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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】検眼装置用アダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/135 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
A61B3/135
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020211920
(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公開番号】P2022098514
(43)【公開日】2022-07-04
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】517208953
【氏名又は名称】株式会社MITAS Medical
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】特許業務法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北 直史
【審査官】鷲崎 亮
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111839454(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0033593(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0320340(US,A1)
【文献】国際公開第2017/195223(WO,A1)
【文献】特開2017-121320(JP,A)
【文献】国際公開第2019/193051(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、少なくとも検査部を有する検眼装置とが取り付けられる検眼装置用アダプタであって、
一方の面を前記被検者に対向させる被検者対向面として形成された板状のアダプタ本体と、
前記アダプタ本体に設けられ、前記被検者が両手で把持する把持部と、
前記アダプタ本体の前記被検者対向面に設けられた固定部と、を有し、
前記携帯端末及び前記検眼装置は、前記固定部により固定される
検眼装置用アダプタ。
【請求項2】
携帯端末と、少なくとも検査部を有する検眼装置とが取り付けられる検眼装置用アダプタであって、
一方の面を前記被検者に対向させる被検者対向面として形成された板状のアダプタ本体と、
前記アダプタ本体に設けられ、前記被検者が両手で把持する把持部と、
前記アダプタ本体の前記被検者対向面に設けられた収容部と、を有し、
前記携帯端末及び前記検眼装置は、前記収容部に収容される
検眼装置用アダプタ。
【請求項3】
携帯端末と、少なくとも検査部を有する検眼装置とが取り付けられる検眼装置用アダプタであって、
一方の面を前記被検者に対向させる被検者対向面、他方の面を前記検眼装置が着脱自在に取り付ける取付面として形成された板状のアダプタ本体と、
前記アダプタ本体に設けられ、前記被検者が両手で把持する把持部と、
前記アダプタ本体の前記取付面に設けられた固定部と、を有し、
前記検眼装置と前記携帯端末は、前記固定部により固定される
検眼装置用アダプタ。
【請求項4】
携帯端末と、少なくとも検査部を有する検眼装置とが取り付けられる検眼装置用アダプタであって、
一方の面を前記被検者に対向させる被検者対向面、他方の面を前記検眼装置が着脱自在に取り付ける取付面として形成された板状のアダプタ本体と、
前記アダプタ本体に設けられ、前記被検者が両手で把持する把持部と、
前記アダプタ本体の前記取付面に設けられた挟持部と、
前記アダプタ本体に設けられた切欠部と、を有し、
前記検眼装置と前記携帯端末は、前記挟持部により両端を挟持され固定され、前記検眼装置の前記検査部及び当接ユニットは前記切欠部より露呈される
検眼装置用アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検眼装置との組み合わせで用いられる検眼装置用アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検眼装置としては、その検眼、診察の目的に合わせて、多種多様なものが存在している。その一例として、眼科診察の基本となる検査器具として、スリット状の照明光斑を被検者の眼に投影する細隙灯を用いた細隙灯顕微鏡が一般に用いられている。
