(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】文書編集プログラム、文書編集装置及び文書編集方法
(51)【国際特許分類】
G06F 40/166 20200101AFI20221013BHJP
G06F 40/151 20200101ALI20221013BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20221013BHJP
【FI】
G06F40/166
G06F40/151
G06F3/04845
(21)【出願番号】P 2021086296
(22)【出願日】2021-05-21
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】519313471
【氏名又は名称】株式会社リセ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】藤田 美樹
(72)【発明者】
【氏名】寄合 龍太
(72)【発明者】
【氏名】曽根 大輝
(72)【発明者】
【氏名】坂田 健樹
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-222113(JP,A)
【文献】特開平04-268957(JP,A)
【文献】特開2020-087299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキストデータに対して空行の編集を行う為の文書編集プログラムであって、
コンピュータを、変換部、表示処理部及び編集部として機能させ、
前記変換部は、テキストデータに含まれた改行毎にテキストをオブジェクト化することで、順番関係が定義された複数のオブジェクトを有するオブジェクトデータに変換し、
前記表示処理部は、前記オブジェクトデータを表示処理し、
前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトデータに対して、前記オブジェクトの指定をマウスカーソルによって受け付け、
マウスクリックを示す操作入力を受け付けることで、指定された前記オブジェクトの前段又は後段である挿入位置に空行オブジェクトを挿入する、
文書編集プログラム。
【請求項2】
前記マウスカーソルによる前記オブジェクトの指定は、マウスオーバーによる操作入力である、
請求項1に記載の文書編集プログラム。
【請求項3】
更に、コンピュータを逆変換部として機能させ、
前記逆変換部は、前記空行オブジェクトを含む前記オブジェクトデータを、前記空行オブジェクトの挿入位置に応じて空行を含んだテキストデータに変換する、
請求項1又は請求項2に記載の文書編集プログラム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記オブジェクト毎の挿入位置に対して前記空行オブジェクトが挿入されている場合、前記挿入位置を表示処理する、
請求項1~3の何れかに記載の文書編集プログラム。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記マウスカーソルによる前記オブジェクトの指定に応じて、前記空行オブジェクトの挿入予定位置を前記挿入位置と異なる態様で表示処理する、
請求項4に記載の文書編集プログラム。
【請求項6】
前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトに対する指定及び、前記オブジェクトに含まれたテキストを編集する操作入力を受け付け、前記操作入力に基づいて、前記オブジェクトに含まれたテキストを更新する、
請求項1~5の何れかに記載の文書編集プログラム。
【請求項7】
前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトに対する指定及び、前記オブジェクトに対応付けられる付随情報を入力する操作入力を受け付け、前記操作入力に基づいて、前記オブジェクトに対応付けられた付随情報を更新する、
請求項1~6の何れかに記載の文書編集プログラム。
【請求項8】
前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトデータに対して、複数の前記オブジェクトを選択する為の操作入力を受け付け、選択された前記複数のオブジェクトを1つのオブジェクトに変形し、
前記操作入力は、マウスイベントを少なくとも含む、
請求項1~7の何れかに記載の文書編集プログラム。
【請求項9】
前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトデータに対して、その挿入位置に空行オブジェクトが位置する前記オブジェクトの指定をマウスカーソルによって受け付け、
マウスクリックを示す操作入力を受け付けることで、指定された前記オブジェクトの挿入位置に挿入されている空行オブジェクトを削除する、
請求項1~8の何れかに記載の文書編集プログラム。
【請求項10】
テキストデータに対して空行の編集を行う為の文書編集装置であって、
前記文書編集装置は、変換部、表示処理部及び編集部を備え、
前記変換部は、テキストデータに含まれた改行毎にテキストをオブジェクト化することで、順番関係が定義された複数のオブジェクトを有するオブジェクトデータに変換し、
前記表示処理部は、前記オブジェクトデータを表示処理し、
前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトデータに対して、前記オブジェクトの指定をマウスカーソルによって受け付け、
