(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221013BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
(21)【出願番号】P 2018122329
(22)【出願日】2018-06-27
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】菊地 高史
(72)【発明者】
【氏名】山崎 朋広
(72)【発明者】
【氏名】山田 真澄
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-096202(JP,A)
【文献】特開2011-159264(JP,A)
【文献】特表2010-541047(JP,A)
【文献】特開2015-179459(JP,A)
【文献】特開2018-025862(JP,A)
【文献】国際公開第2012/002363(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスまたはブラウザを特定するグローバルIDと、当該デバイスまたはブラウザによって表示されたリソースを特定するリソースIDと、をネットワークを介して受け付ける手段と、
グローバルIDに基づいて、広告関連のリソースと購買関連のリソースとを対応付ける手段と、
広告関連のリソースと購買関連のリソースとの対応関係を保持部に登録する手段と、を備え
、
前記対応付ける手段は、グローバルIDに対応付けられたリソースIDで特定される購買関連のリソースで表示される画像と、前記グローバルIDに対応付けられたリソースIDで特定される広告関連のリソースで表示される画像とを用いて、前記広告関連のリソースと前記購買関連のリソースとを対応付けるサーバ。
【請求項2】
前記対応付ける手段は、
グローバルIDに対応付けられたリソースIDで特定される購買関連のリソースで表示される画像の特徴量と、前記グローバルIDに対応付けられたリソースIDで特定される広告関連のリソースで表示される画像の特徴量との比較結果に従って、
前記広告関連のリソースと
前記購買関連のリソースとを対応付ける請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記グローバルIDは、デバイスのブラウザから、3rd Party Cookieの仕組みを用いて送信される請求項1
又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記保持部を参照し、
前記保持部に登録された、リソースIDで特定される購買関連のリソースの数を、購買数として算出する手段をさらに備える請求項1から
3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
デバイスまたはブラウザを特定するグローバルIDと、当該デバイスまたはブラウザによって表示されたリソースを特定するリソースIDと、をネットワークを介して受け付ける手段と、
受け付けられたリソースIDで特定されるリソースにアクセスし、当該リソースで表示される画像から得られる特徴量により、当該リソースに係る広告または購買の対象を特定するための対象特定情報を決定する手段と、
グローバルIDと広告または購買の対象を特定するための対象特定情報とに基づいて、広告関連のリソースと購買関連のリソースとを対応付ける手段と、
広告関連のリソースと購買関連のリソースとの対応関係を保持部に登録する手段と、を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク関連の情報を処理するサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
製造業を中心に、自社の商品を紹介するためのオウンドメディアを有している企業は多い(例えば、非特許文献1参照)。オウンドメディア(Owned Media)は、自社が所有するメディアを意味し、例えば、ホームページ、ブログ、ウェブマガジンなどである。企業はオウンドメディアを通じて商品についての情報の提供やブランディングを行う。また、企業は、検索連動広告やターゲティング広告等のウェブ広告を通じて、広く商品を宣伝する広告活動も行っている。ウェブ広告に触れたユーザが商品に興味を持ち、オウンドメディアでその商品についての知見を得て購入の意欲が高まり、ECサイトや店舗でその商品を購入するというのが、企業が想定する理想的なシナリオのひとつである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】http://www.nri-digital.jp/、2018年6月14日検索
【文献】https://ja.wikipedia.org/wiki/HTTP_cookie、2018年6月11日検索
【文献】http://www.dsri.jp/jan/about_jan.html、2018年6月12日検索
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
企業の広告関連の予算は限られているので、オウンドメディアやウェブ広告を最適化する必要がある。最適化の際の指標として投資対効果がよく用いられる。しかしながら、現状では、オウンドメディアやウェブ広告単体での評価は、インプレッション、クリック、ページビュー等により可能であるが、最終的に購買に結びついたか否かまでは追跡することができない。したがって、投資対効果の精緻な検証は困難である。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、購買に対する広告やコンテンツの貢献を可視化することができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、サーバに関する。このサーバは、デバイスまたはブラウザを特定するグローバルIDと、当該デバイスまたはブラウザによって表示されたリソースを特定するリソースIDと、をネットワークを介して受け付ける手段と、グローバルIDに基づいて、広告関連のリソースと購買関連のリソースとを対応付ける手段と、広告関連のリソースと購買関連のリソースとの対応関係を保持部に登録する手段と、を備え、前記対応付ける手段は、グローバルIDに対応付けられたリソースIDで特定される購買関連のリソースで表示される画像と、前記グローバルIDに対応付けられたリソースIDで特定される広告関連のリソースで表示される画像とを用いて、前記広告関連のリソースと前記購買関連のリソースとを対応付ける。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、購買に対する広告やコンテンツの貢献を可視化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係るユーザ活動一元管理サービスの概要を示す模式図である。
