IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 國立中正大學の特許一覧

特許71574802次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システム
<>
  • 特許-2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システム 図1
  • 特許-2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システム 図2
  • 特許-2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システム 図3
  • 特許-2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20221013BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20221013BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20221013BHJP
   G01N 21/65 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
G01N21/27 A
G06T7/60 150Z
G06T7/00 350B
G01N21/65
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021003315
(22)【出願日】2021-01-13
(65)【公開番号】P2021177163
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2021-01-13
(31)【優先権主張番号】109114945
(32)【優先日】2020-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】503004699
【氏名又は名称】國立中正大學
(74)【代理人】
【識別番号】100115613
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寧司
(72)【発明者】
【氏名】王 祥辰
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲カイ▼竣
(72)【発明者】
【氏名】柯 凱翔
(72)【発明者】
【氏名】梁 俊文
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-061657(JP,A)
【文献】特許第6392476(JP,B1)
【文献】特開2017-181192(JP,A)
【文献】特開2004-093436(JP,A)
【文献】国際公開第2018/128193(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/006129(WO,A1)
【文献】Xiaoyang Lin,Intelligent identification of two-dimensional nanostructures by machine-learning optical microscopy,Nano Research,2018年,Vol.11,pp.6316-6324
【文献】Qin Xudong,New method for thickness determination and microscopic imaging of graphene-like two-dimensional materials,Journal of Semiconductors,2016年,Vol.37 No.1,pp.013002-01~05
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/958
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元材料薄膜検出方法であって、
光学顕微鏡を介して複数の2次元材料薄膜のそれぞれのサンプル画像を撮り、前記複数のサンプル画像を記憶装置に保存し、
前記複数の2次元材料薄膜をラマン分光計を介して測定し、複数の層数および複数の位置を前記記憶装置に保存し、
プロセッサを介して、前記記憶装置をアクセスし、前記複数のサンプル画像に対して可視光ハイパースペクトル計算を実行し、複数の可視光ハイパースペクトル画像を生成し、
前記プロセッサを介してトレーニングおよび検証手順を実行し、前記複数の可視光ハイパースペクトル画像に対して画像特徴計算を実行し、前記複数の層数および前記複数の位置と共に検証を実行して薄膜予測モデルを確立し、
前記光学顕微鏡を介して検出待ち薄膜画像を撮り、前記プロセッサを介して前記可視光ハイパースペクトル計算を実行し、前記薄膜予測モデルに基づいて前記検出待ち薄膜画像の層数分布結果を生成し、
出力装置を介して前記層数分布結果を出力することを特徴とする、2次元材料薄膜検出方法。
【請求項2】
前記可視光ハイパースペクトル計算の波長範囲が380~780nmの間にあり、スペクトルの分解能は1nmであることを特徴とする、請求項1に記載の2次元材料薄膜検出方法。
【請求項3】
