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特許7157755二重ATX/CA阻害剤として有用な複素環式化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】二重ATX/CA阻害剤として有用な複素環式化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 257/04 20060101AFI20221013BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20221013BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20221013BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20221013BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20221013BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20221013BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20221013BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20221013BHJP
   C07D 401/08 20060101ALI20221013BHJP
   A61K 31/41 20060101ALI20221013BHJP
   C07D 403/08 20060101ALI20221013BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20221013BHJP
   C07D 401/06 20060101ALI20221013BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20221013BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20221013BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20221013BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20221013BHJP
   A61K 9/20 20060101ALN20221013BHJP
   A61K 9/48 20060101ALN20221013BHJP
【FI】
C07D257/04 B CSP
A61K31/496
C07D405/14
C07D401/12
C07D401/14
A61K31/4545
A61K31/454
C07D405/12
C07D401/08
A61K31/41
C07D403/08
C07D417/14
C07D401/06
A61K31/4433
A61K31/444
A61P27/02
C07D409/14
A61K9/20
A61K9/48
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2019550561
(86)(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2018056140
(87)【国際公開番号】W WO2018167001
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】17161249.2
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】マタイ,パトリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルト,イェロム
(72)【発明者】
【氏名】フンツィカー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,ペトラ
(72)【発明者】
【氏名】ディ・ジョルジオ,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ゴンメ,ユスティン
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-510780(JP,A)
【文献】特表2015-519380(JP,A)
【文献】国際公開第2017/050747(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/050791(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/144605(WO,A1)
【文献】J. Med. Chem.,1986年,29,1814-1820
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 257/04
A61K 31/496
C07D 405/14
C07D 401/12
C07D 401/14
A61K 31/4545
A61K 31/454
C07D 405/12
C07D 401/08
A61K 31/41
C07D 403/08
C07D 417/14
C07D 401/06
C07D 409/14
A61K 31/4433
A61K 31/444
A61P 27/02
A61K 9/20
A61K 9/48
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化33】

(式中、
は、
i) R、R、及びRによって置換されているフェニル、
ii) R、R、及びRによって置換されているピリジニル、並びに
iii) R、R、及びRによって置換されているチオフェニル
から選択され;
Xは、
i) N、及び
ii) CH
から選択され;
Yは、
i) -CH-OC(O)-、
ii) -(CHC(O)-、
iii) -(CH=CH)-C(O)-、及び
iv) -(CH≡CH)-C(O)-
から選択され;
Wは、
i) -(CR10-、
ii) -(CR10-C(O)-、
iii) -(CR10-O-、
iv) -(CR10-S-、
v) -(CR10-S(O)-、及び
vi) -(CR10-S(O)
から選択され;
は、
i) フェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換フェニル、
ii) ピリジニル環がR、R、及びRによって置換されている置換ピリジニル、
iii) チオフェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換チオフェニル、並びに
iv) チアゾリル環がR、R、及びRによって置換されている置換チアゾリル
から選択され、
は、
i) ハロ-C1-6-アルコキシ、
ii) C3-8-シクロアルキル、
iii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、
iv) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
v) C3-8-シクロアルコキシ、
vi) C3-8-シクロアルコキシ-C1-6-アルキル、
vii) テトラゾリルメチル、
viii) トリアゾリルメチル、
ix) ピラゾリルメチル、
x) C1-6-アルキルテトラゾリルメチル、
xi) C1-6-アルキルトリアゾリルメチル、
xii) C1-6-アルキルピラゾリルメチル、
xiii) ヘテロシクロアルキル-C1-6-アルコキシ
から選択され;
は、
i) ハロゲン、
ii) ヒドロキシ、
iii) シアノ、
iv) C1-6-アルキル、
v) C1-6-アルコキシ、
vi) C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、
vii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
viii) ハロ-C1-6-アルキル、
ix) ヒドロキシ-C1-6-アルキル、
x) C3-8-シクロアルキル、
xi) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、
xii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
xiii) C3-8-シクロアルコキシ、
xiv) C3-8-シクロアルコキシ-C1-6-アルキル、
xv) C1-6-アルキルカルボニルアミノ、
xvi) C3-8-シクロアルキルカルボニルアミノ
から選択され、
は、
i) H、
ii) ハロゲン、
iii) ヒドロキシ、
iv) シアノ、
v) C1-6-アルキル、
vi) C1-6-アルコキシ、
vii) C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、
viii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
ix) ハロ-C1-6-アルキル、
x) ヒドロキシ-C1-6-アルキル、
xi) C3-8-シクロアルキル、
xii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、
xiii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
xiv) C3-8-シクロアルコキシ、
xv) C3-8-シクロアルコキシ-C1-6-アルキル、
xvi) C1-6-アルキルカルボニルアミノ、
xvii) C3-8-シクロアルキルカルボニルアミノ
から選択され、
は、アミノスルホニルであり;
及びRは、独立して、
i) H、
ii) ハロゲン、
iii) ヒドロキシ、
iv) シアノ、
v) C1-6-アルキル、
vi) C1-6-アルコキシ、
vii) C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、
viii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
ix) ハロ-C1-6-アルキル、
x) ヒドロキシ-C1-6-アルキル、
xi) C3-8-シクロアルキル、
xii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、
xiii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
xiv) C3-8-シクロアルコキシ、及び
xv) C3-8-シクロアルコキシ-C1-6-アルキル
から選択され;
及びR10は、独立して、
i) H、
ii) C1-6-アルキル、及び
iii) C3-8-シクロアルキル
から選択され;
m及びnは、独立して、ゼロ、1、2、3、4、又は5から選択されるが、ただし、m及びnの合計は、2、3、4、又は5であり;
pは、ゼロ、1、又は2から選択され;
qは、ゼロ又は2から選択され;
rは、ゼロ及び1から選択される)
又は薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
が、
i) R、R、及びRによって置換されているフェニル、並びに
ii) R、R、及びRによって置換されているピリジニル
から選択され;
Xが、
i) N、及び
ii) CH
から選択され;
Yが、
i) -CH-OC(O)-、及び
ii) -(CHC(O)-
から選択され;
Wが、
i) -(CR10-、
ii) -(CR10-C(O)-、
iii) -(CR10-O-、
iv) -(CR10-S-、
v) -(CR10-S(O)-、及び
vi) -(CR10-S(O)
から選択され;
が、
i) フェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換フェニル、
ii) ピリジニル環がR、R、及びRによって置換されている置換ピリジニル、
iii) チオフェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換チオフェニル、並びに
iv)チアゾリル環がR、R、及びRによって置換されている置換チアゾリル
から選択され、
が、
i) ハロ-C1-6-アルコキシ、
ii) シアノ、
iii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
iv) C3-8-シクロアルコキシ、
v) C1-6-アルキルテトラゾリルメチル、及び
vi) テトラヒドロピラニル-C1-6-アルコキシ
から選択され;
が、
i) ハロゲン、
ii) シアノ、
iii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
iv) ハロ-C1-6-アルキル、
v) C3-8-シクロアルキル、及び
vi) C1-6-アルキルカルボニルアミノ
から選択され;
が、Hであり;
が、アミノスルホニルであり;
及びRが、独立して、
i) H、及び
ii) ハロゲン
から選択され;
及びR10が、両方ともHであり;
mが、ゼロ、1、及び2から選択され、そして、nが、1、2、及び3から選択されるが、ただし、m及びnの合計は、2、3、4、又は5であり;
pが、ゼロ、1、及び2から選択され;
qが、ゼロ及び2から選択される、
請求項1記載の化合物又は薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
が、
i) R、R、及びRによって置換されているフェニル、並びに
ii) R、R、及びRによって置換されているピリジニル
から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
が、R、R、及びRによって置換されているフェニルである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項5】
Yが、
i) -CH-OC(O)-、及び
ii) -(CHC(O)-
から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項6】
Yが、-(CHC(O)-である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項7】
Wが、
i) -(CR10-、
ii) -(CR10-S-、及び
iii) -(CR10-S(O)
から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項8】
が、
i)フェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換フェニル、並びに
ii)ピリジニル環がR、R、及びRによって置換されている置換ピリジニル
から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項9】
が、
i) ハロ-C1-6-アルコキシ、
ii) シアノ、
iii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
iv) C3-8-シクロアルコキシ、
v) C1-6-アルキルテトラゾリルメチル、及び
vi) テトラヒドロピラニル-C1-6-アルコキシ
から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項10】
が、
i) C1-6-アルキルテトラゾリルメチル、及び
ii) テトラヒドロピラニル-C1-6-アルコキシ
から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項11】
が、
i) ハロゲン、
ii) シアノ、
iii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
iv) ハロ-C1-6-アルキル、
v) C3-8-シクロアルキル、及び
vi) C1-6-アルキルカルボニルアミノ
から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項12】
が、
i) ハロ-C1-6-アルキル、及び
ii) C3-8-シクロアルキル
から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項13】
がHである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項14】
及びRが、独立して、
i) H、及び
ii) ハロゲン
から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項15】
がハロゲンである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項16】
が、
i) H、及び
ii) ハロゲン
から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項17】
及びR10が、両方ともHである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項18】
mが、ゼロ、1、及び2から選択され、そして、nが、1、2、及び3から選択されるが、ただし、m及びnの合計は、2、3、4、又は5である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項19】
m及びnが、両方とも2である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項20】
pが、ゼロ及び1から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項21】
pが、ゼロである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項22】
qが、2である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項23】
が、
i) R、R、及びRによって置換されているフェニル、並びに
ii) R、R、及びRによって置換されているピリジニル
から選択され;
Xが、
i) N、及び
ii)CH
から選択され;
Yが、
i) -CH-OC(O)-、及び
ii) -(CHC(O)-
から選択され;
Wが、
i) -(CR10-、
ii) -(CR10-C(O)-、
iii) -(CR10-O-、
iv) -(CR10-S-、
v) -(CR10-S(O)-、及び
vi) -(CR10-S(O)
から選択され;
が、
i) フェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換フェニル、
ii) ピリジニル環がR、R、及びRによって置換されている置換ピリジニル、
iii) チオフェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換チオフェニル、並びに
iv) チアゾリル環がR、R、及びRによって置換されている置換チアゾリル
から選択され、
が、
i) ハロ-C1-6-アルコキシ、
ii) シアノ、
iii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
iv) C3-8-シクロアルコキシ、
v) C1-6-アルキルテトラゾリルメチル、及び
vi) テトラヒドロピラニル-C1-6-アルコキシ
から選択され;
が、
i) ハロゲン、
ii) シアノ、
iii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
iv) ハロ-C1-6-アルキル、
v) C3-8-シクロアルキル、及び
vi) C1-6-アルキルカルボニルアミノ
から選択され;
が、Hであり;
が、アミノスルホニルであり;
及びRが、独立して、
i) H、及び
ii) ハロゲン
から選択され;
及びR10が、両方ともHであり;
mが、ゼロ、1、及び2から選択され、そして、nが、1、2、及び3から選択されるが、ただし、m及びnの合計は、2、3、4、又は5であり;
pが、ゼロ、1、及び2から選択され;
qが、ゼロ及び2から選択される、
請求項1若しくは2記載の化合物又は薬学的に許容し得る塩。
【請求項24】
2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンジル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)ピペラジン-1-カルボキシラート;
[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-イル]メチル 4-[(4-スルファモイルフェニル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラート;
[5-シアノ-3-(2,2-ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン-2-イル]メチル 4-[(4-スルファモイルフェニル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラート;
[5-クロロ-3-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]ピリジン-2-イル]メチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルホニルピペリジン-1-カルボキシラート;
[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルホニルピペリジン-1-カルボキシラート;
2-フルオロ-4-[[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-[[4-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペラジン-1-イル]メチル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボニル]ベンゼンスルホンアミド;
2-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボニル]ベンゼンスルホンアミド;
3,5-ジフルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボニル]ベンゼンスルホンアミド;
4-(4-(3-(2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
3-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチル]-4-フルオロベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-(4-(3-(2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ピペラジン-1-イル)ベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-2-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-3-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
4-(1-(3-(2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ピペリジン-4-イル)ベンゼンスルホンアミド;
4-(4-(3-(2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ピペラジン-1-イル)ベンゼンスルホンアミド;
4-フルオロ-3-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルフィニルベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]ベンゼンスルホンアミド;
2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニル-1,3-チアゾール-5-スルホンアミド;
2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-1,3-チアゾール-5-スルホンアミド;
2-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]-1,3-チアゾール-5-スルホンアミド;
3-フルオロ-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]メチルスルファニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]メチルスルフィニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]メチルスルホニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]アゼチジン-3-イル]スルファニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]アゼチジン-3-イル]スルフィニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]アゼチジン-3-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルフィニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルファニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[2-[1-[6-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチルスルファニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチルスルフィニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチルスルホニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-(6-シクロブチルオキシ-5-シクロプロピルピリジン-3-カルボニル)ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]アゼチジン-3-イル]スルファニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]アゼチジン-3-イル]スルフィニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]アゼチジン-3-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-2,3-ジフルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[3-[4-クロロ-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[3-[4-シアノ-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[2-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]エチルスルファニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[2-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[2-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[2-[1-[5-シクロプロピル-6-(シクロプロピルメトキシ)ピリジン-3-カルボニル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[4-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペラジン-1-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
5-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルチオフェン-2-スルホンアミド;
5-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]チオフェン-2-スルホンアミド;
5-フルオロ-6-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルピリジン-3-スルホンアミド;
6-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]スルファニル-5-フルオロピリジン-3-スルホンアミド;
4-[1-[3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[2-[1-[3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]-2,3-ジフルオロベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]ベンゼンスルホンアミド;
2-[2-[1-[3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]-1,3-チアゾール-5-スルホンアミド;
2-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]-1,3-チアゾール-5-スルホンアミド;
(+)-3-フルオロ-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルフィニル]ベンゼンスルホンアミド;
(+)-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-2-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
(+)-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-3-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
(-)-3-フルオロ-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルフィニル]ベンゼンスルホンアミド;
(-)-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-2-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
(-)-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-3-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
4-((4-(3-(2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンゼンスルホンアミド;
から選択される、請求項1~20のいずれか一項記載の化合物及びその薬学的に許容し得る塩。
【請求項25】
3-フルオロ-4-[[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-2,3-ジフルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
5-フルオロ-6-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルピリジン-3-スルホンアミド;
から選択される、請求項1~21のいずれか一項記載の化合物及びその薬学的に許容し得る塩。
【請求項26】
式(III)の化合物の存在下で式(II)の化合物を反応させることを含む、請求項1~22のいずれか一項記載の化合物を調製するプロセス:
【化34】

