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特許7157828三次元空間におけるRFIDタグの逐次検出ベースの分類
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】三次元空間におけるRFIDタグの逐次検出ベースの分類
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
G06K7/10 104
G06K7/10 244
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020570804
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 US2019044642
(87)【国際公開番号】W WO2020033229
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】62/717,067
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/517,941
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504080663
【氏名又は名称】エヌイーシー ラボラトリーズ アメリカ インク
【氏名又は名称原語表記】NEC Laboratories America, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】トラン、 クオック-フイ
(72)【発明者】
【氏名】ホジャステポウル、 モハンマド
(72)【発明者】
【氏名】アルスラン、 ムスタファ
(72)【発明者】
【氏名】ランガラジャン、 サンパス
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-124849(JP,A)
【文献】特開平10-091714(JP,A)
【文献】特表2004-507850(JP,A)
【文献】特表2010-503940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00-7/14
G06K 19/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数識別(RFID)タグの逐次検出ベースの分類のための方法であって、
少なくとも1つのプロセッサ装置によって、
店舗のRFIDチェックアウトステーションに隣接する1つ以上の領域を、境界を含む3次元容積であるトンネルであって、前記境界の形状がRF吸収器およびRF反射器によって形成されるトンネルとして画定することと、
RFIDリーダを用いることによって前記RFIDチェックアウトステーションでRFIDタグを識別することと、
前記RFIDタグからの応答を、所与のインタロゲーションシナリオおよび指定されたパラメータの下で受信された応答の抽象化であり、該抽象化を遷移確率を有する離散メモリレスチャネルとして分析することで得られる確率的マクロチャネルとしてモデル化する(510)ことと、
パケットが送信シンボルであり、第1の一連のパケットが送信された符号語である一連のパケットを送信することによって、少なくとも1つのRFIDタグに問い合わせる(520)ことと、
前記少なくとも1つのRFIDタグから、前記送信された符号語に応答して受信された符号語である第2の一連のパケットを受信する(530)ことと、
クロチャネルのすべてのクラスにわたって同時送受信符号語を見つける(540)ことと、
前記送信された符号語と前記受信された符号語との間の最大尤度に基づいて、前記少なくとも1つのRFIDタグのクラスを宣言する(550)ことと
を含む処理を実行すること、を含み、
前記クラスは、前記トンネル内のRFIDタグの第1のクラス、または前記トンネル外のRFIDタグの第2のクラスのいずれかである、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサ装置によって、距離に基づいて2つの符号語間の尤度を決定することを、さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記距離が、
【数1】
のように定義されたカルバックライブラー(KL)距離であり、
チャネル出力yは受信信号属性のベクトルであり、チャネル入力χは、前記少なくとも1つのRFIDタグに問い合わせるために前記少なくとも1つのプロセッサ装置によって使用される属性からなるベクトルであり、nは複数の観測値であり、iおよびjは少なくとも1つのチャネルセット内の2つのチャネルである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記確率的マクロチャネルは、前記RFIDタグと少なくとも1つのアンテナの位置に依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記確率的マクロチャネルは、送信アンテナポート、受信アンテナポート、および励起周波数に依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記確率的マクロチャネルは、送信信号電力および受信信号対雑音強度に依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記確率的マクロチャネルは、送信信号と受信信号との間の位相差およびドップラーシフトの関数である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
シンボルが受信されるときに、各クラスについて送信信号と受信信号との間の尤度を順次計算することを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記尤度を計算することは、受信された一連のシンボル全体に依存する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記尤度を計算することは、時間依存関数を使用することを、さらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのRFIDタグが前記クラスに属するかどうかを宣言するために、各クラスの尤度が閾値と比較される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
2つの尤度μ1とμ2の組合せが、
【数2】
のように定義される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
周波数識別(RFID)タグの逐次検出ベースの分類のためのコンピュータシステムであって、
記憶装置に動作可能に結合されたプロセッサ装置を備え、
前記プロセッサ装置は、
店舗のRFIDチェックアウトステーションに隣接する1つ以上の領域を、境界を含む3次元容積であるトンネルであって、前記境界の形状がRF吸収器およびRF反射器によって形成されるトンネルとして画定し、
RFIDリーダを用いることによって前記RFIDチェックアウトステーションでRFIDタグを識別し、
前記RFIDタグからの応答を、所与のインタロゲーションシナリオおよび指定されたパラメータの下で受信された応答の抽象化であり、該抽象化を遷移確率を有する離散メモリレスチャネルとして分析することで得られる確率的マクロチャネルとしてモデル化し(510)、
各パケットが送信シンボルであり、第1の一連のパケットが送信された符号語である一連のパケットを送信することによって、少なくとも1つのRFIDタグに問い合わせ(520)、
前記少なくとも1つのRFIDタグから、前記送信された符号語に応答して受信された符号語である第2の一連のパケットを受信し(530)、
マクロチャネルのすべてのクラスにわたって同時送受信符号語を見つけ(540)、
前記送信された符号語と前記受信された符号語との間の最大尤度に基づいて前記少なくとも1つのRFIDタグのクラスを宣言する(550)ように構成されており、