マウスクリックを示す操作入力を受け付けることで、指定された前記オブジェクトの前段又は後段である挿入位置に空行オブジェクトを挿入する、
文書編集装置。
【請求項11】
テキストデータに対して空行の編集を行う為の文書編集装置が実行する方法であって、
前記文書編集装置は、変換部、表示処理部及び編集部を備え、
前記変換部が、テキストデータに含まれた改行毎にテキストをオブジェクト化することで、順番関係が定義された複数のオブジェクトを有するオブジェクトデータに変換するステップと、
前記表示処理部が、前記オブジェクトデータが表示処理するステップと、
前記編集部が、表示処理された前記オブジェクトデータに対して、前記オブジェクトの指定をマウスカーソルによって受け付けるステップと、
マウスクリックを示す操作入力を受け付けることで、指定された前記オブジェクトの前段又は後段である挿入位置に空行オブジェクトを挿入するステップと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書編集プログラム、文書編集装置及び文書編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータやウェブサービスを利用して、文章の表示や編集を効率化する為の技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、秘密性の高い文書を外部のコンピュータ資源を使いながらも安全に翻訳する翻訳装置の発明が開示されている。ここで、翻訳時に文節を認識して、文節間に改行を挿入して文章を分割したうえで翻訳を行うことで、翻訳精度を上げる技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、対象の文書を効率的に読むことができるように、文書を表示することが可能な文書表示装置、文書表示方法、文書表示システムおよびプログラムの発明が開示されている。ここで、段落間においては、空白行を挿入するとともに、ガイド情報を表示することが開示されている。
【0005】
特許文献3には、ビットマップ画像データに基づいて、オリジナル文書のレイアウト情報を忠実に保存したHTMLファイルを自動生成する技術が開示されている。ここで、画像ファイルへの参照情報とOCR結果をデータ要素として取得し、データ要素から挿入するHTMLコードを決定し、HTMLコードをデータ要素間に挿入することが特定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-077356号公報
【文献】特開2017-199408号公報
【文献】特開平10-162003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、契約書や規約、法令等の条文を記述したテキストデータには、可読性の向上のために、条項間に空行(空白行)が設けられる。一方で、テキストデータのファイルフォーマットを別のフォーマットに変換したり、書面の文章を光学的文字認識(OCR:Optical Character Recognition)を行ってテキストデータ化する過程で、文章に含まれた空行が喪失してしまい、空行で離間していた文章同士が連続した状態に変化してしまう場合がある。
【0008】
空行で離間させるべき文章中には、複数の文節や改行、ビュレット等が任意の数含まれる為、これらに応じて自動的な空行の挿入を行うことはできない。そのため、従来技術では、テキストデータにおける所望の位置に空行を挿入することができなかった。
【0009】
上記事情を鑑みて、本発明は、所望の位置に空行を有したテキストデータを効率的に生成する技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、テキストデータに対して空行の編集を行う為の文書編集プログラムであって、
コンピュータを、変換部、表示処理部及び編集部として機能させ、
前記変換部は、テキストデータに含まれた改行毎にテキストをオブジェクト化することで、順番関係が定義された複数のオブジェクトを有するオブジェクトデータに変換し、
前記表示処理部は、前記オブジェクトデータを表示処理し、
前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトデータに対して、前記オブジェクトの指定をマウスカーソルによって受け付け、
マウスクリックを示す操作入力を受け付けることで、指定された前記オブジェクトの前段又は後段である挿入位置に空行オブジェクトを挿入する。
【0011】
また、本発明は、テキストデータに対して空行の編集を行う為の文書編集装置であって、
前記文書編集装置は、変換部、表示処理部及び編集部を備え、
前記変換部は、テキストデータに含まれた改行毎にテキストをオブジェクト化することで、順番関係が定義された複数のオブジェクトを有するオブジェクトデータに変換し、
前記表示処理部は、前記オブジェクトデータを表示処理し、
前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトデータに対して、前記オブジェクトの指定をマウスカーソルによって受け付け、
マウスクリックを示す操作入力を受け付けることで、指定された前記オブジェクトの前段又は後段である挿入位置に空行オブジェクトを挿入する。
【0012】
また、本発明は、テキストデータに対して空行の編集を行う為の文書編集装置が実行する方法であって、
前記文書編集装置は、変換部、表示処理部及び編集部を備え、
