(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】ゲルを収容するカートリッジを備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20221013BHJP
【FI】
A24F40/30
(21)【出願番号】P 2019503565
(86)(22)【出願日】2017-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2017067449
(87)【国際公開番号】W WO2018019578
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-03
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ズベール ジェラール
(72)【発明者】
【氏名】フォルマー ジャン-イヴ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/076178(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0120225(US,A1)
【文献】国際公開第2015/177043(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/197627(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/167932(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾル形成するエアロゾル発生システム用のカートリッジであって、
第一のチャンバーハウジングを有する第一のチャンバーと、前記第一のチャンバーとは分離しており、かつ第二のチャンバーハウジングを有する第二のチャンバーとを備え、前記第一のチャンバーがゲルの形態の前記エアロゾル形成基体を収容し、また前記第二のチャンバーが吸入用の化合物の供与源を収容し、
前記第一のチャンバーハウジングおよび前記第二のチャンバーハウジングが互いに分離している、または互いに分離可能であ
り、
前記カートリッジが前記第一のチャンバーと第二のチャンバーの間にスロットを備える、
カートリッジ。
【請求項2】
前記第一のチャンバーハウジングおよび前記第二のチャンバーハウジングが機械的な相互係止によってまたは締結要素によって互いに接続されている、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記ゲルが熱可逆性ゲルを含む、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記ゲルが、寒天、またはアガロース、またはジェランガム、またはアルギン酸ナトリウムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記吸入用の化合物の供与源がニコチンの供与源または風味供与源を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記第二のチャンバーが第二のゲルを収容し、前記第二のゲルが前記吸入用の化合物の供与源を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記第一のチャンバーがニコチンの供与源を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第二のチャンバーが固体たばこ材料を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記スロットが出口のないスロットである、請求項
8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記第一のチャンバーと前記第二のチャンバーが異なる組成物を収容する、請求項1~
9のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第一のチャンバーおよび前記第二のチャンバーが出口のないチャンバーである、請求項1~1
0のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記ハウジングがサセプタ層を備える、請求項1~1
1のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記第一のチャンバーおよび前記第二のチャンバーが隣り合って位置付けられている、請求項1~1
2のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記第一のチャンバーおよび前記第二のチャンバーが互いに同一のサイズおよび形状である、請求項1~1
3のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項15】
エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するエアロゾル発生システムであって、請求項1~1
4のいずれか一項に記載のカートリッジと、電気ヒーター用の電源を備える装置本体とを備え、前記カートリッジが前記装置本体に取り外し可能なように接続されるように、または取り外し可能なように受け入れられるように構成されている、エアロゾル発生システム。
【請求項16】
前記電気ヒーターが前記カートリッジを加熱して、前記カートリッジ組立品内で前記エアロゾル形成体からベイパーを発生するように構成されているが、前記ヒーターが前記エアロゾル形成基体に直接接触しない、請求項1
5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項17】
前記ヒーターが前記第一のチャンバーハウジングの中の前記エアロゾル形成基体を加熱するように構成されている、請求項1
5または1
6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項18】
前記装置本体が前記電源と前記電気ヒーターを備える、請求項1
5、1
6または1
7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項19】
前記カートリッジが前記装置本体に接続された時、または前記装置本体の中に受け入れられた時、前記電気ヒーターが前記第一のチャンバーと前記第二のチャンバーの間に位置付けられる、請求項1
8に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生するエアロゾル発生システムに関する。特に、本発明はゲルを加熱してエアロゾル形成するエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体製剤を加熱してユーザーによる吸入用にエアロゾルを発生することによって動作する、eシガレットなどのエアロゾル発生システムが幅広く使用されている。これらは典型的に、装置部分およびカートリッジを備える。一部のシステムにおいて、装置部分は電源と、制御電子回路とを収容し、またカートリッジは、液体製剤を保持する液体貯蔵部と、液体製剤を気化するためのヒーターと、液体を液体貯蔵部からヒーターに移動させる芯とを収容する。このタイプのシステムは人気が高まってきている一方で、不都合な点を有する。一つの不都合な点は、移動中および貯蔵中の両方に、ならびにカートリッジが装置部分に接続されている時に、液体貯蔵部からの液体の漏れが起こりうることである。液体を貯蔵部からヒーターに移動させるための芯の使用は、システムを複雑にしうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第一の態様において、エアロゾル発生システムのためにエアロゾル発生カートリッジが提供されており、エアロゾル発生カートリッジは、
