(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】搬送ユニット
(51)【国際特許分類】
B65D 19/26 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
B65D19/26
(21)【出願番号】P 2018171358
(22)【出願日】2018-09-13
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】新實 誉也
(72)【発明者】
【氏名】本橋 義典
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-104080(JP,A)
【文献】国際公開第2012/073482(WO,A1)
【文献】特開2012-066871(JP,A)
【文献】特開昭58-082847(JP,A)
【文献】登録実用新案第3204887(JP,U)
【文献】実開昭59-188833(JP,U)
【文献】特開2000-296846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ユニットであって、
フレームと、フォーク案内部材と、荷重受け台
と、コーナーベース部材を備え、
前記フォーク案内部材及び前記荷重受け台は、前記フレームに固定され、
前記フォーク案内部材は、フォークリフトのフォークが挿入されるフォーク挿入筒部を有し、
前記荷重受け台は、前記フレーム上に載置された搬送物の荷重を受けるように配置され、
前記荷重受け台は、前記フォーク案内部材とは別体の部材であ
り、
前記フォーク案内部材は、シート状の壁面を有する樹脂成形体であり、前記荷重受け台は、射出成形体であり、
前記フレームは、平面視で外周が矩形状であり、
前記荷重受け台は、前記フレームの各隅に配置され、
前記フレームは、一対の長辺部と、一対の短辺部と、補強部を備え、
前記長辺部と前記補強部は、互いに平行に延び、
前記長辺部と前記短辺部は、互いの端部で連結され、
前記フォーク案内部材の上壁には凸部と第1及び第2凹部が設けられ、
前記補強部が前記凸部内に収容され、前記凸部の下面に前記補強部の上面が当接し、
前記長辺部が第1凹部内に収容され、第1凹部の上面に前記長辺部の下面が当接し、
前記短辺部が第2凹部内に収容され、第2凹部の上面に前記短辺部の下面が当接し、
前記凸部の端部に設けられた貫通孔を通じて前記補強部が前記短辺部に連結され、
前記補強部は、平面視において前記フォーク挿入筒部に重なる位置に配置され、
前記荷重受け台は、前記フレームを収容する収容凹部を備え、
前記収容凹部の内側面から突出する爪部が設けられ、
前記フレームを前記収容凹部の底に向かって押し付けると前記フレームが前記爪部に係合するように構成され、
前記フォーク挿入筒部は、固定バンドが挿入されるバンド挿通口を備え、
前記バンド挿通口の上面は、前記バンド挿通口よりも前記フォーク挿入筒部の開口端に近い側において前記フォーク挿入筒部の上壁の内面の最低位置と同じ位置であるかこれよりも高い位置にあり、
前記コーナーベース部材と前記荷重受け台の間に前記フレームが配置され、
前記コーナーベース部材と前記フレームを貫通させたネジを前記荷重受け台に螺合させることによって前記コーナーベース部材と前記フレームを前記荷重受け台に固定し、
前記フォーク挿入筒部の下壁には、ハンドリフトのローラが挿通されるローラ挿通部が設けられる、搬送ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物(例えば、矩形薄板パネル)の搬送に利用可能な搬送ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽光パネルのような矩形薄板パネルを搬送可能な搬送ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の搬送ユニットは、樹脂製パレットと、その上に配置された金属製フレームを備える。多数の太陽光パネルが金属製フレーム上に重ねて載置される。
【0005】