【
図2】ユーザが広告に接触し、コンテンツを閲覧し、商品を購入するまでの流れの一例を示す模式図である。
【
図3】ユーザが広告に接触し、コンテンツを閲覧し、商品を購入するまでの流れの別の例を示す模式図である。
【
図4】実施の形態に係るユーザ活動一元管理システムの構成を示す模式図である。
【
図5】
図4の支援サーバのハードウエア構成図である。
【
図6】
図4の支援サーバの機能および構成を示すブロック図である。
【
図7】
図6の広告表示保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図8】
図6のコンテンツ表示保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図9】
図6の購買活動保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図10】
図6の商品情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図11】
図6のグローバル保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図12】
図6のセグメント保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図13】
図6のユーザ情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図14】メーカ端末のディスプレイに表示される売上貢献可視化画面の代表画面図である。
【
図15】メーカ端末のディスプレイに表示される別の売上貢献可視化画面の代表画面図である。
【
図16】メーカ端末のディスプレイに表示されるダイレクトメール配信画面の代表画面図である。
【
図17】ECサイトにおける画面の遷移を示す模式図である。
【
図18】リアルタイムクーポンを配信する処理の流れを示すチャートである。
【
図19】
図4の支援サーバにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
図1は、実施の形態に係るユーザ活動一元管理サービスの概要を示す模式図である。本サービスでは、ユーザ2(が使用する端末またはブラウザ)に、複数のドメインに亘って該ユーザ2を一意に特定可能なグローバルIDであるglobal_idを付与する。サービス側は、ディスプレイ広告4やコンテンツ提供サイトやEC(E-Commerce)サイト10a、10bに、global_idを支援サーバ100に送信するための3rd Party Cookieのタグを組み込む。3rd Party Cookieは、例えば非特許文献2に詳述されている公知の技術であるから、本明細書では説明を省略する。
【0012】
ディスプレイ広告4は例えば、検索連動広告に出稿された広告や、動画提供サービスの広告枠に出稿された広告や、ポータルサイトの広告枠に出稿された広告や、ECサイト10a、10bの広告枠に出稿された広告や、ウェブサイトに貼り付けられたバナー広告などを含む。
【0013】
ウェブ上で、ユーザ2に対してディスプレイ広告4が提供されると、タグの作用により、ユーザ2のglobal_idと提供された広告とが対応付けられて支援サーバ100に送信される。広告のリンクを介するなどしてユーザ2が、企業のオウンドメディア6(ホームページなど)や機器紹介・機能詳細サイト8などのコンテンツ提供サイトにアクセスすると、タグの作用により、ユーザ2のglobal_idとユーザ2が閲覧したコンテンツとが対応付けられて支援サーバ100に送信される。ユーザ2が複数のECサイト10a、10bのうちからひとつを選び、そこで商品を購入すると、タグの作用により、ユーザ2のglobal_idと選択されたECサイトで商品を購入したという購買情報とが対応付けられて支援サーバ100に送信される。
【0014】
支援サーバ100は、global_idをキーとして、ユーザ2に提供された広告と、ユーザ2が閲覧したコンテンツと、ユーザ2の購買情報と、を対応付け、その対応関係をグローバル保持部(後述)に登録する。このグローバル保持部を参照することで、サービス側は、ユーザ2が商品を購入するまでの広告接触およびコンテンツ閲覧の履歴を把握することができる。特に、支援サーバ100は、ディスプレイ広告4やコンテンツ提供などのデジタル施策の売上に対する貢献を可視化する。例えば支援サーバ100は、グローバル保持部を参照し、商品の購買に関連付けられた広告およびコンテンツを、商品の購買に影響を与えたメディアとして特定する。支援サーバ100は、商品のメーカのマーケティング担当者12に、どの広告やどのコンテンツがどの商品の購買に影響を与えたかを表やグラフ14で提示する。これにより、その担当者12は、ラインアイテム毎に広告効果を評価したり、ページやコンテンツ毎に広告効果を評価したり、広告出稿媒体や面毎に広告効果を評価したりすることができる。
【0015】
図2は、ユーザ2が広告に接触し、コンテンツを閲覧し、商品を購入するまでの流れの一例を示す模式図である。ユーザ2は検索サービスで「カメラ」を検索したが、その際、検索連動広告としてカメラのモデルAの広告16が表示された。ユーザ2は広告16に興味を持ったので、その広告16をクリックした。広告16に組み込まれたタグの作用により、ユーザ2の端末のブラウザは、ユーザ2のglobal_idと広告16を特定する広告IDと検索サービスのURLとを支援サーバ100に送信する。
【0016】
URL(Uniform Resource Locator)は、ネットワーク56上のリソース(資源)を特定するための形式的な記号の並びである。WWWをはじめとするインターネットアプリケーションにおいて提供されるリソースを、主にその所在を表記することで特定する。リソースは、ネットワーク56上のデータやサービス(例えばウェブページ)を含む。
【0017】
広告16のクリックにより、カメラのモデルAの機能詳細サイト18がユーザ2に提示された。ユーザ2はこの機能詳細サイト18でモデルAの詳細を確認し、購入の意思を固めた。ここで、機能詳細サイト18に組み込まれたタグの作用により、ユーザ2の端末のブラウザは、ユーザ2のglobal_idと機能詳細サイト18のURLとを支援サーバ100に送信する。
【0018】