【0003】
このような細隙灯顕微鏡によれば、被検眼への照明方法に多様性を持たせることで、種々の病変部位の観察が可能となる。すなわち、被検者の眼に対して細隙灯の光源からの光を角度、色、幅を変えながら照射することで、外眼部(眼瞼、結膜、強膜)、前眼部(角膜、前房、水晶体)、前部硝子体及び眼底構造の異常を把握できる。
【0004】
ここで、例えば特許文献1では、被検眼の広域の画像を取得することが可能な細隙灯顕微鏡が開示されている。この特許文献1の細隙灯顕微鏡は、照明系と撮影系とを含み、照明系は照明合焦機構を含み、照明系は被検眼を細隙光で照明する。そして、照明合焦機構は細隙光のフォーカス位置を変更するために用いられ、撮影系は被検眼からの細隙光の戻り光を撮像装置に導く役割を担う。
【0005】
一方、細隙灯顕微鏡には、ポータブルなものとしてハンドスリットがあり、これも同様に外眼部、前眼部、眼底等を診察可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-159073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、細隙灯顕微鏡は、据え置き型の装置であり、装置全体のサイズや重量が大きく、携帯には好適ではなかった。また、ポータブルのハンドスリットは、眼科専門医向けに開発されたものであり、操作が難しく、重量があり、高価であるといった問題があり、非眼科医が診察に導入したり、実際に使用したりするのが難しいものとなっている。
【0008】
近年、在宅患者が増加していることや、眼科医が存在しない自治体が数百以上あることから、在宅や僻地医療において総合診療医や救急医が眼科症状を訴える患者を診察する場面も増えている。例えば、急性緑内障発作のような眼科救急疾患の診察には前眼部診察が欠かせないが、仮にハンドスリットが施設にあったとしても、非眼科医では使用できない状況も予想される。そのような状況下、簡易に操作でき、小型、軽量且つ低コストの携帯用検眼装置が開発されつつある。
【0009】
しかしながら、携帯用検眼装置は、非眼科医であっても簡易に操作できるようになっているものとはいえ、検眼装置の検査部と被検者の眼との適正な相対位置を保ちつつ、検査動作を行うことは難しい。特に、被検者本人が自宅等で単独で簡単に操作するのは困難である。また、感染対策として被検者本人が単独で撮影することが望ましい場合もある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型の検眼装置との組み合わせで用いられ、被検者が単独で、あるいは検査者による移動乃至は操作の下、被検者の眼と検眼装置の検査部とを適正な相対位置に保持できる検眼装置用アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の第の態様に係る検眼装置用アダプタは、携帯端末と、少なくとも検査部を有する検眼装置とが取り付けられる検眼装置用アダプタであって、一方の面を前記被検者に対向させる被検者対向面として形成された板状のアダプタ本体と、前記アダプタ本体に設けられ、前記被検者が両手で把持する把持部と、前記アダプタ本体の前記被検者対向面に設けられた固定部と、を有し、前記携帯端末及び前記検眼装置は、前記固定部により固定される。
【0014】
本発明の第の態様に係る検眼装置用アダプタは、携帯端末と、少なくとも検査部を有する検眼装置とが取り付けられる検眼装置用アダプタであって、一方の面を前記被検者に対向させる被検者対向面として形成された板状のアダプタ本体と、前記アダプタ本体に設けられ、前記被検者が両手で把持する把持部と、前記アダプタ本体の前記被検者対向面に設けられた収容部と、を有し、前記携帯端末及び前記検眼装置は、前記収容部に収容される。
【0015】
本発明の第の態様に係る検眼装置用アダプタは、携帯端末と、少なくとも検査部を有する検眼装置とが取り付けられる検眼装置用アダプタであって、一方の面を前記被検者に対向させる被検者対向面、他方の面を前記検眼装置が着脱自在に取り付ける取付面として形成された板状のアダプタ本体と、前記アダプタ本体に設けられ、前記被検者が両手で把持する把持部と、前記アダプタ本体の前記取付面に設けられた固定部と、を有し、前記検眼装置と前記携帯端末は、前記固定部により固定される。
【0016】
