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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】熱負荷処理システム
(51)【国際特許分類】
   F25B 49/02 20060101AFI20221013BHJP
   F24F 11/36 20180101ALI20221013BHJP
【FI】
F25B49/02 520M
F24F11/36
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018184832
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020051737
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】桃野 俊之
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/073293(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/047278(WO,A1)
【文献】特開平08-061702(JP,A)
【文献】特開2015-224837(JP,A)
【文献】特開2016-191504(JP,A)
【文献】特開2016-211826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 49/02
F24F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器室に設置され、冷媒が流れる冷媒配管(Pb、Pc)及び熱媒体が流れる熱媒体配管(Hb、Hc、Hd)に接続され前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させる熱交換器(33)、を含む熱交換器ユニット(30)と、
前記熱交換器ユニットに配置され、前記熱交換器ユニット内から外部に空気を送る第1ファン(45、46a)と、
前記設備機器室における冷媒漏洩を検出する冷媒漏洩検出部(70、84)と、
前記第1ファンの動作を制御する制御部(80、85)と、
を備え、
前記熱交換器ユニットには、前記熱交換器ユニット内に位置する前記冷媒配管に含まれる最も高い第1部分(A1)よりも低い位置に、前記第1ファンにより前記熱交換器ユニットの底板上に溜まる前記冷媒を吸い込むための吸込口(47a)が配置され、
前記制御部は、前記冷媒漏洩検出部によって冷媒漏洩が検出された場合に、前記第1ファンを駆動させる第1処理を実行
前記熱交換器ユニットには、前記第1ファンが送る前記空気を前記熱交換器ユニットの外部へと排出する排出口(50a)が、前記第1部分よりも高い位置に配置される、
熱負荷処理システム(100、100a)。
【請求項2】
前記第1ファンの本体(46)は、前記第1部分よりも高い位置に配置される、
請求項1に記載の熱負荷処理システム(100、100a)。
【請求項3】
前記熱交換器ユニットは、前記熱交換器の下方に配置され結露水を受けるドレンパン(58)をさらに含み、
前記吸込口は、前記ドレンパンに形成される、又は前記ドレンパン上の空間に配置される、
請求項1又は2に記載の熱負荷処理システム(100、100a)。
【請求項4】
前記熱交換器ユニットに配置される第2ファン(48)をさらに備え、
前記制御部は、前記第1処理において、前記第2ファンも駆動させる、
請求項1からのいずれか1項に記載の熱負荷処理システム(100、100a)。
【請求項5】
前記制御部は、
前記設備機器室において換気を行う換気装置(200)の動作をさらに制御し、
前記第1処理において、前記換気装置の換気量が増大するように前記換気装置を制御する、
請求項1からのいずれか1項に記載の熱負荷処理システム(100、100a)。
【請求項6】
一端に前記吸込口が設けられ、他端に前記第1ファンの吸込側と連通する開口が設けられている流路形成部材を更に備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の熱負荷処理システム(100、100a)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱負荷処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2006-38323号公報)に示されるように、冷媒が流れる冷媒配管及び熱媒体が流れる熱媒体配管に接続され冷媒と熱媒体とを熱交換させる熱交換器、を含む熱交換器ユニットが知られている。特許文献1では、熱交換器ユニットが設備機器室に設置されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような熱交換器ユニットにおいては、微燃性や燃焼性のある冷媒が用いられることが想定される。一方、冷媒配管や熱交換器等の損傷、経年劣化若しくは接続不良等が生じうることから、冷媒漏洩に対する対策が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点に係る熱負荷処理システムは、熱交換器ユニットと、第1ファンと、冷媒漏洩検出部と、制御部と、を備える。熱交換器ユニットは、設備機器室に設置される。熱交換器ユニットは、熱交換器を含む。熱交換器は、冷媒配管及び熱媒体配管に接続される。冷媒配管は、冷媒が流れる配管である。熱媒体配管は、熱媒体が流れる配管である。熱交換器は、冷媒と熱媒体とを熱交換させる。第1ファンは、熱交換器ユニットに配置される。第1ファンは、熱交換器ユニット内から外部に空気を送る。冷媒漏洩検出部は、設備機器室における冷媒漏洩を検出する。制御部は、第1ファンの動作を制御する。熱交換器ユニットには、第1部分よりも低い位置に、吸込口が配置される。第1部分は、熱交換器ユニット内に位置する冷媒配管、に含まれる最も高い部分である。吸込口は、第1ファンが空気を取り込むための開口である。制御部は、冷媒漏洩検出部によって冷媒漏洩が検出された場合に、第1処理を実行する。第1処理は、第1ファンを駆動させる処理である。
【0005】
これにより、熱交換器ユニットにおいて冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩した冷媒が熱交換器ユニットから排出され、熱交換器ユニット内で冷媒の濃度が高まることが抑制される。特に、第1ファンの吸込口が熱交換器ユニット内に位置する冷媒配管に含まれる最も高い部分よりも低い位置に配置されることで、空気よりも比重が大きい冷媒が漏洩した場合に、熱交換器ユニットからの排出が促進される。
【0006】
ここでの「設備機器室」は、人が出入りし滞在可能な空間であって熱交換器が設置される空間である。例えば「設備機器室」は、配電盤や発電機等の電気設備、又は冷凍機若しくはボイラー等の冷熱機器等が配置される空間である。例えば「設備機器室」は、地下室等の人が歩行可能な空間である。
【0007】
ここでの「冷媒漏洩検出部」は、冷媒回路から漏洩した冷媒(漏洩冷媒)を直接的に検出する冷媒漏洩センサや、冷媒回路内の冷媒の状態(圧力又は温度)を検出する圧力センサ又は温度センサ、及び/又はそれらの検出値に基づき冷媒漏洩の有無を判定するコンピュータである。
【0008】
ここでの「吸込口」は、第1ファンが熱交換器ユニット内において空気を取り込むための開口である限り、配置態様や構成態様については特に限定されないが、例えば、第1ファンにダクトやホース等の流路形成部材が含まれている場合には、「吸込口」は流路形成部材に配置される。また例えば、「吸込口」は、第1ファンの本体部分に形成される。例えば、「吸込口」は、第1ファンの羽根車近傍に配置される。
【0009】
第2観点に係る熱負荷処理システムは、第1観点に係る熱負荷処理システムであって、熱交換器ユニットには、排出口が配置される。排出口は、第1ファンが送る空気を排出するための開口である。排出口は、第1部分よりも高い位置に配置される。これにより、冷媒漏洩時に漏洩した冷媒を、熱交換器ユニットの下方から上方に送り排出することが可能となる。よって、熱交換器ユニットの下部で冷媒が滞留することが抑制される。
【0010】
第3観点に係る熱負荷処理システムは、第1観点又は第2観点に係る熱負荷処理システムであって、第1ファンの本体は、第1部分よりも高い位置に配置される。これにより、第1ファンの本体が熱交換器ユニット内に位置する冷媒配管に含まれる最も高い部分(第1部分)よりも高い位置に配置される場合に、冷媒漏洩時に、漏洩した冷媒が熱交換器ユニットから排出されることが促進される。なお、ここでの「第1ファンの本体」は、第1ファンの羽根車を含む部分である。
【0011】
第4観点に係る熱負荷処理システムは、第1観点から第3観点のいずれかに係る熱負荷処理システムであって、熱交換器ユニットは、ドレンパンをさらに含む。ドレンパンは、熱交換器の下方に配置される。ドレンパンは、結露水を受ける。吸込口は、ドレンパンに形成される、又はドレンパン上の空間に配置される。これにより、熱交換器ユニットにおいて冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩した冷媒が熱交換器ユニットから排出されることが促進される。特に、空気よりも比重が大きい冷媒が漏洩した場合に、熱交換器ユニットからの排出が促進される。
【0012】
第5観点に係る熱負荷処理システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る熱負荷処理システムであって、第2ファンをさらに備える。第2ファンは、熱交換器ユニットに配置される。制御部は、第1処理において、第2ファンも駆動させる。これにより、熱交換器ユニットにおいて冷媒漏洩が生じた場合に、熱交換器ユニット内で濃度が高まることがさらに抑制される。
【0013】
第6観点に係る熱負荷処理システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る熱負荷処理システムであって、制御部は、換気装置の動作をさらに制御する。換気装置は、設備機器室において換気を行う。制御部は、第1処理において、換気装置の換気量が増大するように換気装置を制御する。これにより、熱交換器ユニットにおいて冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩した冷媒が熱交換器ユニットから設備機器室に流れ、設備機器室から他の空間へ排出することが促進される。
【0014】
なお、ここでの「換気装置」は、設備機器室において換気を行うための装置である限り特に限定されないが、例えば空気流を生成するファン、又は開閉制御可能なドア、窓若しくはシャッタ等のアクチュエータを含む装置である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】熱負荷処理システムの概略構成図。
図2】冷媒回路で使用される冷媒の具体例を示した模式図。
図3】熱負荷処理システムの設置態様を示した模式図。
図4】熱交換器ユニットが設置される設備機器室の概略平面図。
図5】熱交換器ユニットの斜視図。
図6】平面視におけるケーシング内の機器の配置態様を示した模式図。
図7】側面視におけるケーシング内の機器の配置態様を示した模式図。
図8】正面視におけるケーシング内の機器の配置態様を示した模式図。
図9】平面視における底板の模式図。
図10】側面視における底板の模式図。
図11】ケーシングにおける排気ファンユニット及び冷却ファンの配置態様を概略的に示した模式図。
図12】コントローラと、コントローラに接続される各部と、を概略的に示したブロック図。
図13】コントローラの処理の流れの一例を示したフローチャート。
図14】変形例1に係る熱交換器ユニットの斜視図。
図15】変形例1に係る熱交換器ユニット内における機器の配置態様を、平面視で示した模式図。
図16】変形例1に係る熱交換器ユニット内における機器の配置態様を、正面視で示した模式図。
図17】変形例1に係る熱交換器ユニット内における機器の配置態様を、側面視で示した模式図。
