの外部の回転磁場に磁気的に係合するための磁石を含み、前記回転磁場が、前記羽根車を前記ポンプ・チャンバ内で回転させる、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
微小粒子は、一般的に約1~約1000マイクロメートル(μm)のサイズを有する、小さい粒子である。
【0002】
花粉又は塵芥などの、天然の微小粒子が存在する。微小粒子は、用途に応じて、ポリマー、セラミック、及び他の材料を含む、多数の異なる材料から製造され得る。
【0003】
ミクロスフェアは、一般的に、球状の微小粒子である。医薬用途において、ミクロスフェアは、天然、合成、又は半合成ポリマーから製造されることが多い。ミクロスフェアは、制御又は持続放出薬物送達プロファイルをもたらすために、多粒子薬物送達システムにおいて使用することができる。そのようなシステムは、様々な経口剤形で使用することができる。ミクロスフェアはまた、注射製剤において使用することもできる。持続放出システムとしてのミクロスフェアは、患者使用を容易にすること(すなわち、必要な容量をより少なくすること、患者の薬剤服用遵守をより容易にすること)、薬物放出の予測可能性、溶解性の乏しい薬物の可溶性の増強にとって有用であり得、経口投与される場合に一部の薬物によって引き起こされる胃腸の問題を低減することができる。
【背景技術】
【0004】
ミクロスフェアを形成する1つの方法は、2つの流れ(1つの水性流及び1つの有機流)をともに高せん断環境に持ち込んで、概して球形の重合体ミクロスフェアを製造することである。この高せん断環境は、ロータ/ステータ式ホモジナイザを使用して生成することができるが、その多くの異なる可能な構成におけるそのような機器は、ロータ、ステータ、ブッシング及びガスケット間の摩擦に起因して、本質的に異物が生成されやすい。ロータ速度及びミクロスフェア形成過程の持続時間が、異物生成の量に影響を与える。ロータ速度が速くなり、持続時間が長くなるほど、最終生成物における異物の量が増大し、これは生成物品質にとって有害である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6,270,802号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
異物微粒子状物質の生成を軽減又は排除する、ミクロスフェアを生成するためのシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様において、ミクロスフェアを形成するためのシステムであって、分散相針であり、第1の端部にある分散相入力継手、第2の端部にある針チューブ、及び、分散相入力継手と針チューブとの間に配向されている分散相出力継手を含み、分散相針が中空ボアを有する、分散相針と、ティー又はワイであり、複数のチューブ、ティー入力継手又はワイ入力継手、連続相入力継手、及び、連続相出力継手を含み、チューブが各々、中空ボアを含む、ティー又はワイと、ポンプ・チャンバであり、入力継手及び中空ボアを有する入力チューブ、ハウジング、出力継手及び中空ボアを有する出力チューブ、中空内部、及び、中空内部内で配向されている羽根車であり、羽根車が、複数の羽根車ブレード及び基部を含み、基部が、ポンプ・チャンバの外部の回転磁場に磁気的に係合するための磁石を含み、羽根車が、回転し、出力チューブから入力チューブに向かう方向において、ポンプ・チャンバを通る流体の自然流の方向を作る、羽根車を含む、ポンプ・チャンバとを備える、システムが提供される。
【0008】
別の態様において、ミクロスフェアを形成するためのシステムであって、ティー又はワイであり、複数のチューブ、ティー入力継手又はワイ入力継手、連続相入力継手、及び、連続相出力継手を含み、チューブが各々、中空ボアを含む、ティー又はワイと、ポンプ・チャンバであり、入力継手及び中空ボアを有する入力チューブ、ハウジング、出力継手及び中空ボアを有する出力チューブ、中空内部、及び、中空内部内で配向されている羽根車であり、羽根車が、複数の羽根車ブレード及び基部を含み、基部が、ポンプ・チャンバの外部の回転磁場に磁気的に係合するための磁石を含み、羽根車が、回転し、出力チューブから入力チューブに向かう方向において、ポンプ・チャンバを通る流体の自然流の方向を作る、羽根車を含む、ポンプ・チャンバとを備え、分散相液が、自然流の方向と反対の方向において、ティー又はワイの複数のチューブのうちの少なくとも1つを通じてポンプ・チャンバの中空内部へと圧送され、連続相液が、自然流の方向と反対の方向において、ティー又はワイを通じてポンプ・チャンバの中空内部へと圧送され、分散相液及び連続相液が、ポンプ・チャンバの中空内部内での羽根車の回転によって作られる高せん断環境において均質化される、システムが提供される。
【0009】
別の態様において、ミクロスフェアを製造するための方法であって、分散相源を提供することと、連続相源を提供することと、磁気浮上羽根車ポンプを提供することであって、磁気浮上羽根車ポンプが、中空内部を有するポンプ・チャンバ、複数の羽根車ブレードを含む羽根車を含み、羽根車が、中空内部内で配向されており、羽根車の回転が、流体の自然流の方向を作る、磁気浮上羽根車ポンプを提供することと、自然流の方向と反対の方向において、ポンプの意図されている出力を介して、分散相を正圧下で磁気浮上羽根車ポンプのポンプ・チャンバへと圧送することと、自然流の方向と反対の方向において、ポンプの意図されている出力を介して、連続相を正圧下でティー又はワイを通じてポンプ・チャンバへと圧送することと、ポンプ・チャンバ内で分散相及び連続相を均質化することとを含む、方法が提供される。
【0010】
別の態様において、エマルションを製造するための方法であって、分散相源を提供することと、内側水相源を提供することであって、内側水相と分散相との比が1:1~1:80である、提供することと、エマルション容器内で分散相と内側水相とを混合して、混合物を形成することと、ポンプを提供することと、磁気浮上羽根車ポンプを提供することであって、磁気浮上羽根車ポンプが、中空内部を有するポンプ・チャンバ、複数の羽根車ブレードを含む羽根車を含み、羽根車が、中空内部内で配向されており、羽根車の回転が、流体の自然流の方向を作る、磁気浮上羽根車ポンプを提供することと、自然流の方向と反対の方向において、ポンプの意図されている出力を介して、混合物を正圧下で磁気浮上羽根車ポンプのポンプ・チャンバへと圧送することと、ポンプの意図されている入力から混合物を除去し、混合物をエマルション容器に戻すこととを含む、方法が提供される。
【0011】
別の態様において、磁気浮上羽根車ポンプを使用してミクロスフェア又は微小粒子を生成するための方法であって、磁気浮上羽根車ポンプが、中空内部を有するポンプ・チャンバ、及びポンプ・チャンバの中空内部内に含まれる回転羽根車を含むことと、分散相液又は分散相懸濁液が、磁気浮上羽根車ポンプのポンプ・チャンバの中空内部へと圧送されることと、連続相液が、磁気浮上羽根車ポンプのポンプ・チャンバの中空内部へと圧送されることと、分散相液及び連続相液が、ポンプ・チャンバの中空内部内で羽根車の回転によって作られるせん断環境において均質化されることとを含む、方法が提供される。
【0012】
本明細書に組み込まれるとともにその一部を構成する添付の図面は、様々な例示的なシステム、装置、及び方法を示し、様々な例示的な態様を例示するためにのみ使用される。図面において、同様の要素は同様の参照符号を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ミクロスフェアを生成するためのシステム100を示す概略図である。
図2】ミクロスフェアを生成するためのシステム200を示す概略図である。
図3】ミクロスフェア形成システム320の斜視図である。
図4A】分散相入力針308の側面斜視図である。
図4B】分散相入力針308の前面斜視図である。
図4C】分散相入力針308の後面斜視図である。
図5A】ティー314の側面立面図である。
図5B】ティー314の前面斜視図である。
図6A】ポンプ・チャンバ310の側面斜視図である。
図6B】ポンプ・チャンバ310の切り欠き斜視図である。
図6C】ポンプ・チャンバ310の上面断面図である。
図7A】分散相入力針308とティー314とのアセンブリの側面立面図である。
図7B】分散相入力針308とティー314とのアセンブリの後面立面図である。
図8A】ミクロスフェア形成システム320の上面断面図である。
図8B】ミクロスフェア形成システム320の側面断面図である。
図9A】分散相入力針308とワイ914とのアセンブリの上面平面図である。
図9B】分散相入力針308とワイ914とのアセンブリの側面立面図である。
図10】ミクロスフェア形成システム1092の斜視図である。
図11A】ミクロスフェア形成システム320の上面断面図である。
図11B】ミクロスフェア形成システム320の上面断面図である。
図11C】ミクロスフェア形成システム320の上面断面図である。
図12A】ミクロスフェア形成システム1092の上面断面図である。
図12B】ミクロスフェア形成システム1092の上面断面図である。
図12C】ミクロスフェア形成システム1092の上面断面図である。
図13A】ミクロスフェア形成システム320の代替的な構成の斜視図である。
図13B】ミクロスフェア形成システム320の代替的な構成の斜視図である。
図14A】ミクロスフェア形成システム1092の代替的な構成の斜視図である。
図14B】ミクロスフェア形成システム1092の代替的な構成の斜視図である。
図15】ミクロスフェアを生成するためのシステム1500を示す概略図である。
図16】ミクロスフェアを生成するためのシステム1600を示す概略図である。
図17】ミクロスフェアを生成するためのシステム1700を示す概略図である。
図18】ミクロスフェアを生成するためのシステム1800を示す概略図である。
図19】エマルションを製造するためのシステム1993を示す概略図である。
