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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】ラインアレイ検出及び撮像システム
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/10 20060101AFI20221013BHJP
   G01V 8/20 20060101ALI20221013BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20221013BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20221013BHJP
   H04N 5/247 20060101ALI20221013BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221013BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
G01V8/10 S
G01V8/20 R
G01B11/00 H
H04N7/18 D
H04N7/18 U
H04N5/247
H04N5/232 290
G08B25/00 510M
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019560069
(86)(22)【出願日】2018-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 US2018015135
(87)【国際公開番号】W WO2018140547
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-13
(31)【優先権主張番号】62/450,447
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003493
【氏名又は名称】キャリア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,ピーター アール.
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー,ジェニファー エム.
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-086603(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0076415(US,A1)
【文献】特開2013-104783(JP,A)
【文献】特開2007-240290(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104730280(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104268882(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0006897(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 8/10、8/20
G01B 11/00
H04N 7/18、5/247、5/232
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に移動する物体を監視する方法であって、
画素の第1の一次元アレイを有する第1のラインアレイカメラを使用して、第1の視野内で1つ以上の一次データセットを捕捉することであって、各々の一次データセットは、ある時点における画素の前記第1の一次元アレイからの一次元出力である、前記捕捉することと、
各々の一次データセット内の変動及び各々の一次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、前記第1のラインアレイカメラに対して相対的に移動する物体が前記第1の視野内にあると判定することと、
前記物体が前記第1の視野に入ったときの第1の時点を判定することと、
画素の第2の一次元アレイを有する第2のラインアレイカメラを使用して、第2の視野内で1つ以上の二次データセットを捕捉することであって、各々の二次データセットは、ある時点における画素の前記第2の一次元アレイからの一次元出力であり、前記第2のラインアレイカメラは、前記第1のラインアレイカメラに対向し、前記第1のラインアレイカメラから離れた選択された距離に位置する、1つ以上の二次データセットを捕捉することと、
各々の二次データセット内の変動及び各々の二次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、前記第2のラインアレイカメラに対して相対的に移動する物体が前記第2の視野内にあると判定することと、
前記物体が前記第2の視野に入ったときの第2の時点を判定することと、
前記選択された距離、前記一次データセット、及び前記二次データセットに応じて、前記物体のサイズ及び前記物体と前記第1のラインアレイカメラとの間の距離を判定することと、
を含み、