前記変換部が、テキストデータに含まれた改行毎にテキストをオブジェクト化することで、順番関係が定義された複数のオブジェクトを有するオブジェクトデータに変換するステップと、
前記表示処理部が、前記オブジェクトデータが表示処理するステップと、
前記編集部が、表示処理された前記オブジェクトデータに対して、前記オブジェクトの指定をマウスカーソルによって受け付けるステップと、
マウスクリックを示す操作入力を受け付けることで、指定された前記オブジェクトの前段又は後段である挿入位置に空行オブジェクトを挿入するステップと、を有する。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記マウスカーソルによる前記オブジェクトの指定は、マウスオーバーによる操作入力である。
【0014】
本発明の好ましい形態では、プログラムはコンピュータを更に、コンピュータを逆変換部として機能させ、
前記逆変換部は、前記空行オブジェクトを含む前記オブジェクトデータを、前記空行オブジェクトの挿入位置に応じて空行を含んだテキストデータに変換する。
【0015】
このような構成とすることで、利用者は、所望の位置に空行(空白行)を有したテキストデータを簡単化された操作により生成することができる。特に、契約書等の紙媒体ドキュメントをOCRした際に消失してしまう空行(空白行)を、マウスのみの操作で簡単に挿入することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理部は、前記オブジェクト毎の挿入位置に対して前記空行オブジェクトが挿入されている場合、前記挿入位置を表示処理する。
【0017】
このような構成とすることで、空行オブジェクトの挿入位置を表示処理して、オブジェクトデータに対する編集作業を効率化することができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理部は、前記マウスカーソルによる前記オブジェクトの指定に応じて、前記空行オブジェクトの挿入予定位置を前記挿入位置と異なる態様で表示処理する。
【0019】
このような構成とすることで、利用者がクリックによって実行される操作内容を把握可能となる。共通するマウス操作で、空行オブジェクトの挿入及び削除を行う場合、効率的に作業を行うことができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトに対する指定及び、前記オブジェクトに含まれたテキストを編集する操作入力を受け付け、前記操作入力に基づいて、前記オブジェクトに含まれたテキストを更新する。
【0021】
このような構成とすることで、オブジェクトに含まれたテキストを編集することができる。例えば、OCRによる誤読等に起因したテキストの修正を合わせて行うことができる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトに対する指定及び、前記オブジェクトに対応付けられる付随情報を入力する操作入力を受け付け、前記操作入力に基づいて、前記オブジェクトに対応付けられた付随情報を更新する。
【0023】
このような構成とすることで、オブジェクトに付随情報を登録することができる。例えば、付随情報としてオブジェクトに対するコメントや、オブジェクトの項目名等を付与することができ、オブジェクトデータの編集処理が効率化する。
【0024】
本発明の好ましい形態では、前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトデータに対して、複数の前記オブジェクトを選択する為の操作入力を受け付け、選択された前記複数のオブジェクトを1つのオブジェクトに変形し、
前記操作入力は、マウスイベントを少なくとも含む。
【0025】
このような構成とすることで、OCRによる誤読等に起因して予期せず分割されてしまったテキスト(オブジェクト)を統合することができる。
【0026】
本発明の好ましい形態では、前記編集部は、表示処理された前記オブジェクトデータに対して、その挿入位置に空行オブジェクトが位置する前記オブジェクトの指定をマウスカーソルによって受け付け、
マウスクリックを示す操作入力を受け付けることで、指定された前記オブジェクトの挿入位置に挿入されている空行オブジェクトを削除する。
【0027】
このような構成とすることで、マウス操作によって空行オブジェクトの挿入及び削除を行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、所望の位置に空行を有したテキストデータを効率的に生成する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施の形態の文書編集システムの構成を示すブロック図。
【
図2】一実施の形態の文書編集装置及び利用者端末装置のハードウェア構成図。
【
図3】一実施の形態の文書編集装置のハードウェア構成図。
【
図4】一実施の形態における文書画像ファイル、テキストデータ及び、オブジェクトデータの概略図。
【
図5】一実施の形態における文書編集処理を説明するためのフローチャート。
【
図6】一実施の形態におけるオブジェクトデータの画面表示例。
【
図7】一実施の形態におけるオブジェクトデータの画面表示例。
【
図8】一実施の形態におけるオブジェクトデータ及び、テキストデータの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0031】