(式中、R、R、Y、W、X、m、及びnは、本明細書に定義した通りであり、そして、Yが-(CHC(O)-、-(CH=CH)-C(O)-、又は-(CH≡CH)-C(O)-である場合、Gはハロゲン又はヒドロキシであり、そして、Yが-OC(O)-である場合、Gはクロロである)。
【請求項27】
処置活性物質として用いるための、請求項1~22のいずれか一項記載の化合物。
【請求項28】
請求項1~22のいずれか一項記載の化合物と、処置的に不活性である担体とを含む医薬組成物。
【請求項29】
眼病態を治療又は予防するための、請求項28記載の医薬組成物
【請求項30】
眼病態を治療又は予防するための、請求項1~22のいずれか一項記載の化合物。
【請求項31】
眼病態を治療又は予防するための医薬を調製するための、請求項1~22のいずれか一項記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類における治療又は予防に有用な有機化合物、具体的には、炎症性病態、神経系の病態、血管及び心血管の病態、癌、並びに眼病態を治療又は予防するための、リゾホスファチジン酸(LPA)生成の阻害剤、ひいてはLPAレベル及び関連するシグナル伝達の調節剤である二重オートタキシン(ATX)/炭酸脱水素酵素阻害剤に関する。
【0002】
本発明は、式(I)の新規化合物
【化1】

