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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】光走査装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20221013BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20221013BHJP
   G09G 3/02 20060101ALI20221013BHJP
   B81B 7/02 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
G02B26/08 E
G09G3/02 A
B81B7/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018247468
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020106741
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】木村 祐司
(72)【発明者】
【氏名】日比谷 利一郎
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-101675(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183368(WO,A1)
【文献】特開2012-198415(JP,A)
【文献】特開2017-138375(JP,A)
【文献】特開2013-131838(JP,A)
【文献】特開2012-151556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10
G02B 26/08
G09G 3/02
B81B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1方向にミラーを揺動させる光走査装置であって、
DAコンバータ及び増幅器を含み、デジタルの駆動波形データに基づいて前記ミラーを駆動するための一対の駆動信号を生成するミラー駆動回路と、
基準波形データを生成する基準波形データ生成部と、
前記増幅器の不感帯と前記DAコンバータにより生じる周期性を有する積分非直線性誤差とに基づいて、前記基準波形データにオフセット値を設定することにより前記駆動波形データを生成するオフセット設定部と、
を有する光走査装置。
【請求項2】
前記一対の駆動信号は、第1駆動信号と、前記第1駆動信号の中間電位で電位が反転された第2駆動信号とからなり、
前記ミラー駆動回路は、前記第1駆動信号と前記第2駆動信号との電位差によって前記ミラーを駆動する請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記オフセット設定部は、前記オフセット値を、前記増幅器のグランド電位側の不感帯の上限値よりも大きく、かつ、前記第1駆動信号に重畳される積分非直線性誤差と前記第2駆動信号に重畳される積分非直線性誤差とを同位相とする値に設定する請求項2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号はノコギリ波であって、
前記ミラー駆動回路は、前記ミラーを非共振振動させる請求項3に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記ミラーの前記1方向の位置を検出する振角センサと、
前記振角センサの検出値に基づいて、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号の振幅に対応するゲインを設定するゲイン設定部と、
を有する請求項4に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記オフセット設定部は、前記積分非直線性誤差の周期をM、前記ゲインをG、前記増幅器のグランド電位側の不感帯の上限値をDth、正の整数をnとした場合に、式(A)及び式(B)を満たす最小のDを、前記オフセット値として設定する請求項5に記載の光走査装置。
D=(n×M+M/2-G)/2 ・・・(A)
D>Dth ・・・(B)
【請求項7】
DAコンバータ及び増幅器を含み、デジタルの駆動波形データに基づいてミラーを駆動するための一対の駆動信号を生成するミラー駆動回路を有し、少なくとも1方向に前記ミラーを揺動させる光走査装置の制御方法であって、
基準波形データを生成し、