ユーザ2は、よく使うECサイトである丙コマースのサイト20に移動した。ユーザ2は、丙コマースのサイト20でモデルAを購入対象として指定した。すると、ユーザ2に、モデルAの購入画面22が提供された。ユーザ2は購入画面22の購入ボタンをクリックすることで、モデルAの購入を行った。この際、購入画面22に組み込まれたタグの作用により、ユーザ2の端末のブラウザは、ユーザ2のglobal_idと購入画面22のURLとを支援サーバ100に送信する。
【0019】
支援サーバ100は、global_idをキーとして、検索サービスの検索連動広告に広告16が表示されたことと、機能詳細サイト18が閲覧されたことと、丙コマースの購入画面22で購入が行われたことと、を対応付ける。これにより、ユーザ2が丙コマースの購入画面22を介してモデルAを購入したことに、検索連動広告で表示された広告16および機能詳細サイト18のコンテンツが寄与していることを把握することができる。
【0020】
図3は、ユーザ2が広告に接触し、コンテンツを閲覧し、商品を購入するまでの流れの別の例を示す模式図である。広告16のクリックにより、カメラのモデルAの機能詳細サイト18がユーザ2に提示されるところまでは
図2の例と同じである。ユーザ2はこの機能詳細サイト18でモデルAの詳細を確認し、自分が欲しいものとは違うと判断した。そこでユーザ2は、同じ企業が販売するカメラのモデルBの機能詳細サイト24を閲覧してモデルBの詳細を確認したところ、自分のほしいものに合っていたので購入の意思を固めた。ここで、機能詳細サイト24に組み込まれたタグの作用により、ユーザ2の端末のブラウザは、ユーザ2のglobal_idと機能詳細サイト24のURLとを支援サーバ100に送信する。
【0021】
ユーザ2は、よく使うECサイトである丙コマースのサイト20に移動した。しかしながら、ユーザ2は丙コマースが提示するモデルBの値段に満足しなかった。そこでユーザ2は、丁コマースのサイト26に移動した。ユーザ2は、丁コマースが提示するモデルBの値段に満足したので、丁コマースのサイト26でモデルBを購入対象として指定した。すると、ユーザ2に、モデルBの購入画面28が提供された。ユーザ2は購入画面28の購入ボタンをクリックすることで、モデルBの購入を行った。ここで、購入画面28に組み込まれたタグの作用により、ユーザ2の端末のブラウザは、ユーザ2のglobal_idと購入画面28のURLとを支援サーバ100に送信する。丙コマースのサイト20、丁コマースのサイト26についても同様にglobal_idとURLとの組が支援サーバ100に報告される。
【0022】
図3の例では、広告16を表示した検索サービスと、モデルAの機能詳細サイト18と、モデルBの機能詳細サイト24と、丙コマースのサイト20と、丁コマースのサイト26と、購入画面28と、が同じglobal_idで対応付けられる。しかしながら、例えば購入画面28はモデルBの購入に係り、機能詳細サイト18はモデルAの詳細説明に係るものであり、両者は直接的に関係するとは言い難い。
【0023】
そこで、支援サーバ100はさらに、購入画面28で購入された商品を識別することで、購入に寄与した広告やコンテンツを絞り込む。支援サーバ100は、購入画面28のURLを基に購入画面28を取得し、購入画面28に含まれるモデルBの画像30を抽出する。支援サーバ100は、抽出した画像30の特徴量を算出する。支援サーバ100は同様に、広告16、モデルAの機能詳細サイト18、モデルBの機能詳細サイト24を取得し、それぞれから画像32、34、36を抽出する。支援サーバ100は、抽出された画像32、34、36のそれぞれの特徴量を算出する。支援サーバ100は、抽出された画像32、34、36の特徴量と、購入画面28に含まれるモデルBの画像30の特徴量と、を比較する。支援サーバ100は、購入画面28に含まれるモデルBの画像30の特徴量と機能詳細サイト24の画像36の特徴量とが一致するまたは対応すると判定し、機能詳細サイト24をモデルBの購入に寄与したコンテンツとして特定する。支援サーバ100は、特徴量が一致しない画像32、34を有する広告16、機能詳細サイト18については、モデルBの購入への寄与は比較的小さいか無いと判定する。
【0024】
支援サーバ100は、機能詳細サイト24の表示時刻と購入画面28の表示時刻との間に、丙コマースのサイト20と丁コマースのサイト26とが表示されたことを認識する。この場合、支援サーバ100は、丙コマースと丁コマースとが比較された上で丁コマースが選ばれたと認識する。支援サーバ100は、丁コマースのサイト26をモデルBの購入に寄与したサイトとして特定する。
【0025】
このように、global_idだけでは購買に寄与した広告やコンテンツの特定の正確さが低下する場合でも、サイトの画像などの追加的な情報をglobal_idと併せて用いることで、購買に寄与した広告やコンテンツを比較的正確に特定することができる。
【0026】
図4は、実施の形態に係るユーザ活動一元管理システム50の構成を示す模式図である。ユーザ活動一元管理システム50は上記のユーザ活動一元管理サービスを実現する。ユーザ活動一元管理システム50は、ECサイトを提供するECサーバ52と、メーカ66が有する情報の管理を行うメーカサーバ54と、ユーザ62が使用するユーザ端末58と、メーカ担当者64が使用するメーカ端末60と、支援サーバ100と、を備える。ECサーバ52と支援サーバ100とメーカサーバ54とメーカ端末60とユーザ端末58とはインターネットなどのネットワーク56を介して通信可能に接続されている。
【0027】
ユーザ端末58およびメーカ端末60は、スマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCなどの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の端末であってもよい。
【0028】
ECサーバ52からユーザ端末58に提供されるECサイトや購入画面、メーカサーバ54からユーザ端末58に提供されるコンテンツ画面、および不図示の検索サービスのサーバなどからユーザ端末58に提供される広告には上述のタグが埋め込まれている。ユーザ端末58のブラウザがこのタグを読み込むことで、ブラウザはユーザ端末58に保持されるglobal_idと閲覧中のサイトのURL(広告であれば広告IDも)とを支援サーバ100に送信する。
【0029】
図5は、
図4の支援サーバ100のハードウエア構成図である。ECサーバ52、メーカサーバ54、ユーザ端末58、メーカ端末60は
図4に示される支援サーバ100のハードウエア構成と同様のハードウエア構成を有してもよい。支援サーバ100は、メモリ102と、プロセッサ104と、通信インタフェース106と、ディスプレイ108と、入力インタフェース110と、を含む。これらの要素はそれぞれバス112に接続され、バス112を介して互いに通信する。