図18】変形例1に係る熱負荷処理システムの構成態様を概略的に示した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本開示の一実施形態に係る熱負荷処理システム100について説明する。なお、以下の実施形態は、具体例であって、技術的範囲を限定するものではなく、要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、以下の説明では、「上」、「下」、「左」、「右」、「前(正面)」、「後(背面)」等の方向を示す表現を用いる場合がある。特に断りのない場合、これらの方向は、図中に矢印で示した方向を示している。なお、これらの方向に関する表現は、あくまでも実施形態の理解を容易にするために用いるものであり、本開示に係る思想を特に限定するものではない。
【0017】
(1)熱負荷処理システム100
図1は、熱負荷処理システム100の概略構成図である。熱負荷処理システム100は、設置環境において熱負荷を処理するためのシステムである。本実施形態において、熱負荷処理システム100は、対象空間の空気調和を行う空調システムである。
【0018】
熱負荷処理システム100は、主として、複数(ここでは4台)の熱源側ユニット10と、熱交換器ユニット30と、複数(ここでは4台)の利用側ユニット60と、複数(ここでは4本)の液側連絡管LPと、複数(ここでは4本)のガス側連絡管GPと、第1熱媒体連絡管H1及び第2熱媒体連絡管H2と、冷媒漏洩センサ70と、熱負荷処理システム100の動作を制御するコントローラ80と、を有している。
【0019】
熱負荷処理システム100では、熱源側ユニット10及び熱交換器ユニット30が液側連絡管LP及びガス側連絡管GPで接続されることで冷媒が循環する冷媒回路RCが構成されている。熱負荷処理システム100では、複数の熱源側ユニット10が並列に配置されていることに関連して、複数(ここでは4つ)の冷媒回路RCが構成されている。換言すると、熱負荷処理システム100では、複数の熱源側ユニット10及び熱交換器ユニット30によって複数の冷媒回路RCが構成されている。熱負荷処理システム100は、各冷媒回路RCにおいて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
【0020】
本実施形態では、冷媒回路RCに封入される冷媒は、可燃性の冷媒である。なお、ここでは、可燃性の冷媒には、米国のASHRAE34 Designation and safety classification of refrigerantの規格又はISO817 Refrigerants- Designation and safety classificationの規格でClass3(強燃性)、Class2(弱燃性)、Subclass2L(微燃性)に該当する冷媒を含む。例えば、本実施形態で使用される冷媒の具体例を図2に示す。図2中の“ASHRAE Number”はISO817で定められた冷媒のアシュレイ番号を、“成分”は冷媒に含まれる物質のアシュレイ番号を、“質量%”は冷媒に含まれる各物質の質量パーセント濃度を、“Alternative”は、その冷媒によって代替されることの多い冷媒の物質の名称を示す。特に本実施形態では、使用される冷媒はR32とする。なお、冷媒回路RCに封入される冷媒については、図2に示されない冷媒であってもよく、例えばCO冷媒や、アンモニア等の毒性のある冷媒であってもよい。また、各冷媒回路RCに封入されている冷媒は、必ずしも同一でなくともよい。
【0021】
熱負荷処理システム100では、熱交換器ユニット30及び利用側ユニット60が第1熱媒体連絡管H1及び第2熱媒体連絡管H2で接続されることで、熱媒体が循環する熱媒体回路HCが構成されている。換言すると、熱負荷処理システム100では、熱交換器ユニット30及び利用側ユニット60によって熱媒体回路HCが構成されている。熱媒体回路HCにおいては、熱交換器ユニット30のポンプ36(後述)が駆動することによって熱媒体が循環する。
【0022】
本実施形態では、熱媒体回路HCに封入される熱媒体は、例えば、水やブラインなどの液媒体である。ブラインは、例えば、塩化ナトリウム水溶液、塩化カルシウム水溶液、エチレングリコール水溶液や、プロピレングリコール水溶液等を含む。なお、液媒体の種類はここに例示したものに限定されるものではなく、適宜選択されればよい。特に本実施形態では、熱媒体としてブラインが使用されるものとする。
【0023】
(2)詳細構成
(2-1)熱源側ユニット10
本実施形態では、熱負荷処理システム100は、4台の熱源側ユニット10を有する(図1参照)。そして、熱交換器ユニット30は、4台の熱源側ユニット10において冷却/加熱された冷媒で、液媒体を冷却/加熱する。ただし、熱源側ユニット10の台数は例示であって、その台数は4台に限定されるものではない。熱源側ユニット10は、1~3台であってもよいし、5台以上であってもよい。なお、図1では、4台の熱源側ユニット10のうち1台についてのみ内部構成を描画し、他の3台の内部構成の描画は省略している。描画を省略した熱源側ユニット10についても、以下で説明する熱源側ユニット10と同様の構成を有する。
【0024】
熱源側ユニット10は、空気を熱源として、冷媒を冷却又は加熱するユニットである。各熱源側ユニット10は、液側連絡管LP及びガス側連絡管GPを介して熱交換器ユニット30に個別に接続されている。換言すると、各熱源側ユニット10は、熱交換器ユニット30と共に、個別に冷媒回路RCを構成する。すなわち、熱負荷処理システム100では、複数(ここでは4台)の熱源側ユニット10と、熱交換器ユニット30と、が個別に接続されることで、複数(ここでは4つ)の冷媒回路RCが構成されている。なお、各冷媒回路RCは、分離しており連通していない。
【0025】
熱源側ユニット10は、設置場所を限定されるものではないが、例えば屋上や建物の周辺のスペース等に設置される。熱源側ユニット10は、液側連絡管LP、ガス側連絡管GPを介して熱交換器ユニット30と接続されており、冷媒回路RCの一部を構成している。
【0026】
熱源側ユニット10は、冷媒回路RCを構成する機器として、主として、複数の冷媒配管(第1配管P1-第11配管P11)と、圧縮機11と、アキュームレータ12と、四路切換弁13と、熱源側熱交換器14と、過冷却器15と、熱源側第1制御弁16と、熱源側第2制御弁17と、液側閉鎖弁18と、ガス側閉鎖弁19と、を有している。
【0027】
第1配管P1は、ガス側閉鎖弁19と、四路切換弁13の第1ポートと、を接続する。第2配管P2は、アキュームレータ12の入口ポートと、四路切換弁13の第2ポートと、を接続する。第3配管P3は、アキュームレータ12の出口ポートと、圧縮機11の吸入ポートと、を接続する。第4配管P4は、圧縮機11の吐出ポートと、四路切換弁13の第3ポートと、を接続する。第5配管P5は、四路切換弁13の第4ポートと、熱源側熱交換器14のガス側出入口と、を接続する。第6配管P6は、熱源側熱交換器14の液側出入口と、熱源側第1制御弁16の一端と、を接続する。第7配管P7は、熱源側第1制御弁16の他端と、過冷却器15のメイン流路151の一端と、を接続する。第8配管P8は、過冷却器15のメイン流路151の他端と、液側閉鎖弁18の一端と、を接続する。
【0028】
第9配管P9は、第6配管P6の両端間の部分と、熱源側第2制御弁17の一端と、を接続する。第10配管P10は、熱源側第2制御弁17の他端と、過冷却器15のサブ流路152の一端と、を接続する。第11配管P11は、過冷却器15のサブ流路152の他端と、圧縮機11のインジェクションポートと、を接続する。
【0029】
なお、これらの冷媒配管(P1―P11)は、実際には、単一の配管で構成されてもよいし、継手等を介して複数の配管が接続されることで構成されてもよい。
【0030】
圧縮機11は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機器である。本実施形態では、圧縮機11は、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素が圧縮機モータ(図示省略)によって回転駆動される密閉式構造を有している。圧縮機モータは、インバータにより運転周波数の制御が可能である。すなわち、圧縮機11は、容量制御可能に構成されている。但し、圧縮機11は、容量が一定の圧縮機であってもよい。
【0031】
アキュームレータ12は、圧縮機11に液冷媒が過度に吸入されることを抑制するための容器である。アキュームレータ12は、冷媒回路RCに充填されている冷媒量に応じて所定の容積を有している。
【0032】
四路切換弁13は、冷媒回路RCにおける冷媒の流れを切り換えるための流路切換機構である。四路切換弁13は、正サイクル状態と逆サイクル状態とを切り換えられる。四路切換弁13は、正サイクル状態となると、第1ポート(第1配管P1)と第2ポート(第2配管P2)とを連通させるとともに第3ポート(第4配管P4)と第4ポート(第5配管P5)とを連通させる(図1の四路切換弁13の実線を参照)。四路切換弁13は、逆サイクル状態となると、第1ポート(第1配管P1)と第3ポート(第4配管P4)とを連通させるとともに第2ポート(第2配管P2)と第4ポート(第5配管P5)とを連通させる(図1の四路切換弁13の破線を参照)。
【0033】
熱源側熱交換器14は、冷媒の凝縮器(又は放熱器)又は蒸発器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器14は、正サイクル運転(四路切換弁13が正サイクル状態にある運転)時には、冷媒の凝縮器として機能する。また、熱源側熱交換器14は、逆サイクル運転(四路切換弁13が逆サイクル状態にある運転)時には、冷媒の蒸発器として機能する。熱源側熱交換器14は、複数の伝熱管と、伝熱フィンと、を含む(図示省略)。熱源側熱交換器14は、伝熱管内の冷媒と、伝熱管又は伝熱フィンの周囲を通過する空気(後述の熱源側空気流)と、の間で熱交換が行われるように構成されている。
【0034】
過冷却器15は、流入する冷媒を過冷却状態の液冷媒とする熱交換器である。過冷却器15は、例えば二重管熱交換器であり、過冷却器15にはメイン流路151とサブ流路152とが構成されている。過冷却器15は、メイン流路151及びサブ流路152を流れる冷媒が熱交換を行うように構成されている。
【0035】
熱源側第1制御弁16は、開度制御が可能な電子膨張弁であり、開度に応じて流入する冷媒を減圧する又は流量調節する。熱源側第1制御弁16は、開状態と閉状態とを切換可能である。熱源側第1制御弁16は、熱源側熱交換器14と過冷却器15(メイン流路151)との間に配置されている。
【0036】
熱源側第2制御弁17は、開度制御が可能な電子膨張弁であり、開度に応じて流入する冷媒を減圧する又は流量調節する。熱源側第2制御弁17は、開状態と閉状態とを切換可能である。熱源側第2制御弁17は、熱源側熱交換器14と過冷却器15(サブ流路152)との間に配置されている。
【0037】
液側閉鎖弁18は、第8配管P8と液側連絡管LPとの接続部分に配置された手動弁である。液側閉鎖弁18は、一端が第8配管P8に接続され他端が液側連絡管LPに接続されている。
【0038】
ガス側閉鎖弁19は、第1配管P1とガス側連絡管GPとの接続部分に配置された手動弁である。ガス側閉鎖弁19は、一端が第1配管P1に接続され他端がガス側連絡管GPに接続されている。
【0039】
また、熱源側ユニット10は、熱源側熱交換器14を通過する熱源側空気流を生成する熱源側ファン20を有している。熱源側ファン20は、熱源側熱交換器14を流れる冷媒の冷却源又は加熱源としての熱源側空気流を熱源側熱交換器14に供給する送風機である。熱源側ファン20は、駆動源である熱源側ファンモータ(図示省略)を含み、状況に応じて発停及び回転数を適宜制御される。
【0040】
また、熱源側ユニット10には、冷媒回路RC内の冷媒の状態(主に圧力又は温度)を検出するための複数の熱源側センサS1(図12参照)が配置されている。熱源側センサS1は、圧力センサや、サーミスタ又は熱電対等の温度センサである。熱源側センサS1には、例えば、圧縮機11の吸入側(第3配管P3)における冷媒の温度(吸入温度)を検出する第1温度センサ21、又は圧縮機11の吐出側(第4配管P4)における冷媒の温度(吐出温度)を検出する第2温度センサ22が含まれている。また、熱源側センサS1には、例えば、熱源側熱交換器14の液側(第6配管P6)の冷媒の温度を検出する第3温度センサ23、第8配管P8における冷媒の温度を検出する第4温度センサ24、又は第11配管P11における冷媒の温度を検出する第5温度センサ25が含まれている。また、熱源側センサS1には、例えば、圧縮機11の吸入側(第2配管P2)における冷媒の圧力(吸入圧力)を検出する第1圧力センサ27、圧縮機11の吐出側(第4配管P4)における冷媒の圧力(吐出圧力)を検出する第2圧力センサ28が含まれている。