前記トレーニングおよび検証手順は、前記複数の可視光ハイパースペクトル画像をトレーニングセット、検証セットおよびテストセットに分類することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の2次元材料薄膜検出方法。
【請求項4】
前記画像特徴計算は、決定木分析、主成分分析、ディープニューラルネットワーク分析のいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の2次元材料薄膜検出方法。
【請求項5】
前記ディープニューラルネットワーク分析は、深層ニューラルネットワーク、1次元畳み込みニューラルネットワーク、および3次元畳み込みニューラルネットワークのいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項4に記載の2次元材料薄膜検出方法。
【請求項6】
光学顕微鏡と、ラマン分光計と、記憶装置と、プロセッサと出力装置を備える2次元材料薄膜検出システムであって、
前記光学顕微鏡は、複数の2次元材料薄膜のそれぞれのサンプル画像を撮り、且つ検出待ち薄膜画像を撮り、
前記ラマン分光計は、2次元材料薄膜を測定して複数の層数および複数の位置を取得し、
前記記憶装置は、前記光学顕微鏡および前記ラマン分光計に接続し、前記複数のサンプル画像および対応する前記複数の層数および前記複数の位置を保存し、
前記プロセッサは、前記記憶装置に接続し、複数の命令を実行して以下のステップを実行し、
前記複数のサンプル画像をアクセスして可視光ハイパースペクトル計算を実行して複数のハイパースペクトル画像生成し、
トレーニングおよび検証手順を実行して前記複数の可視光ハイパースペクトル画像に対して画像特徴計算を実行し、前記複数の層数および前記複数の位置と共に検証を実行して薄膜予測モデルを確立し、
前記検出ち薄膜画像をアクセスして前記可視光ハイパースペクトル計算を実行し、前記薄膜予測モデルに基づいて前記検出待ち薄膜画像の層数分布結果を生成し、
前記出力装置は前記層数分布結果を出力することを特徴とする、2次元材料薄膜検出システム。
【請求項7】
前記可視光ハイパースペクトル計算の波長範囲が380~780nmの間にあり、スペクトルの分解能は1nmであることを特徴とする、請求項6に記載の2次元材料薄膜検出システム。
【請求項8】
前記トレーニングおよび検証手順は、前記複数の可視光ハイパースペクトル画像をトレーニングセット、検証セットおよびテストセットに分類することを含むことを特徴とする、請求項6に記載の2次元材料薄膜検出システム。
【請求項9】
前記画像特徴計算は、決定木分析、主成分分析、ディープニューラルネットワーク分析のいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項6に記載の2次元材料薄膜検出システム。
【請求項10】
前記ディープニューラルネットワーク分析は、深層ニューラルネットワーク、1次元畳み込みニューラルネットワーク、および3次元畳み込みニューラルネットワークのいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項9に記載の2次元材料薄膜検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システムに関わり、具体的には、可視光ハイパースペクトル画像および分類計算法を利用する2次元材料薄膜自動検出方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
2次元材料は、次世代の電子装置および光電子工学領域によく注目される材料である。2次元材料は、物理または化学的方法によって分離した単層の原子レベルの厚さを有する平面層である。その単層構造は、単一元素形態または混合元素の交替形態から構成される。単一元素形態には、同素体材料であるグラフェン、シリレン、ゲルマネン、チネン、ホスホレン、ボロネンなどが含まる。一方、混合元素の形態は、六方晶窒化ホウ素、遷移金属カルコゲン化合物、遷移金属炭素(窒素)化合物から構成され、または遷移金属酸化物、水酸化物化合物などの立体バルク材料から分離されて2次元材料の単層を形成する。
【0003】
2次元材料が2次元平面に制限されるため、その厚さが数ナノメートルの寸法に制限され、または単層の原子サイズ(グラフェン、六方晶窒化ホウ素など)に制限されるため、その表面の特性とバルク材料とは異なっている。したがって、単層の2次元材料の実現により、材料は特別な剛性、柔軟性、透明性、光学特性、熱伝導率、機械、および高いキャリア移動度を有し、且つ軽量、低エネルギー消費、小型の素子を実現できるため、電子工学、光学、光電子工学、電子スピン、電池材料、量子情報、生物医学アプリケーションなどの使用に大きなポテンシャルがあり、将来の技術開発と産業に変革をもたらす可能性がある。2次元材料はまた、ナノテクノロジーの応用と発展に寄与し、原子テクノロジーの限界をさらに押し上げ、さまざまな技術分野に応用できる。
【0004】
2次元材料の特性はその構造に密接に関連しており、特に層数は2次元材料の特性を決定する主な要因の1つである。層数によって2次元材料のバンド構造が変化し、単層の2次元材料のみがダイレクトギャップ半導体となる。多層の2次元材料のエネルギーバンド構造はより複雑になり、その中で小さな変化が材料の特性に大きな違いを引き起こす可能性がある。したがって、この2次元材料の層数を迅速かつ正確に識別することは非常に重要である。