樹脂製パレットは、樹脂板材を用いて一体成形されている。樹脂製パレットの軽量化のために、樹脂製パレットの肉厚を減少させることも考えられるが、肉厚を減少させると樹脂製パレットの強度が低下して、太陽光パネルから受ける荷重によって樹脂製パレットが破壊されてしまう虞がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、軽量化が可能な搬送ユニットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、搬送ユニットであって、フレームと、フォーク案内部材と、荷重受け台を備え、前記フォーク案内部材及び前記荷重受け台は、前記フレームに固定され、前記フォーク案内部材は、フォークリフトのフォークが挿入されるフォーク挿入筒部を有し、前記荷重受け台は、前記フレーム上に載置された搬送物の荷重を受けるように配置され、前記荷重受け台は、前記フォーク案内部材とは別体の部材である、搬送ユニットが提供される。
【0008】
本発明の搬送ユニットでは、荷重受け台がフォーク案内部材が別体の部材となっている。フォーク案内部材には搬送物からの荷重がほとんど又は全く加わらないので、高い強度が必要とされず、薄肉化による軽量化が可能である。一方、荷重受け台については、搬送物の荷重に応じて必要な強度を有するように構成すればよい。このように本発明では、荷重受け台とフォーク案内部材を別体にしたことによって、高荷重が加わる部位のみの強度を高め、それ以外の部位を薄肉化することが可能になった。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載の搬送ユニットであって、前記フォーク案内部材は、シート状の壁面を有する樹脂成形体であり、前記荷重受け台は、射出成形体である、搬送ユニットである。
好ましくは、前記記載の搬送ユニットであって、前記フレームは、矩形状であり、前記荷重受け台は、前記フレームの各隅に配置される、搬送ユニットである。
好ましくは、前記記載の搬送ユニットであって、前記フレームは、側辺部と、補強部を備え、前記側辺部と前記補強部は、互いに平行に延び、前記補強部が前記フォーク案内部材の上壁の上側と下側の一方に当接し、前記側辺部が前記フォーク案内部材の上壁の上側と下側の他方に当接する、搬送ユニットである。
好ましくは、前記記載の搬送ユニットであって、前記補強部は、平面視において前記フォーク挿入筒部に重なる位置に配置される、搬送ユニットである。
好ましくは、前記記載の搬送ユニットであって、前記荷重受け台は、前記フレームを収容する収容凹部を備え、前記収容凹部の内側面から突出する爪部が設けられ、前記フレームを前記収容凹部の底に向かって押し付けると前記フレームが前記爪部に係合するように構成される、搬送ユニットである。
好ましくは、前記記載の搬送ユニットであって、前記フォーク挿入筒部は、固定バンドが挿入されるバンド挿通口を備え、前記バンド挿通口の上面は、前記バンド挿通口よりも前記フォーク挿入筒部の開口端に近い側において前記フォーク挿入筒部の上壁の内面の最低位置と同じ位置であるかこれよりも高い位置にある、搬送ユニットである。
好ましくは、前記記載の搬送ユニットであって、コーナーベース部材を備え、前記コーナーベース部材と前記荷重受け台の間に前記フレームが配置され、前記コーナーベース部材と前記フレームを貫通させたネジを前記荷重受け台に螺合させることによって前記コーナーベース部材と前記フレームを前記荷重受け台に固定する、搬送ユニットである。
好ましくは、前記記載の搬送ユニットであって、請求項フォーク挿入筒部の下壁には、ハンドリフトのローラが挿通されるローラ挿通部が設けられる、搬送ユニットである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1Aは、搬送ユニット1に多数の太陽光パネル2が積層されている状態を示す斜視図である。
図1Bは、
図1A中の領域Bの拡大図である。
図1Cは、
図1Bからゴムバンド6を除いた状態を示す。
【
図4】
図4Aは、フレーム7の短辺部7sの1つを連結する前の状態の斜視図である。
図4Bは、フォーク案内部材8の斜視図である。
図4Cは、
図4B中の部位C(点線よりも右側の部位)の拡大図である。
【
図5】
図5Aは、
図4Cに荷重受け台9及び長辺部7lを追加し、フォーク挿入筒部8a及び荷重受け台9を部分的に切り欠いた状態の斜視図である。
図5Bは、フォーク挿入筒部8aの開口端8a2から見た左側面図である。
【
図6】
図6Aは、荷重受け台9と、フレーム7と、コーナーベース部材10の分解斜視図である。
図6Bは、コーナーベース部材10を下側から見た斜視図である。
【
図8】
図8Aは、一対の短辺部7sと一対の長辺部7lを連結した矩形状のユニットを示す斜視図である。
図8Bは、補強部7rをフォーク案内部材8の貫通孔8at2(
