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特許7157660ロングタームエボリューション/WiFi共存を可能にすること
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】ロングタームエボリューション/WiFi共存を可能にすること
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/14 20090101AFI20221013BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20221013BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W74/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018504934
(86)(22)【出願日】2016-09-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-11-08
(86)【国際出願番号】 US2016052813
(87)【国際公開番号】W WO2017053381
(87)【国際公開日】2017-03-30
【審査請求日】2019-06-05
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】62/232,911
(32)【優先日】2015-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/270,864
(32)【優先日】2016-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504080663
【氏名又は名称】エヌイーシー ラボラトリーズ アメリカ インク
【氏名又は名称原語表記】NEC Laboratories America, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】チャイ、 ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ホジャステポウル、 モハンマド
(72)【発明者】
【氏名】ランガラジャン、 サンパス
(72)【発明者】
【氏名】サンダレサン、 カルシケヤン
(72)【発明者】
【氏名】ガリキパティ、 クリシュナ
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】廣川 浩
【審判官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0250002(US,A1)
【文献】特表2014-504821(JP,A)
【文献】国際公開第2015/080796(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/148818(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24- 7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにおけるロングタームエボリューション(LTE)-WiFi共存を向上させるためのシステムであって、
LTEアクセスモードとWiFiアクセスモードとをブリッジ接続するように非同期アクセスおよび同期伝送のために構成された1つまたは複数のLTEノードと、
前記1つまたは複数のLTEノードにおけるLTE伝送のためにチャネルを確保するためのチャネルスケジューラと、
前記LTEの伝送の前に前記チャネル上の占有と確保信号をブロードキャストするために前記チャネルを検知するための前記1つまたは複数のLTEノードにおける補助的WiFiモジュールと、
コンテンションウインドウサイズを、前記WiFiと前記LTEとが衝突したとき前記コンテンションウインドウサイズを増加させることによって線形的に拡大するためのスケーラと、
1つまたは複数のユーザデバイス(UE)に対する前記1つまたは複数のLTEノードからの同期伝送を、確保された時間周期にわたってアンライセンスキャリアを活性化することによって実行するための送信機と、を備えるシステム。
【請求項2】
各UEに関してフレームロス率を測定して、干渉に対する前記UEの影響の受けやすさを判定することによって、前記アンライセンスキャリア上にスケジュールすべきUEを識別する干渉検出器をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記確保された時間周期は、前記LTE伝送の持続時間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記補助的WiFiモジュールからの前記確保信号のブロードキャストは、ネットワーク割当てベクトル(NAV)フィールドが前記LTE伝送の持続時間に設定されたClear-to-Send(CTS)-to-Selfパケットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つまたは複数のLTEノードにおける前記補助的WiFiモジュールは、進行中の伝送に関して前記チャネルを検知して、前記LTE伝送を開始すべき適切な時間を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記チャネルスケジューラは、複数の前記UEのセットを、個々のUEのフレームロス率に応じて並べ替えるようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
アンライセンス制御キャリアにおけるサブフレームリソースは、前記UEに、個々のUEの前記フレームロス率が高くなる順番に割り当てられる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記スケーラは、連続的なClear-to-Send(CTS)-to-Selfフレームを挿入することによってチャネル確保を延長するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記チャネルスケジューラは、最後のLTEダウンリンクサブフレームにおいて時間ギャップを、前記最後のLTEダウンリンクサブフレームにおいて任意のデータ伝送をスケジュールするのを回避することによって設けるようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願情報
本出願は、参照により内容が本明細書に組み込まれている、2015年9月25日に出願した米国仮特許出願第62/232,911号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
技術分野
本発明は、概ね、モバイル通信およびネットワーキングに関し、より詳細には、モバイル通信およびデータトランスポートのためにロングタームエボリューション(LTE)/WiFi共存を可能にすることに関する。
【0003】
関連技術の説明
ロングタームエボリューション(LTE)をアンライセンススペクトルに持ち込むことが、事業者が直面する、ユビキタスの帯域幅を必要とするモバイルサービス/アプリケーションからのいまだかつてない要求を満たすのに必要である。しかし、LTE(集中型/同期)におけるアクセスパラダイムとWiFi(分散型/非同期)におけるアクセスパラダイムは、根本的に相容れない。LTEは、WiFiにチャネルを譲るように設計されておらず、場合によっては、WiFiに帯域幅が欠乏することをもたらし得る。LTEのための単純なオン-オフデューティアクセス機構が、この困難な共存問題に取り組む、業界の従来の手段であるが、そのような機構を効果のないものにするLTE伝送に本来的ないくつかの人工物が存在する。
【0004】
アンライセンススペクトルにおいてLTEをサポートする2つのアプローチが、現在、開発されている。すなわち、LTEアンライセンスト(LTE-U)およびライセンストアシステッドアクセスLTE(LAA-LTE)である。LTE-Uは、既存のLTE標準の変更をまったく要求せず、LTEチャネルの適応型オン-オフデューティサイクリング(adaptive on-off duty cycling)を使用する。LTE-Uは、チャネル検知に依拠して、チャネルの測定されたWiFi利用率に応じてオン持続時間およびオフ持続時間を動的に調整する。通常、数百ミリ秒程度であるオン持続時間は、LTE-LTE間の共存に適しているが、LTEとWiFiの間で短期の公平性を維持するには粗すぎる。このため、ひどく劣化したLTE伝送およびWiFi伝送をもたらし、様々な事例において接続が完全に失われることになる。
【発明の概要】
【0005】
LTEアクセスモードとWiFiアクセスモードとをブリッジ接続するように非同期アクセスおよび同期伝送のために1つまたは複数のLTEノードを構成することを含む、ネットワークにおけるロングタームエボリューション(LTE)-WiFi共存を向上させるためのコンピュータ実装方法。1つまたは複数のLTEノードにおけるLTE伝送のためにチャネルが確保され、LTE伝送に先立って占有率に関してそのチャネルを検知するため、およびそのチャネル上で確保信号をブロードキャストするために1つまたは複数のLTEノードにおいて補助的WiFiモジュールが設けられる。コンテンションウインドウサイズが、WiFiに対するスループット公平性を保つようにサブフレーム衝突率に比例してコンテンションウインドウサイズを増加させることによって線形的に拡大され、1つまたは複数のユーザデバイス(UE)に対する1つまたは複数のLTEノードからの同期伝送が、確保された時間周期にわたってアンライセンスキャリアを活性化することによって実行される。
【0006】
