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  • 特許-ねじ締めロボット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】ねじ締めロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20221013BHJP
   B23P 19/06 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
B23P19/06 P
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018081920
(22)【出願日】2018-04-21
(65)【公開番号】P2019188503
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 拓夫
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-143842(JP,A)
【文献】特開2016-059977(JP,A)
【文献】特開2018-024075(JP,A)
【文献】特開2013-031888(JP,A)
【文献】特開2012-157905(JP,A)
【文献】特開2013-018067(JP,A)
【文献】特開平06-262453(JP,A)
【文献】特開平09-183027(JP,A)
【文献】特開2010-264514(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103298(WO,A1)
【文献】特表2017-538592(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0021900(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
B23P 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに螺入するねじに係合可能なビットを具備し当該ビットを回転駆動するドライバユニットと、前記ビットに加わる軸方向の荷重を検出する力センサと、前記ドライバユニットを支持し所定位置へ移動自在な多関節アームと、この多関節アームの駆動を前記力センサの検出荷重に基づいて制御する制御手段とを備えて成るねじ締めロボットにおいて、
前記ドライバユニットには、前記ビットを回転駆動させる回転駆動源およびビットの間に当該ビットをワークに向かい付勢するクッションばねが設けられており、
前記クッションばねは、締結完了時に必要な押付力を超える荷重が加わると圧縮し始めるように設定されていることを特徴とするねじ締めロボット。
【請求項2】
前記制御手段は、クッションばねが圧縮し始める時に発揮する押圧力より低く設定された目標押付力と、螺入するねじのリードおよびビットの回転数によって決定される目標移動速度と、ねじを所定の目標締付けトルクにより締結し終える目標位置とを予め記憶して成り、
前記目標押付力は、ねじの先端がワークに当接してから締結完了まで多関節アームを力制御する設定値であり、
前記目標移動速度は、ねじの先端がワークに当接してから締結完了まで多関節アームを螺入する方向へ移動させる基準値であり、
前記多関節アームは、前記目標位置へ向かい前記目標押付力を発揮するよう制御されて成ることを特徴とする請求項1に記載のねじ締めロボット。
【請求項3】
前記制御手段は、ワークへ締結するねじの首下長さを予め記憶する記憶部と、締結後のねじの浮き状態を判定する判定部とを備え、
前記判定部は、前記力センサの検出荷重が前記目標押付力へ到達した時点の多関節アームの螺入開始位置と、締結完了時点の多関節アームの締結完了位置とを読み込み、これら読み込んだ螺入開始位置および締結完了位置の差と、前記首下長さとに基づきねじ浮きの有無を判定処理することを特徴とする請求項2に記載のねじ締めロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結するねじの先端とワークとの接触時に生じる軸方向の衝撃荷重を抑制するねじ締めロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のねじ締めロボットは、特許文献1に示されるように、ビットを回転駆動可能なドライバユニットと、このドライバユニットを移動自在に支持して成る多関節アームと、この多関節アームおよびドライバユニットの間に配され前記ドライバユニットに負荷される軸方向の荷重を検知する力センサと、前記ビットに係合したねじを予め設定した押付力および移動速度によりワークへ押し付けつつ螺入するよう前記ドライバユニットおよび多関節アームを制御して成る制御ユニットとを備える。
【0003】
また、特許文献1に開示の前記ドライバユニットは、その軸方向へ撓むばねなどの弾性部材を具備しない構成であり、前記ねじに係合するビットと、このビットを直結し回転駆動するビット回転モータとを備える。前記制御ユニットは、前記力センサの検出荷重と前記押付力とを比較して前記多関節アームを力制御するよう構成される。