図4Cを参照)に挿通させた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の搬送ユニット1に多数の太陽光パネル2(「搬送物」の一例)が積層されている状態を示す。
図1では、図示の便宜上、太陽光パネル2を3層積層しているが、太陽光パネル2は、実際は、例えば25層積層される。
図1~
図2に示すように、搬送ユニット1は、ベースユニット3と、コーナー部材4と、コーナートップ部材5、ゴムバンド6(「固定バンド」の一例)を備える。以下、各構成について詳述する。以下の説明において、前(FRONT)・後(BACK)・左(LEFT)・右(RIGHT)は、
図1Aで示す定義に従う。搬送ユニット1は、左右方向の中央面に関して対称であり、且つ前後方向の中央面に関しても対称である。
【0013】
1.ベースユニット3
図2~
図3に示すように、ベースユニット3は、フレーム7と、フォーク案内部材8と、荷重受け台9と、コーナーベース部材10を備える。
【0014】
<フレーム7>
図4Aに示すように、フレーム7は、断面が矩形(例:正方形)の筒状の金属(例:スチール)パイプを連結(例えば溶接)して構成される。フレーム7は、平面視で外周が矩形状であり、一対の長辺部7l(「側辺部」の一例)と、一対の短辺部7sと、補強部7rを備える。各補強部7rは、長辺部7lと平行に延びる。長辺部7lと短辺部7sは、互いの端部で連結される。
【0015】
<フォーク案内部材8>
フォーク案内部材8は、シート状の壁面を有する樹脂成形体であり、例えば、ブロー又は真空成形体である。
図4B~
図4Cに示すように、フォーク案内部材8は、フォークリフトのフォークが挿入されるフォーク挿入筒部8a,8bを有する。フォーク挿入筒部8aは、長辺部7lと平行に延び、フォーク挿入筒部8bは、短辺部7sと平行に延びる。フォーク挿入筒部8a,8bが交差するように連結されてフォーク案内部材8が構成される。フォーク案内部材8には、太陽光パネル2からの荷重がほとんど又は全く加わらないので、フォーク案内部材8は薄肉化によって軽量化することが可能である。
【0016】
フォーク挿入筒部8aは、短辺部7sに沿った方向に離間されて一対設けられている。
図4Cに示すように、フォーク挿入筒部8aは、断面略矩形状であり、上壁8atと、右壁8arと、左壁8alと、下壁8abを備える。上壁8atには、凸部8at1と、貫通孔8at2と、凹部8at3が設けられている。
図2B及び
図4Cに示すように、補強部7rは、フォーク挿入筒部8aと平面視で重なる位置に配置される。補強部7rは、凸部8at1内に収容され、凸部8at1の下面に、補強部7rの上面が当接する。これによって、フォーク案内部材8の下方向及び前後方向の移動が規制される。凹部8at3には、短辺部7sが収容される。凹部8at3の上面には、短辺部7sの下面が当接する。これによって、フォーク案内部材8の上方向及び左右方向の移動が規制される。補強部7rは、貫通孔8at2を通じて、短辺部7sに連結されている。
【0017】
フォーク挿入筒部8bは、長辺部7lに沿った方向に離間されて一対設けられている。
図4Cに示すように、フォーク挿入筒部8bは、断面略矩形状であり、上壁8btと、右壁8brと、左壁8blと、下壁8bbを備える。上壁8btには、凹部8bt3が設けられている。凹部8bt3には、長辺部7lが収容される。凹部8at3の上面には長辺部7lの下面が当接する。これによって、フォーク案内部材8の上方向及び前後方向の移動が規制される。
【0018】
以上の構成によって、フォーク案内部材8がフレーム7に対して固定される。補強部7rの両側に短辺部7sが連結された状態では、補強部7rを貫通孔8at2に挿通させることができないので、一対の短辺部7sの少なくとも一方を連結させる前に補強部7rを貫通孔8at2に挿通させ、その後に、補強部7rの両側に一対の短辺部7sを連結させるようにすることが好ましい。例えば、
図4Aに示すように、短辺部7sの一方が連結されていないユニットを予め形成しておき、このユニットをフォーク案内部材8に装着した後に、短辺部7sを連結させてフレーム7を完成させることが好ましい。また、
図8Aに示すように、一対の短辺部7sと一対の長辺部7lを連結した矩形状のユニットを予め形成しておき、
図8Bに示すように補強部7rを貫通孔8at2(
図4Cを参照)に挿通させた後に、補強部7rを短辺部7sに連結させてフレーム7を完成させてもよい。
【0019】
