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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】光起電力用途のためのスペーサ
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/663 20060101AFI20221013BHJP
   E06B 5/00 20060101ALI20221013BHJP
   H02S 30/10 20140101ALN20221013BHJP
【FI】
E06B3/663 N
E06B3/663 D
E06B3/663 F
E06B3/663 J
E06B3/663 M
E06B5/00 A
H02S30/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020524072
(86)(22)【出願日】2018-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2018079585
(87)【国際公開番号】W WO2019086384
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】17199279.5
(32)【優先日】2017-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511165740
【氏名又は名称】テクノファーム グラス インスレーション ホールディング ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】Max-Planck-Strasse 6,34253 Lohfelden,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パオロ サラ
(72)【発明者】
【氏名】ペトラ ソマー
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-526622(JP,A)
【文献】特表2018-505977(JP,A)
【文献】特表2018-506490(JP,A)
【文献】特開平9-263428(JP,A)
【文献】実開平1-119783(JP,U)
【文献】特表2005-538573(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0133940(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0108815(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2628884(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/64-3/677
E06B 5/00
H02S 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのグレイジング・ペインの間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペインを備える断熱グレイジング・ユニットに対するスペーサであって、
第1の材料から作られ、断熱グレイジング・ユニットの外側グレイジング・ペイン(3、4)に取り付けるための、長手方向(z)に垂直な幅方向(x)において2つの外側面(AP)を有する前記長手方向(z)に延びるスペーサ本体(2)と、
第2の材料から作られるガス・バリア(40)と、を備え、
前記スペーサ本体は、前記長手方向(z)に垂直な横断面において前記スペーサ本体により完全に囲まれ、前記2つの外側面の第1の外側面(AP、13)に隣接して配置された、乾燥剤を収容するための第1の中空のチャンバ(10)、および前記長手方向(z)に垂直な横断面において前記スペーサ本体により完全に囲まれ、前記2つの外側面の第2の外側面(AP、23)に隣接して配置された、乾燥剤を収容するための第2の中空のチャンバ(20、および前記幅方向(x)において前記第1および第2の中空のチャンバ(10、20)の間に配置され、前記長手方向および前記幅方向(z、x)に垂直な高さ方向(y)において前記スペーサの第1の側に開口する溝(30)を有する、前記長手方向(z)に垂直な横断面(x-y)を有し、
前記ガス・バリア(40)は、高さ方向(y)において、前記スペーサの第2の側上に/前記スペーサの第2の側で、前記スペーサ本体上におよび/または前記スペーサ本体の中に配置され、前記第2の側は、前記第1の側に対して前記スペーサの反対側にあり、
前記溝(30)は、2つの側壁(14、24)により幅方向において、および底部壁(31)により前記第2の側で前記高さ方向において制限され、前記溝(30)は、中間グレイジング・ペイン(5)を受け入れるように適合され、
前記スペーサは、互いに電気的に絶縁され、前記溝(30)の前記側壁(14、24)の一方もしくは両方に、および/または前記溝(30)の前記底面(31)に配置される、少なくとも2つの導電性部分(51、52、44を備える、スペーサ。
【請求項2】
前記溝(30)に配置された1つまたは複数の光起電力要素(61)をさらに備える、請求項1に記載のスペーサ。
【請求項3】
中間グレイジング・ペイン(5)の動きを補うように適合される、前記溝(30)に配置された少なくとも1つの弾性体(71)をさらに備える、請求項1または2に記載のスペーサ。
【請求項4】
前記第1の材料は、プラスチック材料であり、
前記第2の材料は、金属または別の耐ガス拡散材料である、請求項1から3のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項5】
前記溝(30)は、中間グレイジング・ペイン(5)を受け入れるように適合されており、
前記中間グレイジング・ペイン(5)は、発光太陽集光器ペインであり、および/または光起電力デバイスを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項6】
少なくとも1つの弾性体(71)は、前記溝(30)の中に配置されるばね要素である、請求項3または請求項3に従属する請求項4または5に記載のスペーサ。
【請求項7】
前記ガス・バリア(40)は、2つの導電性セクション(41、42)を備え、
前記2つの導電性セクションは、前記幅方向において前記導電性セクション(41、42)の間に配置される前記ガス・バリアの非導電性セクション(43)により電気的に絶縁される、請求項1から6のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項8】