前記クラスは、前記トンネル内のRFIDタグの第1のクラス、または前記トンネル外のRFIDタグの第2のクラスのいずれかである、コンピュータシステム。
【請求項14】
前記プロセッサ装置が、さらに、カルバックライブラー(KL)距離に基づいて2つの符号語間の距離を決定するように構成されてる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記確率的マクロチャネルは、前記RFIDタグおよび少なくとも1つのアンテナの位置に依存する、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記確率的マクロチャネルは、送信アンテナポート、受信アンテナポート、および励起周波数に依存する、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記確率的マクロチャネルは、送信信号電力および受信信号対雑音強度に依存する、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記確率的マクロチャネルは、送信信号と受信信号との間の位相差およびドップラーシフトの関数である、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサ装置は、シンボルが受信されるときに各クラスの送信信号と受信信号の尤度を順次計算するように、さらに構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
周波数識別(RFID)タグの逐次検出ベースの分類のための方法をコンピュータ装置に実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
店舗のRFIDチェックアウトステーションに隣接する1つ以上の領域を、境界を含む3次元容積であるトンネルであって、前記境界の形状がRF吸収器およびRF反射器によって形成されるトンネルとして画定することと、
RFIDリーダを用いることによって前記RFIDチェックアウトステーションでRFIDタグを識別することと、
前記RFIDタグからの応答を、所与のインタロゲーションシナリオおよび指定されたパラメータの下で受信された応答の抽象化であり、該抽象化を遷移確率を有する離散メモリレスチャネルとして分析することで得られる確率的マクロチャネルとしてモデル化する(510)ことと、
パケットが送信シンボルであり、第1の一連のパケットが送信された符号語である一連のパケットを送信することによって、少なくとも1つのRFIDタグに問い合わせる(520)ことと、
前記少なくとも1つのRFIDタグから、前記送信された符号語に応答して受信された符号語である第2の一連のパケットを受信する(530)ことと、
クロチャネルのすべてのクラスにわたって同時送受信符号語を見つける(540)ことと、
前記送信された符号語と前記受信された符号語との間の最大尤度に基づいて、前記少なくとも1つのRFIDタグのクラスを宣言する(550)こととを含み、
前記クラスは、前記トンネル内のRFIDタグの第1のクラス、または前記トンネル外のRFIDタグの第2のクラスのいずれかである、プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願情報
本出願は2018年8月10日に出願された米国仮特許出願第62/717,067号、および2019年7月22日に出願された米国特許出願第16/517,941号の優先権を主張し、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、無線周波数識別(RFID)に関し、より詳細には、RFIDタグの検出に関する。
【背景技術】
【0003】
パッシブRFIDタグはより安価になっており、タグ当たり数セントの価格で、様々な構成、サイズ、読み取り範囲、メモリ量などで容易に入手可能である。RFIDタグの使用がまだ普及していないにもかかわらず、いくつかの店舗はRFIDを日常業務に活用しており、いくつかの政府当局は、今後数年でRFIDベースのチェックアウトを展開するためのイニシアティブに着手している。窃盗防止のためのRFIDタグの使用は現在、ほぼ10年間既に行われており、隠されたり置き忘れられたりすることがある高価な商品又は小物品には容易にタグが付けられ、RFIDリーダ(入口/出口ドアに配置される)は、商品が既に支払われずに店を出る場合に小売業者に警告する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様によれば、三次元空間における無線周波数識別(RFID)タグの逐次検出ベースの分類のための方法が提供される。この方法は、RFIDタグからの応答を確率的マクロチャネルとしてモデル化することと、一連のパケットを送信することによってRFIDタグに問い合わせることを含む。各パケットは送信シンボルであり、第1の一連のパケットは送信された符号語である。また、この方法は、RFIDタグから、送信された符号語に応答して受信された符号語である第2の一連のパケットを受信することと、すべてのクラスのマクロチャネルにわたって、同時典型送受信符号語を発見することを含む。この方法はまた、送信された符号語と受信された符号語との間の最大尤度に基づいてRFIDタグのクラスを宣言することを含む。
【0005】
本発明の別の態様によれば、三次元空間における無線周波数識別(RFID)タグの逐次検出ベースの分類のためのシステムが提供される。このシステムは、メモリ装置に動作可能に結合されたプロセッサ装置を含む。プロセッサ装置は、RFIDタグからの応答を確率的マクロ溝としてモデル化する。プロセッサ装置は、一連のパケットを送信することによってRFIDタグに問い合わせるように構成される。各パケットは送信シンボルであり、第1の一連のパケットは送信された符号語である。また、プロセッサは、RFIDタグから、送信された符号語に応答して受信された符号語である第2の一連のパケットを受信するように構成される。また、プロセッサは、すべてのクラスのマクロチャネルにわたって、同時典型送受信符号語を発見する。プロセッサは、送信された符号語と受信された符号語との間の最大尤度に基づいて、少なくとも1つのRFIDタグのクラスを宣言するように構成される。
【0006】
これらおよび他の特徴および利点は、添付の図面に関連して読まれるべき、その例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるのであろう。
【0007】
本開示は、以下の図面を参照して、好ましい実施形態の以下の説明において詳細を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明による、トンネルに対して3次元空間に無線周波数識別(RFID)タグを有するRFIDリーダによって生成されたトンネルを有するRFIDリーダを示すブロック図である。
図2図2は、本発明による、3次元空間におけるRFIDタグの逐次検出ベースの分類のための高レベルシステムを示すブロック図である。
図3図3は、本発明による、確率的分類を決定するように構成されたシステムを示すブロック図である。
図4図4は、本発明による、マクロチャネルモデルを決定するように構成された装置を示すブロック図である。
図5図5は、本発明による、メトリックベースの分類を実施するように構成されたデ装置を示すブロック図である。
図6図6は、本発明による、セッション概念を決定するように構成されたコンポーネントを示すブロック図である。
図7図7は、本発明による、メトリック定義を決定するように構成されたコンポーネントを示すブロック図である。
図8図8は、本発明による、メトリックの組み合わせを決定するように構成されたコンポーネントを示すブロック図である。
