(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】新規なピペリジン-2,6-ジオン誘導体及びその用途
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20221013BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20221013BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20221013BHJP
A61P 31/08 20060101ALI20221013BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20221013BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221013BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221013BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
C07D401/14
A61K31/53
A61P31/08
A61P37/06
A61P29/00
A61P35/00
A61P35/02
(21)【出願番号】P 2019561172
(86)(22)【出願日】2018-05-11
(86)【国際出願番号】 KR2018005444
(87)【国際公開番号】W WO2018208123
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】10-2017-0059620
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0184761
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514266091
【氏名又は名称】コリア リサーチ インスティチュート オブ ケミカル テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】KOREA RESEARCH INSTITUTE OF CHEMICAL TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン ジョン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ハ ジェ ド
(72)【発明者】
【氏名】チョ ソン ユン
(72)【発明者】
【氏名】キム ピル ホ
(72)【発明者】
【氏名】ユン チャン ス
(72)【発明者】
【氏名】パク チ フン
(72)【発明者】
【氏名】イ チョン オク
(72)【発明者】
【氏名】チェ サン ウン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジュ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】アン ソンジュ
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-505019(JP,A)
【文献】特表2010-540525(JP,A)
【文献】特表2011-505807(JP,A)
【文献】特表2020-506922(JP,A)
【文献】CAS REGISTRY NO. 1195710-89-4,DATABASE REGISTRY, [online],2009年12月03日,[2022.03.28検索], Retrieved from: STN
【文献】CAS REGISTRY NO. 1484840-16-5,DATABASE REGISTRY, [online],2013年12月01日,[2022.03.28検索], Retrieved from: STN
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【化1】
上記化学式1において、
Xは、窒素(N
)であり、
R
1またはR
2は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、-NR
5R
6、-N(SO
2)R
7、-CONR
5R
6、-OR
5、-SR
5、-SO
2R
5、-SO
2NR
5R
6、
-CHR
5
R
6
、
-CHR
5
NR
6
R
7
、-P(O)(OR
5)R
6、-P(O)R
5R
6、-OP(O)(OR
5)R
6、-OP(O)R
5R
6、-CF
3、-NR
5SO
2NR
5R
6、-CONR
5COR
6、-NR
5C(=N-CN)NR
5R
6、-C(=N-CN)NR
5R
6、-NR
5C(=N-CN)R
6、-NR
5C(=C-NO
2)NR
5R
6、-SO
2NR
5COR
6、-CO
2R
5、-C(C=N-OR
5)R
6、-CR
5=CR
5R
6、-CCR
5、-S(C=O)(C=N-R
5)R
6、-SF
5、-OCF
3、-NHCOR
5、非置換または置換されたC
1-C
10の直鎖または側鎖
が含まれたアルキル、非置換または置換された
C
2
-C
10
の直鎖または側鎖
が含まれたアルケニル、非置換または置換された
C
2
-C
10
の直鎖または側鎖
が含まれたアルキニル、非置換または置換されたC
1-C
10の直鎖または側鎖
が含まれたアルコキシ、非置換または置換されたC
3-C
10のシクロアルキル、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC
3-C
10のヘテロシクロアルキル、非置換または置換されたC
3-C
10のシクロアルケニル、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC
3-C
10のヘテロシクロアルケニル、非置換または置換されたC
6-C
14のアリール、非置換または置換されたC
6-C
24のアリールアルキル、及び、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC
6-C
14のヘテロアリールからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R
3は、水素、重水素、及び、非置換または置換されたC
1-C
10の直鎖または側鎖
が含まれたアルキルからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R
4は、水素、-(CH
2)
nOCOR
8、及び、非置換または置換されたC
1-C
10の直鎖または側鎖
が含まれたアルキルからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R
5~R
8は、それぞれ独立して、水素、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたC
1-C
10の直鎖または側鎖
が含まれたアルキル、非置換または置換された
C
2
-C
10
の直鎖または側鎖
が含まれたアルケニル、非置換または置換された
C
2
-C
10
の直鎖または側鎖
が含まれたアルキニル、非置換または置換されたC
3-C
10のシクロアルキル、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC
3-C
10のヘテロシクロアルキル、非置換または置換されたC
6-C
14のアリール、及び、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC
6-C
14のヘテロアリールからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
nは1~5の整数である。
【請求項2】
前記化学式1において、R
1またはR
2は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、-CH
3、-OCF
3、-OCH
3、-NHCOCH
3、-COOH、-CONH
2、-CONHCH
3及び-NHCOC
6H
5からなる群より選択される1種以上の置換
基を表し、
R
4は、-CH
2OCOC(CH
3)
3、-CH
2OCOC
6H
5、
-CH
2
OCOC
5
H
10
N、-CH
2OCOC
4H
8N、-CH
2OCOCH(NH
2)CH(CH
3)CH
2CH
3、-CH
2OCOCH
2CH
2CH
3及び-CH
2OCOC
4H
7NBocからなる群より選択される1種以上の置換基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
前記化学式1の化合物は、
3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(5-フルオロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(5-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(5-クロロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(5-メチル-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(6-クロロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(6-ブロモ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(6-ヨード-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(8-ブロモ-6-メチル-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-カルボニトリル、
3-(5-ヨード-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(4-オキソ-6-(トリフルオロメトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(6-メトキシ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
N-(3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-イル)アセトアミド、
3-(8-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(8-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
N-(3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-イル)アセトアミド
、
3-(4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(7-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(6-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(7-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-カルボン酸、
3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-3-メチルピペリジン-2,6-ジオン
、
3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-カルボキサミド、
3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-N-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-カルボキサミド、
N-(3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-イル)ベンズアミド、
3-(5-ヒドロキシ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルピバレート、
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルベンゾエート、
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルピペリジン-4-カルボキシレート塩酸塩、
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルD-プロリネート塩酸塩、
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルL-イソロイシネート塩酸塩、
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルブチレート、
2-((3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチル)1-(tert-ブチル)(2R)-ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート及び
3-(6-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
前記化学式1において、Xは窒素(N)であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
前記化学式1において、R
1またはR
2は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、-CH
3、-OCF
3、-OCH
3、-NHCOCH
3、-COOH、-CONH
2、-CONHCH
3及び-NHCOC
6H
5からなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R
4は、-CH
2OCOC(CH
3)
3、-CH
2OCOC
6H
5、
-CH
2
OCOC
5
H
10
N、-CH
2OCOC
4H
8N、-CH
2OCOCH(NH
2)CH(CH
3)CH
2CH
3、-CH
2OCOCH
2CH
2CH
3及び-CH
2OCOC
4H
7NBocなる群より選択される1種以上の置換基を表す
ことを特徴とする、請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
(a)下記化学式2で表される化合物を下記化学式3で表される化合物と反応させて、下記化学式4で表される化合物を製造する工程と、
(b)下記化学式4で表される化合物をNaNO
2と反応させて、下記化学式5で表される化合物を製造する工程と
を含む
、下記化学式5で表される化合物を製造する方法。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
上記化学式2
、4、5において、R
1またはR
2は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、-CH
3、-OCF
3、-OCH
3、-NHCOCH
3、-COOH、-CONH
2、-CONHCH
3及び-NHCOC
6H
5からなる群より選択される1種以上の置換基を表
す。
【請求項7】
請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5のうちのいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、ハンセン病、慢性移植片対宿主病、炎症性疾患または癌の予防または治療用の薬学的組成物。
【請求項8】
前記癌は、乳房癌、大腸癌、肺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、血液癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部癌、皮膚または眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門辺縁癌、結腸癌
、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌腺癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系腫瘍、中枢神経原発リンパ腫、脊髄腫瘍、脳幹部神経膠腫及び下垂体腺腫からなる群より選択されることを特徴とする、請求項7に記載のハンセン病、慢性移植片対宿主病、炎症性疾患または癌の予防または治療用の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なピペリジン-2,6-ジオン誘導体及びその用途に関し、より詳しくは、ハンセン病、慢性移植片対宿主病、炎症性疾患または癌の予防または治療効果を示すピペリジン-2,6-ジオン誘導体化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
サリドマイドは、商標名THALOMID(登録商標)、及びα-(N-フタルイミド)グルタルイミドまたは2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジニル)-lH-イソインドール-1,3(2H)-ジオンの化学名で販売されるラセミ化合物である。サリドマイドは、本来、つわり(morning sickness)を治療するために開発されたが、奇形の発生によって使用が中断された。現在、サリドマイドはヒトのハンセン病結節性紅斑の治療において米国で承認されている(Physician’s Desk Reference(登録商標)、1081-1085(55thed.,2001))。
【0003】
また、サリドマイドは、ハンセン病、慢性移植片対宿主病、リュウマチ関節炎、サルコイドーシス、幾つかの炎症性皮膚疾患及び炎症性腸疾患の患者に使用されると報告され、心臓及び脳動脈閉鎖関連虚血/再潅流を治療するために他の薬物と組み合わせることができると報告された(米国特許第5,643,915号)。
【0004】
さらに最近、サリドマイドは特定類型の癌の治療に使用された。これは不応性多発性骨髄腫、脳、黒色腫、乳房、結腸、中皮腫及び腎細胞癌を含む(Singhal,S.et al.,341(21)NewEngland J.Med.,1565-1571(1999);及びMarx、G.M.et al.,18 Proc.Am.Soc.Clin.Oncology,454a(1999)参照)。サリドマイドは、さらに、ラットでドキソルビシンによって誘発された慢性心筋病症の発現の予防に使用されると報告された(Costa,P.T.et al.,92(l0:suppl.1)Blood,235b(1998))。特定の癌の治療におけるサリドマイドの用途に関する他の報告は、多形性膠芽細胞腫の治療の際、カルボプラチンとの併用を含む(McCann,J.,DrugTopics41-42(June 21,1999))。サリドマイドは、また、星細胞腫の治療の際、鎮吐剤として使用されると報告された(Zwart、D.,16(12)Arzneim.-Forsch.,1688-1689(1966))。
【0005】
他にも、サリドマイドは、ループス腎炎、線維筋痛症、統合失調症、中枢神経系疾患、糖尿病、炎症性疾患などの予防または治療の目的で多様に活用されているが、それを服用した妊婦から奇形児が発生するという致命的な副作用のため、1961年末市場から撤収した履歴を持っている。
【0006】
サリドマイドの多様な生理学的有用性をそのまま保ちながら、深刻な副作用の問題が解消された誘導体を開発するための研究が活発に行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、サリドマイドが奏する生理学的活性をそのまま保ちながら、サリドマイドが引き起こす副作用のない、新規な誘導体化合物を開発するため鋭意努力し、特に、ピペリジン-2,6-ジオンに基づいた新規なサリドマイド誘導体を開発してその活性を評価することで、本発明の完成に至った。
【0008】
したがって、本発明は、下記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供することを目的とする。
【0009】
【0010】
化学式1において、
Xは、窒素(N)または炭素(C)であり、
R1またはR2は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、-NR5R6、-N(SO2)R7、-CONR5R6、-OR5、-SR5、-SO2R5、-SO2NR5R6、-CR5R6、-CR5NR6R7、-P(O)(OR5)R6、-P(O)R5R6、-OP(O)(OR5)R6、-OP(O)R5R6、-CF3、-NR5SO2NR5R6、-CONR5COR6、-NR5C(=N-CN)NR5R6、-C(=N-CN)NR5R6、-NR5C(=N-CN)R6、-NR5C(=C-NO2)NR5R6、-SO2NR5COR6、-CO2R5、-C(C=N-OR5)R6、-CR5=CR5R6、-CCR5、-S(C=O)(C=N-R5)R6、-SF5、-OCF3、-NHCOR5、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキル、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルケニル、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキニル、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルコキシ、非置換または置換されたC3-C10のシクロアルキル、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC3-C10のヘテロシクロアルキル、非置換または置換されたC3-C10のシクロアルケニル、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC3-C10のヘテロシクロアルケニル、非置換または置換されたC6-C14のアリール、非置換または置換されたC6-C24のアリールアルキル、及び、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC6-C14のヘテロアリールからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R3は、水素、重水素(deuterium)、及び、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキルからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R4は、水素、-(CH2)nOCOR8、及び、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキルからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R5~R8は、それぞれ独立して、水素、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキル、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルケニル、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキニル、非置換または置換されたC3-C10のシクロアルキル、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC3-C10のヘテロシクロアルキル、非置換または置換されたC6-C14のアリール、及び、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC6-C14のヘテロアリールからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
