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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】車両接続装置並びに車両接続システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/16 20190101AFI20221013BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20221013BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
B60L53/16
B60L5/00 Z
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019523666
(86)(22)【出願日】2017-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 EP2017077256
(87)【国際公開番号】W WO2018086883
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-09-14
(31)【優先権主張番号】102016121355.1
(32)【優先日】2016-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518341035
【氏名又は名称】イーズリンク・ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Easelink GmbH
【住所又は居所原語表記】MUENZGRABENSTRASSE 94, 8010 GRAZ, AUSTRIA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】シュトッキンガー,ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】ライベットゼーダー,マヌエル
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-506220(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0077174(KR,A)
【文献】特開2014-193110(JP,A)
【文献】特開2010-098845(JP,A)
【文献】特開2011-120345(JP,A)
【文献】特開2013-021886(JP,A)
【文献】特開2011-125153(JP,A)
【文献】特開2012-100519(JP,A)
【文献】特許第5971740(JP,B1)
【文献】特開2000-182685(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0224882(US,A1)
【文献】特開2016-149933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側接触ユニット(16)を充電インフラストラクチャの地面側接触ユニット(12)と電気的に接続するための車両接続装置であって、
前記車両側接触ユニット(16)と、
当該車両(10)に固定可能であって、前記車両側接触ユニット(16)が固定され、前記車両側接触ユニット(16)を前記地面側接触ユニット(12)に対して接触/離間運動させることのできる空気圧作動式の接触アクチュエータ(18)と、
前記地面側接触ユニット(12)に自由吹付けを行うための少なくとも一つの空気流出口(36)とを有し、
記車両側接触ユニット(16)は、少なくとも二つの電極(34)が配置され前記地面側接触ユニット(12)に対向する接触領域(32)を有する台座(30)を具備し、
記地面側接触ユニット(12)に自由吹付けを行うための前記少なくとも一つの空気流出口(36)は、前記接触領域(32)の接触方向(R )の前方領域へ向けられ、前記接触アクチュエータ(18)を作動させるための圧縮空気が、前記地面側接触ユニット(12)に自由吹付けを行うために、前記空気流出口(36)へ誘導されるように構成されている車両接続装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの空気流出口(36)は、前記車両側接触ユニット(16)の前記台座(30)内に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の車両接続装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの空気流出口(36)は、二つの電極(34)間に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両接続装置。
【請求項4】
複数の空気流出口(36)が設けられ、前記空気流出口(36)の間に前記電極(34)の少なくとも一つが配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両接続装置。
【請求項5】
前記接触領域(32)及び/又は前記台座(30)が円形をなし、前記少なくとも一つの空気流出口(36)は、前記接触領域(32)及び/又は前記台座(30)の中央に配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両接続装置。
【請求項6】
前記台座(30)は、前記接触領域(32)を包囲するシールリップ(40)を具備することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両接続装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つの空気流出口(36)は、前記車両側接触ユニット(16)の脇に設けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両接続装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つの空気流出口(36)は、前記接触アクチュエータ(18)の側方を延びる圧縮空気導管(80)に形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の車両接続装置。
【請求項9】
前記少なくとも二つの電極(34)は、ピン状又はレール状に形成され、前記台座(30)の正面より突き出して、前記台座(30)に固定されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の車両接続装置。
【請求項10】
前記台座(30)内に排気口(72)が設けられ、前記排気口(72)と前記少なくとも一つの空気流出口(36)との間に前記電極(34)の少なくとも一つが配置され、前記排気口(72)が、前記接触領域(32)を周方向に包囲するシールリップ(40)が前記地面側接触ユニット(12)に接して封止が行われている場合にも、前記電極(34)の周囲を流れる空気流れを発生させることができることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の車両接続装置。
【請求項11】
前記台座(30)における、前記接触領域(32)の側に少なくとも一つの磁石(74)が設けられていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の車両接続装置。
【請求項12】
前記接触アクチュエータ(18)は、ピストン‐シリンダユニット(82)、又は、蛇腹(22)を含み、これらは内部空間(24)、基礎部(26)、及び前記内部空間(24)と流体的接続可能な圧縮空気源(27)を具備し、
前記ピストン‐シリンダユニット(82)ないし前記蛇腹(22)の第一の端部は、前記基礎部(26)によって前記車両(10)に固定可能であり、前記ピストン‐シリンダユニット(82)ないし前記蛇腹(22)の第二の端部には、前記台座(30)が固定されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の車両接続装置。
【請求項13】
前記少なくとも一つの空気流出口(36)は、前記内部空間(24)内の圧縮空気が前記接触アクチュエータ(18)の作動及び前記地面側接触ユニット(12)を自由吹付けするために使用されるように、前記内部空間(24)と流体的に接続されている、又は、前記空気流出口(36)は、前記内部空間(24)内を延びる圧縮空気導管(80)に形成されていることを特徴とする、請求項12に記載の車両接続装置。
【請求項14】
当該車両接続装置(14)は、前記空気流出口(36)から流出する空気を加熱するために、前記少なくとも一つの空気流出口(36)と流体的に接続されたヒータを具備することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の車両接続装置。
【請求項15】
車両側接触ユニット(16)を充電インフラストラクチャの地面側接触ユニット(12)と電気的に接続するための車両接続装置であって、
台座(30)を具備する前記車両側接触ユニット(16)と、内部空間(24)を有する蛇腹(22)、台座(30)、ガイド装置(56)及び圧縮空気源(27)を具備する接触アクチュエータ(18)とを有し、
前記蛇腹(22)の基礎部(26)が車両(10)に固定可能であり、
前記蛇腹(22)の第一の端部が前記基礎部(26)に固定され、前記蛇腹(22)の第二の端部に前記台座(30)が固定され、
前記ガイド装置(56)は、離間駆動装置(58)と、少なくとも一つの引張手段(60)とを含み、
該引張手段は、少なくとも部分的に前記内部空間(24)内を延びて、その一端が前記台座(30)に固定され、その他端が前記離間駆動装置(58)に固定されているように構成されている車両接続装置。