【0005】
現在、2次元材料薄膜の層数分析は主に原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy、AFM)、マイクロラマン分光計(Micro-RAMAN Spectrometer)、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、 SEM)、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy, TEM)、および多光子レーザー走査顕微鏡(Multiphoton Laser Scanning Microscopy)などを使用する。ただし、原子間力顕微鏡の走査範囲は非常に限られており、時間がかかるため、大面積での高速測定には適していない。マイクロラマン分光計は、ラマンモードの厚み依存性が弱いため、明確で正確な予測を行うことが困難であり、大面積分析にも適していない。走査型電子顕微鏡は、周囲とは異なる輝度に基づいて相対的な層数のみを判断できるため、迅速なスクリーニングにしか適しておらず、層数を正確に判断することは困難である。透過型電子顕微鏡は、サンプルの厚さと均一性によって画像品質が影響されやすく、且つサンプルの準備が複雑である。多光子レーザー走査型顕微鏡は、サンプルをパルスレーザーで励起して蛍光を生成した後、異なっているバンドパスフィルターを使用して蛍光信号を区別する必要がある。
【0006】
以上のように、2次元物質の層数を分析するための装置は多く存在するが、それぞれの限界がある。大面積且つ迅速的に2次元薄膜を検出するため、本発明の発明者は、既存の技術の欠如を改善し、それにより産業用途を強化するために、2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システムを考え、設計した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来技術の問題に鑑み、本発明の目的は、一種の2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システムを提供して、従来技術が大面積且つ迅速に2次元材料薄膜を検出することができない問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの目的により、一種の2次元材料薄膜検出方法を提供し、その方法は以下のステップを含む:光学顕微鏡を介して複数の2次元材料薄膜のそれぞれのサンプル画像を撮り、前記複数のサンプル画像を記憶装置に保存し、前記複数の2次元材料薄膜をラマン分光計を介して測定し、複数の層数および複数の位置を前記記憶装置に保存し、プロセッサを介して、前記記憶装置をアクセスし、前記複数のサンプル画像に対して可視光ハイパースペクトル計算を実行し、複数の可視光ハイパースペクトル画像を生成し、前記プロセッサを介してトレーニングおよび検証手順を実行し、前記複数の可視光ハイパースペクトル画像に対して画像特徴計算を実行し、前記複数の層数および前記複数の位置と共に検証を実行して薄膜予測モデルを確立し、前記光学顕微鏡を介して検出待ち薄膜画像を撮り、前記プロセッサを介して前記可視光ハイパースペクトル計算を実行し、前記薄膜予測モデルに基づいて前記検出待ち薄膜画像の層数分布結果を生成し、出力装置を介して前記層数分布結果を出力する。
【0009】
本発明のもう一つの目的により、一種の2次元材料薄膜検出システムを提供し、そのシステムは、光学顕微鏡と、ラマン分光計と、記憶装置と、プロセッサと出力装置を備え、前記光学顕微鏡は、複数の2次元材料薄膜のそれぞれのサンプル画像を撮り、且つ検出待ち薄膜画像を撮り、前記ラマン分光計は、2次元材料薄膜を測定して複数の層数および複数の位置を取得し、前記記憶装置は、前記光学顕微鏡および前記ラマン分光計に接続し、前記複数のサンプル画像および対応する前記複数の層数および前記複数の位置を保存し、前記プロセッサは、前記記憶装置に接続し、複数の命令を実行して以下のステップを実行し:前記複数のサンプル画像をアクセスして可視光ハイパースペクトル計算を実行して複数のハイパースペクトル画像生成し、トレーニングおよび検証手順を実行して前記複数の可視光ハイパースペクトル画像に対して画像特徴計算を実行し、前記複数の層数および前記複数の位置と共に検証を実行して薄膜予測モデルを確立し、前記検出ち薄膜画像をアクセスして前記可視光ハイパースペクトル計算を実行し、前記薄膜予測モデルに基づいて前記検出待ち薄膜画像の層数分布結果を生成し、前記出力装置は前記層数分布結果を出力する。
【0010】
より好ましくは、可視光ハイパースペクトル計算の波長範囲が380~780nmの間にあり、スペクトルの分解能は1nmである
【0011】
より好ましくは、トレーニングおよび検証手順は、複数の可視光ハイパースペクトル画像をトレーニングセット、検証セットおよびテストセットに分類することを含む。
【0012】
より好ましくは、画像特徴計算は、決定木分析(Decision Tree、DT)、主成分分析(Principal Components Analysis、PCA)、ディープニューラルネットワーク分析(Deep Neural Network、DNN)を含む。
【0013】