図20】(A)2体積の磁気浮上羽根車ポンプの通過後0時間、1時間、2時間、及び3時間における一次エマルションの視覚的進展、及び、(B)7体積の通過後0時間、1時間、2時間、及び3時間における一次エマルションの視覚的進展を示す図である。
図21】2体積の通過後の一次エマルションの顕微鏡図である。
図22】7体積の通過後の一次エマルションの顕微鏡図である。
図23】(A)Ultra-Turrax(登録商標)による形成後0時間、1時間、2時間、3時間、及び4時間における一次エマルションの視覚的進展を示す図である。
図24】実施例12に記載の3つのすべての乳化方法の吸光度値対時間のグラフ表現を示す図である。
図25】記載されているシステムを利用してミクロスフェアを製造するための例示的な方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
磁気浮上羽根車ポンプのハウジング内でミクロスフェアを製造するための新規の方法が、本明細書に記載されている。1つの態様において、有機流が、ポンプ製造者によって意図されているものと反対の方向において、チャンバへと圧送される。すなわち、羽根車ポンプ製造者によって入力として意図されているものが、本明細書に記載されている方法において出力として使用され、羽根車ポンプ製造者によって出力として意図されているものが、本明細書に記載されている方法において入力として使用される。しかしながら、入力及び出力は、製造者が意図したものとは反対に使用されるが、ポンプ羽根車は、製造者によって意図されている方向において操作される。このように、羽根車ポンプはホモジナイザとして使用することができる。驚くべきことに、その圧送チャンバ内に低せん断環境を作るように設計されている磁気浮上羽根車ポンプは、ポンプをその自然流方向とは反対であるように操作することによって、高せん断環境をチャンバ内で生成するホモジナイザとして作用するようにすることができる。この反対操作は、製造者によって意図されているものとは反対の方向において、磁気浮上羽根車ポンプを通じてCP及びDPを圧送することによって達成することができる。
【0015】
代替的に、有機流が、ポンプ製造者によって意図されているものと同じ方向において、チャンバへと圧送され、ミクロスフェアが製造される。
【0016】
ミクロスフェアの形成は、いかなる他の表面とも接触しない回転浮揚羽根車を含む、ポンプ・チャンバ(本明細書に記載されている方法においては混合チャンバとして使用される)内部で発生する。明確にするために、磁気浮上ポンプのポンプ・チャンバは、本明細書における方法においては、ポンプがその自然流の逆の方向において操作される場合(ポンプ羽根車はその意図されている方向において動作しているが、ポンプを通じて圧送される流体は、ポンプの自然流と反対の方向に流れる)を含め、混合チャンバとして使用される。シールされたポンプ・チャンバの外部で回転磁場が作られ、ポンプ・チャンバの内部へと方向付けられ、羽根車の浮揚及び回転が発生する。磁力を使用することによって、ロータ/ステータ式ホモジナイザ内に存在する部品との接触がない、シールされたポンプ・チャンバにおけるミクロスフェアの形成が可能になる。これは、そのようなロータ又は他のそのような部品がチャンバ内に存在せず、むしろ、磁力によって駆動される浮揚羽根車のみがチャンバ内に含まれるためである。したがって、異物微粒子状物質が排除されるか、又は、ロータ/ステータ式ホモジナイザを用いたミクロスフェアの製造と比較して少なくとも大幅に低減された状態で、ミクロスフェアが形成される。
【0017】
上述したように、磁気浮上羽根車ポンプは、ミクロスフェアの形成するためのホモジナイザとして使用することができる。磁気浮上羽根車ポンプは、ポンプのチャンバ内に、いかなる表面とも接触していない浮揚羽根車を含むポンプである。そうではなく、浮揚羽根車は磁気を使用して回転される。より具体的には、シールされたチャンバの外部で回転磁場が作られ、チャンバの内部へと方向付けられ、羽根車の浮揚及び回転が発生する。そのような磁気浮上羽根車ポンプの例は、Levitronix(登録商標)モデルBPS i100、BPS600、BPS2000、PuraLev-100SU、PuraLev-600SU、及びPuraLev-2000SUを含む。通常動作において(製造者によって意図されているように、ポンプとして使用されるとき)、磁気浮上ポンプは、ポンプ・チャンバ内に低せん断環境を作ることができる。しかしながら、ポンプの意図されている出力が入力として使用され、ポンプの意図されている入力が出力として使用される、本明細書に記載されている方法において使用されるとき、高せん断環境がチャンバ内に作られ、それによって、チャンバは混合チャンバとして使用される。
【0018】
本出願全体を通じて、「その意図されている動作の逆に」、「逆向きに」、「その意図される動作と反対に」などで、磁気浮上ポンプを通じて溶液を押すという概念が、頻繁に参照される。磁気浮上ポンプは、その意図されている/通常の動作において、ポンプ・チャンバ内に低せん断環境を作るように設計され得、ここでは、液体などの流体が、ポンプの意図されている入力を介してポンプ・チャンバへと(すなわち、入力において回転羽根車によって生成される負圧を介して)引き込まれ、ポンプの意図されている出力を介してポンプ・チャンバから(すなわち、出力において回転羽根車によって生成される正圧を介して)押し出される。流れ/圧送のこの方向は、意図されているように使用されるときの、磁気浮上ポンプの自然な、設計されている流れの方向である。「逆に」、「逆向きに」、「反対に」などで使用されるとき、浮揚磁気ポンプは依然としてその標準方向において動作する(すなわち、回転羽根車は引き続き、製造者によって意図されている方向に回転する)が、液体(溶液など)は、出力において回転羽根車によって生成される正圧よりも大きい圧力において、ポンプの意図されている出力へと追い込まれる。このように、流体は磁気浮上ポンプの圧送能力を克服し、製造者の意図されている出力は入力になり、一方で、製造者の意図されている入力は出力になる。ポンプの意図されている出力に追い込まれる流体は、磁気浮上ポンプが生成するものよりも大きい正圧に加圧され、流体は、例えば、別個の独立したポンプを含む様々なメカニズムのいずれかによって加圧され得る。
【0019】
ポンプ・チャンバの羽根車及びハウジングに使用される材料は、1つの態様においては、好ましくは生体適合性(すなわち、FDA及びUSP-VIに準拠し、ABSE/TSEフリーであり、動物質を含まない)樹脂である。そのような構成において、そのような非生体適合性物質がミクロスフェア製品に導入されないことを保証することができる。
【0020】
磁気浮上羽根車ポンプを使用してミクロスフェアを形成するとき、ミクロスフェアは、2つの流れ(1つの水性流及び1つの有機流)をともにポンプ・チャンバ内の高せん断環境に持ち込んで、球形の重合体ミクロスフェアを製造することによって形成することができる。上述したように、2つの流れは、その取扱説明書においてポンプ製造者によって意図されているものと反対の方向において、ポンプ・チャンバを通じて圧送されるが、磁気浮上羽根車は、その意図されている方向において操作される。有機流はまた、「分散相」又は「DP」としても知られているものであり得、水性流は、「連続相」又は「CP」としても知られているものであり得る。
【0021】
DPは、ポリマー、活性医薬成分、及び有機溶媒から構成される様々な溶液を含んでもよい。使用されてもよい例示的な高分子化合物は、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、PLGA-PEG(PLGA-ポリエチレングリコール共重合体)、PEG(ポリエチレングリコール)、セルロース・ポリマー、ポリカプロラクトン、ポリグリコリド、ポリ乳酸(PLA)、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリエステルアミド(PEA)、ポリ無水物、ポリアセタール、ポリ(オルトエステル)、ポリリン酸エステル、ポリウレア、及びポリカーボネートを含む。有機溶媒の例は、塩化メチレン(ジクロロメタン又はDCMとしても知られる)、酢酸エチル、酢酸、アセトン、アセトニトリル、アセチルアセトン、アクロレイン、アクリロニトリル、アリルアルコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、2-ブトキシエタノール、n-ブチルアミン、ブチルジオキシトールアセテート、ブチルアルデヒド、酪酸、2-クロロエタノール、ジアセトンアルコール、ジアセチル、ジエチルアミン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、N,N-ジエチルニコチンアミド、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、2-エトキシエタノール、2-エトキシエチルアセテート、酢酸エチル、ギ酸エチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ギ酸、フルフラール、グリコフロール、ヘキシレングリコール、イソブタノール、イソプロピルアルコール、2,6-ルチジン、酢酸メチル、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピオン酸メチル、N-メチルピロリドン、モルホリン、tert-ペンタノール、2-ピコリン、3-ピコリン、4-ピコリン、ピペリジン、1-プロパノール、プロピオンアルデヒド、酸化プロピレン、ピリジン、ピリミジン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラメチルウレア、トリアセチン、トリエチレングリコール、及びリン酸トリメチル、並びにそれらの組み合わせを含んでもよい。ポリマー及び溶媒のこれらのリストは、網羅的であるようには意図されておらず、従来の高せん断混合方法によってミクロスフェアを製造するために使用され得る任意のポリマー及び溶媒が、本発明の方法において使用可能であり得る。
【0022】