【請求項16】
前記ガイド装置(56)は、渦巻バネ(61)及び/又は電動駆動装置(61´)を有し、該渦巻バネ(61)ないし該電動駆動装置(61´)はスピンドル(59)に固定され、該渦巻バネ(61)ないし該電動駆動装置(61´)が前記スピンドル(59)にトルクを付与し、これによって前記引張手段(60)に引張力が作用するように構成されていることを特徴とする、請求項15に記載の車両接続装置。
【請求項17】
前記基礎部(26)に第一の拘束手段(66)が設けられ、前記台座に第二の拘束手段(68)が設けられ、
前記第一の拘束手段(66)及び前記第二の拘束手段(68)は、前記蛇腹(22)が折りたたまれたポジションにあるときに、互いに連携して、前記蛇腹(22)を該ポジションに保持し得ることを特徴とする、請求項15又は16に記載の車両接続装置。
【請求項18】
前記第一の拘束手段(66)及び前記第二の拘束手段(68)は複数の磁石を具備し、そのうち一つの磁石が切替え可能な電磁石を含むことを特徴とする、請求項17に記載の車両接続装置。
【請求項19】
前記第一の拘束手段(66)及び前記第二の拘束手段(68)は、前記蛇腹(22)が前記折りたたまれたポジションにあるときに、互いに係合する係止フックを有し、前記係止フックの一方は旋回可能に支持されていることを特徴とする、請求項17又は18に記載の車両接続装置。
【請求項20】
車両側接触ユニット(16)を充電インフラストラクチャの地面側接触ユニット(12)と電気的に接続するための車両接続装置であって、
前記車両側接触ユニット(16)と、
当該車両(10)に固定可能であって、前記車両側接触ユニット(16)が固定され、前記車両側接触ユニット(16)を前記地面側接触ユニット(12)に対して接触/離間運動させることのできる空気圧作動式の接触アクチュエータ(18)と、
前記地面側接触ユニット(12)に自由吹付けを行うための少なくとも一つの空気流出口(36)とを有し、
前記車両側接触ユニット(16)は、少なくとも二つの電極(34)が配置され前記地面側接触ユニット(12)に対向する接触領域(32)、を有する台座(30)を具備し、
前記地面側接触ユニット(12)に自由吹付けを行うための前記少なくとも一つの空気流出口(36)は、前記接触領域(32)の接触方向(R )の前方領域へ向けられ、前記接触アクチュエータ(18)を作動させるための圧縮空気が、前記地面側接触ユニット(12)に自由吹付けを行うために、前記空気流出口(36)へ誘導されるように構成されており、
前記接触アクチュエータ(18)は、前記車両側接触ユニット(16)を接触方向(R)へ運動させることができ、
前記車両接続装置(14)は、研磨アクチュエータ(20)を具備し、
該研磨アクチュエータ(20)は、前記電極(34)の少なくとも一つの電極と接続され、該アクチュエータが前記車両側接触ユニット(16)の前記少なくとも一つの電極(34)を前記接触方向(R)に対して横向きの研磨方向(R)へ運動させることができるように構成されていることを特徴とする車両接続族装置。
【請求項21】
前記研磨アクチュエータ(20)は、前記少なくとも二つの電極(34)が前記地面側接触ユニット(12)に接触しているときに、該アクチュエータが前記少なくとも一つの電極(34)を前記地面側接触ユニット(12)の一部に沿って運動させることができるように、形成されていることを特徴とする、請求項20に記載の車両接続装置。
【請求項22】
前記研磨アクチュエータ(20)は、振動モータ(92)、少なくとも一つの磁石(52、54;88、88.1、88.2、88.3;106)、圧電アクチュエータ(86)及び/又は電動モータ(94)を含むことを特徴とする、請求項20又は21に記載の車両接続装置。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項記載の車両接続装置と地面側接触ユニット(12)とを有する車両接続システムであって、
前記地面側接触ユニット(12)は、前記車両側接触ユニット(16)の少なくとも二つの電極(34)と接触するための少なくとも二つの電気接点面(13)を有するように構成されている車両接続システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両側接触ユニットを充電インフラストラクチャの地面側接触ユニットと電気的に接続するための車両接続装置並びに充電インフラストラクチャのための車両接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気駆動車両例えばプラグインハイブリッドカー及び純粋な電気自動車において、当該車両の当該バッテリは定期的、最適には走行のたび毎、に充電されなければならない。そのために、当該車両は、車両接続システムによって、当該充電インフラストラクチャに接続される。
【0003】
例えば、地面に設けられた当該充電インフラストラクチャの接点ユニットを有する車両接続システムは公知に属する。地面に配置されたこの地面側接触ユニットは、当該車両のボディ底面から下方に向かって運動し得る自走式車両側接触ユニットによって物理的に接触させられる。このようにして、当該車両と当該充電インフラストラクチャとの電気的に接続が可能とされる。
【0004】
こうした車両接続システムは、当該車両側接触ユニットの当該電極と当該地面側接触ユニットの当該接点面との間の物理的接触を必要とする。これらのシステムにあっては、当該地面側接触ユニットの当該接点面及び当該車両側接触ユニットの当該電極が汚れていたり、あるいは当該車両側接触ユニットが当該地面側接触ユニット上に正しく載置していないことにより、問題が発生する。また、時間が経つにつれて、当該電極又は接点面上に、電極と接点面との間の当該接続の電気抵抗を高めることとなる酸化被膜も形成される。
【0005】
当該接点面又は当該電極の当該汚れ又は当該酸化被膜によって、当該接触面積は減少し、当該電気的接続の当該抵抗が高まる結果、充電時に大きな電力損失が発生し得ることとなる。
【0006】
また、当該地面側接触ユニット上の液体によって、当該電極面間に、電力損失をもたらす漏れ電流が発生することもある。
【0007】
加えてさらに、最適な接触を可能とすべく、当該車両側接触ユニットは均一にかつ当該地面側接触ユニットに対して平行に下降させられることが不可欠である。さもない場合には、電極と接点面との間の当該電気的接続が損なわれ、電力損失が懸念されることとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、車両側の当該接点ユニットと地面に配置された当該充電インフラストラクチャの接点ユニットとの電気的接続がハイクオリティで達成されると共に電力損失の僅少化の実現を可能とする車両接続装置並びに車両接続システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、車両側接触ユニットを充電インフラストラクチャの地面側接触ユニットと電気的に接続するための車両接続装置であって、当該車両側接触ユニットと、当該車両に固定可能であって、当該車両側接触ユニットが固定され、当該車両側接触ユニットを当該地面側接触ユニットに対して接触/離間運動させることのできる空気圧作動式の接触アクチュエータと、当該地面側接触ユニットに自由吹付けを行うための少なくとも一つの空気流出口とを有する車両接続装置によって達成される。その際、当該車両側接触ユニットは、少なくとも二つの電極が配置された、当該地面側接触ユニットに対向する接触領域を有する台座を具備し、その際、当該地面側接触ユニットに自由吹付けを行うための当該少なくとも一つの空気流出口は、当該接触領域の前方領域へ向けられ、当該接触アクチュエータを作動させるための圧縮空気が、当該地面側接触ユニットに自由吹付けを行うために、当該空気流出口へ誘導されるように構成されている。その際、当該接触領域の前方領域とは、例えば、当該台座と当該地面側接触ユニットとの間の空間である。当該空気流出口は、例えば、空気ノズルである。また、当該台座は円形をなし及び/又はプレートであってよい。当該電極はリング上に配置されていてよい。
【0010】
当該空気流出口によって、当該接触領域の前方領域に、当該地面側接触ユニットに衝突する空気流れを発生させることができる。したがって、当該空気流れは、汚れ例えば泥、液体若しくは木の葉等を、当該地面側接触ユニット、特に当該地面側接触ユニットの当該接点面、から吹き飛ばす。当該空気流出口が当該車両側接触ユニット内に設けられていることにより、当該車両側接触ユニットを、先ず、当該圧縮空気によって少なくとも部分的に作動させられる当該接触アクチュエータによって、当該地面側接触ユニットと当該台座との間になお僅かな隙間が残るまで、当該地面側接触ユニットに向かって接近させることができる。当該空気流出口は、この隙間内に、当該空気流れを導出させることができるため、当該地面側接触ユニットに特に高圧の自由吹付けを行うことができる。
【0011】
したがって、当該圧縮空気は、当該接触アクチュエータを少なくとも部分的に駆動すると共に、続いて、当該空気流出口へ向かって噴出する。当該圧縮空気の当該二重使用によって、相乗効果を利用することができると共に、当該車両接続装置の当該複雑性を低レベルに保つことが可能である。当該接触アクチュエータ用の当該圧縮空気と当該自由吹付け用の当該圧縮空気とは同一の圧縮空気源に由来することが可能である。
【0012】
好ましくは、当該少なくとも一つの空気流出口は、当該車両側接触ユニットの当該台座内に設けられ、特に当該接触領域において開口しているために、それが必要とされるところ―つまり、当該電極領域―に空気流れが発生させられる。
【0013】
例えば、当該少なくとも一つの空気流出口は、二つの電極間、特に当該接触領域の中心の領域、に設けられていることから、当該空気流れは外へ向かって、当該電極の脇を流過し、これによって、当該汚れも外へ排出されることとなる。