【0030】
メモリ102は、データやプログラムを記憶するための記憶領域である。データやプログラムは、メモリ102に恒久的に記憶されてもよいし、一時的に記憶されてもよい。プロセッサ104は、メモリ102に記憶されているプログラムを実行することにより、支援サーバ100における各種機能を実現する。通信インタフェース106は、支援サーバ100の外部との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース106はネットワーク56にアクセスするためのインタフェースを含む。ディスプレイ108は、各種情報を表示するためのデバイスであり、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。入力インタフェース110は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力インタフェース110は、例えば、マウスやキーボードやディスプレイ108上に設けられたタッチパネルを含む。
【0031】
図6は、
図4の支援サーバ100の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0032】
支援サーバ100は、広告表示保持部114と、コンテンツ表示保持部116と、購買活動保持部118と、商品情報保持部120と、グローバル保持部122と、セグメント保持部124と、ユーザ情報保持部126と、Cookie情報受付部128と、画像解析部130と、突合部132と、評価部134と、セグメント化部136と、CRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)部138と、広告最適化部140と、を備える。
【0033】
図7は、
図6の広告表示保持部114の一例を示すデータ構造図である。広告表示保持部114は、ユーザ端末58のブラウザが表示した広告の情報を保持する。広告表示保持部114は、ユーザ端末58またはそのブラウザを特定するglobal_idと、ブラウザが表示した広告を特定する広告IDと、広告を含むサイトのURLと、サイトの種別と、広告の対象(例えば、商品)を特定する識別子であるJANコードと、広告に示される画像を解析した結果得られる該画像の特徴量と、広告が表示された時刻と、広告が選択されたか否かの別と、を対応付けて保持する。JANコードはどの事業者の、どの商品かを表す共通の商品識別番号である(例えば、非特許文献3参照)。広告が選択されたか否かの別は、例えば広告がクリックまたはタップされると「有」、そうでなければ「無」となる識別子である。これに代えてまたは加えて、マウスオーバの有無を登録してもよい。
【0034】
図8は、
図6のコンテンツ表示保持部116の一例を示すデータ構造図である。コンテンツ表示保持部116は、ユーザ端末58のブラウザが表示したコンテンツ提供サイトの情報を保持する。コンテンツ表示保持部116は、global_idと、global_idで特定されるブラウザが表示したコンテンツ提供サイトのURLと、コンテンツ提供サイトの説明と、コンテンツ提供サイトの対象を特定するJANコードと、コンテンツ提供サイトに示される画像を解析した結果得られる該画像の特徴量と、コンテンツ提供サイトが表示された時刻と、を対応付けて保持する。
【0035】
図9は、
図6の購買活動保持部118の一例を示すデータ構造図である。購買活動保持部118は、ユーザ端末58のブラウザが表示したECサイト(例えば、トップページや購入画面)の情報を保持する。購買活動保持部118は、global_idと、global_idで特定されるブラウザが表示したECサイトのURLと、ECサイトの説明と、ECサイトで販売されている商品を特定するJANコードと、ECサイトに示される画像を解析した結果得られる該画像の特徴量と、ECサイトが表示された時刻と、ECサイトで購買が行われたか否かの別と、を対応付けて保持する。
【0036】
図10は、
図6の商品情報保持部120の一例を示すデータ構造図である。商品情報保持部120は、商品を特定する商品IDと、商品の画像の特徴量と、商品のJANコードと、商品の名称と、を対応付けて保持する。支援サーバ100はメーカサーバ54から、商品情報保持部120に登録する情報の提供を受けてもよい。
【0037】
図11は、
図6のグローバル保持部122の一例を示すデータ構造図である。グローバル保持部122は、global_idをキーとして広告とコンテンツと購買とをマッチングした結果を保持する。グローバル保持部122は、
(1)global_idと、
(2)商品IDと、
(3)global_idで特定されるブラウザが表示した、商品IDで特定される商品の広告を特定する広告IDと、
(4)広告の表示を含む検索サイト等のURLと、
(5)広告がユーザ62に選択された場合には、選択された広告の表示を含む検索サイト等のURLと、
(6)global_idで特定されるブラウザが表示した、商品IDで特定される商品に関するコンテンツ提供サイトのURLと、
(7)global_idで特定されるブラウザが表示した、商品IDで特定される商品を購入するための購入画面のURLと、
を対応付けて保持する。
【0038】
図12は、
図6のセグメント保持部124の一例を示すデータ構造図である。セグメント保持部124は、グローバル保持部122に蓄積された情報に基づいてユーザ62をセグメント化した結果を保持する。セグメント保持部124は、セグメントを特定するセグメントIDと、セグメントへの属否を判定するための基準と、セグメントに属するglobal_idと、を対応付けて保持する。
【0039】
図13は、
図6のユーザ情報保持部126の一例を示すデータ構造図である。ユーザ情報保持部126は、ユーザ62がECサイトの会員である場合にはその会員IDと、ユーザ62のユーザ端末58のブラウザを特定するglobal_idと、ユーザ62の属性として年代、性別、住所と、ユーザ62の購買の履歴と、ユーザ62の閲覧の履歴と、ユーザ62のメールアドレスと、を対応付けて保持する。支援サーバ100はECサーバ52から、ユーザ情報保持部126に登録する情報の提供を受けてもよい。global_idと会員IDとの対応付けは、例えばユーザ62がECサイトにログインした際に、そのECサイトのタグの作用により、ユーザ端末58のブラウザがglobal_idと会員IDとを対応付けて支援サーバ100に送信することにより行われる。
【0040】
