(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】キャップ供給装置
(51)【国際特許分類】
B67B 3/064 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
B67B3/064
(21)【出願番号】P 2018187764
(22)【出願日】2018-10-02
【審査請求日】2021-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】高桑 匡平
(72)【発明者】
【氏名】青塚 久和
(72)【発明者】
【氏名】川上 望
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-154590(JP,A)
【文献】特開平02-241565(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00690020(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/00-35/58
B67B 1/00- 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内の液体をキャップ本体に取り付けられた操作部に設けられるノズルから噴射可能であり操作部から下方へ延出する垂下部材を備えるディスペンサ付キャップを、ノズルが搬送方向前後方向のうちの何れかを向いた状態で搬送するキャップ供給手段と、
前記キャップ供給手段から供給されたキャップを、ノズルが搬送方向に略直交する方向を向くように回転する方向規制手段と、
前記方向規制手段によって、ノズルが搬送方向に直交する方向に向けられたキャップを搬送するシュートとを備えたキャップ供給装置において、
前記キャップ本体は前記操作部に回転自在に設けられ、
前記方向規制手段は、前記ノズルが搬送方向前後方向のうちの予め定められた一方を向くようにキャップを回転する第1方向規制ホイールと、ノズルが搬送方向に略直交する方向を向くようにキャップを回転する第2方向規制ホイールとを備え
、
前記第1、第2方向規制ホイールは、各々ホイールの外周部に前記キャップ本体を把持する複数の把持機構と、前記把持機構で把持されたキャップ本体に対して操作部を回転させる回動機構とを備え、
前記シュートに、前記シュートの搬送方向に沿って、キャップ本体と垂下部材との間に対応する位置に前記シュート内でのキャップの回転を防止する回転防止ガイドを設けた
ことを特徴とするキャップ供給装置。
【請求項2】
前記回転防止ガイドの始端部は、前記第2方向規制ホイールの搬送区間の終端部まで前記シュートから延出し、前記第2方向規制ホイールによるキャップの搬送が終了すると、前記回転防止ガイドの始端部が前記キャップ本体と前記垂下部材との間に挿入されているように配置される
ことを特徴とする請求項
1に記載のキャップ供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュートを介してディスペンサ付きキャップを供給するキャップ供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ付きのディスペンサを備えるキャップをキャッパへ供給するキャップ供給装置では、ディスペンサのノズルの向きを揃えてキャッパへキャップを受け渡す必要がある、そのため、キャップ供給装置には、ディスペンサのノズルの向きを揃えるための機構が設けられる。例えば、シュートを介して自重を利用してキャップをキャッパに供給するキャップ供給装置では、シュートの途中においてキャップを一時的に係止して、ノズルの向きを検知するとともにノズルの向きを所定の方向に揃えるキャップ供給装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、シュートの途中でノズルの向きを揃え、その後再び下流側のシュート内をスライドさせてキャップをキャッパへと供給しているため、下流側のシュート内でキャップが規定の方向から回転する可能性がある。また、キャップの回転によりシュート内を滑走するキャップの噛み込みが発生し得る。また、キャップの短手方向をシュート搬送方向に向けて搬送することで、キャップのシュート内でのジャム(詰まり)の発生を低減できるが、上述したようにキャップが規定の方向からずれ易い特許文献1の構成では、シュート内でジャムが発生する可能性が高まる。
【0005】