本実施形態では、フレーム7をフォーク案内部材8にネジ止めするのではなく、上記の係合機構によってフレーム7とフォーク案内部材8を互いに固定している。ネジ止めの場合、フォーク案内部材8が薄肉化すると固定強度が著しく低下するが、本実施形態のような係合機構ではフォーク案内部材8を薄肉化しても、必要な強度を維持することができる。
【0020】
図3Aに示すように、フォーク案内部材8は、一対のフォーク挿入筒部8bの間に開口部8cを有する。本実施形態では、フォーク案内部材8が開口部8cによって分断されて2つの部材に分断されているが、開口部8cは、フォーク案内部材8を分断しないように設けてもよい。開口部8cを設けることによって、フォーク案内部材8が軽量化される。
【0021】
図3Bに示すように、フォーク挿入筒部8aの下壁8abには、ハンドリフトのローラが挿通されるローラ挿通部8ab1が設けられている。ハンドリフトでは、フォーク案内部材8が接地された状態でローラとフォークをフォーク挿入筒部8aに挿入した後に、フォークのみを上昇させてフォーク案内部材8を地面から離脱させる。この際にローラ挿通部8ab1を通じてローラを接地させる。
【0022】
図4Cに示すように、フォーク挿入筒部8a,8bの上壁8at,8btの開口端には、上方に向かって立ち上がる立設壁8at5,8bt5が設けられている。フォーク案内部材8をブロー成形で形成する場合、筒の閉塞端を切除することによってフォーク挿入筒部8a,8bを形成するが、閉塞端を切除した際にフォーク挿入筒部8a,8bが変形しやすく、フォーク挿入筒部8a,8bが変形すると、フォームがフォーク挿入筒部8a,8bに接触してフォーク挿入筒部8a,8bが損傷されやすくなるという問題がある。しかし、本実施形態のように、フォーク挿入筒部8a,8bの開口端に立設壁8at5,8bt5を設けることによって、閉塞端の切除時にフォーク挿入筒部8a,8bが変形することが抑制される。
【0023】
<荷重受け台9>
図3に示すように、荷重受け台9は、フレーム7の四隅のそれぞれに配置される。後述するように太陽光パネル2の荷重は、フレーム7の四隅に加わるので、荷重受け台9をフレーム7の四隅に配置すると、フレーム7に加わる荷重を荷重受け台9で受けることができる。荷重受け台9が十分な剛性を有していると、フレーム7に加わる荷重が荷重受け台9に加わったときに荷重受け台9が過度に変形することがないので、フレーム7に加わる荷重がフォーク案内部材8にはほとんど又は全く加わらない。このため、フォーク案内部材8の強度を下げることが可能になる。
【0024】
荷重受け台9は、フォーク案内部材8とは別体であり、フォーク案内部材8とは無関係に材料、形状や肉厚を設定することができる。このため、荷重受け台9は、荷重受け台9に加わる荷重によって必要な強度を有するように構成することができる。また、荷重受け台9は、このましくは、樹脂の射出成形体であり、この場合、肉厚やリブを設ける位置についての設計の自由度が高いので、荷重受け台9が必要な強度を有するように設計することが容易である。
【0025】
図7Aに示すように、荷重受け台9の上面には、L字状の収容凹部9aが設けられている。
図7Bに示すように、収容凹部9a内には爪部9bが設けられている。
図6Aに示すように、フレーム7を収容凹部9aの底に向かって押し付けると、爪部9bが短辺部7sのパイプ内に入り込むことによって、フレーム7が爪部9bに係合する。これによって、フレーム7が荷重受け台9に仮固定される。
【0026】
<コーナーベース部材10>
図2に示すように、コーナーベース部材10は、フレーム7の四隅のそれぞれに配置される。
図6Bに示すように、コーナーベース部材10は、フレーム7の上面に載置されるベース面10aと、ベース面10aから下方向に向かって突出する突起10bを有する。突起10bをフレーム7に当接させることによってコーナーベース部材10をフレーム7に対して位置決めすることができる。本実施形態では、2つの突起10bが設けられており、2つの突起10bを短辺部7sと長辺部7lに当接させることによって、コーナーベース部材10をフレーム7に対して位置決めしている。突起10bは、フレーム7の内側面に当接させることが好ましい。
【0027】
図6Aに示すように、コーナーベース部材10には貫通孔10cが設けられている。フレーム7の四隅のそれぞれには、貫通孔7cが設けられている。荷重受け台9には凹部9cが設けられている。コーナーベース部材10をフレーム7に対して位置決めすると、貫通孔10c、貫通孔7c、及び凹部9cの位置が平面視で重なる。このため、コーナーベース部材10側から貫通孔10c及び貫通孔7cに貫通させたネジ(例:木ネジ)を凹部9cに螺合させることによって、コーナーベース部材10とフレーム7を荷重受け台9に固定することができる。