例えば、本実施形態では文書編集システムの構成、動作等について説明するが、文書編集装置、文書編集システムや文書編集装置が実行する方法、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態では、文書編集システムは、クライアント端末(利用者端末装置)でその機能を実現する為に、外部のコンピュータ(文書編集装置)において当該文書編集プログラムを実行する、いわゆるクラウドコンピューティングの態様をとる。
【0032】
文書編集プログラムは、クライアント端末を文書編集装置として機能させるために、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体としてクライアント端末へ提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。また、文書編集プログラムは、例えばMicrosoft WordやGoogleドキュメント、テキストエディタ等の既存の文書編集プログラムにおいて、アドオン(プラグイン)されるプログラムであってもよい。
【0033】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0034】
<システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、文書編集システム0は、文書編集装置1及び利用者端末装置2を備える。文書編集装置1及び利用者端末装置2は、通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。文書編集装置1はサーバとして動作し、利用者端末装置2はクライアント端末として動作する。
【0035】
通信ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0036】
なお、文書編集装置1として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、複数のコンピュータを用いて文書編集装置1を構成することも可能である。
【0037】
利用者端末装置2として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。利用者端末装置2は、文書編集装置1に対してリクエストを行い、レスポンスを受け取る為のアプリケーション(典型的には、ウェブブラウザ)を有し、このアプリケーションを介して、文書編集装置1において実行される文書編集プログラムを利用する。
【0038】
<ハードウェア構成>
図2は、文書編集装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。文書編集装置1は、ハードウェア構成として、制御部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0039】
制御部101は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る文書編集プログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、文書編集装置1の動作処理全体を制御する。
【0040】
記憶部102は、HDD、ROM、RAM等であって、本発明に係る文書編集プログラム及び、制御部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部101が、記憶部102に記憶されている文書編集プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0041】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、文書編集装置1を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0042】
図3は端末装置90(利用者端末装置2)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末装置90も同様に、ハードウェア構成として、制御部901と、記憶部902と、通信部903と、入力部904と、出力部905と、を備える。
【0043】
端末装置90の制御部901は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末装置90の動作処理全体を制御する。端末装置90の記憶部902は、HDD、ROM、RAM等であって、上述のアプリケーション並びに、制御部901がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。端末装置90の通信部903は、ネットワークとの通信を制御する。端末装置90の入力部904は、マウス及びキーボード等であって、利用者/提供者による操作要求を制御部901に入力する。端末装置90の出力部905は、ディスプレイ等であって、制御部901の処理の結果等を表示する。
【0044】
<文書編集装置1の機能>
図3に示すように、文書編集装置1は、機能構成として、受付部11、変換部12、表示処理部13、編集部14及び、逆変換部15を備える。これは、ソフトウェア(記憶部102に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(制御部101等)によって具体的に実現されたものである。
【0045】
図4は、文書画像ファイル(紙媒体ドキュメント)、テキストデータ及び、オブジェクトデータの概略図である。
【0046】