【0041】
また、熱源側ユニット10は、熱源側ユニット10に含まれる各機器の動作・状態を制御する熱源側ユニット制御部29を有している。熱源側ユニット制御部29は、その機能を実行するために、各種電気回路や、マイクロプロセッサやマイクロプロセッサが実行するプログラムが記憶されたメモリチップを有するマイクロコンピュータ等を有している。熱源側ユニット制御部29は、熱源側ユニット10に含まれる各機器(11、13、16、17、20等)や熱源側センサS1と電気的に接続されており、互いに信号の入出力を行う。また、熱源側ユニット制御部29は、熱交換器ユニット30の熱交換器ユニット制御部49(後述)等と通信線を介して電気的に接続されており、互いに制御信号の送受信を行う。
【0042】
(2-2)熱交換器ユニット30
熱交換器ユニット30は、熱媒体と冷媒とを熱交換させることで、熱媒体の冷却及び加熱の少なくとも一方を行う機器である。本実施形態では、熱交換器ユニット30は、熱媒体と冷媒とを熱交換させることで、熱媒体の冷却及び加熱を行う。熱交換器ユニット30で液冷媒により冷却又は加熱された熱媒体は、利用側ユニット60へと送られる。
【0043】
熱交換器ユニット30は、利用側ユニット60へと送られる熱媒体と冷媒とを熱交換させることで、熱媒体の冷却又は加熱を行うユニットである。熱交換器ユニット30は、設置場所を限定されるものではないが、例えば設備機器室等の室内に設置される。熱交換器ユニット30は、各冷媒回路RCを構成する機器として、熱源側ユニット10の数(冷媒回路RCの数)と同数(ここでは4つ)の、複数の冷媒配管(冷媒配管Pa、Pb、Pc、Pd)、膨張弁31、及び開閉弁32を有している。また、熱交換器ユニット30は、各冷媒回路RC及び熱媒体回路HCを構成する機器として、熱交換器33を有している。
【0044】
冷媒配管Paは、液側連絡管LPと、膨張弁31の一端と、を接続する。冷媒配管Pbは、膨張弁31の他端と、熱交換器33の一の液側冷媒出入口と、を接続する。冷媒配管Pcは、熱交換器33の一のガス側冷媒出入口と、開閉弁32の一端と、を接続する。冷媒配管Pdは、開閉弁32の他端と、ガス側連絡管GPと、を接続する。なお、これらの冷媒配管(Pa―Pd)は、実際には、単一の配管で構成されてもよいし、継手等を介して複数の配管が接続されることで構成されてもよい。
【0045】
膨張弁31は、開度制御が可能な電子膨張弁であり、開度に応じて流入する冷媒を減圧する又は流量調節する。膨張弁31は、開状態と閉状態とを切換可能である。膨張弁31は、熱交換器33と液側連絡管LPとの間に配置されている。
【0046】
開閉弁32は、開状態と閉状態とを切換可能な制御弁である。開閉弁32は、閉状態時に冷媒を遮断する。開閉弁32は、熱交換器33とガス側連絡管GPとの間に配置されている。
【0047】
熱交換器33には、冷媒回路RCを流れる冷媒の流路(冷媒流路RP)が複数形成されている。熱交換器33において、各冷媒流路RPは、他の冷媒流路RPと連通していない。これに関連して、熱交換器33においては、冷媒流路RPの液側出入口及びガス側出入口が、それぞれ冷媒流路RPの数と同数(ここでは4つ)形成されている。また、熱交換器33には、熱媒体回路HCを流れる熱媒体の流路(熱媒体流路HP)が形成されている。
【0048】
より具体的に、熱交換器33は、第1熱交換器34及び第2熱交換器35を含んでいる。第1熱交換器34及び第2熱交換器35は、別体として構成されている。第1熱交換器34及び第2熱交換器35においては、分離した2つの冷媒流路RPがそれぞれ形成されている。第1熱交換器34及び第2熱交換器35では、各冷媒流路RPの一端が、対応する冷媒回路RCの冷媒配管Pbに接続されており、各冷媒流路RPの他端が対応する冷媒回路RCの冷媒配管Pcに接続されている。第1熱交換器34では、熱媒体流路HPの一端が後述の熱媒体配管Hbに接続されており、熱媒体流路HPの他端が後述の熱媒体配管Hcに接続されている。第2熱交換器35では、熱媒体流路HPの一端が後述のHcに接続されており、熱媒体流路HPの他端が後述の熱媒体配管Hdに接続されている。第1熱交換器34及び第2熱交換器35の熱媒体流路HPは、熱媒体回路HCにおいて直列に並んでいる。第1熱交換器34及び第2熱交換器35は、各冷媒流路RP(冷媒回路RC)を流れる冷媒と、熱媒体流路HP(熱媒体回路HC)を流れる熱媒体と、で熱交換が行われるように構成されている。
【0049】
また、熱交換器ユニット30は、熱媒体回路HCを構成する機器として、複数の熱媒体配管(熱媒体配管Ha、Hb、Hc、Hd)、及びポンプ36をさらに有している。
【0050】
熱媒体配管Haは、一端が第1熱媒体連絡管H1に接続され、他端がポンプ36の吸入側ポートに接続されている。熱媒体配管Hbは、一端がポンプ36の吐出側ポートに接続され、他端が第1熱交換器34の熱媒体流路HPの一端に接続されている。熱媒体配管Hcは、一端が第1熱交換器34の熱媒体流路HPの他端に接続され、他端が第2熱交換器35の熱媒体流路HPの一端に接続されている。熱媒体配管Hdは、一端が第2熱交換器35の熱媒体流路HPの他端に接続され、他端が第2熱媒体連絡管H2に接続されている。なお、これらの熱媒体配管(Ha―Hd)は、実際には、単一の配管で構成されてもよいし、継手等を介して複数の配管が接続されることで構成されてもよい。
【0051】
ポンプ36は、熱媒体回路HCに配置されている。ポンプ36は、運転中、熱媒体を吸引して吐出する。ポンプ36は、駆動源であるモータを含み、モータをインバータ制御されることで回転数を調整される。すなわち、ポンプ36は、吐出流量可変である。なお、熱交換器ユニット30は、熱媒体回路HCにおいて直列又は並列に接続された複数台のポンプ36を有してもよい。また、ポンプ36は、定量ポンプであってもよい。
【0052】
また、熱交換器ユニット30には、冷媒回路RC内の冷媒の状態(主に圧力又は温度)を検出するための複数の熱交換器ユニットセンサS2(図12参照)が配置されている。熱交換器ユニットセンサS2は、圧力センサや、サーミスタ又は熱電対等の温度センサである。熱交換器ユニットセンサS2には、例えば、熱交換器33(冷媒流路RP)の液側(冷媒配管Pb)における冷媒の温度を検出する第6温度センサ41、及び熱交換器33(冷媒流路RP)のガス側(冷媒配管Pc)における冷媒の温度を検出する第7温度センサ42が含まれている。また、熱交換器ユニットセンサS2には、例えば、熱交換器33(冷媒流路RP)の液側(冷媒配管Pb)における冷媒の圧力を検出する第3圧力センサ43、及び熱交換器33(冷媒流路RP)のガス側(冷媒配管Pc)における冷媒の圧力を検出する第4圧力センサ44が含まれている。
【0053】
また、熱交換器ユニット30には、熱交換器ユニット30(冷媒回路RC)において冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩冷媒を熱交換器ユニット30から排出させるための排気ファンユニット45(特許請求の範囲記載の「第1ファン」に相当)を有している。排気ファンユニット45は、熱交換器ユニット30内から外部に空気を送る。排気ファンユニット45は、排気ファン46(特許請求の範囲記載の「第1ファンの本体」に相当)を含む。排気ファン46は、駆動源(例えばファンモータ等)に連動して駆動する。排気ファン46は、駆動すると、熱交換器ユニット30内から外部(ここでは後述の設備機器室R)へ流出する第1空気流AF1を生成する。排気ファン46の種別は、特に限定されないが、例えばシロッコファンやプロペラファンである。また、排気ファンユニット45は、第1空気流AF1の流路を形成する流路形成部材47を含む(図11参照)。流路形成部材47は、第1空気流AF1の空気流路を形成する部材である限り特に限定されないが、例えばダクトやホース等である。流路形成部材47には、排気ファンユニット45が空気を取り込むための吸込口(吸込口47a)が形成されている(図10図11参照)。
【0054】
また、熱交換器ユニット30には、冷却ファン48(特許請求の範囲記載の「第2ファン」に相当)を有している。冷却ファン48は、駆動源(例えばファンモータ等)に連動して駆動する。冷却ファン48は、駆動すると、熱交換器ユニット30内に配置される電気部品(発熱部品)を冷却するための第2空気流AF2を生成する。冷却ファン48は、第2空気流AF2が発熱部品の周囲を通過して熱交換を行った後に熱交換器ユニット30内から外部(ここでは後述の設備機器室R)へ流出するように、配置される。冷却ファン48の種別は、特に限定されないが、例えばシロッコファンやプロペラファンである。
【0055】
また、熱交換器ユニット30は、熱交換器ユニット30に含まれる各機器の動作・状態を制御する熱交換器ユニット制御部49を有している。熱交換器ユニット制御部49は、その機能を実行するために、マイクロプロセッサ及びマイクロプロセッサが実行するプログラムが記憶されたメモリチップを有するマイクロコンピュータや、各種電気部品等を有している。熱交換器ユニット制御部49は、熱交換器ユニット30に含まれる各機器(31、32、36、46、48等)や熱交換器ユニットセンサS2と電気的に接続されており、互いに信号の入出力を行う。また、熱交換器ユニット制御部49は、熱源側ユニット制御部29、利用側ユニット60内に配置される制御部(図示省略)、又はリモコン(図示省略)等と、通信線を介して電気的に接続されており、互いに制御信号の送受信を行う。熱交換器ユニット制御部49に含まれる電気部品は、冷却ファン48によって生成される第2空気流AF2によって冷却される。
【0056】
(2-3)利用側ユニット60
利用側ユニット60は、熱交換器ユニット30で冷却/加熱された熱媒体を、利用する設備である。各利用側ユニット60は、第1熱媒体連絡管H1や第2熱媒体連絡管H2等を介して、熱交換器ユニット30と接続されている。利用側ユニット60は、熱交換器ユニット30とともに熱媒体回路HCを構成する。
【0057】
本実施形態において、利用側ユニット60は、熱交換器ユニット30で冷却/加熱された熱媒体と空気とを熱交換させて空調を行う、エアハンドリングユニットやファンコイルユニットである。
【0058】
図1では、利用側ユニット60を1つだけ図示している。ただし、熱負荷処理システム100には複数の利用側ユニットが含まれ、熱交換器ユニット30で冷却/加熱された熱媒体は、分岐して複数の利用側ユニットへと送られてもよい。また、熱負荷処理システム100に複数の利用側ユニットが含まれる場合、複数の利用側ユニットの種類は全て同一であってもよいし、複数の利用側ユニットには複数の種類の設備が含まれてもよい。
【0059】
(2-4)液側連絡管LP、ガス側連絡管GP
各液側連絡管LP及び各ガス側連絡管GPは、熱交換器ユニット30と、対応する熱源側ユニット10と、を接続して冷媒の流路を構成する。液側連絡管LP及びガス側連絡管GPは、設置現場において施工される。なお、液側連絡管LP又はガス側連絡管GPは、実際には、単一の配管で構成されてもよいし、継手等を介して複数の配管が接続されることで構成されてもよい。
【0060】
(2-5)第1熱媒体連絡管H1、第2熱媒体連絡管H2
第1熱媒体連絡管H1及び第2熱媒体連絡管H2は、熱交換器ユニット30と、対応する利用側ユニット60と、の間を接続して熱媒体の流路を構成する。第1熱媒体連絡管H1及び第2熱媒体連絡管H2は、設置現場において施工される。なお、第1熱媒体連絡管H1又は第2熱媒体連絡管H2は、実際には、単一の配管で構成されてもよいし、継手等を介して複数の配管が接続されることで構成されてもよい。
【0061】
(2-6)冷媒漏洩センサ70
冷媒漏洩センサ70は、熱交換器ユニット30が配置される空間(ここでは後述の設備機器室R)における冷媒漏洩を検知するためのセンサである。より具体的には、冷媒漏洩センサ70は、熱交換器ユニット30における漏洩冷媒を検出する。本実施形態では、冷媒漏洩センサ70は、冷媒回路RCに封入されている冷媒の種別に応じて公知の汎用品が用いられている。冷媒漏洩センサ70は、熱交換器ユニット30が配置される空間に配置されている。本実施形態においては、冷媒漏洩センサ70は、熱交換器ユニット30内に配置されている。
【0062】