より好ましくは、ディープニューラルネットワーク分析は、深層ニューラルネットワーク(DNN)、1次元畳み込みニューラルネットワーク(1D-DNN)、および3次元畳み込みニューラルネットワーク(3D-DNN)を含む。
【発明の効果】
【0014】
上記のように、本発明の2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システムは後述する一つまたは複数の利点を有する:
【0015】
(1)この2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システムは、光学顕微鏡で取得した元の画像を可視光ハイパースペクトル画像に変換し、検出モデルを介して2次元材料薄膜の層数分布を分析できるため、従来の技術では大面積を分析できないという欠点が改善される。
【0016】
(2)この2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システムは、機械学習またはディープラーニング計算を介して分析モデルを確立し、自動化された判断方法とシステムを確立し、2次元の材料薄膜検出の効率を向上させることができる。
【0017】
(3)此2次元材料薄膜検出方法および2次元材料薄膜検出システムは、異なっているディープラーニングネットワークモデルを使用して構築され、ラマン測定データによって検証して、検出ち薄膜の検出および分析結果の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明およびその達成可能な効果の技術的特徴、内容および利点をより明白にするために、本発明は、以下の添付図面を伴う実施形態の形で詳細に説明する:
図1】本発明の実施例による2次元材料薄膜検出方法のフローチャートである。
図2図2Aおよび図2Bは本発明の実施例により決定木分析の概略図である。
図3図3A図3Cは本発明の実施例によるディープニューラルネットワーク分析の概略図である。
図4】本発明の実施例による2次元材料薄膜検出システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明をより完全に理解するために、本発明の技術特徴、内容と長所およびそれが達成できる作用効果について、添付図面を参照して、実施例の表現形式で以下のように詳細に説明する。但し、図示された図面は、単に例示または明細書内容を補助することを目的としたものであって、本発明の実施後の原寸に比例したものや精確に配置したものには何ら拘束されない。よって、図示された図面は、添付図面の比例と配置関係で解釈されてはならず、本発明を実際に実施する権利範囲に制限することを意図したものではないことについて先に説明しておきたい。
【0020】
本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の通常の知識によって一般に理解される意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されている用語などの用語は、関連する技術および本発明の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を持つものとして解釈されるべきであり、また、この記事でそのように明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されない。
【0021】
2次元材料は、単一元素の形式または混合元素の交替形態を含む。単一元素形態のは、グラフェン、またはシリレン、ゲルマネン、スタネン、ホスホレン、ボロネンなどのヘテロ構造と組み合わせた他の2次元材料である。混合元素形態のは、六方晶窒化ホウ素(h-BN)、遷移金属カルコゲナイド(TMDC)、遷移金属炭素(窒素)化合物(MXene)などの層状構造材料、または遷移金属酸化物(TM酸化物)、水酸化物、などの3次元バルク材料から分離して単一の層を形成した2次元材料。遷移金属カルコゲナイド(TMDC)の化学式は一般にMX2であり、Mは遷移金属、Xはカルコゲン元素、遷移金属カルコゲナイドはIVA~VIIAグループの遷移金属である。例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)など、カルコゲン(硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)など)から形成した層状化合物、例えば、VSe、NbSe、TaS、TiS、TiSe、TiTe、MoS、WSeなどの層状材料。遷移金属炭素(窒素)化合物(MXene)の化学式は一般にMn+1Xnであり、Mは遷移金属、Xは炭素または窒素である。例えば、MoC、WC、WC、TaCなどである。
【0022】
なお、本実施例では、一例として二硫化モリブデンを用いているが、これに限定されるものではなく、上記の他の2次元材料を分析、測定の対象としてもよい。二硫化モリブデンは、六角形のS-Mo-Sの積層構造からなる半導体材料である。これらの層間が弱いファンデルワールス結合によって結合されるのを単層と呼ばれ、その特徴は、非常に大きな直接エネルギーギャップ、優れたオン/オフ比、および高いキャリア移動度である。二硫化モリブデンは、強力な共有結合があるため、機械的延性が高く、そして優れた弾性があるため、ナノサイズグレードの電子および光電子部品の重要な材料と見なされている。