(式中、
は、
i) R、R、及びRによって置換されているフェニル、
ii) R、R、及びRによって置換されているピリジニル、並びに
iii) R、R、及びRによって置換されているチオフェニル
から選択され;
Xは、
i) N、及び
ii) CH
から選択され;
Yは、
i) -CH-OC(O)-、
ii) -(CHC(O)-、
iii) -(CH=CH)-C(O)-、及び
iv) -(CH≡CH)-C(O)-
から選択され;
Wは、
i) -(CR10-、
ii) -(CR10-C(O)-、
iii) -(CR10-O-、
iv) -(CR10-S-、
v) -(CR10-S(O)-、及び
vi) -(CR10-S(O)
から選択され;
は、
i) フェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換フェニル、
ii) ピリジニル環がR、R、及びRによって置換されている置換ピリジニル、
iii) チオフェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換チオフェニル、並びに
iv)チアゾリル環がR、R、及びRによって置換されている置換チアゾリル
から選択され、
は、
i) ハロ-C1-6-アルコキシ、
ii) C3-8-シクロアルキル、
iii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、
iv) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
v) C3-8-シクロアルコキシ、
vi) C3-8-シクロアルコキシ-C1-6-アルキル、
vii) テトラゾリルメチル、
viii) トリアゾリルメチル、
ix) ピラゾリルメチル、
x) C1-6-アルキルテトラゾリルメチル、
xi) C1-6-アルキルトリアゾリルメチル、
xii) C1-6-アルキルピラゾリルメチル、
xiii) ヘテロシクロアルキル-C1-6-アルコキシ
から選択され;
は、
i) ハロゲン、
ii) ヒドロキシ、
iii) シアノ、
iv) C1-6-アルキル、
v) C1-6-アルコキシ、
vi) C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、
vii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
viii) ハロ-C1-6-アルキル、
ix) ヒドロキシ-C1-6-アルキル、
x) C3-8-シクロアルキル、
xi) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、
xii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
xiii) C3-8-シクロアルコキシ、
xiv) C3-8-シクロアルコキシ-C1-6-アルキル、
xv) C1-6-アルキルカルボニルアミノ、
xvi) C3-8-シクロアルキルカルボニルアミノ
から選択され、
は、
i) H、
ii) ハロゲン、
iii) ヒドロキシ、
iv) シアノ、
v) C1-6-アルキル、
vi) C1-6-アルコキシ、
vii) C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、
viii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
ix) ハロ-C1-6-アルキル、
x) ヒドロキシ-C1-6-アルキル、
xi) C3-8-シクロアルキル、
xii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、
xiii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
xiv) C3-8-シクロアルコキシ、
xv) C3-8-シクロアルコキシ-C1-6-アルキル、
xvi) C1-6-アルキルカルボニルアミノ、
xvii) C3-8-シクロアルキルカルボニルアミノ
から選択され、
は、アミノスルホニルであり;
及びRは、独立して、
i) H、
ii) ハロゲン、
iii) ヒドロキシ、
iv) シアノ、
v) C1-6-アルキル、
vi) C1-6-アルコキシ、
vii) C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、
viii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
ix) ハロ-C1-6-アルキル、
x) ヒドロキシ-C1-6-アルキル、
xi) C3-8-シクロアルキル、
xii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、
xiii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
xiv) C3-8-シクロアルコキシ、及び
xv) C3-8-シクロアルコキシ-C1-6-アルキル
から選択され;
及びR10は、独立して、
i) H、
ii) C1-6-アルキル、及び
iii) C3-8-シクロアルキル
から選択され;
m及びnは、独立して、ゼロ、1、2、3、4、又は5から選択されるが、ただし、m及びnの合計は、2、3、4、又は5であり;
pは、ゼロ、1、又は2から選択され;
qは、ゼロ又は2から選択され;
rは、ゼロ及び1から選択される)
又は薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0003】
オートタキシン(ATX)は、リゾホスファチジルコリン(LPC)を生物活性シグナル伝達分子リゾホスファチジン酸(LPA)に変換するために重要な、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ2又はリゾホスホリパーゼDとも呼ばれる分泌酵素である。血漿LPA濃度はATX活性とよく相関することが示されているので、ATXは、細胞外LPAの重要な供給源であると考えられる。プロトタイプATX阻害剤を用いた初期実験では、このような化合物がマウス血漿においてLPA合成活性を阻害できることが示された。1970年代及び1980年前半に行われた研究では、LPAが、平滑筋細胞の収縮、血小板の活性化、細胞の増殖、走化性などを含む広範な細胞応答を惹起し得ることが証明された。LPAは、幾つかのGタンパク質共役型受容体(GPCR)に対するシグナル伝達を介してその効果を媒介し;最初のメンバーは、以前はEdg(内皮細胞分化遺伝子)受容体又は脳室帯遺伝子-1(vzg-1)という名称であったが、現在はLPA受容体と呼ばれている。プロトタイプ群は、現在、LPA1/Edg-2/VZG-1、LPA2/Edg-4、及びLPA3/Edg-7からなっている。近年、プロトタイプのLPA1~3受容体よりもヌクレオチド選択的プリン受容体により密接に関係している3つの更なるLPA受容体LPA4/p2y9/GPR23、LPA5/GPR92、及びLPA6/p2Y5について報告された。ATX-LPAシグナル伝達軸は、例えば、神経系の機能、血管発生、心血管生理、生殖、免疫系の機能、慢性炎症、腫瘍の転移及び進行、臓器の線維症に加えて、肥満及び/又は他の代謝性疾患、例えば真性糖尿病を含む広範囲にわたる生理学的及び病態生理学的な機能に関与している。したがって、ATXの活性増大及び/又はLPAの濃度増大、LPA受容体の発現の変化及びLPAに対する応答の変化は、ATX/LPA軸に関する多くの異なる病態生理学的病態の発症、進行、及び/又は転帰に寄与し得る。
【0004】
炭酸脱水素酵素(CA)は、二酸化炭素及び水と炭酸水素及びプロトンとの間の平衡を触媒する、亜鉛依存性酵素のファミリーである。CA反応は、多くの生理学的及び病理学的なプロセスに関与している。炭酸脱水素酵素の阻害は、眼病態、血流低下の病態、癌、浮腫、及び細菌感染症を含む炎症性病態の処置に有用である。
【0005】
二重作用型ATX/CA阻害剤は、2つの独立な経路、例えば、毛様体におけるCA阻害を通じた房水(AH)生成の阻害及びAHドレナージ系内のATX阻害によるAH流出の促進を促進することによって、眼内圧を低下させると予測される。糖尿病性網膜症、加齢性黄斑疾患、又は網膜静脈閉塞症等の眼における血管漏出の病態では、CA濃度が眼内で増加し、そして、pHの上昇を促進することが示されているか又は予測されている。これによって、ATXを含む疾患進行の原因となり得る多くの加水分解酵素が活性化されると予測され、至適pHをシフトさせることによる更なるATX阻害を示唆している。
【0006】
本発明によれば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、オートタキシンの活性及び/又はリゾホスファチジン酸(LPA)の生物活性に関連する疾患、障害、又は病態の治療又は予防のために用いることができる。
【0007】
本明細書における式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、オートタキシン活性及び炭酸脱水素酵素活性を阻害するので、LPA産生を阻害し、そして、LPA濃度及び関連するシグナル伝達を調節する。本明細書に記載される二重ATX/CA-II阻害剤は、ATX活性及び/又はLPAシグナル伝達が関与しているか、疾患の原因又は病理に関与しているか、あるいは他の点で該疾患の少なくとも1つの症状に関連している疾患又は病態を治療又は予防するための剤として有用である。ATX-LPA軸は、例えば、血管形成、慢性炎症、自己免疫疾患、線維症、癌及び腫瘍の転移及び進行、眼病態、例えば肥満及び/又は真性糖尿病等の代謝性病態、胆汁うっ滞性及び他の形態の慢性掻痒症等の病態、並びに急性及び慢性の移植臓器拒絶に関わっている。
【0008】
本発明の目的は、式(I)の化合物並びにその前述の塩及びエステル、並びにその処置活性物質としての使用、該化合物の製造プロセス、中間体、医薬組成物、該化合物、その薬学的に許容し得る塩又はエステルを含有する医薬、ATXの活性及び/又はリゾホスファチジン酸(LPA)の生物活性に関連する障害又は病態を治療又は予防するため、具体的には、炎症性病態、神経系の病態、呼吸器系の病態、血管及び心血管の病態、線維症、癌、眼病態、代謝性病態、胆汁うっ滞性及び他の形態の慢性掻痒症、並びに急性及び慢性の移植臓器拒絶の治療又は予防における該化合物、塩又はエステルの使用、並びに炎症性病態、神経系の病態、呼吸器系の病態、血管及び心血管の病態、線維症、癌、眼病態、代謝性病態、胆汁うっ滞性及び他の形態の慢性掻痒症、並びに急性及び慢性の移植臓器拒絶を治療又は予防するための医薬を生成するための該化合物、塩又はエステルの使用である。より具体的には、式(I)の化合物並びにその前述の塩及びエステル、並びにその処置活性物質としての使用、該化合物の製造プロセス、中間体、医薬組成物、該化合物、その薬学的に許容し得る塩又はエステルを含有する医薬、眼病態、更に具体的には緑内障を治療又は予防するための該化合物、塩又はエステルの使用。
【0009】
用語「C-C-アルコキシ」は、式-O-R’(式中、R’はC-C-アルキル基である)の基を意味する。C-C-アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、及びtert-ブトキシを含む。
【0010】
用語「C-C-アルコキシ-C1-6-アルキル」は、C-C-アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1個がC-C-アルコキシ基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、イソプロポキシメチル、及びイソプロポキシエチルである。
【0011】
用語「C-C-アルキル」は、1~6個の炭素原子の一価の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を意味する。C-C-アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、及びペンチルを含む。具体例なアルキル基は、メチル、イソプロピル、及びtert-ブチルを含む。
【0012】
用語「C-C-アルキルカルボニル」は、式-C(O)-R’(式中、R’はC-C-アルキル基である)の基を意味する。C-C-アルキルカルボニル基の例は、R’がメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、及びtert-ブトキシである基を含む。
【0013】
用語「C-C-アルキルカルボニルアミノ」は、窒素原子が1個のH原子及びC-C-アルキルカルボニル基によって置換されているアミノ基を意味する。具体例は、窒素原子がH及びtertブチルカルボニルによって置換されているアミノ基である。
【0014】
用語「C-C-アルキルピラゾリル」は、窒素原子のうちの1個がC-C-アルキル基によって置換されているピラゾリル基を意味する。具体例は、窒素原子のうちの1個がメチルによって置換されているピラゾリル基である。
【0015】
用語「C-C-アルキルピラゾリル-C-C-アルキル」は、H原子のうちの1個がC-C-アルキルピラゾリル基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、水素原子のうちの1個がメチルピラゾリルによって置換されているメチル又はエチルの基である。
【0016】
用語「C-C-アルキルテトラゾリル」は、窒素原子のうちの1個がC-C-アルキル基によって置換されているテトラゾリル基を意味する。具体例は、窒素原子のうちの1個がメチルによって置換されているテトラゾリル基である。
【0017】
用語「C-C-アルキルテトラゾリル-C-C-アルキル」は、H原子のうちの1個がC-C-アルキルテトラゾリル基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、水素原子のうちの1個がメチルテトラゾリルによって置換されているメチル又はエチルの基である。
【0018】
用語「C-C-アルキルトリアゾリル」は、窒素原子のうちの1個がC-C-アルキル基によって置換されているトリアゾリル基を意味する。具体例は、窒素原子のうちの1個がメチルによって置換されているトリアゾリル基である。
【0019】
用語「C-C-アルキルトリアゾリル-C-C-アルキル」は、H原子のうちの1個がC-C-アルキルトリアゾリル基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、水素原子のうちの1個がメチルトリアゾリルによって置換されているメチル又はエチルの基である。
【0020】
用語「アミノ」は、-NH基を意味する。
【0021】
用語「シアノ」は、-C≡N基を意味する。
【0022】
用語「C-C-シクロアルコキシ」は、式-O-R’(式中、R’はC-C-シクロアルキルである)の基を意味する。具体例は、R’がシクロプロピルである基である。
【0023】
用語「C-C-シクロアルコキシ-C-C-アルキル」は、C-C-アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1個がC-C-シクロアルコキシ基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、C-C-シクロアルコキシ基がシクロプロポキシであるメチル又はエチルの基である。
【0024】
用語「C-C-シクロアルキル」は、3~8個の環炭素原子の一価飽和の単環式又は二環式の炭化水素基を意味する。二環式とは、共通の2個の炭素原子を有する2個の飽和炭素環からなる環系を意味する。単環式シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルである。二環式C-C-シクロアルキルの例は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル又はビシクロ[2.2.2]オクタニルである。具体的なC3-8-シクロアルキル基はシクロプロピルである。
【0025】
用語「C-C-シクロアルキル-C-C-アルコキシ」は、C-C-アルコキシ基の水素原子のうちの少なくとも1個がC-C-シクロアルキル基によって置換されているC-C-アルコキシ基を意味する。具体例は、水素原子のうちの少なくとも1個がシクロプロピルによって置換されているメトキシ又はエトキシの基である。
【0026】
用語「C-C-シクロアルキル-C-C-アルキル」は、C-C-アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1個がC-C-シクロアルキル基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、水素原子のうちの少なくとも1個がシクロプロピルによって置換されているメチル又はエチルの基である。
【0027】
用語「C-C-シクロアルキルカルボニル」は、式-C(O)-R’(式中、R’はC-C-シクロアルキル基である)の基を意味する。C-C-シクロアルキルカルボニルの例は、R’がシクロプロピルである基である。
【0028】
用語「C-C-シクロアルキルカルボニルアミノ」は、窒素原子が1個のH原子及びC-C-シクロアルキルカルボニル基によって置換されているアミノ基を意味する。具体例は、窒素原子がH及びシクロプロピルによって置換されているアミノ基である。
【0029】
用語「ハロ-C-C-アルコキシ」は、C-C-アルコキシ基の水素原子のうちの少なくとも1個が同じ又は異なるハロゲン原子によって置換されているC-C-アルコキシ基を意味する。具体例は、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシ、及びトリフルオロエトキシである。より具体的な例は、トリフルオロメトキシである。
【0030】
用語「ハロゲン」及び「ハロ」は、本明細書において互換的に用いられ、そして、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。具体的なハロゲンはクロロである。
【0031】
用語「ハロ-C-C-アルキル」は、C-C-アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1個が同じ又は異なるハロゲン原子によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル、及びトリフルオロエチルである。より具体的な例は、トリオロメチルである。
【0032】
用語「ヘテロシクロアルキル」とは、単独で又は組み合わせて、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、4~9個の環原子の一価飽和又は部分不飽和の単環式又は二環式の環系を意味する。二環式とは、共有の環原子を2個有する2個の環からなる、すなわち、該2個の環を分離する架橋が単結合又は1若しくは2個の環原子の鎖のいずれかであることを意味する。単環式飽和ヘテロシクロアルキルの例は、4,5-ジヒドロ-オキサゾリル、オキセタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、2-オキソ-ピロロリジン-3-イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリン-4-イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル、又はオキサゼパニルである。二環式飽和ヘテロシクロアルキルの例は、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクリジニル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、3-オキサ-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、又は3-チア-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニルである。部分不飽和ヘテロシクロアルキルの例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロオキサゾリル、テトラヒドロピリジニル、又はジヒドロピラニルである。具体例は、テトラヒドロピラニルである。
【0033】
用語「ヘテロシクロアルキル-C-C-アルコキシ」は、アルコキシ基の水素原子のうちの少なくとも1個がヘテロシクロアルキル基によって置換されているC-C-アルコキシ基を意味する。具体例は、テトラヒドロピラニルメトキシである。
【0034】
用語「ヒドロキシ」は、-OH基を意味する。
【0035】
用語「ヒドロキシ-C-C-アルコキシ」は、C-C-アルコキシの水素原子のうちの1個がヒドロキシ基によって置換されているC-C-アルコキシ基を意味する。具体例は、ヒドロキシエトキシ及びヒドロキシプロポキシである。
【0036】
用語「ヒドロキシ-C-C-アルキル」は、C-C-アルキル基の水素原子のうちの1個がヒドロキシ基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、ヒドロキシメチル及びヒドロキシエチルである。
【0037】
用語「フェニル-C-C-アルキル」は、C-C-アルキル基の水素原子のうちの1個がフェニル基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、フェニルメチルである。
【0038】
用語「ピラゾリル-C-C-アルキル」は、H原子のうちの1個がピラゾリル基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、水素原子のうちの1個がピラゾリルによって置換されているメチル又はエチルの基である。
【0039】
用語「テトラゾリル-C-C-アルキル」は、H原子のうちの1個がテトラゾリル基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、水素原子のうちの1個がテトラゾリルによって置換されているメチル又はエチルの基である。
【0040】
用語「トリアゾリル-C-C-アルキル」は、H原子のうちの1個がトリアゾリル基によって置換されているC-C-アルキル基を意味する。具体例は、水素原子のうちの1個がトリアゾリルによって置換されているメチル又はエチルの基である。
【0041】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的効果及び特性を保持し、そして、生物学的にも他の点でも望ましくないものではない塩を指す。該塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、具体的には塩酸及び有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステイン等と共に形成される。更に、これら塩は、遊離酸に無機塩基又は有機塩基を添加することによって調製することもできる。無機塩基に由来する塩は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウムの塩等を含むが、これらに限定されない。有機塩基に由来する塩は、一級、二級及び三級のアミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリイミンの樹脂等の塩を含むが、これらに限定されない。具体的な式(I)の化合物の薬学的に許容し得る塩は、塩酸塩、メタンスルホン酸塩、及びクエン酸塩である。
【0042】
「薬学的に許容し得るエステル」とは、インビボで親化合物に変換し直すことができる誘導体を与えるために一般式(I)の化合物を官能基で誘導体化し得ることを意味する。このような化合物の例は、生理学的に許容し得かつ代謝的に不安定なエステル誘導体、例えば、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル、及びピバロイルオキシメチルエステルを含む。更に、代謝的に不安定なエステルと同様に、インビボで一般式(I)の親化合物を生成することができる一般式(I)の化合物の任意の生理学的に許容し得る等価物も、本発明の範囲内である。