冷媒漏洩センサ70は、継続的又は間欠的にコントローラ80に対して、検出値に応じた電気信号(冷媒漏洩センサ検出信号)を出力している。より詳細には、冷媒漏洩センサ70から出力される冷媒漏洩センサ検出信号は、冷媒漏洩センサ70によって検出される冷媒の濃度に応じて電圧が変化する。換言すると、冷媒漏洩センサ検出信号は、冷媒回路RCにおける冷媒漏洩の有無に加えて、冷媒漏洩センサ70が設置される空間における漏洩冷媒の濃度(より詳細には冷媒漏洩センサ70が検出した冷媒の濃度)を特定可能な態様でコントローラ80へ出力される。すなわち、冷媒漏洩センサ70は、冷媒回路RCから流出する冷媒(より詳細には冷媒の濃度)を直接的に検出することで熱交換器ユニット30(設備機器室R)における漏洩冷媒を検出する「冷媒漏洩検出部」に相当する。
【0063】
(2-7)コントローラ80
コントローラ80は、各機器の状態を制御することで熱負荷処理システム100の動作を制御するコンピュータである。本実施形態において、コントローラ80は、熱源側ユニット制御部29、熱交換器ユニット制御部49、及びこれらに接続される機器(例えば利用側ユニット内に配置される制御部やリモコン)が通信線を介して接続されることで構成されている。すなわち、本実施形態において、コントローラ80は、熱源側ユニット制御部29、熱交換器ユニット制御部49、及びこれらに接続される機器が協働することで実現される。コントローラ80の詳細については、後述する。
【0064】
(3)運転時における冷媒及び熱媒体の流れ
以下、冷媒回路RCにおける冷媒の流れ及び熱媒体回路HCにおける熱媒体の流れについて説明する。熱負荷処理システム100では、主として、正サイクル運転と逆サイクル運転が行われる。正サイクル運転は、冷媒回路RCを循環する冷媒によって、熱媒体回路HCを循環する熱媒体を冷却し、冷却された熱媒体によって被冷却対象(熱負荷)を冷却する運転である。逆サイクル運転は、冷媒回路RCを循環する冷媒によって、熱媒体回路HCを循環する熱媒体を加熱し、加熱された熱媒体によって被加熱対象(熱負荷)を加熱する運転である。各運転においては、熱負荷に応じて、運転させる熱源側ユニット10が適宜選択される。各運転において、運転中の熱源側ユニット10の圧縮機11及び熱源側ファン20、及び熱交換器ユニット30のポンプ36は、回転数を適宜調整される。
【0065】
(3-1)正サイクル運転時の流れ
正サイクル運転時には、四路切換弁13が正サイクル状態に制御される。正サイクル運転が開始されると、運転中の熱源側ユニット10(冷媒回路RC)において、冷媒が圧縮機11に吸入されて圧縮された後に吐出される。圧縮機11から吐出されたガス冷媒は、熱源側熱交換器14に流入する。
【0066】
熱源側熱交換器14に流入したガス冷媒は、熱源側熱交換器14において、熱源側ファン20によって送られる熱源側空気流と熱交換を行い凝縮(又は放熱)する。熱源側熱交換器14から流出した冷媒は、第6配管P6を流れる過程で分岐する。
【0067】
第6配管P6を流れる過程で分岐した一方の冷媒は、熱源側第1制御弁16に流入し、熱源側第1制御弁16の開度に応じて減圧又は流量調整された後、過冷却器15のメイン流路151に流入する。過冷却器15のメイン流路151に流入した冷媒は、サブ流路152を流れる冷媒と熱交換を行ってさらに冷却されて過冷却状態の液冷媒になる。過冷却器15のメイン流路151から流出した液冷媒は、熱源側ユニット10から流出し、液側連絡管LPを経て熱交換器ユニット30に流入する。
【0068】
第6配管P6を流れる過程で分岐した他方の冷媒は、熱源側第2制御弁17に流入し、熱源側第2制御弁17の開度に応じて減圧又は流量調整された後、過冷却器15のサブ流路152に流入する。過冷却器15のサブ流路152に流入した冷媒は、メイン流路151を流れる冷媒と熱交換を行った後、第11配管P11を経て圧縮機11内にインジェクションされる。
【0069】
熱交換器ユニット30に流入した冷媒は、対応する冷媒配管Paを経て膨張弁31に流入し、膨張弁31の開度に応じて冷凍サイクルにおける低圧になるまで減圧された後、熱交換器33の対応する冷媒流路RPに流入する。熱交換器33の冷媒流路RPに流入した冷媒は、熱媒体流路HPを流れる熱媒体と熱交換を行うことで蒸発して、熱交換器33から流出する。熱交換器33から流出した冷媒は、冷媒配管Pc及びPd等を経て熱交換器ユニット30から流出する。
【0070】
熱交換器ユニット30から流出した冷媒は、ガス側連絡管GPを経て、熱源側ユニット10に流入する。熱源側ユニット10に流入した冷媒は、第1配管P1及び第2配管P2等を経て、アキュームレータ12に流入する。アキュームレータ12に流入した冷媒は、一時的に溜められた後、再び圧縮機11に吸入される。
【0071】
熱媒体回路HCでは、ポンプ36によって、第1熱媒体連絡管H1から熱媒体が熱交換器33の熱媒体流路HPへ送られる。熱媒体流路HPに送られた熱媒体は、冷媒流路RPを流れる冷媒と熱交換を行うことで冷却され、熱交換器33から流出する。熱交換器33から流出した熱媒体は、熱媒体配管Hd等を経て熱交換器ユニット30から流出する。
【0072】
熱交換器ユニット30から流出した熱媒体は、第2熱媒体連絡管H2等を経て、運転中の利用側ユニット60に送られる。利用側ユニット60に送られた熱媒体は、所定の被冷却対象(ここでは後述の居住空間SPの空気)と熱交換を行うことで加熱され、利用側ユニット60から流出する。利用側ユニット60から流出した熱媒体は、第1熱媒体連絡管H1等を経て熱交換器ユニット30に再び流入する。
【0073】
(3-2)逆サイクル運転時の流れ
逆サイクル運転時には、四路切換弁13が逆サイクル状態に制御される。逆サイクル運転が開始されると、運転中の熱源側ユニット10(冷媒回路RC)において、冷媒が圧縮機11に吸入されて圧縮された後に吐出される。圧縮機11から吐出されたガス冷媒は、第4配管P4及び第1配管P1等を経て熱源側ユニット10から流出する。
【0074】
熱源側ユニット10から流出した冷媒は、ガス側連絡管GPを経て熱交換器ユニット30に流入する。熱交換器ユニット30に流入した冷媒は、対応する冷媒配管Pd及びPc等を経て、熱交換器33の対応する冷媒流路RPに流入する。熱交換器33の冷媒流路RPに流入した冷媒は、熱媒体流路HPを流れる熱媒体と熱交換を行うことで凝縮(又は放熱)して、熱交換器33から流出する。
【0075】
熱交換器33から流出した冷媒は、冷媒配管Pb等を経て膨張弁31に流入し、膨張弁31の開度に応じて冷凍サイクルにおける低圧になるまで減圧された後、冷媒配管Pa等を経て熱交換器ユニット30から流出する。
【0076】
熱交換器ユニット30から流出した冷媒は、液側連絡管LP等を経て、熱源側ユニット10に流入する。熱源側ユニット10に流入した冷媒は、第7配管P7及び第6配管P6等を流れ、熱源側熱交換器14に流入する。熱源側熱交換器14に流入した冷媒は、熱源側熱交換器14において、熱源側ファン20によって送られる熱源側空気流と熱交換を行うことで蒸発し、熱源側熱交換器14から流出する。
【0077】
熱源側熱交換器14から流出した冷媒は、第5配管P5及び第2配管P2等を経て、アキュームレータ12に流入する。アキュームレータ12に流入した冷媒は、一時的に溜められた後、再び圧縮機11に吸入される。
【0078】
熱媒体回路HCでは、ポンプ36によって、第1熱媒体連絡管H1から熱媒体が熱交換器33の熱媒体流路HPへ送られる。熱媒体流路HPに送られた熱媒体は、冷媒流路RPを流れる冷媒と熱交換を行うことで加熱され、熱交換器33から流出する。熱交換器33から流出した熱媒体は、熱媒体配管Hd等を経て熱交換器ユニット30から流出する。
【0079】
熱交換器ユニット30から流出した熱媒体は、第2熱媒体連絡管H2等を経て、運転中の利用側ユニット60に送られる。利用側ユニット60に送られた熱媒体は、被加熱対象(ここでは後述の居住空間SPの空気)と熱交換を行うことで冷却され、利用側ユニット60から流出する。利用側ユニット60から流出した熱媒体は、第1熱媒体連絡管H1等を経て熱交換器ユニット30に再び流入する。
【0080】
(4)熱負荷処理システム100の設置態様
図3は、熱負荷処理システム100の設置態様を示した模式図である。熱負荷処理システム100は、設置場所を特に限定されるものではないが、例えばビルや、商業施設又は工場等に設置される。本実施形態において、熱負荷処理システム100は、図3に示すような態様で建物B1に設置されている。建物B1は、複数のフロアを有する。なお、建物B1の階数や部屋数等は、適宜変更が可能である。
【0081】
建物B1には、設備機器室Rが設けられている。設備機器室Rは、配電盤や発電機等の電気設備、又はボイラー等の冷熱機器等が配置される空間である。設備機器室Rは、人が出入りし滞在可能な空間である。例えば、設備機器室Rは、地下室等の人が歩行可能な空間である。本実施形態において、設備機器室Rは、建物B1の最下のフロアに位置している。また、建物B1には、人が活動を行う居住空間SPが設けられている。建物B1には、複数の居住空間SPが設けられている。本実施形態において、居住空間SPは、設備機器室Rが設けられるフロアの上階に位置している。
【0082】
図3では、熱源側ユニット10は、建物B1の屋上に設置されている。また、熱交換器ユニット30は、設備機器室Rに設置されている。これに関連して、液側連絡管LP及びガス側連絡管GPが、屋上と設備機器室Rとの間で鉛直方向に沿って延びている。より具体的に、設備機器室Rにおいては、図4に示されるように、熱交換器ユニット30が、他の機器(機器OD1~OD3)と共に設置される。機器OD1~OD3は、特に限定されないが、例えば、ボイラー、発電機、配電盤等である。なお、設備機器室Rには、熱交換器ユニット30だけが設置されてもよい。
【0083】
また、図3では、各利用側ユニット60は、対応する居住空間SPにおいて配置されている。これに関連して、第1熱媒体連絡管H1及び第2熱媒体連絡管H2が、居住空間SPと設備機器室Rとの間で鉛直方向に沿って延びている。
【0084】
建物B1においては、設備機器室Rの換気(強制換気又は自然換気)を行う換気装置200が設けられている。各換気装置200は、設備機器室Rに設置されている。具体的に、設備機器室Rにおいては、換気装置200として換気ファン210が設置されている。換気ファン210は、複数の換気ダクトDに接続されている。換気ファン210は、駆動すると、設備機器室R内の空気(内気RA)を排気EAとして外部空間に排出し、外部空間の空気(外気OA)を給気SAとして設備機器室Rに供給することで、設備機器室Rの換気を行う。すなわち、換気ファン210は、設備機器室Rにおいて換気を行う「換気装置」に相当する。換気ファン210は、アダプタ80a(図12参照)を介して、コントローラ80に電気的に接続されている。換気ファン210の動作(発停又は回転数等)は、コントローラ80によって制御可能である。換気ファン210の制御については、換気ファン210に間欠運転を行わせる間欠運転モードと、連続運転を行わせる連続運転モードと、が適宜切り換えられる。
【0085】
また、設備機器室Rにおいては、換気装置200として開閉機構220が設置されている。開閉機構220は、設備機器室Rと他の空間(例えば外部空間等)とを連通させる開状態と、遮断する閉状態と、を切換可能な機構である。すなわち、開閉機構220は、設備機器室Rと他の空間とを連通する開口を開閉する。開閉機構220は、例えば開閉制御可能なドア、ハッチ、窓又はシャッタ等である。開閉機構220は、アダプタ80b(図12参照)を介して、コントローラ80に電気的に接続されている。換気ファン210の状態(開状態又は閉状態)は、コントローラ80によって制御される。
【0086】
(5)熱交換器ユニット30の構成態様
図5は、熱交換器ユニット30の斜視図である。熱交換器ユニット30は、各機器を収容するケーシング50を有している。図6は、平面視におけるケーシング50内の機器の配置態様を示した模式図である。図7は、側面視におけるケーシング50内の機器の配置態様を示した模式図である。図8は、正面視におけるケーシング50内の機器の配置態様を示した模式図である。
【0087】
ケーシング50は、略直方体状を呈している。ケーシング50は、据付脚や架台等を介して設置される。ケーシング50は、内部に下空間Sa及び上空間Sbが形成されている。なお、下空間Saと上空間Sbとは、完全には仕切られておらず、部分的に連通している。
【0088】
下空間Saにおいては、各膨張弁31、各開閉弁32、熱交換器33、ポンプ36、各冷媒配管Pa―Pd、熱媒体配管Ha-Hd及び熱交換器ユニットセンサS2が、配置されている。本実施形態では、図6に示されるように、下空間Saにおいて、右から左方向に向かって、第1熱交換器34、第2熱交換器35、ポンプ36の順に配置されている。熱交換器33の前方には、各膨張弁31、各開閉弁32、及び各冷媒配管Pa―Pdが、連通する冷媒流路RPの位置に対応して整然と並ぶように配置されている。ポンプ36の後方には、熱媒体配管Haが配置されている。熱媒体配管Hbは、ポンプ36の前方から第2熱交換器35の後方に向かって延びている。熱媒体配管Hc―Hdは、熱交換器33の後方に配置されている。