受付部11は、利用者端末装置2より、紙媒体ドキュメント又は、テキストファイルを受け付け、テキストデータTDを取得する。ここで、文書画像ファイルは、紙媒体ドキュメントPDをスキャナやカメラで画像化した画像ファイルである。図示例では、受付部11は、段組みされた紙媒体ドキュメントPDの文書画像ファイルを、Z字方向を読取方向として文字認識し、テキストデータTDを取得している。文字認識におけるの文書画像ファイルの読取方向は任意である。また、例えば、段組みされた紙媒体ドキュメントPDの文書画像ファイルや、表や画像を含む紙媒体ドキュメントPDの文書画像ファイルから、複数の区別されるテキストデータTDを生成する構成としてもよい。
【0047】
変換部12は、テキストデータTDに基づいて、編集用のオブジェクトデータODを生成する。変換部12は、テキストデータTDに含まれた改行毎にテキストをオブジェクト化することで、テキストデータTDをオブジェクトデータODに変換する。オブジェクトデータODは、順番関係が定義された複数のオブジェクトOXを有する。
【0048】
図示例では、テキストデータTDは、改行によって区別される複数のテキストT1~T13を有する。変換部12は、テキストデータTDに含まれた改行毎にテキストT1~T13をオブジェクトに変換してオブジェクトデータODを生成する。図示例では、オブジェクトデータODは、複数のオブジェクトO1~O13を有する。オブジェクトO1~O13は、テキストデータTDに含まれたテキストT1~T13の並び順に対応して、一方向に並べられることで順番関係が定義されている。
【0049】
例えば、HTMLの場合には、オブジェクトOXは、テキストデータTDに含まれた改行毎に、テキストを段落要素(p要素)で囲んだり、改行要素(br要素)を付加することで、オブジェクト化される。例えば、Microsoft Word等の既存の文書編集プログラムの場合には、オブジェクトOXは、パラグラフオブジェクトにより定義してもよい。
【0050】
表示処理部13は、生成したオブジェクトデータOD及び、編集部14によって編集されたオブジェクトデータODを表示処理し、表示処理結果を送信する。なお、図示例のオブジェクトデータOD上に付記された破線は、オブジェクトO1~O13を説明上それぞれ区別する為に付記したものである。ただし、表示処理部13が一部又はそれぞれのオブジェクトを区別可能に、オブジェクトに対する囲いを表示処理しても構わない。
【0051】
編集部14は、編集画面に表示されたオブジェクトデータODに対する利用者の操作要求を受け付け、編集処理を実行して、処理結果を表示処理部13に受け渡す。本実施形態では、編集部14は、編集処理として、オブジェクトデータODに対する空行オブジェクトの挿入、挿入した空行オブジェクトの削除、オブジェクトの並び替え(移動)、オブジェクトの変形(合体)、オブジェクトに含まれたテキストの編集、オブジェクトへの付随情報の登録を行う。
【0052】
オブジェクトに含まれたテキストの編集は、編集画面に表示処理されたオブジェクトに対する指定及び、オブジェクトに含まれたテキストを編集する操作入力を受け付け、操作入力に基づいて、オブジェクトに含まれたテキストを更新する処理である。例えば、オブジェクトに対するテキストを編集する為の指定は、入力部904であるマウスのダブルクリック示す操作入力であってよい。例えば、オブジェクトに含まれたテキストを編集する操作入力は、入力部904であるキーボードによって行われる。
【0053】
付随情報の入力とは、オブジェクトに対する指定及び、オブジェクトに対応付けられる付随情報を入力する操作入力を受け付け、操作入力に基づいてオブジェクトに対応付けられた付随情報を更新する処理である。付随情報は、例えば、オブジェクトに対するコメント文章であってもよいし、オブジェクトに含まれるテキストのフォントやサイズ等に関する書式であってもよい。これらは、オブジェクトと対応付けて、記憶部102に格納される。
【0054】
逆変換部15は、編集されたオブジェクトデータODをテキストデータTDに変換する。逆変換部15は、テキストデータTDを用いて、所定のフォーマットのテキストファイルを生成してもよい。
【0055】
次いで、
図5~8を参照して、文書編集システム0を用いた文書編集方法について説明する。
図5は、文書編集の処理手順を示すフローチャートである。
【0056】
<オブジェクトデータODの生成>
ステップS501において、利用者は、利用者端末装置2を介して、編集したい文章を文書編集装置1にアップロードする。
【0057】
ここで、受け渡すファイルが
図4に示すような紙媒体ドキュメントPDの文書画像ファイルの場合(ステップS501A1)、ステップS501A2において、受付部11は、文書画像ファイルをOCRして、テキストデータTDを生成する。
【0058】
ここで、受け渡すファイルが
図4に示すようなテキストファイルの場合(ステップS501B1)、ステップS501B2において、受付部11は、テキストデータTDを生成(抽出)する。
【0059】
そして、ステップS502において、変換部12は、テキストデータTDに基づいて、編集用のオブジェクトデータODを生成する。ステップS503では、表示処理部13は、変換部12が生成したオブジェクトデータODを表示処理して処理結果を利用者端末装置2に送信する。
図6、
図7は、利用者端末装置2に表示されたオブジェクトデータODの画面表示例を示す。
【0060】
<オブジェクトデータODに対する編集処理>
図6、
