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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】錠システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20221013BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20221013BHJP
   G07D 11/125 20190101ALI20221013BHJP
【FI】
G07D9/00 Z
E05B49/00 J
G07D11/125
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018221550
(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公開番号】P2020087034
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000144544
【氏名又は名称】レシップホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 高信
(72)【発明者】
【氏名】村島 和博
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 吉宏
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-035515(JP,A)
【文献】特開2012-164299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00- 3/16
G07D 9/00-13/00
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置と、車両内に設置される運賃箱と、を備える錠システムであって、
前記無線通信装置は、
第1の通信方式に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、
第1の認証情報を記憶するための第1のメモリと、
第1のプロセッサと、を備え、
前記第1のプロセッサは、
前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の認証情報及び/又は第2の認証情報を利用した第1の通信を、前記第2の認証情報を記憶する可搬型デバイスと実行する第1の通信実行部と、
前記第1の通信の結果として前記第1の認証情報と前記第2の認証情報とが一致する場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記運賃箱を開錠するための開錠情報を前記可搬型デバイスに送信する送信部であって、前記開錠情報が前記可搬型デバイスに送信される場合に、前記開錠情報は前記可搬型デバイス内に記憶され、前記第1の通信の結果として前記第1の認証情報と前記第2の認証情報とが一致しない場合に、前記開錠情報は前記可搬型デバイスに送信されない、前記送信部と、として機能し、
前記運賃箱は、
箱本体と、
前記箱本体内に収容される金庫であって、前記車両の乗客によって支払われる金銭を収容する前記金庫と、
前記第1の通信方式に従った無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、
第2のプロセッサと、を備え、
前記第2のプロセッサは、
前記可搬型デバイスが前記開錠情報を記憶する場合に、前記可搬型デバイスから、前記第2の無線インターフェースを介して、前記開錠情報を受信する第1の受信部と、
前記可搬型デバイスから前記開錠情報が受信される場合に、前記運賃箱の状態を、前記箱本体から前記金庫を取り出し不可能である施錠状態から、前記箱本体から前記金庫を取り出し可能である開錠状態に変化させる状態制御部と、として機能する、錠システム。
【請求項2】
前記無線通信装置の前記送信部は、前記運賃箱を開錠可能な有効期間を示す有効期間を示す前記開錠情報を前記可搬型デバイスに送信し、
前記運賃箱の前記状態制御部は、
前記可搬型デバイスから前記開錠情報が受信され、かつ、現在日時が前記開錠情報によって示される前記有効期間に含まれる場合に、前記運賃箱の状態を前記施錠状態から前記開錠状態に変化させ、
前記可搬型デバイスから前記開錠情報が受信され、かつ、現在日時が前記有効期間に含まれない場合に、前記運賃箱の状態を前記施錠状態から前記開錠状態に変化させない、請求項1に記載の錠システム。
【請求項3】
前記運賃箱は、さらに、
前記第1の認証情報を記憶するための第2のメモリを備え、
前記運賃箱の前記第2のプロセッサは、さらに、
前記第2の無線インターフェースを介して、前記第1の認証情報及び/又は前記第2の認証情報を利用した第2の通信を前記可搬型デバイスと実行する第2の通信実行部として機能し、
前記運賃箱の前記状態制御部は、
前記可搬型デバイスから前記開錠情報が受信され、かつ、前記第2の通信の結果として前記第1の認証情報と前記第2の認証情報とが一致する場合に、前記運賃箱の状態を前記施錠状態から前記開錠状態に変化させ、