【0089】
なお、図7及び図8において参照符号「A1」で示される部分は、熱交換器ユニット30内に配置される各冷媒配管Pa―Pd、に含まれる最も高さが高い部分(以下、「最上部分A1」と称する)を表わしている。最上部分A1は、ケーシング50の底部分からの鉛直方向の長さh1に相当する高さに位置している。
【0090】
図7及び図8において参照符号「A2」で示される部分は、熱交換器ユニット30において各冷媒配管Pa―Pdの最も低さが高い部分(以下、「最下部分A2」と称する)を表わしている。最下部分A2は、ケーシング50の底部分からの鉛直方向の長さh2に相当する高さに位置している。最下部分A2は、ケーシング50の底部分からの鉛直方向の長さh2に相当する高さに位置している。
【0091】
上空間Sbは、下空間Saの上方に位置する空間である。上空間Sbには、熱交換器ユニット制御部49を収容するための電装品箱55が配置されている。
【0092】
ケーシング50は、図9及び図10に示すような底板58を有している。図9は、平面視における底板58の模式図である。図10は、側面視における底板58の模式図である。
【0093】
底板58は、ケーシング50の底部分を構成する部材である。また、底板58は、下空間Saを形成する部材の一つである。底板58は、熱交換器33の下方に配置されている。底板58は、熱交換器33から落下する結露水を受けるドレンパンとしても機能する。底板58は、平面視において略矩形の底面部581を有している。また、底板58は、底面部581で受けた水を排出するための排出ポート58aが形成されている。排出ポート58aは、平面視において、底面部581の一辺の中央付近に配置されている(図9参照)。底面部581は、排出ポート58aに向かって下がり勾配を形成するように傾斜している。これに関連して、底板58は、排出ポート58a方向に深さが大きくなるように構成されている。換言すると、底板58においては、底面部581の上方には、排出ポート58a方向に深くなる空間(底板直上空間Si)が形成されている。
【0094】
冷媒漏洩センサ70は、底板58の底面部581上に配置されている。すなわち、冷媒漏洩センサ70は、底板直上空間Siに配置されている。より詳細には、冷媒漏洩センサ70は、排出ポート58aの近傍に配置されている。つまり、冷媒漏洩センサ70は、底板直上空間Siの深さが大きくなる位置に配置されている。
【0095】
図11は、ケーシング50における排気ファンユニット45及び冷却ファン48の配置態様を概略的に示した模式図である。ケーシング50には、排気ファンユニット45によって送られる空気を排出させるための排出口50aが形成されている。排出口50aは、第1空気流AF1が熱交換器ユニット30内から外部に流出するための開口である。排出口50aは、下空間Saの上端付近に位置している。より具体的に、排出口50aは、高さh1よりも高い位置に配置されている。すなわち、排出口50aは、最上部分A1(熱交換器ユニット30に収容される冷媒配管の最も高い部分)よりも高い位置に形成されている。排出口50aは、排気ファン46の二次側(吹出側)と連通している。
【0096】
また、ケーシング50は、下空間Saにおいて、排気ファンユニット45を配置されている。排気ファンユニット45は、下空間Saにおいて、第1空気流AF1を、底板直上空間Siから取り込んで排出口50aから排出させるような態様で、配置されている。より具体的に、排気ファンユニット45の流路形成部材47は、底板直上空間Siから鉛直方向に沿って延びるように配置されている。
【0097】
流路形成部材47の一端は、開口であり、第1空気流AF1を吸い込むための吸込口として機能する。係る吸込口47aは、高さh1よりも低い位置に配置されている(図11参照)。すなわち、排気ファンユニット45が空気を取り込むための吸込口47aは、最上部分A1(熱交換器ユニット30に収容される冷媒配管の最も高い部分)よりも低い位置に形成されている。また、吸込口47aは、最下部分A2(熱交換器ユニット30に収容される冷媒配管の最も低い部分)よりも低い位置に配置されている。より詳細には、吸込口47aは、底板直上空間Siに配置されている(図10参照)。すなわち、吸込口47aは、底板58(ドレンパン)内の空間に形成されているといえる。観点を変えると、吸込口47aは、底板58に配置されていると解釈可能である。
【0098】
流路形成部材47の他端は、開口であり、排気ファン46の一次側(吸込側)と連通している。流路形成部材47の他端は、高さh1よりも高い位置に位置している。すなわち、流路形成部材47の他端は、最上部分A1(熱交換器ユニット30に収容される冷媒配管の最も高い部分)よりも高い位置に形成されている。
【0099】
排気ファン46は、排出口50aの近傍に配置されている。排気ファン46は、高さh1よりも高い位置に位置している。すなわち、排気ファン46は、最上部分A1(熱交換器ユニット30に収容される冷媒配管の最も高い部分)よりも高い位置に配置されている。また、排気ファン46は、下空間Saにおいて、熱媒体配管Ha-Hdの近傍に配置されている。これにより、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩した冷媒が熱媒体配管Ha-Hdを介して、居住空間SP側に流れることが抑制される。
【0100】
また、ケーシング50は、上空間Sbにおいて、冷却ファン48を配置されている。冷却ファン48は、上空間Sbにおいて、第2空気流AF2を、熱交換器ユニット制御部49に含まれる発熱部品の周囲を通過してから外部(ここでは設備機器室R)へ流出させるように配置される。冷却ファン48は、電装品箱55内に収容される熱交換器ユニット制御部49の近傍に配置される。本実施形態において、冷却ファン48は、高さh1よりも高い位置に配置されている。すなわち、冷却ファン48は、排気ファン46よりも高い位置に配置されている。
【0101】
(6)コントローラ80の詳細
熱負荷処理システム100では、熱源側ユニット制御部29、及び熱交換器ユニット制御部49が通信線で接続されることで、コントローラ80が構成されている。図12は、コントローラ80と、コントローラ80に接続される各部と、を概略的に示したブロック図である。
【0102】
コントローラ80は、複数の制御モードを有し、遷移している制御モードに応じて各機器の動作を制御する。本実施形態において、コントローラ80は、制御モードとして、運転時(冷媒漏洩が生じていない場合)に遷移する通常運転モードと、冷媒漏洩が生じた場合(より詳細には漏洩冷媒が検出された場合)に遷移する冷媒漏洩モードと、を有している。
【0103】
コントローラ80は、熱負荷処理システム100に含まれる機器(例えば、熱源側ユニット10に含まれる圧縮機11、四路切換弁13、熱源側第1制御弁16、熱源側第2制御弁17、熱源側ファン20及び熱源側センサS1、熱交換器ユニット30に含まれる機器(具体的には、各膨張弁31、各開閉弁32、ポンプ36、排気ファン46、冷却ファン48及び熱交換器ユニットセンサS2)、及び冷媒漏洩センサ70等と、電気的に接続されている。また、コントローラ80は、設備機器室Rに配置される換気装置200と、電気的に接続されている。より具体的に、コントローラ80は、換気ファン210とアダプタ80aを介して電気的に接続され、開閉機構220とアダプタ80bを介して電気的に接続されている。さらにコントローラ80は、所定の情報を出力可能な出力装置300(例えば表示情報を出力可能なディスプレイや音声情報を出力可能なスピーカ等)と電気的に接続されている。
【0104】
コントローラ80は、主として、記憶部81と、入力制御部82と、モード制御部83と、冷媒漏洩判定部84と、機器制御部85と、駆動信号出力部86と、情報出力制御部87と、を有している。なお、コントローラ80内におけるこれらの各機能部は、熱源側ユニット制御部29及び/又は熱交換器ユニット制御部49等に含まれるCPU、メモリ、及び各種電気・電子部品が協働することによって実現されている。
【0105】
(6-1)記憶部81
記憶部81は、例えば、ROM、RAM、及びフラッシュメモリ等で構成されており、揮発性の記憶領域と不揮発性の記憶領域を含む。記憶部81には、コントローラ80の各部における処理を定義した制御プログラムを格納されるプログラム記憶領域M1が含まれている。
【0106】
また、記憶部81には、各種センサの検出値を記憶するための検出値記憶領域M2が含まれている。検出値記憶領域M2には、例えば、各熱源側センサS1及び各熱交換器ユニットセンサS2の検出値(吸入圧力、吐出圧力、吸入温度、吐出温度、熱交換器33に流入する冷媒の温度・圧力、又は熱交換器33から流出する冷媒の温度・圧力等)が記憶される。
【0107】
また、記憶部81には、冷媒漏洩センサ70から送信される冷媒漏洩センサ検出信号(冷媒漏洩センサ70の検出値)を記憶するためのセンサ信号記憶領域M3が含まれている。センサ信号記憶領域M3に記憶される冷媒漏洩信号は、冷媒漏洩センサ70から出力された冷媒漏洩信号を受信するたびに更新される。
【0108】
また、記憶部81には、入力装置(図示省略)を介してユーザによって入力されたコマンドを、記憶するためのコマンド記憶領域M4が含まれている。
【0109】
また、記憶部81には、所定のビット数を有する複数のフラグが設けられている。例えば、記憶部81には、コントローラ80が遷移している制御モードを判別可能な制御モード判別フラグM5が設けられている。制御モード判別フラグM5は、制御モードの数に応じたビット数を含み、遷移する制御モードに対応するビットを立てられる。
【0110】
また、記憶部81には、熱交換器ユニット30で冷媒漏洩が検出されたことを判別するための冷媒漏洩検出フラグM6が設けられている。冷媒漏洩検出フラグM6は、いずれかの冷媒回路RCにおいて冷媒漏洩が生じた際に、冷媒漏洩が生じたことを判別可能に構成されている。冷媒漏洩検出フラグM6は、冷媒漏洩判定部84によって切り換えられる。
【0111】
(6-2)入力制御部82
入力制御部82は、コントローラ80に接続される各機器から出力される信号を受け付けるためのインターフェースとしての役割を果たす機能部である。例えば、入力制御部82は、各センサ(S1、S2)やリモコン等から出力された信号を受けて、記憶部81の対応する記憶領域に格納する、又は所定のフラグをたてる。
【0112】
(6-3)モード制御部83
モード制御部83は、制御モードを切り換える機能部である。モード制御部83は、通常時(冷媒漏洩検出フラグM6が立てられていない時)には、制御モードを通常運転モードに切り換える。モード制御部83は、冷媒漏洩検出フラグM6が立てられている時には、制御モードを冷媒漏洩モードに切り換える。モード制御部83は、遷移している制御モードに応じて制御モード判別フラグM5を立てる。
【0113】
(6-4)冷媒漏洩判定部84
冷媒漏洩判定部84は、冷媒回路RCにおいて冷媒漏洩が生じているか否かを判別する機能部である。具体的に、冷媒漏洩判定部84は、所定の冷媒漏洩検出条件が満たされる場合に、冷媒回路RCにおいて冷媒漏洩が生じていると判定し、冷媒漏洩検出フラグM6を立てる。
【0114】
本実施形態において、冷媒漏洩検出条件が満たされるか否かは、センサ信号記憶領域M3における冷媒漏洩センサ検出信号に基づき判定される。具体的に、冷媒漏洩検出条件は、いずれかの冷媒漏洩センサ検出信号に係る電圧値(冷媒漏洩センサ70の検出値)が所定の第1基準値以上である時間が所定時間t1以上継続することによって満たされる。第1基準値は、冷媒回路RCにおける冷媒漏洩が想定される値(冷媒の濃度)である。所定時間t1は、冷媒漏洩センサ検出信号が瞬時的なものでないことを判定可能な時間に設定される。冷媒漏洩判定部84は、冷媒漏洩検出条件が満たされたことに基づき、冷媒漏洩検出フラグM6を立てる。すなわち、冷媒漏洩判定部84は、冷媒漏洩センサ70とともに、熱交換器ユニット30(設備機器室R)における冷媒漏洩を検出する「冷媒漏洩検出部」に相当する。
【0115】
なお、所定時間t1は、冷媒回路RCに封入されている冷媒の種別や、各機器の仕様、又は設置環境等に応じて適宜設定され、制御プログラムにおいて定義されている。冷媒漏洩判定部84は、所定時間t1を計測可能に構成される。