【0023】
図1を参照し、図1は本発明の実施例による2次元材料薄膜検出方法のフローチャートである。図面に示されるように、2次元材料薄膜検出方法は以下のステップ(S1~S5)を含む:
【0024】
ステップS1:光学顕微鏡を介して複数の2次元材料薄膜のそれぞれのサンプル画像を撮り、前記複数のサンプル画像を記憶装置に保存する。二硫化モリブデン膜などの2次元材料薄膜の作製では、化学気相成長法を用いて、高温で硫黄を分解してMoOと反応させ、反応完成したMoS2分子をサファイアまたは二酸化ケイ素(SiO)/Si基板上に堆積され、二硫化モリブデン膜を形成する。プロセス中の異なるガスフロー、前駆体濃度、成長温度の制御、温度保持時間、および基板の選択は、二硫化モリブデン膜の構造に影響する。用意された各種二次元材料膜は、まず、光学顕微鏡(OM)で各サンプル画像を撮り、これらのサンプル画像を記憶装置に保存する。これらのサンプル画像のデータは、堆積時間、温度、使用された基板などを含むプロセスパラメーターを含むことができ、対応するサンプル画像は記憶装置に保存される。
【0025】
ステップS2:ラマン分光計で複数の2次元材料膜を検出し、複数の層数と複数の位置を記憶装置に保存する。上記のプロセスで調製された各2次元材料薄膜は、ラマン分光計によってさらに測定され、各二次元材料薄膜上の複数の位置が選択される。選択した位置のスペクトルデータを測定し、対応するラマン測定によって測定された層数を記録し、記憶装置内の2次元材料薄膜の異なる位置の位置情報と層数情報を記録する。
【0026】
ステップS3:プロセッサを介して記憶装置にアクセスし、複数のサンプル画像の可視光ハイパースペクトル計算を実行して、複数の可視光ハイパースペクトル画像を生成する。可視光ハイパースペクトルの主な概念は、一般的な光学顕微鏡の画像キャプチャデバイスによってキャプチャされた画像を分光器の機能に割り当て、キャプチャされた元の画像の各ピクセルにスペクトル情報を持たせることである。この技術的概念を実現するためには、光学顕微鏡の感光性結合素子(CCD)と分光計の関係行列を見つけ、これを使用して可視光ハイパースペクトル画像を作成する必要がある。
【0027】
可視光ハイパースペクトルプロセスは、まず、標準の24色カードを光学顕微鏡と分光計を介して、それぞれの24色ブロック画像(sRGB、8bit)と24色ブロック反射スペクトルデータ(波長範囲380~780nm、スペクトル分解能1nm)を取得し、24色ブロック画像と24色ブロック反射スペクトルデータをXYZ色空間(CIE 1931 XYZ色空間)に変換する。それぞれの変換式は以下の通り:
【0028】
【0029】
画像部分において、感光性カップリングエレメント自体がソフトウェアでキャプチャし、コンピューターに表示するため、ISP補正の影響を受け、画像(JPEG、8ビット)はsRGB色空間仕様に従って記憶される。画像をsRGB色空間からXYZ色空間に変換する前に、それぞれのR、G、B値(0~255)をより小さいスケール範囲(0~1)に変換する必要がある。次に、ガンマ関数変換(式(3))を介してsRGB値を線形RGB値に変換され、最後に変換行列T(式(1)および式(2))を介して、線形RGB値をXYZ色空間に規定されたXYZ値に変換する。sRGB色域スペースは、白色点をD65(Xcw,Ycw,Zcw)として標準化して、光源の白色点(Xsw,Ysw,Zsw)を測定するではないため、測定光源の下で真のXYZ値(XYZCamera)を取得するには、取得したXYZ値を色順応行列M(Chromatic Adaptation)(式(4))で変換して、D65の白色点を測定光源の白色点に変換する必要がある。
【0030】
【0031】
【0032】
上記の変換式を介して XYZCamera 及び XYZSpectrum のデータを取得して、XYZSpectrum を標準にし、XYZCamera の [XYZ]T 行列を補正変数付きの可変行列Vに展開し、式(9)を使用して重回帰分析(Multiple regression analysis)を実行し、最後にカメラの補正に使用される補正係数行列Cを取得する。
[C] = [XYZSpectrum] × pinv([V]) ・・・・・・・・(9)
【0033】
変数行列Vは、カメラがエラーを引き起こす可能性のある要素を分析することによって取得される。エラーを引き起こす要素には、カメラの非線形応答、カメラの暗電流、カラーフィルターの不正確な色分離、カラーシフトなどがある。カメラの非線形応答は3次方程式で補正でき、非線形応答補正変数はVNon-linearとして定義される。カメラの暗電流部分は通常、固定値であり、光入力の量によって変化せず、定数を暗電流として使用され、暗電流補正変数をVDarkとして定義される。カラーフィルターの不正確な色分解とカラーシフトは、カラーマッチングの問題と見なすことができる。カメラの画像がXYZ色空間に変換されたため、X、Y、Z値の関係を考慮する必要がある。したがって、X、Y、およびZが配置および結合され、すべての可能性がリストされ、VColorとして定義される。VColorをベースとして、それにVNon-linearの非線形応答補正を掛け、3次以内で結果を標準化して過剰な補正を回避し、最後にVDarkを追加して可変行列Vを取得する。
【0034】