前記第2の通信の結果として前記第1の認証情報と前記第2の認証情報とが一致しない場合に、前記運賃箱の状態を前記施錠状態から前記開錠状態に変化させない、請求項1又は2に記載の錠システム。
【請求項4】
前記運賃箱の前記第2のプロセッサは、さらに、
前記可搬型デバイスから、前記第2の無線インターフェースを介して、前記可搬型デバイスを識別する識別情報を受信する第2の受信部と、
前記運賃箱の状態が前記施錠状態から前記開錠状態に変化される場合に、受信済みの前記識別情報を外部に出力する出力部と、として機能する、請求項1から3のいずれか一項に記載の錠システム。
【請求項5】
前記運賃箱は、さらに、
前記第1の通信方式とは異なる第2の通信方式に従った通信を実行するための通信インターフェースを備え、
前記運賃箱の前記出力部は、前記通信インターフェースを介して、前記識別情報をサーバに送信することによって、前記識別情報を外部に出力する、請求項4に記載の錠システム。
【請求項6】
前記運賃箱は、さらに、
前記金庫の外面に取り付けられる第3のメモリであって、前記金庫内の金銭の金額を示す金額情報を記憶する前記第3のメモリを備え、
前記金庫内の金銭を回収するための金銭回収装置に前記金庫が載置される場合に、前記第3のメモリ内の前記金額情報が前記金銭回収装置によって読み出される、請求項1から5のいずれか一項に記載の錠システム。
【請求項7】
前記無線通信装置の前記第1のメモリは、さらに、前記開錠情報を送信可能な時間帯である可能時間帯を特定するための特定情報を記憶し、
前記無線通信装置の前記送信部は、
前記第1の認証情報と前記第2の認証情報とが一致し、かつ、現在時刻が前記特定情報によって特定される前記可能時間帯に含まれる場合に、前記開錠情報を前記可搬型デバイスに送信し、
現在時刻が前記可能時間帯に含まれない場合に、前記開錠情報を前記可搬型デバイスに送信しない、請求項1から6のいずれか一項に記載の錠システム。
【請求項8】
前記可搬型デバイスは、前記無線通信を実行可能なカードである、請求項1から7のいずれか一項に記載の錠システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、車両内に設置される運賃箱を開錠するための錠システムを開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バス内に設置される運賃箱が開示されている。運賃箱は、箱本体と、箱本体内に収容される金庫と、金庫扉施錠機構と、赤外線通信ポートと、を備える。赤外線通信ポートは、プローブとの赤外線通信を実行して、ID認証を実行する。ID認証が成功すると、金庫扉施錠機構が金庫を開錠する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-164299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プローブは、通常、バスの車庫の近傍に設置される金銭回収装置に配線を介して接続される。プローブが配線を介して金銭回収装置に接続されているので、作業員は、バスが運行を終えて車庫に戻ってくると、配線と共にプローブをバスの車内を持ち込んで、プローブと運賃箱の赤外線通信ポートとの間で赤外線通信を実行させる。配線と共にプローブを車内に持ち込むのは煩わしい。
【0005】
本明細書では、作業員が運賃箱を容易に開錠することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される錠システムは、無線通信装置と、車両内に設置される運賃箱と、を備えてもよい。前記無線通信装置は、第1の通信方式に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、第1の認証情報を記憶するための第1のメモリと、第1のプロセッサと、を備えてもよい。前記第1のプロセッサは、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の認証情報及び/又は第2の認証情報を利用した第1の通信を、前記第2の認証情報を記憶する可搬型デバイスと実行する第1の通信実行部と、前記第1の通信の結果として前記第1の認証情報と前記第2の認証情報とが一致する場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記運賃箱を開錠するための開錠情報を前記可搬型デバイスに送信する送信部であって、前記開錠情報が前記可搬型デバイスに送信される場合に、前記開錠情報は前記可搬型デバイス内に記憶され、前記第1の通信の結果として前記第1の認証情報と前記第2の認証情報とが一致しない場合に、前記開錠情報は前記可搬型デバイスに送信されない、前記送信部と、として機能してもよい。前記運賃箱は、箱本体と、前記箱本体内に収容される金庫であって、前記車両の乗客によって支払われる金銭を収容する前記金庫と、前記第1の通信方式に従った無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、第2のプロセッサと、を備えてもよい。前記第2のプロセッサは、前記可搬型デバイスが前記開錠情報を記憶する場合に、前記可搬型デバイスから、前記第2の無線インターフェースを介して、前記開錠情報を受信する第1の受信部と、前記可搬型デバイスから前記開錠情報が受信される場合に、前記運賃箱の状態を、前記箱本体から前記金庫を取り出し不可能である施錠状態から、前記箱本体から前記金庫を取り出し可能である開錠状態に変化させる状態制御部と、として機能してもよい。