図7を参照して、オブジェクトデータODに対する編集処理について説明する。なお、以下ステップS504~S505(S505A、S505B、S505C及びS505D)の手順は、利用者がオブジェクトデータODに対して編集処理を所望する任意回数、繰り返し実行されるものである。利用者は、ステップS504~S505の処理が必要なくなるまで(即ち、編集処理が完了するまで)ステップS504~S505の処理を実行し、その後、S506に進む。なお、テキストの編集や、付随情報の入力等、図示しないその他の編集処理がオブジェクトデータODに対して行われてもよい。
【0061】
<オブジェクトの指定>
ステップS504において、編集部14は、利用者端末装置2を介して、表示処理されたオブジェクトデータODに対して、オブジェクトOXの指定をマウスカーソルMC(マウスポインタ)によって受け付ける。本実施形態では、オブジェクトOXの指定は、マウスカーソルMCを操作したいオブジェクトOXにマウスオーバー(マウスホバー、ロールオーバー)することで行われる。
【0062】
<空行オブジェクトの挿入>
まず、
図6(a)は、オブジェクトデータODに対して空行オブジェクトを挿入する際の画面表示例である。利用者端末装置2である端末装置90の出力部905にオブジェクトデータODが表示される。ステップS504において、利用者は、入力部904を操作して、空行オブジェクトが挿入されてない所望のオブジェクトOX(図示例では、オブジェクトO6)をマウスオーバーすることで、オブジェクトOXが指定される。
【0063】
空行オブジェクトが挿入されてないオブジェクトOXが指定されると、ステップS505A1において、指定されたオブジェクトOXを他のオブジェクトOXと識別可能に、表示処理部13は表示処理を行う。本実施形態では、表示処理部13は、第1のラインBLを指定されたオブジェクトOX(図示例ではオブジェクトO6)の前段側に表示処理する。第1のラインBLは、空行オブジェクトの挿入予定位置を表し、本実施形態では、オブジェクトの前段を空行オブジェクトの挿入予定位置とする。表示処理部13は、指定されたオブジェクトOXの前段に空行オブジェクトが挿入されているか否か判断し、空行オブジェクトが挿入されていない場合には第1のラインBLを挿入予定位置に表示処理する。
【0064】
そして、S505A2において、空行オブジェクトが前段に挿入されてないオブジェクトOX(図示例ではオブジェクトO6)が指定された状態で、入力部904であるマウスのクリック示す操作入力がされると、S505A3において、編集部14は、指定されていたオブジェクトOXの挿入予定位置(図示例では前段)に空行オブジェクトOWX(図示例では空行オブジェクトO56)を挿入する。
【0065】
図示例では、編集部14は、指定されていたオブジェクトOXの前段を挿入位置(挿入予定位置)として空行オブジェクトを挿入しているが、後段を挿入位置(挿入予定位置)として空行オブジェクトを挿入しても構わない。その場合、表示処理部13は、第1のラインBLを指定されたオブジェクトOXの後段側に表示処理してよい。
【0066】
そして、ステップS505A4において、表示処理部13は、オブジェクトOX毎に挿入位置に空行オブジェクトが配置されているか否か判断し、挿入位置に空行オブジェクトが存在する場合は、空行オブジェクトの挿入位置を表示処理し、表示処理結果を利用者端末装置2に送信する。
図6(a)では、表示処理部13は、空行オブジェクト(図示例では空行オブジェクトO56)の挿入位置(図示例ではオブジェクトO5及びO6の間)を示す第2のラインSLを表示処理する。第2のラインSLは、空行オブジェクトが挿入された位置を表し、本実施形態では、挿入予定位置を示す第1のラインBLと同様、オブジェクトの前段に表示処理される。なお、編集部14は、空行オブジェクトを挿入する際に指定されたオブジェクトOXに対して、空行オブジェクトを挿入したことを示す要素やパラメータを付加し、表示処理部13は、この要素やパラメータに基づいて、第1のラインBL及び/又は第2のラインSLを表示処理する構成としてもよい。
【0067】
表示処理部13は、マウスカーソルMCによるオブジェクトOXの指定に応じて表示処理される空行オブジェクトの挿入予定位置を、空行オブジェクトの挿入位置と異なる態様で表示処理してよい。本実施形態では、表示処理部13は、挿入予定位置を第1のラインBLとして、挿入位置を第2のラインSLとして、異なる態様で表示処理する。ラインの太さ、線種、呈色等は、両者が区別可能であれば任意である。
【0068】
なお、本実施形態では、空行オブジェクトの挿入を示す第2のラインSLは、マウスオーバーによるオブジェクトの指定を伴うことなく表示処理されるが、マウスオーバーによるオブジェクトの指定によって、空行オブジェクトの挿入を示す第2のラインSLが表示される構成としてもよい。
【0069】
また、マウスオーバーによるオブジェクトの指定を伴うことなく、第2のラインが表示処理される場合、空行オブジェクトの挿入時に指定されたオブジェクトOXが再度指定されると、第2のラインと変えて、第2のラインとは異なる態様の第3のラインを表示処理してもよい。即ち、本実施形態では、表示処理部13は、オブジェクトOX毎に、挿入位置(挿入予定位置)における空行オブジェクトの有無によって第2のラインの表示を決定するが、これに加えて、マウスオーバーによるオブジェクトの指定を条件として、第2のライン及び第3のラインを、区別可能に表示処理してもよい。
【0070】
<空行オブジェクトの削除>
図6(b)は、空行オブジェクトを削除する際の画面表示例である。利用者端末装置2である端末装置90の出力部905にオブジェクトデータODが表示される。ステップS504において、利用者は、入力部904を操作して、空行オブジェクトを挿入位置に配置された所望のオブジェクトOX(図示例ではオブジェクトO6)をマウスオーバーすることで、オブジェクトOX(図示例ではオブジェクトO6)が指定される。