【0004】
つまり、従来のねじ締めロボットは、ビットに加わる軸方向の荷重を前記力センサにより直接伝達する構成のため、適切な押付力によりビットを移動制御できるのみならず、前記弾性部材を具備しないことから単純な装置構成を実現できるという特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許5565550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した弾性部材を具備しない従来のねじ締めロボットは、ねじの先端とワークとの当接時に高い衝撃荷重を生じるという問題があった。また、この問題を解決するためには、当接前にビットの移動速度を下げることになるが、この対応ではねじ締め時間が増大するという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ワークに螺入するねじに係合可能なビットを具備し当該ビットを回転駆動するドライバユニットと、前記ビットに加わる軸方向の荷重を検出する力センサと、前記ドライバユニットを支持し所定位置へ移動自在な多関節アームと、この多関節アームの駆動を前記力センサの検出荷重に基づいて制御する制御手段とを備えて成るねじ締めロボットにおいて、前記ドライバユニットは、回転駆動源の回転駆動を前記ビットに伝達する駆動伝達経路上にクッションばねを備えており、前記クッションばねは、前記ビットに係合するねじがワークに当接した際に撓む一方、前記ねじの締結完了直前に必要とされるカムアウトを生じない押付力が負荷されても撓まずにビットとねじとの密着を保つように設定されていることを特徴とする。
【0008】
なお、前記制御手段は、前記クッションばねが圧縮し始める時に発揮する押付力よりも低い目標押付力と、螺入するねじのリードおよびビットの回転数によって決定される目標移動速度と、ねじを所定の目標締付けトルクにより締結し終える目標位置とを予め記憶して成り、前記目標押付力は、ねじの先端がワークに当接してから締結完了まで多関節アームを力制御する設定値であり、前記目標移動速度は、ねじの先端がワークに当接してから締結完了まで多関節アームを螺入する方向へ移動させる基準値であり、前記多関節アームは、前記目標位置へ向かい前記目標押付力を発揮するよう制御されて成ることが好ましい。また、前記制御手段は、ワークへ締結するねじの首下長さを予め記憶する記憶部と、締結後のねじの浮き状態を判定する判定部とを備え、前記判定部は、前記力センサの検出荷重が前記目標押付力へ到達した時点の多関節アームの螺入開始位置と、締結完了時点の多関節アームの締結完了位置とを読み込み、これら読み込んだ螺入開始位置および締結完了位置の差と、前記首下長さとに基づきねじ浮きの有無を判定処理することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るねじ締めロボットは、前記緩衝部材を備えるので、螺入するねじの先端がワークへ当接した際、前記ねじに係合したビットに加わる衝撃荷重を大幅に低減できる。これにより、ねじ締めする際、ワークに強い衝撃が加わらないので、例えば破損し易い基板などのねじ締めにも対応できるという利点がある。また、前述のようにねじの先端がワークに当接する際の衝撃を抑制できるので、ねじの先端がワークに当接する直前に多関節アームの移動速度を高速から低速へ切り替える必要も無い。よって、本発明に係るねじ締めロボットは、ねじの締結開始から締結完了にかかる1サイクルの作業時間を短縮できるという利点もある。
【0010】
また、本発明に係るねじ締めロボットは、前記ビットを常時引き出す方向へ付勢するクッションばねを備えるので、緩衝部材を比較的簡単な構成にできる。これにより、例えばシリンダタイプのショックアブソーバなど部品点数の多い複雑な機構のものに比べて、コストを低減できるという利点もある。
【0011】
さらに、本発明に係るねじ締めロボットは、クッションばねのクッションし始める力をカムアウトするような低い推力ではなく高推力に設定している。これにより、前記ビットは、ねじの先端がワークに当接した時には、クッションばねの撓みとともに引き込まれて相対移動するものの、この後、ねじをワークへ螺入中およびねじを所定の締付けトルクにより締結し終えた時には、クッションばねの撓みの復帰とともに当初の位置まで押し出されて相対移動していた状態が解消される。つまり、ねじを螺入し始める直前には、ビットが引き込むことで衝撃を低減する一方、この衝撃を低減し終えた後は、ビットが相対移動状態から確実に当初の押し出された位置へ復帰するので、クッションばねの撓み量を変化させることなくねじ締めを完了できる。よって、本発明に係るねじ締めロボットは、多関節アームの位置情報をそのままビットの先端位置へ置き替えて活用できるという利点もある。具体的には、クッションばねの撓み量を直接検出するような撓み検出手段を別途設置し、この撓み検出手段の検出結果と多関節アームの位置情報とを勘案してビットの先端位置を演算するような必要などはない。
【0012】
また、本発明に係るねじ締めロボットは、前記セット荷重よりも低い目標押付力を基準に前記多関節アームを力制御しているので、ワークへ螺入中のねじを円滑に奥方へ螺入できるという利点もある。
【0013】
さらに、本発明に係るねじ締めロボットは、前記設定荷重に力センサの検出荷重が到達すると、ねじの先端がワークに当接したと認識することができる。また、この当接を認識した位置から締結完了までに多関節アームが進んだ距離と予め記憶したねじの首下長さをと比較して締結後のねじがワークに着座して正常に締結されているか否か判定できる。よって、本発明に係るねじ締めロボットは、ねじ浮き判定の判定基準である位置をティーチング等により事前に記憶する必要が無いという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るねじ締めロボットの概略を示す全体図である。
図2】本発明に係る制御手段を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るねじ締めロボット1を図1および図2に基づいて説明する。本発明に係るねじ締めロボット1は、図1に示すように、締結部品の一例であるねじSをワークWへ締結可能に構成されており、複数のアームを連結して成る多関節アーム30と、この多関節アーム30の先端に配され当該多関節アーム30の先端部に加わる荷重を検出する力センサ20と、この力センサ20に取り付けられたドライバツール10と、これら前記ドライバツール10、力センサ20、多関節アーム30を配線接続して信号を入出力可能な制御手段40とを備える。
【0016】
前記ドライバツール10は、ねじSに係合可能なビットBと、このビットBへ回転を付与するビット回転モータBMと、ビットBに負荷されたトルクを検出可能なトルクセンサTSとを備えて成り、ビット回転モータBMおよびトルクセンサTSは、前記制御手段40に接続されている。
【0017】
前記ビット回転モータBMは、所謂ACサーボモータであり、これに内蔵されたエンコーダの回転信号を前記制御手段40へ送信可能に構成され、制御手段40から供給された電力により出力軸11を回転可能に構成されている。
【0018】
前記ビットBは、ねじSの頭部に形成された十字穴に嵌合する係合部をその先端側に備えており、その後端側がビット回転モータBMの出力軸11と一体に回転するよう構成されている。また、前記ビットBとビット回転モータBMとは、ビットBの延びる方向へ伸縮可能な緩衝部材を介して接続されている。
【0019】
前記緩衝部材は、前記ビットBをワークWへ向かって突出させる方向に常時付勢しており、ストッパ16によって前記ビットBが所定の出代となるよう位置決めされている。また、この緩衝部材は、ビットBの先端側からビット回転モータBM側へ向かって軸方向の押付力が作用すると、この押付力に応じて撓むように構成されている。したがって、前記ビットBは、常時は前記緩衝部材の弾性力によって所定の力で付勢され、前記ストッパ16により規定された出代を保って出力軸11と一体回転する。つまり、ビットBは、前記押付力が加わるとビット回転モータBMに対し相対移動するものの出力軸11とは一体回転することができる。
【0020】
また、前述した緩衝部材の弾性力によって付勢されているビットの軸方向の力は、セット荷重として以下では説明するが、このセット荷重は、ビットBがこれに係合しているねじSから離脱しない力となるように予め設定されている。
【0021】
また、本実施形態では、前記緩衝部材を図1に示す圧縮方向へ撓む螺旋状に形成されたクッションばね15とするが、これに限定されるものでは無く、例えば、油圧式のダンパーなど、ビットBを軸方向へ相対移動可能とし、かつ、当該ビットBが受ける軸方向の衝撃を前記相対移動によって低減できるものであればよい。
【0022】
前記力センサ20は、前記ドライバツール10を搭載しており、これに加わるドライバツール10の自重を含む荷重を検出可能であり、この検出荷重を前記制御手段40へ適宜送信して成る。
【0023】
前記多関節アーム30は、複数のアームが直列的に回動自在に連結されて成り、この連結箇所には、回転駆動源を配して成る。これら複数の連結箇所に配された回転駆動源は、何れも制御手段40に接続されて駆動制御されて成る。また、前記多関節アーム30は、その先端に前記力センサ20を取り付けて成り、前記ドライバツール10を移動自在に支持して成る。
【0024】
前記制御手段40は、図2に示すように、ねじSをワークWへ締結するために必要となる各種設定条件を記憶する記憶部41と、この記憶部41の前記設定条件に基づき多関節アーム30およびドライバユニット10を駆動制御する制御部42とを備える。
【0025】
前記記憶部41は、前記設定条件であるねじSの目標締付けトルク、ビットBの目標押付力、ビットBをワークWへ向かって移動させる目標移動速度、ねじSのワークWへの締結完了位置となる目標位置、ビットBを螺入方向へ回転させる目標回転速度、ワークWへ締結するねじSの首下長さなどの数値を予め記憶している。
【0026】
前記目標押付力は、零を超え前記セット荷重よりも低い範囲の値が設定されており、しかも、前記セット荷重と同様にビットBがねじSからカムアウトしない値で設定される。
【0027】