図9図9は、本発明による、3次元空間におけるRFIDタグの逐次検出ベースの分類のための方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の態様によれば、3次元空間における無線周波数識別(RFID)タグの逐次検出ベースの分類のためのシステムおよび方法が提供される。この方法は、RFIDタグからの応答を確率的マクロチャネルとしてモデル化することと、一連のパケットを送信することによってRFIDタグに問い合わせることとを含む。各パケットは送信シンボルであり、第1の一連のパケットは送信された符号語である。また、本方法は、RFIDタグから、送信された符号語に応答して受信された符号語である第2の一連のパケットを受信することと、すべてのクラスのマクロチャネルにわたって、同時典型送受信符号語を発見することを含む。この方法は、送信された符号語と受信された符号語との間の最大尤度に基づいてRFIDタグのクラスを宣言することを含む。
【0010】
一実施形態では、複数のアンテナおよびそれらのアンテナからの受信信号の組み合わせを用いて、チェックアウトトンネルが設計される。実施形態は、トンネルの形成を容易にするために、無線周波数(RF)吸収体、及びRF反射体の使用を収容することができる。実施形態では、異なるアンテナからの受信信号と、受信信号強度インジケータ(RSSI)、位相、ドップラー等の特性との組み合わせを使用して、RFIDタグの可能な位置を推測することができる。さらなる実施形態では、分類プロセスの効率を向上させるために、異なるアンテナによるRFIDタグの読み取り値の経時的な観察が使用される。
【0011】
本明細書に記載する実施形態は完全にハードウェアであってもよく、完全にソフトウェアであってもよく、またはハードウェアおよびソフトウェア要素の両方を含むものであってもよい。好ましい実施形態では、本発明がファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含むがこれらに限定されないソフトウェアで実施される。
【0012】
実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムによって、またはそれに関連して使用するプログラムコードを提供する、コンピュータ使用可能またはコンピュータ読み取り可能媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品を含むことができる。コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれに関連して使用するためのプログラムを格納、通信、伝搬、またはトランスポートする任意の装置を含むことができる。媒体は、磁気、光学、電子、電磁気、赤外線、または半導体システム(または装置またはデバイス)、または伝搬媒体とすることができる。媒体は、半導体または固体ステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、リジッド磁気ディスクおよび光ディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むことができる。
【0013】
各コンピュータプログラムは本明細書に記載する手順を実行するために、記憶媒体または装置がコンピュータによって読み取られるときに、コンピュータの操作を構成し制御するために、汎用または特殊目的のプログラム可能コンピュータによって読み取り可能な、機械読み取り可能な記憶媒体または装置(例えば、プログラムメモリまたは磁気ディスク)に実体的に記憶することができる。本発明のシステムはまた、コンピュータプログラムで構成された、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体で実施されるものと考えることができ、その場合、構成された記憶媒体は、コンピュータを特定の所定の方法で動作させて、本明細書に記載する機能を実行させる。
【0014】
プログラムコードを記憶および/または実行するのに適したデータ処理システムは、システムバスを介してメモリ要素に直接的または間接的に結合された少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。メモリ要素は、プログラムコードの実際の実行中に採用されるローカルメモリ、バルクストレージ、および実行中にバルクストレージからコードが検索される回数を減らすために少なくとも何らかのプログラムコードの一時記憶を提供するキャッシュメモリを含むことができる。入力/出力またはI/O装置(キーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などを含むが、これらに限定されない)は直接または介在するI/Oコントローラを介してシステムに結合され得る。
【0015】
介在する専用ネットワークまたは公衆ネットワークを介して、データ処理システムを他のデータ処理システムあるいはリモートプリンタまたは記憶装置に結合できるようにするために、ネットワークアダプタをシステムに結合することもできる。モデム、ケーブルモデム、およびイーサネットカードは、現在使用可能なネットワークアダプタのタイプの一例に過ぎない。
【0016】
次に、同様の符号が同一または類似の構成を示す図を詳細に参照し、最初に図1を参照すると、実施形態に従って、トンネルに関して3次元空間に配置されたRFIDタグを有するRFIDリーダによって生成されたトンネルを有する無線周波数識別(RFID)リーダを示すブロック図が提供される。
【0017】
図1に示すように、複数のRFIDタグ110(110-1~110-5として複数示される)を、RFIDリーダ120のアンテナ130(又は複数のアンテナ)によって生成されるチェックアウトトンネル140の近くに配置することができる。いくつかの実施形態では、RFIDリーダ120が1つ以上の無線周波数(RF)反射器132及び/又はRF吸収体134を含むことができる。RFIDタグ110は、全く新しい利点のセットを、チェックアウト方法ならびに店舗管理の自動化にもたらす。第1に、RFIDタグ110は無線で読み取られるので、RFIDタグ110を特定の方法でRFIDリーダアンテナ130に配置し提示する必要がない。第2に、複数の物品(例えば、複数のRFIDタグ110)を、それらを一度にチェックアウト領域に入れることによって、実質的に同時にスキャンすることができる。同時読取りは、物品(例えば、RFIDタグ110)の手動スキャンの要求が(従来のシステムと比較して)取り除かれるときの人間の目の知覚からである。RFIDタグ110との基礎となる無線通信は(非常に)短い時間(例えば、数分の1秒)で連続的に行われる。第3に、バーコードシステムの場合であるリーダにタグを提示する人なしに、チェックアウトステーション(またはチェックアウトトンネル140またはチェックアウトビン)の近傍のRFIDタグ110を直接に読み取るので、RFIDタグ110は人為的エラーの可能性を低減する。したがって、異なる(誤った)RFIDタグ110を提示したり、RFIDタグ110を走査しなかったり、RFIDタグ110を誤って2回以上走査したりすることはできない。第4に、RFIDタグ110は、(バーコード内の同じ物品タイプに使用される共通IDとは対照的に)固有IDで各物品にマークを付けることができる。したがって、どの物品が販売されているかを正確に知り、例えば、難儀な商品またはオープンボックス商品について、他の商品とは異なるように類似の商品の価格を調整することがより容易である。チェックアウトプロセスにおいてRFIDを使用するこれらの利点は、チェックアウトビン、チェックアウトトンネル140、または係員が存在する通常のチェックアウトカウンタを使用するセルフチェックアウトシステムの両方において明らかになる。
【0018】
例示的な実施形態は、1つまたは複数の領域が(チェックアウト)トンネル140として定義され、これらの領域内のRFIDタグ110の存在を区別するシステムを提供する。チェックアウトトンネル140は特定の三次元容積(閉鎖された地下空間とは対照的に、特定の開放空間または三次元容積の一部として定義することができる)を指す。チェックアウトトンネル140は、その境界(例えば、ここで境界は接合面である)によって、三次元容積の残りの部分から分離される。境界の一部(または全部)は、壁、ドアなどの実際の物体によってマークされてもよく、他の一部(またはいくつかの実施形態では全部)が開いたままであってもよく、仮想境界であると見なされてもよい。