断熱グレイジング・ユニットであって、
少なくとも2つのグレイジング・ペイン(3、4)の間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)と、
請求項1から7のいずれか一項に記載のスペーサと、を備え、
前記3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)のうちの1つは、光起電力デバイスを備える発光太陽集光器ペインとして形成され、前記スペーサ(2)の前記溝(30)に受け入れられる中間グレイジング・ペイン(5)であり、前記光起電力デバイスは、前記少なくとも2つの導電性部分(51、52、44に電気的に接続される、断熱グレイジング・ユニット。
【請求項9】
断熱グレイジング・ユニットであって、
少なくとも2つのグレイジング・ペイン(3、4)の間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)と、
請求項1から7のいずれか一項に記載のスペーサと、を備え、
前記3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)のうちの1つは、光起電力デバイスを備え、前記スペーサ(2)の前記溝(30)に受け入れられる中間グレイジング・ペイン(5)であり、前記光起電力デバイスは、前記少なくとも2つの導電性部分(51、52、44に電気的に接続される、断熱グレイジング・ユニット。
【請求項10】
断熱グレイジング・ユニットであって、
少なくとも2つのグレイジング・ペイン(3、4)の間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)と、
請求項1から7のいずれか一項に記載のスペーサと、を備え、
前記3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)のうちの1つは、発光太陽集光器ペインとして形成され、前記スペーサ(2)の前記溝(30)に受け入れられる中間グレイジング・ペイン(5)であり、
前記スペーサは、前記溝(30)に配置され、前記溝(30)に受け入れられる前記発光太陽集光器ペインに光学的に接続された1つまたは複数の光起電力要素(61)を備え、
前記1つまたは複数の光起電力要素(61)は、前記少なくとも2つの導電性部分(51、52、44に電気的に接続される、断熱グレイジング・ユニット。
【請求項11】
前記スペーサは、前記溝(30)に配置された少なくとも1つの弾性体(71)を備え、
前記少なくとも1つの弾性体(71)は、前記中間グレイジング・ペイン(5)の動きを補うように適合され、その結果、前記少なくとも2つの導電性部分(51、52、44に対する前記光起電力デバイスおよび前記1つまたは複数の光起電力要素(61)のそれぞれの電気的な接続が、前記動きの間に維持される、請求項8から10のいずれか一項に記載の断熱グレイジング・ユニット。
【請求項12】
断熱グレイジング・ユニットであって、
少なくとも2つのグレイジング・ペイン(3、4)の間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)と、
請求項1から7のいずれか一項に記載のスペーサと、を備え、
前記3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)のうちの1つは、発光太陽集光器ペインとして形成され、前記スペーサ(2)の前記溝(30)に受け入れられる中間グレイジング・ペイン(5)であり、
前記スペーサは、前記溝(30)に配置され、前記溝(30)に受け入れられる前記発光太陽集光器ペインに光学的に接続された1つまたは複数の光起電力要素(61)を備え、
前記スペーサは、前記中間グレイジング・ペイン(5)の動きを補うように適合された、前記溝(30)に配置された少なくとも1つの弾性体(71)を備える、断熱グレイジング・ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電力用途に適したスペーサに関し、詳細には、取り付けられた光起電力要素を備えるスペーサ、電気接続を備えるスペーサ、および、ペイン、特に発光太陽集光器ペインを受け入れるのに適したスペーサに関する。
【背景技術】
【0002】
断熱グレイジングは、建物の窓、ドア、およびファサード要素に対して一般に使用される。断熱グレイジングにおいては、通常、2つ以上のグレイジング・ペインが、グレイジング・ペインの間に密閉封止された空間を備える断熱グレイジング・ユニット(IGU)を形成するように、1つまたは複数のスペーサを用いて組み立てられる。特に、スペーサは、通常、長手方向に沿って実質的に一定の横断面を有する長手方向に延びる輪郭のものであり、それは、通常、乾燥剤を収容するための一種のチャンバを有する。このようなチャンバは、グレイジング・ペインの間の空間に面するスペーサ壁における孔もしくはスリットを介して空間に通じており、または、その他の形で、空間に向けて開いている。
【0003】
このようなIGU、および対応するスペーサの原理は、WO2006/027146A1またはWO2012/055553A1の図1から図3において示されている。
【0004】
熱エネルギーまたは電気エネルギーとして、太陽エネルギーを収集するためにIGUを使用することが当技術分野で知られている。熱エネルギーとして太陽エネルギーを収集するための例は、WO88/02051A1において示されている。IGUにおいて、太陽電池または光起電力材料を使用する例は、WO02/052192A1、WO2009/039240A2、WO2010/077409A2、EP0199233A1、DE29607069U1、DE3330305A1、DE102006010646A1、DE202008000678U1、DE202011102438U1、およびDE102015004913A1において示されており、光起電力要素が、スペーサ上に箔として適用される。光起電力要素を備えた窓用形材は、EP1703063A1において示される。
【0005】
発光太陽集光器(LSC)は、例えば、米国特許出願公開第2004/0095658A1号、米国特許出願公開第2013/0146141A1号、米国特許出願公開第2014/0130864A1号、WO2016/060643A1、およびWO2016/116803A1から知られている。このようなLSCは、対応するLSCペインの縁部に沿って光起電力要素を備えることができる。米国特許出願公開第2014/0130864A1号は、一体化されたソーラーウィンドウに対してLSCペインを使用することを提案する。動き、雑音、または同様のものを補うために、弾性的要素を備える断熱グレイジングにおいてスペーサを使用することが、例えば、DE-OS2031576、DE-OS2528570に対応するGB1508778、およびEP0545022A1で開示される。