前記増幅器の不感帯と前記DAコンバータにより生じる周期性を有する積分非直線性誤差とに基づいて、前記基準波形データにオフセット値を設定することにより前記駆動波形データを生成する光走査装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光を走査して画像を表示する光走査装置が知られている。このレーザ光の走査は、レーザ光を射出する光源部と、レーザ光を偏向する光走査部とを駆動制御することにより行われる。光走査部は、例えば、圧電素子によりミラーを駆動させるMEMS(Micro Electro Mechanical System)である。ミラーは、駆動回路により生成される正弦波等の周期的な駆動電圧が圧電素子に印加されることにより揺動して、レーザ光を偏向させる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-68205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、駆動回路にはオペアンプが含まれ、オペアンプには電源電圧側及びグランド電位側の両側に、動作しない不感帯が存在する。このため、駆動電圧の波形の一部が不感帯に含まれる場合には、波形に歪みが生じ、不要共振振動が発生する可能性がある。このように、駆動電圧の波形に歪みが生じると、光走査部が走査する画像にいわゆるリンギングが発生するおそれがある。
【0005】
また、駆動回路には、制御部から供給されるデジタル信号をアナログ信号に変換してオペアンプに入力するDAコンバータが含まれる。このDAコンバータによる変換特性には、周期性を有する積分非直線性(INL:Integral Non-Linearity)誤差が含まれる。このINL誤差も不要共振振動を発生させので、リンギングの発生原因となり得る。
【0006】
開示の技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、駆動電圧の波形歪みによるリンギングの発生を抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術は、少なくとも1方向にミラーを揺動させる光走査装置であって、DAコンバータ及び増幅器号を生成するミラー駆動回路と、基準波形データを生成する基準波形データ生成部と、前記増幅器の不感帯と前記DAコンバータにより生じる周期性を有する積分非直線性誤差とに基づいて、前記基準波形データにオフセット値を設定することにより前記駆動波形データを生成するオフセット設定部と、を有する光走査装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リンギングの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の光走査装置の構成を示す図である。
図2】光走査部の構成を示す図である。
図3】圧電素子の特性の一例を示す図である。
図4】水平駆動信号及び垂直駆動信号の一例を示す図である。
図5】ミラー駆動回路の構成を示す図である。
図6】水平駆動波形データ生成部及び垂直駆動波形データ生成部の構成を示す図である。
図7】水平基準波形データに対するゲイン処理及びオフセット処理を説明する図である。
図8】垂直基準波形データに対するゲイン処理及びオフセット処理を説明する図である。
図9】DAコンバータにより生じる周期性を有するINL誤差の特性を示す図である。
図10】位相が異なるINL誤差が重畳された第1垂直駆動信号及び第2垂直駆動信号と、両者の電位差とを例示する図である。
図11】同位相のINL誤差が重畳された第1垂直駆動信号及び第2垂直駆動信号と、両者の電位差とを例示する図である。
図12】第1垂直駆動波形データ及び第2垂直駆動波形データの最小値及び最大値を定義する図である。
図13】最小値及び最大値のINL誤差に対する関係を示す図である。
図14】本変形例で用いる垂直駆動波形データ生成部の構成を示す図である。
図15】フィルタ処理部によるフィルタ処理について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下に、図面を参照して第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態の光走査装置の構成を示す図である。
【0011】
本実施形態の光走査装置1は、光走査制御部10、光源部20、温度センサ30、光走査部40を備えている。以下に、各部について説明する。
【0012】
光走査制御部10は、システムコントローラ11、バッファ回路12、ミラー駆動回路13、レーザ駆動回路14、補償回路15を有する。光走査制御部10は、光源部20と、光走査部40とを制御する。
【0013】
システムコントローラ11は、ミラー駆動回路13に対し、光走査部40の有するミラーの揺動を制御するための制御信号を供給する。また、システムコントローラ11は、デジタルの映像信号をレーザ駆動回路14に供給する。
【0014】
バッファ回路12は、光走査部40から出力されるデータを保持する。具体的には、例えば、バッファ回路12は、光走査部40が有する垂直振角センサや水平振角センサから出力される出力信号等を保持する。