【0019】
実施形態では、複数のアンテナ及びそれらのリーダアンテナ130からの受信信号の組み合わせを使用することによるチェックアウトトンネル140の設計。例示的な実施形態は、そのようなトンネル140の成形を容易にするために、RF吸収体134およびRF反射体132の使用に適応する。例示的な実施形態によれば、異なるアンテナ130からの受信信号は、受信信号強度インジケータ(RSSI)、位相、ドップラーなどのようなそれらの特性とともに組み合わせることができ、タグの可能な位置を推測するために使用される。しかしながら、異なるアンテナ130によるRFIDタグ110のそのような読み取りを経時的に観察することにより、本明細書に記載するシステムの効率を改善することができる。
【0020】
例示的な実施形態では、セッションが、特定のチェックアウトトンネル140内の制限された時間隔によってマークされた4次元部として定義され、例示的な実施形態は、異なるセッションにあるRFIDタグ110を正確に識別するように設計される。言い換えれば、例示的な実施形態は、特定の時間隔において、チェックアウトトンネル140内のRFIDタグ110の存在を識別する。複数のセッションは、ある時間隔にわたって重複することができ、例示的な実施形態は、各セッションに対するRFIDタグ110の正しい割り当てを決定する。したがって、例示的な実施形態は、異なるアンテナ130からの干渉を、これらのセッションが分離可能であるように処理する。
【0021】
例示的な実施形態は、3次元空間内の各トンネル140をそれ自体で分離し、さらにマルチセッションチャレンジに対処する。例示的な実施形態は、セッション内に配置されるすべてのタグを識別し、それ以外は何も識別しない。したがって、いくつかの例示的な実施形態は、RFIDタグ110がセッション外と見なされるように(セッション内にあると最終的に判定されない場合)、トンネル140の近傍の可能なタグ(例えば、RFIDタグ110-1およびRFIDタグ110-4)を処理する。他の実施形態では、トンネル140の周りの所定の灰色(または決定的でない)領域内にあるRFIDタグが別々に識別され、システムを介して警告が提供される。さらに、例示的な実施形態は、特定のセッションに関連する項目を正しく識別するために、同じトンネル140上に戻って実行されている2つの異なるセッションを論理的および/または物理的に分離することができる。
【0022】
次に図2を参照すると、本発明の一実施形態による、3次元空間におけるRFIDタグの逐次検出ベースの分類のための高レベルシステムが例示的に示されている。
【0023】
3次元空間におけるRFIDタグの逐次検出ベースの分類のための例示的なコンピュータシステム(例えば、サーバまたはネットワーク装置)が、本発明の一実施形態に従って示される。コンピュータシステム200は、システムバス202を介して他の構成要素に動作可能に結合された少なくとも1つの処理装置(CPU)205を含む。キャッシュ206、リードオンリーメモリ208、ランダムアクセスメモリ210、入力/出力(I/O)アダプタ220、ネットワークアダプタ290、ユーザインタフェースアダプタ250、クラスタモデリング装置270、クラスタ管理装置280およびディスプレイアダプタ260は、システムバス202に動作可能に結合することができる。
【0024】
第1の記憶装置222および第2の記憶装置229は、I/Oアダプタ220によってシステムバス202に動作可能に結合することができる。記憶装置222および229は、ディスク記憶装置(例えば、磁気または光ディスク記憶装置)、ソリッドステート磁気装置などのいずれであってもよい。記憶装置222および229は、同じタイプの記憶装置であっても、異なるタイプの記憶装置であってもよい。記憶装置222および229のいずれかまたは両方を、RFIDデータ272の様々なログ(例えば、セッションベースのRFIDリーダデータ272)を記憶するためのデータストアまたはデータベースとして動作するように構成することができる。メトリックベースの分類装置270、およびマクロチャネルモデリング装置280は、本明細書で以下に説明するように、ソフトウェアおよび/またはハードウェアを含むことができる。
【0025】
トランシーバ295は、ネットワークアダプタ290によってシステムバス202に動作可能に結合することができる。ディスプレイ装置262は、ディスプレイアダプタ260によってシステムバス202に動作可能に結合される。RFID(リーダ)データ272は、例えば、メトリックベースの分類装置270およびマクロチャネルモデリング装置280を介して、システムバス202に直接的または間接的に動作可能に結合され得る。マクロチャネルモデリング装置280は例えば、図4に関して以下で説明するように、マクロチャネルモデルの遷移確率を明示的に記述することによって、マクロチャネルモデルを定義するように構成することができる。メトリックベースの分類装置270は、RFIDリーダデータ272を(例えば、リアルタイムで)受信し、トンネル140と名付けられた事前定義された3次元境界のいずれかの中にあるための観測セット内の各タグの(RFID)メトリックを見つけ、次いで、例えば、図3図8に関して以下で説明するように、順次検出アルゴリズムにおいて所与の閾値と比較される尤度比の形でRFIDメトリックを使用するように構成することができる。
【0026】
第1のユーザ入力装置252および第2のユーザ入力装置259は、ユーザインタフェースアダプタ250によってシステムバス202に動作可能に結合することができる。ユーザ入力装置252および259は、センサ、キーボード、マウス、キーパッド、ジョイスティック、画像キャプチャ装置、動き検出装置、電力測定装置、マイクロフォン、前述の装置のうちの少なくとも2つの機能を組み込んだ装置などのうちの任意のものとすることができる。もちろん、本発明によれば、他のタイプの入力装置を使用することもできる。ユーザ入力装置252および259は、同じタイプのユーザ入力装置または異なるタイプのユーザ入力装置とすることができる。ユーザ入力装置252及び259は、システム200との間で情報を入出力するために使用することができる。
【0027】
本発明の他の実施形態は、グラフィック処理ユニット(「GPU」)、マザーボード、または別の記憶媒体、オペレーティングシステム、1つ以上のアプリケーションソフトウェア、ならびに1つ以上の通信インターフェース(例えば、RS232、イーサネット、Wi-Fi、Bluetooth、USB)を含むさらなる処理ユニットを任意に含むことができる。本発明の実施形態に任意選択で含まれるか、またはそれと一体化可能なコンピューティングデバイスの有用な例には、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ラップトップ、モバイルコンピューティングデバイス、タブレットPC、およびサーバが含まれるが、これらに限定されない。本発明の実施形態によれば、イベントレコードログソースは、コンピュータ記憶媒体とすることができる。
【0028】
もちろん、コンピュータシステム200は、当業者によって容易に企図されるように、他の要素(図示せず)を含むこともでき、特定の要素を省略することもできる。例えば、当業者によって容易に理解されるように、他の様々な入力装置および/または出力装置を、その特定の実装に応じて、コンピュータシステム200に含めることができる。例えば、様々なタイプの無線および/または有線の入力および/または出力装置を使用することができる。さらに、様々な構成の追加的なプロセッサ、コントローラ、メモリなども、当業者には容易に理解されるように利用することができる。コンピュータシステム200のこれらおよび他の変形は、本明細書で提供される本発明の教示を前提として、当業者によって容易に企図される。