【0006】
2つ以上のペインを備えるIGUは、例えば、EP1101955A1(DE60029906T2)、およびWO2016/091646A1で開示され、それは、中間の溝に弾性的な挿入物を使用することも開示する。
【0007】
例えば、WO2014/004871A1、WO2013/184831A2、EP1700348B1、およびDE10322561B4では、IGUのグレイジング・ペイン間の封止された空間内もしくは空間において、何らかの種類の電気接続または配線を使用することが開示される。
【0008】
EP1026790A1は、断熱ハウジングに対する電気プラグを備えるコーナ・コネクタを開示する。
【0009】
米国特許出願公開第2005/0181221A1号は、ディスプレイ画面に使用される導電性スペーサを開示する。EP2610425B1は、一体化された光源を備える窓要素を開示する。
【0010】
DE202007000652U1は、熱硬化性材料から作られた窓を開示する。EP2886778B1は、保持要素として、金属ワイヤを備えるコーナ・コネクタを開示する。DE102009057156A1は、中間のペインが、中空の空間内で密封材により支持されるトリプル・グレイジングIGUを開示する。EP2559838A2は、粉末被覆特性を向上させるために、導電性部分を備える窓、ドア、ファサード要素のための複合形材に対する絶縁ストリップを開示する。EP1223188A1は、導電性のUV硬化プライマーを用いてプラスチック形材の粉末被覆を行うための方法を開示する。米国特許出願公開第2011/133940A1号は、スペーサが中間グレイジング・ペインを受け入れるための溝を備え、またセンサがスペーサ内のチャンバに収容される、内部センサを備えるマルチシートのグレイジング・ユニットを開示する。EP2628884A2は、金属挿入物がスペーサの外側壁に設けられる、IGUに対するウォームエッジのカーテン・キットを開示する。DE102010015836A1は、プラスチック本体と、プラスチック本体に埋め込まれた金属メッシュと、プラスチック本体の外側に金属のガス・バリア箔とを備えるIGUに対するスペーサを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、光起電力要素と共に使用するスペーサおよびIGUを改良することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1によるスペーサにより、および請求項8、9、10または12による断熱グレイジング・ユニットにより達成される。
【0013】
本発明のさらなる展開は、従属請求項において与えられる。
【0014】
さらなる特徴および利点は、図面を参照する実施形態の記述から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】スペーサの第1の実施形態を示す斜視図である。
図2図1の第1の実施形態のスペーサの横断面図である。
図3】スペーサの第2の実施形態の横断面図である。
図4】スペーサの第3の実施形態の横断面図である。
図5】スペーサの第4の実施形態の横断面図である。
図6】実施形態のうちの1つのスペーサを用いるトリプル・グレイジングIGUの斜視図である。
図7】二重グレイジングIGUの斜視図である。
図8】二重グレイジングIGUで使用されるスペーサの第6の実施形態の斜視図である。
図9】スペーサの第5の実施形態の横断面図である。
図10】スペーサの実施形態と接続するためのコーナ・コネクタの一実施形態の斜視図である。
図11】スペーサの第5の実施形態の変形形態の斜視図である。
図12】IGUにおいて、スペーサの実施形態と共に使用するためのLSCペインの斜視図である。
図13】スペーサの第7の実施形態の斜視横断面図である。
図14】図の下部で、組み立てられた中間ペインが示され、図の上部で分解図が示された状態の、スペーサの第8の実施形態の斜視横断面図である。
図15】スペーサの第9の実施形態の斜視横断面図である。
図16】LSCバーと共に使用されるスペーサの実施形態の斜視横断面図である。
図17図17a)において、IGUの空間に面する溝を上側に備える単一空洞部スペーサの実施形態と、一方の横方向側面に凹部を有するスペーサの実施形態との斜視横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、トリプル・グレイジングIGUと共に使用されるスペーサの第1の実施形態を示す。スペーサ1は、長手方向zに延び、穿孔Pを除き、長手方向zに沿って一定な長手方向zに垂直である横断面x-yを備える。
【0017】
スペーサは、プラスチック材料から作られたスペーサ本体2を備える。プラスチック材料は、様々な材料を含むグループから選択することができ、スペーサ本体2の熱的かつ機械的特性を向上させるように選択することができる。スペーサ本体2のプラスチック材料は、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリル・エステル・スチレン・アクリロニトリル(ASA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン・ポリカーボネート(ABS/PC)、スチレン・アクリロニトリル(SAN)、PET/PC、PBT/PC、PMMA、PBT/PET、PP/PE、PVC、PC/ASA、PPE/PPO、およびそれらの共重合または混合物を含むグループから選択することができ、そのそれぞれは、再生可能な資源から形成された生体材料から部分的に、または完全に形成され得る。
【0018】
スペーサ本体2の剛性は、例えば、強化繊維、作用物質、または他の要素を用いることによって高めることができる。スペーサ本体2は、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、天然繊維、バサルト繊維、セラミック繊維、金属繊維などの強化繊維、ならびに/またはナノ粒子、無機充填剤、シート珪酸塩および層状珪酸塩、金属粉末、滑石などの強化作用物質を含むことができる。強化繊維は、スチール繊維、中空のガラス繊維、天然繊維などの様々な種類の繊維から選択することができる。天然繊維の例は、綿、黄麻、麻、サイザル麻、またはCordenkaもしくはLenzingなどの再生セルロース繊維である。繊維は、短い、長い、またはエンドレスとすることができる。スペーサ本体2に含まれ得る添加剤のさらなる例は、モンモリロナイト、液晶ポリマー、マイカ粒子、酸化チタン(IV)、ウォラストナイト、ガラスの中空もしくは非中空の球体、ガラス粒子、中空もしくは非中空のセラミック球体、セラミック粒子、およびカオリン、滑石、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、および層状珪酸塩などの、特にナノ粒子の形態の無機充填剤である。これらの材料のリストは、最終的なものではない。