【0014】
本発明の一実施態様において、複数の空気流出口が設けられ、当該空気流出口の間に当該電極の少なくとも一つが配置されている結果、当該空気流れが一箇所で比較的大きな汚れ―例えば、電極に張り付いた木の葉―によってブロックされる場合にも、十分なクォリティーの当該自由吹付けが達成される。
【0015】
例えば、当該接触領域及び/又は当該台座が円形をなし、当該少なくとも一つの空気流出口は、当該接触領域及び/又は当該台座の中央、特に中心点、に配置されている。当該空気流出口が当該中心点に配置されていることにより、単一の空気流出口で当該地面側接触ユニットに対する効果的な自由吹付けを実施することができる。
【0016】
好ましくは、当該台座は、当該接触領域を包囲するシールリップを具備する。一方において、当該シールリップにより、吹き飛ばされた後に、泥若しくは液体が再び台座と地面側接触ユニットとの間の当該領域に入り込むことが防止される。他方において、台座と地面側接触ユニットとの間に、当該台座を浮揚させるエアクッションが発生する。これによって、当該台座を当該地面側接触ユニットに対して一層容易に整列させることができる。当該シールリップは、例えば、当該台座の円周部に設けられていてよい。
【0017】
本発明の一実施態様において、当該少なくとも一つの空気流出口は、当該車両側接触ユニットの脇に設けられており、その結果、当該空気流出口とは関係なく当該地面側接触ユニットを作り出すことが可能であり、これによって、当該複雑性が減ぜられる。
【0018】
別法として又はさらに加えて、当該少なくとも一つの、又は、単一の空気流出口は、当該接触アクチュエータの側方を延びる圧縮空気導管に形成され、これによって、空気流出口を容易な方法で実現することが可能である。
【0019】
本発明の一実施態様において、当該少なくとも二つの電極は、ピン状又はレール状に形成され、当該台座の正面より突き出して、当該台座に、特に弾性支持されて、固定されている。当該弾性支持は、例えば、板バネ又はコイルバネを介して行われる。こうして、当該地面側接触ユニットの当該接点面と当該台座内に取付けられた当該電極との間の特に高信頼度の接触が可能とされる。
【0020】
一実施態様において、当該台座内に排気口が設けられ、当該排気口と当該少なくとも一つの空気流出口との間に当該電極の少なくとも一つが配置され、これにより、当該シールリップが当該地面側接触ユニットに接して封止が行われている場合にも、当該接点周囲を流れる空気流れを発生させることができる。
【0021】
本発明の一実施態様において、当該台座における、当該接触領域の側、特に当該接触領域内、に少なくとも一つの磁石が設けられている。当該磁石は、永久磁石、切替え可能な磁石例えば電磁石又は、それらの組み合わせであってよい。該磁石によって、当該車両側接触ユニットは、当該地面側接触ユニット上に、当該地面側接触ユニットを基準として整列され、同所に保持されることができる。
【0022】
当該接触アクチュエータは、ピストン‐シリンダユニット、又は、蛇腹を含み、これらは内部空間、基礎部、及び当該内部空間と流体的接続可能な圧縮空気源を具備し、当該ピストン‐シリンダユニットないし当該蛇腹の第一の端部は、当該基礎部によって当該車両に固定可能であり、当該ピストン‐シリンダユニットないし当該蛇腹の第二の端部には、当該台座が固定されている。その際、当該内部空間は気密密閉されており、当該基礎部は当該車両の一部であってよい。例えば、当該圧縮空気源は、コンプレッサ又は圧縮空気アキュムレータである。当該ピストン‐シリンダユニット又は当該蛇腹により、容易な方法で、接触アクチュエータが実現される。
【0023】
蛇腹が使用される場合には、当該蛇腹は当該圧縮空気によって全面的に作動させられる必要はない。当該蛇腹は、例えば当該車両側接触ユニットが当該下降される際に、その自重及び/又は当該車両側接触ユニットの当該重力によって伸長させられるようにすることも思量可能である。この場合、当該圧縮空気は当該下降を支援すると共に、安定化に貢献する。その際、相応した、特に当該蛇腹内に配された引張手段によって、当該台座の当該垂直ポジションを正確に調整することができる。
【0024】
好ましくは、当該少なくとも一つの空気流出口は、当該内部空間内の圧縮空気が当該接触アクチュエータの作動及び当該地面側接触ユニットを自由吹付けするために使用されるように、特に弁又はスロットルを介して、当該内部空間と流体的に接続されている、又は、当該空気流出口は、当該内部空間内を延びる圧縮空気導管に形成されている。その際、当該圧縮空気導管は、当該アクチュエータの当該運動に際して損傷を蒙らないようにすべく、フレキシブルに形成されていてよい。また、当該圧縮空気導管は第二の圧縮空気源と流体的に接続されていてもよく、これによって、当該空気流出口を当該接触アクチュエータとは独立に作動させることが可能である。また、複数の空気流出口を一本の空気導管に形成することも可能である。例えば、当該第二の圧縮空気源は、コンプレッサ又は圧縮空気アキュムレータである。
【0025】
本発明の一実施態様において、当該車両接続装置は、当該空気流出口から流出する空気を加熱するために、当該少なくとも一つの空気流出口と流体的に接続されたヒータを具備する。例えば、当該ヒータは、当該内部空間内の当該空気を加熱する。加熱された空気によって、雪又は氷を当該地面側接触ユニットから効果的に除去することが可能である。
【0026】
上記目的はさらに、車両側接触ユニットを充電インフラストラクチャの地面側接触ユニットと電気的に接続するための、特に上述したタイプの、車両接続装置であって、台座を具備する当該車両側接触ユニットと、内部空間を有する蛇腹、台座、ガイド装置及び圧縮空気源を具備する接触アクチュエータとを有し、当該蛇腹の基礎部が車両に固定可能であり、当該蛇腹の第一の端部が当該基礎部に固定され、当該蛇腹の第二の端部に当該台座が固定されているように構成されている車両接続装置によって達成される。当該ガイド装置は、離間駆動装置、特に軸支されたスピンドルと、少なくとも一つの引張手段とを含み、該引張手段は、少なくとも部分的に当該内部空間内を延びて、その一端が当該台座に固定され、その他端が当該離間駆動装置に固定されているように構成されている。その際、当該引張手段は、ベルト、紐及び/又はロープであってよい。当該基礎部はまたも、当該蛇腹の一部であってよい。当該ガイドシステムにより、当該台座の当該運動を次のように―つまり、当該台座が常に水平なポジションを保つように―制御することが可能である。これによって、当該台座が傾倒したり、傾斜したり又は部分的にしか当該地面側接触ユニット上に載置していないことが防止される。加えてさらに、当該台座が常に当該水平ポジションを保持していることにより、当該空気流出口から流出する空気流れが当該地面側接触ユニットに衝突することも保証される。したがって、当該ガイドユニットは当該接触のクォリティーの改善を結果することとなる。当該圧縮空気源は、例えば、コンプレッサ又は圧縮空気アキュムレータである。
【0027】
好ましくは、三本の引張手段が設けられ、これによって、特に低コストの、ただし、高信頼度の構造が実現される。
【0028】
例えば、当該ガイド装置は、渦巻バネ及び/又は電動駆動装置を有し、該渦巻バネないし該電動駆動装置は当該スピンドルに固定され、該渦巻バネないし該電動駆動装置が当該スピンドルにトルクを付与し、これによって当該引張手段に引張力が作用するように構成されている。その際、当該引張力は当該引張手段を当該スピンドルに向かって引き寄せる。こうして、当該接触アクチュエータのための高信頼度の離間駆動装置が実現される。
【0029】
一実施態様において、当該基礎部に第一の拘束手段が設けられ、当該台座に第二の拘束手段が設けられ、当該第一の拘束手段及び当該第二の拘束手段は、当該蛇腹が折りたたまれたポジションにあるときに、互いに連携して、当該蛇腹を該ポジションに保持し得る。これによって、当該台座は、当該車両の当該走行中、当該車両に確実に固定されて、離脱し得ないことが保証される。
【0030】
例えば、当該拘束は、当該第一の拘束手段及び当該第二の拘束手段は複数の磁石を具備し、そのうち一つの磁石が切替え可能な電磁石を含んでいれば、特に容易に再び拘束解除することが可能である。
【0031】
一実施態様において、当該第一の拘束手段及び当該第二の拘束手段は、当該蛇腹が当該折りたたまれたポジションにあるときに、互いに係合する係止フックを有し、当該係止フックの一方は旋回可能に支持されている。こうして、機械式であって、ほとんどエラーの生じない拘束が実現される。
【0032】
本発明のさらに別の実施態様において、当該接触アクチュエータは、当該車両側接触ユニットを接触方向へ運動させることができ、当該車両接続装置は、研磨アクチュエータを具備し、該研磨アクチュエータは、当該電極の少なくとも一つの電極と接続され、該アクチュエータが当該車両側接触ユニットの当該少なくとも一つの電極を当該接触方向に対して横向きの研磨方向へ運動させることができるように構成されている。
【0033】
その際、当該接触方向は、当該接触領域及び/又は当該地面側接触ユニットに対して垂直をなしていてよく、それは、特に当該地面側接触ユニットの当該電気接点面に対して垂直をなしている。
【0034】
研磨方向への当該運動、したがって、当該研磨運動は、当該接触を生み出すための当該運動とは独立している。ただし、当該研磨アクチュエータと当該電極との間の結合は、当該研磨アクチュエータが当該電極に直接に固定されていない限りで、当該台座及び場合により当該接触アクチュエータを介して行われることが可能である。
【0035】
当該研磨アクチュエータによって、当該電極を当該地面側接触ユニットに沿って運動させることができる。その際、当該電極上ないし当該地面側接触ユニット上に生じた当該酸化被膜は確実に除去される。こうして、当該電極は当該地面側接触ユニットと直接に結合し、これによって、当該電極と当該地面側接触ユニットとの間の当該電気的接続の当該クォリティーが著しく改善される。