図6に戻り、Cookie情報受付部128は、ユーザ端末58のブラウザが送信するCookie情報を、ネットワーク56を介して受け付ける。Cookie情報は、ブラウザのglobal_idとブラウザによって表示されたサイトのURLと追加情報とを含む。追加情報は、サイトが広告関連のサイトであるか、コンテンツ関連のサイトであるか、購買関連のサイトであるか、の別を示す情報を含む。この追加情報はサイトに埋め込まれるタグに組み込まれていてもよい。Cookie情報受付部128は、global_idとサイトのURLと追加情報との組を受け付けると、追加情報を参照することでサイトの種類すなわち広告関連であるかコンテンツ関連であるか購買関連であるかを決定する。Cookie情報受付部128は、受け付けたglobal_idとURLとの組を、広告関連であれば広告表示保持部114に、コンテンツ関連であればコンテンツ表示保持部116に、購買関連であれば購買活動保持部118に、登録する。
【0041】
なお、追加情報にサイトの種類を含めることに加えてまたはその代わりに、Cookie情報受付部128はサイトが属するドメインやサイトのURL自体を解析することで、サイトの種類を判別してもよい。例えば、Cookie情報受付部128は、ドメインが検索サービスのものであれば広告関連、特定の製造販売企業のものであればコンテンツ関連、ECサービスのものであれば購買関連であると判別してもよい。この判別のために、Cookie情報受付部128は所定のルックアップテーブルを有してもよい。あるいはまた、Cookie情報受付部128は、受け付けたURLで指定されるサイトを取得し、取得されたサイトを解析することでサイトの種類を判別してもよい。
【0042】
広告関連のサイトに対応する追加情報は、表示された広告を特定する広告IDを含む。広告関連のサイトに対応する追加情報は、オプションで、広告が表示されたサイトの種別と、広告の対象を特定するJANコードと、広告が表示された時刻と、広告がユーザ62によって選択されたか否かの別と、を含んでもよい。追加情報がこれらのオプションの情報を含むか否かは、広告関連のサイトに組み込まれるタグの内容に依存する。Cookie情報受付部128は、広告関連のサイトであると決定された場合、受け付けたglobal_idとURLとの組に加えて広告IDとオプションの情報とを広告表示保持部114に登録する。
【0043】
コンテンツ関連のサイトに対応する追加情報は、オプションで、コンテンツ提供サイトの説明と、コンテンツ提供サイトで説明されている商品を特定するJANコードと、コンテンツ提供サイトが表示された時刻と、を含んでもよい。追加情報がこれらのオプションの情報を含むか否かは、コンテンツ関連のサイトに組み込まれるタグの内容に依存する。Cookie情報受付部128は、コンテンツ関連のサイトであると決定された場合、受け付けたglobal_idとURLとの組に加えてオプションの情報をコンテンツ表示保持部116に登録する。
【0044】
購買関連のサイトに対応する追加情報は、オプションで、ECサイトの説明と、ECサイトで購入可能な商品を特定するJANコードと、ECサイトが表示された時刻と、ECサイトで商品が購入されたか否かの別と、を含んでもよい。追加情報がこれらのオプションの情報を含むか否かは、購買関連のサイトに組み込まれるタグの内容に依存する。Cookie情報受付部128は、購買関連のサイトであると決定された場合、受け付けたglobal_idとURLとの組に加えてオプションの情報を購買活動保持部118に登録する。
【0045】
画像解析部130は、広告表示保持部114を参照し、そこに保持されている広告IDで特定される広告を取得する。画像解析部130は、取得された広告から商品の画像を抽出する。画像解析部130は、抽出された画像の特徴量を算出する。画像解析部130は、算出された特徴量を、先に取得した広告の広告IDに対応付けて広告表示保持部114に登録する。画像解析部130は、複数の商品の複数の画像が抽出された場合、抽出された画像のそれぞれについて特徴量を算出する。画像の特徴量の算出は公知の画像処理技術を用いて実現されてもよく、例えば画像から商品の領域を抽出し、抽出された領域を数値化することにより行われてもよい。
【0046】
画像解析部130は、コンテンツ表示保持部116を参照し、そこに保持されているURLで特定されるコンテンツ提供サイトを取得する。画像解析部130は、取得されたコンテンツ提供サイトから商品の画像を抽出する。画像解析部130は、抽出された画像の特徴量を算出する。画像解析部130は、算出された特徴量を、先に取得したコンテンツ提供サイトのURLに対応付けてコンテンツ表示保持部116に登録する。画像解析部130は、複数の商品の複数の画像が抽出された場合、抽出された画像のそれぞれについて特徴量を算出する。
【0047】
画像解析部130は、購買活動保持部118を参照し、そこに保持されているURLで特定されるECサイトを取得する。画像解析部130は、取得されたECサイトから商品の画像を抽出する。画像解析部130は、抽出された画像の特徴量を算出する。画像解析部130は、算出された特徴量を、先に取得したECサイトのURLに対応付けて購買活動保持部118に登録する。画像解析部130は、複数の商品の複数の画像が抽出された場合、抽出された画像のそれぞれについて特徴量を算出する。
【0048】
突合部132は、global_idと、広告または購買の対象を特定可能な特徴量またはJANコードと、に基づいて、広告関連のサイトとコンテンツ関連のサイトと購買関連のサイトとを対応付ける。突合部132は、広告関連のサイトとコンテンツ関連のサイトと購買関連のサイトとの対応関係をグローバル保持部122に登録する。突合部132は、広告表示保持部114、コンテンツ表示保持部116および購買活動保持部118から、同じglobal_idに対応する広告関連のサイトのURLと広告IDとコンテンツ関連のサイトのURLと購買関連のサイトのURLとを抽出する。突合部132は、抽出された複数のURLおよび広告IDを、global_idに対応付けてグローバル保持部122に登録する。その際、広告の選択有無が「有」となっていれば、広告表示URLおよび広告選択URLの両方に抽出された広告関連のサイトのURLを登録し、そうでなければ広告表示URLにのみURLを登録する。
【0049】
突合部132は、同じglobal_idに対して複数の広告IDが抽出された場合、購買活動保持部118を参照し、抽出された購買関連のサイトのURLに対応する特徴量を特定する。突合部132は、広告表示保持部114を参照し、同じglobal_idに対して抽出された複数の広告IDのうち、特徴量が特定された特徴量と一致するか対応する広告IDを選択する。突合部132は、選択された広告IDをglobal_idに対応付けてグローバル保持部122に登録する。