CPは、少なくとも水を含んでもよい。任意選択的に、界面活性剤が含まれてもよい。そのような任意選択の界面活性剤の例は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ステアリン酸カルシウム(CSt)、及びメチルセルロースを含んでもよい。
【0023】
図1は、ミクロスフェアを生成するためのシステム100を示す概略図である。システム100は、DPを正圧で加圧して、DPを、DP針108を通じて磁気浮上羽根車ポンプのポンプ・チャンバ110へと追い込むように構成されているDPポンプ106に動作可能に接続されているDP源102(例えば、リザーバ)を含むことができる。システム100は、CPを正圧で加圧して、CPを、ティー/ワイ114を通じてポンプ・チャンバ110へと追い込むように構成されているCPポンプ112に動作可能に接続されているCP源(例えば、リザーバ)を含むことができる。
【0024】
図2は、ミクロスフェアを生成するためのシステム200を示す概略図である。システム200は、ポンプ・チャンバ110において作られる懸濁液をミクロスフェア容器218へと方向付けることが加わっていることを除いて、システム100と同じである。ミクロスフェア容器218中の懸濁液は、接線流フィルタ216へと方向付けることができる。接線流フィルタ216は、溶液からミクロスフェアと液体/溶媒とを分離し、ミクロスフェアをミクロスフェア容器218へと方向付け、液体/溶媒を液体/溶媒容器220へと方向付けることができる。溶液は、容器218から接線流フィルタ216へ、再び容器218へと、液体/溶媒を容器220へと除去するのに必要であり得るように1回又は複数回循環させることができる。接線流フィルタ216は、例えば、中空繊維フィルタを含む、様々なフィルタのいずれかを含んでもよい。代替的に、ポンプ・チャンバ110内で作られる溶液から水を取り除く任意の方法が企図され、そのような方法は、接線流フィルタ、中空繊維フィルタなどの使用に限定されない。
【0025】
図3は、ミクロスフェア形成システム320である。システム320は、DP針308と、ティー314と、ポンプ・チャンバ310とを含むことができる。
【0026】
DP針308は、例えば、金属(例えばステンレス鋼)又はポリマーを含む、様々な材料のいずれかから形成されてもよい。
【0027】
DP針308は、第1の端部にあるDP入力継手324と、第2の端部にある針チューブ(図4A図4Cには460として示されている)とを含むことができる。入力継手324は、対応する継手又は供給ライン若しくはDPポンプからの他のコネクタに係合して、液体、流体、又は空気が、入力継手324と、対応する継手又は他のコネクタとの係合から逃げるのを防止するシールを作ることができる。継手324は、管状部材326に接続することができ、管状部材は、DP出力継手328に接続することができる。出力継手328は、ティー入力継手332又はティー314上の他の継手に係合して、液体、流体、又は空気が、出力継手328と、対応する入力継手332との係合から逃げるのを防止するシールを作ることができる。ボア(図4Cの462)又は穿孔が、入力継手324、管状部材326、出力継手328、及び針チューブ(図4A図4Cの460)を通じて延在する。したがって、ボア462は、液体又は他の流体が、第1の端部にある入力継手324から第2の端部にある針チューブ460の端部を出て、DP針308の全体を通過することを可能にする。
【0028】
ティー314は、例えば、金属(例えばステンレス鋼)又はポリマーを含む、様々な材料のいずれかから形成されてもよい。
【0029】
ティー314は、3つのチューブ(第1のチューブ334、第2のチューブ340、及び第3のチューブ342)から形成される、概してT字形の部材を含んでもよい。第1のチューブ334及び第3のチューブ342は、同軸に配置構成することができる。第1のチューブ334及び第3のチューブ342は、実際には、同じチューブの異なる端部であってもよく、第2のチューブ340は、単純に、組み合わされた第1のチューブ及び第3のチューブに接合してもよい。ティー入力継手332は、第1のチューブ334の第1の端部に接続することができる。CP入力継手336は、第2のチューブ340の第1の端部に接続することができる。CP出力継手344は、第3のチューブ342の第1の端部に接続することができる。第1のチューブ334、第2のチューブ340、及び第3のチューブ342は、それらの第2の端部において互いに接続されてもよく、又は、代替的に、第1のチューブ334及び第3のチューブ342が実際には同じチューブの異なる端部である場合は、組み合わされた第1/第3のチューブが、組み合わされた第1/第3のチューブの長さに沿ったいずこかにおいて、第2のチューブ340の第2の端部において第2のチューブ340に接続される。これらのチューブの各々は、中空ボアを含むことができ、中空ボアの各々は、互いに流体連通することができる。第2のチューブ340は、中空ボア338を含む。同軸である第1のチューブ334及び第3のチューブ342は、ボア(図5A及び図5Bには564として示す)を共有することができる。
【0030】
CP入力継手336は、対応する継手又は供給ライン若しくはCPポンプからの他のコネクタに係合して、液体、流体、又は空気が、CP入力継手336と、対応する継手又は他のコネクタとの係合から逃げるのを防止するシールを作ることができる。実際には、CPはCPポンプによって正圧で加圧され、それによって、CPは、ボア338を通じて入力継手336においてティー314へと流れ、ボア564を通じて、CP出力継手344においてティー314から流出する。CPは、ティー入力継手332とDP出力継手328との間に作られたシールに起因して、ティー入力継手332においてティー314から流出することができない。
【0031】
CP出力継手344は、ポンプ・チャンバ310の入力継手348と係合することができる。入力継手348は、ポンプ製造者によって出力として意図されているものであり得る。CP出力継手344と入力継手348との間の係合は、液体、流体、又は空気が、CP出力継手344と入力継手348との係合から逃げるのを防止するシールを作ることができる。
【0032】
ポンプ・チャンバ310は、例えば、ポリマー又は金属(例えばステンレス鋼)を含む、様々な材料のいずれかから形成されてもよい。
【0033】
ポンプ・チャンバ310は、入力継手348及びハウジング352に接続され、それらの間に延在する入力チューブ350を含むことができる。ポンプ・チャンバ310は、ハウジング352及び出力継手356に接続されている出力チューブ354を含むことができる。入力チューブ350は、中空ボア(図6B及び図6Cには666として示す)を含む。出力チューブ354は、中空ボア358を含む。下記にさらに論じるように、ポンプ・チャンバ310は、羽根車が内部で回転し、高せん断環境を作る、中空内部を有するシールされたユニットである。出力継手356は、対応する継手又は供給ライン、フィルタ、若しくは容器上の他のコネクタに係合して、液体、流体、又は空気が、出力継手356と、対応する継手又は他のコネクタとの係合から逃げるのを防止するシールを作ることができる。
【0034】
図4A図4Cは、分散相入力針308を示す。入力針308は、図3に関して上述したようなものであり、第2の端部にある針チューブ460と、DP入力針308の全体を通じて延在するボア462とを含む。すなわち、ボア462は、DP入力継手324から針チューブ460の遠位端へと延在する。実際には、下記にもさらに説明するように、針チューブ460の遠位端は、DPが針チューブ460の遠位端から流出するように、ポンプ・チャンバ310内で配向されている。
【0035】
図5A及び図5Bは、ティー314を示す。ティー314は、図3に関して上述したようなものであり、第1のチューブ334及び342を通じて延在する中空ボア564を含むことができる。中空ボア564は、図5Bに示すように、中空ボア338によって交差される。このように、中空ボア338と中空ボア564とは流体的に接続される。
【0036】
図6A図6Cは、ポンプ・チャンバ310を示す。図6Aは、図3に関連して上述されているようなポンプ・チャンバを示す。図6B及び図6Cは、さらに、入力チューブ350及び入力継手348を通じて延在する中空ボア666を示す。中空ボア666は、ポンプ・チャンバ310の中空内部へと延在する。中空内部は、内面668によって画定される。中空内部の中には、複数の羽根車ブレード670及び基部672を含む羽根車669がある。
【0037】
基部672は、ポンプ・チャンバ310の外部の回転磁場に磁気的に係合するための磁石を含むことができる。基部672と、ポンプ・チャンバ310の外部の回転磁場との間の磁気的相互作用によって、羽根車669が浮揚して、シールされたポンプ・チャンバ310内で回転することができる。羽根車669は、図6Cにおいて羽根車回転IRとして示されている方向に回転することができる。したがって羽根車669は、製造者によって意図されている方向に回転することができるが、DP及びCPは、中空ボア666を介して圧力下で入力になり得、これは製造者によって出力であるように意図されていたものである。
【0038】
図7A及び図7Bは、分散相入力針308とティー314とのアセンブリを示す。DP入力針308及びティー314は、図3図4A図4C図5A、及び図5Bに関して上述したようなものである。
【0039】
図7Aに示すように、DP出力継手328の少なくとも一部分は、ティー入力継手332よりも大きい直径を有することができ、ティー入力継手と重なることができる。代替的に、DP出力継手328の少なくとも一部分は、ティー入力継手332よりも小さい直径を有してもよく、することができ、ティー入力継手の下になってもよい。
【0040】
図7Bに示すように、針チューブ460が、ティー314全体を通じて延在することができる。
【0041】