LTEアクセスモードとWiFiアクセスモードとをブリッジ接続するように非同期アクセスおよび同期伝送のために構成された1つまたは複数のLTEノードを含む、ネットワークにおけるロングタームエボリューション(LTE)-WiFi共存を向上させるためのシステム。チャネルスケジューラが、1つまたは複数のLTEノードにおけるLTE伝送のためのチャネルを確保し、1つまたは複数のLTEノードにおける補助的WiFiモジュールが、LTE伝送に先立って占有率に関してチャネルを検知し、そのチャネル上で確保信号をブロードキャストするため。スケーラが、コンテンションウインドウサイズを、WiFiに対するスループット公平性を保つようにサブフレーム衝突率に比例してコンテンションウインドウサイズを増加させることによって線形的に拡大する。送信機が、1つまたは複数のユーザデバイス(UE)に対する1つまたは複数のLTEノードからの同期伝送を、確保された時間周期にわたってアンライセンスキャリアを活性化することによって実行する。
【0007】
LTEアクセスモードとWiFiアクセスモードとをブリッジ接続するように非同期アクセスおよび同期伝送のために1つまたは複数のLTEノードを構成することによって、ネットワークにおけるロングタームエボリューション(LTE)-WiFi共存を向上させるためのコンピュータ可読プログラムを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体。1つまたは複数のLTEノードにおけるLTE伝送のためにチャネルが確保され、LTE伝送に先立って占有率に関してそのチャネルを検知するため、およびそのチャネル上で確保信号をブロードキャストするために1つまたは複数のLTEノードにおいて補助的WiFiモジュールが設けられる。コンテンションウインドウサイズが、WiFiに対するスループット公平性を保つようにサブフレーム衝突率に比例してコンテンションウインドウサイズを増加させることによって線形的に拡大され、1つまたは複数のユーザデバイス(UE)に対する1つまたは複数のLTEノードからの同期伝送が、確保された時間周期にわたってアンライセンスキャリアを活性化することによって実行される。
【0008】
本発明のこれら、およびその他の利点が、後段の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって当業者には明白となろう。
【0009】
本開示は、以下の図を参照して好ましい実施形態の以下の説明における詳細を与える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本原理による、本原理が適用され得る例示的な処理システムを示すブロック/流れ図である。
図2】本原理の実施形態による、LTE/WiFi干渉の実例を含むデータトランスポートのための例示的なシステム/方法を示す図である。
図3】本原理の実施形態による、ロングタームエボリューション(LTE)/WiFi共存を用いたデータトランスポートのためのシステム/方法を示す図である。
図4】本原理の実施形態による、コンポーネントキャリアを使用するロングタームエボリューション(LTE)/WiFi共存を用いたデータトランスポートのためのシステム/方法を示す図である。
図5】本原理の実施形態による、拡張可能なチャネル確保を使用するロングタームエボリューション(LTE)/WiFi共存を用いたデータトランスポートのためのシステム/方法を示す図である。
図6】本原理の実施形態による、フレームごとに複数のユーザ機器/デバイス(UE)を用いたデータトランスポートのためのシステム/方法を示す図である。
図7】本原理の実施形態による、ロングタームエボリューション(LTE)/WiFi共存を用いたデータトランスポートのための方法を示すブロック/流れ図である。
図8】本原理の実施形態による、ロングタームエボリューション(LTE)/WiFi共存を用いたデータトランスポートのためのシステムを示すブロック/流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本原理の様々な実施形態によれば、ロングタームエボリューションとWiFiの共存を可能にするためのシステムおよび方法が提供される。
【0012】
特に有用な実施形態において、現行のプロトコルを使用する(例えば、LTEプロトコルの変形も、WiFiプロトコルの変形もまったく要求することなしに)アンライセンスLTEおよびWiFiに関する効率的かつ公平な共存を可能にするシステムおよび方法が、本原理により提供される。
【0013】
一実施形態において、本原理は、LTE/WiFi共存を可能にするための実際的なソリューションとして使用され得る。いくつかの実施形態において、LTEが本原理によりパラダイムギャップをブリッジ接続する非同期アクセスおよび同期伝送(A2TS)の新規なポリシーを用いる共存プロトコルを使用する、そのような可能化が提供される。LTEは、LTEにおける同期伝送の順守および利益を保ちながら、効率的であり、かつWiFiに対して公平である様態でチャネルに対するアクセスを非同期で競うことが可能である。本原理によるシステムおよび方法は、様々な実施形態に応じてプロトコル変形なしに既成のLTEプラットフォームおよびWiFiプラットフォームで容易に実装され、展開され得る。
【0014】
本明細書において説明する実施形態は、全体がハードウェアであってよく、全体がソフトウェアであってよく、またはハードウェア要素とソフトウェア要素の両方を含んでいてよい。好ましい実施形態において、本発明は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、その他を含むが、以上には限定されない、ソフトウェアとして実装される。
【0015】
実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムによって、またはそれらに関連して使用されるようにプログラムコードをもたらすコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品を含んでよい。コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、命令実行装置、または命令実行デバイスによって、またはそれらに関連して使用されるようにプログラムを記憶する、通信する、伝搬する、またはトランスポートする任意の装置を含んでよい。媒体は、磁気、光、電子、電磁、赤外線または半導体のシステム(もしくは装置もしくはデバイス)、または伝搬媒体であり得る。媒体は、半導体メモリもしくはソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、リジッド磁気ディスク、および光ディスク、その他などのコンピュータ可読記憶媒体を含んでよい。
【0016】
各コンピュータプログラムは、記憶媒体または記憶デバイスがコンピュータによって読み取られると、本明細書において説明する手順を実行するようにコンピュータの動作を構成するため、および制御するために汎用または専用のプログラマブルコンピュータによって読取り可能である機械可読記憶媒体または機械可読記憶デバイス(例えばプログラムメモリまたは磁気ディスク)として有形化されるように記憶されてよい。また、本発明のシステムは、コンピュータプログラムを有して構成された、コンピュータ可読記憶媒体として実施されるものと見なされてもよく、そのように構成された記憶媒体は、コンピュータが、本明細書において説明する機能を実行するように特定の事前定義された様態で動作することをもたらす。
【0017】
プログラムコードを記憶すること、および/または実行することに適したデータ処理システムが、システムバスを介してメモリ要素に直接に、または間接的に結合された少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。メモリ要素は、プログラムコードの実際の実行中に使用されるローカルメモリと、大容量ストレージと、実行中に大容量ストレージからコードが取り出される回数を減らすように少なくともいくらかのプログラムコードの一時的記憶を提供するキャッシュメモリとを含み得る。入出力デバイス、すなわち、I/Oデバイス(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス、その他を含むが、以上には限定されない)が、直接に、または介在するI/Oコントローラを介してシステムに結合されてよい。
【0018】
また、ネットワークアダプタが、データ処理システムが、介在するプライベートネットワークまたはパブリックネットワークを介して他のデータ処理システムまたは遠隔のプリンタもしくは記憶デバイスに結合されるようになることを可能にするようにシステムに結合されてもよい。モデム、ケーブルモデム、およびイーサネットカードは、現在、利用可能な種類のネットワークアダプタのうちのいくつかに過ぎない。
【0019】
次に、同様の参照符号が同一の、もしくは類似した要素を表す図面を参照し、図1を最初に参照すると、本原理が適用され得る例示的な処理システム100が、本原理の実施形態により例示されている。処理システム100は、システムバス102経由でその他の構成要素に動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサ(CPU)104を含む。キャッシュ106、読取り専用メモリ(ROM)108、ランダムアクセスメモリ(RAM)110、入出力(I/O)アダプタ120、サウンドアダプタ130、ネットワークアダプタ140、利用者インターフェースアダプタ150、およびディスプレイアダプタ160が、システムバス102に動作可能に結合される。
【0020】
第1の記憶デバイス122および第2の記憶デバイス124が、I/Oアダプタ120によってシステムバス102に動作可能に結合される。記憶デバイス122および124は、ディスク記憶デバイス(例えば、磁気もしくは光ディスク記憶デバイス)、ソリッドステート磁気デバイスなどのいずれであっても良い。記憶デバイス122と記憶デバイス124は、同一種類の記憶デバイスであっても良いし、異なる種類の記憶デバイスであっても良い。