【0007】
上記の構成によると、無線通信装置は、例えば、運賃箱から金銭を回収するためのエリア(例えば車庫)に設置され、可搬型デバイスは、当該エリアにおいて金銭の回収作業を行なう作業員によって所持される。作業員は、まず、可搬型デバイスを無線通信装置に近づける。この場合、無線通信装置は、第1の認証情報及び/又は第2の認証情報を利用した第1の通信を可搬型デバイスと実行し、第1の通信の結果として第1の認証情報と第2の認証情報とが一致する場合に、開錠情報を可搬型デバイスに送信して、開錠情報を可搬型デバイスに記憶させる。次いで、作業員は、バスの車内に可搬型デバイスを持ち込んで、可搬型デバイスを運賃箱に近づける。この場合、運賃箱は、可搬型デバイスから開錠情報を受信し、運賃箱の状態を施錠状態から開錠状態に変化させる。これにより、作業員は、運賃箱から金庫を取り出すことができる。この構成によると、作業員は、配線と共にプローブをバスの車内に持ち込む必要がないので、運賃箱を容易に開錠することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例の錠システムの概要図を示す。
図2】運賃箱の一部の斜視図を示す。
図3】各デバイスの制御構成を示す。
図4】各デバイスによって実行される処理のシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(錠システム2の構成;図1
図1を参照して、本実施例の錠システム2の概要を説明する。錠システム2は、公道を走行するバス内に設置される運賃箱100から金庫を回収するために利用される。錠システム2は、バスと、当該バスを収容するための車庫エリアと、当該バスの運行会社のオフィスと、において利用される。
【0010】
車庫エリアには、R/W(Reader Writerの略)装置10と金銭回収装置50とアクセスポイント70とが設置される。R/W装置10は、NFC(Near Field Communicationの略)方式に従った近距離無線通信を実行可能であり、特に、NFC方式のReader及びWriterとして機能することができる。R/W装置10は、運賃箱100から金庫を回収する作業員によって所持される認証カードとのNFC通信を実行して、認証カードを有効化する。金銭回収装置50は、運賃箱100から取り出された金庫に収容されている金銭を回収する。アクセスポイント70は、インターネットに接続されている。
【0011】
バスには、運賃箱100が設置される。運賃箱100は、乗客によって支払われる金庫を収容する。運賃箱100は、NFCインターフェース116を備えており、NFCインターフェース116を介して認証カードとのNFC通信を実行する。これにより、運賃箱100が開錠されるので、作業員は、運賃箱100から金庫を取り出すことができる。運賃箱100は、さらに、Wi-Fiインターフェース(図1では図示省略)を備えており、Wi-Fiインターフェースを介して、車庫エリア内のアクセスポイント70とのWi-Fi通信を実行することができる。
【0012】
オフィスには、サーバ200とPC(Personal Computerの略)300とが設置される。サーバ200は、インターネットに接続されている。サーバ200は、バス内の運賃箱100から、アクセスポイント70及びインターネットを介して、情報を受信することができる。また、サーバ200及びPC300は、LAN(Local Area Networkの略)を介して相互に通信可能である。PC300は、サーバ200からLANを介して情報を受信し、当該情報を表示することができる。なお、本実施例では、車庫エリアとオフィスとの間にインターネットが介在しているが、それは必須ではない。変形例では、例えば、サーバ200及びPC300は、インターネットを介さずに、アクセスポイント70(即ち社内LAN)に接続されていてもよい。また、各デバイス100,200,300等の間の通信は、本実施例に示される種類の通信に限られず、3G、4G、LTE等の他の種類の通信であってもよい。また、別の変形例では、サーバ200がインターネット上のホスティングサービスであり、PC300がアクセスポイント70(即ち社内LAN)に接続されていてもよい。
【0013】
(運賃箱100の構成;図1図2
続いて、図1及び図2を参照して、運賃箱100の構成を説明する。運賃箱100は、運賃箱100の外観を構成する筐体である箱本体120を備える。図2に示されるように、箱本体120は、開口122を有する。運賃箱100は、さらに、開口122を介して箱本体120内に収容される金庫124を備える。金庫124は、バスの乗客によって支払われる金銭を収容する。具体的には、金庫124は、箱本体120に設けられている紙幣挿入口126、又は、箱本体120に設けられているコイン挿入口(図示省略)に挿入される金銭を収容する。運賃箱100は、さらに、箱本体120に対して開閉可能に取り付けられる扉130を備える。扉130が閉じられた状態では、扉130が開口122を塞ぎ、扉130が開かれた状態では、扉130が開口122を開放する。扉130は、施錠されている施錠状態(即ち、開くことが不可能な状態)と、施錠されていない開錠状態(即ち、開くことが可能な状態)と、の間で切り換えられる。