nは、1~5の整数である。
【0011】
また、本発明は、
(a)下記化学式2で表される化合物を下記化学式3で表される化合物と反応させて、下記化学式4で表される化合物を製造する工程と、
(b)下記化学式4で表される化合物をNaNO2と反応させて、下記化学式5で表される化合物を製造する工程と
を含む方法を提供することを他の目的とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
本発明は、前記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、ハンセン病、慢性移植片対宿主病、炎症性疾患または癌の予防または治療用薬学的組成物を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0018】
【0019】
化学式1において、
Xは、窒素(N)または炭素(C)であり、
R1またはR2は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、-NR5R6、-N(SO2)R7、-CONR5R6、-OR5、-SR5、-SO2R5、-SO2NR5R6、-CR5R6、-CR5NR6R7、-P(O)(OR5)R6、-P(O)R5R6、-OP(O)(OR5)R6、-OP(O)R5R6、-CF3、-NR5SO2NR5R6、-CONR5COR6、-NR5C(=N-CN)NR5R6、-C(=N-CN)NR5R6、-NR5C(=N-CN)R6、-NR5C(=C-NO2)NR5R6、-SO2NR5COR6、-CO2R5、-C(C=N-OR5)R6、-CR5=CR5R6、-CCR5、-S(C=O)(C=N-R5)R6、-SF5、-OCF3、-NHCOR5、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキル、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルケニル、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキニル、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルコキシ、非置換または置換されたC3-C10のシクロアルキル、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC3-C10のヘテロシクロアルキル、非置換または置換されたC3-C10のシクロアルケニル、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC3-C10のヘテロシクロアルケニル、非置換または置換されたC6-C14のアリール、非置換または置換されたC6-C24のアリールアルキル、及び、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC6-C14のヘテロアリールからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R3は、水素、重水素、及び、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキルからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R4は、水素、-(CH2)nOCOR8、及び、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキルからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R5~R8は、それぞれ独立して、水素、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキル、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルケニル、非置換または置換されたC1-C10の直鎖または側鎖アルキニル、非置換または置換されたC3-C10のシクロアルキル、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC3-C10のヘテロシクロアルキル、非置換または置換されたC6-C14のアリール、及び、N、O及びSからなる群より選択されたヘテロ原子を一つ以上含む非置換または置換されたC6-C14のヘテロアリールからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
nは1~5の整数である。
【発明の効果】
【0020】
本発明による化学式1の化合物は、CRBNタンパク質と特異的に結合して、その機能に関与する。したがって、本発明の化合物は、CRBNタンパク質の作用によるハンセン病、慢性移植片対宿主病、炎症性疾患または癌の予防または治療に有用に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の化学式7の化合物を6時間処理した場合のAiolosに対する分解活性を測定したものである。
【
図2】本発明の化学式37または38の化合物を6時間または24時間処理した場合のGSPT1及びAiolosに対する分解活性を測定したものである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0023】
本発明において、下記用語は、特に言及しない限り、以下のような意味を有する。定義されない任意の用語は当該分野で理解される意味を有する。
【0024】
本発明において、「ハロゲン」とは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)を意味する。
【0025】
本発明において用語「アミノ」とは、単独でまたは組み合わせられて、窒素原子を介して結合した一級、二級または三級アミノ基を意味し(ここで、二級アミノ基はアルキルまたはシクロアルキル置換基を有し、三級アミノ基は二つの類似するか又は相異なるアルキルまたはシクロアルキル置換基を有するか、それとも、共に環を形成する二つの窒素置換基を有する)、例えば、-NH2、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチル-エチルアミノ、-NR5R6、-N(SO2)R7、-NR5SO2NR5R6、-NR5CONR5R6、-NR5C(=N-CN)NR5R6、-NR5C(=N-CN)R6、-NR5C(=C-NO2)NR5R6、ピロリジン-1-イル、または、ピペリジノなどであり、望ましくは一級アミノ、C1-C10のアルキルアミノである。
【0026】
本発明において用語「置換された」とは、特に言及しない限り、少なくとも一つの置換基、例えば、ハロゲン原子、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、チオール、カルボキシル、アミド、ニトリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフェニル、ホルミル、ホルミルオキシ、ホルミルアミノ、ホルミルアミノ、アリールまたは置換されたアリールを一つまたは二つ以上含むことを意味する。特に言及しない限り、または、このような置換によって得られた構造が本発明の化学式1で表される化合物の性質に著しく悪影響を及ぼさない場合、本発明の化学式1で表される化合物について示された任意の基または構造が置換され得る。
【0027】
本発明において用語「アルキル」とは、特に言及しない限り、直鎖または側鎖が含まれた炭素数1~10(C1-C10)、より望ましくは炭素数1~6(C1-C6)、さらに望ましくは炭素数1~4(C1-C4)の炭化水素ラジカルを意味する。例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、シクロペンチル、シクロブチルメチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロペンチルメチルなどが挙げられる。前記アルキルは、置換または非置換されたアルキルであり得る。
【0028】
本発明において用語「アルケニル」または「アルキニル」とは、それぞれ一つまたはそれ以上の二重結合または三重結合を含む直鎖または側鎖が含まれた炭素数1~10、より望ましくは炭素数1~6、さらに望ましくは炭素数1~4の炭化水素ラジカルを意味する。前記アルケニルまたはアルキニルは、それぞれ置換または非置換されたアルケニルまたはアルキニルであり得る。
【0029】
本発明において用語「アルコキシ」とは、-O-アルキル基を意味し、アルキルは上述の通りである。例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシなどが挙げられる。前記アルコキシは、置換または非置換されたアルコキシであり得る。
【0030】
本発明において用語「シクロアルキル」とは、環状アルキル基を意味し、3~10個の炭素原子から単一環状に形成される。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。前記シクロアルキルは、置換または非置換されたシクロアルキルであり得る。
【0031】
本発明において用語「シクロアルケニル」とは、環状アルケニル基を意味し、3~10個の炭素原子から単一環状に形成される。例えば、シクロヘキセニル、シクロペンテニル及びシクロブテニルなどが挙げられる。前記シクロアルケニルは、置換または非置換されたシクロアルケニルであり得る。
【0032】
本発明において用語「アリール」とは、芳香族部分(aromatic moiety)を意味し、炭素環状官能基であって、6~14個の炭素原子からなる単一環(例えば、フェニル)または多重縮合環多重縮合環(例えば、ナフチル、アントリル、フェナントリル)として形成される。前記アリールは、置換または非置換のアリールであり得る。
【0033】
本発明において用語「アリールアルキル」とは、アルキル基で置換されたアリール基を意味し、アリール及びアルキルは上述の通りである。
【0034】
「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルケニル」及び「ヘテロアリール」とは、単一環または多重縮合環を有し、3~12個の環原子を有し、少なくとも一つ以上の環原子が同一または異なる種類のヘテロ原子(例えば、窒素、硫黄または酸素)で置換された「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」及び「アリール」をそれぞれ意味する。
【0035】
本発明において「薬学的に許容可能な塩」とは、望ましい生物学的活性を保持した化学式1の塩または複合体を意味する。このような塩の例としては、これらに限定されないが、無機酸[例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など]から形成される酸付加塩、及び、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、及びポリ-ガラクツロン酸のような有機酸から形成された塩を含む。また、前記化合物は、当業者に知られた薬学的に許容可能な第四級塩として投与され得るが、特に、クロライド、ブロマイド、アイオダイド、-O-アルキル、トルエンスルホネート、メチルスルホネート、スルホネート、フォスフェート、またはカルボキシレート(例えば、ベンゾエート、コハク酸塩、アセテート、グリコレート、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマレート、シトレート、タルトレート、アスコルベート、シンナモエート、マンデロエート及びジフェニルアセテート)を含む。本発明の化学式1の化合物は、薬学的に許容可能な塩だけでなく、通常の方法によって製造可能なあらゆる塩、水和物及び溶媒和物を全て含み得る。
【0036】
また、本発明の化合物は、一つ以上の不斉炭素原子を含み、ラセミ形態及び光学的な活性形態で存在し得る。このような全ての化合物及びジアステレオマー(diastereomer)は本発明の範囲に含まれる。
【0037】
望ましくは、前記化学式1において、
R1またはR2は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、-CH3、-OCF3、-OCH3、-NHCOCH3、-COOH、-CONH2、-CONHCH3及び-NHCOC6H5からなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R4は、-CH2OCOC(CH3)3、-CH2OCOC6H5、-CH2COC5H10N、-CH2OCOC4H8N、-CH2OCOCH(NH2)CH(CH3)CH2CH3、-CH2OCOCH2CH2CH3及び-CH2OCOC4H7NBocからなる群より選択される1種以上の置換基を表し、より望ましくは、下記式の置換基であり得る。
【0038】
【0039】
また、さらに望ましくは、前記化学式1において、Xは、窒素(N)であることを特徴とし、
最も望ましくは、前記化学式1において、Xは、窒素(N)であり、
R1またはR2は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、-CH3、-OCF3、-OCH3、-NHCOCH3、-COOH、-CONH2、-CONHCH3及び-NHCOC6H5からなる群より選択される1種以上の置換基を表し、
R4は、-CH2OCOC(CH3)3、-CH2OCOC6H5、-CH2COC5H10N、-CH2OCOC4H8N、-CH2OCOCH(NH2)CH(CH3)CH2CH3、-CH2OCOCH2CH2CH3及び-CH2OCOC4H7NBocからなる群より選択される1種以上の置換基を表す。
【0040】
また、本発明は、(a)下記化学式2で表される化合物を下記化学式3で表される化合物と反応させて、下記化学式4で表される化合物を製造する工程と、
(b)下記化学式4で表される化合物をNaNO2と反応させて、下記化学式5で表される化合物を製造する工程と
を含む方法を提供する。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
化学式2において、
R1またはR2は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、-CH3、-OCF3、-OCH3、-NHCOCH3、-COOH、-CONH2、-CONHCH3及び-NHCOC6H5からなる群より選択される1種以上の置換基で表され得る。
【0046】
本発明の前記工程(a)で使用する溶媒は、出発物質を溶解し、反応を阻害しない溶媒であれば特に制限されず、例えば、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテルまたはジオキサンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエンまたはキシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドまたはN-メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノールまたはt-ブタノールなどのアルコール系溶媒;またはこれらの混合物、若しくは、前記溶媒と水との混合溶媒を使用し得る。望ましくは、ジメチルホルムアミドを使用できるが、これに制限されることはない。
【0047】
また、前記工程(a)における反応を容易に行うため、適切な塩基を使用し得る。前記塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、N,N-ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、2,4-ジアミノ酪酸(DBU)などを使用し得、望ましくはジイソプロピルエチルアミンを使用できるが、これに制限されることはない。
【0048】
前記工程(a)において、化学式2の化合物と化学式3の化合物との反応モル比は1:3~5であり得、最も望ましくは1:4のモル比で反応を行う。
【0049】
前記工程(b)は、前記工程(a)で生成した化学式4の化合物に窒化ナトリウムを添加して環化反応を行う工程であって、弱酸性、室温条件で反応を行うことが望ましい。
【0050】
また、本発明は、前記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むハンセン病、慢性移植片対宿主病、炎症性疾患または癌の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0051】
このような本発明の効果は、本発明の実施例に十分示されている。
【0052】
本発明において用語「治療」とは、特に言及しない限り、当該用語が適用される疾患または疾病、若しくは、前記疾患または疾病の一つ以上の症状を逆転させるか、緩和させるか、進行を抑制するか、または、予防することを意味し、本発明で使用される用語「治療」は治療する行為を言う。
【0053】
本発明の一実験例によれば、CRBN(celebron)タンパク質に結合してIkaros/Aiolos、GSPT1を分解することが確認された。CRBNタンパク質はE3ユビキチンリガーゼ(E3ubiquitin ligase)の一種であって、サリドマイド及びその類似体であるポマリドミド(pomalidomide)、レナリドミド(lenalidomide)などと結合してIkaros/Aiolosタンパク質、GSPT1タンパク質などの基質タンパク質に対してユビキチンを付着する活性を有すると知られている。
【0054】
本発明において、前記「癌」は、乳房癌、大腸癌、肺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、血液癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部癌、皮膚または眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門辺縁癌、結腸癌、乳房癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌腺癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系腫瘍、中枢神経原発リンパ腫、脊髄腫瘍、脳幹部神経膠腫及び下垂体腺腫からなる群より選択され得るが、これらに制限されるものではない。
【0055】
また、本発明の化学式1の化合物は、より具体的には、化学式6の化合物であり得る。
【0056】
【0057】
最も望ましくは、本発明の前記化学式1の化合物は、下記化合物の中から選択され得る。
【0058】
[化学式7]
3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化13】
【0059】
[化学式8]
3-(5-フルオロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化14】
【0060】
[化学式9]
3-(5-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化15】
【0061】
[化学式10]
3-(5-クロロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化16】
【0062】
[化学式11]
3-(5-メチル-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化17】
【0063】
[化学式12]
3-(6-クロロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化18】
【0064】
[化学式13]
3-(6-ブロモ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化19】
【0065】
[化学式14]
3-(6-ヨード-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化20】
【0066】
[化学式15]
3-(8-ブロモ-6-メチル-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化21】
【0067】
[化学式16]
3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-カルボニトリル
【化22】
【0068】
[化学式17]
3-(5-ヨード-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化23】
【0069】
[化学式18]
3-(4-オキソ-6-(トリフルオロメトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化24】
【0070】
[化学式19]
3-(6-メトキシ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化25】
【0071】
[化学式20]
N-(3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-イル)アセトアミド
【化26】
【0072】
[化学式21]
3-(8-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化27】
【0073】
[化学式22]
3-(8-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化28】
【0074】
[化学式23]
N-(3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-イル)アセトアミド
【化29】
【0075】
[化学式24]
3-(5-アミノ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化30】
【0076】
[化学式25]
3-(4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化31】
【0077】
[化学式26]
3-(7-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化32】
【0078】
[化学式27]
3-(6-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化33】
【0079】
[化学式28]
3-(7-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化34】
【0080】
[化学式29]
3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-カルボン酸
【化35】
【0081】
[化学式30]
3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-3-メチルピペリジン-2,6-ジオン
【化36】
【0082】
[化学式31]
3-(8-アミノ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化37】
【0083】
[化学式32]
3-(7-(アミノメチル)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化38】
【0084】
[化学式33]
3-(6-(アミノメチル)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化39】
【0085】
[化学式34]
3-(5-(アミノメチル)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化40】