【0043】
用語「保護基」(PG)とは、合成化学において従来それに関連する意味では、ある保護されていない反応性部位で化学反応を選択的に実行することができるように、多官能性化合物の別の反応性部位を選択的にブロックする基を意味する。保護基は、適切な時点で除去することができる。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基、又はヒドロキシ保護基である。具体的な保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、及びベンジル(Bn)の基である。更に具体的な保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)及びフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)の基である。より具体的な保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)基である。
【0044】
略記uMは、マイクロモル濃度を意味し、そして、記号μMと等価である。
【0045】
略記uLは、マイクロリットルを意味し、そして、記号μLと等価である。
【0046】
略記ugは、マイクログラムを意味し、そして、記号μgと等価である。
【0047】
式(I)の化合物は、幾つかの不斉中心を含有することができ、そして、光学的に純粋な鏡像異性体、例えばラセミ体等の鏡像異性体の混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体、又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0048】
Cahn-Ingold-Prelog規則に従って、不斉炭素原子は、「R」又は「S」の立体配置をとることができる。
【0049】
また、本発明の実施態様は、本明細書に記載される式(I)に係る化合物、及びその薬学的に許容し得る塩又はエステル、具体的には、本明細書に記載される式(I)に係る化合物及びその薬学的に許容し得る塩、より具体的には、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0050】
本発明の別の実施態様は、
が、
i) R、R、及びRによって置換されているフェニル、並びに
ii) R、R、及びRによって置換されているピリジニル
から選択され;
Xが、
iii) N、及び
iv) CH
から選択され;
Yが、
v) -CH-OC(O)-、及び
vi) -(CHC(O)-
から選択され;
Wが、
vii) -(CR10-、
viii) -(CR10-C(O)-、
ix) -(CR10-O-、
x) -(CR10-S-、
xi) -(CR10-S(O)-、及び
xii) -(CR10-S(O)
から選択され;
が、
xiii) フェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換フェニル、
xiv) ピリジニル環がR、R、及びRによって置換されている置換ピリジニル、
xv) チオフェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換チオフェニル、並びに
xvi) チアゾリル環がR、R、及びRによって置換されている置換チアゾリル
から選択され、
が、
xvii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
xviii) シアノ、
xix) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
xx) C3-8-シクロアルコキシ、
xxi) C1-6-アルキルテトラゾリルメチル、及び
xxii) テトラヒドロピラニル-C1-6-アルコキシ
から選択され;
が、
xxiii) ハロゲン、
xxiv) シアノ、
xxv) ハロ-C1-6-アルコキシ、
xxvi) ハロ-C1-6-アルキル、
xxvii) C3-8-シクロアルキル、及び
xxviii) C1-6-アルキルカルボニルアミノ
から選択され;
が、Hであり;
が、アミノスルホニルであり;
及びRが、独立して、
xxix) H、及び
xxx) ハロゲン
から選択され;
及びR10が、両方ともHであり;
mが、ゼロ、1、及び2から選択され、そして、nが、1、2、及び3から選択されるが、ただし、m及びnの合計は、2、3、4、又は5であり;
pが、ゼロ、1、及び2から選択され;
qが、ゼロ及び2から選択される、
本明細書に記載される式(I)に係る化合物又は薬学的に許容し得る塩である。
【0051】
本発明の具体的な実施態様は、R
xxxi) R、R、及びRによって置換されているフェニル、並びに
xxxii) R、R、及びRによって置換されているピリジニル
から選択される、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0052】
本発明の更に具体的な実施態様は、Rが、R、R、及びRによって置換されているフェニルである、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0053】
本発明の具体的な実施態様は、Yが
xxxiii) -CH-OC(O)-、及び
xxxiv) -(CHC(O)-
から選択される、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0054】
本発明の具体的な実施態様は、Yが-(CHC(O)-である、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0055】
本発明の具体的な実施態様は、Wが
xxxv) -(CR10-、
xxxvi) -(CR10-S-、及び
xxxvii) -(CR10-S(O)
から選択される、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0056】
本発明の更に具体的な実施態様は、R
xxxviii) フェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換フェニル、並びに
xxxix) ピリジニル環がR、R、及びRによって置換されている置換ピリジニル
から選択される、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0057】
本発明の具体的な実施態様は、R
xl) ハロ-C1-6-アルコキシ、
xli) シアノ、
xlii) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
xliii)C3-8-シクロアルコキシ、
xliv) C1-6-アルキルテトラゾリルメチル、及び
xlv) テトラヒドロピラニル-C1-6-アルコキシ
から選択される、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0058】
本発明の更に具体的な実施態様は、R
xlvi) C1-6-アルキルテトラゾリルメチル、及び
xlvii) テトラヒドロピラニル-C1-6-アルコキシ
から選択される、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0059】
本発明の具体的な実施態様は、R
xlviii)ハロゲン、
xlix) シアノ、
l) ハロ-C1-6-アルコキシ、
li) ハロ-C1-6-アルキル、
lii) C3-8-シクロアルキル、及び
liii) C1-6-アルキルカルボニルアミノ
から選択される、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0060】
本発明の具体的な実施態様は、R
liv) ハロ-C1-6-アルキル、及び
lv) C3-8-シクロアルキル
から選択される、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0061】
本発明の更に具体的な実施態様は、Rが、Hである、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0062】
本発明の更に具体的な実施態様は、R及びRが、独立して、
lvi) H、及び
lvii) ハロゲン
から選択される、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0063】
本発明の具体的な実施態様は、Rが、ハロゲンである、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0064】
本発明の具体的な実施態様は、R
lviii) H、及び
lix) ハロゲン
から選択される、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0065】
本発明のより具体的な実施態様は、R及びR10が、両方ともHである、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0066】
本発明の具体的な実施態様は、mが、ゼロ、1、及び2から選択され、そして、nが、1、2、及び3から選択されるが、ただし、m及びnの合計は、2、3、4、又は5である、本明細書に記載される式I(a)に係る化合物である。
【0067】
本発明の具体的な実施態様は、pがゼロ及び1から選択される、本明細書に記載される式I(a)に係る化合物である。
【0068】
本発明の具体的な実施態様は、pが、ゼロである、本明細書に記載される式I(a)に係る化合物である。
【0069】
本発明の具体的な実施態様は、qが2である、本明細書に記載される式I(a)に係る化合物である。
【0070】
本発明の具体的な実施態様は、
が、
i) R、R、及びRによって置換されているフェニル、並びに
ii) R、R、及びRによって置換されているピリジニル
から選択され;
Xが、
iii) N、及び
iv) CH
から選択され;
Yが、
v) -CH-OC(O)-、及び
vi) -(CHC(O)-
から選択され;
Wが、
vii) -(CR10-、
viii) -(CR10-C(O)-、
ix) -(CR10-O-、
x) -(CR10-S-、
xi) -(CR10-S(O)-、及び
xii) -(CR10-S(O)
から選択され;
が、
xiii) フェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換フェニル、
xiv) ピリジニル環がR、R、及びRによって置換されている置換ピリジニル、
xv) チオフェニル環がR、R、及びRによって置換されている置換チオフェニル、並びに
xvi) チアゾリル環がR、R、及びRによって置換されている置換チアゾリル
から選択され、
が、
xvii) ハロ-C1-6-アルコキシ、
xviii) シアノ、
xix) C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルコキシ、
xx) C3-8-シクロアルコキシ、
xxi) C1-6-アルキルテトラゾリルメチル、及び
xxii) テトラヒドロピラニル-C1-6-アルコキシ
から選択され;
が、
xxiii) ハロゲン、
xxiv) シアノ、
xxv) ハロ-C1-6-アルコキシ、
xxvi) ハロ-C1-6-アルキル、
xxvii) C3-8-シクロアルキル、及び
xxviii) C1-6-アルキルカルボニルアミノ
から選択され;
が、Hであり;
が、アミノスルホニルであり;
及びRが、独立して、
xxix) H、及び
xxx) ハロゲン
から選択され;
及びR10が、両方ともHであり;
mが、ゼロ、1、及び2から選択され、そして、nが、1、2、及び3から選択されるが、ただし、m及びnの合計は、2、3、4、又は5であり;
pは、ゼロ、1、及び2から選択され;
qは、ゼロ及び2から選択される、本明細書に記載される式I(a)に係る化合物又は薬学的に許容し得る塩である。
【0071】
本明細書に記載される式(I)の化合物の具体例は、
2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンジル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)ピペラジン-1-カルボキシラート;
[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-イル]メチル 4-[(4-スルファモイルフェニル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラート;
[5-シアノ-3-(2,2-ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン-2-イル]メチル 4-[(4-スルファモイルフェニル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラート;
[5-クロロ-3-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]ピリジン-2-イル]メチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルホニルピペリジン-1-カルボキシラート;
[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルホニルピペリジン-1-カルボキシラート;
2-フルオロ-4-[[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-[[4-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペラジン-1-イル]メチル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボニル]ベンゼンスルホンアミド;
2-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボニル]ベンゼンスルホンアミド;
3,5-ジフルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボニル]ベンゼンスルホンアミド;
4-(4-(3-(2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
3-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチル]-4-フルオロベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-(4-(3-(2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ピペラジン-1-イル)ベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-2-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-3-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
4-(1-(3-(2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ピペリジン-4-イル)ベンゼンスルホンアミド;
4-(4-(3-(2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ピペラジン-1-イル)ベンゼンスルホンアミド;
4-フルオロ-3-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルフィニルベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]ベンゼンスルホンアミド;
2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニル-1,3-チアゾール-5-スルホンアミド;
2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-1,3-チアゾール-5-スルホンアミド;
2-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]-1,3-チアゾール-5-スルホンアミド;
3-フルオロ-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]メチルスルファニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]メチルスルフィニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]メチルスルホニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]アゼチジン-3-イル]スルファニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]アゼチジン-3-イル]スルフィニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]アゼチジン-3-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルフィニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルファニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[2-[1-[6-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]ベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチルスルファニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチルスルフィニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチルスルホニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-(6-シクロブチルオキシ-5-シクロプロピルピリジン-3-カルボニル)ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]アゼチジン-3-イル]スルファニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]アゼチジン-3-イル]スルフィニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]アゼチジン-3-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-2,3-ジフルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[3-[4-クロロ-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[3-[4-シアノ-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[2-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]エチルスルファニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[2-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[2-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[2-[1-[5-シクロプロピル-6-(シクロプロピルメトキシ)ピリジン-3-カルボニル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[4-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペラジン-1-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
5-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルチオフェン-2-スルホンアミド;
5-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]チオフェン-2-スルホンアミド;
5-フルオロ-6-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルピリジン-3-スルホンアミド;
6-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]スルファニル-5-フルオロピリジン-3-スルホンアミド;
4-[1-[3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[2-[1-[3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]-2,3-ジフルオロベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]ベンゼンスルホンアミド;
2-[2-[1-[3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルフィニル]-1,3-チアゾール-5-スルホンアミド;
2-[2-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]エチルスルホニル]-1,3-チアゾール-5-スルホンアミド;
(+)-3-フルオロ-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルフィニル]ベンゼンスルホンアミド;
(+)-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-2-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
(+)-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-3-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
(-)-3-フルオロ-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルフィニル]ベンゼンスルホンアミド;
(-)-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-2-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
(-)-4-[[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピロリジン-3-イル]メトキシ]ベンゼンスルホンアミド;
4-((4-(3-(2-((5-メチル-2H-テトラゾール-2-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンゼンスルホンアミド;
及びこれらの薬学的に許容し得る塩から選択される。
【0072】
本明細書に記載される式(I)の化合物の更なる具体例は、