図8A及び図8Bは、ミクロスフェア形成システム320を示す。システム320は、当該システム及びその様々な構成要素が図3図4A図4C図5A図5B、及び図6A図6Cに関して上述されたようなものである。
【0042】
針チューブ460は、DP入力針308から、ティー314全体、入力チューブ350全体を通じて、ポンプ・チャンバ310の中空内部へと延在することができる。針チューブ460は、羽根車669が回転するときに羽根車ブレード670の半径方向外縁によってトレースされる円の外径に隣接して、そのすぐ近傍において終端することができ、結果、針チューブ460は、羽根車669の回転と干渉することなく、DPを羽根車ブレード670のすぐ近傍に放出する。針チューブ460は、羽根車669が回転するときに羽根車ブレード670の半径方向最外部分によってトレースされる円の1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、5.0mm、6.0mm、7.0mm、8.0mm、9.0mm、又は10.0mm以内で終端することができる。針チューブ460は、羽根車669が回転するときに羽根車ブレード670の半径方向最外部分によってトレースされる円の1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、5.0mm、6.0mm、7.0mm、8.0mm、9.0mm、又は10.0mm未満で終端することができる。
【0043】
図8Aに示すように、DP(破線によって示す)は、DP入力継手324において又はその付近でDP針308のボア462に入り、針チューブ460の長さに沿って延在して、ポンプ・チャンバ310の中空内部内で放出される。CP(破線によって示す)は、CP入力継手336において又はその付近でティー314のボア338に入り、ボア564内で、ただし針チューブ460の外部でボア564へと進行し、ボア666を通じて、ただし針チューブ460の外部で、ポンプ・チャンバ310の中空内部へと進行する。このように、CP及びDPは、両方がポンプ・チャンバ310の内部、及び、DPが放出される羽根車669の近傍に入るまで、互いに接触しない。
【0044】
CP及びDPは、ミクロスフェアを形成するためにポンプ・チャンバ310内の高せん断環境にさらされ、CPとDPとの混合物(ミクロスフェアを含む)は、ボア358を介してポンプ・チャンバ310を出、そこで、混合物は容器、フィルタ、静的ミキサ、又はポンプへと進む。
【0045】
図8Bは、さらに、羽根車669のブレード670のすぐ近傍における針チューブ460の終端、したがって、DPの放出を示す。この時点において、DP及びCPは合流して混合することを可能にされ、一方で、羽根車669によって作られる高せん断環境によって、ミクロスフェアが作られる。
【0046】
図9A及び図9Bは、分散相入力針308とワイ914とのアセンブリを示す。DP入力針308は、上述したようなものである。しかしながら、ティー314はワイ914に置き換えられている。
【0047】
ワイ914は、その形状を除いて、機能においてはティー314と実質的に同様であることは理解されたい。ワイ914は、例えば、金属(例えばステンレス鋼)又はポリマーを含む、様々な材料のいずれかから形成されてもよい。ワイ914は、CPのより少ない乱流が所望される場合、及び/又は、CPのより高い圧力が使用される場合に、ティー314の代わりに使用することができる。
【0048】
ワイ914は、3つのチューブ(第1のチューブ978、第2のチューブ984、及び第3のチューブ986)から形成される、概してY字形の部材を含んでもよい。第1のチューブ978及び第3のチューブ986は、同軸に配置構成することができる。第1のチューブ978及び第3のチューブ986は、実際には、同じチューブの異なる端部であってもよく、第2のチューブ984は、単純に、組み合わされた第1のチューブ及び第3のチューブに接合してもよい。ワイ入力継手976は、第1のチューブ978の第1の端部に接続することができる。CP入力継手980は、第2のチューブ984の第1の端部に接続することができる。CP出力継手988は、第3のチューブ986の第1の端部に接続することができる。第1のチューブ978、第2のチューブ984、及び第3のチューブ986は、それらの第2の端部において互いに接続されてもよく、又は、代替的に、第1のチューブ978及び第3のチューブ986が実際には同じチューブの異なる端部である場合は、組み合わされた第1/第3のチューブが、組み合わされた第1/第3のチューブの長さに沿ったいずこかにおいて、第2のチューブ984の第2の端部において第2のチューブ984に接続される。これらのチューブの各々は、中空ボアを含むことができ、中空ボアの各々は、互いに流体連通することができる。第2のチューブ984は、中空ボア982を含む。同軸である第1のチューブ978及び第3のチューブ986は、ボア990を共有することができる。
【0049】
針チューブ460が、ワイ914全体を通じて延在することができる。
【0050】
図10は、ミクロスフェア形成システム1092である。システム1092は、DP針308と、ワイ914と、ポンプ・チャンバ310とを含むことができる。DP針308及びポンプ・チャンバ310は、図3及びシステム320に関して上述したようなものである。
【0051】
ワイ914は、3つのチューブ(第1のチューブ978、第2のチューブ984、及び第3のチューブ986)から形成される、概してY字形の部材を含んでもよい。ワイ入力継手976は、第1のチューブ978の第1の端部に接続することができ、DP出力継手328に係合して、液体、流体、又は空気が、継手976と継手328との係合から漏れるのを防止するシールを作ることができる。
【0052】
CP入力継手980は、第2のチューブ984の第1の端部に接続することができる。CP出力継手988は、第3のチューブ986の第1の端部に接続することができる。CP入力継手980は、対応する継手又は供給ライン若しくはCPポンプからの他のコネクタに係合して、液体、流体、又は空気が、CP入力継手980と、対応する継手又は他のコネクタとの係合から逃げるのを防止するシールを作ることができる。実際には、CPはCPポンプによって正圧で加圧され、それによって、CPは、ボア982を通じて入力継手980においてワイ914へと流れ、ボア990を通じて、CP出力継手988においてワイ914から流出する。CPは、ワイ入力継手976とDP出力継手328との間に作られたシールに起因して、ワイ入力継手976においてワイ914から流出することができない。CP出力継手988は、ポンプ・チャンバ310の入力継手348に係合して、液体、流体、又は空気が、継手988継手348の係合から漏れるのを防止するシールを作ることができる。
【0053】
システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、DP針308を通じてポンプ・チャンバ310に入るDPの流速は、5~500mL毎分、又はより一般的には10~50mL毎分であり得る。流速は、約30mL毎分であってもよい。システムがエマルションを製造するために使用される場合、流速は500mL毎分を超え得る。
【0054】
システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、ティー314又はワイ914を通じてポンプ・チャンバ310に入るCPの流速は、0.5~40mL毎分、又はより一般的には1.0~4.0mL毎分であり得る。CPの流速は、約2.0mL毎分であってもよい。
【0055】
システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、ポンプ・チャンバ310へと方向付けられるCP:DPの量の比は、5:1~80:1に及び得る。システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、ポンプ・チャンバ310へと方向付けられるCP:DPの量の比は、1:1~80:1に及び得る。システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、ポンプ・チャンバ310へと方向付けられるCP:DPの量の比は、5:1~160:1に及び得る。システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、ポンプ・チャンバ310へと方向付けられるCP:DPの量の比は、1:1~160:1に及び得る。システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、ポンプ・チャンバ310へと方向付けられるCP:DPの量の比は、160:1~1:80に及び得る。内側水相(CPであってもよい):DPの比は、エマルションの製造については、例えば1:1~1:80を含め、ミクロスフェアの製造のその比と比較すると、より小さくなり得る。
【0056】
所望のミクロスフェアのサイズに応じて、様々な羽根車回転速度が使用されてもよい。一般的には、羽根車回転速度が速くなると、典型的にはミクロスフェアはより小さくなる。例えば、羽根車669の速度は、1,000RPM~4,500RPMに及び得る。代替的に、羽根車669の速度は、6,000RPM程度の大きさであってもよい。代替的に、羽根車669の速度は、9,000RPM程度の大きさであってもよい。
【0057】
システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、薬物含量は、3.4%~62.0%に及び得る。別の態様において、システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、薬物含量は、0.01%~75.0%に及び得る。システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、カプセル化効率は、34.0%~97.0%に及び得る。システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、カプセル化効率は、1.0%~99.0%に及び得る。システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、d10(μm)は、6.5~58.0に及び得、d50(μm)は、14.7~192.0に及び得、d90(μm)は、24.6~462.0に及び得る。システム320及び1092を含む、上述したシステムのいずれかについて、d10(μm)は、0.5程度の小ささであり得る。1つの態様において、d10は、分布の10%が示されている直径よりも小さい粒子サイズを有し、一方で、分布の90%が示されている直径よりも大きい粒子サイズを有する直径である。1つの態様において、d50は、分布の50%が示されている直径よりも小さい粒子サイズを有し、一方で、分布の50%が示されている直径よりも大きい粒子サイズを有する直径である。1つの態様において、d90は、分布の90%が示されている直径よりも小さい粒子サイズを有し、一方で、分布の10%が示されている直径よりも大きい粒子サイズを有する直径である。
【0058】
任意選択的に、結果もたらされるミクロスフェアは、洗浄ステップを受ける場合がある。これは、ミクロスフェアの最終用途に依存するとともに、この過程においていずれの溶媒が使用されたかに依存する。ミクロスフェアが投与される患者にとって有害であり得る残留溶媒は好ましくは、完成剤形内にあるそのような溶媒の量を制限するか、又は、そのような溶媒を実効的に排除するように、洗浄されるべきである。洗浄はまた、CP内で使用される界面活性剤の溶液も取り除くことができる。
【0059】
ミクロスフェアはまた、乾燥され得る。乾燥ステップは、医薬剤形製造において一般的に使用される様々な市販の乾燥機器を使用して実行されてもよい。別の実施例において、乾燥ステップは、凍結乾燥によって実行されてもよい。
【0060】
本発明によって形成されるミクロスフェアは、原体を封入するミクロスフェアであってもよく、又は、原体がミクロスフェア全体を通じて分散されているマトリックス・ミクロスフェアであってもよい。記載されているシステム及び方法によって、プラセボ・ミクロスフェアも製造され得る。特に医薬使用の他のタイプのミクロスフェアが、記載されているシステム及び方法の範囲内で想定される。
【0061】
制御又は持続放出が有利又は有用である任意の薬物が、本開示の方法において使用され得る。例えば、抗うつ薬、抗不安薬、鎮痛剤及び抗炎症薬、化学療法又は他の抗がん剤、避妊薬、ホルモン剤、注意力欠如障害又は注意力欠如・多動性障害などの障害を処置するために使用される薬物、抗ヒスタミン薬及びアレルギー患者によって使用される他の薬物、並びに、制酸薬及び様々な胃腸の問題を処置する他の薬物である。上記のように、ミクロスフェア制御又は持続放出形態に使用され得る、制御又は持続放出形態に使用された又は現在使用されている多種多様な薬物分類が存在し、同様に、ミクロスフェアに同様に組み込まれ得る化合物が、将来開発され得るため、このリストは網羅的なものではない。
【0062】
図11Aは、ミクロスフェア形成システム320である。システム320は、DP針308と、ティー314と、ポンプ・チャンバ310とを含むことができる。
【0063】
DP針308は、針チューブ460を含むことができる。ティー314は、中空線形564及び中空垂直ボア338を含むことができる。チャンバ310は、ボア666を有する入力チューブを含むことができる。羽根車669が、チャンバ310内に含まれ得る。
【0064】
針チューブ460は、ボア666内で終端することができるが、羽根車669のすぐ近傍は除く。
【0065】
図11Bは、ミクロスフェア形成システム320である。針チューブ460は、ティー314のボア564内で終端することができる。針チューブ460は、ボア564及び338の接合部と、チャンバ310との間の点において終端することができる。
【0066】
図11Cは、ミクロスフェア形成システム320である。システム320のこの構成は、DP針308及び針チューブ460を完全になくすことができる。そのような実施例において、DP及びCPは、(例えば、ボア564又はボア338に流れ込むために)図11Cに示す2つの開放端のいずれかにおいてティー314に直接的に供給される。1つの構成において、DPは、ボア564へと方向付けられ、CPはボア338へと方向付けられ、これら2つはティー314内で混合して、正圧下でボア666及びポンプ・チャンバ310の内部へと進行し、そこで、これら2つは羽根車669と干渉する。代替的に、DPは、ボア338へと方向付けられてもよく、一方で、CPはボア564へと方向付けられ、これら2つはティー314内で混合して、正圧下で進行して羽根車669と干渉する。
【0067】
図12Aは、ミクロスフェア形成システム1092である。システム1092は、DP針308と、ワイ914と、ポンプ・チャンバ310とを含むことができる。
【0068】
DP針308は、針チューブ460を含むことができる。ワイ914は、中空線形990及び中空傾斜ボア982を含むことができる。チャンバ310は、ボア666を有する入力チューブを含むことができる。羽根車669が、チャンバ310内に含まれ得る。
【0069】
針チューブ460は、ボア666内で終端することができるが、羽根車669のすぐ近傍は除く。
【0070】
図12Bは、ミクロスフェア形成システム1092である。針チューブ460は、ワイ914のボア990内で終端することができる。針チューブ460は、ボア990及び982の接合部と、チャンバ310との間の点において終端することができる。
【0071】
図12Cは、ミクロスフェア形成システム1092である。システム1092のこの構成は、DP針308及び針チューブ460を完全になくすことができる。そのような実施例において、DP及びCPは、(例えば、ボア990又はボア982に流れ込むために)図12Cに示す2つの開放端のいずれかにおいてワイ914に直接的に供給される。1つの構成において、DPは、ボア990へと方向付けられ、CPはボア982へと方向付けられ、これら2つはワイ914内で混合して、正圧下でボア666及びポンプ・チャンバ310の内部へと進行し、そこで、これら2つは羽根車669と干渉する。代替的に、DPは、ボア982へと方向付けられてもよく、一方で、CPはボア990へと方向付けられ、これら2つはワイ914内で混合して、正圧下で進行して羽根車669と干渉する。
【0072】
図13Aは、DP針308と、ティー314と、ポンプ・チャンバ310とを含むシステム320の代替的な構成を示す。この構成において、ティー314及びDP針308は、CP及びDPを、ポンプ・チャンバ310の意図されている入力(出力チューブ354)(すなわち、製造者によって意図されているものとしての入力)に入力し、混合物が、ポンプ・チャンバ310の意図されている出力(入力チューブ350)(すなわち、製造者によって意図されているものとしての出力)を介して除去される。この構成において、DP及びCPは、製造者によって意図されているものとしての流れ方向において、低せん断環境においてチャンバ310内で混合する。しかしながら、ミクロスフェア及び/又はエマルションは依然として、そのような配置構成において形成され得る。
【0073】
具体的には、CP出力継手344が、出力チューブ354の出力継手356に係合することができる。DPは、DP針308を介してシステムに注入することができ、一方、CPは、ボア338を介してシステムに導入される。
【0074】
図13Bは、図13Aに示す配置構成と実質的に同様であるシステム320の代替的な配置構成を示すが、システム320にはDP針308がまったく無く、DP及びCPはボア564及び338のうちの一方を通じて導入されて、ティー314内で混合し、出口チューブ354へと進む。
【0075】
図14Aは、DP針308と、ワイ914と、ポンプ・チャンバ310とを含むシステム1020の代替的な配置構成を示す。この構成において、ワイ914及びDP針308は、CP及びDPを、ポンプ・チャンバ310の意図されている入力(出力チューブ354)(すなわち、製造者によって意図されているものとしての入力)に入力し、混合物が、ポンプ・チャンバ310の意図されている出力(入力チューブ350)(すなわち、製造者によって意図されているものとしての出力)を介して除去される。この構成において、DP及びCPは、製造者によって意図されているものとしての流れ方向において、低せん断環境においてチャンバ310内で混合する。しかしながら、ミクロスフェア及び/又はエマルションは依然として、そのような配置構成において形成され得る。
【0076】
具体的には、CP出力継手988が、出力チューブ354の出力継手356に係合することができる。DPは、DP針308を介してシステムに注入することができ、一方、CPは、ボア990を介してシステムに導入される。
【0077】
図14Bは、図14Aに示す配置構成と実質的に同様であるシステム1092の代替的な配置構成を示すが、システム1092にはDP針308がまったく無く、DP及びCPはボア990及び982のうちの一方を通じて導入されて、ワイ914内で混合し、出口チューブ354へと進む。
【0078】
図15は、ミクロスフェアを生成するためのシステム1500を示す概略図である。システム1500は、DPを正圧で加圧して、DPを、DP針108を通じて、高せん断ホモジナイザを作り出すためにその意図されている構成の逆に操作される、磁気浮上羽根車ポンプの第1のポンプ・チャンバ110Aへと追い込むように構成されているDPポンプ106に動作可能に接続されているDP源102(例えば、リザーバ)を含むことができる。システム1500は、CPを正圧で加圧して、CPを、ティー/ワイ114を通じて第1のポンプ・チャンバ110Aへと追い込むように構成されているCPポンプ112に動作可能に接続されているCP源(例えば、リザーバ)を含むことができる。第1のポンプ・チャンバ110Aの内容物は、第1のポンプ・チャンバ110A内での溶液の均質化後に、高せん断ホモジナイザを作り出すためにその意図されている構成の逆に操作される第2のポンプ・チャンバ110Bへと圧送される。