前記物体の前記サイズは、前記第1および第2のラインアレイカメラの間の前記物体の位置、および前記物体がそれぞれ前記一次データセットおよび前記二次データセット内で占める画素数に基づいて判定される、方法。
【請求項2】
前記物体の前記サイズが選択されたサイズ範囲内にあるとき、アラームを起動することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記物体の二次元画像に応じて、前記物体の正体を判定することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記物体の前記正体に応じて、アラームを起動させることを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
人による検証のために前記物体の二次元画像を伝送することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
検出システムに対して相対的に移動する物体を監視する検出システムであって、
画素の第1の一次元アレイを使用して、第1の視野内で1つ以上の一次データセットを捕捉するように構成された第1のラインアレイカメラであって、各々の一次データセットは、ある時点における画素の前記第1の一次元アレイからの一次元出力である、前記第1のラインアレイカメラと、
画素の第2の一次元アレイを使用して、第2の視野内で1つ以上の二次データセットを捕捉するように構成された第2のラインアレイカメラであって、各々の二次データセットは、ある時点における画素の前記第2の一次元アレイからの一次元出力であり、前記第1のラインアレイカメラに対向し、かつ前記第1のラインアレイカメラから離れた選択された距離に位置する、前記第2のラインアレイカメラと、
前記第1のラインアレイカメラおよび前記第2のラインアレイカメラと通信する制御システムであって、前記制御システムは、
各々の一次データセット内の変動及び各々の一次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、前記第1のラインアレイカメラに対して相対的に移動する物体が前記第1の視野内にあると判定することと、
前記物体が前記第1の視野に入ったときの第1の時点を判定することと、
各々の二次データセット内の変動及び各々の二次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、前記第2のラインアレイカメラに対して相対的に移動する物体が前記第2の視野内にあると判定することと、
前記物体が前記第2の視野に入ったときの第2の時点を判定することと、
前記選択された距離、前記一次データセット、及び前記二次データセットに応じて、前記物体のサイズ及び前記物体と前記第1のラインアレイカメラとの間の距離を判定することと、
を含む、動作を実行するように構成される、前記制御システムと、
を含み、
前記物体の前記サイズは、前記第1および第2のラインアレイカメラの間の前記物体の位置、および前記物体がそれぞれ前記一次データセットおよび前記二次データセット内で占める画素数に基づいて判定される、検出システム。
【請求項7】
前記第1のラインアレイカメラは、短波赤外線カメラである、請求項に記載の検出システム。
【請求項8】
前記第1のラインアレイカメラは、アクティブ照明を利用する、請求項に記載の検出システム。
【請求項9】
前記物体の前記サイズが選択されたサイズ内にあるときに起動するように構成されたアラームを更に含む、請求項に記載の検出システム。
【請求項10】
前記動作は、前記物体の二次元画像に応じて、前記物体の正体を判定することを更に含む、請求項に記載の検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は概して、物体検出の分野に関し、特に、物体及び物体のいずれかの関連する動作を検出する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、動作検出器は、動作検出のために二次元ビデオカメラまたは超低画素カウントアレイに依存する。二次元ビデオカメラは、良好に作用するが、所与のアプリケーションに典型的には必要なものよりも多くの情報を提供することが多く、それは、コストを引き上げ、プライバシーを低下させ、輸出のコンプライアンスの懸念を有することがある。更に、二次元ビデオシステムはまた、背景信号を減算し、動いている物体を識別するために、進化型分析論に依存する。動作検出のための他の一般的なオプションは、超低画素カウントアレイであるが、超低画素カウントアレイは、画像を生成するのに苦労することが多く、また、高い割合で誤った情報を生成する。いくつかの例では、製造工程の組み立てライン上での品質制御検査の一部として、ラインアレイカメラが使用される。そのようなケースでは、標準状態からの逸脱が監視され、それは、製造の欠陥を示すことができる。画像に重要性はなく、付加価値を提供しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態に従って、相対的に移動する物体を監視する方法が提供される。方法は、画素の第1の一次元アレイを有する第1のラインアレイカメラを使用して、第1の視野内で1つ以上の一次データセットを捕捉することであって、各々の一次データセットは、ある時点における画素の第1の一次元アレイからの一次元出力である、捕捉することと、各々の一次データセット内の変動及び各々の一次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、第1のラインアレイカメラに対して相対的に移動する物体が第1の視野内にあると判定することと、物体が第1の視野に入ったときの第1の時点を判定することと、を含む。