【0019】
スペーサ本体2は、SANから作ることができ、かつその質量の10%から25%に相当するガラス球、およびその質量の20%から25%に相当するガラス繊維を含むことができる。スペーサ本体2は、SANから作ることができ、かつその質量の35%に相当するウォラストナイト、またはその質量の20%から35%に相当するバサルト繊維を含むことができる。
【0020】
スペーサ本体2は、5%から50%の量のガラス繊維を有するポリアミドから作ることができる。
【0021】
本体は、溝30により、長手方向zに対して垂直な幅方向xにおいて分離される2つのチャンバ10、20を備える。スペーサ1は、長手方向zおよび幅方向xに対して垂直な高さ方向yにおいて第1の側を有し、それは、IGUのグレイジング・ペインの間の空間に面するように設計される。
【0022】
スペーサは、第1の側とは反対の高さ方向yに第2の側を有する。第2の側において、スペーサは、図1図2において左から右に、3つのセクション11、31、21から作られた壁123(図2)を備える。スペーサは、トリプル・グレイジングIGUの外側ペインへの取付け面APとして働く、幅方向xにおいて2つの外側面を備える。これらの外側面/取付け面は、高さ方向yにおける底部壁123に垂直に延びる第1の外壁13および第2の外壁23により形成される。側壁13、23は、高さ方向yに対して傾斜して延びる接続部分15、25により、底部壁123に接続される。代替的には、側壁13、23は、中間の接続部分15、25を使用せずに、底部壁123に直接接続することができる。スペーサ1は、第1の側に開いた溝30を備え、それは、底部壁123から、かつそれに対して垂直に延びる第3の側壁14および第4の側壁24により制限される。第3および第4の側壁14、24は、それぞれ、部分11、31の間、および部分31、21の間の移行部において、底部壁123に接続される。第1および第3の側壁13、14は、底部壁123に平行に延びる第1の上部壁12により接続されて、チャンバ10を形成し、チャンバ10は、長手方向zに垂直な横断面x-yにおいて、本体により完全に囲まれる。第2および第4の側壁23、24は、底部壁123に平行に延びる第2の上部壁22により接続されて、同様にチャンバ20を形成する。
【0023】
ガス・バリア40は、接続する壁15、25の外側に、かつ側壁13、23の一部の上に、底部壁123のスペーサの第2の側の方向に向けて、かつそれに対して連続的に、外側に形成される。本実施形態では、それは、例えば、鋼またはステンレス鋼、蒸着アルミニウムまたはスパッタアルミニウムなど、薄い金属箔から作られる。ガス・バリアは、代替的に、金属被覆および/または金属層を有する耐拡散性の多層プラスチック・フィルムから形成することができる。このような多層プラスチック・フィルムの例は、例えば、EP0154428A2(Camvac)、EP1036813A1(Danisco Flexible Schuepbach AG)、WO2013/104507A1(Saint Gobain)、WO2016/046081A1(Saint Gobain)、WO2015/043626A1(Prowerb AG)、WO2012/140005A1(Prowerb AG)、WO2008/022877A1(Prowerb AG)など、当技術分野で知られている。例えば、WO2012/055553A1において開示されるように、ポリオレフィン/つなぎ材(Tie)/EVOH/つなぎ材(Tie)/ポリオレフィンの構成など、EVOH材料に基づく多層フィルムを使用することも可能である。使用できる他のタイプのガス・バリアは、DE19807454A1から知られている。バリア機能はまた、例えば、フッ素化により、スペーサ本体の基材を処理することによっても達成され得る。
【0024】
ガス・バリアはまた、湿気バリアとして働くことを理解されたい。本発明のIGUにガスが充填されていない場合、湿気バリアだけが必要になる。
【0025】
光起電力要素61は、底部壁31上の溝30に形成される。光起電力要素は、光起電力材料を印刷する、光起電力材料(光起電力インク)をスプレー被覆する、事前に成形された光起電力セルを接着する、光起電力フィルム(単一層または多層のいずれか)を接着する、スペーサ本体の(もしくはスペーサ本体の一部の)材料と、または前記方法に適した特定の材料と光起電力材料を混合する、かつ/または合成する、かつ/または調合することにより、形成することができる。光起電力材料は、例えば、ウェーハベースの材料(単一のかつ/もしくはマルチ結晶性シリコン、またはGaAs&III-V単一の接合材料など)として、また水素化アモルファスシリコン(a-Si;H)、テルル化カドミウム(CdTe)、二セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、硫化銅亜鉛スズ(CZTS)、色素増感太陽電池(DSSC)、ペロブスカイト、有機光電物質(OPV)、量子ドット(QD)光起電力として現在知られる薄膜セルとして、当技術分野で知られている。
【0026】
スペーサ1は、トリプル・グレイジングIGUの2つの外側グレイジング・ペイン3、4(図6を参照のこと)の間の距離に適合された幅方向xにおける幅を有する。スペーサ1は、チャンバ10、20内に、十分な乾燥剤を収容するように、かつ中間グレイジング・ペイン5を収容するように、適切に選択された高さh1を有する。ガス・バリア40は、最高で高さh2まで延び、それは、高さh1よりも十分に低いが、当技術分野で知られるように、十分なガス・バリア特性を確保するように、かつ/またはグレイジング・ペインに対する高い信頼性の接続を確保する十分な高さとすることができる。
【0027】
溝30は、以下で説明するように、中間グレイジング・パネルを収容するように選択された、高さ方向yにおける高さh3を有する。
【0028】
中間グレイジング・パネルは、外側グレイジング・ペイン3、4よりも大幅に高い熱膨張係数を有する材料のものとすることができる。
【0029】
したがって、高さh3は、中間グレイジング・パネル5のかなり大きい熱膨張を収容できるように選択される必要がある。例えば、中間グレイジング・パネルがPMMAから作られる場合、それは、約9×10-61/℃のソーダ石灰ガラスの熱膨張係数よりも約10倍大きい約8×10-51/℃の熱膨張係数を有する。したがって、このような組合せにおいて、1mの高さのペイン、および100℃の温度差の場合、PMMAのこのような中間グレイジング・ペインの熱膨張は、100℃の温度変化の場合、ソーダ石灰ガラスの外側グレイジング・ペイン3、4の1つよりも、方向当たり約7mm大きい。したがって、スペーサの溝の合計された高さh3は、対応する熱膨張を可能にするために、高さ方向yにおいて、中間グレイジング・ペイン5の寸法のメートル当たり少なくとも8mmとする必要がある。
【0030】
幅方向xにおける溝30の幅は、対応する中間グレイジング・ペインを収容するように適合される。
【0031】
第1の実施形態では、光起電力要素61は、溝30の底部に配置される。
【0032】
こうすることにより、中間グレイジング・ペイン5として、発光太陽集光器(LSC)ペインを挿入できるようになる。
【0033】
発光太陽集光器(LSC)ペイン5は、適切な接触を介して光起電力要素61に接続され、LSCから光起電力要素への光伝達を可能にする。光伝達との結合を保証する手段の例は、薄膜接着手段、光学接着剤、光硬化接着剤、熱硬化接着剤、アクリレート手段、エポキシ手段、ブチルベース手段、シロキサン手段、ポリウレタン手段、パラフィンおよび他のワックス、ゲル状物質である。
【0034】
起電力要素61はまた、図1で示されていないが、電気的な接続手段により中間の空間の外側に電気的に接続される。
【0035】
このような電気的な接続は、以下でさらに論じられる。
【0036】
図3は、スペーサの第2の実施形態の横断面図を示す。すべての実施形態のすべての要素は、それらが、明示的に異なって述べられる場合を除いて、第1の実施形態のものに対応する。したがって、すべての参照数字が、すべての図で繰り返されるわけではないが、異なる実施形態における同一の、または対応する要素は当然同じである。
【0037】
図3では、光起電力要素61は示されていない。それらは、底部壁31上に設けられ得る、または設けられない、あるいはスペーサの別の位置に設けられるが、実質的な差は、高さ方向yにおいて、溝30を制限する側壁14、24に設けられた導電性の金属シート51である。これらの金属シートは、例えば、製作時に、スペーサ本体と、またおそらくガス・バリアと共押出しされ得る。光起電力要素が、溝30の底部に、またはスペーサの別の位置に設けられる場合、それらは、導電性の金属シート51に接続され得る。
【0038】
導電性の金属シート51は、本体2のプラスチック材料により、互いに電気的に絶縁される。
【0039】
導電性の金属シートは、導電性の金属シート51と接触し、かつ封止を破ることなく、密閉封止された空間の外側に対して封止された電気接続を可能にする導電性部分を有する、コネクタ、リニア・コネクタ、またはコーナ・コネクタを使用できるようにする。このようなコネクタの1つの可能な例が図10で、コーナ・コネクタ55として示されている。コーナ・コネクタは、ここでは、スペーサ1のチャンバ10、20によりそれぞれ示された中空のスペースの中に挿入される突起部56を備える。コーナ・コネクタは、4つの電気的な接続部分57(例えば、金属シートなど)、すなわち、コーナ・コネクタ55によって接続されるスペーサ・セクション当たり2つを備え、接続部分57は、突起部が、ここではスペーサ1のチャンバ10、20によりそれぞれ表される中空のスペースの中に挿入された状態において、図3の第2の実施形態の側壁14、24に設けられる導電性の金属シート51に、またはさらに以下で述べられる実施形態の他の導電性部分と接触するように適合される。電気的な接続部分57は、4つの電気的な接続部分57から、コネクタの外側へとガスもれのないように設けられ、かつ対応するIGUで、スペーサとコネクタの組み立てられた状態において、密閉封止されたIGUの空間の外側に配置されるワイヤ58に接続される。
【0040】
図4は、第3の実施形態の横断面である。第3の実施形態では、溝30を制限する側壁14、24が導電性部分を備え、それは、金属繊維などの導電性充填剤を共押出しすることにより製作される。導電性部分52は、第2の実施形態における金属シート51と同様な方法で、溝30に設けられた光起電力要素の電気的な接続を可能にする。
【0041】
図5は、第4の実施形態を示す。第4の実施形態では、ガス・バリアは、3つの部分41、42、43を有する。幅方向に左側および右側に位置する部分は、導電性があるが、外側部分41、42を分離する部分は非導電性である。非導電性部分43は、例えば、ガス・バリアに関して上記で述べたEVOH材料、ブチル材料(例ポリイソブチレン)、およびガラスベースのバリアなど、任意の適切な耐拡散樹脂から作ることもできる。バリア機能はまた、例えば、フッ素化により、スペーサ本体の基材を処理することによって達成することができる。
【0042】
ガス・バリアの外側の導電性部分41、42は、導電性の接続部分44に接続され、それはやはり、第2の実施形態の金属シート51と同様な方法で、溝30に対して開いている。導電性の接続部分44は、共押出しされた金属シートとすることもできるが、あるいは導電性充填剤および同様のものを共押出しすることによって提供される導電性部分とすることもできる。
【0043】
第1から第4の実施形態においては、光起電力要素61が、溝30の底部に設けられるかどうかにかかわらず、対応する導電性部分51、52、44、41、42、および対応するコネクタ55を用いることにより、封止を破ることなく、窓ペインの間で密閉封止された空間の外側に電流を送ることを可能にする。同様に、集中した光を収集して電力へと変換するために、光起電力要素をすでに備えたLSCペイン5を、溝の中に挿入することができる。さらにこれらの場合、電気的な接続は、光起電力要素(光起電力デバイス)を備えたLSCを、密閉封止された空間の外側に接続するために使用することができる。代替形態では、電力は、無線で、密閉封止された空間の外側へと送ることもできる。これは、電気的な接続部分に接続され、密閉封止された空間内でスペーサに設けられた1つまたは複数のコイル(送信側)を用いることによって達成され得る。密閉封止された空間の外側に、対応するコイル(受信側)が設けられる。
【0044】
LSCペイン5は、ナノ結晶が均一に分散されたガラスまたはプラスチック材料から作られた本体の形態とすることができる、またはガラスなどの透明な基板の上部に、ポリマーなどの高濃度にドープされた物質の層からなる薄膜複合材料の形態とすることができる。
【0045】
基材に応じて、LSCペイン5は、通常、ソーダ珪酸カルシウム、ホウ珪酸ガラス、セラミックガラス、アルカリガラス、Pbガラス、水晶、ETFEの中から作られたガラスから作られる外側グレイジング・ペインよりも大幅に高い熱膨張係数を有するが、LSCに対する典型的な材料は、ポリアクリレートおよびポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ならびに、例えば、WO2016/116803A1から知られた他の材料である。同じ材料を、外側ペインに対して使用することもできる。
【0046】
したがって、LSCは、対応するIGUを日光が加熱するとき、または対応するIGUが、日光不足により、もしくは夜間に、もしくは冬に冷却されるとき、通常の使用中に溝30内で大きく動くことになる。
【0047】
スペーサの第5の実施形態が図9で示され、それは、このような動きを補うための弾性的なデバイスを備える。動きを補うための適切な手段は、金属または適切なプラスチック材料から作ることのできるばね手段である。図9で示される実施形態は、側壁14、24の表面に導電性の金属シート51を備えた図3で示された第2の実施形態の変形形態である。溝30内を動く取り付けられた光起電力要素を有するLSCは、その機能を確保するために、導電性の金属シート51と接触した状態に留まるべきであるのは言うまでもないことである。これは、補う手段によって達成され得る。図11は、動きを補うための適切な手段が、1つまたは複数の発泡体要素である第5の実施形態の変形形態を示す。
【0048】
弾性手段71上に光起電力要素61を設けて、以下の方法で電気的な接続を確保することも可能である。
【0049】
図12は、例えば、プラスチック材料から作られた支持プレート61に、かつ透過性の接着剤63によりLSCペイン5に取り付けられる光起電力要素64を備えたLSCの実施形態を示す。支持プレート61は、例えば、図3の溝30における導電性の金属シート51など、スペーサの導電性部分に接触する、規則的に配置され、長手方向に離間された導電性の出力部分(接合部)62を備える。
【0050】
例えば、反射材料(鏡)から作られた、例えば、箔またはテープ65の形態の反射要素が、光が中間ペインの縁部に向けられ、次いで、光起電力要素に送られることを保証するために、中間ペイン(LSC)の主面の縁部領域に適用され得る。図13は、上記で述べた支持プレート61と、ここで述べた反射性の箔65の両方の適用を示している。
【0051】
上記で述べられた支持プレート設計の変形形態が、図14で示される。ここでは、ワイヤ66の形態の長手方向導電性要素が、支持プレート61に組み込まれ、ワイヤ66から、規則的な間隔で分岐されたピン67を介して、光起電力要素64(支持プレート61の主面に取り付けられている)に接続される。長手方向ワイヤ66は、支持プレート61の端面から突き出して、対応する受け入れソケット(またはプラグ)を用いて適切に設計されたコネクタにより係合され得るプラグ68(またはソケット)を形成する。この場合、スペーサの輪郭は、導電性部分を必要としない。
【0052】
図15で示されるように、弾性的手段71上に導電性部分を設けることも可能である。ここで、溝30に配置された弾性的手段(例えば、発泡体)71は、上記で説明したように、反射性の箔65の反射機能も有することのできる導電性ストリップ51により覆われたUの2つの脚の内側面を備えたU字形をしている。この実施形態では、U字形の弾性的手段は、光起電力要素(中間ペインに取り付けられる)と導電性ストリップの間の安定した電気的な接続が保証されるように、挿入されるペインの幅よりも、幅方向に小さい導電面距離など、幅方向に、中間ペイン(LSC)と何らかの干渉を提供するように設計される。
【0053】
図7は、従来のスペーサを用いる二重グレイジングIGUを示す。
【0054】
IGUの外側ペイン3、4が、LSCペイン3、4により置き換えられる場合、スペーサは、図8で示されるように修正され得る。図8で示される第6の実施形態は、底部側に突き出た平坦な部分35、36を備えるスペーサの従来の箱設計を示す。突き出た平坦な部分は、光起電力要素61を担持する。したがって、LSCは、幅方向に延びる平坦な部分35、36上に置かれて光を収集し、LSCにより収集された光を電気エネルギーへと変換することができる。
【0055】
スペーサは、複数の中間パネルをIGU内に収容して、窓の平方メートル当たり、より多くの電気エネルギーを得ることができるように、複数の溝を用いて設計することができる。
【0056】
溝30に収容される、ペイン5に代えて、バー5’の形態のLSC要素を使用することも可能である。図16は、この場合、光起電力要素64をどのように配置するかの2つの可能性を示している。
【0057】
スペーサは、必ずしも、2つの中空のチャンバを有する必要はなく、中間ペイン5は、単一空洞部のスペーサ輪郭の上部壁により支持することができる。この場合、スペーサは、中間ペイン5が、簡便に収容されるように設計すべきである。図17a)は、a1)、a2)、およびa3)における3つの実施形態を示しており、その場合、溝30は、スペーサ1の上部壁102上に形成され、かつIGUの空間に向けて高さ方向yにおける2つの外側の側壁101、103の延長部14’、24’である2つの側壁14’、24’により(図17a)、a1)、またはa2))、または上部壁102の中心セクションにおいて、高さ方向yに延びる2つの垂直壁14’’、24’’により、幅方向xにおいて制限される。両方の場合において、導電性部分51および弾性的手段71の構成は、上記で述べたように行うことができる。
【0058】
中間ペイン5は、必ずしもスペーサの中央に収容されず、非対象に配置することができる。図17b)は、中間ペイン5が、スペーサの左側に配置される実施形態を示す。この場合、U字形の溝はないが、側方の凹部または段31がある。2つの導電性部分は、共に凹部31の垂直壁上に位置し、かつスペーサそれ自体の本体のプラスチック材料により分離される。
【0059】
溝30または凹部31を備える単一空洞部のスペーサは、少なくとも2つのグレイジング・ペインの間に、少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む少なくとも3つのグレイジング・ペインを備える断熱グレイジング・ユニットに対するスペーサとして特許請求することができ、スペーサは、
第1の材料から作られ、断熱グレイジング・ユニットの外側グレイジング・ペイン(3、4)に取り付けるための、長手方向(z)に垂直な幅方向(x)における2つの外側面(AP)を有する長手方向(z)に延びるスペーサ本体(2)と、
第2の材料から作られるガス・バリア(40)と、を備え、
スペーサ本体は、乾燥剤(80)を収容するための第1のチャンバ(10)、およびスペーサの上部壁(102)上に配置され、長手方向および幅方向(z、x)に垂直な高さ方向(y)において、スペーサの第1の側に開口している溝(30)を有する長手方向(z)に垂直な横断面(x-y)を有し、
ガス・バリア(40)は、高さ方向(y)において、スペーサの第2の側上に/スペーサの第2の側で、スペーサ本体上におよび/またはスペーサ本体の中に配置され、その第2の側は、第1の側に対してスペーサの反対側にあり、
溝(30)は、2つの側壁(14’、24’、14’’、24’’)により幅方向において、および上部壁(102)により第2の側の高さ方向において制限され、溝(30)は、中間グレイジング・ペイン(5)を受け入れるように適合され、
スペーサは、互いに電気的に絶縁され、側壁(14、24)の一方もしくは両方に、および/または溝(30)の底部壁(102)に配置される、少なくとも2つの導電性部分(51)を備え、または、
スペーサは、溝(30)ではなく側方凹部(31)を備え、側方凹部は、外側面(AP)の一方において段付き部分として形成され、凹部に受け入れられる中間グレイジング・ペイン(5)の幅よりもわずかに大きい幅を幅方向に有し、スペーサは、互いに電気的に絶縁され、幅方向(x)に凹部を制限する壁に、および/または溝(31)の底部壁に配置される、少なくとも2つの導電性部分(51)を備える。
【0060】
スペーサは、特に共通して、ペインもしくはバー、特にLSCペインもしくはバーなどの中間要素を収容するように適合された溝、および/またはIGUの密閉封止された空間の外に電力を伝達できるようにする導電性の要素、および/または光起電力要素、および/または弾性的要素、または対応する凹部を有する。
【0061】
導電性要素を用いる相乗効果は、封止により電力を伝達するように適合されたコネクタを用いて達成される。
【0062】
以下の諸態様は、可能性のある請求項を示しており、補正の主題、または分割出願などのさらなる出願とすることもあり得る。
【0063】
(態様1)
少なくとも2つのグレイジング・ペインの間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペインを備える断熱グレイジング・ユニットに対するスペーサであって、
第1の材料から作られ、断熱グレイジング・ユニットの外側グレイジング・ペイン(3、4)に取り付けるための、長手方向(z)に垂直な幅方向(x)において2つの外側面(AP)を有する前記長手方向(z)に延びるスペーサ本体(2)と、
第2の材料から作られるガス・バリア(40)と、を備え、
前記スペーサ本体は、前記2つの外側面の第1の外側面(AP、13)に隣接して配置された、乾燥剤を収容するための第1のチャンバ(10)、および前記2つの外側面の第2の外側面(AP、23)に隣接して配置された、乾燥剤を収容するための第2のチャンバ(10)、および前記幅方向(x)において前記第1および第2のチャンバ(10、20)の間に配置され、前記長手方向および前記幅方向(z、x)に垂直な高さ方向(y)において前記スペーサの第1の側に開口する溝(30)を有する、前記長手方向(z)に垂直な横断面(x-y)を有し、
前記ガス・バリア(40)は、高さ方向(y)において、前記スペーサの第2の側上に/前記スペーサの第2の側で、前記スペーサ本体上におよび/または前記スペーサ本体の中に配置され、前記第2の側は、前記第1の側に対して前記スペーサの反対側にあり、
前記溝(30)は、2つの側壁(14、24)により幅方向において、および底部壁(31)により前記第2の側で前記高さ方向において制限され、前記溝(30)は、中間グレイジング・ペイン(5)を受け入れるように適合され、
前記スペーサは、互いに電気的に絶縁され、前記側壁(14、24)の一方もしくは両方に、および/または前記溝(30)の前記底面(31)に配置される、少なくとも2つの導電性部分(51、52、44、53、54)を備える、スペーサ。
【0064】
(態様2)
前記溝(30)に配置された1つまたは複数の光起電力要素(61)をさらに備える、態様1に記載のスペーサ。
【0065】
(態様3)
中間グレイジング・ペイン(5)の動きを補うように適合される、前記溝(30)に配置された少なくとも1つの弾性体(71)をさらに備える、態様1または2に記載のスペーサ。
【0066】
(態様4)
少なくとも2つのグレイジング・ペインの間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペインを備える断熱グレイジング・ユニットに対するスペーサであって、
第1の材料から作られ、断熱グレイジング・ユニットの外側グレイジング・ペイン(3、4)に取り付けるための、長手方向(z)に垂直な幅方向(x)において2つの外側面(AP)を有する前記長手方向(z)に延びるスペーサ本体(2)と、
第2の材料から作られるガス・バリア(40)と、を備え、
前記スペーサ本体は、前記2つの外側面の第1の外側面(AP、13)に隣接して配置された、乾燥剤を収容するための第1のチャンバ(10)、および前記2つの外側面の第2の外側面(AP、23)に隣接して配置された、乾燥剤を収容するための第2のチャンバ(10)、および前記幅方向(x)において前記第1および第2のチャンバ(10、20)の間に配置され、前記長手方向および前記幅方向(z、x)に垂直な高さ方向(y)において前記スペーサの第1の側に開口する溝(30)を有する、前記長手方向(z)に垂直な横断面(x-y)を有し、
前記ガス・バリア(40)は、高さ方向(y)において、前記スペーサの第2の側上に/前記スペーサの第2の側で、前記スペーサ本体上におよび/または前記スペーサ本体の中に配置され、前記第2の側は、前記第1の側に対して前記スペーサの反対側にあり、
前記溝(30)は、2つの側壁(14、24)により幅方向において、および底部壁(31)により前記第2の側で前記高さ方向において制限され、前記溝(30)は、中間グレイジング・ペイン(5)を受け入れるように適合され、
前記スペーサは、前記溝(30)に配置された1つまたは複数の光起電力要素(61)をさらに備える、スペーサ。
【0067】
(態様5)
中間グレイジング・ペイン(5)の動きを補うように適合される、前記溝(30)に配置された少なくとも1つの弾性体(71)をさらに備える、態様4に記載のスペーサ。
【0068】
(態様6)
少なくとも2つのグレイジング・ペインの間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペインを備える断熱グレイジング・ユニットに対するスペーサであって、
第1の材料から作られ、断熱グレイジング・ユニットの外側グレイジング・ペイン(3、4)に取り付けるための、長手方向(z)に垂直な幅方向(x)において2つの外側面(AP)を有する前記長手方向(z)に延びるスペーサ本体(2)と、
第2の材料から作られるガス・バリア(40)と、を備え、
前記スペーサ本体は、前記2つの外側面の第1の外側面(AP、13)に隣接して配置された、乾燥剤を収容するための第1のチャンバ(10)、および前記2つの外側面の第2の外側面(AP、23)に隣接して配置された、乾燥剤を収容するための第2のチャンバ(10)、および前記幅方向(x)において前記第1および第2のチャンバ(10、20)の間に配置され、前記長手方向および前記幅方向(z、x)に垂直な高さ方向(y)において前記スペーサの第1の側に開口する溝(30)を有する、前記長手方向(z)に垂直な横断面(x-y)を有し、