本発明は、ディスペンサ付きのキャップをシュートを介して供給するキャップ供給装置において、キャップのシュート内での回転を防止することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明であるキャップ供給装置は、容器内の液体をキャップ本体に取り付けられた操作部に設けられるノズルから噴射可能であり操作部から下方へ延出する垂下部材を備えるディスペンサ付キャップを、ノズルが搬送方向前後方向のうちの何れかを向いた状態で搬送するキャップ供給手段と、前記キャップ供給手段から供給されたキャップを、ノズルが搬送方向に略直交する方向を向くように回転する方向規制手段と、前記方向規制手段によって、ノズルが搬送方向に直交する方向に向けられたキャップを搬送するシュートとを備えたキャップ供給装置において、前記キャップ本体は前記操作部に回転自在に設けられ、前記方向規制手段は、前記ノズルが搬送方向前後方向のうちの予め定められた一方を向くようにキャップを回転する第1方向規制ホイールと、ノズルが搬送方向に略直交する方向を向くようにキャップを回転する第2方向規制ホイールとを備え、前記第1、第2方向規制ホイールは、各々ホイールの外周部に前記キャップ本体を把持する複数の把持機構と、前記把持機構で把持されたキャップ本体に対して操作部を回転させる回動機構とを備え、前記シュートに、前記シュートの搬送方向に沿って、キャップ本体と垂下部材との間に対応する位置に前記シュート内でのキャップの回転を防止する回転防止ガイドを設けたことを特徴としている。
【0008】
本発明の第3の発明であるキャップ供給装置は、第2の発明において、前記回転防止ガイドの始端部は、前記第2方向規制ホイールの搬送区間の終端部まで前記シュートから延出し、前記第2方向規制ホイールによるキャップの搬送が終了すると、前記回転防止ガイドの始端部が前記キャップ本体と前記垂下部材との間に挿入されているように配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ディスペンサ付きのキャップをシュートを介して供給するキャップ供給装置において、キャップのシュート内での回転を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態であるディスペンサ付きキャップ供給装置の構成を示す平面図である。
【
図2】第1方向規制ホイールの一部の構成の配置を示す平面図である。
【
図3】第1方向規制ホイールの一部の構成の配置を示す側面図である。
【
図4】キャップがセットされた排出シュートを
図1のIV方向から見た横断面図である。
【
図5】別のキャップがセットされた排出シュートを
図1のIV方向から見た横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるディスペンサ付きキャップ供給装置の構成を示す平面図である。
【0012】
本実施形態のキャップ供給装置10は、ディスペンサ付きキャップCの向きを揃え、整列させた状態でキャッパ(不図示)へと供給する。ディスペンサ付きキャップC(
図4、5参照)は、例えば容器に挿入されるチューブCtと、その上端に接続されるポンプCpと、容器に装着されたディスペンサ付きキャップCを保持/操作するための操作部Chと、ポンプCpから吐出される液体を噴射するノズルCnを備える。また、容器口部に螺着されるキャップ本体Cbは、ポンプCpの周囲を取り囲むように操作部Chの下に回転自在に取り付けられる。
【0013】
キャップCは、逆さま(チューブCtが上向き)の状態、かつノズルCnが搬送方向前向きあるいは後ろ向きにされた状態で供給シュート12からキャップ供給ホイール14に順次供給される(キャップ供給手段)。キャップ供給ホイール14は、搬送方向に対するノズルCnの向きを保持したまま所定の間隔でキャップCをその外周に沿って搬送し、後流側に隣接する第1方向規制ホイール(方向規制手段)16へと受け渡す。
【0014】
第1方向規制ホイール16では、例えばキャップCに設けられたノズルCnの向きが、搬送方向に対して前向きのものが垂直軸周りに180°回転され、後ろ向きに揃えられる(後述)。第1方向規制ホイール16の下流側には、第2方向規制ホイール(方向規制手段)18が隣接して配置され、第1方向規制ホイール16でノズルCnの向きが搬送方向後向きに揃えられたキャップCを、垂直軸周りに略90°(許容誤差約±20°)回転させ、ノズルCnの向きを搬送方向と直交する方向、すなわち搬送方向に対し横向きにする(後述)。第2方向規制ホイール18の下流側には、キャップCを自重でスライドさせ不図示のキャッパへとキャップCを順次供給する排出シュート20が配置され、搬送方向に対してノズルCnが横向きにされたキャップCが順次受け渡される。