【0021】
スピーカ132が、サウンドアダプタ130によってシステムバス102に動作可能に結合される。トランシーバ142が、ネットワークアダプタ140によってシステムバス102に動作可能に結合される。ディスプレイデバイス162が、ディスプレイアダプタ160によってシステムバス102に動作可能に結合される。
【0022】
第1の利用者入力デバイス152、第2の利用者入力デバイス154、および第3の利用者入力デバイス156が、利用者インターフェースアダプタ150によってシステムバス102に動作可能に結合される。利用者入力デバイス152、154、および156は、キーボード、マウス、キーパッド、画像キャプチャデバイス、動作センシングデバイス、マイクロフォン、前述のデバイスのうちの少なくとも2つのデバイスの機能を組み込んだデバイスなどのうちのいずれであることも可能である。もちろん、本原理の趣旨を保ちながら、他の種類の入力デバイスが使用されても良い。利用者入力デバイス152、154、および156は、同一種類のユーザ入力デバイスであっても良いし、異なる種類のユーザ入力デバイスであっても良い。利用者入力デバイス152、154、および156は、システム100に情報を入力すること、およびシステム100から情報を出力することに使用される。
【0023】
もちろん、処理システム100は、当業者には容易に企図されるとおり、他の要素(図示せず)を含んでもよく、いくつかの要素を省いてもよい。当業者には容易に理解されるとおり、例えば、他の様々な入力デバイスおよび/または出力デバイスが、処理システム100に含まれることが、処理システム100の特定の実装形態に依存して、可能である。例えば、様々な種類の有線および/または無線の入力デバイスおよび/または出力デバイスが使用され得る。さらに、当業者には容易に認識されるとおり、様々な構成におけるさらなるプロセッサ、コントローラ、メモリなどが利用されることも可能である。処理システム100のこれら、およびその他のバリエーションが、本明細書において与えられる本原理の教示を考慮して、当業者には容易に企図される。
【0024】
さらに、図1図2図3図4図6、および図8に関連して説明するシステム100、200、300、400、600、および800が、それぞれ、本原理のそれぞれの実施形態を実装するためのシステムであることを認識されたい。処理システム100の一部またはすべてが、本原理の様々な実施形態により、システム200、300、400、600、および800の要素のうちの1つまたは複数として実装されてよい。
【0025】
さらに、処理システム100は、例えば、図2図3図4、および図5の方法200、300、400、および500の少なくとも一部を含む、本明細書において説明する方法の少なくとも一部を実行してよいことを認識されたい。同様に、システム200、300、400、および600の一部またはすべてが、本原理の様々な実施形態により、図2図3図4図5図6、および図7の方法200、300、400、500、600、および700の少なくとも一部を実行するのに使用されてよい。
【0026】
次に、図2を参照すると、LTE/WiFi干渉の例示的な実例を含むデータトランスポートのためのシステム/方法200を示すブロック図が、本原理の実施形態により例示される。一実施形態において、無線通信デバイス206(例えば、アクセスポイント(AP)が、複数の種類の無線デバイス218、220を有するネットワーク216にわたって無線で通信してよい210。いくつかの実施形態において、通信210は、適切な無線チャネルバンド(例えば、ISMバンド)内で実行され得るものの、近くのLTEデバイス202がLTEチャネル208にわたって基地局212と通信してもよい。LTEデバイス202および基地局212からの無線周波数信号204、214が、無線デバイス218、220と通信するAP206の能力に干渉する可能性がある。例えば、アクセスポイントは、干渉がもたらされるだけLTEバンドと十分に近い可能性がある周波数を含むチャネル上で通信しようとしてよい。
【0027】
別個のデバイスとして図示されるものの、干渉するLTEデバイス202は、本原理の様々な実施形態による無線ネットワーク216にわたって通信するその他の無線デバイス218、220のうちの1つと同一であってよいことを認識されたい。
【0028】
例えば、いくつかの実施形態において、スマートフォンデバイス(例えば、218)が、同一のデバイス218内で同時のLTE通信と無線通信を可能にしてよい。このため、様々な実施形態によれば、アクセスポイント212が、Wi-Fiチャネル上で特定のデバイス(例えば、218)と通信しようと試みている可能性があるが、デバイス218自体がネットワーク140上のLTE/WiFi干渉の原因であり得る。
【0029】
次に、図3を参照すると、LTE/WiFi共存を可能にするための高レベルのシステムおよび方法を示すブロック図が、本原理の実施形態による例示的なテストベッド300を使用して例示される。
【0030】
本原理の様々な実施形態を詳細に説明する前に、LTE/WiFi共存を可能にする際に直面する課題、ならびに従来のシステムがそれらの課題に対処して、LTEネットワークとWiFiネットワークが存在する状態で効率的で信頼できる接続を提供することができないことについてのいくらかの背景。LTEネットワークの容量およびカバレッジを強化するのにアンライセンススペクトルにおいてLTEを運用することが、最近、業界からの熱意ある支持を受けている。このアプローチは、事業者が、キャリアアグリゲーションと呼ばれるプロセスを介してアンライセンススペクトルからの帯域幅でライセンスLTEスペクトルを増強しながら、同一のバックエンドインフラストラクチャを維持することを可能にする。
【0031】
LTEをアンライセンススペクトルに展開する前に、LTEが、それらの周波数において現在、支配的であるWiFiネットワークとともに、同一のアンライセンスバンドにおける他のLTEネットワークとも公平に共存することが確実にされるものとする。しかし、LTEは、同期した、集中管理されるチャネルアクセスモデルに依拠する。このことは、WiFiの分散型の非同期モデルと相容れないとともに、競合する他のLTEネットワークとの共存を助けることにもならない。
【0032】
アンライセンススペクトルにおいてLTEをサポートする2つのアプローチが現在、開発されている(例えば、LTEアンライセンスト(LTE-U)およびライセンストアシステッドアクセスLTE(LAA-LTE))。LTE-Uは、既存のLTE標準の変更をまったく要求せず、LTEチャネルの適応型オン-オフデューティサイクリングを使用する。LTE-Uは、チャネル検知に依拠して、チャネルの測定されたWiFi利用率に応じてオン持続時間およびオフ持続時間を動的に調整する。通常、数百ミリ秒程度であるオン持続時間は、LTE-LTE間の共存に適しているが、LTEとWiFiの間で短期の公平性を維持するには粗すぎる。LAA-LTEは、1~10ミリ秒間隔のより短い周期にわたってLTEチャネルが活性化されることを許すことによって短期のWiFi公平性を向上させることが可能である。LAA-LTEは、LTEサブフレームが伝送される前にクリアチャネルアセスメント(CCA)に依拠するリッスンビフォアトーク(LBT)を使用する。LTE-Uとは異なり、LAA-LTEは、LTE無線インターフェース標準の変形を要求する。
【0033】
しかし、LTE-UとLAA-LTEはともに、アンライセンススペクトルにおいてLTEを運用することの実現可能性を脅かすいくつかの根本的な課題に直面する。例えば、直面する1つの課題は、低い感度を含み得る。現行の欧州電気通信標準化機構(ETSI)規格の下で、LBTは、-60dBmを超えるWiFi信号エネルギーだけしか検出しない。このことは、-62dBmのCCA閾値を使用するLTE信号のWiFiエネルギー検出と同様である。しかし、LTEネットワークとWiFiネットワークはともに、-80dBm以下の信号レベルで正常に動作することができる。しかし、CCA閾値を下回る干渉エネルギーは、それでも、LTE伝送およびWiFi伝送をかなり劣化させることになり、接続が完全に失われることをもたらし得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、直面する別の課題は、伝送ギャップに対処することを含み得る。LTEフレーム伝送は、LTEフレームの活性周期中でさえ、信号エネルギーの継続的な源が与えられないので、時間領域において本来的なギャップを含む。これらの意図的でない伝送ギャップは、フレームの制御部分およびデータ部分に由来する。同時ユーザが多数であること、およびLTEトラフィックに本来的な不均一性に鑑みて、データギャップを最小限に抑えることは難題である。しかし、従来のシステムおよび方法を使用してネットワークの動作に悪影響を及ぼすことなしに制御ギャップを解消することはさらにより困難である。
【0035】
例えば、スケジュールされ得る同時ユーザの数は、制御チャネルのサイズに依存する。このため、制御チャネルを完全に取り除くことによって制御ギャップを解消することは、ユーザ多重化がもたらす利益を減じることになる。さらに、制御チャネルが活性である場合、制御チャネルのいくつかの部分を使用されないままに保って、セル間干渉を最小限に抑えること(例えば、セル間干渉/調整手順の一環として)が必要である。残念ながら、これらのLTE時間ギャップは、通常、WiFiスロット持続時間(9マイクロ秒)と比べてはるかに大きい。このため、LBTを使用するWiFiまたはLAA-LTEが、これらのギャップを誤って伝送機会と解釈することが容易に生じて、WiFi-LTE衝突およびLTE-LTE衝突がもたらされる。
【0036】