【0014】
扉130を施錠及び開錠するための構成について説明する。運賃箱100は、さらに、箱本体120内に設置される板部材140を備える。板部材140は、箱本体120に対して上下方向に移動可能である。板部材140は、3個の爪部142を備える。運賃箱100は、さらに、板部材140を上下方向に移動させるモータ144を備える。扉130は、扉130の内面から突出する3個の凸部150を備える。
【0015】
扉130が閉じられたことが図示省略のセンサによって検出されると、モータ144が駆動され、板部材140が下方に移動する。これにより、板部材140の各爪部142が扉130の各凸部150に接触する(即ち、各爪部142が各凸部150に引っ掛かる)。この結果、扉130が施錠されている施錠状態が実現される。一方、有効化された認証カードがNFCインターフェース116(図1参照)に近づけられると、モータ144が駆動され、板部材140が上方に移動する。これにより、板部材140の各爪部142が扉130の各凸部150から離反する。この結果、扉130が開錠されている開錠状態が実現される。
【0016】
また、運賃箱100は、さらに、金庫124の下面に取り付けられるICメモリ160を備える。ICメモリ160は、NFC方式のICタグであり、金庫124内の金銭の金額を示す金額情報を記憶する。
【0017】
(各デバイスの制御構成;図3
続いて、図3を参照して、各デバイスの制御構成を説明する。R/W装置10は、CPU12と、メモリ14と、NFCインターフェース16と、を備える。各部12~16は、バス線(符号省略)に接続されている。CPU12は、メモリ14に記憶されているプログラムPG1に従って、様々な処理を実行する。メモリ14は、プログラムPG1の他に、特定情報22と認証ID「aaa」とを記憶する。NFCインターフェース16は、NFC方式のReaderとして機能する場合に、外部デバイス(例えば認証カード)から情報を受信する(即ち情報を読み出す)ことができ、NFC方式のWriterとして機能する場合に、情報を外部デバイスに送信する(即ち情報を書き込む)ことができる。
【0018】
特定情報22は、認証カードを有効化することが可能な時間帯を特定するための情報である。本実施例では、特定情報22によって特定される可能時間帯は、6時~22時である。従って、R/W装置10は、6時~22時の間に認証カードが近づけられると認証カードを有効化するが、22時~6時の間に認証カードが近づけられても認証カードを有効化しない。認証ID「aaa」は、認証カードの認証を実行するための情報である。特定情報22及び認証ID「aaa」は、錠システム2の管理者によってR/W装置10に予め記憶される。特に、特定情報22は、例えば、サーバ200からR/W装置10に送信されることによって、R/W装置10に記憶される。
【0019】
運賃箱100は、CPU112と、メインメモリ114と、NFCインターフェース116と、Wi-Fiインターフェース118と、モータ144と、ICメモリ160と、を備える。各部112~160は、バス線(符号省略)に接続されている。CPU112は、メインメモリ114に記憶されているプログラムPG2に従って、様々な処理を実行する。メインメモリ114は、プログラムPG2の他に、認証ID「aaa」を記憶する。運賃箱100に記憶されている認証ID「aaa」は、R/W装置10に記憶されている認証ID「aaa」に一致する。認証ID「aaa」は、錠システム2の管理者によって運賃箱100に予め記憶される。
【0020】
NFCインターフェース116は、NFC方式の少なくともReaderとして機能することができ、外部デバイス(例えば認証カード)から情報を受信することができる。Wi-Fiインターフェース118は、Wi-Fi方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースである。モータ144は、CPU112からの指示に従って板部材140(図2参照)を移動させる。ICメモリ160は、乗客によって金銭が投入される毎に、CPU112から、NFCI/F116とは異なるNFCI/Fを介して、投入金額に関する情報を受信する。そして、ICメモリ160は、金庫124内の金銭の金額を示す金額情報162を記憶する。
【0021】
サーバ200は、複数枚の認証カードのそれぞれについて、当該認証カードを識別する固有のIDであるカードIDと、当該認証カードを所持する作業員の名称である作業員名と、を関連付けて記憶する。サーバ200内の情報は、錠システム2の管理者によってサーバ200に予め記憶される。
【0022】
図3では、複数枚のカードのうちの1枚の認証カード400を示す。認証カード400は、NFC規格のICタグを備えており、Readerとして機能する外部デバイス(例えばR/W装置10、運賃箱100)に情報を送信したり、Writerとして機能する外部デバイス(例えばR/W装置10)から情報を受信したりすることができる。認証カード400は、カードID「001」と認証ID「aaa」とを予め記憶している。