補正行列Cが取得された後、XYZCameraの[XYZ]T 行列がV行列に展開され、式(10)を使用して、補正されたX、Y、Z値(XYZCorrent)を取得することができる。
[XYZCorrent] = [C] × [V] ・・・・・・・・・・・・(10)
【0035】
カメラのキャリブレーションが完了した後、キャリブレーションから取得した24色のXYZ値(XYZCorrent)と分光計で測定した24色の反射スペクトルデータ(RSpectrum)を分析して、変換行列Mを取得することができる。その分析方法は、主成分分析を介してRSpectrumの主要主成分を見つけ、対応する主成分スコアとXYZCorrentに対して多変量回帰分析を実行し、最後に上記の分析を統合して変換行列Mを取得することである。
【0036】
XYZCorrentをRSpectrumに変換するためには、まずはRSpectrumの次元を減らして、各次元とXYZCorrentとの間の相関を高める必要がある。したがって、RSpectrumの主成分(固有ベクトル)は主成分分析によって取得され、次元の削減には主成分(EV)の最も重要な12グループが使用される。主成分の最初の6つのグループは、データの変動の度合いの99.9965%を説明できる。次に、対応する主成分スコア(スコア、固有値)は、XYZCorrentを使用した回帰分析に使用できる主成分のこれら12のグループを介して取得することができる。XYZCorrentとスコアの多変量回帰分析では、VColorの変数が選択されている。X、Y、Zのすべての可能な組み合わせが列挙されているため、変換行列Mは式(11)を介して取得され、XYZCorrentは式(12)を介して計算され、アナログスペクトル(SSpectrum)が計算される。
[M] = [Score] × pinv([VColor]) ・・・・・・・・(11)
[SSpectrum]380~780nm = [EV][M][VColor] ・・・・・(12)
【0037】
取得した24色ブロックのアナログスペクトル(SSpectrum)を24色ブロックの反射スペクトル(RSpectrum)と比較し、各色ブロックの二乗平均平方根誤差(RMSE)を計算します。平均誤差は0.059である。24色ブロックのアナログスペクトル(SSpectrum)と24色ブロックの反射スペクトル(RSpectrum)の差も色差で表すことができ、平均色差は1.06と色差の判別が困難であるため、処理された反射スペクトルの色を再現する必要がある場合、色を正確に再現できる。上記のプロセスで構築された可視光ハイパースペクトル技術は、光学顕微鏡でキャプチャされたRGB値をシミュレートして反射スペクトルを生成し、可視光ハイパースペクトル画像を介して画像全体のRGB値を計算して、可視光ハイパースペクトル画像を取得する。
【0038】
ステップS4:プロセッサによるトレーニングおよび検証手順を実行し、複数の可視光ハイパースペクトル画像に対して画像特徴計算を実行し、複数の層数および複数の位置と共に検証して、薄膜予測モデルを確立する。ハイパースペクトル画像計算によりサンプル画像を可視光ハイパースペクトル画像に変換した後、ラマン分光器の位置決めと測定結果に応じて、マスクの層数が分割される。これは、モデルが予測された後にモデルトレーニングの品質を判断するために使用される基礎であり、一般にGround Truthとして呼ばれる。この実施例では、サンプル画像データは、トレーニングセット、検証セット、およびテストセットという3つのタイプに分けられる。
【0039】
トレーニングセットは、モデルを適合させ、モデルのトレーニングプロセスに直接参加するために使用される。バッチサイズは、収束速度の鍵の1つである。毎回計算されるデータの量が多い場合、反復回数は比較的少なくなるため、下降の勾配は比較的小さくなり相対的なメモリ使用率は増加する。通常、トレーニングされたモデルはパラメーターを調整するプロセスを経ますが、この部分は、次の検証セットが適合するものである。検証セットは、この状況で最適なモデルを見つけるためのモデルの予備評価である。そのうち、モデルに特定の汎化能力があるかどうかを確認するには、モデルの一部のパラメーター(ハイパーパラメーター、ネットワークアーキテクチャなどの調整)を繰り返し調整する必要があり。つまり、過剰適合が発生した場合にモデルがトレーニング期間を正確に設定しない場合は、トレーニングを停止する(早期停止)ことも必要である。トレーニングと検証の後、最適モデルのパフォーマンスと分類能力を取得した後に、モデルの汎化能力が最終的にテストセットによって測定される。テストセットは、モデル生成のプロセスに参加せず、調整アクションも実行しない。予測を行うことに対しては完全に独立しているため、そのモデルは画像内の不均一な光強度分布の分類能力をより汎化することができる。トレーニングセットとテストセットの特性とラベルは、ラマン測定によって提供された層と位置の数で領域を手動で分割することで取得することができる。
【0040】