【0036】
好ましくは、当該研磨アクチュエータは、当該少なくとも二つの電極が当該地面側接触ユニットに接触しているときに、該アクチュエータが当該少なくとも一つの電極を当該地面側接触ユニットの一部に沿って運動させることができるように、形成されている。これによって、当該電極は当該接点面を研磨して、当該電極と当該接点面との間にもはや酸化被膜が存在しないことを保証する。
【0037】
例えば、当該研磨アクチュエータは、振動モータ、少なくとも一つの磁石、少なくとも一つの圧電アクチュエータ及び/又は少なくとも一つの電動モータを含み、これによって、容易な方法で、効果的な研磨アクチュエータを実現することが可能である。
【0038】
好ましくは、当該研磨アクチュエータによって発生させられる当該少なくとも一つの電極の当該運動の推移は、線形、多角形状又は曲線状である。その際、当該運動は振動運動であってよい。その際、多角形として顧慮されるのは、三角形又は四角形であり、曲線として適しているのは、円、楕円形又はそれらの一部である。
【0039】
本発明の一態様において、当該研磨アクチュエータは、当該車両側接触ユニットの一部として、特に当該台座の内部又は脇に設けられた、一つの回転軸と一つの偏心錘を有した振動モータを有する。その際、当該偏心錘は当該回転軸周りを回転して、当該回転軸に対して垂直な力を発生させる。当該振動モータの使用によって、安価な方法で、研磨方向への当該台座の運動を可能にすることができる。
【0040】
例えば、当該振動モータの当該回転軸は、接触方向へ配向され、又は当該接触方向に対して垂直方向へ配向されているために、研磨運動として、線形振動運動若しくは円類似運動が発生させられる。
【0041】
本発明の一実施態様において、当該研磨アクチュエータは、当該地面側接触ユニットの少なくとも一つの磁性対向物に対応した、少なくとも二つの切替え可能な磁石を有している。その際、当該切替え可能な磁石は、電磁石であってよい。切替え可能な磁石とは、本発明の範囲において、運動によって、それに対応する磁性対向物から乖離されることのできるタイプの磁石もそうしたものとして理解されることとする。当該磁石によって、当該台座及びそれと共に当該台座内の当該磁石は、当該地面側接触ユニットを基準として一定のポジションに整列可能である。当該磁性対向物はそれ自体として永久磁石又は切替え可能な磁石であってよいが、ただしまた、強磁性材料例えば鉄又は鋼からなる部品であってもよい。
【0042】
好ましくは、当該少なくとも二つの磁石は互いに別々に切替え可能であるために、二つのステップで一つの運動が可能である。
【0043】
例えば、当該少なくとも二つの磁石の各々には、それぞれ一つの磁性対向物が対応させられており、その際、当該二つの磁石は互いに、当該磁性対向物が配置されている当該間隔とは異なる間隔で配置されている。当該磁石が交互にスイッチオンされると、当該磁石の当該間隔が当該磁性対向物の当該間隔とは異なっていることにより、当該双方の磁性対向物間の当該連結線と平行な当該台座の運動が生み出される。
【0044】
三つ又はそれを上回る数の磁石が設けられている場合には、当該磁石間のそれぞれの間隔は当該磁性対向物間の当該間隔とは相違している。こうして、より複雑な研磨運動例えば三角形を描く運動を実現することができる。
【0045】
また、少なくとも二つの磁石を有する複数の研磨アクチュエータを設けることも可能であることは言うまでもなく、これによって、研磨方向へ作用する力を高めることが可能である。
【0046】
本発明のさらに別の実施態様において、当該研磨アクチュエータは少なくとも二つの磁石を有し、その際、当該磁石の一方は当該台座に配置され、当該磁石の他方は当該電極の一つに配置されている。当該磁石の少なくとも一方は切替え可能な磁石例えば電磁石である。当該他方の磁石は、永久磁石であってよいが、また切替え可能な磁石であってもよい。当該双方の磁石は互いに整列されているために、当該磁石の一方が活性化されると、当該他方の磁石は引き寄せられるか若しくは反発されて突き放され、これによって、磁石の長手方向に対して横向きに運動する力が当該電極に及ぼされる。
【0047】
例えば、当該研磨アクチュエータは三つの磁石を有し、その際、当該磁石のうち二つの磁石は当該台座に設けられ、当該磁石のうちの一つは当該電極の一つに設けられている。当該一つの電極は、当該台座の当該二つの磁石の間に配置されている。その際、当該台座に設けられた当該二つの磁石は切替え式であってよく、当該電極には一つの永久磁石が配されていてよい。こうして、当該研磨アクチュエータの当該力を増大させることができる。
【0048】
本発明のさらに別の実施態様において、当該研磨アクチュエータは圧電アクチュエータを有し、これによって、容易に、研磨方向への高周波運動を可能とすることができる。
【0049】
例えば、当該台座に当該圧電アクチュエータが設けられて、一方で、当該台座に固定され、他方で、当該少なくとも二つの電極のうちの一つに固定されており、これによって、当該圧電アクチュエータは当該電極を直接に運動させることが可能である。
【0050】
一実施態様において、複数の研磨アクチュエータが設けられ、その際、各々の当該研磨アクチュエータは当該少なくとも二つの電極のうちの一つに対応させられている。こうして、当該電極の当該研磨運動を個別に制御することができるため、高い抵抗が認められる電極については、研磨方向への、より長い運動を実施することが可能である。
【0051】
例えば、当該研磨アクチュエータは、当該車両側接触ユニットの一部として、特に当該台座に設けられている。これにより、当該研磨アクチュエータを当該車両側接触ユニットに加えてさらに付加的に当該車両に組み付ける必要がないために、当該組み付けを容易化することができる。
【0052】
本発明のさらに別の実施態様において、当該研磨アクチュエータは、当該台座に配置された少なくとも一つの磁石と、一つのアクチュエータとを有し、その際、当該アクチュエータは当該磁石又は少なくとも一つの当該電極を当該台座に対して、特に研磨方向へ相対運動させることができる。その際、当該磁石は、当該地面側接触ユニットの磁性対向物と連携して、当該アクチュエータが当該台座を研磨方向へ運動させるようにする。別法として、当該アクチュエータは、当該少なくとも一つの電極を当該台座に対して相対運動させることができる。こうして、当該磁石を、当該研磨アクチュエータの一部として使用することも、当該車両側接触ユニットを当該地面側接触ユニットに対して固定及び/又は整列させるために使用することも可能である。例えば、当該台座の当該磁石又は当該少なくとも一つの電極は線形ガイド又は円軌道を描くようにガイドされている。
【0053】
本発明のさらに別の実施形態において、当該研磨アクチュエータは、当該車両側接触ユニットから切り離されて形成されており、その際、当該研磨アクチュエータは当該車両側接触ユニット全体を運動させることができ、特に回転させることができる。この場合、当該車両側接触ユニットは、当該車両に対して、回転可能に支持されている。こうして、当該車両側接触ユニットの当該複雑性を低減させ、かつ、当該研磨アクチュエータを車両側に確実に固定させることが可能である。
【0054】
例えば、当該研磨アクチュエータは電動モータを有し、これによって、当該車両側接触ユニットの容易かつ安価な運動が可能である。
【0055】
さらに、上記目的は、本発明による車両側接触ユニットと地面側接触ユニットとを有し、当該地面側接触ユニットは、当該車両側接触ユニットの少なくとも二つの電極と接触するための少なくとも二つの電気接点面を有するように構成した車両接続システムによって達成される。接点面は、当該電気的接続のために当該電極にそれほど正確なポジショニングが求められないようにするのが好適である。
【0056】
好ましくは、当該地面側接触ユニットは少なくとも一つの磁性対向物を有し、これによって、当該車両側接触ユニット及びそれと共に当該電極も、当該地面側接触ユニット及び当該接点面を基準として、精密かつ正確に整列させることができる。当該磁性対向物自体は、永久磁石又は切替え可能な磁石であってよいが、ただしまた、強磁性材料例えば鉄又は鋼からなる部品であってもよい。
【0057】
例えば、当該地面側接触ユニットは、互いに離間配置された少なくとも二つの磁性対向物を有しており、その結果、当該研磨アクチュエータは、当該磁性対向物によって、当該台座を研磨方向へ運動させることが可能である。
【0058】
本発明のその他の特徴及び利点は、下記の説明並びに参照される当該添付図面から判明する通りである。各図は以下を示している。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】本発明による車両接続システムを有する車両を概略的に示す図である。
図2図1に示した車両接続装置の車両側接触ユニットの非常に簡略化した概略的な断面図である。
図3a】電極を弾性保持するためのさまざまな実施形態における、電極領域における車両側接触ユニットの断面図である。
図3b】電極を弾性保持するためのさまざまな実施形態における、電極領域における車両側接触ユニットの断面図である。
図3c】本発明による研磨アクチュエータを有する個別電極の拡大図である。
図4a図1に示した車両接続装置の非常に簡略化した概略的な縦断面図ないし横断面図である。
図4b図1に示した車両接続装置の非常に簡略化した概略的な縦断面図ないし横断面図である。
図5a】車両側接触ユニットと地面側接触ユニット間の電気的接続を生成するためのさまざまなステップを示す図である。
図5b】車両側接触ユニットと地面側接触ユニット間の電気的接続を生成するためのさまざまなステップを示す図である。
図5c】車両側接触ユニットと地面側接触ユニット間の電気的接続を生成するためのさまざまなステップを示す図である。