3-フルオロ-4-[[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジフルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
3-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]スルホニルベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-2,3-ジフルオロベンゼンスルホンアミド;
4-[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]スルホニル-3-フルオロベンゼンスルホンアミド;
5-フルオロ-6-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルピリジン-3-スルホンアミド;
及びこれらの薬学的に許容し得る塩から選択される。
【0073】
本明細書に記載される式(I)の化合物の製造プロセスは、本発明の目的である。
【0074】
本発明の式(I)の化合物の調製は、逐次又は収束の合成経路で実施することができる。本発明の合成を、以下の一般スキームに示す。反応及び生じた生成物の精製を実施するのに必要な技能は、当業者に公知である。反応中に鏡像異性体又はジアステレオ異性体の混合物が生成される場合、これら鏡像異性体又はジアステレオ異性体は、本明細書に記載されているか又は当業者に公知の方法、例えば、(キラル)クロマトグラフィー又は結晶化等によって分離することができる。以下のプロセスの説明において使用される置換基及び指数は、本明細書に与えられた意味を有する。
【0075】
一般式(I)の化合物は、当技術分野において周知の方法を用いて、アミン前駆体1及び適切な試薬から合成することができる。
【化2】
【0076】
例えば、アミン1を式R-Y-OH(2)の好適なカルボン酸と反応させて、式(I)の化合物(式中、Yは、-(CHC(O)-、-(CH=CH)-C(O)-、又は-(CH≡CH)-C(O)-である)を導く。該反応は、例えば、1,1’-カルボニルジイミダゾール、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミド塩酸塩、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート、又はブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等のカップリング剤の存在下で、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノン、及びこれらの混合物等の非プロトン性溶媒中において、-40℃~80℃の温度で、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4-メチルモルホリン、及び/又は4-(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基の存在下又は非存在下にて実施される。
【0077】
また、アミン1を式R-Y-Cl(3)の塩化アシル等の好適なアシル化試薬と反応させて、式(I)の化合物(式中、Yは、-(CHC(O)-、-(CH=CH)-C(O)-、又は-(CH≡CH)-C(O)-である)を導くこともできる。該反応は、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN,N-ジメチルホルムアミド等の溶媒中において、例えば、トリエチルアミン又は4-メチルモルホリン等の塩基の存在下で、0℃~80℃の温度にて実施される。
【0078】
あるいは、アミン1を式R-CH-O-C(O)-Cl(4)の好適なクロロギ酸エステル又は式(5)のイミダゾール-1-カルボキシラートエステルと反応させて、式(I)の化合物(式中、Yは、-CH-OC(O)-である)を導く。
【化3】
【0079】
該反応は、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はこれらの混合物等の好適な溶媒中において、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等の塩基の存在下にて、0℃から該溶媒又は溶媒混合物の沸点までの温度で実施される。
【0080】
クロロギ酸エステル4は、市販されているか、又は文献に記載の通り、ホスゲン若しくはホスゲン等価物(例えば、ジホスゲン、トリホスゲン)と反応させることによって式R-CH-OH(6)の対応するアルコールから合成することができる。
【0081】
イミダゾール-1-カルボキシラートエステル5は、1,1’-カルボニルジイミダゾールと反応させることによって式R-CH-OH(6)の対応するアルコールから合成される。該反応は、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はアセトニトリル等の溶媒中において室温で実施される。イミダゾール-1-カルボキシラートエステル5は、典型的には単離せず、上記の通りのアミン1と直接反応させる。
【0082】
式R-CH-OH(6)のアルコールは、市販されているか、又は本明細書に記載されているか若しくは当技術分野において公知の方法によって生成することができる。
【0083】
カルボン酸(2)及びハロゲン化アシル(3)は、市販されているか、又は本明細書若しくは文献に記載の通り調製することができる。
【0084】
一般式1のアミンは、好適に保護された前駆体7から合成される。
【化4】
【0085】
好適な保護基(PG)は、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、又はアセチルである。中間体7の脱保護は、当技術分野において公知の方法及び試薬を用いて実施することができる。
【0086】
例えば、PGがベンジルオキシカルボニルである場合、1bar~100barの圧力で、例えばパラジウム活性炭等の好適な触媒の存在下にて、20℃~150℃の温度で、例えばメタノール又はエタノール等の溶媒中において水素化することによって脱保護を実施してよい。
【0087】
あるいは、PGがtert-ブトキシカルボニルである場合、例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸等の好適な酸の存在下で、例えば、水、2-プロパノール、ジクロロメタン、又は1,4-ジオキサン等の溶媒中において、0℃~30℃の温度で脱保護を実施してよい。
【0088】
あるいは、PGがアセチルである場合、例えば塩酸水溶液等の好適な酸の存在下において、0℃~100℃の温度で脱保護を実施してよい。
【0089】
中間体7(式中、XはNであり、Wは-(CR10-C(O)-であり、そして、pはゼロである)は、一般構造7Aによって表すことができる。PGは、例えば、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、又はアセチル等の好適な保護基であり、R、m、及びnは、上に定義した通りである。
【化5】
【0090】
アミド7Aは、当技術分野において公知の方法を用いて、適切な試薬と反応させることによって一般式8のアミン前駆体から生成することができる。
【化6】
【0091】
例えば、アミン8を式R-COOH(9)の好適なカルボン酸と反応させて、式8Aの化合物を導く。該反応は、例えば、1,1’-カルボニルジイミダゾール、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミド塩酸塩、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート、又はブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等のカップリング剤の存在下で、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノン、及びこれらの混合物等の非プロトン性溶媒中において、-40℃~80℃の温度で、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4-メチルモルホリン、及び/又は4-(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基の存在下又は非存在下にて実施される。
【0092】
中間体7(式中、XはNであり、Wは-(CR10-S(O)-であり、そして、pはゼロである)は、一般構造7Bによって表すことができる。PGは、例えば、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、又はアセチル等の好適な保護基であり、R、m、及びnは、上に定義した通りである。
【化7】
【0093】
スルホンアミド7Bは、当技術分野において公知の方法を用いて、適切な試薬と反応させることによって一般式8のアミン前駆体から生成することができる。例えば、アミン8を式R-SOCl(10)の好適な塩化スルホニルと反応させて、式7Bの化合物を導く。該反応は、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はこれらの混合物等の好適な溶媒中において、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等の塩基の存在下にて、0℃から該溶媒又は溶媒混合物の沸点までの温度で実施される。
【0094】
アミン8、カルボン酸9、及び塩化スルホニル10は、市販されているか、又は本明細書若しくは文献に記載の通り合成することができる。
【0095】
中間体7(式中、Wは-(CR10-である)は、一般構造7Cによって表すことができる。中間体7Cは、市販されているか、又は本明細書に記載の通り若しくは当技術分野において公知の方法を使用して生成することができる。PGは、例えば、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、又はアセチル等の好適な保護基であり、R、R、R10、m、n及びpは、上に定義した通りである。
【化8】
【0096】
中間体7C(式中、Rは置換フェニルである)は、一般構造7CAによって表すことができる。そして、一般構造7CAによって表すことができる。PGは、例えば、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、又はアセチル等の好適な保護基であり、R、R、R、R、R10、m、n及びpは、上に定義した通りである。
【化9】
【0097】
中間体7CAは、当技術分野において公知の方法を使用して化合物11から生成することができる。
【化10】
【0098】
例えば、11の化合物のクロロスルホン化によって塩化スルホニル12を導く。この反応は、無溶媒又は例えばジクロロメタン等の好適な溶媒中において、0℃~100℃の温度で、例えばクロロスルホン酸等の適切な試薬を用いて実施することができる。
【化11】
【0099】
第2の工程では、塩化スルホニル12とアンモニアとの反応によって7CAを導く。この反応は、例えば、水、エタノール、テトラヒドロフラン、又はこれらの混合物等の好適な溶媒中において、0℃~50℃の温度で実施することができる。
【0100】
化合物11は、市販されているか、又は本明細書若しくは文献に記載の通り合成することができる。
【0101】
中間体7(式中、XはCHであり、そして、Wは-(CR10-S-又は-(CR10-O-である)は、一般構造7Dによって表すことができる。Vは、酸素又は硫黄であり、R、R、R10、m、n、及びpは、上記の通りであり、PGは、例えば、ベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、又はアセチル等の保護基である。
【化12】
【0102】
式7Dの化合物は、当技術分野において公知の方法及び試薬を使用してアルコール又はチオール13から合成することができる。
【化13】
【0103】
例えば、アルコール又はチオール13を好適なハロゲン化物R-Hal(14)と反応させる。Halは、F(好ましい)、Cl、Br、又はIである。該反応は、例えば、テトラヒドロフラン又はN,N-ジメチルアセトアミド等の好適な溶媒中において、-78℃~+100℃の温度で、例えば、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、又は炭酸カリウム等の塩基の存在下にて実施される。ハロゲン化物14におけるアミノスルホニル基を保護することが必須である場合もある。好適なスルホンアミド保護基はスルホニルホルムアミジン基であり、これは、本明細書又は文献に記載の通り、一級スルホンアミドをジメチルアミドジメチルアセタールと反応させることによって得ることができる。
【0104】
あるいは、式7Dの化合物は、当技術分野において公知の試薬及び方法を使用して、アルコール13A及びフェノールR-OH(15)又はチオフェノールR-SH(16)から合成することができる。
【化14】
【0105】
この反応は、例えばジクロロメタン、トルエン、又はテトラヒドロフラン等の溶媒中において、そして、0℃~40℃の温度で、例えばトリフェニルホスフィン等のホスフィン、例えばジエチルアゾジカルボキシラート又はジイソプロピルアゾジカルボキシラート等のアゾジカルボキシラートを使用して実施することができる。フェノール15又はチオフェノール16におけるアミノスルホニル基を保護することが必須である場合もある。好適なスルホンアミド保護基はスルホニルホルムアミジン基であり、これは、本明細書又は文献に記載の通り、一級スルホンアミドをN,N-ジメチルアミドジメチルアセタールと反応させることによって得ることができる。
【0106】
アルコール及びチオール13は、市販されており、本明細書に記載の通り若しくは当技術分野において公知の方法を使用して生成することができる。
【0107】
中間体7D(式中、Vは硫黄である)は、一般構造7DAによって表すことができる。R、R、R10、m、及びnは、上記の通りであり、PGは、例えば、ベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、又はアセチル等の保護基である。
【化15】
【0108】
中間体7(式中、XはCHであり、そして、Wは-(CR10-S(O)-である)は、一般構造7Eによって表すことができる。R、R、R10、m、n、及びpは、上記の通りであり、PGは、例えば、ベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、又はアセチル等の保護基である。
【化16】
【0109】
スルホキシド7Eは、当技術分野において公知の方法及び試薬を使用してスルフィド7DAから生成することができる。例えば、該反応は、例えば、ジクロロメタン、酢酸、又はギ酸等の溶媒中において、0℃~+50℃の温度で、例えば、過酸化水素又は3-クロロ過安息香酸等のペルオキシド試薬の存在下にて実施することができる。
【0110】
中間体7(式中、XはCHであり、そして、Wは-(CR10-S(O)-である)は、一般構造7Fによって表すことができる。R、R、R10、m、n、及びpは、上記の通りであり、PGは、例えば、ベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、又はアセチル等の保護基である。
【化17】
【0111】
スルホン7Fは、例えば、ジクロロメタン、酢酸、又はギ酸等の溶媒中において、0℃~+50℃の温度で、例えば、過酸化水素又は3-クロロ過安息香酸等の好適なペルオキシド試薬を使用して中間体であるスルフィド7DA又はスルホキシド7Dから生成することができる。
【0112】
式(I)の化合物(式中、XはNであり、Wは-(CR10-C(O)-又は-(CR10-S(O)-であり、そして、pはゼロである)は、一般構造17によって表すことができる。Zは、C(O)又はS(O)であり、R、R、m、及びnは、上記の通りである。
【化18】
【0113】
式17の化合物(式中、ZはC(O)である)は、一般構造17Aによって表すことができる。R、R、m、及びnは、上記の通りである。
【化19】
【0114】
アミド17Aは、当技術分野において公知の方法を用いて、適切な試薬と反応させることによって一般式8のアミン前駆体から生成することができる。
【化20】
【0115】
例えば、アミン18を式R-COOH(9)の好適なカルボン酸と反応させて、式17Aの化合物を導く。該反応は、例えば、1,1’-カルボニルジイミダゾール、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミド塩酸塩、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート、又はブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等のカップリング剤の存在下で、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノン、及びこれらの混合物等の非プロトン性溶媒中において、-40℃~80℃の温度で、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4-メチルモルホリン、及び/又は4-(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基の存在下又は非存在下にて実施される。
【0116】
式17の化合物(式中、ZはS(O)である)は、一般構造17Bによって表すことができる。R、R、m、及びnは、上記の通りである。
【化21】
【0117】
スルホンアミド17Bは、当技術分野において公知の方法を用いて、適切な試薬と反応させることによって一般式18のアミン前駆体から生成することができる。例えば、アミン18を式R-SOCl(10)の好適な塩化スルホニルと反応させて、式17Bの化合物を導く。該反応は、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はこれらの混合物等の好適な溶媒中において、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等の塩基の存在下にて、0℃から該溶媒又は溶媒混合物の沸点までの温度で実施される。
【0118】
式(I)の化合物(式中、XはNであり、Wは-(CR10-であり、R10はHであり、そして、pは1である)は、一般構造17Cによって表すことができる。R、R、m、及びnは、上記の通りである。
【化22】
【0119】
式17Cの化合物は、当技術分野において公知の方法を用いて、適切な試薬と反応させることによってアミン前駆体18から生成することができる。
【0120】
例えば、アミン18を、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、又はシアノ水素化ホウ素ナトリウム等の好適な還元剤の存在下で、アルデヒド又はケトン、R-C(O)-R(21)と反応させる。該反応は、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、酢酸、メタノール、又はこれらの混合物等の好適な溶媒中において、0℃と該溶媒の沸点との間の温度で実施される。
【0121】
あるいは、アミン18を、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、又はトリエチルアミン等の好適な塩基の存在下で、ハロゲン化物、R-CH(R)-Hal(22)(Halは、Cl、Br、又はIである)と反応させる。該反応は、例えば、メタノール、アセトン、アセトニトリル、又はN,N,ジメチルホルムアミド等の好適な溶媒中において、0℃と該溶媒の沸点との間の温度で実施される。
【0122】
アルデヒド又はケトン(21)及びハロゲン化物(22)は、市販されているか、又は本明細書若しくは文献に記載の通り生成することができる。
【0123】
式18のアミンは、好適に保護された前駆体19から調製することができる。
【化23】
【0124】
好適な保護基(PG)は、tert-ブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルである。中間体19の脱保護は、当技術分野において公知の方法及び試薬を用いて実施することができる。
【0125】
例えば、PGがベンジルオキシカルボニルである場合、1bar~100barの圧力で、例えばパラジウム活性炭等の好適な触媒の存在下にて、20℃~150℃の温度で、例えば、メタノール又はエタノール等の溶媒中において水素化することによって脱保護を実施してよい。
【0126】
あるいは、PGがtert-ブトキシカルボニルである場合、例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸等の好適な酸の存在下で、例えば、水、2-プロパノール、ジクロロメタン、又は1,4-ジオキサン等の溶媒中において、0℃~30℃の温度で脱保護を実施してよい。
【0127】
式19の化合物は、当技術分野において周知の方法を用いてアミン前駆体20及び適切な試薬から合成することができる。
【化24】
【0128】
例えば、アミン20を式R-Y-OH(2)の好適なカルボン酸と反応させて、式(I)の化合物(式中、Yは、-(CHC(O)-、-(CH=CH)-C(O)-、又は-(CH≡CH)-C(O)-である)を導く。該反応は、例えば、1,1’-カルボニルジイミダゾール、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミド塩酸塩、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート、又はブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等のカップリング剤の存在下で、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノン、及びこれらの混合物等の非プロトン性溶媒中において、-40℃~80℃の温度で、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4-メチルモルホリン、及び/又は4-(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基の存在下又は非存在下にて実施される。
【0129】
また、アミン20を式R-Y-Cl(3)の塩化アシル等の好適なアシル化試薬と反応させて、式(I)の化合物(式中、Yは、-(CHC(O)-、-(CH=CH)-C(O)-、又は-(CH≡CH)-C(O)-である)を導くこともできる。該反応は、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN,N-ジメチルホルムアミド等の溶媒中において、例えば、トリエチルアミン又は4-メチルモルホリン等の塩基の存在下にて、0℃~80℃の温度で実施される。
【0130】
あるいは、アミン20を式R-CH-O-C(O)-Cl(4)の好適なクロロギ酸エステル又は式(5)のイミダゾール-1-カルボキシラートエステルと反応させて、式(I)の化合物(式中、Yは、-CH-OC(O)-である)を導く。該反応は、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はこれらの混合物等の好適な溶媒中において、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等の塩基の存在下にて、0℃から該溶媒又は溶媒混合物の沸点までの温度で実施される。
【0131】
アミン20は、市販されているか、又は本明細書若しくは文献に記載されている通り調製することができる。
【0132】
また、本発明の実施態様は、式(III)の化合物の存在下で式(II)の化合物を反応させることを含む、上に定義した式(I)の化合物を調製するプロセスである:
【化25】