本発明の第の態様に係る検眼装置用アダプタは、携帯端末と、少なくとも検査部を有する検眼装置とが取り付けられる検眼装置用アダプタであって、一方の面を前記被検者に対向させる被検者対向面、他方の面を前記検眼装置が着脱自在に取り付ける取付面として形成された板状のアダプタ本体と、前記アダプタ本体に設けられ、前記被検者が両手で把持する把持部と、前記アダプタ本体の前記取付面に設けられた挟持部と、前記アダプタ本体に設けられた切欠部と、を有し、前記検眼装置と前記携帯端末は、前記挟持部により両端を挟持され固定され、前記検眼装置の前記検査部及び当接ユニットは前記切欠部より露呈される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、被検者が単独で、あるいは検査者による移動乃至は操作の下、被検者の眼と小型の検眼装置の検査部とを適正な相対位置に保持することができる検眼装置用アダプタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1(a)乃至図1(c)は、本発明の第1乃至第3実施形態に係る検眼システムの基本構成を示す図である。
図2図2(a)乃至図2(c)は、本発明の第1乃至第3実施形態に係る検眼システムに共通して採用される検眼装置の構成例を示す図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係る検眼システムの構成図である。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係る検眼システムの構成図である。
図5図5は、本発明の第3実施形態に係る検眼システムの構成図である。
図6図6は、本発明の第4実施形態に係る検眼システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1(a)乃至図1(c)には、本発明の第1乃至第3実施形態に係る検眼システムの基本構成を示し説明する。
【0022】
図1(a)に示されるように、本発明の第1実施形態に係る検眼システムは、検眼装置100と、検眼装置用アダプタ200と、携帯端末300とで構成されている。この例では、検眼装置用アダプタ200の背面に、固定手段400Aにより、携帯端末300が固定され、検眼装置用アダプタ200の前面に、固定手段400Bにより、検眼装置100が固定されている。固定手段400A、400Bは、検眼装置用アダプタ200の一部を構成している。例えば、固定手段400Aとしては、バネ等の付勢部材により挟持方向に付勢力が付与されている挟持部材等や、磁力によるもの、面ファスナーを用いたバンドによるもの、弾性力を備えたバンドによるもの等多様な手段を採用することができる。一方、固定手段400Bとしては、バネ等の付勢部材により挟持方向に付勢力が付与されている挟持部材等や、検眼装置用アダプタ200に設けられたネジ孔に、検眼装置100に設けられたネジ孔を重ねて、ネジ等を螺合することで固定する手段、さらには磁力によるもの、面ファスナーを用いたバンドによるもの、弾性力を備えたバンドによるもの等、多様な手段を採用することができる。
【0023】
図1(b)に示されるように、本発明の第2実施形態に係る検眼システムは、検眼装置100と、検眼装置用アダプタ200と、携帯端末300とで構成されている。この例では、携帯端末300と検眼装置100は、この順に、検眼装置用アダプタ200の前面に固定手段400Cにより固定されている。固定手段400Cは、検眼装置用アダプタ200の一部を構成している。例えば、固定手段400Cとしては、携帯端末300と検眼装置100を収容できる収容部や、バネ等の付勢部材により挟持方向に付勢力が付与されている挟持部材等、磁力によるもの、面ファスナーを用いたバンドによるもの、弾性力を備えたバンドによるもの等、多様な手段を採用することができる。
【0024】
図1(c)に示されるように、本発明の第3実施形態に係る検眼システムは、検眼装置100と、検眼装置用アダプタ200と、携帯端末300とで構成されている。この例では、検眼装置100と携帯端末300とは、この順に、検眼装置用アダプタ200の後面に固定手段400Dにより固定されている。固定手段400Dは、検眼装置用アダプタ200の一部を構成している。例えば、固定手段400Dとしては、携帯端末300と検眼装置100を収容できる収容部や、バネ等の付勢部材により挟持方向に付勢力が付与されている挟持部材等、磁力によるもの、面ファスナーを用いたバンドによるもの、弾性力を備えたバンドによるもの等、多様な手段を採用することができる。
【0025】
ここで、図2(a)乃至図2(c)には、第1乃至第3実施形態において共通に採用される検眼装置の構成を示し説明する。
【0026】
これらの図に示されるように、検眼装置100は、平板2を備える。平板2は、第1平板部2aと当該第1平板部2aの上方で当該第1平板部2aの平面に垂直な方向に延びた第2平板部2bとからなる。第2平板部2bには、支持板3が固着され、当該支持板3の平面上に、照明ユニット4が配設されている。