【0029】
複数のコンピューティングデバイスは、クラスタ化されたコンピューティングデバイスおよびサーババンク/ファームなどの1つ以上のリソースを分散および共有するような方法で、コンピュータネットワークを形成するために動作可能にリンクすることができることが理解されるべきである。本発明の実施形態では、前述の要素(例えば、装置、媒体、ソース、またはモジュール)の各々は、システムの少なくとも1つの他の要素に(例えば、無線、有線電気接続を介して)直接的または間接的に通信可能に接続することができる。以下により詳細に記載されるように、本発明のいくつかの実施形態は、単一のコンピューティングデバイス内に完全に含まれ得る。しかしながら、他の実施形態は、複数の相互接続された又はネットワーク化された装置及びリソースを包含することができる。
【0030】
図3は、例示的な実施形態に従った、RFIDタグの確率的分類を決定するように構成された確率的分類システム300を示すブロック図である。
【0031】
図3に示されるように、確率的分類システム300は、メトリックベースの分類装置270と、マクロチャネルモデリング装置280とを含み、RFIDリーダデータ272を(例えば、チェックアウトトンネル140から、および/または代替として、格納されたトレーニングデータセットから)受信する。
【0032】
RFIDタグ110の応答は、送信周波数、送信電力、アンテナポート番号のようなRFIDリーダ120のパラメータ及び処理、並びに反射及び吸収のような環境効果の関数である。したがって、RFIDリーダ120(例えば、インタロゲータ)によって受信された応答は、本質的に確率的である。これは、RFIDリーダ120によって使用される同じパラメータの組のもとでさえ、例えば、近くのRFIDタグ110の近接性、および、全く応答がない可能性を含む(例示として、図1のRFIDタグ110-2および110-3のような、(異なるが)同様に配置されたRFIDタグ110のための)異なる応答の生成に影響を及ぼすRFIDタグ110の向きなど、多くの他のパラメータがあることを意味する。例えば、第1のタグからの応答は、第1のタグの向き(または角度)、および第2のタグ、第3のタグなどの近くのタグの存在(または実在)など、他のパラメータの関数である。
【0033】
以下では、例示的な実施形態が、与えられたインタロゲーションシナリオおよび特定されたパラメータの下で、受信された応答の抽象概念であるマクロチャネルを定義する。次いで、例示的な実施形態は、異なる領域、すなわちチェックアウトトンネル140内のタグを分類するために使用される技術を実現しつつ、抽象化を使用する。
【0034】
例示的な実施形態は、干渉を低減するために、ならびにチェックアウトビンに属さないアイテム(例えば、単一の支払エンティティに関連付けられたエリア、バスケットなどに含まれる)を読み取る際に誤りを生じる可能性を除去するために、無線信号を制限するRFIDシステムを提供する。例示的な実施形態は、顧客が自分のショッピングバスケット上に(例えば、チェックアウトトンネル140内に)保持する異なる物品と、顧客がいくつかの物品を購入することを決定し、他の物品についての決定を行わなかった、チェックアウトトンネル140内に(例えば、完全に)配置されていない物品とを区別しながら、一度に物品を直接スキャンすることなく、すべての物品を読み取ることを容易にする。システムを盗難防止システムと統合することにより、物品が処理されると、自動的に物品(RFIDタグ110)が警告を送信しないようにすることができる。
【0035】
いくつかの例示的なシナリオでは、顧客がチェックアウトステーションにいる間、他の商品(例えば、RFIDタグ140)がチェックアウトステーションの近傍に存在する(例えば、上述の図1に戻って参照すると、RFIDタグ110-1、110-4、および110-5)。例示的な実施形態は、RFIDリーダ120からの信号が特定のセッションに関連するような物品(例えば、RFIDタグ110)に到達して識別することを防止し、したがって、望ましくない(または不正確に割り当てられた)RFIDタグ110を読み取ることからチェックアウトプロセスの中断を防止する。
【0036】
例示的な実施形態は、(1つのチェックアウトステーションからの読み取りが別のチェックアウトステーションからの読み取りを妨害する可能性があるので)店舗の1つのエリア内に近接して配置された複数のチェックアウトステーション間の干渉を低減するために使用することができ、したがって、チェックアウトステーション間のピッチをより狭くすることができる。例示的な実施形態は、より小さいフロアスペース内に複数のチェックアウトステーションを実装するために使用することができる。複数のリーダ間の干渉を防止することに加えて、例示的な実施形態は、誤って近くのステーションからタグを読み取ること、および現在のRFIDリーダ120およびチェックアウトトンネル140に関連する物品に向かってRFIDタグ110をカウントすることを防止する。
【0037】
例示的な実施形態は、係員がRFIDベースのチェックアウトを行う必要性を軽減する。例示的な実施形態は、手持ちRFIDリーダ(図示せず)などの、限定された読み取り距離を有する手持ち機器に係員を有することと同様の利点を提供する。よく訓練された係員が物品をスキャンするために必要とされる近接性を決定することができ、したがって、すべての物品(おそらく一度に複数)を正しくスキャンすることができ、手持ちRFIDリーダを、手持ちRFIDリーダが不要な物品を拾い上げる可能性がある領域に近づけることを回避することができる同様の方法で、例示的な実施形態は、RFIDタグ110がスキャンのために適切な領域(例えば、チェックアウトトンネル140)内にあることを顧客に通知するために、定義された領域および自動フィードバック機構を提供することができる。また、例示的な実施形態は、例えば、RFIDリーダ120がスキャンしようとする物品の所定の近接内にあるときに、RFIDリーダ120が有効にされる視覚的にマークされた領域と組み合わせることができる(また、その逆もまた、顧客は、スキャンのために適切な領域内にRFIDタグを持ち込んだ)。
【0038】
図4は、例示的な実施形態による、マクロチャネルモデルを決定するように構成されたコンポーネント270を示すブロック図である。
【0039】
マクロチャネルモデリング装置270は、マクロチャネルモデルの遷移確率を明示的に記述することによってマクロチャネルモデルを定義する。マクロチャネルモデリング装置270は、遷移確率
【数1】
を有する離散メモリレスチャネルとしてのマクロチャネルモデルの抽象化を分析し、ここで、チャネル出力yは、受信信号強度(RSSI)、受信信号と送信信号との間の位相差、受信信号のドップラーシフト、およびおそらく1つのマクロチャネル使用を構成する所与のインターバルにおける受信パケットの数などの受信信号属性のベクトルである。また、チャネル入力xは、N個のアンテナポートを含むRFIDシステムのための設定{a1、a2、...、aN}、タグを問い合わせるために使用される周波数、および送信電力から、その値を取得するアンテナポートのようなタグを問い合わせるためにRFIDリーダ120によって使用される属性から成るベクトルである。この文脈におけるアンテナポートは例えば、フェーズドアレーアンテナ130として、複数のアンテナ素子に接続され、複数のアンテナに同時に給電されてもよく、又は、単一の物理アンテナ素子130に駆動するために使用されてもよいことに留意されたい。同様に、例示的な実施形態例は、複数のアンテナ130にわたって異なるビーム形成ベクトルを使用することによって、アンテナポートのセットを定義することができる。
【0040】
マクロチャネルモデリング装置270は、マクロチャネルの定義を使用して、n個のタプルとして表されるチャネルのn回の使用から成る符号語
【数2】

【数3】
の形態で送信し、出力
【数4】
を観測することによって、この観測に関連付けられる可能性が高いチャネルを見つけるという問題を(例えば、目標を設定する)として定式化する。