(式中、R、R、Y、W、X、m、及びnは、本明細書に定義した通りであり、そして、Yが-(CHC(O)-、-(CH=CH)-C(O)-、又は-(CH≡CH)-C(O)-である場合、Gはハロゲン又はヒドロキシであり、そして、Yが-OC(O)-である場合、Gはクロロである)。
【0133】
具体的には、1,1’-カルボニルジイミダゾール、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミド塩酸塩、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート、又はブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート、具体的には、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート等のカップリング剤の存在下にて、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノン、及びこれらの混合物、具体的には、N,N-ジメチルホルムアミド等の非プロトン性溶媒中において、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4-メチルモルホリン、及び/又は4-(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基の存在下又は非存在下、具体的には、4-メチルモルホリンの存在下で、そして、-78℃~還流、具体的には、-10℃~室温を含む温度において行う。
【0134】
また、本発明の目的は、処置活性物質として使用するための、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0135】
同様に、本発明の目的は、本明細書に記載される式(I)に係る化合物と処置的に不活性である担体とを含む医薬組成物である。
【0136】
本発明の具体的な実施態様は、眼病態、具体的には、緑内障を治療又は予防するための、本明細書に記載される式(I)に係る化合物である。
【0137】
また、本発明は、眼病態、具体的には、緑内障を治療又は予防するための医薬を調製するための、本明細書に記載される式(I)に係る化合物の使用に関する。
【0138】
また、本発明の目的は、眼病態、具体的には、緑内障を治療又は予防する方法であって、有効量の本明細書に記載される式(I)に係る化合物を投与することを含む方法である。
【0139】
炎症性病態は、関節炎、変形性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、異常排泄障害等に加えて、炎症性気道疾患、例えば、特発性肺線維症(IPF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、又は慢性気管支喘息等を含むが、これらに限定されない。
【0140】
更なる呼吸器系の病態は、医原性薬物誘発性線維症、職業及び/若しくは環境誘発性線維症、全身病及び血管炎、肉芽腫症(サルコイドーシス、過敏性肺炎)、膠原血管病、肺胞タンパク症、ランゲルハンス細胞肉芽腫症、リンパ脈管筋腫症、遺伝病(ヘルマンスキー-パドラック症候群、結節性硬化症、神経線維腫症、代謝性蓄積症、家族性間質性肺疾患)、放射線誘発性線維症、珪肺症、アスベスト誘発性肺線維症、又は急性呼吸促迫症候群(ARDS)を含む様々な病因の他のびまん性実質性肺疾患を含むが、これらに限定されない。
【0141】
神経系の病態は、神経因性疼痛、統合失調症、神経炎症(例えば、アストログリオーシス)、末梢及び/又は自律性(糖尿病性)ニューロパシー等を含むが、これらに限定されない。
【0142】
血管病態は、アテローム性動脈硬化症、血栓性血管病に加えて、血栓性微小血管症、増殖性動脈症(例えば、粘液性細胞外マトリクスによって取り囲まれている膨潤した筋内膜細胞及び結節性肥厚)、アテローム性動脈硬化症、血管コンプライアンスの低下(例えば、硬直、心室コンプライアンスの低下、及び血管コンプライアンスの低下)、内皮機能不全等を含むが、これらに限定されない。
【0143】
心血管病態は、急性冠症候群、冠状動脈性心疾患、心筋梗塞、動脈性及び肺の高血圧症、心不整脈、例えば、心房細動、発作、及び他の血管損傷を含むが、これらに限定されない。
【0144】
線維症は、心筋及び血管の線維症、肺線維症、皮膚線維症、強皮症、及び被包性腹膜炎を含むが、これらに限定されない。
【0145】
癌及び癌転移は、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、中皮腫、神経膠腫、消化器癌、並びにこれらの進行及び転移攻撃を含むが、これらに限定されない。
【0146】
眼病態は、増殖性及び非増殖性(糖尿病性)の網膜症、萎縮型及び滲出型の加齢性黄斑変性症(AMD)、黄斑浮腫、中枢動脈/静脈閉塞、外傷、緑内障等を含むが、これらに限定されない。具体的には、眼病態は緑内障である。
【0147】
代謝性病態は、肥満及び糖尿病を含むが、これらに限定されない。
【0148】
また、本発明の実施態様は、記載されるプロセスのうちの任意の1つに従って製造したときの、本明細書に記載される式(I)の化合物である。
【0149】
アッセイ手順
HISタグを有する及び有しないヒト完全長ATXの作製
オートタキシン(ATX-ENPP2)のクローニング:市販のヒト造血細胞全RNAからcDNAを調製し、そして、オーバーラップPCRにおいてテンプレートとして用いて、3’-6×Hisタグを有するか又は有しない完全長ヒトENPP2 ORFを生成した。これら完全長インサートをpcDNA3.1V5-His TOPO(Invitrogen)ベクターにクローニングした。幾つかのシングルクローンのDNA配列を確認した。正確な完全長クローン由来のDNAを用いて、タンパク質の発現を確認するためにHek293細胞をトランスフェクトした。コードされているENPP2の配列は、更にC末端に6×Hisタグを有するか又は有しないSwissprot entry Q13822に一致する。
【0150】
ATXの発酵:20Lの制御撹拌槽型生物反応器(Sartorius)における大規模一過性トランスフェクションによって、組み換えタンパク質を生成した。細胞の成長及びトランスフェクション中、温度、撹拌子速度、pH、及び溶解酸素濃度を、それぞれ、37℃、120rpm、7.1、及び30% DOで維持した。FreeStyle 293-F細胞(Invitrogen)を、FreeStyle 293培地(Invitrogen)中の懸濁液で培養し、そして、錯化剤としてX-tremeGENE Ro-1539(市販品、Roche Diagnostics)を用いて上記プラスミドDNAを約1~1.5×10E6細胞/mLでトランスフェクトした。細胞に濃縮栄養素溶液(J Immunol Methods 194 (1996), 19, 1-199 (page 193))を供給し、そして、トランスフェクションの72時間後に酪酸ナトリウム(2mM)によって誘導し、そして、トランスフェクションの96時間後に収集した。ウエスタンブロット、酵素アッセイ、及び/又は分析用IMACクロマトグラフィーによって発現を分析した。フロースルー熱交換器において細胞懸濁液を4℃に冷却した後、Zeta Plus 60M02 E16(Cuno)及びSartopore 2 XLG(Sartorius)フィルタユニットで濾過することによって、細胞分離及び上清の除菌濾過を実施した。精製前には、上清を4℃で保管した。
【0151】
ATXの精製:最終濃度が0.02%になるようにBrij 35を添加し、そして、1M HClを用いてpHを7.0に調整することによって、培養上清 20リットルを限外濾過用にコンディショニングした。次いで、まず上清を0.2μm Ultran-Pilot Open Channel PESフィルタ(Whatman)で精密濾過し、その後、30kDa MWCOのUltran-Pilot Screen Channel PESフィルタ(Whatman)を通して1リットルに濃縮した。IMACクロマトグラフィー前、最終濃度が1mMになるようにNiSOを添加した。次いで、50mM NaHPO(pH7.0)、0.5M NaCl、10% グリセロール、0.3% CHAPS、0.02% NaNで予め平衡化しておいたHisTrapカラム(GE Healthcare)に、清澄化された上清を適用した。該カラムを、それぞれ、20mM、40mM、及び50mM イミダゾールを含有する同じバッファで段階的に洗浄した。次いで、15種のカラム体積中0.5M イミダゾールまでの直線勾配を用いてタンパク質を溶出した。ATXを含有する画分をプールし、そして、30kDa PESフィルタ膜を備えるAmiconセルを用いて濃縮した。20mM BICINE(pH8.5)、0.15M NaCl、10%グリセロール、0.3% CHAPS、0.02% NaN中においてSuperdex S-200 prep grade(XK 26/100)(GE Healthcare)のサイズ排除クロマトグラフィーによって該タンパク質を更に精製した。精製後のタンパク質の最終収量は、培養上清 1リットルあたりATX 5~10mgであった。タンパク質を-80℃で保管した。
【0152】
ヒトATX酵素阻害アッセイ
特異的に標識された基質アナログ(MR121基質)を用いて蛍光消光アッセイによってATX阻害を測定した。このMR121基質を得るために、BOC及びTBSで保護された6-アミノヘキサン酸(R)-3-({2-[3-(2-{2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-エトキシ)-プロピオニルアミノ]-エトキシ}-ヒドロキシ-ホスホリルオキシ)-2-ヒドロキシ-プロピルエステル(Ferguson et al., Org Lett 2006, 8 (10), 2023)のエタノールアミン側の遊離アミンをMR121フルオロフォア(CAS 185308-24-1、1-(3-カルボキシプロピル)-11-エチル-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロ-ジピリド[3,2-b:2’,3’-i]フェノキサジン-13-イウム)で標識し、次いで、脱保護後、続いて、アミノヘキサン酸側をトリプトファンで標識した。
【0153】
アッセイ使用液を以下の通り作製した:
アッセイバッファ(50mM Tris-HCl、140mM NaCl、5mM KCl、1mM CaCl、1mM MgCl、0.01% Triton-X-100、pH8.0;
ATX溶液;ATX(ヒトHisタグ付)原液(20mM ビシン(pH8.5)、0.15M NaCl、10% グリセロール、0.3% CHAPS、0.02% NaN中1.08mg/mL)、アッセイバッファで1.4~2.5×最終濃度に希釈;
MR121基質溶液:MR121基質原液(DMSO中800μM MR121基質)、アッセイバッファで2~5×最終濃度に希釈。
【0154】
試験化合物(DMSO中10mM 原液、8μL)を384ウェルサンプルプレート(Corning Costar #3655)中で得、そして、DMSO 8μLで希釈した。O行まで化合物溶液 8μLを次の行に移すことによって行方向連続希釈を行った。該化合物及び対照の溶液を5回混合し、そして、2μLを384ウェルアッセイプレート(Corning Costar # 3702)に移した。次いで、41.7nM ATX溶液 15μLを添加し(最終濃度30nM)、5回混合し、次いで、30℃で15分間インキュベートした。MR121基質溶液 10μLを添加し(最終濃度1μM)、30回混合し、次いで、30℃で15分間インキュベートした。次いで、1時間にわたって2分間毎に蛍光を測定し(Perkin Elmerプレート:ビジョンマルチモードリーダー);光強度:2.5%;実験時間:1.4秒間、フィルタ:Fluo_630/690nm)、そして、これら読み出し値からIC50値を計算した。
【0155】
ヒト炭酸脱水素酵素II阻害アッセイ
4-ニトロフェニルアセタート(4-NPA)をその基質として使用して吸光度法によってヒト炭酸脱水素酵素II(hCA-II)阻害を測定した。4-NPAは、水酸化亜鉛機序を介して活性hCA IIによって触媒され得る。文献に報告されている通り(Armstrong et al., J. Biol. Chem. 1966, 241, 5137-5149)、生成物中のニトロフェノラートをイオン化して348~400nmにおいて高い吸光度を有する鮮黄色のアニオンを生成することができる。hCA II基質の変換を検出するためにOD340nmを選択した。
【0156】
アッセイ使用液を以下の通り作製した:
アッセイバッファ:50mM MOPS、33mM NaSO、1mM EDTA、0.5mg/mL BSA、pH7.5;
酵素溶液:hCA-II(ヒト、完全長)原液(20mM HEPES、50mM NaCl、pH7.4中1.0mg/mL)、アッセイバッファで2133×最終濃度に希釈;
4-NPA基質溶液:4-NPA基質原液(DMSO中250mM、-20℃で保存)、脱イオン水で50×最終濃度に希釈。
【0157】
試験化合物(DMSO中10mM 原液、100μL)を96ウェルサンプルプレート(Corning Costar #3655)中で得、そして、0.5mMに希釈した。3列から22列まで化合物溶液 20μLを次の列に移すことによって列方向連続希釈を行った。この後、1.2μLを384ウェルアッセイプレート(Corning Costar # 3701)に移した。次いで、16nM hCA II溶液 30μLを添加し(最終濃度8nM)、5回混合した。4-NPA基質溶液 30μLを添加し(最終濃度2.5mM)、5回混合した。次いで、ゼロ時点として340nmにおける吸光度を直ちに測定した。該アッセイプレートを室温で1時間インキュベートし、次いで、1時間時点として測定した(Perkin Elmer EnVision 2103;フィルタ:Photometric 340;光強度60%;フラッシュ数:10)。これら読み出し値からIC50値及びK値を計算した。
【0158】
【表1】
【0159】
本明細書に記載される式(I)の化合物及びその薬学的に許容し得る塩又はエステルは、0.00001μM~1000μMのIC50値、具体例な化合物は、0.0005μM~500μMのIC50値、更に具体例な化合物は、0.0005μM~50μMのIC50値、より具体例な化合物は、0.0005μM~5μMのIC50値を有する。これら結果は、上記酵素アッセイを用いることによって得られた。
【0160】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、(例えば、医薬製剤の形態で)医薬として用いることができる。医薬製剤は、例えば、経口(例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質及び軟質のゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤、又は懸濁剤の形態)、経鼻(例えば、点鼻薬の形態)、経直腸(例えば、坐剤の形態)、又は局所経眼(例えば、液剤、軟膏剤、ゲル剤、又は水溶性ポリマーインサートの形態)等、内用することができる。しかし、投与は、例えば、筋肉内、静脈内、又は眼内(例えば、滅菌注射液の形態)等、非経口で行ってもよい。
【0161】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセル剤、注射液、又は局所製剤を作製するために、薬学的に不活性である無機又は有機の補助剤を用いて加工してよい。ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等を、例えば、錠剤、糖衣錠、及び硬質ゼラチンカプセル剤用の補助剤として用いることができる。
【0162】
軟質ゼラチンカプセル剤用の好適な補助剤は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体物質、及び液体ポリオール等である。
【0163】
液剤及びシロップ剤を作製するための好適な補助剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、グルコース等である。
【0164】
注射液用の好適な補助剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0165】
坐剤用の好適な補助剤は、例えば、天然油又は硬化油、ワックス、脂肪、半固体又は液体のポリオール等である。
【0166】
局所眼内製剤に好適な補助剤は、例えば、シクロデキストリン、マンニトール、又は当技術分野において公知の多くの他の担体及び賦形剤である。
【0167】
更に、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、増粘物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、風味剤、浸透圧を変化させるための塩、バッファ、マスキング剤、又は酸化防止剤を含有していてもよい。また、該医薬製剤は、更に他の処置的に有用な物質を含有していてもよい。
【0168】
投薬量は、広い限度範囲で変動し得、そして、無論、それぞれの具体的な症例における個々の要件に適合する。一般に、経口投与の場合、適切である限り、好ましくは1~3つの個別用量(例えば、同量からなっていてよい)に分割された、体重1kg当たり約0.1mg~20mg、好ましくは体重1kg当たり約0.5mg~4mg(例えば、約300mg/人)の1日投薬量である。局所投与の場合、製剤は0.001重量%~15重量% 医薬を含有し得、そして、0.1~25mgであり得る必要用量を、1日当たり若しくは1週間当たり1回の投与によって、又は1日当たり複数回の投与(2~4)によって、又は1週間当たり複数回の投与によって投与してよい。しかし、適応であることが示されているとき、本明細書で与えられる上限又は下限を超えてもよいことは明らかである。
【0169】
実施例により本発明を以下に例証するが、これらは限定性を持たない。
【0170】
調製例が鏡像異性体の混合物として得られる場合、本明細書に記載されている方法又は当業者に公知の方法、例えば、キラルクロマトグラフィー又は結晶化等によって純粋な鏡像異性体を得ることができる。
【0171】
実施例
すべての実施例及び中間体は、特に指定のない限り、窒素雰囲気下で調製した。
【0172】
略語:aq.=水溶液; CAS-RN=ケミカルアブストラクツサービス登録番号; HPLC=高速液体クロマトグラフィー; MS=質量スペクトル; PS-BEMP=ポリスチレン-結合 2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチルペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスホリン; sat.=飽和
【0173】
実施例1
[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)ピペラジン-1-カルボキシラート
【化26】