【0023】
他の認証カードには、カードID「001」とは異なるカードIDが割り当てられている。ただし、他の認証カードは、認証ID「aaa」と同じ認証ID「aaa」を記憶する。即ち、複数枚の認証カードを所持する複数人の作業員のいずれもが、R/W装置10によって自身の認証カードを有効化させることができ、その後、運賃箱100を開錠することができる。
【0024】
(各デバイスによって実行される処理;図4
続いて、図4を参照して、各デバイスによって実行される処理の内容を説明する。以下の各処理は、実際には各デバイスのCPU(例えばCPU12,112)によって実行される。しかしながら、以下では、理解の容易化のために、CPUを主語として説明せずに、デバイスそのもの(例えばR/W装置10、運賃箱100)を主語として説明する。
【0025】
車庫エリア内で作業を行なう作業員は、バスが運行を終えて車庫エリアに戻ってくると、S10において、当該作業員の認証カード400をR/W装置10に近づける。この場合、S12において、R/W装置10は、NFC方式のReaderとして機能して、NFCインターフェース16を介して、認証カード400から認証ID「aaa」を受信する。なお、変形例では、S12において、R/W装置10は、さらに、認証カード400からカードID「001」を受信してもよい。そして、R/W装置10は、運賃箱100を開錠させることが可能なカードIDのリストを予め記憶しておき、受信済みのカードID「001」が当該リストに含まれる場合には、S20以降の処理を実行し、受信済みのカードID「001」が当該リストに含まれない場合には、S20以降の処理を実行しなくてもよい。
【0026】
R/W装置10は、S12において、認証ID「aaa」を受信すると、S20において、受信済みの認証ID「aaa」の認証を実行する。具体的には、R/W装置10は、メモリ14内の認証ID「aaa」と受信済みの認証ID「aaa」とが一致するのか否かを判断する。図4の例では、R/W装置10は、前者の認証IDと後者の認証IDとが一致すると判断し、即ち、認証が成功したと判断し(S20でYES)、S22に進む。一方、R/W装置10は、例えば、認証カード400とは異なるデバイス(例えば、認証ID「aaa」を記憶していない認証カード)から、認証ID「aaa」とは異なる認証IDを受信する場合には、前者の認証IDと後者の認証IDとが一致しないと判断し、即ち、認証が失敗と判断し(S20でNO)、S22以降の処理を実行することなく、処理を終了する(即ち、開錠情報を認証カード400に送信しない)。このように、認証IDを利用した認証が成功することを条件として開錠情報が認証カード400にされるので、金庫124の回収に関するセキュリティを向上させることができる。
【0027】
S22では、R/W装置10は、現在時刻が、メモリ14内の特定情報22(図3参照)によって特定される可能時間帯(本実施例では6時~22時)に含まれるのか否かを判断する。なお、現在時刻は、例えば、R/W装置10に設けられている時計から取得される。R/W装置10は、現在時刻が可能時間帯に含まれると判断する場合(S22でYES)に、S24に進む。一方、R/W装置10は、現在時刻が可能時間帯に含まれないと判断する場合(S22でNO)に、S24以降の処理を実行することなく、処理を終了する(即ち、開錠情報を認証カード400に送信しない)。これにより、通常であれば運賃箱100から金庫124が回収されない時間帯に開錠情報が認証カード400に送信されるのを抑制することができる。このように、回収時間帯を制限することができるので、金庫124の回収に関するセキュリティを向上させることができる。特に、錠システム2の管理者は、特定情報22をR/W装置10に記憶させておけば、認証カード400を含む複数枚の認証カードのいずれに対しても回収時間帯を制限することができる。個々の認証カードのそれぞれに対して回収時間帯を制限するための情報を記憶させる構成と比べると、複数枚の認証カードに対する回収時間帯の制限を容易に実現することができる。
【0028】
S24では、R/W装置10は、まず、現在日時に所定時間(例えば5分)を加算することによって、運賃箱100を開錠可能な有効期間(即ち有効期間の終期)を算出する。図4の例では、当該有効期間として、2018年11月30日10時30分が算出される。そして、R/W装置10は、NFC方式のWriterとして機能して、NFCインターフェース16を介して、算出済みの有効期間を示す開錠情報を認証カード400に送信する。
【0029】
認証カード400は、S24において、開錠情報を受信すると、S26において、開錠情報を記憶する。ここで、認証カード400は、古い開錠情報を既に記憶済みである場合には、古い開錠情報に代えて、S24で受信された新しい開錠情報を記憶する。
【0030】