【0041】
マクロチャネルモデリング装置270は、有限集合に対する一組のチャネル
【数5】
上で、どの対の
【数6】
が同時典型であるかを発見するように、最も可能性の高いチャネルを発見する過程を定式化する。符号語長が長くなるにつれて、チャネル遷移関数が別個であるとき、そのような同時典型復号は、エラーを減少することを招く。タグの位置を見つけることの問題は、チャンネルインプットが
【数7】
であれば、どのチャンネルがアウトプット
【数8】
を生成する可能性が高いかを見つけることと同一であることに留意する。
【0042】
チャネル確率の分布間の距離は、次のように定義されるカルバックライブラー情報量を適用することによって決定できる。
【0043】
【数9】
【0044】
インデックスiおよびjは、2つの異なるチャネル、すなわち、チャネルiおよびチャネルjを指す。f(a|b)は、bが送信されるときのaを受信できる条件付き確率、またはチャネルがbによって励起されるときのaを受信できる条件付き確率であるチャネル遷移確率である。チャネル遷移確率の対の間の距離が大きいほど、符号語長が大きくなるにつれて復号化アルゴリズムの収束が速くなる。KL距離は、伝送のために選択された符号語
【数10】
の関数である。したがって、システムを最適化するために、例示的な実施形態は、関心のあるチャネルのすべての対の間の最小KL距離を最大にする送信符号語をピックアップする(たとえば、受信する、識別するなど)。
【0045】
例示的な実施形態は、類似の挙動を有する近傍のチャネルの決定に基づいて(例えば、類似性の閾値に基づいて)、チャネルの有限集合に集中する。この類似性は、例えば、本明細書で上述した距離
【数11】
に基づいて定義することができる。チャネルセット
【数12】
のチャネル数が小さいほど、KL距離の最大化が容易になる。したがって、より小さい符号語を使用して正しいチャネルを見つけることがより容易である。言い換えると、タグの位置を見つけるために、異なるアンテナから送信するために使用される時間が少なくなる(チャネルセット内のチャネル数が少ない場合)。
【0046】
しかしながら、同時に、チャネルセット
【数13】
のチャネルの数が少ないほど、タグの実際の位置を見つける際の復号アルゴリズムの分解能は低くなる。
【0047】
さらに、KL距離がゼロでない限り、十分に長い符号語に対して、すべてのチャネルで区別可能であるという保証があり、チャネルセット
【数14】
のチャネルの分解能に基づいて行われる分割内でタグ位置を識別できる。
【0048】
図5は、例示的な実施形態による、メトリックベースの分類を実装するように構成されたメトリックベースの分類装置270を示すブロック図である。
【0049】
例示的な実施形態は、(情報理論で定義されるような)同時典型的な(実際には困難であり得る)復号の代わりに、通信チャネルにおいて有限の符号語長を有する線形符号を適用する。メトリックベースの分類装置270は、特定のチェックアウトトンネル140内のRFIDタグ110を見つけるための復号プロセスにおいて、同じ(線形コード)を適用することができる。このセクションでは、例示的な実施形態が、少数の観察で動作することができる(例えば、適用可能であり、効率的であるなど)簡略化されたプロセスを実施する。メトリックベースの分類装置270は、チェックアウトトンネル140と名付けられた所定の3次元境界のいずれかの中にあるために、所定の観測セット内の各RFIDタグ110のメトリックを見つけるように構成される。メトリックの値は、RFIDタグ110が所与のチェックアウトトンネル140内にある可能性または確率を表す。
【0050】
メトリックベースの分類装置270は、そのようなメトリックを、RFIDタグ110が特定のチェックアウトトンネル140内にある尤度として解釈することができる。メトリックベースの分類装置270は、次いで、この尤度を、順次検出工程において所与の閾値と比較される尤度比の形態で使用することができる。メトリックベースの分類装置270は、(例えば、耐えられない、望ましくないなどの)遅延を回避するために、順次検出処理を中断することができる。これらの例では、メトリックベースの分類装置270が、最大時間前に各所与の時間に、RFIDタグ110がチェックアウトトンネル140(外部RFIDタグ110を表すトンネル140を含む)のうちの1つに割り当てられることができるように、ならびに、その瞬間、未決定のままである(特定のトンネルに含まれるべきかどうか)ように、順次検出のためのしきい値を修正することができる。しかしながら、最大時間に達したときの閾値の最終セットは、チェックアウトトンネル140のうちの少なくとも1つを含まなければならず、処理はそのような決定によって終了されなければならない。
【0051】
セッションは、最大セッション継続時間に達する前に終了する可能性があることに留意する。例えば、メトリックベースの分類装置270は、例えば、関数を計算し、それを閾値と比較することによって、トリガメカニズムを介してセッションを終了することができる。あるいは、メトリックベースの分類装置270が未払いの読み取り値を有するすべてのタグが分類されるとすぐに、メトリックベースの分類装置270がセッション終了を決定することができる。
【0052】
メトリックベースの分類装置270は、タグを少なくとも2つのクラス、例えば所定のチェックアウトトンネル140の内部または外部に分類するためのセッションを(例えば、セッション概念(コンポーネント)310を介して)定義することができる。いくつかの実施形態では、追加のクラスがチェックアウトトンネルへの二次トンネル、例えば、価格チェックトンネル、返品トンネルなどを含むことができる。対応する領域は、物品がどこに配置されるべきかを示すように、店内で視覚的にマークされ得る。例示的な実施形態によれば、システムは、RFIDタグ110を有する異なる物品がどこに配置されるかに基づいて、顧客の差引残高を自動的に更新することができる。セッション概念310はまた、複数のトンネル140を同時に分類するためのセッションを定義するために使用され得る。RFIDタグ110を、例えばセットA内のクラスとセットB内のクラスに分類するための2つの別々のセッションが重複している場合、一方のセッションの終了時刻を他方のセッションから分離することは困難である。これは、特に、任意のアンテナ130からの任意の読み取り値が、これまで分類できなかったRFIDタグ110に対する未払いの読み取り値を構成する場合に発生する。したがって、通常、同時セッションは、ほぼ一緒に(同時に)終了する。また、セッションがまだ閉じられていない場合、新しいセッションの開始によって現在のセッションの継続時間が長くなることがある。
【0053】
例示的な実施形態によれば、多くの場合、セッション概念310は、一方が最大遅延に到達する前の時間であり、他方が最大時間に到達するときの時間である、2つの固定された閾値のセットのみを使用するストラテジーを実装することができる。しかしながら、例示的な実施形態における逐次検出のための閾値は、場合によっては、時間の関数であってもよいことに留意されたい。セッション概念310は、中断された逐次検出の要求を満足するだけでなく、最適な誤警報と検出確率に関して収束(ROC)曲線の最適領域を達成するために、動的しきい値方式を使用できる。
【0054】
メトリックベース分類装置270は、(例えば、メトリック組み合わせ(コンポーネント)330を介して)そのようなメトリック関数を分析し、メトリックを組み合わせる可能な方法を決定することができる。メトリックの正式な定義(例えば、メトリック定義(コンポーネント)320を介して)およびその計算に従う前に、メトリックベースの分類装置270は、(例えば、セッション概念(コンポーネント)310を介して)メトリックベースの分類処理の定義に不可欠なセッションの概念を定義する。
【0055】
図6は、例示的な実施形態による、セッション概念を実装するように構成されたセッション概念コンポーネント310を示すブロック図である。
【0056】