【0071】
ステップS505B1において、利用者は、入力部904を操作して、ステップS504において指定されたオブジェクトOX(図示例ではオブジェクトO6)に対して、マウスクリックを行う。
【0072】
ステップS505B1においてオブジェクトOX(図示例ではオブジェクトO6)がクリックされると、ステップS505B2において、編集部14は、指定されたオブジェクトOXの挿入位置(図示例では前段)に挿入されていた空行オブジェクトを削除する。
【0073】
そして、ステップS505B3において、表示処理部13は、ステップS505B1及びS505B2での操作によって空行オブジェクトが削除されたオブジェクトデータODを表示処理し、表示処理結果を利用者端末装置2に送信する。
図6(b)では、表示処理部13は、空行オブジェクト(図示例では空行オブジェクトO56)が削除されたオブジェクトデータODを表示処理する。この時、オブジェクトO6が指定(マウスオーバー)されているならば、オブジェクトO6に対する空行オブジェクトの挿入予定位置(図示例では前段)に第1のラインBLを表示処理する。
【0074】
<オブジェクトの移動>
図7は、オブジェクトを移動する際の画面表示例である。利用者端末装置2である端末装置90の出力部905にオブジェクトデータODが表示される。ステップS504において、利用者は、入力部904を操作して、移動させたいオブジェクトOXをマウスオーバーすることで、オブジェクトOXが指定される。
【0075】
ここで、ステップS505C1において、マウスオーバーしたオブジェクトOXを、入力部904であるキーボードの所定のボタン(実施形態ではシフトボタン)を押下しながら、入力部904であるマウスのクリック示す操作入力がされると、1又は複数のオブジェクトOXが選択操作される。選択操作された1又は複数のオブジェクトOXは、表示処理部13又は利用者端末装置2により、選択操作されていない他のオブジェクトOXとは異なる態様で表示処理してよい。図示例では、選択操作されたオブジェクトO6~O8が呈色、ハッチング等されることで、選択操作されていない他のオブジェクトOXとは異なる態様で表示される。
【0076】
そして、選択されたオブジェクトOXを所望の位置に移動する操作入力(実施形態ではドラッグ)が行われると、編集部14は、ステップS505C2において、選択及び移動が操作入力されたオブジェクトOXを移動先に移動させ、オブジェクトOXの並び順を変更する。
【0077】
そして、ステップS505C3において、表示処理部13は、オブジェクトOXが移動したオブジェクトデータODを表示処理し、表示処理結果を利用者端末装置2に送信する。
図7では、表示処理部13が、オブジェクトO5及びオブジェクトO9の間に位置していたオブジェクトO6~O8を選択操作及び移動操作して、オブジェクトO10及びオブジェクトO11の間に移動した状態を示す。
【0078】
なお、図示例では、オブジェクトO6~O8が移動した場合にも、オブジェクトO6の前段に挿入されていた空行オブジェクトO56は、挿入された位置であるオブジェクトO5の後段に配置されたままの状態である。例えば、空行オブジェクトO56の挿入時に指定されたオブジェクトO6が移動する場合に、空行オブジェクトO56をオブジェクトO6と共に移動させてもよい。
【0079】
<オブジェクトの合体>
ステップS504において、利用者は、入力部904を操作して、合体させたいオブジェクトOXをマウスオーバーすることで、オブジェクトOXが指定される。
【0080】
ステップS505D1において、マウスオーバーしたオブジェクトOXに所定の操作入力を行い、複数のオブジェクトを選択する。本実施形態では、入力部904であるマウスの右クリック示す操作入力がされると、オブジェクトOXを選択できる。ステップS505D2において、入力部904であるキーボードからの操作入力を受け付けて、指定された複数のオブジェクトの合体指示が行われる。それにより、編集部14は、選択された複数のオブジェクトを合体して1つのオブジェクトに変形する。そして、ステップS505D3において、表示処理部13は、複数のオブジェクトが合体したオブジェクトデータODを表示処理し、表示処理結果を利用者端末装置2に送信する。
【0081】
オブジェクトデータODにおける合体したオブジェクトの配置は、基準となるオブジェクトの配置に依存してよい。本実施形態では、基準となるオブジェクトとは、合体のための最初に指定がされたオブジェクトであるが、オブジェクトデータODにおいて最上位等に配置されたオブジェクトの配置に依存して、合体したオブジェクトが配置されてもよい。また、合体したオブジェクト中のテキストの順番(オブジェクトの連結順)も合体させるオブジェクトの選択順に依存するが、選択順に代えて、合体前のオブジェクトデータODにおける並び順に依存してもよい。
【0082】
例えば、
図4のオブジェクトデータODで例示すれば、初めにオブジェクトO13を右クリックし、その後、オブジェクトO1を右クリックして、これらを合体させるとき、編集部14は、最初に指定されたオブジェクトO13の位置に合体したオブジェクトO113を生成する。オブジェクトO113は、テキストT13の後段にテキストT1が含まれたオブジェクトである。合体したオブジェクトの配置が最上位に配置されたオブジェクトの配置に依存する場合、編集部14は、オブジェクトO1の位置に合体したオブジェクトO113を生成することとなる。合体したオブジェクト中のテキストの順番がオブジェクトデータODの並び順に依存する場合、オブジェクトO113は、テキストT1の後段にテキストT13が含まれたオブジェクトとなる。