【0015】
ミラー駆動回路13は、システムコントローラ11からの制御信号に基づいて、光走査部40に対し、後述するミラーを水平方向(第1方向)に揺動(駆動)させるための水平駆動信号と、ミラーを垂直方向(第2方向)に揺動させるための垂直駆動信号とを供給する。
【0016】
レーザ駆動回路14は、システムコントローラ11からの映像信号に基づいて、光源部20に、レーザを駆動させるためのレーザ駆動信号を供給する。
【0017】
補償回路15は、光走査部40において、ミラーを垂直方向に駆動させた際のミラーの垂直位置に応じて発生する水平走査方向(以下、水平方向)の位相のずれを補償する。補償回路15は、垂直位置に応じて予め決められた固定値を用いて補償してもよいし、位相ずれの値をミラー駆動中に算出して補償してもよい。水平方向の位相のずれとは、光走査部40に供給される水平駆動信号と、ミラーの水平方向の変位を検出する水平振角センサの出力信号との位相差である。
【0018】
光源部20は、LDモジュール21、減光フィルタ22を有する。LDモジュール21は、レーザ21R、レーザ21G、レーザ21Bを有する。
【0019】
レーザ21R、21G、21Bは、システムコントローラ11から供給されたレーザ駆動電流に基づいて、レーザ光を出射する。レーザ21Rは、例えば、赤色半導体レーザであり、波長λR(例えば、640nm)の光を出射する。レーザ21Gは、例えば、緑色半導体レーザであり、波長λG(例えば、530nm)の光を出射する。レーザ21Gは、例えば、青色半導体レーザであり、波長λB(例えば、445nm)の光を出射する。レーザ21R、21G、21Bから出射された各波長の光は、ダイクロイックミラー等により合成され、減光フィルタ22により所定の光量に減光されて、光走査部40に入射される。
【0020】
温度センサ30は、光走査装置1の周囲の温度を検出するためのセンサであり、例えば、サーミスタ等により実現されても良い。
【0021】
光走査部40は、ミラー駆動回路13から供給される水平及び垂直駆動信号に応じて、ミラーを水平方向及び垂直方向に駆動させる。光走査部40では、これにより、入射されるレーザ光の反射方向を変更して、レーザ光による光走査を行い、スクリーン等に画像を投影する。
【0022】
図2は、光走査部40の構成を示す図である。光走査部40は、例えば圧電素子によりミラー110を駆動させるMEMSである。
【0023】
光走査部40は、ミラー110と、ミラー支持部120と、捻れ梁130A、130Bと、連結梁140A、140Bと、第1の駆動梁150A、150Bと、可動枠160と、第2の駆動梁170A、170Bと、固定枠180とを有する。また、第1の駆動梁150A、150Bは、それぞれ駆動源151A、151Bを有する。また、第2の駆動梁170A、170Bは、それぞれ駆動源171A、171Bを有する。第1の駆動梁150A、150B、第2の駆動梁170A、170Bは、ミラー110を上下又は左右に揺動してレーザ光を走査するアクチュエータとして機能する。
【0024】
ミラー支持部120には、ミラー110の円周に沿うようにスリット122が形成されている。スリット122により、ミラー支持部120を軽量化しつつ捻れ梁130A、130Bによる捻れをミラー110へ伝達することができる。
【0025】
光走査部40において、ミラー支持部120の上面にミラー110が支持され、ミラー支持部120は、両側にある捻れ梁130A、130Bの端部に連結されている。捻れ梁130A、130Bは、揺動軸を構成し、軸方向に延在してミラー支持部120を軸方向両側から支持している。捻れ梁130A、130Bが捻れることにより、ミラー支持部120に支持されたミラー110が揺動し、ミラー110に照射された光の反射光を走査させる動作を行う。捻れ梁130A、130Bは、それぞれが連結梁140A、140Bに連結支持され、第1の駆動梁150A、150Bに連結されている。
【0026】
第1の駆動梁150A、150B、連結梁140A、140B、捻れ梁130A、130B、ミラー支持部120及びミラー110は、可動枠160によって外側から支持されている。第1の駆動梁150A、150Bは、可動枠160にそれぞれの一方の側が支持されている。第1の駆動梁150Aの他方の側は内周側に延びて連結梁140A、140Bと連結している。第1の駆動梁150Bの他方の側も同様に、内周側に延びて連結梁140A、140Bと連結している。
【0027】
第1の駆動梁150A、150Bは、捻れ梁130A、130Bと直交する方向に、ミラー110及びミラー支持部120を挟むように、対をなして設けられている。第1の駆動梁150A、150Bの上面には、駆動源151A、151Bがそれぞれ形成されている。駆動源151A、151Bは、第1の駆動梁150A、150Bの上面の圧電素子の薄膜(以下「圧電薄膜」ともいう。)の上に形成された上部電極と、圧電薄膜の下面に形成された下部電極とを含む。駆動源151A、151Bは、上部電極と下部電極に印加する駆動電圧に応じて伸長したり縮小したりする。