【0079】
図16は、ミクロスフェアを生成するためのシステム1600を示す概略図である。システム1600は、DPを正圧で加圧して、DPを、DP針108を通じて、低せん断ポンプを作り出すためにその意図されている構成において操作される、磁気浮上羽根車ポンプの第1のポンプ・チャンバ1610へと追い込むように構成されているDPポンプ106に動作可能に接続されているDP源102(例えば、リザーバ)を含むことができる。システム1600は、CPを正圧で加圧して、CPを、ティー/ワイ114を通じて第1のポンプ・チャンバ1610へと追い込むように構成されているCPポンプ112に動作可能に接続されているCP源(例えば、リザーバ)を含むことができる。第1のポンプ・チャンバ1610の内容物は、第1のポンプ・チャンバ1610を通じた溶液の圧送後に、高せん断ホモジナイザを作り出すためにその意図されている構成の逆に操作される第2のポンプ・チャンバ110へと圧送される。
【0080】
図17は、ミクロスフェアを生成するためのシステム1700を示す概略図である。システム1700は、DPを正圧で加圧して、DPを、DP針108を通じて、高せん断ホモジナイザを作り出すためにその意図されている構成の逆に操作される、磁気浮上羽根車ポンプの第1のポンプ・チャンバ110へと追い込むように構成されているDPポンプ106に動作可能に接続されているDP源102(例えば、リザーバ)を含むことができる。システム1700は、CPを正圧で加圧して、CPを、ティー/ワイ114を通じて第1のポンプ・チャンバ110へと追い込むように構成されているCPポンプ112に動作可能に接続されているCP源(例えば、リザーバ)を含むことができる。第1のポンプ・チャンバ110の内容物は、第1のポンプ・チャンバ110を通じた溶液の圧送後に、低せん断ポンプを作り出すためにその意図されている構成において操作される第2のポンプ・チャンバ1710へと圧送される。
【0081】
図18は、ミクロスフェアを生成するためのシステム1800を示す概略図である。システム1800は、DPを正圧で加圧して、DPを、ティー/ワイ114を通じてポンプ・チャンバ110へと追い込むように構成されているDPポンプ106に動作可能に接続されているDP源102(例えば、リザーバ)を含むことができる。システム1800は、CPを正圧で加圧して、CPを、ティー/ワイ114を通じてポンプ・チャンバ110へと追い込むように構成されているCPポンプ112に動作可能に接続されているCP源(例えば、リザーバ)を含むことができる。CP及びDPは最初に、ティー/ワイ114内で互いに遭遇し、その後、ともにポンプ・チャンバ110へと進む。
【0082】
図19は、エマルションを製造するためのシステム1993を示す概略図である。本明細書に記載されているシステム及び方法のいずれも、付加的に、例えば、一次エマルション又は二次エマルションを含むエマルションの製造に使用されてもよく、これは、エマルションの調製後にミクロスフェアを製造することを含んでもよい。エマルションを製造する過程は、ポンプ・チャンバ1998を有する磁気浮上羽根車ポンプを使用することを含むことができ、磁気浮上羽根車ポンプは、製造者によって意図されているものと反対の流れ方向において操作され得る。DP源1994及び内側水相源1995が、DP及び内側水相をエマルション容器1996に供給するために提供され得る。内側水相は、CP、水などであってもよく、又はこれらを含んでもよい。混合物は、エマルション容器1996からポンプ1997を通じて、ポンプ・チャンバ1998に至る磁気浮上ポンプの意図されている出力へと圧送することができ、その後、混合物は、磁気浮上ポンプの意図されている入力から除去され、エマルション容器1996に戻されて、回路が作られる。ポンプ1997は、例えば、蠕動ポンプを含む、様々なポンプのいずれかであってもよい。上述したように形成される回路を利用して、1つ又は複数の体積の通過を実行することができ、その後、一次エマルションを観察することができる。すなわち、エマルションは、1回又は複数回、エマルション容器1996から、ポンプ1997を通過し、ポンプ・チャンバ1998を通過して、エマルション容器1996に戻ることができる。内側水相:DP比は、1:1~1:80であってもよい。
【0083】
いくつかの構成において、本明細書に記載されているシステムは常に、最初にエマルションを作り、その後、溶媒を迅速に抽出して、より固形化したミクロスフェアを製造する。ポンプ・チャンバに入るCPとDPとの比が、仮に完全に固形化するとして、エマルション液滴が固形化してミクロスフェアになる速さを決定づける。
【0084】
「実施例1」:粒子サイズを変更するために異なる混合速度を使用して生成されるプラセボ・ミクロスフェア
当該実施例におけるプロセスは、カプセル化薬物を用いて又は用いずにポリマーを使用してミクロスフェアを調製するために使用することができる。これらの実験を、9.9gの75:25のポリ乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)ポリマー(7525 4A、0.41dL/gの固有粘度で市販されている)、0.1gの50:50 PLGA-PEG(5050DLG mPEG5000)、及び73.6gの塩化メチレン(DCM)を組み合わせて分散相(「DP」)を形成し、ポリマーが溶解されるまで混合することによって実施した。
【0085】
ミクロスフェアを製造するために、0.25%ポリビニルアルコール(PVA)及び水から水性連続相(「CP」)を構成した。PVA及び水の混合物を、70°C超で1時間にわたって加熱及び混合することによって、CPを調製した。連続相を冷却した後、0.2μm親水性PVDFフィルタ(市販品)を使用してろ過した。
【0086】
DPを、30mL/minの流速で磁気浮上ポンプ・チャンバ(Levitronix(登録商標)PurLev-100SU)へと圧送し、同時にCPを2.0L/minの流速で圧送した。磁気浮上羽根車ポンプ・チャンバの2,000RPM及び3,000RPMの2つ異なる速度をテストした。
【0087】
形成後、ミクロスフェアを溶媒除去容器に入れ、中空繊維フィルタ(市販品)を使用して周囲及び温水によって洗浄して、残留PVA及び塩化メチレンを低減した。この溶媒抽出方法は、米国特許第6,270,802号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0088】
洗浄後、凍結乾燥を介してミクロスフェアを乾燥させた。プロセス・パラメータ及び粒子サイジング結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
結果は、磁気浮揚羽根車ポンプをホモジナイザとして使用してミクロスフェアを製造することができ、羽根車の速度を変更することによってミクロスフェアのサイズを操作することができることを証明した。ミクロスフェアを顕微鏡を介して観察し、異物微粒子状物質は確認されなかった。
【0091】
「実施例2」:ウシ血清アルブミン(BSA)を含む薬物装填ミクロスフェアの二重エマルション・バッチ
当該実施例におけるプロセスは、磁気ホモジナイザを使用して親水性タンパク質をカプセル化するために二重エマルションを使用し得る。4.5gの50:50PLGA(504H、0.57dL/gの固有粘度で市販されている)及び75.0g塩化メチレン(DCM)を組み合わせてポリマー溶液を形成することによって、実験を実施した。別に、0.50gのウシ血清アルブミン(BSA)及び6.5gの脱イオン水を組み合わせて、水相を形成した。分散相(「DP」)を作るために、ポリマー溶液及びBSAを含む水相をともに超音波分解して、エマルションを形成した。0.35%ポリビニルアルコール(PVA)及び水から連続相(「CP」)を構成した。これは実施例1と同じように調製した。
【0092】
磁気均質化チャンバへのDP流速は37.5mL/minであり、CP流速は3.0L/minであった。磁気浮上羽根車ポンプ・チャンバ(Levitronix(登録商標)PurLev-100SU)の混合速度(羽根車速度)は2,000RPMに維持した。
【0093】
形成後、ミクロスフェア懸濁液を一晩かくはんしてDCMの蒸発を可能にし、真空ろ過を介して回収しながら洗浄して、残留溶媒レベルを低減した。凍結乾燥を介してミクロスフェアを乾燥させた。プロセス・パラメータ及び結果を表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】
結果は、二重エマルション及びこの技術によってミクロスフェアを製造することができることを示している。
【0096】
「実施例3」:オンダンセトロンを含む薬物装填ミクロスフェアの固体/油/水(S/O/W)バッチ
当該実施例は、固体/油/水(S/O/W)手法を使用して、磁気ホモジナイザを使用して固体の溶解されていないAPI(この事例ではオンダンセトロン)をカプセル化することができる。8.0gの75:25PLGA(75 25 DLG 5A-P、0.55dL/gの固有粘度で市販されている)、43.3gのDCM、及び2.0gのオンダンセトロンを組み合わせて分散相(「DP」)を形成することによって、実験を実施した。オンダンセトロンはポリマー溶液中に部分的に溶解され、部分的に懸濁される。
【0097】
1.0%ポリビニルアルコール(PVA)及び水から連続相(「CP」)を構成した。これは実施例1と同じように調製した。
【0098】
磁気均質化ポンプ・チャンバへのDP流速は25mL/minであり、CP流速は1L/minであった。磁気浮上羽根車ポンプ・チャンバの混合速度(羽根車速度)は2,250RPMに設定した。形成後、ミクロスフェアを実施例1において説明した一般的な方法において洗浄して、残留DCMを低減した。洗浄後、凍結乾燥を介してミクロスフェアを乾燥させた。プロセス・パラメータ及び結果を表3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】