モデルの特徴入力の一部において、ピクセルの配置は手動で選択されたマスクとハイパースペクトル画像によって行われる。使用される異なるモデルによれば、違いを取得するために2つの特徴タイプがありる。一つは、単一のピクセル(Single pixel)が周波数領域部分のみを使用して、カテゴリのサンプルとしてラベル付けて使用された特徴ベクトル(Hyperspectral Vector)を形成することである。もう一つは、含まれている空間的特徴に基づいて、ピクセル近傍はそれ自体のピクセルとの相関が高いため、周囲の24ピクセル領域が5x5x401フィーチャーキューブを形成するために使用される。データカテゴリの偏在、いわゆる不均衡クラス問題については、2つの方法が採用されている。一つは分類中にカテゴリの重みを調整することであり、もう1つはより少ないカテゴリのデータを拡張することである。つまり、オーバーサンプリングを使用してラベルサンプルを複数にコピーすることである。
【0041】
特徴の次元削減について、主成分分析を使用して、多変数データセットの元のデータよりも変数が少なく、元のデータの変更を保持できる部分空間を見つける。そして、元のデータをこれらの部分空間に投影され、データの次元を減らして新しいデータセットを形成する効果を実現する。分析方法は、共分散行列の固有分解を行い、データの主成分(固有ベクトル)と主成分スコア(固有値)を求め、データの主成分のばらつき具合に応じて並べる。すなわち、第1の主成分は、元のデータで最も変化の大きい主軸方向と見なすことができる。次に、データを主軸方向に投影して、新しいデータセットを取得する。また、ばらつきの程度も主成分によるデータ全体の解釈の程度とみなすことができ、ばらつきの少ない主成分を取り除くことで次元削減効果を実現することができる。主成分から各サンプルを観察することにより、各サンプルの主成分スコアを得ることができ、特定の主成分の下でのデータの分布を得ることができる。この実施例では、スペクトルデータ分析は、以下の式(13)によって計算することができる:
【0042】
【0043】
本発明の実施形態による決定ツリー分析の概略図である図2Aおよび図2Bを参照する。そのうち、図2Aは二酸化ケイ素基板上での成長の概略図であり、図2Bはサファイア基板上での成長の概略図である。図面に示すように、決定木分析は、帰納推論を使用して、フローチャートに似たツリー構造モデルを生成する。ツリーの内部ノードに対して属性値の分類が行われ、属性値に基づいて次のノードの分岐状況が決定され、最終的にリーフノードによって分類結果が取得される。内部ノードは属性の集合を表し、リーフノードはサンプルのタイプまたは分類分布を表す。この実施例では、スペクトルベクトルのデータタイプが採用され、401個のバンドの特徴を決定木モデルに直接入力する。モデルの結果によると、すべてのバンドの特性が分類の基準として使用されず、特定のバンドのみが使用されていることがわかる。したがって、相互に相関しすぎる、または分類に明らかに役立たない過剰なバンドを回避するために、まず、バンドフィーチャの主成分スコアの次元を減らし、影響力の大きい上位10グループのフィーチャスコアを取り、次元削減後の10グループのフィーチャをディシジョンツリーモデルに入力する。
【0044】
2つの異なる基板上に二硫化モリブデン薄膜の形成を例として、図2Aのように、決定木分析の後に、主成分スコアに基づいて分類し、画像中は二酸化ケイ素基板、(Bilayer)モリブデン二硫化膜、二層(Bilayer)モリブデン二硫化膜、三層(Trilayer)二硫化モリブデン膜であると判断できる。同様に、図2Bでは、決定木分析の後、主成分スコアに基づいて分類する。画像中はサファイア基板、単層二硫化モリブデン膜、二層二硫化モリブデン膜、三層二硫化モリブデン膜、ブロックまたは残渣であると判断できる。
【0045】
本発明の実施形態によるディープニューラルネットワーク分析の概略図である図3A図3Cを参照する。そのうち、図3Aはディープニューラルネットワークの概略図、図3Bは1次元の畳み込みニューラルネットワークの概略図、図3Cは3次元の畳み込みニューラルネットワークの概略図である。前述の実施例の決定木分析モデルに加えて、ディープラーニングモデルを考慮して、2次元材料薄膜検出モデルを確立することができる。本発明において3つのネットワークモデルは、次のように説明する:
【0046】
図3Aに示すように、元のサンプル画像は前述の手順で変換され、各ピクセルの可視光ハイパースペクトル画像が形成され、これらが入力データとして入力される。ディープニューラルネットワークアーキテクチャは、3つの完全に接続された層(FC1~FC3)で構成され、各層には数十から数百のニューロンが含む。ニューロンは前の層のニューロンの入力を合計し、活性化関数の変換を実行してニューロンの出力とする。各ニューロンは次の層のニューロンと特別な接続関係を持つため、上位層のニューロンの出力値は、重みの計算後に次の層のニューロンに転送する。一般的なアクティベーション関数には、Sigmoid関数、Tanh関数、またはReLU関数を含む。過剰適合の現象を軽減するために、ReLU関数は一般的にアクティベーション関数として使用され、一部のニューロンは0を出力してネットワークモデルをよりスパースにし、トレーニング中の問題を回避することができる。最後に、出力層において、softmax関数を使用して分類予測し、画像内の2次元材料薄膜が異なる層数に属する確率値を判断する。
【0047】
【0048】
【0049】