【0086】
[化学式35]
3-(6-(アミノメチル)-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化41】
【0087】
[化学式36]
3-(7-(アミノメチル)-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化42】
【0088】
[化学式37]
1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素
【化43】
【0089】
[化学式38]
1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-イル)メチル)尿素
【化44】
【0090】
[化学式39]
1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-イル)メチル)尿素
【化45】
【0091】
[化学式40]
1-(3-クロロフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素
【化46】
【0092】
[化学式41]
1-(4-クロロフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素
【化47】
【0093】
[化学式42]
1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素
【化48】
【0094】
[化学式43]
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素
【化49】
【0095】
[化学式44]
1-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素
【化50】
【0096】
[化学式45]
3-クロロ-N-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-イル)メチル)ベンズアミド
【化51】
【0097】
[化学式46]
3-クロロ-N-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-イル)メチル)-4-メチルベンズアミド
【化52】
【0098】
[化学式47]
1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)尿素
【化53】
【0099】
[化学式48]
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)尿素
【化54】
【0100】
[化学式49]
1-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)尿素
【化55】
【0101】
[化学式50]
1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)メチル)尿素
【化56】
【0102】
[化学式51]
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)メチル)尿素
【化57】
【0103】
[化学式52]
1-(3-クロロフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)チオ尿素
【化58】
【0104】
[化学式53]
2-(3-クロロフェニル)-N-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)アセトアミド
【化59】
【0105】
[化学式54]
3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-カルボキサミド
【化60】
【0106】
[化学式55]
3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-N-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-カルボキサミド
【化61】
【0107】
[化学式56]
N-(3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-イル)ベンズアミド
【化62】
【0108】
[化学式57]
3-(5-ヒドロキシ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化63】
【0109】
[化学式58]
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルピバレート
【化64】
【0110】
[化学式59]
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルベンゾエート
【化65】
【0111】
[化学式60]
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルピペリジン-4-カルボキシレート塩酸塩
【化66】
【0112】
[化学式61]
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルD-プロリネート塩酸塩
【化67】
【0113】
[化学式62]
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルL-イソロイシネート塩酸塩
【化68】
【0114】
[化学式63]
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルブチレート
【化69】
【0115】
[化学式64]
2-((3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチル)1-(tert-ブチル)(2R)-ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート
【化70】
【0116】
[化学式65]
3-(6-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
【化71】
【0117】
本発明による薬学的組成物において、前記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、臨床投与の際、経口及び非経口の様々な剤形で投与され得る。しかし、製剤化する場合は、普通使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して製造し得る。
【0118】
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤などが含まれ、このような固形製剤は、一つ以上の本発明の前記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に、少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロースまたはラクトースまたはゼラチンなどを混合して調剤され得る。また、単純な賦形剤の他に、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどのような滑剤も使用され得る。経口投与のための液状製剤には、懸濁剤、内用液剤、乳剤またはシロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、流動パラフィンの他に、様々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。
【0119】
非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水溶剤、懸濁溶剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどが使用され得る。坐剤の基剤としては、ウイテプゾール(witepsol)、マクロゴール(macrogol)、ツイン(tween)61、カカオバター、ラウリン脂、グリセロール、ゼラチンなどが使用され得る。
【0120】
また、本発明の前記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の人体に対する投与量は、患者の年齢、体重、性別、投与形態、健康状態及び疾患の程度に応じて変わり得る。体重70kgの成人患者を基準にすると、一般に0.1~1000mg/日であり、望ましくは1~500mg/日であり、また医師または薬剤師の判断によって一定時間間隔で1日1回~数回の分割投与しても良い。
【0121】
本発明の薬学的組成物は、単独で、または、手術、ホルモン治療、化学治療及び生物学的反応調節剤を使用する方法と併用して使用し得る。
【0122】
一方、本発明による前記化合物は、目的に応じて多くの形態で製剤化し得る。以下、本発明の組成物のための製剤例を例示する。
【0123】
<製剤例1>薬学的製剤の製造
1.散剤の製造
本発明による化学式1の化合物 2g
乳糖 1g
前記の成分を混合して気密包に充填して散剤を製造した。
【0124】
2.錠剤の製造
本発明による化学式1の化合物 100mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法に従って打錠して錠剤を製造した。
【0125】
3.カプセル剤の製造
本発明による化学式1の化合物 100mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、通常のカプセル剤の製造方法に従ってゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
【0126】
4.丸剤の製造
本発明による化学式1の化合物 1g
乳糖 1.5g
グリセリン 1g
キシリトール 0.5g
前記の成分を混合した後、通常の方法によって1丸剤当り4gになるように製造した。
【0127】
5.顆粒の製造
本発明による化学式1の化合物 150mg
大豆抽出物 50mg
ブドウ糖 200mg
澱粉 600mg
前記の成分を混合した後、30%エタノール100mgを添加して60℃で乾燥して顆粒を形成し、包に充填した。
【0128】
下記の実施例は本発明を例示するものであるだけで、本発明の内容が下記の実施例に限定されることはない。
【実施例1】
【0129】
3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式7)の合成
【化72】
【0130】
[1-1]2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-フルオロベンズアミド(化合物<1-2>)の合成
2-アミノ-6-フルオロ安息香酸(394mg、2.54mmol)をDMF(12ml)に溶かしてEDCl-HCl(540mg、2.8mmol)及びHOBt(429mg、2.8mmol)を添加した。室温で30分間撹拌した後、アミン(361mg、2.8mmol)を添加し、DIPEA(1.4ml、8.12mmol)を添加して室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈した後、エチルアセテートで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製て純粋な2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-フルオロベンズアミド化合物406mg(60%)を白色固体として収得した。
【0131】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.90 (s, 1H), 8.53 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 14.9, 8.1 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.42-6.26 (m, 1H), 6.00 (s, 2H), 4.84-4.61 (m, 1H), 2.97-2.70 (m, 1H), 2.56-2.54 (m, 1H), 2.24-1.94 (m, 2H);
MS found (M+H)+(m/z), 266.09; calcd for C12H12FN3O3 m/z, 266.10.
【0132】
[1-2]3-(5-フルオロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式8)の合成
窒化ナトリウム(179mg、2.6mmol)を、酢酸(12ml)に溶かした2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-フルオロベンズアミド(406mg、1.5mmol)に添加した。室温で1.5時間撹拌した後、混合物を水で希釈して沈殿した白色生成物を収集し、水洗し乾燥して3-(5-フルオロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン280mgを収得した。
【0133】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.21 (s, 1H), 8.26-8.02 (m, 2H), 8.00-7.67 (m, 1H), 6.06-5.81 (m, 1H), 3.08-2.53 (m, 3H), 2.36-2.17 (m, 1H);
MS found (M+H)+ (m/z), 277.09; calcd for C12H9FN4O3 m/z, 277.10.
【0134】
[1-3]3-(5-((4-メトキシベンジル)アミノ)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物<1-3>)の合成
DMF(1ml)に溶かした3-(5-フルオロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(50mg、0.18mmol)の溶液に、4-メトキシベンジルアミン(47μl、0.36mmol)及びDIPEA(62μl、0.36mmol)を室温で添加し、90℃で一晩中撹拌した。反応混合物を水で希釈した後、エチルアセテートで抽出した。有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して3-(5-((4-メトキシベンジル)アミノ)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(12mg、17%)を白色固体として収得した。
【0135】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.55 (s,1H), 8.25 (s,1H), 7.64 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.29-7.27 (m, 2H), 6.88 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.76 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.76-5.61 (m, 1H), 4.39 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.00-2.71 (m, 3H), 2.49-2.28 (m, 1H);
MS found (M+H)+(m/z), 394.9; calcd for C20H19N5O4 m/z, 394.10.
【0136】
[1-4]3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
トルエン(1ml)に溶かした3-(5-((4-メトキシベンジル)アミノ)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン溶液(10mg、0.025mmol)に、DDQ(6.9mg、0.03mmol)を室温で添加して一晩中撹拌した。反応混合物をエチルアセテートで希釈し、NaHCO3(aq)で洗浄した。有機層を無水MgSO4上で乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して純粋な化合物3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン1.6mg(23%)を白色固体として収得した。
【0137】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.00 (s,1H), 7.72-7.57 (m, 1H), 7.36 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.01-6.75 (m, 2H), 6.13 (s, 1H), 5.83-5.61 (m, 1H), 3.10-2.67 (m, 3H), 2.46-2.34 (m, 1H);
MS found (M+H)+(m/z), 274.9; calcd for C12H11N5O3 m/z, 274.10.
【実施例2】
【0138】
3-(5-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式9)の合成
【化73】
【0139】
[2-1]2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-ニトロベンズアミド(化合物<2-2>)の合成
DMF(90ml)に溶かした2-アミノ-6-ニトロ安息香酸(7g、38mmol)に、EDCl-HCl(8g、42mmol)及びHOBt(6.5g、42mmol)を添加した。室温で30分間撹拌した後、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(25g、152mmol)及びDIPEA(21ml、121.6mmol)を添加し、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈してエチルアセテートで抽出した。有機層を無水Na2SO4上で乾燥した後、減圧濃縮して2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-ニトロベンズアミドを黄色固体(15g)として収得し、それを追加的な精製なく次の工程で使用した。
【0140】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.01 (s, 1H), 9.03 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.38-7.14 (m, 2H), 7.06 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.02 (s, 2H), 4.80-4.65 (m, 1H), 2.89-2.58 (m, 2H), 2.33-1.87 (m, 2H).
【0141】
[2-2]3-(5-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
窒化ナトリウム(2.7g、40mmol)を、酢酸に溶解した2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-ニトロベンズアミド溶液に添加した。室温で1.5時間撹拌した後、混合物を水で希釈して沈殿した白色生成物を収集し、水洗し乾燥して3-(5-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン7g(60%、第2工程の収率)を得た。
【0142】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.26 (s, 1H), 8.52 (dd, J = 7.6, 1.5 Hz, 1H), 8.45-8.20 (m, 2H), 6.00 (dd, J = 12.4, 5.3 Hz, 1H), 3.04-2.87 (m, 1H), 2.78-2.58 (m, 2H), 2.44-2.17 (m, 1H).
【0143】
[2-3]3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
AcOH/THF(25ml/25ml)に溶かした3-(8-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(1g、3.2mmol)の溶液に、鉄(Fe、1g)を添加して室温で一晩中撹拌した。反応混合物を濾過してエチルアセテートで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して0.5g(57%)の純粋な3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを黄緑色固体として収得した。
【0144】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.00 (s,1H), 7.72-7.57 (m,1H), 7.36 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.01-6.75 (m, 2H), 6.13 (s, 1H), 5.83-5.61 (m, 1H), 3.10-2.67 (m, 3H), 2.46-2.34 (m, 1H);
MS found (M+H)+(m/z), 274.9; calcd for C12H11N5O3 m/z, 274.10.
【実施例3】
【0145】
3-(5-クロロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式10)の合成
【化74】
【0146】
[3-1]5-クロロ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(化合物<3-2>)の合成
1,4-ジオキサン(10ml)に溶かした2-アミノ-6-クロロ安息香酸(1g、5.8mmol)の溶液に、トリホスゲン(570mg、1.9mmol)を添加して、溶液を2時間還流した。その後、反応物を氷で冷却した。固体をヘキサンで洗浄し真空乾燥して、1.1g(99%)の純粋な化合物を茶色固体として収得した。
【0147】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1H NMR (300 MHz, Methanol-d4) δ 7.63 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.40-7.24 (m, 1H), 7.10 (d, J = 8.2 Hz, 1H);
MS found (M+H)+(m/z), 198.09; calcd for C8H4ClNO3 m/z, 198.10.
【0148】
[3-2]2-アミノ-6-クロロ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)ベンズアミド(化合物<3-3>)の合成
DMF(4ml)に溶かした5-クロロ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(200mg、1.01mmol)の溶液に、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(194mg、1.5mmol)及びDMAP(12mg、0.10mmol)を添加し、60℃で一晩中加温した。反応混合物をエチルアセテートで抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。粗化合物を青色固体(75mg)として収得し、それを追加的な精製なく次の工程で使用した。
【0149】
MS found (M+H)+(m/z), 282.09; calcd for C12H9ClN4O3 m/z, 282.10.