【0116】
また、第1基準値は、冷媒回路RCに封入されている冷媒の種別や設計仕様及び設置環境等に応じて適宜設定され、制御プログラムにおいて定義されている。
【0117】
(6-5)機器制御部85
機器制御部85は、制御プログラムに沿って、状況に応じて、熱負荷処理システム100に含まれる各機器(例えば11、13、16、17、20、31、32、36、46、48等)の動作を制御する。また、機器制御部85は、設備機器室Rに設置される換気装置200(換気ファン210及び開閉機構220)の状態を制御する。機器制御部85は、制御モード判別フラグM5を参照することで遷移している制御モードを判別し、判別した制御モードに基づき各機器の動作を制御する。
【0118】
例えば、機器制御部85は、通常運転モード時には、設定温度や各センサの検出値等に応じて正サイクル運転又は逆サイクル運転が行われるように、圧縮機11の運転容量、熱源側ファン20、熱源側第1制御弁16及び熱源側第2制御弁17の開度、膨張弁31の開度、及びポンプ36の回転数等をリアルタイムに制御する。
【0119】
機器制御部85は、正サイクル運転時には、四路切換弁13を正サイクル状態に制御し、熱源側熱交換器14を冷媒の凝縮器(又は放熱器)として機能させるとともに熱交換器ユニット30の熱交換器33を冷媒の蒸発器として機能させる。また、機器制御部85は、逆サイクル運転時には、四路切換弁13を逆サイクル状態に制御し、熱源側熱交換器14を冷媒の蒸発器として機能させるとともに熱交換器ユニット30の熱交換器33を冷媒の凝縮器(又は放熱器)として機能させる。
【0120】
また、機器制御部85は、状況に応じて、以下のような各種制御を実行する。なお、機器制御部85は、時間を計測可能に構成される。
【0121】
〈冷媒漏洩第1制御〉
機器制御部85は、熱交換器ユニット30(冷媒回路RC)において冷媒漏洩が生じたと想定される時(具体的には冷媒漏洩検出フラグM6が立てられた時)には、冷媒漏洩第1制御を実行する。機器制御部85は、冷媒漏洩第1制御において、熱交換器ユニット30の各膨張弁31及び各開閉弁32を閉状態に制御する。これにより、熱源側ユニット10から熱交換器ユニット30への冷媒の流入が抑制され、更なる冷媒漏洩が抑制される。すなわち、冷媒漏洩第1制御は、冷媒漏洩が生じた際に熱交換器ユニット30において漏洩した冷媒が流出することを抑制するための制御である。冷媒漏洩第1制御において、各膨張弁31及び各開閉弁32が、冷媒漏洩が生じた時に閉状態となることで、熱交換器ユニット30への冷媒の流入が遮断され、熱交換器ユニット30において漏洩した冷媒が流出することが抑制される。
【0122】
〈冷媒漏洩第2制御〉
機器制御部85は、熱交換器ユニット30(冷媒回路RC)において冷媒漏洩が生じたと想定される時には、冷媒漏洩第2制御(特許請求の範囲記載の「第1処理」に相当)を実行する。冷媒漏洩第2制御は、熱交換器ユニット30内において漏洩冷媒の濃度が大きい領域が局所的に発生することを防止するために、熱交換器ユニット30に配置されるファン(排気ファン46及び冷却ファン48)を所定の回転数で運転させる制御である。機器制御部85は、冷媒漏洩第2制御において、熱交換器ユニット30の排気ファン46を所定の回転数(風量)で運転させる。また、機器制御部85は、冷媒漏洩第2制御において、熱交換器ユニット30の冷却ファン48を所定の回転数(風量)で運転させる。なお、本実施形態では、冷媒漏洩第2制御における排気ファン46及び冷却ファン48の回転数は、最大回転数(最大風量)に設定される。すなわち、機器制御部85は、冷媒漏洩第2制御において、排気ファン46又は冷却ファン48が停止状態にある場合には運転状態に移行させ、排気ファン46又は冷却ファン48がすでに運転状態にある場合には最大回転数に制御する。
【0123】
係る冷媒漏洩第2制御により、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた場合であっても、排気ファン46によって生成される第1空気流AF1、及び冷却ファン48によって生成される第2空気流AF2により、熱交換器ユニット30内において漏洩冷媒が攪拌される、又は熱交換器ユニット30から排出される。よって、熱交換器ユニット30内において漏洩冷媒の濃度が高まることが抑制される。
【0124】
〈冷媒漏洩第3制御〉
機器制御部85は、熱交換器ユニット30(冷媒回路RC)において冷媒漏洩が生じたと想定される時には、冷媒漏洩第3制御(特許請求の範囲記載の「第1処理」に相当)を実行する。冷媒漏洩第3制御は、設備機器室Rにおいて漏洩冷媒の濃度が大きい領域が局所的に発生することを防止するために、換気装置200による換気量を増大させる制御である。
【0125】
機器制御部85は、冷媒漏洩第3制御において、換気ファン210の回転数(風量)を増大させる。本実施形態では、冷媒漏洩第3制御における換気ファン210の回転数は、最大回転数(最大風量)に設定される。すなわち、機器制御部85は、冷媒漏洩第3制御において、換気ファン210が停止状態にある場合には運転状態に移行させ、換気ファン210がすでに運転状態にある場合には最大回転数に制御する。また、機器制御部85は、換気ファン210が間欠運転モードに沿って間欠運転を行っている場合には、冷媒漏洩第3制御によって連続運転モードに切り換えて連続運転を行わせる。これにより、換気ファン210の単位時間当たりの運転時間が増大する。その結果、換気ファン210による換気量が増大し、漏洩冷媒の外部空間への排出が促進される。
【0126】
また、機器制御部85は、冷媒漏洩第3制御において、開閉機構220を開状態に切り換える。これにより、設備機器室Rが他の空間と連通する。その結果、設備機器室R内の漏洩冷媒の一部が他の空間へと流出することとなり、設備機器室Rにおいて、漏洩冷媒の濃度が高い領域が生じることがさらに抑制される。
【0127】
(6-6)駆動信号出力部86
駆動信号出力部86は、機器制御部85の制御内容に応じて、各機器(例えば11、13、16、17、20、31、32、36、46、48等)に対して対応する駆動信号(駆動電圧)を出力する。駆動信号出力部86には、インバータ(図示省略)が複数含まれており、特定の機器(例えば圧縮機11、熱源側ファン20又はポンプ36等)に対しては、対応するインバータから駆動信号を出力する。
【0128】
(6-7)情報出力制御部87
情報出力制御部87は、出力装置300の動作を制御する機能部である。情報出力制御部87は、運転状態や状況に係る情報をユーザに対して出力すべく、出力装置300に所定の情報を出力させる。例えば、情報出力制御部87は、冷媒漏洩検出フラグM6が立てられた場合には、冷媒漏洩が生じた事実を報知するための情報(冷媒漏洩報知情報)を、出力装置300において出力させる。なお、冷媒漏洩報知情報は、文字等の表示情報や警報等の音声情報である。これにより、管理者やユーザが、冷媒漏洩が生じた事実を把握できるようになっており、所定の対応をとることが可能となっている。
【0129】
(7)コントローラ80の処理の流れ
以下、コントローラ80の処理の流れの一例について、図13を参照しながら説明する。図13は、コントローラ80の処理の流れの一例を示したフローチャートである。コントローラ80は、電源を投入されると、図13のステップS101からS110に示すような流れで処理を行う。なお、図13に示す処理の流れは、一例であり適宜変更可能である。例えば、矛盾のない範囲でステップの順序が変更されてもよいし、一部のステップが他のステップと並列に実行されてもよいし、他のステップが新たに追加されてもよい。
【0130】
ステップS101において、コントローラ80は、熱交換器ユニット30(冷媒回路RC)において冷媒漏洩が生じたと想定される場合(すなわちYESの場合)には、ステップS105へ進む。コントローラ80は、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じていないと想定される場合(すなわちNOの場合)には、ステップS102へ進む。
【0131】
ステップS102において、コントローラ80は、運転開始を指示するコマンド(運転開始コマンド)が入力されていない場合(すなわちNOの場合)には、ステップS101に戻る。一方、運転開始コマンドが入力されている場合(すなわちYESの場合)には、コントローラ80は、ステップS103へ進む。
【0132】
ステップS103において、コントローラ80は、通常運転モードに遷移する(又は通常運転モードを維持する)。その後ステップS104へ進む。
【0133】
ステップS104において、コントローラ80は、入力されているコマンド、設定温度、及び各センサ(S1、S2等)の検出値等に応じて、各機器の状態をリアルタイムに制御することで正サイクル運転又は逆サイクル運転を行わせる。その後、ステップS101に戻る。
【0134】
ステップS105において、コントローラ80は、冷媒漏洩モードに遷移する。その後、コントローラ80は、ステップS106へ進む。
【0135】
ステップS106において、コントローラ80は、リモコン等の出力装置300において冷媒漏洩報知情報を出力させる。これにより、管理者は冷媒漏洩が生じていることを把握しうる。その後、コントローラ80は、ステップS107へ進む。
【0136】
ステップS107において、コントローラ80は、冷媒漏洩第1制御を実行する。具体的には、コントローラ80は、熱交換器ユニット30の各膨張弁31及び各開閉弁32を閉状態に制御する。これにより、熱交換器ユニット30への冷媒の流れが妨げられ、熱交換器ユニット30において漏洩冷媒がさらに流出することが抑制される。その後、コントローラ80は、ステップS108へ進む。
【0137】
ステップS108において、コントローラ80は、冷媒漏洩第2制御を実行する。具体的には、コントローラ80は、排気ファン46及び冷却ファン48を所定の回転数(例えば最大回転数)で駆動させる。これにより、熱交換器ユニット30において、漏洩冷媒の攪拌又は排出が促進され、漏洩冷媒が局所的に危険な濃度となることが抑制される。その後、コントローラ80は、ステップS109へ進む。
【0138】
ステップS109において、コントローラ80は、冷媒漏洩第3制御を実行する。具体的には、コントローラ80は、換気ファン210の換気量(風量及び/又は単位時間当たりの運転時間)を増大させる。これにより、換気ファン210による換気量が増大し、漏洩冷媒の外部空間への排出が促進される。また、機器制御部85は、冷媒漏洩第3制御において、開閉機構220を開状態に切り換える。これにより、設備機器室Rが他の空間と連通し、設備機器室Rにおいて漏洩冷媒の排出が促進され、漏洩冷媒の濃度が高い領域が生じることがさらに抑制される。その後、コントローラ80は、ステップS110へ進む。
【0139】
ステップS110において、コントローラ80は、圧縮機11を停止させる。その後、コントローラ80は、管理者によって解除されるまで待機する。
【0140】
(8)熱負荷処理システム100における冷媒漏洩対策
熱負荷処理システム100では、冷媒漏洩対策として、以下の(i)-(iv)が実現されている。
【0141】
(i)
熱負荷処理システム100では、熱交換器ユニット30において、熱源側ユニット10から熱交換器ユニット30への冷媒の流れに関して、開通及び遮断を切換可能な膨張弁31及び開閉弁32が配置されている。そして、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた際に、冷媒漏洩第1制御が実行され、膨張弁31及び開閉弁32が閉状態に切り換えられるように構成されている。その結果、熱源側ユニット10から熱交換器ユニット30への冷媒の流れが遮断され、更なる冷媒漏洩が抑制されるようになっている。
【0142】
(ii)
熱負荷処理システム100では、熱交換器ユニット30内に空気流(AF1、AF2)を生成するためのファン(排気ファン46及び冷却ファン48)が配置されている。そして、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた際に、冷媒漏洩第2制御が実行され、係るファンが起動される、又は係るファンの回転数(風量)が増大される。これにより、熱交換器ユニット30において漏洩冷媒が攪拌される。又は熱交換器ユニット30から漏洩冷媒が排出される。その結果、熱交換器ユニット30内において漏洩冷媒の濃度が高まることが抑制されるようになっている。
【0143】
(iii)