【0083】
更に、合体したオブジェクト中のテキストの並び順を、マウス等による操作入力によって移動可能であってもよい。ここで並び順を操作可能な単位(テキスト)は、合体前のオブジェクト単位であってもよいし、テキストから変換された変換当初のオブジェクト単位であってもよい。具体的には、編集部14が、変換部12によりテキストT1及びテキストT2から変換されたオブジェクトO1及びオブジェクトO2を合体して、オブジェクトO12を生成し、更に編集部14がオブジェクトO12及びO3を合体してオブジェクトO(12)3を生成した場合、オブジェクトO(12)3中のテキストについて、合体したオブジェクトO12又はオブジェクトO3の並び順が操作可能であってもよいし、オブジェクトO1~O3のそれぞれについて並び順が操作可能であってもよい。前者の場合は、編集部14は、オブジェクトO1の段落要素(p要素)及びオブジェクトO2の段落要素を、更に合体を示す段落要素で囲う(入れ子)等することで、合体したオブジェクトO12において合体前のオブジェクトの単位を保持することが好ましい。後者の場合は、例えば、合体したオブジェクトO12に含まれたテキストの改行等に基づいて、オブジェクトを再分割等してもよい。
【0084】
<テキストデータへの変換>
ステップS506において、利用者は、利用者端末装置2を介して、文書編集装置1にテキストデータTDの出力要求を行う。テキストデータTDの出力要求が行われると、ステップS507において、逆変換部15は、空行オブジェクトを含むオブジェクトデータODを、空行オブジェクトの挿入位置に応じて空行を含んだテキストデータTDに変換する。そして、ステップS508において、逆変換部15が生成したテキストデータTDを、利用者端末装置2に送信する。
【0085】
本実施形態では、逆変換部15は、オブジェクトデータODをテキストデータTDに変換する際に、オブジェクトデータODにおいて空行オブジェクトが挿入された位置に改行を挿入し、テキストデータTDを生成する。例えば、予めオブジェクトデータODに挿入される空行オブジェクトにテキストとしての改行要素を含めておき、逆変換部15は、テキストデータTDへの変換時に改行を挿入するのではなく、テキストをオブジェクト化する際に付加されていた要素(例えば段落要素)を削除するのみで、改行が挿入されたテキストデータTDを生成する構成としてもよい。
【0086】
図8は、オブジェクトデータODをテキストデータTDに変換する際の概略図である。図示例のオブジェクトデータODは、オブジェクトO2及びオブジェクトO3の間に空行オブジェクトO23が、オブジェクトO5及びオブジェクトO6の間に空行オブジェクトO56が、オブジェクトO8及びオブジェクトO9の間に空行オブジェクトO89、オブジェクトO10及びオブジェクトO11の間に空行オブジェクトO1011が挿入されている。
【0087】
逆変換部15は、このオブジェクトデータODをテキストデータTDに変換する。変換されたテキストデータは、テキストT2及びテキストT3の間に空行を示すテキストT23が、テキストT5及びテキストT6の間に空行を示すテキストT56が、テキストT8及びテキストT9の間に空行を示すテキストT89、テキストT10及びテキストT11の間に空行を示すテキストT1011が挿入されている。
【0088】
また、テキストデータTDの出力要求が行われると、編集部14はオブジェクトデータODの末尾又は、逆変換部15が生成したテキストデータの末尾に、空行オブジェクト又は、改行を挿入してよい。
図8に示すテキストデータTDでは、編集部14が、末尾に改行を示すテキストTEを挿入したテキストデータTDである。
【0089】
本発明によれば、利用者は、所望の位置に空行(空白行)を有したテキストデータを簡単化された操作により生成することができる。特に、契約書等の紙媒体ドキュメントをOCRした際に消失してしまう空行(空白行)を、マウスのみの操作で簡単に挿入することができる。特に空行(空白行)が頻出する紙媒体ドキュメント(契約書等)のデジタル化に際して、効果を発揮する。
【符号の説明】
【0090】
0 :文書編集システム
1 :文書編集装置
11 :受付部
12 :変換部
13 :表示処理部
14 :編集部
15 :逆変換部
101 :制御部
102 :記憶部
103 :通信部
2 :利用者端末装置
90 :端末装置
901 :制御部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :出力部
NW :通信ネットワーク
PD :紙媒体ドキュメント
TD :テキストデータ
OD :オブジェクトデータ
MC :マウスカーソル
BL :第1のライン
SL :第2のライン
【要約】 (修正有)
【課題】所望の位置に空行を有したテキストデータを効率的に生成する文書編集装置を提供する。
【解決手段】文書編集装置1は、テキストデータに含まれた改行毎にテキストをオブジェクト化することで、順番関係が定義された複数のオブジェクトを有するオブジェクトデータに変換する変換部12と、オブジェクトデータを表示処理する表示処理部13と、表示処理されたオブジェクトデータに対して、オブジェクトの指定をマウスカーソルMCによって受け付け、マウスクリックを示す操作入力を受け付けることで、指定されたオブジェクトの前段又は後段である挿入位置に空行オブジェクトを挿入する編集部14と、を含む。
【選択図】
図3