アセトニトリル(2mL)中の[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(中間体1;30mg、110μmol)の溶液に、1,1’-カルボニルジイミダゾール(17.9mg、110μmol)を室温で加えた。反応混合物を50℃に加熱し、2時間撹拌し、次に、アセトニトリル(2mL)中の3-フルオロ-4-ピペラジン-1-イルベンゼンスルホンアミド(CAS-RN 847971-84-0;28.6mg、110μmol)とトリエチルアミン(55.8mg、551μmol)の懸濁液を加え、そして反応混合物を加熱還流した。15時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(15mg、24%)。白色の固体、MS:558.1(M+H)
【0174】
3-フルオロ-4-ピペラジン-1-イルベンゼンスルホンアミドを適切なアミン又はカルバマートに代え、[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メタノールを適切なアルコールに代えて、下記の実施例を実施例1に従って調製した。アミン類のtert-ブチル カルバマート誘導体を出発物質として使用する場合(実施例1.03及び1.04)、最初にカルバマートを実施例6と同様にトリフルオロ酢酸によって脱保護した。
【表2】

【0175】
実施例2
2-フルオロ-4-[[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド
【化27】

テトラヒドロフラン(3mL)中のtert-ブチル 4-(3-フルオロ-4-スルファモイルベンゾイル)ピペラジン-1-カルボキシラート(CAS-RN 1395398-34-1;150mg、387μmol)の溶液に、ボラン テトラヒドロフラン錯体(テトラヒドロフラン中1M;1.16mL、1.16mmol)を室温で加え、次に、14時間後、反応混合物を60℃に4時間加熱し、次に、2M塩酸水溶液(2mL)、さらに塩酸(水中25%;1.0mL、8.2mmol)を滴下した。混合物を60℃で45分間撹拌し、次に、混合物を高真空でそのまま蒸発させ、そして残留物をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)及びN-メチルモルホリン(392mg、3.87mmol)、3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸(CAS-RN 1646783-83-6;122mg、387μmol)とO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ-ホスファート(147mg、387μmol)と合わせ、次に、室温で48時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(87mg、40%)。無色のガム状物、MS:570.3(M+H)
【0176】
tert-ブチル 4-(3-フルオロ-4-スルファモイルベンゾイル)ピペラジン-1-カルボキシラートを適切なカルバマートに代え、3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸を適切なカルボン酸に代えて、下記の実施例を実施例2に従って調製した。
【表3】
【0177】
実施例3
2-フルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボニル]ベンゼンスルホンアミド
【化28】

標記化合物を、実施例2の調製における副生成物として得た(48mg、21%)。白色の固体、MS:584.3(M+H)
【0178】
実施例4
3,5-ジフルオロ-4-[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボニル]ベンゼンスルホンアミド
【化29】

N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-ピペラジン-1-イルプロパン-1-オン(中間体2;40mg、100μmol)の溶液に、N-メチルモルホリン(40.6mg、402μmol)、2,6-ジフルオロ-4-スルファモイル安息香酸(中間体3;26.2mg、110μmol)及びO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ-ホスファート(42mg、110μmol)を加え、次に室温で18時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(51mg、84%)。白色の固体、MS:602.3(M+H)
【0179】
2,6-ジフルオロ-4-スルファモイル安息香酸(中間体3)を適切なカルボン酸に代えて、下記の実施例を実施例4に従って調製した。
【表4】
【0180】
実施例5
3-[[1-[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボニル]ピペリジン-4-イル]メチル]-4-フルオロベンゼンスルホンアミド
【化30】

N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の4-フルオロ-3-(ピペリジン-4-イルメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(中間体7;51.6mg、159μmol)の溶液に、N-メチルモルホリン(72.9mg、721μmol)、2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボン酸(CAS-RN 1810776-23-8;40mg、144μmol)及びO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ-ホスファート(60.3mg、159μmol)を加え、次に、室温で18時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(75mg、98%)。白色の固体、MS:532.3(M+H)
【0181】
4-フルオロ-3-(ピペリジン-4-イルメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩を適切なアミンに代え、2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボン酸を適切なカルボン酸に代えて、下記の実施例を実施例5に従って調製した。
【表5】


【0182】
実施例6
2,3-ジフルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルファニルベンゼンスルホンアミド
【化31】

ジクロロメタン(3mL)中のtert-ブチル 4-(2,3-ジフルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルファニルピペリジン-1-カルボキシラート(中間体9.2;31mg、60μmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(137mg、1.2mmol)を室温で加えた。反応混合物を40℃で80分間撹拌し、次に、混合物をそのまま蒸発させ、残留物をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、そしてN-メチルモルホリン(61.9mg、600μmol)、3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸(CAS-RN 1646783-83-6;20.7mg、65.9μmol)及びO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ-ホスファート(25.3mg、65.9μmol)を加えた。室温で18時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(27mg、74%)。白色の固体、MS:605.2(M+H)
【0183】
tert-ブチル 4-(2,3-ジフルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルファニルピペリジン-1-カルボキシラート(中間体9.2)を適切なカルバマートに代え、3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸(CAS-RN 1646783-83-6)を適切なカルボン酸に代えて、下記の実施例を実施例6に従って調製した。
【表6】














【0184】
実施例7及び8
3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルフィニルベンゼンスルホンアミド エナンチオマー1及びエナンチオマー2
ラセミの3-フルオロ-4-[1-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペリジン-4-イル]スルフィニルベンゼンスルホンアミド(実施例6.13;40mg、66.4μmol)を、固定相としてReprosil Chiral-NRカラム及び移動相としてヘプタン/エタノール 3:2を用いる分取HPLCにより分離した。これが、より速く溶離する(+)-エナンチオマー1(実施例7;17mg、43%;白色のガム状物、MS:601.3(M-H))及びより遅く溶離する(-)-エナンチオマー2(実施例8;14mg、35%;白色の固体、MS:601.4(M-H))を生成した。
【0185】
下記の実施例は、それらのラセミ体のキラルHPLC分離により、実施例7及び8と同様に生成した。
【表7】
【0186】
実施例9
4-[[4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-イル]メチル]ベンゼンスルホンアミド
【化32】

ジクロロメタン(2mL)中の3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-ピペラジン-1-イルプロパン-1-オン(中間体2;40mg、105μmol)の溶液に、4-ホルミルベンゼンスルホンアミド(CAS-RN 3240-35-5;23.2mg、126μmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(28.8mg、136μmol)及び酢酸(12.6mg、209μmol)を室温で加えた。混合物を室温で16時間、次に50℃で24時間撹拌し、次に、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(6mg、10%)。白色の固体、MS:552.2(M+H)
【0187】
中間体
中間体1
[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール
工程1: エチル 2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)ベンゾアート
エタノール(3mL)中の2-[[2-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]-5-メチルテトラゾール(CAS-RN 1646389-14-1;209mg、651μmol)の溶液に、1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(CAS-RN 95464-05-4;21.3mg、26μmol)、トリエチルアミン(98.8mg、976μmol)を加え、一酸化炭素雰囲気内に入れた。反応混合物を一酸化炭素雰囲気下(70bar)、110℃で18時間撹拌した。反応混合物を濾過し、そのまま蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 純粋なヘプタン~ヘプタン:酢酸エチル=2:1)により、標記化合物を生成した(186mg、91%)、無色の油状物、MS:315.1(M+H)
【0188】
工程2: [2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール
テトラヒドロフラン(5mL)中のエチル 2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(182mg、579μmol)の明黄色の溶液に、エタノール(5mL)中の塩化カルシウム(129mg、1.16mmol)の溶液を加えた。水素化ホウ素ナトリウム(CAS-RN 16940-66-2;65.7mg、1.74mmol)を、30分間にわたって3回に分けて加えて、白色の懸濁液を得た。室温で3時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、標記化合物を純度96%(NMR)で生成した(164mg、定量)。明黄色の油状物、MS:273.1(M+H)
【0189】
中間体2
3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-ピペラジン-1-イルプロパン-1-オン
工程1: tert-ブチル 4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボキシラート
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸(101mg、309μmol)、4-メチルモルホリン(156mg、1.54mmol)、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシラート(57.5mg、309μmol)の無色の溶液に、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム へキサフルオロホスファート(117mg、309μmol)を室温で加え、次に、18時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(149mg、定量)。無色の油状物、MS:483.2(M+H)
【0190】
工程2: 3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-ピペラジン-1-イルプロパン-1-オン
ジクロロメタン(3mL)中のtert-ブチル 4-[3-[2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル]ピペラジン-1-カルボキシラート(140mg、290μmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(496mg、4.35mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。混合物をそのまま蒸発させ、残留物を2M水酸化ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。水相をジクロロメタンでさらに2回洗浄し、次に、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、標記化合物を与えた(90mg、81%)。白色の固体、MS:383.2(M+H)
【0191】
中間体3
2,6-ジフルオロ-4-スルファモイル安息香酸
還流下で、水(25mL)中の3,5-ジフルオロ-4-メチル-ベンゼンスルホンアミド(CAS-RN 1239964-24-9;500mg、2.41mmol)の撹拌懸濁液に、過マンガン酸カリウム(1.72g、10.9mmol)を1時間かけて少量ずつ加え、次に、懸濁液を濾過し、そして水で洗浄した。母液を酢酸エチルで2回抽出して不純物を分離した。水層を濃塩酸溶液でpH1に酸性化し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固して、標記化合物を与えた(356mg、62%)。明黄色の固体、MS:235.9(M-H)
【0192】
中間体4
tert-ブチル 4-(4-スルファモイルフェニル)スルホニルピペラジン-1-カルボキシラート
ピリジン(208mg、2.63mmol)及びテトラヒドロフラン(1mL)中のtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシラート(CAS-RN 57260-71-6;50mg、263μmol)の黄色の溶液に、テトラヒドロフラン(1mL)中の4-スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(CAS-RN 46249-41-6;80.7mg、316μmol)の溶液を室温で加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、白色の懸濁液に変化し、次に、飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(64mg、60%)。白色の固体、MS:404.3(M-H)
【0193】
中間体4.1
tert-ブチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルホニルピペラジン-1-カルボキシラート
4-スルファモイルベンゼンスルホニルクロリドを2-フルオロ-4-スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(CAS-RN 52295-72-4)に代えて、標記化合物を中間体4と同様に生成した。白色の固体、MS:422.3(M-H)
【0194】
中間体5
tert-ブチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルベンゾイル)ピペラジン-1-カルボキシラート
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の2-フルオロ-4-スルファモイル安息香酸(CAS-RN 714968-42-0;69.4mg、301μmol)の無色の溶液に、4-メチルモルホリン(111mg、1.09mmol)、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシラート(CAS-RN 57260-71-6;52mg、274μmol)及びO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ-ホスファート(114mg、301μmol)を室温で加え、次に、18時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(107mg、定量)。白色の泡状物、MS:386.3(M-H)
【0195】
中間体6
[2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-イル]メタノール
テトラヒドロフラン(5mL)中の2-シクロプロピル-6-(オキサン-4-イルメトキシ)ピリジン-4-カルボン酸(CAS-RN 1810776-23-8;300mg、1.08mmol)の溶液に、ボラン テトラヒドロフラン錯体の溶液(CAS-RN 14044-65-6;テトラヒドロフラン中1M;2.7mL、2.7mmol)を室温でゆっくりと加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。さらにボラン テトラヒドロフラン錯体の溶液(1.62mL、1.62mmol)を加え、撹拌を6時間続けた。反応物をメタノール(3mL)で注意深く処理し、室温で10分間撹拌し、次に、完全に蒸発させた。残留物を酢酸エチルと1M水酸化ナトリウム水溶液に分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、標記化合物を生成した(239mg、84%)。無色の油状物、MS:264.3(M+H)
【0196】
中間体7
4-フルオロ-3-(ピペリジン-4-イルメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
工程1: 1-[4-[(2-フルオロフェニル)メチル]-1-ピペリジル]エタノン
4-[(2-フルオロフェニル)メチル]ピペリジン塩酸塩(CAS-RN 193357-26-5;350mg、1.48mmol)を、ジクロロメタン(5mL)と合わせ、N-メチルモルホリン(149mg、162μl、1.48mmol)を加え、次に、無水酢酸(317mg、3.1mmol)を撹拌しながら0℃で滴下し、そして混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をそのまま真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、標記化合物を純度約90%(NMR)で与えた(388mg、定量)。明黄色の油状物、MS:236.2(M+H)
【0197】
工程2: 3-[(1-アセチル-4-ピペリジル)メチル]-4-フルオロ-ベンゼンスルホンアミド
ジクロロメタン(5mL)中の1-[4-[(2-フルオロフェニル)メチル]-1-ピペリジル]エタノン(384mg、1.47mmol)の溶液を、撹拌しながら0℃で塩化スルホン酸(sulfurochloridic acid)(856mg、7.34mmol)に滴下し、次に、0℃で30分間、室温で2時間撹拌した。反応混合物を高真空でそのまま蒸発させた。残留物をテトラヒドロフラン(5mL)と合わせ、0℃まで冷却し、次に、25%アンモニア水溶液(3mL)を滴下した。反応混合物を0℃で30分間、次に室温で18時間撹拌し、次に、そのまま蒸発させてテトラヒドロフランを除去した。水性残留物を酢酸エチルと1M塩酸水溶液に分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ヘプタン:酢酸エチル=4:1~9:1、次に純粋な酢酸エチル、そして最終的に勾配 純粋な酢酸エチル~純粋なメタノール)により標記化合物を生成した(353mg、76%)。白色の泡状物、MS:315.2(M+H)
【0198】
工程3: 4-フルオロ-3-(ピペリジン-4-イルメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
3-[(1-アセチル-4-ピペリジル)メチル]-4-フルオロ-ベンゼンスルホンアミド(345mg、1.1mmol)を、塩酸水溶液(水中25%;4.8g、32.9mmol)と合わせ、還流下で6時間撹拌した。反応混合物をそのまま蒸発させ、高真空で乾燥して、標記化合物を純度約95%(NMR)で与えた(305mg、86%)。白色の泡状物、MS:273.2(M+H)
【0199】
中間体8
3-フルオロ-4-ピペリジン-4-イルスルファニルベンゼンスルホンアミド塩酸塩
工程1: N’-(4-ブロモ-3-フルオロ-フェニル)スルホニル-N,N-ジメチル-ホルムアミジン
アセトニトリル(1mL)中の1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチル-メタンアミン(CAS-RN 4637-24-5;170mg、1.38mmol)の溶液を、アセトニトリル(3mL)中の4-ブロモ-3-フルオロベンゼンスルホンアミド(CAS-RN 263349-73-1;302mg、1.15mmol)の撹拌溶液に室温で滴下した。1時間後、混合物をそのまま高真空で蒸発させて、標記化合物を与えた(369mg、定量)。白色の固体、MS:309.0(M+H)
【0200】
工程2: 3-フルオロ-4-ピペリジン-4-イルスルファニルベンゼンスルホンアミド塩酸塩
N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中のtert-ブチル 4-スルファニルピペリジン-1-カルボキシラート(CAS-RN 134464-79-2;244mg、1.1mmol)の溶液を、水素化ナトリウム(50%油分散物;52.9mg、1.1mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)の撹拌混合物に滴下した。室温で30分後、ガスの発生が完了し、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中のN’-(4-ブロモ-3-フルオロ-フェニル)スルホニル-N,N-ジメチル-ホルムアミジン(351mg、1.1mmol)の別の溶液を滴下した。反応混合物を60℃で3時間撹拌し、次に、そのまま蒸発させてN,N-ジメチルホルムアミドを除去した。残留物を、メタノール(4mL)及び2.5M水酸化ナトリウム水溶液(4.4mL、11mmol)と合わせ、次に100℃で1時間撹拌した。混合物を再びそのまま蒸発させてメタノールを除去し、次に、塩酸溶液(イソプロパノール中5M;4.4mL、22mmol)を加え、50℃で1.5時間撹拌した。白色の懸濁液を濾別し、母液を蒸発させて、標記化合物を純度80%で、約1:1の混合物(臭化物異性体)として与えた(440mg、49%)。オフホワイトの泡状物、MS:291.1(M+H)
【0201】
中間体9
tert-ブチル 4-[(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルファニルメチル]ピペリジン-1-カルボキシラート
工程1: N’-(3,4-ジフルオロフェニル)スルホニル-N,N-ジメチル-ホルムアミジン
標記化合物を、3,4-ジフルオロベンゼンスルホンアミド(CAS-RN 108966-71-8)及び1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチル-メタンアミン(CAS-RN 4637-24-5)から、中間体8、工程1と同様に生成した。白色の固体、MS:249.1.0(M+H)
【0202】
工程2: tert-ブチル 4-[(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルファニルメチル]ピペリジン-1-カルボキシラート
N’-(3,4-ジフルオロフェニル)スルホニル-N,N-ジメチル-ホルムアミジン(315mg、1.27mmol)を、水素化ナトリウム(50%油分散物;60.9mg、1.27mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)の撹拌混合物に室温で加えた。5分後に、tert-ブチル 4-(スルファニルメチル)ピペリジン-1-カルボキシラート(CAS-RN 581060-27-7;281mg、1.27mmol)を加えた。強いガスの発生及び発熱反応を観察することができた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に、そのまま蒸発させてN,N-ジメチルホルムアミドを除去した。残留物を、メタノール(4mL)及び2.5M水酸化ナトリウム水溶液(5.08mL、12.7mmol)と合わせ、白色の懸濁液を室温で3時間撹拌した。混合物を、氷及び1M塩酸水溶液と酢酸エチルとに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。残留物のクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を純度約95%(NMR)で生成した(463mg、89%)。無色のガム状物、MS:389.3(M-H)
【0203】
tert-ブチル 4-(スルファニルメチル)ピペリジン-1-カルボキシラート(CAS-RN 581060-27-7)を適切なチオールに代え、3,4-ジフルオロベンゼンスルホンアミド(CAS-RN 108966-71-8)を適切なスルホンアミドに代えて、下記の中間体を中間体9に従って調製した。
【表8】