【0150】
[3-3]3-(5-クロロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
酢酸(2ml)に溶かした2-アミノ-6-クロロ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)ベンズアミド(75mg、0.26mmol)の溶液に、NaNO2(31mg、0.45mmol)を添加して室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈して沈殿した生成物を収集し、18mg(24%)の純粋な化合物を白色固体として収得した。
【0151】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.22 (s, 1H), 8.21 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.12-8.01 (m, 2H), 6.02-5.88 (m, 1H), 3.03-2.88 (m, 1H), 2.84-2.60 (m, 2H), 2.42-2.14 (m, 1H);
MS found (M+H)+(m/z), 293.09; calcd for C12H9ClN4O3 m/z, 293.10.
【実施例4】
【0152】
3-(5-メチル-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式11)の合成
【化75】
【0153】
[4-1]5-メチル-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(化合物<4-2>)の合成
1,4-ジオキサン(10ml)に溶かした2-アミノ-6-メチル安息香酸(876mg、5.8mmol)の溶液に、トリホスゲン(570mg、1.9mmol)を添加して溶液を2時間還流した。その後、溶液を氷で冷却した。固体をヘキサンで洗浄し真空乾燥して、純粋な化合物880mg(85%)を茶色固体として収得した。
【0154】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.02 (brs,1H), 7.56 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 2.77 (s, 3H).
【0155】
[4-2]2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-メチルベンズアミド(化合物<4-3>)の合成
DMF(4ml)に溶かした5-メチル-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4[1h]-ジオン(178mg、1.01mmol)の溶液に、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(194mg、1.5mmol)及びDMAP(12mg、0.104mmol)を添加し、混合物を60℃で一晩中加温した。反応混合物をエチルアセテートで抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。粗化合物を青色固体(50mg)として収得し、それを追加的な精製なく次の工程で使用した。
【0156】
[4-3]3-(5-メチル-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
酢酸(2ml)に溶かした2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-メチルベンズアミド(50mg、0.19mmol)の溶液に、NaNO2(22mg、0.32mmol)を添加して1時間室温で撹拌した。反応混合物を水で希釈して沈殿した生成物を収集し、16mg(31%)の純粋な化合物を茶色固体として収得した。
【0157】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.19 (s, 1H), 8.07 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.99 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 5.99-5.87 (m, 1H), 3.03-2.85 (m, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.76-2.56 (m, 2H), 2.35-2.19 (m, 1H).
【実施例5】
【0158】
3-(6-クロロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式12)の合成
【化76】
【0159】
[5-1]6-クロロ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(化合物<5-2>)の合成
1,4-ジオキサン(5ml)に溶かした2-アミノ-5-クロロ安息香酸(500mg、2.0mmol)の溶液に、トリホスゲン(285mg、0.96mmol)を添加して2時間溶液を還流した。反応混合物を氷槽で冷却した。固体をヘキサンで洗浄し真空乾燥して、純粋な化合物400mg(70%)を茶色固体として収得した。
【0160】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.88 (s, 1H), 7.89 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.80 (dd, J = 8.7, 2.5 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 8.7 Hz, 1H).
【0161】
[5-2]2-アミノ-5-クロロ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)ベンズアミド(化合物<5-3>)の合成
DMF(3ml)に溶かした6-クロロ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(200mg、1.01mmol)の溶液に、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(129mg、1.01mmol)及びDMAP(12.3mg、0.101mmol)を添加して反応混合液を60℃で一晩中加温した。反応混合物をエチルアセテートで抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。粗化合物を青色固体(70mg)として収得し、それを追加的な精製なく次の工程で使用した。
【0162】
[5-3]3-(6-クロロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
酢酸(3ml)に溶かした2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-メチルベンズアミド(50mg、0.19mmol)の溶液に、NaNO2(22mg、0.32mmol)を添加して1時間室温で撹拌した。反応混合物を水で希釈して沈殿した生成物を収集し、28mg(39%)の純粋な化合物を茶色固体として収得した。
【0163】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.21 (br s, 1H), 8.38-8.25 (m, 2H), 8.24-8.12 (m, 1H), 6.00 (dd, J = 12.2, 5.4 Hz, 1H), 3.05-2.91 (m, 1H), 2.83-2.58 (m, 2H), 2.39-2.15 (m, 2H).
【実施例6】
【0164】
3-(6-ブロモ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式13)の合成
【化77】
【0165】
[6-1]6-ブロモ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(化合物<6-2>)の合成
1,4-ジオキサン(5ml)に溶かした2-アミノ-5-ブロモ安息香酸(626mg、2.9mmol)の溶液に、トリホスゲン(285mg、0.96mmol)を添加して、溶液を2時間還流した。その後、反応混合物を氷で冷却した。固体をヘキサンで洗浄して真空乾燥し、茶色固体の純粋な化合物630mg(90%)を収得した。
【0166】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.87 (s, 1H), 8.00 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.91 (dd, J = 8.7, 2.3 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.7 Hz, 1H).
【0167】
[6-2]2-アミノ-5-ブロモ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)ベンズアミド(化合物<6-3>)の合成
DMF(3ml)に溶かした6-ブロモ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(244mg、1.01mmol)の溶液に、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(129mg、1.01mmol)及びDMAP(12.3mg、0.101mmol)を添加し、混合物を60℃で一晩中加温した。反応混合物をエチルアセテートで抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。粗化合物を青色固体(80mg)として収得し、それを追加的な精製なく次の工程で使用した。
【0168】
[6-3]3-(6-ブロモ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
酢酸(3ml)に溶かした2-アミノ-5-ブロモ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)ベンズアミド(80mg、0.25mmol)の溶液に、NaNO2(28mg、0.41mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈して沈殿した生成物を収集し、42mg(51%)の純粋な化合物をアイボリー色固体として収得した。
【0169】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.21 (br s, 1H), 8.40 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.32 (dd, J = 8.6, 2.2 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.07-5.99 (m, 1H), 3.00-2.85 (m, 1H), 2.78-2.55 (m, 2H), 2.34-2.16 (m, 1H).
【実施例7】
【0170】
3-(6-ヨード-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式14)の合成
【化78】
【0171】
[7-1]6-ヨード-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(化合物<7-2>)の合成
1,4-ジオキサン(5ml)に溶かした2-アミノ-5-ヨード安息香酸(762mg、2.9mmol)の溶液に、トリホスゲン(285mg、0.96mmol)を添加して、溶液を2時間還流した。その後、反応混合物を氷で冷却した。固体をヘキサンで洗浄して真空乾燥し、茶色固体の純粋な化合物680mg(81%)を収得した。
【0172】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.83 (s, 1H), 8.14 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.03 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.6 Hz, 1H).
【0173】
[7-2]2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-ヨードベンズアミド(化合物<7-3>)の合成
DMF(3ml)に溶かした6-ヨード-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(291mg、1.01mmol)の溶液に、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(129mg、1.01mmol)及びDMAP(12.3mg、0.101mmol)を添加し、混合物を60℃で一晩中加温した。反応混合物をエチルアセテートで抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。粗化合物を青色固体(80mg)として収得し、それを追加的な精製なく次の工程で使用した。
【0174】
[7-3]3-(6-ヨード-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
酢酸(5ml)に溶かした2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-ヨードベンズアミド(130mg、0.35mmol)の溶液に、NaNO2(40mg、0.59mmol)を添加して、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈して沈殿した生成物を収集し、20mg(15%)の純粋な化合物をアイボリー色固体として収得した。
【0175】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.20 (br s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.47 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.14-5.84 (m, 1H), 3.02-2.83 (m, 1H), 2.85-2.63 (m, 2H), 2.40 2.01 (m, 1H).
【実施例8】
【0176】
3-(8-ブロモ-6-メチル-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式15)の合成
【0177】
【0178】
[8-1]8-ブロモ-6-メチル-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(化合物<8-2>)の合成
1,4-ジオキサン(5ml)に溶かした2-アミノ-3-ブロモ-5-メチル安息香酸(667mg、2.9mmol)の溶液に、トリホスゲン(285mg、0.96mmol)を添加し、溶液を2時間還流した。その後、反応混合物を氷で冷却した。固体をヘキサンで洗浄して真空乾燥し、茶色固体の純粋な化合物720mg(97%)を収得した。
【0179】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.01 (s, 1H), 7.89 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.77 (s, 1H), 3.57 (s, 3H).
【0180】
[8-2]2-アミノ-3-ブロモ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-メチルベンズアミド(化合物<8-3>)の合成
DMF(3ml)に溶かした8-ブロモ-6-メチル-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(258mg、1.01mmol)の溶液に、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(129mg、1.01mmol)及びDMAP(12.3mg、0.101mmol)を添加し、混合物を60℃で一晩中加温した。反応混合物をエチルアセテートで抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。粗化合物を青色固体(170mg)として収得し、それを追加的な精製なく次の工程で使用した。
【0181】
[8-3]3-(8-ブロモ-6-メチル-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
酢酸(6ml)に溶かした2-アミノ-3-ブロモ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-メチルベンズアミド(170mg、0.5mmol)の溶液に、NaNO2(59mg、0.85mmol)を添加して、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈して沈殿した生成物を収集し、120mg(69%)の純粋な化合物をアイボリー色固体として収得した。
【0182】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.21 (br s, 1H), 8.31 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.13-8.03 (m, 1H), 6.00 (dd, J = 12.1, 5.3 Hz, 1H), 2.99-2.91 (m, 1H), 2.78-2.59 (m, 1H), 2.55 (s, 2H), 2.40-2.21 (m, 1H).
【実施例9】
【0183】
3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-カルボニトリル(化学式16)の合成
【化80】
【0184】
プロピオニトリル(0.04ml)に溶かした3-(6-ヨード-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(10mg、0.038mmol、実施例7で合成した)を添加して、マイクロ波反応器を用いて1時間撹拌した。混合物をDCMで濾過して濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して4.1mg(40%)の純粋な化合物をピンク色固体として収得した。
【0185】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.71 (s,1H), 8.35 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.22 (dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 5.88 (dd, J = 12.2, 5.3 Hz, 1H), 3.15-2.79 (m, 3H), 2.60-2.39 (m, 1H).
【実施例10】
【0186】
3-(5-ヨード-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式17)の合成
【化81】
【0187】
0.12mlの濃塩酸に溶かした3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(10mg、0.036mmol、実施例1で合成したもの)の溶液に、0.02mlの水に含まれたNaNO2(5mg、0.073mmol)を0℃、アルゴンガス存在下で添加した。添加した後、溶液を30分間撹拌し、10mlの水に溶解したKI(ヨウ化カリウム、12mg、0.073mmol)を0℃、アルゴンガス存在下で添加した。その後、一晩中撹拌した。前記溶液を100mlのAcOEtで希釈し、100mlの水でさらに希釈した。水性層を分離してEtOAcで抽出した。有機層を集めて塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーで精製し、3-(5-ヨード-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを収得した。
【0188】
1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 8.50 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.20 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.69 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.04-5.82 (m, 1H), 3.04-2.75 (m, 3H), 2.49-2.21 (m, 1H).
【実施例11】
【0189】
3-(4-オキソ-6-(トリフルオロメトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式18)の合成
【化82】
【0190】
[11-1]6-(トリフルオロメトキシ)-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(化合物<11-2>)の合成
1,4-ジオキサン(5ml)に溶かした2-アミノ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾサン(0.2g、0.904mmol)の溶液に、トリホスゲン(0.09g、0.3mmol)を添加して、溶液を2時間還流した。反応混合物を氷槽で冷却した。固体をヘキサンで洗浄して真空乾燥し、0.2g(90%)の純粋な化合物をアイボリー色固体として収得した。
【0191】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.92 (s, 1H), 7.82-7.76 (m, 2H), 7.25 (d, J = 8.8 Hz, 1H).
【0192】
[11-2]2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(化合物<11-3>)の合成
DMF(2ml)に溶かした6-(トリフルオロメトキシ)-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(0.2g、0.81mmol)に、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(0.156g、1.22mmol)及びDMAP(0.015g、0.122mmol)を添加して、混合物を60℃で一晩中加温した。反応混合物をエチルアセテートで抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。粗化合物を青色固体(0.2g)として収得し、それを追加的な精製なく次の工程で使用した。
【0193】
[11-3]3-(4-オキソ-6-(トリフルオロメトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
酢酸(2ml)に溶かした2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(0.1g、0.32mmol)の溶液に、NaNO2(37mg、0.54mmol)を添加して、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈して沈殿した生成物を収集し、76mg(70%)の純粋な化合物をアイボリー色固体として収得した。
【0194】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 8.36 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.01-5.97 (m, 1H), 2.89-2.83 (m, 3H), 2.41-2.37 (m, 1H);
MS found (M+H)+(m/z), 342.8; calcd for C13H9F3N4O4 m/z, 342.06.