メトリックベースの分類は、所与の時間にわたって定義される。この時間はセッションと呼ばれる。セッションは通常、開始時間と最大時間を持つ所定の時間窓である。最大セッション時間は、分類のための最大許容遅延に関連する。
【0057】
したがって、大部分の(および一部の実施形態では、すべての)例において、セッション概念310は、セッションの所与の長さを必要とせず、最大許容セッション継続時間の間はいつでもセッションを終了することができる。この処理は、例えば、先に論じた逐次検出処理を介して実行される。
【0058】
しかしながら、セッション開始時間312は、RFIDタグ110の正しい分類において重要な要素である。開始時間は、(メトリックベースの分類装置270によって実施される)分類処理によって受信される、外部処理または外部信号によってトリガされてもよい。そして、分類処理は、そのようなセッション開始時間312を使用して、セッション開始時間312から現在の時間までの因果的に知られている時間窓にわたるメトリックを計算する。
【0059】
分類処理は、RFIDタグ110を経時的に独立に分類することができ、読取値がRFIDリーダ120によって受信されるときに、各RFIDタグ110に対するメトリックスが経時的に動的に計算される。したがって、メトリックベースの分類装置270は、所定のRFIDタグ110のメトリックがしきい値を超えるとすぐに、決定を動的に実行する。
【0060】
あるいは、分類処理が時間の経過に伴ってタグ依存性を使用することができ、メトリックベースの分類装置270がセッションを終了することを決定しないが、時間の経過に伴って、すべてのタグが共同で分類される。いくつかの例示的な実施形態では、セッションの終了後に、メトリックベースの分類装置270は後に(セッションの終了後に)受信された新しい観測がセッション時間中に実行された分類を変更できるように、分類のパラメータを保存することができる。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、セッションの開始前の観察を、独立した分類の場合にメトリックを初期化する方法として使用することもでき、またはそのような観察を、RFIDタグ110を分類するためにセッション中に新しい観察と併せて使用することができる。セッションの前または後の観測は、ウォークスルーゲート(WTG)システムおよびそれらの関連するアンテナ130ならびに外部アンテナ130から到来してもよい。WTGは、ソフトウェアおよびハードウェア構成要素、例えば、床上の視覚標識、光などを含むことができる。
【0061】
そのような使用事例の一例は、顧客がWTG(例えば、チェックアウトトンネル140に対応する)を通過する間のチェックアウトプロセス中に、メトリックベースの分類装置270が、所与のWTGまたはチェックアウトトンネル140内のチェックアウトビンの含有量を見つけることを決定する場合である。しかしながら、遅延課金も可能な場合には、セッション時間中に実行された読取値を超えてシステムに利用可能となるRFIDリーダデータ272を、場合によってはチェックアウトビンを再分類するために使用することができる。
【0062】
それゆえ、分類プロセスにおけるハード決定の前のメトリックまたはジョイントメトリックのソフト値は、特にそれらの状況において有用である可能性がある。その理由は、このメトリックがセッション期間内に収集された情報の抜粋として使用される可能性があり、そのようなソフト出力の変更は単なるハード決定を使用するよりも意味がある(たとえば、より正確)ためである。
【0063】
セッションは、最小セッション期間314を設定することもできる。最小セッション継続時間314についてのそのような制約は、特にRFIDタグ110が独立して分類されるRFIDタグ110の早期分類を回避するメカニズムを提供する。最小セッション期間314を使用すると、メトリックベースの分類装置270は、そのような最小セッション期間314の前に分類が実行されないことを保証することができる。
【0064】
アプリケーションによっては、セッション開始時間312を動的に定義することもできる。例示的な実施形態によれば、メトリックベースの分類装置270は、RFID読取値の関数(例えば、同じまたは異なるメトリック)を使用して、閾値を超えた場合にそのようなセッション開始時間312をトリガすることができる。代替の実施形態は、セッション開始時間312が常に現在の時間の前の一定の時間である場合であり、分類がこの一定の時間窓内で実行される。そのような場合、当然ながら、最大または最小セッション時間は定義されなくてもよい。メトリックベースの分類装置270は、そのような実行中の窓セッションを使用して、yについてのRFIDタグ110を分類することができる。そのような分類の一例は、カウンタートップチェックアウト又はビンチェックアウトベースのシステムにおけるRFIDタグ110の分類であり、そこでは、アイテムを自由に追加又は削除することができる(例えば、ビン又はカウンタートップ)。
【0065】
最後に、先に定義された実行中の窓は、各サンプルまたはメトリックの重要性を時間重み付けする正の窓関数を含むことができることに留意されたい。例えば、メトリックベースの分類装置270は、窓関数を使用して、窓上のメトリックの計算に重みを追加し、古いサンプルよりも最近のサンプルを強調することができる。
【0066】
図7は、例示的な実施形態による、メトリックの定義を決定し、実装するように構成されたメトリック定義コンポーネント320を示すブロック図である。
【0067】
メトリック定義コンポーネント320は、その電子製品コード(EPC)によって示される任意のRFIDタグ110を
【数15】
とみなす。窓時間
【数16】
によって示されるセッション中に、入力がxiによって示され、対応する出力が
【数17】
によって示されるW個の読取値があると仮定する。入力は、リーダ送信電力、使用される周波数、アンテナポート、およびおそらく他のリーダ設定パラメータを含むベクトル322であり、出力は、受信信号強度(RSSI)、受信信号と送信信号との間の位相差(位相)、ならびにドップラーシフト、およびおそらく直接に測定または計算される他の受信信号属性、たとえばリーダからのタグの推定距離である。
【0068】
与えられたトンネルTに対するそのような読み取りの各々に関連する実数があり、それは読取値
【数18】
とセッションTに対するメトリックとして定義される。メトリック324は関数
【数19】
によって表される。同様に、表記法の乱用を用いて、メトリック324は任意の組の読取値
【数20】
および
【数21】
に対して定義することができ、
【数22】
によって適宜される。一般に、メトリック324は、任意の個数の読取値、例えば、経時的には、
【数23】
に対して定義することができる。
【0069】
用語「シングルトン(singleton)」は、単一の読取値、例えば、
【数24】
を参照する。同様に、用語「対(pair)」は、1組の読取値
【数25】
を参照し、メトリック定義コンポーネント320は、n次読取値を使用して、n個の読取値
【数26】
を参照する。
【0070】
メトリックmのトンネルへの依存性と、読取値
【数27】
からなる任意のnタプルは、トンネルに依存しないメトリック関数への重みの乗算と見なされる線形関数として単純化できる。
【0071】
例えば、
【数28】
である。
【0072】
トンネルTおよびタグ
【数29】
のメトリックは、以下のように定義される。
【0073】
【数30】
【0074】
ここで、2Wは、nタプルの要素が常に昇順である集合Sの全nタプルの要素からなる集合Wの冪集合である。Mは、トンネルTに関し、所与の
【数31】
に対する全てのメトリックの合計である。
【0075】
例示的な実施形態によれば、メトリック定義コンポーネント320は、メトリック計算をシングルトンのみに集中させる。
【0076】
【数32】
【0077】
あるいは、読取値の対を含むようにそれを拡張する。例えば、
【数33】
である。
【0078】
なお、
【数34】
の定義は、アンテナ130の各対を一度だけ含むように修正可能であり、例えば、アンテナ対130
【数35】
が類似する
【数36】
に対して、すべての考えられる対
【数37】
のうち、メトリック定義コンポーネント320は1つの対のみを、例えば、無作為に、または最大RSSIを有するものみを選択する。
【0079】
1つの例示的な実施形態では、メトリック定義コンポーネント320が、読取値1、2、...、nにおけるトンネル140およびアンテナ130の関数であるように重み関数w(.)をさらに単純化する。これは、各タグ
【数38】
ごとのメトリックの算出が、m(.)を計算し、次に、異なるトンネル140に対するメトリックを見つけるためにm(.)の異なる線形結合を見つけるのに十分であるという点で単純化されることを意味する。この処理は、行列が各トンネルごとの異なる行からなるベクトルによる行列の乗算と見なすことができ、そのベクトルは、シングルトン、対、または場合によってはより高次の読み取りベクトルのための関数m(.)のすべての値の列ベクトルからなる。
【0080】
ここで述べたすべての場合のメトリック関数
【数39】
は、単純な再帰を用いて動的に計算できることに留意する。
【数40】
の値が読取値
【数41】
まで既知であると仮定すると、その結果、そのようなメトリックの差分変化は、新しい読取値にのみ依存する。
【0081】
シングルトン
【数42】
による差分変化は、
【数43】
であり、対に関係する差分変化は、メトリック定義コンポーネント320によって計算できる形態
【数44】
の読取値の対に対してのみである。同じ手順を、より高次の読取値に使用することができる。
【0082】
図8は、例示的な実施形態による、メトリックの組み合わせを決定するように構成されたメトリック組み合わせ(コンポーネント)330を示すブロック図である。
【0083】
メトリック組み合わせ(コンポーネント)330は、異なる演算を使用してメトリックを組み合わせることができる。例示的な実施形態によれば、メトリック組み合わせ(コンポーネント)330は、実数集合□内のメトリックを割り当て、実数加算を使用する。さらなる例示的な実施形態によれば、メトリック組み合わせ(コンポーネント)330は、メトリックの計算において窓関数
【数45】
を加算する。ここで、tは現在時刻を示し、tiは、iを読み取る時刻を示す。したがって、メトリック
【数46】
は、次のように書き直すことができる。
【0084】
【数47】
【0085】
別の可能性は、読み取りが行われるときに起こるアクション励起窓関数を使用することである。例えば、外部アンテナ130からの読取値が受信されると、メトリック組み合わせ(コンポーネント)330は、アクション励起窓関数を使用して、内部アンテナ130からの読取値を無効にすることができる。時間
【数48】
に起こったアクションに対するアクション励起窓関数
【数49】
によるメトリック
【数50】
の修正は、次のように書き直すことができる。
【数51】
【0086】
なお、アクション励起窓関数
【数52】
は、
【数53】
前の時間またはその時間
【数54】
後の時間に対して定義することができ、アクション励起窓関数は、アクション励起時間
【数55】
の前後の両側で拡張することができる。また、この関数は、そのような窓時間内で0であり得、それは、この時間内の他の読取値が無視されることを意味することに留意されたい。これはまた、特定のアンテナ130、および所与のRSSI範囲で、特定の周波数でのRFIDタグ110の読み取りなど、他の何らかの影響のために、特定の時間窓での読み取りを無効にすると解釈することもできる。
【0087】
本発明のいくつかの例示的な実施形態では、確率の形態であるメトリック関数を使用することができる。したがって、メトリックの組み合わせ(コンポーネント)330は、確率値に関連した属性を保存する加算関数を定義することができる。この目的のために、メトリック組み合わせ(コンポーネント)330は、以下のように定義される合計を使用して合計をとることができる。
【0088】
【数56】
【0089】
この演算が、確率の集合、例えば区間[0,1]内の実数値に対して定義されると、演算は閉じられる。また、この演算は、連想、可換であり、識別要素、例えば、0を有する。しかしながら、アベール群を形成するためには、メトリック組み合わせ(コンポーネント)330は、各構成要素の緊密さを保ち、逆の要素を加えるために、その群を例えば1以下の実数の群、例えば
【数57】
に拡張する必要がある。
【0090】
メトリックの組み合わせ(コンポーネント)330は、この拡張を使用することができ、例えば、内側(チェックアウトトンネル140)にあるRFIDタグ110のための外側アンテナ130からの読み取りは、メトリック全体に負の値を追加し、同じRFIDタグ110のための内側アンテナ130からの読み取りは、メトリック全体に正の値を追加する。しかしながら、確率に関しては、システムが1より大きい数に到達するために、複数の確率を追加することは決してできない。したがって、メトリック組み合わせ(コンポーネント)330は、
【数58】
におけるそのような演算下のμの値を、確率または対数尤度関数の対数として扱う。
【0091】
図9は、本発明による、3次元空間におけるRFIDタグの逐次検出ベースの分類のためのシステム/方法500を示す流れ図である。
【0092】
ブロック510で、確率的分類システム300は、RFIDタグ110からの応答を、例えば、上述の図4に関して説明したように、確率的マクロチャネルとしてモデル化する。例示的な実施形態によれば、確率的マクロチャネルは、RFIDタグおよび少なくとも1つのアンテナの位置に依存する。別の実施形態によれば、確率的マクロチャネルは、送信アンテナポート、受信アンテナポート、および励起周波数に依存する。別の実施形態によれば、確率的マクロチャネルは、送信信号電力および受信信号対雑音強度に依存する。さらなる実施形態によれば、確率的マクロチャネルは、送信信号と受信信号との間の、位相差およびドップラーシフトの関数である。
【0093】
ブロック520で、確率的分類システム300は、一連のパケットを送信することによってRFIDタグに問い合わせ、各パケットは送信シンボルとみなされ、一連のパケットは送信された符号語である。
【0094】
ブロック530で、確率的分類システム300は、送信した符号語に応答して受信した符号語である一連のパケットを受信する。
【0095】
ブロック540で、確率的分類システム300は、全てのクラスにわたる同時典型送受信符号語を見つける。確率的分類システム300は、シンボルが受信されるときに、各クラスについて送信された信号と受信された信号との間の尤度を逐次的に計算することができる。確率分類システム300は、時間依存関数を使用して尤度を計算してもよい。
【0096】
ブロック550で、確率的分類システム300は、送信符号語と受信符号語との間の最大尤度に基づいてRFIDタグのクラスを宣言する。確率的分類システム300は、RFIDタグがクラスに属するかどうかを宣言するために、それぞれの尤度を閾値と比較することができる。
【0097】
上記はあらゆる点で例示的かつ典型的であるが、限定的ではないと理解されるべきであり、本明細書に開示される本発明の範囲は詳細な説明からではなく、むしろ特許法によって許容される全範囲に従って解釈されるような特許請求の範囲から決定されるべきである。本明細書に示され、説明された実施形態は本発明の例示にすぎず、当業者は本発明の範囲および精神から逸脱することなく、様々な修正を実施することができることを理解されたい。当業者は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、様々な他の特徴の組み合わせを実施することができる。このように、本発明の態様を、特許法によって要求される詳細および特殊性と共に説明してきたが、特許証によって保護されることが請求され、望まれるものは添付の特許請求の範囲に記載されている。
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