いくつかの実施形態において、LTE/WiFi共存を可能にするための別の課題は、LTE-LTE間共存時間スケールを含み得る。LTE-LTE間共存およびLTE-WiFi間共存が機能する最適な時間スケールに本来的な対立が存在する。LTE-WiFi間共存には、LAA-LTEの短いオン/オフ周期が利益(公平性の点で)をもたらす。しかし、WiFi活動がほとんど、またはまったくない場合、LTE-LTE間共存には、より長いオン周期の方が、より役立つことが可能である。例えば、リソース/周波数管理、半永久スケジューリング、QoS管理、その他などのLTE機構は、粗い時間スケール(例えば、秒単位)で動作する。LAA-LTEにおけるLBTの高速でオン-オフする性質は、そのような機構に助けとならない。このため、LTE-LTE間共存の場合、オン持続時間が、例えば、数百ミリ秒ないし数秒であることが有益であり得る。しかし、そのような長い時間周期を使用することは、データギャップおよび制御ギャップの確率も高め、このことが、異なる事業者からのLTEセルの間の干渉を増大させる。5GHzチャネルが普及していることが、それらのチャネルのいくつか(例えば、DFSバンド)においてWiFi活動がほとんど、またはまったくないことと相俟って、LTE-LTE間共存が支配的に現れるシナリオを生じさせ得ることに留意されたい。
【0037】
本原理は、これらの課題を克服するのに、かつ本明細書の後段でさらに詳細に説明する様々な実施形態により、LTEとWiFiが効率的に共存して、完全に標準順守でありながら、アンライセンススペクトルの公平な共有を維持することを可能にするのに使用されることが可能である。
【0038】
一実施形態において、既成のLTEデバイスおよびWiFiデバイスが同一の周波数スペクトルにわたって共存することを可能にする、テストベッド300を含むシステムおよび方法が、構築され、使用されてよい。テストベッド300は、別々のLTEネットワーク302およびWiFiネットワーク306を含んでよく、これら2つのネットワーク302、306の間でRF信号を転送してよい双方向無線周波数(RF)ブリッジ304を使用してよい。このため、現行の(民間の)LTE基地局312(例えば、eNodeB)およびユーザ機器308(UE)は、従来、アンライセンススペクトル上で動作しないものの、本原理の様々な実施形態により民間のLTEネットワークとWiFiネットワークの共存を可能にすることが、テストベッド300(例えば、共存問題の核心にあるLTE時間ギャップおよびチャネル検出閾値の性質、ならびにLTE時間ギャップおよびチャネル検出閾値がパフォーマンスに及ぼす影響を特徴づける)を使用して示され得る。
【0039】
いくつかの実施形態において、本原理により、共存問題の主要な原因、すなわち、WiFi(分散型かつ非同期)のアクセスモードとLTE(集中型かつ同期)のアクセスモードの根本的な違いに対処することによって効率的で信頼できるLTE/WiFi共存がもたらされ得る。その違いは、LTEノードが、アンライセンススペクトルにおいて非同期で(例えば、WiFiノードと相容れ、WiFiノードに公平である様態で)アクセスするが、同期で伝送する(例えば、同期LTEの順守および利益を保って)ことを可能にすることによってブリッジされ得る。説明を簡単にするため、本原理によるLTE動作のこの新規なモードを、本明細書において以降、A2TSと呼ぶことにする。
【0040】
いくつかの実施形態において、本原理は、LTEスモールセルがLTEインターフェースとWiFiインターフェースの両方を備えることが増えている傾向を活用するように使用され得る。例えば、LTEにおけるアンライセンスキャリアごとに、同一のチャネル上のコンテンション(例えば、アクセス)の目的に限ってeNodeB312上で補助的WiFiインターフェースが使用されてよい。WiFiインターフェースがそのチャネルに対するアクセスを得ると、WiFiインターフェースは、ネットワーク割当てベクトル(NAV)フィールドがLTE伝送の持続時間に設定されたClear-to-Send(CTS)-to-Selfをブロードキャストしてよい。次に、LTEインターフェースが、本原理により、同一の周波数バンド上でアンライセンスキャリアを活性化してよく、この確保された周期中にLTEインターフェースのUEに対する同期伝送を開始してよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、本原理によるシステムおよび方法は、eNodeB312上にだけ展開されてもよく、このため、その他のLTE UE308またはWiFi324、320デバイスの変更をまったく要求しない。WiFiインターフェースを使用してA2TSを可能にすることは、アンライセンスLTEに関係がある重要な課題(前述した)に直接に対処することに役立つ。通知および検知のためにWiFiインターフェースを使用することは、プリアンブル検出ベースのチャネル検知をさらに可能にして、その結果、感度を、例えば、-82dBに高めて、低電力伝送からの干渉を軽減する。本原理によるチャネル確保(例えば、CTS-to-Selfを介した)は、LTE伝送における時間ギャップ中にさえ、WiFi/LTE干渉を防止することが可能である。
【0042】
実施形態において、前述した確保機構は、ある時間周期(例えば、一度に32ミリ秒までの)(16ビットNAVフィールドによって制限された)にわたるチャネルの直接の確保も可能にして、LTE-LTE間共存のために所望されるような場合には、延長された継続的LTE動作を可能にする。しかし、A2TS動作モードは、アンライセンスLTEを促進する一方で、本原理の様々な実施形態を使用して克服され得る(例えば、現実世界における実施の際に)いくつかの運用上の課題(例えば、衝突管理、公平性、および効率)が存在する。
【0043】
いくつかの実施形態において、衝突管理に関して、eNodeB312からのチャネル確保が、本原理によるUE308への伝送を保護するのに頼りにされてよい。しかし、CTSメッセージを復号することができない可能性がある隠れたWiFi端末が、進行中のLTE伝送に干渉しつづける可能性がある。この問題は、LTEが直交周波数分割多元接続(OFDMA)を使用して単一のフレームにおいて複数のUE308に伝送することで悪化させられる可能性があり、このことは、UEにおいて様々な干渉/衝突レベルをもたらし得る。様々な実施形態において、この問題は、本原理により、そのような隠れたノードからの干渉の影響を最小限に抑える単純な、それでも効果的なA2TSを意識したスケジューリングポリシーを使用して克服され得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、公平性に関して、WiFiキャリア検知多元接続(CSMA:Carrier Sense Multiple Access)機構が、本原理によるチャネルアクセスを公平に競うのに頼りにされてよい。しかし、WiFiコンテンションウインドウサイズパラメータは、従来、典型的な1対1のWiFi伝送の場合に限って適切に選択される。このため、拡張された1対多のクライアント伝送に関して同一のコンテンションパラメータを使用することは、WiFiデバイスの窮乏につながり、ことによると、接続が失われることになる。様々な実施形態において、この問題は、本原理によりWiFiとのチャネルの公平な共有を保つように設計されたA2TSを意識したバックオフ機構を使用して克服され得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、効率に関して、WiFiにおけるNAVフィールドサイズの限界のため、各CTSは、32ミリ秒にわたってチャネルを確保することしかできない。より長いオン持続時間が好ましいLTE-LTE間共存の下で、このことは、LTEのパフォーマンスを制限するので、望ましくない。このパフォーマンス問題を解決することは、標準順守のままであるようにするのに、LTEおよびWiFiの物理層(PHY)の変更がまったく実行され得ないため、より難題となる。このため、同一のeNodeB上のLTEインターフェースとWiFiインターフェースの間のカスタムPHY層調整機構は、従来のシステムおよび現行の標準を使用しては不可能である。
【0046】
いくつかの実施形態において、標準順守のままでありながら(例えば、LTE標準にも、WiFi標準にも変更なしで)、このパフォーマンス問題を克服するのに、本原理の様々な実施形態により、アンライセンス伝送にギャップをまったく生じさせることなしに、より長い確保持続時間を実現する新規な確保延長システムおよび方法が使用され得る。本原理によるシステムおよび方法は、既存の標準を完全に順守するので、このシステムおよび方法は、様々な実施形態により任意の既存の(または将来の)システム(例えば、LTE-U/LAA-LTEスモールセルプラットフォーム)において容易に展開され得る。
【0047】
現行のLTE-U/LAA-LTE規格の下で、アンライセンスキャリアは、2つの形態、すなわち、(a)周波数分割複信(FDD)LTEを使用するダウンリンクのみの伝送、または(b)時分割複信(TDD)LTEを使用するアップリンクとダウンリンクの伝送において使用され得る。従来、アップリンクのみのコンポーネントキャリアは、サポートされていない。いくつかの実施形態において、LTEネットワーク302が、LTEに完全に適合し、したがって、LTE-UプロトコルおよびLAA-LTEプロトコルに対する現在の業界の関心にも適合する、(前述した)A2TSプロトコル設計を使用してWiFi空間306に持ち込まれてよい。しかし、LTE-Uが既存のLTEフレームワークと適合する一方で、LAA-LTEデバイスは、まだ存在しない。このため、本原理は、ダウンリンクのみのアンライセンスチャネルにおけるLTE-Uに関して説明される。しかし、A2TSプロトコルを含む、本原理によるシステムおよび方法は、様々な実施形態によりLAA-LTEおよび他の任意のLTEフレームワークにも同様に適用可能であることが強調されることを認識されたい。
【0048】