第一のチャンバーと、第一のチャンバーとは分離している第二のチャンバーとを備え、第一のチャンバーはゲルの形態のエアロゾル形成基体を収容し、また第二のチャンバーは吸入用の化合物の供与源を収容する。
【0004】
吸入用の化合物の供与源は、ニコチンの供与源と風味供与源のうちの一方または両方を備えてもよい。
【0005】
有利なことにゲルは室温で固体である。この文脈において「固体」とは、ゲルが安定したサイズおよび形状を有し、かつ流れないことを意味する。第一および第二のチャンバーは、異なる組成物を収容してもよい。第一のチャンバーと第二のチャンバーの両方はゲルを収容してもよい。第二のチャンバーは固体材料を収容してもよい。有利なことに、第一のチャンバーも第二のチャンバーも室温で固体でない材料を収容しない。
【0006】
この文脈においてエアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する材料または材料の混合物である。ゲルの形態のエアロゾル形成基体の提供は、貯蔵および移動のために、または使用中に有利である場合がある。エアロゾル形成基体をゲルで提供することによって、装置からの漏れのリスクが低減される場合がある。枯渇した時または使い果たした時にエアロゾル形成基体を装置に補充することはまた、例えば漏れまたはこぼれのリスクを低減することによって改善される場合がある。
【0007】
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含んでもよい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時に高密度でかつ安定したエアロゾルの形成を容易にする任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を指す。エアロゾル形成体は、カートリッジの動作温度で熱分解に対して実質的に耐性がある。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオールなど)であり、最も好ましくはグリセリンまたはポリエチレングリコールである。
【0008】
特定の温度でエアロゾル形成体を放出するのに適切であるゲル製剤または組成物は、他の化合物を保持しその後放出するために理想的に適していない場合がある。エアロゾル形成体を収容するチャンバーと、他の化合物(例えばニコチンまたは風味供与源化合物)を収容する一つ以上の他のチャンバーという別個のチャンバーを提供することによって、保持および放出の両方の改善を実現できる。
【0009】
第一のチャンバーは、ゲルに加えて追加的な材料または構成成分を収容してもよい。
【0010】
本明細書で使用される「エアロゾル発生カートリッジ」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されるエアロゾル形成基体を含む物品を指す。結果として得られるエアロゾルがニコチンを含有する時、ニコチンの供与源がゲル内に含有されることは有利である。ニコチンの供与源は、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーのうちの一方または両方の中に含まれてもよい。ニコチンは、第一のチャンバーの中のエアロゾル形成体を有するゲル内に含まれてもよく、または第二のチャンバーの中の第二のゲル内に含まれてもよく、または両方のチャンバーの中のゲル内に含まれてもよい。従って、室温でゲル内にニコチンを保持することによってニコチン含有材料のシステムからの漏れのリスクを低減することが望ましい。代替の構成において、ニコチンの供与源は、第二のチャンバー内に、例えば液体または固体材料内に収容されてもよい。
【0011】
風味化合物は第二のチャンバーの中のゲル内に含有されてもよい。別の方法として、または追加的に、風味化合物は別の形態で提供されてもよい。例えば、第二のチャンバーは、加熱された時に風味化合物を放出する固体たばこ材料を収容してもよい。第二のチャンバーは、例えば薬草の葉、たばこの葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうち一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。第二のチャンバー内の固体たばこ材料はまとめられていない形態であってもよい。たばこはゲルまたは液体内に含有されてもよい。第二のチャンバーは、加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を収容してもよい。
【0012】
第一のチャンバーまたは第二のチャンバーは、例えば揮発性風味化合物を含むカプセルを収容してもよく、またこうしたカプセルは、例えば加熱中に溶融することによってその内容物を放出してもよい。
【0013】
有利なことに、ゲルは熱可逆性ゲルを含む。これは、ゲルが溶融温度まで加熱された時に流体になり、ゲル化温度で再度ゲルへと固まることを意味する。ゲル化温度は室温以上であり、かつ大気圧以上であることが好ましい。この文脈において室温は摂氏25度を意味する。大気圧は1気圧の圧力を意味する。溶融温度はゲル化温度より高いことが好ましい。ゲルの溶融温度は摂氏50度、または摂氏60度、または摂氏70度より高いことが好ましく、また摂氏80度より高いことがより好ましい。この文脈において溶融温度は、ゲルがもはや固体ではなくなり、流れ始める温度を意味する。ゲルは、寒天またはアガロースまたはアルギン酸ナトリウムを含むことが好ましい。ゲルはジェランガムを含んでもよい。ゲルは材料の混合物を含んでもよい。ゲルは水を含んでもよい。
【0014】
ゲルは単一のブロックとして提供されてもよく、または複数のゲル要素(例えば、ビーズまたはカプセル)として提供されてもよい。ビーズまたはカプセルの使用は、第一の(または第二の)チャンバーをエンドユーザーによって単純に再充填することを可能にする場合がある。カプセルまたはビーズの使用はまた、加熱およびそれに続く冷却の後のゲル化の際にゲルが同一のカプセルまたはビーズを形成しないため、カートリッジが既に使用されている時にユーザーが気付くことを可能にする場合がある。
【0015】
ゲル化剤として寒天が使用される時、ゲルは0.5~5重量%の寒天を含むことが好ましい(および0.8~1%重量の寒天を含むことがより好ましい)。ゲルは0.1~2重量%のニコチンをさらに含んでもよい。ゲルは30重量%~90重量%のグリセリンをさらに含んでもよい(および70~90重量%のグリセリンを含むことがより好ましい)。ゲルの残りの部分は水および任意の風味剤を含んでもよい。
【0016】
ゲル化剤としてジェランガムが使用される時、ゲルは0.5~5重量%のジェランガムを含むことが好ましい。ゲルは0.1~2重量%のニコチンをさらに含んでもよい。ゲルは30重量%~99.4重量%のグリセリンをさらに含んでもよい。ゲルの残りの部分は水および任意の風味剤を含んでもよい。