【実施例12】
【0195】
3-(6-メトキシ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式19)の合成
【化83】
【0196】
[12-1]6-メトキシ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(化合物<12-2>)の合成
1,4-ジオキサン(5ml)に溶かした2-アミノ-5-メトキシ安息香酸(0.5g、3mmol)の溶液に、トリホスゲン(0.3g、1mmol)を添加して、溶液を2時間還流した。反応混合物を氷槽で冷却した。固体をヘキサンで洗浄して真空乾燥し、0.53g(92%)の純粋な化合物を茶色固体として収得した。
【0197】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.61 (s, 1H), 7.38 (dd, J = 8.8, 2.9 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H).
【0198】
[12-2]2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-メトキシベンズアミド(化合物<12-3>)の合成
DMF(2ml)に溶かした6-メトキシ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(0.2g、1.04mmol)に、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(0.2g、1.56mmol)及びDMAP(0.013g、0.104mmol)を添加して、混合物を60℃で一晩中加温した。反応混合物をエチルアセテートで抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。粗化合物を青色固体(0.2g)として収得し、それを追加的な精製なく次の工程で使用した。
【0199】
[12-3]3-(6-メトキシ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
酢酸(2ml)に溶かした2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-メトキシベンズアミド(0.13g、0.5mmol)の溶液に、NaNO2(60mg、0.85mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈して沈殿した生成物を収集し、42mg(30%)の純粋な化合物をピンク色固体として収得した。
【0200】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.20 (s, 1H), 8.20 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.69 (dd, J = 8.9, 2.9 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.00-5.94 (m, 1H), 3.04-2.91 (m, 1H), 2.77-2.63 (m, 2H), 2.31-2.23 (m, 1H);
MS found (M+H)+(m/z), 288.9; calcd for C13H12N4O4 m/z, 288.09.
【実施例13】
【0201】
N-(3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-イル)アセトアミド(化学式20)の合成
【化84】
【0202】
DCM(5ml)に溶かした3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(22mg、0.081mmol、実施例1で合成した)の溶液に、トリメチルアミン(0.013ml、0.09mmol)及び塩化アセチル(0.006ml、0.081mmol)を0℃で添加し、混合物を室温で一晩中撹拌した。反応混合物をDCMで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して0.012g(47%)の純粋な化合物を白色固体として収得した。
【0203】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 11.46 (s,1H), 9.06 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.96 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.76-5.71 (m, 1H), 3.03-2.84 (m, 1H), 2.44-2.37 (m, 1H), 2.28 (s, 3H);
MS found (M+H)+(m/z), 315.9; calcd for C14H13N5O4 m/z, 315.10.
【実施例14】
【0204】
3-(8-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式21)及び3-(8-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式22)の合成
【化85】
【0205】
[14-1]8-ニトロ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(化合物<14-2>)の合成
1,4-ジオキサン(10ml)に溶かした2-アミノ-3-ニトロ安息香酸(1.0g、5.5mmol)の溶液に、トリホスゲン(0.54g、1.82mmol)を添加して、溶液を一晩中還流した。反応混合物を氷槽で冷却した。固体をヘキサンで洗浄して真空乾燥し、0.945g(83%)の純粋な化合物を黄色い固体として収得した。
【0206】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.13 (s, 1H), 8.49 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.34 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 8.0 Hz, 1H).
【0207】
[14-2]2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-ニトロベンズアミド(化合物<14-3>)の合成
DMF(2ml)に溶かした8-ニトロ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(0.216g、1.04mmol)に、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(0.2g、1.56mmol)及びDMAP(0.013g、0.104mmol)を添加し、混合物を90℃で一晩中加温した。反応混合物をエチルアセテートで抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。粗化合物を黄色い固体(0.2g)として収得し、それを追加的な精製なく次の工程で使用した。
【0208】
[14-3]3-(8-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
酢酸(2ml)に溶かした2-アミノ-N-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-ニトロベンズアミド(0.128g、0.46mmol)の溶液に、NaNO2(54mg、0.78mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈して沈殿した生成物を収集し、55mg(39%)の純粋な化合物を黄色い固体として収得した。
【0209】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.26 (s, 1H), 8.64 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.14 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.09-6.03 (m, 1H), 3.03 2.93 (m, 1H), 2.73-2.65 (m, 2H), 2.33-2.27 (m, 2H);
MS found (M+H)+(m/z), 303.8; calcd for C12H9N5O5 m/z, 303.06.
【0210】
[14-4]3-(8-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
AcOH/THF(2ml/2ml)に溶かした3-(8-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(0.02g、0.066mmol)の溶液に、鉄(Fe、0.02g)を添加して室温で一晩中撹拌した。反応混合物を濾過してエチルアセテートで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して0.004g(22%)の純粋な化合物を黄緑色固体として収得した。
【0211】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.16 (s, 1H), 7.56 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.23-7.17 (m, 2H), 6.69 (s, 2H), 5.92-5.86 (m, 1H), 3.02-2.91 (m, 1H), 2.74-2.61 (m, 1H), 2.29-2.20 (m, 1H);
MS found (M+H)+(m/z), 274.0; calcd for C12H11N5O3 m/z, 273.09.
【実施例15】
【0212】
N-(3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-イル)アセトアミド(化学式23)の合成
【化86】
【0213】
THF(5ml)に溶かした3-(6-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(0.02g、0.07mmol)の溶液に、塩化アセチル(0.005ml、0.07mmol)を0℃で添加し、室温で一晩中撹拌した。反応混合物をエチルアセテートで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して純粋な化合物0.01g(45%)を白色固体として収得した。
【0214】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.18 (s, 1H), 10.71 (s, 1H), 8.61 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.23-8.13 (m, 2H), 5.98-5.93 (m, 1H), 3.02-2.90 (m, 1H), 2.70-2.63 (m, 2H), 2.30-2.23 (m, 1H), 2.15 (s, 3H);
MS found (M+H)+(m/z), 315.9; calcd for C14H13N5O4 m/z, 315.10.
【実施例16】
【0215】
3-(8-アミノ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式31)の合成
【0216】
【0217】
アセトン(350ml)に溶かした2-メチル-6-ニトロ安息香酸(15g、82.8mmol)の溶液に、ヨウ素メタン(25.8ml、414.0mmol)、炭酸カリウム(57.2g、414.0mmol)を室温で添加し、反応混合物を15時間還流して撹拌した。反応混合物を室温に冷却して濾過した。濾過物を濃縮し、残留物を希釈した後、EtOAc(250ml×2回)で抽出した。集められた有機層をMgSO4上で乾燥し、溶媒を真空下で除去して黄色オイルを収得した。集められた有機層を減圧下で濃縮し、メチル2-メチル-6-ニトロベンゾエート(化合物<16-1>)(15.9g、81.5mmol、98%)を白色固体として収得した。
【0218】
【0219】
ジクロロエタン(150ml)に溶かした化合物<16-1>(15.9g、81.5mmol)の溶液に、N-ブロモスクシンイミド(16.9g、122.2mmol)、過酸化ベンゾイル(197mg、0.815mmol)を室温で添加し、混合物を8時間還流し撹拌した。反応混合物を室温に冷却して濾過した。濾過物を濃縮した。残留物を、溶離剤としてEA/Hx(8%)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体として化合物<16-2>(15.9g、58.0mmol、71%)を収得した。
【0220】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.98 (s, 3H), 4.57 (s, 2H), 7.59 (dd, 1 H, J = 7.8, 8.4 Hz), 7.78 (d, 1 H, J = 7.8 Hz), 8.1 (d, 1 H, J = 8.4 Hz).
【0221】
【0222】
アセトニトリル(150ml)に溶かした火炎乾燥された4Å分子体の撹拌懸濁液に、NMO(15.6g、133.4mmol)を添加した。5分後、アセトニトリル(20ml)に溶かしたLDH-17-081(15.9g、58.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、シリカゲルで濾過し、EtOAcで溶離し、真空で濃縮して赤褐色オイルを収得した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(MPLC、0~30%EA/Hx)で精製して白色固体である化合物<16-3>(8.12g、38.8mmol、67%)を収得した。
【0223】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 10.08 (s, 1H), 8.44 (dd, J = 8.2, 1.2 Hz, 1H), 8.26 (dd, J = 7.7, 1.2 Hz, 1H), 7.81 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.06 (s, 3H).
【0224】
【0225】
THF(24ml)に溶かした(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロライド(1.22g、3.59mmol)の撹拌懸濁液に、N2下の氷槽で水素化ナトリウム(192mg、4.78mmol)を少しずつ分けて添加した。赤色溶液を室温で30分間撹拌した後、THF(6ml)に溶かした化合物<16-3>(500mg、2.39mmol)を一滴ずつ添加した。反応物を室温で12時間撹拌した。混合物を水で希釈してEtOAc(50ml)で抽出した。集められた有機層を塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、溶媒を真空下で除去して暗い色のオイルを収得した。粗混合物を、溶離剤としてEtOAc/Hex(30%)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色オイルとして化合物<16-4>(372mg、1.57mmol、66%)を収得した(約1.7:1のE/Z異性体の混合物)。
【0226】
【0227】
MeOH(4ml)、H2O(4ml)及びTHF(12ml)に溶かした化合物<16-4>(360mg、1.52mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(638mg、15.2mmol)を室温で添加し、反応混合物を70℃で一晩中撹拌した。反応混合物を濃縮してTHF及びメタノールを除去した。その後、水(40ml)を添加し、1N HCl(水性)を使用してpHをpH3に調整し、EtOAc(40ml×2回)で抽出した。集められた有機層を減圧下で濃縮し、化合物<16-5>(332mg、1.49mmol、98%)を黄色固体として収得した(約1.7:1のE/Z異性体の混合物)。
【0228】
【0229】
DMF(10ml)に溶かした化合物<16-5>(332mg、1.49mmol)、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(1.08g、6.55mmol)、EDCI・HCl(314mg、1.64mmol)、HOBt・H2O(221mg、1.64mmol)の溶液に、DIPEA(1.71ml、9.82mmol)を室温で添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を水で希釈してEtOAc(50ml×2回)で抽出した。集められた有機層をMgSO4上で乾燥し、溶媒を真空下で除去して黄色オイルを収得した。粗混合物を、溶離液としてMeOH/DCM(5%)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、E-生成物(219mg、0.658mmol、44%)、Z-生成物(43mg、0.129mmol、9%)を淡黄色固体として収得した。
【0230】
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.98-7.86 (m, 2H), 7.69 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 6.06 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 4.87-4.76 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 2.97-2.71 (m, 3H), 2.16-1.97 (m, 1H).
【0231】
【0232】
TFA(6ml)に溶かした化合物<16-7>(100mg、0.300mmol)の溶液に、反応混合物をモノウェーブアシスト(monowave-assisted)条件下で150℃で90分間撹拌した。反応物を乾くまで蒸発乾燥した。残留物を、溶離剤としてMeOH/DCM(5%)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、アイボリー色固体として化合物<16-8>を収得した。
【0233】
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.98 (s, 1H), 7.82-7.67 (m, 2H), 7.47 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.61-5.48 (m, 1H), 2.98-2.69 (m, 3H), 2.37-2.23 (m, 1H).
【0234】
【0235】
THF(0.5ml)に溶かした化合物<16-8>(20mg、0.066mmol)及びZn(63mg、0.957mmol)の溶液に、2Maq. HCl(0.5ml)を添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を濾過してエチルアセテートと飽和水性NaHCO3とに分配した。集められた有機層をMgSO4上で乾燥し、溶媒を真空下で除去して黄色固体として化学式31の化合物(17mg、0.063mmol、94%)を収得した。
【0236】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 10.99 (s, 1H), 7.29 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 6.65-6.54 (m, 2H), 6.40 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.33 (s, 1H), 2.91-2.70 (m, 1H), 2.70-2.53 (m, 2H), 2.07-1.93 (m, 1H).
【実施例17】
【0237】
3-(5-アミノ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式24)の合成
【0238】
[17-1]5-ニトロ-1H-イソクロメン-1-オンの合成
出発物質(1g、5.1mmol)をDMF(8.2ml)及びDMFDMA(2.3ml)に溶かして115℃で17時間撹拌した。反応が終われば、濃縮して溶媒を除去し、EAに溶かした後、シリカゲル(80g)を入れて室温で3時間撹拌した。反応物を濾過し、EAで洗浄した後濃縮して、目的とする化合物5-ニトロ-1H-イソクロメン-1-オンを収得した(800mg、褐色固体、82%)。
【0239】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.62 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.47 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.65 (m, 1H), 7.42 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 7.36 (d, J= 6.3 Hz, 1H).
【0240】
[17-2]3-(5-ニトロ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
5-ニトロ-1H-イソクロメン-1-オン(1g、5.2mmol)及び3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(0.67g、5.2mmol)をMeOH(10ml)に溶かし、5時間加熱還流した後、TEA(1.45ml)を入れて一晩中反応させた。反応が終われば、水を入れて希釈した後、EAで抽出し濃縮減圧した。濃縮物を再度トルエンに溶かした後、PPTS(0.1g)を添加し加熱還流した。反応が終われば、飽和NaHCO3水溶液で中和した後、EAで抽出し乾燥して、分離精製して目的とする化合物3-(5-ニトロ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを得た。
【0241】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.78 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.48 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.65 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.45-5.37 (m, 1H), 3.04-2.57 (m, 3H), 2.48-2.17 (m, 1H).