例示的な実施形態において、LTEフレームが、10ミリ秒の持続時間を有してよく、10のサブフレーム(それぞれが1ミリ秒長の)に分割されてよい。本原理により、各サブフレームは、複数のリソースブロック(RB)に区分化されてよく、次に、それらのリソースブロックが、いくつかの種類のチャネルに分割されてよい。これらのチャネルは、例えば、(i)eNodeB312とUE308の間で制御情報(例えば、リソース割当て)を交換するために使用される制御チャネルと、(b)データペイロードを搬送するデータチャネルと、(c)UE308によって同期およびデータ復号のために使用される基準信号とを含んでよい。いくつかの実施形態において、LTEは、別々の5つまでのスペクトルバンド(例えば、コンポーネントキャリア(CC))を単一の合成チャネルに集約することが可能である。各CCは、本原理の様々な実施形態により、アップリンクトラフィックのために使用されても、ダウンリンクトラフィックために使用されてもよく、アンライセンススペクトルまたはライセンススペクトルに集中させられることが可能である。
【0049】
アンライセンススペクトルにおいて動作する従来の/民間の利用可能なeNodeBおよびUEは存在しないことに留意されたい。このため、本原理の実施形態による、2つのネットワーク302、306の間で新規な双方向RFブリッジ304を介して統一されたWiFiとLTEの対話を実現するように構成されたLTEテストベッド300が例示される。この双方向RFブリッジ304は、LTE信号をWiFiチャネルに送り込むこと、およびWiFi信号をLTEチャネルに送り込むことを、いずれも取るに足らない転送待ち時間で行ってよい。このため、WiFiとLTEの間の動的対話が、本原理の様々な実施形態により同一の周波数バンドにおいて動作する場合に解析され、かつ/またはそのような対話への対処が為されてよい。
【0050】
一実施形態において、テストベッドアーキテクチャ300は、3つの主要な構成要素、すなわち、LTEネットワーク302と、WiFiネットワーク306と、RFブリッジ304とを含んでよい。LTEネットワーク302およびWiFiネットワーク306は、別々の周波数で動作してよく、例示のため、この実施形態において、本原理により、それぞれ、バンド13がLTEネットワーク302のために、チャネル36がWiFiネットワーク306のために使用されてよい。
【0051】
一実施形態において、LTEネットワーク302は、例えば、1Wまでの送信電力を有する民間の単入力/単出力(SISO)LTEリリース8スモールセルeNodeB312、ならびにUE308のためのいくつかの(例えば、5つまでの)既成のUE Pantech USBドングルを含んでよい。スモールセルeNodeB312は、この例示的な実施形態において、LTEバンド13において10MHzのFDD LTEアップリンクチャネルおよびダウンリンクチャネルを使用してよい。本原理により、スプリッタ310が、eNodeB312上のアクティブアンテナポートに取り付けられてよく、スプリッタ310の1つの出力ポートが、3dBiオムニアンテナ301に接続されてよい一方で、他方のポートは、RFケーブル303経由でRFブリッジ304に接続されてよい。
【0052】
一実施形態において、WiFiネットワーク306は、例えば、5GHzバンドにおける20MHz 802.11a SISO WiFiネットワーク306であってよい。例示のため、異なる2つのWiFiネットワークセットアップの使用を本明細書で以下に提示するが、1つだけのセットアップが常に使用される。使用され得るWiFiネットワーク306セットアップの第1の種類は、Wireless Open-Access Reserch Platform v3(WARPv3)セットアップであってよい。一実施形態において、LTE測定は、本原理により、WARPv3および802.11 Reference Design v.1.2を使用して獲得されてよい。
【0053】
様々な実施形態によれば、WARPv3は、民間のWiFiデバイスから獲得され得るよりも詳細なパフォーマンス統計情報をもたらす。WARPv3ボードのうちの1つが、AP324として構成され得る一方で、他のいくつか(例えば、5つまでの)WARPv3ボードが、STA(例えば、WiFiクライアント(例えば、ラップトップ、移動電話機、その他))として使用され得る。一実施形態において、本原理により、スプリッタ322が、WARPv3 AP324のアクティブアンテナポートに接続されてよく、スプリッタ出力のうちの1つが、例えば、3dBi WiFiオムニアンテナ301に接続されてよい一方で、別のポートが、RFケーブル303経由でab RFブリッジ304に接続されてよい。
【0054】
別の実施形態において、本原理により、例えば、既成のTPリンクWiFiデバイスを使用して構築された代替のWiFiネットワーク306が使用されてよい。例示的な実施形態において、本原理により、デスクトップPCにインストールされたTPリンクTL-WDN4800 PCIe WiFiカードが、AP324として使用されてよく、他のTL-WN821N WiFiドングルがSTA320として使用されてよく、スプリッタ322が、AP324上のアクティブアンテナポートに接続されてよい。このネットワークセットアップは、WARPv3ネットワークの当座の代替であってよく、TPリンクプラットフォームは、本原理が、様々な実施形態により、変形されていないWiFiハードウェアに適用可能であることを実証する例として説明される。
【0055】
本原理は、前述の種類のWiFiネットワーク構成およびLTEネットワーク構成に関して本明細書において説明されるものの、本原理は、様々な実施形態により、複数の異なる種類のネットワーク構成におけるLTE/WiFi共存を可能にするように適用され得ることを認識されたい。
【0056】
一実施形態において、本原理により、同相および直角位相(I/Q)転送が、例えば、2つのUniversal Software Radio Peripheral(USRP)314、318を使用してRFブリッジ304において実行されて、2つのネットワーク302、306の間でLTE干渉およびWiFi干渉を転送するようにしてよい。各USRP314、318は、例えば、2つのCBX-120 RFドーターボード(図示せず)を含んでよい。LTE-WiFiブリッジにおいて、様々な実施形態により、USRPにおける1つのRFドーターボードがRFケーブル経由でLTEeNodeB312上のスプリッタ310ポートに接続されてよい一方で、他方のRFボードは、3dBiオムニアンテナ301に接続されてよい。
【0057】
例示的な実施形態において、LTE-WiFiブリッジ304は、46.08MHzでeNodeB312から10MHzのダウンリンクLTEチャネルをサンプリングしてよい。これは、この実施形態における10MHzのLTEチャネルのサンプリングレートのちょうど3倍である。次に、このオーバーサンプリングされたデータが、他方のRFドーターボードによって5GHz WiFiネットワークに即時に伝送されてよい。LTE信号のスペクトル電力特性(したがって、干渉の振舞いも)は、様々な実施形態により、WiFiネットワークにブリッジ接続された後も保たれる。ブリッジ304は、転送される信号に位相オフセットを生じさせてよいが、本原理によれば、転送されるLTE信号は、WiFiネットワーク上で復号されなくてよいので、このことは、テストベッド(または現実世界のネットワーク機能)に影響を及ぼさなくてよい。いくつかの実施形態において、USRP314、318の両方にわたる周波数同期および時間同期が、共通の基準クロックソース316を使用することによって保たれる。
【0058】
本原理により、WiFi信号を転送する代わりに50MHzサンプリングレート(2.5倍のオーバーサンプリング)が使用され得ること以外は、類似した設計がWiFi-LTEブリッジに関して使用されてよい。いくつかの実施形態において、各ブリッジ(LTE-WiFiおよびWiFi-LTE)は、RFケーブル303を介して、それぞれ、eNodeB312およびWiFi AP324から直接に獲得された信号を転送してよい。したがって、循環的なRFブリッジ接続はまったく実行されなくてよく、WiFiネットワーク306に転送されるLTE信号は、その後、LTEネットワーク302に戻されるように転送されなくてよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、WiFi-LTEブリッジ(例えば、306-304-302)とLTE-WiFiブリッジ(例えば、302-304-306)の両方においてRFブリッジ304を使用するデータ伝送中にブリッジ接続待ち時間が存在してよい。例示のため、この例に関して、各ブリッジは、250マイクロ秒のブリッジ接続待ち時間を有するものと想定してよい。待ち時間は、例えば、本明細書の後段でさらに詳細に説明する、(i)データリソースブロック(RB)および制御リソースブロック(RB)における小規模な時間ギャップ、および(ii)LTEコンポーネントキャリア(CC)の活性化/不活性化からの大規模なギャップを含め、データトランスポートのいくつかの領域においてデータトランスポートに影響を及ぼし得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、小規模な時間ギャップが存在することが可能であり、データトランスポート中にLTE-WiFi待ち時間とWiFi-LTE待ち時間の両方に影響を及ぼし得る。例えば、例示のため、ダウンリンクLTEチャネルがWiFiネットワーク306に転送される場合に250マイクロ秒のLTE-WiFi待ち時間が存在するものと想定してよい。例えば、LTEチャネルにおいて時間ギャップが存在する事例を考慮されたい。WiFiは、このギャップ中にクリアチャネルを推測し、WiFiの伝送を開始することになる。ブリッジ接続待ち時間に起因して、このギャップはWiFiチャネルにおいて250マイクロ秒後に現れる。しかし、このことは、WiFiのパフォーマンスが、既定の遅延を伴うにしても、依然として保たれているチャネル状態に依存するので、WiFi測定にまったく影響を及ぼさないことが可能である。
【0061】
この実施形態において、WiFi-LTEブリッジも同様に250マイクロ秒のブリッジ接続遅延を被るものと想定してよい。このことは、LTEに対するWiFiの効果が500マイクロ秒の合計遅延となることを暗示する。しかし、この遅延は、WiFiがLTEに及ぼす干渉の影響に対して限られた効果しか有さない。例えば、典型的な1.5KBの802.11a WiFi伝送が、54Mbpsという最高レートにおいて280マイクロ秒(232マイクロ秒のDATA+16マイクロ秒のSIFS+32マイクロ秒のACK)の無線時間を有することを考慮されたい。この無線時間は、より低いビットレートにおいて増加し、フレームアグリゲーションが行われても増加する。いくつかの実施形態において、LTEネットワークにおける時間ギャップは、常に220マイクロ秒以下であることが可能であり、持続時間の中央値は140ミリ秒未満である。このため、ギャップにおいて始まるWiFi伝送がデータトランスポート中にLTEフレームに干渉する可能性は非常に高い。
【0062】
一実施形態において、本原理により、大規模なギャップ(例えば、数ミリ秒の)が、LTEコンポーネントキャリア(CC)の活性化/不活性化からもたらされ得る。待ち時間の影響の方がより大きく、例えば、LTEがデューティサイクルで動作させられる場合、大規模な影響をもたらす可能性がある。特に、転送待ち時間が、LTE CCの実際の活性化時間と、WiFiによってこの活性化が見られる時間の間に不一致(例えば、遅延)をもたらし得る。この遅延は、LTE CCがイネーブルにされた場合、さらなる、不合理なLTE-WiFi衝突をもたらし得る。WiFi CSMAの振舞いに対するUSRP通信遅延の影響に同様の効果が観察されている。しかし、圧倒的多数のLTE-WiFi衝突は、本原理の様々な実施形態によれば、データトランスポート中のLTEサブフレームにおける小規模な時間ギャップに起因する。
【0063】
次に、図4を参照すると、本原理の実施形態による、コンポーネントキャリアを使用するロングタームエボリューション(LTE)/WiFi共存を用いたデータトランスポートのためのシステム/方法400の図が例示されている。
【0064】
いくつかの実施形態において、LTEギャップ412、418は、使用されないままになる所定の制御割当ておよびデータ割当てに起因して生じ得る。このため、これらのギャップは、2つの方法で、すなわち、(i)使用されない/空のすべての制御RBおよびデータRBにおいてランダムなデータを伝送すること、および(ii)二次的なアンライセンスコンポーネントキャリア(CC)から制御チャネルを完全に取り除くこと(例えば、制御チャネルを一次的なライセンスCCにだけ保持して)によって容易に解消され得ることがわかる。しかし、これらのアプローチは、いくつかの限界および問題を有する。
【0065】
第1の限界は、例えば、(制御)限られたユーザ多重化が含まれ得る。制御チャネル414のサイズは、LTE伝送416中の特定のサブフレームにおいてスケジュールされ得るUEの数に直接に影響する可能性がある。いくつかの実施形態において、すべての制御チャネル414が、二次的なCCから一次的なCCに移動させられる可能性があり、このことは、すべてのCCにおいてスケジュールされ得るUEの数を大幅に制限して、その結果、ユーザダイバーシティ利得を小さくし、より待ち時間の増大につながる。したがって、急速に成長しているクラスの低帯域幅UE(例えば、Internet of Things(IoT)デバイス)が大きな影響を被る可能性がある。
【0066】
第2の限界は、例えば、(制御)セル間調整を含み得る。同一の事業者からの複数のLTE eNodeB(セル)が同一のアンライセンスキャリアにおいて動作する。この状況において、事業者は、脆弱なセルエッジクライアント(cell-edge client)の干渉のない動作のためにフラクショナル周波数繰り返し(FFR:fractional frequency reuse)を使用する。FFRは、隣接セルが、それらのセルのセルエッジUEに関して重なり合わないRBだけを利用することを確実にする。しかし、制御チャネルが抑制されることが(直交させられることも)ない場合、これらのUEは、依然として、制御チャネル干渉を被ることになる。
【0067】
第3の限界は、例えば、(データ)一様でない干渉を含み得る。トラフィックのバースト性およびクライアントの不均一性に直面しながらすべてのデータRBが埋められるのを確実にすることは難題である。しかし、より重要な課題は、LAA-LTEが、TDDモードで展開される場合に同一の周波数バンドにおいてアップリンク伝送とダウンリンク伝送の両方をサポートするという事実から生じる。すべてのリソースブロック(RB)がダウンリンクチャネルにおいて利用される場合でさえ、ギャップ412、418は、それでも、アップリンクサブフレーム中に存在し得る。各アップリンクUEは、そのUEに割り当てられているRBのセットの上でだけ伝送する。このため、任意のWiFiノードにおける総計のアップリンク干渉電力は、時とともに変化し、UEの空間トポロジに依存する。このため、eNodeB402は、任意のWiFi/LTEデバイスにおいて伝送ギャップを完全に防止しない可能性がある。
【0068】
一実施形態において、WiFi404のチャネルアクセスモード(例えば、分散型かつ非同期)とLTE406のチャネルアクセスモード(例えば、集中型かつ同期)との根本的な違いにおいて、本原理により対処が為されて、シームレスで効率的な共存が可能にされ得る。共存は、LTEノードがアンライセンススペクトルにおいて非同期でアクセスするが、同期で伝送すること(A2TS)を可能にすることによって実現され得る。WiFiノードは、変更されないままであってよい。LTE動作のこのハイブリッドモード(例えば、A2TS)は、LTEノードが、LTEの同期規格を遵守したままでありながら、他のWiFiノードに公平な様態でチャネルアクセスを非同期で競うことを可能にする。
【0069】
様々な実施形態によれば、LTE/WiFi共存を用いたデータトランスポートに関する重要な特徴は、本原理によりLTE-UとLAA-LTE(およびその他のLTE)の両方との適合性を保っていることである。さらに、LTEスモールセルが複数のインターフェース(例えば、LTE、406WiFi404)を備えることが増えている傾向をデータトランスポート中に活用して、共存が可能にされ得る。特に、アクセスされるアンライセンスCCごとに、チャネルコンテンション/アクセスの目的に限って同一のチャネル上で補助的WiFiインターフェースが使用されてよい。WiFiインターフェースがそのチャネルに対するアクセスを得ると、WiFiインターフェースは、本原理により、特定のチャネル確保時間周期410にわたってそのチャネルを確保し、適切なネットワーク割当てベクトル(NAV)値でCTS-to-Selfフレーム420を使用してよい。WiFiインターフェースは、その後、そのチャネルをLTEインターフェースに譲渡し、時間418にわたってUEに対するダウンリンク伝送のためにそのチャネル上のアンライセンスCCを明け渡す。
【0070】
いくつかの実施形態において、LTE伝送416が始まる前にチャネルが確保されてよく、LTE伝送は、サブフレーム境界で開始すること、および停止することをしなければならないので、確保持続時間の始めと終わりに使用されないさらなる確保時間(例えば、1ミリ秒までの)が存在し得る。WiFiベースの検知および通知でLTEを補完することによって、LTE伝送ギャップ412、418だけでなく、WiFi/LTEデバイスが高い感度で干渉を検出するのを助ける。しかし、TALOSは、実際的な実現に向けて3つの課題、すなわち、衝突、公平性、および効率を克服しなければならない。本原理は、ダウンリンクLTE伝送とアップリンクLTE伝送の両方に適用可能であるが、例示を簡単にするため、ダウンリンクに関するデータトランスポートについてだけ、本明細書において説明する。
【0071】
いくつかの実施形態において、A2TSを意識したスケジューリング中に衝突が生じる可能性があり、非同期アクセス(例えば、WiFi)ネットワークにおける隠れた端末が、受信機において予期しない衝突をもたらし得る。そのような問題は、LTE-U/LAA-LTEに関して、複数のUEがダウンリンクチャネル上で同時にスケジュールされ得る(例えば、図6を参照してさらに詳細に説明される)ので、重要な課題である。すべてのUEのチャネル状態を単に送信機におけるチャネル状態で近似することは、推測されたチャネルステータスが非常に不正確となることをもたらすことになる。主な要因は、eNodeB402のCTS復号範囲内にあるWiFiノードだけがCTS 420 NAV情報に応答して伝送を一時停止することである。このため、WiFiノードがeNodeB402から遠く離れているほど、WiFiノードが進行中のダウンリンク伝送に干渉する可能性はより高くなる。その結果、異なるUEは、異なるレベルのWiFi干渉を経験することになり、eNodeB402により近いUEは、CTS420カバレッジ領域の端のUEと比べて干渉の影響をより受けにくい)。
【0072】
いくつかの実施形態において、本原理による非同期でアクセスし/同期で伝送する(A2TS)ことを意識したスケジューリングは、アンライセンスキャリアにおけるUEのインテリジェントなスケジューリングを介して前述の課題に対処する。大まかに言って、干渉の影響をより受けやすいUEは、UEのフレームロス率を測定することによって識別されてよく、一貫して高いロス率を有するUEは、それらのUEがWiFi干渉を受けないライセンスCC上にスケジュールされてよい。このことは、干渉を受けやすい(潜在的にセルエッジの)UEがライセンスキャリアにおいて十分な保護を受けることを、それらのUEが他のWiFiデバイスにもたらす干渉を軽減しながら(例えば、LTEアップリンクもアンライセンスキャリアにおいて動作する場合に)、可能にする。他方、干渉の影響をより受けにくいUEは、引き続きアンライセンスキャリア上でスケジュールされる。
【0073】
アンライセンスダウンリンクキャリア上で伝送されるべきデータは、1つまたは複数のトランスポートブロックに区分化されてよく、各サブフレームにおいて複数のトランスポートブロックが伝送される。UE肯定応答(ACK)またはUE否定応答(NACK)はそれぞれ、ブロックを別々にトランスポートし、eNodeB402は、これらのトランスポートブロックの肯定応答を追跡して、確保周期410における各UEの平均データロス率を決定する。
【0074】
いくつかの実施形態において、各サブフレームの伝送前に実行され得る既存のLTEスケジューラが活用されてよい。各サブフレーム伝送の前に、UEのフレームロス率によりスケジュールされるべきUEのセットを並べ替えるスケジューリング前のステップが、本原理により実行されてよい。次に、アンライセンスCCにおけるサブフレームリソースが、UEに、UEのロス率が高くなる順番に割り当てられてよい。すべてのRBが割り当てられた後に残るUEは、大多数が干渉を受けやすいUEであり、次に、これらのUEが、本原理の様々な実施形態によりライセンスCCにおいてスケジュールされてよい。
【0075】
次に、図5を参照すると、本原理の実施形態による、拡張可能なチャネル確保を使用するロングタームエボリューション(LTE)/WiFi共存を用いたデータトランスポートのためのシステム/方法500の図が例示されている。一実施形態において、本原理によりA2TSを意識したコンテンションを使用して公平性が可能にされ得る。例えば、WiFiにおけるキャリア検知多元接続(CSMA)の振舞いに、コンテンションウインドウおよびバックオフポリシーが影響を与える可能性がある。しかし、WiFi CSMAポリシーは、2つの理由で効率的には直接に適用され得ない。
【0076】
第1に、WiFiチャネルアクセス確率は、最大コンテンションウインドウサイズWmaxおよび最小コンテンションウインドウサイズWminによって制約される。既存のWiFiコンテンションウインドウ範囲は、通常のWiFiフレームサイズに関して適切である。しかし、各TALOS確保持続時間は、WiFiフレームと比べて相当により長い(例えば、LAA-LTEの場合、1~10ミリ秒、LTE-Uの場合、数十ミリ秒)。チャネルアクセス確率を変更しないままにした場合、TALOSは、チャネルの不公平なシェアを占有することになり、WiFiノードの窮乏につながる。
【0077】
第2に、本原理は、1対多伝送モデルを使用し得る(例えば、図6に示されるとおり)。この場合、少なくとも1つのUEがWiFiからの衝突に出会う確率は、大幅により高い。このため、1つのUEが衝突を経験した場合でさえ、本原理によるシステムおよび方法がバックオフを行った場合、高い発生率のバックオフを経験する可能性が非常に高く、このため、スループットの欠乏がもたらされ得る。他方、すべてのUEが衝突を経験した場合に限ってバックオフが行われた場合、チャネルを競う際に過度に積極的となる可能性が高く、WiFiに対する不公平につながる。
【0078】
いくつかの実施形態において、本原理により、時間506にわたるチャネル確保(例えば、508、512)中にコンテンションウインドウサイズを拡大することによって公平なチャネルアクセスが提供されてよい。例えば、WiFi AP/STAと、LTE eNodeB/UEとを有するネットワークを、LTE eNodeB/UEがそれぞれWiFi APおよびWiFi STAで置き換えられた別のネットワークと比較されたい。第1のネットワークからのWiFi AP/STAが第2のネットワークにおいての場合と同一のスループットを得る場合、そのチャネルのLTEシェアは公平であるものと考えられる。そのような公平な共有を可能にするのに、以下の2つの方面でコンテンション機構が調整されてよい。
【0079】
第1に、コンテンションウインドウサイズが線形的に拡大されてよい。例えば、確保持続時間508、512を、L×WiFiフレームの伝送無線時間とし、その持続時間508、512のコンテンションウインドウ範囲を[LWmin,LWmax]に設定する。したがって、ランダムなバックオフ間隔bは、
【数1】
に増加され、ここで、
【数2】
である。この線形の拡大は、本原理によりWiFiに対するスループット公平性を保つ。
【0080】
第2に、衝突が生じたときにコンテンションウインドウを2倍にする代わりに、様々な実施形態により、
【数3】
がサブフレーム衝突率に比例して増加されてよい。例えば、eNodeBは、オン周期中にスケジュールされている各データパケット(例えば、LTEトランスポートブロック)に関してハイブリッド自動再送要求(HARQ)カウンタ(例えば、0から3までの値)を保持することが可能である。異なるUEに関する確保持続時間全体にわたって複数のデータパケットがスケジュールされ得る。eNodeBは、UEからのNACK(例えば、ACKの欠如)があると、HARQカウンタを1だけインクリメントしてよい。次に、本原理により、現在の確保周期における伝送されたすべてのデータパケットの平均HARQ値
【数4】
が計算されてよい。
【数5】
が前の周期からの平均HARQを超えている場合、次の確保持続時間に関するバックオフウインドウ限度は、
【数6】
に増加される。
【数7】
の倍率が、バックオフインクリメントがLTEトランスポートブロックのロス率に比例することを確実にする。前の周期からの平均HARQを超えていない場合、
【数8】
に設定し、バックオフ間隔(b)は、本原理により、以下、すなわち、
【数9】
のとおりランダムに選択されてよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、本原理によりデータトランスポートのために拡張されたチャネルアクセスが提供されてよい。WiFi活動がほとんど、またはまったく存在しない状態で、既存のLTEの特徴(例えば、無線リソース管理およびUE同期)が、例えば、数百ミリ秒ないし数秒のより長い時間スケールにわたって動作するので、LTE-LTE間共存には、より長いオン持続時間が有益となる。LTE-Uが使用される場合、例えば、アンライセンスキャリアをイネーブルにすることのオーバーヘッドが8ミリ秒であることに対処することを含め、さらにより大きい課題が存在する。これらの課題、ならびに複数の状況におけるデータトランスポート中に存在するその他の課題を克服するのに、本原理の様々な実施形態により、このオーバーヘッドを償却するようにより長い持続時間にわたって動作する柔軟性が提供され得る。したがって、このため、本原理により、特定の閾値(例えば、CTS-to-Self NAVフィールドによって許容され得る32ミリ秒)を超える確保持続時間がサポートされ得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、本原理により、時間506にわたってチャネル確保508、512を延長するように連続的なCTS-to-Selfフレーム516が使用されてよい。しかし、WiFiインターフェース上のさらなるCTS-to-Selfパケット506(例えば、最初のパケットを超える)は、同一のノード上の進行中のLTE伝送に干渉する可能性がある。可能な1つのオプションは、CTSパケット516をLTE伝送のちょうど終わりに送信することである。しかし、このことは、2つのインターフェースの間で極めて緊密なPHY層同期を要求し、このことが、PHY層変更を要求する。LTE-Uの場合、各活性化も8ミリ秒のオーバーヘッドを被り得る。
【0083】
いくつかの実施形態において、この限界を克服するのに、現在のチャネル確保510の最後のLTEダウンリンクサブフレームにおいてデータ502、504伝送がまったくスケジュールされず、この最後のサブフレーム510内に大きな時間ギャップをもたらしてよい。基準信号514が含められる(例えば、抑制されない)ので、UEにおいてLTEキャリアにまったく乱れはない。WiFiインターフェースのコンテンションウインドウサイズは、0に設定されて、WiFiインターフェースが、チャネルにアクセスする機会を与えられたときにバックオフしないようにしてよい。WiFiインターフェースは、最後のLTEサブフレーム510の空のデータRB中に伝送機会を検出すると、本原理により、SIFS持続時間によって隔てられた\3つのCTS-to-Selfパケット516を相次いで即時に送信する。
【0084】
本発明の原理は、様々な実施形態によりギャップサイズを活用するように使用されてよい。例えば、例示的な実施形態において、空のダウンリンクLTEサブフレームにおける基準信号514間の最小のギャップサイズ515は、133.4マイクロ秒であり得る一方で、WiFi CTSフレームおよびSIFSの無線時間の持続時間は、それぞれ、48マイクロ秒および16マイクロ秒である。このため、伝送されるCTSフレーム516は、時間ギャップ515内に容易に完全に収まることが可能である。本原理により3つのCTS-to-Self516パケットを連続して伝送することにより、様々な実施形態により、それらのパケットのうちの少なくとも1つは、LTE伝送からの基準/制御信号514によって干渉されなくてもよく(2つのインターフェースを同期させることなしに)、WiFi STAにおいて正しく受信され得る。
【0085】