【0017】
一実施形態において、ゲルは2重量%のニコチンと、70重量%のグリセロールと、27重量%の水と、1重量%の寒天とを含む。別の実施形態において、ゲルは65重量%のグリセロールと、20重量%の水と、14.3%重量のたばこと、0.7重量%の寒天とを含む。
【0018】
有利なことに、カートリッジは、熱源またはヒーターにエアロゾル形成体を移動するための移動要素または機構を備えない。第一のチャンバーまたは第二のチャンバーの内容物は有利なことに、望ましいエアロゾルを発生するためにインサイチューで加熱される。この文脈においてインサイチューとは、内容物が使用前に保持される第一のチャンバーおよび第二のチャンバー内の同一の位置であることを意味する。毛細管芯またはポンプに対するいかなる要件もない。有利なことに、第一のチャンバーも第二のチャンバーも、ヒーターの近傍に液体もしくはゲルを保持する、または保つための不揮発性構造を備えていない。
【0019】
第一のチャンバーおよび第二のチャンバーは隣り合って位置付けられるか、もしくは一つがもう一方の中に位置付けられてもよく、または気流がまず一方のチャンバーを通過し、もしくは通り過ぎ、その後にもう一方のチャンバー通過し、もしくは通り過ぎるように、直列に配置されてもよい。
【0020】
カートリッジは第一のチャンバーと第二のチャンバーの間にスロットを備えてもよい。スロットは発熱体を受け入れるように構成されてもよい。発熱体は、例えばカートリッジがエアロゾル形成装置内に設置された時、スロット内に受け入れられてもよい。発熱体が中に受け入れられるスロットの提供は、発熱体からの熱エネルギーが、例えばシステムの他の要素または周囲空気を加熱するのではなく、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーに直接的に送られるのを容易にすることによって、効率的な加熱を提供する場合がある。有利なことに、スロットは出口のないスロットである。この文脈において「出口のない」とは、一方の端が閉じていることを意味する。出口のないスロットの提供は、システムによって発生したベイパーまたはエアロゾルから発熱体が遮蔽されることを可能にし、またヒーター上の凝縮物の堆積を防止することを助けることができる。
【0021】
カートリッジは、カートリッジ組立品と呼ばれてもよく、およびチャンバーを備えてもよく、このチャンバーは別々にエアロゾル発生システムの他の要素に挿入される、または接続される、およびエアロゾル発生システムの他の要素から取り外すことができる。カートリッジ組立品は、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーに加えて構成要素を備えてもよい。カートリッジはハウジングを備えてもよい。カートリッジのハウジングは、一つ以上の材料で形成されてもよい。適切な材料には例えば、金属、アルミニウム、ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂およびビニル樹脂などが含まれるがこれらに限定されない。
【0022】
カートリッジのハウジングは、一つ以上の熱伝導性材料で形成されてもよい。第一のチャンバーまたは第二のチャンバーの内部は、一つ以上の熱伝導性材料を含むように被覆または処理されてもよい。カートリッジを形成するために、または第一のチャンバーおよび第二のチャンバーの内部を被覆するために一つ以上の熱伝導性材料を使用することは有利なことに、ヒーターからチャンバーの内容物(例えば、ゲル)への熱伝達を増加させることができる。適切な熱伝導性材料には例えば、金属(例えばアルミニウム、クロム、銅、金、鉄、ニッケルおよび銀)、合金(真鍮および鋼など)、およびセラミック、またはこれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。有利なことに、ハウジングの少なくとも一つの壁は、室温で10ワット/メートル/ケルビンより高い熱伝導率を有する。好ましい実施形態において、ハウジングはアルミニウムで形成された少なくとも一つの壁を備える。
【0023】
カートリッジが誘導で加熱されるように構成されている実施形態において、カートリッジのハウジングはサセプタ、例えばサセプタ層を備えてもよい。サセプタ層は、例えばハウジングの壁を形成してもよく、またはハウジングの内部または外部に被覆が塗布されてもよい。サセプタは第一のチャンバーまたは第二のチャンバー内に位置してもよい。例えば、ゲルはサセプタ材料を含んでもよい。
【0024】
本発明によるエアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジは、任意の適切な方法によって形成されてもよい。適切な方法には、深絞り、射出成形、ブリスタリング、吹き込み成形および押し出しが含まれるがこれらに限定されない。
【0025】
カートリッジは、ユーザーがマウスピースで吸煙してエアロゾルを自身の口または肺の中に引き出すことを可能にするように構成されたマウスピースを備えてもよい。カートリッジがマウスピースを備える場合、マウスピースはフィルターを備えてもよい。フィルターは、低い粒子濾過効率または非常に低い粒子濾過効率を有してもよい。別の方法として、マウスピースは中空管を備えてもよい。マウスピースは気流修正器、例えば制限器を備えてもよい。
【0026】
カートリッジはマウスピース管内に提供されてもよい。マウスピース管エアロゾル形成チャンバーを備えてもよい。マウスピース管は気流制限器を備えてもよい。マウスピース管はフィルターを備えてもよい。マウスピース管は厚紙ハウジングを備えてもよい。マウスピース管は厚紙管の中に一つ以上のベイパー不透過性要素を備えてもよい。マウスピース管は、従来の紙巻たばこと類似する直径、例えばおよそ7mmの直径を有してもよい。マウスピース管は、ユーザーの口の中に定置されるように構成された口側端を有してもよく、エアロゾルはこれを通って吸入される。カートリッジは、マウスピース管の中に、例えば口側端と反対側の端に保持されてもよい。
【0027】
第一のチャンバーおよび第二のチャンバーのうちの一方または両方は出口のないチャンバーであってもよい。この文脈において「出口のない」とは一方の端が閉じていることを意味する。有利なことに、チャンバーからの出口開口部が一つだけある。カートリッジハウジングは、出口のないチャンバーを画定する少なくとも一つの液体およびベイパー不透過性外部壁を備えてもよい。有利なことに、第一のチャンバーと第二のチャンバーの両方は、出口のないチャンバーである。出口のないチャンバーの使用は漏れのリスクを低減する場合がある。チャンバーのうちの一方または両方は一つ以上の壊れやすいバリアによって密封されてもよい。
【0028】
一つ以上の壊れやすいバリアは任意の適切な材料で形成されてもよい。例えば、一つ以上の壊れやすいバリアは、例えば金属を含む箔またはフィルムで形成されてもよい。カートリッジが、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーのうちの一方または両方を密封する一つ以上の壊れやすいバリアを備える場合、装置本体は一つ以上の壊れやすいバリアを破るように構成された貫通部材をさらに備えることが好ましい。
【0029】