【0204】
中間体10
tert-ブチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルフィニルピペリジン-1-カルボキシラート
氷酢酸(2mL)中のtert-ブチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルファニルピペリジン-1-カルボキシラート(中間体9.9;459mg、1.12mmol)の溶液に、過酸化水素(水中35%;369mg、3.8mmol)を加えた。得られた溶液を室温で4時間撹拌し、次に氷と酢酸エチルに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、高真空で蒸発させて、標記化合物を与えた(428mg、94%)。白色の泡状物、MS:405.3(M-H)
【0205】
tert-ブチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルファニルピペリジン-1-カルボキシラート(中間体9.9)を適切なチオエーテルに代えて、下記の中間体を中間体10に従って調製した。
【表9】
【0206】
中間体11
tert-ブチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルホニルピペリジン-1-カルボキシラート
ジクロロメタン(4mL)中のtert-ブチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルフィニルピペリジン-1-カルボキシラート(中間体10;374mg、920μmol)の無色の溶液に、3-クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(chloroenzenecarboperoxoic acid)(CAS-RN 937-14-4;318mg、1.84mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次に、氷及び1M炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルとに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、標記化合物を純度約90%(NMR)で与えた。
【0207】
この物質は、2mLのジクロロメタンから沈殿した(286mg、74%)。白色の固体、MS:421.3(M-H)
【0208】
tert-ブチル 4-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルフィニルピペリジン-1-カルボキシラートを適切なスルホキシドに代えて、下記の中間体を中間体11に従って生成した。
【表10】
【0209】
中間体12
N-[5-シアノ-2-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]-2,2-ジメチルプロパンアミド
工程1: メチル 5-ブロモ-3-(2,2-ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン-2-カルボキシラート
ピリジン(15mL)中のメチル 3-アミノ-5-ブロモピリジン-2-カルボキシラート(CAS-RN 1072448-08-8;900mg、3.7mmol)の明黄色の懸濁液に、2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(CAS-RN 3282-30-2;546mg、4.44mmol)を加えた。色は明赤色に変化した。さらに2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(1.092g、8.88mmol)を加え、反応物を室温で18時間撹拌し、次に、氷及び1M塩酸水溶液と酢酸エチルとに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン/ヘプタン 1:1~ジクロロメタン)により、標記化合物を生成した(385mg、99%)。白色の固体、MS:317.0(M+H)
【0210】
工程2: メチル 5-シアノ-3-(2,2-ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン-2-カルボキシラート
N,N-ジメチルホルムアミド(14.9mL)及び水(119μl)中のメチル 5-ブロモ-3-(2,2-ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン-2-カルボキシラート(1.13g、3.59mmol)の溶液を含有するマイクロ波バイアルに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(CAS-RN 51364-51-3;32.8mg、35.9μmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(CAS-RN 12150-46-8;59.6mg、108μmol)、シアン化亜鉛(CAS-RN 557-21-1;232mg、1.97mmol)、亜鉛(CAS-RN 7440-66-6;9.38mg、143μmol)及び酢酸亜鉛(CAS-RN 557-34-6;26.3mg、143μmol)を加えた。バイアルにキャップをし、マイクロ波中で140℃にて30分間加熱した。反応混合物を濾過し、母液を蒸発させた。残留物を50%炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール 50:1)により、標記化合物を生成した(468mg、50%)。黄色の固体、MS:262.2(M+H)
【0211】
工程3: N-[5-シアノ-2-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]-2,2-ジメチルプロパンアミド
テトラヒドロフラン(5mL)及びエタノール(5mL)中のメチル 5-シアノ-3-(2,2-ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン-2-カルボキシラート(453mg、1.73mmol)の澄明な黄色の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(262mg、6.94mmol)を30分間にわたって3回に分けて加えた。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(378mg、94%)。明黄色の粘性油状物、MS:234.2(M+H)
【0212】
中間体13
3-[4-シアノ-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパン酸
工程1: エチル (E)-3-[4-シアノ-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパ-2-エノアート
N,N-ジメチルホルムアミド(6mL)中の4-ブロモ-3-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]ベンゾニトリル(CAS-RN 1646784-84-0;450mg、1.62mmol)の無色の溶液に、アクリル酸エチル(194mg、1.94mmol)、トリエチルアミン(491mg、4.85mmol)、パラジウム(II)アセタート(7.27mg、32.4μmol)及びトリ-O-トリルホスフィン(39.4mg、129μmol)を加えた。反応物をアルゴンで通気し、120℃で18時間撹拌し、次に、飽和塩化アンモニウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(431mg、90%)。明褐色の固体。MS:296.2(M+H)
【0213】
工程2: エチル 3-[4-シアノ-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノアート
メタノール(6mL)中のエチル (E)-3-[4-シアノ-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパ-2-エノアート(431mg、1.45mmol)の明褐色の懸濁液に、パラジウム(CAS-RN 7440-05-3;89.4mg、840μmol)を加え、水素の雰囲気を導入した。室温で17時間後、反応物をアルゴンで通気し、珪藻濾過助剤で濾過し、そしてメタノールですすいだ。母液を完全に蒸発させて、粗の標記生成物を与えた(286mg、66%)。灰色の粘性油状物、MS:300.2(M+H)
【0214】
工程3: 3-[4-シアノ-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパン酸
テトラヒドロフラン(1mL)及びエタノール(0.5mL)中のエチル 3-[4-シアノ-2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]フェニル]プロパノアート(79.1mg、264μmol)の無色の溶液に、1M水酸化リチウム一水和物水溶液(CAS-RN 1310-66-3;793μl、793μmol)を加えた。反応物を室温で4時間撹拌し、次に、氷に注ぎ、2M塩酸水溶液でpH1に酸性化した。水相を酢酸エチルで抽出し、次に、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、標記化合物を生成した(66mg、92%)。白色の固体。MS:270.3(M-H)
【0215】
4-ブロモ-3-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]ベンゾニトリルを適切な出発物質に代えて、下記の中間体を中間体13に従って調製した。
【表11】
【0216】
中間体14
[5-クロロ-3-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]ピリジン-2-イル]メタノール
工程1: メチル 5-クロロ-3-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]ピリジン-2-カルボキシラート
メチル 3-(ブロモメチル)-5-クロロピリジン-2-カルボキシラート(CAS-RN 1260667-62-6;500mg、1.51mmol)を、アセトン(10mL)に溶解し、炭酸カリウム(209mg、1.51mmol)及び5-メチル-2H-テトラゾール(CAS-RN 4076-36-2;130mg、1.51mmol)を室温で加えた。得られた懸濁液を還流(60℃)で2時間撹拌し、次に、氷水と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 純粋なヘプタン~ヘプタン:酢酸エチル=2:1)により、標記化合物を生成した(185mg、46%)。白色の固体、MS:268.1(M+H)+。
【0217】
工程2: [5-クロロ-3-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]ピリジン-2-イル]メタノール
エチル 2-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)ベンゾアートをメチル 5-クロロ-3-[(5-メチルテトラゾール-2-イル)メチル]ピリジン-2-カルボキシラートに代えて、標記化合物を中間体1、工程2と同様に生成した。オフホワイトの半固体、MS:240.1(M+H)
【0218】
中間体15
tert-ブチル 4-(2,3-ジフルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルホニルピペリジン-1-カルボキシラート
氷酢酸(3mL)中のtert-ブチル 4-(2,3-ジフルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルファニルピペリジン-1-カルボキシラート(中間体9.2;94mg、230μmol)の溶液に、過酸化水素(水中35%;76mg、782μmol)を加えた。得られた溶液を室温で96時間撹拌し、次に、氷と酢酸エチルに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 純粋なヘプタン~ヘプタン:酢酸エチル=1:2)により、標記化合物を生成した(94mg、74%)。白色の固体、MS:439.2(M-H)
【0219】
tert-ブチル 4-(2,3-ジフルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルファニルピペリジン-1-カルボキシラート(中間体9.2)を適切なチオエーテルに代えて、下記の中間体を中間体15に従って調製した。
【表12】
【0220】
中間体16
tert-ブチル 4-[2-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルホニルエチル]ピペリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル 4-(2,3-ジフルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルファニルピペリジン-1-カルボキシラート(中間体9.2)をtert-ブチル 4-[2-(2-フルオロ-4-スルファモイルフェニル)スルフィニルエチル]ピペリジン-1-カルボキシラート(中間体10.4)に代えて、標記化合物を中間体15と同様に生成した。白色の固体、MS:449.3(M-H)
【0221】
中間体17
6-シクロブチルオキシ-5-シクロプロピルピリジン-3-カルボン酸
トルエン(25mL)及び水(2.8mL)中の5-ブロモ-6-シクロブチルオキシピリジン-3-カルボン酸(CAS-RN 1364678-46-5;1g、3.68mmol)の無色の溶液に、炭酸セシウム(3.59g、11.0mmol)、パラジウム(II)アセタート(16.5mg、73.5μmol)、カリウム シクロプロピルトリフルオロボラート(CAS-RN 1065010-87-8;598mg、4.04mmol)及びブチル ジ-1-アダマンチルホスフィン(CAS-RN 321921-71-5;79.1mg、221μmol)を加えた。反応混合物を脱気し、アルゴンで3回通気し、次に、120℃で16時間撹拌した。混合物を、氷及び1M水酸化ナトリウム水溶液とジクロロメタンとに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。酢酸エチルから再結晶化して、標記化合物を生成した(610mg、71%)。オフホワイトの固体、234.4(M+H)
【0222】
実施例A
式(I)の化合物は、それ自体公知の方法で、下記の組成の錠剤の製造用の活性成分として使用することができる:
1錠当たり
活性成分 200mg
微結晶性セルロース 155mg
コーンスターチ 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0223】
実施例B
式(I)の化合物は、それ自体公知の方法で、下記の組成のカプセル剤の製造用の活性成分として使用することができる:
1カプセル当たり
活性成分 100.0mg
コーンスターチ 20.0mg
ラクトース 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg