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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】脱着式ビットヘッド付きドリルビット
(51)【国際特許分類】
   E21B 4/14 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
E21B4/14 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020502274
(86)(22)【出願日】2018-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 EP2018069434
(87)【国際公開番号】W WO2019016230
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-06-22
(31)【優先権主張番号】S2017/0150
(32)【優先日】2017-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IE
(31)【優先権主張番号】S2018/0049
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IE
(73)【特許権者】
【識別番号】516001856
【氏名又は名称】ミンコン インターナショナル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MINCON INTERNATIONAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ パーセル
(72)【発明者】
【氏名】キアラン パーセル
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0045009(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0209919(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0042146(US,A1)
【文献】米国特許第03952819(US,A)
【文献】特開2010-095900(JP,A)
【文献】特表2010-528204(JP,A)
【文献】実開平03-122191(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 4/14
E21B 4/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体作動式パーカッションドリルツール用のドリルビットアセンブリであって:
軸方向に延びるビットシャンクに脱着式に連結されたビットヘッドを備えるパーカッションビットと;
駆動チャックの内部に形成された相補的な係合手段と係合可能であり、それによって当該駆動チャックからの回転駆動を前記ビットシャンクに伝達し得る、当該ビットシャンクの外部壁に形成された係合手段と;
前記ビットシャンクの前記外部壁と前記ビットヘッドの切削面との間にフラッシュ媒体の流路を提供するために、前記ビットシャンクの前記外部壁と前記ビットヘッドの前記切削面との間に延びる少なくとも1つのフラッシュチャネルであって、当該少なくとも1つのフラッシュチャネルの各々が、前記ビットシャンクの前記外部壁から前記ビットヘッドに隣接する前記ビットシャンクの端面まで当該ビットシャンクを通って延びる、前記ビットシャンク内の少なくとも1つの第1のチャネル部と、前記ビットヘッドを通って延びる少なくとも1つの第2のチャネル部と、を備える、少なくとも1つのフラッシュチャネルと;
前記ビットシャンクの前記端面と前記ビットヘッドとの間に設けられたチャンバと、を備え、前記少なくとも1つの第1のチャネル部の各々および前記少なくとも1つの第2のチャネル部の各々が前記チャンバと流体連通する、ドリルビットアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の流体作動式パーカッションドリルツール用のドリルビットアセンブリであって:
前記ビットシャンクの前記外部壁は外部円筒壁で、前記係合手段は、前記ビットシャンクの前記外部円筒壁上に形成された軸方向に延びるスプラインを含み、前記相補的な係合手段は前記駆動チャックの内部に形成された相補的なスプラインを含み、それにより前記軸方向に延びるスプラインは前記相補的なスプラインと摺動可能に係合し、それによって当該駆動チャックからの回転駆動は前記ビットシャンクへ伝達可能となり、
前記少なくとも1つのフラッシュチャネルは、前記ビットシャンクのスプライン部分と前記ビットヘッドの切削面との間にフラッシュ媒体の流路を提供するために、前記ビットシャンクの前記外部円筒壁と前記ビットヘッドの前記切削面との間に延びる、
ドリルビットアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1のチャネル部の各々の第1の端が、前記ビットシャンクの前記外部壁と交差する、請求項1または2に記載のドリルビットアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1のチャネル部の各々の第1の端が、前記ビットシャンクの前記外部壁に隣接する、請求項1または2に記載のドリルビットアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1のチャネル部の各々の第1の端が、前記外部壁に隣接する前記ビットシャンクの外向きショルダと交差する、請求項4に記載のドリルビットアセンブリ。
【請求項6】
前記ビットヘッドが、前記少なくとも1つの第1のチャネル部の前記第1の端を超えて延びる、軸方向に延びるシュラウドを備える、請求項5に記載のドリルビットアセンブリ。
【請求項7】
前記チャンバは、前記パーカッションビットが組み立てられたときに前記ビットシャンクの前記端面が前記ビットヘッドの内部後面から離間するように、前記ビットシャンクのショルダが前記ビットヘッドの後端部の外側ショルダと係合することにより提供される、請求項1または2に記載のドリルビットアセンブリ。
【請求項8】
前記チャンバが、前記ビットシャンクの前記端面および前記ビットヘッドの内部後面の少なくとも一方にある凹部によって提供され、前記第1および第2のチャネル部が当該凹部と流体連通する、請求項1または2に記載のドリルビットアセンブリ。
【請求項9】
前記凹部が、前記ビットシャンクの前記端面および前記ビットヘッドの前記内部後面の少なくとも一方にある環状溝である、請求項8に記載のドリルビットアセンブリ。
【請求項10】
前記凹部が、前記ビットシャンクの前記端面および/または前記ビットヘッドの前記内部後面の中心に配置される、請求項8に記載のドリルビットアセンブリ。
【請求項11】
前記ビットヘッドが前記ビットシャンクにねじ込み式に連結される、請求項1~10のいずれか一項に記載のドリルビットアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のチャネル部が、前記ビットシャンクの前記外部壁と前記ビットシャンクのねじ部との間に延びる、請求項11に記載のドリルビットアセンブリ。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のドリルビットアセンブリを備える、液圧式ダウンザホールハンマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体作動式パーカッションドリルツール用のドリルビットアセンブリに関する。特に、本発明は、ダウンザホールハンマー、特には液圧式ダウンザホールハンマーで使用するドリルビットアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ダウンザホールハンマーなどの流体作動式パーカッションドリルツール用のパーカッションビットは、通常、ヘッドの前面に切削インサートが配置されたビットヘッドを備える。ビットヘッドには、該ビットヘッドよりも小さな直径を有する、軸方向に延びるシャンクが形成されている。ハンマーが回転すると、最も一般的には、ドリルツールの駆動チャックの内部に設けられたスプラインと噛み合う、シャンクの外部円筒壁に設けられたスプラインによって、回転駆動がシャンクに伝達される。他の可能な駆動機構には、対応して形成されたチャックと噛み合う六角形または八角形のシャンクが含まれる。
【0003】
掘削サイクル中、衝撃ピストンがシャンクの後端に衝突し、ビットヘッドの切削インサートを掘削中の岩石に押し込む。フラッシュ(瀉出)エアとして知られる加圧空気を使用して、ハンマーの動作中に穴から切削屑を洗い流す。ドリルリグでフラッシュエアストリームに潤滑油を加えることができる。フラッシュエアは、通常、2つの機構のいずれかを用いて供給される。
【0004】
内部フラッシュシステムでは、ドリルビットには、シャンクの中心を通ってビット面を貫通するフラッシュボアがある。このボアは、ビットの前面から出る前に複数のチャネルに分割されることが多い。対応するセンターフラッシュボアがピストンの全長を貫通し、ドリルリグからビット面にフラッシュエアを送る。
【0005】
外部フラッシュシステムでは、フラッシュエアが、中央のフラッシュボアを通らずに、ビットシャンクのスプライン(または他の駆動機構)に沿って移動する。この構成では、ビットシャンクは中実であり、ビットヘッドにチャネルを設けることによってスプラインからビットの切削面に空気を導くことができる。
【0006】
上述の構成の両方について、シャンクおよびビットヘッドは、一般に、例えば単一のビレットまたは鍛造物からドリルビットを機械加工することによって一体的に形成される。従来のハンマーでは、ビットヘッドまたは切削面が摩耗してもシャンクは良好な状態であることが多いが、切削面と一体化されているためシャンクも破棄しなければならない。ヘッド/切削面の早期摩耗は、切削ヘッドのインサートを摩耗させる非常に研磨性の高い岩石または材料を掘削する場合に生じ得る。
【0007】
特定の内部フラッシュ構成では、ドリルビットを、ねじ連結により互いに連結され得る2つの別々の部品に形成することができ、シャンクを不必要に破棄することなくビットヘッドを交換することが可能である。しかしながら、内部フラッシュ構成にはいくつかの欠点がある。潤滑油を含むフラッシュエアがドリルビットの穴を通過すると、油の存在によりキャビテーションが発生する可能性がある。この問題は、ピストンがドリルビットと衝突して、嵌合するピストンノーズとビットシャンクで囲まれた環状領域から油を高速で押し出すと悪化する。キャビテーション損傷は、ピストンノーズおよびビットシャンクの後端で観察されることが多い。内部フラッシュ構成の別の欠点は、スプラインの潤滑が不十分になる可能性があることである。一部のフラッシュエアは、ビットのスプライン部分に必然的に漏れるが、特に、フラッシュエアの圧力が比較的低い用途では、十分な潤滑が常に得られるとは限らない。スプラインの潤滑が不十分な場合、摩擦による損傷のリスクと、それによって引き起こされ得る故障が増加する。
【0008】
内部フラッシュ構成は、通常、フラッシュエアが作動流体と同じ(または近い)圧力で提供される空気圧式ダウンザホールハンマーでは許容され得るが、通常、高振動数で動作するため摩擦によるスプライン潤滑の必要性が高い液圧式ダウンザホールハンマーでは、スプラインの潤滑レベルが不十分な場合がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、流体作動式パーカッションドリルツール用のドリルビットアセンブリを提供し、当該アセンブリは:
軸方向に延びるシャンクに脱着式に連結されたビットヘッドを備えるパーカッションビットと;
駆動チャックの内部に形成された相補的なスプラインと摺動可能に係合し、それによって当該チャックからの回転駆動をシャンクに伝達し得る、当該シャンクの外部円筒壁に形成された軸方向に延びるスプラインと;
ビットシャンクのスプライン部分とビットヘッドの切削面との間にフラッシュ媒体の流路を提供するために、ビットシャンクの外部円筒壁とビットヘッドの切削面との間に延びる少なくとも1つのフラッシュチャネルと、を備える。
【0010】
本発明はまた、流体作動式パーカッションドリルツール用のドリルビットアセンブリを提供し、当該アセンブリは:
軸方向に延びるシャンクに脱着式に連結されたビットヘッドを備えるパーカッションビットと;
駆動チャックの内部に形成された相補的な係合手段と係合可能であり、それによって当該チャックからの回転駆動をシャンクに伝達し得る、当該シャンクの外部壁に形成された係合手段と;
ビットシャンクの外部壁とビットヘッドの切削面との間にフラッシュ媒体の流路を提供するために、ビットシャンクの外部壁とビットヘッドの切削面との間に延びる少なくとも1つのフラッシュチャネルと、を備える。
【0011】
係合手段は、例えば、八角形または六角形のシャンクを備えることができ、相補的な係合手段は、対応して形成されたチャックを備えることができる。例えば、シャンクは断面が六角形であり、チャックは二重六角形の内部プロファイルで形成され、シャンクがチャックの六角形プロファイルのうちの1つと係合可能であり、シャンクと第2の六角形プロファイルとの間に形成されたチャネルをフラッシュ媒体が通過できるようにしている。八角形プロファイルなど、他のプロファイルに対しても同様の構成が可能である。
【0012】
本発明の利点は、ピストンノーズへのキャビテーションのリスクを最小限にし、ビットシャンクの不必要な交換を回避しながら、十分なスプライン(または係合手段)潤滑を提供できることである。これは、高振動数で動作するため摩擦によるスプライン潤滑の必要性が高い液圧式ダウンザホールハンマーで特に有利であり得る。内部フラッシュエアの一部ではなく、潤滑剤を運ぶフラッシュエアのすべてがスプラインを移動するようにすることは、より低いフラッシュ空気圧で適切なスプライン潤滑を実現できることを意味する。
【0013】
一実施形態では、少なくとも1つのフラッシュチャネルの各々が:
ビットシャンクの外部(円筒)壁から、ビットヘッドに隣接するビットシャンクの端面まで延びる、ビットシャンク内の第1のチャネル部と;
ビットヘッドを通って延びる第2のチャネル部と、を備える。
【0014】
ある実施形態では、上記または各第1のチャネル部の第1の端が、ビットシャンクの外部(円筒)壁と交差する。
【0015】
別の実施形態では、上記または各第1のチャネル部の第1の端が、ビットシャンクの外部(円筒)壁に隣接する。上記または各第1のチャネル部の第1の端が、外部(円筒)壁に隣接するビットシャンクの外向きショルダと交差する。ビットヘッドは、上記または各第1のチャネル部の第1の端を超えて延びる、軸方向に延びるシュラウドを備えていてもよい。この構成の利点は、使用中におけるアセンブリからのフラッシュ媒体の漏れが最小限に抑えられることである。ビットシャンクの端面とビットヘッドとの間にチャンバが提供され、当該チャンバが第1のチャネル部を第2のチャネル部に接続してもよい。
【0016】
この構成の利点は、フラッシュエアが第1のチャネル部からチャンバに排出され、そこから第2のチャネル部を通過してビット面に至ることにより、第1のチャネル部と第2のチャネル部とを正確に位置合わせする必要がなくなることである。
【0017】
一実施形態では、チャンバは、ドリルビットが組み立てられたときにビットシャンクの端面がビットヘッドの内部後面から離間するように、ビットシャンクのショルダがビットヘッドの後端部の外側ショルダと係合することにより提供される。
【0018】
別の実施形態では、チャンバが、ビットシャンクの端面およびビットヘッドの内部後面の少なくとも一方にある凹部によって提供され、第1および第2のチャネル部が当該凹部と流体連通する。
【0019】
凹部は、ビットシャンクの端面およびビットヘッドの内部後面の少なくとも一方にある環状溝であってもよい。この構成の利点は、ビットヘッドとビットシャンクとの回転整列に関係なく、第1のチャネル部と第2のチャネル部との間の流路が形成されることである。
【0020】
別の実施形態では、凹部が、ビットシャンクの端面および/またはビットヘッドの内部後面の中心に配置される。
【0021】
ビットヘッドは、シャンクにねじ込み式に連結されてもよい。一実施形態では、第1のチャネル部が、ビットシャンクの外部(円筒)壁とビットシャンクのねじ部との間に延びて、当該第1のチャネル部が、ビットシャンクの外部に設けられたねじと交差する。この構成の利点は、ねじ込み式連結部がフラッシュ流体によって潤滑され、それによってビットヘッドとシャンクとの間の微視的な動きによるねじの摩擦摩耗を減らすことができることである。
【0022】
また、本発明は、上述のドリルビットアセンブリを備える、液圧式ダウンザホールハンマーを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1の実施形態による、ドリルビットアセンブリの長手方向断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態による、ドリルビットアセンブリの長手方向断面図である。
図3】本発明の第3の実施形態による、ドリルビットアセンブリの長手方向断面図である。
図4図2のドリルビットアセンブリを組み込んだ、液圧式ダウンザホールハンマーの長手方向断面図である。
図5】本発明の第4の実施形態による、ドリルビットアセンブリの長手方向断面図である。
図6】本発明の第5の実施形態による、ドリルビットアセンブリの長手方向断面図である。
図7図6のドリルビットアセンブリを組み込んだ、液圧式ダウンザホールハンマーの長手方向断面図である。
図8】本発明の第6の実施形態による、ドリルビットアセンブリの長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第1の実施形態によるドリルビットアセンブリを図1に示す。このアセンブリ1は、軸方向に延びるシャンク4にねじ込み式に連結された、タングステン超硬インサート20を備えるビットヘッド3を有する、パーカッションビット2を備える。雄ねじ連結部10がシャンクの前端部に設けられており、ビットヘッドの雌ねじ連結部11と係合する。ビットが組み立てられると、ビットヘッド3のショルダ18がビットシャンク4の外側環状ショルダ19に当接するに至るまで、雄ねじ連結部10が雌ねじ連結部11と係合する。