【0050】
突合部132は、同じglobal_idに対して複数のコンテンツ関連のサイトのURLが抽出された場合、購買活動保持部118を参照し、抽出された購買関連のサイトのURLに対応する特徴量を特定する。突合部132は、コンテンツ表示保持部116を参照し、同じglobal_idに対して抽出された複数のコンテンツ関連のサイトのURLのうち、特徴量が特定された特徴量と一致するか対応するコンテンツ関連のサイトのURLを選択する。突合部132は、選択されたコンテンツ関連のサイトのURLをglobal_idに対応付けてグローバル保持部122に登録する。
【0051】
図7~
図11の例で突合部132における処理を説明する。突合部132は、広告表示保持部114、コンテンツ表示保持部116および購買活動保持部118から、同じglobal_id「AAAA」に対応する広告ID「mdlA001」、URL「www.xxx.com」、「www.kouotsu.com」、「www.kouotsu.com/modelA」、「www.kouotsu.com/modelB」、「www.hcommerce.com」、「www.hcommerce.com/modelA」、「www.hcommerce.com/modelB」を抽出する。突合部132は、購買活動保持部118を参照し、「www.hcommerce.com/modelA」、「www.hcommerce.com/modelB」のそれぞれに対応する特徴量「x」、「r」を特定する。
【0052】
突合部132は、コンテンツ表示保持部116を参照し、特定された特徴量「x」と一致する特徴量を有するURL「www.kouotsu.com」、「www.kouotsu.com/modelA」を選択する。突合部132は、商品情報保持部120を参照し、特定された特徴量「x」に対応するJANコード「568xxyyyyzzzz」および商品ID「modelA」を特定する。突合部132は、広告表示保持部114を参照し、広告ID「mdlA001」に対応するJANコード「568xxyyyyzzzz」が、特徴量「x」に対応するJANコード「568xxyyyyzzzz」と一致すると判定する。突合部132は、広告ID「mdlA001」に対応する選択有無が「有」であると認識する。
【0053】
最終的に、突合部132は、global_id「AAAA」と、特徴量「x」に対応する商品ID「modelA」と、広告ID「mdlA001」と、広告表示URL「www.xxx.com」と、広告選択URL「www.xxx.com」と、コンテンツURL「www.kouotsu.com」、「www.kouotsu.com/modelA」と、購買URL「www.hcommerce.com」、「www.hcommerce.com/modelA」と、を対応付けてグローバル保持部122に登録する。
【0054】
突合部132は、商品情報保持部120を参照し、特定された特徴量「r」に対応する別の特徴量「y」、JANコード「5551zzzzzzzzz」および商品ID「modelB」を特定する。突合部132は、コンテンツ表示保持部116を参照し、特定された特徴量「r」と対応する特徴量「y」を有するURL「www.kouotsu.com」、「www.kouotsu.com/modelB」を選択する。最終的に、突合部132は、global_id「AAAA」と、特徴量「r」に対応する商品ID「modelB」と、コンテンツURL「www.kouotsu.com」、「www.kouotsu.com/modelB」と、購買URL「www.hcommerce.com」、「www.hcommerce.com/modelB」と、を対応付けてグローバル保持部122に登録する。
【0055】
評価部134は、グローバル保持部122を参照し、広告と購買との関連性の評価を可能とするための処理を行う。評価部134は、メーカ端末60からの要求またはECサーバ52からの要求に応じて、グローバル保持部122に蓄積されたデータに統計処理を行い、その結果をメーカ端末60またはECサーバ52に返す。評価部134は、例えばグローバル保持部122を参照する画面によって、グローバル保持部122において統合されたデータを元に各種広告の結果(例えば、購買につながった数や表示回数)や広告効果の高いクリエイティブ、媒体、配信面などをその効果と共に表示してもよい。評価部134は、最適な広告費の配分を提案し、その配分にした際の結果を試算してもよい。
【0056】
図14は、メーカ端末60のディスプレイに表示される売上貢献可視化画面150の代表画面図である。評価部134は、グローバル保持部122を参照し、ある商品について、広告・コンテンツごとの購買数を算出する。例えば、評価部134は、グローバル保持部122のうち、ある商品IDおよびある広告IDに対応するエントリの数を、その商品についてのその広告に対応する購買数として算出する。また、評価部134は、グローバル保持部122のうち、ある商品IDおよびあるコンテンツURLに対応するエントリの数を、その商品についてのそのコンテンツに対応する購買数として算出する。なお、
図11の例では、購入画面が表示されたことをもって購買が発生したと判定しているが、これに代えて、購買活動保持部118の購買有無を参照することで購買が発生したかを判定してもよい。
【0057】
評価部134は、算出された購買数に基づいて売上貢献可視化画面150を生成し、ネットワーク56を介してメーカ端末60に送信する。メーカ端末60は、受信した売上貢献可視化画面150をディスプレイに表示させる。売上貢献可視化画面150は、横軸に広告・コンテンツ、縦軸に商品の購買数を設定した棒グラフを有し、表示させる商品を選択できるように構成される。
【0058】
図15は、メーカ端末60のディスプレイに表示される別の売上貢献可視化画面152の代表画面図である。評価部134は、グローバル保持部122を参照し、ある商品について、家電量販店のECサイトごとの購買数を算出する。例えば、評価部134は、グローバル保持部122のうち、ある商品IDおよびある購買URLのドメインに対応するエントリの数を、その商品についてのそのドメインを所有する家電量販店に対応する購買数として算出する。評価部134は、算出された購買数に基づいて別の売上貢献可視化画面152を生成し、ネットワーク56を介してメーカ端末60に送信する。メーカ端末60は、受信した別の売上貢献可視化画面152をディスプレイに表示させる。別の売上貢献可視化画面152は、横軸に家電量販店、縦軸に商品の購買数を設定した棒グラフを有し、表示させる商品を選択できるように構成される。
【0059】
図3に戻り、セグメント化部136は、グローバル保持部122に保持されるglobal_idをセグメント化し、その結果をセグメント保持部124に登録する。セグメント化部136は、グローバル保持部122を参照し、広告との接触からコンテンツ閲覧を経て購買に至るまでの流れを解析することで、global_id(で特定されるブラウザを利用したユーザ)の趣味・嗜好を特定する。例えば、あるglobal_idについて、セールの広告が購買に結びつくことが多い場合には、そのglobal_idの嗜好として「セールが好き」を設定することができる。また、global_idと商品IDとの組の統計をとることで、あるglobal_idが例えば、カメラを繰り返し購入する傾向にあることを見出すことができる。この場合、そのglobal_idの趣味として「カメラ好き」を設定することができる。
【0060】
セグメント化部136は、特定された趣味・嗜好でglobal_idをセグメント化する。例えば、セグメント化部136は、セグメント化の基準として「セールが好き」を設定し、「セールが好き」という嗜好を有するglobal_idをグローバル保持部122から抽出する。セグメント化部136は、抽出されたglobal_idを、セグメント化の基準「セールが好き」に対応付けてセグメント保持部124に登録する。
【0061】
セグメント化部136は、ユーザ情報保持部126を参照することで、グローバル保持部122に保持されるglobal_idをユーザの属性でセグメント化する。例えば、セグメント化部136は、セグメント化の基準として「年齢:20代、商品A購入」を設定し、商品Aを購入したglobal_idのうち、「年齢:20代」に対応するglobal_idをグローバル保持部122から抽出する。global_idの年齢は、ユーザ情報保持部126を参照することで特定できる。セグメント化部136は、抽出されたglobal_idを、セグメント化の基準「年齢:20代、商品A購入」に対応付けてセグメント保持部124に登録する。
【0062】
CRM部138は、セグメント保持部124を用いて、ECサイトのオーナやメーカのCRM施策を支援する。CRM部138は、メーカ端末60からの要求またはECサーバ52からの要求に応じて、グローバル保持部122やセグメント保持部124に蓄積されたデータに基づくCRM処理を実行する。
【0063】
図16は、メーカ端末60のディスプレイに表示されるダイレクトメール配信画面154の代表画面図である。メーカ担当者64が
図15の別の売上貢献可視化画面152においてある家電量販店(例えば、Z社)をクリックすると、
図16のダイレクトメール配信画面154が表示される。ダイレクトメール配信画面154は、ある商品をある家電量販店のECサイトで購入したユーザをセグメント化して表示する。ダイレクトメール配信画面154は世代タブ156と性別タブ158とエリアタブ160とを有する。各タブは商品Aを家電量販店Z社のECサイトで購入したユーザを世代、性別、エリア(住所)でセグメント化した結果を示す。
【0064】
世代タブ156は、ユーザの年齢レンジごとに購買数を示す円グラフ162と、ダイレクトメールの配信先の設定を受け付ける配信設定領域164と、を有する。配信設定領域164は、年齢レンジのそれぞれについて、どの程度の割合のユーザにダイレクトメールを送信するかをスライドバーで指定可能に構成される。メーカ担当者64が配信設定領域164で所望の割合を設定し、メール配信ボタン166をクリックすると、CRM部138は設定された割合に対応するglobal_idをグローバル保持部122から抽出する。CRM部138は、抽出されたglobal_idに対応するメールアドレスをユーザ情報保持部126から取得し、送信者をメーカとするダイレクトメールを取得されたメールアドレス宛に送信する。ダイレクトメール配信画面154は、配信済フィルターのオンオフを切り替えるためのチェックボックス168を有する。チェックボックス168がチェックされると、配信済フィルターがオンとなり、すでにダイレクトメールが配信されたユーザがメール配信の対象から除外される。
【0065】
このように、メーカ側は、グローバル保持部122に蓄積されたデータの分析結果を参照することで、広告の配信処理を最適化することができる。例えば、
図16を参照して説明されたように、一部のユーザのみへのトライアル配信により反応を見ることが可能となる。あるいはまた、ダイレクトメールを二種類以上用意し、同様の仕組みを用いてABテストを行うことで、ダイレクトメールの内容を最適化することができる。
【0066】
評価部134およびCRM部138は、ECサイト側の担当者の端末に、売上貢献可視化画面150や別の売上貢献可視化画面152やダイレクトメール配信画面154と同様の画面を提供してもよい。あるいはまた、global_idを例えばREST API(REpresentational State Transfer Application Programming Interface)を用いて他のシステムと連携してもよい。この場合、ECサイト側やメーカ側でそのglobal_idに対してのCRM施策を行うことが可能となる。
【0067】
なお、支援サーバ100を介したEC側からメーカ側への情報の提供、またはその逆に対価の支払いが伴う場合、ブロックチェーンなどの仮想通貨技術を用いてそのような対価の支払いを実現してもよい。
【0068】
広告最適化部140は、ECサイト側やメーカ側がユーザにリアルタイムで提供する広告を最適化するための処理を行う。
図17は、ECサイトにおける画面の遷移を示す模式図である。ECサーバ52からユーザ端末58のブラウザに、商品カテゴリ「カメラ」の一覧画面170が提供されている。ユーザ62はモデルAに興味があり、モデルAの詳細を見るボタン172をクリックする。ユーザ端末58のブラウザがモデルAの詳細画面174を読み込む際、詳細画面174に埋め込まれたタグの作用により、該ブラウザはglobal_idを支援サーバ100に送信する。広告最適化部140はそのglobal_idを受信し、対応する閲覧履歴や購買履歴や属性や嗜好をセグメント保持部124およびユーザ情報保持部126から抽出し、ECサーバ52に返す。ECサーバ52は閲覧履歴、購買履歴、属性および嗜好を受信し、それらの情報を用いてユーザ62に提案する商品を選択する。ECサーバ52は、モデルAの詳細画面174にリコメンド領域176を設け、選択された商品の情報をリコメンド領域176に含める。
【0069】
このように、ECサーバ52はglobal_idに対応する情報を支援サーバ100から受けることで、リコメンドエンジンを最適化することができる。特に、提案する商品を選択する際に、ECサーバ52内の閲覧履歴に加えて、メーカのオウンドメディアなどの閲覧履歴を用いることができる。
【0070】
図18は、リアルタイムクーポンを配信する処理の流れを示すチャートである。ユーザ端末58は、メーカサーバ54に保持されるメーカのオウンドメディア(ホームページ等)にアクセスする(S302)。メーカサーバ54は、オウンドメディアの画面を返す(S304)。ユーザ端末58のブラウザがオウンドメディアを読み込む際、オウンドメディアに埋め込まれたタグの作用により、該ブラウザはglobal_idを支援サーバ100に送信する(S306)。広告最適化部140はそのglobal_idを受信し、対応する閲覧履歴や購買履歴や属性や嗜好をセグメント保持部124およびユーザ情報保持部126から抽出し、メーカサーバ54に返す(S308)。メーカサーバ54は、受信した閲覧履歴、購買履歴、属性および嗜好に基づいて、オウンドメディアの広告枠に表示する広告を選択する(S310)。メーカサーバ54は、ステップS310で選択された広告を、ユーザ端末58のブラウザに表示されているオウンドメディアの広告枠に表示させる(S312)。メーカサーバ54は、受信した閲覧履歴、購買履歴、属性および嗜好に基づいて、ユーザ62に提供するリアルタイムクーポンを選択する(S314)。メーカサーバ54は、ステップS314で選択されたリアルタイムクーポンをユーザ端末58に送信する(S316)。
【0071】
以上の構成による支援サーバ100の動作を説明する。
図19は、
図4の支援サーバ100における一連の処理の流れを示すフローチャートである。支援サーバ100は、ユーザ端末58のブラウザが広告やコンテンツ提供サイトやECサイトにアクセスすることで該ブラウザから送信されるCookie情報を受信する(S402)。支援サーバ100は、Cookie情報に含まれるglobal_idをキーとして、広告とコンテンツ提供サイトとECサイトとを突合する(S404)。支援サーバ100は、突合の結果得られるサイト間の対応関係をグローバル保持部122に格納する(S406)。
【0072】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0073】
本実施の形態に係る支援サーバ100によると、Cookieの仕組みを使用して、ECサイトにおけるユーザの購買データとメーカの商品広告のデータとを対応付けることで、広告との接触が購買につながったか否か等の広告効果の分析が可能となる。特に、購買データは購買が発生したか否かを直接的に示すデータであるから、より高い確度の分析が可能となる。
【0074】
本実施の形態に係る支援サーバ100では、ECサイトならびにメーカのコンテンツ提供サイトおよび配信広告のそれぞれに共通のCookieを発行し、global_id等のデータを支援サーバ100に送信するタグを埋め込む。そして、支援サーバ100内でglobal_idをキーとして、メディアへのアクセス履歴と広告配信履歴と購買履歴とをマッチングすることで、あるユーザに対してどんな広告が配信され、配信された広告に対してどんな反応(クリック・マウスオーバなど)がなされ、結果的に購買に結びついたかまでを統合する。このように統合されたデータ(例えば、グローバル保持部122、セグメント保持部124、ユーザ情報保持部126に保持されるデータ)を用いることで、EC側やメーカ側にCRM施策上有益な情報を提供することができる。
【0075】
メーカ側は、広告に接触したユーザが自社のどのコンテンツを閲覧し、最終的に購買を行ったかを確認することができる。また、広告効果を定量的に計測することが可能となり、広告の予算最適化やクリエイティブなどの最適化に資することとなる。例えば、メーカ側は、どの広告やどのコンテンツが購買に影響を与えたかを把握することができる。その結果、メーカ側は、どの広告やコンテンツにどれだけ投資すればどの程度売上に貢献するかを精緻に予測することができる。
【0076】
EC側は、広告配信履歴を基として、ユーザの属性をより精緻に把握することができ、ユーザに対してより最適な購買誘導施策を実施することができる。
【0077】
以上、実施の形態に係る支援サーバ100の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解される。
【0078】
実施の形態では、Cookike情報が支援サーバ100に送信され、支援サーバ100で突合が行われる場合について説明したが、これに限られず、例えばCookike情報の送信先をECサーバ52やメーカサーバ54に設定してもよく、またこれらの場合に支援サーバ100の機能の一部または全部をECサーバ52やメーカサーバ54に備えさせてもよい。
【0079】
例えば、支援サーバ100にglobal_idを付与された後、ECサーバ52及びメーカサーバ54がそれぞれユーザのブラウザから情報を受信し、一方のサーバから他方のサーバに適当なタイミングでユーザから取得した情報を転送してもよい。ここでの例示では支援サーバ100がglobal_idを付与するとしたが、ECサーバ52又はメーカサーバ54の一方がglobal_idを付与し、他方はその一方にユーザのブラウザをアクセスさせてglobal_idを付与して貰う構成であってもよい。なお、通常、購買処理時に購買情報はECサーバ52に送信されるため、この購買情報の送信時に併せてglobal_idを送信するだけで、ECサーバ52は購買情報及びglobal_idを取得することができ、これらの情報を保持し、メーカサーバ54の要請に応じて保持している情報を送信する構成とすることもできる。
【0080】
実施の形態では、3rd Party Cookieの仕組みを例として説明したが、この方法によらず別例での実装で実現してもよく、ECサーバ52又はメーカサーバ54がユーザのブラウザを介さず直接支援サーバ100に情報を送信してもよく、または、ユーザのブラウザがCookieを用いることなく、ブラウザのメモリに保持している情報を支援サーバ100に送信してもよい。
【0081】
実施の形態の説明に加え、支援サーバ100に広告リソースIDに加え、広告リソース自体を複製してもよく、広告リソースは刻々と変化する場合でも、購買広告を分析する際に分析者は支援サーバ100にアクセスだけで、広告リソース自体も参照することが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
50 ユーザ活動一元管理システム、 52 ECサーバ、 54 メーカサーバ、 56 ネットワーク、 58 ユーザ端末、 60 メーカ端末、 100 支援サーバ。