図6a】車両側接触ユニットの非常に簡略化した、本発明によるさらに別の実施形態を示す図である。
図6b】車両側接触ユニットの非常に簡略化した、本発明によるさらに別の実施形態を示す図である。
図7a】本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさまざまな実施形態を示す図である。
図7b】本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさまざまな実施形態を示す図である。
図8a】本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさまざまな実施形態を示す図である。
図8b】本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさまざまな実施形態を示す図である。
図9a】本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさまざまな実施形態を示す図である。
図9b】本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさまざまな実施形態を示す図である。
図10】さまざまな研磨アクチュエータを有する本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさらに別の実施形態を示す図である。
図11a】さまざまな研磨アクチュエータを有する本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさらに別の実施形態を示す図である。
図11b】さまざまな研磨アクチュエータを有する本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさらに別の実施形態を示す図である。
図12a】さまざまな研磨アクチュエータを有する本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさらに別の実施形態を示す図である。
図12b】さまざまな研磨アクチュエータを有する本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさらに別の実施形態を示す図である。
図13】さまざまな研磨アクチュエータを有する本発明による車両接続装置の非常に簡略化したさらに別の実施形態を示す図である。
図14a】研磨アクチュエータを有する本発明による車両接続装置のさらに別の実施形態を概略的に示す図である。
図14b図14aの軸XIV-XIVに沿った断面図である。
図15a】一つの研磨アクチュエータを有する本発明による車両接続装置のさらに別の実施形態を概略的に示す図である。
図15b図15aの軸XV-XVに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1には、車両10、例えば、充電インフラストラクチャ(不図示である)の接点面13を有する地面側接触ユニット12上に駐車させられたバッテリ駆動車両又はプラグインハイブリッドカーが示されている。
【0061】
当該充電インフラストラクチャは、車両10の当該バッテリを走行後に再充電するために使用される。
【0062】
車両10のボディ底面には、車両10を当該充電インフラストラクチャと電気的に接続し得る、もっと正確に言えば車両側接触ユニット16を地面側接触ユニット12と電気的に接続し得る、車両接続装置14が取付けられている。
【0063】
車両接続装置14は、車両側接触ユニット16の他に、接触アクチュエータ18及び研磨アクチュエータ20(図3c)を有する。
【0064】
接触アクチュエータ18は、内部空間24と基礎部26とを有する蛇腹22、並びに、圧縮空気源27、例えばコンプレッサ28、を含んでいてよい。蛇腹22の内部空間24内又は蛇腹22への空気供給路内には、さらに、蛇腹22の内部空間24内の空気を加熱する加熱コイル29が設けられていてよい。
【0065】
圧縮空気源27は内部空間24と流体的に接続されているために、圧縮空気源27は蛇腹22を膨張させることができる。
【0066】
蛇腹22の車両側の第一の端部は、基礎部26によって、車両10、とりわけ当該車両のボディ底面、に固定されている。蛇腹22の車両10とは反対側の当該第二の端部には、車両側接触ユニット16が固定されている。
【0067】
車両側接触ユニット16は図2に示されており、蛇腹22の当該第二の端部を密閉するプレート、特に円形プレート、の形の台座30を有している。このプレートは、特にプラスチック製である。
【0068】
台座30は、台座30の車両10とは反対側に位置する正面、したがって、台座30の地面側接触ユニット12に対向する面側に、少なくとも二つの電極34が配置された接触領域32を有する。
【0069】
台座30には、さらに、一方で内部空間24からの空気供給を受け、他方で接触領域32に開口する空気流出口36が設けられている。空気流出口36は空気ノズルとして形成されていてもよい。
【0070】
例えば、空気流出口36は、二つの電極34の間で、台座30の中心点に、したがって、接触領域32の中心の領域に開口している。これによって、空気流出口36は接触領域32の前方領域へ、したがって、台座30と地面側接触ユニット12との間の領域へ向けられている。
【0071】
空気流出口36は、スロットルとして形成されていてよい制御可能弁38によって、内部空間24と接続されているために、内部空間24からの空気は、必要に応じ、空気流出口36からブローされることができる。
【0072】
さらに、台座30は、台座30の外周に設けられて、台座30及び接触領域32を封止して包囲するシールリップ40を有している。
【0073】
図3aから看取されるように、電極34は、台座30内において、台座30のそれぞれ一つの空洞41内に弾性支持されている。
【0074】
電極34はピン状に形成されて、接点先端42、本体44、及び、本体44と接点先端42との間に配置されたショルダ46を有する。
【0075】
ショルダ46及び本体44の部分は空洞41内に配置され、他方、接点先端42は接触領域32内において空洞41から延び出て、台座30の正面よりも突き出している。
【0076】
空洞41内にはさらに、一方で空洞41の接触領域32とは反対側に位置する壁面に密接し、他方でショルダ46に密接して支保されているバネ50が設けられている。
【0077】
バネ50は圧縮バネであるために、該バネはショルダ46と共に電極34全体を、接触領域32の方向へプレストレスしている。
【0078】
また、図3bに示したように、バネ50は、本体44の接点先端42とは反対側に位置する当該端部に作用する板バネであるように形成することも思量可能である。
【0079】
図3cには、電極34のそれぞれに設けられている、第一の実施形態の研磨アクチュエータ20が示されている。研磨アクチュエータ20は三つの磁石を有する。当該三つの磁石のうちの二つは電磁石52つまりオン・オフ可能であり、かつ、台座30内において、それぞれの電極34につき、電極34の互いに対向する両サイドに配置されている。
【0080】
当該第三の磁石は永久磁石54であり、該磁石は、双方の電磁石52の間に位置するようにして電極34内に設けられている。
【0081】
さて、双方の電磁石52が反対の極性を有するようにして操作されると、電極34内の永久磁石54は電磁石52のうちの一方に引き寄せられ、他方から反発される。これによって、電極34は側方に運動し、つまり、該電極の長手方向に対して横向きの研磨方向Rの方向へ運動する。
【0082】
次いで、電磁石52の当該極性が反転されると、電極34は当該反対方向へ運動させられる。これにより、電極34を、電磁石52の迅速な切替えによって、側方方向に往復運動させることができる。
【0083】
図4には、分かりやすさを優先させて図1には不図示であった、接触アクチュエータ18のガイド装置56が表されている。他方、図4にあっては、空気流出口36及びコンプレッサ28は不図示である。ガイド装置56は、離間駆動装置58及び引張手段60を有する。
【0084】
離間駆動装置58は、車両10に対して軸支されたスピンドル59、引張手段60及び渦巻バネ61を有する。
【0085】
渦巻バネ61は、その一端がスピンドル59に固定され、他端が車両10に取付けられているために、渦巻バネ61はスピンドル59にトルクを付与することができる。
【0086】
また、渦巻バネ61に代えて又は渦巻バネ61にさらに加えて、電動駆動装置61´、例えば電動モータ、がスピンドル59を回転させるために設けられていることも思量可能である。図4aには、電動モータとして形成されたその種の電動駆動装置61´が鎖線で表されている。
【0087】
引張手段60は、ベルト、紐、ロープであってよく、一端が同じくスピンドル59に固定されているために、引張手段60は、スピンドル59の回転時に、スピンドル59に巻き付けられる。
【0088】
各々の引張手段60の当該他端は、結合点62において、台座30に結合されている。
【0089】
図示実施形態において、図4bから看取し得るように、それぞれ一つの結合点62において台座30と結合されている三本の引張手段60が設けられている。
【0090】
結合点62は、正三角形をなして配置されており、その中心点は同時に台座30の当該中心点である。
【0091】
引張手段60は、蛇腹22の内部空間24内において、結合点62から、つまり、台座30から垂直に基礎部26の方向へ延びている。引張手段60は、内部空間24内に設けられていてよい案内ローラ64によって方向転換され、次いで、スピンドル59の方向へ向かって案内される。
【0092】
その際、引張手段60の当該長さは、三つの結合点62と共に台座30が常に水平を保つように選択されている。したがって、台座30は常に地面側接触ユニット12に対して平行を保っている。
【0093】