1次元の畳み込み層は、畳み込みカーネルの重みを共有する特性を利用し、スペクトルの特徴を畳み込む場合、異なる周波数の濾波を行うことと同じである。最大プーリング層は、近傍の特徴点から最大値を取得する。スペクトルドメインの隣接バンド間の相関性は比較的高いため、この層は、スペクトルテクスチャ特徴をより多く保持し、相関係数の高いバンドを減らすこともできる。最後に、プーリング層によって出力されたデータを2層の全結合層によって計算された後、分類予測がsoftmax関数を介して実行され、画像内の2次元材料薄膜が異なる層数に属する確率値を判断する。
【0050】
さらに別の実施例では、図3Cに示すように、3次元畳み込みニューラルネットワークは、3つの畳み込み層(Convolutional layer、C1~C3)と2つの全結合層(Fully Connected Layer、FC1~FC2)を含む。畳み込み層の使用は、前の実施例とは少し異なり、平均値または重みとの組み合わせではなく、各特徴キューブを独立したプロセスとして扱う。よって、濾波処理された各特徴をより独立させることができる。3次元の畳み込み演算は式(15)のように示される。
【0051】
【0052】
【0053】
ステップS5:光学顕微鏡を介して検出待ち薄膜画像を撮り、プロセッサを介して可視光ハイパースペクトル計算を実行し、薄膜予測モデル分析に基づいて、検出待ち薄膜画像の分布結果を生成する。上記の機械学習ネットワークモデルが確立された後、未知の2次元の材料薄膜が作成されると、光学顕微鏡を使用して、検出ち薄膜の画像を撮ることができる。そして、検出待ち薄膜画像は、上記のステップの可視光ハイパースペクトル計算により、検出待ち可視光ハイパースペクトル画像に変換され、前述のネットワークモデルを分析して、2次元の材料薄膜の層数を決定し、対応する層数分布を生成する。
【0054】
ステップS6:出力装置を介して分布結果を出力する。以上の検出手順により、二次元材料膜の層数の層数分布を判断した後、検出結果を出力装置を介して出力することができる。この実施例で開示される出力装置は、様々なディスプレイインターフェースを含み得る、例えば、モニター、ディスプレイ、またはハンドヘルド装置ディスプレイなど。
【0055】
図4を参照し、図4は本発明の実施例による2次元材料薄膜検出システムの概略図である。図面に示すように、二次元物質薄膜検出システム10は、光学顕微鏡11、ラマン分光計12、記憶装置13、プロセッサ14、出力装置15を備えることができる。この実施例では、光学顕微鏡11は、画像取込装置を使用して2次元材料薄膜の画像を撮り、サンプル画像および検出待ち画像を取得し、システムの入力装置として、画像情報を記憶装置13に送信して記憶する。データは、無線ネットワーク伝送、無線通信伝送または一般的な有線インターネットを介して記憶装置13内のメモリに記憶することができ、メモリは、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ、ディスクまたはクラウドデータベースなどを含むことができる。一方、これらのサンプル画像は、ラマン分光計12により複数の二次元材料薄膜を測定し、複数の層数および複数の位置が得られ、解析用のタグとして用いられ、これらの測定データを送信して記憶装置13に記憶することもできる。
【0056】
次に、二次元材料薄膜検出システム10は、プロセッサ14を介して記憶装置13にアクセスする。この実施例では、プロセッサ14は、コンピュータまたはサーバ内の中央処理装置、画像プロセッサ、マイクロプロセッサなどを含むことができ、そして、マルチコア処理装置または複数の処理装置の組み合わせを含むことができる。プロセッサ14は、トレーニングおよび検証手順を実行するように記憶装置13内のサンプルの画像にアクセスするための命令を実行し、プロセッサ14はまた、検査および分析手順を実行するように検出待ち薄膜画像にアクセスすることができる。詳細には、トレーニングおよび検証手順は、元々記憶装置13内に記憶されるサンプル画像に対して可視光ハイパースペクトル計算を介して複数の可視光ハイパースペクトル画像を生成し、そして、複数の可視光ハイパースペクトル画像に対して画像特徴計算を実行し、複数の層数と複数の位置で検証し、薄膜予測モデルを確立する。次に、検出および分析プログラムは、検出待ち薄膜画像に再びアクセスし、可視光ハイパースペクトル計算を実行し、薄膜予測モデルを分析して、検出待ち薄膜画像の分布結果を生成する。上記の検出および分析方法については、前述の実施形態の説明を参照されたい。同じ技術的特徴は繰り返し説明されない。
【0057】
検出および解析の結果に応じて、2次元材料薄膜画像を実際の層数分布画像に変換し、出力装置15を介して出力することができる。その出力方式は、有線または無線のネットワーク伝送を介して、オペレーターのコンピューターホスト、ノートブックコンピューター、またはタブレットコンピューターに結果を送信することもできる。その分布結果から二次元材料膜の分布状態を判断できる。
【0058】
上記説明は本発明の範囲を限定するためのものではなく、例示的な実施例である。本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく均等範囲内における変更及び修正は、いずれも添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【符号の説明】
【0059】
11:光学顕微鏡
12:ラマン分光計
13:記憶装置
14:プロセッサ
15:出力装置
C1~C3:畳み込み層
FC1~FC3:全結合層
P1~P2:プーリング層
S1~S6:ステップ
図1
図2
図3
図4