【0015】
供給ホイール14は、外周に沿って所定間隔で搬送爪14Aが設けられた爪付きディスク14Bを備える。供給シュート12から供給されるキャップCは、供給シュート12の下流側にあって、供給ホイール14へのキャップ受渡位置P1の手前に設けられた切り出し装置12Aにより、前後一対の搬送爪14Aの間に1つのキャップCが受け渡される。切り出し装置12Aは、例えば供給ホイール14の回転と同期するストッパであり、前後一対の搬送爪14Aの間に1つのキャップCが受け渡されるように、後続のキャップCの移動を一時的に停止する。
【0016】
受渡位置P1から第1方向規制ホイール16へキャップを受け渡す受渡位置P2までの搬送区間P1-P2には、爪付きディスク14Bの外周に沿ってキャップCの外側半分を下方から支持する底面ガイド14Cが配置される。また、爪付きディスク14Bの外周(搬送爪14Aの付根位置に対応)から例えばキャップ本体Cbの外径分離れた位置には、外周に沿った円弧状のサイドガイド14Dが配置される。すなわち、供給ホイール12へ受け渡されたキャップCは、回転する爪付きディスク14Bの後側の搬送爪14Aにより後方から押され、サイドガイド14Dに案内されて爪付きディスク14Bの外周に沿って底面ガイド14Cの上を搬送される。
【0017】
第1方向規制ホイール16は、外周に沿って所定間隔で複数のグリッパ22が設けられた回転体24を備える。なお、グリッパ22はキャップ本体Cbの外周面を把持してキャップCを保持するものであり、
図1では2つのグリッパ22のみが描かれ、その他のグリッパ22は省略されている。
【0018】
回転体24の外周には、後述するようにキャップCの内側(ホイール16の径方向内側)の略半分を支持する底面支持プレート24D(
図3参照)が設けられるとともに、受渡位置P2から第2方向規制ホイール18へキャップCを受け渡す受渡位置P3に掛けては、回転体24の外周に沿ってキャップCの外周に沿った搬送を案内するためのサイドガイド26が設けられる。また、受渡位置P2から所定区間、および受渡位置P3の手前の所定区間には、キャップCの外側(ホイール16の径方向外側)の略半分を支持する底面ガイド26A、26Bが設けられる。
【0019】
なお、底面ガイド26Aの終端部から下流側に向けたサイドガイド26の所定区間には、キャップ回転区間Aが設けられ、回転体24の外周に沿った円弧状のガイド内周壁に外側に向けた凹部が形成される。すなわち、キャップ本体Cbはキャップ回転区間Aに到る前にグリッパ22で把持され、ノズルCnの向きを揃えるためにキャップCがキャップ回転区間Aにおいて回転される際、操作部Chはサイドガイド26の内周壁と干渉しない。
【0020】
グリッパ22は底面ガイド26Bが設けられた区間において開放され、キャップCは受渡位置P3において第2方向規制ホイール18にキャップCを受け渡す。第2方向規制ホイール18は、キャップCを回転させる角度が略90°(許容誤差約±20°)である点やサイドガイドや底面ガイドの配置が異なるものの、その基本的な構成は第1方向規制ホイール16と略同様である。すなわち、第2方向規制ホイール18は、外周に沿って所定間隔で複数のグリッパ22が設けられた回転体30を備え、グリッパ22はキャップ本体Cbの外周面を把持してキャップCを保持する。
図1では1つのグリッパ22のみが描かれる。
【0021】
回転体30の外周には、キャップCの内側(ホイール18の径方向内側)の略半分を支持する底面支持プレート(不図示)が設けられるとともに、受渡位置P3から排出シュート20へキャップCの受け渡す受渡位置P4に掛けては、回転体30の外周に沿ってキャップCの外周に沿った搬送を案内するためのサイドガイド32が配置される。また、受渡位置P3から所定区間には、キャップCの外側(ホイール18の径方向外側)の略半分を支持する底面ガイド32Aが設けられる。
【0022】
底面ガイド32Aの終端部から受渡位置P4に掛けたサイドガイド32には、円弧状のサイドガイド32の内周壁が外側に拡径されたキャップ横置き区間Bが設けられる。また、キャップ横置き区間Bには、排出シュート20に沿って略その全区間に亘って延在し、後述するようにキャップCの排出シュート20内での回転を防止する回転防止ガイド34が、排出シュート20から回転体30の外周に沿って延出する。なお、キャップ横置き区間Bにおいて回転防止ガイド34は、ステー32Bを介してサイドガイド32に固定される。
【0023】
次に、
図2、
図3を参照して第1方向規制ホイール16の構成について説明する。
図2は、第1方向規制ホイール16の一部の構成の配置を示す平面図であり、
図3は、側面図である。なお、
図2の右側は、回転体24の下方部(下部回転板24C)での配置、左側は回転体の中間部(中部回転板24B)での配置を示す。
【0024】
本実施形態において、第1方向規制ホイール16の回転体24は、上部回転板24A、中部回転板24B、下部回転板24Cを備え、図示しない原動部により回転される回転軸36とともに一体的に回転する。下部回転板24Cは円環状の構造を呈し、その中心の穴には、回転軸36およびこれを取り囲む固定部37が垂直に挿通する。固定部37の上端は中部回転板24Bの下面近くにまで延出し、上端部外周には全周に亘ってグリッパ駆動カム37Aが設けられ、下部回転板24Cの上面近くの外周には全周に亘って反転レバー駆動カム37Bが設けられる。
【0025】
回転体24には外周に沿って所定間隔でキャップ本体Cbを把持する複数のグリッパ22と、これと対をなしキャップCのノズルCnの向きを搬送方向後ろ向きに揃える反転レバー38が設けられる。また、各グリッパ22(各反転レバー38)に対応して、上部回転板24Aから中部回転板24Bを貫通して下部回転板24Cまで揺動軸40が垂直に設置される。上部回転板24Aと中部回転板24Bの間の揺動軸40には、グリッパ22を駆動するグリッパ駆動機構42が取り付けられ、中部回転板24Bと下部回転板24Cの間の揺動軸40には、反転レバー38を駆動するレバー駆動機構44が取り付けられる。
【0026】
グリッパ駆動機構42は、グリッパ22を構成する一対の第1、第2グリッパ片21、23と、アームの先端にカムフォロワ42Cが設けられた駆動アーム42Aとを備える。駆動アーム42Aの基端部は、揺動軸40の周りに揺動自在に取り付けられ、駆動アーム42Aと上部回転板24Aの間の揺動軸40の周りには、トーションスプリング42Bが配置される。トーションスプリング42Bの一端は駆動アーム42Aに、他端は上部回転板24Aに係止され、トーションスプリング42Bは、駆動アーム42Aを揺動軸40周りに固定部37に設けられたグリッパ駆動カム37Aに向けて回転付勢する。これにより、カムフォロワ42Cは、グリッパ駆動カム37Aのカム面に押し当てられ、回転体24の回転にともなって、揺動軸40とともに駆動アーム42Aが移動するとカムフォロワ42Cがグリッパ駆動カム37Aのカム面に沿って走行し、カムの形状に応じて駆動アーム42Aが揺動軸40周りに揺動される。
【0027】
第1グリッパ片21は、L字状の部材で、その短手部材の先端側にはキャップ本体Cbを把持する把持部が形成される。一方、L字状の第1グリッパ片21の長手部材の先端部は、揺動軸40周りに枢着された駆動アーム42Aに同心的に枢着され、駆動アーム42Aとは独立して揺動軸40周りに揺動可能である。
【0028】
L字状の第1グリッパ片21の長手部材の屈曲部近くには、垂直方向上向きに延出する第2グリッパ回動軸21Aが設けられ、第2グリッパ回動軸21Aの上端部には、第2グリッパ片23が回動自在に取り付けられる。すなわち、第1、第2グリッパ片21、23は、第1グリッパ片21の揺動軸40周りの回転により第1方向規制ホイール16の径方向に進退可能とされるとともに、第2グリッパ片21の第2グリッパ回動軸21A周りの回動によりグリッパ22が開閉可能な構成とされる。
【0029】
また、第2グリッパ片23の第2グリッパ回動軸21Aよりも揺動軸40側の下面には下向きに突設するピン23Aが設けられ、その周囲にはトーションスプリング23Bが配置される。トーションスプリング23Bの一端は第2グリッパ片23に係止され、他端は駆動アーム42Aの上面から上向きに突設するピン42Dに係止される。
【0030】
駆動アーム42Aのカムフォロワ42Cがグリッパ駆動カム37Aにより外側に押し出され、駆動アーム42Aが揺動軸40の周りに回動されると、駆動アーム42Aのピン42D、トーションスプリング23B、ピン23Aを介して第2グリッパ片23に駆動アーム42Aの回転力が伝達され、更に第2グリッパ回動軸21Aを介して第1グリッパ片21が回動力が伝達される。これにより、第1グリッパ片21および第2グリッパ片23が一体的に第1方向規制ホイール16の径方向外側へと押し出される。