【0028】
2.太陽光パネル2、コーナー部材4等
図1に示すように、太陽光パネル2は、平面矩形状であり、パネル部2aと、これを取り囲むパネル枠2bを備える。パネル枠2bの四隅のそれぞれには、コーナー部材4が装着される。コーナー部材4を装着した太陽光パネル2を積層すると、コーナー部材4同士が上下方向に当接し、太陽光パネル2同士は非接触な状態となる。このため、コーナー部材4を介して太陽光パネル2の荷重が下方に伝達される。最下層のコーナー部材4は、コーナーベース部材10上に載置されるので、太陽光パネル2の荷重は、コーナーベース部材10を介してフレーム7に伝達される。
【0029】
図1Cに示すように、最上層のコーナー部材4上には、コーナートップ部材5が載置される。コーナートップ部材5には、ゴムバンド6を引っ掛けるバンド引っ掛け凹部5aが設けられている。
図1及び
図4Cに示すように、荷重受け台9及びフォーク挿入筒部8aには、ゴムバンド6が挿入されるバンド挿通口9d,8a1が設けられている。ゴムバンド6は、バンド引っ掛け凹部5a及びバンド挿通口9d,8a1を通過するようにループ状に周回させることによって、搬送時の太陽光パネル2のズレや振動を抑制することができる。
【0030】
図5に示すように、荷重受け台9の底面9eから、フォーク挿入筒部8aに設けられたバンド挿通口8a1の上面8a1tまでの距離をA、バンド挿通口8a1よりもフォーク挿入筒部8aの開口端8a2に近い側においてフォーク挿入筒部8aの上壁8atの内面の最低位置8at4までの距離をB、バンド挿通口9dの上面9dt(本実施形態ではバンド挿通口9dが切り欠きで構成されているので、バンド挿通口9dの上面9dt=フレーム7の下面)までの距離をCとすると、以下の関係が成立することが好ましい。この場合、フォーク挿入筒部8aの開口端から挿入したフォークがゴムバンド6に引っかかることが抑制される。
A≧B(好ましくはA>B)、かつ、C≧B(好ましくはC>B)
【0031】
また、C≧Aであることが好ましい。この場合、ゴムバンド6が上面8a1tに密着するので、フォークがゴムバンド6に引っかかることがさらに抑制される。
【0032】
3.その他の実施形態
・荷重受け台9は、隅以外の部位に配置してもよい。
・荷重受け台9は、射出成形以外の方法(ブロー成形、真空成形)などで形成してもよい。
・荷重受け台9は、樹脂以外の材料(セラミックスや金属)で形成してもよい。
・補強部7rがフォーク案内部材8の上壁8atの上側に当接し、長辺部7lと短辺部7sの少なくとも一方がフォーク案内部材8の上壁8atの下側に当接するように配置してもよい。
・補強部7rは一本のみであってもよい。この場合、補強部7rは、例えば一対のフォーク挿入筒部の中央に配置される。
・補強部7rは、短辺部7sに平行になるように設けてもよい。
・フォーク挿入筒部8a,8bの一方は省略可能である。例えば、フォーク挿入筒部8bが開口しておらず端部が閉塞されていてもよい。
・固定バンドは、太陽光パネル2を固定可能な任意の材料のバンドであってもよい。
・パネル枠を有さない太陽光パネルを搬送してもよい。その場合、パネル枠を有さない太陽光パネルを適切に保持できるように構成されたコーナー部材を用いることが好ましい。
【符号の説明】
【0033】
1 :搬送ユニット
2 :太陽光パネル
2a :パネル部
2b :パネル枠
3 :ベースユニット
4 :コーナー部材
5 :コーナートップ部材
5a :バンド引っ掛け凹部
6 :ゴムバンド
7 :フレーム
7c :貫通孔
7l :長辺部
7r :補強部
7s :短辺部
8 :フォーク案内部材
8a :フォーク挿入筒部
8a1 :バンド挿通口
8a1t :上面
8a2 :開口端
8ab :下壁
8ab1 :ローラ挿通部
8al :左壁
8ar :右壁
8at :上壁
8at1 :凸部
8at2 :貫通孔
8at3 :凹部
8at4 :最低位置
8at5 :立設壁
8b :フォーク挿入筒部
8bb :下壁
8bl :左壁
8br :右壁
8bt :上壁
8bt3 :凹部
8bt5 :立設壁
8c :開口部
9 :荷重受け台
9a :収容凹部
9b :爪部
9c :凹部
9d :バンド挿通口
9dt :上面
9e :底面
10 :コーナーベース部材
10a :ベース面
10b :突起
10c :貫通孔