結果は、この技術による固体/油/水方法によってミクロスフェアを製造することができることを証明した。
【0101】
「実施例4」:大規模プラセボ・バッチの実現性
このプロセスは、製造量が7.8kg/hrになる、磁気均質化チャンバを使用したミクロスフェアの大規模バッチの製造に使用され得る。650gの75:25PLGA(753H、0.39dL/gの固有粘度で市販されている)及び2600g塩化メチレン(DCM)を組み合わせてプラセボ分散相(「DP」)を形成することによって、このプロセスを実施した。0.35%ポリビニルアルコール(PVA)及び水から連続相(「CP」)を構成した。これは実施例1と同じように調製した。
【0102】
磁気均質化チャンバへのDP流速は500mL/minであり、CP流速は40.0L/minであった。磁気浮上羽根車ポンプ・チャンバの混合速度(羽根車速度)は2,000RPMに維持した。
【0103】
形成後、ミクロスフェア懸濁液を、中空繊維フィルタを使用して周囲及び温水によって洗浄した。プロセス・パラメータ及び結果を表4に示す。
【0104】
【表4】
【0105】
結果は、この技術によって500mL/minのDP及び40L/minのCPの高い流速においてミクロスフェアを製造することができることを示している。このバッチ製造は、7.8kg/hrのミクロスフェアが製造されることに相当する。
【0106】
「実施例5」:
別の実施例において、Levitronix(登録商標)i100磁気浮上羽根車ポンプを使用してこのプロセスを適用し、表5に示す以下の結果を得た。PLGA(202H、市販品)及びDCMを使用してプロセスを実施して、10%のポリマー濃度を有するDPを形成した。0.35%PVA及び水からCPを構成した。
【0107】
磁気均質化ポンプ・チャンバへのDP流速は25mL/minであり、CP流速は2L/minであった。磁気浮上羽根車ポンプ・チャンバの混合速度(羽根車速度)は1,000RPMに維持した。
【0108】
【表5】
【0109】
ミクロスフェアを観察し、異物微粒子状物質は確認されなかった。
【0110】
「実施例6」:
別の実施例において、Levitronix(登録商標)i100磁気浮上羽根車ポンプを使用してこのプロセスを適用し、表6に示す以下の結果を得た。PLGA(202H、市販品)及びDCMを使用してプロセスを実施して、DPを形成した。0.35%PVA及び水からCPを構成した。
【0111】
磁気均質化ポンプ・チャンバへのDP流速は25mL/minであり、CP流速は2L/minであった。磁気浮上羽根車ポンプ・チャンバの混合速度(羽根車速度)は4,000RPMに維持した。
【0112】
【表6】
【0113】
ミクロスフェアを観察し、異物微粒子状物質は確認されなかった。
【0114】
「実施例7」:
別の実施例において、Levitronix(登録商標)i100磁気浮上羽根車ポンプを使用してこのプロセスを適用し、表7に示す以下の結果を得た。PLGA(202H、市販品)及びDCMを使用してプロセスを実施して、50%のポリマー濃度を有するDPを形成した。0.35%PVA及び水からCPを構成した。
【0115】
磁気均質化ポンプ・チャンバへのDP流速は25mL/minであり、CP流速は2L/minであった。磁気浮上羽根車ポンプ・チャンバの混合速度(羽根車速度)は1,000RPMに維持した。
【0116】
【表7】
【0117】
ミクロスフェアを観察し、異物微粒子状物質は確認されなかった。
【0118】
「実施例8」:
別の実施例において、Levitronix(登録商標)i600磁気浮上羽根車ポンプを使用してこのプロセスを適用し、表8に示す以下の結果を得た。PLGA(202H、市販品)及びDCMを使用してプロセスを実施して、DPを形成した。0.35%PVA及び水からCPを構成した。
【0119】
磁気均質化ポンプ・チャンバへのDP流速は100mL/minであり、CP流速は8L/minであった。磁気浮上羽根車ポンプ・チャンバの混合速度(羽根車速度)は2,000RPMに維持した。
【0120】
【表8】
【0121】
ミクロスフェアを観察し、異物微粒子状物質は確認されなかった。
【0122】
「実施例9」:
別の実施例において、Levitronix(登録商標)i100磁気浮上羽根車ポンプを使用してこのプロセスを適用し、表9に示す以下の結果を得た。PLGA(7525 4A & PEG、市販品)及びDCMを使用してプロセスを実施して、DPを形成した。0.35%PVA及び水からCPを構成した。
【0123】
磁気均質化ポンプ・チャンバへのDP流速は30mL/minであり、CP流速は2L/minであった。磁気浮上羽根車ポンプ・チャンバの混合速度(羽根車速度)は2,000RPMに維持した。
【0124】
【表9】
【0125】
ミクロスフェアを観察し、異物微粒子状物質は確認されなかった。
【0126】
「実施例10」:
別の実施例において、Levitronix(登録商標)i100磁気浮上羽根車ポンプを使用してこのプロセスを適用し、表10に示す以下の結果を得た。PLGA(202H、市販品)及びDCMを使用してプロセスを実施して、DPを形成した。0.35%PVA及び水からCPを構成した。
【0127】
磁気均質化ポンプ・チャンバへのDP流速は400mL/minであり、CP流速は2L/minであった。磁気浮上羽根車ポンプ・チャンバの混合速度(羽根車速度)は4,000RPMに維持した。
【0128】
【表10】
【0129】
ミクロスフェアを観察し、異物微粒子状物質は確認されなかった。
【0130】
「実施例11」:一次エマルション製造後のミクロスフェアの製造
このプロセスは、その後にミクロスフェアを製造することを意図して、一次エマルションを製造することを含む。当該実施例は、磁気浮上羽根車ポンプを使用して一次エマルションを製造するプロセスを説明する。磁気浮上羽根車による一次エマルションの結果を、一次エマルションを製造する過去の方法、すなわち、ロータ/ステータ式ミキサと比較した。当該実施例について、蓋を含む1L瓶内で分散相(「DP」)を作り、70.0gの205Sポリマー(IV=0.63)を、387.9gのジクロロメタン(DCM)及び46.0gのエタノール(EtOH)に添加し、溶解した。ポリマーが溶解されるのを受けて、溶液をトップ・スターリング1L容器に移し、約250RPMで混合した。次いで、10.9mLの内側水相、すなわち、水中の0.35%ポリ(ビニルアルコール)を容器に添加した。次いで、溶液を100mL/minにおいて蠕動ポンプを通じて、1,000RPMで開始し、次いで溶液がポンプ・ヘッドを充填したのを受けて2,000RPMまで加速されるように設定された磁気浮上羽根車ポンプ(Levitronix(登録商標)PuraLev-i100SU)に圧送した。溶液は、その意図されている動作方向とは反対の、したがってその自然流に対向する方向において、磁気浮上羽根車ポンプに圧送された。2体積が浮揚ポンプを通過するのと同等の9分の後、約40mLをDP容器から取り出し、目視及びUV-Vis分光法によって調べた。7体積が磁気浮上ポンプを通過するのと同等の合計31.5分の後に、第2のサンプルを取り出し、目視及びUV-Visによって調べた。目視観測の結果を図20の画像に示す。図20は、(A)2体積の磁気浮上羽根車ポンプの通過後0時間、1時間、2時間、及び3時間における一次エマルションの視覚的進展、及び、(B)7体積の通過後0時間、1時間、2時間、及び3時間における一次エマルションの視覚的進展を示す。一次エマルションは2と7の両方の体積の通過によって明確に形成されており、これは溶液中に観察される混濁によって確認された。加えて、乳化後3時間のマークにおいて視覚的に確認されるように、7体積の通過がより安定した一次エマルションを示した。
【0131】
図21は、2体積の通過後の一次エマルションの顕微鏡図を示す。図22は、7体積の通過後の一次エマルションの顕微鏡図を示す。
【0132】
比較のために、同一の、ただし上記で使用したものの10分の1のスケールにスケール・ダウンしたDPを生成した。内側水相の添加を受けて、代わりに、20,500RPMに設定されたロータ/ステータ式ホモジナイザ(Ultra-Turrax(登録商標)T-25)を使用し、これを15秒にわたって使用し、その後15秒にわたってオフにし、その後さらに15秒にわたって均質化して、一次エマルションを作った。再び、UV-Visに加えて目視で一次エマルションを観測した。図23は、Ultra-Turrax(登録商標)による形成後0時間、1時間、2時間、3時間、及び4時間における一次エマルションの視覚的進展を示す。
【0133】
上述したように、UV-Visは、目視観測の補足として使用されており、図面のうちの図24及び下記の表11に示されている。各時点について最大吸収波長におけるピーク吸光度値を見て、経時的な吸光度値の低減を観測した。この観測によって、2つの結論を得ることができる。(1)磁気浮上羽根車ポンプを使用して、一次エマルションの製造に成功した。(2)Ultra-Turrax(登録商標)によって製造される一次エマルションは、磁気浮上羽根車ポンプのものと同様である。留意される追加の利点は、一次エマルションをUV-Visによって経時的に追跡して、乳化時間の長さに応じて、そのエマルションの安定度を判定することができることである。
【0134】
【表11】
【0135】
図24は、実施例11に記載の3つすべての乳化方法の吸光度値対時間のグラフ表現を示す。
【0136】
「実施例12」:高せん断ホモジナイザとしての磁気浮上羽根車ポンプの逆の使用対従来のホモジナイザの使用
磁気浮上羽根車ポンプを高せん断ホモジナイザとして逆に使用することによって、均質化後の溶液中の異物微粒子状物質の存在の排除及び/又は軽減に関して改善された結果がもたらされる。本出願人は、磁気浮上羽根車ポンプを高せん断ホモジナイザとして逆に使用して様々なテスト・バッチにおいてミクロスフェアを生成し、均質化溶液の検査後、溶液中に異物はまったく又はほとんど認められなかった。
【0137】