【0028】
このため、第1の駆動梁150Aと第1の駆動梁150Bとで電位が反転した駆動電圧を交互に印加すれば、ミラー110の左側と右側で第1の駆動梁150Aと第1の駆動梁150Bとが上下反対側に交互に振動する。これにより、捻れ梁130A、130Bを揺動軸又は回転軸として、ミラー110を軸周りに揺動させることができる。
【0029】
ミラー110が捻れ梁130A、130Bの軸周りに揺動する方向を、以後、水平方向と呼ぶ。つまり、本実施形態の第1の駆動梁150Aと第1の駆動梁150Bは、捻れ梁130A、130Bの捻れ変形させることで、ミラー110を水平方向(第1方向)に揺動させる。例えば第1の駆動梁150A、150Bによる水平駆動には、共振振動が用いられ、高速にミラー110を揺動駆動することができる。
【0030】
また、可動枠160の外部には、第2の駆動梁170A、170Bの一端が連結されている。第2の駆動梁170A、170Bは、可動枠160を左右両側から挟むように、対をなして設けられている。そして、第2の駆動梁170A、170Bは、可動枠160を両側から支持すると共に、光反射面の中心を通る所定の軸周りに揺動させる。第2の駆動梁170Aは、第1の駆動梁150Aと平行に延在する複数個(例えば偶数個)の矩形梁の各々が、隣接する矩形梁と端部で連結され、全体としてジグザグ状の形状を有する。
【0031】
そして、第2の駆動梁170Aの他端は、固定枠180の内側に連結されている。第2の駆動梁170Bも同様に、第1の駆動梁150Bと平行に延在する複数個(例えば偶数個)の矩形梁の各々が、隣接する矩形梁と端部で連結され、全体としてジグザグ状の形状を有する。そして、第2の駆動梁170Bの他端は、固定枠180の内側に連結されている。
【0032】
第2の駆動梁170A、170Bの上面には、それぞれ曲線部を含まない矩形単位ごとに駆動源171A、171Bが形成されている。駆動源171Aは、第2の駆動梁170Aの上面の圧電薄膜の上に形成された上部電極と、圧電薄膜の下面に形成された下部電極とを含む。駆動源171Bは、第2の駆動梁170Bの上面の圧電薄膜の上に形成された上部電極と、圧電薄膜の下面に形成された下部電極とを含む。
【0033】
第2の駆動梁170A、170Bは、矩形単位ごとに隣接している駆動源171A、171B同士で、電位が反転した駆動電圧を印加することにより、隣接する矩形梁を上下反対方向に反らせ、各矩形梁の上下動の蓄積を可動枠160に伝達する。
【0034】
第2の駆動梁170A、170Bは、この動作により、平行方向と直交する方向である垂直方向にミラー110を揺動させる。つまり、第2の駆動梁170A、170Bは、ミラー110を垂直方向に揺動させる垂直梁である。言い換えれば、本実施形態の第2の駆動梁170A、170Bは、自身を曲げて変形させることで、ミラー110を垂直方向(第2方向)に揺動させる。例えば第2の駆動梁170A、170Bによる垂直駆動には、非共振振動を用いることができる。
【0035】
駆動源171Aは、可動枠160側から右側に向かって並ぶ駆動源171A1、171A2、171A3、171A4、171A5及び171A6を含む。また、駆動源171Bは、可動枠160側から左側に向かって並ぶ駆動源171B1、171B2、171B3、171B4、171B5及び171B6を含む。
【0036】
駆動源151Aの上部電極及び下部電極に駆動電圧を印加する駆動配線は、固定枠180に設けられた端子群190Aに含まれる所定の端子と接続されている。また、駆動源151Bの上部電極及び下部電極に駆動電圧を印加する駆動配線は、固定枠180に設けられた端子群190Bに含まれる所定の端子と接続されている。また、駆動源171Aの上部電極及び下部電極に駆動電圧を印加する駆動配線は、固定枠180に設けられた端子群190Aに含まれる所定の端子と接続されている。また、駆動源171Bの上部電極及び下部電極に駆動電圧を印加する駆動配線は、固定枠180に設けられた端子群190Bに含まれる所定の端子と接続されている。
【0037】
また、光走査部40は、駆動源151A、151Bに駆動電圧が印加されてミラー110が水平方向に遥動している状態におけるミラー110の水平方向の傾き具合(水平方向の振角)を検出する水平振角センサとして圧電センサ191、192を有する。圧電センサ191は連結梁140Aに設けられ、圧電センサ192は連結梁140Bに設けられている。
【0038】
また、光走査部40は、駆動源171A、171Bに駆動電圧が印加されてミラー110が垂直方向に遥動している状態におけるミラー110の垂直方向の傾き具合(垂直方向の振角)を検出する垂直振角センサとして圧電センサ195、196を有する。圧電センサ195は第2の駆動梁170Aの有する矩形梁の一つに設けられており、圧電センサ196は第2の駆動梁170Bの有する矩形梁の一つに設けられている。
【0039】
圧電センサ191は、ミラー110の水平方向の傾き具合に伴い、捻れ梁130Aから伝達される連結梁140Aの変位に対応する電流値を出力する。圧電センサ192は、ミラー110の水平方向の傾き具合に伴い、捻れ梁130Bから伝達される連結梁140Bの変位に対応する電流値を出力する。圧電センサ195は、ミラー110の垂直方向の傾き具合に伴い、第2の駆動梁170Aのうち圧電センサ195が設けられた矩形梁の変位に対応する電流値を出力する。圧電センサ196は、ミラー110の垂直方向の傾き具合に伴い、第2の駆動梁170Bのうち圧電センサ196が設けられた矩形梁の変位に対応する電流値を出力する。
【0040】
本実施形態では、圧電センサ195、196の出力を用いてミラー110の垂直方向の傾き具合を検出する。圧電センサ195、196から出力された電圧は、バッファ回路12に保持される。尚、バッファ回路12に保持される電圧は、圧電センサ195、196の何れか一方から出力された電圧であっても良い。
【0041】
補償回路15は、バッファ回路12に保持された電圧に基づき、光源部20からのレーザ光の出射のタイミングを補償する。
【0042】
圧電センサ191、192、195、196は、圧電薄膜の上面に形成された上部電極と、圧電薄膜の下面に形成された下部電極とを含む。本実施形態では、各圧電センサの出力は、上部電極と下部電極とに接続されたセンサ配線の電流値となる。
【0043】
圧電センサ191の上部電極及び下部電極から引き出されたセンサ配線は、固定枠180に設けられた端子群190Bに含まれる所定の端子と接続されている。また、圧電センサ195の上部電極及び下部電極から引き出されたセンサ配線は、固定枠180に設けられた端子群190Aに含まれる所定の端子と接続されている。また、圧電センサ192の上部電極及び下部電極から引き出されたセンサ配線は、固定枠180に設けられた端子群190Bに含まれる所定の端子と接続されている。また、圧電センサ196の上部電極及び下部電極から引き出されたセンサ配線は、固定枠180に設けられた端子群190Bに含まれる所定の端子と接続されている。
【0044】
次に、駆動源151A、151B及び駆動源171A、171Bに用いられる圧電素子の特性について説明する。図3は、圧電素子の特性の一例を示す図である。
【0045】
本実施形態では、駆動源151A、151B及び駆動源171A、171Bを構成する圧電素子として、例えば図3に示す特性を有する圧電素子を用いる。図3に示す例では、圧電素子に印加される電界強度と変位との関係は、ヒステリシス特性を有するが、電界強度がゼロに近い領域では、ほぼ線形となる。
【0046】
ミラー駆動回路13が発生する水平駆動信号及び垂直駆動信号は、電界強度と変位との関係がほぼ線形となる電圧領域であることが好ましい。
【0047】
図4は、水平駆動信号及び垂直駆動信号の一例を示す図である。図4(A)は、水平駆動信号の一例を示す。図4(B)は、垂直駆動信号の一例を示す。
【0048】
水平駆動信号は、駆動源151Aに印加される第1水平駆動信号AHpと、駆動源151Bに印加される第2水平駆動信号AHnとからなる。例えば、第1水平駆動信号AHp及び第2水平駆動信号AHnは、共に同一の周期及び振幅を有する正弦波である。第2水平駆動信号AHnは、第1水平駆動信号AHpに対して位相が半周期ずれている。すなわち、第1水平駆動信号AHpと第2水平駆動信号AHnとは、中間電位に対して電位が反転した関係にある。
【0049】
ミラー110は、第1水平駆動信号AHpと第2水平駆動信号AHnとの電位差に応じて駆動され、水平方向に揺動する。ミラー110の水平方向への振れ角は、第1水平駆動信号AHp及び第2水平駆動信号AHnの振幅に対応する。
【0050】
垂直駆動信号は、駆動源171Aに印加される第1垂直駆動信号AVpと、駆動源171Bに印加される第2垂直駆動信号AVnとからなる。例えば、第1垂直駆動信号AVp及び第2垂直駆動信号AVnは、共に同一の周期及び振幅を有するノコギリ波である。第1垂直駆動信号AVpと第2垂直駆動信号AVnとは、中間電位に対して電位が反転した関係にある。
【0051】
ミラー110は、第1垂直駆動信号AVpと第2垂直駆動信号AVnとの電位差に応じて駆動され、垂直方向に揺動する。ミラー110の垂直方向への振れ角は、第1垂直駆動信号AVp及び第2垂直駆動信号AVnの振幅に対応する。
【0052】
次に、ミラー駆動回路13の構成について説明する。図5は、ミラー駆動回路13の構成を示す図である。
【0053】
図5に示すように、ミラー駆動回路13は、DC/DCコンバータ50、第1水平駆動信号生成部51A、第2水平駆動信号生成部51B、第1垂直駆動信号生成部52A、第2垂直駆動信号生成部52Bを有する。第1水平駆動信号生成部51A、第2水平駆動信号生成部51B、第1垂直駆動信号生成部52A、第2垂直駆動信号生成部52Bは、それぞれDAコンバータ53と、増幅器としてのオペアンプ54とを有する。
【0054】
DAコンバータ53は、システムコントローラ11から供給されるデジタルの波形データをアナログ信号に変換する。オペアンプ54は、DAコンバータ53により変換されたアナログ信号を増幅し、駆動信号として出力する。
【0055】
第1水平駆動信号生成部51Aは、第1水平駆動波形データDHpに基づいて第1水平駆動信号AHpを生成する。第2水平駆動信号生成部51Bは、第2水平駆動波形データDHnに基づいて第2水平駆動信号AHnを生成する。第1垂直駆動信号生成部52Aは、第1垂直駆動波形データDVpに基づいて第1垂直駆動信号AVpを生成する。第2垂直駆動信号生成部52Bは、第2垂直駆動波形データDVnに基づいて第2垂直駆動信号AVnを生成する。
【0056】
次に、システムコントローラ11内に構成される水平駆動波形データ生成部及び垂直駆動波形データ生成部について説明する。図6は、水平駆動波形データ生成部60及び垂直駆動波形データ生成部70の構成を示す図である。
【0057】
システムコントローラ11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の構成部を備えて構成されている。また、システムコントローラ11は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等により構成されていてもよい。
【0058】
水平駆動波形データ生成部60は、基準波形データ生成部61と、ゲイン設定部62と、オフセット設定部63とを有する。
【0059】
基準波形データ生成部61は、第1水平基準波形データHpと、第2水平基準波形データHnとを生成する。図7(A)に示すように、第1水平基準波形データHp及び第2水平基準波形データHnは、共に同一の周期及び振幅を有する正弦波である。第2水平基準波形データHnは、第1水平基準波形データHpに対して位相が半周期ずれている。
【0060】
ゲイン設定部62及びオフセット設定部63により、第1水平基準波形データHp及び第2水平準波形データHnに基づいて、デジタルデータである第1水平駆動波形データDHp及び第2水平駆動波形データDHnが生成される。
【0061】
ゲイン設定部62は、水平振角センサとして圧電センサ191、192の検出値に基づいて、第1水平駆動波形データDHp及び第2水平駆動波形データDHnのゲインG1を設定する。ゲインG1は、第1水平駆動波形データDHp及び第2水平駆動波形データDHnの振幅に対応する。
【0062】
オフセット設定部63は、第1水平駆動波形データDHp及び第2水平駆動波形データDHnが、オペアンプ54の不感帯に重ならないように電圧をオフセットする。図7(B)に示すように、オペアンプ54の不感帯は、電源電圧側及びグランド電位側の両側に生じる。すなわち、オフセット設定部63は、第1水平駆動波形データDHp及び第2水平駆動波形データDHnが、電源電圧側の不感帯とグランド電位側の不感帯との間に位置するようにオフセット値D1を設定する。
【0063】
垂直駆動波形データ生成部70は、基準波形データ生成部71と、ゲイン設定部72と、オフセット設定部73とを有する。
【0064】
基準波形データ生成部71は、第1垂直基準波形データVpと、第2垂直基準波形データVnとを生成する。図8(A)に示すように、第1垂直基準波形データVp及び第2垂直基準波形データVnは、共に同一の周期及び振幅を有するノコギリ波である。第2垂直基準波形データVnは、第1垂直基準波形データVpとは電位が反転した関係にある。
【0065】
ゲイン設定部72及びオフセット設定部73により、第1垂直基準波形データVp及び第2垂直基準波形データVnに基づいて、デジタルデータである第1垂直駆動波形データDVp及び第2垂直駆動波形データDVnが生成される。
【0066】
ゲイン設定部72は、垂直振角センサとして圧電センサ195、196の検出値に基づいて、第1垂直駆動波形データDVp及び第2垂直駆動波形データDVnのゲインG2を設定する。ゲインG2は、第1垂直駆動波形データDVp及び第2垂直駆動波形データDVnの振幅に対応する。
【0067】
オフセット設定部73は、第1垂直駆動波形データDVp及び第2垂直駆動波形データDVnが、オペアンプ54の不感帯に重ならないように電圧をオフセットする。図7(B)に示すように、オペアンプ54の不感帯は、電源電圧側及びグランド電位側の両側に生じる。すなわち、オフセット設定部73は、第1垂直駆動波形データDVp及び第2垂直駆動波形データDVnが、電源電圧側の不感帯とグランド電位側の不感帯との間に位置するようにオフセット値D2を設定する。
【0068】
さらに、オフセット設定部73は、DAコンバータ53により生じる積分非直線性(INL)誤差が駆動信号に重畳されることによる不要共振振動の発生を抑制するようにオフセット値D2を設定する。INL誤差とは、DAコンバータ53のデジタル入力値に対して出力される理想的な出力値と実際に測定された出力値の偏差を表す値である。
【0069】
図9は、DAコンバータ53により生じる周期性を有するINL誤差の特性を示す図である。図9に示すように、INL誤差は、デジタル入力値に対して周期的な変化を示す。INL誤差の変化は、例えば周期Mの正弦波である。
【0070】
図10(A)は、DAコンバータ53によりINL誤差が重畳された第1垂直駆動信号AVpと第2垂直駆動信号AVnとの一例を示す図である。
【0071】
垂直走査期間においては第1垂直駆動波形データDVpが時間とともに増加するのに対して、第2垂直駆動波形データDVnは時間とともに減少する。このため、第1垂直駆動波形データDVpと第2垂直駆動波形データDVnとの関係に依存して、第1垂直駆動信号AVpに重畳されるINL誤差と、第2垂直駆動信号AVnに重畳されるINL誤差との位相がずれる。
【0072】
図10(A)に示す例では、第1垂直駆動信号AVpに重畳されるINL誤差と、第2垂直駆動信号AVnに重畳されるINL誤差とは、位相が半周期(M/2)ずれている。
【0073】
図10(B)は、図10(A)における第1垂直駆動信号AVpと第2垂直駆動信号AVnとの電位差を示す図である。第1垂直駆動信号AVpと第2垂直駆動信号AVnとでINL誤差の位相がずれていることから、図10(B)に示すように、電位差(AVp-AVn)は、線形関数に、INL誤差の2倍の振幅の正弦波が重畳された関数となる。
【0074】
ミラー110は、電位差(AVp-AVn)に応じて垂直方向に変位するので、図10(B)に示す電位差が印加された場合には、変位が非線形となり、画像にリンギングが発生するおそれがある。リンギングとは、画像に生じる波模様のアーチファクトを意味する。
【0075】
本実施形態では、オフセット設定部73は、オフセット値D2を、下式(1)及び下式(2)を満たすD2のうち最小の値に設定する。
【0076】
D2=(n×M+M/2-G2)/2 ・・・(1)
D2>Dth ・・・(2)
ここで、nは正の整数である。Dthは、オペアンプ54のグランド電位側の不感帯の上限値(図8(B)参照)である。Dthは、例えば2Vである。
【0077】
上式(1)及び上式(2)を満たす場合には、図11(A)に示すように、第1垂直駆動信号AVpに重畳されるINL誤差と、第2垂直駆動信号AVnに重畳されるINL誤差とは同位相となる。この場合には、図11(B)に示すように、電位差(AVp-AVn)は、INL誤差が打ち消されて線形関数となる。
【0078】
したがって、上式(1)及び上式(2)を満たす場合には、ミラー110の変位が線形となり、リンギングの発生が抑制される。
【0079】
また、オフセット値D2を、下式(1)及び下式(2)を満たすD2のうち最小の値に設定することにより、第1垂直駆動信号AVpと第2垂直駆動信号AVnが、オペアンプ54の電源電圧側の不感帯に重なることが防止される。
【0080】
次に、上式(1)の導出方法について説明する。図12に示すように、第1垂直駆動波形データDVpの最小値をPmin、最大値をPmaxとする。また、第2垂直駆動波形データDVnの最小値をNmin、最大値をNmaxとする。さらに、Pmin=Nmin、Nmax=Pmaxとする。
【0081】
図12では、図10(A)と同様に、第1垂直駆動信号AVpに重畳されるINL誤差と、第2垂直駆動信号AVnに重畳されるINL誤差とは、位相が半周期(M/2)ずれている。
【0082】
図13は、最小値Pmin及び最大値NmaxのINL誤差に対する関係を示す図である。図13に示すように、図12に示す例では、最大値Nmaxと最小値Pminとの差は、周期Mの整数倍(n×M)となっている。
【0083】
第1垂直駆動波形データDVpは時間とともに増加するので、INL誤差は最小値Pminから増加する方向に変化し、第2垂直駆動波形データDVnは時間とともに減少する。したがって、両者の位相は半周期ずれる。
【0084】
同位相とするには、最小値Pmin又は最大値Nmaxの少なくともいずれか一方を変更し、INL誤差の変化に対して、両者が対称(図13中において左右対称)となるように設定すればよい。例えば、最大値Nmaxは変更せずに、最小値PminにM/2を加える。これにより、INL誤差の増減方向が同一となり、同位相となる。
【0085】
別の例としては、最小値Pmin及び最大値NmaxのそれぞれにM/4を加える。また、別の例としては、最小値Pminに3M/4を加えるとともに、最大値NmaxからM/4を減じる。さらに、別の例としては、最小値Pminは変更せずに、最大値NmaxにM/2を加える。いずれの場合においても、INL誤差の増減方向が同一となり、同位相となる。
【0086】
このように、INL誤差を同位相とするには、最小値Pmin及び最大値Nmaxが下式(3)を満たせばよい。
【0087】
Nmax+Pmin=n×M+M/2 ・・・(3)
また、前述のゲインG2は、下式(4)を満たす。
【0088】
Nmax-Pmin=G2 ・・・(4)
上式(3)及び上式(4)から下式(5)が得られる。
【0089】
Pmin=(n×M+M/2-G2)/2 ・・・(5)
本実施形態では、オフセット設定部73は、同相オフセットのオフセット値D2として最小値Pmin(=Nmin)の値を設定することから、上式(5)に基づき、上式(1)が得られる。
【0090】
以上のように、本実施形態によれば、オペアンプ54の不感帯及びDAコンバータ53のINL誤差による駆動電圧の波形歪みを抑制することができる。すなわち、ミラー110の垂直方向への非共振振動に重畳される不要共振振動を抑制することができる。これにより、リンギングの発生が抑制される。
【0091】
また、オフセット設定部73により設定されるオフセット値D2が大きいほど消費電力が増加するが、本実施形態では、オフセット値D2は、上式(1)及び上式(2)を満たすD2のうち最小の値に設定されるので、オフセットによる消費電力の増加量は最低限に抑えられる。
(変形例)
以下に、第1実施形態の変形例について説明する。図14は、本変形例で用いる垂直駆動波形データ生成部70Aの構成を示す図である。本変形例では、第1実施形態の垂直駆動波形データ生成部70に代えて、垂直駆動波形データ生成部70Aを用いる。
【0092】
図14に示すように、垂直駆動波形データ生成部70Aは、基準波形データ生成部71の後段にフィルタ処理部74を備えている点のみが、第1実施形態の垂直駆動波形データ生成部70と異なる。
【0093】
フィルタ処理部74は、例えば高周波成分を除去する平滑化フィルタである。フィルタ処理部74は、第1垂直基準波形データVp及び第2垂直基準波形データVnに対してフィルタ処理を行うことにより、予め不要共振振動を抑制する。
【0094】
図15は、フィルタ処理部74によるフィルタ処理について説明する図である。図15(A)は、フィルタ処理前の第1垂直基準波形データVp及び第2垂直基準波形データVnを例示する図である。図15(B)は、フィルタ処理後の第1垂直基準波形データVp及び第2垂直基準波形データVnを例示する図である。
【0095】
第1垂直基準波形データVp及び第2垂直基準波形データVnは、それぞれノコギリ波であるので、頂角部分がフィルタ処理によって平滑化される。これにより、ノコギリ波の頂角部分により発生する不要共振振動が予め除去される。
【0096】
なお、上記各実施形態では、基準波形データ生成部61,71は、中間電位で電位が反転された一対の基準波形データを生成しているが、一対の基準波形データのうちの一方のみを生成するものであってもよい。この場合、オフセット設定部63,73によるオフセット設定後に、オフセットされた一方の波形データを中間電位に対して電位を反転させることにより、他方の波形データを生成すればよい。
【0097】
また、上記各実施形態は、振角センサの検出値に応じて駆動信号のゲイン(振幅)を調整しているが、駆動信号の振幅は一定であってもよい。
【0098】
また、上記各実施形態は、例えば、アイウェアやプロジェクタ等の二次元走査型の光走査装置に適用することができる。
【0099】
また、上記各実施形態は、光走査装置として、二次元走査型の光走査装置を例に挙げて説明しているが、二次元走査型に限られず、1方向にミラーを揺動させる一次元走査型の光走査装置であってもよい。
【0100】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【0101】
第1垂直駆動波形データDVp及び第2垂直駆動波形データDVnは、駆動波形データの一例である。第1垂直駆動信号AVp及び第2垂直駆動信号AVnは、一対の駆動信号の一例である。第1垂直駆動信号AVpは、第1駆動信号の一例である。第2垂直駆動信号AVnは、第2駆動信号の一例である。第1垂直基準波形データVp及び第2垂直基準波形データVnは、基準波形データの一例である。
【符号の説明】
【0102】
1 光走査装置、10 光走査制御部、11 システムコントローラ、13 ミラー駆動回路、40 光走査部、51A 第1水平駆動信号生成部、51B 第2水平駆動信号生成部、52A 第1垂直駆動信号生成部、52B 第2垂直駆動信号生成部、53 DAコンバータ、54 オペアンプ(増幅器)、60 水平駆動波形データ生成部、61 基準波形データ生成部、62 ゲイン設定部、63 オフセット設定部、70,70A 垂直駆動波形データ生成部、71 基準波形データ生成部、72 ゲイン設定部、73 オフセット設定部、74 フィルタ処理部、110 ミラー、151A,151B 駆動源、171A,171B 駆動源、180 固定枠、191,192 圧電センサ、195,196 圧電センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15