次いで、作業員は、S30において、バスの車内に乗り込んで、当該作業員の認証カード400を運賃箱100(具体的にはNFCインターフェース116)に近づける。この場合、運賃箱100は、S32において、NFC方式のReaderとして機能して、NFCインターフェース116を介して、認証カード400から、カードID「001」と、認証ID「aaa」と、S26で記憶された開錠情報と、を受信する。なお、変形例では、運賃箱100は、運賃箱100を開錠させることが可能なカードIDのリストを予め記憶しておき、受信済みのカードID「001」が当該リストに含まれる場合には、S40以降の処理を実行し、受信済みのカードID「001」が当該リストに含まれない場合には、S40以降の処理を実行しなくてもよい。
【0031】
運賃箱100は、S32において、各情報を受信すると、S40において、受信済みの認証ID「aaa」の認証を実行する。具体的には、運賃箱100は、メインメモリ114内の認証ID「aaa」と受信済みの認証ID「aaa」とが一致するのか否かを判断する。図4の例では、運賃箱100は、前者の認証IDと後者の認証IDとが一致すると判断し、即ち、認証が成功したと判断し(S40でYES)、S42に進む。一方、運賃箱100は、前者の認証IDと後者の認証IDとが一致しないと判断する場合、即ち、認証が失敗と判断する場合(S40でNO)、S42以降の処理を実行することなく、処理を終了する(即ち、扉130が開錠されない)。このように、認証IDを利用した認証が成功することを条件として扉130が開錠されるので、金庫124の回収に関するセキュリティを向上させることができる。
【0032】
S42では、運賃箱100は、現在日時が、S32において受信された開錠情報によって示される有効期間に含まれるのか否かを判断する。なお、現在日時は、例えば、運賃箱100に設けられている時計から取得される。運賃箱100は、例えば、S26で開錠情報が認証カード400に記憶された直後に、S32で認証カード400から各情報を受信する場合には、現在日時が有効期間に含まれると判断し(S42でYES)、S50に進む。一方、運賃箱100は、例えば、S26で開錠情報が認証カード400に記憶されてから長時間を経過した後に、S32で認証カード400から各情報を受信する場合には、現在日時が有効期間に含まれないと判断し(S42でNO)、S50以降の処理を実行することなく、処理を終了する(即ち、扉130が開錠されない)。また、運賃箱100は、開錠情報が認証カード400に記憶されていない状態において、認証カード400からカードID「001」及び認証ID「aaa」を受信する場合にも、現在日時が有効期間に含まれないと判断し(S42でNO)、S50以降の処理を実行することなく、処理を終了する。
【0033】
S50では、運賃箱100は、扉130(図2参照)を開錠する。具体的には、運賃箱100は、モータ144を駆動して板部材140を上方に移動させることによって、扉130を施錠状態から開錠状態に切り換える。これにより、作業員は、扉130を開くことができ、金庫124を取り出すことができる。
【0034】
運賃箱100は、さらに、S60において、Wi-Fiインターフェース118を介して、S32で受信されたカードID「001」をサーバ200に送信する。これにより、カードID「001」は、アクセスポイント70及びインターネットを介して、サーバ200に送信される。
【0035】
サーバ200は、S60において、運賃箱100からカードID「001」を受信すると、S62において、カードID「001」に関連付けて記憶されている作業員名「Tanaka」と、現在日時と、を関連付けて記憶する。これにより、サーバ200は、例えばPC300からアクセスされる場合に、記憶済みの情報(即ち、作業員名「Tanaka」及び日時)をPC300に送信することができる。この結果、管理者は、PC300を利用して、どの作業員がどの日時にバスから金庫124を取り出したのかを知ることができる。これにより、金庫124の回収に関するセキュリティを向上させることができる。なお、変形例では、サーバ200は、運賃箱100から、運賃箱100を識別する運賃箱識別情報(即ちバスを識別する情報)をさらに受信してもよい。この場合、サーバ200は、作業員名「Tanaka」と現在日時と運賃箱識別情報とを関連付けて記憶し、これらの情報をPC300に送信してもよい。この結果、管理者は、どの作業員がどの日時にどのバスから金庫124を取り出したのかを知ることができる。
【0036】
図示省略しているが、作業員は、バスから金庫124を取り出すと、金庫124を金銭回収装置50(図1参照)まで運ぶ。そして、作業員は、金銭回収装置50の扉52を開けて、金庫124を金銭回収装置50内に載置する。この場合、金銭回収装置50のメモリ読取部54は、金庫124に取り付けられているICメモリ160(図2図3参照)から金額情報162を読み出す。作業員が金銭回収装置50のレバー56を回転させると、金銭回収装置50は、金庫124から金銭を回収する。そして、金銭回収装置50は、金額情報162を例えばサーバ200に送信する。これにより、作業員は、金庫124から回収された金銭の金額を計算すると、サーバ200に送信された金額情報162によって示される金額と計算済みの金額とが一致するのか否かを確認することができる。この結果、金庫124の回収に関するセキュリティを向上させることができる。
【0037】
(実施例の効果)