前記ガス・バリア(40)は、高さ方向(y)において、前記スペーサの第2の側上に/前記スペーサの第2の側で、前記スペーサ本体上におよび/または前記スペーサ本体の中に配置され、前記第2の側は、前記第1の側に対して前記スペーサの反対側にあり、
前記溝(30)は、2つの側壁(14、24)により幅方向において、および底部壁(31)により前記第2の側で前記高さ方向において制限され、前記溝(30)は、中間グレイジング・ペイン(5)を受け入れるように適合され、
前記スペーサは、中間グレイジング・ペイン(5)の動きを補うように適合される、前記溝(30)に配置された少なくとも1つの弾性体(71)を備える、スペーサ。
【0069】
(態様7)
前記第1の材料は、プラスチック材料であり、
前記第2の材料は、金属または別の耐ガス拡散材料である、態様1から6のいずれか一項に記載のスペーサ。
【0070】
(態様8)
前記溝(30)は、中間グレイジング・ペイン(5)を受け入れるように適合されており、
前記中間グレイジング・ペイン(5)は、発光太陽集光器ペインであり、および/または光起電力デバイスを備える、態様1から7のいずれか一項に記載のスペーサ。
【0071】
(態様9)
少なくとも1つの弾性体(71)は、前記溝(30)の中に配置されるばね要素である、態様3、5、6または態様3、5、6に従属する態様7または8に記載のスペーサ。
【0072】
(態様10)
前記ガス・バリア(40)は、2つの導電性セクション(41、42)を備え、
前記2つの導電性セクションは、前記幅方向において前記導電性セクション(41、42)の間に配置される前記ガス・バリアの非導電性セクション(43)により電気的に絶縁される、態様1から9のいずれか一項に記載のスペーサ。
【0073】
(態様11)
断熱グレイジング・ユニットであって、
少なくとも2つのグレイジング・ペイン(3、4)の間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)と、
態様1から10のいずれか一項に記載のスペーサと、を備え、
前記3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)のうちの1つは、光起電力デバイスを備える発光太陽集光器ペインとして形成され、前記スペーサ(2)の前記溝(30)に受け入れられる中間グレイジング・ペイン(5)であり、前記光起電力デバイスは、前記少なくとも2つの導電性部分(51、52、44、53、54)に電気的に接続される、断熱グレイジング・ユニット。
【0074】
(態様12)
断熱グレイジング・ユニットであって、
少なくとも2つのグレイジング・ペイン(3、4)の間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)と、
態様1から10のいずれか一項に記載のスペーサと、を備え、
前記3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)のうちの1つは、光起電力デバイスを備え、前記スペーサ(2)の前記溝(30)に受け入れられる中間グレイジング・ペイン(5)であり、前記光起電力デバイスは、前記少なくとも2つの導電性部分(51、52、44、53、54)に電気的に接続される、断熱グレイジング・ユニット。
【0075】
(態様13)
断熱グレイジング・ユニットであって、
少なくとも2つのグレイジング・ペイン(3、4)の間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)と、
態様1から10のいずれか一項に記載のスペーサと、を備え、
前記3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)のうちの1つは、発光太陽集光器ペインとして形成され、前記スペーサ(2)の前記溝(30)に受け入れられる中間グレイジング・ペイン(5)であり、
前記スペーサは、前記溝(30)に配置され、前記溝(30)に受け入れられる前記発光太陽集光器ペインに光学的に接続された1つまたは複数の光起電力要素(61)を備え、
前記1つまたは複数の光起電力要素(61)は、前記少なくとも2つの導電性部分(51、52、44、53、54)に電気的に接続される、断熱グレイジング・ユニット。
【0076】
(態様14)
前記スペーサは、前記溝(30)に配置された少なくとも1つの弾性体(71)を備え、
前記少なくとも1つの弾性体(71)は、前記中間グレイジング・ペイン(5)の動きを補うように適合され、その結果、前記少なくとも2つの導電性部分(51、52、44、53、54)に対する前記光起電力デバイスおよび前記1つまたは複数の光起電力要素(61)のそれぞれの電気的な接続が、前記動きの間に維持される、態様11から13のいずれか一項に記載の断熱グレイジング・ユニット。
【0077】
(態様15)
断熱グレイジング・ユニットであって、
少なくとも2つのグレイジング・ペイン(3、4)の間に少なくとも1つの密閉封止された空間を囲む3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)と、
態様1から10のいずれか一項に記載のスペーサと、を備え、
前記3つ以上のグレイジング・ペイン(3、4、5)のうちの1つは、発光太陽集光器ペインとして形成され、前記スペーサ(2)の前記溝(30)に受け入れられる中間グレイジング・ペイン(5)であり、
前記スペーサは、前記溝(30)に配置され、前記溝(30)に受け入れられる前記発光太陽集光器ペインに光学的に接続された1つまたは複数の光起電力要素(61)を備え、
前記スペーサは、前記中間グレイジング・ペイン(5)の動きを補うように適合された、前記溝(30)に配置された少なくとも1つの弾性体(71)を備える、断熱グレイジング・ユニット。
【0078】
本記述および/または特許請求の範囲において開示されるすべての特徴は、元の開示において、ならびに特許請求される本発明の限定において、諸実施形態および/または特許請求の範囲における特徴の構成とは関係なく、互いに別々に、かつ独立して開示されるように意図されることが明示的に述べられる。値のすべての範囲、またはエンティティの群の表示は、元の開示において、ならびに特許請求される本発明の限定において、特に値の範囲の限定として、あらゆる可能な中間値もしくは中間的なエンティティを開示することが明示的に述べられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17a)】
図17b)】