別の方法として、または追加的に、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーのうちの一方または両方は、一つ以上の取り外し可能なバリアによって密封されてもよい。例えば、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーのうちの一方または両方は、一つ以上の剥ぎ取り式シールによって密封されてもよい。
【0030】
一つ以上の取り外し可能なバリアは任意の適切な材料で形成されてもよい。例えば、一つ以上の取り外し可能なバリアは、例えば金属を含む箔またはフィルムで形成されてもよい。
【0031】
第一のチャンバーおよび第二のチャンバーのうちの一方または両方は、ベイパー透過性要素、例えば第一のチャンバーおよび第二のチャンバーから膜またはメッシュを通してベイパーが漏れ出ることを可能にするように構成された膜またはメッシュによって密封されてもよい。別の方法として、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーのうちの一方または両方は、弁の両側の圧力差が閾値圧力差を超えた時に、弁を通してベイパーを放出すること可能にする圧力起動式弁によって密封されてもよい。
【0032】
第一のチャンバーと第二のチャンバーは一緒に固定されていてもよいが、互いに分離可能であってもよい。第一のチャンバーと第二のチャンバーは別々に提供されてもよく、またユーザーによってスナップ嵌めまたはねじ結合などの適切な機械的な相互係止を使用して一緒に固定されてもよい。別の方法として、第一のチャンバーと第二のチャンバーは、それぞれ別個の保持要素または固定要素を使用して一緒に保持されてもよい。別の方法として、第一のチャンバーと第二のチャンバーは使用中に分離されたままでもよい。
【0033】
第一のチャンバーおよび第二のチャンバーを分離して提供することによって、「様々な組み合わせ」タイプの一連の選択肢をユーザーが利用できるようにしてもよい。第一のチャンバーの内容物は、ユーザーに対する送達のための特定の用量の標的化合物(ニコチンまたは特定の密度のエアロゾルなど)を提供してもよく、また広範な選択肢をユーザーが利用できるようにしてもよい。第二のチャンバーの内容物は風味化合物を主に提供してもよく、また第二のチャンバーに対する広範な選択肢をユーザーが利用できるようにしてもよい。ユーザーは、さまざまな第一のチャンバーの中から一つのチャンバーを選ぶことができ、またさまざまな第二のチャンバーの中から一つのチャンバーを選ぶことができ、これらを組み合わせて完全なカートリッジを形成してもよい。
【0034】
第一のチャンバーおよび第二のチャンバーが一緒に提供され、かつ互いに恒久的に固定される時でさえ、製造者が広範な異なるカートリッジ組立品を提供することによって同一の様々な組み合わせの手法が取られてもよい。
【0035】
第一のチャンバーおよび第二のチャンバーは、互いと同一のサイズおよび形状であってもよく、または互いに異なるサイズまたは形状を有してもよい。第一のチャンバーおよび第二のチャンバーのサイズおよび形状は、その内容物に適合するように、また使用時に特定の加熱速度を提供するように選ばれてもよい。
【0036】
三つ以上のチャンバーを有することも可能である。カートリッジ組立品内に三つ以上のチャンバーを有し、それらチャンバーのうちの少なくとも二つは異なる内容物を有することが望ましい場合がある。
【0037】
カートリッジは任意の適切な形状を有してもよい。
【0038】
カートリッジは実質的に円筒状であることが好ましい。
【0039】
カートリッジは任意の適切なサイズを有してもよい。
【0040】
カートリッジは、例えば約5mm~約30mmの長さを有してもよい。特定の実施形態において、カートリッジは約12mmの長さを有してもよい。
【0041】
カートリッジは、例えば約4mm~約10mmの直径を有してもよい。ある特定の実施形態において、カートリッジは約7mmの直径を有してもよい。
【0042】
エアロゾル発生装置と、上述の実施形態のうちのいずれかによるカートリッジとを備えるエアロゾル発生システムが提供されてもよい。エアロゾル発生装置は、電気的に作動するエアロゾル発生装置であることが好ましい。エアロゾル発生システムは、ユーザーによる吸入のためのエアロゾルを発生するように構成されていることが好ましい。エアロゾル発生システムは手持ち式システムであってもよく、また使用時にユーザーが吸うまたは吸い出すマウスピースを備えてもよい。
【0043】
一実施形態において、二つの分離したチャンバーであって、一つのチャンバーはゲルの形態のエアロゾル形成基体を収容し、もう一方のチャンバーは吸入用の化合物の供与源を収容する、二つのチャンバーを備えるカートリッジと、電気ヒーター用の電源を備えるエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムが提供され、カートリッジはエアロゾル発生装置に取り外し可能なように接続するように、またはエアロゾル発生装置内に取り外し可能なように受け入れられるように構成されている。分離されているチャンバーは別々に、エアロゾル発生装置に接続されてもよく、またエアロゾル発生装置から取り外されてもよい。一部の実施形態において、カートリッジはマウスピース管内に保持され、またマウスピース管はエアロゾル発生装置内に取り外し可能なように受け入れられる。
【0044】
吸入用の化合物の供与源は、ニコチンの供与源と風味供与源のうちの一方または両方を備えてもよい。
【0045】
電気ヒーターは、カートリッジを加熱してカートリッジ内でエアロゾル形成基体からベイパーを発生するように構成されてもよい。装置本体は、電源および電気ヒーターを備えてもよい。別の方法として、カートリッジは電気ヒーターのすべてまたは一部分を備えてもよい。
【0046】
エアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置は、カートリッジを受け入れるためのくぼみを有するハウジングを備えてもよい。エアロゾル発生装置は、電源から電気ヒーターの電気発熱体への電力供給を制御するように構成された電気回路を備えてもよい。
【0047】
電気発熱体は一つ以上の発熱体を含んでもよい。
【0048】
好ましい実施形態において、電気的に作動するエアロゾル発生装置は、電気発熱体と、くぼみを有するハウジングとを備え、加熱式カートリッジは空洞内に受け入れられる。発熱体は好都合なことに、カートリッジ組立品によって画定されたスロット(複数可)の中へと挿入されてもよい針、ピン、ロッド、またはブレードの形状にされてもよい。
【0049】
電気発熱体は、一つ以上の外部発熱体、一つ以上の内部発熱体、または一つ以上の外部発熱体および一つ以上の内部発熱体を備えてもよい。この文脈において「外部」とはくぼみの外側を意味し、また「内部」はカートリッジを受け入れるためのくぼみの内側を意味する。
【0050】
一つ以上の外部発熱体は、くぼみの内表面の周囲に配置された外部発熱体のアレイを備えてもよい。特定の実施例において、外部発熱体は、くぼみの長軸方向に沿って延びる。この構成で発熱体は、カートリッジがくぼみの中へと挿入され、そのくぼみから取り外される方向と同一方向に沿って延びてもよい。これは、発熱体がくぼみの長さと一致していない装置と比較して、発熱体とカートリッジの間の干渉を低減する場合がある。一部の実施形態において、外部発熱体は、くぼみの長さ方向に沿って延び、かつ円周方向に間隙を介している。発熱体が一つ以上の内部発熱体を備える場合、一つ以上の内部発熱体は、任意の適切な数の発熱体を備えてもよい。例えば、発熱体は単一の内部発熱体を備えてもよい。単一の内部発熱体は、くぼみの長軸方向に沿って延びてもよい。