さらに、車両側接触ユニット16をそれが引き込まれた当該ポジションに拘束するために、内部空間24内において台座30の当該中心と、当該反対側の基礎部26とに、当該図示第一の実施形態において係止フックとして形成された第一の拘束手段66と第二の拘束手段68とが設けられている。
【0094】
その際、第二の拘束手段68、したがって、当該係止フックは基礎部26に旋回可能に支持されており、その垂直なポジションから旋回傾斜することができる。
【0095】
図5aから図5cには、車両側接触ユニット16を地面側接触ユニット12と当該接触させる過程におけるさまざまなステップが示されている。
【0096】
接触アクチュエータ18により、車両側接触ユニット16を地面側接触ユニット12の方向へ運動させ、かつまた、該ユニットから離間する方向へ運動させることができる。その際、当該運動方向は、地面側接触ユニット12に向かって垂直に、かつ、接触領域32に向かって垂直に延びており、以下では、接触方向Rと称される。
【0097】
また、車両側接触ユニット16が、接触アクチュエータ18によって、接触方向Rへ運動させられるだけでなく、車両側接触ユニット16の下降時に、同時に、他の方向への運動成分を付加可能であるようにすることも無論思量可能である。これは、例えば、接触アクチュエータ18が旋回アームである場合がそうである。
【0098】
車両接続装置14が引き込まれた当該ポジションに位置していれば、つまり、車両側接触ユニット16が基礎部26の近傍に引き寄せられていれば、蛇腹22は折りたたまれて、当該拘束フックすなわち第一の拘束手段66と第二の拘束手段68とは互いに係合している。
【0099】
こうして、拘束手段66、68は、蛇腹22をそれが折りたたまれた当該ポジションに保持する。
【0100】
次いで、車両10が地面側接触ユニット12上に駐車させられると、当該車両は充電されることとなる。そのために、車両側接触ユニット16は下降させられ、つまり、地面側接触ユニット12に向かって運動させられる。
【0101】
先ず、第二の拘束手段68が旋回傾斜させられ、こうして、蛇腹22は拘束が解除されて、膨張させられることができる。
【0102】
次いで、圧縮空気源27、したがってここでは、コンプレッサ28が駆動され、蛇腹22の内部空間24に圧縮空気を供給する。蛇腹22は当該圧縮空気によって膨張させられて、引き伸ばされ、これによって、車両側接触ユニット16が、接触方向Rにおいて、地面側接触ユニット12に向かって運動させられる。
【0103】
同時に、車両側接触ユニット16は、その自重によって、地面側接触ユニット12の方向へ運動し、その際、蛇腹22を引き伸ばす。したがって、当該圧縮空気と当該重力の双方が車両側接触ユニット16の当該運動に貢献する。それゆえ、当該圧縮空気が蛇腹22を部分的に作動させ、したがって、接触アクチュエータ18も空気圧駆動される。
【0104】
特に当該圧縮空気によって蛇腹22の当該運動は安定化され、こうして、車両側接触ユニット16は基本的に直線状に下降させられる。これによって、蛇腹22又は車両側接触ユニット16の振れは確実に防止される。
【0105】
その際、引張手段60はスピンドル59によって均等に繰り出されるために、車両側接触ユニット16の台座30の当該水平な姿勢は当該運動中にあっても維持されている。同時に、渦巻バネ61はスピンドル59の当該回転によってストレスされるため、渦巻バネ61はスピンドル59に、引張手段60の繰り出し方向とは反対向きのトルクを付与する。
【0106】
車両側接触ユニット16は、先ず、台座30と地面側接触ユニット12との間に隙間70が形成されるまで、下降させられる。この時点において、電極34は、地面側接触ユニット12の接点面13にまだ接触していない。このポジションにおいて、地面側接触ユニット12に自由吹付けが行われる。
【0107】
図5aには、当該自由吹付けが具体的に示されている。当該自由吹付けのために、空気流出口36の弁38が開放され、その結果、当該圧縮空気は、蛇腹22の内部空間24からエスケープすることができる。空気流出口36は、今や地面側接触ユニット12が位置する接触領域32の前方領域へ向けられているために、空気流出口36からの当該空気流れは地面側接触ユニット12に衝突する。
【0108】
地面側接触ユニット12に衝突する当該空気は、次いで、高速で隙間70を通って半径方向外側へ流出する。その際、強力な当該空気流れによって、地面側接触ユニット12上に存在していた、泥、木の葉又は液体が、同じく、外部に向かって吹き飛ばされる。温度が氷点を下回っていたり、すでに雪や氷の層が堆積している場合には、ヒータ29が作動されるため、当該雪氷層は除去され、当該接点は乾燥させられる。
【0109】
不断の当該空気流れによって、地面側接触ユニット12は、今や車両接続装置14の接触領域32に対向する当該領域が自由吹付けされることとなり、その結果、この領域の接点面13から、泥、木の葉又は液体が除去され得ることとなる。
【0110】
同時に、当該圧縮空気によって隙間70内にエアクッションが形成され、これによって、地面側接触ユニット12に対する車両側接触ユニット16の変位が一層容易となり、これによってまた、地面側接触ユニット12に対する車両側接触ユニット16の横方向整列が容易となる。
【0111】
地面側接触ユニット12が自由吹付けされた後、車両側接触ユニット16はさらに下降させられ、つまり、地面側接触ユニット12の方向へ運動させられる。その際、空気は、引き続き、当該空気流出口から流出していてよい。
【0112】
下降につれて、隙間70は縮小し、シールリップ40と電極34は、最終的に、地面側接触ユニット12と接触するに至る。ガイド装置56により、車両側接触ユニット16が地面側接触ユニット12に対して平行をなすことが保証されており、こうして、すべての電極34が地面側接触ユニット12上に載置されることが常に確実とされる。
【0113】
かくて、車両側接触ユニット16が繰り出された当該充電ポジションが、今や、達成されている。
【0114】
このポジションにおいて、シールリップ40が隙間70を半径方向において封止するため、泥、木の葉又は液体が再び隙間70内に達することはあり得ない。
【0115】
加えてさらに、スピンドル59又は渦巻バネ61はブロック可能であるために、車両側接触ユニット16を当該充電ポジションから上方に向かって引き上げる引張力が引張手段60に作用することはない。これによって、当該充電時に、圧縮空気源27、したがってここでは、コンプレッサ28の当該出力を低減させることができる。
【0116】
さて、電極34が地面側接触ユニット12の接点面13と接触するに至った場合には、接点面13は、図5bに示唆したように、接点面13及び/又は電極34に生じていることもある酸化被膜を除去するために、自由磨擦又は自由研磨される。
【0117】
研磨アクチュエータ20により、電極34は、図3cに関連して説明したように、横方向に運動させられる。以下において研磨方向Rと称される当該運動方向は、台座30の正面及び接点面13の当該表面に対して平行をなすと共に接触方向Rに対して横向きに延びている。したがって、電極34は接点面13に沿って運動し、こうして、接点面13全体を研磨し、換言すれば、万一酸化被膜があればそれが除去されることとなり、こうして、非常に僅かな抵抗で、電極34と接点面13との間の電気的接続が実現される。
【0118】
こうして、車両10は、今や、当該充電インフラストラクチャと電気的に接続されて、充電されることができる。
【0119】
当該充電に際し、電極34を通って電流が流れ、該電流は、電極34の温度上昇と共に、電極34内部の当該電気抵抗の高まり及び電極34並びに周辺当該部品の熱応力を招来する。電極34を冷却するために、当該全充電プロセスの間、空気流出口36の弁38は開放しておくことができるため、隙間70を通って不断の空気流れが流出し、これが電極34を冷却する。こうして、車両10の当該充電時の電流損失が低減されると共に、相対的に高い充電電力が実現される。
【0120】
車両10が完全に充電されたか又は車両10が走行さるべき場合には、車両側接触ユニット16は引き込まれなければならない。
【0121】
そのために、先ず、蛇腹22の内部空間24から当該圧縮空気が吐き出され、かつ、圧縮空気源27が駆動停止され、したがってここでは、コンプレッサ28がスイッチオフされる。内部空間24からの当該圧力は、空気流出口36及び/又は蛇腹22のさらに別の弁(不図示である)によって排出可能である。
【0122】
これに応じて、離間駆動装置58が駆動される。そのため、スピンドル59又は渦巻バネ61の当該ロックが解除され、こうして、渦巻バネ61はスピンドル59に、繰り出し時の当該回転方向とは反対向きのトルクを付与する。当該トルクはスピンドル59の回転を招来し、その結果、引張手段60に、引張手段60をスピンドル59に向かって引き寄せる引張力が作用する。
【0123】
スピンドル59の電動駆動装置61´が設けられている限りで、スピンドル59は、当然のことながら、該駆動装置によっても駆動されあるいは渦巻バネ61は該駆動装置によって支援される。
【0124】
これによって、引張手段60はスピンドル59に巻き付けられ、こうして、台座30は上方へ向かって均等に地面側接触ユニット12から離間運動させられて、蛇腹22は折りたたまれる。これに代えて、当該高圧を発生させるための圧縮空気源27の当該技術システムを低圧モードに切替えることも可能であり、こうして、蛇腹22は排気されて、折りたたまれる。
【0125】
蛇腹22が折りたたまれたポジションに達すると、双方の拘束手段66、68は互いに係合して、蛇腹22を当該ポジションに保持する。
【0126】
車両側接触ユニット16は、今や確実に、車両10のボディ底面に収納されており、車両10は安全に走行可能である。
【0127】