【0031】
更に駆動アーム42Aが揺動軸40周りに回動され、これに伴って揺動軸40周りに回転される第1グリッパ片21が所定位置まで押し出されると、第1グリッパ片21の長手部材がストッパ27により係止され、第1グリッパ片21の揺動軸40周りの回転が停止される。第1グリッパ片21の回転が停止された状態で駆動アーム42Aが更に揺動軸40周りに回動されると、ピン42D、トーションスプリング23B、ピン23Aを介して第2グリッパ片43に駆動アーム42Aの回転力が伝達され、第2グリッパ片23が第2グリッパ回動軸21Aを中心にグリッパ22が閉じる方向へ回動される。なお、本実施形態では、第1、第2グリッパ片21、23の間には、両者の間を連絡し、グリッパ22の把持力を調整するための把持力調整機構22Aが設けられる。
【0032】
一方、レバー駆動機構44は、反転レバー38を回転させるセクタギヤ44Aと、セクタギヤ44Aを回動させる駆動アーム44Bを備える。セクタギヤ44Aおよび駆動アーム44Bは、一体的に揺動軸40に枢着され、駆動アーム44Bの先端には、反転レバー駆動カム37Bのカム面に係合するカムフォロワ44Cが設けられる。反転レバー38は、その一端がレバー回転軸44Dに軸支され、レバー回転軸44D周りに回転するギヤ38Aを備える。反転レバー38の他端には、キャップCの操作部Chに係合してキャップCを反転させる係合ピン38Bが設けられる。なお、係合ピン38Bは、反転レバー38本体から垂直上向きに中部回転板24Bの上面よりも僅かに高い位置にまで延出する。
【0033】
セクタギヤ44Aは、例えば扇形のギヤであり、レバー回転軸44Dのギヤ38Aと噛み合う。セクタギヤ44Aの揺動軸40を挟んだ反対側には、一端が下部回転板24Cに取り付けられた引張スプリング44Eの他端が取り付けられる。すなわち、セクタギヤ44Aおよび駆動アーム44Bは、第1方向規制ホイール16の中心に向けて付勢され、駆動アーム44Bのカムフォロワ44Cは、反転レバー駆動カム37Bのカム面に押し当てられる。
【0034】
カムフォロワ44Cが反転レバー駆動カム37Bにより第1方向規制ホイール16の径方向外側へと押し遣られると、セクタギヤ44Aは、揺動軸40の周りに径方向外側へと揺動される。これにより係合ピン38Bは、
図2のP5に示される位置からP6に示される位置へ180°以上の所定角度回転される。また、カムフォロワ44Cが第1方向規制ホイール16の径方向内側へと移動すると、係合ピン38Bは、P6に示される位置からP5に示される位置へと回転される。なお、本実施形態において、中部回転板24Bの外周部には、各係合ピン38Bを退避させるための円弧スリット25が各々設けられ、
図1のキャップ回転区間A以外において、係合ピン38Bは、円弧スリット25内に退避されている。
【0035】
キャップCの操作部Chは、ノズルCnの噴出方向に長く、キャップ本体Cbを挟んだ前後では、その長さが異なる。本実施形態では、操作部ChのノズルCnとは反対側が長く、係合ピン38Bは、キャップ本体Cbから前後に延出する操作部Chのうちの長い方にのみ係合するように配置される。そのため、反転レバー38が回転され係合ピン38BがP5からP6へと移動すると、キャップCのノズルCnが搬送方向に対して前側を向いているキャップCでは、係合ピン38Bが操作部Chの後側に係合してキャップCが180°(
図2において時計回り)回転され、ノズルCnが搬送方向に対して後側を向いているキャップCに関しては、操作部Chが係合ピン38Bと干渉することなく元のままの向きに維持される。これによりキャップCのノズルCnは、搬送方向に対して全て後ろ向きに揃えられる。
【0036】
本実施形態のディスペンサ付きキャップ供給装置10で使用される第2方向規制ホイール18のグリッパ駆動機構、レバー駆動機構は、上述した第1方向規制ホイール16と略同様の構成であるためその説明を省略する。但し、第2方向規制ホイール18では、反転レバー駆動カムによる反転レバーの回転は、キャップCを略90°(許容誤差約±20°)のみ回転させ、キャップCの搬送方向は第1方向規制ホイール16とは逆向きである。また、第2方向規制ホイール18では、ノズルCnが全て搬送方向後側を向いているため、全てのキャップCが係合ピンにより略90°(許容誤差約±20°)回転され、ノズルCnが第2方向規制ホイール18の径方向内側を向けられる。
【0037】
次に
図4を参照して、排出シュート20の構成と、本実施形態で取り扱われるキャップCが排出シュート20内を移動する姿勢について説明する。なお、