熱負荷処理システム100では、コントローラ80が、熱交換器ユニット30が設置される設備機器室Rにおける換気装置200(換気ファン210、開閉機構220)の制御を行うように構成されている。そして、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた際に、冷媒漏洩第3制御が実行され、換気装置200の換気量が増大される。具体的に、換気ファン210の換気量(風量、単位時間当たりの運転時間)が増大される。また、開閉機構220が開状態に切り換えられる。その結果、熱交換器ユニット30内における換気量が増大し、設備機器室Rにおいて漏洩冷媒の攪拌・排出が促進されるようになっている。その結果、設備機器室R内において漏洩冷媒の濃度が高まることが抑制されるようになっている。
【0144】
(iv)
熱負荷処理システム100では、排気ファンユニット45の吸込口47aが最上部分A1(熱交換器ユニット30に収容される冷媒配管の最も高い部分)よりも低い位置に配置されている。これにより、熱交換器ユニット30において空気よりも比重が大きい冷媒が漏洩した場合に、熱交換器ユニット30からの排出が促進されるようになっている。すなわち、熱交換器ユニット30において空気よりも比重が大きい冷媒が漏洩した場合、漏洩冷媒は、底板直上空間Siに溜まることになるが、排気ファンユニット45の吸込口47aが最上部分A1よりも低い位置に形成されていることで、底板直上空間Siに溜まる漏洩冷媒の排出が促進されるようになっている。
【0145】
(9)特徴
(9-1)
上記実施形態では、熱交換器ユニット30内から外部に空気を送る排気ファンユニット45が熱交換器ユニット30に配置されている。熱交換器ユニット30には、熱交換器ユニット30内に位置する冷媒配管(Pa―Pd)に含まれる最も高い最上部分A1よりも低い位置に、排気ファンユニット45が空気を取り込むための吸込口47aが配置されている。コントローラ80は、冷媒漏洩検出部(冷媒漏洩センサ70、冷媒漏洩判定部84)によって冷媒漏洩が検出された場合に、排気ファンユニット45(排気ファン46)を駆動させる冷媒漏洩第2制御(第1処理)を実行するように構成されている。
【0146】
これにより、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩した冷媒が熱交換器ユニット30から排出され、熱交換器ユニット30内で冷媒の濃度が高まることが抑制されるようになっている。特に、排気ファンユニット45の吸込口47aが熱交換器ユニット30内に位置する冷媒配管(Pa―Pd)に含まれる最も高い最上部分A1よりも低い位置に配置されることで、空気よりも比重が大きい冷媒が漏洩した場合に、熱交換器ユニット30からの排出が促進されるようになっている。
【0147】
(9-2)
上記実施形態において、熱交換器ユニット30には、排気ファンユニット45によって送られる空気の排出口50aが配置され、排出口50aは最上部分A1よりも高い位置に配置されている。これにより、冷媒漏洩時に漏洩した冷媒を、熱交換器ユニット30の下方から上方に送り排出することが可能となっている。よって、熱交換器ユニット30の下部で冷媒が滞留することが抑制されている。
【0148】
(9-3)
上記実施形態において、排気ファン46は、最上部分A1よりも高い位置に配置されている。これにより、排気ファン46が熱交換器ユニット30内に位置する冷媒配管(Pa―Pd)に含まれる最も高い部分(最上部分A1)よりも高い位置に配置される場合に、冷媒漏洩時に、漏洩した冷媒が熱交換器ユニット30から排出されることが促進されている。
【0149】
(9-4)
上記実施形態において、熱交換器ユニット30は、熱交換器33の下方に配置され結露水を受ける底板58をさらに含む。吸込口47aは、底板直上空間Si(すなわち底板58上の空間)に配置されている。これにより、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩した冷媒が熱交換器ユニット30から排出されることが促進される。特に、空気よりも比重が大きい冷媒が漏洩した場合に、熱交換器ユニット30からの排出が促進される。
【0150】
(9-5)
上記実施形態においては、熱交換器ユニット30内から外部に流れる第2空気流AF2を生成する冷却ファン48が熱交換器ユニット30に配置されており、コントローラ80は、冷媒漏洩第2制御(第1処理)において冷却ファン48を駆動させるように構成されている。これにより、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた場合に、熱交換器ユニット30内で濃度が高まることがさらに抑制されるようになっている。
【0151】
(9-6)
上記実施形態においては、コントローラ80は、冷媒漏洩第3制御(第1処理)において、換気装置200の換気量が増大するように、設備機器室Rにおいて換気を行う換気装置200の動作を制御するように構成されている。すなわち、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた際に、排気ファン46及び冷却ファン48と、設備機器室Rに配置される換気装置200と、を連動制御するように構成されている。これにより、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた場合に、漏洩した冷媒が熱交換器ユニット30から設備機器室Rに流れ、設備機器室Rから他の空間へ排出することが促進されている。
【0152】
(10)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0153】
(10-1)変形例1
上記実施形態に係る熱交換器ユニット30は、図14―17に示す熱交換器ユニット30aのように構成されてもよい。以下、熱交換器ユニット30a及び熱交換器ユニット30aを含む熱負荷処理システム100aについて、上記実施形態との相違点を主として説明する。なお、上記実施形態との共通点については、特にことわりのない限り説明を省略する。
【0154】
図14は、熱交換器ユニット30aの斜視図である。図15は、平面視における、熱交換器ユニット30a内における機器の配置態様を示した模式図である。図16は、右方向から視た熱交換器ユニット30a内における機器の配置態様を示した模式図である。図17は、正面視における熱交換器ユニット30a内における機器の配置態様を示した模式図である。図17において、参照符号「A1´」は熱交換器ユニット30aに含まれる冷媒配管の最も高い部分(最上部分)を示し、参照符号「h1´」は最上部分A1´の高さを示している。なお、図15図17では、熱交換器ユニット30a内に冷媒系統(冷媒回路RC)が3つ配置されるように図示されているが、本開示に係る思想は、必ずしも係る態様には限定されない。すなわち、熱交換器ユニット30aは、4以上の冷媒回路RCの構成機器を有していてもよいし、3未満の冷媒回路RCの構成機器を有していてもよい。
【0155】
熱交換器ユニット30aは、熱源側ユニット10に含まれていた機器を有している。より具体的に、熱交換器ユニット30aは、略直方体状のケーシング51を有しており、ケーシング51内において熱交換器ユニット30に含まれる各機器に加えて、熱源側ユニット10に含まれる各機器を収容している。換言すると、熱交換器ユニット30aにおいては、熱交換器ユニット30と熱源側ユニット10とが一体に構成されているともいえる。
【0156】
熱交換器ユニット30aにおいては、熱源側熱交換器14に代えて熱源側熱交換器14aを有している。熱源側熱交換器14は冷媒と熱源側空気流との熱交換を行わせるように構成されていたが、熱源側熱交換器14aは冷媒と熱源側熱媒体(例えば水等)との熱交換を行わせるように構成されている。熱源側熱交換器14aは、タイプを特に限定されないが、例えば二重管式熱交換器である。ただし、熱源側熱交換器14aは、冷媒と熱源側熱媒体との熱交換器に使用可能なタイプの熱交換器が適宜選択されればよい。熱交換器ユニット30aでは、冷媒と熱源側熱媒体(例えば水等)との熱交換を行わせることに関連して、熱源側ファン20が省略されている。また、これに関連して、熱負荷処理システム100aは、例えば図18のように構成されてもよい。
【0157】
図18は、熱負荷処理システム100aの概略構成図である。熱負荷処理システム100aでは、熱源側熱媒体回路WCが構成されている。熱源側熱媒体回路WCにおいては、熱源側熱交換器14aにおいて冷媒と熱交換を行う熱源側熱媒体が流れる。熱源側熱媒体回路WCでは、熱源側熱交換器14において冷媒と熱交換を行うことで加熱された熱源側熱媒体を冷却するための冷却塔90を含む。冷却塔90は、例えば屋上に設置される。また、熱源側熱媒体回路WCでは、熱源側熱交換器14に熱源側熱媒体を送る複数の熱源側ポンプ92が、熱源側熱交換器14の数に応じて並列に配置されている。
【0158】
熱負荷処理システム100aでは、熱源側ユニット10に含まれる各機器を有していることに関連して、液側連絡管LP及びガス側連絡管GPが省略されている。
【0159】
なお、熱負荷処理システム100aにおいては、熱源側熱交換器14aにおいて熱源側熱媒体によって冷媒の加熱を行うように構成されてもよい。係る場合、冷却塔90に代えて/冷却塔90とともに、他の機器が配置されてもよい。
【0160】
熱負荷処理システム100aにおいても、熱交換器ユニット30と同様の態様で、排気ファンユニット45及び冷却ファン48が配置されることで、上記実施形態と同様の作用効果(例えば上記(i)-(iv)の作用効果)を実現可能である。
【0161】
例えば、コントローラ80が冷媒漏洩第1制御、冷媒漏洩第2制御及び冷媒漏洩第3制御と同様の制御を実行するように構成されることで、上記(i)-(iii)と同様の作用効果を奏する。
【0162】
また、例えば、排気ファンユニット45の吸込口47aが、最上部分A1´(熱交換器ユニット30aに含まれる冷媒配管の最も高い部分)よりも低い部分に配置されるように排気ファンユニット45が設けられることで、上記(iv)と同様の作用効果を奏する。
【0163】
熱交換器ユニット30aでは、排気ファンユニット45及び冷却ファン48の一方又は双方に代えて/とともに、第2排気ファン46a(図17参照)が設けられてもよい。第2排気ファン46aは、熱交換器ユニット30aにおいて配置される熱媒体配管(Ha―Hd)の近傍に配置される。第2排気ファン46aは、熱交換器ユニット30aから外部(設備機器室R)に流出する第3空気流AF3を生成する。そして、第2排気ファン46aは、冷媒漏洩第2制御において、運転状態に移行される又は回転数(風量)が増大されるように制御されてもよい。このような第2排気ファン46aが設けられ冷媒漏洩第2制御において制御されることで、上記(ii)の作用効果がより顕著に実現される。特に、第2排気ファン46aが熱媒体配管(Ha―Hd)の近傍に配置されていることで、漏洩冷媒が熱媒体配管Ha-Hdを介して、居住空間SP側に流れることが抑制される。すなわち、第2排気ファン46aは、排気ファンユニット45とともに熱交換器ユニット30aに配置される場合には、特許請求の範囲記載の「第2ファン」に相当する。
【0164】
また、第2排気ファン46aは、排気ファンユニット45に代えて熱交換器ユニット30aに配置される場合には、特許請求の範囲記載の「第1ファン」に相当しうる。つまり、第2排気ファン46aに空気を取り込むための吸込口が、最上部分A1´(熱交換器ユニット30aに含まれる冷媒配管の最も高い部分)よりも低い部分に配置されることで、上記(iv)と同様の作用効果を奏する。
【0165】
(10-2)変形例2
上記実施形態におけるコントローラ80(特に機器制御部85)を構成する機器は、全て熱源側ユニット10又は熱交換器ユニット30に配置されてもよい。すなわち、熱源側ユニット制御部29又は熱交換器ユニット制御部49のみによって、コントローラ80(特に機器制御部85)が構成されてもよい。
【0166】
(10-3)変形例3
上記実施形態におけるコントローラ80を構成する機器の一部/全部は、必ずしも熱源側ユニット10又は熱交換器ユニット30に配置される必要はなく、他の場所に配置されてもよい。例えば、コントローラ80の一部/全部は、コントローラ80によって制御される機器と通信可能に構成された遠隔地に配置されてもよい。すなわち、コントローラ80によって制御される機器の一部/全部は、遠隔制御可能に構成されてもよい。
【0167】
(10-4)変形例4