【0025】
軸方向に延びるスプライン5は、シャンクの外部円筒壁6に形成される。ビットアセンブリがパーカッションドリルツールに組み立てられると、スプライン5は、駆動チャックの内部に形成された相補的なスプラインと摺動可能に係合し、チャックからシャンクに回転駆動を伝達する。
【0026】
ビットシャンクの外部円筒壁6とビットヘッドの切削面8との間に延びるフラッシュ(瀉出)チャネル7は、ビットシャンクのスプライン部分9とビットヘッドの切削面8との間にフラッシュ媒体の流路を提供する。フラッシュチャネル7の各々は、ビットシャンクの外部円筒壁からビットヘッドに隣接するビットシャンクの端面13まで延びる、ビットシャンク内の第1のチャネル部12と、ビットヘッドを通って延びる第2のチャネル部14と、を備える。図1に示す実施形態において、第1のチャネル部12は、ビットシャンクの外部円筒壁とビットシャンクのねじ部10との間に延び、第1の端で外部円筒壁と交差し、第2の端でビットシャンクのねじ部10と交差する。第1のチャネル部は、壁6と交差する第1のセクション15と、シャンクの長手方向軸と平行に延びる第2のセクション16と、を備える。
【0027】
図1に示すように、ビットヘッドとビットシャンクとの間のねじ込み式の連結は、ショルダ18および19が互いに当接したときに、ビットシャンクの端面13がビットヘッドの内部後面22から離間して、それらの間にチャンバ17が設けられるようになっている。第1のチャネル部12および第2のチャネル部14は、チャンバ17と流体連通する。
【0028】
使用中、フラッシュ媒体は、スプライン5に沿って第1のチャネル部12に移動し、チャンバ17に排出され、そこから第2のチャネル部14に入り、ビットの切削面から出て、パーカッションドリルツールの動作中に穴から切削屑を洗い流す。
【0029】
本発明の第2の実施形態によるドリルビットアセンブリを図2に示す。このドリルビットアセンブリは、図1に示すものとほぼ同じである。しかしながら、第1のチャネル部12の各々の第1のセクション15が第1の実施形態のそれよりも長いため、第1のチャネル部12がビットシャンクのねじ部と交差していない。第1のチャネル部がシャンクのねじ部と交差していないため、完全なねじ接触が維持される。また、フラッシュ穴がシャンクのより中心に配置されているため、シャンクが強化され得る。
【0030】
本発明の第3の実施形態によるドリルビットアセンブリを図3に示す。第1および第2の実施形態と同様に、アセンブリ1は、軸方向に延びるシャンク4にねじ込み式に連結された、タングステン超硬インサート20を備えるビットヘッド3を有する、パーカッションビット2を備える。軸方向に延びるスプライン5は、シャンクの外部円筒壁6に形成される。雄ねじ連結部10がシャンクの前端部に設けられており、ビットヘッドの雌ねじ連結部11と係合する。ビットが組み立てられると、ビットシャンク4の端面13がビットヘッドに当接するに至るまで、雄ねじ連結部10が雌ねじ連結部11と係合する。
【0031】
フラッシュチャネル7は、ビットシャンクの外部円筒壁6とビットヘッドの切削面8との間に延び、ビットシャンクのスプライン部分9とビットヘッドの切削面8との間にフラッシュ媒体の流路を提供する。フラッシュチャネル7の各々は、ビットシャンクの外部円筒壁からビットヘッドに隣接するビットシャンクの端面13の中心部分まで角度方向に延びる、ビットシャンク内の第1のチャネル部12と、ビットヘッドを通って角度方向に延びる第2のチャネル部14と、を備える。
【0032】
図3に示すように、ビットシャンク4の端面13は凹部23を備える。対応する凹部21は、ビットヘッドの内部後面22に形成される。凹部23および凹部21はともに、ビットシャンクの端面13とビットヘッドとの間にチャンバ17を形成する。第1のチャネル部12および第2のチャネル部14は、チャンバ17と流体連通する。
【0033】
使用中、フラッシュ媒体は、スプライン5に沿って第1のチャネル部12に移動し、チャンバ17に排出され、そこから第2のチャネル部14に入り、ビットの切削面から出て、パーカッションドリルツールの動作中に穴から切削屑を洗い流す。
【0034】