前記目標移動速度は、複数設定されている。例えば、ビットBに係合したねじSの先端がワークWに設けられためねじW1に当接するまでの第1目標移動速度と、前記ねじSの先端が前記めねじW1に螺合し始めてから締結完了するまでの第2目標移動速度とに分けるなど設定されている。この2つの目標移動速度となる場合、前記第1目標移動速度は、第2目標移動速度よりも高く、第2目標移動速度は、ねじSのリードとビットBの回転速度とに基づき算出された値に設定されている。
【0028】
前記制御部42は、前記ビット回転モータBMおよび多関節アーム30の回転駆動源へ動作指令を送るように構成される一方、前記力センサ20およびトルクセンサTSから発信される検出信号を受け取るように構成される。前記動作指令は、前記設定条件に基づいて定められる供給電流などであり、前記検出信号は、力センサ20から送信されるビットBに加わる軸方向の検出荷重や前記トルクセンサTSから送信されるビットBに加わった検出トルクなどである。また、制御部42は、前記記憶部41に記憶された値を読み込み可能に構成されており、この読み込んだ値と前記検出信号とを比較して判定処理する判定部43を備えて成る。
【0029】
前記判定部43は、ワークWに締結されたねじSの頭部がワークWの表面から浮いていないかなどの各種判定を実行処理するように構成されている。
【0030】
このように構成された本発明に係るねじ締めロボット1の作用について以下に説明する。まず、前記制御手段40は、前記多関節アーム30を前記記憶部41に記憶した前記目標位置および第1目標移動速度に基づいて移動制御すると同時に、前記ビット回転モータBMを前記目標回転速度に基づいて回転駆動する。これにより、ビットBは、前記ねじSに係合して回転しつつ高速下降を始める。
【0031】
また、このビットBを第1目標移動速度によって高速下降している時には、前記制御部42は、常時前記力センサ20の検出荷重を受け取り、前記判定部43によって前記検出荷重と前記目標押付力とを比較している。
【0032】
やがて、前記ねじSの先端がめねじW1の入口に当接すると、当該ねじSを介してビットBに軸方向の荷重が伝達されるので、力センサ20の検出荷重は徐々に上昇して。この力センサ20の検出荷重がやがて目標押付力まで上昇すれば、前記判定部43は、ねじSの先端がめねじW1に当接したと判断する。また、この判断を受けた制御部42は、前記多関節アーム30をこれまでの速度制御から力制御へ切り替えて位置制御する。さらに、前記制御部42は、力制御へ切り替えた時点におけるビットBの位置を多関節アーム30の位置情報に基づいて取得し、これを螺入開始位置として記憶部41へ記憶させる。
【0033】
このように、ねじSの先端がめねじW1に当接した際、前記ビットBへ前記セット荷重を超える荷重が加わる場合もある。しかし、ビットBは、前記クッションばね15に常時付勢されているので、このような当接時においても軸方向へ相対移動可能となる。よって、本発明に係るねじ締めロボット1は、前記クッションばね15を具備しない従来のねじ締めロボットに比べて、ねじSとワークWとの当接時に生じる瞬間的な軸方向の衝撃力を大幅に緩和できるという利点がある。
【0034】
前記力制御は、検出荷重を目標押付力に一致するよう多関節アーム30を位置制御するものであり、ここから締結完了まではビットBを前記目標位置へ下降させるよう第2目標移動速度に基づいて多関節アーム30を駆動制御する。また、この力制御は、ねじSの先端がワークWに当接してからねじSを目標締付トルクへ到達させて締結完了するまで行われるので、ビットBは、この間、一定の目標押付力を発揮することになる。しかも、この目標押付力は、上述したようにカムアウトしない値であるので、力制御へ切り替わってからは、締結するねじSからビットBがカムアウトすることもない。
【0035】
また、前記目標押付力は、前記セット荷重よりも低く設定されているので、前記力制御の間にクッションばね15が再び撓むようなことはない。つまり、ねじSの螺入中および目標締付トルクへ締め上げている時において、ビットBは、当初設定の出代を保っているので、本発明のねじ締めロボット1は、多関節アーム30の位置情報をビットBの先端位置として活用できるという利点もある。
【0036】
前記判定部43は、トルクセンサTSから送られた検出トルクと前記目標締付トルクとを比較して、検出トルクが目標締付トルクに到達すれば、制御部42へ締結完了信号を送る。制御部42は、この締結完了信号を受けることで、ビット回転モータBMへ回転停止指令を送りビットBの回転を停止させるとともに、この時点におけるビットBの位置を多関節アーム30の位置情報に基づいて取得する。この締結完了時点のビットBの位置は、締結完了位置として前記記憶部41に記憶される。
【0037】
前記判定部43は、前記記憶部41から前記締結完了位置および螺入開始位置を読み込み、これらの差を算出するとともに当該差と予め記憶部41に記憶しているねじSの首下長さとを比較して、前記ワークWの表面からねじSの頭部が浮いていないかについて判定する。
【符号の説明】
【0038】
1 … ねじ締めロボット
10 … ドライバユニット
11 … 出力軸
15 … クッションばね
20 … 力センサ
30 … 多関節アーム
40 … 制御手段
B … ビット
BM … ビット回転モータ
S … ねじ
TS … トルクセンサ
W … ワーク
W1 … めねじ
図1
図2