【0051】
電気発熱体は電気抵抗性材料を含んでもよい。適切な電気抵抗性の材料には例えば、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料製・金属材料製の複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例には、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が含まれる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporation(1999 Broadway Suite 4300,Denver Colorado)の登録商標である。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に包埋、封入、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。発熱体は、二層の不活性材料の間で絶縁された、金属製でエッチング加工が施された箔を含んでもよい。その場合、不活性材料はKapton(登録商標)、全層ポリイミドまたはマイカ箔を含んでもよい。Kapton(登録商標)は、E.I.du Pont de Nemours and Company(1007 Market Street,Wilmington,Delaware 19898,United States of America)の登録商標である。
【0052】
電気発熱体は、温度と比抵抗の間で明確な関係を持つ金属を使用して形成しうる。こうした実施形態において、金属は適切な絶縁材料の二つの層の間のトラックとして形成されてもよい。この手法で形成された電気発熱体は、ヒーターとしておよび温度センサーとして使用されてもよい。
【0053】
電気発熱体がサセプタを備える場合、エアロゾル発生装置は、くぼみ内に変動電磁場を発生させるように配置されたインダクタと、インダクタに接続された電源とを備えることが好ましい。インダクタは変動電磁場を発生させる一つ以上のコイルを備えうる。コイル(単一または複数)はくぼみを囲みうる。
【0054】
装置は1~30MHzの変動電磁場、例えば2~10MHz、例えば5~7MHzの変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。装置は、1~5kA/mの磁界強度(H場)、例えば2~3kA/m、例えば約2.5kA/mの磁界強度を有する変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。
【0055】
本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生装置は、単一のヒーターを備えてもよい。これは有利なことに、単純な装置の構造を提供する。単一のヒーターは、使用時にくぼみに対して外部に位置付けられる外部ヒーターとして構成されてもよい。別の方法として、単一のヒーターは、使用時にくぼみの内部に位置付けられ、かつカートリッジ内のスロット内に受け入れられる内部ヒーターとして構成されてもよい。単一のヒーターは内部ヒーターとして構成されていることが好ましい。
【0056】
単一のヒーターが内部ヒーターとして構成される場合、エアロゾル発生装置は有利なことに、内部ヒーターとカートリッジの適正な一致を容易にする案内手段を備えてもよい。
【0057】
単一のヒーターは、電気抵抗性材料を含む電気発熱体であることが好ましい。電気発熱体は、例えばガラス、アルミナ(Al2O3)および窒化珪素(Si3N4)などのセラミック焼結材料、またはプリント基板もしくはシリコンゴムなどといった非弾性材料を含んでもよい。別の方法として、電気発熱体は、例えば鉄合金またはニッケルクロム合金などの弾性金属材料を含んでもよい。
【0058】
単一のヒーターは、カートリッジの両方のチャンバーを加熱するために、任意の適切な形状を有してもよい。カートリッジが装置本体に接続される時、または装置本体内に受け入れられる時、電気ヒーターは第一のチャンバーと第二のチャンバーの間に位置付けられてもよい。好ましい実施形態において、単一のヒーターは細長い内部電気発熱体である。特に好ましい実施形態において、単一のヒーターは、細長い内部電気発熱体がヒーターブレードの形態を取るように、その厚さより大きい幅を有する細長い内部電気発熱体である。
【0059】
ヒーターはエアロゾル発生装置から突出しないことが好ましい。
【0060】
エアロゾル発生システムは、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーの異なる加熱または選択的加熱を可能にするために二つ以上のヒーターを備えてもよい。例えば、第一のチャンバーを第二のチャンバーとは異なる温度に加熱することが望ましい場合がある。
【0061】
本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生装置は、電気ヒーターのうちの少なくとも一つの温度を感知するように構成された一つ以上の温度センサーをさらに備えてもよい。こうした実施形態において、コントローラは、感知した温度に基づいて電気ヒーターへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。
【0062】
電気発熱体への電力の供給を制御するために、任意の適切な電子回路を使用してもよい。電子回路は単純なスイッチであってもよい。別の方法として、電子回路は一つ以上のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラーを含んでもよい。電子回路はプログラム可能であってもよい。
【0063】
電源はDC電圧供給源であってもよい。好ましい実施形態において、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系の電池、例えばリチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池またはリチウムポリマー電池であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置としうる。電源は再充電を必要とすることがあり、またエアロゾル発生装置を一つ以上のエアロゾル発生カートリッジとともに使用するのに十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。
【0064】
エアロゾル発生装置は、電源と、本体部分との係合のために構成されたマウスピース部分とを収容する本体部分を備えることが好ましい。本体部分は、カートリッジまたはカートリッジ組立品を本体部分のくぼみ内に受け入れるように構成されてもよい。カートリッジと分離された再使用可能なマウスピースを提供することによって、カートリッジの構造を単純かつ安価なものとすることができる。
【0065】
エアロゾル発生装置のくぼみは実質的に円筒状であることが好ましい。
【0066】