【0242】
[17-3]3-(5-アミノ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成
3-(5-ニトロ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンをEAに溶かした後、ギ酸アンモニウム及び10%Pd/Cを入れて加熱還流した。反応が終われば、セライトで濾過し、EAで洗浄した後、濾過液を減圧濃縮して目的とする化合物3-(5-アミノ-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを得た。
【0243】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.68 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.40-7.27 (m, 1H), 7.19-6.87 (m, 2H), 6.53 (dd, J = 17.0, 7.4 Hz, 1H), 5.42 (dd, J = 42.5, 18.5 Hz, 1H), 4.27-3.86 (m, 2H), 3.07-2.14 (m, 4H);
LC/MS (m/z) 272.1 (M+H).
【実施例18】
【0244】
3-(7-(アミノメチル)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式32)及び1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素(化学式37)の合成
【化95】
【0245】
[18-1]メチル4-クロロ-2-ニトロベンゾエートの合成
4-クロロ-2-ニトロ安息香酸(10g、50mmol)をドライメタノール(1mmol当たり5ml)に懸濁して0℃に冷却した。SOCl2(22ml、250mmol)をゆっくり添加した後、懸濁液を50℃で16時間加温した。生成された溶液を減圧下で濃縮し、残留物を水飽和NaHCO3溶液(2.5ml/1mmol)に溶解した。溶液をエチルアセテートで抽出した(2.5ml×3回/1mmol)。集められた有機層を飽和水性NaCl溶液(1mmol当たり7.5ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥して濾過した後、溶液を減圧下で濃縮してアイボリー色固体として純粋な化合物9g(70%)を得た。
【0246】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.86 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 8.3, 1.9 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H).
【0247】
[18-2]メチル4-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-ニトロベンゾエートの合成
密封管にカリウム[[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル]トリフルオロボレート(2.6g、11mmol)、メチル4-クロロ-2-ニトロベンゾエート(2g、9.28mmol)、Pd(OAc)2(0.104g、0.464mmol)、SPhosリガンド(0.38g、0.928mmol)及びK2CO3(4g、28mmol)を充填した。混合物をN2で3回洗浄した。その後、トルエン/H2O(4:1、20ml/5ml)を反応管に添加し、N2で30分間脱気した。反応混合物を85℃で4時間撹拌した後、室温に冷却した。生成された混合物をEtOAcで抽出した後、有機層を集めて乾燥し(MgSO4)濾過した。溶媒を真空下で除去し、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して純粋な化合物2.5g(87%)をアイボリー色固体として収得した。
【0248】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.79 (s, 1H), 7.72 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.04 (s, 1H), 4.41 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 3.91 (s, 3H), 1.46 (s, 9H).
【0249】
[18-3]4-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-ニトロ安息香酸の合成
THF/MeOH(10ml/10ml)に溶かした4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-ニトロベンゾエート(1.5g、4.8mmol)の溶液に、H2O(2.5ml)に溶かしたLiOH(0.480g、20mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を蒸発させてH2Oで抽出した。水層にHClを添加してEAで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、1.4g(98%)の純粋な化合物を茶色固体として収得した。
【0250】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 13.81 (s, 1H), 7.82 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.58 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 4.24 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 1.39 (s, 9H).
【0251】
[18-4]tert-ブチル(4-((2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)カルバモイル)-3-ニトロベンジル)カルバメートの合成
4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-ニトロ安息香酸(1.4g、3.85mmol)にEDCI-HCl(0.813mg、4.24mmol)及びHOBt(0.649mg、4.24mmol)を添加し、30分間室温で撹拌した。反応混合物に3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(1.3g、7.7mmol)及びDIPEA(2.7ml、15.4mmol)を添加し、室温で16時間撹拌した。反応終了後、混合物をEAで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して純粋な化合物1.05g(67%)を白緑色固体として収得した。
【0252】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.88 (s, 1H), 9.01 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.67 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.61-7.58 (m, 2H), 4.75-4.70 (m, 1H), 4.24 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 2.82-2.75 (m, 1H), 2.57-2.49 (m, 1H), 2.06-1.99 (m, 2H).
【0253】
[18-5]tert-ブチル(3-アミノ-4-((2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)カルバモイル)ベンジル)カルバメートの合成
MeOH/EA(50ml/50ml)に溶かしたtert-ブチル(4-((2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)カルバモイル)-3-ニトロベンジル)カルバメート(1g、2.5mmol)に1Pd/C(0.1g)を添加し、反応混合物を水素気体環境下で室温で16時間撹拌した。溶液をセライトで濾過し、真空下で乾燥して932mg(99%)の純粋な化合物を灰白色固体として収得した。
【0254】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.83 (s, 1H), 8.40 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.32 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.49 (s, 2H), 6.40 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.76-4.67 (m, 1H), 4.00 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 2.84-2.72 (m, 1H), 2.56-2.54 (m, 1H), 2.16-2.03 (m, 1H), 1.99-1.90 (m, 1H).
【0255】
[18-6]tert-ブチル((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)カルバメートの合成
氷酢酸(10ml)に溶かしたtert-ブチル(3-アミノ-4-((2,6-ジオキシピペリジン-3-イル)カルバモイル)ベンジル)カルバメート(0.922g、2.45mmol)の溶液に亜硝酸ナトリウム(0.288g、4.17mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応混合物をEAで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して純粋な化合物0.613g(65%)を白色固体として収得した。
【0256】
1H NMR (300 MHz, Chloroform-d) δ 8.32 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.09 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.86-5.80 (m, 1H), 5.11 (s, 1H), 4.56 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 3.04-2.83 (m, 3H), 2.44-2.37 (m, 1H), 1.48 (s, 9H).
【0257】
[18-7]3-(7-(アミノメチル)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩の合成
DCM(10ml)に溶かしたtert-ブチル((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)カルバメート(0.605mg、1.56mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン(2ml)に混合した4MHClを添加し、室温で16時間撹拌した。溶媒を真空下で乾燥して0.545g(定量)の化合物(化学式32)をアイボリー色固体として収得した。
【0258】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.22 (s, 1H), 8.65 (s, 3H), 8.40 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.33 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.06 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1H), 6.02 5.99 (m, 1H), 4.35 (q, J = 5.7 Hz, 2H), 3.02-2.94 (m, 1H), 2.75-2.66 (m, 2H), 2.32-2.27 (m, 1H).
【0259】
[18-8]1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素(化学式37)の合成
THF(10ml)に溶かした3-(7-(アミノメチル)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(0.2g、0.62mmol)、3-クロロ-4-メチルフェニルイソシアネート(0.104g、0.62mmol)及びTEA(0.2ml、1.24mmol)の混合物を、N2下で、室温から40℃に2時間にかけて加熱した。混合物をEAで抽出してカラムクロマトグラフィーで精製し、化学式37の純粋な化合物0.134g(48%)をアイボリー色固体として収得した。
【0260】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.19 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.25 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.20-7.14 (m, 2H), 7.00 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 6.00-5.96 (m, 1H), 4.56 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.00-2.93 (m, 1H), 2.73-2.66 (m, 2H), 2.30-2.25 (m, 1H), 2.23 (s, 3H).
【実施例19】
【0261】
1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-イル)メチル)尿素(化学式39)の合成
実施例18の製造方法に従って、化学式39の化合物を製造した。
【0262】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.21 (s, 1H), 8.97 (s, 1H), 8.17-8.07 (m, 2H), 7.88 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 8.2, 2.2 Hz, 1H), 6.81 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 6.03-5.98 (m, 1H), 4.84 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 3.04-2.93 (m, 1H), 2.79-2.65 (m, 2H), 2.34-2.25 (m, 1H), 2.22 (s, 3H).
【実施例20】
【0263】
1-(3-クロロフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素(化学式40)の合成
実施例18の製造方法に従って、化学式40の化合物を製造した。
【0264】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.17 (s, 1H), 9.01 (s, 1H), 8.26 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.91 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.25-7.23 (m, 2H), 7.02 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 6.98-6.93 (m, 1H), 6.01-5.95 (m, 1H), 4.57 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.03-2.92 (m, 1H), 2.77-2.64 (m, 2H), 2.31-2.24 (m, 1H).
【実施例21】
【0265】
1-(4-クロロフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素(化学式41)の合成
実施例18の製造方法に従って、化学式41の化合物を製造した。
【0266】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.18 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.25 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.90 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1H), 7.48-7.43 (m, 2H), 7.29-7.24 (m, 2H), 6.97 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 6.01-5.95 (m, 1H), 4.57 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 3.03-2.92 (m, 1H), 2.77-2.63 (m, 2H), 2.31-2.24 (m, 1H).
【実施例22】
【0267】
1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素(化学式42)の合成
実施例18の製造方法に従って、化学式42の化合物を製造した。
【0268】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.18 (s, 1H), 9.13 (s, 1H), 8.26 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.90 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 8.9, 2.5 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 6.01-5.95 (m, 1H), 4.57 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.03-2.91 (m, 1H), 2.77-2.64 (m, 2H), 2.31-2.23 (m, 1H).
【実施例23】
【0269】
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素(化学式43)の合成
実施例18の製造方法に従って、化学式43の化合物を製造した。
【0270】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.17 (s, 1H), 9.34 (s, 1H), 8.26 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.07 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.91 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 6.01-5.95 (m, 1H), 4.58 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 3.03-2.90 (m, 1H), 2.76-2.63 (m, 2H), 2.31-2.23 (m, 1H).
【実施例24】
【0271】
1-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)尿素(化学式44)の合成
実施例18の製造方法に従って、化学式44の化合物を製造した。
【0272】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.17 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.25 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.90 (dd, J = 8.1, 1.6 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 8.9, 2.6 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.95 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 6.01-5.95 (m, 1H), 4.56 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.03-2.91 (m, 1H), 2.77-2.63 (m, 2H), 2.32-2.24 (m, 1H).
【実施例25】
【0273】
その他の化合物の合成
[25-1]3-クロロ-N-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-イル)メチル)-4-メチルベンズアミド(化学式46)の合成
実施例18の製造方法に従って、化学式46の化合物を製造した。
【0274】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.20 (s, 1H), 9.35 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.98 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 8.0, 1.8 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.99 (dd, J = 12.3, 5.4 Hz, 1H), 4.74 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 3.07-2.88 (m, 1H), 2.75-2.63 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.35-2.22 (m, 1H).
【0275】
[25-2]3-(6-(アミノメチル)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式33)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式33の化合物を製造した。
【0276】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.22 (s, 1H), 8.57 (s, 3H), 8.44 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.33 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.22 (dd, J = 8.5, 1.9 Hz, 1H), 6.05-6.00 (m, 1H), 4.32 (q, J = 5.9 Hz, 2H), 3.02-2.94 (m, 1H), 2.76-2.67 (m, 2H), 2.32-2.28 (m, 1H).
【0277】
[25-3]3-(5-(アミノメチル)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式34)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式34の化合物を製造した。
【0278】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.24 (s, 1H), 8.36 (s, 3H), 8.32 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.19 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.04-6.01 (m, 1H), 4.66-4.55(m, 2H), 3.01-2.93 (m, 1H), 2.73-2.63 (m, 2H), 2.29-2.23 (m, 1H).
【0279】
[25-4]1-(3-クロロフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)チオ尿素(化学式52)の合成
実施例18の製造方法に従って、化学式52の化合物を製造した。
【0280】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.20 (s, 1H), 10.00 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.26 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.92 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.36 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 7.19-7.17 (m, 1H), 6.00-5.97 (m, 1H), 5.01 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 3.00-2.93 (m, 1H), 2.74-2.63 (m, 2H), 2.30-2.27 (m, 1H).
【0281】
[25-5]2-(3-クロロフェニル)-N-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-7-イル)メチル)アセトアミド(化学式53)の合成
実施例18の製造方法に従って、化学式53の化合物を製造した。
【0282】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.20 (s, 1H), 8.85 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.83 (dd, J = 8.3, 1.3 Hz, 1H), 7.36-7.30 (m, 3H), 7.26 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.99-5.96 (m, 1H), 4.55 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.58 (s, 2H), 3.00-2.92 (m, 1H), 2.73-2.64 (m, 2H), 2.29-2.25 (m, 1H).
【0283】
[25-6]3-(4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式25)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式25の化合物を製造した。
【0284】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.40 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 8.23 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.09 (s, 1H), 8.03 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.88 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 5.89-5.83 (m, 1H), 3.08-2.83 (m, 3H), 2.52-2.31 (m, 1H).
【0285】
[25-7]3-(7-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式26)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式26の化合物を製造した。
【0286】
1H NMR (300 MHz, Methanol-d4) δ 9.03 (s, 1H), 8.70 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.58 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.14-5.99 (m, 1H), 3.12-2.85 (m, 3H), 2.54-2.38 (m, 1H).
【0287】
[25-8]3-(6-ニトロ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式27)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式27の化合物を製造した。
【0288】
1H NMR (300 MHz, Methanol-d4) δ 9.11 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.85 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 8.46 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.29-5.87 (m, 1H), 3.33-2.71 (m, 3H), 2.52-2.31 (m, 1H).
【0289】
[25-9]3-(7-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式28)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式28の化合物を製造した。
【0290】
1H NMR (500 MHz, Methanol-d4) δ 7.99 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.20-7.10 (m, 2H), 5.89 (dd, J = 12.2, 5.4 Hz, 1H), 3.02-2.79 (m, 3H), 2.39-2.32 (m, 1H).
【0291】
[25-10]3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-カルボン酸(化学式29)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式29の化合物を製造した。
【0292】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 13.50 (s,1H), 11.23 (s,1H), 8.33 (dd, J = 8.2, 1.1 Hz, 1H), 8.17 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 7.4, 1.1 Hz, 1H), 6.03-5.97 (m, 1H), 3.03-2.90 (m, 1H), 2.75-2.60 (m, 2H), 2.34-2.25 (m, 1H).
【0293】
[25-11]3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-3-メチルピペリジン-2,6-ジオン(化学式30)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式30の化合物を製造した。
【0294】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.03 (s, 1H), 7.68 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.18-7.17 (m, 3H), 6.97 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 2.96-2.88 (m, 1H), 2.73-2.67 (m, 1H), 2.63-2.58 (m, 1H), 2.01-1.97 (m, 1H), 1.95 (s, 3H).
【0295】
[25-12]1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-イル)メチル)尿素(化学式38)の合成
実施例18の製造方法に従って、化学式38の化合物を製造した。
【0296】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.19 (s,1H), 8.90 (s,1H), 8.23( d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.05 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.20 7.13 (m, 2H), 6.98 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 6.01-5.95 (m, 1H), 4.52 (s, 2H), 3.03-2.90 (m, 1H), 2.76-2.63 (m, 2H), 2.32-2.23 (m, 1H), 2.23 (s, 3H).
【0297】
[25-13]3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-カルボキサミド(化学式54)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式54の化合物を製造した。
【0298】
1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 8.29 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.04 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.24 (s, 1H), 5.96 (s, 1H), 5.82-5.79 (m, 1H), 3.02-2.93 (m, 2H), 2.87-2.79 (m, 1H), 2.42-2.37 (m, 1H).
【0299】
[25-14]3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-N-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-カルボキサミド(化学式55)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式55の化合物を製造した。
【0300】
1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 8.26 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.01 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.11 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.84-5.81 (m, 1H), 3.07 (d, J = 4.9 Hz, 3H), 3.00-2.91 (m, 2H), 2.84-2.77 (m, 1H), 2.39-2.34 (m, 1H).
【0301】
[25-15]N-(3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-5-イル)ベンズアミド(化学式56)の合成
実施例14の製造方法に従って、化学式56の化合物を製造した。
【0302】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 12.49 (s, 1H), 11.26 (s, 1H), 9.12 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.20 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 8.02-7.99 (m, 3H), 7.73-7.61 (m, 3H), 6.17-6.11 (m, 1H), 3.02-2.94 (m, 1H), 2.77-2.67 (m, 2H), 2.37-2.30 (m, 1H).
【実施例26】
【0303】
3-クロロ-N-((3-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-6-イル)メチル)-4-メチルベンズアミド(化学式45)の合成
【化96】
【0304】
3-クロロ-4-メチル安息香酸(16mg、0.093mmol)にEDCI-HCl(20mg、0.102mmol)及びHOBt(16mg、0.102mmol)を添加し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を3-(6-(アミノメチル)-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(30mg、0.093mmol)及びDIPEA(0.03ml、0.186mmol)で処理し、室温で16時間撹拌した。反応終了後、混合物をEAで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して24mg(60%)の純粋な化合物を白色固体として収得した。
【0305】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.19 (s, 1H), 9.34 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 8.24 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.08 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.79 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.00-5.95 (m, 1H), 4.70 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 3.01-2.86 (m, 1H), 2.76-2.63 (m, 2H), 2.39 (s, 3H), 2.30-2.23 (m, 1H).
【実施例27】
【0306】
1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)尿素(化学式47)の合成
【化97】
【0307】
[27-1]メチル5-ブロモ-2-メチルベンゾエート(化合物<27-2>)の合成
DMF(60ml)に溶かした化合物<27-1>(5g、23.3mmol)の溶液に、ヨードメタン(7.24ml、116.3mmol)、炭酸カリウム(16.1g、116.3mmol)を室温で添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却して濾過した。濾過物を濃縮した。残留物を水で希釈してEtOAc(250ml×2回)で抽出した。集められた有機層をMgSO4上で乾燥し、溶媒を真空下で除去して化合物<27-2>(メチル5-ブロモ-2-メチルベンゾエート)(5.34g、23.3mmol、99%)を黄色オイルとして収得した。
【0308】
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.78 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.49-7.31 (m, 2H), 3.88 (s, 3H), 2.58 (s, 3H).
【0309】
[27-2]メチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ベンゾエート(化合物<27-3>)の合成
ジクロロエタン(45ml)に溶かした化合物<27-2>(2g、8.74mmol)の溶液に、N-ブロモスクシンイミド(1.81g、13.12mmol)及び過酸化ベンゾイル(22mg、0.087mmol)を室温で添加し、7時間還流した。反応混合物を室温に冷却した。残留物を、溶離液としてEA/Hx(8%)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物<27-3>(メチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ベンゾエート)(2.06g、6.69mmol、77%)を白色固体として収得した。
【0310】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.84 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.51 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 4.90 (s, 2H), 3.94 (s, 3H).
【0311】
[27-3]メチル5-ブロモ-2-ホルミルベンゾエート(化合物<27-4>)の合成
アセトニトリル(30ml)内のオーブン乾燥された4Å分子体の撹拌懸濁液に、NMO(1.80g、15.4mmol)を添加した。5分後、アセトニトリル(10ml)に溶かした化合物3(2.06g、6.69mmol)を添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、シリカゲルで濾過し、EtOAcで溶離し、真空で濃縮して赤褐色オイルを収得した。残留物を、溶離剤としてEA/Hx(10%)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体として化合物<27-4>(メチル5-ブロモ-2-ホルミルベンゾエート)(977mg、4.02mmol、60%)を収得した。
【0312】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 10.61 (s, 1H), 8.06 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 8.3, 2.1 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H).
【0313】
[27-4]メチル(E)-5-ブロモ-2-(2-メトキシビニル)ベンゾエート(化合物<27-5>)の合成
【化98】
【0314】
N2下の氷槽で、THF(24ml)に溶かした(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロライド(1.06g、3.09mmol)の撹拌懸濁液に水素化ナトリウム(165mg、4.12mmol)を少しずつ添加した。赤色溶液を室温で30分間撹拌した後、THF(6ml)に溶かした化合物<27-4>(500mg、2.06mmol)を一滴ずつ添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を水で希釈してEtOAc(50ml)で抽出した。集められた有機層を塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、溶媒を真空下で除去して暗い色のオイルを収得した。粗混合物を、溶離剤としてEtOAc/Hex(30%)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物<27-5>(メチル(E)-5-ブロモ-2-(2-メトキシビニル)ベンゾエート)(348mg、1.28mmol、61%)を黄色オイルとして収得した(約5:1E/Z異性体の混合物)。
【0315】
化合物<27-5-1>:1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.76 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.73 (s, 3H).
化合物<27-5-2>:1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.25 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.07 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.80 (s, 3H).
【0316】
[27-5]メチル(E)-5-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-(2-メトキシビニル)ベンゾエート(化合物<27-6>)の合成
(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)トリフルオロボレート(105mg、0.443mmol)、化合物<27-5>(300mg、1.11mmol)、Pd(OAc)2(12mg、0.055mmol)、SPhos(45mg、0.111mmol)及び炭酸カリウム(459mg、3.32mmol)を密封管に充填した。その後、トルエン/H2Oを反応管に添加し、N2で30分間脱気した。反応混合物を85℃で一晩中撹拌した後、室温に冷却した。生成された混合物をEtOAcで抽出し、有機層を集めてMgSO4で乾燥して濾過した。溶媒を真空下で除去し、混合物を、EA/Hx(10%)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MPLC)で精製し、化合物<27-6>(メチル(E)-5-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-(2-メトキシビニル)ベンゾエート)(233mg、0.725mmol、65%)を無色のオイルとして収得した。
【0317】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.86 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 8.1, 1.7 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 4.93 (s, 1H), 4.31 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 1.46 (s, 9H);
LC/MS (ESI) m/z [M+H]+ : 322.0.
【0318】
[27-6](E)-5-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-(2-メトキシビニル)安息香酸(化合物<27-7>)の合成
MeOH(1.5ml)、H2O(1.5ml)及びTHF(4.5ml)に溶かした化合物<27-6>(233mg、0.725mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(152mg、3.63mmol)を室温で添加し、50℃で一晩中撹拌した。反応混合物を濃縮してTHF及びメタノールを除去した。その後、水(50mL)を添加し、1N HCl(水性)を使用してpH3に調整し、EtOAc(50ml×2回)で抽出した。集められた有機層を減圧下で濃縮して化合物<27-7>((E)-5-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-(2-メトキシビニル)安息香酸)(232mg、0.725mmol、定量)を黄色ゲルとして収得した。
【0319】
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.99 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.14 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 5.00 4.83 (m, 1H), 4.33 (s, 2H), 3.73 (s, 3H), 1.47 (s, 9H);
LC/MS (ESI) m/z [M-H]- : 306.0.
【0320】
[27-7]tert-ブチル(E)-(3-((2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)カルバモイル)-4-(2-メトキシビニル)ベンジル)カルバメート(化合物<27-8>)の合成
DMF(10ml)に溶かした化合物<27-7>(223mg、0.798mmol)、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(239mg、1.45mmol)、EDCIHCl(153mg、0.798mmol)、HOBt・H2O(108mg、0.798mmol)の溶液に、DIPEA(0.505ml、2.90mmol)を室温で添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈してEtOAc(50ml×2回)で抽出した。集められた有機層をMgSO4上で乾燥し、溶媒を真空下で除去して黄色オイルを収得した。粗混合物を、溶離液としてMeOH/DCM(5%)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物<27-8>(tert-ブチル(E)-(3-((2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)カルバモイル)-4-(2-メトキシビニル)ベンジル)カルバメート)(124mg、0.297mmol、41%)を空色固形物として収得した。
【0321】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.85 (s, 1H), 8.51 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.47-7.36 (m, 2H), 7.28 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 4.78-4.68 (m, 1H), 4.11 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 3.65 (s, 3H), 2.81-2.72 (m, 1H), 2.14-1.92 (m, 3H), 1.40 (s, 9H);
LC/MS (ESI) m/z [M+H]+ : 417.9, [M-H]- : 416.0.
【0322】
[27-8]3-(7-(アミノメチル)-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(化合物<27-9>)の合成
1,4-ジオキサン(1ml)に溶かした化合物<27-8>(30mg、0.072mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン(0.180ml、0.720mmol)と混合した4NHClを添加し、室温で2時間撹拌した。その後、反応混合物をモノウェーブアシスト条件下で150℃で1時間撹拌した。反応物を蒸発乾燥した。残留物を、溶離剤としてMeOH/DCM(5%)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、アイボリー色固体として化合物<27-9>(3-(7-(アミノメチル)-1-オキソイソキノリン-2(1H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩)(26mg、0.072mmol、定量)を収得した。
【0323】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.06 (s, 1H), 8.40 (s, 3H), 8.24 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.62-5.43 (m, 1H), 4.20 (s, 2H), 2.95-2.79 (m, 1H), 2.77-2.58 (m, 2H), 2.13-1.98 (m, 1H);
LC/MS (ESI) m/z [M+H]+ : 286.9, [M-H]- : 284.9.
【0324】
[27-9]1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)尿素(化合物<27-10>)の合成
THF(0.5ml)に溶かした化合物<27-9>(23mg、0.071mmol)の溶液に、室温で3-クロロ-4-メチルフェニルイソシアネート(12mg、0.071mmol)、TEA(0.020ml、0.142mmol)を添加し、40℃で一晩中撹拌した。溶媒を真空下で除去し、混合物を、溶離液としてMeOH/DCM(6%)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MPLC)で精製し、<化学式47>(1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)尿素)(18mg、0.040mmol、56%)を白色固体として収得した。
【0325】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.06 (s, 1H), 8.81 (s, 1H), 8.17 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.49-7.38 (m, 2H), 7.22-7.12 (m, 2H), 6.84 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.62-5.39 (m, 1H), 4.44 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 2.90-2.78 (m, 1H), 2.67-2.57 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.10-1.98 (m, 1H);
LC/MS (ESI) m/z [M+H]+ : 454.9, [M-H]- : 452.8.
【実施例28】
【0326】
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)尿素(化学式48)の合成
実施例27の製造方法に従って、化学式48の化合物を製造した。
【0327】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.05 (s, 1H), 9.26 (s, 1H), 8.17 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.63 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 7.44 (dd, J = 15.5, 7.9 Hz, 2H), 7.04 (s,1H), 6.67 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.60-5.42 (m, 1H), 4.46 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 2.88-2.78 (m, 1H), 2.74-2.59 (m, 2H), 2.12-1.94 (m, 1H).
【実施例29】
【0328】
1-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)尿素(化学式49)の合成
実施例27の製造方法に従って、化学式49の化合物を製造した。
【0329】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.05 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.17 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.65 (s,1H), 7.55 (s,1H), 7.49-7.37 (m, 2H), 7.26-7.18 (m, 1H), 7.04 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.67 (d, J = 7.0Hz, 1H), 5.61-5.40 (m, 1H), 4.44 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.93-2.78 (m, 1H), 2.76-2.63 (m, 2H), 2.10-1.93 (m, 1H).
【実施例30】
【0330】
3-(5-ヒドロキシ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式57)の合成
【化99】
【0331】
[30-1]第1工程の反応
2-ヒドロキシ-6-ニトロ安息香酸(100mg、0.55mmol)、2-アミノグルタイミド塩酸塩(180mg、1.1mmol)、EDCI-HCl(116mg、0.605mmol)、HOBt(93mg、0.605mmol)、DIEA(0.4ml、2.2mmol)の混合溶液を室温で30分間撹拌した。反応物は水とエチルアセテートを用いて分離した後、有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて残留する水を乾燥し減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物<30-1>(41mg、25%)を得た。
【0332】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.85 (s, 1H), 8.83 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.50-7.41 (m, 2H), 7.23 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 4.78-4.70 (m, 1H), 2.79-2.68 (m, 1H), 2.59-2.54 (m, 1H), 2.14-2.09 (m, 1H), 1.96-1.85 (m, 1H).
【0333】
[30-2]第2工程の反応
化合物<30-1>(34mg)をメタノール/ジメチルホルムアミド(5/1)混合溶液(6ml)に溶かした後、10%Pd/C(15mg)及び水素下の室温で2時間反応させた。反応物をセライトで濾過した後、濾過液を濃縮して目的とするJYR-17-187(22mg、70%、白色固体)を得た。
【0334】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.88 (s, 1H), 10.55 (s, 2H), 8.98 (s, 1H), 6.89 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.62 (s, 2H), 6.17 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.04 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.72-4.67 (m, 2H), 2.79-2.72 (m, 1H), 2.55-2.53 (m, 1H), 2.20-2.15 (m, 1H), 2.03-1.95 (m, 1H).
【0335】
[30-3]第3工程の反応
化合物<30-2>(20mg、0.076mmol)を酢酸(2ml)に溶かした後、亜硝酸ナトリウム(9mg、0.13mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応物は水とエチルアセテートを用いて分離した後、有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで残留する水を乾燥し減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離精製して化学式57の化合物(2.7mg、13%、アイボリー色固体)を得た。
【0336】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.24 (s, 1H), 10.85 (s, 1H), 8.00 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.99-5.95 (m, 1H), 3.01-2.93 (m, 1H), 2.74-2.65 (m, 2H), 2.33-2.28 (m, 1H).
【実施例31】
【0337】
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルピバレート(化学式58)の合成
【化100】
【0338】
3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(20mg、0.066mmol)及び炭酸セシウム(30mg、0.099mmol)をジメチルホルムアミドに溶かした後、クロロメチルピバレート(0.014ml、0.099mmol)を加えて室温で20分間撹拌した。反応物は水を添加して反応を終結させ、エチルアセテートで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで残留する水を乾燥し、減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離精製して目的とする化学式58の化合物を得た。
【0339】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.65 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.37 (dd, J = 7.8, 0.9 Hz, 1H), 6.88 (dd, J = 8.3, 0.9 Hz, 1H), 6.14 (s, 2H), 5.88 (s, 2H), 5.82-5.74 (m, 1H), 3.17-2.87 (m, 3H), 2.45-2.32 (m, 1H), 1.21 (s, 9H).
【実施例32】
【0340】
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルベンゾエート(化学式59)の合成
【化101】
【0341】
クロロメチルピバレートの代りにクロロメチルベンゾエートを使用したことを除き、実施例31と同じ方法で化学式59の化合物を合成した(17mg、63%)。
【0342】
1H NMR (300 MHz, Chloroform-d) δ 8.06-7.99 (m, 2H), 7.62 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.59-7.52 (m, 1H), 7.46-7.39 (m, 2H), 7.34 (dd, J = 7.8, 0.9 Hz, 1H), 6.85 (dd, J = 8.3, 0.9 Hz, 1H), 6.19-6.03 (m, 4H), 5.83-5.74 (m, 1H), 3.19-2.85 (m, 3H), 2.45-2.33 (m, 1H).
【実施例33】
【0343】
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルピペリジン-4-カルボキシレート塩酸塩(化学式60)の合成
【化102】
【0344】
[33-1]第1工程の反応
クロロメチルピバレートの代りに1-(tert-ブチル)-4-(クロロメチル)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレートを使用したことを除き、実施例31と同じ方法で化合物を合成した(16mg、51%、黄色固体)。
【0345】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.65 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 7.8, 0.9 Hz, 1H), 6.88 (dd, J = 8.3, 0.9 Hz, 1H), 6.17 (s, 2H), 5.90 (s, 2H), 5.79-5.70 (m, 1H), 4.01 (d, J = 13.4 Hz, 2H), 3.17-3.06 (m, 1H), 2.93 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 2.85 (t, J = 13.0 Hz, 2H), 2.54-2.35 (m, 2H), 1.88 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 1.74-1.64 (m, 2H), 1.47 (s, 9H).
【0346】
[33-2]第2工程の反応
1段階で得られた化合物をジクロロメタンに溶かした後、4N HCl 1,4-ジオキセン溶液を加えて室温で1時間撹拌した。反応物を濃縮して目的とする化学式60の化合物(80%)を得た。
【0347】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.63 (t, J = 8.0Hz, 1H), 7.37-7.33 (m, 1H), 6.89-6.81 (m, 1H), 6.14 (s, 2H), 5.87 (s, 2H), 5.78-5.72 (m, 1H), 3.82-3.58 (m, 1H), 3.19-3.01 (m, 3H), 2.99-2.82 (m, 2H), 2.70-2.57 (m, 2H), 2.55-2.29 (m, 2H), 1.89 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 1.75-1.55 (m, 2H).
【実施例34】
【0348】
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルD-プロリネート塩酸塩(化学式61)及び2-((3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチル)1-(tert-ブチル)(2R)-ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(化学式64)の合成
【化103】
【0349】
[34-1]第1工程の反応
クロロメチルピバレートの代りに1-(tert-ブチル)2-(クロロメチル)(R)-ピロリジン-1,2-ジカルボキシレートを使用したことを除き、実施例31と同じ方法で化学式64の化合物を合成した。
【0350】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.66 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.15 (s, 2H), 5.93 (s, 1H), 5.80-5.69 (m, 1H), 3.15-2.85 (m, 4H), 2.38 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 2.23-1.99 (m, 1H), 1.91 (dd, J = 13.5, 7.1 Hz, 1H), 1.84-1.78 (m, 3H).
【0351】
[34-2]第2工程の反応
1段階で得られた化合物をジクロロメタンに溶かした後、4NのHClの1,4-ジオキセン溶液を加えて室温で1時間撹拌した。反応物を濃縮して目的とする化学式61の化合物を得た。
【0352】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.66 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.15 (s, 2H), 5.93 (s, 1H), 5.80-5.69 (m, 1H), 3.15-2.85 (m, 4H), 2.38 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 2.23-1.99 (m, 1H), 1.91 (dd, J = 13.5, 7.1 Hz, 1H), 1.84-1.78 (m, 3H).
【実施例35】
【0353】
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルL-イソロイシネート塩酸塩(化学式62)の合成
【化104】
【0354】
[35-1]第1工程の反応
クロロメチルピバレートの代りに(tert-ブトキシカルボニル)-D-イソロイシネートを使用したことを除き、実施例31と同じ方法で化合物を合成した。
【0355】
[35-2]第2工程の反応
1段階で得られた化合物をジクロロメタンに溶かした後、4NのHClの1,4-ジオキセン溶液を加えて室温で1時間撹拌した。反応物を濃縮して目的とする化学式62の化合物を得た。
【0356】
1H NMR (300 MHz, Chloroform-d) δ 7.69-7.61 (m, 1H), 7.36 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.16 (s, 2H), 5.92 (s, 2H), 5.83-5.71 (m, 1H), 3.37 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.18-2.82 (m, 3H), 2.48-2.30 (m, 1H), 1.54-1.38 (m, 1H), 1.27-1.08 (m, 2H), 0.95 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 0.94-0.85 (m, 4H).
【実施例36】
【0357】
(3-(5-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルブチレート(化学式63)の合成
【化105】
【0358】
クロロメチルピバレートの代りにクロロメチルブチレートを使用したことを除き、実施例31と同じ方法で化学式63の化合物を合成した(44%、黄色い固体)。
【0359】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.62 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.37-7.31 (m, 1H), 6.89-6.82 (m, 1H), 6.14 (s, 2H), 5.86 (d, J = 2.2 Hz, 2H), 5.81-5.71 (m, 1H), 3.16-3.03 (m, 1H), 2.98-2.86 (m, 2H), 2.44-2.33 (m, 1H), 2.29 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.71-1.63 (m, 2H), 0.93 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
【実施例37】
【0360】
3-(6-アミノ-4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化学式65)の合成
実施例7の製造方法に従って化学式65の化合物を製造した。
【0361】
1H NMR (500 MHz, Methanol-d4) δ 7.88 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 7.30-7.28 (m, 2H), 5.87 (m, 1H), 3.02-2.79 (m, 3H), 2.39-2.32 (m, 1H).
【0362】
[実験例1]
CRBNに対する基質タンパク質分解活性の評価
本発明の化合物がCRBN(celebron)に特異的に結合してCRBNの機能を阻害できるかを確認するために、サリドマイド及びその類似体との結合時にCRBNタンパク質によって分解されるイカロス/アイオロス(Ikaros/Aiolos)タンパク質(NatStruct Mol Biol.2014 Sep;21(9):803-9)またはGSPT1タンパク質(Nature535,252257(2016.07.14))の分解活性に本化合物が及ぼす影響を調べた。
【0363】
陽性対照群として、CRBNに結合して機能を阻害するポマリドミド(pomalidomide)またはCC-885化合物を使用した。
【0364】
本発明による化合物のイカロス/アイオロスタンパク質またはGSPT1タンパク質の分解活性を評価するため、次のように実験した。
【0365】
OCI-LY3細胞を12ウェルプレートに5×105細胞を播種した後、各化合物を所定の濃度ほど各ウェルに処理した。6時間または24時間後、TBSNバッファーを用いて細胞溶解物を回収した。イカロス/アイオロスタンパク質分解活性は、アイオロスタンパク質に対する抗体を用い、GSPT1タンパク質分解活性は、GSPT1タンパク質に対する抗体を用いてウエスタンブロッティング法で評価した。そのためには、4-15%勾配ゲル(gradientgel)の各ウェルに同じ量のタンパク質をロードした後、電気永動し、PVDF膜にタンパク質を転写して、各タンパク質に対する1次抗体を結合させた。その後、HRPが結合した2次抗体を結合させ、HRP基質を用いて現像した。
【0366】
その結果、
図1に示されたように、陰性対象群であるDMSOで処理した群に比べ、本発明の化合物で処理した場合に、濃度依存的にイカロス/アイオロスタンパク質の分解が行われることが分かり、陽性対照群であるポマリドミドと類似した傾向を示した。
【0367】
また、
図2に示されたように、OCI-LY3細胞株でもそれぞれを6時間または24時間処理した結果、本発明の化合物がGSPT1タンパク質及びアイオロスに対するタンパク質の分解を促進することが確認できた。
【0368】
[実験例2]
細胞毒性の実験
【0369】
本発明の化合物が癌細胞と正常細胞に及ぼす影響を確認するために、次のように細胞毒性実験を行った。
【0370】
NCI-H929細胞を96ウェルプレートに各ウェル当り10,000個の細胞になるように播種した後、予め決められた濃度別に各化合物を処理した。72時間後にWST-1試薬を入れ、1時間後に450nmでSpectraMax(登録商標)分光光度計を用いて吸光度を測定し、細胞の死滅程度を測定した。測定で得られた値を用い、グラフパッドプリズム(GraphPadPrism)プログラムでIC50値を算出し、それを表1に示した。
【0371】
【0372】
その結果、表1に示されたように、本発明の化合物が腫瘍細胞であるNCI-H929に対して十分な細胞毒性を有することが分かる。
【0373】
特に、本発明の化学式1において、XがNであるトリアジン誘導体化合物である化合物7~9、11、12、19~21、23、25~27、29~31、37、38、56~63、65の場合、XがCであるピリジン誘導体化合物である化合物24及び31の場合に比べて、癌細胞に対する細胞毒性活性に優れることが確認できた。