【0004】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、方法の更なる実施形態は、画素の第2の一次元アレイを有する第2のラインアレイカメラを使用して、第2の視野内で1つ以上の二次データセットを捕捉することであって、各々の二次データセットは、ある時点における画素の第2の一次元アレイからの一次元出力であり、第2のラインアレイカメラは、第1のラインアレイカメラから離れた選択された距離に位置する、捕捉することと、各々の二次データセット内の変動及び各々の二次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、第2のラインアレイカメラに対して相対的に移動する物体が第2の視野内にあると判定することと、物体が第2の視野に入ったときの第2の時点を判定することと、第1の時点と第2の時点との間の期間を判定することと、選択された距離及び期間に応じて、物体の速度を判定することと、を含んでもよい。
【0005】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、方法の更なる実施形態は、画素の第2の一次元アレイを有する第2のラインアレイカメラを使用して、第2の視野内で1つ以上の二次データセットを捕捉することであって、各々の二次データセットは、ある時点における画素の第2の一次元アレイからの一次元出力であり、第2のラインアレイカメラは、第1のラインアレイカメラに対向し、第1のラインアレイカメラから離れた選択された距離に位置する、捕捉することと、各々の二次データセット内の変動及び各々の二次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、第2のラインアレイカメラに対する相対的に移動する物体が第2の視野内にあると判定することと、物体が第2の視野に入ったときの第2の時点を判定することと、選択された距離、一次データセット、及び二次データセットに応じて、物体のサイズ及び物体と第1のラインアレイカメラとの間の距離のうちの少なくとも1つを判定することと、を含んでもよい。
【0006】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、方法の更なる実施形態は、物体の速度が選択された速度範囲内にあるとき、アラームを起動させることを含んでもよい。
【0007】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、方法の更なる実施形態は、物体のサイズが選択されたサイズ範囲内にあるとき、アラームを起動させることを含んでもよい。
【0008】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、方法の更なる実施形態は、1つ以上の一次データセット及び物体の速度に応じて、物体の二次元画像を蓄積することを含んでもよい。
【0009】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、方法の更なる実施形態は、二次元画像に応じて、物体の正体を判定することを含んでもよい。
【0010】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、方法の更なる実施形態は、物体の正体に応じて、アラームを起動させることを含んでもよい。
【0011】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、方法の更なる実施形態は、人による検証のために二次元画像を伝送することを含んでもよい。
【0012】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、方法の更なる実施形態は、1つ以上の一次データセット及び物体の速度に応じて、物体の二次元画像を蓄積することと、物体のサイズが選択されたサイズ範囲内にあるとき、人による検証のために二次元画像を伝送することと、を含んでもよい。
【0013】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、方法の更なる実施形態は、第1のラインアレイカメラに対する物体の速度に応じて、物体が構造物に影響を与えると判定することを含んでもよい。
【0014】
別の実施形態に従って、検出システムに対して相対的に移動する物体を監視する検出システムが提供される。検出システムは、画素の第1の一次元アレイを使用して、第1の視野内で1つ以上の一次データセットを捕捉するように構成された第1のラインアレイカメラであって、各々の一次データセットは、ある時点における画素の第1の一次元アレイからの一次元出力である、第1のラインアレイカメラと、第1のラインアレイカメラと通信する制御システムと、を含み、制御システムは、動作を実行するように構成される。動作は、各々の一次データセット内の変動及び各々の一次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、第1のラインアレイカメラに対して相対的に移動する物体が第1の視野内にあると判定することと、物体が第1の視野に入ったときの第1の時点を判定することと、を含む。
【0015】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、システムの更なる実施形態は、第1のラインアレイカメラが短波赤外線カメラであることを含んでもよい。
【0016】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、システムの更なる実施形態は、第1のラインアレイカメラがアクティブ照明を利用することを含んでもよい。
【0017】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、検出システムの更なる実施形態は、制御システムと通信し、画素の第2の一次元アレイを使用して、第2の視野内で1つ以上の二次データセットを捕捉するように構成された第2のラインアレイカメラを含んでもよく、各々の二次データセットは、ある時点における画素の第2の一次元アレイからの一次元出力であり、第2のラインアレイカメラは、第1のラインアレイカメラから離れた選択された距離に位置する。動作は、各々の二次データセット内の変動及び各々の二次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、第2のラインアレイカメラに対して相対的に移動する物体が第2の視野内にあると判定することと、物体が第2の視野に入ったときの第2の時点を判定することと、第1の時点と第2の時点との間の期間を判定することと、選択された距離及び期間に応じて、物体の速度を判定することと、を更に含む。
【0018】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、検出システムの更なる実施形態は、制御システムと通信し、画素の第2の一次元アレイを使用して、第2の視野内で1つ以上の二次データセットを捕捉するように構成された第2のラインアレイカメラを含んでもよく、各々の二次データセットは、ある時点における画素の第2の一次元アレイからの一次元出力であり、第2のラインアレイカメラは、第1のラインアレイカメラに対向し、第1のラインアレイカメラから離れた選択された距離に位置する。動作は、各々の二次データセット内の変動及び各々の二次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、第2のラインアレイカメラに対して相対的に移動する物体が第2の視野内にあると判定することと、物体が第2の視野に入ったときの第2の時点を判定することと、選択された距離、一次データセット、及び二次データセットに応じて、物体のサイズ及び物体と第1のラインアレイカメラとの間の距離のうちの少なくとも1つを判定することと、を更に含む。
【0019】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、検出システムの更なる実施形態は、物体の速度が選択された速度内にあるときに起動させるように構成されたアラームを含んでもよい。
【0020】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、検出システムの更なる実施形態は、物体のサイズが選択されたサイズ内にあるときに起動させるように構成されたアラームを含んでもよい。
【0021】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、検出システムの更なる実施形態は、動作が、1つ以上の一次データセット及び物体の速度に応じて、物体の二次元画像を蓄積することを更に含むことを含んでもよい。
【0022】
上記説明された特徴のうちの1つ以上に加え、または代替として、検出システムの更なる実施形態は、動作が、二次元画像に応じて、物体の正体を判定することを更に含むことを含んでもよい。
【0023】
本開示の実施形態の技術的効果は、少なくとも1つのラインアレイカメラを使用して物体の存在及び/または物体の速度を検出する能力を含む。
【0024】
上述した特徴及び要素は、他に明確に示されない限り、非排他的に様々な組み合わせで組み合わされてもよい。それらの特徴及び要素と共にそれらの動作は、以下の説明及び添付図面を踏まえて更に明らかになるであろう。しかしながら、以下の説明及び添付図面は本質的に例示的且つ説明的であり、非限定的であることを意図していることを理解されるべきである。
【0025】
上述した特徴及び他の特徴、ならびに開示の利点は、添付図面を併用して以下の詳細な説明から明らかになり、添付図面では、同一の要素は、いくつかの図面において同じように番号付けされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1(A)~図1(E)は、開示の実施形態に従った、二次元画像を蓄積するために物体の複数の一次元データセットを捕捉するラインアレイ検出システムの概略図を例示する。
図2A】開示の実施形態に従った、ラインアレイ検出システムの概略図を例示する。
図2B】開示の実施形態に従った、図2Aのラインアレイ検出システムの代替的な配列の概略図を例示する。
図3】開示の実施形態に従った、図1及び2のラインアレイ検出システムの適用の概略図を例示する。
図4】開示の実施形態に従った、図1~4のラインアレイ検出システムを使用した物体検出の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
開示される装置及び方法の1つ以上の実施形態の詳細な説明は、図面を参照して、例示によって、及び限定しないことによって本明細書で提示される。
【0028】
図1(A)~1(E)は、二次元画像300を蓄積するために、物体200の複数の一次元データセット300aを捕捉するラインアレイ検出システム100の概略図を示す。物体200は、個体の物体、液体、及び/または気体を含むがそれに限定されない、ラインアレイカメラによって捕捉されることが可能ないずれかであってもよい。一実施例では、物体200は、人間であってもよく、別の実施例では、物体は、燃料の漏れであってもよい。図1(A)~1(E)は、第1のラインアレイカメラ110と称される単一のラインアレイカメラ110を表示し、第1のラインアレイカメラ110は、図2A及び2Bにおいて第2のラインアレイカメラ120と共に議論される。第2のラインアレイカメラ120及びいずれかの追加のラインアレイカメラは、図1(A)~1(E)の議論において例示されるように、第1のラインアレイカメラ110と同一の能力を有してもよい。第1のラインアレイカメラ110及び第2のラインアレイカメラ120は各々、画素の一次元アレイ110a、120aを有する。第1のカメラ110は、時間が進むにつれて一次データセットを捕捉し、第2のカメラ120は、時間が進むにつれて二次データセットを捕捉する。データセットは、画素のアレイ110a、120aによって捕捉されるものの一次元デジタル出力である。ラインアレイカメラ110、120は、例えば、ラインスキャンカメラ、ラインアレイカメラ、または一次元アレイカメラなど、画素の一次元アレイ110a、120aを使用して一次元データセットを捕捉することが可能ないずれかのカメラであってもよい。
【0029】
図1(A)~1(E)に示されるように、第1のラインアレイカメラ110は、画素の第1の一次元アレイ110aに起因して、非常に狭い視野を有する。物体200が第1のラインアレイカメラ110の第1の視野112にわたって移動するにつれて、物体200の一次元の一次データセット300aが記録される(図2A~2Bの第2のラインアレイカメラ120は、一次元の二次データセットを記録する)。第1のラインアレイカメラ110は、第1の視野112を通じて移動している物体200が存在しないときでさえ、データセットを連続して捕捉していることに留意されたい。一次元の一次データセット300aは、図1(A)~1(E)に見られるように、物体200の完全な画像300の「スライス」であってもよい。それらのデータセット300aは次いで、第1のラインアレイカメラ110の第1の視野112にわたって移動した物体200の二次元画像300を生成するために蓄積されることができる。第1の視野112内での物体の検出は、各々の一次データセット内の変動及び各々の一次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて判定されてもよい。これは、組み立てライン上での品質検査に使用される技術と同様であるが、そのケースでは、移動している物体(すなわち、移動しているコンベヤベルト上の部品)の速度は既知であり、したがって、二次元画像が既知の速度及び視野により正確に蓄積されることができる。セキュリティを目的にラインアレイカメラを使用するとき、物体200は、第1のラインアレイカメラ110の視野を通じて異なる速度または異なる方向で移動していることがある。したがって、移動している物体200の速度及び/または方向を計算するために、第2のラインアレイカメラ120が使用されることができる。
【0030】
図2A及び2Bは、開示の実施形態に従った、2つのラインアレイカメラ110、120を使用するラインアレイ検出システム100の2つの異なる構成を示す。図2A及び2Bを参照して、ラインアレイ検出システム100は、第1のラインアレイカメラ110、第2のラインアレイカメラ120、及び制御システム150を含む。第1のラインアレイカメラ110は、画素の第1の一次元アレイを使用して、第1の視野112内で1つ以上の一次データセットを捕捉するように構成される。各々の一次データセットは、第1のラインアレイカメラ110の画素の第1の一次元アレイ110aによって捕捉されるものの一次元デジタル出力である。第2のラインアレイカメラ120は、第1のラインアレイカメラ110から離れた選択された距離D1に位置付けられ、第1のラインアレイカメラ110と同様に動作する。第2のラインアレイカメラ120は、第2の視野122内で1つ以上の二次データセットを捕捉するように構成される。各々の二次データセットは、第2のラインアレイカメラ120の画素の第2の一次元アレイ120aによって捕捉されるものの一次元デジタル出力である。物体200の動作方向は、物体200が最初に視野112、122のいずれかに入るかに基づいて判定されることができる。例えば、物体200が第1の視野112を横切り、次いで、第2の視野122を横切る場合、物体200が第1の方向X1に直進していると判定されてもよい。ラインアレイカメラ110、120の間の選択された距離D1、ならびに移動している物体200が第1のラインアレイカメラ110の第1の視野112に入るときと第2のカメラ120の第2の視野122に入るときとの間の期間を使用して、二次元画像を構築するために、物体200の速度が計算及び使用されることができる(図1(A)~1(E)に見られるように)。
【0031】
図2Aは、移動している物体に向かって下方向を見ているラインアレイカメラ110、120の配列を示す。図2Bは、カメラが移動している物体に向かって横方向を見ているラインアレイカメラ110、120の代替的な配列を示す。当業者によって認識され得るように、ラインアレイカメラは、様々な異なる配列に配置されてもよく、図2A及び2Bは、まさにそれらの配列の2つである。加えて、ラインアレイカメラ110、120は、それらの視野112、122が相互に対向するように配列されることができる。有利なことに、これは、物体200のサイズ及び2つのラインアレイカメラ110、120の間の物体200の位置に関する追加の情報を提供することができる。物体200の存在を検出するために単一のラインアレイカメラ110、120のみが必要とされるが、物体200の速度及びサイズと共にカメラから離れた距離を検出するために少なくとも2つのラインアレイカメラ110、120が必要とされる。正確さを高めるために、追加のラインアレイカメラが追加されてもよい。相互に対向する2つのラインアレイカメラ110、120の間の物体200の位置を判定するために、各々のラインアレイカメラ110、120からの2つのデータセットが相互に比較される。特に、物体200が各々のデータセット内で占める画素(すなわち、ターゲット上の画素)の数である。例えば、物体が第1のラインアレイカメラ110についてのターゲット上で100個の画素を占め、第2のラインアレイカメラ上で2つの画素を占める場合、物体は、第1のラインアレイカメラ110により近い。ラインアレイカメラ110、120の間の物体200の実際の位置は次いで、各々のデータセットにおける画素の数、各々のラインアレイカメラ110、120の角度のある視野、及び各々のラインアレイカメラ110、120の間の測定された距離に応じて計算されることができる。物体200のサイズは次いで、2つのラインアレイカメラ110、120の間の物体200の位置、及び「ターゲット上の画素」の数を使用して判定されてもよい。有利なことに、物体のサイズが指定されたサイズ範囲内にあるときのみ、アラーム170が作動されてもよい。
【0032】
有利なことに、一次元データセットを生成する画素の一次元アレイ110a、120aは、ラインアレイカメラ110、120の視野112、122を通じて移動する物体200のスライスを撮像することのみによって、プライバシーの懸念を減少させることを支援し、背景技術を含まない。加えて、ラインアレイカメラ110、120のより狭い視野112、122は、ビデオ(2D)システムにおいて一般的な妨害/誤った情報のリスクを減少させることを支援することができる。実施形態では、ラインアレイカメラ110及び120は、短波赤外線(SWIR)カメラであってもよい。有利なことに、SWIRカメラは、可視光を必要としないことを理由に、セキュリティの目的で有益であり、したがって、慎重な検出を行うことができる。加えて、SWIR波長はまた、可視カメラの視界を通常は不明瞭にする煙霧などの一般的な大気条件を突き抜けることができる。受動的照明及びアクティブ照明の両方と共にSWIRカメラが使用されてもよい。受動的照明は、視野112、122内で物体200を照らすために周辺光を使用し、アクティブ照明は、視野112、112内で物体200を照らすために、例えば、レーザなどの人工光源を使用する。
【0033】
制御システム150は、ラインアレイ検出システム100の動作を制御し、視野112、122内で物体200の存在を判定するように構成される。制御システム150は、第1のラインアレイカメラ110及び第2のラインアレイカメラ120と通信する。制御システム150は、ラインアレイカメラ110、120とは別々であってもよく、またはラインアレイカメラ110、120のうちの1つの中に収容されてもよい。制御システム150は、プロセッサ及び関連するメモリを含んでもよい。プロセッサは、同質的または異質的に配列されたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、またはグラフィックプロセシングユニット(GPU)ハードウェアを含む、可能なアーキテクチャの広範囲のアレイのいずれかのシングルプロセッサまたはマルチプロセッサであってもよいが、それらに限定されない。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、または他の電子、光学、磁気、もしくはいずれかの他のコンピュータ可読媒体であってもよいが、それらに限定されない。
【0034】
データセットがラインアレイカメラ110、120、によって捕捉されると、物体200が視野112、122のうちの1つの中で検出されたかどうかを判定するために、データセットが制御システム150によって処理される。物体200が視野112、122内で検出される場合、コントローラは、アラーム170を作動させてもよい。アラーム170は、視覚的及び/または可聴的であってもよい。一実施例では、ラインアレイ検出システム100は、境界上でセットアップされてもよく、セキュリティシステムとして使用されてもよく、よって、ラインアレイ検出システム100は誰かが境界を横切ることを検出する場合に、アラーム170を鳴らす。制御システム150はまた、上記説明された速度、軌道、サイズ、及び距離の計算を実行するように構成されてもよい。この情報を使用して、制御システム150は、アラーム170をオフに設定する前に、物体200が誤った情報であるかどうかを判定するアルゴリズムを使用することができる。セキュリティシステムについてのこの実施例として、アラーム170は、犬が庭にいるときに抑制されてもよい。物体200のサイズに基づいて、アルゴリズムは、それが侵入者でないと判定してもよい。更に、制御システム150は、単一のラインアレイカメラ110、120によって捕捉された複数のデータセットに応じて、二次元画像を蓄積することが可能である。例えば、物体200の複数の一次元データセットは、それが視野を通じて移動するにつれて捕捉されてもよく、よって、制御システム150は、物体200の二次元画像を構成するために、それらの一次元データセットを共に蓄積してもよい。更に、制御システム150は、視覚的認識を通じて、物体200の正体を判定してもよい。例えば、上記境界のセキュリティの実施例に続く実施例として、アラーム170は、物体200の正体が無害のリスであると制御システム150が判定する場合に作動させなくてもよいが、物体200の正体が人間である場合に作動させてもよい。加えて、制御システム150はまた、人による検証のために二次元画像を伝送するために通信デバイス156を利用してもよい。有利なことに、二次元画像は、物体のサイズが指定された速度範囲内、指定されたサイズ範囲内で移動しているときのみ伝送されてもよく、及び/またはアルゴリズムは、物体の正体が対象の1つであると判定する。これは、制御システム150が物体の正体を判定することができない場合に行われてもよく、またはまさに制御システム150の標準的な動作手順として行われてもよい。例えば、いくつかの境界パトロールの代表は、制御システム150によって判定された正体に関わらず、ラインアレイカメラ110、120によって捕捉され、制御システム150によって蓄積されたあらゆる画像をレビューすることを望む場合がある。他の実施形態では、領域を単純に監視し、アラームを鳴らさないが、代わりに、後に使用するためのデータを提供するために、ラインアレイ検出システム100が使用されてもよい。
【0035】
ここで、図1及び2を続けて参照して、図3を参照する。図3は、本開示の実施形態に従った、物体検出のために使用されるラインアレイ検出システム100を示す。図3は、本開示の実施形態を組み込み得る航空機2の斜視図を示す。航空機2は、本体部10を通じて機種部6から機尾部8に延在する機体4を含む。本体部10は、乗員室15及び客室16を含む航空機キャビン14を収容する。本体部10は、第1の翼17及び第2の翼18を支持する。第1の翼17は、第1の翼型部23を通じて第1の根部20から第1の先端部21に延在する。第1の翼型部23は、前縁25及び後縁26を含む。第2の翼18は、第2の翼型部33を通じて第2の根部(図示せず)から第2の先端部31に延在する。第2の翼型部33は、前縁35及び後縁36を含む。機尾部8は、スタビライザ38を含む。図3に見られるように、ラインアレイ検出システム100は、航空機2の第1の翼17上に取り付けられてもよい。ラインアレイ検出システム100は、衝突の監視が望まれる場所に応じて、航空機2の様々な他の構造物上に取り付けられてもよい。図3の実施形態では、第1の翼17による潜在的な影響を検出するために、ラインアレイ検出システム100が使用されている。上記説明されたように、ラインアレイ検出システム100は、第1のラインアレイカメラ110を利用する。第1のラインアレイカメラ110は、第1の翼17の前方で外に突き出た第1の視野112を有する。ラインアレイ検出システム100は、物体200が第1の翼17に影響を与えると制御システム150が判定する場合に、アラーム170を作動させるように構成されてもよい。図3に例示される実施例は、ラインアレイ検出システム100の適用の一実施例であり、いずれかの方式において限定することを意図していない。更に、ラインアレイカメラ110、120が構造物上に位置しているか否かに関わらず、様々な構造物に対する影響を検出するために、ラインアレイ検出システム100が使用されてもよい。
【0036】
ここで、図1~3の構成要素を参照すると共に、図4を参照する。図4は、開示の実施形態に従った、ラインアレイ検出システム100を使用した物体200の検出の方法400のフローチャートを示す。ブロック404において、第1の視野112内の1つ以上の一次データセットは、画素の第1の一次元アレイ110aを有する第1のラインアレイカメラ110を使用して捕捉される。各々の一次データセットは、ある時点における画素の第1の一次元アレイ110aからの一次元出力である。ブロック406において、各々の一次データセット内の変動及び各々の一次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、第1のラインアレイカメラ110に対して相対的に移動する物体200が第1の視野112内にあると判定される。ブロック408において、物体200が第1の視野112に入ったときの第1の時点が判定される。
【0037】
ブロック410において、第2の視野122内の1つ以上の二次データセットは、画素の第2の一次元アレイ120aを有する第2のラインアレイカメラ120を使用して捕捉される。二次データセットは、一次データセットと同時または一次データセットよりも前に捕捉されてもよいことに留意されたい。各々の二次データセットは、ある時点における画素の第2の一次元アレイ120aからの一次元出力である。第2のラインアレイカメラ120は、第1のラインアレイカメラ110から離れた選択された距離D1に位置する。ブロック412において、各々の二次データセット内の変動及び各々の二次データセットの間の変動のうちの少なくとも1つに応じて、第2のラインアレイカメラ120に対して相対的に移動する物体200が第2の視野122内にあると判定される。ブロック414において、物体が第2の視野122に入ったときの第2の時点が判定される。第2の時点は、第1の時点と同時または第1の時点よりも前であってもよいことに留意されたい。
【0038】
上記言及されたように、第1の時点及び第2の時点が判定されると、制御システム150は、物体の速度及び物体の軌道を判定することも可能であってもよい。更に、第1のラインアレイカメラ110及び第2のラインアレイカメラ120が相互に対向している場合、物体200のサイズ及び物体200からラインアレイカメラ110、120への距離が次いで判定されてもよい。コントローラはまた、上記説明されたように、二次元画像を形成するためにデータセットを共に蓄積するように構成されてもよい。蓄積されると、人による検証のために二次元画像が送信されてもよく、または視覚的認識技術を通じて制御システム150によって正体が判定されてもよい。実施形態では、ラインアレイカメラ110、120は、短波赤外線カメラであってもよい。
【0039】
上記説明は、特定の順序にある図4のフローの処理を説明してきたが、添付の特許請求の範囲において他に特に要求されない限り、ステップの順序が変わってもよいことを認識されるべきである。
【0040】
上記説明されたように、実施形態は、プロセッサなど、それらの処理を実施するためのプロセッサによって実行される処理及びデバイスの形式にあることができる。実施形態はまた、ネットワーククラウド記憶装置、SDカード、フラッシュドライブ、フロッピディスケット、CD ROM、ハードドライブ、またはいずれかの他のコンピュータ可読記憶媒体など、有形媒体において具体化された命令を含むコンピュータプログラムコードの形式にあることができ、コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされ、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータは、実施形態を実施するためのデバイスになる。実施形態はまた、例えば、記憶媒体に記憶されるかに関わらず、コンピュータにロードされ及び/またはコンピュータによって実行されるかに関わらず、またはいくつかの伝送媒体を通じて伝送されるかに関わらず、コンピュータプログラムコードの形式にあることができ、コンピュータにロードされ及び/またはコンピュータによって実行されてもよく、電気配線もしくはケーブリングを通じて、ファイバオプティックを通じて、もしくは電磁気放射を介してなど、いくつかの伝送媒体を通じて伝送されてもよく、コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされ、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータは、実施形態を実施するためのデバイスになる。汎用マイクロプロセッサ上で実行されるとき、コンピュータプログラムコードセグメントは、特定の論理回路を作成するようにマイクロプロセッサを構成する。
【0041】
用語「約(about)」は、本出願の時点で利用可能な機器に基づいた特定の量の測定と関連付けられた誤差の程度を含むことを意図している。例えば、「約」は、所与の値のプラスマイナス8%、5%、または2%の範囲を含むことができる。
【0042】
本明細書で使用される技術用語は、特定の実施形態を説明することを目的としているにすぎず、本開示を限定することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、コンテキストが明確に他を示さない限り、複数形をも含むことを意図している。更に、用語「備える(comprises)」及び/または「備える(comprising)」は、本明細書で使用されるとき、述べられる特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことを理解されよう。
【0043】
例示的な実施形態または実施形態(複数可)を参照して本開示が説明されてきたが、本開示の範囲を逸脱することなく、それらの要素に対して様々な変更が行われてもよく、同等物が置き換えられてもよいことが当業者によって理解されよう。加えて、本開示の教示に特定の状況または材料を適合させるために、その必須の範囲から逸脱することなく、多くの修正が行われてもよい。したがって、本開示は、本開示を実施するために考慮される最良モードとして開示される特定の実施形態に限定されないが、本開示は、請求項の範囲内にある全ての実施形態を含むことを意図している。
図1
図2A
図2B
図3
図4