【0027】
第1平板部2aの被検者方向から見て右側上方には、電源部6が配設されており、当該電源部6には電池が収容されている。この電源部6より、照明ユニット4内の光源に電源が供給されるようになっている。電源部6には、照明の明るさを調整する光源スイッチ10が設けられている。当該光源スイッチ10を回転させることで、照明の明るさを増減することが可能である。
【0028】
支持板3の平面上、被検者方向から見て左側上方には、上部当接ユニット7が着脱可能に配設されている。上部当接ユニット7は、撮影光学系(検査部)9及びこの撮影光学系9と被検者の眼との距離を一定に保つ機能を有している。上部当接ユニット7は、支持板3に取り付けられる軸部材7a、軸部材7aの先端に回動軸部材7bを中心として回動自在に配設された回動ローラ7cとからなる。上部当接ユニット7では、軸部材7aの先端の上面に回動ローラ7cが回動軸部材7bにより回動自在に保持される。
【0029】
検眼装置100の上部当接ユニット7の下方には、第1平板部2aに対して着脱可能な下部当接ユニット8が配設されている。下部当接ユニット8は、支持板5に対して着脱可能に取り付けられる軸部材8aと、軸部材8aの先端に回動軸部材8bを中心として回動自在に配設された回動ローラ8cとからなる。下部当接ユニット8では、軸部材8aの先端の下面に回動ローラ8cが回動軸部材8bにより回動自在に保持される。
【0030】
検眼装置100の第1平板部2aの被検者側から見て左側上方には、撮影光学系(検査部)9が配設されている。
【0031】
照明ユニット4は、細隙灯として機能する場合、次の構成となる。即ち、照明ユニット4は、光源として白色LEDを採用し、光源は電源部6に接続される。電源部6は、内部の電池等から光源に電源供給する。光源の出射光の光路上には、不図示のコンデンサレンズ、第1のフィルタ部、第2のフィルタ部、投影レンズ、照明プリズムが、この順に配設される。照明プリズムの出射面には、カラーフィルタが開閉自在に設けられる。
【0032】
光源である白色LEDからの光は、コンデンサレンズにより集光され、第1のフィルタ部及び第2のフィルタ部を介して投影レンズに導かれる。そして、投影レンズで照明プリズムに光が投影され、照明プリズムで前方向に光路が変更され所定の焦点位置に結像される。このとき、照明プリズムの前方に半透明のすりガラスで構成されたフィルタを設置するとディフューザー機能が実現される。フィルタ部としては、カラーフィルタ機能を備えた第1のフィルタ部と、スリットが形成された第2のフィルタ部とを備えてよい。
【0033】
<第1実施形態>
【0034】
図3には、本発明の第1実施形態に係る検眼装置用アダプタ、及びそれを用いた検眼システムの構成を示し説明する。
【0035】
同図に示されるように、検眼装置用アダプタ200Aの前面には、検眼装置100が着脱自在に取り付けられる。検眼装置用アダプタ200Aの後面には、携帯端末300が着脱自在に取り付けられる。検眼装置100は、携帯端末300との組み合わせで検眼装置100としての機能を有するものである。また、検眼装置100単体で検眼できるものであってもよい。なお、検眼装置100については様々なタイプのものが適用できる。
【0036】
検眼装置用アダプタ200Aは、板状のアダプタ本体201を備えている。アダプタ本体201は、一方の面を被検者に対向させる被検者対向面201A、他方の面を携帯端末300が着脱自在に取り付けられる取付面201Bとして形成されている。同図では不図示であるが、アダプタ本体201には、携帯端末300のカメラ位置を露出させる切欠部が設けられている。
【0037】
アダプタ本体201の左右端には、開口部201c,201dが設けられている。開口部201c,201dには、被検者が両手で把持する把持部202a,202bが取り付けられている。換言すれば、把持部202a,202bは、アダプタ本体201の左右端に設けられた支持板部201a,201bに取り付けられている。
【0038】
アダプタ本体201の取付面201Bには、携帯端末300の左右端を挟持するための挟持部材203a,203bと、支持部材203cが設けられている。この挟持部材203a,203bは、不図示のバネ等の付勢部材により挟持方向に付勢されており、且つ挟持幅を可変することが可能であるので、様々なサイズの携帯端末300を強固に挟持し、固定することが可能となる。検眼装置用アダプタ200Aには、不図示のネジ孔が2か所設けられており、検眼装置100のネジ孔よりネジ210a,201bを螺合させることで、検眼装置100は検眼装置用アダプタ200Aに固定される。尚、このネジによる螺合に代えて、バネ等の付勢部材により挟持方向に付勢力が付与されている挟持部材等を採用してもよいことは勿論である。
【0039】
このような構成において、実際に使用する際には、上部当接ユニット7及び下部当接ユニット8の取付位置を調整して、所望とする焦点距離となるように設定する。以上の位置決めを行った後、撮影光学系9を介して被検眼を撮影する。この撮影時において、上部当接ユニット7は被検者の額に当接され、下部当接ユニット8は被検者の頬に当接されるので、撮影光学系9と被検眼との位置関係が固定され、焦点距離もぶれることなく、高精度の撮影を行うことができる。また、上部当接ユニット7、及び下部当接ユニット8の先端は回動ローラ7c,8cとなっているので、被検者が検眼装置用アダプタ200Aを左右に動かすだけで、当接した状態からスキャンするように左右に検眼装置を安定的に動かすことができ、検眼することができる。ここでは、検眼装置が、上部当接ユニット7及び下部当接ユニット8を有する例を示したが、これらを構成として備えていない検眼装置を採用することも可能であることは勿論である。また、検眼装置を、アダプタ本体201の被検者側に設けた挟持部により挟持して保持する構成とすることもできる。さらに、挟持部に代えて、磁力によるもの、面ファスナーを用いたバンドによるもの、弾性力を備えたバンドによるもの等多様な手段を採用することができる。
【0040】
<第2実施形態>
【0041】
図4には、本発明の第2実施形態に係る検眼装置用アダプタ、及びそれを用いた検眼システムの構成を示し説明する。
【0042】
同図に示されるように、検眼装置用アダプタ200Bの前面では、検眼装置100と携帯端末300とが重ねて収容部204に収容されている。検眼装置100は、携帯端末300との組み合わせで検眼装置100としての機能を有するものである。また、検眼装置100単体で検眼できるものであってもよい。なお、検眼装置100については様々なタイプのものが適用できる。
【0043】
検眼装置用アダプタ200Bは、板状のアダプタ本体201を備えている。アダプタ本体201は、一方の面を被検者に対向させる被検者対向面201A、他方の面を携帯端末300が着脱自在に取り付けられる取付面201Bとして形成されている。
【0044】
アダプタ本体201の左右端には、開口部201c,201dが設けられている。開口部201c,201dには、被検者が両手で把持する把持部202a,202bが取り付けられている。換言すれば、把持部202a,202bは、アダプタ本体201の左右端に設けられた支持板部201a,201bに取り付けられている。
【0045】
アダプタ本体201の被検者対向面201A側、略中央の下部には、収容部204が設けられている。この収容部204には、前述した通り、検眼装置100と携帯端末300とが、カメラ位置合わせがなされた位置関係で、収容される。これにより、検眼装置100と携帯端末300は、両者の位置関係を保持したままで、検眼装置用アダプタ200Bにしっかりと固定されることになる。尚、収容部204は、アダプタ本体201の取付面側に設けてもよい。その場合には、検査部等を露呈するための切欠部がアダプタ本体201に設けられることになる。
【0046】
このような構成において、実際に使用する際には、上部当接ユニット7及び下部当接ユニット8の取付位置を調整して、所望とする焦点距離となるように設定する。以上の位置決めを行った後、撮影光学系9を介して被検眼を撮影する。この撮影時において、上部当接ユニット7は被検者の額に当接され、下部当接ユニット8は被検者の頬に当接されるので、撮影光学系9と被検眼との位置関係が固定され、焦点距離もぶれることなく、高精度の撮影を行うことができる。また、上部当接ユニット7、及び下部当接ユニット8の先端は回動ローラ7c,8cとなっているので、被検者が検眼装置用アダプタ200Bを左右に動かすだけで、当接した状態からスキャンするように左右に検眼装置を安定的に動かすことができ、検眼することができる。ここでは、検眼装置が、上部当接ユニット7及び下部当接ユニット8を有する例を示したが、これらを構成として備えていない検眼装置を採用することも可能であることは勿論である。
【0047】
<第3実施形態>
【0048】
図5には、本発明の第3実施形態に係る検眼装置用アダプタ、及びそれを用いた検眼システムの構成を示し説明する。
【0049】
同図に示されるように、検眼装置用アダプタ200Cの後面には、検眼装置100と携帯端末300が、この順に位置合わせされて着脱自在に取り付けられている。検眼装置100は、携帯端末300との組み合わせで検眼装置100としての機能を有するものである。また、検眼装置100単体で検眼できるものであってもよい。なお、検眼装置100については様々なタイプのものが適用できる。
【0050】
検眼装置用アダプタ200Cは、板状のアダプタ本体201を備えている。アダプタ本体201は、一方の面を被検者に対向させる被検者対向面201A、他方の面を携帯端末300が着脱自在に取り付けられる取付面201Bとして形成されている。アダプタ本体201には、略中央の上部に所定幅(検眼装置100の幅よりも広い)の切欠部201eが設けられている。この切欠部201eより、装着された検眼装置100の撮影光学系9や上部当接ユニット7、下部当接ユニット8等が露呈することになる。
【0051】
アダプタ本体201の左右端には、開口部201c,201dが設けられている。開口部201c,201dには、被検者が両手で把持する把持部202a,202bが取り付けられている。換言すれば、把持部202a,202bは、アダプタ本体201の左右端に設けられた支持板部201a,201bに取り付けられている。
【0052】
アダプタ本体201の取付面201Bには、検眼装置100と携帯端末300の左右端を同時に挟持するための挟持部材206a,206bと、支持部材206cが設けられている。この挟持部材206a,206bは、不図示のバネ等の付勢部材により挟持方向に付勢されており、且つ挟持幅を可変することが可能であるので、様々なサイズの検眼装置100及び携帯端末300を強固に挟持し、固定することが可能となる。
【0053】
このような構成において、実際に使用する際には、上部当接ユニット7及び下部当接ユニット8の取付位置を調整して、所望とする焦点距離となるように設定する。以上の位置決めを行った後、撮影光学系9を介して被検眼を撮影する。この撮影時において、上部当接ユニット7は被検者の額に当接され、下部当接ユニット8は被検者の頬に当接されるので、撮影光学系9と被検眼との位置関係が固定され、焦点距離もぶれることなく、高精度の撮影を行うことができる。また、上部当接ユニット7、及び下部当接ユニット8の先端は回動ローラ7c,8cとなっているので、被検者が検眼装置用アダプタ200Cを左右に動かすだけで、当接した状態からスキャンするように左右に検眼装置を安定的に動かすことができ、検眼することができる。ここでは、検眼装置が、上部当接ユニット7及び下部当接ユニット8を有する例を示したが、これらを構成として備えていない検眼装置を採用することも可能であることは勿論である。さらに、挟持部に代えて、磁力によるもの、面ファスナーを用いたバンドによるもの、弾性力を備えたバンドによるもの等多様な手段を採用することができる。
【0054】
<第4実施形態>
【0055】
図6には、本発明の第4実施形態に係る検眼装置用アダプタ、及びそれを用いた検眼システムの構成を示し説明する。
【0056】
同図に示されるように、検眼装置アダプタ200Dは、平板状のアダプタ本体201を備える。アダプタ本体201の被検者側には、照明ユニット4、電源部6が配設されている。電源部6には、電池が収容されている。電源部6より、照明ユニット4内の光源に電源が供給されるようになっている。電源部6には、照明の明るさを調整する光源スイッチ10が設けられている。当該光源スイッチ10を回転させることで、照明の明るさを増減することが可能である。
【0057】
アダプタ本体201の被検者側には、上部当接ユニット7が着脱可能に配設されている。上部当接ユニット7は、撮影光学系(検査部)9及びこの撮影光学系9と被検者の眼との距離を一定に保つ機能を有している。上部当接ユニット7は、支持板3に取り付けられる軸部材7a、軸部材7aの先端に回動軸部材7bを中心として回動自在に配設された回動ローラ7cとからなる。上部当接ユニット7では、軸部材7aの先端の上面に回動ローラ7cが回動軸部材7bにより回動自在に保持される。
【0058】
検眼装置100の平板201の上部当接ユニット7の下方には、下部当接ユニット8が着脱自在に配設されている。下部当接ユニット8は、支持板5に対して着脱可能に取り付けられる軸部材8aと、軸部材8aの先端に回動軸部材8bを中心として回動自在に配設された回動ローラ8cとからなる。下部当接ユニット8では、軸部材8aの先端の下面に回動ローラ8cが回動軸部材8bにより回動自在に保持される。
【0059】
検眼装置100の第1平板部2aの被検者側から見て左側上方には、同図では不図示であるが、撮影光学系(検査部)9が配設されている。
【0060】
照明ユニット4は、細隙灯として機能する場合、次の構成となる。即ち、照明ユニット4は、光源として白色LEDを採用し、光源は電源部6に接続される。電源部6は、内部の電池等から光源に電源供給する。光源の出射光の光路上には、不図示のコンデンサレンズ、第1のフィルタ部、第2のフィルタ部、投影レンズ、照明プリズムが、この順に配設される。照明プリズムの出射面には、カラーフィルタが開閉自在に設けられる。
【0061】
光源である白色LEDからの光は、コンデンサレンズにより集光され、第1のフィルタ部及び第2のフィルタ部を介して投影レンズに導かれる。そして、投影レンズで照明プリズムに光が投影され、照明プリズムで前方向に光路が変更され所定の焦点位置に結像される。このとき、照明プリズムの前方に半透明のすりガラスで構成されたフィルタを設置するとディフューザー機能が実現される。フィルタ部としては、カラーフィルタ機能を備えた第1のフィルタ部と、スリットが形成された第2のフィルタ部とを備えてよい。
【0062】
検眼装置用アダプタ200Dのアダプタ本体201の後面(取付面)には、携帯端末300が着脱自在に取り付けられる。
【0063】
検眼装置用アダプタ200Dは、板状のアダプタ本体201は、一方の面を被検者に対向させる被検者対向面201A、他方の面を携帯端末300が着脱自在に取り付けられる取付面201Bとして形成されている。同図では不図示であるが、アダプタ本体201には、携帯端末300のカメラ位置を露出させる切欠部が設けられている。
【0064】
アダプタ本体201の左右端には、開口部201c,201dが設けられている。開口部201c,201dには、被検者が両手で把持する把持部202a,202bが取り付けられている。換言すれば、把持部202a,202bは、アダプタ本体201の左右端に設けられた支持板部201a,201bに取り付けられている。
【0065】
アダプタ本体201の取付面201Bには、携帯端末300の左右端を挟持するための挟持部材203a,203bと、支持部材203cが設けられている。この挟持部材203a,203bは、不図示のバネ等の付勢部材により挟持方向に付勢されており、且つ挟持幅を可変することが可能であるので、様々なサイズの携帯端末300を強固に挟持し、固定することが可能となる。
【0066】
このような構成において、実際に使用する際には、上部当接ユニット7及び下部当接ユニット8の取付位置を調整して、所望とする焦点距離となるように設定する。以上の位置決めを行った後、撮影光学系9を介して被検眼を撮影する。この撮影時において、上部当接ユニット7は被検者の額に当接され、下部当接ユニット8は被検者の頬に当接されるので、撮影光学系9と被検眼との位置関係が固定され、焦点距離もぶれることなく、高精度の撮影を行うことができる。また、上部当接ユニット7、及び下部当接ユニット8の先端は回動ローラ7c,8cとなっているので、被検者が検眼装置用アダプタ200Aを左右に動かすだけで、当接した状態からスキャンするように左右に検眼装置を安定的に動かすことができ、検眼することができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。例えば、前述した実施形態では、検眼装置として、細隙灯顕微鏡を例示したが、小型の検眼装置であれば各種の検眼装置に適用できる。例えば、眼底カメラ・視力検査・眼圧検査・レフケラ・角膜形状解析・OCT・瞳孔計・眼球突出計・眼科用エコー・角膜曲率計・トポグラフィー・眼科用鏡・スペキュラ・フレアメーター・レフラクト/ケラトメーター・レチノメーター等が検眼装置として用いることができる。
【符号の説明】
【0068】
100…検眼装置、2…平板、2a…第1平板部、2b…第2平板部、3…支持板、4…照明ユニット、5…支持板、6…電源部、7…上部当接ユニット(当接部)、7…上部当接ユニット、7a…軸部材、7b…回動軸部材、7c…回動ローラ、8…下部当接ユニット、8a…軸部材、8b…回動軸部材、8c…回動ローラ、9…撮影光学系(検査部)、9…撮影光学系、10…保持部、10a…保持板、10b…調整保持部材、10c…スリット、11…保持部、11a…保持板、11b…調整保持部材、11c…スリット、12…保持部、12a…保持板、12b…調整保持部材、12c…スリット、13…光源スイッチ、14…固定部、15…固定部、200…検眼装置用アダプタ、201…アダプタ本体、201a,201b…支持板、201c,201d…開口部、202a,202b…把持部、203a,203b…挟持部、203c…支持部、204…収容部、205…略中央部、206a,206b…挟持部、206c…支持部、210a,210b…ネジ、300…携帯端末、400A~400D…固定手段(固定部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6