図6aから図14bにおいて、本発明のその他のさまざまな態様の実施形態の説明が行われるが、その際、それらの実施形態は、基本的に、上述した第一の実施形態と同じである。したがって、以下では、単に当該相違に立ち入って論ずることとし、同一及び機能的に同一の部品には同じ符号が付されている。さらに、当該図面においては、分かりやすさを優先させて、焦点となる部品のみが示されている。
【0128】
さまざまな態様のさまざまな実施形態の特徴は、任意に互いに組み合わせることが可能であることは言うまでもない。記述された実施形態のさまざまな特徴の組み合わせは一例を表しているにすぎない。
【0129】
図6aには、台座30を具備した車両側接触ユニット16が示されているが、その際、台座30は、複数の―例えば、異なった方向に傾斜した―空気流出口36を有している。その際、それぞれの空気流出口36の間には、それぞれ一つの電極34又は台座30の中心点が設けられている。
【0130】
電極34は、台座30の当該中心点周りに同心配置された複数のリング上に配置されていてよい。
【0131】
図6bには、車両側接触ユニット16の台座30のさらに別の実施形態が示されている。この実施形態において、台座30は、電極34の半径方向外側、かつ、ただしシールリップ40の半径方向内側に設けられた排気口72を有している。
【0132】
その際、蛇腹22は次のようにして―つまり、排気口72が蛇腹22の半径方向外側で車両10の周囲に向かって開口するようにして―台座30に固定されている。
【0133】
排気口72は、弁又はフラップ(不図示である)によって開閉可能である。
【0134】
図7aには、車両側接触ユニット16のさらに別の実施形態が示されている。この実施形態において、台座30内には、複数の切替え可能な磁石74、例えば、電磁石が設けられている。磁石74は、接触領域32の内部に位置している。
【0135】
また、磁石74が台座30の正面に取付けられていることも思量可能である。
【0136】
同じく、地面側接触ユニット12内にも、磁石74と同じ間隔で配置されて、磁石74の磁性対向物として作用する複数の磁性対向物76が設けられている。
【0137】
磁性対向物76は、当該図示実施形態において、強磁性材料例えば鋼又は鉄製の小さなプレートである。
【0138】
ただし、磁性対向物76自体が磁石例えば対応磁石として作用する永久磁石又は切替え可能な磁石であることも思量可能である。
【0139】
台座30の磁石74と地面側接触ユニット12の磁性対向物76とは、一つの定まったパターンで配置されていてよく、その際、当該パターンは地面側接触ユニット12内並びに台座30内の双方において同一である。
【0140】
磁石74、76は、地面側接触ユニット12に対する車両側接触ユニット16の当該整列及び固定に使用される。
【0141】
車両側接触ユニット16が地面側接触ユニット12に近づけられて、磁石74、76が活性化されると、磁石74、76は互いに引き付けあい、こうして、磁石74、76が垂直方向上下に重なり合って互いに整列するまで、接触方向Rに対して横向きの、車両側接触ユニット16とりわけ台座30の運動が招来される。
【0142】
台座30内の電極34と地面側接触ユニット12の接点面13とは、磁石74、76の配置と同様に定められた通りに配置されていることから、今や、電極34も接点面13のまっすぐ上に位置しており、こうして、電極34と接点面13との間の接触が保証されている。
【0143】
図7bに示した実施形態において、台座30ないし基礎部26の拘束手段66、68は磁石であり、その際、少なくとも一方の磁石は切替え可能な電磁石である。
【0144】
蛇腹22が折りたたまれたポジションにある場合に、当該双方の磁石は、蛇腹22を折りたたまれたポジションに保持するために必要な当該力をもたらす。
【0145】
蛇腹22を膨張させるべく当該拘束を解除するために、当該双方の磁石のうちの当該電磁石へ通電停止させられ、その結果、当該双方の磁石の間にもはや力の作用は生じない。
【0146】
図8aに示した実施形態において、蛇腹22は円筒状の蛇腹としてではなく、ピラミッド状の蛇腹として形成されている。
【0147】
さらに、圧縮空気源27はコンプレッサとして形成されていず、空気が高圧下で蓄えられる圧力アキュムレータ28´を有している。
【0148】
圧縮空気アキュムレータ28´は、図8aに鎖線で示唆されているコンプレッサによって充填される。このコンプレッサは車両接続装置14の一部である必要はなく、車両10の他のいずれかの装置に属していてもよい。例えば、圧力アキュムレータ28´は、コンプレッサないし車両10のブレーキブースターの当該真空ポンプによって充填される。
【0149】
図8bに示した実施形態は、先行する当該実施形態とは異なり、蛇腹22の内部空間24と流体的に接続されている圧縮空気源27の他に、第二の圧縮空気源77―ここでは第二のコンプレッサ78―を有している。
【0150】
第二の圧縮空気源77―したがって、図示実施形態において、第二のコンプレッサ78―は、蛇腹22の内部空間24を貫いて延び、空気流出口36で開口する圧縮空気導管80と流体的に接続されている。
【0151】
したがって、この実施形態において、空気流出口36は蛇腹22の内部空間24と接続されていずに、独立して、第二の圧縮空気源77からの供給を受ける。
【0152】
その際、圧縮空気導管80はフレキシブルに形成されていてよく、その結果、該導管は、損傷を蒙ることなく、蛇腹22の当該運動を共に遂行することができる。
【0153】
複数の空気流出口36が設けられている限り、当該複数の空気流出口36も圧縮空気導管80に接続されていてよい。
【0154】
また、それぞれの空気流出口36又は若干の空気流出口36のみが専用の圧縮空気導管80を介して第二の圧縮空気源77に接続されていることも思量可能であることは言うまでもない。
【0155】
同じく、第二の圧縮空気源77として圧縮空気アキュムレータが設けられていることも思量可能である。
【0156】
図9a及び図9bに示した実施形態において、接触アクチュエータ18は蛇腹を有していずに、接触アクチュエータ18は、伸縮シリンダとして形成されていてよいピストン‐シリンダユニット82と、継手によって互いに結合された、複数の交差するバーからなるハサミ状の伸縮ガイド84とを含んでいる。
【0157】
伸縮ガイド84の一端には、車両側接触ユニット16が設けられ、他端では、伸縮ガイド84が基礎部26に結合されている。
【0158】
ピストン‐シリンダユニット82は伸縮ガイド84の一つの継手と連結されており、これによって、伸縮ガイド84を伸縮させることができる。
【0159】
その際、ピストン‐シリンダユニット82は、圧縮空気源27からの供給を受ける空気圧シリンダであってよい。
【0160】
伸縮ガイド84の側方には圧縮空気導管80が延びており、該導管の端部には空気流出口36が設けられている。図9bから看取されるように、空気流出口36は車両側接触ユニット16の脇に位置しており、車両側接触ユニット16の接触領域32の前方領域へ向けられたノズルとして形成されている。
【0161】
図10から図14bには、研磨アクチュエータ20のさまざまな実施形態が示されており、その際、これらの実施形態は別々に若しくは組み合わされて使用することも可能である。
【0162】
図10に示した実施形態において、研磨アクチュエータ20は、台座30に設けられた圧電アクチュエータ86を有している。圧電アクチュエータ86は、一方で台座30内に固定され、他方で電極34と機械式連結されているために、圧電アクチュエータ86が駆動されると、電極34はその長手方向に対して横向きに、つまり、研磨方向Rに運動させられる。
【0163】
その際、各々の電極34のために、別々の圧電アクチュエータ86が設けられていてよい。
【0164】
研磨アクチュエータ20によって生み出される電極34の運動は、先に述べた当該第一の実施形態における当該運動と同様に、線形振動運動である。
【0165】
図11a及び11bに示した実施形態において、研磨アクチュエータ20は、台座30内に設けられた少なくとも二つの切替え可能な磁石88を含んでいる。
【0166】
切替え可能な磁石88は電磁石であってよく、台座30の正面に取付けられている。
【0167】
図11aにおいて、磁石88は、分かりやすさを優先させて、過度に大きく表されている。磁石88は、台座30の別の個所に、電極34と交互に配置されていてもよいことは言うまでもない。
【0168】
地面側接触ユニット12には、各々の磁石88に対して一つの磁性対向物90が設けられており、その際、磁性対向物90は、強磁性材料例えば鉄又は鋼からなる、例えばプレートの形の部品であってよい。無論、永久磁石若しくは電磁石も磁性対向物として思量可能である。
【0169】
その際、双方の切替え可能な磁石88の間の間隔Aは、地面側接触ユニット12に配された磁性対向物90の間隔Aよりも小さい。
【0170】
さて、当該切替え可能な磁石のうちの一方の磁石88.1がスイッチオンされると、切替え可能な磁石88.1は、対応する磁性対向物90.1のまっすぐ上に整列するために、車両側接触ユニット16全体も運動する。図11aに示したこのポジションにおいて、第二の切替え可能な磁石88.2は、それに対応する磁性対向物90.2の正確に真上には位置していない。
【0171】
さて、第一の切替え可能な磁石88.1がスイッチオフされて、代わりに、第二の切替え可能な磁石88.2がスイッチオンされると、第二の切替え可能な磁石88.2は、それに対応する磁性対向物90.2に対して、そのちょうど真上に位置するように整列する。その際、車両側接触ユニット16全体も、図11aにおいて、左に向かって運動させられ、これによって、電極34は地面側接触ユニット12の接点面13に沿って研磨を行う。こうして、台座30から突き出た電極34の研磨方向Rに沿った運動が達成される。
【0172】
また、図11bに概略的に示した実施形態のように、三つの磁石88.1、88.2及び88.3が台座30内に設けられていることも思量可能である。図11bにあっては、下方から台座30の正面を見た図が看取される。
【0173】
地面側接触ユニット12における磁性対向物90.1、90.2及び90.3の当該箇所は当該鎖線で示唆されている。切替え可能な磁石88.1、88.2及び88.3の間の間隔はそれぞれ、磁性対向物90.1、90.2及び90.3の対応する当該間隔とは相違しているために、それぞれ単一の切替え可能な磁石88のみが、それに対応する磁性対向物90の真上に整列されることができる。
【0174】
図11bに示された状況においては、まさに切替え可能な磁石88.1が、それに対応する磁性対向物90.1の真上に整列している。
【0175】
さて、切替え可能な磁石88.1がスイッチオフされて、それに代えて、切替え可能な磁石88.2がスイッチオンされると、車両側接触ユニット16全体が、図11bを基準にして、磁石88.2がそれに対応する磁性対向物90.2のまっすぐ上に配置されるまで、下方に向かって運動させられる。続いて、切替え可能な磁石88.2がスイッチオフされて、切替え可能な磁石88.3がスイッチオンされると、またも、ただし今度は図11bを基準にして、右方へ向かっての車両側接触ユニット16の運動が行われる。続いて、切替え可能な磁石88.3が再びスイッチオフされて、切替え可能な磁石88.1が再びスイッチオンされることができるため、かくてまたも、図11bに示した当該ポジションへの車両側接触ユニット16の運動が行われる。したがって、電極34の研磨運動は三角形に沿って行われることとなり、これは、図11bにおいて矢印で示唆されている。
【0176】
その際、異なった数の磁石及び磁性対向物による異なった多角形状運動も可能であることは言うまでもない。
【0177】
また、当該切替え可能な磁石が地面側接触ユニット12内に設けられていることも思量可能である。
【0178】
図11a及び11bには、それぞれ一つのグループのみの切替え可能な磁石88と磁性対向物90が示されているが、その際、同じパターンで配置された複数のグループが台座30と地面側接触ユニット12に設けられているようにすることも可能である。ところで、異なったパターンの当該磁石が、今や、同じ順序で同時にオン・オフされる場合には、今や複数の磁石が当該運動に関与しているために、車両側接触ユニット16に作用する力は増倍される。
【0179】
図12aには、研磨アクチュエータ20のさらに別の実施形態が示されている。この実施形態において、研磨アクチュエータ20は振動モータ92、つまり、一本の回転軸を中心にして回転する偏心錘付き質量を含んでいる。振動モータ92は台座30内に配置されている。
【0180】
その際、振動モータ92の当該回転軸は台座30の当該面内に配置されていてよい。
【0181】
今や、電極34を地面側接触ユニット12の接点面13に沿って運動させるため、当該質量が回転させられる。その際、当該偏心錘によって当該質量は、当該回転軸に対して横向きの研磨方向R方向への力を台座30に及ぼし、こうして、電極34を運動させる。したがって、当該研磨運動は線形運動である。
【0182】
図12bに示した―その他の点では図12aに示した実施形態と同じ―実施形態において、振動モータ92の当該回転軸は台座30の当該面上において垂直に、したがって、接触方向Rを向いている。
【0183】
当該回転軸のこうした配向によって、接点面13上における、台座30と共に電極34の略円形の運動が発生させられる。当該回転軸が台座30の当該中心軸と重なっていない限りで、当該運動は、楕円であってもよい一本の曲線上で行われる。
【0184】
図13には、研磨アクチュエータ20のさらに別の実施形態が示されている。
【0185】
この実施形態において、研磨アクチュエータ20は、車両側接触ユニット16から切り離されて、直接に、車両10の一部又は基礎部26に取付けられている。研磨アクチュエータ20は、一方で車両10に連結されていると共に、他方で接触アクチュエータ18の当該車両側端部に連結されている。
【0186】
したがって、この実施形態において、接触アクチュエータ18は、研磨アクチュエータ20を介して、車両10に連結されている。
【0187】
研磨アクチュエータ20は電動モータ94と歯車96とを有する。電動モータ94の該出力軸は接触方向Rに配向されており、歯車96は電動モータ94の当該出力軸に水平方向に、すなわち、研磨方向Rを向いて取り付けられている。
【0188】
歯車96は、蛇腹22の当該車両側端部に設けられた歯形98と噛合し、その結果、電動モータ94及び歯車96によって、蛇腹22と共に、車両側接触ユニット16全体が回転可能である。そのために、蛇腹22は、軸受け100によって、車両10又は基礎部26に固定されている。
【0189】
地面側接触ユニット12の接点面13を自由研磨するため、電動モータ94が駆動され、それに応じて、歯車96が運動にもたらされ、これによって、蛇腹22全体が台座30及び該台座に取付けられている電極34と共に回転させられる。研磨アクチュエータ20は、したがって、蛇腹22及び台座30を介して、電極34と連結されている。
【0190】
その際、電動モータ94の当該回転方向は迅速に切替えられ、その結果、台座30の当該回転角度は僅かな角度、例えば10°未満に及ぶにすぎない。したがって、小さな円弧を描く振動運動が発生する。
【0191】
また、電動モータ94が一つの回転方向にのみ駆動され、こうして、電極34の当該運動が円を描くようにすることも思量可能であることは言うまでもない。
【0192】
この実施形態においても、たとえ蛇腹22が研磨アクチュエータ20の当該運動の力の伝達に使用されようとも、研磨アクチュエータ20によって生み出される当該運動と、接触アクチュエータ18によって生み出される当該運動とは互いに切り離されている。
【0193】
図14a及び14bに示した実施形態においては、二つの研磨アクチュエータ20が台座30に設けられており、これらは、それぞれ一つのアクチュエータ102―ここでは―一つの電動モータと、一つの回転ディスク104と、一つの磁石106とを有している。磁石106は、例えば、永久磁石である。
【0194】
分かりやすさを優先させて、電極34又はその他の詳細部の図示は行われなかった。
【0195】
回転ディスク104は、例えば、ガイド108内で回転し得るようにして台座30に取付けられて、アクチュエータ102と連結され、一本の回転軸を中心にして、台座30に対して相対回転させられることができ、そのために、アクチュエータ102したがって当該電動モータによって駆動される。
【0196】
磁石106は、回転ディスク104に偏心取付けされているために、磁石106の当該中心点は回転ディスク104の当該回転軸とは一致していない。磁石106は、それゆえ、回転ディスク104と共に当該回転軸を中心にして回転可能であり、その結果、磁石106は台座30に対して一つの円軌道上を運動することができる。
【0197】
アクチュエータ102、回転ディスク104及び磁石106は、当該図示実施形態において、台座30の地面側接触ユニット12とは反対側に位置する当該面に設けられている。ただしまた、それらが台座30の正面上に配置されていることも思量可能である。
【0198】
地面側接触ユニット12には、磁性対向物76及び90と同様に形成されていてよい磁性対向物110が設けられている。
【0199】
車両側接触ユニット16が繰り出された当該充電ポジションにおいて、磁石106と磁性対向物110とは互いに強く引き付けあって、上下にまっすぐ整列固定されている。これによって、車両側接触ユニット16は、一方で地面側接触ユニット12に対向して整列すると共に、他方で当該磁力によって、図7aに示した実施形態の磁石74、76と同様に、地面側接触ユニット12に整列固定される。
【0200】
今や、アクチュエータ102―したがってここでは当該電動モータ―が駆動されると、回転ディスク104はその回転軸を中心にして回転する。ただし、磁石106と磁性対向物110との間の当該磁気牽引力が非常に強力であるために、磁石106は定置したままで、地面側接触ユニット12に対して相対運動させられない。むしろ、台座30が、アクチュエータ102によって、地面側接触ユニット12に対して円形を描くと共に水平に研磨方向Rに相対運動させられる。
【0201】
したがって、アクチュエータ102は、台座30と磁石106との間の、研磨方向R方向への相対運動を生み出し、ただし絶対的に見て、その際、磁石106ではなく、台座30が運動させられる。
【0202】
台座30の当該運動により、電極34も、地面側接触ユニット12上を研磨方向R方向に運動させられる。
【0203】
また、磁石106が台座30に対して、円軌道上をガイドされるのではなく、例えばキャリッジ上を線形ガイドされるようにすることも思量可能である。
【0204】
図15a及び15bに示した実施形態は、図14a及び14bに示した実施形態と非常に類似している。
【0205】
当該双方の実施形態間の当該相違の核心は、図15a及び15bに示した実施形態にあっては、電極34のそれぞれ一つが回転ディスク104に偏心固定されている点にある。これに対して、磁石106は台座30に固定されている。
【0206】
磁石106と磁性対向物110とによって、今や、地面側接触ユニット12に対する台座30のポジションは定置固定されている。ただし、電極34は、今や、アクチュエータ102と回転ディスク104とによって地面側接触ユニット12に対して相対運動させることができるため、電極34は、地面側接触ユニット12上、特に接点面13上を円運動を描いて研磨を行うことができる。
図1
図2
図3a)】
図3b)】
図3c)】
図4a)】
図4b)】
図5a)】
図5b)】
図5c)】
図6a)】
図6b)】
図7a)】
図7b)】
図8a)】
図8b)】
図9a)】
図9b)】
図10
図11a)】
図11b)】
図12a)】
図12b)】
図13
図14a)】
図14b)】
図15a)】
図15b)】