本実施例によると、R/W装置10は、認証カード400から認証ID「aaa」を受信し(図4のS12)、記憶済みの認証ID「aaa」と受信済みの認証ID「aaa」とが一致する場合(S20でYES)に、開錠情報を認証カード400に送信して(S24)、開錠情報を認証カード400に記憶させる(S26)。次いで、作業員は、バスの車内に認証カード400を持ち込んで、認証カード400を運賃箱100に近づける(S30)。この場合、運賃箱100は、認証カード400から開錠情報を受信し、運賃箱100の状態を施錠状態から開錠状態に変化させる。これにより、作業員は、運賃箱100から金庫124を取り出すことができる。この構成によると、作業員は、配線と共にプローブをバスの車内に持ち込む必要がないので、運賃箱100を容易に開錠することができる。
【0038】
特に、本実施例では、開錠情報として、運賃箱100を開錠可能な有効期間を示す情報を採用している。そして、運賃箱100は、現在日時が有効期間に含まれる場合(S42でYES)、即ち、認証カード400が有効化されている場合には、扉130を開錠するが(S50)、現在日時が有効期間に含まれない場合(S42でNO)、即ち、認証カード400が有効化されていない場合には、扉130を開錠しない。このために、過去に有効化されたが現在は有効化されていない認証カード400を利用して運賃箱100が開錠されるのを抑制することができる。従って、金庫124の回収に関するセキュリティを向上させることができる。また、仮に、認証カード400が常に有効化されている構成(即ち有効期間を設けない構成)を採用すると、車庫エリアに限らずにどこでも運賃箱100を開錠させることができるので、セキュリティが低下する。これに対し、本実施例では、認証カード400を一時的(本実施例では5分間)に有効化するので、基本的には、車庫エリア内でしか運賃箱100を開錠させることができない。
【0039】
(対応関係)
R/W装置10、認証カード400が、それぞれ、「無線通信装置」、「可搬型デバイス」の一例である。CPU12、CPU112が、それぞれ、「第1のプロセッサ」、「第2のプロセッサ」の一例である。メモリ14、メインメモリ114、ICメモリ160が、それぞれ、「第1のメモリ」、「第2のメモリ」、「第3のメモリ」の一例である。NFCインターフェース16、NFCインターフェース116、Wi-Fiインターフェース118が、それぞれ、「第1の無線インターフェース」、「第2の無線インターフェース」、「通信インターフェース」の一例である。NFC方式、Wi-Fi方式が、それぞれ、「第1の通信方式」、「第2の通信方式」の一例である。認証ID「aaa」が、「第1の認証情報」及び「第2の認証情報」の一例である。カードID「001」が、「識別情報」の一例である。図4のS12において、R/W装置10が認証カード400から認証ID「aaa」を受信することが、「第1の通信」の一例である。また、S32において、運賃箱100が認証カード400から認証ID「aaa」を受信することが、「第2の通信」の一例である。
【0040】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0041】
(変形例1)「第1の通信方式」は、NFC方式に限られず、赤外線方式、BlueTooth(登録商標)方式、TransferJet(登録商標)方式等の他の通信方式であってもよい。また、「第2の通信方式」は、Wi-Fi方式に限られず、NFC方式、BlueTooth(登録商標)方式、TransferJet(登録商標)方式等の他の通信方式であってもよい。
【0042】
(変形例2)「可搬型デバイス」は、認証カードに限られず、携帯電話、スマートフォン、金庫回収専用のモバイル端末等であってもよい。
【0043】
(変形例3)R/W装置10は、図4のS24において、有効期間を示す開錠情報を認証カード400に送信しなくてもよく、所定の値(即ち単なるフラグ値)を示す開錠情報を認証カード400に送信してもよい。この場合、認証カード400は、S26において、所定の値を記憶し、運賃箱100は、S42において、認証カード400から所定の値を受信したのか否かを判断する。一般的に言うと、「開錠情報」は、運賃箱を開錠するための情報であれば、どのような種類の情報であってもよい。
【0044】
(変形例4)運賃箱100は、メインメモリ114内に認証ID「aaa」を記憶しなくてもよいし、図4のS32において、認証ID「aaa」を受信しなくてもよい。この場合、運賃箱100は、S40の処理を実行しない。本変形例では、「第2のメモリ」及び「第3の受信部」を省略可能である。
【0045】
(変形例5)運賃箱100は、図4のS60において、カードID「001」をサーバ200に送信する代わりに、カードID「001」を表示器に表示させてもよいし、カードID「001」をプリンタに送信して、カードID「001」をプリンタに印刷させてもよい。一般的に言うと、「出力部」は、識別情報を外部に出力すればよい。
【0046】
(変形例6)運賃箱100は、図4のS32において、カードID「001」を受信しなくてもよい。この場合、運賃箱100は、S60の処理を実行しない。本変形例では、「第4の受信部」、「出力部」、及び、「第3の無線インターフェース」を省略可能である。
【0047】
(変形例7)運賃箱100は、ICメモリ160を備えなくてもよい。本変形例では、「第3のメモリ」を省略可能である。
【0048】
(変形例8)R/W装置10は、特定情報22を記憶しなくてもよい。この場合、R/W装置10は、図4のS22の処理を実行しなくてもよい。
【0049】
(変形例9)運賃箱100は、扉130を備えていなくてもよい。この場合、運賃箱100は、例えば、開口122の一部を塞ぐように箱本体120から棒部材を突出させることによって、箱本体120から金庫130を取り出し不可能である施錠状態を実現してもよい。そして、運賃箱100は、棒部材を箱本体120に収容させることによって、箱本体120から金庫130を取り出し可能である開錠状態を実現してもよい。
【0050】
(変形例10)運賃箱100は、Wi-FiI/F118に代えて、有線I/Fを備えており、当該有線I/Fは、バス内のWi-Fiルータと有線で接続されていてもよい。この場合、運賃箱100は、図4のS60において、有線I/F及びバス内のWi-Fiルータを介して、カードID「001」をアクセスポイント70(最終的にはサーバ200)に送信してもよい。本変形例では、有線I/F、有線の通信方式が、それぞれ、「通信インターフェース」、「第2の通信方式」の一例である。
【0051】
(変形例11)R/W装置10は、図4のS12において、認証カード400から認証ID「aaa」を受信する代わりに、認証ID「aaa」を認証カード400に送信してもよい。この場合、R/W装置10は、認証カード400が受信済みの認証ID「aaa」と記憶済みの認証ID「aaa」とが一致すると判断する場合に、認証カード400から認証成功を示す情報を受信する(S20でYES)。一方、R/W装置10は、認証カード400が受信済みの認証ID「aaa」と記憶済みの認証ID「aaa」とが一致しないと判断する場合に、認証カード400から認証失敗を示す情報を受信する(S20でNO)。本変形例では、R/W装置10が認証ID「aaa」を認証カード400に送信すること、及び、R/W装置10が認証カード400から認証成功又は認証失敗を示す情報を受信することが、「第1の通信」の一例である。同様に、運賃箱100は、図4のS32において、認証カード400から認証ID「aaa」を受信する代わりに、認証ID「aaa」を認証カード400に送信してもよい。そして、運賃箱100は、認証カード400から認証成功を示す情報を受信する場合に、S40でYESと判断し、認証カード400から認証失敗を示す情報を受信する場合に、S40でNOと判断してもよい。本変形例では、運賃箱100が認証ID「aaa」を認証カード400に送信すること、及び、運賃箱100が認証カード400から認証成功又は認証失敗を示す情報を受信することが、「第2の通信」の一例である。
【0052】
(変形例12)R/W装置10は、図4のS12において、認証カード400から認証ID「aaa」を受信する代わりに、認証ID「aaa」を利用してランダムデータを暗号化して暗号化データを生成し、ランダムデータと暗号化データとを認証カード400に送信してもよい。この場合、認証カード400は、記憶済みの認証ID「aaa」を利用して受信済みの暗号化データを復号して復号化データを生成し、受信済みのランダムデータと復号化データとが一致するのか否かを判断する。そして、R/W装置10は、認証カード400がランダムデータと復号化データとが一致すると判断する場合に、認証カード400から認証成功を示す情報を受信する(S20でYES)。一方、R/W装置10は、認証カード400がランダムデータと復号化データとが一致しないと判断する場合に、認証カード400から認証失敗を示す情報を受信する(S20でNO)。本変形例では、R/W装置10が暗号化データを認証カード400に送信すること、及び、R/W装置10が認証カード400から認証成功又は認証失敗を示す情報を受信することが、「第1の通信」の一例である。同様に、運賃箱100は、図4のS32において、認証カード400から認証ID「aaa」を受信する代わりに、ランダムデータと暗号化データとを認証カード400に送信してもよい。そして、運賃箱100は、認証カード400から認証成功を示す情報を受信する場合に、S40でYESと判断し、認証カード400から認証失敗を示す情報を受信する場合に、S40でNOと判断してもよい。本変形例では、運賃箱100が暗号化データを認証カード400に送信すること、及び、運賃箱100が認証カード400から認証成功又は認証失敗を示す情報を受信することが、「第2の通信」の一例である。
【0053】
(変形例13)「車両」は、バスに限られず、路面電車、鉄道等の運賃箱が設置される他の車両であってもよい。
【0054】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0055】
2:錠システム、10:R/W装置、12:CPU、14:メモリ、16:NFCインターフェース、50:金銭回収装置、70:アクセスポイント、100:運賃箱、112:CPU、114:メインメモリ、116:NFCインターフェース、118:Wi-Fiインターフェース、120:箱本体、122:開口、124:金庫、130:扉、200:サーバ、300:PC、400:認証カード
図1
図2
図3
図4