いくつかの実施形態において、新たなCTS-to-Selfフレーム516が送信された後、ダウンリンクサブフレームが同一のCC上で中断されることなく引き続き送信されてよい。チャネル確保510、512のための確保延長中、LTEインターフェース上のアンライセンスCCの不活性化はまったく必要ない可能性がある。いくつかの実施形態において、検出されないWiFiデバイスに対する干渉を防止するのに、合計最大チャネル確保は、100ミリ秒に制限されてよく、このことは、本原理により複数のビーコン信号が失われることに起因するWiFi切断を防止し得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、チャネル確保510、512の各延長は、1つのサブフレームが使用されないままになるように設定されてよい。このため、この延長の確保オーバーヘッドは、確保の持続時間に依存してよい。例えば、LAA-LTE確保が毎回、32ミリ秒にわたって延長された場合、その延長は、3.1%のオーバーヘッドを被るに過ぎない。オーバーヘッドは、LTE-Uネットワークに関してさらに低い。確保延長が使用されない場合、アンライセンスCC活性化ごとに、無線時間の10までのサブフレームが使用されないことになってよい。これに対して、チャネル延長を用いる実施形態において、本原理によれば、延長ごとに1つだけのサブフレーム(例えば、最後のサブフレームが空である)。初期活性化およびその後の延長の費用は、より長い中断されないCC活性化持続時間にわたって償却され得る。このため、本原理の様々な実施形態により、より長いLTE-U確保持続時間を選択することによって、より高い効率が実現され得る。
【0087】
次に、図4および図5を引き続き参照しながら、図6を参照すると、本原理による、フレームごとに複数のユーザ機器/デバイス(UE)を用いたデータトランスポートのためのシステム/方法600の図が例示されている。一実施形態において、eNodeB602が、ダウンリンクチャネル上で同時にスケジュールされ得る複数のUE604、606、608、610に伝送してよい。
【0088】
すべてのUE604、606、608、610のチャネル状態を単に送信機におけるチャネル状態で近似することは、推測されたチャネルステータスが非常に不正確となることをもたらすことになる。
【0089】
主な要因は、eNodeB402のCTS復号範囲内にあるWiFiノードだけがCTS 420 NAV情報に応答して伝送を一時停止することである。このため、WiFiノードがeNodeB602から遠く離れているほど、WiFiノードが進行中のダウンリンク伝送に干渉する可能性はより高くなる。その結果、異なるUE604、606、608、610は、異なるレベルのWiFi干渉を経験する可能性があり、eNodeB602により近いUEは、CTSカバレッジ範囲の端のUEと比べて干渉の影響をより受けにくい可能性がある。いくつかの実施形態において、UE604、606、608、610は、同一のサブフレーム612内で異なるチャネル状態を有してよく、このことは、様々な実施形態によりUE604、606、608、610において様々な干渉/衝突レベルをもたらしてよい。
【0090】
例示的な実施形態において、LTEフレームは、10ミリ秒の持続時間を有し、各1ミリ秒長の10のサブフレーム(例えば、612)に分割されてよい。各サブフレーム612は、複数のRBに区分化されてよく、次に、それらのRBが、いくつかの種類のチャネルに分割されてよい。これらのチャネルは、例えば、(i)eNodeB602とUE604、606、608、610との間で制御情報(例えば、リソース割当て)を交換するために使用される制御チャネル414と、(ii)データペイロードを搬送するデータチャネル502、504と、(ii)UE604、606、608、610によって同期およびデータ復号のために使用される基準信号514とを含んでよい。LTEは、別々の5つまでのスペクトルバンド(例えば、コンポーネントキャリア(CC))を単一の合成チャネルに集約することが可能である。各CCは、本原理の様々な実施形態により、アップリンクトラフィックのために使用されても、ダウンリンクトラフィックために使用されてもよく、アンライセンススペクトルまたはライセンススペクトルに集中させられることが可能である。
【0091】
次に、図7を参照すると、本原理の実施形態による、ロングタームエボリューション(LTE)/WiFi共存を用いたデータトランスポートのための方法700(例えば、コンピュータ実装される)の図が例示されている。一実施形態において、ブロック702で、ネットワークにおいて干渉(例えば、LTE/WiFi干渉)が検出されてよい。ブロック704において、LTEノードが非同期アクセスおよび同期伝送のために構成されてよく、ブロック706において、それらのLTEノードにおけるLTE伝送のためにチャネルが確保されてよい。本原理により、ブロック708において、LTE伝送のために確保されたのと同一のチャネル上で補助的無線インターフェースがLTEノードにおいて設けられてよい。
【0092】
本原理の様々な実施形態により、ブロック710において、アンライセンスキャリア上で伝送されるべきデータが、複数のトランスポートブロックに区分化されてよく、その複数のトランスポートブロックは、1つまたは複数のサブフレームのそれぞれにおいて伝送される。ブロック712において、コンテンションウインドウサイズが、WiFiに対するスループット公平性を保つように拡大されてよい。例えば、図5に関して前段で説明したとおり、確保持続時間508、512を、L×WiFiフレームの伝送無線時間とし、その持続時間508、512のコンテンションウインドウ範囲を[LWmin,LWmax]に設定する。したがって、ランダムなバックオフ間隔bは、
【数10】
に増加され、ここで、
【数11】
である。この線形の拡大は、本原理によりWiFiに対するスループット公平性を保つ。
【0093】
いくつかの実施形態において、本原理により、チャネル確保が、ブロック714において、例えば、連続的なCTS-to-Selfフレームを挿入することによって延長されてよい。ブロック716において、最後のLTEダウンリンクサブフレームにおいて時間ギャップが、例えば、最後のLTEダウンリンクサブフレームにおいて任意のデータ伝送をスケジュールするのを防止することによって生成されてよい。ブロック718において、1つまたは複数のLTEノードから1つまたは複数のUEへの同期伝送が、本原理により、確保された時間周期にわたってアンライセンスキャリアを活性化すること、およびデータを伝送することによって実行されてよい。
【0094】
次に、図8を参照すると、本原理の実施形態による、ロングタームエボリューション(LTE)/WiFi共存を用いたデータトランスポートのための例示的なシステムが例示されている。一実施形態。
【0095】
システム800の多くの態様は、例示および明確さのために単数形で説明されるが、同じことが、システム800の説明に関して述べるアイテムのうちの複数のアイテムに適用され得る。例えば、単一の送信機および/または単一の受信機818について説明されるが、本原理の趣旨を保ちながら、本原理の教示により複数の送信機および/または受信機818が使用され得る。さらに、送信機および/または受信機818は、本原理の趣旨を保ちながら複数形に拡張され得るシステム800にかかわる1つの態様に過ぎないことを認識されたい。
【0096】
システム800は、1つまたは複数のLTEネットワークおよび/またはWiFiネットワーク804に接続されてよい、バス801と、1つまたは複数のLTEノード602とを含み得る。1つまたは複数のアクセスポイント806が、データトランスポートのために使用されてよく、コントローラ808(例えば、ローカルまたは遠隔の)がシステム800にコマンドを与えるのに使用されて、例えば、本原理によりデータトランスポート中に向上したLTE/WiFi共存をもたらしてよい。干渉検出器/アナライザ816が、例えば、本原理の様々な実施形態により、1つまたは複数のハードウェアセンサを使用して複数のUEのそれぞれに関するLTE/WiFi干渉レベルを測定するのに使用されてよい。
【0097】
いくつかの実施形態において、LTEノード802は、コントローラ808を使用して非同期アクセスおよび同期伝送のために制御され、かつ/または構成されてよく、チャネルリザーバ810を使用してLTEにおけるLTE伝送のためにチャネルが確保されてよい。パーティショナ812が、アンライセンスキャリア上で伝送されるべきデータを複数のトランスポートブロックに区分化するのに使用されてよく、その複数のトランスポートブロックは、本原理の様々な実施形態により1つまたは複数のサブフレームのそれぞれにおいて伝送される。
【0098】
いくつかの実施形態において、スケーラ/確保エクステンダ814が、例えば、本原理により連続的なCTS-to-Selfフレームを挿入することによってチャネル確保を延長してよい。最後のLTEダウンリンクサブフレームにおいて時間ギャップが、例えば、最後のLTEダウンリンクサブフレームにおいて任意のデータ伝送をスケジュールするのを防止することによって生成されてよい。記憶デバイス818が、様々なネットワーク構成、チャネル情報、システムコマンド、その他を記憶するのに使用されてよく、1つまたは複数の送信機および/または受信機820が、例えば、本原理により、確保された時間周期にわたってアンライセンスキャリアを活性化すること、およびデータを伝送することによって1つまたは複数のLTEノードからUEへの非同期伝送を可能にするように使用されてよい。
【0099】
以上は、すべての点で説明および例示として、ただし、制限的ではないものと理解されるべきであり、本明細書において開示する発明の範囲は、詳細な説明から決定されるべきではなく、むしろ、特許法によって許される完全な幅により解釈された特許請求の範囲から決定されるものとする。本明細書において示し、説明する実施形態は、本発明の原理を説明するに過ぎないこと、および当業者は、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく様々な変形を実施してよいことを理解されたい。当業者は、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく他の様々な特徴の組合せを実施することもできる。以上、特許法によって要求される詳細および細目とともに本発明の態様を説明してきたので、主張され、特許状によって保護されることが望まれることは、添付の特許請求の範囲に記載される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8