他方、標準的なホモジナイザを使用すると、通常通り、大量の小さい粒子状物質がもたらされる。本出願人は、(高せん断ホモジナイザとして逆に操作される磁気浮上羽根車ポンプではなく)従来の高せん断インライン・ホモジナイザを使用して、以下のテストを実施した。従来のホモジナイザ・ユニットを使用して作られたプラセボ・バッチのテストにおいて、主要として分類された欠陥の合計欠陥率は6.6%であると判明し、これは、1.5%以下の基準を大幅に超える。加えて、合計欠陥率は6.9%であると判明し、これは、5.0%以下の基準を超える。主要としてカテゴリ化された欠陥の大部分は、小さい異物微粒子状物質であった。欠陥を特定するための分析を、電子ビーム前分析、電子ビーム後分析、及び合格品質水準検査を使用して実施した。以下は、このテストに関する詳細である。
【0138】
テストの前に、すべての機器を通常推奨手順に従って洗浄した。溶媒溶液を、4,000mLのWFI中の52.8mLの塩化メチレンの目標濃度に調製した。従来のホモジナイザを3,300RPMで120分にわたって動作させて、4Lの溶液を処理した。結果得られた溶液を、分析のためにフィルタ膜(Millipore(登録商標)ディスク・フィルタ、0.45μm)を通じてろ過した。フィルタ膜を4倍に拡大して検査し、それによって、フィルタ全体にわたって100を超え、多すぎて正確にカウントできない量の異物が認められた。
【0139】
異物微粒子状物質のサンプルを、実体顕微鏡を使用して10倍~135倍に拡大してテストし、その後、透過型マイクロ・フーリエ変換赤外線分光法を使用して、及び、元素分析のために、エネルギー分散型X線分光分析を備えた走査型電子顕微鏡法を使用して、粒子をさらに分析して、粒子の識別を決定した。粒子は以下のように識別した。
【0140】
【表12】
【0141】
粒子識別結果を考慮して、可能性のある粒子源を判定した。さらなる調査を受けて、従来のホモジナイザのTeflon(登録商標)シャフト・ブッシング、及び、従来のインライン・ホモジナイザの動作が、従来のホモジナイザを使用して生成される最終生成物において観察される粒子の原因であると判定された。
【0142】
「実施例13」:ティー/ワイを有し、DP針を有しない高せん断ホモジナイザとしての磁気浮上羽根車ポンプの逆の使用
当該実施例において、DP針の排除がテストされた。DP源はティー又はワイ内の3つの開口部のうちの第1の開口部へと直接的に圧送され、一方、CP源は、ティー又はワイ内の3つの開口部のうちの第2の開口部へと直接的に圧送され、DP及びCPの溶液は、ポンプ・チャンバの入力チューブと流体連通している、ティー又はワイ内の3つの開口部のうちの第3の開口部を介してティー又はワイを出る。この「無針」システムを、上述したようなDP針を含む同じシステムに対してテストした。溶液は、高せん断構成において逆に使用される磁気浮上羽根車ポンプの一部分であるポンプ・チャンバ内で均質化される。
【0143】
2つの分散相(DP)溶液を以下のように調製した。
【0144】
20%のポリマー濃度のために10.0のポリマー及び40.0gのDCMを使用して、100mL瓶内でDP1を作った。
【0145】
20%のポリマー濃度のために15.0のポリマー及び60.0gのDCMを使用して、100mL瓶内でDP2を作った。
【0146】
以下のような、3つの設定をテストした。
【0147】
テスト設定1は、DP針を含まないものとした。磁気浮上ポンプの入口にティーを接続した。ティーの線形開口部を介してCPをティー内へと圧送した。ティーの垂直開口部を介してDP(DP1を使用した)をティー内へと圧送した。CPを2L/minの速度において、ティーを通じてホモジナイザ内へと圧送した。DPを25mL/minの速度において、ティーを通じてホモジナイザ内へと圧送した。CP:DP比は80:1とした。ミクロスフェアをホモジナイザから1Lビーカへと誘導し、30秒の作動後に約400mLを回収した。粒子サイズ分析が実施されるまで、1Lビーカをかくはんした。
【0148】
テスト設定2は、DP針を含まないものとした。ティーの垂直開口部を介してCPをティー内へと圧送した。ティーの線形開口部を介してDP(DP2を使用した)をティー内へと圧送した。使用された流速及び比は、テスト設定1において提示したものと同じとした。
【0149】
対照設定3は、DP針を含むものとした。DP針をティーの線形開口部(例えば、図3を参照して上述したもの)に取り付け、針を通じてホモジナイザのポンプ・チャンバへと直接的にDPを圧送した。ティーの垂直開口部(同じく図3を参照して説明したもの)を介してティー内へと、及び、ホモジナイザのポンプ・チャンバ内へと、CPを圧送した。使用された流速及び比は、テスト設定1及び2において提示したものと同じとした。
【0150】
以下のように、3つの設定の各々に対して粒子サイズ分布分析を実施した。
【0151】
テスト設定1は、37μmのd10値、73μmのd50値、及び130μmのd90値をもたらした。テスト設定2は、37μmのd10値、69μmのd50値、及び113μmのd90値をもたらした。対照設定3は、35μmのd10値、66μmのd50値、及び109μmのd90値をもたらした。したがって、粒子サイズ分布は、前述の設定においてはDP針の有無の影響を受けなかった。3つすべての設定がミクロスフェアを生成した。
【0152】
これは、本出願に含まれる実施例の終わりを示し、以下の情報は必ずしも任意の実施例に関連するものではない。
【0153】
図25は、記載されているシステムを利用してミクロスフェアを製造するための例示的な方法2500を示す流れ図である。方法2500は、分散相(「DP」)源を提供すること(ステップ2502)と、連続相(「CP」)源を提供すること(ステップ2504)と、ポンプの意図されている出力を介して、DPを正圧下でDP針を通じて磁気浮上羽根車ポンプのポンプ・チャンバへと圧送すること(ステップ2506)と、CPを正圧下でティー/ワイを通じてポンプ・チャンバへと圧送すること(ステップ2508)と、ミクロスフェアを生成するためにポンプ・チャンバ内の高せん断環境においてDP及びCPを均質化すること(ステップ2510)と、ポンプ・チャンバの意図されている入力からDP/CP溶液を除去すること(ステップ2512)とを含む。ポンプ・チャンバ及びその対応する羽根車をその通常の意図されている動作方向において作動させながら、ポンプ・チャンバの出力を入力として利用するために、及び、同様にポンプ・チャンバの入力を出力として利用するためには、DP及び/又はCPの入力圧力及び/又は体積流量率は、通常動作下でポンプ・チャンバの出力において通常与えられるものよりも大きくなければならないことは理解されたい。言い換えれば、DP及び/又はCPの圧力及び/又は流速は、磁気浮上羽根車ポンプによってその通常動作において与えられるものを克服するのに十分でなければならない。
【0154】
本明細書において使用される場合、「継手」という用語は、フランジ、衛生器具、ホース・バーブ、圧縮継手などを含む、関連用途における産業において一般的に使用される様々な継手のいずれかを表すように意図されている。
【0155】
本明細書又は特許請求の範囲において「含む」又は「含んでいる」という用語が使用される範囲において、当該用語は、特許請求の範囲において移行語として利用される場合に「備える」という用語が解釈されるときの当該用語と同様に、包含的であるように意図される。さらに、「又は」という用語が利用される範囲において(例えば、A又はB)、これは、「A又はB又は両方」を意味するように意図されている。本出願人が「A又はBのみ、ただし両方ではない」ことを示すことを意図するとき、「A又はBのみ、ただし両方ではない」という用語が利用されることになる。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は包含的であり、排他的使用ではない。Bryan A. Garner「A Dictionary of Modern Legal Usage 624」(2d. Ed. 1995)を参照されたい。また、本明細書又は特許請求の範囲において「内で(in)」又は「内へと(into)」という用語が使用される範囲において、これは、付加的に「上で(on)」又は「上へと(onto)」を意味するように意図されている。本明細書又は特許請求の範囲において「実質的に」という用語が使用される範囲において、これは、製造において利用可能又は堅実である精度を考慮に入れるように意図されている。本明細書又は特許請求の範囲において「選択的に」という用語が使用される範囲において、これは、装置のユーザが装置の使用において必要又は所望に応じて構成要素の特徴又は機能を作動又は停止させることができる構成要素の条件を参照するように意図されている。本明細書又は特許請求の範囲において「動作可能に接続される」という用語が使用される範囲において、これは、識別されている構成要素が指定されている機能を実施するように接続されることを意味するように意図されている。明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの」(“a” , “an”)及び「その」(“the”)は、複数を含む。最後に、「約」という用語が数とともに使用されている場合、これは、その数±10%を含むように意図されている。言い換えれば、「約10」は、9~11を意味し得る。
【0156】
上述したように、本出願は、その態様を説明することによって示されており、態様は、相当に詳細に説明されているが、本出願人は、添付の特許請求項の範囲を当該詳細に制約するか又は任意の方法で限定することは意図していない。本出願の利点を有する、追加の利点及び修正が当業者には容易に明らかになる。したがって、本出願、そのより広い態様において、図示されている特定の詳細、例示的な実施例、又は参照されている任意の装置には限定されない。全般的な本発明の概念の思想又は範囲から逸脱することなく、そのような詳細、実施例、及び装置からの逸脱を為すことができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25