本発明に関連して本明細書で使用される「円筒」および「円筒状の」という用語は、実質的に一対の対向する実質的に平面の端面を有する正円筒を指す。
【0067】
エアロゾル発生装置のくぼみは、カートリッジの直径と実質的に等しいかまたはわずかに大きい直径を有することが好ましい。
【0068】
有利なことに、システムはエアロゾル形成体をヒーターに移動させるための移動機構を備えない。カートリッジの内容物は有利なことに、望ましいエアロゾルを発生するためにインサイチューで加熱される。この文脈においてインサイチューとは、内容物が使用前に保持される第一のチャンバーおよび第二のチャンバー内の同一の位置であることを意味する。毛細管芯またはポンプに対するいかなる要件もない。
【0069】
カートリッジが、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーのうちの一方または両方を密封する一つ以上の壊れやすいバリアを備える場合、エアロゾル発生装置は一つ以上の壊れやすいバリアを破るように構成された貫通部材をさらに備えることが好ましい。
【0070】
エアロゾル発生装置は、ユーザーが片手の指の間で快適に保持できる携帯式または手持ち式のエアロゾル発生装置であることが好ましい。
【0071】
エアロゾル発生装置は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生装置は、およそ70ミリメートル~およそ120ミリメートルの長さを有してもよい。
【0072】
ここで、本発明による実施形態をさらに図示する添付図面を参照しながら本発明に関してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図2a】
図2aは、本発明の第一の実施形態によるマウスピース部分の斜視図である。
【
図2b】
図2bは、本発明の第一の実施形態による、カートリッジハウジングの第一の下部斜視図である。
【
図2d】
図2dは、
図2bのカートリッジ組立品のチャンバーのうちの一つを示す。
【
図3】
図3は、本発明による、マウスピース部分がカートリッジ部分の壊れやすい密封を貫通する実施形態を図示する。
【
図4】
図4は、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の別の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図6a】
図6aは、本発明のさらなる実施形態による、マウスピース管内に保持されるカートリッジ組立品の概略図である。
【
図6b】
図6bは、
図6aのマウスピース管内の要素の分解組立図である。
【
図7】
図7は、
図6aのマウスピース管を通る気流の図示である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図である。システムは、エアロゾル発生装置10および交換可能なカートリッジ20を備える。エアロゾル発生装置は、装置本体12およびマウスピース部分14を備える。
【0075】
装置本体12は、リチウムイオン電池16である電源および電子制御回路18を備える。装置本体はまた、装置本体のハウジング内のくぼみ24の中へと突出するブレードの形態であるヒーター22を含む。ヒーターは、セラミック基板材料上に電気抵抗性トラックを備える電気ヒーターである。制御回路は、電池16から電気ヒーター22への電力の供給を制御するように構成されている。
【0076】
マウスピース部分14は、単純な押し嵌めを使用して装置本体と係合されるが、スナップ嵌めまたはねじ結合などの任意のタイプの接続が使用されてもよい。この実施形態においてマウスピース部分は、いかなるフィルター要素も有しない単純なテーパー付き中空管であり、
図2aで詳細に示されている。しかしながら、一つ以上のフィルター要素をマウスピース部分内に含むことが可能である。マウスピース部分は、空気吸込み穴42を備え、エアロゾル形成チャンバー40(
図1に示す)を囲み、このエアロゾル形成チャンバー内でベイパーはユーザーの口に入る前の気流中で凝縮できる。
【0077】
カートリッジ20は、出口のないチャンバーを画定するハウジングを備える。二つのチャンバー30、32は、マウスピース端で開口する。膜37(
図1に示す)はチャンバーの開放端を密封する。使用前にユーザーが剥ぎ取る除去可能な密封が膜の上にわたって提供されてもよい。ヒーター22を中に受け入れるために、出口のないスロット34が二つのチャンバーの間に提供されている。出口のないスロット34はマウスピース端で閉じられている。第一のチャンバー30は、ニコチンおよびエアロゾル形成体を含む第一のゲルを保持し、また第二のチャンバー32は、細かく切られたたばこの葉を含む第二のゲルを保持する。
【0078】
図2bは、カートリッジ組立品ハウジングの下部の斜視図である。
図2cは、カートリッジ組立品ハウジングの斜視図である。カートリッジ20は概して円筒形状である。第一のチャンバー33および第二のチャンバー35は分離しており、かつ等しいサイズおよび形状であり、また接合部分36で一緒に保持されている。第一のチャンバー33および第二のチャンバー35は、保持リング39によって一緒に保持されている。両方のチャンバーハウジングは、保持リング39を係合する。別個のクリップもしくはブラケット、またはチャンバーの各々の相互係止またはスナップ嵌め機能の提供など、チャンバーを一緒に保持する他の手段が可能である。チャンバーが一緒に保持された時、チャンバーの間に出口のないスロット34が形成される。対応するリブをくぼみ24の中に係合するために、一つのチャンバー35の壁の中にチャネル38が提供されている。これは、ヒーターブレードがスロット34の中に受け入れられる一つの向きでのみカートリッジ組立品がくぼみ24へと挿入されうることを確実にする。
【0079】
図2dは、出口のないスロット34の形状を示す
図2bおよび
図2cに示すチャンバーのうちの一つのハウジングを示す。スロットの形状はヒーターのブレード形状と合致する。
【0080】
第一のチャンバー30内の第一のゲルは、グリセリンおよびポリエチレングリコールなどの一つまたは二つのエアロゾル形成体を含む。エアロゾル形成体の相対濃度を、システムの特定の要件に適合させることができる。この実施形態において第一のチャンバー30内のゲルは、2重量%のニコチン、70重量%のグリセリン、27重量%の水、1重量%の寒天を含む。
【0081】
ゲル化剤は寒天であることが好ましい。これは85℃より高い温度で溶融し、またおよそ40℃でゲルに戻る特性を有する。この特性によって寒天は高温環境で適切である。このゲルは50℃で溶融せず、これは例えばシステムが日の当たる所にある高温の自動車内に残された場合に有用である。およそ85℃での液体への相転移は、ゲルがエアロゾル化を誘発するために比較的低温まで加熱されることしか必要としないことを意味し、これは低エネルギー消費を可能にする。寒天の代わりに寒天の構成成分のうちの一つであるアガロースのみを使用することが有益である場合がある。
【0082】
第二のチャンバー32の中の第二のゲルは、65重量%のグリセリン、20重量%の水、14.3重量%の固体粉末たばこ、0.7重量%の寒天を含む。
【0083】
メントールなどのさらなる風味または異なる風味は、いずれかのゲルの形成の前に、水、またはプロピレングリコールもしくはグリセリンのいずれかに添加できる。
【0084】
各々のカートリッジ内に提供されるゲルの量はまた、特定のニーズに合わせて選ぶことができる。各々のカートリッジは、ユーザーに対して単一の投与または使用セッションを提供するために十分なゲルを収容してもよく、または幾つかのもしくは数多くの投与または使用セッションのために十分なゲルを収容してもよい。
【0085】
動作時にシステムは連続的な加熱モードで動作するように構成されている。これは、感知されたユーザーの吸煙に応答してヒーター22がカートリッジを加熱するのではなく、動作セッション中ずっとカートリッジを加熱することを意味する。ユーザーは単純なスイッチ(図示せず)を使用してシステムをオンに切り替え、ヒーターがカートリッジを加熱する。エアロゾルが発生される動作温度にいつ達したかを示す表示をユーザーに提供できるように、温度センサーがシステム内に含まれてもよい。ゲルは85℃より高温に加熱されると液体になる。ニコチンおよびグリセリンを含有するエアロゾルは、180℃~250℃の温度で発生する。動作中、ヒーターはおよそ250℃で動作する。ヒーターは起動後に一定時間、例えば6分間動作してもよく、またはユーザーがシステムのスイッチをオフにするまで動作してもよい。動作時間は、カートリッジ内に収容されたゲルの量に依存してもよい。
【0086】
カートリッジハウジングは、良好な熱導体であるアルミニウムで形成される。ヒーターは、ゲルまたはいかなる発生したベイパーもしくはエアロゾルと決して接触しない。ヒーターは出口のないスロット34内に保持され、そのため発生したエアロゾルから分離される。これは、動作時に望ましくない化合物発生をもたらす可能性のあるヒーター上の凝縮物の堆積が生じないことを確実にする。
【0087】
図3は、カートリッジのチャンバーの各々が壊れやすい密封要素によって密封された実施形態を図示する。マウスピース部分は、密封要素を貫通して、チャンバー内に発生したベイパーが二つのチャンバーから漏れ出ることを可能にするために使用される。
【0088】
図3aは、装置12の中へのカートリッジ20の挿入を図示する。
図1の通り、カートリッジは第一のチャンバー30と、第二のチャンバー32と、チャンバーの間の出口のないスロット34とを備える。チャンバーは密封要素50によって密封される。
【0089】
図3bは、装置の中へと挿入されたカートリッジを、チャンバーの間のスロット34内に受け入れられたヒーター22とともに示す。次いで、マウスピース部分14が装置本体部分12に接続される。
図3bは、マウスピース部分の挿入の方向を図示する。マウスピース部分には壊れやすい密封要素を貫通し、第一のチャンバーおよび第二のチャンバー内で発生したベイパーが漏れ出るための通路54を提供するように作用する貫通要素52が提供されている。
【0090】
図3cは、貫通要素52が第一のチャンバーおよび第二のチャンバーの中へと延び、かつベイパーが第一のチャンバー30および第二のチャンバー32からマウスピース部分内のエアロゾル形成チャンバーの中へと漏れ出ることを可能にする、完全に挿入された位置にあるマウスピース部分14を示す。ベイパーは冷やされ、マウスピース部分内の気流の中に同伴されて、ユーザーによって吸い込まれる前にエアロゾルを形成する。
図1の実施形態の通り、マウスピース部分には空気吸込みが提供されてもよい。別の方法として、または追加的に、マウスピース部分の中への気流経路が装置を通して提供されてもよい。別の方法として、または追加的に、気流経路が第一のチャンバーおよび第二のチャンバーを通して提供されてもよい。
【0091】
図4は、本発明のさらなる実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図である。
図4の実施形態において、ヒーター122は、カートリッジ組立品内に形成されたスロットの中へと延びるのではなく、装置部分のくぼみの外側上にあり、その中にカートリッジ組立品が受け入れられる。装置本体112は、リチウムイオン電池116である電源および電子制御回路118を備える。装置本体はまた、装置本体のハウジング内のくぼみ124の周囲に延びるヒーター122を含む。ヒーターは、可撓性基板上に提供された電気抵抗性トラックを備える電気ヒーターである。具体的には、発熱体は、Kapton(登録商標)の二つの層の間に保持された、トラックを形成する金属のエッチングされた箔を備える。可撓性基板上に提供された電気抵抗性のあるトラックを備えたヒーターを提供することで、くぼみに適合するようにヒーターを要求される形状へと製造および形成することがより簡単になる場合がある。制御回路は、電池116から電気ヒーター122への供給電力を制御するように構成されている。
【0092】
図4のカートリッジは、
図1に示すカートリッジと類似している。カートリッジの二つのチャンバー内のゲルの組成物は、
図1の実施形態でのものと同一であってもよい。カートリッジハウジングはまた、アルミニウムで形成される。しかしながら、
図4の実施形態において、出口のないスロットではなく、端部が開口しているスロット134が提供されている。端部が開口しているスロット134は、装置本体内の空気吸込み口142からマウスピース部分114内のエアロゾル形成チャンバー140への気流経路を提供する。マウスピース部分114を使用してカートリッジを開口するために、異なる気流経路のために作製された適切な適合を有して、
図3に示すものと類似のカートリッジ貫通構成が使用されてもよい。二つのチャンバーは、
図1の実施形態でのように分離されかつ一緒に保持されてもよく、またはその使用を通して互いに分離されたままでもよい。
【0093】
動作時にシステムは、
図1の実施形態でのように連続的な加熱モードで動作するように構成されている。これは、感知されたユーザーの吸煙に応答してヒーター122がカートリッジを加熱するのではなく、動作セッション中ずっとカートリッジを加熱することを意味する。ユーザーは単純なスイッチ(図示せず)を使用してシステムをオンに切り替え、ヒーターがカートリッジを加熱する。動作温度にいつ達したかを示す表示をユーザーに提供できるように、温度センサーがシステム内に含まれてもよい。ゲルは85℃より高温に加熱されると液体になる。ニコチンおよびグリセリンを含有するエアロゾルは、180℃~250℃の温度で発生する。動作中、ヒーターはおよそ250℃で動作する。ヒーターは起動後に一定時間、例えば6分間動作してもよく、またはユーザーがシステムのスイッチをオフにするまで動作してもよい。
【0094】
図5は、本発明のなおさらなる実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図である。
図5の実施形態は、抵抗加熱を使用することによってではなく、誘導加熱を使用することによって動作される。カートリッジが受け入れられるくぼみの周囲か内側かのいずれかで抵抗ヒーターを使用する代わりに、装置本体は、この実施例においてカートリッジの一部として、くぼみを包囲するインダクターコイルを備え、かつサセプタがくぼみ内に提供されている。
【0095】
装置本体212は、リチウムイオン電池216である電源および電子制御回路218を備える。装置本体はまた、装置本体のハウジング内のくぼみの周囲に延びる誘導コイル224を含む。装置本体はまた、誘導コイル224に提供されるAC信号を発生するための電気回路220を備える。
【0096】
マウスピース部分214は、
図1に示すマウスピース部分と類似しており、エアロゾル形成チャンバー240を囲む。この実施例において、空気吸込み口242は、マウスピース部分と装置本体の接合部で提供されている。
【0097】
図4のカートリッジは、
図1に示すカートリッジと類似している。カートリッジの二つのチャンバー内のゲルの組成物は、
図1の実施形態でのものと同一であってもよい。しかしながら、二つのチャンバーの隣接する壁は、ヒーターを受け入れるための出口のないくぼみを有するのではなく、交番磁界(鉄の層など)で加熱するサセプタ材料222を含む。この実施例におけるサセプタ材料は、装置本体の一部ではなくカートリッジの一部として提供されているが、サセプタ材料を装置本体の一部としてまたはカートリッジと装置本体の両方で提供することが可能である。カートリッジハウジング全体はサセプタ材料で形成されてもよく、またはサセプタ材料はカートリッジの一つ以上の表面上の被覆として提供されてもよい。サセプタ材料を第一のチャンバーおよび第二のチャンバーの中に提供して、その中に含まれたゲルまたは他の材料内で懸濁させることも可能である。
【0098】
第一のチャンバーおよび第二のチャンバーを密封するために、
図1を参照しながら説明したのと同一の手法で密封要素が提供されている。マウスピース部分114を使用してカートリッジを開口するために、異なる気流経路のために作製された適切な適合を有して、
図3に示すものと類似のカートリッジ貫通構成が使用されてもよい。別の方法として、単純な剥離可能な密封が使用されてもよく、またベイパー透過性膜が第一のチャンバー230および第二のチャンバー232の開放端にわたって提供されている。
【0099】
動作時にシステムは、
図1の実施形態でのように連続的な加熱モードで動作するように構成されている。これは、ユーザーが装置のスイッチをオンにした時に、くぼみ内で交番磁界を発生するために、装置が誘導コイルへとAC信号を供給することを意味する。これはサセプタ内に電流の流れを誘発し、結果としてサセプタの加熱をもたらす。強磁性材料がサセプタとして使用される場合、ヒステリシス損失は加熱にも寄与する場合がある。この文脈において誘導コイルは誘導ヒーターとして記述されてもよい。AC信号の大きさおよび周波数を制御することによって、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーの中の温度を制御することができる。くぼみの中に温度センサーが提供されてもよく、またフィードバック制御ループが使用される。この場合もまた、誘導ヒーターは起動後に一定時間、例えば6分間動作してもよく、またはユーザーがシステムのスイッチをオフにするまで動作してもよい。
【0100】
図6aは、本発明のさらなる実施形態の概略図である。
図6aの実施形態において、カートリッジ330はマウスピース管300の中に保持されている。流量制限器350およびライニング管340、360、370もマウスピース管内に保持されている。マウスピース管330の中に保持される構成要素を
図6bの分解組立図に示す。
【0101】
カートリッジ330は、
図2cに示すカートリッジと類似しており、かつ分離したチャンバーハウジングを備える。しかしながら、カートリッジ330には膜または密封要素がないが、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーの開放端の中へと空気が入ることを可能にするために、カートリッジの壁の中に形成された気流チャネル335と、気流チャネルの上部における空気吸込み口334とを含む。
【0102】
マウスピース管は厚紙で形成され、直径が6.6mmであり、長さが45mmである。ライニング管340は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成され、また厚紙マウスピース管がマウスピース管の中から水分を吸収するのを防止するために提供されている。ライニング管は非常に薄く作製することができ、この実施形態において厚さは0.3mmである。制限器350は、空気とカートリッジからのベイパーとの混合を確実にするために、およびライニング管360内で、制限器後に続く空間の中でのエアロゾルの発生を確実にするために、気流を制限するために提供されている。
【0103】
図7は、動作中の
図6aのマウスピース管内の気流を図示する。マウスピース管は、
図1に示すタイプの装置12のくぼみ24の中に示されているが、マウスピース14を有しない。
図7は、マウスピース管を受け入れる装置の端のみを図示する。電池および制御回路は示されていない。装置は、装置内のくぼみ24の周囲の周りに形成された内部気流通路365の中へと空気が入ることを可能にする装置空気吸込み口355を含む。スペーサー要素352はくぼみの基部に位置付けられて、空気が内部気流通路365からくぼみ24の中へと流れ、次にカートリッジ330内の気流チャネル335の中へと流れ、そして空気吸込み口334を通ってマウスピース管の内部へと流れることを可能にする
【0104】
図6aおよび
図6bに示すカートリッジは、
図1に示すタイプのヒーターまたは
図4または
図5に示すタイプのヒーターによって加熱されてもよい。動作時にシステムは、
図1でのように連続的な加熱モードで動作するように構成されている。これは、感知されたユーザーの吸煙に応答してヒーターがカートリッジを加熱するのではなく、動作セッション中ずっとカートリッジを加熱することを意味する。ユーザーは単純なスイッチ(図示せず)を使用してシステムをオンに切り替え、ヒーターがカートリッジを加熱する。第一のチャンバーおよび第二のチャンバー内のゲルは加熱されると液体になり、180℃~250℃の温度でニコチンおよびグリセリンを含有するベイパーが発生する。
【0105】
システムが動作温度である時、ユーザーはマウスピース管の口側端を吸い、マウスピース管を通して空気を引き出す。空気は内部通路365から、マウスピース管のマウスピース端とは反対側の遠位端へと引き出される。空気は気流チャネル335まで移動し、空気吸込み口334を通って、空間345の中へと入る。空気は空間345内で、第一のチャンバーおよび第二のチャンバーからのベイパーと混合する。混合した空気およびベイパーはその後、制限器350を通過し、その後冷えて、ユーザーの口の中へと引き出される前にエアロゾルを形成し続ける。動作後、カートリッジを含むマウスピース管を装置から離脱し、廃棄することができる。このタイプのマウスピース管は、システムの複数の動作を提供するために、パックで販売されても良い。
【0106】
説明された実施形態は各々、連続的な加熱スキームを動作するように構成されたものとして説明され、これにおいてヒーターは所定の時間にわたって起動され、この間にユーザーは数回の吸煙を行ってもよい。しかしながら、説明されたシステムは、異なる方法で動作するように構成されてもよい。例えば、電力は、システム内の気流センサーからの信号に基づいて、各々のユーザーの吸煙の期間のみ、ヒーターまたは誘導コイルに提供されてもよい。別の方法として、または追加的に、ヒーターまたは誘導コイルへの電力のスイッチは、ユーザーによるボタンまたはスイッチの起動に応答してオンおよびオフに切り替えられてもよい。
【0107】
図は本発明の特定の実施形態を示す。しかし、本発明の範囲の中で説明された実施形態に対する変更がなされてもよいことが明確であるべきである。特に、システムを通る気流の異なる構成が提供されてもよく、また非電気的なヒーターなどの異なる加熱構成が想定されうる。