図4はキャップCがセットされた排出シュート20を
図1のIV方向から見た横断面図である。
【0038】
排出シュート20は、中空の凹字形の断面形状を呈し、キャップCは逆さまにされた状態でその頂部が、排出シュート20の底板20Aにより支持される。排出シュート20の上方の凹部の底部20Bには、シュート長手方向に沿ったスリット状の開口部20Cが設けられ、キャップ本体Cbから上方へと延出するポンプCpおよびチューブCtは、開口部20Cを通してを排出シュート20の外方へと突出する。
【0039】
排出シュート20内には、前述した回転防止ガイド34と、走行ガイド35がシュート長手方向に沿って延在する。本実施形態で取り扱われるキャップCの操作部Chには、ノズルCnとは反対側(後側)に、ポンプCpのトリガーである操作レバーClが操作部Ch後方に向けて延出する。また、その下方(
図4では上方)には、ユーザが握るためのグリップ(垂下部材)Cgが設けられる。グリップCgは、操作部Chの後方部(ノズルCnの反対側)から、キャップ本体Cb、ポンプCpに沿ってキャップCの下方(チューブCtが取り付けられている方向)へ延出する。回転防止ガイド34は、シュート内において、例えばキャップ本体CbとグリップCgの間に位置し、走行ガイド35は、キャップ本体Cbを挟んだ回転防止ガイド34の反対側において、キャップ本体Cbに隣接して配置される。
【0040】
回転防止ガイド34は、グリップCgとキャップ本体Cbの間に挟まれるように位置するので、キャップCが排出シュート20内で回転しようとしても、グリップCgが回転防止ガイド34に係合して回転が規制される。また、走行ガイド35は、排出シュート20内のキャップCが、走行中に回転防止ガイド34とは反対側に傾くことを防止する。
【0041】
次に、
図5を参照して、操作部Chの長手軸が、ノズルCnが設けられた側が長く、ポンプCpのトリガーである操作レバー(垂下部材)Clがノズル下の操作部Chからキャップ本体Cb、ポンプCpに沿ってキャップCの下方(チューブCtが取り付けられている方向)へ延出するキャップCを取り扱う場合について説明する。なお、
図5は、別のキャップを取り扱うときの
図4に対応する
図1の排出シュートをIV方向から見た横断面図である。
【0042】
図5の構成のキャップCでは、ノズル側の操作部Chが長いので、第1、第2方向規制ホイール16、18の係止ピン38Bが係合するのは、ノズルCnが設けられた側の操作部Chである。そのため、第1方向規制ホイール16では、ノズルCnが搬送方向の後側を向くキャップCのみが180°回転され、ノズルCnが全て搬送方向前側に向くように揃えられる。また、第2方向規制ホイール18では、全てのキャップCが係合ピンにより略90°(許容誤差約±20°)回転され、ノズルCnが第2方向規制ホイール18の径方向外側を向けられる。
【0043】
回転防止ガイド34は、シュート内において、キャップ本体Cbと操作レバーClの間に位置し、走行ガイド35は、キャップ本体Cbを挟んだ回転防止ガイド34の反対側において、キャップ本体Cbに隣接して配置される。すなわち、回転防止ガイド34は、操作レバーClとキャップ本体Cbの間に挟まれるように位置するので、キャップCが排出シュート20内で回転しようとしても、操作レバーClが回転防止ガイド34に係合して回転が規制される。また、走行ガイド35は、排出シュート20内のキャップCが、走行中に回転防止ガイド34とは反対側に傾くことを防止する。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、ディスペンサ付きのキャップをシュートを介して供給するキャップ供給装置において、キャップ操作部から下側に向けて垂下するグリップや操作レバーなどの部材とキャップ本体の間に、シュートに沿ったガイド部材を設けることで、キャップのシュート内での回転を防止できる。
【符号の説明】
【0045】
10 ディスペンサ付きキャップ供給装置
14 キャップ供給ホイール(キャップ供給手段)
16 第1方向規制ホイール(方向規制手段)
18 第2方向規制ホイール(方向規制手段)
20 排出シュート
22 グリッパ
34 回転防止ガイド
38 反転レバー
38B 係止ピン
42 グリッパ駆動機構(把持機構)
44 レバー駆動機構(回動機構)
C キャップ
Cb キャップ本体
Cg グリップ(垂下部材)
Ch 操作部
Cl 操作レバー(垂下部材)
Cn ノズル
Cp ポンプ
Ct チューブ