上記実施形態における冷却ファン48については必ずしも必要ではなく、適宜省略が可能である。係る場合、上記実施形態における排気ファン46に冷却ファン48の役割を担わせてもよい。すなわち、第1空気流AF1によって熱交換器ユニット制御部49の発熱部品が冷却されるように、排気ファン46が配置されてもよい。
【0168】
(10-5)変形例5
上記実施形態では、コントローラ80は、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が検出された際に、冷媒漏洩第2制御において、間欠的に運転している換気ファン210を連続的に運転させるように構成されている。設備機器室Rにおける換気量が増大させるという観点によれば換気ファン210を連続的に運転させることが好ましい。しかし、冷媒漏洩第2制御においては、換気ファン210の単位時間当たりの運転時間を増大させる限り、必ずしも換気ファン210を連続的に運転させる必要はない。
【0169】
(10-6)変形例6
上記実施形態では、排気ファンユニット45の吸込口47aは、最下部分A2(熱交換器ユニット30に収容される冷媒配管の最も低い部分)よりも低い位置に配置されている。しかし、吸込口47aは、最上部分A1(熱交換器ユニット30に収容される冷媒配管の最も高い部分)よりも下方に配置される限り、最下部分A2よりも高い部分に配置されてもよい。
【0170】
(10-7)変形例7
排気ファンユニット45の流路形成部材47の一端(吸込口47a)を、底板58の排出ポート58aに接続してもよい。すなわち、ドレンパンの排出ポート58aを、吸込口47aとして機能させてもよい。係る場合、排気ファンユニット45の吸込口47aは、底板58(ドレンパン)に形成されている、ともいえる。
【0171】
(10-8)変形例8
排気ファンユニット45の流路形成部材47は、必ずしも必要ではなく適宜省略されてもよい。係る場合、排気ファンユニット45に空気を取り込むための吸込口47aが排気ファン46に形成されるとともに、係る吸込口47aが最上部分A1よりも低い部分に配置されるように排気ファン46が配置されることで、上記(iv)と同様の作用効果を奏する。
【0172】
(10-9)変形例9
冷媒配管Pa―Pd、熱媒体配管Ha―Hd、膨張弁31、開閉弁32、熱交換器33、及びポンプ36等、熱交換器ユニット30に配置される構成部品の数や配置態様は、上記実施形態において例示した数や配置に限定されるものではなく、設置環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。
【0173】
(10-10)変形例10
上記実施形態において、熱交換器33は、第1熱交換器34及び第2熱交換器35を有していた。しかし、これは例示であって、熱交換器33は、3以上の熱交換器を有していてもよい。また、例えば、熱交換器33は、冷媒回路RCと同数の冷媒流路RPを構成された単一の熱交換器であってもよい。また、熱交換器33は、熱媒体回路HCにおいて並列に接続された、複数の熱媒体流路HPを有していてもよい。
【0174】
(10-11)変形例11
上記実施形態に係る冷媒回路RCの構成態様については、設計仕様や設置環境に応じて適宜変更が可能である。具体的に、冷媒回路RCにおいては、図1に示される機器、に代えて/とともに、例えばレシーバや弁等の他の機器が配置されていてもよい。また、上記実施形態における膨張弁31に代えて、他の膨張機構が用いられてもよい。例えば、膨張弁31に代えて、機械式の膨張弁や、キャピラリチューブ等が用いられてもよい。
【0175】
(10-12)変形例12
上記実施形態では、複数の熱源側ユニット10が並列に配置されていることに関連して、複数(ここでは4つ)の冷媒回路RCが構成されていた。換言すると、熱負荷処理システム100では、複数の熱源側ユニット10及び熱交換器ユニット30によって複数の冷媒回路RCが構成されていた。しかし、冷媒回路RCの数と熱源側ユニット10との数は必ずしも同数でなくてもよい。また、熱交換器ユニット30に接続される熱源側ユニット10の数については、設置環境や設計仕様に応じて適宜選択されればよい。
【0176】
(10-13)変形例13
上記実施形態における熱負荷処理システム100は、正サイクル運転及び逆サイクル運転を行うように構成されている。しかし、熱負荷処理システム100は、必ずしも係る態様で構成される必要はない。すなわち、熱負荷処理システム100は、正サイクル運転及び逆サイクル運転の一方のみを行う装置として構成されてもよい。係る場合、四路切換弁13については適宜省略されてもよい。
【0177】
(10-14)変形例14
上記実施形態において、熱負荷処理システム100は、居住空間SPの空気調和を行う空調システムである。しかし、熱負荷処理システム100は、必ずしも空調システムである必要はなく、他のものでもよい。例えば、熱負荷処理システム100は、給湯システムや蓄熱システム等に適用されてもよい。
【0178】
すなわち、利用側ユニット60は、居住空間SPの空気調和を行うユニットには限定されず、熱交換器ユニット30で冷却/加熱された熱媒体を利用して、加工機械や製造物の冷却/加熱を行う各種設備であってもよい。
【0179】
また、利用側ユニット60は、熱交換器ユニット30で冷却/加熱された熱媒体を貯留するタンクであってもよい。係る場合、タンクに貯留された熱媒体は、例えば、熱媒体を利用して冷却/加熱を行う機器へと図示しないポンプ等で送られる。
【0180】
(10-15)変形例15
上記実施形態においては、冷媒漏洩センサ70は、熱交換器ユニット30内において底板直上空間Siに配置されている。しかし、冷媒漏洩センサ70の配置態様については、必ずしもこれに限定されず、設置環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。
【0181】
例えば、冷媒漏洩センサ70は、熱交換器ユニット30内において、底板直上空間Siの上方に配置されてもよい。また、冷媒漏洩センサ70は、必ずしも、熱交換器ユニット30内に配置される必要はない。例えば、冷媒漏洩センサ70は、設備機器室Rにおいて、熱交換器ユニット30とは異なる機器に配置されてもよいし、独立に配置されてもよい。
【0182】
(10-16)変形例16
上記実施形態においては、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩センサ70を配置して、冷媒漏洩センサ70から送信される信号に基づきコントローラ80(冷媒漏洩判定部84)において冷媒漏洩の有無を判定することで、熱交換器ユニット30における冷媒漏洩を検出している。しかし、冷媒漏洩の検出態様については、必ずしもこれに限定されず、設置環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。
【0183】
例えば、コントローラ80(冷媒漏洩判定部84)を、各熱源側センサS1及び/又は各熱交換器ユニットセンサS2の検出値のいずれかに基づき、熱交換器ユニット30における冷媒漏洩を検出するように構成することで、熱交換器ユニット30における冷媒漏洩が検出されてもよい。係る場合、コントローラ80(冷媒漏洩判定部84)が、熱源側センサS1及び/又は熱交換器ユニットセンサS2とともに、熱交換器ユニット30(設備機器室R)における冷媒漏洩を検出する「冷媒漏洩検出部」に相当する。なお、係る場合、冷媒漏洩センサ70については適宜省略されてもよい。
【0184】
(10-17)変形例17
上記実施形態においては、冷媒漏洩第3制御において、設備機器室Rにおける換気装置200の換気量が増大するように、換気ファン210及び開閉機構220の動作が制御されている。上記(iii)の効果を実現するうえで、冷媒漏洩第3制御は上記実施形態に係る態様で実行されることが好ましい。しかし、冷媒漏洩第3制御において、換気ファン210及び開閉機構220の一方の動作のみが制御されてもよい。係る場合であっても設備機器室Rにおける換気量が増大することから、上記(iii)の作用効果を奏する。
【0185】
(10-18)変形例18
上記実施形態における、冷媒漏洩第1制御、冷媒漏洩第2制御、及び冷媒漏洩第3制御の実行順序については適宜変更が可能である。例えば、冷媒漏洩第2制御又は冷媒漏洩第3制御の一方又は双方が、冷媒漏洩第1制御よりも前に実行されてもよい。
【0186】
(10-19)変形例19
上記実施形態においては、冷媒漏洩第2制御において、熱交換器ユニット30において漏洩冷媒の攪拌及び排出が促進されるように、排気ファン46及び冷却ファン48の動作が制御されていた。上記(ii)の効果を実現するうえで、冷媒漏洩第2制御は上記実施形態に係る態様で実行されることが好ましい。しかし、冷媒漏洩第2制御において、排気ファン46の動作のみが制御されてもよい。係る場合であっても熱交換器ユニット30において漏洩冷媒の攪拌及び排出がすることから、上記(ii)の作用効果を奏する。
【0187】
(10-20)変形例20
上記実施形態において、上記(i)及び(iii)の効果を実現するという点で、冷媒漏洩第1制御及び冷媒漏洩第3制御については、冷媒漏洩第2制御とともに実行されることが好ましい。しかし、本開示に係る思想において、冷媒漏洩第1制御及び冷媒漏洩第3制御については、必ずしも必要ではなく、適宜省略されてもよい。
【0188】
(10-21)変形例21
上記実施形態においては、コントローラ80は、熱交換器ユニット30において冷媒漏洩が生じた際に、冷媒漏洩第1制御、冷媒漏洩第2制御又は冷媒漏洩第3制御において、ポンプ36の動作を停止させてもよい。これにより、熱交換器33内において冷媒漏洩が生じていた場合に、漏洩冷媒が熱媒体回路HCを経て利用側ユニット60(居住空間SP)側へ流れることが抑制される。
【0189】
(11)
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0190】
本開示は、熱負荷処理システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0191】
10 :熱源側ユニット
11 :圧縮機
12 :アキュームレータ
13 :四路切換弁
14、14a:熱源側熱交換器
15 :過冷却器
16 :熱源側第1制御弁
17 :熱源側第2制御弁
18 :液側閉鎖弁
19 :ガス側閉鎖弁
20 :熱源側ファン
21―25 :第1温度センサ―第5温度センサ
27 :第1圧力センサ
28 :第2圧力センサ
29 :熱源側ユニット制御部
30、30a:熱交換器ユニット
31 :膨張弁
32 :開閉弁
33 :熱交換器
34 :第1熱交換器
35 :第2熱交換器
36 :ポンプ
41 :第6温度センサ
42 :第7温度センサ
43 :第3圧力センサ
44 :第4圧力センサ
45 :排気ファンユニット(第1ファン)
46 :排気ファン(第1ファンの本体)
46a :第2排気ファン(第2ファン/第1ファン)
47 :流路形成部材
47a :吸込口
48 :冷却ファン(第2ファン)
49 :熱交換器ユニット制御部
50 :ケーシング
50a :排出口
51 :ケーシング
55 :電装品箱
58 :底板(ドレンパン)
58a :排出ポート
60 :利用側ユニット
70 :冷媒漏洩センサ(冷媒漏洩検出部)
80 :コントローラ(制御部)
80a、80b:アダプタ
81 :記憶部
82 :入力制御部
83 :モード制御部
84 :冷媒漏洩判定部(冷媒漏洩検出部)
85 :機器制御部(制御部)
86 :駆動信号出力部
87 :情報出力制御部
90 :冷却塔
92 :熱源側ポンプ
100、100a:熱負荷処理システム
200 :換気装置
210 :換気ファン
220 :開閉機構
300 :出力装置
581 :底面部
A1、A1´:最上部分
A2 :最下部分
AF1 :第1空気流
AF2 :第2空気流
AF3 :第3空気流
B1 :建物
D :換気ダクト
GP :ガス側連絡管
H1 :第1熱媒体連絡管
H2 :第2熱媒体連絡管
HC :熱媒体回路
HP :熱媒体流路
Ha-Hd :熱媒体配管
LP :液側連絡管
P1―P11:第1配管-第11配管
Pa、Pb、Pc、Pd:冷媒配管
R :設備機器室
RC :冷媒回路
RP :冷媒流路
S1 :熱源側センサ
S2 :熱交換器ユニットセンサ
SP :居住空間
Sa :下空間
Sb :上空間
Si :底板直上空間
WC :熱源側熱媒体回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0192】
【文献】特開2006-38323号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18