本発明の一実施形態による液圧式ダウンザホールハンマーを図4に示す。ダウンザホールハンマー401は、外側円筒形の外被スリーブ402を備える。内側シリンダ403は、外被スリーブ402内に同軸に取り付ける。摺動ピストン404は、内側シリンダおよび外被スリーブ内で往復運動するように取り付け、外被スリーブ402の前端部に配置したハンマービットアセンブリ1を打撃し、ドリルビットに打撃力を加えるようにする。シャトルバルブ407は、ピストンの往復運動を制御する。ピストンの前部チャンバ408は、装置の高圧ラインに恒久的に接続される。シャトルバルブは、ピストンの後部駆動チャンバ409を装置の高圧ラインと低圧ラインに交互に接続して、ピストンの往復運動を引き起こす。
【0035】
図4に示す実施形態において、ビットアセンブリは図2に示す通りである。回転力は、チャック405によって、回転する外被スリーブから伝達される。中空円筒状チャック405は内部が機械加工されており、シャンク4のスプライン5と係合してチャック405からドリルビットに回転駆動を伝達する、複数の軸方向に延びる内部スプライン406がその内壁に設けられている。
【0036】
使用中、フラッシュ流体は、チャネル410および外被スリーブ402と内側シリンダ403との間を通り、ポート411およびチャネル412を通り、シャンク4のスプライン部分に供給され、そこからシャンク内の第1のチャネル部12を通過してビットヘッド内の第2のチャネル部14に至り、切削面を介して排出される。流体は、ビットシャンク4とチャック405との間のスプライン連結を潤滑し得る潤滑油を運ぶことができる。
【0037】
本発明の第4の実施形態によるドリルビットアセンブリを図5に示す。先の実施形態と同様に、アセンブリ1は、軸方向に延びるシャンク4にねじ込み式に連結された、タングステン超硬インサート20を備えるビットヘッド3を有する、パーカッションビット2を備える。軸方向に延びるスプライン5がシャンクの外部円筒壁6に形成されており、外向きショルダ25が外部円筒壁の前端部に、スプラインに直接隣接して形成されている。雄ねじ連結部10がシャンクの前端部に設けられており、ビットヘッドの雌ねじ連結部11と係合する。ビットが組み立てられると、ビットシャンク4の端面13がビットヘッドと当接するに至るまで、雄ねじ連結部10が雌ねじ連結部11と係合する。
【0038】
フラッシュチャネル7は、ビットシャンクの外部円筒壁6とビットヘッドの切削面8との間に延び、ビットシャンクのスプライン部分9とビットヘッドの切削面8との間にフラッシュ媒体の流路を提供する。フラッシュチャネル7の各々は、ビットシャンク内の第1のチャネル部12と、ビットヘッドを通って延びる第2のチャネル部14と、備える。第1のチャネル部12は、ビットシャンクの外部円筒壁6とビットシャンクの端面13との間に角度方向に延び、第1の端が、外部円筒壁に直接隣接する点でショルダ25と交差し、第2の端が端面13と交差する。
【0039】
図5aに示すように、ビットシャンク4の端面13には、放射状のアンダーカット24が設けられている。放射状のアンダーカット24は、ビットシャンクの端面13とビットヘッドとの間に環状チャンバ17を形成する環状溝である。第2のチャネル部14は、各端で面取りされている。第1のチャネル部12および第2のチャネル部14は、チャンバ17と流体連通する。環状チャンバ17は、ビットヘッドとビットシャンクとの回転整列に関係なく、第1のチャネル部12と第2のチャネル部14との間に流路を提供する。
【0040】
使用中、フラッシュ媒体は、スプライン5に沿って第1のチャネル部12に移動し、環状チャンバ17に排出され、そこから第2のチャネル部14に入り、ビットの切削面から出て、パーカッションドリルツールの動作中に穴から切削屑を洗い流す。
【0041】
本発明の第5の実施形態によるドリルビットアセンブリを図6に示す。このドリルビットアセンブリは、図5に示すものとほぼ同じである。しかしながら、この実施形態では、ビットヘッド3に、該ビットヘッドのねじ部11および第1のチャネル部の各々の第1の端を越えて後方に延びる、軸方向に延びるシュラウド26が形成されている。シュラウドは、その中に環状チャンバ27を画定する。図7に示すように、液圧式ダウンザホールハンマーに組み立てたときに、チャック405の端部がチャンバ27に収容される。
【0042】
使用中、フラッシュ媒体は、スプライン5に沿って第1のチャネル部12に移動する。そこから、環状チャンバ17に排出され、そこから第2のチャネル部14に入り、ビットの切削面から出て、パーカッションドリルツールの動作中に穴から切削屑を洗い流す。シュラウド26は、動作中におけるハンマーからのフラッシュ媒体の漏れを最小限に抑える。
【0043】
本発明の一実施形態による液圧式ダウンザホールハンマーを図7に示す。ダウンザホールハンマー401は、図4に示すものと同様であり、外側円筒形の外被スリーブ402を備える。内側シリンダ403は、外被スリーブ402内に同軸に取り付ける。摺動ピストン404は、内側シリンダおよび外被スリーブ内で往復運動するように取り付け、外被スリーブ402の前端に配置したハンマービットアセンブリ1を打撃し、ドリルビットに打撃力を加えるようにする。シャトルバルブ407は、ピストンの往復運動を制御する。ピストンの前部チャンバ408は、装置の高圧ラインに恒久的に接続される。シャトルバルブは、ピストンの後部駆動チャンバ409を装置の高圧ラインと低圧ラインに交互に接続して、ピストンの往復運動を引き起こす。
【0044】
図7に示す実施形態において、ビットアセンブリは図6に示される通りである。回転力は、チャック405によって、回転する外被スリーブから伝達される。中空円筒状チャック405は内部が機械加工されており、シャンク4のスプライン5と係合してチャック405からドリルビットに回転駆動を伝達する、複数の軸方向に延びる内部スプライン406がその内壁に設けられている。ビットヘッド3上を軸方向に延びるシュラウド26は、チャック405の端部上に延在する。
【0045】
使用中、フラッシュ流体は、チャネル410および外被スリーブ402と内側シリンダ403との間を通り、ポート411およびチャネル412を通り、シャンク4のスプライン部分に供給され、そこからシャンク内の第1のチャネル部12を通過してビットヘッド内の第2のチャネル部14に至り、切削面を介して排出される。流体は、ビットシャンク4とチャック405との間のスプライン接続を潤滑し得る潤滑油を運ぶことができる。
【0046】
本発明の第6の実施形態によるドリルビットアセンブリを図8に示す。先の実施形態と同様に、アセンブリ1は、軸方向に延びるシャンク4にねじ込み式に連結された、タングステン超硬インサート20を備えるビットヘッド3を有する、パーカッションビット2を備える。軸方向に延びるスプライン5は、シャンクの外部円筒壁6に形成される。雄ねじ連結部10がシャンクの前端部に設けられて、ビットヘッドの雌ねじ連結部11と係合する。ビットが組み立てられると、ビットシャンク4の端面13がビットヘッドと当接するに至るまで、雄ねじ連結部10が雌ねじ連結部11と係合する。
【0047】
フラッシュチャネル7は、ビットシャンクの外部円筒壁6とビットヘッドの切削面8との間に延び、ビットシャンクのスプライン部分9とビットヘッドの切削面8との間にフラッシュ媒体の流路を提供する。フラッシュチャネル7の各々は、ビットシャンクの外部円筒壁からビットヘッドに隣接するビットシャンクの端面13まで角度方向に延びる、ビットシャンク内の第1のチャネル部12と、ビットヘッドを通って延びる、角度方向に延びる第2のチャネル部14と、を備える。代替的な実施形態では、第2のチャネル部がビットヘッドの切削面8に対して垂直であってもい。ビットヘッドの切削面8上のフラッシュ溝28により、切削物をビットヘッドの切削面の下から洗い流すことができる。
【0048】
図8に示すように、ビットシャンク4の端面13には、放射状のアンダーカット24が設けられている。放射状のアンダーカット24は、ビットシャンクの端面13とビットヘッドとの間に環状チャンバ17を形成する環状溝である。第2のチャネル部14は、それらの内側端で面取りされている。第1のチャネル部12および第2のチャネル部14は、チャンバ17と流体連通する。環状チャンバ17は、ビットヘッドとビットシャンクとの回転整列に関係なく、第1のチャネル部12と第2のチャネル部14との間に流路を提供する。
【0049】
使用中、フラッシュ媒体は、スプライン5に沿って第1のチャネル部12に移動し、チャンバ17に排出され、そこから第2のチャネル部14に入り、ビットの切削面から出て、パーカッションドリルツールの動作中に穴から切削屑を洗い流す。
【0050】
本発明に言及する本明細書における用語としての「備える/備えている(comprises/comprising)」および「有する/含む(having/including)」は、記載の特徴、整数、ステップまたは構成要素の存在を特定するのに使用されるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素またはそれらの群の存在または付加を排除するものではない。
【0051】
個別の実施形態の文脈で分かり易くするために記載した本発明の特定の特徴は、単独の実施形態において組み合わせて設けることもできることが理解されよう。逆に、単独の実施形態の文脈で簡潔に記載された本発明の様々な特徴は、切り離して、または任意の適当な副次的組合せで設けることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8